JP2008095876A - スラストころ軸受及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】レースのフランジ先端に設けられる係止爪の爪出し量をアップさせても、レースのフランジ高さのアップを抑えることができ、空間容積的な問題を生じさせることがなく、破断のおそれもないスラストころ軸受を得ることを目的とする。
【解決手段】複数のころ3を保持した保持器2とレース4とを非分離にしてなるスラストころ軸受であって、レース4は、ころ3の軌道面となる環状板部5の外径側に軸方向に沿うフランジ6を設け、そのフランジ6の先端側の円周方向複数箇所に、パンチ11のプレス加工によって環状板部寄りへ出張って保持器2の外径側に軸方向で引っ掛かる半リング状の係止片7をそれぞれ設けるようにしたものである。
【選択図】図1
【解決手段】複数のころ3を保持した保持器2とレース4とを非分離にしてなるスラストころ軸受であって、レース4は、ころ3の軌道面となる環状板部5の外径側に軸方向に沿うフランジ6を設け、そのフランジ6の先端側の円周方向複数箇所に、パンチ11のプレス加工によって環状板部寄りへ出張って保持器2の外径側に軸方向で引っ掛かる半リング状の係止片7をそれぞれ設けるようにしたものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、複数のころを保持した保持器とレースとを非分離にしたスラストころ軸受及びその製造方法に関する。
従来のスラスト針状ころ軸受は、保持器とレースとが非分離とした一体型にするために、レースの外径側に沿うフランジを設けるとともに、このフランジの先端の円周方向複数箇所に保持器の外径側軸方向で引っ掛かる径方向内向きの爪を設けるようにしている。
(例えば、特許文献1参照。)
実開平6−28338号公報(第1頁、図2)
(例えば、特許文献1参照。)
しかしながら、従来のスラスト針状ころ軸受では、レースのフランジ先端の円周方向複数箇所に設けられる径方向内向きの爪は一般にカシメ加工することにより得るようにしている。
そして、保持器とレースとの分離を防止することを前提に、使用用途により軸受内部の隙間(径方向のガタ)をアップする目的等でレースのフランジ先端に設けられる爪の爪出し量(フランジの内周面からの径方向への出張り量)をアップさせる場合があるが、爪の爪出し量をアップさせた場合は充分な強度を持たせるための加工基準により爪出し代(軸方向の爪の厚さ)もアップさせなければならない。
従って、爪出し代のアップ分だけレースのフランジ高さもアップすることになり、相手部品である軸又はハウジングにぶつかってしまうという空間容積的に困難な問題が生じていた。
また、レースのフランジ先端に設けられる爪の爪出し量をアップさせると、爪の肉が薄くなり、ちぎれて破断するおそれがあるという問題もあった。
そして、保持器とレースとの分離を防止することを前提に、使用用途により軸受内部の隙間(径方向のガタ)をアップする目的等でレースのフランジ先端に設けられる爪の爪出し量(フランジの内周面からの径方向への出張り量)をアップさせる場合があるが、爪の爪出し量をアップさせた場合は充分な強度を持たせるための加工基準により爪出し代(軸方向の爪の厚さ)もアップさせなければならない。
従って、爪出し代のアップ分だけレースのフランジ高さもアップすることになり、相手部品である軸又はハウジングにぶつかってしまうという空間容積的に困難な問題が生じていた。
また、レースのフランジ先端に設けられる爪の爪出し量をアップさせると、爪の肉が薄くなり、ちぎれて破断するおそれがあるという問題もあった。
本発明はかかる問題点を解決するためになされたもので、レースのフランジ先端に設けられる係止爪の爪出し量をアップさせても、レースのフランジ高さのアップを抑えることができ、空間容積的な問題を生じさせることがなく、破断のおそれもないスラストころ軸受を得ることを目的とする。
