JP2008232280A - スラストころ軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】 振動や衝撃等が作用しても、保持器と軌道輪とが分離しないスラストころ軸受の提供である。
【解決手段】 有底円筒状の軌道輪3の周壁部7の上端面9にラジアル方向Rに一対の切れ目12を設けると共に、一対の切れ目12の終端部から周方向Qに沿って切れ目13を設け、これらの各切れ目12,13によって区画形成された部分をアキシャル方向Pに深さHだけ切り込んで舌片14を形成する。この舌片14を、引起し基端部16を支点としてラジアル方向Rの内側に向かって引き起して形成された抜け防止部8を弾性変形させて、軌道輪3の周壁部7の内側部分に各針状ころ1が配置された保持器2を収容させる。弾性復元した抜け防止部8の先端部8aが、保持器2の外周面2aの上方に配置されるため、保持器2が軌道輪3の開口から抜け出ることはない。
【選択図】 図2
【解決手段】 有底円筒状の軌道輪3の周壁部7の上端面9にラジアル方向Rに一対の切れ目12を設けると共に、一対の切れ目12の終端部から周方向Qに沿って切れ目13を設け、これらの各切れ目12,13によって区画形成された部分をアキシャル方向Pに深さHだけ切り込んで舌片14を形成する。この舌片14を、引起し基端部16を支点としてラジアル方向Rの内側に向かって引き起して形成された抜け防止部8を弾性変形させて、軌道輪3の周壁部7の内側部分に各針状ころ1が配置された保持器2を収容させる。弾性復元した抜け防止部8の先端部8aが、保持器2の外周面2aの上方に配置されるため、保持器2が軌道輪3の開口から抜け出ることはない。
【選択図】 図2
Description
本発明は、スラストころ軸受に関するものである。
スラストころ軸受は、自転軸線が放射状に配置された複数個の転動体(ころ)を回転自在に保持する保持器と、有底円筒形状で、底面部に保持器に保持された各転動体を受け止める軌道面が形成された円板状の軌道輪とを備えている。
車両(自動車)のトランスミッション部等に使用されるスラストころ軸受には、ハウジングやシャフトへの組付けの利便性を考慮して、各ころが配置されている保持器と軌道輪とが外れないように一体としたもの(「非分離型」と称されている)が存している。図9に示されるように、従来の非分離型のスラストころ軸受50では、軌道輪51の周壁部の複数箇所がラジアル方向の内側に向かってかしめられていて、各かしめ部52が形成されている。そして、保持器52の外周縁部をかしめ部52に当接させて弾性変形させることにより、軌道輪51に保持器53を圧入させている。上記した技術として、特許文献1又は2に開示されるものが存している。なお、軌道輪51の周壁部にかしめ部52を形成する加工方法は、「ステーキング」と称されている。
しかし、搬送中の振動や衝撃等により、軌道輪51と保持器53とが分離してしまう場合がある。これにより、車両の組付け工程に不具合が発生してしまう。
特開平5−180218号公報
特開2002−98156号公報
本発明は、上記した不具合に鑑み、スラストころ軸受に振動や衝撃等が作用しても、保持器と軌道輪とが分離しないようにすることを課題としている。
上記課題を達成するための第1の発明は、
自転軸線が放射状に配置された複数個の転動体を保持する保持器と、
有底円筒形状を有し、周壁部の内側に前記保持器を収容すると共に、底壁部の内面に形成された軌道面で前記複数個の転動体を受け止める円板状の軌道輪とを備えるスラストころ軸受であって、
前記軌道輪の周壁部におけるその周方向又はその接線方向の一部で、前記周壁部の内壁面からその厚み方向に、前記周壁部の全厚さよりも小さい厚さを有するように、かつ前記周壁部の先端面から同方向に、前記周壁部の全高さよりも小さい深さを有するように区画形成された部分が、当該部分のアキシャル方向の終端部に設けられた引き起し基端部を支点として、ラジアル方向の内側に引き起されることによって抜け防止部が形成され、
