JP2001044604A - 回路基板およびその製造方法 - Google Patents

回路基板およびその製造方法

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JP2001044604A
JP2001044604A JP11214679A JP21467999A JP2001044604A JP 2001044604 A JP2001044604 A JP 2001044604A JP 11214679 A JP11214679 A JP 11214679A JP 21467999 A JP21467999 A JP 21467999A JP 2001044604 A JP2001044604 A JP 2001044604A
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thin
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insulating substrate
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JP11214679A
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Hisao Igarashi
久夫 五十嵐
Hiroyuki Hirasawa
宏幸 平澤
Koichi Hirose
浩一 広瀬
Katsu Ota
克 太田
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JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 配線路間の離間距離が小さくて微細なパター
ンの配線部を有し、配線路間において所要の絶縁性が得
られる回路基板およびその製造方法の提供。 【解決手段】 本発明の回路基板は、絶縁性基板とその
一面に形成された配線部とを有し、配線部は、薄層担持
体上に担持された配線部用金属薄層が、絶縁性基板に転
写されて形成され、配線部用金属薄層は、薄層担持体上
に、パターニングされたレジスト層を介してメッキ処理
することにより形成され、レジスト層は、(A)アルカ
リ可溶性ノボラック樹脂、および(B)アルコール性水
酸基を有するラジカル重合性化合物に由来の構造単位
と、カルボキシル基を有するラジカル重合性化合物およ
び/またはフェノール性水酸基を有する重合性化合物に
由来の構造単位とを含む共重合体樹脂を含有する感放射
線性樹脂組成物から得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回路基板およびそ
の製造方法に関し、更に詳しくは、例えば半導体集積回
路などの電子部品を構成または搭載するためのプリント
回路基板や、当該プリント回路基板または半導体集積回
路などの回路装置の被検査電極と電気的検査装置との電
気的接続を行うために用いられる回路装置検査用回路基
板として好適な回路基板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路などの電子部品に
おいては、その高機能化、高容量化に伴って電極数が増
加し、電極の配列ピッチすなわち隣接する電極の中心間
距離が小さくなって高密度化する傾向にあり、このよう
な電子部品を構成または搭載するためのプリント回路基
板においては、電極の高密度化が求められている。ま
た、半導体集積回路やプリント回路基板などの回路装置
の電気的検査に用いられる回路装置検査用プリント回路
基板においても同様である。そのため、これらのプリン
ト回路基板においては、微細で複雑なパターンを有する
配線部を形成することが要求されている。
【0003】このようなプリント回路基板の製造におい
て、絶縁性基板の一面に配線部を形成する方法として
は、従来、サブトラクティブ法およびアディティブ法が
知られている。サブトラクティブ法は、一面に金属薄層
が形成された絶縁性基板を用意し、この絶縁性基板の金
属薄層に対してフォトリソグラフィーおよびエッチング
処理を施してその一部を除去することにより、残存する
金属薄層によって配線部を形成する方法である。また、
アディティブ法は、絶縁性基板の一面に、目的とする配
線部のパターンに従ってパターン孔が形成されたレジス
ト層を形成し、このレジスト層のパターン孔内に無電解
銅メッキ法などによるメッキ処理を施すことにより、得
られるメッキ層によって配線部を形成する方法である。
この方法においては、絶縁性基板に対して、予め短絡部
を形成すべき個所に貫通孔を形成することにより、上記
のメッキ処理によって配線部と共に短絡部が同一の工程
で形成される。そして、このアディティブ法によれば、
サブトラクティブ法に比較して微細なパターンを有する
配線部を形成することができる。
【0004】而して、絶縁性基板としては、一般に、ガ
ラス繊維補強型エポキシ樹脂よりなるものが用いられて
おり、このような絶縁性基板は、平滑な表面を有するも
のではない。そのため、メッキ処理によって当該絶縁性
基板に配線部を直接形成する場合には、微細なパターン
を有する配線部を確実に形成することは困難である。こ
のような理由から、アディティブ法においては、絶縁性
基板の表面全体に金属基層を形成し、その後、当該金属
基層上に配線部を形成する手段が採用されている。然る
に、このような手段においては、金属基層上に配線部を
形成した後、配線路間に存在する金属基層をエッチング
処理によって除去することが必要となるため、当該エッ
チング処理によって配線部が損傷しやすくなる結果、接
続信頼性の高い配線部が得られない、という問題があ
る。
【0005】さらに、微細なパターンを有する配線部を
形成する方法としては、平滑な一面を有する転写板を用
意し、当該転写板の平滑な一面に、アディティブ法によ
り目的とする配線部のパターンと対掌なパターンを有す
る配線部用金属薄層を形成し、この配線部用金属薄層が
された転写板を熱硬化性樹脂シートよりなる絶縁性基板
形成材上に配置し、この状態で熱圧着処理することによ
り、当該絶縁性基板形成材が硬化して得られる絶縁性基
板に配線部用金属薄層を転写して配線部を形成する、い
わゆる転写法が知られている。
【0006】しかしながら、従来利用されている転写法
においても、以下のような理由により、例えば隣接する
配線路間の離間距離が0.02mm以下である極めて微
細なパターンを有する配線部を確実に形成することは困
難である。転写法においては、金属により形成された平
滑な一面を有する転写板を用い、この転写板の一面に、
アディティブ法、すなわちフォトリソグラフィーによっ
て目的とする配線部に対応するパターン孔を有するレジ
スト層を形成した後、例えば電解メッキを施すことによ
り、目的とする配線部のパターンと対掌なパターンを有
する配線部用金属薄層を形成する。然るに、転写板の一
面は、金属よりなり、かつ、平滑なものであるため、レ
ジスト層との密着性が低く、メッキ処理において、転写
板とレジスト層との間にメッキ液が進入しやすく、この
ような状態でメッキ処理か行われると、転写板とレジス
ト層との間には、メッキによる金属被膜が形成される。
特に、目的とする配線部用金属薄層における隣接する配
線路間の離間距離が小さい場合には、形成されるレジス
ト層は、隣接するパターン孔間の幅が小さいものである
ため、レジスト層における隣接するパターン孔間に位置
する部分と転写板との間には、メッキ処理によって、パ
ターン孔間を横断するよう金属被膜が形成される。その
結果、得られる配線部用金属薄層においては、隣接する
配線路同士が金属被膜によって短絡した状態となるた
め、配線路間における所要の絶縁性を確実に得ることが
困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な事情に基づいてなされたものであって、その第1の目
的は、配線部が、隣接する配線路間の離間距離が小さく
て微細なパターンを有するものであっても、当該配線路
間において所要の絶縁性が得られる回路基板を提供する
ことにある。本発明の第2の目的は、隣接する配線路間
の離間距離が小さくて微細なパターンを有し、しかも、
当該配線路間において所要の絶縁性が得られる回路基板
を製造することができる方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の回路基板は、絶
縁性基板と、この絶縁性基板の一面に形成された配線部
とを有してなる回路基板であって、前記配線部は、薄層
担持体上に担持された、当該配線部に対応するパターン
の配線部用金属薄層が、前記絶縁性基板に転写されるこ
とによって形成されたものであり、前記配線部用金属薄
層は、前記薄層担持体上に、パターニングされたレジス
ト層を介してメッキ処理することにより形成されたもの
であり、前記レジスト層は、(A)アルカリ可溶性のノ
ボラック樹脂、および(B)アルコール性水酸基を有す
るラジカル重合性化合物に由来する構造単位と、カルボ
キシル基を有するラジカル重合性化合物および/または
フェノール性水酸基を有する重合性化合物に由来する構
造単位とを含むアルカリ可溶性の共重合体樹脂を含有し
てなる感放射線性樹脂組成物から得られるものであるこ
とを特徴とする。
【0009】本発明の回路基板においては、前記レジス
ト層は、(A)アルカリ可溶性のノボラック樹脂100
重量部、(B)アルコール性水酸基を有するラジカル重
合性化合物に由来する構造単位10〜80重量%と、カ
ルボキシル基を有するラジカル重合性化合物および/ま
たはフェノール性水酸基を有する重合性化合物に由来す
る構造単位3〜50重量%とを含むアルカリ可溶性の共
重合体樹脂5〜50重量部、および(C)キノンジアジ
ド基含有化合物5〜100重量部を含有してなる感放射
線性樹脂組成物から得られるものであることが好まし
い。
【0010】また、本発明の回路基板においては、前記
配線部から突出する電極を有し、当該電極は、配線部用
金属薄層と共に転写された金属膜よりなる薄層担持体が
パターニングされることによって形成されたものである
ことが好ましい。
【0011】本発明の回路基板の製造方法は、薄層担持
体の表面に感放射線性樹脂組成物を塗布して加熱するこ
とにより、当該薄層担持体の表面にレジスト層を形成
し、このレジスト層に対して、放射線照射処理および現
像処理を行うことにより、当該レジスト層をパターニン
グし、このパターニングされたレジスト層を介して、前
記薄層担持体の表面をメッキ処理することにより、当該
薄層担持体の表面に担持された配線部用金属薄層を形成
し、この配線部用金属薄層を、熱圧着によって絶縁性基
板に接着することにより、当該絶縁性基板上に配線部を
形成する工程を有し、前記感放射線性樹脂組成物は、
(A)アルカリ可溶性のノボラック樹脂、および(B)
アルコール性水酸基を有するラジカル重合性化合物に由
来する構造単位と、カルボキシル基を有するラジカル重
合性化合物および/またはフェノール性水酸基を有する
重合性化合物に由来する構造単位とを含むアルカリ可溶
性の共重合体樹脂を含有してなるものであることを特徴
とする。
【0012】本発明の回路基板の製造方法においては、
前記感放射線性樹脂組成物は、(A)アルカリ可溶性の
ノボラック樹脂100重量部、(B)アルコール性水酸
基を有するラジカル重合性化合物に由来する構造単位1
0〜80重量%と、カルボキシル基を有するラジカル重
合性化合物および/またはフェノール性水酸基を有する
重合性化合物に由来する構造単位3〜50重量%とを含
むアルカリ可溶性の共重合体樹脂5〜50重量部、
(C)キノンジアジド基含有化合物5〜100重量部、
および(D)溶剤を含有してなるものであることが好ま
しい。
【0013】また、本発明の回路基板の製造方法におい
ては、前記配線部用金属薄層を担持する薄層担持体は金
属膜よりなり、この薄層担持体を、熱圧着によって配線
部用金属薄層を介して絶縁性基板に接着し、当該薄層担
持体の一部を除去することにより、配線部を露出させる
と共に、当該薄層担持体の残部によって配線部から突出
する電極を形成することが好ましい。
【0014】
【作用】(1)薄層担持体上にレジスト層を形成するた
めの材料として、特定の感放射線性樹脂組成物を用いる
ことにより、当該薄層担持体との密着性が高く、しか
も、優れた耐メッキ液性を有するレジスト層が形成され
るため、薄層担持体上に配線部用金属薄層を形成するた
めのメッキ処理において、当該薄層担持体とレジスト層
との間にメッキ液が進入することがなく、その結果、形
成すべき配線部が、隣接する配線路間の離間距離が小さ
いものであっても、当該配線路間において所要の絶縁性
が得られる。 (2)金属膜よりなる薄層担持体上に形成された配線部
用金属薄層が、当該当該薄層担持体と共に転写されるこ
とにより、転写材である配線部用金属薄層および薄層担
持体と、被転写材である絶縁性基板とは一対一の関係と
なる結果、多数の微細で長尺な配線路を有していても、
所期の配線部が確実に得られる。また、金属膜よりなる
薄層担持体がパターニングされることにより、配線部か
ら突出する、各々の厚みが均一な複数の電極が得られ
る。更に、配線部から突出する電極の厚みは薄層担持体
の厚みに応じて定まるため、所要の厚みを有する電極を
確実に形成することができる。また、薄層担持体の残部
によって電極を形成するため、当該電極を形成するため
