JP4627981B2 - 薄肉軸受軌道輪の製造方法 - Google Patents

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本発明は、薄肉軸受軌道輪の製造方法に関するものであり、特に、スラストニードルころ軸受の軌道輪、薄肉軸受軌道輪のように熱処理時に変形が大きくなり易く、また熱処理後の研磨加工も行なわれない薄肉軸受軌道輪の製造方法に関するものである。
従来、スラストニードル(針状)ころ軸受の軌道輪やシェル型ラジアルニードルころ軸受の軌道輪は、低炭素のSPCC(JIS:冷間圧延鋼板)材や、SCM415材(JIS:クロムモリブデン鋼鋼材)に短時間の浸炭処理を施し、表層の硬度必要部を硬化したものが用いられてきた。また、SK5材(JIS:炭素工具鋼鋼材)のような中〜高炭素鋼を全体加熱でずぶ焼入れしたものも作られている。これらはいずれも熱処理に浸炭やバッチ加熱炉を用いていた。
一方、一部では高周波加熱での薄肉品の焼入れも行なわれており、これまでに高周波加熱による薄肉品や偏肉部品の焼入れに関しては、下記の特許文献1〜4などの技術がある。しかし、これらはいずれも焼入れ時にエアーやガスで冷却し、冷却速度を制御して歪みを抑えたり、厚肉部と薄肉部との焼入れ速度差をなくし、変形を抑えるものであった。
また、管状部材に関しては拘束を与えながらの焼入れ技術(たとえば特許文献5)もあるが、焼入れは溶液を用いており、金型を拘束と焼入れ媒体との両方に使った技術はなかった。
特開平6−179920号公報 特開平9−302416号公報 特開2001−214213号公報 特開2003−55713号公報 特開平7−216456号公報
従来の低炭素のSPCC材やSCM415材に短時間の浸炭処理を施し、表層の硬度必要部を硬化したものでは、素材の加工性は優れるが、熱処理に浸炭を用いるため、オフラインでの熱処理になり、浸炭時の粒界酸化や焼入れ時の反り、変形などによって寿命や強度が安定しない問題があった。
また、SK5材のような中〜高炭素鋼には素材が高硬度で加工しにくいという問題があり、雰囲気炉での全体加熱−焼入れしたものでは、浸炭と同様、冷却むらによる変形が出る。これらのずぶ焼入れ品に対しては、冷却をゆっくりと均一に行なうこと(たとえば不活性ガスを吹付けて冷却する)などが行なわれているが、変形をなくすことは困難で、反りを少なくするには反り直しのための焼戻しが必要であった。
一方、高周波加熱品でも、高周波加熱−水焼入れの工程時の焼入れ媒体に空気や水を使う以上、いかにゆっくりと冷却しても焼入れ時の変形は避けられず、特に水を使う場合は液の劣化や消耗での液交換が必要であった。
金型による焼入れは高周波加熱と連動させることで反りや変形のない焼き入れが可能であるが、型を冷媒として用いるのではなく、油や水で冷却したり、油焼入れをした後に所定の温度で製品を引き上げて型で拘束する技術が一般的である。
それゆえ本発明の目的は、熱処理時(焼入れ時)の反りや変形を抑えることができ、均一で高い硬度を有する薄肉軸受軌道輪の製造方法を提供するものである。
本発明の薄肉軸受軌道輪の製造方法は、炭素を0.4質量%以上含む鋼よりなる薄肉軸受軌道輪を加熱した後、金型でプレスしながらその金型を薄肉軸受軌道輪の冷却媒体として型温度を一定に制御の下薄肉軸受軌道輪に焼入れおよび恒温変態のいずれかの処理を施すことで、マルテンサイト組織および下部ベイナイト組織の少なくともいずれかを発生させることを特徴とするものである。
上記の薄肉軸受軌道輪の製造方法において好ましくは、薄肉軸受軌道輪の焼入れは、金型を焼入れ媒体として行なわれる。
上記の薄肉軸受軌道輪の製造方法において好ましくは、金型は冷却手段を有し、金型により薄肉軸受軌道輪を連続的に焼入れることができる。
上記の薄肉軸受軌道輪の製造方法において好ましくは、薄肉軸受軌道輪の酸化を防止した雰囲気中で薄肉部品が焼入れられる。
