JPH1017614A - 光硬化性樹脂 - Google Patents

光硬化性樹脂

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JPH1017614A
JPH1017614A JP19558296A JP19558296A JPH1017614A JP H1017614 A JPH1017614 A JP H1017614A JP 19558296 A JP19558296 A JP 19558296A JP 19558296 A JP19558296 A JP 19558296A JP H1017614 A JPH1017614 A JP H1017614A
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JP
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meth
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JP19558296A
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Inventor
Hiroto Tanigawa
博人 谷川
Hiroto Miyake
弘人 三宅
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感度、タックフリー性、耐熱性の優れた光硬
化性樹脂を提供する。 【解決手段】 (メタ)アクリロイルオキシエチルコハ
ク酸のカプロラクトン変性物のような不飽和カルボン酸
とメタクリル酸メチルのような不飽和カルボン酸以外の
不飽和化合物とから得られるカルボキシル基含有アクリ
ル共重合体(A)に、3,4−エポキシシクロヘキシル
メチルメタクリレートのような脂環式エポキシ基含有不
飽和化合物(B)を開環付加反応させて得られる、ガラ
ス転移温度が80℃以上、樹脂酸価が100〜140m
gKOH/g、樹脂酸価が40〜70mgKOH/g、
及び/又は樹脂の二重結合当量が1.0〜3.5モル/
kgである光硬化性樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーフィルター
用インキ組成物、フォトレジスト組成物、絶縁材料、含
浸材、表面被覆材、塗料、接着剤などを形成する一成分
として有用な光硬化性樹脂に関する。さらに詳しくは、
露光時の感度、塗膜乾燥後のタックフリー性、硬化塗膜
の耐熱性に優れた新規な光硬化性樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子工業の著しい発展に伴い、多種多
様な高分子材料が広範囲にわたって用いられるようにな
ってきている。特に近年、工業製品の高機能化、高性能
化に伴ってより優れた高分子材料の開発が進められてい
る。
【0003】その様な材料の中で、分子内に複数個の二
重結合を有する反応性オリゴマーあるいはポリマーは、
熱硬化性、光硬化性樹脂として、またそれ以外の反応性
樹脂として広範囲な工業的用途を有し、様々な分野から
検討、開発が行われてきている。
【0004】その中でも、特に側鎖に炭素−炭素二重結
合を有するような光硬化性樹脂は、主鎖に炭素−炭素二
重結合およびエステル結合を有する不飽和ポリエステル
樹脂のような硬化性樹脂と比べて物性上優れた性能を有
するために、その用途が各方面に拡大しつつある。上記
のような側鎖に炭素−炭素二重結合を有するような樹脂
は、側鎖に炭素−炭素二重結合を有していない樹脂の官
能基に、二重結合を有する化合物を付加させることによ
って製造されている。特開平6−19135号公報で
は、側鎖にカルボキシル基を有する樹脂に、分子内に炭
素−炭素二重結合とエポキシ基の両方を有する化合物を
付加させることにより得られる樹脂は、製造の容易さや
樹脂設計の自由度が大きいことに特徴があり、特開平1
−289820公報では、カルボキシル基含有アクリル
共重合体に、分子内に炭素−炭素二重結合と脂環式エポ
キシ基の両方を有する化合物を付加させることにより得
られた樹脂が開示され、高い耐加水分解性や塗膜乾燥後
のタックフリー性等に特徴があり、近年注目を集めてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、これま
でに種々の光硬化性樹脂が提案されているが、露光時の
感度、塗膜乾燥後のタックフリー性、硬化塗膜の耐熱性
等の向上が未だ望まれている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討の
結果、カルボキシル基含有アクリル共重合体に特定のエ
ポキシ化合物を、特に、3,4−エポキシシクロヘキシ
ルメチルメタクリレートを付加することにより得られる
光硬化性樹脂であって、ある特定のガラス転移温度、酸
価、二重結合当量、重量平均分子量を有する樹脂が、露
光時の感度、塗膜乾燥後のタックフリー性、硬化塗膜の
耐熱性の全てに優れていることを見い出し本発明を完成
するに至った。すなわち、本発明は、不飽和カルボン酸
と不飽和カルボン酸以外の不飽和化合物との共重合体
(A)に、脂環式エポキシ基含有不飽和化合物(B)を
開環付加反応させて得られる、側鎖に不飽和基を有する
光硬化性樹脂に関するものであり、特に、不飽和カルボ
ン酸が、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、
2ーアクリロイルオキシエチルコハク酸、2ーアクリロイ
ルオキシエチルフタル酸、2ーアクリロイルオキシエチ
ルヘキサヒドロフタル酸及びこれらのラクトン変性物か
ら成る群から選ばれた少なくとも一種の不飽和モノカル
ボン酸であり、不飽和カルボン酸以外の不飽和化合物
が、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘ
キシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸
アルキルエステル類、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロカ
クトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、イソオクチルオキシジエチレングリコール(メタ)
アクリレート、フェノキシトリエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコー
ル(メタ)アクリレートから成る群から選ばれた少なく
とも一種の不飽和化合物であり、脂環式エポキシ基含有
不飽和化合物(B)が、式(4)で表される化合物のい
ずれかの化合物である光硬化性樹脂であって、ガラス転
移温度が80℃以上、200℃以下、樹脂酸価が100
〜140mgKOH/g、樹脂酸価が40〜70mgK
OH/g、及び/又は樹脂の二重結合当量が1.0〜
3.5モル/kgである光硬化性樹脂に関するものであ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】まず、カルボキシル基含有アクリ
ル共重合体について説明する。カルボキシル基含有アク
リル共重合体は不飽和カルボン酸と不飽和カルボン酸以
外の不飽和化合物との共重合によって得られる。
【0008】この場合、使用する不飽和カルボン酸とし
ては、アクリル酸、メタクリル酸、式(1)又は式
(2)で表される化合物などが挙げられる。
【0009】
【化18】
【0010】
【化19】
【0011】不飽和カルボン酸以外の不飽和化合物とし
ては、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、ブ
チルアクリレート、ブチルメタクリレート、シクロヘキ
シルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ヒ
ドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタク
リレート、式(3)で表される化合物、さらには、前記
式(1)、式(2)で表されるカルボン酸などのエステ
ル類、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチ
ルメタクリレート、式(3)で表されるアルコールなど
のエステル類、スチレン、ヒドロキシスチレンなどのス
チレン類、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル
酸、マレイン酸イミドなどが挙げられる。
【0012】
【化20】
【0013】共重合体中の不飽和カルボン酸構成単位と
不飽和カルボン酸以外の不飽和化合物構成単位のモル比
は、通常、3:7〜7:3である。
【0014】次に、不飽和基含有エポキシ化合物につい
て説明する。不飽和基含有エポキシ化合物としては、脂
環式基を持たないエポキシ基含有不飽和化合物として
は、例えば、グリシジルメタクリレートやメチルグリシ
ジルメタクリレートが挙げられる。脂環式エポキシ基含
有不飽和化合物としては、式(A)〜(M)で表される
いずれかの化合物が挙げられる。
【0015】
【化21】
【0016】脂環式エポキシ基含有不飽和化合物の中で
も、好ましくは、式(4)で表される、例えば、3,4
−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレートやその
カプロラクトン変性物、3,4−エポキシシクロヘキシ
ルメチルアクリレートやそのカプロラクトン変性物など
である。
【0017】
【化22】
【0018】次にエポキシ基含有不飽和化合物とカルボ
キシル基含有アクリル共重合体との開環付加反応につい
て述べる。本開環付加反応を行う際のエポキシ基含有不
飽和化合物とカルボキシル基含有アクリル共重合体との
比率に特に制限はないが、付加反応後の樹脂1kgにつ
き、二重結合の量が、通常、1.0〜3.5モル(二重
結合量当量1000〜286g/mol)、好ましくは
1.5〜3.0モル(二重結合量当量667〜333g
/mol)になるように決定される。当該樹脂1kg中
の二重結合量が1.0モルより少ない場合には十分な硬
化性が得られないことがあり、3.5モルより多い場合
には十分な貯蔵安定性が得られないことがある。
【0019】反応温度は、好ましくは、130℃以下で
あり、特に好ましくは、80℃〜120℃である。反応
温度が80℃より低いと実用上十分な反応速度が得られ
ないことがあり、130℃より高いと熱によるラジカル
重合によって二重結合部が架橋し、ゲル化物が生じる恐
れがある。
【0020】本開環付加反応には、通常、溶媒が使用さ
れるが、この反応溶媒には特に制限はなく、反応温度よ
り高い沸点を有しかつ原料及び生成物を溶解するもので
あればよい。例えば、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコールなどのグリコール
類、メチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテ
ルなどのグリコールエーテル類、エチレングリコールジ
アセテートなどのグリコールエステル類、プロピレング
リコールモノメチルエーテルアセテートなどのグリコー
ルエーテルエステル類、及び、これらの混合溶媒が挙げ
られる。反応溶媒中の樹脂濃度は20重量%〜60重量
%が好ましい。樹脂濃度が20重量%より小さいと十分
な反応速度が得られないことがあり、60重量%より高
いと反応中にゲル化物が生じる恐れがある。
【0021】十分な反応速度を得るために、本反応は触
媒を用いて行うのが好ましい。触媒としては、トリフェ
ニルホスフィン、トリブチルホスフィンなどのホスフィ
ン類、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミンなど
のアミン類、ジメチルスルフィド、ジフェニルスルフィ
ドなどのスルフィド類などを用いることができるが、反
応速度の面からホスフィン類が好ましく、特にトリフェ
ニルホスフィンが好ましい。これらの触媒の量はエポキ
シ基含有不飽和化合物に対して、通常、0.01〜10
重量%であり、好ましくは、0.5〜5.0重量%であ
る。触媒量がエポキシ基含有不飽和化合物に対して0.