前記抜け防止部の先端が、前記軌道輪の軸線方向から見て前記保持器の外周縁よりも内側に位置することにより、前記各転動体が保持された前記保持器が、前記軌道輪の開口から抜け出ることを防止したことを特徴としている。
自転軸線が放射状に配置された複数個の転動体を保持する保持器と、
有底円筒形状を有し、周壁部の内側に前記保持器を収容すると共に、底壁部の内面に形成された軌道面で前記複数個の転動体を受け止める円板状の軌道輪とを備えるスラストころ軸受であって、
前記軌道輪の周壁部におけるその周方向又はその接線方向の一部で、前記周壁部の内壁面からその厚み方向に、前記周壁部の全厚さよりも小さい厚さを有するように、かつ前記周壁部の先端面から同方向に、前記周壁部の全高さよりも小さい深さを有するように区画形成された部分が、当該部分のアキシャル方向の終端部に設けられた引き起し基端部を支点として、ラジアル方向の内側に引き起されることによって抜け防止部が形成され、
前記抜け防止部の先端が、前記軌道輪の軸線方向から見て前記保持器の外周縁よりも内側に位置することにより、前記各転動体が保持された前記保持器が、前記軌道輪の開口から抜け出ることを防止したことを特徴としている。
第1の発明に係るスラストころ軸受は、上記した構成となっているため、軌道輪に収容された保持器が抜け出ることが防止される。この結果、スラストころ軸受の搬送途中に、振動や衝撃が作用しても、軌道輪と保持器とが分離されることはなく、スラストころ軸受の組付けをスムーズに行うことができる。また、軌道輪の周壁部にステーキングを施すことも不要となる。
具体的には、前記抜け防止部は、前記軌道輪の周壁部の先端面において、前記周壁部の内壁縁を始端とし、前記周壁部の厚み方向の外側へ前記周壁部の全厚さよりも小さい長さ分だけ切り込んだ後、前記周壁部の弧又は弦の形成方向へ方向転換して所定範囲だけ切り込み、その後、前記周壁部の厚み方向の内側へ方向転換して前記周壁部の内壁縁に至る切れ目を形成し、
その切れ目を前記周壁部の先端面からアキシャル方向に沿って、かつ前記周壁部の全高さよりも小さい深さで切り込むことにより、前記切れ目の内側に舌片が形成され、
前記舌片を、その引き起し基端部を支点としてラジアル方向の内側に引き起されることによって形成されているようにすることができる。
その切れ目を前記周壁部の先端面からアキシャル方向に沿って、かつ前記周壁部の全高さよりも小さい深さで切り込むことにより、前記切れ目の内側に舌片が形成され、
前記舌片を、その引き起し基端部を支点としてラジアル方向の内側に引き起されることによって形成されているようにすることができる。
これにより、抜け防止部の成形が容易になる。
また、第2の発明は、
自転軸線が放射状に配置された複数個の転動体を保持する保持器と、
有底円筒形状を有し、周壁部の内側に前記保持器を収容すると共に、底壁部の内面に形成された軌道面で前記複数個の転動体を受け止める円板状の軌道輪とを備えるスラストころ軸受であって、
前記軌道輪の周壁部におけるその厚み方向の一部で、前記周壁部の内壁面からその周方向に、前記周壁部の全周よりも小さい長さを有するように、かつ前記周壁部の先端面から同方向に、前記周壁部の全高さよりも小さい深さを有するように区画形成された部分が、当該部分の周方向の終端部に設けられた引き起し基端部を支点として、ラジアル方向の内側に引き起されることによって抜け防止部が形成され、
前記抜け防止部の先端が、前記軌道輪の軸線方向から見て前記保持器の外周縁よりも内側に位置することにより、前記各転動体が保持された前記保持器が、前記軌道輪の開口から抜け出ることを防止したことを特徴としている。
自転軸線が放射状に配置された複数個の転動体を保持する保持器と、
有底円筒形状を有し、周壁部の内側に前記保持器を収容すると共に、底壁部の内面に形成された軌道面で前記複数個の転動体を受け止める円板状の軌道輪とを備えるスラストころ軸受であって、
