JP6247026B2 - ガラス加工用感光性樹脂組成物及びガラス加工方法 - Google Patents

ガラス加工用感光性樹脂組成物及びガラス加工方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス加工用感光性樹脂組成物及びこのガラス加工用感光性樹脂組成物をパターニングして得られる樹脂パターンをマスクとしてガラス基板をエッチング加工するガラス加工方法に関する。
タッチパネルは、スペーサを介して対向するガラス基板とフィルム材との対向面に、各々、ITO等の透明導電物質を成膜して構成されている。このタッチパネルでは、フィルム材の接触位置が座標情報として検出される。
また、最近では、タッチパネル一体型の液晶ディスプレイも提案されている。これは、液晶ディスプレイを構成する2枚のガラス基板の一方がタッチパネルのガラス基板を兼ねるものであり、薄型化及び軽量化を実現する上で非常に有効である。
従来、このようなガラス基板の加工方法としては物理的方法が一般的であったが、加工の際にクラックが入りやすく、強度が低下したり歩留まりが悪化したりするという問題があった。
そこで、近年、感光性樹脂組成物をパターニングして得られる樹脂パターンをマスクとしてガラス基板をエッチング加工する化学的方法が提案されている(例えば特許文献1,2を参照)。このような化学的方法によれば、加工の際に物理的な負荷がかからないため、クラックが入りにくい。また、物理的方法とは異なり、ガラス基板にマイクやスピーカ用の穴あけ加工を行うことも可能である。
特開2008−076768号公報 特開2010−072518号公報
ところで、最近ではこのようなガラス基板として強化ガラスが使用されることが多い。これに伴い、エッチング条件も過酷なものとなり、例えば15質量%フッ酸及び15質量%硫酸を含むエッチング液を25〜60℃に加温して用いることが検討されている。
しかし、特許文献1,2に記載されているような従来の感光性樹脂組成物を用いた場合には、上記のような過酷なエッチング条件ではエッチング耐性が不足するという問題があった。
また、例えば、ガラス基板に貫通孔を形成するために、ガラス基板の両面に塗布した感光性樹脂組成物をパターニングして得られる樹脂パターンをマスクとしてガラス基板をエッチング加工する方法が用いられる場合がある。上記樹脂パターンを形成する過程では、感光性樹脂組成物をガラス基板の両面に塗布し乾燥させて得られた樹脂層を露光・現像して樹脂パターンを得る両面パターニングが行われる。この際、片面ごとに感光性樹脂組成物の塗布及び乾燥を行うと、樹脂層間で熱履歴等に相違が生じて、パターニングの際に影響が生じる場合がある。そのため、感光性樹脂組成物の塗布及び乾燥は、ガラス基板の両面について同時に行うことが好ましい。このような塗布及び乾燥は、ガラス基板を垂直又は水平に配置して行われる。
しかし、特許文献1,2に記載されているような従来の感光性樹脂組成物は、流動性を有し、液だれを起こすため、均一な樹脂層を形成しにくいという問題があった。即ち、ガラス基板を垂直に配置して塗布及び乾燥を行う場合、重力の影響で、上方から下方へ感光性樹脂組成物が液だれを起こし、樹脂層の膜厚にむらが生じやすい。一方、ガラス基板を水平に配置して塗布及び乾燥を行う場合、上面の感光性樹脂組成物はガラス基板に支持されるため、樹脂層の膜厚は均一に保たれやすいのに対し、下面の感光性樹脂組成物は、そのような支持がなく、より流動しやすいため、樹脂層の膜厚に不均一が生じやすい。
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、エッチング耐性が高く、かつ、解像性に優れるとともに、液だれが抑制されたガラス加工用感光性樹脂組成物及びこのガラス加工用感光性樹脂組成物を用いたガラス加工方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた。その結果、特定の感光性樹脂組成物を用いることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明に係るガラス加工用感光性樹脂組成物は、水酸基を有する質量平均分子量20000以上の樹脂と、フィラー及びレオロジー調整剤の組み合わせとを含有するものである。
また、本発明にかかるガラス加工方法は、上記ガラス加工用感光性樹脂組成物からなる樹脂層をガラス基板上に形成する樹脂層形成工程と、上記樹脂層を選択的に露光する露光工程と、露光後の上記樹脂層を現像して樹脂パターンを形成する現像工程と、上記樹脂パターンをマスクとして上記ガラス基板をエッチングするエッチング工程と、上記樹脂パターンを剥離する剥離工程とを含むものである。
本発明によれば、エッチング耐性が高く、かつ、解像性に優れるとともに、液だれが抑制されたガラス加工用感光性樹脂組成物及びこのガラス加工用感光性樹脂組成物を用いたガラス加工方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。以下では、まず、本発明に係るガラス加工用感光性樹脂組成物について説明し、次いで、本発明に係るガラス加工方法について説明する。
≪ガラス加工用感光性樹脂組成物≫
本発明に係るガラス加工用感光性樹脂組成物は、水酸基を有する質量平均分子量20000以上の樹脂と、フィラー及びレオロジー調整剤の組み合わせとを含有する。この感光性樹脂組成物は、ポジ型、ネガ型のいずれであってもよい。以下、ポジ型感光性樹脂組成物及びネガ型感光性樹脂組成物に含有される各成分について詳細に説明する。
<ポジ型感光性樹脂組成物>
ポジ型感光性樹脂組成物は、(A)水酸基を有する質量平均分子量20000以上の樹脂、(B)フィラー及びレオロジー調整剤の組み合わせ、並びに(C)キノンジアジド基含有化合物を少なくとも含有する。
[(A)水酸基を有する質量平均分子量20000以上の樹脂]
水酸基を有する質量平均分子量20000以上の樹脂(以下、「(A)成分」ともいう。)の質量平均分子量は、20000以上である限り、特に限定されないが、20,000〜200,000であることが好ましく、30,000〜150,000であることがより好ましい。上記質量平均分子量20,000以上であると、得られる感光性樹脂組成物のエッチング耐性が向上しやすく、膜減りが大きくなりにくい。上記質量平均分子量200,000以下であると、得られる感光性樹脂組成物の現像性が良好となりやすい。(A)成分としては、例えば、フェノール性水酸基を有する質量平均分子量20000以上のアルカリ可溶性樹脂やアルコール性水酸基を有する質量平均分子量20000以上の樹脂を用いることができる。
(1)フェノール性水酸基を有する質量平均分子量20000以上のアルカリ可溶性樹脂
フェノール性水酸基を有する質量平均分子量20000以上のアルカリ可溶性樹脂の質量平均分子量は、20000以上である限り、特に限定されないが、20,000〜200,000であることが好ましく、30,000〜150,000であることがより好ましい。
フェノール性水酸基を有する質量平均分子量20000以上のアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、質量平均分子量20000以上のポリヒドロキシスチレン系樹脂を用いることができる。
ポリヒドロキシスチレン系樹脂は、ヒドロキシスチレンに由来する構成単位を少なくとも有する。
ここで「ヒドロキシスチレン」とは、ヒドロキシスチレン、及びヒドロキシスチレンのα位に結合する水素原子がハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたもの、並びにそれらの誘導体のヒドロキシスチレン誘導体(モノマー)を含む概念とする。
「ヒドロキシスチレン誘導体」は、少なくともベンゼン環とこれに結合する水酸基とが維持されており、例えば、ヒドロキシスチレンのα位に結合する水素原子が、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたもの、並びにヒドロキシスチレンの水酸基が結合したベンゼン環に、さらに炭素数1〜5のアルキル基が結合したものや、この水酸基が結合したベンゼン環に、さらに1〜2個の水酸基が結合したもの(このとき、水酸基の数の合計は2〜3である。)等を包含するものとする。
ハロゲン原子としては、塩素原子、フッ素原子、臭素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
なお、「ヒドロキシスチレンのα位」とは、特に断りがない限り、ベンゼン環が結合している炭素原子のことをいう。
このヒドロキシスチレンに由来する構成単位は、例えば下記式(a−1)で表される。
Figure 0006247026
上記式(a−1)中、Ra1は水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、又はハロゲン化アルキル基を示し、Ra2は炭素数1〜5のアルキル基を示し、pは1〜3の整数を示し、qは0〜2の整数を示す。
a1のアルキル基は、好ましくは炭素数1〜5である。また、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。これらの中でも、工業的にはメチル基が好ましい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
ハロゲン化アルキル基としては、上述した炭素数1〜5のアルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換されたものである。この中でも、水素原子の全部がフッ素原子で置換されたものが好ましい。また、直鎖状又は分岐鎖状のフッ素化アルキル基が好ましく、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基等がより好ましく、トリフルオロメチル基(−CF)が最も好ましい。
a1としては、水素原子又はメチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
a2の炭素数1〜5のアルキル基としては、Ra1の場合と同様のものが挙げられる。
