JP2005037712A - パターン化されたレジスト膜の製造方法、レジスト膜形成済回路形成用基板、及びプリント配線板の製造方法 - Google Patents

パターン化されたレジスト膜の製造方法、レジスト膜形成済回路形成用基板、及びプリント配線板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 パターン化されたレジスト膜のラインの断面形状を略矩形にすることができるパターン化されたレジスト膜の形成方法、レジスト膜形成済回路形成用基板、及びプリント配線板を提供すること。
【解決手段】 アルカリ可溶性ノボラック樹脂、及び、キノンジアジド基を有する化合物を含んでおり、且つ、露光前の状態で厚さ15μmの膜を形成させたときに、365nmの光に対する吸光度が1.5〜3.0であり、435nmの光に対する吸光度が0.1〜2.0である感光性樹脂組成物からなる未露光レジスト膜における所定部分に、波長400〜500nmの光を照射して露光部を形成させ、露光部を除去することを特徴とするパターン化されたレジスト膜の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、パターン化されたレジスト膜の形成方法、レジスト膜形成済回路形成用基板、及びプリント配線板の製造方法に関する。
近年、エレクトロニクス製品には、小型化や動作の高速化等が要求されており、このために、電子部品をより精細に加工するための技術が盛んに検討されている。このような高精細な加工技術の1つとして、フォトファブリケーションが知られている。フォトファブリケーションとは、感光性樹脂組成物を被加工物の表面に塗布して未露光レジスト膜を形成させた後に、この膜を露光・現像してパターニングを行い、パターン化されたレジスト膜をマスクや鋳型として用いるフォトリソグラフィ技術を用いた加工技術の総称であり、例えば、このパターン化されたレジスト膜を鋳型として電気めっきを施し、微細成型を行うエレクトロフォーミング等の加工技術全体を表すものである。
このような小型化や高速化の流れは半導体部品の分野において特に著しく、その1つであるLSIには、更なる高集積化や高速化が求められている。この要請に応えるべく、LSIの製造には種々の実装方法が開発されている。例えば、LSIの高集積化、高速化を目的として、多ピンエリアアレイ実装であるBGA(Ball Grid Array)やCSP(Chip Size Package)、フリップチップ実装や短配線長化が可能なTAB(Tape Automated Bonding)等が実用化されている。
これらの実装方法においては、実装のための接続用端子を形成するために半導体チップ上に高精細な再配線回路を形成する必要があり、同時にこのチップを搭載するパッケージ基板側にも高精細な配線回路が求められる。このため、これらの配線回路の形成には、上述のフォトファブリケーション技術が頻繁に用いられている。具体的には、例えば、基板上に形成されたパターン化されたレジスト膜をマスクとしてめっきを行った後、このレジスト膜を除去することによって配線回路を形成するめっき法による配線回路の形成方法が知られている。この場合、形成される感光性樹脂組成物からなる露光前のレジスト膜は、通常5〜50μm程度の厚さとされる。
かかるめっき法において、高精細な配線回路を形成するために、マスクとして用いられるパターン化されたレジスト膜には、形成させる配線回路の厚さよりも厚いこと、また形成された膜に生じる欠け等が少ないこと、基板に対する密着性が高いこと、耐めっき液性が高く且つめっき液に対する濡れ性が良好であること、めっき後に容易に基板から剥離可能であること等の特性が要求される。このような要求特性を満たすことができる感光性樹脂組成物として、種々の感光性樹脂組成物が知られており(例えば、特許文献1、2、3、4等参照。)、プリント配線板の製造等において用いられている。
特開平10−207057号公報 特開2000−39709号公報 特開2000−250208号公報 特開2002−258479号公報
ところで、精細な配線回路を形成するためには、上述の特性に加えて、更にパターン化されたレジスト膜におけるパターンのラインの断面形状が良好であることが求められる。これは、めっき法により形成される配線回路は、形成されたレジスト膜におけるパターンの形状がそのまま転写されるためである。具体的には、ラインの断面形状は、基板に対するラインの立ち上がりが略垂直となった状態の矩形状であることが好ましく、ライン断面がこのような形状であると、めっきにより形成される配線回路も矩形状となるため微細回路の形成が容易となる。
しかし、上記従来の感光性樹脂組成物を用いた場合、パターン化されたレジスト膜のライン断面形状が台形状(断面形状が台形であり、ラインの幅がその表面から基板界面に向かって大きくなる状態をいう。以下同様。)になり易い傾向にあった。こうなると、その後のめっきにより形成された配線回路の断面形状が逆台形状となり、かかる形状の悪化に起因して露光を行ったパターンと実際に形成された配線回路との間でずれが生じる場合があった。このため、従来の感光性樹脂組成物を用いた場合は、微細な回路の設計が困難となっていた。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、パターン化されたレジスト膜のラインの断面形状を略矩形にすることができるパターン化されたレジスト膜の形成方法、レジスト膜形成済回路形成用基板、及びプリント配線板を提供することを目的とする。
