JP4628186B2 - ガラスエッチング用レジスト樹脂組成物及びガラス基板エッチング方法 - Google Patents

ガラスエッチング用レジスト樹脂組成物及びガラス基板エッチング方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガラスをエッチングする際に、所望の領域のみを選択的にエッチングするためにガラス基板などの上に設けられるレジスト膜を形成することができるガラスエッチング用レジスト樹脂組成物及びこれを用いたガラス基板エッチング方法に関するものである。
従来より、ガラス表面をエッチングする方法としては、微細な砂をガラス表面に吹き付け、表面を削り取るサンドブラストなどの方法が採用されている。しかしながら、このような方法によれば、ガラス自体に傷が付きやすくなり、傷が付くと脆くなり損傷しやすくなるなどの問題を生じる。
ところで、このようなガラスエッチングにより形成された凹凸を有するガラスが必要とされる分野としては、近年脚光を浴びている有機EL素子の分野が知られている。有機EL素子においては、素子を封止するため、ガラス板からなる封止カンが用いられている。このような封止カンの加工においては、緻密で精度の高いエッチング加工を行う必要がある。ところで、金属のエッチングや、メッキ等の分野においては、レジスト膜を用いた画像形成方法が従来より用いられている(特許文献1及び2など)。
しかしながら、これらのレジスト膜に用いられている感光性樹脂組成物は、ガラスエッチングに適したものではなかった。すなわち、ガラスをエッチングする際には、エッチャントとして、一般にフッ酸が用いられるが、このようなフッ酸に対する耐性が十分ではなく、また精度の良い凹凸を形成することができないという問題がある。
特開2003−107695号公報 特開2004−138809号公報
本発明の目的は、フッ酸耐性に優れ、かつエッチングの解像度に優れたガラスエッチング用レジスト膜を形成することができるガラスエッチング用レジスト樹脂組成物及びそれを用いたガラス基板エッチング方法を提供することにある。
本発明は、少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する樹脂成分(A)を20〜90重量%、フィラー(B)を1〜30重量%、多官能性アクリルモノマー(C)を1〜60重量%、光重合開始剤(D)を0.1〜30重量%含有するガラスエッチング用レジスト樹脂組成物(但し、A,B,C及びDの合計が100重量%)であり、分子中に芳香族炭化水素基を8〜90重量%有し、かつ少なくとも1個以上のエチレン性不飽和結合基を有する樹脂成分(a1)と、分子中に芳香族炭化水素基を8〜90重量%有する多官能性アクリルモノマー(c1)との合計が、樹脂成分(A)と多官能性アクリルモノマー(C)の合計中に10〜100重量%含有されており、エポキシ基含有シランカップリング剤(E)をさらに0.3〜5重量%含有することを特徴としている。
本発明のガラスエッチング用レジスト樹脂組成物を用いることにより、フッ酸耐性に優れ、かつエッチングの解像度に優れたガラスエッチング用レジスト膜を形成することができる。
本発明のレジスト樹脂組成物においては、少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する樹脂成分(A)を20〜90重量%含有している。樹脂成分(A)は、エチレン性不飽和結合を有するものであり、紫外線等の照射により少なくとも2個のエチレン性不飽和結合が重合することにより、感光性を示す。エチレン性不飽和結合としては、アクリル基、メタクリル基が特に好ましい。
樹脂成分(A)は、またカルボン酸基などの酸基を有することが好ましい。このような酸基を有することにより、アルカリ溶液に可溶化させることができ、アルカリ現像性を付与することができる。
本発明においては、分子中に芳香族炭化水素基を8〜90重量%有し、かつエチレン性不飽和結合を有する樹脂成分(a1)と、分子中に芳香族炭化水素基を8〜90重量%有する多官能性アクリルモノマー(c1)との合計が、樹脂成分(A)と多官能性アクリルモノマー(C)の合計中に10〜100重量%含有されていることが好ましい。樹脂成分(a1)及び多官能アクリルモノマー(C)のそれぞれの分子中に含有される芳香族炭化水素基の量が8重量%未満であると、フッ酸耐性が不十分となる。芳香族炭化水素基の含有量が90重量%を超えると、現像性すなわちエッチングの際の解像度が低下する傾向にある。また、芳香族炭化水素基が多くなりすぎると、相対的にエチレン性不飽和結合の量が低下するので、フッ酸耐性が低くなる。