qは0〜2の整数である。これらの中でも0又は1であることが好ましく、工業上は特に0であることが好ましい。
a2の置換位置は、qが1である場合にはオルト位、メタ位、パラ位のいずれでもよく、さらに、qが2の場合には任意の置換位置を組み合わせることができる。
pは1〜3の整数であり、好ましくは1である。
水酸基の置換位置は、pが1である場合にはオルト位、メタ位、パラ位のいずれでもよいが、容易に入手可能で低価格であることからパラ位が好ましい。さらに、pが2又は3の場合には任意の置換位置を組み合わせることができる。
上記式(a−1)で表される構成単位は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリヒドロキシスチレン系樹脂中、ヒドロキシスチレンに由来する構成単位の割合は、ポリヒドロキシスチレン系樹脂を構成する全構成単位に対して60〜100モル%であることが好ましく、70〜100モル%であることがより好ましく、80〜100モル%であることがさらに好ましい。上記の範囲内とすることにより、感光性樹脂組成物のアルカリ溶解性を適度なものとすることができる。
ポリヒドロキシスチレン系樹脂は、スチレンに由来する構成単位をさらに有することが好ましい。
ここで「スチレンに由来する構成単位」とは、スチレン及びスチレン誘導体(但し、ヒドロキシスチレンは含まない。)のエチレン性二重結合が開裂してなる構成単位を包含するものとする。
「スチレン誘導体」は、スチレンのα位に結合する水素原子が、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたもの、並びにスチレンのフェニル基の水素原子が、炭素数1〜5のアルキル基等の置換基に置換されているもの等を包含するものとする。
ハロゲン原子としては、塩素原子、フッ素原子、臭素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
なお、「スチレンのα位」とは、特に断りがない限り、ベンゼン環が結合している炭素原子のことをいう。
このスチレンに由来する構成単位は、例えば下記式(a−2)で表される。式中、Ra1、Ra2、qは上記式(a−1)と同義である。
Figure 0006247026
a1及びRa2としては、上記式(a−1)のRa1及びRa2とそれぞれ同様のものが挙げられる。
qは0〜2の整数である。これらの中でも0又は1であることが好ましく、工業上は特に0であることが好ましい。
a2の置換位置は、qが1である場合にはオルト位、メタ位、パラ位のいずれでもよく、さらに、qが2の場合には任意の置換位置を組み合わせることができる。
上記式(a−2)で表される構成単位は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリヒドロキシスチレン系樹脂中、スチレンに由来する構成単位の割合は、ポリヒドロキシスチレン系樹脂を構成する全構成単位に対して40モル%以下であることが好ましく、30モル%以下であることがより好ましく、20モル%以下であることがさらに好ましい。上記の範囲とすることにより、感光性樹脂組成物のアルカリ溶解性を適度なものとすることができ、他の構成単位とのバランスも良好になる。
なお、ポリヒドロキシスチレン系樹脂は、ヒドロキシスチレンに由来する構成単位やスチレンに由来する構成単位以外の他の構成単位を有していてもよい。より好ましくは、上記ポリヒドロキシスチレン系樹脂は、ヒドロキシスチレンに由来する構成単位のみからなる重合体、あるいはヒドロキシスチレンに由来する構成単位とスチレンに由来する構成単位とからなる共重合体である。
ポリヒドロキシスチレン系樹脂の質量平均分子量は、20000以上である限り、特に限定されないが、20,000〜200,000であることが好ましく、30,000〜150,000であることがより好ましい。
また、フェノール性水酸基を有する質量平均分子量20000以上のアルカリ可溶性樹脂としては、質量平均分子量20000以上のノボラック樹脂を用いることもできる。このノボラック樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とを酸触媒の存在下で付加縮合させることにより得ることができる。
フェノール類としては、フェノール;o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール等のクレゾール類;2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール等のキシレノール類;o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、2−イソプロピルフェノール、3−イソプロピルフェノール、4−イソプロピルフェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール等のモノアルキルフェノール類;2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール等のトリアルキルフェノール類;レゾルシノール、カテコール、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、フロログリシノール等の多価フェノール類;アルキルレゾルシン、アルキルカテコール、アルキルハイドロキノン等のアルキル多価フェノール類(いずれのアルキル基も炭素数1〜4である);α−ナフトール、β−ナフトール、ヒドロキシジフェニル、ビスフェノールA等の多環フェノール類等が挙げられる。これらのフェノール類は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのフェノール類の中でも、m−クレゾール、p−クレゾールが好ましく、m−クレゾールとp−クレゾールとを併用することがより好ましい。この場合、両者の配合割合を調整することにより、得られる感光性樹脂組成物の感度等の諸特性を調整することができる。
アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、ニトロベンズアルデヒド、アセトアルデヒド等が挙げられる。これらのアルデヒド類は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
酸触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、亜リン酸等の無機酸類;蟻酸、シュウ酸、酢酸、ジエチル硫酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸類;酢酸亜鉛等の金属塩類等が挙げられる。これらの酸触媒は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このようにして得られるノボラック樹脂としては、具体的には、フェノール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂、クレゾール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂、フェノール−ナフトール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂等が挙げられる。
ノボラック樹脂の質量平均分子量は、20000以上である限り、特に限定されないが、20,000〜200,000であることが好ましく、20,000〜150,000であることがより好ましい。
また、フェノール性水酸基を有する質量平均分子量20000以上のアルカリ可溶性樹脂としては、質量平均分子量が20000以上である限り、フェノール−キシリレングリコール縮合樹脂、クレゾール−キシリレングリコール縮合樹脂、フェノール−ジシクロペンタジエン縮合樹脂等を用いることもできる。
(2)アルコール性水酸基を有する質量平均分子量20000以上の樹脂
アルコール性水酸基を有する質量平均分子量20000以上の樹脂の質量平均分子量は、20000以上である限り、特に限定されないが、20,000〜200,000であることが好ましく、30,000〜150,000であることがより好ましい。
アルコール性水酸基を有する質量平均分子量20000以上の樹脂としては、例えば、アクリル系重合体、ビニル系重合体、アルキレングリコール系重合体、セルロース系重合体、尿素系重合体、エポキシ系重合体、アミド系重合体、メラミン系重合体、ポリエチレン系重合体、アルキッド系重合体、スルホンアミド樹脂等の樹脂であって、その構造中にアルコール性水酸基を有し、質量平均分子量が20000以上であるものを用いることができる。より具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、N−ビニルピロリドン、ビニルアルコール、N−ビニルイミダゾリジノン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、及びN−アクリロイルモルホリンからなる群より選択される少なくとも1種のモノマーの重合体及び/又は共重合体であって、その構造中にアルコール性水酸基を有し、質量平均分子量が20000以上であるものを用いることができる。
中でも、質量平均分子量20000以上のポリビニルアルコールが好ましい。ポリビニルアルコールの質量平均分子量は、20000以上である限り、特に限定されないが、20,000〜200,000であることが好ましく、30,000〜150,000であることがより好ましい。
(A)成分の含有量は、ポジ型感光性樹脂組成物の固形分に対して10〜70質量%であることが好ましく、20〜60質量%であることがより好ましい。上記の範囲とすることにより、現像性のバランスがとりやすい傾向がある。
[(B)フィラー及びレオロジー調整剤の組み合わせ]
