JP2001089416A - カルボキシル基を有する(メタ)アクリレート化合物の製造方法及びその化合物を使用した組成物 - Google Patents

カルボキシル基を有する(メタ)アクリレート化合物の製造方法及びその化合物を使用した組成物

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JP2001089416A
JP2001089416A JP26764199A JP26764199A JP2001089416A JP 2001089416 A JP2001089416 A JP 2001089416A JP 26764199 A JP26764199 A JP 26764199A JP 26764199 A JP26764199 A JP 26764199A JP 2001089416 A JP2001089416 A JP 2001089416A
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meth
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acid
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Hiroto Miyake
弘人 三宅
Yukio Yoshida
幸夫 吉田
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Daicel Corp
Daicel UCB Co Ltd
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Daicel Chemical Industries Ltd
Daicel UCB Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像形成材料等に使用した場合に、その感
度、柔軟性を付与、向上させ、アルカリ現像性にも優れ
た(メタ)アクリレート化合物である、カルボキシル基
を有する多官能(メタ)アクリレート化合物の新規な製
造方法を提供すること、更に該製造方法で得られた化合
物を使用した画像形成材料用組成物を提供すること。 【解決手段】 1個以上のヒドロキシル基と2個以上の
(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物を、下記
一般式(1)で表わされる酸無水物及び/又は2個以上
のカルボキシル基を有する化合物と反応させる、カルボ
キシル基を有する(メタ)アクリレート化合物の製造方
法。 【化1】 (式中、R1はテトラカルボン酸化合物のカルボン酸残
基である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1個以上のヒドロ
キシル基と2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基
{CH2=COO−又はCH2=CH(−CH3)COO
−を示す。}を有する化合物を、多価カルボン酸又はそ
の酸無水物と反応させて、カルボキシル基を有する(メ
タ)アクリレート化合物を製造する新規な方法、及び該
製造方法により得られる化合物を用いた、各種画像形成
材料用に好適な組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、画像形成材料、特にプリント配線
板用レジスト材料、カラーフィルター用インキ、ブラッ
クマトリックス用インキ、液晶保護膜等のフラットディ
スプレイパネル(FDP)材料の感度向上、柔軟性向上
等を目的として多官能(メタ)アクリレート化合物が多
く使用されている。この場合、感度向上の目的に(メ
タ)アクリル基を2個以上有する化合物が一般的に使用
されているが、多く使用するほど感度とか塗膜硬度は上
昇するが、多官能(メタ)アクリレート化合物は本来ア
ルカリに不溶のため、現像時に未硬化部塗膜の膜残りが
発生し、充分な解像度が得られないという問題点があ
る。
【0003】又、柔軟性向上を目的とする技術について
述べると、ポリアルキレングリコールのジ(メタ)アク
リレート化合物を使用すると、硬化して柔軟な皮膜とな
るので、インキ、塗料等に使用されるアクリル樹脂の極
めて有用な原料の一つとなっている。更に、上記(メ
タ)アクリレート化合物は、プリント基板用レジスト材
料の分野において柔軟性向上反応性希釈剤としても重要
である。しかしながら、分子量に対するアクリレート基
数が少ないため、多用すると感度低下が問題となる。
【0004】一方、ヒドロキシル基、アミノ基等の官能
基を有するアクリル樹脂はアルカリ現像性に優れ、シリ
カ等の無機化合物、水酸基を有する金属等の素材との密
着性改善向上にも有効であり、とりわけ紫外線硬化を利
用したパターン形成に有効である。この場合、該パター
ン形成の際のアルカリ現像工程における現像時間の短縮
や未硬化部分の除去性の改善のために、アクリル樹脂に
カルボキシル基(−COOH)を導入することが有効で
あることが認められている。このため、カルボキシル基