01重量%より少ない場合には十分な反応速度が得られ
ないことがあり、10重量%より多く加えると生成した
樹脂の諸物性に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0022】反応中のゲル化物の生成を防止するため
に、本反応はハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチ
ルエーテル、フェノチアジンなどの重合禁止剤存在下で
行うのが好ましい。これらの重合禁止剤の量は反応液全
体に対して1〜10000ppmであるのが好ましい。
重合禁止剤量が反応液全体に対して1ppm未満である
と十分な重合禁止効果が得られないことがあり、100
00ppmを越えると生成した樹脂の諸物性に悪影響を
及ぼす恐れがある。あるいは、重合禁止剤の添加と同様
の理由から、本付加反応は分子状酸素含有ガス雰囲気下
で行うのが好ましい。酸素濃度は反応系中に爆発性混合
物を形成しないような濃度であればよいが、通常は1〜
7%になるように調整される。
【0023】
【実施例】以下に製造例、実施例、比較例及び試験例を
示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実
施例のみに限定されるものではない。
【0024】初めに、ガラス転移温度80℃以上の光硬
化性樹脂について説明する。
【0025】(製造例1)攪拌機、温度計、還流冷却
管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた内容積10リッ
トルのセパラブルフラスコにジプロピレングリコールモ
ノメチルエーテル1380g及びt−ブチルパーオキシ
−2−エチルヘキサノエート60gを仕込み、95℃に
昇温後、メタクリル酸910g、メタクリル酸メチル6
60g、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル1
490g及びアゾビスジメチルバレロニトリル50gの
混合溶液を3時間かけて滴下し、さらに6時間熟成する
ことにより、カルボキシル基を有する樹脂溶液を得た。
反応は窒素気流下で行った。
【0026】(製造例2)攪拌機、温度計、還流冷却
管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた内容積5リット
ルのセパラブルフラスコにジプロピレングリコールモノ
メチルエーテル1050g及びt−ブチルパーオキシ−
2−エチルヘキサノエート40gを仕込み、95℃に昇
温後、アクリル酸500g、メタクリル酸メチル540
g、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル700
g及びアゾビスジメチルバレロニトリル30gの混合溶
液を3時間かけて滴下し、さらに6時間熟成することに
より、カルボキシル基を有する樹脂溶液を得た。反応は
窒素気流下で行った。
【0027】(実施例1)製造例1で得られた樹脂溶液
に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレー
ト(ダイセル化学工業(株)製「サイクロマーA20
0」)1070g、トリフェニルホスフィン10g及び
ハイドロキノンモノメチルエーテル5gを加え、100
℃で10時間反応させることにより、光硬化性樹脂溶液
を得た。反応は酸素7容量%、窒素93容量%の混気気
流下で行った。
【0028】(実施例2)製造例1で得られた樹脂溶液
に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレー
ト(ダイセル化学工業(株)製「サイクロマーA20
0」)1500g、トリフェニルホスフィン15g及び
ハイドロキノンモノメチルエーテル5gを加え、100
℃で10時間反応させることにより、光硬化性樹脂溶液
を得た。反応は酸素7容量%、窒素93容量%の混気気
流下で行った。
【0029】(比較例1)製造例2で得られた樹脂溶液
に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレー
ト(ダイセル化学工業(株)製「サイクロマーA20
0」)1000g、トリフェニルホスフィン7g及びハ
イドロキノンモノメチルエーテル2gを加え、100℃
で10時間反応させることにより、光硬化性樹脂溶液を
得た。反応は酸素7容量%、窒素93容量%の混気気流
下で行った。
【0030】(比較例2)製造例2で得られた樹脂溶液
に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレー
ト(ダイセル化学工業(株)製「サイクロマーA20
0」)720g、トリフェニルホスフィン7g及びハイ
ドロキノンモノメチルエーテル2gを加え、100℃で
10時間反応させることにより、光硬化性樹脂溶液を得
た。反応は酸素7容量%、窒素93容量%の混気気流下
で行った。
【0031】(試験例A)実施例1,2、比較例1,2
で得られた光硬化性樹脂溶液を、銅板にアプリケーター
を用いて20μmの厚さに塗布し、80℃の送風乾燥機
で乾燥させた。その後、50μm厚のポリエチレンテレ
フタレート樹脂フィルムを塗膜に接触させ荷重を加えた
(荷重:1kg、荷重面積:1cm2、加重時間:常温
5分)。続いて、80℃でのせん断剥離強度を測定し、
タックフリー性の評価を行った。また、同様に作成した
塗膜のTg(ガラス転移温度)を示差走査型熱量計で測
定した。
【0032】上記結果を表1にまとめて示す。 評価結果欄記号の説明 乾燥後のタック ○:80℃でのせん断剥離強度が1k
gより小さいもの、×:80℃でのせん断剥離強度が1
kg以上のもの 感度:21段ステップタブレットで評価した。 密着性:クロスカット試験を行った。○:全くはがれの
ないもの、×:はがれのあるもの 半田耐熱性:260℃半田浴に10秒間浸した。これを
3回繰り返した後、塗膜のはがれ、ふくれの有無を調べ
た。○:はがれ、ふくれのないもの、×:はがれ、ふく
れのあるもの 塗膜硬度:JIS K−5400に従って評価した。 耐溶剤性:30℃の塩化メチレンに1時間浸した後クロ
スカット試験を行った。○:全くはがれのないもの、