フィラー及びレオロジー調整剤の組み合わせ(以下、「(B)成分」ともいう。)を含有することにより、下記のとおり、ポジ型感光性樹脂組成物のチキソトロピー性を良好なものとすることができる。(B)成分は、水素結合、ファンデアワールス結合等の弱い結合により、相互作用して三次元網目構造を形成する。この三次元網目構造は、外力が作用すると容易に破壊されるが、外力を除くと、再び形成される。よって、(B)成分を含有するポジ型感光性樹脂組成物は、塗布時に高い剪断力が作用すると、上記三次元網目構造が破壊されて粘度が低下し、適度な流動性を示すため、容易にガラス基板に塗布することができる。一方、(B)成分を含有するポジ型感光性樹脂組成物は、塗布後の乾燥中に剪断力が作用していない状態では、上記三次元網目構造が形成されて粘度が上昇し、流動性が著しく低下するため、液だれが抑制される。その結果、膜厚の均一性が向上した樹脂層をポジ型感光性樹脂組成物から形成することができる。
また、フィラーを含有することにより、ポジ型感光性樹脂組成物のエッチング耐性を良好なものとすることができ、このポジ型感光性樹脂組成物から高アスペクト比の樹脂パターンを形成することができる。
フィラーとしては、特に限定されないが、ポリエチレン微粒子、ポリテトラフルオロエチレン微粒子、ポリプロピレン微粒子、ポリスチレン微粒子、ポリメチルメタクリレート微粒子等のポリオレフィン微粒子;硫酸バリウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機塩微粒子;シリカ微粒子、二酸化チタン微粒子、二酸化ジルコニウム微粒子、マイカ、アルミナ、カオリン、タルク、酸化鉄等の無機酸化物微粒子;エポキシ微粒子;及びカーボンブラック等が好適に用いられる。中でも、ポリエチレン微粒子、ポリテトラフルオロエチレン微粒子、ポリプロピレン微粒子、ポリスチレン微粒子、ポリメチルメタクリレート微粒子等のポリオレフィン微粒子;硫酸バリウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機塩微粒子は、フッ酸耐性に優れるため、特に好ましい。フィラーの平均粒子径は、得られる感光性樹脂組成物の解像性等が損なわれない限り、特に限定されず、0.05〜2.0μm程度でよい。フィラーは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
レオロジー調整剤としては、特に限定されないが、BYK(登録商標)−410(ビックケミー社製、特殊変性ウレア)、BYK−415(ビックケミー社製、高分子ウレア誘導体)、BYK−430(ビックケミー社製、高分子量ウレア変性中極性ポリアマイド)、BYK−431(ビックケミー社製、高分子量ウレア変性低極性ポリアマイド)、BYK−405(ビックケミー社製、ポリカルボン酸のアマイド。シリカ微粒子と併用した場合、シリカ微粒子のシラノール基と水素結合することで、多数のシリカ微粒子から構成される三次元網目構造中に架橋構造を形成し、ポジ型感光性樹脂組成物のチキソトロピー性を向上させる。)等が好適に用いられる。レオロジー調整剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)成分のうち、フィラーの含有量は、ポジ型感光性樹脂組成物の固形分に対して10〜100質量%であることが好ましく、20〜70質量%であることがより好ましい。上記の範囲とすることにより、ポジ型感光性樹脂組成物の液だれを効果的に抑制することができるとともに、ポジ型感光性樹脂組成物のエッチング耐性及びこのポジ型感光性樹脂組成物から形成される樹脂パターンのアスペクト比を適度に調整することができる。
また、(B)成分のうち、レオロジー調整剤の含有量は、ポジ型感光性樹脂組成物の固形分に対して0.01〜1.0質量%であることが好ましく、0.05〜0.8質量%であることがより好ましい。上記の範囲とすることにより、ポジ型感光性樹脂組成物の液だれを効果的に抑制することができる。
[(C)キノンジアジド基含有化合物]
キノンジアジド基含有化合物(以下、「(C)成分」ともいう。)としては、特に限定されないが、フェノール性水酸基を1つ以上有する化合物と、キノンジアジド基含有スルホン酸との完全エステル化物や部分エステル化物が好ましい。このようなキノンジアジド基含有化合物は、フェノール性水酸基を1つ以上有する化合物とキノンジアジド基含有スルホン酸とを、ジオキサン等の適当な溶剤中において、トリエタノールアミン、炭酸アルカリ、炭酸水素アルカリ等のアルカリの存在下で縮合させ、完全エステル化又は部分エステル化することにより得ることができる。
上記フェノール性水酸基を1つ以上有する化合物としては、例えば、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン等のポリヒドロキシベンゾフェノン類;
トリス(4−ヒドロシキフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン等のトリスフェノール型化合物;
2,4−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−5−ヒドロキシフェノール、2,6−ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール等のリニア型3核体フェノール化合物;
1,1−ビス〔3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル〕イソプロパン、ビス[2,5−ジメチル−3−(4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−ヒドロキシフェニル]メタン、ビス[2,5−ジメチル−3−(4−ヒドロキシベンジル)−4−ヒドロキシフェニル]メタン、ビス[3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル]メタン、ビス[3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−ヒドロキシ−5−エチルフェニル]メタン、ビス[3−(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル]メタン、ビス[3−(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシベンジル)−4−ヒドロキシ−5−エチルフェニル]メタン、ビス[2−ヒドロキシ−3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル)−5−メチルフェニル]メタン、ビス[2−ヒドロキシ−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−5−メチルフェニル]メタン、ビス[4−ヒドロキシ−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−5−メチルフェニル]メタン、ビス[2,5−ジメチル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−ヒドロキシフェニル]メタン等のリニア型4核体フェノール化合物;
2,4−ビス[2−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシベンジル)−5−メチルベンジル]−6−シクロヘキシルフェノール、2,4−ビス[4−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシベンジル)−5−メチルベンジル]−6−シクロヘキシルフェノール、2,6−ビス[2,5−ジメチル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−ヒドロキシベンジル]−4−メチルフェノール等のリニア型5核体フェノール化合物;
ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、2,3,4−トリヒドロキシフェニル−4’−ヒドロキシフェニルメタン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(2’,3’,4’−トリヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2−(2’,4’−ジヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−(3’−フルオロ−4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジメチルフェニル)プロパン、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール等のビスフェノール型化合物;
1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1−[1−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン等の多核枝分かれ型化合物;
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等の縮合型フェノール化合物;等が挙げられる。
これらの化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記キノンジアジド基含有スルホン酸としては、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホン酸、ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホン酸、オルトアントラキノンジアジドスルホン酸等が挙げられる。
(C)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し5〜50質量部であることが好ましく、5〜25質量部であることがより好ましい。上記の範囲とすることにより、ポジ型感光性樹脂組成物の感度を良好なものとすることができる。
[(D)ポリビニルアルキルエーテル]
ポジ型感光性樹脂組成物は、可塑剤としてポリビニルアルキルエーテル(以下、「(D)成分」ともいう。)を含有していてもよい。可塑剤としてポリビニルアルキルエーテルを含有することにより、ポジ型感光性樹脂組成物のエッチング耐性を向上させることができる。
