JP2004219536A - 感光性樹脂組成物、回路形成用基板、レジストパターンの製造法、プリント配線板の製造法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、配線メッキの厚さよりも厚くレジストを形成できレジストの欠けやクラックがなく、レジストパターンが矩形で、断面に荒れがなく、基板に対する良好な密着性を有し、耐メッキ液性およびメッキ液に対する良好な濡れ性を有し、メッキ処理後に剥離液により容易に剥離されるパッケージ基板回路形成用途、並びに半導体チップ上再配線回路形成用途に適したポジ型感光性樹脂組成物、回路形成用基板、レジストパターンの形成法及びプリント配線版の製造法を提供することにある。
【解決手段】(A)アルカリ可溶性ノボラック樹脂、(B)繰り返し単位当たり5〜40重量%のカルボキシル基及び/又はフェノール性水酸基を有するラジカル重合性単位を含むアルカリ可溶性アクリル樹脂、ノボラック樹脂100重量%に対して5〜50wt%、(C)キノンジアジド基含有化合物、を含有する膜厚5〜30μmのポジ型感光性樹脂組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】(A)アルカリ可溶性ノボラック樹脂、(B)繰り返し単位当たり5〜40重量%のカルボキシル基及び/又はフェノール性水酸基を有するラジカル重合性単位を含むアルカリ可溶性アクリル樹脂、ノボラック樹脂100重量%に対して5〜50wt%、(C)キノンジアジド基含有化合物、を含有する膜厚5〜30μmのポジ型感光性樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポジ型感光性樹脂組成物、回路形成用基板、レジストパターンの形成法及びプリント配線版の製造法に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、回路基板の製造および半導体や電子部品の回路基板への実装の際に行われる配線形成、バンプ形成、層間絶縁層、回路保護膜、および精密部品加工・製造などのフォトファブリケーションに好適なアルカリ現像可能なポジ型感光性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フォトファブリケーションとは、感光性樹脂組成物を加工物表面に塗布し、フォトリソグラフィー技術によって塗膜をパターニングし、これをマスクとして化学エッチング、電解エッチングまたは電気メッキを主体とするエレクトロフォーミング技術の単独、あるいは組み合わせにより各種精密部品を製造する技術の総称であり、現在の精密微細加工技術の主流となっている。近年、LSIの高集積化、高速化が急激に進んでおり、高集積化のために多ピンエリアアレイ実装であるBGAや超小型対応のCSP薄膜実装が、高速化のための短配線長化に有利なTAB、フリップチップ接続などが実用化されている。上記実装では接続用端子の形成のために半導体チップ上に高精細な再配線回路を形成する必要があり、同時にそれを搭載するパッケージ基板側にも高精細な配線回路が求められる。これらの用途の配線回路を形成する場合5〜30μm程度の厚膜のフォトレジストを用いる。
【0003】
この厚膜用フォトレジストに対する要求項目としては、配線メッキの厚さよりも厚くレジストを形成できレジストの欠けなどがないこと、配線の導体損失を低減するためにレジストパターンが矩形で、断面に荒れがないこと、基板に対する密着性を有すること、耐メッキ液性およびメッキ液に対する良好な濡れ性を有していること、メッキ処理後には剥離液により容易に剥離されること等である。
【0004】
これに対し、従来の厚膜用フォトレジスト組成物では、5μm以上の厚膜でレジストを形成した場合、樹脂の膜質が脆いために基板屈曲のストレスによりレジストに欠けやクラックが生じたり、レジスト自体の光吸収で膜厚方向の照射エネルギーが減衰し現像後のレジストパターンがテーパ状となる課題があった。レジストに欠けやクラックがあるとメッキ処理後に配線回路のショートエラーが生じ、また、パターンがテーパ状であるとメッキ処理後にレジストが剥離しにくかったり、転写されたメッキ配線が逆テーパ状となり、導体損失が大きくなったりする。また、現像時に基板との密着性が乏しいと、回路を形成するためのパターンサイズが微細化するにつれ、レジストパターンが現像時に基板から脱落する問題が生じる。また、耐メッキ液性が低いとメッキ液浸漬時や洗浄中にレジストパターンの変形や、ひび割れ等の問題が生じる。(例えば特許文献1、2、3参照)
【0005】
【特許文献1】
特開平10−207057号公報
【特許文献2】
特開2000−39709号公報
【特許文献3】
特開2000−250208号公報
【特許文献4】
特開2002−258479号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、配線メッキの厚さよりも厚くレジストを形成できレジストの欠けやクラックがなく、レジストパターンが矩形で、断面に荒れがなく、基板に対する良好な密着性を有し、耐メッキ液性およびメッキ液に対する良好な濡れ性を有し、メッキ処理後に剥離液により容易に剥離されるパッケージ基板回路形成用途、並びに半導体チップ上再配線回路形成用途に適したポジ型感光性樹脂組成物、回路形成用基板、レジストパターンの形成法及びプリント配線版の製造法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、(A)アルカリ可溶性ノボラック樹脂、(B)繰り返し単位当たり5〜40重量%のカルボキシル基及び/又はフェノール性水酸基を有するラジカル重合性単位を含むアルカリ可溶性アクリル樹脂、ノボラック樹脂100重量%に対して5〜50wt%、(C)キノンジアジド基含有化合物、を含有する膜厚5〜30μmのポジ型感光性樹脂組成物に関する。請求項2の発明は、A)m−クレゾールとp−クレゾールの比を重量比で55:45〜40:60の範囲で仕込み、得られた樹脂の標準ポリスチレン換算分子量が3000〜15000の範囲にあるアルカリ可溶性ノボラック樹脂を有することを特徴とする請求項1記載のポジ型感光性樹脂組成物に関する。請求項3の発明は(C)キノンジアジド基含有化合物が下記一般式(1)、(2)又は(3)で表されるフェノール誘導体のナフトキノンジアジドスルホン酸エステルを有することを特徴とする請求項1、又は2記載のポジ型感光性樹脂組成物に関する。
【化5】
(ここでR1〜R11はそれぞれ独立に水素、置換または無置換の炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシ基。Xは単結合、−O−、2価のフェニル基)
請求項4の発明は、一般式(1)記載のキノンジアジド化合物が化学式(4)である請求項1、2、又は3記載のポジ型感光性樹脂組成物に関する。
【化6】
請求項5の発明は、一般式(2)記載のキノンジアジド化合物が化学式(5)である請求項1、2、又は3記載のポジ型感光性樹脂組成物に関する。
【化7】
請求項6の発明は、一般式(3)記載のキノンジアジド化合物が化学式(6)である請求項1、2、又は3記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【化8】
請求項7の発明は、請求項1、2、3、4、5又は6記載のポジ型感光性樹脂組成物を塗布、乾燥して厚さ5〜30μmの膜を形成した回路形成用基板に関する。請求項8の発明は、請求項7記載の回路形成用基板に活性光線を画像状に照射し、露光部をアルカリ溶解性にし、現像により除去することを特徴とするレジストパターンの製造法に関する。請求項9の発明は、請求項8記載のレジストパターンの製造法によりレジストパターンが製造された回路形成用基板をエッチング又はめっきすることを特徴とするプリント配線板の製造法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(A)アルカリ可溶性ノボラック樹脂本発明に用いられる(A)アルカリ可溶性ノボラック樹脂は、例えばフェノール性水酸基を持つ芳香族化合物(以下、単に「フェノール類」という)とアルデヒド類とを酸触媒下で付加縮合させることにより得ることができる。この際使用されるフェノール類としては、例えばフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、pーフェニルフェノール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、フロログリシノール、ヒドロキシジフェニル、ビスフェノールA、没食子酸、没食子酸エステル、α−ナフトール、β−ナフトール等が挙げられる。またアルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、ニトロベンズアルデヒド、アセトアルデヒド等が挙げられる。付加縮合反応時の触媒として、特に限定されるものではないが例えば酸触媒では、塩酸、硝酸、硫酸、蟻酸、蓚酸、酢酸等が使用される。(A)アルカリ可溶性ノボラック樹脂の重量平均分子量はとくに制限されないが、3000〜50000が好ましく、さらには3000〜15000がより好ましい。
【0009】
(B)アルカリ可溶性アクリル樹脂
本発明に用いられる(B)アルカリ可溶性アクリル樹脂は、繰り返し単位当たり5〜40重量%のカルボキシル基および/又はフェノール性水酸基を有するラジカル重合性単位を含み、ノボラック樹脂100重量%に対して5〜50wt%を含有することが必要である。カルボキシル基を有するラジカル重合性化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのジカルボン酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸などのカルボキシル基およびエステル結合を有するメタクリル酸誘導体等のラジカル重合性化合物を例示することができ、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸である。これらの化合物は単独もしくは2種以上組み合わせて使用できる。また、フェノール性水酸基を有するラジカル重合性化合物としては、3−ヒドロキシスチレン、4−ヒドロキシスチレン、ビニル−4−ヒドロキシベンゾエート、3−イソプロペニルフェノール、4−イソプロペニルフェノール等のフェノール性水酸機を有するビニル系モノマなどか使用できる。これらの化合物は単独もしくは2種以上組み合わせて使用できる。
【0010】
(B)アルカリ可溶性アクリル樹脂中におけるカルボキシル基含有ラジカル重合性化合物は繰り返し単位当たり5〜40重量%含まれることが好ましい。50重量%を超えると現像後のレジストパターン形状がテーパ状となり、メッキ耐性が悪化する傾向にある。また、5重量%未満ではアルカリ溶解性が低く、十分な現像性が得られなかったり、レジストの欠けやクラックが発生したり、はく離性が劣る傾向がある。また、(B)アルカリ可溶性アクリル樹脂中におけるフェノール性水酸基を有するラジカル重合性化合物の含有量は繰り返し単位当たり5〜40重量%が好ましい。5重量%未満であると、アルカリ溶解性が低く、十分な現像性が得られなかったり、レジストの欠けやクラックが発生したり、はく離性が劣る傾向がある。40重量%を超えると、現像後のレジストパターン形状がテーパ状となり、メッキ耐性が悪化する傾向にある。
【0011】
(B)アルカリ可溶性アクリル樹脂の重量平均分子量は10,000〜800,000、好ましくは30,000〜500,000である。10,000未満であるとレジスト膜が十分な強度を得られず、メッキ時のプロファイルの膨れ、クラックの発生を引き起こす傾向がある。800,000を超えると剥離性が低下する。
【0012】
さらに、(B)アルカリ可溶性アクリル樹脂中には、物理的、化学的特性を適度にコントロールする目的で他のラジカル重合性化合物を単量体として含むことができる。ここで「他のラジカル重合性化合物」とは、前出の重合性化合物以外のラジカル重合性化合物の意味である。この様なラジカル重合性化合物としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アリールエステル類;マレイン酸ジエチル、フマル酸ジブチルなどのジカルボン酸ジエステル類;スチレン、α−メチルスチレンなどのビニル基含有芳香族化合物;酢酸ビニルなどのビニル基含有脂肪族化合物;ブタジエン、イソプレンなどの共役ジオレフィン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル基含有重合性化合物;塩化ビニル、塩化ビニリデンなどの塩素含有重合性化合物;アクリルアミド、メタクリルアミドなどのアミド結合含有重合性化合物などを用いることができる。これらの化合物は単独、もしくは2種以上組み合わせて用いることができ、これらのうち特に、n−ブチルアクリレート、ベンジルメタクリレート、メチルメタクリレートなどが好ましい。(B)アルカリ可溶性アクリル樹脂中に占める他のラジカル重合性化合物は50重量%未満が好ましく、より好ましくは40重量%未満である。