の工程を別個に設けることが不要となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。図1は、本発明の回路基板の一例における
構成を示す説明用断面図であり、この図1に示す回路基
板1は、例えば半導体集積回路やこれを搭載するための
プリント回路基板などの回路装置を検査するために用い
られる回路装置検査用回路基板である。この回路基板1
においては、絶縁性基板10の上面に配線部11が形成
され、この配線部11上には、検査対象である回路装置
の被検査電極(図示省略)に対応して、当該配線部11
から突出する複数の検査用電極21が形成されている。
絶縁性基板10の下面には、例えば電気的検査用ソケッ
トのピンが押入される複数の端子電極12が、ピッチが
2.54mm、1.8mmまたは1.27mmの標準格
子点配列に従って形成されている。絶縁性基板10に
は、その厚み方向に貫通して伸びる複数の短絡部13が
形成されており、この短絡部13を介して、端子電極1
2が配線部11に電気的に接続されている。また、図示
の例では、配線部11を含む絶縁性基板10の上面に、
検査用電極21以外の領域を覆うよう、絶縁性の保護層
15が形成されている。
【0016】配線部11は、金属膜よりなる薄層担持体
上に形成された当該配線部に対応するパターンの配線部
用金属薄層が、当該薄層担持体と共に転写されることに
よって形成されている。この配線部用金属薄層は、薄層
担持体上に、後述する感放射線性樹脂組成物によってパ
ターニングされたレジスト層を形成し、このレジスト層
を介して当該薄層担持体にメッキ処理を行うことにより
得られる。また、検査用電極21は、配線部用金属薄層
と共に転写された薄層担持体がパターニングされること
によって形成されている。
【0017】上記のような回路基板1は、金属膜よりな
る薄層担持体の表面に特定の感放射線性樹脂組成物を塗
布して加熱することにより、当該薄層担持体の表面にレ
ジスト層を形成し、このレジスト層に対して、放射線照
射処理および現像処理を行うことにより、当該レジスト
層をパターニングする工程(イ)と、パターニングされ
たレジスト層を介して、前記薄層担持体の表面をメッキ
処理することにより、当該薄層担持体の表面に担持され
た配線部用金属薄層を形成する工程(ロ)と、この配線
部用金属薄層を、熱圧着によって絶縁性基板に接着する
ことにより、当該絶縁性基板上に配線部を形成する工程
(ハ)とを経由し、更に、配線部用金属薄層を介して絶
縁性基板に接着された薄層担持体の一部を除去すること
により、配線部を露出させると共に、当該薄層担持体の
残部によって配線部から突出する電極を形成する工程
(ニ)を経由して製造される。以下、工程(イ)〜工程
(ニ)について具体的に説明する。
【0018】〔工程(イ)〕この工程(イ)は、最終的
には図7に示すように、板状の可撓性基体31の一面に
金属製の支持膜32が形成されてなる配線部形成用転写
板30と、この配線部形成用転写板30における支持膜
32の一面に剥離可能に支持された金属膜よりなる薄層
担持体20とよりなる転写用複合体35を製造すると共
に、この転写用複合体35における薄層担持体20の表
面に、パターニングされたレジスト層40を形成する工
程である。具体的に説明すると、先ず、図2に示すよう
に、平滑な一面を有する金属製の支持膜32と、この支
持膜32の一面に剥離可能に設けられた金属膜よりなる
薄層担持体20とよりなる積層材料33を用意する。次
いで、図3に示すように、積層材料33における支持膜
32上に、例えば熱硬化性樹脂シートよりなる可撓性基
体形成材31Aを重ね合わせ、熱圧着処理することによ
り、図4に示すように、可撓性基体形成材31Aが硬化
して可撓性基体31が得られると共に、この可撓性基体
31には、積層材料33が一体的に接着され、以て、可
撓性基体31とその一面に形成された支持膜32とより
なる配線部形成用転写板30の表面に、薄層担持体20
が形成されてなる転写用複合体35が得られる。
【0019】以上において、薄層担持体20の厚みは、
形成すべき検査用電極の厚みに応じて適宜選択され、例
えば1〜50μmである。支持膜32に対する薄層担持
体20のピール強度は、300g/cm以下であること
が好ましく、これにより、後述する工程(ハ)におい
て、配線部形成用転写板30を薄層担持体20から容易
に剥離することができる。薄層担持体20を構成する金
属材料としては、種々のものを用いることができ、その
具体例としては、銅、ニッケル、すず、クロム、鉛、
金、銀、アルミニウムなどが挙げられる。支持膜32の
厚みは、例えば10〜200μmである。支持膜32を
構成する金属材料としては、銅、真鍮、燐青銅、アルミ
ニウム、軟鉄、ステンレス(SUS)、インバー合金な
どが挙げられる。また、支持膜32上に薄層担持体20
を形成する方法としては、電解メッキ法、無電解メッキ
法、蒸着法などか挙げられるが、薄層担持体20と支持
膜32との剥離性が良好な点で、電解メッキ法が好まし
い。このような積層材料33としては、市販の支持銅板
付きピーラブル銅箔を用いることができ、特に、厚みが
70μmの支持銅板(支持膜32)上に、厚みが1〜1
2μmの電解銅箔(薄層担持体20)が形成されてなる
ものが、支持銅板(支持膜32)と電解銅箔(薄層担持
体20)との剥離性が良好な点で好ましい。
【0020】可撓性基体形成材31Aを構成する熱硬化
性樹脂シートとしては、ガラス繊維補強型エポキシプリ
プレグ樹脂シート、ポリイミドプリプレグ樹脂シート、
エポキシプリプレグ樹脂シートなどを用いることができ
る。可撓性基体31の厚みは、当該可撓性基体31を構
成する材料の種類に応じて適宜選択されるが、例えば3
0〜200μmである。また、可撓性基体31に要求さ
れる可撓性の程度は、以下の通りである。図5に示すよ
うに、可撓性基体31の両端部を支持した状態で当該可
撓性基体31を水平に配置した場合において、重力によ
って生ずる可撓性基体の撓みaが、可撓性基体31の幅
bの2%以上であることが好ましい。熱圧着を行うため
の温度は、可撓性基体形成材31Aの材質にもよるが、
当該可撓性基体形成材31Aを構成する熱硬化性樹脂シ
ートが軟化して接着性を帯びる温度以上であることが必
要であり、通常、80〜250℃、好ましくは140〜
200℃程度とすることができる。この熱圧着工程にお
けるプレス圧力は、例えば最高5〜50kg/cm2
度であり、好ましくは20〜40kg/cm2 程度であ
る。
【0021】次いで、図6に示すように、転写用複合体
35における薄層担持体20の表面に、感放射線性樹脂
組成物を塗布することにより、当該感放射線性樹脂組成
物よりなる塗膜を形成し、この塗膜を加熱処理(プレベ
ーク)して当該感放射線性樹脂組成物中の溶剤を除去す
ることにより、当該薄層担持体20の表面にレジスト層
40を形成する。本発明においては、感放射線性樹脂組
成物として、アルカリ可溶性のノボラック樹脂よりなる
A成分と、アルカリ可溶性の共重合体樹脂よりなるB成
分とを含有してなるものが用いられる。
【0022】A成分:A成分として用いられるアルカリ
可溶性のノボラック樹脂は、フェノール性水酸基を有す
る芳香族化合物(以下、単に「フェノール類」という)
と、アルデヒド類とを、好ましくはフェノール類1モル
に対しアルデヒド類0.7〜1モルとなる割合で触媒下
で付加縮合させることにより得られる。ノボラック樹脂
を得るために用いられるフェノール類の具体例として
は、例えばフェノール、o−クレゾール、m−クレゾー
ル、p−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチ
ルフェノール、p−エチルフェノール、o−ブチルフェ
ノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノー
ル、2、3−キシレノール、2、4−キシレノール、
2、5−キシレノール、2、6−キシレノール、3、4
−キシレノール、3、5−キシレノール、3、6−キシ
レノール、2、3、5−トリメチルフェノール、3、
4、5−トリメチルフェノール、pーフェニルフェノー
ル、レゾルシノール、ホドロキノン、ヒドロキノンモノ
メチルエーテル、ピロガロール、フロログリシノール、
ヒドロキシジフェニル、ビスフェノールA、没食子酸、
没食子酸エステル、α−ナフトール、β−ナフトール等
が挙げられる。ノボラック樹脂を得るために用いられる
アルデヒド類の具体例としては、例えばホルムアルデヒ
ド、パラホルムアルデヒド、フルフラール、ベンズアル
デヒド、ニトロベンズアルデヒド、アセトアルデヒド等
が挙げられる。フェノール類とアルデヒド類とを付加縮
合させるために用いられる触媒は、特に限定されるもの
ではないが、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、蟻酸、蓚酸、
酢酸等の酸触媒を用いることができる。
【0023】B成分:B成分として用いられるアルカリ
可溶性の共重合体樹脂は、アルコール性水酸基を有する
ラジカル重合性化合物に由来する構造単位(以下、「構
造単位(B1)」ともいう。)と、カルボキシル基を有
するラジカル重合性化合物に由来する構造単位(以下、
「構造単位(B2)」ともいう。)およびフェノール性
水酸基を有する重合性化合物に由来する構造単位(以
下、「構造単位(B3)」ともいう。)から選ばれる少
なくとも1種の構造単位とを含む樹脂(以下、「特定の
共重合体樹脂」ともいう。)である。
【0024】構造単位(B1)を得るためのアルコール
性水酸基を有するラジカル重合性化合物(以下、「アル
コール性水酸基含有単量体」ともいう。)としては、ア
ルコール性水酸基を含有するアクリル系化合物を用いる
ことが好ましく、その具体例としては、2−ヒドロキシ
エチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒド
ロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチル
アクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、
グリセロールモノメタクリレート等のヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリレートを挙げることができる。これら
の中では、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレートを用いることが好まし
い。これらの化合物は、1種単独でもしくは2種以上組
み合わせて使用することができる。
【0025】構造単位(B2)を得るためのカルボキシ
ル基を有するラジカル重合性化合物(以下、「カルボキ
シル基含有単量体」ともいう。)としては、例えばアク
リル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン
酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン
酸、イタコン酸などのジカルボン酸;2−マレイノロイ
ルオキシエチルメタクリレート、2−サクシノロイルオ
キシエチルメタクリレート、2−ヘキサヒドロフタロイ
ルオキシエチルメタクリレートなどのカルボキシル基お
よびエステル結合を有するメタクリル酸誘導体などを用
いることができ、これらの中では、アクリル酸、メタク
リル酸、2−ヘキサヒドロフタロイルオキシエチルメタ
クリレートを用いることが好ましい。これらの化合物
は、1種単独でもしくは2種以上組み合わせて使用する
ことができる。
【0026】構造単位(B3)を得るためのフェノール
性水酸基を有するラジカル重合性化合物(以下、「フェ
ノール性水酸基基含有単量体」ともいう。)としては、
例えば3−ヒドロキシスチレン、4−ヒドロキシスチレ
ン、ビニル−4−ヒドロキシベンゾエート、3−イソプ
ロペニルフェノール、4−イソプロペニルフェノール等
のフェノール性水酸基を有するビニル系モノマーなどを
用いることができ、これらの中では、4−イソプロペニ
ルフェノールを用いることが好ましい。これらの化合物
は、1種単独でもしくは2種以上組み合わせて使用でき
る。
【0027】B成分として用いられる特定の共重合体樹
脂中における構造単位(B1)の割合は、10〜80重
量%、特に20〜60重量%であることが好ましい。こ
の割合が10重量%未満である場合には、得られる樹脂
は、A成分として用いられるノボラック樹脂に対する相
溶性が低いものとなるため、後述するD成分として用い
られる溶剤中に、各成分が均一に溶解したな感放射線性
樹脂組成物を得ることが困難となる。一方、この割合が
80重量%を超える場合には、得られる感放射線性樹脂
組成物の現像性が低下する傾向がある。
【0028】また、B成分として用いられる特定の共重
合体樹脂中における構造単位(B1)および構造単位
(B2)の合計の割合は、3〜50重量%、特に5〜4
0重量%であることが好ましい。この割合が3重量%未
満である場合には、得られる樹脂は、アルカリ溶解性の
低いものとなるため、得られる感放射線性樹脂組成物
は、その現像処理後に膜残りが生じやすいものとなり、
十分な現像性を得ることが困難となる。一方、この割合
が50重量%を超える場合には、得られる感放射線性樹
脂組成物は、その現像処理後における残膜率が低いもの
となり、また、得られるレジスト膜における耐メッキ液
性が低下する傾向がある。
【0029】さらに、B成分として用いられる特定の共