を有する(メタ)アクリレート化合物の有効な製造方法
が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の課題
は、画像形成材料等に使用した場合に、その感度、柔軟
性を付与、向上させ、アルカリ現像性にも優れた(メ
タ)アクリレート化合物である、カルボキシル基を有す
る多官能(メタ)アクリレート化合物の新規な製造方法
を提供することであり、更に該製造方法で得られた化合
物を使用した画像形成材料用組成物を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究をした結果、2種類の特定の化
合物を反応させる製造方法が好適であることを見出し、
本発明を完成した。本発明の要旨は以下の通りである。
第1の発明は、1個以上のヒドロキシル基と2個以上の
(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物を、下記
一般式(1)で表わされる酸無水物及び/又は2個以上
のカルボキシル基を有する化合物と反応させることを特
徴とするカルボキシル基を有する(メタ)アクリレート
化合物の製造方法に関するものである。
【0007】
【化2】 (式中、R1はテトラカルボン酸化合物のカルボン酸残
基である。)
【0008】第2の発明は、1個以上のヒドロキシル基
と2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化
合物に加え、1個以上のヒドロキシル基と1個の(メ
タ)アクリロイルオキシ基を有する化合物を併用して反
応させる上記第1の発明のカルボキシル基を有する(メ
タ)アクリレート化合物の製造方法に関する。第3の発
明は、反応を2個以上のヒドロキシル基を有する化合物
の共存下に行う上記第1又は第2の発明の製造方法に関
する。第4の発明は、1個以上のヒドロキシル基と2個
以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物
が、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリンア
クリレートメタアクリレート、ペンタエリスリトールト
リ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールペ
ンタ(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少な
くとも1である上記第1〜第3の発明のいずれかの製造
方法に関する。第5の発明は、上記第1〜第4の発明の
いずれかの製造方法により得られた化合物を必須成分と
するソルダーレジスト、エッチングレジスト又はフラッ
トディスプレイパネルの画像形成材料用組成物に関す
る。第6の発明は、上記第1〜第4の発明のいずれかの
製造方法により得られた化合物を必須成分とするドライ
フィルムの画像形成材料用組成物に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に係る製造方法において使
用される、1個以上のヒドロキシル基と2個以上の(メ
タ)アクリロイルオキシ基を有する化合物としては、特
に制限はなく、例えばグリセリンジ(メタ)アクリレー
ト、グリセリンアクリレートメタクリレート、ペンタエ
リスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリ
スリトールペンタ(メタ)アクリレートの他、これらの
原料成分であるグリセリン等のヒドロキシル化合物に予
めエチレンオキサイド又はイソシアヌル酸エチレンオキ
シド1〜15モルが付加されたジアクリレート等を使用
することができるが、前記グリセリンジ(メタ)アクリ
レート、グリセリンアクリレートメタクリレート、ペン
タエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタ
エリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが特に好適
である。又、上記アクリレート基を有する化合物は、そ
の1種を単独で使用することができるが、2種以上を組
み合わせて使用することもできる。
【0010】又、上記1個以上のヒドロキシル基と2個
以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物単
独ではなくて、1個以上のヒドロキシル基と1個の(メ
タ)アクリロイルオキシ基を有する化合物を併用するこ
ともできる。ここに、1個以上のヒドロキシル基と1個
の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物として
は、アクリル酸及び/又はメタクリル酸にアルキレンオ
キサイド化合物を付加させた化合物が例示され、下記化
学反応式(A)で示される反応生成物が該当する。
【0011】
【化3】 (ここにR1は、水素原子又はメチル基を、R2 は水素
原子又はアルキル基を、またnはアルキレンオキサイド
化合物のモル数をそれぞれ示す。)