本発明者らが詳細な検討を行ったところ、上記従来の感光性樹脂組成物を用いたパターン化されたレジスト膜の製造方法において生じていたレジスト断面形状の悪化は、未露光レジスト膜を構成する感光性樹脂組成物の光の吸収が大き過ぎるために生じていることが判明した。感光性樹脂組成物の光の吸収が大きいと、形成された未露光レジスト膜の上層部において多くの光が吸収されてしまい、これにより膜下層部の露光が不充分となる。こうなると、上記従来の感光性樹脂組成物のような、露光部が現像により除去されるいわゆるポジ型のフォトレジストにおいては、膜下層部に近づくにつれて感光性樹脂組成物の除去が困難となり、これにより、パターン化されたレジスト膜のラインの断面形状が台形状となってしまう。特にめっきにより配線回路の形成を行う場合、配線の厚さよりもレジスト膜を充分に厚く形成させる必要があるため(通常、5μm以上とされる。)、同様の傾向が特に顕著であった。
本発明は上記知見に基づいてなされたものであり、アルカリ可溶性ノボラック樹脂、及び、キノンジアジド基を有する化合物を含んでおり、且つ、露光前の状態で厚さ15μmの膜を形成させたときに、365nmの光に対する吸光度が1.5〜3.0であり、435nmの光に対する吸光度が0.1〜2.0である感光性樹脂組成物からなる未露光レジスト膜における所定部分に、波長400〜500nmの光を照射して露光部を形成させ、露光部を除去することを特徴とするパターン化されたレジスト膜(パターン化されたレジスト膜を、以下、「パターン化レジスト膜」と略す。)の製造方法を提供する。このパターン化レジスト膜の製造方法においては、未露光レジスト膜は主として回路形成用基板上に形成されるものであり、これによりレジスト膜形成済回路形成用基板が得られる。
本発明のパターン化レジスト膜の製造方法においては、感光性樹脂組成物として吸光度が上述の範囲に設定されている組成物を用いているため、感光性樹脂組成物が照射した光を過度に吸収することがなく、未露光レジスト膜の下層部にまで充分に光を到達させることができる。これにより、下層部が充分に露光されて、この部分の除去不良が大幅に低減されるようになる。この結果、レジストの断面形状を略矩形状にすることができ、さらに露光を行ったパターンと形成された配線形状とのずれを充分に防止できるようになる。特に、本発明のパターン化レジスト膜を形成する感光性樹脂組成物は、15μmの厚さの膜を形成させた場合の吸光度が上述の範囲とされているため、めっき法によって配線回路の形成を良好に行うために未露光レジスト膜を充分な厚さとした場合であっても下層部が充分に露光され、これにより良好な断面形状を有するラインが形成されるようになる。
さらに、本発明のパターン化レジスト膜の製造方法に用いられる感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性ノボラック樹脂、及びキノンジアジド基を有する化合物を含むものであり、その硬化後の膜は充分な強度を有し、耐熱性に優れ、また基板に対する密着性に優れるといった特性を有している。このため、この感光性樹脂組成物からなるレジストは、欠け等の損傷や基板からの剥離等が生じ難く、まためっき時においては高い耐めっき液性及びめっき液に対する高い濡れ性を示し、さらに、めっき後には基板からの剥離を容易に行うことができる。
本発明のパターン化レジスト膜の製造方法に用いられる感光性樹脂組成物中には、アルカリ可溶性基を有するアクリル樹脂を更に含有させることができる。こうすると、形成されたレジスト膜の可撓性が更に向上し、欠けや剥離等の欠陥が更に生じ難くなる。
また、上記アルカリ可溶性ノボラック樹脂としては、フェノール性水酸基を有する化合物とアルデヒド化合物とを反応させてアルカリ可溶性にした化合物が好ましい。このような化合物は露光後のアルカリ性溶液に対する溶解性に優れるため、現像がより正確且つ迅速に行われるようになり、さらに精細なレジストパターンの形成が可能になると共に作業性の向上も図れる。
さらに、キノンジアジド基を有する化合物としては、ヒドロキシル基又はアミノ基を有する化合物とキノンジアジド基を有する芳香族スルホン酸化合物とを反応させてなるスルホン酸エステル化合物が好ましい。ここで、キノンジアジド基を有する芳香族スルホン酸化合物としては、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホン酸、ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホン酸、オルトアントラキノンジアジドスルホン酸及びこれらのスルホン酸誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物が好ましい。
さらに、本発明によるプリント配線板の製造方法は、本発明によるパターン化レジスト膜の製造方法の工程を備えて好適な方法であり、回路形成用基板上に、上記本発明のパターン化レジスト膜の製造方法により製造されたパターン化されたレジスト膜を備えるレジスト膜形成済回路形成用基板をエッチング又はめっきすることを特徴とする。
本発明のパターン化レジスト膜の製造方法によれば、従来レジストに求められる要求特性を満たすだけでなく、良好なライン断面形状を有するパターン化レジスト膜を形成することができるようになる。そして、このような特性を有するパターン化レジスト膜により、極めて精細な配線パターンを有するプリント配線板の製造も可能となる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。本発明のパターン化レジスト膜の製造方法に用いられる感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性ノボラック樹脂、及び、キノンジアジド基を有する化合物を含んでおり、且つ、露光前の状態で厚さ15μmの膜を形成させたときに、365nmの光に対する吸光度が1.5〜3.0であり、435nmの光に対する吸光度が0.1〜2.0であることを特徴とするものである。