【0013】
(B)アルカリ可溶性アクリル樹脂を合成する際に用いられる重合溶媒としては、例えばエタノール、ジエチレングリコールなどのアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテル類;エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどの多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;アセトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類等を用いることができる。これらのうち特に、多価アルコールのアルキルエーテル類、多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類が好ましい。(B)アルカリ可溶性アクリル樹脂を合成する際に用いられる重合触媒としては、通常のラジカル重合開始剤が使用でき、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物;ベンゾイルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシドなどの有機過酸化物などが使用できる。
【0014】
本発明の組成物において、この(B)成分は、前述の(A)成分100重量部に対し、5〜50重量部の範囲で配合することが望ましい。配合量が5重量部未満では、メッキ時にレジストの浮き、クラックの発生など耐メッキ液性が低下し、50重量部を越えると、形成されるレジスト膜の強度が低下し、膨れなどにより鮮明なプロファイルが得られず解像度が低下する傾向が見られる。
【0015】
(C)キノンジアジド基含有化合物(C)キノンジアジド基含有化合物としては、例えば(I)2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシ−2’−メチルベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3’,4,4’,6−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,4’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,5−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,3’,4,4’,5’,6−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、2,3,3’,4,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノンなどのポリヒドロキシベンゾフェノン類、(II)ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2−(2’,4’−ジヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(2’,3’,4’−トリヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−{1−[4−〔2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕フェニル]エチリデン}ビスフェノール,3,3’−ジメチル−{1−[4−〔2−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕フェニル]エチリデン}ビスフェノールなどのビス[(ポリ)ヒドロキシフェニル]アルカン類、(III)トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3、5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン 、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタンなどのトリス(ヒドロキシフェニル)メタン類またはそのメチル置換体、(IV)ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン,ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン,ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン,ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン,ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、 ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、 ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、 ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、 ビス(5−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタンなどの、ビス(シクロヘキシルヒドロキシフェニル)(ヒドロキシフェニル)メタン類またはそのメチル置換体、(V)フェノール、p−メトキシフェノール、ジメチルフェノール、ヒドロキノン、ナフトール、ピロカテコール、ピロガロール、ピロガロールモノメチルエーテル、ピロガロール−1,3−ジメチルエーテル、没食子酸、アニリン、p−アミノジフェニルアミン、4,4’−ジアミノベンゾフェノンなどの水酸基またはアミノ基をもつ化合物、(VI)ノボラック、ピロガロール−アセトン樹脂、p−ヒドロキシスチレンのホモポリマーまたはこれと共重合しうるモノマーとの共重合体などとナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホン酸またはナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホン酸、オルトアントラキノンジアジドスルホン酸などのキノンジアジド基含有スルホン酸との完全エステル化合物、部分エステル化合物、アミド化物または部分アミド化物などを挙げることができる。
【0016】
中でも好ましくは、下記一般式(1)または(2)で表される化合物のキノンジアジドスルホン酸エステルを使用するのがよい。
【0017】
【化9】
【0018】
(ここでR1〜R11はそれぞれ独立に水素、置換または無置換の炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシ基。Xは単結合、−O−、2価のフェニル基)
【0019】
とくに一般式(1)または(2)で表わされる化合物のキノンジアジドスルホン酸エステルの中でも、下記化学式(4)、(5)及び(6)で表わされる化合物のキノンジアジドスルホン酸エステルはより好ましく用いられる。
【0020】
【化10】
【0021】
【化11】
【0022】
【化12】
【0023】
ここで前記一般式(1)、(2)、(3)で表される化合物において、ナフトキノン−1,2−ジアジド−スルホニル基は、4位または5位にスルホニル基が結合しているものが好ましい。これら化合物は、組成物を溶液として使用する際に通常用いられる溶剤によく溶解し、かつ被膜形成物質の(A)アルカリ可溶性ノボラック型樹脂との相容性が良好であり、ポジ型フォトレジスト組成物の感光性成分として使用すると、高感度で画像コントラスト、断面形状に優れ、かつ耐熱性にも優れる上、溶液として用いる場合に異物の発生のない組成物を与える。なお、前記一般式(1)または(2)または(3)で表される化合物のキノンジアジドスルホン酸エステルは、一種用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。この一般式(1)で表わされる化合物は、例えばトリ(4−ヒドロキシフェニル)メタンとナフトキノン−1,2−ジアジド−スルホニルクロリドとをジオキサン、THFのような溶媒中において、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、炭酸アルカリや炭酸水素アルカリのようなアルカリの存在下に縮合させ、完全エステル化または部分エステル化することにより製造することができる。また、この一般式(2)で表わされる化合物は、例えば4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノールとナフトキノン−1,2−ジアジド−スルホニルクロリドとをジオキサン、THFのような溶媒中において、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、炭酸アルカリや炭酸水素アルカリのようなアルカリの存在下に縮合させ、完全エステル化または部分エステル化することにより製造することができる。さらに、この一般式(3)で表わされる化合物は、例えば1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンとナフトキノン−1,2−ジアジド−スルホニルクロリドとをジオキサン、THFのような溶媒中において、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、炭酸アルカリや炭酸水素アルカリのようなアルカリの存在下に縮合させ、完全エステル化または部分エステル化することにより製造することができる。なお、前記のナフトキノン−1,2−ジアジド−スルホニルクロリドとしては、ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリドやナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリドが好適である。
【0024】本発明の組成物においては、必要に応じ、本発明の目的をそこなわない範囲で、前記一般式(1)または(2)または(3)で表わされる化合物のキノンジアジドスルホン酸エステルと、これ以外のキノンジアジド基含有化合物を併用することができる。
【0025】
本発明の組成物においては、(C)成分として、前記のキノンジアジド基含有化合物を一種単独で含有してもよいし、二種以上を含有してもよい。また、この(C)成分は、前記(A)成分のノボラック樹脂100重量部に対し、5〜100重量部、好ましくは10〜50重量部の範囲で配合するのが望ましい。この配合量が5重量部未満ではパターンに忠実な画像が得られず、転写性が低下する。一方、100重量%を超えるとレジストの感度の低下が著しく好ましくない。
【0026】
本発明の組成物は、(A)アルカリ可溶性ノボラック樹脂、(B)アルカリ可溶性アクリル樹脂および感光剤としての(C)キノンジアジド基含有化合物を適当な溶剤に溶解して、溶液の形で用いるのが好ましい。このような溶剤の例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等のプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトンなどのケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジオキサンのような環式エーテル類および、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、オキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のエステル類を挙げることができる。これらは一種単独で用いてもよいし、また2種以上混合して用いてもよい。これらの溶剤の使用量は、得られるポジ型フォトレジスト組成物をスピンコート法を用いて5〜30μmの膜厚を得るためには固形分濃度が65重量%以下になる範囲が好ましい。固形分濃度が65重量%を超えると組成物の流動性が著しく悪化し、取り扱いが困難な上、スピンコート法では、均一なレジストフィルムが得られにくい。