上記の薄肉軸受軌道輪の製造方法において好ましくは、薄肉軸受軌道輪を焼入れた後、金型を温度制御媒体として薄肉軸受軌道輪に焼戻し処理が施される。
上記の薄肉軸受軌道輪の製造方法において好ましくは、薄肉軸受軌道輪を焼入れる工程と、焼戻す工程とにおいて金型が用いられる。
上記の薄肉軸受軌道輪の製造方法において好ましくは、薄肉軸受軌道輪を焼入れる工程において、金型を用いた薄肉軸受軌道輪の成型加工も同時に行なわれる。
上記の薄肉軸受軌道輪の製造方法において好ましくは、薄肉軸受軌道輪の加熱は誘導加熱により行われる。
本願発明者らは、薄肉部品の製造方法において、薄肉部品を金型でプレスしながらその金型を薄肉部品の冷却媒体として薄肉部品に焼入れおよび恒温変態いずれかの処理を施すことにより、変形や反りがなく、均一な硬度分布をもち、靭性に優れた長寿命の軸受軌道輪を製造できることを見出した。
このように本発明の薄肉部品の製造方法によれば、反り・変形を抑えることができるため、薄肉部品を精度よく製作することができる。また、金型を冷却媒体として焼入れおよび恒温変態のいずれかの処理を施すため、衝風や油による焼入れよりも短時間でかつ均一な処理が可能であるとともに、プレス圧力、金型の温度を一定にすることで安定した品質を確保することができる。また、水や油を使わないので、作業環境がクリーンであり、廃液などの環境汚染問題もない。
また、薄肉部品の1個1個に焼入れおよび恒温変態のいずれかの処理を施すため、品質管理が行ないやすい。
焼入れを行なう場合には、代表的な中炭素鋼であるS53C(JIS:機械構造用炭素鋼鋼材)などはもちろんであるが、焼入れ硬化しやすい組成の鋼を用いることで、工程中にゆっくりとした焼入れ硬化を行なっても、上記の品質を得ることができる。
また、恒温変態の場合には、恒温保持することで変態を生じさせるため、薄肉部品の材質はベイナイト組織になり、マルテンサイト組織に比べて焼入れ歪が少なく、焼き戻しを行わなくても靭性があり、経年寸法変化も抑えられる利点がある。また、焼き戻しを行う必要がないため、転がり軸受軌道輪をピースバイピースで熱処理することができる。また、焼き戻しを行う必要がないため、通常の焼入れ・焼き戻しを1回の工程で終了でき、生産工程が省略できる。また、下部ベイナイトを生じさせることにより硬度も高くすることができる。
上記の薄肉部品の製造方法において、薄肉部品の加熱を誘導加熱により行なうことにより、安価な高周波用材料(機械構造用鋼)が適用でき、寿命も安定している。また、誘導加熱により加熱するため、短時間で加熱でき、粒界酸化や脱炭などの表面異常層ができない。また、誘導加熱により加熱するため、焼入れ条件やコイル形状を変えて、部分的に非恒温変態部を作ることができるので、熱処理後に曲げ加工が必要な製品にも適用できる。
上記の薄肉部品の製造方法において、薄肉部品が炭素を0.4質量%以上含む中炭素鋼であることにより、十分な硬度を得ることができる。
上記の薄肉部品を用いることにより、寿命や強度の安定した軸受軌道輪およびそれを用いたスラストニードルころ軸受を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
図1および図2は、本発明の一実施の形態における薄肉部品の製造方法を工程順に示す概略断面図である。まず、素材として、所定の組成を有する鋼、たとえば0.4質量%以上の炭素を含む中炭素鋼が準備される。その鋼がたとえば板材の打ち抜きなどの加工を施されて、薄肉部品の一例として軸受軌道輪の形状とされる。なお、本実施の形態において薄肉部品とは、具体的には3mmまでの厚さのものとする。
図1を参照して、軸受軌道輪1が回転テーブル10の断熱材10a上に載置されて、たとえば加熱コイル11により誘導加熱される。この際、軸受軌道輪1は回転テーブル10により回転される。