本発明においては、このような樹脂成分(a1)及び多官能性アクリルモノマー(c1)が樹脂成分(A)及び多官能性アクリルモノマー(C)の合計中に10〜100重量%含有されていることにより、良好なフッ酸耐性を有し、良好なエッチング解像度が得られる。樹脂成分(a1)及び多官能性アクリルモノマー(c1)の含有量が樹脂成分(A)及び多官能性アクリルモノマー(C)の合計中において10重量%未満になると、フッ酸耐性が不十分となる。本発明におけるフッ酸耐性とは、エッチングの際にレジスト膜がエッチャントであるフッ酸によってめくれにくくなり、より薄い膜厚のレジスト膜で所望の深さのエッチングが可能になることを意味している。
本発明においては、芳香族炭化水素基を所定量含有する樹脂成分(a1)及び多官能性アクリルモノマー(c1)を、樹脂成分(A)及び多官能性アクリルモノマー(C)の合計中に10〜100重量%含有させることにより、フッ酸耐性に優れたレジスト膜を形成することが可能になる。
本発明のレジスト樹脂組成物においては、エポキシ基含有シランカップリング剤(E)が0.3〜5重量%含有されている。シランカップリング剤(E)の含有量が0.3重量%未満であると、良好なフッ酸耐性が得られない場合がある。また、シランカップリング(E)の含有量が5重量%を超えると、レジスト樹脂組成物の貯蔵安定性が低下する場合がある。本発明においては、エポキシ基含有シランカップリング剤(E)を上記の量含有することにより、本発明のレジスト樹脂組成物から形成したレジスト膜のガラスへの密着性をより高めることができ、より良好なフッ酸耐性を得ることができる。
本発明のレジスト樹脂組成物においては、フィラー(B)が1〜30重量%含有されている。フィラー(B)の含有量が1重量%未満であると、良好なフッ酸耐性を得ることができない。また、フィラー(B)の含有量が30重量%を超えると、エッチングの際の現像性すなわち解像度が低下する。
本発明のレジスト樹脂組成物においては、光重合開始剤(D)が含有されており、その含有量は0.1〜30重量%の範囲内であることが好ましい。光重合開始剤(D)の含有量が0.1重量%未満であると、感光性が低下するとともに、良好なフッ酸耐性が得られない場合がある。光重合開始剤(D)の含有量が30重量%を超えると、エッチングの際の現像性すなわち解像度が低下する場合がある。
また、本発明のレジスト樹脂組成物においては、有機顔料(F)が含まれていることが好ましい。有機顔料の含有量としては、0.1〜10重量%の範囲内であることが好ましい。このように、有機顔料を含有させることによって、視認性を付加してもかまわない。
なお、本発明における上記各成分(A)〜(F)は、溶剤などを含まない固形分基準の含有量である。
本発明においては、上述のように、樹脂成分(A)中に樹脂成分(a1)が含有されているが、エチレン性不飽和結合を有し、かつ芳香族炭化水素基を有しない樹脂成分(a2)がさらに含有されていてもよい。
また、本発明においては、多官能性アクリルモノマー(C)中に、芳香族炭化水素基を有する多官能性アクリルモノマー(c1)が含有されているが、芳香族炭化水素基を有しない多官能性アクリルモノマー(c2)がさらに含有されていてもよい。
以下、樹脂成分(a1)、樹脂成分(a2)、多官能性アクリルモノマー(c1)、多官能性アクリルモノマー(c2)、エポキシ含有シランカップリング剤(E)、フィラー(B)、光重合開始剤(D)、及び有機顔料(F)について説明する。
<樹脂成分a1>
樹脂成分(a1)は、分子中に芳香族炭化水素基を8〜90重量%有し、かつエチレン性不飽和結合を有する樹脂成分である。樹脂成分(a1)の具体例としては、芳香族炭化水素基と酸基を有する重合体の酸基に、エチレン性不飽和結合とエポキシ基を有する化合物のエポキシ基を反応させて得られるものが挙げられる。