本発明に係るスラストころ軸受は、複数のころを保持した保持器と少なくとも一つのレースとを非分離にしてなるスラストころ軸受であって、前記レースは、ころの軌道面となる環状板部の外径側または内径側に軸方向に沿うフランジを設け、該フランジの先端側の円周方向複数箇所に、パンチのプレス加工によって前記環状板部寄りへ出張って前記保持器の外径側または内径側に軸方向で引っ掛かる半リング状の係止片をそれぞれ設けたものである。
また、本発明に係るスラストころ軸受を製造する方法は、複数のころを保持した保持器と少なくとも一つのレースとを非分離にし、前記レースは、ころの軌道面となる環状板部の外径側または内径側に軸方向に沿うフランジを設け、このフランジの先端側の円周方向複数箇所に、前記環状板部寄りへ出張って前記保持器の外径側または内径側に軸方向で引っ掛かる半リング状の係止片をそれぞれ設けてなるスラストころ軸受を製造する方法であって、前記レースの環状板部にフランジを曲げ形成した後に、前記レースの内周面と前記フランジの内周面の下部に押当するよう中子をセットし、しかる後に前記フランジの外周面の上部である先端側の側方にセットしたパンチで前記フランジの外周面の先端側を外径側から径方向内向きに加圧するようプレス加工して半リング状の係止爪を形成し、前記レースに複数個のころ及び保持器からなる組品を組み合わせて前記レースと前記組品とを非分離とするものである。
また、前記レースの環状板部のみに硬化熱処理を施した半完成状態とし、前記レースのフランジに前記半リング状の係止爪を形成するようにしている。
さらに、前記レース全体に硬化熱処理を施し、その後に前記レースの焼鈍加工をしたフランジに、前記半リング状の係止爪を形成するようにしている。
また、前記レースと前記組品とを非分離とした後に、少なくとも前記レースのフランジに硬化熱処理を施すようにしている。
また、本発明に係るスラストころ軸受を製造する方法は、複数のころを保持した保持器と少なくとも一つのレースとを非分離にし、前記レースは、ころの軌道面となる環状板部の外径側または内径側に軸方向に沿うフランジを設け、このフランジの先端側の円周方向複数箇所に、前記環状板部寄りへ出張って前記保持器の外径側または内径側に軸方向で引っ掛かる半リング状の係止片をそれぞれ設けてなるスラストころ軸受を製造する方法であって、前記レースの環状板部にフランジを曲げ形成した後に、前記レースの内周面と前記フランジの内周面の下部に押当するよう中子をセットし、しかる後に前記フランジの外周面の上部である先端側の側方にセットしたパンチで前記フランジの外周面の先端側を外径側から径方向内向きに加圧するようプレス加工して半リング状の係止爪を形成し、前記レースに複数個のころ及び保持器からなる組品を組み合わせて前記レースと前記組品とを非分離とするものである。
また、前記レースの環状板部のみに硬化熱処理を施した半完成状態とし、前記レースのフランジに前記半リング状の係止爪を形成するようにしている。
さらに、前記レース全体に硬化熱処理を施し、その後に前記レースの焼鈍加工をしたフランジに、前記半リング状の係止爪を形成するようにしている。
また、前記レースと前記組品とを非分離とした後に、少なくとも前記レースのフランジに硬化熱処理を施すようにしている。
以上説明したとおり本発明のスラスト針状ころ軸受及びその製造方法によれば、レースは、ころの軌道面となる環状板部の外径側または内径側に軸方向に沿うフランジを設け、該フランジの先端側の円周方向複数箇所にそれぞれ設けられる半リング状の係止爪は、パンチのプレス加工により、パンチで加圧された部分がフランジの下部と切り離されて環状板部寄りに出張って曲げられて形成されるので、フランジ高さは変わらず、半リング状の係止爪の出張り量をアップさせてもフランジ高さをそのままに抑えることができ、スラストころ軸受の省スペース化を図ることができるという効果がある。