図2を参照して、所定温度に加熱された軸受軌道輪1は、金型12aと12bとに挟まれ、かつ金型12b上に重り13が載せられる。これにより、軸受軌道輪1が、たとえば2.94N/cm2(0.3kgf/cm2)以上のプレス圧力で、金型12a、12bでプレス(矯正)されながら金型12a、12bを冷却媒体として焼入れ処理または恒温変態処理が施される。つまり、金型12a、12bは、軸受軌道輪1を拘束するとともに、軸受軌道輪1の焼入れにおける焼入れ媒体、または恒温変態における恒温変態媒体となる。
軸受軌道輪1の焼入れ後には、軸受軌道輪1を金型12aと12bとで拘束した状態で焼戻しが施されてもよい。この場合、金型12aと12bは、軸受軌道輪1の焼戻しにおける焼戻し媒体となる。
上記の方法により、均一な硬度分布をもち、表層面に酸化や脱炭などの欠陥がなく、反り・変形も非常に少ない、長寿命の軸受軌道輪1を製造することができる。
このようにして製造された軸受軌道輪1では、エアーやガスを焼入れ媒体として製造された従来の軸受軌道輪と比較して、平面度が低く揃い、かつ硬さも安定している。
なお、軸受軌道輪1に焼入れを施す場合には、金型12a、12bを焼入れ媒体とするために、軸受軌道輪1に比べて金型12a、12bの熱容量を相当程度大きくする方法がある。たとえば、軸受軌道輪1の温度を900℃下げるのに金型12a、12bの温度上昇を5℃以下に抑えるためには、金型12a、12bの熱容量は軸受軌道輪1の熱容量の180倍以上とする必要がある。軸受軌道輪1は上下の金型12aと12bとにより挟まれるため、上下の金型12a、12bのいずれか一方の熱容量は軸受軌道輪1の熱容量の90倍以上とする必要がある。このため、仮に軸受軌道輪1と金型12a、12bとが同じ材質(たとえば鋼)からなり同じ比熱を有する場合には、上下の金型12a、12bのいずれか一方の質量は軸受軌道輪1の質量の90倍以上とする必要がある。
また、短時間であっても加熱・焼入れが空気中で行なわれると薄肉部品が酸化し、酸化膜の形成が生じたり、脱炭によって表面硬度が低下したり、トルースタイトの析出が生じたりする。スラストニードルころ軸受の軌道輪のような熱処理後に機械加工での仕上げ(研磨、超仕上げ)を行なわないものでは、酸化・脱炭を抑える熱処理(焼入れ)が必要であるが、このような熱処理としては雰囲気に不活性ガスを用いることで対応できる。
本実施の形態のように型を冷却媒体とする焼入れまたは恒温変態はピースバイピースの熱処理となるので、従来のように熱処理工程を生産ラインから外す必要がなく、機械加工の生産ラインの中に組み込むことができる。さらに、焼戻しも高周波誘導加熱や金型でプレスしながら高周波加熱(高周波プレステンパ)で行なうと、素材投入から製品完成までの全体をライン化できる利点がある。
処理速度を高めるためには、金型内部やプレス面を絶えず水、油、空気などで冷却しながら焼入れを行なうことで効率のよい連続焼入れが可能である。このため、金型に水、油、空気などの媒体を通す冷却手段を設けることが好ましい。
なお、後述する実施例では厚さ1mmの板材で試験したが、プレス時の圧力を高めれば、金型による冷却速度で焼入れ硬化させるための肉厚は限定されてくるものの、本発明の方法を厚板(厚みが5mm〜6mmの板)にも適用することができる。
また、フランジや鍔などの成型加工は、金型の形状やプレス圧力を制御することで、焼入れ時に同時に行なうことができる。
上記のような方法で製造された軸受軌道輪1を用いて、たとえば図3に示すようなスラストニードルころ軸受を製造することができる。このスラストニードルころ軸受は、1対の軸受軌道輪1と、この1対の軸受軌道輪1間に配置された複数の転動体(ニードルころ)2と、複数の転動体2を転動可能に保持するための保持器3とを有している。