【0027】
本発明の組成物には、塗布性、消泡性、レベリング性などを向上させる目的で必要に応じて界面活性剤を配合することもできる。界面活性剤としては、例えばBM−1000、BM−1100(BM ケミー社製)、メガファックF142D、同F172、同F173、同F183(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431(住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145(旭硝子(株)製)、SH−28PA、同−190、同−193、SZ−6032、SF−8428(東レシリコーン(株)製)などの名称で市販されているフッ素系界面活性剤を使用することができる。これらの界面活性剤の使用量は、(A)アルカリ可溶性ノボラック樹脂100重量部に対して好ましくは5重量部以下である。
【0028】
本発明の組成物には、基板との接着性を向上させるために接着助剤を使用することもできる。使用される接着助剤としては、官能性シランカップリング剤が有効である。ここで、官能性シランカップリング剤とは、カルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基などの反応性置換基を有するシランカップリング剤を意味し、具体例としてはトリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどを挙げることができる。その配合量は、(A)アルカリ可溶性ノボラック樹脂100重量部当たり20重量部以下が好ましい。
【0029】
また、本発明の組成物には、アルカリ現像液に対する溶解性の微調整を行なうために、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、iso−酪酸、n−吉草酸、iso−吉草酸、安息香酸、けい皮酸などのモノカルボン酸;乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、サリチル酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシけい皮酸、3−ヒドロキシけい皮酸、4−ヒドロキシけい皮酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、シリンギン酸などのヒドロキシモノカルボン酸;シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、イタコン酸、ヘキサヒドロフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、1,2,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸などの多価カルボン酸;無水イタコン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバニル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイミック酸、1,2,3,4,−ブタンテトラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス無水トリメリテート、グリセリントリス無水トリメリテートなどの酸無水物を添加することもできる。さらに、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテートなどの高沸点溶媒を添加することもできる。上記のアルカリ現像液に対する溶解性の微調整を行なうための化合物の使用量は、用途、塗布方法に応じて調整することができ、組成物を均一に混合させることができれば特に限定されるものではないが、得られる組成物に対して60重量%以下、好ましくは40重量%以下である。
【0030】
さらに、本発明の組成物には必要に応じて充填材、着色剤、粘度調整剤などを添加することもできる。充填材としては、シリカ、アルミナ、タルク、ベントナイト、ジルコニウムシリケート、粉末ガラスなどを挙げることができる。着色剤としては、アルミナ白、クレー、炭酸バリウム、硫酸バリウムなどの体質顔料;亜鉛華、鉛白、黄鉛、鉛丹、群青、紺青、酸化チタン、クロム酸亜鉛、ベンガラ、カーボンブラックなどの無機顔料;ブリリアントカーミン6B、パーマネントレッド6B、パーマネントレッドR、ベンジジンイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどの有機顔料;マゼンタ、ローダミンなどの塩基性染料;ダイレクトスカーレット、ダイレクトオレンジなどの直接染料;ローセリン、メタニルイエローなどの酸性染料が挙げられる。また、粘度調整剤としては、ベントナイト、シリカゲル、アルミニウム粉末などを挙げることができる。これらの添加剤は、組成物の本質的な特性を損なわない範囲、好ましくは、得られる組成物に対して、50重量%以下である。
【0031】
本発明の組成物の調製は、充填材、顔料を添加しない場合には、通常の方法で混合、攪拌するだけでよく、充填材、顔料を添加する場合にはディゾルバー、ホモジナイザー、3本ロールミルなどの分散機を用い分散、混合させればよい。また、必要に応じて、さらにメッシュ、メンブレンフィルターなどを用いてろ過してもよい。
【0032】
なお、本発明の組成物は厚膜用として好適であるが、その利用範囲はこれに限定されず、例えば銅、クロム、鉄、ガラス基板等各種基板のエッチング時の保護膜や半導体製造用レジストとしても使用することができる。本発明の組成物をフォトレジスト膜とした場合の膜厚は5〜30μmである。塗布して乾燥後、必要に応じて保護フィルムを被覆して用いる場合は、保護フィルムとして、ポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体フィルムなどが挙げられる。
【0033】
本発明の組成物をレジストフィルムとした配線回路形成は例えば次のようにして行われる。
(1)塗膜の形成:上述のように調製した組成物の溶液を所定の配線パターンを有する基板上に厚さ10〜60μmで塗布し、加熱により溶媒を除去することによって所望の塗膜を形成する。被処理基板上への塗布方法としては、スピンコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法、アプリケーター法などの方法を採用することができる。本発明の組成物の塗膜のプレベーク条件は、組成物中の各成分の種類、配合割合、塗布膜厚などによって異なるが、通常は70〜130℃で、好ましくは80〜120℃で、2〜60分間程度である。
【0034】
(2)放射線照射:得られた塗膜に所定のパターンのマスクを介して、放射線、例えば波長が300〜500nmの紫外線または可視光線を照射することにより、配線パターン部分のみを露光させる。これらの放射線の線源として、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、アルゴンガスレーザーなどを用いることができる。ここで放射線とは、紫外線、可視光線、遠紫外線、X線、電子線などを意味する。放射線照射量は、組成物中の各成分の種類、配合量、塗膜の膜厚などによって異なるが、例えば超高圧水銀灯使用の場合、50〜2000mJ/cm2である。
【0035】
(3)現像:放射線照射後の現像方法としては、アルカリ性水溶液を現像液として用いて、不要な部分を溶解、除去し、放射線未照射部分のみ残存させる。現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノナンなどのアルカリ類の水溶液を使用することができる。また上記アルカリ類の水溶液にメタノール、エタノールなどの水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。現像時間は、組成物各成分の種類、配合割合、組成物の乾燥膜厚によって異なるが、通常30秒〜10分間であり、また現像の方法は液盛り法、ディッピング法、パドル法、スプレー現像法などのいずれでも良い。現像後は、流水洗浄を30〜90秒間行い、エアーガンなどを用いて風乾させたり、オーブン中で乾燥させる。
【0036】
本発明の感光性樹脂組成物を用いてプリント配線板を製造する場合、現像されたレジストパターンをマスクとして、回路形成用基板の表面を、エッチング、めっき等の公知方法で処理する。上記めっき法としては、例えば、銅めっき、はんだめっき、ニッケルめっき、金めっきなどがある。次いで、レジストパターンは、例えば、現像に用いたアルカリ性水溶液よりさらに強アルカリ性の水溶液、例えば、1〜10重量%水酸化ナトリウム水溶液、1〜10重量%水酸化カリウム水溶液等、又は上記感光性樹脂組成物を溶液として使用するときに用いた溶剤などを用いて剥離することができる。若しくは、メッキ処理後露光を行って上記現像処理と同様のプロセスでレジストを溶解除去させることもできる。現像後に行われる金属面のエッチングには、例えば、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液等を用いることができる。
【0037】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、特にことわりの無い限り、部は重量部、%は重量%を示す。
【0038】
<(A)アルカリ可溶性ノボラック樹脂の合成>
合成例1
m−クレゾールとp−クレゾールを重量比40:60の割合で混合し、これにホルマリンを加え、シュウ酸触媒を用いて常法により縮合して重量平均分子量10000のノボラック樹脂クレゾールノボラック樹脂を得た。この樹脂をノボラック樹脂A1とする。
合成例2
m−クレゾールとp−クレゾールを重量比50:50の割合で混合し、これにホルマリンを加え、シュウ酸触媒を用いて常法により縮合して重量平均分子量10000のノボラック樹脂クレゾールノボラック樹脂を得た。この樹脂をノボラック樹脂A2とする。
<(B)アルカリ可溶性アクリル樹脂の合成>
合成例3
攪拌装置、還流器、温度計、滴下槽のついたフラスコを窒素置換した後、溶媒としてエチレングリコールモノメチルエーテルを60g、トルエンを40g仕込み、攪拌を始めた。その後、溶剤の温度を80℃まで上昇させた。滴下槽に重合触媒として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.7g、メチルメタクリレート50.0g、スチレン25.0g、メタクリル酸25.0gを仕込み、重合触媒が溶解するまで攪拌した後、この溶液をフラスコ内に4時間均一滴下し、引き続き80℃で5時間重合を行った。その後、室温まで冷却し、アクリル樹脂B1を得た。
合成例4
メチルメタクリレート40.0g、スチレン25.0g、メタクリル酸30.0gを用いた以外は合成例3と同様の方法でアクリル樹脂B2を得た。
合成例5
メチルメタクリレート55.0g、スチレン25.0g、メタクリル酸5.0gを用いた以外は合成例3と同様の方法でアクリル樹脂B3を得た。
合成例6
メチルメタクリレート35.0g、スチレン40.0g、メタクリル酸25.0gを用いた以外は合成例3と同様の方法でアクリル樹脂B4を得た。
合成例7
攪拌装置、還流器、温度計、滴下槽のついたフラスコを窒素置換した後、溶媒としてTHFを300g、丸善石油化学社製ポリパラビニルフェノール54gを仕込み、撹拌を始めた。触媒としてp−トルエンスルホン酸ピリジニウム1.7gを加えて室温で溶解するまで撹拌した。エチルビニルエーテル31.0gを添加し10時間撹拌した。反応溶液を中和、純粋で洗浄した後、溶剤を留去して濃縮した。石油エーテル中で精製することによって白色ペーストを得、その後減圧乾燥することによって水酸基を保護して保護化率88%(水酸基比率12%)のポリパラビニルエーテルを得た。エチレングリコールモノエチルエーテルで溶解しアクリル樹脂B5を得た。
合成例8
エチルビニルエーテルを25.0g添加した以外は合成例7と同様の方法を用いた。保護化率80%(水酸基比率20%)のポリパラビニルエーテルを得た。エチレングリコールモノエチルエーテルで溶解しアクリル樹脂B6を得た。