この感光性樹脂組成物においては、365nmの光に対する吸光度が、1.5未満であるか、又は435nmの光に対する吸光度が0.1未満であると、未露光部の現像液に対する溶解性が不都合に高くなる傾向があり、本来残存するべき部分が現像液に溶解してしまい、これによりレジストパターンのライン幅が露光を行ったパターンよりも細くなってしまう場合があった。一方、365nmの光に対する吸光度が3.0を超えるか、又は435nmの光に対する吸光度が2.0を超えると、膜の上層部において照射した光が過度に吸収されてしまい、これにより逆に下層部の露光が不充分となって、現像後のレジスト断面形状が台形状となる。
このような観点から、波長365nmの光に対する吸光度は、1.5〜3.0であり、2.0〜2.8であることが好ましい。また波長435nmの光に対する吸光度は0.1〜2.0であり、0.2〜1.9であることが好ましい。以下、これらの条件を満たす感光性樹脂組成物を構成するための各成分について説明する。
(アルカリ可溶性ノボラック樹脂)
アルカリ可溶性ノボラック樹脂としては、例えば、フェノール性水酸基を有する化合物とアルデヒド化合物とを反応させてアルカリ可溶にした化合物が挙げられる。当該反応においては、得られるノボラック樹脂がアルカリ可溶性を発現するために十分な量のフェノール性水酸基を含有するように、フェノール性水酸基を有する化合物のアルデヒド化合物に対する化合物比が調整されている。この場合に使用されるフェノール性水酸基を有する芳香族化合物としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、p−フェニルフェノール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、フロログリシノール、ヒドロキシジフェニル、ビスフェノールA、没食子酸、没食子酸エステル、α−ナフトール、β−ナフトール等が挙げられる。また、アルデヒド化合物としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、ニトロベンズアルデヒド、アセトアルデヒド等が挙げられる。
上述したようなフェノール性水酸基を有する芳香族化合物とアルデヒド化合物との反応は、通常付加縮合反応により進行する。この際、かかる反応を促進させるために触媒を用いることが望ましい。触媒としては、通常付加縮合に用いられる触媒であれば特に制限はないが、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、蟻酸、蓚酸、酢酸等の酸触媒が例示できる。こうして得られるアルカリ可溶性ノボラック樹脂の重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、標準ポリスチレンを用いた検量線により換算した値)としては、3000〜50000が好ましく、3000〜15000がより好ましい。
(キノンジアジド基を有する化合物)
キノンジアジド基を有する化合物としては、ヒドロキシル基又はアミノ基を有する化合物とキノンジアジド基を有する芳香族スルホン酸化合物とのスルホン酸エステル化合物が好適に用いられ、このようなキノンジアジド基を有する化合物は、上述のアルカリ可溶性ノボラック樹脂100重量部に対して、好ましくは7〜15重量部、より好ましくは9〜12重量部添加することができる。ヒドロキシル基又はアミノ基を有する化合物としては、ヒドロキシル基を有する化合物が好ましく、2つ以上のヒドロキシル基及び2つ以上の芳香環を有する化合物がより好ましい。このような化合物としては、ポリヒドロキシベンゾフェノン類、〔(ポリ)ヒドロキシフェニル〕アルカン類、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン類又はそのメチル置換体、ビス(シクロへキシルヒドロキシフェニル)(ヒドロキシフェニル)メタン類又はそのメチル置換体が例示できる。
より具体的には、ポリヒドロキシベンゾフェノン類としては、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシ−2’−メチルベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3’,4,4’,6−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,4’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,5−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,3’,4,4’,5’,6−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、2,3,3’,4,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン等が例示できる。
また、〔(ポリ)ヒドロキシフェニル〕アルカン類としては、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2−(2',4'−ジヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(2',3',4'−トリヒドロキシフェニル)プロパン、4,4'−{1−[4−〔2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕フェニル]エチリデン}ビスフェノール,3,3'−ジメチル−{1−[4−〔2−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕フェニル]エチリデン}ビスフェノール等が例示できる。
