JP2008089000A - スラストころ軸受の製造方法 - Google Patents
スラストころ軸受の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008089000A JP2008089000A JP2006267236A JP2006267236A JP2008089000A JP 2008089000 A JP2008089000 A JP 2008089000A JP 2006267236 A JP2006267236 A JP 2006267236A JP 2006267236 A JP2006267236 A JP 2006267236A JP 2008089000 A JP2008089000 A JP 2008089000A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- race
- cage
- roller bearing
- thrust roller
- flange
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Mounting Of Bearings Or Others (AREA)
- Rolling Contact Bearings (AREA)
Abstract
【解決手段】複数のころ3を保持した保持器2とレース4とを非分離にし、レース4の外径側に軸方向に沿うフランジ6を設け、このフランジ6の先端側全周に径方向内向きに出張って保持器2の外径側に軸方向で引っ掛かる輪状係止片7を設けてなるスラストころ軸受1を製造する方法であって、フランジ6だけを設けた半完成状態のレース4に複数個のころ3及び保持器2からなる組品を組み合わせ、しかる後にレース4のフランジ6の先端側の全周を曲げ加工して径方向内向きに曲げて輪状係止片7を形成し、その後に前記組品及びレース4全体を硬化熱処理して硬化させ、レース4と前記組品とを非分離としたスラストころ軸受1を製造するようにしたものである。
【選択図】図1
Description
上記レースは、例えば環状板部の外径側または内径側のフランジを屈曲加工して得た半完成状態で、全体を熱処理して硬化させており、この後でフランジの円周方向複数箇所を高周波誘導加熱コイルで局所加熱して、カシメ加工することにより爪を得るようにしている。その後にレースところを保持した保持器とを組み合わせる場合、保持器の外径側または内径側でレースの爪を歪ませて無理組みするものである(例えば、特許文献1参照。)
また、もう一つの従来のスラスト針状ころ軸受は、フランジの円周方向複数箇所に設けている爪の替わりに、フランジの先端側全周に輪状係止片を設けるもので、この場合レースをそのフランジに輪状係止片を形成しない半完成状態としておいて、この半完成状態のレース全体に硬化熱処理を施しておいてから、レースのフランジの先端側を局所加熱して焼き戻しておき、その半完成状態のレースに複数ころおよび保持器からなる組品を組み合わせ、その後にレースのレースの先端側に輪状係止片を曲げ加工するものである(例えば、特許文献2参照。)
また、上記特許文献2に記載の従来のスラストころ軸受では、半完成状態のレース全体に硬化熱処理を施しておいてから、レースのフランジの先端側を局所加熱して焼き戻し、フランジの先端側に輪状係止片を形成する曲げ加工を行わなければならず、工程が増えると共にコストアップとなるものであった。
また、前記組品及びレース全体の硬化熱処理は、真空又は不活性ガスの雰囲気下で行うようにしたものである。
また、前記組品及びレース全体の硬化熱処理を、真空又は不活性ガスの雰囲気下で行うようにしたことにより、前記組品やレース表面に酸化物が形成されないから、これを除去する処理が不要となり、簡単な洗浄だけで済むこととなる。
図1は本発明の実施の形態1のスラストころ軸受を示す断面図、図2は同スラストころ軸受を製造する方法の一例を示す工程図である。
これらの図に示されるように、スラストころ軸受1は、保持器2と複数のころ3と、単一のレース4とを備えている。
保持器2は、一枚の環状板から製作されたものであり、その径方向途中領域の円周方向の複数箇所にころ3を保持する略矩形のポケット2aが設けられている。
レース4は、ころ3の軌道面となる環状板部5の外径側に軸方向に延びるフランジ6が設けられている。そのフランジ6の先端側全周に径方向内向きに出張る輪状係止片7が設けられている。
そのレース4の輪状係止片7の内径寸法は、保持器2の外径寸法より小さく設定されており、これによって輪状係止片7と保持器2とが軸方向で干渉するので、レース4と複数個のころ3及び保持器2からなる組品とが非分離となる。
特に、輪状係止片7をレース4のフランジ6の先端側に連続して設けているので、輪状係止片7が変形しない限りは上記組品が外れて抜け出ることを確実に阻止できる。
まず、図2の(a)に示すように、フランジ6だけを設けた半完成状態のレース4を用意する。このレース4の基材としては、例えば機械構造用炭素鋼材(SC材)等の中炭素鋼を用いる。この段階では、レース4のフランジ6は熱処理により硬化されていないので、軟質である。
その保持器2は低炭素鋼で形成され、ころ3は高炭素クロム軸受鋼等の軸受鋼で形成されている。この段階では、レース4はそのフランジ6が立ち上がっているだけであるから、上記組品を簡単に組み合わせることができる。
しかる後に、図2の(c)に示すように、レース4のフランジ6の先端側の全周を径方向内向きに曲げて輪状係止片7を形成する。輪状係止片7が形成されることで、レース4と上記組品は非分離となる。
このように硬化していないフランジ6の先端を曲げることで輪状係止片7を形成するので、その曲げ加工は簡単に行える。
なお、上記輪状係止片7を形成する場合、半完成状態のレース4のフランジ6の先端側を押し金型を用いて曲げ加工して輪状係止片7を形成する。