また、レースのフランジの先端側に形成される半リング状の係止爪の出張り量をアップさせることにより、フランジの内周面と保持器の外周面との隙間を大きくすることができ、軸とケーシングとの偏心量が大きくてもスラストころ軸受として使用できるという効果がある。
また、レースのフランジの先端側に形成される半リング状の係止爪の出張り量をアップさせることにより、フランジの内周面と保持器の外周面との隙間を大きくすることができ、軸とケーシングとの偏心量が大きくてもスラストころ軸受として使用できるという効果がある。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1のスラストころ軸受の半分を示す断面図、図2は同スラストころ軸受の要部を示す斜視図、図3は同スラストころ軸受の要部を示す平面図、図4は同スラストころ軸受を製造する方法の一例を示す工程図である。
これらの図に示されるように、スラストころ軸受1は、保持器2と複数のころ3と、単一のレース4とを備えている。
保持器2は、一枚の環状板から製作されたものであり、その径方向途中領域の円周方向の複数箇所にころ3を保持する略矩形のポケット2aが設けられている。
図1は本発明の実施の形態1のスラストころ軸受の半分を示す断面図、図2は同スラストころ軸受の要部を示す斜視図、図3は同スラストころ軸受の要部を示す平面図、図4は同スラストころ軸受を製造する方法の一例を示す工程図である。
これらの図に示されるように、スラストころ軸受1は、保持器2と複数のころ3と、単一のレース4とを備えている。
保持器2は、一枚の環状板から製作されたものであり、その径方向途中領域の円周方向の複数箇所にころ3を保持する略矩形のポケット2aが設けられている。
ころ3は、その端面の形状が平面形と呼ばれるタイプであるが、端面の形状が球面形状となったものでもよい。
レース4は、ころ3の軌道面となる環状板部5の外径側に軸方向に延びるフランジ6が設けられている。そのフランジ6の先端側の円周方向複数箇所に径方向内向きの半リング状の係止爪7が設けられている。
そのレース4のフランジ6に複数設けられた半リング状の係止爪7の内径寸法は、保持器2の外径寸法より小さく設定されており、これによって複数の係止爪7と保持器2とが軸方向で干渉するので、レース4と複数個のころ3及び保持器2からなる組品とが非分離となる。
レース4は、ころ3の軌道面となる環状板部5の外径側に軸方向に延びるフランジ6が設けられている。そのフランジ6の先端側の円周方向複数箇所に径方向内向きの半リング状の係止爪7が設けられている。
そのレース4のフランジ6に複数設けられた半リング状の係止爪7の内径寸法は、保持器2の外径寸法より小さく設定されており、これによって複数の係止爪7と保持器2とが軸方向で干渉するので、レース4と複数個のころ3及び保持器2からなる組品とが非分離となる。
次に、本発明の実施の形態1のレースのフランジ先端側に複数の係止爪を有するスラストころ軸受を製造する方法について説明する。
まず、フランジ6だけを設けた半完成状態のレース4を用意する。
このレース4の基材としては、例えば機械構造用炭素鋼材(SC材)、工具鋼(SK材)等がある。このレース4の環状板部5のみを高周波誘導加熱コイルで局所的に熱処理して硬化させる。
この段階では、レース4のフランジ6は熱処理により硬化されていないので、環状板部5より軟質になっている。
まず、フランジ6だけを設けた半完成状態のレース4を用意する。
このレース4の基材としては、例えば機械構造用炭素鋼材(SC材)、工具鋼(SK材)等がある。このレース4の環状板部5のみを高周波誘導加熱コイルで局所的に熱処理して硬化させる。
この段階では、レース4のフランジ6は熱処理により硬化されていないので、環状板部5より軟質になっている。