ポリビニルアルキルエーテルのアルキル部分としては、炭素数1〜5であることが好ましく、炭素数1又は2であることがより好ましい。即ち、ポリビニルアルキルエーテルは、ポリビニルメチルエーテル又はポリビニルエチルエーテルであることがより好ましい。
ポリビニルアルキルエーテルの質量平均分子量は、特に限定されないが、10000〜200000であることが好ましく、50000〜100000であることがより好ましい。
(D)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し1〜100質量部であることが好ましい。上記の範囲とすることにより、ポジ型感光性樹脂組成物のエッチング耐性を適度に調整することができる。
[(S)溶剤]
ポジ型感光性樹脂組成物は、希釈のための溶剤(以下、「(S)成分」ともいう。)を含有することが好ましい。
溶剤としては、特に限定されず、本分野で汎用されている有機溶剤を用いることができる。また、(A)成分が水溶性である場合には、溶剤として、水及び水と有機溶剤との混合溶剤を用いることができる。有機溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル(即ち、1−ブトキシ−2−プロパノール)等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;ブチルカルビトール等のカルビトール類;メチルエチルジグリコール等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類;3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール等の他の2価アルコールモノアルキルエーテル類;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸イソプロピル等の乳酸エステル類;3−メトキシブチルアセテート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;アセト酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;γ−ブチロラクン等のラクトン類;等が挙げられる。
これらの有機溶剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(S)溶剤としては、沸点が200℃以下の溶剤が好ましく、中でもプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシブチルアセテート、メチルエチルジグリコール、若しくはこれらの有機溶剤の少なくとも2種の混合溶剤、又はこれらの有機溶剤の少なくとも1種と水との混合溶剤が好ましい。このような溶剤を用いると、後述のような20μm以上の膜厚を有する厚膜の樹脂層を形成した場合においても、樹脂層の乾燥性が良好となりやすいため、好ましい。
また、(S)溶剤は、沸点が200℃以下の溶剤の中でも、沸点が160℃以上の溶剤を含むことがさらに好ましく、3−メトキシブチルアセテート及び/又はメチルエチルジグリコールを含むことが特に好ましい。(S)溶剤がこのような溶剤を含有すると、本発明に係るガラス加工用感光性樹脂組成物の調製の際に、ロールミル等を用いた分散工程において生じる熱によって上記感光性樹脂組成物が高温になっても、溶剤の揮発が抑えられ、結果として凝集が起こらず、良好な分散状態の分散液が得られるため、好ましい。
(S)成分の含有量は、特に限定されないが、一般にはポジ型感光性樹脂組成物の固形分濃度が20〜90質量%となる量が好ましく、30〜80質量%となる量がより好ましい。
[その他の成分]
ポジ型感光性樹脂組成物は、所望により、付加的樹脂、安定剤、着色剤、界面活性剤、シランカップリング剤等を含有していてもよい。
<ネガ型感光性樹脂組成物>
ネガ型感光性樹脂組成物は、(A)水酸基を有する質量平均分子量20000以上の樹脂、(B)フィラー及びレオロジー調整剤の組み合わせ、(E)架橋剤、並びに(F)酸発生剤を少なくとも含有する。
[(A)水酸基を有する質量平均分子量20000以上の樹脂]
水酸基を有する質量平均分子量20000以上の樹脂(以下、「(A)成分」ともいう。)としては、ポジ型感光性樹脂組成物において例示したものを用いることができる。
(A)成分の含有量は、ネガ型感光性樹脂組成物の固形分に対して10〜70質量%であることが好ましく、20〜60質量%であることがより好ましい。上記の範囲とすることにより、現像性のバランスがとりやすい傾向がある。
[(B)フィラー及びレオロジー調整剤の組み合わせ]
フィラー及びレオロジー調整剤の組み合わせ(以下、「(B)成分」ともいう。)としては、ポジ型感光性樹脂組成物において例示したものを用いることができる。
(B)成分のうち、フィラーの含有量は、ネガ型感光性樹脂組成物の固形分に対して10〜100質量%であることが好ましく、20〜70質量%であることがより好ましい。上記の範囲とすることにより、ネガ型感光性樹脂組成物の液だれを効果的に抑制することができるとともに、ネガ型感光性樹脂組成物のエッチング耐性及びこのネガ型感光性樹脂組成物から形成される樹脂パターンのアスペクト比を適度に調整することができる。
また、(B)成分のうち、レオロジー調整剤の含有量は、ネガ型感光性樹脂組成物の固形分に対して0.01〜1.0質量%であることが好ましく、0.05〜0.8質量%であることがより好ましい。上記の範囲とすることにより、ネガ型感光性樹脂組成物の液だれを効果的に抑制することができる。
[(E)架橋剤]
架橋剤(以下、「(E)成分」ともいう。)としては、特に限定されないが、アミノ化合物、例えばメラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂、グリコールウリル−ホルムアルデヒド樹脂、スクシニルアミド−ホルムアルデヒド樹脂、エチレン尿素−ホルムアルデヒド樹脂等を用いることができる。
これらの中でも、アルコキシメチル化メラミン樹脂やアルコキシメチル化尿素樹脂等のアルコキシメチル化アミノ樹脂が好ましい。アルコキシメチル化アミノ樹脂は、例えば、沸騰水溶液中でメラミン又は尿素をホルマリンと反応させて得た縮合物を、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール類でエーテル化させ、次いで反応液を冷却して析出させることで製造できる。アルコキシメチル化アミノ樹脂としては、メトキシメチル化メラミン樹脂、エトキシメチル化メラミン樹脂、プロポキシメチル化メラミン樹脂、ブトキシメチル化メラミン樹脂、メトキシメチル化尿素樹脂、エトキシメチル化尿素樹脂、プロポキシメチル化尿素樹脂、ブトキシメチル化尿素樹脂等が挙げられる。
これらの架橋剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(E)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して5〜50質量部であることが好ましく、10〜30質量部であることがより好ましい。上記の範囲とすることにより、ネガ型感光性樹脂組成物の硬化性、パターニング特性が良好になる。
[(F)酸発生剤]
酸発生剤(以下、「(F)成分」ともいう。)としては、特に限定されず、従来公知の酸発生剤を用いることができる。
酸発生剤として具体的には、ヨードニウム塩やスルホニウム塩等のオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ハロゲン含有トリアジン化合物、ジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤(ニトロベンジル誘導体)、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤等が挙げられる。
好ましいスルホニウム塩系酸発生剤としては、例えば下記式(f−1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006247026
上記式(f−1)中、Rf1及びRf2はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を有していてもよい炭化水素基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示し、Rf3はハロゲン原子又はアルキル基を有していてもよいp−フェニレン基を示し、Rf4は水素原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいベンゾイル基、又は置換基を有していてもよいポリフェニル基を示し、Aはオニウムイオンの対イオンを示す。
として具体的には、SbF 、PF 、AsF 、BF 、SbCl 、ClO 、CFSO 、CHSO 、FSO 、FPO 、p−トルエンスルホネート、ノナフロロブタンスルホネート、アダマンタンカルボキシレート、テトラアリールボレート、下記式(f−2)で表されるフッ素化アルキルフルオロリン酸アニオン等が挙げられる。
Figure 0006247026
上記式(f−2)中、Rfは水素原子の80%以上がフッ素原子で置換されたアルキル基を示す。nはその個数であり1〜5の整数を示す。n個のRfはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