樹脂成分(a1)中に含まれるエチレン性不飽和結合の量は、樹脂成分(a1)中に含まれるエチレン性不飽和結合の量、1×10-4〜1×10-2mol/gの範囲である。樹脂成分(a1)中に含まれるエチレン性不飽和結合の量が、1×10-4mol/g未満であると、得られるレジストの光硬化性が不十分になりフッ酸に対する耐性が十分でなく、精度の良い凹凸を形成することができなくなるおそれがある。1×10-2mol/gを超えると、過度の硬化によりレジストのアルカリ水溶液に対する溶解性が低下することによって、アルカリ現像性やレジスト剥離性が困難となる場合がある。また、樹脂成分(a1)は、カルボン酸基などの酸基を有するものであることが好ましい。樹脂成分(a1)の酸価としては、30〜200mgKOH/gであることが好ましい。酸価が30mgKOH/g未満であると、アルカリ現像性やレジスト剥離性が低下し、200mgKOH/gを上回ると、光硬化部分までが溶解してしまうおそれがある。
芳香族炭化水素基と酸基を有する重合体としては、スチレンなどの芳香族炭化水素基を有するラジカル重合性モノマーと、カルボン酸基などの酸基を有するラジカル重合性モノマーと、必要に応じて他のモノマーを共重合させたものが挙げられる。
芳香族炭化水素基を有するラジカル重合性モノマーとしては、スチレン、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、2−アクリロイロキシエチルフタレート、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、2−アクリロイロキシプロピルフタレート、EO変性クレゾールアクリレート、エトキシ化フェニルアクリレート、ネオペンチルグリコールベンゾエートアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールメタクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールアクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコールメタクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコールアクリレート、EOHフェノキシアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコールアクリレート、フェノキシテトラエチレングリコールアクリレート、EO変性フタル酸メタクリレートなどが挙げられる。
酸基を有するラジカル重合性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、2−アクリロイロキシエチルフタレート、2−アクリロイロキシプロピルフタレート、EO変性フタル酸メタクリレート、EO変性コハク酸メタクリレートが挙げられる。
他のラジカル重合性モノマーとしては、アクリル酸エステル類(エチルアクリレート、ブチルアクリレート、セチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートなど)、メタクリル酸エステル類(メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボロニルメタクリレートなど)、さらに2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレートなどの水酸基を有するアクリル酸またはメタクリル酸エステル類が挙げられる。
上記重合体の重量平均分子量としては、5000〜100000の範囲内であることが好ましい。5000未満であると、光硬化前のレジスト被膜がタックを発生する場合が多い。100000を超えると、粘度が高くなりすぎるために、組成物製造時の作業性に問題を生じる場合がある。
エチレン性不飽和結合とエポキシ基を有する化合物の具体例としては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートが挙げられる。
また、樹脂成分(a1)として上記の具体例の他に、例えば、ビスフェノール型やクレゾールノボラック型のエポキシ樹脂に二塩基酸をハーフエステル化させた上、グリシジルアクリレートやグリシジルメタクリレートを導入させた組成物が挙げられる。この組成物の重量平均分子量も5000〜100000の範囲内であることが好ましい。5000未満であると、光硬化前のレジスト被膜がタックを発生する場合が多い。100000を超えると、粘度が高くなりすぎるために、組成物製造時の作業性に問題を生じる場合がある。
<樹脂成分a2>