【0012】しかもこれら付加された化合物は既に上市
されており、利用が容易である点でも好適である。当該
化合物に相当し、本発明に用い得る市販商品としては、
アクリル酸にエチレンオキサイドを付加させた化合物の
ブレンマーAE(日本油脂社製、商品名)、メタクリル
酸にエチレンオキサイドを付加させた化合物のブレンマ
ーPE(同上)、アクリル酸にプロピレンオキサイドを
付加させた化合物のブレンマーAP(同上)、メタクリ
ル酸にプロピレンオキサイドを付加させた化合物のブレ
ンマーPP(同上)などが挙げられる。
【0013】アクリル酸にプロピレンオキサイドを付加
させた上記化合物において、アクリル酸1モルに約4〜
15モルのプロピレンオキサイドが付加したもの、例え
ば上記市販品のうち「ブレンマーAP400」が好まし
く使用されるが、プロピレンオキサイド付加数をさらに
上げて合成したものを使用してもよい。また、付加モル
数nの小さいものも使用可能で、メタクリル酸1モルに
エチレンオキサイド2モルを付加させた化合物や、付加
数が1モル(n=1)であるヒドロキシエチルアクリレ
ート(HEA)、ヒドロキシエチルメタクリレート(H
EMA)、ヒドロキシプロピルアクリレート(HP
A)、ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)
等も使用することも出来る。
【0014】更に、上記(メタ)アクリル酸に付加させ
るアルキレンオキサイド化合物としては、上記例示のエ
チレンオキサイド、プロピレンオキサイドに代え、ブテ
ンオキサイド、α−オレフィンオキサイド類、スチレン
オキサイド等公知の化合物群から選んでも差し支え無
い。
【0015】ここに使用されるアルキレンオキサイドと
しては、全ての結合手を示した下記一般式(2)のオキ
シラン化合物、同じく一般式(3)のオキセタン化合物
又は一般式(4)のテトラヒドロフラン化合物を選ぶこ
ともでき、これらをアクリル酸、メタクリル酸に付加し
た構造の化合物も一般式(5)で表わされる(メタ)ア
クリレート化合物として使用できる。
【0016】
【化4】
【0017】
【化5】
【0018】
【化6】
【0019】
【化7】 (式中、R1は水素原子又はメチル基であり、Aは置換
基を有していてもよい炭素数2〜4のアルキレン基であ
り、nは1〜50の正数である。)
【0020】これらアルキレン基の置換基は、選択した
合成方法において副反応をもたらさないものであればい
ずれを使用しても差し支えなく、脂肪族炭化水素、脂環
族炭化水素、不飽和結合を持つ脂肪族炭化水素、不飽和
結合を持つ脂環族炭化水素、芳香族炭水素、これらが結
合したもの、さらに以上の構造であってエーテル、エス
テル、ハロゲン、ケトン等の不活性な官能基を有してい
るものであってもよい。
【0021】更に、アルキレンオキサイドは異種のもの
を混合して使用することもできる。混合方法として、一
例としてブロック的な使い方が挙げられる。例えばアク
リル酸又はメタクリル酸1モルに対して最初にエチレン
オキサイドを、次いでプロピレンオキサイドを付加させ
るが、両者の合計が1モル以上になるよう付加させる方
法、或いは、アクリル酸又はメタクリル酸1モルに対し
て最初にエチレンオキサイドを、次いでテトラヒドロフ
ランを付加させるが、両者の合計が1モル以上になるよ
うに付加させる方法をとり、該合成で得られる化合物も
本発明の(メタ)アクリレート化合物の原料として使用
出来る。更に、アルキレンオキサイドの複数種がランダ
ムに並んで付加したものでもよく、例えばエチレンオキ
サイドとプロピレンオキサイドを混合したものをアクリ
ル酸又はメタクリル酸に添加し、付加反応させて得られ
る化合物もやはり前記一般式(5)で表わされる(メ
タ)アクリレート化合物として使用することができる。
【0022】化学反応式(A)で表わされる(メタ)ア
クリレート化合物の製造方法は、アクリル酸又はメタク
リル酸のカルボキシル基にアルキレンオキサイドを、必
要によりアルカリ、酸等の触媒の存在下に、開環付加さ
せる方法がジ(メタ)アクリレートの副生もなく、好適
であるが、アルキレンオキサイドの開環反応が遅い等の
場合には、水等通常使用される開始剤で1種以上のアル
キレンオキサイドを開環又は開環重合させ、次いでアク
リル酸、メタアクリル酸と縮合させ、必要なら蒸留等の
方法で精製する等、公知の手段を用いて合成することが
できる。なお、アルキレンオキサイドの使用を経由しな
い炭素数2〜4のアルキレンジオールをそのまま、或い
は公知の方法で先ず重合させるとともに、アクリル酸又
はメタクリル酸とモノエステル化反応させてもよい。
【0023】本発明に係る製造方法において使用される
他の成分は、一般式(1)で表される酸無水物及び/又
は2個以上のカルボキシル基を有する化合物である。一
般式(1)で表わされる酸無水物は、4価のカルボン酸
化合物の2無水物であり、例として、無水ピロメリット
酸、無水フタル酸2量体、ジフェニルエーテルテトラカ
ルボン酸無水物、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸
無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ブタ
ン1,2,3,4−テトラカルボン酸無水物等を挙げる
ことが出来る。これらの中で、無水ピロメリット酸は入
手も容易で、本発明の原料化合物として好適である。
【0024】更に、酸無水物のカルボン酸残基は上記ジ
フェニルエーテルテトラカルボン酸無水物の場合のごと
くエーテルを含んでいてもよいが、更にエステル、ハロ
ゲン、ケトン等の不活性な官能基を含有していてもよ
く、例えば無水トリメリット酸・エチレングリコールエ
ステルである化合物(例えば、新日本理化社製、商品名
リカシッドTMEG)などが前記一般式(1)で表わさ
れる酸無水物の一例として使用することも出来る。
【0025】又、上記2個以上のカルボキシル基を有す
る化合物としては、コハク酸、アジピン酸、ピメリン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジ
カルボン酸、ブラシル酸等の脂肪族ジカルボン酸、テト
ラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ヘキ
サヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、ナジ
ック酸等の脂環族ジカルボン酸、メチルシクロヘキサテ
トラカルボン酸等の脂環族多価カルボン酸、フタル酸類
等の芳香族ジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリッ
ト酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸等の芳香族多価
カルボン酸、トリスカルボキシエチルイソシアヌレート
等の複素環多価カルボン酸が例示できる。
【0026】分子内に酸無水物基を2個有する化合物を
用いた場合、酸無水物基とヒドロキシル基が等モルで定
量的に付加することから、ヒドロキシル基の付加を酸無
水物1分子あたり2個に制御でき、その結果、目的とし
ている(メタ)アクリロイルオキシ基を分子内に少なく
とも2個有する、カルボキシル基を有する(メタ)アク
リレート化合物を高い選択率で得ることが可能となる。
【0027】本発明に係る1個以上のヒドロキシル基と
2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合
物と一般式(1)で表されるカルボン酸無水物等の反応
には、前記のごとく2個以上のヒドキシル基を有する化
合物を共存させることにより、得られる化合物を必須成
分とする画像形成材料用組成物からなる保護皮膜に柔軟
性を付与することができることがわった。ここに使用さ
れる2個以上のヒドロキシル基を有する化合物として
は、特に限定されるものではないが、例えばエチレング
リコール、プロピレングリコール、ブタンジオール等2
個のヒドロキシル基を有するポリメチレン類、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレ
ングリコール等ポリアルキレンオキサイド類、ポリカプ
ロラクトンジオール等ポリエステル類、シクロヘキサン
ジメタノール等脂環族類、その他芳香族類を挙げること
ができる。
【0028】次に、本発明に係るカルボキシル基を有す
る(メタ)アクリレート化合物の製造方法について説明
する。先ず、1個以上のヒドロキシル基と2個以上の
(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物と一般式
(1)で表わされる酸無水物は、加熱下に攪拌混合する
ことにより、カルボキシル基を有する(メタ)アクリレ
ート化合物を与える。反応温度は低いと進行が遅く、高
いと(メタ)アクリロイルオキシ基を構成する(メタ)
アクリロイル基の重合が起きるため、40℃〜160℃
の範囲が好ましい。この場合、(メタ)アクリロイル基
の重合を防止するために、反応は酸素存在下に行なうこ
とが好ましく、又、例えばハイドロキノンモノメチルエ
ーテル等重合禁止剤の存在下に実施することが好まし
い。これらキノン類等の重合禁止剤は5000ppm以
下、さらに好ましくは700ppm以下で用いられる。
【0029】反応は無触媒で進行するが、必要に応じ、
触媒を使用してもよい。使用される触媒としてはトリエ
チルアミン、ピリジン、N−メチルイミダゾール、ジア
ザビシクロウンデセン、ジアザビシクロオクタン等の塩
基性化合物、トリメチルベンジルアンモニウムクロライ
ド、テトラブチルアンモニウムブロマイド等のアンモニ
ウム塩を挙げることもでき、又、この他の酸やアルカリ
等公知の触媒を使用することもできる。
【0030】反応は無溶媒で実施できるが、溶媒を使用
してもよく、トルエン、MEK、酢酸エチル、1−メト
キシ−2−アセトキシプロパン等を使用することができ
る。又、モノ又はポリ(メタ)アクリレート等の反応性
希釈剤を溶媒として使用してもよい。
【0031】1個以上のヒドロキシル基と2個以上の
(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物と、一般