さらに、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン類又はそのメチル置換体としては、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3、5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン 、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン等が例示できる。
また、ビス(シクロへキシルヒドロキシフェニル)(ヒドロキシフェニル)メタン類又はそのメチル置換体としては、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン等が挙げられる。
上述したもの以外のヒドロキシル基を有する化合物しては、ノボラック樹脂、ピロガロール−アセトン樹脂、p−ヒドロキシスチレンのホモポリマー、p−ヒドロキシスチレンとこれと共重合可能なモノマーとの共重合体、フェノール、p−メトキシフェノール、ジメチルフェノール、ヒドロキノン、ナフトール、ピロカテコール、ピロガロール、ピロガロールモノメチルエーテル、ピロガロール−1,3−ジメチルエーテル、没食子酸等が例示できる。
さらに、アミノ基を有する化合物としては、アニリン、p−アミノジフェニルアミン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン等が例示できる。これらのヒドロキシル基又はアミノ基を有する化合物は、それぞれ単独で用いてもよく、また組み合わせて用いることもできる。
また、キノンジアジド基を有する芳香族スルホン酸化合物としては、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホン酸またはナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホン酸、オルトアントラキノンジアジドスルホン酸又はこれらのスルホン酸誘導体が例示できる。かかるスルホン酸誘導体としては、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリドやナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリドが好適である。
(溶媒)
感光性樹脂組成物には、上述の両成分に加えて、有機溶媒等の溶媒を加えることが好ましい。溶媒としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールアルキルエーテル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等のプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトンなどのケトン類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジオキサン等の環式エーテル類;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、オキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のエステル類等が例示できる。
これらの溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いることもできる。また、溶媒の使用量は、感光性樹脂組成物における固形分濃度が70重量%以下となる範囲であることが好ましい。固形分濃度が70重量%以下であると、スピンコート法により厚さ5〜50μmの感光性樹脂組成物からなる膜を容易に形成することができるようになる。一方、固形分濃度が70重量%を超えると組成物の流動性が著しく悪化し、取り扱いが困難になる上、均一な膜の形成が困難となる傾向にある。
(アルカリ可溶性基を有するアクリル樹脂)
感光性樹脂組成物中には、アルカリ可溶性基を有するアクリル樹脂を更に含有させることが好ましい。こうすると、得られるレジスト膜の可撓性が向上するようになる。ここで、アルカリ可溶性基とは、所定の化合物中に導入(結合)されることにより、その化合物にアルカリ性溶液に対する溶解性又は分散性を付与することができる特性を有する官能基のことをいい、具体的にはカルボキシル基、フェノール性水酸基等が例示できる。
アルカリ可溶性基を有するアクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸化合物、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、又はフェノール性水酸基を有するビニルモノマーを単量体単位として有するアクリル樹脂が好ましい。ここで、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタアクリル酸をいうものとする。