重合体樹脂中には、例えば当該樹脂の機械的特性を制御
することを目的として、アルコール性水酸基含有単量
体、カルボキシル基含有単量体およびフェノール性水酸
基含有単量体以外のラジカル重合性単量体(以下、「他
の単量体」ともいう。)に由来する構造単位(以下、
「他の構造単位」ともいう。)が含まれていてもよい。
【0030】上記の他の単量体としては、(メタ)アク
リル酸アルキルエステル類、(メタ)アクリル酸アリー
ルエステル類、ジカルボン酸ジエステル類、ビニル基含
有芳香族化合物類、共役ジオレフィン類、ニトリル基含
有重合性化合物、塩素含有重合性化合物、アミド結合含
有重合性化合物、脂肪酸ビニル類などを用いることがで
きる。これらの具体例としては、メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、n−ブチル(メタ)アクリ
レート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブ
チル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アク
リレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル
類;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)
アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アリールエステ
ル類;マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコ
ン酸ジエチルなどのジカルボン酸ジエステル類;スチレ
ン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、p−メトキシスチレンなどのビニル基含
有芳香族化合物類;1,3−ブタジエン、イソプレン、
1,4−ジメチルブタジエンなどの共役ジオレフィン
類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニト
リル基含有重合性化合物;塩化ビニル、塩化ビニリデン
などの塩素含有重合性化合物;アクリルアミド、メタク
リルアミドなどのアミド結合含有重合性化合物;酢酸ビ
ニルなどの脂肪酸ビニル類などが挙げられる。これらの
化合物は1種単独でもしくは2種以上組み合わせて用い
ることができる。これらの中では、スチレン、および
(メタ)アクリル酸エステル、特にメチルメタアクリレ
ート、エチルメタアクリレート、n−ブチルアクリレー
トなどが好ましい化合物として挙げることができる。B
成分として用いられる特定の共重合体樹脂中における他
の構造単位の割合は、60重量%未満であることが好ま
しく、より好ましくは50重量%未満である。
【0031】B成分として用いられる特定の共重合体樹
脂は、上記のアルコール性水酸基含有単量体、カルボキ
シル基含有単量体および/またはフェノール性水酸基含
有単量体、並びに必要に応じて用いられる他の単量体よ
りなる混合単量体をラジカル重合することにより得られ
る。
【0032】上記混合単量体の重合に用いられる重合溶
媒としては、例えばメタノール、エタノール、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコ
ールなどのアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキ
サンなどの環状エーテル類;エチレングリコールモノメ
チルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレング
リコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエー
テル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチ
レングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコー
ルエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメ
チルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテ
ルなどの多価アルコールのアルキルエーテル類;エチレ
ングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレング
リコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコ
ールエチルエーテルアセテートなどの多価アルコールの
アルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレンな
どの芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、4−
ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、ジアセトン
アルコールなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、
2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−
2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−
メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒド
ロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン
酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メト
キシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エ
チル、3−エトキシプロピオン酸メチルなどのエステル
類が挙げられる。これらの中では、環状エーテル類、多
価アルコールのアルキルエーテル類、多価アルコールの
アルキルエーテルアセテート類、ケトン類、エステル類
などが好ましい。
【0033】また、上記混合単量体の重合に用いられる
重合触媒としては、通常のラジカル重合開始剤が使用す
ることができ、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニ
トリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレ
ロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−
2,−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物;ベ
ンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−
ブチルペルオキシピバレート、1,1’−ビス−(t−
ブチルペルオキシ)シクロヘキサンなどの有機過酸化物
および過酸化水素などが挙げられる。また、過酸化物を
ラジカル重合開始剤として使用する場合には、還元剤と
組み合わせてレドックス型の開始剤としてもよい。
【0034】本発明においてB成分として用いられる特
定の共重合体樹脂の割合は、前記A成分であるノボラッ
ク樹脂100重量部に対して5〜50重量部、特に10
〜40重量部であることが好ましい。この割合が5重量
部未満である場合には、耐メッキ液性の低いものとなる
ため、配線部用金属薄層を形成する際に、得られるレジ
スト層にクラックが生じる。一方、この割合が50重量
部を超える場合には、得られるレジスト層の均質性が低
下するため、解像性が劣化する傾向がみられる。
【0035】C成分:本発明において用いられる感放射
線性樹脂組成物には、感放射線性を付与するための成分
(以下、これを「C成分」とする。)が含有される。か
かるC成分としては、キノンジアジド基含有化合物を用
いることが好ましく、その具体例としては、例えば
(I)2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、
2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,
4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,6−
トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒド
ロキシ−2’−メチルベンゾフェノン、2,3,4,
4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,
4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,
3’,4,4’,6−ペンタヒドロキシベンゾフェノ
ン、2,2’,3,4,4’−ペンタヒドロキシベンゾ
フェノン、2,2’,3,4,5−ペンタヒドロキシベ
ンゾフェノン、2,3’,4,4’,5’,6−ヘキサ
ヒドロキシベンゾフェノン、2,3,3’,4,4’,
5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノンなどのポリヒド
ロキシベンゾフェノン類、(II)ビス(2,4−ジヒド
ロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒド
ロキシフェニル)メタン、2−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2
−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2−(2’,
4’−ジヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,
3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(2’,
3’,4’−トリヒドロキシフェニル)プロパン、4,
4’−{1−[4−〔2−(4−ヒドロキシフェニル)
−2−プロピル〕フェニル]エチリデン}ビスフェノー
ル,3,3’−ジメチル−{1−[4−〔2−(3−メ
チル−4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕フェ
ニル]エチリデン}ビスフェノールなどのビス[(ポ
リ)ヒドロキシフェニル]アルカン類、(III )トリス
(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロ
キシ−3、5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフ
ェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチ
ルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−
ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−
2,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニル
メタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェ
ニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,
4−ジヒドロキシフェニルメタンなどのトリス(ヒドロ
キシフェニル)メタン類またはそのメチル置換体、(I
V)ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニ
ル)−3−ヒドロキシフェニルメタン,ビス(3−シク
ロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキ
シフェニルメタン,ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒ
ドロキシフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン,
ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチ
ルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン,ビス
(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフ
ェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−
シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニ
ル)−4−ヒドロキシ フェニルメタン、ビス(3−シ
クロヘキシル−2−ヒドロキシフェニル)−3−ヒドロ
キシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−
ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフ
ェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロ
キシ−3−メチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニル
メタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−
3−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタ
ン、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシフェニ
ル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シク
ロヘキシル−2−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキ
シフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−2−ヒ
ドロキシ−4−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェ
ニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−2−ヒドロキ
シ−4−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメ
タンなどの、ビス(シクロヘキシルヒドロキシフェニ
ル)(ヒドロキシフェニル)メタン類またはそのメチル
置換体、(V)フェノール、p−メトキシフェノール、
ジメチルフェノール、ヒドロキノン、ナフトール、ピロ
カテコール、ピロガロール、ピロガロールモノメチルエ
ーテル、ピロガロール−1,3−ジメチルエーテル、没
食子酸、アニリン、p−アミノジフェニルアミン、4,
4’−ジアミノベンゾフェノンなどの水酸基またはアミ
ノ基を有する化合物、(VI)ノボラック、ピロガロール
−アセトン樹脂、p−ヒドロキシスチレンのホモポリマ
ーまたはこれと共重合し得るモノマーとの共重合体など
とナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホン酸ま
たはナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホン
酸、オルトアントラキノンジアジドスルホン酸などのキ
ノンジアジド基含有スルホン酸との完全エステル化合
物、部分エステル化合物、アミド化物または部分アミド
化物などを挙げることができる。これらの化合物は、1
種単独でもしくは2種以上を組み合わせてC成分として
用いることができる。
【0036】また、C成分として用いられるキノンジア
ジド基含有化合物の割合は、前記A成分であるノボラッ
ク樹脂100重量部に対し、5〜100重量部、特に、
10〜50重量部であることが好ましい。この割合が5
重量部未満である場合には、目的とするパターンに忠実
なパターンを形成することが困難となる。一方、この割
合が100重量部を超える場合には、得られる感放射線
性樹脂組成物の感度が著しく低下するため、好ましくな
い。
【0037】D成分:本発明において用いられる感放射
線性樹脂組成物には、塗布性を付与するための成分(以
下、これを「C成分」とする。)として、溶剤が用いら
れる。かかるD成分として用いられる溶剤の具体例とし
ては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール
モノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチル
エーテル等のエチレングリコールアルキルエーテル類、
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレング
リコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプ
ロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテ
ル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類、メ
チルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテー
ト等のエチレングリコールアルキルエーテルアセテート
類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテー
ト、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテ
ート等のプロピレングリコールアルキルエーテルアセテ
ート類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサ
ノン、メチルアミルケトンなどのケトン類、トルエン、
キシレン等の芳香族炭化水素類、ジオキサンのような環
式エーテル類及び、2−ヒドロキシプロピオン酸メチ
ル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキ
シ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチ
ル、オキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブ
タン酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メ
チル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸エチル、酢
酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸
エチル等のエステル類を挙げることができる。これらの
化合物は、1種単独でもしくは2種以上組み合わせてD
成分として用いることができる。
【0038】また、D成分である溶剤は、得られる感放
射線性樹脂組成物中の固形分濃度が30〜65重量%と
なる割合で用いられることが好ましい。固形分濃度が3
0重量%未満である場合には、所要の膜厚を有するレジ
スト層40を形成することが困難となることがある。一
方、固形分濃度が65重量%を超える場合には、得られ
る感放射線性樹脂組成物の流動性が著しく低下し、その
取り扱いが困難なうえ、例えばスピンコートによってレ
ジスト層40を形成する場合には、厚みが均一なレジス
ト層40を得ることが困難となることがある。
【0039】その他の成分;感放射線性樹脂組成物に
は、塗布性、消泡性、レベリング性などを向上させるこ
とを目的として、必要に応じて界面活性剤を含有させる
ことができる。かかる界面活性剤としては、例えばBM
−1000、BM−1100(BM ケミー社製)、メ
ガファックF142D、同F172、同F173、同F
183(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラード
FC−135、同FC−170C、同FC−430、同
FC−431(住友スリーエム(株)製)、サーフロン
S−112、同S−113、同S−131、同S−14
1、同S−145(旭硝子(株)製)、SH−28P
A、同−190、同−193、SZ−6032、SF−
8428(東レシリコーン(株)製)などの商品名とし
て市販されているフッ素系界面活性剤を使用することが
できる。界面活性剤の使用割合は、A成分として用いら
れるノボラック樹脂100重量部に対して5重量部以下
であることが好ましい。
【0040】また、感放射線性樹脂組成物には、薄層担
持体20との接着性を向上させるために、接着助剤を含
有させることができる。かかる接着助剤としては、官能
性シランカップリング剤を好ましく用いることができ
る。ここで、「官能性シランカップリング剤」とは、カ
ルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、
エポキシ基などの反応性置換基を有するシランカップリ
ング剤を意味し、その具体例としては、トリメトキシシ
リル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、β− (3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリメトキシシランなどを挙げることができる。接
着助剤の使用割合は、A成分として用いられるノボラッ
ク樹脂100重量部に対して、20重量部以下であるこ
とが好ましい。
【0041】また、感放射線性樹脂組成物には、アルカ
リ現像液に対する溶解性の微調整を行なうために、酢
酸、プロピオン酸、n−酪酸、iso−酪酸、n−吉草
酸、iso−吉草酸、安息香酸、けい皮酸などのモノカ
ルボン酸;乳酸、2−ヒドロキシ酪 酸、3−ヒドロキ
シ酪酸、サリチル酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒ
ドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシけい皮酸、3−ヒド
ロキシけい皮酸、4−ヒドロキシけい皮酸、5−ヒドロ
キシイソフタル酸、シリンギン酸などのヒドロキシモノ
カルボン酸;シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピ
ン酸、マレイン酸、イタコン酸、ヘキサヒドロフタル
酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,2−
シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキ
サントリカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット
酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、ブタンテトラカ
ルボン酸、1,2,5,8−ナフタレンテトラカルボン
酸などの多価カルボン酸;無水イタコン酸、無水コハク
酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水
トリカルバニル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロ
フタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイ
ミック酸、1,2,3,4,−ブタンテトラカルボン
酸、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、無水フ
タル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無
水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコー
ルビス無水トリメリテート、グリセリントリス無水トリ
メリテートなどの酸無水物を含有させることができる。
さらに、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルア
セトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチ
ルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチル
エーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、
イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノー
ル、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジ
ル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジ
エチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロ
ピレン、フェニルセロソルブアセテートなどの高沸点溶
媒を含有させることもできる。これらの溶剤の使用割合
は、塗布方法に応じて調整することができ、感放射線性
樹脂組成物中に均一に混合させることができれば特に限
定されるものではないが、得られる感放射線性樹脂組成
物に対して60重量%以下、特に40重量%以下である
ことが好ましい。
【0042】さらに、感放射線性樹脂組成物には、必要
に応じて充填材、着色剤、粘度調整剤などを含有させる
こともできる。充填材としては、シリカ、アルミナ、タ
ルク、ベントナイト、ジルコニウムシリケート、粉末ガ
ラスなどを用いることができる。着色剤としては、アル
ミナ白、クレー、炭酸バリウム、硫酸バリウムなどの体
質顔料;亜鉛華、鉛白、黄鉛、鉛丹、群青、紺青、酸化
チタン、クロム酸亜鉛、ベンガラ、カーボンブラックな
どの無機顔料;ブリリアントカーミン6B、パーマネン
トレッド6B、パーマネントレッドR、ベンジジンイエ
ロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン
などの有機顔料;マゼンタ、ローダミンなどの塩基性染
料;ダイレクトスカーレット、ダイレクトオレンジなど
の直接染料;ローセリン、メタニルイエローなどの酸性
染料を用いることができる。粘度調整剤としては、ベン