×:はがれのあるもの 耐酸性:30℃の20重量%塩酸水溶液に1時間浸した
後クロスカット試験を行った。○:全くはがれのないも
の、×:はがれのあるもの
【0033】
【表1】
【0034】次に、酸価が100〜140mgKOH/
gである光硬化性樹脂について説明する。
【0035】(製造例3)攪拌機、温度計、環流冷却
管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた内容積2リット
ルのセパラブルフラスコにジプロピレングリコールモノ
メチルエーテル250g及びt−ブチルパーオキシ−2
−エチルヘキサノエート10gを仕込み、95℃に昇温
後、メタクリル酸170g、メタクリル酸メチル130
g、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル250
g及びアゾビスジメチルバレロニトリル10gの混合溶
液を3時間かけて滴下し、さらに6時間熟成することに
より、カルボキシル基を有する樹脂溶液を得た。反応は
窒素気流下で行った。
【0036】(製造例4)攪拌機、温度計、環流冷却
管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた内容積2リット
ルのセパラブルフラスコにプロピレングリコールモノメ
チルエーテル250g及びt−ブチルパーオキシ−2−
エチルヘキサノエート6gを仕込み、90℃に昇温後、
メタクリル酸190g、メタクリル酸メチル110g、
プロピレングリコールモノメチルエーテル250g及び
アゾビスジメチルバレロニトリル5gの混合溶液を3時
間かけて滴下し、さらに6時間熟成することにより、カ
ルボキシル基を有する樹脂溶液を得た。反応は窒素気流
下で行った。
【0037】(製造例5)攪拌機、温度計、環流冷却
管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた内容積2リット
ルのセパラブルフラスコにプロピレングリコールモノメ
チルエーテル250g及びt−ブチルパーオキシ−2−
エチルヘキサノエート7gを仕込み、90℃に昇温後、
メタクリル酸180g、メタクリル酸メチル60g、ヒ
ドロキシエチルメタクリレートのカプロラクトン変性物
(ダイセル化学工業(株)製「プラクセルFM1」、一
般式(2)のnに相当するカプロラクトン単位の平均付
加数は約1.0)60g、プロピレングリコールモノメ
チルエーテル250g及びアゾビスジメチルバレロニト
リル7gの混合溶液を3時間かけて滴下し、さらに6時
間熟成することにより、カルボキシル基を有する樹脂溶
液を得た。反応は窒素気流下で行った。
【0038】(実施例3)製造例3で得られた樹脂溶液
に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレー
ト(ダイセル化学工業(株)製「サイクロマーA20
0」)200g、トリフェニルホスフィン2g及びハイ
ドロキノンモノメチルエーテル1gを加え、100℃で
10時間反応させることにより、酸価100mgKOH
/g、二重結合当量455g/モル、重量平均分子量1
3000の光硬化性樹脂溶液を得た。反応は酸素7容量
%、窒素93容量%の混気気流下で行った。酸価はKO
H滴定により求めた。二重結合当量は仕込み量から計算
した。重量平均分子量はGPC(ポリスチレン換算)分
析で求めた。
【0039】(実施例4)製造例3で得られた樹脂溶液
に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレ
ート(ダイセル化学工業(株)製「サイクロマーM10
0」)200g、トリフェニルホスフィン2g及びハイ
ドロキノンモノメチルエーテル1gを加え、100℃で
20時間反応させることにより、酸価110mgKOH
/g、二重結合当量490g/モル、重量平均分子量1
3000の光硬化性樹脂溶液を得た。反応は酸素7容量
%、窒素93容量%の混気気流下で行った。
【0040】(実施例5)製造例4で得られた樹脂溶液
に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレー
ト(ダイセル化学工業(株)製「サイクロマーA20
0」)200g、トリフェニルホスフィン2g及びハイ
ドロキノンモノメチルエーテル1gを加え、100℃で
10時間反応させることにより、酸価130mgKOH
/g、二重結合当量455g/モル、重量平均分子量2
7000の光硬化性樹脂溶液を得た。反応は酸素7容量
%、窒素93容量%の混気気流下で行った。
【0041】(実施例6)製造例5で得られた樹脂溶液
に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレー
ト(ダイセル化学工業(株)製「サイクロマーA20
0」)180g、トリフェニルホスフィン2g及びハイ
ドロキノンモノメチルエーテル1gを加え、100℃で
10時間反応させることにより、酸価135mgKOH
/g、二重結合当量485g/モル、重量平均分子量2
2000の光硬化性樹脂溶液を得た。反応は酸素7容量
%、窒素93容量%の混気気流下で行った。
【0042】(比較例3)製造例3で得られた樹脂溶液
に、グリシジルメタクリレート(日本油脂(株)製「ブ
レンマーG」)150g、トリフェニルホスフィン2g
及びハイドロキノンモノメチルエーテル1gを加え、1
00℃で10時間反応させることにより、酸価115m
gKOH/g、二重結合当量430g/モル、重量平均
分子量13000の光硬化性樹脂溶液を得た。反応は酸
素7容量%、窒素93容量%の混気気流下で行った。
【0043】(試験例B)実施例3〜6及び比較例3で
得られた光硬化性樹脂溶液それぞれ100gにジペンタ
エリスリトールヘキサアクリレート20g、クレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂((株)大日本インキ製「エ
ピクロンN−695」)10g、ベンジルメチルケター
ル7g、フタロシアニングリーン1g加えたものをロー
ルミルで混練し、粘ちょうな光硬化性樹脂組成物を得
た。この組成物を、銅板にアプリケーターを用いて10