(メタ)アクリル酸化合物としては、例えば、2重結合にカルボキシル基が1つ付加したアクリル酸、メタクリル酸の他、カルボキシル基が2つ付加したマレイン酸、フマル酸等が例示できる。また、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が例示できる。さらに、フェノール性水酸基を有するビニルモノマーとしては、3−ヒドロキシスチレン、4−ヒドロキシスチレン、ビニル−4−ヒドロキシベンゾエート、3−イソプロペニルフェノール、4−イソプロペニルフェノール等が挙げられる。これらの化合物は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、これらのアクリル樹脂の溶媒に対する溶解性を調整することを目的として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アリールエステル類;マレイン酸ジエチル、フマル酸ジブチル等のジカルボン酸ジエステル類;スチレン、α−メチルスチレン等のビニル基含有芳香族化合物;酢酸ビニル等のビニル基含有脂肪族化合物;ブタジエン、イソプレン等の共役ジオレフィン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基を有する重合性化合物;塩化ビニル、塩化ビニリデン等の塩素原子を有する重合性化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド結合を有する重合性化合物等を、上述の化合物と組み合わせて共重合させることもできる。
このようなアルカリ可溶性官能基を有するアクリル樹脂は、感光性樹脂組成物中に、アルカリ可溶性ノボラック樹脂100重量部に対し、5〜50重量部の範囲で配合することが望ましい。配合量が5重量部未満であると、めっき時にレジストの浮きやクラックの発生が見られるなど耐めっき液性が低下する傾向にある。一方、50重量部を越えると、形成されるレジストの強度が低下してしまい、これによりふくれなどが生じて精細なパターニングが困難となり、パターンの良好な解像度が得られ難い傾向にある。
(その他成分)
感光性樹脂組成物中には、種々の特性を向上させるため、上述した各成分以外の成分を更に加えることができる。例えば、まず、塗布性、消泡性、レベリング性等の向上を目的として、必要に応じて界面活性剤を配合することもできる。界面活性剤としては、BM−1000、BM−1100(BM ケミー社製)、メガファックF142D、同F172、同F173、同F183(大日本インキ化学工業社製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431(住友スリーエム社製)、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145(旭硝子社製)、SH−28PA、同−190、同−193、SZ−6032、SF−8428(東レシリコーン社製)などのフッ素系界面活性剤が例示できる。これらの界面活性剤の使用量は、アルカリ可溶性ノボラック樹脂100重量部に対して好ましくは5重量部以下である。
また、基板との接着性の向上を目的として接着助剤を含有させることもできる。接着助剤としては、官能性シランカップリング剤が好適である。ここで、官能性シランカップリング剤とは、カルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基などの接着性の向上が可能な反応性官能基を有するシランカップリング剤を意味する。具体的には、例えば、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が例示できる。これらの接着助剤の配合量は、アルカリ可溶性ノボラック樹脂100重量部に対して20重量部以下が好ましい。
さらに、現像液に対する溶解性を調整するため、以下に示すような有機溶媒を更に添加することもできる。有機溶媒としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、iso−酪酸、n−吉草酸、iso−吉草酸、安息香酸、けい皮酸等のモノカルボン酸;乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、サリチル酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシけい皮酸、3−ヒドロキシけい皮酸、4−ヒドロキシけい皮酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、シリンギン酸等のヒドロキシモノカルボン酸;シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、イタコン酸、ヘキサヒドロフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、1,2,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸等の多価カルボン酸;無水イタコン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバニル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイミック酸、1,2,3,4,−ブタンテトラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス無水トリメリテート、グリセリントリス無水トリメリテート等の酸無水物等が挙げられる。
また、上記カルボン酸系の溶媒の他には、N−メチルホルムアミド、N,N−メチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテート等の高沸点溶媒を添加することもできる。
これらの有機溶媒の添加量は、用途や塗布方法に応じて適宜調整することができる。好ましくは、組成物を均一に混合させることができる量であり、具体的には、得られる感光性樹脂組成物の全重量に対して60重量%以下が好ましく、40重量%以下がより好ましい。