次に、レース4のフランジ6の先端側に半リング状の係止爪7を形成する工程について図4に基づいて説明する。
図4の(a)に示すように、環状板部5のみを高周波誘導加熱コイルで局所的に熱処理して硬化させたレース4を用意し、図4の(b)に示すように、用意したレース4の内周面とフランジ6の内周面の下部に押当するよう中子10をセットすると共に、フランジ6の外周面の上部である先端側の側方にパンチ11をセットする。
しかる後に、図4の(c)に示すように、フランジ6の外周面の先端側を外径側から径方向内向きに加圧するパンチ11でプレス加工すると、フランジ6の先端側外周面のパンチ11で加圧された部分がフランジ6の下部と切り離されて径方向内向きに曲げられ、図2及び図3に示すような半リング状の係止爪7が形成される。このとき、半リング状の係止爪7の内側にはフランジ6の下部と切り離されたために空間8が形成される。
図4の(a)に示すように、環状板部5のみを高周波誘導加熱コイルで局所的に熱処理して硬化させたレース4を用意し、図4の(b)に示すように、用意したレース4の内周面とフランジ6の内周面の下部に押当するよう中子10をセットすると共に、フランジ6の外周面の上部である先端側の側方にパンチ11をセットする。
しかる後に、図4の(c)に示すように、フランジ6の外周面の先端側を外径側から径方向内向きに加圧するパンチ11でプレス加工すると、フランジ6の先端側外周面のパンチ11で加圧された部分がフランジ6の下部と切り離されて径方向内向きに曲げられ、図2及び図3に示すような半リング状の係止爪7が形成される。このとき、半リング状の係止爪7の内側にはフランジ6の下部と切り離されたために空間8が形成される。
こうして、フランジ6の先端側の円周方向複数箇所に半リング状の係止爪7が形成された後は、セットされた中子10とパンチ11を取り外すことにより、図4の(d)に示すように、フランジ6の先端側に係止爪7を設けたレース4が形成される。
以上と同じ手順で、レース4のフランジ6の先端側の円周方向複数箇所に径方向内向きの半リング状の係止爪7を設ける。
この場合、半リング状の係止爪7は、パンチ11によるプレス加工により、パンチ11で加圧された部分がフランジ6の下部と切り離されて径方向内向きに曲げられて形成されるので、フランジ高さは変わらず、半リング状の係止爪7の出張り量をアップさせてもフランジ高さをそのままに抑えることができるという利点がある。
以上と同じ手順で、レース4のフランジ6の先端側の円周方向複数箇所に径方向内向きの半リング状の係止爪7を設ける。
この場合、半リング状の係止爪7は、パンチ11によるプレス加工により、パンチ11で加圧された部分がフランジ6の下部と切り離されて径方向内向きに曲げられて形成されるので、フランジ高さは変わらず、半リング状の係止爪7の出張り量をアップさせてもフランジ高さをそのままに抑えることができるという利点がある。
フランジ6の先端側に半リング状の係止爪7が設けられたレース4に複数個のころ3および保持器2からなる組品を無理嵌めして組み合わせた後、半リング状の係止爪7を有するフランジ6と組品に高周波誘導加熱コイルで局所的に熱処理して硬化させることにより、レース4と上記組品とを非分離としたスラストころ軸受の製造が完了する。
なお、以上の説明は、環状板部5のみを高周波誘導加熱コイルで局所的に熱処理して硬化させたレース4のフランジ6に半リング状の係止爪7を形成する例であるが、レース4全体を熱処理し、その後にレース4のフランジ6を焼鈍し、焼鈍したフランジ6の先端側に半リング状の係止爪7を設けるようにしてもよい。
なお、以上の説明は、環状板部5のみを高周波誘導加熱コイルで局所的に熱処理して硬化させたレース4のフランジ6に半リング状の係止爪7を形成する例であるが、レース4全体を熱処理し、その後にレース4のフランジ6を焼鈍し、焼鈍したフランジ6の先端側に半リング状の係止爪7を設けるようにしてもよい。