上記式(f−1)で表される酸発生剤としては、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−メチルフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−(β−ヒドロキシエトキシ)フェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−メチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(3−メチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−フルオロ4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−メチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2,3,5,6−テトラメチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2,6−ジクロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2,6−ジメチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2,3−ジメチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−メチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(3−メチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−フルオロ4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−メチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2,3,5,6−テトラメチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2,6−ジクロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2,6−ジメチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2,3−ジメチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−アセチルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−(4−メチルベンゾイル)フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−(4−フルオロベンゾイル)フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−(4−メトキシベンゾイル)フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−ドデカノイルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−アセチルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−(4−メチルベンゾイル)フェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−(4−フルオロベンゾイル)フェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−(4−メトキシベンゾイル)フェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−ドデカノイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−アセチルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−(4−メチルベンゾイル)フェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−(4−フルオロベンゾイル)フェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−(4−メトキシベンゾイル)フェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−ドデカノイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムパークロレート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムテトラフルオロボレート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムパークロレート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムp−トルエンスルホネート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムカンファースルホネート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムテトラフルオロボレート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムパークロレート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムトリフルオロトリスペンタフルオロエチルホスファート、ジフェニル[4−(p−ターフェニルチオ)フェニル]スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル[4−(p−ターフェニルチオ)フェニル]スルホニウムトリフルオロトリスペンタフルオロエチルホスファート等が挙げられる。
その他のオニウム塩系酸発生剤としては、上記式(f−1)のカチオン部を、例えば、トリフェニルスルホニウム、(4−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(4−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(4−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、(3−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(3−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(3−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)スルホニウム、ジフェニル(4−チオフェノキシフェニル)スルホニウム、(4−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリス(4−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)スルホニウム、(4−tert−ブトキシフェニル)ビス(4−ジメチルアミノフェニル)スルホニウム、トリス(4−ジメチルアミノフェニル)スルホニウム、2−ナフチルジフェニルスルホニウム、ジメチル−2−ナフチルスルホニウム、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム、4−メトキシフェニルジメチルスルホニウム、トリメチルスルホニウム、2−オキソシクロヘキシルシクロヘキシルメチルスルホニウム、トリナフチルスルホニウム、トリベンジルスルホニウム等のスルホニウムカチオンや、ジフェニルヨードニウム、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、(4−tert−ブトキシフェニル)フェニルヨードニウム、(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニウム等のアリールヨードニウムカチオン等のヨードニウムカチオンに置き換えたものが挙げられる。
オキシムスルホネート系酸発生剤としては、[2−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−2,3−ジヒドロチオフェン−3−イリデン](o−トリル)アセトニトリル、α−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,4−ジクロロフェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,6−ジクロロフェニルアセトニトリル、α−(2−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル等が挙げられる。
また、上記以外にも、下記式(f−3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006247026
上記式(f−3)中、Rf5は1価、2価、又は3価の有機基を示し、Rf6は置換又は未置換の飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基、又は芳香族性化合物基を示し、rは1〜6の整数を示す。
f5としては芳香族性化合物基であることが特に好ましく、このような芳香族性化合物基としては、フェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基や、フリル基、チエニル基等の複素環基等が挙げられる。これらは環上に適当な置換基、例えばハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基等を1個以上有していてもよい。また、Rf6としては炭素数1〜6のアルキル基が特に好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。また、rは1〜3の整数が好ましく、1又は2がより好ましい。
上記式(f−3)で表される酸発生剤としては、r=1のときに、Rf5がフェニル基、メチルフェニル基、及びメトキシフェニル基のうちのいずれかであり、かつRf6がメチル基である化合物が挙げられる。より詳細には、上記式(f−3)で表される酸発生剤としては、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−(p−メチルフェニル)アセトニトリル、及びα−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−(p−メトキシフェニル)アセトニトリルが挙げられる。