トナイト、シリカゲル、アルミニウム粉末などを用いる
ことができる。これらの添加剤は、感放射線性樹脂組成
物の本質的な特性を損なわない範囲、好ましくは、得ら
れる感放射線性樹脂組成物に対して、50重量%以下と
なる割合で用いることができる。
【0043】感放射線性樹脂組成物は、上記のA成分、
B成分、C成分、D成分および必要に応じて用いられる
その他の成分を混合することにより調製される。各成分
の混合手段としては、その他の成分として充填材および
顔料を用いない場合には、攪拌による手段を利用するこ
とができ、その他の成分として充填材または顔料を用い
る場合には、ディゾルバー、ホモジナイザー、3本ロー
ルミルなどの分散機による手段を利用することができ
る。また、必要に応じて、各成分を混合した後、メッシ
ュ、メンブレンフィルターなどを用いてろ過処理を行っ
てもよい。
【0044】感放射線性樹脂組成物を薄層担持体20の
表面に塗布する方法としては、スピンコート法、ロール
コート法、スクリーン印刷法、アプリケーター法などを
採用することができる。また、形成された塗膜の加熱処
理の条件は、用いられる感放射線性樹脂組成物における
各成分の種類、割合、塗膜の膜厚などに応じて適宜選択
されるが、通常、加熱温度が70〜130℃、好ましく
は80〜120℃、加熱時間が2〜60分間程度であ
る。レジスト層40の厚みは、形成すべき配線部用金属
薄層11Aの厚みを考慮して適宜選択され、例えば5〜
60μmである。
【0045】このようにして形成されたレジスト層40
に対し、形成すべき配線部のパターンに対応するパター
ンの放射線透過部を有するマスクを介して放射線照射処
理を行った後、現像処理を行うことにより、当該レジス
ト層40がパターニングされる。具体的には、レジスト
層40における放射線照射部分が現像処理によって除去
されることにより、図7に示すように、レジスト層40
に、形成すべき配線部のパターンと対掌なパターンを有
するパターン孔41が形成される。
【0046】ここで、「放射線」とは、紫外線、可視光
線、遠紫外線、X線、電子線などを意味する。レジスト
層40の放射線照射処理を行うための放射線源として
は、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、アルゴンガ
スレーザーなどを用いることができる。レジスト層40
が受ける放射線照射量は、用いられる感放射線性樹脂組
成物の各成分の種類、割合、レジスト層40の厚み、用
いられる放射線源などによって異なるが、例えば超高圧
水銀灯を用いる場合には、100〜2000mJ/cm
2 である。
【0047】レジスト層40の現像処理を行うための現
像液としては、アルカリ性水溶液を用いることができ、
例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリ
ウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アン
モニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチル
アミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、
メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ト
リエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロ
キシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロ
ール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,
0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4,
3,0]−5−ノナンなどのアルカリ類の水溶液を用い
ることができる。また上記アルカリ類の水溶液に、メタ
ノール、エタノールなどの水溶性有機溶媒や界面活性剤
を適当量添加した水溶液を現像液として用いることもで
きる。
【0048】現像方法としては、液盛り法、ディッピン
グ法、パドル法、スプレー現像法などを利用することが
できる。現像処理時間は、用いられる感放射線性樹脂組
成物の各成分の種類、割合、レジスト層40の厚みなど
によって異なるが、通常1〜30分間である。また、現
像処理後に、レジスト層40を流水によって30〜90
秒間洗浄し、エアーガンなどを用いて風乾する、あるい
はオーブンを用いて加熱乾燥することが好ましい。
【0049】〔工程(ロ)〕この工程(ロ)は、最終的
には図9に示すように、転写用複合体35における薄層
担持体20の表面に、形成すべき配線部のパターンと対
掌なパターンの配線部用金属薄層11Aを形成する工程
である。具体的に説明すると、転写用複合体35におけ
る薄層担持体20の表面に、レジスト層40のパターン
孔41を介してメッキ処理を施すことにより、図8に示
すように、パターン孔41内に金属の堆積体よりなる配
線部用金属薄層11Aが形成され、その後、薄層担持体
20の表面からレジスト層40を除去することにより、
図9に示すように、薄層担持体20の表面に配線部用金
属薄層11Aが担持された転写用複合体35が得られ
る。
【0050】この例における配線部用金属薄層11A
は、複数の層部分が厚み方向に積重されて構成されてい
る。具体的には、図10に示すように、転写複合体35
における薄層担持体20に接する表層部分11Bが、中
間層部分11Dを介して基層部分11Cに一体的に積重
されて構成されている。配線部用金属薄層11A全体の
厚みは例えば5〜50μmであり、また、表層部分11
Bの厚みは0.1〜10μm、基層部分11Cの厚みは
5〜30μm、中間層部分11Dの0.1〜10μmで
ある。
【0051】表層部分11Bを構成する金属材料として
は、薄層担持体を構成する金属材料よりもエッチングさ
れにくいもの、或いは耐蝕性を有するものを用いること
が好ましく、その具体例としては、金、ニッケル、銀、
すず、ロジウムなどが挙げられる。このような表層部分
11Bを形成することにより、後述する基層部分11C
がエッチングされやすい材料により構成されていても、
後述する検査用電極の形成において、配線部が腐蝕して
断線することを防止することができる。また、薄層担持
体20を構成する金属材料との好ましい組合せとして
は、薄層担持体20−表層部分11Bが、銅−金、ニッ
ケル−金、銅−ニッケル、銅−銀、ニッケル−銅などが
挙げられる。基層部分11Cを構成する金属材料として
は、高い導電性を有するものを用いることが好ましく、
その具体例としては、銅、金、銀などが挙げられる。中
間層部分11Dを構成する金属材料としては、ニッケ
ル、銅、ロジウムなどが挙げられる。このような中間層
部分11Dを形成することにより、表層部分11Bを構
成する金属材料中に基層部分11Cを構成する金属材料
が拡散することを防止することができると共に、表層部
分11Bにピンホールが生じても基層部分11Cの腐蝕
を防止することができ、更に、各層部分間の密着性が向
上すると共に、基層部分11Cの被覆性が向上する。な
お、中間層部分11Dは必須のものではなく、表層部分
11Bに続いて基層部分11Cが形成されていてもよ
い。このような場合には、基層部分11Cを構成する金
属材料として、表層部分11Bを構成する金属材料中に
拡散しないものを用いることが好ましい。表層部分11
B、基層部分11Cおよび中間層部分11Dを形成する
方法としては、電解メッキ法、無電解メッキ法などが挙
げられる。
【0052】本発明においては、配線部用金属薄層11
の基層部分11Cの表面に対して粗面化処理を施すこと
が好ましく、これにより、後述する工程(ハ)におい
て、絶縁性基板に対する密着性の高い配線部を形成する
ことができる。配線部用金属薄層11の基層部分11C
の表面を粗面化処理する手段としては、マイクロエッチ
ング処理や黒化処理あるいは粒状結晶、針状結晶や多孔
質結晶を析出させるメッキ処理などが挙げられる。
【0053】また、この例における配線部用金属薄層1
1の基層部分11Dには、レジスト層40の表面から突
出し、当該レジスト層40のパターン孔41より大きい
幅を有する突出部Pが形成されることにより、当該基層
部分11Dの端部に鍔部Tが形成されている。このよう
な配線部用金属薄層11を形成することにより、後述す
る工程(ハ)において、配線部用金属薄層11が絶縁性
基板に転写されたときには、鍔部Tがアンカーとして作
用するため、絶縁性基板に対する密着性の一層高い配線
部を形成することができる。
【0054】〔工程(ハ)〕この工程(ハ)は、図11
に示すように、転写用複合体35における配線部形成用
転写板30から配線部用金属薄層11Aおよび薄層担持
体20を熱圧着によって転写することにより、絶縁性基
板10の一面に配線部11および薄層担持体20が積層
されてなる圧着積層体1Aを製造する工程である。具体
的に説明すると、図11(イ)に示すように、熱硬化性
樹脂シートよりなる絶縁性基板形成材10Aおよび金属
箔12Bを用意し、絶縁性基板形成材10Aの上面に、
薄層担持体20上に配線部用金属薄層11Aが形成され
た転写用複合体35を、当該配線部用金属薄層11Aが
形成された面が絶縁性基板形成材10Aに対接するよう
配置すると共に、絶縁性基板形成材10Aの下面に、金
属箔12Bを配置する。そして、この状態で、例えば真
空プレス法によって熱圧着処理することにより、図11
(ロ)に示すように、絶縁性基板形成材10Aが硬化し
て絶縁性基板10が得られると共に、この絶縁性基板1
0の上面には、転写用複合体35が配線部用金属薄層1
1Aを介して一体的に接着され、一方、絶縁性基板10
の下面には、金属箔12Bが一体的に接着され、金属薄
層12Aが形成される。その後、転写用複合体35にお
ける薄層担持体20から配線部形成用転写板30を剥離
することにより、図11(ハ)に示すように、一面に配
線部11および薄層担持体20を有し、他面に金属薄層
12Aを有する絶縁性基板10が得られる。
【0055】以上において、絶縁性基板形成材10Aと
して用いられる熱硬化性樹脂シートは、硬化されて寸法
安定性の高い耐熱性樹脂となるものであることが好まし
く、各種の樹脂シートを使用することができるが、ガラ
ス繊維補強型エポキシプリプレグ樹脂シート、ポリイミ
ドプリプレグ樹脂シート、エポキシプリプレグ樹脂シー
トが好ましい。また、熱硬化性樹脂シートとしては、得
られる絶縁性基板10の厚みが例えば100〜1500
μmとなる厚みのものが好ましく用いられる。熱圧着に
より金属薄層12Aを形成するための金属箔12Bの厚
みは、例えば9〜35μmであることが好ましい。金属
箔12Bを構成する金属材料は電解銅に代表される。
【0056】熱圧着を行うための温度は、絶縁性基板形
成材10Aの材質にもよるが、当該絶縁性基板形成材1
0Aを構成する熱硬化性樹脂シートが軟化して接着性を
帯びる温度以上であることが必要であり、通常、80〜
250℃、好ましくは140〜200℃程度とすること
ができる。この熱圧着工程におけるプレス圧力は、例え
ば最高5〜50kg/cm2 程度であり、好ましくは2
0〜40kg/cm2 程度である。この熱圧着工程は、
常圧雰囲気下で熱圧着することも可能であるが、実際
上、例えば5〜100Pa、好ましくは10〜50Pa
程度の減圧雰囲気によるいわゆる真空プレス法によるこ
とが好ましく、この場合には、当該熱硬化性樹脂シート
と被着面との間に気泡が閉じ込められることが有効に防
止される。
【0057】〔工程(ニ)〕この工程(ニ)は、最終的
には図14に示すように、絶縁性基板10に、配線部1
1に接続されたスルーホールによる短絡部13を形成
し、更に、薄層担持体20の残部によって配線部11か
ら突出する検査用電極21を形成すると共に、この検査
用電極21に配線部11および短絡部13を介して電気
的に接続された端子電極12を形成する工程である。
【0058】具体的に説明すると、先ず、工程(ハ)に
よって得られた圧着積層体1Aに対し、例えば数値制御
型ドリリング装置により、図12に示すように、絶縁性
基板10の配線部11に関連した位置において、当該圧
着積層体1Aをその厚み方向に貫通するスルーホール用
ドリル穴13Hを形成する。以上において、スルーホー
ル用ドリル穴13Hの内径は、所要の電気的接続が達成
されるものであれば特に制限はないが、例えば0.05
〜3.0mm、好ましくは0.08〜1.0mmであ
る。
【0059】次に、スルーホール用ドリル穴13Hが形
成された圧着積層体1Aに、無電解銅メッキ法、電解銅
メッキ法などのメッキ処理を行うことにより、図13に
示すように、スルーホール用ドリル穴13Hの内面に銅
が堆積してスルーホールが形成され、これにより、絶縁
性基板10をその厚み方向に貫通して伸びる短絡部13
が形成される。
【0060】そして、この圧着積層体1Aの上面の薄層
担持体20に対してフォトリソグラフィーおよびエッチ
ング処理を施してその一部を除去することより、図14
に示すように、検査対象である回路装置における被検査
電極に対応したパターンの検査用電極21が、それぞれ
配線部11から突出する状態に形成される。一方、絶縁
性基板10の下面の金属薄層12Aに対してフォトリソ
グラフィーおよびエッチング処理を施してその一部を除
去することにより、例えばピッチが2.54mm、1.