樹脂成分(A)中には、エチレン性不飽和結合を有し、かつ芳香族炭化水素基を有しない樹脂成分(a2)が含有されていてもよい。
樹脂成分(a2)の具体例としては、例えば、エチレン性不飽和結合を分子中に少なくとも2つ有する化合物を挙げることができる。これらの化合物として、例えば、アクリル酸及びメタクリル酸メチルからなる共重合体の酸基にグリシジルアクリレートのエポキシ基を反応させて得られたものなどが挙げられる。
<多官能性アクリルモノマーc1>
多官能性アクリルモノマー(c1)の具体例としては、ビスフェノール骨格を有するものが挙げられ、より具体的には、ビスフェノール骨格を有するエポキシ樹脂に、アクリル酸やメタクリル酸などを反応させてエチレン性不飽和結合を導入させたものが挙げられる。
ビスフェノール骨格を有する多官能性アクリルモノマー(c1)としては、EO変性ビスフェノールAジアクリレート(EOモル数1〜4)、PO変性ビスフェノールAジアクリレート、変性ビスフェノールAジアクリレート、EO/PO変性ビスフェノールAジアクリレート、PO/テトラメチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールA・ジエポキシ・アクリレート酸付加物、EO変性ビスフェノールFジアクリレート、PO変性ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリレート、EO変性ビスフェノールAジメタクリレート(EOモル数1〜6)、EO/PO変性ビスフェノールAジメタクリレート、PO/テトラメチレンオキサイド変性ビスフェノールAジメタクリレート、PO変性ビスフェノールAジメタクリレート、PO変性ビスフェノールAジグリシジルエーテルジメタクリレートなど市販されているモノマーが使用できる。
<多官能性アクリルモノマーc2>
多官能性アクリルモノマー(C)中には、芳香族炭化水素基を有しない多官能性アクリルモノマー(c2)が含有されていてもよい。多官能性アクリルモノマー(c2)の具体例としては、ポリメチルプロパントリアクリレート、ジアクリル化イソシアヌレート、1,3−ブチレングリシジルジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、EO変性1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレートなど市販されているモノマーが使用できる。
本発明においては、分子中に芳香族炭化水素基を有する樹脂成分(a1)と、分子中に芳香族炭化水素基を有する多官能性アクリルモノマー(c1)とを所定量含有することにより、フッ酸に対する耐性が向上したガラスエッチング用レジスト樹脂組成物とすることができる。
<エポキシ基含有シランカップリング剤(E)>
本発明において用いるエポキシ基含有シランカップリング剤(E)としては、エポキシ基を有するシランカップリング剤であれば特に限定されるものではない。例えば、グリシジル基を有するトリエトキシまたはトリメトキシシラン化合物、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジエトキシシランなどが挙げられる。
エポキシ基含有シランカップリング剤(E)をさらに含有させることにより、Siによるガラス密着性とエポキシ/樹脂中の酸の反応により、より良好なフッ酸耐性が得られる。
〔フィラー(B)〕
本発明において用いるフィラー(B)としては、硫酸バリウム、微粉状炭化珪素、無定型シリカ、タルク、マイカなど一般のフォトレジストに用いられる公知の無機フィラーが挙げられる。
<光重合開始剤(D)>
本発明において用いる光重合開始剤(D)は、一般に感光性樹脂組成物に含有される光重合開始剤を用いることができ、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテルのようなベンゾイン及びベンゾインアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノンのようなアセトフェノン類;2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパノン−1,2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−プタノン−1,N,N−ジメチルアミノアセトフェノンのようなアミノアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノンのようなアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンのようなチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールのようなケタール類;ベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノンのようなベンゾフェノン類またはキサントン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。これらは、単独または2種以上の混合物として使用でき、さらトリエタノールアミンなとの第3アミン、ジメチルアミノ安息香酸エチルなどの光開始助剤を加えて用いることができる。
<有機顔料(F)>
本発明において用いる有機顔料(F)としては、塗料やインキなどにおいて一般に着色剤として用いることができる有機顔料を用いることができる。
<ガラス基板エッチング方法>
本発明のガラス基板エッチング方法は、ガラス基板の上に、上記本発明のレジスト樹脂組成物を塗布してレジスト膜を形成し、該レジスト膜の被覆領域以外の領域のガラス基板表面をエッチングする方法であり、エッチング領域の深さがレジスト膜の膜厚の6倍以上であることを特徴としている。
本発明のエッチング方法によれば、レジスト膜のフッ酸耐性が良好であるので、レジスト膜の膜厚の6倍以上の深さのエッチング領域を良好な解像度で形成することができる。
本発明のエッチング方法においては、エッチングしない領域の上に本発明のレジスト樹脂組成物を塗布することによりレジスト膜を形成し、該レジスト膜の被覆領域以外の領域をエッチングする。本発明のレジスト樹脂組成物は、フッ酸耐性に優れたレジスト膜を形成することができるので、レジスト膜の膜厚の6倍以上の深さのエッチング領域を形成することができる。従って、同じ深さのエッチング領域であれば、従来よりもレジスト膜の膜厚を薄くすることができる。
本発明のエッチング方法においては、本発明のレジスト樹脂組成物を塗布して、レジスト膜を形成した後、パターニングによりレジスト膜を残す領域に紫外線等を照射してレジスト膜を硬化させ、非露光領域の部分をNaOH溶液またはKOH溶液などのアルカリ性溶液で溶解除去してアルカリ現像し、レジスト膜をパターニングすることができる。レジスト膜をパターニングした後、本発明においては、好ましくは加熱処理(ポストベーキング)する。加熱処理の温度としては、100〜180℃の範囲内の温度であることが好ましく、時間は10〜60分程度であることが好ましい。エッチング処理の前にこのような加熱処理を施すことにより、レジスト膜のフッ酸耐性をさらに高めることができる。
本発明のエッチング方法によれば、例えば、レジスト膜の膜厚の6倍〜10倍の深さのエッチング領域を良好な解像度で形成することができる。
本発明によれば、フッ酸耐性に優れ、かつエッチングの解像度に優れたガラスエッチング用レジスト膜を形成することができ、相対的に薄い膜厚のレジスト膜で相対的に深いエッチング領域を形成することができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
〔スチレン・メタクリル酸共重合体のメタクリル酸グリシジル付加物樹脂a1−1の調製〕
攪拌機、還流管、温度計及び窒素導入管を取り付けた1リットルのガラス製反応フラスコ中に、予めジプロピレングリコールモノメチルエーテル400重量部を仕込んだ後、スチレン140重量部、メタクリル酸140重量部を混合した溶液と、重合開始剤として、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート20重量部をジプロピレングリコールモノメチルエーテル80重量部に溶解した溶液とを、それぞれ滴下ロートを用いて120℃にて3時間攪拌しながら滴下した。その後、この温度を1.5時間攪拌しながら保持した。その後、内容物の温度を100℃に下げ、窒素に代えて酸素を導入させて重合禁止剤としてハイドロキノン0.4重量部、触媒としてトリエチルアミン3.2重量部を仕込んだ後、メタクリル酸グリシジル120重量部を滴下ロートを用いて1時間かけて滴下した。その後、熟成を3時間継続して行い、スチレン・メタクリル酸共重合体のメタクリル酸グリシジル付加物樹脂a1−1を得た。固形分は48.6重量%であり、酸価は109.8、重量平均分子量は55,000であった。