さらには、熱処理をしない軟質のレース4のフランジ6に半リング状の係止爪7を形成し、そのレース4に複数個のころ3および保持器2からなる組品を無理嵌めして組み合わせた後、そのレース4全体と組品に熱処理して硬化させてレース4と上記組品とを非分離としたスラストころ軸受を製造するようにしてもよい。あるいは、レース4の熱処理前にフランジ6や係止爪7を形成し、その後に全体を熱処理してもよい。
ところで、レース4及び組品に対する硬化熱処理は、高周波誘導加熱コイルを用いる方法に限定されず、普通焼き入れ、浸炭焼き入れ、浸炭窒化焼き入れなどとすることができる。
ところで、レース4及び組品に対する硬化熱処理は、高周波誘導加熱コイルを用いる方法に限定されず、普通焼き入れ、浸炭焼き入れ、浸炭窒化焼き入れなどとすることができる。
以上説明したように、本発明の実施の形態1によれば、レース4のフランジ6の先端側の円周方向複数箇所に設けられる半リング状の係止爪7は、パンチ11のプレス加工により、パンチ11で加圧された部分がフランジ6の下部と切り離されて径方向内向きに曲げられて形成されるので、フランジ高さは変わらず、半リング状の係止爪7の出張り量をアップさせてもフランジ高さをそのままに抑えることができ、スラストころ軸受の省スペース化を図ることができる。
また、レース4のフランジ6の先端側に形成される半リング状の爪7の出張り量をアップさせることにより、フランジ6の内周面と保持器2の外周面との隙間を大きくすることができ、軸とケーシングとの偏心量が大きくてもスラストころ軸受として使用することができる。
また、レース4のフランジ6の先端側に形成される半リング状の爪7の出張り量をアップさせることにより、フランジ6の内周面と保持器2の外周面との隙間を大きくすることができ、軸とケーシングとの偏心量が大きくてもスラストころ軸受として使用することができる。
実施の形態2.
図5は本発明の実施の形態2のスラストころ軸受の半分を示す断面図、図6は同スラストころ軸受の要部を示す斜視図である。
図5、図6に示す本発明の実施の形態2において、本発明の実施の形態1と同様の構成は同一符号を付して重複した構成の説明を省略する。
この実施の形態2も、実施の形態1と同様に、レース4のフランジ6の先端側の円周方向複数箇所に半リング状の係止爪7を中子10とパンチ11を用いてプレス加工により設けるものであるが、この実施の形態2では、レース4のフランジ6の先端側で半リング状の係止爪7を設ける位置の下方部分に予め開口9を設けておき、フランジ6の開口9の上方部分に中子10とパンチ11を用いてプレス加工により半リング状の係止爪7を形成するようにしたものである。
図5は本発明の実施の形態2のスラストころ軸受の半分を示す断面図、図6は同スラストころ軸受の要部を示す斜視図である。
図5、図6に示す本発明の実施の形態2において、本発明の実施の形態1と同様の構成は同一符号を付して重複した構成の説明を省略する。
この実施の形態2も、実施の形態1と同様に、レース4のフランジ6の先端側の円周方向複数箇所に半リング状の係止爪7を中子10とパンチ11を用いてプレス加工により設けるものであるが、この実施の形態2では、レース4のフランジ6の先端側で半リング状の係止爪7を設ける位置の下方部分に予め開口9を設けておき、フランジ6の開口9の上方部分に中子10とパンチ11を用いてプレス加工により半リング状の係止爪7を形成するようにしたものである。
この実施の形態2によれば、レース4のフランジ6の先端側で半リング状の係止爪7を設ける位置の下方部分に予め開口9を設けておき、フランジ6の開口9の上方部分に中子10とパンチ11を用いてプレス加工により半リング状の係止爪7を形成するようにしたので、パンチ11で加圧される部分が開口9があることによってその部分だけとなるため、実施の形態1の場合に比べてより簡単に曲げられることとなる。
実施の形態3.