上記一般式(f−3)で表される酸発生剤としては、r=2のときに、下記式で表される酸発生剤が挙げられる。
Figure 0006247026
ハロゲン含有トリアジン化合物としては、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(2−フリル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−メチル−2−フリル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−エチル−2−フリル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−プロピル−2−フリル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,5−ジメトキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,5−ジエトキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,5−ジプロポキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3−メトキシ−5−エトキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3−メトキシ−5−プロポキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4−メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4−メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(2−フリル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(5−メチル−2−フリル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3,5−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、トリス(1,3−ジブロモプロピル)−1,3,5−トリアジン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)−1,3,5−トリアジン等のハロゲン含有トリアジン化合物、並びにトリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート等の下記式(f−4)で表されるハロゲン含有トリアジン化合物が挙げられる。
Figure 0006247026
上記式(f−4)中、Rf7、Rf8、Rf9はそれぞれ独立に炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基を示す。
また、その他の酸発生剤としては、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、メチルスルホニル−p−トルエンスルホニルジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1−メチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−エチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(3−メチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−メトキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−フルオロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−クロロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン等のビススルホニルジアゾメタン類;2−メチル−2−(p−トルエンスルホニル)プロピオフェノン、2−(シクロヘキシルカルボニル)−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン、2−メタンスルホニル−2−メチル−(p−メチルチオ)プロピオフェノン、2,4−ジメチル−2−(p−トルエンスルホニル)ペンタン−3−オン等のスルホニルカルボニルアルカン類;1−p−トルエンスルホニル−1−シクロヘキシルカルボニルジアゾメタン、1−ジアゾ−1−メチルスルホニル−4−フェニル−2−ブタノン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−シクロヘキシルカルボニルジアゾメタン、1−ジアゾ−1−シクロヘキシルスルホニル−3,3−ジメチル−2−ブタノン、1−ジアゾ−1−(1,1−ジメチルエチルスルホニル)−3,3−ジメチル−2−ブタノン、1−アセチル−1−(1−メチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、1−ジアゾ−1−(p−トルエンスルホニル)−3,3−ジメチル−2−ブタノン、1−ジアゾ−1−ベンゼンスルホニル−3,3−ジメチル−2−ブタノン、1−ジアゾ−1−(p−トルエンスルホニル)−3−メチル−2−ブタノン、2−ジアゾ−2−(p−トルエンスルホニル)酢酸シクロヘキシル、2−ジアゾ−2−ベンゼンスルホニル酢酸−tert−ブチル、2−ジアゾ−2−メタンスルホニル酢酸イソプロピル、2−ジアゾ−2−ベンゼンスルホニル酢酸シクロヘキシル、2−ジアゾ−2−(p−トルエンスルホニル)酢酸−tert−ブチル等のスルホニルカルボニルジアゾメタン類;p−トルエンスルホン酸−2−ニトロベンジル、p−トルエンスルホン酸−2,6−ジニトロベンジル、p−トリフルオロメチルベンゼンスルホン酸−2,4−ジニトロベンジル等のニトロベンジル誘導体;ピロガロールのメタンスルホン酸エステル、ピロガロールのベンゼンスルホン酸エステル、ピロガロールのp−トルエンスルホン酸エステル、ピロガロールのp−メトキシベンゼンスルホン酸エステル、ピロガロールのメシチレンスルホン酸エステル、ピロガロールのベンジルスルホン酸エステル、没食子酸アルキルのメタンスルホン酸エステル、没食子酸アルキルのベンゼンスルホン酸エステル、没食子酸アルキルのp−トルエンスルホン酸エステル、没食子酸アルキル(アルキル基の炭素数は1〜15である)のp−メトキシベンゼンスルホン酸エステル、没食子酸アルキルのメシチレンスルホン酸エステル、没食子酸アルキルのベンジルスルホン酸エステル等のポリヒドロキシ化合物と脂肪族又は芳香族スルホン酸とのエステル類;等が挙げられる。
これらの酸発生剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(F)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し0.05〜30質量部であることが好ましく、0.1〜10質量部であることがより好ましい。上記の範囲とすることにより、ネガ型感光性樹脂組成物の硬化性が良好になる。
[(D)ポリビニルアルキルエーテル]
ネガ型感光性樹脂組成物は、可塑剤としてポリビニルアルキルエーテル(以下、「(D)成分」ともいう。)を含有していてもよい。可塑剤としてポリビニルアルキルエーテルを含有することにより、ネガ型感光性樹脂組成物のエッチング耐性を向上させることができる。このポリビニルアルキルエーテルとしては、ポジ型感光性樹脂組成物において例示したものを用いることができる。
(D)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し1〜100質量部であることが好ましい。上記の範囲とすることにより、ネガ型感光性樹脂組成物のエッチング耐性を適度に調整することができる。
[(S)溶剤]
ネガ型感光性樹脂組成物は、希釈のための溶剤(以下、「(S)成分」ともいう。)を含有することが好ましい。この溶剤としては、ポジ型感光性樹脂組成物において例示したものを用いることができる。
(S)成分の含有量は、特に限定されないが、一般にはネガ型感光性樹脂組成物の固形分濃度が20〜90質量%となる量が好ましく、30〜80質量%となる量がより好ましい。
[その他の成分]
ネガ型感光性樹脂組成物は、所望により、付加的樹脂、安定剤、着色剤、界面活性剤、シランカップリング剤等を含有していてもよい。
<ガラス加工用感光性樹脂組成物の調製>
本発明に係るガラス加工用感光性樹脂組成物の調製は、上記各成分を通常の方法で混合及び撹拌するだけで行うことができ、必要に応じ、ディゾルバー、ホモジナイザー、3本ロールミル等の分散機を用いて分散及び混合してもよい。また、混合した後で、さらにメッシュ、メンブランフィルタ等を用いて濾過してもよい。
≪ガラス加工方法≫
本発明に係るガラス加工方法は、本発明に係るガラス加工用感光性樹脂組成物からなる樹脂層をガラス基板上に形成する樹脂層形成工程と、上記樹脂層を選択的に露光する露光工程と、露光後の上記樹脂層を現像して樹脂パターンを形成する現像工程と、上記樹脂パターンをマスクとして上記ガラス基板をエッチングするエッチング工程と、上記樹脂パターンを剥離する剥離工程とを含むものである。
まず、樹脂層形成工程では、例えば、ロールコーター、リバースコーター、バーコーター等の接触転写型塗布装置やスピンナー、カーテンフローコーター等の非接触型塗布装置を用いて、ガラス基板上に上述したガラス加工用感光性樹脂組成物を塗布し、加熱(プレベーク)することにより、樹脂層を形成する。樹脂層の膜厚は、特に限定されないが、例えば20〜200μm程度である。加熱条件は、特に限定されないが、例えば70〜150℃で2〜60分間程度である。
なお、感光性樹脂組成物の塗布及びプレベークは、所望の膜厚が得られるように、複数回繰り返してもよい。