0μmの厚さに塗布し、80℃の送風乾燥機で乾燥させ
た。その後、所望のパターンを有するネガフィルムを密
着させ、1000mJ/cm2の紫外線を照射した。次
に1重量%炭酸ナトリウム水溶液で1分間現像した後、
150℃の熱風乾燥機で30分間加熱硬化させた。
【0044】塗膜乾燥後のタック、紫外線照射時の感
度、加熱硬化後の密着性、半田耐熱性、塗膜硬度、耐溶
剤性、耐酸性の評価を行った。上記結果を表2にまとめ
て示す。
【0045】評価結果欄記号の説明 乾燥後のタック:指触により評価した。○:タックのな
いもの、×:タックのあるもの 感度:21段ステップタブレットで評価した。 密着性:クロスカット試験を行った。○:全くはがれの
ないもの、×:はがれのあるもの 半田耐熱性:260℃半田浴に10秒間浸した。これを
3回繰り返した後、塗膜のはがれ、ふくれの有無を調べ
た。○:はがれ、ふくれのないもの、×:はがれ、ふく
れのあるもの 塗膜硬度:JIS K−5400に従って評価した。 耐溶剤性:30℃の塩化メチレンに1時間浸した後クロ
スカット試験を行った。○:全くはがれのないもの、
×:はがれのあるもの 耐酸性:30℃の20重量%塩酸水溶液に1時間浸した
後クロスカット試験を行った。○:全くはがれのないも
の、×:はがれのあるもの
【0046】
【表2】
【0047】このようにして得られた光硬化性樹脂は、
酸価が100〜140mgKOH/gである。この酸価
が100mgKOH/g未満であると、希アルカリ水溶
液による現像が不十分となり、いわゆる「膜残り」が起
きることがあるし、140mgKOH/gを越えると、
現像時に非露光部の剥離が起きる恐れがある。また、該
光硬化性樹脂の二重結合当量(二重結合1モル当たりの
樹脂重量)は400〜500g/モルであることが好ま
しい。この二重結合当量が400g/モル未満である
と、貯蔵安定性が悪くなることがあるし、500g/モ
ルを越えると感度が低下する恐れがある。さらに、該光
硬化性樹脂の重量平均分子量は10000〜30000
であることが好ましい。この重量平均分子量が1000
0未満であると、感度が低下したり、硬化塗膜の耐熱性
が低下することがあるし、30000を越えると現像性
が低下する恐れがある。本発明の酸価が100〜140
mgKOH/gである光硬化性樹脂は、特にフォトレジ
スト組成物の一成分として有用である。
【0048】更に、酸価が40〜70mgKOH/gで
ある光硬化性樹脂について説明する。
【0049】(製造例6)攪拌機、温度計、環流冷却
管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた内容積2リット
ルのセパラブルフラスコにプロピレングリコールモノメ
チルエーテル200g、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテート200g及びt−ブチルパーオキ
シ−2−エチルヘキサノエート12gを仕込み、95℃
に昇温後、メタクリル酸210g、アクリル酸ブチル2
60g、プロピレングリコールモノメチルエーテル14
0g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ート140g及びアゾビスジメチルバレロニトリル10
gの混合溶液を3時間かけて滴下し、さらに6時間熟成
することにより、カルボキシル基を有する樹脂溶液を得
た。反応は窒素気流下で行った。
【0050】(製造例7)攪拌機、温度計、環流冷却
管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた内容積2リット
ルのセパラブルフラスコにプロピレングリコールモノメ
チルエーテル200g、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテート200g及びt−ブチルパーオキ
シ−2−エチルヘキサノエート12gを仕込み、95℃
に昇温後、メタクリル酸240g、アクリル酸ブチル2
30g、プロピレングリコールモノメチルエーテル14
0g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ート140g及びアゾビスジメチルバレロニトリル10
gの混合溶液を3時間かけて滴下し、さらに6時間熟成
することにより、カルボキシル基を有する樹脂溶液を得
た。反応は窒素気流下で行った。
【0051】(実施例7)製造例6で得られた樹脂溶液
に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレ
ート(ダイセル化学工業(株)製「サイクロマーM10
0」)360g、トリフェニルホスフィン10g及びハ
イドロキノン2gを加え、100℃で10時間反応させ
ることにより、酸価50mgKOH/g、二重結合当量
450g/モル、重量平均分子量22000の光硬化性
樹脂溶液を得た。反応は酸素7容量%、窒素93容量%
の混気気流下で行った。
【0052】(実施例8)製造例7で得られた樹脂溶液
に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレ
ート(ダイセル化学工業(株)製「サイクロマーM10
0」)360g、トリフェニルホスフィン10g及びハ
イドロキノン2gを加え、100℃で10時間反応させ
ることにより、酸価70mgKOH/g、二重結合当量
450g/モル、重量平均分子量22000の光硬化性
樹脂溶液を得た。反応は酸素7容量%、窒素93容量%
の混気気流下で行った。
【0053】(比較例4)製造例6で得られた樹脂溶液
に、グリシジルメタクリレート(日本油脂(株)製「ブ
レンマーG」)260g、トリフェニルホスフィン2g
及びハイドロキノンモノメチルエーテル1gを加え、1
00℃で10時間反応させることにより、酸価50mg
KOH/g、二重結合当量400g/モル、重量平均分
子量20000の光硬化性樹脂溶液を得た。反応は酸素
7容量%、窒素93容量%の混気気流下で行った。
【0054】(試験例C)実施例7で得られた感光性樹
脂溶液100g、ベンジルメチルケタール10g及びフ
タロシアニングリーン1gの混合溶液を、銅板にアプリ
ケーターを用いて100μmの厚さに塗布し、80℃の