【0039】
実施例1
ノボラック樹脂(A)100部、アクリル樹脂(B1)10部、前記化学式(4)で表される化合物1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド3モルを反応させた感光剤(C)10部をエチレングリコールモノメチルエーテル100部の溶剤に溶解した後、孔径1.0μmのメンブレンフィルターを用いてろ過し、ポジ型フォトレジスト組成物を調製した。5インチの銅スパッタリングウェーハ上にスピンナーを用いて、レジスト組成物をスピンコートした後、95℃で5分間ホットプレート上で加熱し膜厚約15μmの塗膜を得た。解像度測定用のパターンマスクを介して、超高圧水銀灯(ウシオ社製)を用いて露光量を100〜1000mJ/cm2の範囲で紫外線露光を行い、これを2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシドで現像した。この後、流水洗浄し、窒素ブローしてパターン状硬化物を得た。これを顕微鏡で観察し、1:1ライン&スペースパタンの解像性、パターン形状、パターンの欠けやクラックの有無を調べた。解像性は上記露光条件のいずれかで上記ライン&スペースパターンの残し及び抜きパターンの両方が解像できた最小寸法を示した。パターン形状は、矩形で良好なものを○、順テーパ状となったものを△で示した。結果を表1に示した。
【0040】
実施例2
ノボラック樹脂(A)100部、アクリル樹脂(B1)20部、前記化学式(4)で表される化合物1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド3モルを反応させた感光剤(C)10部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作によりポジ型フォトレジスト組成物を調製し、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0041】
実施例3
ノボラック樹脂(A)100部、アクリル樹脂(B1)30部、前記化学式(4)で表される化合物1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド3モルを反応させた感光剤(C)20部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作によりポジ型フォトレジスト組成物を調製し、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0042】
実施例4
ノボラック樹脂(A)100部、アクリル樹脂(B2)10部、前記化学式(4)で表される化合物1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド3モルを反応させた感光剤(C)10部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作によりポジ型フォトレジスト組成物を調製し、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0043】
実施例5
ノボラック樹脂(A)100部、アクリル樹脂(B2)30部、前記化学式(4)で表される化合物1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド3モルを反応させた感光剤(C)10部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作によりポジ型フォトレジスト組成物を調製し、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0044】
実施例6
ノボラック樹脂(A)100部、アクリル樹脂(B1)10部、前記化学式(5)で表される化合物1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド3モルを反応させた感光剤(C)10部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作によりポジ型フォトレジスト組成物を調製し、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0045】
実施例7
ノボラック樹脂(A)100部、アクリル樹脂(B1)10部、前記化学式(6)で表される化合物1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド3モルを反応させた感光剤(C)10部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作によりポジ型フォトレジスト組成物を調製し、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0046】
実施例8
ノボラック樹脂(A)100部、アクリル樹脂(B3)10部、前記化学式(4)で表される化合物1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド3モルを反応させた感光剤(C)10部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作によりポジ型フォトレジスト組成物を調製し、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0047】
実施例9
ノボラック樹脂(A)100部、アクリル樹脂(B3)40部、前記化学式(4)で表される化合物1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド3モルを反応させた感光剤(C)10部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作によりポジ型フォトレジスト組成物を調製し、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0048】
実施例10
ノボラック樹脂(A)100部、アクリル樹脂(B4)10部、前記化学式(4)で表される化合物1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド3モルを反応させた感光剤(C)10部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作によりポジ型フォトレジスト組成物を調製し、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0049】
実施例11
ノボラック樹脂(A)100部、アクリル樹脂(B5)10部、前記化学式(4)で表される化合物1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド3モルを反応させた感光剤(C)10部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作によりポジ型フォトレジスト組成物を調製し、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0050】
実施例12
ノボラック樹脂(A)100部、アクリル樹脂(B6)10部、前記化学式(4)で表される化合物1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド3モルを反応させた感光剤(C)10部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作によりポジ型フォトレジスト組成物を調製し、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0051】
実施例13
ノボラック樹脂(A2)100部、アクリル樹脂(B1)10部、前記化学式(4)で表される化合物1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド3モルを反応させた感光剤(C)10部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作によりポジ型フォトレジスト組成物を調製し、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0052】
比較例1
ノボラック樹脂(A)100部、アクリル樹脂(B1)70部、前記化学式(4)で表される化合物1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド3モルを反応させた感光剤(C)10部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作によりポジ型フォトレジスト組成物を調製し、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0053】
比較例2
ノボラック樹脂(A)100部、アクリル樹脂(B5)70部、前記化学式(4)で表される化合物1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド3モルを反応させた感光剤(C)10部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作によりポジ型フォトレジスト組成物を調製し、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0054】
比較例3
ノボラック樹脂(A)100部、丸善石油化学社製ポリ(パラビニルフェノール−メチルメタクリレート(共重合比50部/50部)(B7)10部、前記化学式(4)で表される化合物1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド3モルを反応させた感光剤(C)10部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作によりポジ型フォトレジスト組成物を調製し、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0055】
比較例4
ノボラック樹脂(A)100部、丸善石油化学社製ポリパラビニルフェノール(B8)10部、前記化学式(4)で表される化合物1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド3モルを反応させた感光剤(C)10部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作によりポジ型フォトレジスト組成物を調製し、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0056】
比較例5
ノボラック樹脂(A)100部、Polyscience社製ポリt−ブチルメタクリレート(B9)10部、前記化学式(4)で表される化合物1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド3モルを反応させた感光剤(C)10部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作によりポジ型フォトレジスト組成物を調製したが、ノボラック樹脂とポリt−ブチルメタクリレートの相溶性が悪く、評価できなかった。
【0057】
比較例6
ノボラック樹脂(A)100部、前記化学式(4)で表される化合物1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド3モルを反応させた感光剤(C)10部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作によりポジ型フォトレジスト組成物を調製し、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】