この樹脂a1−1には、スチレン35重量部、メタクリル酸35重量部、メタクリル酸グリシジル30重量部が含まれているので、分子中における芳香族炭化水素基の含有量は、35×0.73×100=25.55重量%である。
〔レジスト樹脂組成物の調製〕
表1に示す配合割合でレジスト樹脂組成物を調製した。
ビスフェノールA骨格エポキシアクリレートとしては、両末端アクリレートモノマー(VR−77、昭和高分子社製、Mw=510)を用いた。
上記樹脂a1−1を86.48重量部、ビスフェノールA骨格エポキシアクリレートを30重量部、トリメチロールプロパントリアクリレートを10重量部、沈降性硫酸バリウムを10重量部、フタロシアニン系顔料を1重量部、及びハイドキノンを0.025重量部混合し、この混合物をバッチ式SGミルを用いて回転数2000rpmにて1時間攪拌混合し、分散した。
得られたペーストを粒ゲージにして分散度をチェックし、5μm以下であることを確認した。次に、このペースト1137.5重量部と、光重合開始剤としての2−メチル−1−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン0.87重量部と、2,4−ジエチルチオキサントン0.43重量部と、3−グリシドキシプロピルエトキシシラン1.305重量部と、アクリル樹脂系のレベリング剤0.13重量部とを均一に混合し、レジスト樹脂組成物を調製した。
表1にレジスト樹脂組成物中の各成分の含有量及び固形分基準の含有量を示す。多官能性アクリルモノマー(c1)として用いたビスフェノールA骨格エポキシアクリレートの分子中の芳香族炭化水素基含有割合は48.35重量%である。
(実施例2)
〔ビスフェノールF骨格エポキシアクリレート樹脂のテトラヒドロ無水フタル酸付加物樹脂a1−2の調製〕
ビスフェノールF骨格エポキシアクリレート樹脂のテトラヒドロ無水フタル酸付加物樹脂a1−2として、商品名「KAYARAD ZFR−1185」(酸価:100、日本化薬社製、NV65)を用いた。樹脂a1−2における分子中の芳香族炭化水素基含有割合は27〜60重量%である。
〔レジスト樹脂組成物の調製〕
表1に示す配合割合となるように上記の樹脂a1−2及びその他の成分を用いる以外は、上記実施例1と同様にしてレジスト樹脂組成物を調製した。
(実施例3)
〔スチレン・メタクリル酸メチル・メタクリル酸共重合体のメタクリル酸グリシジル付加物樹脂a1−3の調製〕
実施例1で用いた同様の実験器具を用い、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル400重量部を仕込んだ後、スチレン40重量部、メタクリル酸メチル160重量部、メタクリル酸120重量部を混合した溶液と、重合開始剤として、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート20重量部をジプロピレングリコールモノメチルエーテル80重量部に溶解した溶液とを、それぞれ滴下ロートを用いて120℃にて3時間攪拌しながら滴下した。その後、この温度を1.5時間攪拌しながら保持した。その後、内容物の温度を100℃に下げ、窒素に代えて酸素を導入させて重合禁止剤としてハイドロキノン0.4重量部、触媒としてトリエチルアミン3.2重量部を仕込んだ後、メタクリル酸グリシジル80重量部を滴下ロートを用いて1時間かけて滴下した。その後熟成を3時間継続して行い、スチレン・メタクリル酸メチル・メタクリル酸共重合体のメタクリル酸グリシジル付加物樹脂a1−3を得た。固形分は48.7重量%であり、酸価は116.7、重量平均分子量は58,000であった。
この樹脂a1−3は、スチレン15重量部、メタクリル酸メチル35重量部、メタクリル酸30重量部、メタクリル酸グリシジル20重量部から構成されているので、分子中における芳香族炭化水素基の含有量は、15重量%×0.73×100=10.95重量%である。
〔レジスト樹脂組成物の調製〕
表1に示すような配合割合とする以外は、上記実施例1と同様にしてレジスト樹脂組成物を調製した。
(実施例4)
〔レジスト樹脂組成物の調製〕
実施例1の樹脂a1−1を用い、表1に示す配合割合となるように混合する以外は、実施例1と同様にしてレジスト樹脂組成物を調製した。