8mmまたは1.27mmの標準格子点上に配置された
端子電極12が、それぞれ短絡部13に連結された状態
で形成される。
【0061】以上のような工程(イ)、工程(ロ)、工
程(ハ)および工程(ニ)を経由し、更に必要に応じ
て、フォトリソグラフィの手法によって、絶縁性基板1
0の上面における検査用電極21以外の領域を覆うよ
う、保護層15を形成することにより、絶縁性基板10
の上面および下面にそれぞれ検査用電極21および端子
電極12を有すると共に、当該検査用電極21が、配線
部11および短絡部13を介して端子電極12に電気的
に接続された回路基板1が製造される。
【0062】本発明によれば、薄層担持体20の表面に
レジスト層40を形成するための材料として、特定の感
放射線性樹脂組成物を用いることにより、薄層担持体2
0との密着性が高く、しかも、優れた耐メッキ液性を有
するレジスト層40が形成されるため、薄層担持体20
上に配線部用金属薄層11Aを形成するためのメッキ処
理において、当該薄層担持体20とレジスト層40との
間にメッキ液が進入することがなく、その結果、形成す
べき配線部11が、隣接する配線路間の離間距離が小さ
いものであっても、当該配線路間において所要の絶縁性
を有する回路基板1が得られる。
【0063】また、金属膜よりなる薄層担持体20上に
担持された配線部用金属薄層11Aを当該薄層担持体2
0と共に転写することにより、転写材である配線部用金
属薄層11Aおよび薄層担持体20と、被転写材である
絶縁性基板10とは一対一の関係となるため、配線部用
金属薄層11Aが多数の微細で長尺な配線路により構成
されていても、絶縁性基板10に配線部用金属薄層11
Aの全部を確実に転写することができる。また、配線部
形成用転写板30上に金属膜よりなる薄層担持体20を
形成し、当該薄層担持体20上に配線部用金属薄層11
Aを形成するため、微細なパターンの配線部用金属薄層
11Aが確実に得られると共に、配線部用金属薄層11
Aを転写する際には、配線部形成用転写板30が絶縁性
基板10に接触することがなく、しかも、薄層担持体2
0から配線部形成用転写板30を剥離するため、絶縁性
基板10の表面が損傷したり、配線部11が剥離したり
することを回避することができる。更に、配線部形成用
転写板30として可撓性を有するものを用いることによ
り、大面積の絶縁性基板10に対しても当該配線部形成
用転写板10を容易に剥離することができる。従って、
絶縁性基板10が大面積のものであっても、当該絶縁性
基板10に例えば隣接する配線路間の離間距離が0.0
2mm以下の微細なパターンを有する配線部11を確実
に形成することができる。
【0064】また、薄層担持体20の厚みのバラツキが
熱圧着処理によって絶縁性基板形成材10Aに吸収され
る結果、絶縁性基板10に転写された薄層担持体20
は、全体の厚みの均一性が高いものとなり、当該薄層担
持体20の残部によって検査用電極21が形成されるた
め、配線部11から突出する、各々厚みが均一な複数の
検査用電極21が確実に得られる。
【0065】また、絶縁性基板10上に形成される検査
用電極21の厚みは薄層担持体20の厚みに応じて定ま
るため、所要の厚みを有する検査用電極21を確実に形
成することができる。また、薄層担持体20の残部によ
って検査用電極21を形成するため、検査用電極21を
形成するための工程を別個に設けることが不要となる。
【0066】以上のような回路基板1は、異方導電性エ
ラストマーシートと組み合わせることにより、BGA
(Ball Grid Array)、CSP(Chi
p Scale Package)等の半導体集積回路
や、これらの半導体集積回路が搭載されるプリント回路
基板などの回路装置を電気的に検査するための回路装置
検査用回路基板として好適に用いることができる。
【0067】本発明は、上記の実施の形態のに限定され
ず、種々の変更を加えることが可能である。 (1)図15に示すように、平滑な一面37を有する金
属よりなる配線部形成用転写板36を用い、この配線部
形成用転写板36の一面37に薄層担持体20を剥離可
能に設けることにより、転写用複合体35を構成しても
よい。ここで、配線部形成用転写板36としては、ステ
ンレス、鉄、銅などよりなる金属板を用いることがで
き、これらの中では、薄層担持体20から容易に剥離す
ることができる点で、前処理が施されていないステンレ
ス板が好ましい。このような配線部形成用転写板36
は、回路基板1の製造において繰り返して使用すること
ができるので、製造コストの低減化を図ることができ
る。
【0068】(2)検査用電極21の形成方法として
は、絶縁性基板10の一面に接着された金属膜よりなる
薄層担持体20をパターニングする方法に限定されず、
種々の方法を採用することができる。例えば、工程
(ニ)において、図16に示すように、圧着積層体1A
をその厚み方向に貫通するスルーホール用ドリル穴13
Hを形成した後、その薄層担持体20の表面に、スルー
ホール用ドリル穴13Hが形成された箇所および検査用
電極を形成すべき箇所が露出するようレジスト層45,
46を形成し、次いで、メッキ処理を施すことにより、
絶縁性基板10をその厚み方向に貫通して伸びる短絡部
13を形成すると共に、薄層担持体20における検査用
電極を形成すべき箇所の表面上に金属の堆積体を形成
し、更に、レジスト層45,46を除去した後、薄層担
持体20に対してフォトリソグラフィーおよびエッチン
グ処理を施すことにより、図17に示すように、薄層担
持体20の厚みより大きい厚みを有する検査用電極21
を形成することができる。このような方法によれば、寸
法の小さい検査用電極21を確実に形成することができ
る。また、このような方法を採用する場合には、薄層担
持体20のエッチング処理を高い効率で行うことができ
る点で、当該薄層担持体20の厚みが、0.5〜9μm
であることが好ましい。
【0069】(3)本発明の製造方法の工程(ニ)にお
いて、検査用電極21となる部分と共にそれ以外の部分
を残すよう、薄層担持体20のエッチング処理を行うこ
とにより、図18に示すように、配線部用金属薄層が転
写されることによって形成された配線部11の他に、金
属膜20の残部によって他の配線部14を形成すること
ができる。このような方法によれば、絶縁性基板10上
に形成すべき配線部全体(配線部11および他の配線部
14)の設計において大きい自由度が得られる。
【0070】(4)本発明の回路基板は、回路装置検査
用のものに限られず、例えば半導体集積回路などの電子
部品を構成または搭載するための回路基板として用いる
ことができる。また、電子部品搭載用回路基板として用
いる場合には、配線部から突出する電極を設けることが
好ましく、このような構成によれば、当該回路基板に異
方導電性エラストマーシートを介在させて電子部品を固
定する方法によって、当該電子部品を容易に実装するこ
とができる。
【0071】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
する。なお、以下の実施例において、「部」および
「%」は、「重量部」および「重量%」を意味する。 〈実施例1〉 〔ノボラック樹脂(A成分)の合成〕m−クレゾールと
p−クレゾールとを重量比で40:60となる割合で混
合し、これにホルマリンを加え、シュウ酸触媒を用いて
常法により縮合してクレゾールノボラック樹脂を得た。
この樹脂に対して分別処理を施し、低分子領域をカット
して重量平均分子量15000のノボラック樹脂(以
下、これを「ノボラック樹脂(1)という。)を得た。
【0072】〔特定の共重合体樹脂(B成分)の合成〕
ドライアイス/メタノール還流器および温度計が取り付
けられたフラスコを窒素置換した後、当該フラスコ内に
重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリ
ル3.0g、溶媒として2−ヒドロキシプロピオン酸エ
チル225gを仕込み、重合開始剤が溶解するまで攪拌
した。次いで、フラスコ内に2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート75.0g、n−ブチルアクリレート60.