式(1)で表わされる酸無水物との配合比は特に限定さ
れるものではないが、酸無水物の残存量が多いと、エポ
キシ基を有する化合物と配合する用途ではポットライフ
を短くすることがあり、前者:後者=5:1〜0.5:
1のモル比が好ましく、特に2:1程度のモル比が、ヒ
ドロキシル基と酸無水物基との当量比でいえば1:1程
度が好ましい。
【0032】又、上記一般式(1)に代え、又は混合し
て2個以上のカルボキシル基を有する化合物を使用する
場合は、前記1個以上のヒドロキシル基と2個以上の
(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物と該カル
ボキシル基を有する化合物との配合比は、当量比で上記
と同じである。
【0033】又、上記一個以上のヒドロキシル基と2個
以上のメタクリレート基を有する化合物と、一般式
(1)で示される酸無水物及び/又は2個以上のカルボ
キシル基を有する化合物を反応させる際に、2個以上の
ヒドロキシル基を有する化合物を共存させることによ
り、後記の効果を発現するが、添加順序を変えることに
より種々の効果を発現する。
【0034】2個以上のヒドロキシル基を有する化合物
及び一般式(1)で表わされる酸無水物等は、ヒドロキ
シル基/酸無水物基又はカルボキシル基=1〜0.01
(当量比)の範囲で使用することが好ましいが、未反応
ジオール成分を少なくするために、酸無水物等の添加を
過剰にし、末端が酸無水物又はカルボキシル基の化合物
を合成した上で、1個以上のヒドロキシル基と2個以上
の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物を反応
させる方がカルボキシル基を均一に有する化合物が合成
できるので好ましい。
【0035】或いは、1個以上のヒドロキシル基と2個
以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物に
一般式(1)で表わされる酸無水物を反応させ、酸無水
物基を残した化合物に2個以上のヒドロキシル基を有す
る化合物を反応させて合成することにより、目的の化合
物を合成することもできる。
【0036】以上述べてきた、本発明に係る製造方法に
より得られた化合物は、分子中にカルボキシル基と2個
以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を分子内に有し、
金属やその他の素材とアクリル樹脂との密着性、とりわ
け紫外線硬化を利用したパターン形成のアルカリ現像工
程における現像時間の短縮、未硬化部分の除去性の改善
に新しい手段を提供するものである。以下実施例により
本発明をさらに詳しく説明する。
【0037】
【実施例】(合成実施例1)攪拌装置、温度計、水冷コ
ンデンサーを備えた1リットルガラス製フラスコに3−
メトキシブチルアセテート(ダイセル化学工業社製:商
品名メトアセ)を300g投入し、その中に無水ピロメ
リット酸(ダイセル化学社製:商品名PMDA)を21
8g入れ、90℃に昇温し、メトキノン1gを添加した
後、ペンタエリスリトールトリアクリレート(ダイセル
UCB社製:商品名PETIA)を596gを2時間滴
下した。その後、8時間反応を行ない、目的とする化合
物(A)を得た。
【0038】(合成実施例2〜5)合成実施例1同様の
手法で目的の化合物を合成した。各反応に使用した成分
及びその量を表1に示した。
【0039】
【表1】
【0040】(合成実施例6)攪拌装置、温度計、水冷
コンデンサーを備えた1リットルガラス製フラスコに3
−メトキシブチルアセテート(ダイセル化学工業社製:
商品名メトアセ)を300g投入し、その中に無水ピロ
メリット酸(ダイセル化学社製:商品名PMDA)を2
18g入れ、90℃に昇温し、メトキノン1gを添加し
た後、ペンタエリスリトールトリアクリレート(ダイセ
ルUCB社製:商品名PETIA)を596gを2時間
滴下した。続いてポリエチレングリコール(日本油脂社
製,分子量が202で、商品名PEG200)を141
g添加した。その後、8時間反応を行ない、目的とする
化合物(F)を得た。
【0041】(合成実施例7)攪拌機、温度計、還流冷
却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた2リットルセ
パラブルフラスコに、プロピレングリコールモノメチル
エーテル(ダイセル化学工業社製、商品名MMPG)2
50gを導入し、110℃に昇温後、メタクリル酸17
9g、メチルメタクリレート131g、MMPG230
g及びt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート
(日本油脂社製:商品名パーブチルO)21.7gを共
に3時間かけて滴下した。滴下後3時間熟成してカルボ
キル基を有する幹ポリマーを合成した。次に、上記幹ポ
リマー溶液に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル
アクリレート(ダイセル化学工業社製、商品名サイクロ
マーA200)210g、トリフェニルホスフィン2.