本発明の目的は、配線メッキの厚さよりも厚くレジストを形成できレジストの欠けやクラックがなく、レジストパターンが矩形で、断面に荒れがなく、基板に対する良好な密着性を有し、耐メッキ液性およびメッキ液に対する良好な濡れ性を有し、メッキ処理後に剥離液により容易に剥離されるパッケージ基板回路形成用途、並びに半導体チップ上再配線回路形成用途に適したポジ型感光性樹脂組成物、回路形成用基板、レジストパターンの形成法及びプリント配線版の製造法を提供することにある。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポジ型感光性樹脂組成物、回路形成用基板、レジストパターンの形成法及びプリント配線版の製造法に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、回路基板の製造および半導体や電子部品の回路基板への実装の際に行われる配線形成、バンプ形成、層間絶縁層、回路保護膜、および精密部品加工・製造などのフォトファブリケーションに好適なアルカリ現像可能なポジ型感光性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フォトファブリケーションとは、感光性樹脂組成物を加工物表面に塗布し、フォトリソグラフィー技術によって塗膜をパターニングし、これをマスクとして化学エッチング、電解エッチングまたは電気メッキを主体とするエレクトロフォーミング技術の単独、あるいは組み合わせにより各種精密部品を製造する技術の総称であり、現在の精密微細加工技術の主流となっている。近年、LSIの高集積化、高速化が急激に進んでおり、高集積化のために多ピンエリアアレイ実装であるBGAや超小型対応のCSP薄膜実装が、高速化のための短配線長化に有利なTAB、フリップチップ接続などが実用化されている。上記実装では接続用端子の形成のために半導体チップ上に高精細な再配線回路を形成する必要があり、同時にそれを搭載するパッケージ基板側にも高精細な配線回路が求められる。これらの用途の配線回路を形成する場合5〜30μm程度の厚膜のフォトレジストを用いる。
【0003】
この厚膜用フォトレジストに対する要求項目としては、配線メッキの厚さよりも厚くレジストを形成できレジストの欠けなどがないこと、配線の導体損失を低減するためにレジストパターンが矩形で、断面に荒れがないこと、基板に対する密着性を有すること、耐メッキ液性およびメッキ液に対する良好な濡れ性を有していること、メッキ処理後には剥離液により容易に剥離されること等である。
【0004】
これに対し、従来の厚膜用フォトレジスト組成物では、5μm以上の厚膜でレジストを形成した場合、樹脂の膜質が脆いために基板屈曲のストレスによりレジストに欠けやクラックが生じたり、レジスト自体の光吸収で膜厚方向の照射エネルギーが減衰し現像後のレジストパターンがテーパ状となる課題があった。レジストに欠けやクラックがあるとメッキ処理後に配線回路のショートエラーが生じ、また、パターンがテーパ状であるとメッキ処理後にレジストが剥離しにくかったり、転写されたメッキ配線が逆テーパ状となり、導体損失が大きくなったりする。また、現像時に基板との密着性が乏しいと、回路を形成するためのパターンサイズが微細化するにつれ、レジストパターンが現像時に基板から脱落する問題が生じる。また、耐メッキ液性が低いとメッキ液浸漬時や洗浄中にレジストパターンの変形や、ひび割れ等の問題が生じる。(例えば特許文献1、2、3参照)
【0005】
【特許文献1】
特開平10−207057号公報
【特許文献2】
特開2000−39709号公報
【特許文献3】
特開2000−250208号公報
【特許文献4】
特開2002−258479号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、配線メッキの厚さよりも厚くレジストを形成できレジストの欠けやクラックがなく、レジストパターンが矩形で、断面に荒れがなく、基板に対する良好な密着性を有し、耐メッキ液性およびメッキ液に対する良好な濡れ性を有し、メッキ処理後に剥離液により容易に剥離されるパッケージ基板回路形成用途、並びに半導体チップ上再配線回路形成用途に適したポジ型感光性樹脂組成物、回路形成用基板、レジストパターンの形成法及びプリント配線版の製造法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、(A)アルカリ可溶性ノボラック樹脂、(B)繰り返し単位当たり5〜40重量%のカルボキシル基及び/又はフェノール性水酸基を有するラジカル重合性単位を含むアルカリ可溶性アクリル樹脂、ノボラック樹脂100重量%に対して5〜50wt%、(C)キノンジアジド基含有化合物、を含有する膜厚5〜30μmのポジ型感光性樹脂組成物に関する。請求項2の発明は、A)m−クレゾールとp−クレゾールの比を重量比で55:45〜40:60の範囲で仕込み、得られた樹脂の標準ポリスチレン換算分子量が3000〜15000の範囲にあるアルカリ可溶性ノボラック樹脂を有することを特徴とする請求項1記載のポジ型感光性樹脂組成物に関する。請求項3の発明は(C)キノンジアジド基含有化合物が下記一般式(1)、(2)又は(3)で表されるフェノール誘導体のナフトキノンジアジドスルホン酸エステルを有することを特徴とする請求項1、又は2記載のポジ型感光性樹脂組成物に関する。
【化5】
(ここでR1〜R11はそれぞれ独立に水素、置換または無置換の炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシ基。Xは単結合、−O−、2価のフェニル基)
請求項4の発明は、一般式(1)記載のキノンジアジド化合物が化学式(4)である請求項1、2、又は3記載のポジ型感光性樹脂組成物に関する。
【化6】
請求項5の発明は、一般式(2)記載のキノンジアジド化合物が化学式(5)である請求項1、2、又は3記載のポジ型感光性樹脂組成物に関する。
【化7】
請求項6の発明は、一般式(3)記載のキノンジアジド化合物が化学式(6)である請求項1、2、又は3記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【化8】
請求項7の発明は、請求項1、2、3、4、5又は6記載のポジ型感光性樹脂組成物を塗布、乾燥して厚さ5〜30μmの膜を形成した回路形成用基板に関する。請求項8の発明は、請求項7記載の回路形成用基板に活性光線を画像状に照射し、露光部をアルカリ溶解性にし、現像により除去することを特徴とするレジストパターンの製造法に関する。請求項9の発明は、請求項8記載のレジストパターンの製造法によりレジストパターンが製造された回路形成用基板をエッチング又はめっきすることを特徴とするプリント配線板の製造法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(A)アルカリ可溶性ノボラック樹脂本発明に用いられる(A)アルカリ可溶性ノボラック樹脂は、例えばフェノール性水酸基を持つ芳香族化合物(以下、単に「フェノール類」という)とアルデヒド類とを酸触媒下で付加縮合させることにより得ることができる。この際使用されるフェノール類としては、例えばフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、pーフェニルフェノール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、フロログリシノール、ヒドロキシジフェニル、ビスフェノールA、没食子酸、没食子酸エステル、α−ナフトール、β−ナフトール等が挙げられる。またアルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、ニトロベンズアルデヒド、アセトアルデヒド等が挙げられる。付加縮合反応時の触媒として、特に限定されるものではないが例えば酸触媒では、塩酸、硝酸、硫酸、蟻酸、蓚酸、酢酸等が使用される。(A)アルカリ可溶性ノボラック樹脂の重量平均分子量はとくに制限されないが、3000〜50000が好ましく、さらには3000〜15000がより好ましい。
【0009】
(B)アルカリ可溶性アクリル樹脂
本発明に用いられる(B)アルカリ可溶性アクリル樹脂は、繰り返し単位当たり5〜40重量%のカルボキシル基および/又はフェノール性水酸基を有するラジカル重合性単位を含み、ノボラック樹脂100重量%に対して5〜50wt%を含有することが必要である。カルボキシル基を有するラジカル重合性化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのジカルボン酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸などのカルボキシル基およびエステル結合を有するメタクリル酸誘導体等のラジカル重合性化合物を例示することができ、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸である。これらの化合物は単独もしくは2種以上組み合わせて使用できる。また、フェノール性水酸基を有するラジカル重合性化合物としては、3−ヒドロキシスチレン、4−ヒドロキシスチレン、ビニル−4−ヒドロキシベンゾエート、3−イソプロペニルフェノール、4−イソプロペニルフェノール等のフェノール性水酸機を有するビニル系モノマなどか使用できる。これらの化合物は単独もしくは2種以上組み合わせて使用できる。
【0010】
(B)アルカリ可溶性アクリル樹脂中におけるカルボキシル基含有ラジカル重合性化合物は繰り返し単位当たり5〜40重量%含まれることが好ましい。50重量%を超えると現像後のレジストパターン形状がテーパ状となり、メッキ耐性が悪化する傾向にある。また、5重量%未満ではアルカリ溶解性が低く、十分な現像性が得られなかったり、レジストの欠けやクラックが発生したり、はく離性が劣る傾向がある。また、(B)アルカリ可溶性アクリル樹脂中におけるフェノール性水酸基を有するラジカル重合性化合物の含有量は繰り返し単位当たり5〜40重量%が好ましい。5重量%未満であると、アルカリ溶解性が低く、十分な現像性が得られなかったり、レジストの欠けやクラックが発生したり、はく離性が劣る傾向がある。40重量%を超えると、現像後のレジストパターン形状がテーパ状となり、メッキ耐性が悪化する傾向にある。
【0011】
(B)アルカリ可溶性アクリル樹脂の重量平均分子量は10,000〜800,000、好ましくは30,000〜500,000である。10,000未満であるとレジスト膜が十分な強度を得られず、メッキ時のプロファイルの膨れ、クラックの発生を引き起こす傾向がある。800,000を超えると剥離性が低下する。
【0012】
さらに、(B)アルカリ可溶性アクリル樹脂中には、物理的、化学的特性を適度にコントロールする目的で他のラジカル重合性化合物を単量体として含むことができる。ここで「他のラジカル重合性化合物」とは、前出の重合性化合物以外のラジカル重合性化合物の意味である。この様なラジカル重合性化合物としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アリールエステル類;マレイン酸ジエチル、フマル酸ジブチルなどのジカルボン酸ジエステル類;スチレン、α−メチルスチレンなどのビニル基含有芳香族化合物;酢酸ビニルなどのビニル基含有脂肪族化合物;ブタジエン、イソプレンなどの共役ジオレフィン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル基含有重合性化合物;塩化ビニル、塩化ビニリデンなどの塩素含有重合性化合物;アクリルアミド、メタクリルアミドなどのアミド結合含有重合性化合物などを用いることができる。これらの化合物は単独、もしくは2種以上組み合わせて用いることができ、これらのうち特に、n−ブチルアクリレート、ベンジルメタクリレート、メチルメタクリレートなどが好ましい。(B)アルカリ可溶性アクリル樹脂中に占める他のラジカル重合性化合物は50重量%未満が好ましく、より好ましくは40重量%未満である。
【0013】
(B)アルカリ可溶性アクリル樹脂を合成する際に用いられる重合溶媒としては、例えばエタノール、ジエチレングリコールなどのアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテル類;エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどの多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;アセトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類等を用いることができる。これらのうち特に、多価アルコールのアルキルエーテル類、多価アルコールのアルキルエーテルアセテート類が好ましい。(B)アルカリ可溶性アクリル樹脂を合成する際に用いられる重合触媒としては、通常のラジカル重合開始剤が使用でき、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物;ベンゾイルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシドなどの有機過酸化物などが使用できる。