また、上記のような方法で製造された軸受軌道輪1を用いて、たとえば図4に示すようなシェル型ラジアルニードルころ軸受を製造することもできる。このシェル型ラジアルニードルころ軸受は、軸受軌道輪1である円筒状の外輪1と、この外輪1の内周側に配置された保持器付きころ4とを有している。保持器付きころ4は、複数の転動体(ニードルころ)2と、複数の転動体2を転動可能に保持するための保持器3とを有している。なお、外輪1の両端部には、鍔部6、7が設けられているが、この鍔部6、7のいずれか一方または両方がなくてもよい。また、図5に示すように1つの外輪1の内周側に複数(たとえば2つ)の保持器付きころ4が配置されていてもよい。
なお、図4または図5に示す軸受軌道輪1は円筒状の外輪1であるため、この外輪1の焼入れ時に用いる冷却金型は図2の冷却金型12a、12bとは異なる形状、たとえば円筒形状などにする必要がある。
上記においては薄肉部品がスラストニードルころ軸受の軸受軌道輪である場合について説明したが、これに限定されるものではなく、摩耗されるところに用いられるワッシャや、板バネであってもよい。
以下、本発明の実施例について説明する。
素材として、中炭素鋼S53Cを用い、内径60mm、外径85mm、肉厚1mmの外形を有するスラストニードルころ軸受軌道輪(NTN品名:AS1112)を板材からの打ち抜きにより製作した。
高周波誘導加熱装置(80kHz)を用い、上記軌道輪を回転させながら、片幅面に近接した誘導コイルに所定の電流を流して誘導加熱した(図1)。この場合、全体が均一温度(約900℃)になるようにゆっくりと加熱した。その後、軌道輪に比べ相当大きい熱容量を持つ鉄製の上下プレス型中に軌道輪をセットし、直ちにプレスにより所定圧力で押え付けるとともに、プレスによる型冷却で軌道輪を変態硬化させた(図2)。変態硬化時の型温度、型での拘束時間を種々に振り、硬度とミクロ組織との関係を調べた。
表1に、型温度および型による拘束時間(保持時間)と、プレス圧力、反り変形、熱処理後の硬度およびミクロ組織との関係を示す。
また、表1には、高周波加熱後に水焼入れしたサンプルと、全体的に加熱した後に衝風焼入れしたサンプルと、高周波加熱後に空冷したサンプルとの反り変形、熱処理後の硬度およびミクロ組織との関係も併せて示す。
Figure 0004627981
表1の結果より、本発明例のようにプレス圧力を2.94N/cm2(0.3kgf/cm2)としたとき、型温度を250℃以上320℃以下にするとともに、型による拘束時間(保持時間)を30秒以上5分以下にすることにより、恒温変態が生じて下部ベイナイトを有する組織が得られることがわかる。また本発明例の下部ベイナイトを有する組織において、反り変形が19μm以下になるとともに、ビッカース硬度HV685以上になることがわかる。また本発明例の一部においては、焼戻しを行っていないにもかかわらず、焼き戻しを行った際に見られる焼き戻しマルテンサイトと同様の組織が観察された。
また、本発明例のように型温度を30℃、型による拘束時間(保持時間)を1分として連続冷却させた場合には、マルテンサイト変態が生じて焼入れマルテンサイトを有する組織が得られることがわかる。また、このサンプルにおいては、反り変形が20μm、ビッカース硬度HVが750になることがわかる。
以上より、本発明例のすべてのサンプルでは、反り変形が20μm以下になるとともに、ビッカース硬度HV685以上になることがわかる。
一方、比較例のサンプルでは反り変形が20μmより大きくなったり、HV685以上のビッカース硬度が得られない材質であった。
また、これらの軸受軌道輪の代表について、表2の条件で寿命評価を行った結果を表3に示す。
Figure 0004627981
Figure 0004627981
ここで、本発明例の恒温変態の軌道輪はその一部あるいは全体を恒温変態させているので、焼き戻しは行っていない。
本発明例の連続冷却焼入れでマルテンサイト変態させたものは、150℃×120分の焼き戻しを行った。試験は希薄な潤滑条件での試験である。