この硬化熱処理は、大気中の雰囲気下で普通焼き入れや浸炭焼き入れ等によって行うが、保持器2が0.2%C以下の低炭素鋼、レース4が中炭素鋼、ころ3が高炭素クロム軸受鋼の場合に普通焼き入れを行い、保持器2が0.1%C以下の低炭素鋼、レース4が中炭素鋼、ころ3が軸受鋼の場合に浸炭焼き入れを行う。
なお、真空又は不活性ガスの雰囲気下で硬化熱処理を行うと、前記と同様に、簡単な洗浄だけで済むこととなる。
ところで、レース4及び組品に対する硬化熱処理は、普通焼き入れ、浸炭焼き入れに限定されず、浸炭窒化焼き入れの他、高周波誘導加熱コイルを用いる方法などですることができる。
図3は本発明の実施の形態2のスラストころ軸受を製造する方法の一例を示す工程図である。
この実施の形態2のスラストころ軸受を製造する方法によって製造されるスラストころ軸受の構造は、実施の形態1のスラストころ軸受を製造する方法によって製造されるスラストころ軸受と同様なので、構造の説明は省略する。
そこで、バレルや洗浄を容易に行えるようにしたのが、実施の形態2のスラストころ軸受を製造する方法である。
まず、図3の(a)に示すように、フランジ6だけを設けた半完成状態のレース4を用意する。
次に、この半完成状態のレース4に、図2の(b)に示すように、保持器2だけを組み合わせる。
しかる後に、図2の(c)に示すように、レース4のフランジ6の先端側の全周を径方向内向きに曲げて輪状係止片7を形成する。輪状係止片7が形成されることで、レース4と上記組品は非分離となる。
このように硬化していないフランジ6の先端を曲げることで輪状係止片7を形成するので、その曲げ加工は簡単に行える。
その後、硬化熱処理により硬化した保持器2を組み込んだレース4に対してショットブラストによるバレル作業を行って硬化熱処理により発生したスケールや挟雑物をできるだけ除去する。この段階では、レース4には組み込まれているのは保持器2だけであるので、バレル作業によるスケールや挟雑物の除去を容易に行うことができる。
最後に、図3の(d)に示すように、洗浄されたレース4に組み込まれている保持器2に複数個のころ3を入れることにより、レース4と上記組品とを非分離としたスラストころ軸受の製造が完了する。
Claims (3)
- 複数のころを保持した保持器とレースとを非分離にし、前記レースの外径側に軸方向に沿うフランジを設け、このフランジの先端側全周に径方向内向きに出張って前記保持器の外径側に軸方向で引っ掛かる輪状係止片を設けてなるスラストころ軸受を製造する方法であって、
前記フランジだけを設けた半完成状態のレースに複数個のころ及び保持器からなる組品を組み合わせ、しかる後に前記レースのフランジの先端側の全周を曲げ加工して径方向内向きに曲げて輪状係止片を形成し、その後に前記組品及びレース全体を硬化熱処理して硬化させ、前記レースと前記組品とを非分離としたスラストころ軸受を製造することを特徴とするスラストころ軸受の製造方法。 - 前記組品及びレース全体の硬化熱処理は、真空又は不活性ガスの雰囲気下で行われることを特徴とする請求項1記載のスラストころ軸受の製造方法。
- 複数のころを保持した保持器とレースとを非分離にし、前記レースの外径側に軸方向に沿うフランジを設け、このフランジの先端側全周に径方向内向きに出張って前記保持器の外径側に軸方向で引っ掛かる輪状係止片を設けてなるスラストころ軸受を製造する方法であって、
前記フランジだけを設けた半完成状態のレースに保持器を組み合わせ、しかる後に前記レースのフランジの先端側の全周を曲げ加工して径方向内向きに曲げて輪状係止片を形成し、その後に保持器を組み込んだレース全体を硬化熱処理して硬化させ、その後保持器を組み込んだレースに対してバレル作業を行った後、保持器を組み込んだレースに対して洗浄作業を行い、その後にレースに組み込まれている保持器に複数個のころを入れ、前記レースと前記ころを有する保持器とを非分離としたスラストころ軸受を製造することを特徴とするスラストころ軸受の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006267236A JP2008089000A (ja) | 2006-09-29 | 2006-09-29 | スラストころ軸受の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006267236A JP2008089000A (ja) | 2006-09-29 | 2006-09-29 | スラストころ軸受の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008089000A true JP2008089000A (ja) | 2008-04-17 |
Family
ID=39373378
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006267236A Pending JP2008089000A (ja) | 2006-09-29 | 2006-09-29 | スラストころ軸受の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008089000A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014005918A (ja) * | 2012-06-27 | 2014-01-16 | Ntn Corp | シェル形ころ軸受、およびシェル形ころ軸受の製造方法 |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10237620A (ja) * | 1997-02-20 | 1998-09-08 | Ntn Corp | シェル型針状ころ軸受の製造方法 |