(比較例1)
〔メタクリル酸メチル・メタクリル酸共重合体のメタクリル酸グリシジル付加物樹脂a2−1の調製〕
スチレンを用いずに、メタクリル酸メチルと、メタクリル酸を用いて共重合体を作製し、この共重合体に実施例1と同様にしてメタクリル酸を付加させる以外は、実施例1の樹脂a1−1と同様にしてメタクリル酸メチル・メタクリル酸共重合体のメタクリル酸グリシジル付加物樹脂a2−1を調製した。
この付加物樹脂a2−1においては、メタクリル酸メチル35重量部、メタクリル酸35重量部に対し、メタクリル酸グリシジル30重量部を付加させている。スチレンを用いていないので、芳香族炭化水素基の含有量は0重量%である。
〔レジスト樹脂組成物の調製〕
上記のメタクリル酸グリシジル付加物を用い、表2に示す配合とする以外は、実施例1と同様にしてレジスト樹脂組成物を調製した。
(比較例2)
〔スチレン・メタクリル酸メチル・メタクリル酸共重合体のメタクリル酸グリシジル付加物樹脂a2−2の調製〕
スチレン10重量部、メタクリル酸メチル40重量部、メタクリル酸30重量部となるように、スチレン・メタクリル酸メチル・メタクリル酸共重合体を実施例1と同様に調製し、この共重合体80重量部に対し、メタクリル酸グリシジル20重量部を付加させ、スチレン・メタクリル酸メチル・メタクリル酸共重合体のメタクリル酸グリシジル付加物樹脂a2−2を調製した。
このメタクリル酸グリシジル付加物樹脂a2−2における芳香族炭化水素基の含有量は10×0.73×100=7.3重量%である。
〔レジスト樹脂組成物の調製〕
上記のメタクリル酸グリシジル付加物樹脂a2−2を用い、表2に示す配合割合でレジスト樹脂組成物を調製した。
(比較例3)
〔レジスト樹脂組成物の調製〕
表2に示す配合割合とする以外は、実施例1と同様にしてレジスト樹脂組成物を調製した。
この比較例においては、シランカップリング剤の配合量を本発明の範囲よりも少なくしている。
(比較例4)
〔レジスト樹脂組成物の調製〕
表3に示す配合割合とする以外は、実施例1と同様にしてレジスト樹脂組成物を調製した。
この比較例においては、シランカップリング剤の配合量を本発明の範囲よりも多くしている。
(比較例5)
表3に示す配合割合とする以外は、実施例1と同様にしてレジスト樹脂組成物を調製した。
この比較例においては、フィラーである沈降性硫酸バリウムを用いていない。
(比較例6)
表3に示す配合割合とする以外は、実施例1と同様にしてレジスト樹脂組成物を調製した。
この比較例においては、フィラーである沈降性バリウムの含有量を本発明の範囲よりも多くしている。
Figure 0004628186
Figure 0004628186
Figure 0004628186
<レジスト樹脂組成物のレジスト膜としての評価>
実施例1〜4及び比較例1〜6のレジスト用樹脂組成物を用いて、ガラス基板の上に10μm、20μm、25μm、及び45μmの膜厚のレジスト膜をそれぞれ形成した。ガラス基板上の100mm×100mmの領域の上に、バーコーターを用いてレジスト樹脂組成物を塗布した後、100℃で30分間乾燥し、その後、この領域の周辺部分をメタルアライド散乱光(出力7kW)を15秒照射した後、炭酸ナトリウム1重量%からなるアルカリ現像液を用いて現像し、50mm×50mmの領域が開口部として形成されたレジスト膜を形成した。
その後、100℃で30分間ポストベーキングし、エッチング液としてフッ酸5重量%、塩酸10重量%の混合液を用いて40℃で所定時間エッチングした。
図1はガラス基板上に設けたレジスト膜1とエッチング領域3との関係示す図である。図1に示すように、エッチング領域3の周辺部には、傾斜部3a及び3bが形成されている。3bはエッチング領域3の周辺の傾斜の緩やかな部分であり、3aは傾斜の急な部分である。図1に示すdは、エッチング領域3の深さを示しており、l1は傾斜部3a及び3bの合計の水平方向の長さ、l2は傾斜部3bの水平方向の長さを示している。
膜厚10μm、20μm、25μm及び45μmのそれぞれの場合において、エッチング領域の深さを変えてエッチングし、図1に示す傾斜部3a及び3bの水平方向の長さl1に対するエッチング領域3の深さdの割合(d/l1)が1以上となるエッチング領域の深さdを可能エッチング量(μm)とした。表4に実施例1〜4及び比較例1〜6のそれぞれの膜厚yにおける可能エッチング量xを示した。