0g、2−ヘキサヒドロフタロイルエチルメタクリレー
ト15.0gを仕込み、その後、ゆるやかに攪拌を始め
た。そして、溶液の温度を80℃に上昇させ、この温度
で4時間重合を行なった。その後、室温まで放冷し、フ
ラスコ内を空気で置換した後、p−メトキシフェノール
150mgを加えた。反応生成物を多量のメタノールに
滴下してアクリル樹脂を凝固させた。この凝固物を水洗
した後、当該凝固物と同重量のテトラヒドロフランに再
溶解し、多量のメタノールで再度凝固させた。この再溶
解−凝固操作を計3回行った後、得られた凝固物を40
℃で48時間真空乾燥し、特定の共重合体樹脂(以下、
これを「特定の共重合体樹脂(1)」という。)を得
た。
【0073】〔感放射性樹脂組成物の調製〕ノボラック
樹脂(1)100部、特定の共重合体樹脂(1)20
部、4、4’−[1−[4[1−(4−ヒドロキシフェ
ニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ジ
フェノール1モルとナフトキノン−1、2−ジアジド−
5−スルホニルクロリド1.5モルとのエステル化反応
生成物(C成分)20部、および界面活性剤としてSF
−8428(東レシリコーン(株)社製)0.05部
を、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル75部およびエ
チルエトキシプロピオネート75部の混合溶剤(D成
分)に溶解した後、得られた溶液を孔径40μmのメン
ブレンフィルターを用いてろ過処理することにより、固
形分の濃度が48重量%である感放射線性樹脂組成物
(以下、これを「感放射線性樹脂組成物(1)」とい
う。)を調製した。
【0074】〔工程(イ)〕厚みが70μmの銅よりな
る支持膜(32)上に、厚みが9μmの電解銅膜よりな
る薄層担持体(20)が形成されてなる積層材料(3
3)を用意し、この積層材料(33)における支持膜
(32)の表面に、厚みが200μmのガラス繊維補強
型エポキシプリプレグ樹脂シートよりなる可撓性基体形
成材(31A)を重ね合わせ、この状態で、加熱温度1
70℃、プレス圧力50kg/cm2 の条件で熱圧着処
理することにより、転写用複合体(35)を得た(図2
〜図4参照)。次いで、この転写用複合体(35)をス
ピンナーに設置し、回転速度1200rpm、10秒間
の条件で、当該転写用複合体(35)における薄層担持
体(20)の表面に、感放射線性樹脂組成物(1)を塗
布して塗膜を形成し、温風循環式乾燥機を用い、100
℃、30分間の条件で加熱処理(プレベーク)を行うこ
とにより、当該薄層担持体(20)の表面に厚みが25
μmのレジスト層(40)を形成した(図6参照)。そ
して、レジスト層(40)に対して、放射線源として超
高圧水銀灯(ウシオ電機(株)製「USH−500D」
を用い、平行光露光装置(ミカサ社製)によって、放射
線照射量1000mJ/cm2 の放射線照射処理を行っ
た。次いで、放射線照射処理されたレジスト層(40)
に対して、現像液としてテトラメチルアンモニウムヒド
ロキシド2.38重量%水溶液を用い、ディッピング法
によって2分間現像処理を行うことにより、レジスト層
(40)にパターン孔(41)を形成した(図7参
照)。その後、レジスト層(40)に対し、流水によっ
て洗浄処理し、更に温風循環式乾燥機を用い、100
℃、30分間の条件で乾燥処理した。
【0075】〔工程(ロ)〕レシスト層(40)が形成
された転写用複合体(35)における薄層担持体(2
0)の表面に対して、当該レジスト層(40)のパター
ン孔(41)を介して、電解金メッキ、電解ニッケルメ
ッキおよび電解銅メッキをこの順で行うことにより、厚
みが2μmの金よりなる表層部分(11B)、厚みが1
μmのニッケルよりなる中間層部分(11D)および厚
みが20μmの銅よりなる基層部分(11C)が積重さ
れてなる、ライン幅(配線路の幅)20μm、スペース
幅(隣接する配線路間の離間距離)20μmのパターン
を有する配線部用金属薄層(11A)を形成した(図8
および図10参照)。以上において、金メッキ液とし
て、日本高純度化学社製「オーロラブライトKS」を使
用し、ニッケルメッキ液として、エバラユージライト社
製「スルフォミン酸ニッケル浴」を使用し、銅メッキ液
として、日本LPW社製「硫酸銅浴」を使用した。次い
で、メック製マイクロエッチング処理液を用い、配線部
用金属薄層(11A)における基層部分(11C)の表
面をマイクロエッチング処理して粗面化し、その後、薄
層担持体(20)からレジスト層(40)を除去した
(図9参照)。
【0076】〔工程(ハ)〕厚みが500μmのガラス
繊維補強型エポキシプリプレグ樹脂シートよりなる絶縁
性基板形成材(10A)および電解銅よりなる金属箔
(12B)を用意し、絶縁性基板形成材(10A)の上
面に、薄層担持体(20)上に配線部用金属薄層(11
A)が形成された転写用複合体(35)を、当該配線部
用金属薄層(11A)が形成された面が絶縁性基板形成
材(10A)に対接するよう配置すると共に、絶縁性基
板形成材(10A)の下面に、金属箔(12B)を配置
し、この状態で、加熱温度170℃、プレス圧力30k
g/cm2 、雰囲気圧力400Paの条件で、真空プレ
ス法により熱圧着処理し、その後、転写用複合体(3
5)における薄層担持体(20)から配線部形成用転写
板(30)を剥離することにより、圧着積層体(1A)
を得た(図11参照)。
【0077】〔工程(ニ)〕数値制御型ドリリング装置
により、圧着積層体(1A)に、ピッチが1.27mm
の格子点位置上に配置された状態となるよう、各々の内
径が0.5mmのスルーホール用ドリル穴13Hを形成
した(図12参照)。次いで、銅メッキにより、スルー
ホール用ドリル穴13H内に短絡部(13)を形成し、
その後、薄層担持体(20)および金属薄層(12A)
の各々に、フォトリソグラフィーおよびエッチング処理
を施すことにより、検査用電極(20)および端子電極
(12)を形成した(図13および図14参照)。そし
て、フォトリソグラフィーの手法により、絶縁性基板
(10)の上面に保護層(15)を形成し、回路装置検
査用の回路基板(1)を製造した(図1参照)。
【0078】上記の回路基板1について、絶縁性基板
(10)の表面を観察したところ、配線部(11)にお
ける隣接する配線路間には、金属被膜は全く認められな
かった。また、抵抗測定器「ミリオームハイテスター」
(日置電機社製)を用い、絶縁性基板(10)の下面に
共通の導電板を配置してすべての端子電極(12)を短
絡状態とし、この導電板と各検査用電極(21)との間
の電気抵抗値をプローブピンを利用して測定したとこ
ろ、すべての検査用電極(21)について、電気抵抗値
は500mΩ以下と非常に小さく、検査用電極(21)
と端子電極(12)との電気的な接続が十分に達成され
ていることが確認された。更に、上記と同様の抵抗測定
器を用い、配線部(11)における隣接する配線路の各
々に接続された検査用電極(21)間の電気抵抗値を測
定したところ、電気抵抗値はいずれも2MΩ以上と非常
に大きく、十分な絶縁状態が達成されていることが確認
された。
【0079】〈比較例1〉特定の共重合体樹脂(1)を
用いなかったこと以外は実施例1と同様にして感放射線
性樹脂組成物を調製し(以下、これを「感放射線性樹脂
組成物(2)」という。)、この感放射線性樹脂組成物
(2)により薄層担持体(20)の表面にレジスト層
(40)を形成したこと以外は、実施例1と同様にして
回路装置検査用の回路基板を製造した。この回路基板に
ついて、絶縁性基板の表面を観察したところ、配線部に
おける隣接する配線路間に、金属被膜が形成されている
ことが認められた。また、抵抗測定器「ミリオームハイ
テスター」を用い、配線部における隣接する配線路の各
々に接続された検査用電極間の電気抵抗値を測定したと
ころ、電気抵抗値が10Ω以下の箇所があり、所要の絶
縁状態を達成することができなかった。
【0080】
【発明の効果】本発明の回路基板によれば、配線部は、
薄層担持体にパターニングされたレジスト層を介してメ
ッキ処理を行うことによって形成された配線部用金属薄
層が、絶縁性基板に接着されることにより形成されてお
り、前記レジスト層は、特定の感放射線性樹脂組成物か
ら得られるものであるため、薄層担持体との密着性が高
く、しかも、優れた耐メッキ液性を有するものである。
従って、薄層担持体上に配線部用金属薄層を形成するた
めのメッキ処理において、当該薄層担持体とレジスト層
との間にメッキ液が進入することがなく、その結果、配
線部が、隣接する配線路間の離間距離が小さいものであ
っても、当該配線路間において所要の絶縁性が得られ
る。
【0081】また、金属膜よりなる薄層担持体上に担持
された配線部用金属薄層が、当該薄層担持体と共に転写
されることにより、絶縁性基板に配線部が形成された構
成によれば、転写材である配線部用金属薄層および薄層
担持体と、被転写材である絶縁性基板とは一対一の関係
となる結果、多数の微細で長尺な配線路を有していて
も、所期の配線部が確実に得られる。また、金属膜より
なる薄層担持体がパターニングされることにより、配線
部から突出する、厚みが均一な複数の電極が得られる。
【0082】本発明の回路基板の製造方法によれば、薄
層担持体の表面にレジスト層を形成するための材料とし
て、特定の感放射線性樹脂組成物を用いることにより、
当該薄層担持体との密着性が高く、しかも、優れた耐メ
ッキ液性を有するレジスト層が形成されるため、薄層担
持体上に配線部用金属薄層を形成するためのメッキ処理
において、当該薄層担持体とレジスト層との間にメッキ
液が進入することがなく、その結果、形成すべき配線部
が、隣接する配線路間の離間距離が小さいものであって
も、当該配線路間において所要の絶縁性を有する回路基
板を製造することができる。
【0083】金属膜よりなる薄層担持体の表面に配線部
用金属薄層を形成し、この配線部用金属薄層が担持され
た薄層担持体を、当該配線部用金属薄層と共に転写する