送風乾燥機で乾燥させた。その後、コダック製14段ス
テップタブレットを密着させ、800mJ/Cm2の光量を照
射した。さらに1重量%炭酸ソーダ水溶液で現像したと
ころ、ステップタブレットの11段目まで硬化してい
た。
【0055】(試験例D)実施例7で得られた感光性樹
脂溶液の代わりに実施例8で得られた感光性樹脂溶液を
用いた以外は試験例Cと同様に処理したところ、ステッ
プタブレットの11段目まで硬化していた。
【0056】(比較試験例)実施例7で得られた感光性
樹脂溶液の代わりに比較例4で得られた感光性樹脂溶液
を用いた以外は試験例Cと同様に処理したところ、ステ
ップタブレットの7段目までしか硬化していなかった。
上記結果を表3にまとめて示す。 評価結果欄記号の説明 感度:14段ステップタブレットで評価した。
【0057】
【表3】
【0058】このようにして得られた光硬化性樹脂は、
酸価が40〜70mgKOH/gである。この酸価が4
0mgKOH/g未満であると、希アルカリ水溶液によ
る現像が不十分となり、いわゆる「膜残り」が起きるこ
とがあるし、70mgKOH/gを越えると、現像時に
非露光部の剥離が起きる恐れがある。また、該光硬化性
樹脂の二重結合当量(二重結合1モル当たりの樹脂重
量)は400〜500g/モルであることが好ましい。
この二重結合当量が400g/モル未満であると、貯蔵
安定性が悪くなることがあるし、500g/モルを越え
ると感度が低下する恐れがある。さらに、該光硬化性樹
脂の重量平均分子量は10000〜30000であるこ
とが好ましい。この重量平均分子量が10000未満で
あると、感度が低下したり、硬化塗膜の耐熱性が低下す
ることがあるし、30000を越えると現像性が低下す
る恐れがある。
【0059】又更に、樹脂1kgにつき二重結合の量が
1.0〜3.5のタックフリー性に優れた樹脂について
説明する。
【0060】(製造例8)攪拌機、温度計、還流冷却
管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた内容積2リット
ルのセパラブルフラスコに、ジプロピレングリコールモ
ノメチルエーテル460g及びt−ブチルパーオキシ−
2−エチルヘキサノエート10gを仕込み、90℃に昇
温後、メタクリル酸150g、アクリル酸ブチル250
g、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル280
g及びアゾビスジメチルバレロニトリル10gの混合溶
液を3時間かけて滴下し、さらに6時間熟成することに
より、カルボキシル基含有アクリル共重合体の樹脂溶液
を得た。反応は窒素気流下で行った。
【0061】(製造例9)攪拌機、温度計、還流冷却
管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた内容積2リット
ルのセパラブルフラスコにジプロピレングリコールモノ
メチルエーテル460g及びt−ブチルパーオキシ−2
−エチルヘキサノエート10gを仕込み、90℃に昇温
後、メタクリル酸150g、メタクリル酸メチル200
g、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル280
g及びアゾビスジメチルバレロニトリル10gの混合溶
液を3時間かけて滴下し、さらに6時間熟成することに
より、カルボキシル基含有アクリル共重合体の樹脂溶液
を得た。反応は窒素気流下で行った。
【0062】(実施例9)製造例8で得られた樹脂溶液
に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレ
ート(ダイセル化学工業(株)製「サイクロマーM10
0」)160g、トリフェニルホスフィン10g及びハ
イドロキノンモノメチルエーテル2gを加え、100℃
で20時間反応させることにより、光硬化性樹脂溶液を
得た。反応は酸素7容量%、窒素93容量%の気流下で
行った。
【0063】(実施例10)製造例8で得られた樹脂溶
液に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレ
ート(ダイセル化学工業(株)製「サイクロマーA20
0」)150g、トリフェニルホスフィン10g及びハ
イドロキノンモノメチルエーテル2gを加え、100℃
で10時間反応させることにより、光硬化性樹脂溶液を
得た。反応は酸素7容量%、窒素93容量%の混気気流
下で行った。
【0064】(実施例11)製造例9で得られた樹脂溶
液に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリ
レート(ダイセル化学工業(株)製「サイクロマーM1
00」)160g、トリフェニルホスフィン10g及び
ハイドロキノンモノメチルエーテル2gを加え、100
℃で20時間反応させることにより、光硬化性樹脂溶液
を得た。反応は酸素7容量%、窒素93容量%の混気気
流下で行った。
【0065】(実施例12)製造例9で得られた樹脂溶
液に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレ
ート(ダイセル化学工業(株)製「サイクロマーA20
0」)150g、トリフェニルホスフィン10g及びハ
イドロキノンモノメチルエーテル2gを加え、100℃
で10時間反応させることにより、光硬化性樹脂溶液を
得た。反応は酸素7容量%、窒素93容量%の気流下で
行った。
【0066】(比較例5)製造例8で得られた樹脂溶液
に、グリシジルメタクリレート(日本油脂(株)製「ブ
レンマーG」)110g、トリフェニルホスフィン10
g及びハイドロキノンモノメチルエーテル2gを加え、
100℃で10時間反応させることにより、光硬化性樹
脂溶液を得た。反応は酸素7容量%、窒素93容量%の
気流下で行った。
【0067】(比較例6)製造例8で得られた樹脂溶液
に、メチルグリシジルメタクリレート(ダイセル化学工
業(株)製「M−GMA」)120g、トリフェニルホ
スフィン10g及びハイドロキノンモノメチルエーテル
2gを加え、100℃で10時間反応させることによ
り、光硬化性樹脂溶液を得た。反応は酸素7容量%、窒