また、樹脂層形成工程では、支持フィルム上に設けられた上記ガラス加工用感光性樹脂組成物からなる樹脂層(ドライフィルム)をガラス基板に貼り付けることにより、上記ガラス基板上に樹脂層を形成することもできる。ドライフィルムは、常法により、上記ガラス加工用感光性樹脂組成物を支持フィルム上に塗布した後、乾燥させることで形成することができる。
ドライフィルムを用いて樹脂層を形成する場合には、例えば、まず、ドライフィルムから支持フィルムを剥がし、次いで、ドライフィルムの新たに露出した表面をガラス基板に当てて、ガラス基板上にドライフィルムを被着させる。被着に際しては、通常、ガラス基板上にドライフィルムを置き、加熱したロールによりドライフィルムを押圧する、いわゆる熱圧着方式が採用される。熱圧着は、ロールの表面温度を80〜140℃に加熱し、ロール圧0.1〜0.5MPa(G)、移動速度0.1〜10.0m/分の範囲で行うのがよい。上記ガラス基板は予熱されていてもよく、予熱温度としては、例えば、40〜100℃の範囲が選択される。
樹脂層形成工程では、樹脂層をガラス基板の両面に形成してもよい。これにより、さらに、後記の露光工程及び現像工程を経て、ガラス基板の両面に樹脂パターンを得る両面パターニングを行うことができる。両面パターニングによって得た樹脂パターンをマスクとして、ガラス基板の両面からエッチングを行い、例えば、ガラス基板に貫通孔を形成することができる。
樹脂層をガラス基板の両面に形成する場合、樹脂層間で熱履歴等に相違が生じないように、感光性樹脂組成物の塗布及びプレベークは、ガラス基板の両面について同時に行うことが好ましい。このような塗布及びプレベークを行う場合、ガラス基板は、垂直に配置しても、水平に配置してもよい。本発明のガラス加工用感光性樹脂組成物は、ガラス基板への塗布時には良好な流動性を示すので、塗工性に優れる一方、プレベーク時には流動性が低下し、液だれが抑制されているので、得られる樹脂層は、膜厚が均一となりやすい。
次いで、露光工程では、遮光パターンを介して紫外線等の活性エネルギー線を照射することにより、樹脂層を選択的に露光する。露光には、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、カーボンアーク灯等の紫外線を発する光源を用いることができる。照射するエネルギー線量は、感光性樹脂組成物の組成によっても異なるが、例えば30〜3000mJ/cm程度が好ましい。
なお、本発明に係るガラス加工方法は、露光工程の後に加熱(PEB)工程を含んでいてもよい。加熱条件は、特に限定されないが、例えば80〜150℃で3〜20分間程度である。
次いで、現像工程では、露光後の上記樹脂層を現像して樹脂パターンを形成する。現像方法は、特に限定されず、浸漬法、スプレー法、シャワー法、パドル法等を用いることができる。現像液としては、例えば0.25〜3質量%の水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、有機アミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、トリエタノールアミン、N―メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。現像時間は、特に限定されないが、例えば1〜120分間程度である。なお、現像液は、25〜40℃程度に加温してもよい。
なお、本発明に係るガラス加工方法は、現像工程の後に加熱(ポストベーク)工程を含んでいてもよい。ポストベーク工程により、特に、ネガ型感光性樹脂組成物のエッチング耐性を向上させることができる。加熱条件は、特に限定されないが、例えば70〜300℃で2〜120分間程度である。
また、感光性樹脂組成物がポジ型である場合には、現像工程の後に、紫外線等の活性エネルギー線を照射しながら加熱するアフターキュア工程を含んでいてもよい。このアフターキュア工程では、活性エネルギー線により、感光性樹脂組成物に含まれるキノンジアジド基含有化合物が中間体(インデンケテン)を形成し、これが水酸基を有する樹脂やキノンジアジド基含有化合物と結合して高分子化する。
次いで、エッチング工程では、上記樹脂パターンをマスクとしてガラス基板をエッチングする。エッチング方法としては、一般的に行われている、エッチング液に浸漬するウェットエッチングが挙げられる。エッチング液としては、フッ酸単独、フッ酸とフッ化アンモニウム、フッ酸と他の酸(塩酸、硫酸、リン酸、硝酸等)との混酸等が挙げられる。エッチング処理時間は、特に限定されないが、例えば10〜60分間程度である。なお、エッチング液は、25〜60℃程度に加温してもよい。
本発明に係るガラス加工方法は、このようなエッチング条件の中でも、特にフッ酸及び硫酸を含む25〜60℃のエッチング液、より具体的には5〜30質量%のフッ酸及び5〜30質量%の硫酸を含む25〜60℃のエッチング液を用いてエッチング処理を行う場合に特に有効である。本発明で用いられる感光性樹脂組成物は、このような過酷なエッチング条件においても、高いエッチング耐性を示す。
次いで、剥離工程では、上記樹脂パターンを剥離する。剥離方法は、特に限定されず、浸漬法、スプレー法、シャワー法、パドル法等を用いることができる。剥離液としては、例えば3〜15質量%の水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、有機アミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、トリエタノールアミン、N―メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。剥離処理時間は、特に限定されないが、例えば1〜120分間程度である。なお、剥離液は、25〜60℃程度に加温してもよい。
このようにして、ガラス基板を加工することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1〜35、比較例1〜14>
表1〜5に記載の処方(単位は質量部)に従って、水酸基を有する樹脂、フィラー、レオロジー調整剤、キノンジアジド基含有化合物、ポリビニルアルキルエーテル、及び溶剤を混合して、実施例1〜22及び比較例1〜8のポジ型感光性樹脂組成物を調製した。
また、表6〜8に記載の処方(単位は質量部)に従って、水酸基を有する樹脂、フィラー、レオロジー調整剤、架橋剤、酸発生剤、ポリビニルアルキルエーテル、及び溶剤を混合して、実施例23〜35及び比較例9〜14のネガ型感光性樹脂組成物を調製した。
表1〜8における各成分の詳細は下記のとおりである。
水酸基を有する樹脂A:m−クレゾールとp−クレゾールとをm−クレゾール/p−クレゾール=60/40(質量比)で混合し、ホルマリンを加えて常法により付加縮合して得たクレゾールノボラック樹脂(質量平均分子量35000)
水酸基を有する樹脂B:ポリヒドロキシスチレン(質量平均分子量25000)
水酸基を有する樹脂C:ポリビニルアルコール(質量平均分子量100000)
水酸基を有する樹脂D:m−クレゾールとp−クレゾールとをm−クレゾール/p−クレゾール=60/40(質量比)で混合し、ホルマリンを加えて常法により付加縮合して得たクレゾールノボラック樹脂(質量平均分子量20000)
水酸基を有する樹脂E:m−クレゾールとp−クレゾールとをm−クレゾール/p−クレゾール=60/40(質量比)で混合し、ホルマリンを加えて常法により付加縮合して得たクレゾールノボラック樹脂(質量平均分子量25000)
水酸基を有する樹脂F:m−クレゾールとp−クレゾールとをm−クレゾール/p−クレゾール=60/40(質量比)で混合し、ホルマリンを加えて常法により付加縮合して得たクレゾールノボラック樹脂(質量平均分子量18000)
水酸基を有する樹脂G:m−クレゾールとp−クレゾールとをm−クレゾール/p−クレゾール=60/40(質量比)で混合し、ホルマリンを加えて常法により付加縮合して得たクレゾールノボラック樹脂(質量平均分子量30000)
水酸基を有する樹脂H:m−クレゾールとp−クレゾールとをm−クレゾール/p−クレゾール=60/40(質量比)で混合し、ホルマリンを加えて常法により付加縮合して得たクレゾールノボラック樹脂(質量平均分子量15000)
水酸基を有する樹脂I:m−クレゾールとp−クレゾールとをm−クレゾール/p−クレゾール=60/40(質量比)で混合し、ホルマリンを加えて常法により付加縮合して得たクレゾールノボラック樹脂(質量平均分子量5000)
フィラーA:硫酸バリウム微粒子(堺化学工業社製、B−30)
フィラーB:ポリエチレン微粒子(平均粒径2μm)
フィラーC:ポリテトラフルオロエチレン微粒子(平均粒径2μm)
フィラーD:シリカ微粒子(日本アエロジル社製、アエロジル(登録商標)300、平均粒径7nm)
フィラーE:エポキシ微粒子(東レ社製、トレパール(登録商標)EP、平均粒径5〜10μm)
フィラーF:シリカ微粒子(日本アエロジル社製、アエロジル380)
レオロジー調整剤A:特殊変性ウレア(ビックケミー社製、BYK−410)
レオロジー調整剤B:ポリカルボン酸のアマイド(ビックケミー社製、BYK−405)
キノンジアジド基含有化合物A:4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール(1モル)と、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド(2モル)との縮合物(4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル)
架橋剤A:2,4,6−トリス[ビス(メトキシメチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン(三和ケミカル社製、Mw−100LM)
酸発生剤A:2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン
ポリビニルアルキルエーテルA:ポリビニルメチルエーテル(質量平均分子量100000)(BASF社製、ルトナール)
溶剤A:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