【0014】
本発明の組成物において、この(B)成分は、前述の(A)成分100重量部に対し、5〜50重量部の範囲で配合することが望ましい。配合量が5重量部未満では、メッキ時にレジストの浮き、クラックの発生など耐メッキ液性が低下し、50重量部を越えると、形成されるレジスト膜の強度が低下し、膨れなどにより鮮明なプロファイルが得られず解像度が低下する傾向が見られる。
【0015】
(C)キノンジアジド基含有化合物(C)キノンジアジド基含有化合物としては、例えば(I)2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシ−2’−メチルベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3’,4,4’,6−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,4’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,5−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,3’,4,4’,5’,6−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、2,3,3’,4,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノンなどのポリヒドロキシベンゾフェノン類、(II)ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2−(2’,4’−ジヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(2’,3’,4’−トリヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−{1−[4−〔2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕フェニル]エチリデン}ビスフェノール,3,3’−ジメチル−{1−[4−〔2−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕フェニル]エチリデン}ビスフェノールなどのビス[(ポリ)ヒドロキシフェニル]アルカン類、(III)トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3、5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン 、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタンなどのトリス(ヒドロキシフェニル)メタン類またはそのメチル置換体、(IV)ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン,ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン,ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン,ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン,ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、 ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、 ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、 ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、 ビス(5−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタンなどの、ビス(シクロヘキシルヒドロキシフェニル)(ヒドロキシフェニル)メタン類またはそのメチル置換体、(V)フェノール、p−メトキシフェノール、ジメチルフェノール、ヒドロキノン、ナフトール、ピロカテコール、ピロガロール、ピロガロールモノメチルエーテル、ピロガロール−1,3−ジメチルエーテル、没食子酸、アニリン、p−アミノジフェニルアミン、4,4’−ジアミノベンゾフェノンなどの水酸基またはアミノ基をもつ化合物、(VI)ノボラック、ピロガロール−アセトン樹脂、p−ヒドロキシスチレンのホモポリマーまたはこれと共重合しうるモノマーとの共重合体などとナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホン酸またはナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホン酸、オルトアントラキノンジアジドスルホン酸などのキノンジアジド基含有スルホン酸との完全エステル化合物、部分エステル化合物、アミド化物または部分アミド化物などを挙げることができる。
【0016】
中でも好ましくは、下記一般式(1)または(2)で表される化合物のキノンジアジドスルホン酸エステルを使用するのがよい。
【0017】
【化9】
【0018】
(ここでR1〜R11はそれぞれ独立に水素、置換または無置換の炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシ基。Xは単結合、−O−、2価のフェニル基)
【0019】
とくに一般式(1)または(2)で表わされる化合物のキノンジアジドスルホン酸エステルの中でも、下記化学式(4)、(5)及び(6)で表わされる化合物のキノンジアジドスルホン酸エステルはより好ましく用いられる。
【0020】
【化10】
【0021】
【化11】
【0022】
【化12】
【0023】
ここで前記一般式(1)、(2)、(3)で表される化合物において、ナフトキノン−1,2−ジアジド−スルホニル基は、4位または5位にスルホニル基が結合しているものが好ましい。これら化合物は、組成物を溶液として使用する際に通常用いられる溶剤によく溶解し、かつ被膜形成物質の(A)アルカリ可溶性ノボラック型樹脂との相容性が良好であり、ポジ型フォトレジスト組成物の感光性成分として使用すると、高感度で画像コントラスト、断面形状に優れ、かつ耐熱性にも優れる上、溶液として用いる場合に異物の発生のない組成物を与える。なお、前記一般式(1)または(2)または(3)で表される化合物のキノンジアジドスルホン酸エステルは、一種用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。この一般式(1)で表わされる化合物は、例えばトリ(4−ヒドロキシフェニル)メタンとナフトキノン−1,2−ジアジド−スルホニルクロリドとをジオキサン、THFのような溶媒中において、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、炭酸アルカリや炭酸水素アルカリのようなアルカリの存在下に縮合させ、完全エステル化または部分エステル化することにより製造することができる。また、この一般式(2)で表わされる化合物は、例えば4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノールとナフトキノン−1,2−ジアジド−スルホニルクロリドとをジオキサン、THFのような溶媒中において、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、炭酸アルカリや炭酸水素アルカリのようなアルカリの存在下に縮合させ、完全エステル化または部分エステル化することにより製造することができる。さらに、この一般式(3)で表わされる化合物は、例えば1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンとナフトキノン−1,2−ジアジド−スルホニルクロリドとをジオキサン、THFのような溶媒中において、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、炭酸アルカリや炭酸水素アルカリのようなアルカリの存在下に縮合させ、完全エステル化または部分エステル化することにより製造することができる。なお、前記のナフトキノン−1,2−ジアジド−スルホニルクロリドとしては、ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリドやナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリドが好適である。
【0024】本発明の組成物においては、必要に応じ、本発明の目的をそこなわない範囲で、前記一般式(1)または(2)または(3)で表わされる化合物のキノンジアジドスルホン酸エステルと、これ以外のキノンジアジド基含有化合物を併用することができる。
【0025】
本発明の組成物においては、(C)成分として、前記のキノンジアジド基含有化合物を一種単独で含有してもよいし、二種以上を含有してもよい。また、この(C)成分は、前記(A)成分のノボラック樹脂100重量部に対し、5〜100重量部、好ましくは10〜50重量部の範囲で配合するのが望ましい。この配合量が5重量部未満ではパターンに忠実な画像が得られず、転写性が低下する。一方、100重量%を超えるとレジストの感度の低下が著しく好ましくない。
【0026】
本発明の組成物は、(A)アルカリ可溶性ノボラック樹脂、(B)アルカリ可溶性アクリル樹脂および感光剤としての(C)キノンジアジド基含有化合物を適当な溶剤に溶解して、溶液の形で用いるのが好ましい。このような溶剤の例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等のプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトンなどのケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジオキサンのような環式エーテル類および、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、オキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のエステル類を挙げることができる。これらは一種単独で用いてもよいし、また2種以上混合して用いてもよい。これらの溶剤の使用量は、得られるポジ型フォトレジスト組成物をスピンコート法を用いて5〜30μmの膜厚を得るためには固形分濃度が65重量%以下になる範囲が好ましい。固形分濃度が65重量%を超えると組成物の流動性が著しく悪化し、取り扱いが困難な上、スピンコート法では、均一なレジストフィルムが得られにくい。
【0027】
本発明の組成物には、塗布性、消泡性、レベリング性などを向上させる目的で必要に応じて界面活性剤を配合することもできる。界面活性剤としては、例えばBM−1000、BM−1100(BM ケミー社製)、メガファックF142D、同F172、同F173、同F183(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431(住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145(旭硝子(株)製)、SH−28PA、同−190、同−193、SZ−6032、SF−8428(東レシリコーン(株)製)などの名称で市販されているフッ素系界面活性剤を使用することができる。これらの界面活性剤の使用量は、(A)アルカリ可溶性ノボラック樹脂100重量部に対して好ましくは5重量部以下である。
【0028】