さらに、感光性樹脂組成物中には、必要に応じて充填材、着色剤、粘度調整剤などを添加してもよい。充填材としては、シリカ、アルミナ、タルク、ベントナイト、ジルコニウムシリケート、粉末ガラスなどが例示できる。また着色剤としては、アルミナ白、クレー、炭酸バリウム、硫酸バリウムなどの体質顔料;亜鉛華、鉛白、黄鉛、鉛丹、群青、紺青、酸化チタン、クロム酸亜鉛、ベンガラ、カーボンブラックなどの無機顔料;ブリリアントカーミン6B、パーマネントレッド6B、パーマネントレッドR、ベンジジンイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどの有機顔料;マゼンタ、ローダミンなどの塩基性染料;ダイレクトスカーレット、ダイレクトオレンジなどの直接染料;ローセリン、メタニルイエローなどの酸性染料が挙げられる。さらに、粘度調整剤としては、ベントナイト、シリカゲル、アルミニウム粉末などが挙げられる。これらの添加剤は、感光性樹脂組成物の特性を損なわないような量を添加することが望ましく、その含有量は、感光性樹脂組成物の全重量に対して50重量%以下であることが好ましい。
上述した成分から構成される感光性樹脂組成物は、各成分を混合及び攪拌することにより調製することができるが、充填剤や顔料等の固形成分を含有させる場合にはディゾルバー、ホモジナイザー、3本ロールミル等の分散機を用いて分散及び混合を行ってもよい。また混合後には、必要に応じてメッシュやメンブレンフィルタ等によるろ過を実施することもできる。
次に、上述の感光性樹脂組成物を用いたプリント配線板の製造方法について説明する。
(1)未露光レジスト膜の形成
電気絶縁性基板の表面に金属箔等の導電性材料が積層された金属張積層板(回路形成用基板)の片面又は両面に、上述の感光性樹脂組成物を塗布等して積層させる。この場合の塗布方法としては、スピンコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法、アプリケーター法等の周知の塗布方法を適用できる。また、塗布以外の方法で積層を行うこともでき、例えば、重合体フィルム等からなる支持体上に感光性樹脂組成物からなる層が形成された感光性エレメントをラミネートする方法が例示できる。
こうして感光性樹脂組成物を積層した後、加熱等により感光性樹脂組成物中に含まれる溶媒を除去して(プリベーク)、未露光レジスト膜を形成する。プリベークの条件は、感光性樹脂組成物を構成する成分、各成分の配合量、膜厚に応じて適宜変更可能であるが、通常70〜130℃、好ましくは80〜120℃で、2〜60分程度実施される。形成された未露光レジスト膜の厚さは、5〜50μmが好ましい。なお、こうして形成された未露光レジスト膜は、乾燥後に保護フィルムによる保護を行ってもよく、この場合の保護フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体フィルムが例示できる。
(2)活性光線の照射
金属張積層板に積層された未露光レジスト膜に、所定のパターンを有するマスクを介して活性光線を照射し、所定のパターンが転写された露光部を形成する。活性光線としては、紫外線、可視光線、遠紫外線、X線、電子線等が挙げられ、これらは、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、アルゴンガスレーザ等の線源から出射される。上述の感光性樹脂組成物に対しては、波長400〜500nmの光、好ましくは波長435nm付近の可視光線を活性光線として照射する。照射する活性光線の波長が400nm以下である場合、照射した光が感光性樹脂組成物からなる層に過度に吸収され、層下部の露光が不充分となって、パターンの断面形状が台形状となる傾向にあり、500nmを超えると、照射した光が感光性樹脂組成物の層に充分に吸収されず、得られるパターンの解像度が低下する傾向にある。これらの活性光線の照射量は、各条件により適宜変更可能であるが、例えば超高圧水銀灯を用いた場合、50〜2000mJ/m2とすることが好適である。こうして活性光線が照射されると、上述の感光性樹脂組成物からなるレジスト膜は、その露光部においてアルカリ性溶液に対する溶解性が増大する。
(3)露光部の除去
活性光線の照射後、アルカリ性溶液に対する溶解性が向上した露光部を、アルカリ性溶液からなる現像液に溶解又は分散させることにより金属張積層板上から除去する(現像)。こうして金属張積層板上にパターン化レジスト膜が形成され、レジスト膜形成済回路形成用基板が得られる。このようにして形成されたパターン化レジスト膜は、後述のめっき又はエッチングに対するレジストとしての役割を有するようになる。
現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノナンなどのアルカリ性溶液が例示できる。また、これらのアルカリ性溶液にメタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を添加した溶液を添加して用いてもよい。
現像時間は、通常30秒〜10分間とされ、また現像法としては、液盛り法、ディッピング法、パドル法、スプレー現像法等の周知の方法を採用できる。現像後は、流水洗浄を30〜90秒程度実施し、エアーガンなどを用いて風乾させるか、又はオーブン中で加熱することにより残存部を乾燥することが望ましい。
(4)エッチング又はめっき
上述のようにして得られたレジスト膜形成済回路形成用基板に、パターン化レジスト膜をマスクとしてエッチング又はめっき処理を施して配線回路を形成させた後、パターン化レジスト膜を除去してプリント配線板を製造する。エッチング処理による方法(サブトラクティブ法)の場合、配線回路の形成は、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液等を用い、これらを基板にスプレー等により吹き付けるか、またはこれらの溶液中に基板を浸漬して、非マスク部に露出した導電性材料を分散又は溶解して除去(エッチング)し、導電性材料を所定の形状にパターン化することにより実施される。その後のパターン化レジスト膜の除去は、上述の現像時に用いた溶液よりも更に強アルカリ性の溶液、例えば1〜10重量%水酸化ナトリウム水溶液、1〜10重量%水酸化カリウム水溶液等によりパターン化レジスト膜を溶解・分散させることにより行うことができる。