表3の結果より、本発明例サンプルでは、L10寿命が15.2時間以上と長くなっていることがわかる。また、通常の高周波加熱後に水焼入れした比較例のサンプルでは変形が大きく試験できない精度であった。また、全体加熱後に衝風焼入れした比較例のサンプルではL10寿命が11.9時間と短くなった。また、薄肉部材といえども、高周波加熱後に空冷した比較例のサンプルでは焼入れ硬化していなかった。
上記の結果より、本方法により得られた軌道輪(本発明例)では、比較例よりも反り変形を抑えられ、硬度を高くでき、かつ寿命を長くすることができる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の薄肉部品の製造方法は、スラストニードルころ軸受の軌道輪、薄肉軸受軌道輪のように熱処理時に変形が大きくなり易く、また熱処理後の研磨加工も行なわれない薄肉部品の製造方法に有利に適用される。
本発明の一実施の形態における薄肉部品の製造方法において軸受軌道輪を加熱する工程を示す概略断面図である。 本発明の一実施の形態における薄肉部品の製造方法において軸受軌道輪を焼入れおよび恒温変態のいずれかの処理を施す工程を示す概略断面図である。 本発明の一実施の形態における転がり軸受軌道輪を用いたスラストニードルころ軸受の構成を示す概略断面図である。 本発明の一実施の形態における転がり軸受軌道輪を用いたシェル型ラジアルニードルころ軸受の構成を示す概略断面図である。 外輪内に複数の保持器付きころが配置されたシェル型ラジアルニードルころ軸受の構成を示す概略断面図である。
符号の説明
1 薄肉部品(転がり軸受軌道輪)、2 転動体、3 保持器、4 保持器付きころ、6,7 鍔部、10 回転テーブル、10a 断熱材、11 加熱コイル、12a,12b 金型、13 重り。

Claims (9)

  1. 炭素を0.4質量%以上含む鋼よりなる薄肉軸受軌道輪を加熱した後、金型でプレスしながら前記金型を前記薄肉軸受軌道輪の冷却媒体として型温度を一定に制御の下、前記薄肉軸受軌道輪に焼入れおよび恒温変態のいずれかの処理を施すことで、マルテンサイト組織および下部ベイナイト組織の少なくともいずれかを発生させることを特徴とする、薄肉軸受軌道輪の製造方法。
  2. 前記薄肉軸受軌道輪はスラストニードルころ軸受の軌道輪である、請求項1に記載の薄肉軸受軌道輪の製造方法。
  3. 前記薄肉軸受軌道輪の前記焼入れは、前記金型を焼入れ媒体として行なわれることを特徴とする、請求項1または2に記載の薄肉軸受軌道輪の製造方法。
  4. 前記金型冷却手段を有し、前記金型により前記薄肉軸受軌道輪を連続的に焼入れできることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の薄肉軸受軌道輪の製造方法。
  5. 前記薄肉軸受軌道輪の酸化を防止した雰囲気中で前記薄肉軸受軌道輪を焼入れることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の薄肉軸受軌道輪の製造方法。
  6. 前記薄肉軸受軌道輪を焼入れた後、前記金型を温度制御媒体として前記薄肉軸受軌道輪を焼戻すことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の薄肉軸受軌道輪の製造方法。
  7. 前記薄肉軸受軌道輪を焼入れる工程と、焼戻す工程との双方において前記金型を用いることを特徴とする、請求項6に記載の薄肉軸受軌道輪の製造方法。
  8. 前記薄肉軸受軌道輪を焼入れる工程において、前記金型を用いた前記薄肉軸受軌道輪の成型加工も同時に行なわれることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の薄肉軸受軌道輪の製造方法。
  9. 前記薄肉軸受軌道輪の前記加熱は誘導加熱により行われることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の薄肉軸受軌道輪の製造方法。
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