素93容量%の気流下で行った。
【0068】(比較例7)製造例9で得られた樹脂溶液
に、グリシジルメタクリレート(日本油脂(株)製「ブ
レンマーG」)110g、トリフェニルホスフィン10
g及びハイドロキノンモノメチルエーテル2gを加え、
100℃で10時間反応させることにより、光硬化性樹
脂溶液を得た。反応は酸素7容量%、窒素93容量%の
気流下で行った。
【0069】(比較例8)製造例9で得られた樹脂溶液
に、メチルグリシジルメタクリレート(ダイセル化学工
業(株)製「M−GMA」)120g、トリフェニルホ
スフィン10g及びハイドロキノンモノメチルエーテル
2gを加え、100℃で10時間反応させることによ
り、光硬化性樹脂溶液を得た。反応は酸素7容量%、窒
素93容量%の気流下で行った。
【0070】上記結果を表4にまとめて示す。 評価結果欄記号の説明 タックフリー性 ○:25℃でのせん断剥離強度が0.
1kgより小さいもの。×:25℃でのせん断剥離強度
が0.1kg以上のもの。
【0071】
【表4】
【0072】最後に、製造方法等について説明する。
【0073】(製造例10)攪拌機、温度計、環流冷却
管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた内容積2リット
ルのセパラブルフラスコにジプロピレングリコールモノ
メチルエーテル460g及びt−ブチルパーオキシ−2
−エチルヘキサノエート10gを仕込み、90℃に昇温
後、メタクリル酸200g、メタクリル酸メチル200
g、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル280
g及びアゾビスジメチルバレロニトリル10gの混合溶
液を3時間かけて滴下し、さらに6時間熟成することに
より、カルボキシル基を有する樹脂溶液を得た。反応は
窒素気流下で行った。
【0074】(実施例13)製造例10で得られた樹脂
溶液に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリ
レート(ダイセル化学工業(株)製「サイクロマーA2
00」)150g、トリフェニルホスフィン1.5g及
びハイドロキノンモノメチルエーテル2gを加え、酸素
7容量%、窒素93容量%の混気気流下、100℃で反
応を行った(触媒濃度:0.11重量%、禁止剤濃度:
0.15重量%)。ガスクロマトグラフによる分析の結
果、7時間後には3,4−エポキシシクロヘキシルメチ
ルアクリレートの97%が反応していた。
【0075】(実施例14)製造例10で得られた樹脂
溶液に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタク
リレート(ダイセル化学工業(株)製「サイクロマーM
100」)162g、トリフェニルホスフィン5g及び
ハイドロキノンモノメチルエーテル1.5gを加え、酸
素7容量%、窒素93容量%の混気気流下、100℃で
反応を行った(触媒濃度:0.38重量%、禁止剤濃
度:0.11重量%)。ガスクロマトグラフによる分析
の結果、7時間後には3,4−エポキシシクロヘキシル
メチルメタクリレートの96%が反応していた。
【0076】(比較例9)製造例10で得られた樹脂溶
液に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレ
ート(ダイセル化学工業(株)製「サイクロマーA20
0」)150g、トリフェニルホスフィン1g及びハイ
ドロキノンモノメチルエーテル2gを加え、酸素7容量
%、窒素93容量%の混気気流下、100℃で反応を行
った(触媒濃度:0.08重量%、禁止剤濃度:0.1
5重量%)。ガスクロマトグラフによる分析の結果、7
時間後には3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアク
リレートの70%しか反応していなかった。
【0077】(比較例10)製造例10で得られた樹脂
溶液に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリ
レート(ダイセル化学工業(株)製「サイクロマーA2
00」)150g、トリフェニルホスフィン1.5g及
びハイドロキノンモノメチルエーテル0.1gを加え、
酸素7容量%、窒素93容量%の混気気流下、100℃
で反応を行った(触媒濃度:0.11重量%、禁止剤濃
度:0.008重量%)ところ、30分後に反応液がゲ
ル化した。
【0078】
【表5】
【0079】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明に関わる
光硬化性樹脂は感度、タックフリー性、耐熱性の全てが
優れているため、フォトレジスト組成物を形成する一成
分として用いた場合、作業性、塗膜物性共に優れたフォ
トレジスト組成物が得られ、カラーフィルター用インキ
組成物、フォトレジスト組成物、絶縁材料、含浸材、表
面被覆材、塗料、接着剤などを形成する一成分として用
いた場合、従来の感光性樹脂に比べてより少量の添加で
同程度の感度を示し、また、露光前の予備乾燥時間が大
幅に短縮され、作業性が大きく向上するので工業的価値
が高い。

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和カルボン酸と不飽和カルボン酸以
    外の不飽和化合物との共重合体(A)に、脂環式エポキ
    シ基含有不飽和化合物(B)を開環付加反応させて得ら
    れる、側鎖に不飽和基を有する光硬化性樹脂。
  2. 【請求項2】 不飽和カルボン酸が、β−カルボキシエ
    チル(メタ)アクリレート、2−アクリロイルオキシエ
    チルコハク酸、2ーアクリロイルオキシエチルフタル
    酸、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル
    酸及びこれらのラクトン変性物から成る群から選ばれた
    少なくとも一種の不飽和モノカルボン酸であることを特
    徴とする請求項1記載の光硬化性樹脂。
  3. 【請求項3】 不飽和カルボン酸が、式(1)で表され
    る化合物、又は、式(2)で表される化合物であること