また、膜厚yに対する可能エッチング量xの比(x/y)を表4に示した。
<解像可能直径の測定>
最小径5μmから最大径1000μmまでの直径を有する真円形状のレジスト膜を膜厚10μm、20μm、25μm、及び45μmのそれぞれの場合について形成し、上記と同様にしてエッチングした。エッチング後、レジスト膜が存在するもの、すなわち、レジスト膜が剥離されなかったものの最小径を「解像可能直径(μm)」とし、表4に示した。
<貯蔵安定性>
実施例1〜4及び比較例1〜6の各レジスト樹脂組成物について、貯蔵安定性を評価した。貯蔵安定性の評価は、実施例1〜4及び比較例1〜6の各レジスト樹脂組成物を60℃定温下にて1ヶ月保存した。その結果、比較例4のレジスト樹脂組成物は粘度上昇によって組成物の流動性が損なわれガラス基板上への塗布が不可能となった。比較例4以外のレジスト樹脂組成物には、問題がなく、レジスト樹脂組成物作製直後と品質に変化は見られなかった。
Figure 0004628186
表4に示すように、本発明に従う実施例1〜4のレジスト樹脂組成物を用いた場合には、膜厚yの10倍以上の深さのエッチング領域を良好な解像度で形成できることがわかる。また、解像可能直径も、膜厚10μmで5μm、膜厚45μmで40μmであり、良好であることがわかる。
これに対し、比較例1〜3及び比較例5においては、レジスト膜の膜厚に対する可能エッチング量の比(x/y)が小さくなっており、深いエッチング領域を形成するためには膜厚の厚いレジスト膜を形成しなければならないことがわかる。
また、シランカップリング剤の量を多くした比較例4においては貯蔵安定性が悪くなっていることがわかる。また、フィラー含有量を多くした比較例6においては、エッチングの際の解像度が悪くなっていることがわかる。
ガラス基板上にレジスト膜を形成してエッチングする際のエッチング領域の深さとエッチング領域周辺の傾斜部の水平方向の長さとの関係を示す模式的断面図。
符号の説明
1…レジスト膜
2…ガラス基板
3…エッチング領域
3a…エッチング領域周辺の傾斜の緩やかな部分
3b…エッチング領域周辺の傾斜の急な部分
d…エッチング領域3の深さ
1…傾斜部3a及び3bの水平方向の長さ
2…傾斜部3bの水平方向の長さ

Claims (5)

  1. 少なくとも1個以上のエチレン性不飽和結合基を有する樹脂成分(A)を20〜90重量%、フィラー(B)を1〜30重量%、多官能性アクリルモノマー(C)を1〜60重量%、光重合開始剤(D)を0.1〜30重量%含有するガラスエッチング用レジスト樹脂組成物(但し、A,B,C及びDの合計が100重量%)であって、
    分子中に芳香族炭化水素基を8〜90重量%有し、かつ少なくとも1個以上のエチレン性不飽和結合基を有する樹脂成分(a1)と、分子中に芳香族炭化水素基を8〜90重量%有する多官能性アクリルモノマー(c1)との合計が、前記樹脂成分(A)と前記多官能性アクリルモノマー(C)の合計中に10〜100重量%含有されており、
    エポキシ基含有シランカップリング剤(E)をさらに0.3〜5重量%含有することを特徴とするガラスエッチング用レジスト樹脂組成物。
  2. 前記樹脂成分(a1)が、芳香族炭化水素基と酸基を有する重合体の酸基に、エチレン性不飽和結合とエポキシ基を有する化合物のエポキシ基を反応させて得られるものであることを特徴とする請求項1に記載のガラスエッチング用レジスト樹脂組成物。
  3. 前記多官能性アクリルモノマー(c1)が、ビスフェノール骨格を有するものであることを特徴とする請求項1または2に記載のガラスエッチング用レジスト樹脂組成物。
  4. 分子中に芳香族炭化水素基を有しない多官能性アクリルモノマー(c2)が、前記多官能性アクリルモノマー(C)中に含有されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のガラスエッチング用レジスト樹脂組成物。
  5. ガラス基板上に、請求項1〜のいずれか1項に記載のガラスエッチング用レジスト樹脂組成物を塗布してレジスト膜を形成し、該レジスト膜の被覆領域以外の領域のガラス基板表面をエッチングする方法であって、
    前記エッチング領域の深さが、前記レジスト膜の膜厚の6倍以上であることを特徴とするガラス基板エッチング方法。
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