1g、メチルハイドロキノン1.0g加えて、100℃
で10時間反応させた。反応は、空気/窒素の混合雰囲
気下で行った。これにより、酸価100KOH−mg/
g、二重結合当量(不飽和基1mol当りの樹脂重量)
450、重量平均分子量16,500の硬化性樹脂溶液
を得た。
【0042】(使用実施例1〜6、使用比較例1)合成
実施例7の樹脂溶液100重量部(固形分)、合成実施
例1〜6の各化合物20重量部、エポキシ当量220の
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポ
キシ社製、商品名エピコート180S70)20重量
部、ベンジルメチルケタール7重量部、ジエチルチオキ
サントン2重量部、フタロシアニングリーン1.5重量
部、シリカ5重量部、硫酸バリウム20重量部、ジシア
ンジアミド5重量部を混合した後、3本ロールで混練
し、粘ちょうなインキ組成物を得た。上記で得られたイ
ンキをパターン形成された基盤の上にバーコーターを用
いて20μmの厚さに塗布し、80℃の送風乾燥機で2
0分間乾燥させた。その後、ネガフイルムを密着させ、
800mJ/cm2の光量を照射した。更に、1%炭酸
ソーダ水溶液での現像性し、得られた塗膜を150℃送
風オーブンで30分間硬化させることにより塗膜を得
た。該塗膜について、アルカリ現像性及び感度を下記に
説明する方法により測定した。塗膜用成分、その組成及
び上記諸特性の測定結果は表2に示した。
【0043】(アルカリ現像性)送風乾燥させた基板を
3×4cm角に切り、30℃、2kg/cm2圧で1%
Na2 CO3 水溶液をスプレーし、完全に塗膜が現像で
きるまでの時間を測定し、該時間を以て評価した。 (感度)ストーファー社の21段ステップタブレットを
使用して評価した。
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】以上の説明から分かるように、本発明に
係る製造方法によれば、カルボキシル基を有する(メ
タ)アクリレート化合物基を含有する化合物を効率よく
製造することができ、しかも該得られた化合物を含む硬
化性樹脂組成物のインキは、感度の向上と、アルカリ現
像性向上が見られ、ソルダー、エッチングレジスト分野
で優れた特性を示すことが判った。
フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA02 AA03 AB76 AC48 BA51 BA94 BB11 BB16 BB17 BB70 BC10 BC11 BC31 BS10 BT12 KA03 KA19 4H039 CA65 CA66 CD30

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1個以上のヒドロキシル基と2個以上の
    (メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物を、下記
    一般式(1)で表わされる酸無水物及び/又は2個以上
    のカルボキシル基を有する化合物と反応させることを特
    徴とするカルボキシル基を有する(メタ)アクリレート
    化合物の製造方法。 【化1】 (式中、R1はテトラカルボン酸化合物のカルボン酸残
    基である。)
  2. 【請求項2】 1個以上のヒドロキシル基と2個以上の
    (メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物に加え、
    1個以上のヒドロキシル基と1個の(メタ)アクリロイ
    ルオキシ基を有する化合物を併用して反応させる請求項
    1記載のカルボキシル基を有する(メタ)アクリレート
    化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】 反応を2個以上のヒドロキシル基を有す
    る化合物の共存下に行う請求項1又は2記載の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 1個以上のヒドロキシル基と2個以上の
    (メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物が、グリ
    セリンジ(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレー
    トメタアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
    タ)アクリレート及びジペンタエリスリトールペンタ
    (メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくと
    も1である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方
    法により得られた化合物を必須成分とするソルダーレジ
    スト、エッチングレジスト又はフラットディスプレイパ
    ネルの画像形成材料用組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方
    法により得られた化合物を必須成分とするドライフィル
    ムの画像形成材料用組成物。
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