また、めっきによる方法(セミアディティブ法)の場合は、めっき液中にパターン形成済回路形成用基板を浸漬して、非マスク部に露出した導電性材料上にさらに導電層を形成させる。この場合のめっき法としては、銅めっき、はんだめっき、ニッケルめっき、金めっき等が挙げられる。かかるめっき後、上述の方法と同様にしてレジストパターンの除去を行い、さらに、めっきによって導電層が形成されていない部分の導電性材料をクイックエッチング等により除去して配線パターンを形成させる。こうして配線パターンの形成されたプリント配線板を得る。
上述したように、本発明の製造方法により形成されるパターン化レジスト膜は、レジストの欠けや基板からの剥離を生じ難く、めっき後には容易に基板から除去可能であり、さらに、そのラインの断面形状が略矩形状であるといった優れた特性を有するようになる。このため、極めて精細な配線パターンを形成させた場合であっても、このパターン化レジスト膜を用いて配線パターンの形成が実施されたプリント配線板は、そのライン形状及びライン断面の形状が共に良好であり、また、配線板上のレジスト残りも極めて少ない。
なお、本発明のパターン化レジスト膜の製造方法において用いられる感光性樹脂組成物は、パターン化レジスト膜に限定されず、例えば、銅、クロム、鉄、ガラス基板等の各種の基板のエッチング時の保護膜、半導体製造用のレジスト等として用いることもできる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[感光性樹脂組成物の調製]
(調製例1)
アルカリ可溶性ノボラック樹脂としてMER−7959S(明和化成社製)100部、キノンジアジド基を有する化合物としてトリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド2.9モルを反応させた化合物10部、ブチルメタクリレート50.0gとスチレン25.0gとメタクリル酸25.0gを共重合させて得られるアクリル樹脂10部を、エチレングリコールモノメチルエーテル100部に溶解した後、孔径1.0μmのメンブレンフィルターによりろ過して感光性樹脂組成物の溶液を得た。
(調製例2)
キノンジアジド基を有する化合物として4,4’−{1−[4−(2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル)フェニル]エチリデン}ビスフェノール1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド2.8モルを反応させた化合物を用いたこと以外は調製例1と同様にして感光性樹脂組成物の溶液を調製した。
(調製例3)
キノンジアジド基を有する化合物としてトリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニルクロリド2.9モルを反応させた化合物を用いたこと以外は、調製例1と同様にして感光性樹脂組成物の溶液を調製した。
(調製例4)
キノンジアジド基を有する化合物としてトリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド2.9モルを反応させた化合物を5部用いたこと以外は、調製例1と同様にして感光性樹脂組成物の溶液を調製した。
(調製例5)
キノンジアジド基を有する化合物としてトリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド2.9モルを反応させた化合物を15部用いたこと以外は、調製例1と同様にして感光性樹脂組成物の溶液を調製した。
[レジストパターンの形成及びその評価]
(実施例1)
調製例1の感光性樹脂組成物の溶液を、スピンナーを用いて5インチの銅スパッタリングウェーハ上にスピンコートした後、ホットプレート上で95℃、5分間の加熱を行い、感光性樹脂組成物からなる厚さ約15μmのプリベーク膜(未露光レジスト膜)を形成した。得られたプリベーク膜の吸光度は、365nmの光に対して2.5であり(以下、「2.5(365nm)」のように表記する。)、以下、3.0(405nm)、1.8(435nm)であった。
次に、このプリベーク膜に、超高圧水銀灯(ウシオ社製)からの光を435nm干渉フィルタ及び複数のライン幅及びスペース幅(ライン幅:スペース幅=1:1)が設定された解像度測定用のパターンマスクを介して露光量600mJ/cm2で紫外線露光を行った後、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシドを用いて300秒ディップ現像した。さらに、現像後の膜を流水洗浄した後窒素ブローしてパターン化レジスト膜を形成した。
形成されたパターン化レジスト膜を顕微鏡により観察して、ラインの状態(欠けやクラックの有無)及びラインの断面形状を評価し、同時に解像度の評価を行った。その結果、ラインに欠けやクラックは生じておらず、その断面形状は矩形であり、また解像度は6μmであった。なお、解像度は、現像することができた最小のライン幅/スペース幅の数値を評価値とし、その値が小さいほど解像性が高いことを示している。
(実施例2)
調製例2の感光性樹脂組成物の溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして厚さ約15μmのプリベーク膜を形成した。得られた膜の吸光度は、2.0(365nm)、2.3(405nm)、及び1.3(435nm)であった。
次に、このプリベーク膜を、露光量を500mJ/cm2としたこと以外は実施例1と同様にして露光及び現像を行いパターン化レジスト膜を形成させ、このパターン化レジスト膜の評価を行った。その結果、ラインに欠けやクラックは生じておらず、その断面形状は矩形であり、解像度は6μmであった。