本発明の組成物には、基板との接着性を向上させるために接着助剤を使用することもできる。使用される接着助剤としては、官能性シランカップリング剤が有効である。ここで、官能性シランカップリング剤とは、カルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基などの反応性置換基を有するシランカップリング剤を意味し、具体例としてはトリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどを挙げることができる。その配合量は、(A)アルカリ可溶性ノボラック樹脂100重量部当たり20重量部以下が好ましい。
【0029】
また、本発明の組成物には、アルカリ現像液に対する溶解性の微調整を行なうために、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、iso−酪酸、n−吉草酸、iso−吉草酸、安息香酸、けい皮酸などのモノカルボン酸;乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、サリチル酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシけい皮酸、3−ヒドロキシけい皮酸、4−ヒドロキシけい皮酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、シリンギン酸などのヒドロキシモノカルボン酸;シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、イタコン酸、ヘキサヒドロフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、1,2,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸などの多価カルボン酸;無水イタコン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバニル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイミック酸、1,2,3,4,−ブタンテトラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス無水トリメリテート、グリセリントリス無水トリメリテートなどの酸無水物を添加することもできる。さらに、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテートなどの高沸点溶媒を添加することもできる。上記のアルカリ現像液に対する溶解性の微調整を行なうための化合物の使用量は、用途、塗布方法に応じて調整することができ、組成物を均一に混合させることができれば特に限定されるものではないが、得られる組成物に対して60重量%以下、好ましくは40重量%以下である。
【0030】
さらに、本発明の組成物には必要に応じて充填材、着色剤、粘度調整剤などを添加することもできる。充填材としては、シリカ、アルミナ、タルク、ベントナイト、ジルコニウムシリケート、粉末ガラスなどを挙げることができる。着色剤としては、アルミナ白、クレー、炭酸バリウム、硫酸バリウムなどの体質顔料;亜鉛華、鉛白、黄鉛、鉛丹、群青、紺青、酸化チタン、クロム酸亜鉛、ベンガラ、カーボンブラックなどの無機顔料;ブリリアントカーミン6B、パーマネントレッド6B、パーマネントレッドR、ベンジジンイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどの有機顔料;マゼンタ、ローダミンなどの塩基性染料;ダイレクトスカーレット、ダイレクトオレンジなどの直接染料;ローセリン、メタニルイエローなどの酸性染料が挙げられる。また、粘度調整剤としては、ベントナイト、シリカゲル、アルミニウム粉末などを挙げることができる。これらの添加剤は、組成物の本質的な特性を損なわない範囲、好ましくは、得られる組成物に対して、50重量%以下である。
【0031】
本発明の組成物の調製は、充填材、顔料を添加しない場合には、通常の方法で混合、攪拌するだけでよく、充填材、顔料を添加する場合にはディゾルバー、ホモジナイザー、3本ロールミルなどの分散機を用い分散、混合させればよい。また、必要に応じて、さらにメッシュ、メンブレンフィルターなどを用いてろ過してもよい。
【0032】
なお、本発明の組成物は厚膜用として好適であるが、その利用範囲はこれに限定されず、例えば銅、クロム、鉄、ガラス基板等各種基板のエッチング時の保護膜や半導体製造用レジストとしても使用することができる。本発明の組成物をフォトレジスト膜とした場合の膜厚は5〜30μmである。塗布して乾燥後、必要に応じて保護フィルムを被覆して用いる場合は、保護フィルムとして、ポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体フィルムなどが挙げられる。
【0033】
本発明の組成物をレジストフィルムとした配線回路形成は例えば次のようにして行われる。
(1)塗膜の形成:上述のように調製した組成物の溶液を所定の配線パターンを有する基板上に厚さ10〜60μmで塗布し、加熱により溶媒を除去することによって所望の塗膜を形成する。被処理基板上への塗布方法としては、スピンコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法、アプリケーター法などの方法を採用することができる。本発明の組成物の塗膜のプレベーク条件は、組成物中の各成分の種類、配合割合、塗布膜厚などによって異なるが、通常は70〜130℃で、好ましくは80〜120℃で、2〜60分間程度である。
【0034】
(2)放射線照射:得られた塗膜に所定のパターンのマスクを介して、放射線、例えば波長が300〜500nmの紫外線または可視光線を照射することにより、配線パターン部分のみを露光させる。これらの放射線の線源として、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、アルゴンガスレーザーなどを用いることができる。ここで放射線とは、紫外線、可視光線、遠紫外線、X線、電子線などを意味する。放射線照射量は、組成物中の各成分の種類、配合量、塗膜の膜厚などによって異なるが、例えば超高圧水銀灯使用の場合、50〜2000mJ/cm2である。
【0035】
(3)現像:放射線照射後の現像方法としては、アルカリ性水溶液を現像液として用いて、不要な部分を溶解、除去し、放射線未照射部分のみ残存させる。現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノナンなどのアルカリ類の水溶液を使用することができる。また上記アルカリ類の水溶液にメタノール、エタノールなどの水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。現像時間は、組成物各成分の種類、配合割合、組成物の乾燥膜厚によって異なるが、通常30秒〜10分間であり、また現像の方法は液盛り法、ディッピング法、パドル法、スプレー現像法などのいずれでも良い。現像後は、流水洗浄を30〜90秒間行い、エアーガンなどを用いて風乾させたり、オーブン中で乾燥させる。
【0036】
本発明の感光性樹脂組成物を用いてプリント配線板を製造する場合、現像されたレジストパターンをマスクとして、回路形成用基板の表面を、エッチング、めっき等の公知方法で処理する。上記めっき法としては、例えば、銅めっき、はんだめっき、ニッケルめっき、金めっきなどがある。次いで、レジストパターンは、例えば、現像に用いたアルカリ性水溶液よりさらに強アルカリ性の水溶液、例えば、1〜10重量%水酸化ナトリウム水溶液、1〜10重量%水酸化カリウム水溶液等、又は上記感光性樹脂組成物を溶液として使用するときに用いた溶剤などを用いて剥離することができる。若しくは、メッキ処理後露光を行って上記現像処理と同様のプロセスでレジストを溶解除去させることもできる。現像後に行われる金属面のエッチングには、例えば、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液等を用いることができる。
【0037】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、特にことわりの無い限り、部は重量部、%は重量%を示す。
【0038】
<(A)アルカリ可溶性ノボラック樹脂の合成>
合成例1
m−クレゾールとp−クレゾールを重量比40:60の割合で混合し、これにホルマリンを加え、シュウ酸触媒を用いて常法により縮合して重量平均分子量10000のノボラック樹脂クレゾールノボラック樹脂を得た。この樹脂をノボラック樹脂A1とする。
合成例2
m−クレゾールとp−クレゾールを重量比50:50の割合で混合し、これにホルマリンを加え、シュウ酸触媒を用いて常法により縮合して重量平均分子量10000のノボラック樹脂クレゾールノボラック樹脂を得た。この樹脂をノボラック樹脂A2とする。
<(B)アルカリ可溶性アクリル樹脂の合成>
合成例3
攪拌装置、還流器、温度計、滴下槽のついたフラスコを窒素置換した後、溶媒としてエチレングリコールモノメチルエーテルを60g、トルエンを40g仕込み、攪拌を始めた。その後、溶剤の温度を80℃まで上昇させた。滴下槽に重合触媒として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.7g、メチルメタクリレート50.0g、スチレン25.0g、メタクリル酸25.0gを仕込み、重合触媒が溶解するまで攪拌した後、この溶液をフラスコ内に4時間均一滴下し、引き続き80℃で5時間重合を行った。その後、室温まで冷却し、アクリル樹脂B1を得た。
合成例4
メチルメタクリレート40.0g、スチレン25.0g、メタクリル酸30.0gを用いた以外は合成例3と同様の方法でアクリル樹脂B2を得た。
合成例5
メチルメタクリレート55.0g、スチレン25.0g、メタクリル酸5.0gを用いた以外は合成例3と同様の方法でアクリル樹脂B3を得た。
合成例6
メチルメタクリレート35.0g、スチレン40.0g、メタクリル酸25.0gを用いた以外は合成例3と同様の方法でアクリル樹脂B4を得た。
合成例7
攪拌装置、還流器、温度計、滴下槽のついたフラスコを窒素置換した後、溶媒としてTHFを300g、丸善石油化学社製ポリパラビニルフェノール54gを仕込み、撹拌を始めた。触媒としてp−トルエンスルホン酸ピリジニウム1.7gを加えて室温で溶解するまで撹拌した。エチルビニルエーテル31.0gを添加し10時間撹拌した。反応溶液を中和、純粋で洗浄した後、溶剤を留去して濃縮した。石油エーテル中で精製することによって白色ペーストを得、その後減圧乾燥することによって水酸基を保護して保護化率88%(水酸基比率12%)のポリパラビニルエーテルを得た。エチレングリコールモノエチルエーテルで溶解しアクリル樹脂B5を得た。
合成例8
エチルビニルエーテルを25.0g添加した以外は合成例7と同様の方法を用いた。保護化率80%(水酸基比率20%)のポリパラビニルエーテルを得た。エチレングリコールモノエチルエーテルで溶解しアクリル樹脂B6を得た。
【0039】
実施例1
ノボラック樹脂(A)100部、アクリル樹脂(B1)10部、前記化学式(4)で表される化合物1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド3モルを反応させた感光剤(C)10部をエチレングリコールモノメチルエーテル100部の溶剤に溶解した後、孔径1.0μmのメンブレンフィルターを用いてろ過し、ポジ型フォトレジスト組成物を調製した。5インチの銅スパッタリングウェーハ上にスピンナーを用いて、レジスト組成物をスピンコートした後、95℃で5分間ホットプレート上で加熱し膜厚約15μmの塗膜を得た。解像度測定用のパターンマスクを介して、超高圧水銀灯(ウシオ社製)を用いて露光量を100〜1000mJ/cm2の範囲で紫外線露光を行い、これを2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシドで現像した。この後、流水洗浄し、窒素ブローしてパターン状硬化物を得た。これを顕微鏡で観察し、1:1ライン&スペースパタンの解像性、パターン形状、パターンの欠けやクラックの有無を調べた。解像性は上記露光条件のいずれかで上記ライン&スペースパターンの残し及び抜きパターンの両方が解像できた最小寸法を示した。パターン形状は、矩形で良好なものを○、順テーパ状となったものを△で示した。結果を表1に示した。
【0040】
実施例2