    を特徴とする請求項2記載の光硬化性樹脂。 【化1】 【化2】
  4. 【請求項4】 不飽和カルボン酸以外の不飽和化合物
    が、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
    リレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
    タ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘ
    キシル(メタ)アクリレートの(メタ)アクリル酸アル
    キルエステル類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
    レート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒ
    ドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロカクトン
    変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メト
    キシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エト
    キシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソ
    オクチルオキシジエチレングリコール(メタ)アクリレ
    ート、フェノキシトリエチレングリコール(メタ)アク
    リレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)ア
    クリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)
    アクリレートから成る群から選ばれた少なくとも一種の
    不飽和化合物であることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載の光硬化性樹脂。
  5. 【請求項5】 不飽和カルボン酸以外の不飽和化合物
    が、式(3)で表される化合物であることを特徴とする
    請求項4に記載の光硬化性樹脂。 【化3】
  6. 【請求項6】 脂環式エポキシ基含有不飽和化合物が、
    式(A)〜(M)で表されるいずれかの化合物であるこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光硬化
    性樹脂。 【化4】
  7. 【請求項7】 脂環式エポキシ基含有不飽和化合物が、
    式(4)で表される化合物であることを特徴とする請求
    項6記載の光硬化性樹脂。 【化5】
  8. 【請求項8】 重量平均分子量が1万〜15万であるこ
    とを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光硬化
    性樹脂。
  9. 【請求項9】 硬化性樹脂1kgにつき、二重結合の量
    が1.0モル〜3.5モルであることを特徴とする請求
    項1〜8のいずれかに記載の光硬化性樹脂。
  10. 【請求項10】 酸価が40〜160mgKOH/gで
    あることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の
    光硬化性樹脂。
  11. 【請求項11】 ガラス転移温度が80℃以上である請
    求項1〜10のいずれかに記載の光硬化性樹脂。
  12. 【請求項12】 不飽和カルボン酸が、式(1)又は式
    (2)で表される化合物であり、ガラス転移温度が80
    ℃以上である請求項11記載の光硬化性樹脂。 【化6】 【化7】
  13. 【請求項13】 不飽和カルボン酸以外の不飽和化合物
    が、式(3)で表される化合物であり、ガラス転移温度
    が80℃以上である請求項11〜12のいずれかに記載
    の光硬化性樹脂。 【化8】
  14. 【請求項14】 エポキシ化合物が、式(4)で表され
    る化合物であり、ガラス転移温度が80℃以上の請求項
    11記載の光硬化性樹脂、 【化9】
  15. 【請求項15】 樹脂酸価が100〜140mgKOH
    /gである請求項1〜9のいずれかに記載の光硬化性樹
    脂。
  16. 【請求項16】 不飽和カルボン酸が、式(1)又は式
    (2)で表される化合物であり、樹脂酸価が100〜1
    40mgKOH/gである請求項15記載の光硬化性樹
    脂。 【化10】 【化11】
  17. 【請求項17】 不飽和カルボン酸以外の不飽和化合物
    が、式(3)で表される化合物であり、樹脂酸価が10
    0〜140mgKOH/gである請求項15〜16のい
    ずれかに記載の光硬化性樹脂。 【化12】
  18. 【請求項18】 エポキシ化合物が、式(4)で表され
    る化合物であり、樹脂酸価が100〜140mgKOH
    /gである請求項15〜17のいずれかに記載の光硬化
    性樹脂。 【化13】
  19. 【請求項19】 樹脂酸価が40〜70mgKOH/g
    である請求項1〜9記載の光硬化性樹脂。
  20. 【請求項20】 不飽和カルボン酸が、式(1)又は式
    (2)で表される化合物であり、樹脂酸価が40〜70
    mgKOH/gである請求項19記載の光硬化性樹脂。 【化14】 【化15】
  21. 【請求項21】 不飽和カルボン酸以外の不飽和化合物
    が、式(3)で表される化合物であり、樹脂酸価が40
    〜70mgKOH/gである請求項19〜20のいずれ
    かに記載の光硬化性樹脂。 【化16】
  22. 【請求項22】 エポキシ化合物が、式(4)で表され
    る化合物であり、樹脂酸価が40〜70mgKOH/g
    である請求項19〜21のいずれかに記載の光硬化性樹
    脂。 【化17】
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