(実施例3)
調製例3の感光性樹脂組成物の溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして厚さ約15μmのプリベーク膜を形成した。得られた膜の吸光度は、2.5(365nm)、2.4(405nm)、及び0.3(435nm)であった。
次に、このプリベーク膜を、露光量を1000mJ/cm2としたこと以外は実施例1と同様にして露光及び現像を行いパターン化レジスト膜を形成させ、得られたパターン化レジスト膜の評価を行った。その結果、ラインに欠けやクラックは生じておらず、その断面形状は矩形であり、解像度は6μmであった。
(比較例1)
調製例4の感光性樹脂組成物の溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして厚さ約15μmのプリベーク膜を形成した。得られた膜の吸光度は、1.3(365nm)、1.6(405nm)、1.0(435nm)であった。
次に、このプリベーク膜を、435nm干渉フィルタを用いなかったこと、及び露光量を300mJ/cm2としたこと以外は実施例1と同様にして露光及び現像を行いパターン化レジスト膜を形成させ、得られたパターン化レジスト膜の評価を行った。その結果、解像度は6μmであったが、ラインの幅が細く、またその断面形状は台形であった。
(比較例2)
調製例5の感光性樹脂組成物の溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして厚さ約15μmのプリベーク膜を形成した。得られた膜の吸光度は、3.7(365nm)、4.1(405nm)、2.7(435nm)であった。
次に、このプリベーク膜を、比較例1と同様にして露光及び現像を行いパターン化レジスト膜を形成させ、得られたパターン化レジスト膜の評価を行った。その結果、解像度は6μmであったが、ラインの断面形状は台形であった。
(比較例3)
実施例1と同様にして得られたプリベーク膜を、435nm干渉フィルタを用いなかったこと、及び露光量を300mJ/cm2としたこと以外は実施例1と同様にして露光及び現像を行いパターン化レジスト膜を形成させ、得られたパターン化レジスト膜の評価を行った。その結果、ラインに欠けやクラックは生じておらず、また6μmの解像度が得られたものの、ラインの断面形状はやや台形であった。
(比較例4)
実施例1と同様にして得られたプリベーク膜を、435nm干渉フィルタに代えて365nm干渉フィルタを用いたこと、及び露光量を700mJ/cm2としたこと以外は実施例1と同様にして露光及び現像を行いパターン化レジスト膜を形成させ、得られたパターン化レジスト膜の評価を行った。その結果、ラインに欠けやクラックは生じておらず、6μmの解像度が得られたものの、ラインの断面形状は台形であった。

Claims (8)

  1. アルカリ可溶性ノボラック樹脂、及び、キノンジアジド基を有する化合物を含んでおり、且つ、露光前の状態で厚さ15μmの膜を形成させたときに、365nmの光に対する吸光度が1.5〜3.0、435nmの光に対する吸光度が0.1〜2.0である感光性樹脂組成物からなる未露光レジスト膜の所定部分に、
    波長400〜500nmの光を照射して露光部を形成させ、
    前記露光部を除去することを特徴とする、パターン化されたレジスト膜の製造方法。
  2. 前記感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性基を有するアクリル樹脂を更に含む組成物であることを特徴とする請求項1記載のパターン化されたレジスト膜の製造方法。
  3. 前記アルカリ可溶性ノボラック樹脂は、フェノール性水酸基を有する化合物とアルデヒド化合物とを反応させてアルカリ可溶にした化合物であることを特徴とする請求項1又は2記載のパターン化されたレジスト膜の製造方法。
  4. 前記キノンジアジド基を有する化合物は、ヒドロキシル基又はアミノ基を有する化合物とキノンジアジド基を有する芳香族スルホン酸化合物とを反応させてなるスルホン酸エステル化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のパターン化されたレジスト膜の製造方法。
  5. 前記キノンジアジド基を有する芳香族スルホン酸化合物は、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホン酸、ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホン酸、オルトアントラキノンジアジドスルホン酸及びこれらの誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物であることを特徴とする請求項4記載のパターン化されたレジスト膜の製造方法。
  6. 前記未露光レジスト膜は、回路形成用基板上に形成された膜であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のパターン化されたレジスト膜の製造方法。
  7. 回路形成用基板上に、請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法により製造されたパターン化されたレジスト膜を備えることを特徴とするレジスト膜形成済回路形成用基板。
  8. 請求項7記載のレジスト膜形成済回路形成用基板を、エッチング又はめっきすることを特徴とするプリント配線板の製造方法。
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