溶剤B:プロピレングリコールモノエチルエーテルと水との混合溶剤(質量混合比50:50)
溶剤C:3−メトキシブチルアセテート
溶剤D:3−メトキシブチルアセテートとプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとの混合溶剤(質量混合比20:80)
溶剤E:メチルエチルジグリコールとプロピレングリコールモノメチルエーテルと水との混合溶剤(質量混合比20:40:40)
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<液だれ抑制の評価>
実施例1〜35及び比較例1〜14の感光性樹脂組成物を、ガラス基板(コーニング社製、Eagle−XG、厚さ0.7mm)の両面上にディップコーターで同時に塗布した後、水平に配置した。その際、下面上の4点でガラス基板を支持した。感光性樹脂組成物を90℃で10分間加熱(ソフトベーク)した後、120℃で15分間加熱(プレベーク)した。ガラス基板の下面側に形成された樹脂層を目視で観察し、下記の基準で評価した。結果を表9〜16に示す。
A:液だれ及び塗布むらがともにない。
B:液だれはないが、塗布むらは確認できる。
C:液だれが確認できる。
<膜厚均一性の評価>
上記<液だれ抑制の評価>と同様にして、上面及び下面に樹脂層が形成されたガラス基板を得た。上面及び下面の各々について、9点で樹脂層の膜厚を測定し、得られた膜厚の最大値及び最小値を求め、下記式:
膜厚均一性(%)=(最大値−最小値)/(最大値+最小値)×100
に基づき膜厚均一性を評価した。結果を表9〜16に示す。なお、膜厚均一性が15%以下である場合を良好と評価し、膜厚均一性が15%超である場合を不良と評価した。
<現像性の評価>
実施例1〜22及び比較例1〜8のポジ型感光性樹脂組成物を、ガラス基板(コーニング社製、Eagle−XG、厚さ0.7mm)の片面上にスピンコーターで塗布し、90℃で10分間加熱(ソフトベーク)した後、120℃で15分間加熱(プレベーク)し、膜厚約60μmの樹脂層を得た。次いで、この樹脂層に対して、線幅200μmのラインパターンが形成されたマスクを介して150mJ/cmの照射量で紫外線を照射した後、110℃で6分間加熱(PEB)した。次いで、30℃に加温した1質量%水酸化ナトリウム水溶液中にガラス基板を30分間浸漬し揺動することにより、露光部分を溶解除去し、ラインアンドスペースパターンを形成した。そして、露光部分が完全に除去されるまでの時間(ブレークポイント)を測定することにより、現像性を評価した。結果を表9〜13に示す。
また、実施例1〜22及び比較例1〜8のポジ型感光性樹脂組成物の代わりに実施例23〜35及び比較例9〜14のネガ型感光性樹脂組成物を用い、露光部分を溶解除去する代わりに未露光部分を溶解除去し、露光部分が完全に除去されるまでの時間(ブレークポイント)を測定する代わりに未露光部分が完全に除去されるまでの時間(ブレークポイント)を測定したほかは、実施例1〜22及び比較例1〜8と同様にして現像性を評価した。結果を表14〜16に示す。
<解像性の評価>
線幅40〜200μmのラインパターンが形成されたマスクを用いたほかは上記<現像性の評価>と同様にして、樹脂層の露光・現像を行い、ラインアンドスペースパターンを形成した。そして、解像可能な最小のマスク寸法を基準に、解像性を評価した。結果を表9〜16に示す。
<エッチング耐性の評価>
線幅200μmのラインパターンが形成されたマスクを用いたほかは上記<解像性の評価>と同様にして、樹脂層の露光・現像を行い、ラインアンドスペースパターンを形成した。得られたラインアンドスペースパターンを室温にて脱イオン水でリンスした後、200℃で20分間加熱(ポストベーク)した。
次いで、このラインアンドスペースパターンをマスクとして、ガラス基板のエッチングを行った。エッチング処理は、フッ酸/硫酸/水=15/15/70(質量比)のエッチング液を55℃に加温し、このエッチング液中でガラス基板を揺動することにより行った。そして、ラインアンドスペースパターンが剥離するまでの時間を測定することにより、エッチング耐性を評価した。結果を表9〜16に示す。
なお、括弧内の値は、ラインアンドスペースパターンが剥離するまでの時間を測定する代わりに、パターンを有しない一様な樹脂層(いわゆるベタ膜)が剥離するまでの時間を測定することにより、エッチング耐性を評価した結果を表す。
<アスペクト比の評価>
線幅200μmのラインパターンが形成されたマスクを用いる代わりに直径200μmの円形パターンが形成されたマスクを用いたほかは上記<エッチング耐性の評価>と同様にして、エッチング処理を行った。エッチング処理時間は30分間とした。エッチング処理後、形成された円形凹部の断面をSEMで観察し、この円形凹部について、縁部の直径x及び深さyを測定し、アスペクト比y/xを評価した。結果を表9〜16に示す。なお、30分間というエッチング処理時間は、エッチング処理により形成される円形凹部の深さが円形パターンの直径と同程度となるように、即ち、サイドエッチングが生じない場合のアスペクト比が1程度となるように選択した。サイドエッチングの量が大きいほど、直径xは大きくなり、アスペクト比は小さくなる。そこで、アスペクト比が0.2以上である場合を良好と評価し、アスペクト比が0.2未満である場合を不良と評価した。アスペクト比は、0.3〜1.0であることが好ましい。
<剥離性の評価>
上記<エッチング耐性の評価>と同様にしてラインアンドスペースパターンを形成した。次いで、55℃に加温した10質量%水酸化ナトリウム水溶液中にガラス基板を浸漬することにより、ラインアンドスペースパターンを剥離除去した。そして、ラインアンドスペースパターンが完全に剥離するまでの時間を測定することにより、剥離性を評価した。結果を表9〜16に示す。
なお、括弧内の値は、ポストベークを行わなかった以外は上記<エッチング耐性の評価>と同様にして形成したラインアンドスペースパターンについて、剥離性を評価した結果を表す。
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表9〜12、14、及び15から分かるように、(A)水酸基を有する質量平均分子量20000以上の樹脂と、(B)フィラー及びレオロジー調整剤の組み合わせとを含有する実施例1〜22のポジ型感光性樹脂組成物及び実施例23〜35のネガ型感光性樹脂組成物は、ガラス基板両面への塗布及びプレベークを経ても、液だれ及び塗布むらが発生せず、膜厚均一性に優れていた。また、1質量%水酸化ナトリウム水溶液で現像することができ、解像性も50μm未満と優れていた。さらに、15質量%のフッ酸及び15質量%の硫酸を含む55℃のエッチング液を用いた過酷なエッチング条件においても、優れたエッチング耐性を示し、しかも、形成される樹脂パターンのアスペクト比も良好であった。
一方、表13及び16から分かるように、(A)水酸基を有する質量平均分子量20000以上の樹脂、並びに、(B)フィラー及びレオロジー調整剤の組み合わせ、の少なくとも一方を含有しない比較例1〜8のポジ型感光性樹脂組成物及び比較例9〜14のネガ型感光性樹脂組成物は、1質量%水酸化ナトリウム水溶液で現像することができたが、ガラス基板両面への塗布及びプレベークにより、液だれ及び塗布むらが発生し、膜厚均一性に劣っていた。また、比較例1及び2のポジ型感光性樹脂組成物及び比較例9及び10のネガ型感光性樹脂組成物のエッチング耐性並びにこれらの感光性樹脂組成物から形成される樹脂パターンのアスペクト比は実施例1〜35よりも劣っていた。

Claims (8)

  1. 水酸基を有する質量平均分子量20000以上の樹脂と、キノンジアジド基含有化合物と、フィラー及びレオロジー調整剤の組み合わせとを含有するガラス加工用感光性樹脂組成物であって、
    前記レオロジー調整剤は、ウレア結合又は複数のカルボン酸アミド結合を含み、前記ウレア結合又は前記カルボン酸アミド結合に起因する結合の寄与により三次元網目構造を形成し、前記感光性樹脂組成物のチキソトロピー性を向上させるガラス加工用感光性樹脂組成物。
  2. 水酸基を有する質量平均分子量20000以上の樹脂と、架橋剤と、酸発生剤と、フィラー及びレオロジー調整剤の組み合わせとを含有するガラス加工用感光性樹脂組成物であって、
    前記レオロジー調整剤は、ウレア結合又は複数のカルボン酸アミド結合を含み、前記ウレア結合又は前記カルボン酸アミド結合に起因する結合の寄与により三次元網目構造を形成し、前記感光性樹脂組成物のチキソトロピー性を向上させるガラス加工用感光性樹脂組成物。
  3. 可塑剤としてポリビニルアルキルエーテルをさらに含有する請求項1又は2記載のガラス加工用感光性樹脂組成物。
  4. 前記ポリビニルアルキルエーテルの質量平均分子量が10000〜200000である請求項3記載のガラス加工用感光性樹脂組成物。
  5. 請求項1から4のいずれか1項記載のガラス加工用感光性樹脂組成物からなる樹脂層をガラス基板上に形成する樹脂層形成工程と、
    前記樹脂層を選択的に露光する露光工程と、
    露光後の前記樹脂層を現像して樹脂パターンを形成する現像工程と、
    前記樹脂パターンをマスクとして前記ガラス基板をエッチングするエッチング工程と、
    前記樹脂パターンを剥離する剥離工程とを含むガラス加工方法。
  6. 前記樹脂層形成工程において前記樹脂層を前記ガラス基板の両面に形成する請求項5記載のガラス加工方法。
  7. 前記エッチング工程では、フッ酸及び硫酸を含む25〜60℃のエッチング液を用いて前記ガラス基板をエッチングする請求項5又は6記載のガラス加工方法。
  8. 前記樹脂層形成工程では、前記ガラス加工用感光性樹脂組成物を前記ガラス基板上に塗布し加熱することにより、又は、支持フィルム上に設けられた前記ガラス加工用感光性樹脂組成物からなる樹脂層を前記ガラス基板に貼り付けることにより、前記ガラス基板上に前記樹脂層を形成する請求項5から7のいずれか1項記載のガラス加工方法。
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