ことにより、転写材である配線部用金属薄層および薄層
担持体と、被転写材である絶縁性基板とは一対一の関係
となるため、配線部用金属薄層が多数の微細で長尺な配
線路により構成されていても、絶縁性基板に配線部用金
属薄層の全部を確実に転写することができる。また、熱
圧着処理によって、絶縁性基板に転写された薄層担持体
は全体の厚みの均一性が高いものとなり、当該薄層担持
体の残部によって電極が形成されるため、配線部から突
出する、厚みが均一な複数の電極が確実に得られる。更
に、絶縁性基板上に形成される電極の厚みは薄層担持体
の厚みに応じて定まるため、所要の厚みを有する電極を
確実に形成することができる。また、金属膜の残部によ
って電極を形成するため、電極を形成するための工程を
別個に設けることが不要となる。
【0084】本発明の回路基板は、微細なパターンの配
線部を有するため、電極が高密度に配置された半導体集
積回路などの電子部品を構成または搭載するためのプリ
ント回路基板として、あるいは電極が高密度に配置され
た半導体集積回路やプリント回路基板などの回路装置の
電気的検査に用いられる回路装置検査用プリント回路基
板として、極めて好適なものである。特に、配線部から
突出する複数の電極は、厚みが均一なものであるため、
電子部品の実装または回路装置の検査において、回路基
板と電子部品または回路装置との安定した電気的接続状
態を確実に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回路基板の一例における構成を示す説
明用断面図である。
【図2】転写用複合体を作製するために用いられる積層
材料の一例を示す説明用断面図である。
【図3】図2に示す積層材料上に可撓性基体形成材が配
置された状態を示す説明用断面図である。
【図4】本発明の回路基板を製造するために用いられる
転写用複合体の一例を示す説明用断面図である。
【図5】可撓性基体に要求される可撓性の程度を示す説
明図である。
【図6】転写用複合体における金属膜の表面にレジスト
層が形成された状態を示す説明用断面図である。
【図7】図5のレジスト層にパターン孔が形成された状
態を示す説明用断面図である。
【図8】図6のパターン孔内に配線部用金属薄層が形成
された状態を示す説明用断面図である。
【図9】図7の転写用複合体からレジスト層が剥離され
た状態を示す説明用断面図である。
【図10】配線部用金属薄層の構成を示す説明用断面図
である。
【図11】圧着積層体を製造する第3工程を示す説明用
断面図である。
【図12】圧着積層体にスルーホール用ドリル穴が形成
された状態を示す説明用断面図である。
【図13】スルーホール用ドリル穴の内部に短絡部が形
成された状態を示す説明用断面図である。
【図14】絶縁性基板の一面における配線部上に検査用
電極が形成され、絶縁性基板の他面に端子電極が形成さ
れた状態を示す説明用断面図である。
【図15】本発明の回路基板を製造するために用いられ
る転写用複合体の他の例を示す説明用断面図である。
【図16】圧着積層体の両面にレジスト層が形成され、
更にスルーホール用ドリル穴が形成された状態を示す説
明用断面図である。
【図17】薄層担持体の厚みより大きい厚みの検査用電
極が形成された状態を示す説明用断面図である。
【図18】薄層担持体の残部によって絶縁性基板に他の
配線部が形成された状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 回路基板 1A 圧着積層体 10 絶縁性基板 10A 絶縁性
基板形成材 11 配線部 11A 配線部
用金属薄層 11B 表層部分 11C 基層部
分 11D 中間層部分 12 端子電極 12A 金属薄層 12B 金属箔 13 短絡部 13H スルー
ホール用ドリル穴 14 他の配線部 15 保護層 20 金属膜 21 検査用電
極 30 配線部形成用転写板 31 可撓性基
体 31A 可撓性基体形成材 32 支持膜 33 積層材料 35 転写用複
合体 36 配線部形成用転写板 37 一面 40 レジスト層 41 パターン
孔 45 レジスト層 46 レジスト
層 P 突出部 T 鍔部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 広瀬 浩一 東京都中央区築地2丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 (72)発明者 太田 克 東京都中央区築地2丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 5E343 AA07 BB23 BB24 BB44 CC62 DD43 DD56 ER12 ER18 GG06 GG08 GG11 GG14

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基板と、この絶縁性基板の一面に
    形成された配線部とを有してなる回路基板であって、 前記配線部は、薄層担持体上に担持された、当該配線部
    に対応するパターンの配線部用金属薄層が、前記絶縁性
    基板に転写されることによって形成されたものであり、 前記配線部用金属薄層は、前記薄層担持体上に、パター
    ニングされたレジスト層を介してメッキ処理することに
    より形成されたものであり、 前記レジスト層は、(A)アルカリ可溶性のノボラック
    樹脂、および(B)アルコール性水酸基を有するラジカ
    ル重合性化合物に由来する構造単位と、カルボキシル基
    を有するラジカル重合性化合物および/またはフェノー
    ル性水酸基を有する重合性化合物に由来する構造単位と
    を含むアルカリ可溶性の共重合体樹脂を含有してなる感
    放射線性樹脂組成物から得られるものであることを特徴
    とする回路基板。
  2. 【請求項2】 レジスト層は、(A)アルカリ可溶性の
    ノボラック樹脂100重量部、(B)アルコール性水酸
    基を有するラジカル重合性化合物に由来する構造単位1
    0〜80重量%と、カルボキシル基を有するラジカル重
    合性化合物および/またはフェノール性水酸基を有する
    重合性化合物に由来する構造単位3〜50重量%とを含
    むアルカリ可溶性の共重合体樹脂5〜50重量部、およ
    び(C)キノンジアジド基含有化合物5〜100重量部
    を含有してなる感放射線性樹脂組成物から得られるもの
    であることを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
  3. 【請求項3】 配線部から突出する電極を有し、 当該電極は、配線部用金属薄層と共に転写された金属膜
    よりなる薄層担持体がパターニングされることによって
    形成されたものであることを特徴とする請求項1または
    請求項2に記載の回路基板。
  4. 【請求項4】 薄層担持体の表面に感放射線性樹脂組成
    物を塗布して加熱することにより、当該薄層担持体の表
    面にレジスト層を形成し、このレジスト層に対して、放
    射線照射処理および現像処理を行うことにより、当該レ
    ジスト層をパターニングし、 このパターニングされたレジスト層を介して、前記薄層
    担持体の表面をメッキ処理することにより、当該薄層担
    持体の表面に担持された配線部用金属薄層を形成し、 この配線部用金属薄層を、熱圧着によって絶縁性基板に
    接着することにより、当該絶縁性基板上に配線部を形成
    する工程を有し、 前記感放射線性樹脂組成物は、(A)アルカリ可溶性の
    ノボラック樹脂、および(B)アルコール性水酸基を有
    するラジカル重合性化合物に由来する構造単位と、カル
    ボキシル基を有するラジカル重合性化合物および/また
    はフェノール性水酸基を有する重合性化合物に由来する
    構造単位とを含むアルカリ可溶性の共重合体樹脂を含有
    してなるものであることを特徴とする回路基板の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 感放射線性樹脂組成物は、(A)アルカ
    リ可溶性のノボラック樹脂100重量部、(B)アルコ
    ール性水酸基を有するラジカル重合性化合物に由来する
    構造単位10〜80重量%と、カルボキシル基を有する
    ラジカル重合性化合物および/またはフェノール性水酸
    基を有する重合性化合物に由来する構造単位3〜50重
    量%とを含むアルカリ可溶性の共重合体樹脂5〜50重
    量部、(C)キノンジアジド基含有化合物5〜100重
    量部、および(D)溶剤を含有してなるものであること
    を特徴とする請求項4に記載の回路基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 配線部用金属薄層を担持する薄層担持体
    は金属膜よりなり、 この薄層担持体を、熱圧着によって配線部用金属薄層を
    介して絶縁性基板に接着し、当該薄層担持体の一部を除
    去することにより、配線部を露出させると共に、当該薄
    層担持体の残部によって配線部から突出する電極を形成
    することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の
    回路基板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009517889A (ja) * 2005-11-29 2009-04-30 アムフェノール・コーポレーション 鉛(pb)無しの電子構成要素の装着
CN113784544A (zh) * 2021-08-19 2021-12-10 广德牧泰莱电路技术有限公司 带金属化孔、槽、细密线路的电路板制作方法及电路板

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