図7は本発明の実施の形態3のスラストころ軸受の半分を示す断面図である。
この実施の形態3に係るスラストころ軸受1は、環状板部15の内径側にフランジ16を設けたレース14を用いている。
このレース14は、フランジ16の先端側の円周方向複数箇所に径方向外向きに出張る半リング状の係止爪17を有している。なお、保持器2については、その内径側がレース5の半リング状の係止爪17に軸方向で引っ掛かるようになっている。
図7は本発明の実施の形態3のスラストころ軸受の半分を示す断面図である。
この実施の形態3に係るスラストころ軸受1は、環状板部15の内径側にフランジ16を設けたレース14を用いている。
このレース14は、フランジ16の先端側の円周方向複数箇所に径方向外向きに出張る半リング状の係止爪17を有している。なお、保持器2については、その内径側がレース5の半リング状の係止爪17に軸方向で引っ掛かるようになっている。
上記実施の形態1〜3において、レースのフランジの先端側の円周方向複数箇所に半リング状の係止爪を中子とパンチを用いてプレス加工により形成しているが、半リング状の係止爪の出張り量をアップさせる場合に、係止爪が破断しないようにするために、パンチのR形状を大きくとる必要がある。
また、上記実施の形態1〜3は、いずれも保持器2は一枚物としているが、一枚物でなく、図示しないが、一般的に知られている二つの環状板を組み合わせた構成のものとしてもよいことは勿論である。
また、上記実施の形態1〜3は、いずれも保持器2は一枚物としているが、一枚物でなく、図示しないが、一般的に知られている二つの環状板を組み合わせた構成のものとしてもよいことは勿論である。
1 スラストころ軸受、2 保持器、2a ポケット、3 ころ、4 レース、5 環状板部、6 フランジ、7 係止爪。
Claims (5)
- 複数のころを保持した保持器と少なくとも一つのレースとを非分離にしてなるスラストころ軸受であって、
前記レースは、ころの軌道面となる環状板部の外径側または内径側に軸方向に沿うフランジを設け、該フランジの先端側の円周方向複数箇所に、パンチのプレス加工によって前記環状板部寄りへ出張って前記保持器の外径側または内径側に軸方向で引っ掛かる半リング状の係止片をそれぞれ設けたことを特徴とするスラストころ軸受。 - 複数のころを保持した保持器と少なくとも一つのレースとを非分離にし、前記レースは、ころの軌道面となる環状板部の外径側または内径側に軸方向に沿うフランジを設け、このフランジの先端側の円周方向複数箇所に、前記環状板部寄りへ出張って前記保持器の外径側または内径側に軸方向で引っ掛かる半リング状の係止片をそれぞれ設けてなるスラストころ軸受を製造する方法であって、
前記レースの環状板部にフランジを曲げ形成した後に、前記レースの内周面と前記フランジの内周面の下部に押当するよう中子をセットし、しかる後に前記フランジの外周面の上部である先端側の側方にセットしたパンチで前記フランジの外周面の先端側を外径側から径方向内向きに加圧するようプレス加工して半リング状の係止爪を形成し、
前記レースに複数個のころ及び保持器からなる組品を組み合わせて前記レースと前記組品とを非分離とすることを特徴とするスラストころ軸受の製造方法。 - 前記レースの環状板部のみに硬化熱処理を施した半完成状態とし、前記レースのフランジに前記半リング状の係止爪を形成したことを特徴とする請求項2記載のスラストころ軸受の製造方法。
- 前記レース全体に硬化熱処理を施し、その後に前記レースの焼鈍加工をしたフランジに、前記半リング状の係止爪を形成したことを特徴とする請求項2記載のスラストころ軸受の製造方法。
- 前記レースと前記組品とを非分離とした後に、少なくとも前記レースのフランジに硬化熱処理を施したことを特徴とする請求項3又は4に記載のスラストころ軸受の製造方法。
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