JP2002303329A (ja) * | 2001-04-06 | 2002-10-18 | Ntn Corp | 転がり軸受とその製造方法並びにロール支持構造 |
JP2003172346A (ja) * | 2001-09-27 | 2003-06-20 | Nsk Ltd | ニードル軸受 |
JP2003254327A (ja) * | 2002-03-04 | 2003-09-10 | Ntn Corp | スラスト軸受 |
JP2004028208A (ja) * | 2002-06-25 | 2004-01-29 | Nsk Ltd | シェル型ころ軸受の製造方法 |
JP2005169475A (ja) * | 2003-12-12 | 2005-06-30 | Ntn Corp | 薄肉部品の製造方法、軸受軌道輪およびスラストニードルころ軸受 |
-
2006
- 2006-09-29 JP JP2006267236A patent/JP2008089000A/ja active Pending
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10237620A (ja) * | 1997-02-20 | 1998-09-08 | Ntn Corp | シェル型針状ころ軸受の製造方法 |
JP2002303329A (ja) * | 2001-04-06 | 2002-10-18 | Ntn Corp | 転がり軸受とその製造方法並びにロール支持構造 |
JP2003172346A (ja) * | 2001-09-27 | 2003-06-20 | Nsk Ltd | ニードル軸受 |
JP2003254327A (ja) * | 2002-03-04 | 2003-09-10 | Ntn Corp | スラスト軸受 |
JP2004028208A (ja) * | 2002-06-25 | 2004-01-29 | Nsk Ltd | シェル型ころ軸受の製造方法 |
JP2005169475A (ja) * | 2003-12-12 | 2005-06-30 | Ntn Corp | 薄肉部品の製造方法、軸受軌道輪およびスラストニードルころ軸受 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014005918A (ja) * | 2012-06-27 | 2014-01-16 | Ntn Corp | シェル形ころ軸受、およびシェル形ころ軸受の製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20090257701A1 (en) | Process for manufacturing rolling contact member, process for manufacturing rolling bearing, raceway member of rolling bearing and rolling bearing | |
JP2005042879A (ja) | 鋼板製軌道輪付きころ軸受 | |
WO2015076192A1 (ja) | 複列形保持器付き針状ころ軸受 | |
JP3073937B2 (ja) | シェル型針状ころ軸受の製造方法 | |
US20060023986A1 (en) | Thrust roller bearing and method of manufacturing the same | |
JPH1046318A (ja) | シェル型針状ころ軸受 | |
JP2008089000A (ja) | スラストころ軸受の製造方法 | |
JP2014088928A (ja) | 円すいころ軸受の組立方法 | |
JP4935536B2 (ja) | 複列ころ軸受 | |
JP2002139067A (ja) | シェル形針状ころ軸受の製造方法 | |
JP4143757B2 (ja) | シェル型ころ軸受の製造方法 | |
JP5050587B2 (ja) | 車輪支持用転がり軸受装置 | |
JP2002089550A (ja) | シェル形針状ころ軸受 | |
JP2008095876A (ja) | スラストころ軸受及びその製造方法 | |
JP2012013210A5 (ja) | ||
JP2008088995A (ja) | スラストころ軸受用軌道輪の製造方法およびスラストころ軸受の軌道輪形成用リング部材 | |
JP2010209965A (ja) | 転がり軸受用保持器 | |
JP2010013039A (ja) | 車輪支持用転がり軸受ユニット及びその製造方法 | |
JP4627751B2 (ja) | 外輪部材の製造装置および外輪部材の製造方法 | |
JP2006153188A (ja) | 車輪支持用転がり軸受装置 | |
JP2007120714A (ja) | 車輪支持用転がり軸受ユニット | |
JP2004197761A (ja) | シェル形ころ軸受 | |
JP2008240965A (ja) | シェル形ころ軸受 | |
JP4627750B2 (ja) | ころ軸受 | |
JP2008281016A (ja) | スラストころ軸受及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090825 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100610 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100629 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100827 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100914 |