ノボラック樹脂(A)100部、アクリル樹脂(B1)20部、前記化学式(4)で表される化合物1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド3モルを反応させた感光剤(C)10部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作によりポジ型フォトレジスト組成物を調製し、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0041】
実施例3
ノボラック樹脂(A)100部、アクリル樹脂(B1)30部、前記化学式(4)で表される化合物1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド3モルを反応させた感光剤(C)20部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作によりポジ型フォトレジスト組成物を調製し、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0042】
実施例4
ノボラック樹脂(A)100部、アクリル樹脂(B2)10部、前記化学式(4)で表される化合物1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド3モルを反応させた感光剤(C)10部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作によりポジ型フォトレジスト組成物を調製し、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0043】
実施例5
ノボラック樹脂(A)100部、アクリル樹脂(B2)30部、前記化学式(4)で表される化合物1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド3モルを反応させた感光剤(C)10部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作によりポジ型フォトレジスト組成物を調製し、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0044】
実施例6
ノボラック樹脂(A)100部、アクリル樹脂(B1)10部、前記化学式(5)で表される化合物1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド3モルを反応させた感光剤(C)10部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作によりポジ型フォトレジスト組成物を調製し、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0045】
実施例7
ノボラック樹脂(A)100部、アクリル樹脂(B1)10部、前記化学式(6)で表される化合物1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド3モルを反応させた感光剤(C)10部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作によりポジ型フォトレジスト組成物を調製し、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0046】
実施例8
ノボラック樹脂(A)100部、アクリル樹脂(B3)10部、前記化学式(4)で表される化合物1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド3モルを反応させた感光剤(C)10部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作によりポジ型フォトレジスト組成物を調製し、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0047】
実施例9
ノボラック樹脂(A)100部、アクリル樹脂(B3)40部、前記化学式(4)で表される化合物1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド3モルを反応させた感光剤(C)10部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作によりポジ型フォトレジスト組成物を調製し、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0048】
実施例10
ノボラック樹脂(A)100部、アクリル樹脂(B4)10部、前記化学式(4)で表される化合物1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド3モルを反応させた感光剤(C)10部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作によりポジ型フォトレジスト組成物を調製し、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0049】
実施例11
ノボラック樹脂(A)100部、アクリル樹脂(B5)10部、前記化学式(4)で表される化合物1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド3モルを反応させた感光剤(C)10部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作によりポジ型フォトレジスト組成物を調製し、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0050】
実施例12
ノボラック樹脂(A)100部、アクリル樹脂(B6)10部、前記化学式(4)で表される化合物1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド3モルを反応させた感光剤(C)10部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作によりポジ型フォトレジスト組成物を調製し、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0051】
実施例13
ノボラック樹脂(A2)100部、アクリル樹脂(B1)10部、前記化学式(4)で表される化合物1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド3モルを反応させた感光剤(C)10部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作によりポジ型フォトレジスト組成物を調製し、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0052】
比較例1
ノボラック樹脂(A)100部、アクリル樹脂(B1)70部、前記化学式(4)で表される化合物1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド3モルを反応させた感光剤(C)10部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作によりポジ型フォトレジスト組成物を調製し、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0053】
比較例2
ノボラック樹脂(A)100部、アクリル樹脂(B5)70部、前記化学式(4)で表される化合物1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド3モルを反応させた感光剤(C)10部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作によりポジ型フォトレジスト組成物を調製し、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0054】
比較例3
ノボラック樹脂(A)100部、丸善石油化学社製ポリ(パラビニルフェノール−メチルメタクリレート(共重合比50部/50部)(B7)10部、前記化学式(4)で表される化合物1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド3モルを反応させた感光剤(C)10部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作によりポジ型フォトレジスト組成物を調製し、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0055】
比較例4
ノボラック樹脂(A)100部、丸善石油化学社製ポリパラビニルフェノール(B8)10部、前記化学式(4)で表される化合物1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド3モルを反応させた感光剤(C)10部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作によりポジ型フォトレジスト組成物を調製し、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0056】
比較例5
ノボラック樹脂(A)100部、Polyscience社製ポリt−ブチルメタクリレート(B9)10部、前記化学式(4)で表される化合物1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド3モルを反応させた感光剤(C)10部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作によりポジ型フォトレジスト組成物を調製したが、ノボラック樹脂とポリt−ブチルメタクリレートの相溶性が悪く、評価できなかった。
【0057】
比較例6
ノボラック樹脂(A)100部、前記化学式(4)で表される化合物1モルに対して1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド3モルを反応させた感光剤(C)10部を用いたこと以外は実施例1と同様の操作によりポジ型フォトレジスト組成物を調製し、特性評価を行った。結果を表1に示した。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】
本発明の目的は、配線メッキの厚さよりも厚くレジストを形成できレジストの欠けやクラックがなく、レジストパターンが矩形で、断面に荒れがなく、基板に対する良好な密着性を有し、耐メッキ液性およびメッキ液に対する良好な濡れ性を有し、メッキ処理後に剥離液により容易に剥離されるパッケージ基板回路形成用途、並びに半導体チップ上再配線回路形成用途に適したポジ型感光性樹脂組成物、回路形成用基板、レジストパターンの形成法及びプリント配線版の製造法を提供することにある。
Claims (9)
- (A)アルカリ可溶性ノボラック樹脂、(B)繰り返し単位当たり5〜40重量%のカルボキシル基及び/又はフェノール性水酸基を有するラジカル重合性単位を含むアルカリ可溶性アクリル樹脂、ノボラック樹脂100重量%に対して5〜50wt%、(C)キノンジアジド基含有化合物、を含有する膜厚5〜30μmのポジ型感光性樹脂組成物。
- (A)m−クレゾールとp−クレゾールの比を重量比で55:45〜40:60の範囲で仕込み、得られた樹脂の標準ポリスチレン換算分子量が3000〜15000の範囲にあるアルカリ可溶性ノボラック樹脂を有することを特徴とする請求項1記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- 請求項1、2、3、4、5又は6記載のポジ型感光性樹脂組成物を塗布、乾燥して厚さ5〜30μmの膜を形成した回路形成用基板。
- 請求項7記載の回路形成用基板に活性光線を画像状に照射し、露光部をアルカリ溶解性にし、現像により除去することを特徴とするレジストパターンの製造法。
- 請求項8記載のレジストパターンの製造法により、レジストパターンの製造された回路形成用基板をエッチング又はめっきすることを特徴とするプリント配線板の製造法。
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