前記軌道輪の周壁部におけるその厚み方向の一部で、前記周壁部の内壁面からその周方向に、前記周壁部の全周よりも小さい長さを有するように、かつ前記周壁部の先端面から同方向に、前記周壁部の全高さよりも小さい深さを有するように区画形成された部分が、当該部分の周方向の終端部に設けられた引き起し基端部を支点として、ラジアル方向の内側に引き起されることによって抜け防止部が形成され、
前記抜け防止部の先端が、前記軌道輪の軸線方向から見て前記保持器の外周縁よりも内側に位置することにより、前記各転動体が保持された前記保持器が、前記軌道輪の開口から抜け出ることを防止したことを特徴としている。
第2の発明では、第1の発明と同様な作用効果が奏される。特に、第2の発明の場合、第1の発明の場合と比較して、周壁部の全高さが小さくても、抜け防止部の長さを長くできるという効果が奏される。
具体的には、
前記抜け防止部は、前記軌道輪の周壁部の先端面において、前記周壁部の内壁縁を始端とし、前記周壁部の厚み方向の外側へ前記周壁部の全厚さよりも小さい厚さ分だけ切り込んだ後、前記周壁部の弧又は弦の形成方向へ方向転換して所定範囲だけ切り込んで第1の切れ目を形成し、その第1の切れ目を前記周壁部の先端面からアキシャル方向に沿って、かつ前記周壁部の全高さよりも小さい深さで切り込むと共に、
前記第1の切れ目のアキシャル方向の終端部から、前記第1の切れ目の前記周壁部の周方向の終端部に至る第2の切れ目を形成し、その第2の切れ目を、前記周壁部の厚み方向に前記第1の切れ目の厚さ分だけ切り込むことにより、前記各切れ目の内側に舌片が形成され、
前記舌片を、その引き起し基端部を支点としてラジアル方向の内側に引き起されることによって形成されているようにすることができる。
前記抜け防止部は、前記軌道輪の周壁部の先端面において、前記周壁部の内壁縁を始端とし、前記周壁部の厚み方向の外側へ前記周壁部の全厚さよりも小さい厚さ分だけ切り込んだ後、前記周壁部の弧又は弦の形成方向へ方向転換して所定範囲だけ切り込んで第1の切れ目を形成し、その第1の切れ目を前記周壁部の先端面からアキシャル方向に沿って、かつ前記周壁部の全高さよりも小さい深さで切り込むと共に、
前記第1の切れ目のアキシャル方向の終端部から、前記第1の切れ目の前記周壁部の周方向の終端部に至る第2の切れ目を形成し、その第2の切れ目を、前記周壁部の厚み方向に前記第1の切れ目の厚さ分だけ切り込むことにより、前記各切れ目の内側に舌片が形成され、
前記舌片を、その引き起し基端部を支点としてラジアル方向の内側に引き起されることによって形成されているようにすることができる。
これにより、抜け防止部の成形が容易になる。
前記舌片を、その引き起し基端部を支点としてラジアル方向の内側に向けて引き起こすことにより塑性変形させて、予め抜け防止部を形成しておき、
前記抜け防止部の先端をラジアル方向の外側に向けて弾性変形させることにより広げられたスペースを利用して、前記軌道輪の周壁部の内側に前記保持器を収容した後、前記抜け防止部の先端をラジアル方向の内側に向けて弾性復元させることにより、前記各転動体が保持された前記保持器が、前記軌道輪の開口から抜け出ることを防止することが望ましい。
前記抜け防止部の先端をラジアル方向の外側に向けて弾性変形させることにより広げられたスペースを利用して、前記軌道輪の周壁部の内側に前記保持器を収容した後、前記抜け防止部の先端をラジアル方向の内側に向けて弾性復元させることにより、前記各転動体が保持された前記保持器が、前記軌道輪の開口から抜け出ることを防止することが望ましい。
これにより、軌道輪を焼入れ処理した場合であっても、軌道輪の内側に保持器を収容するこができる。また、保持器を収容させるとき、抜け防止部を弾性変形させるだけで済むため、保持器を収容させる作業が容易である。
そして、前記舌片の引き起し基端部は、前記軌道輪の周壁部の内側に収容された前記保持器の外周縁の近傍に位置することが望ましい。
これにより、抜け防止部を成形するために周壁部を切り込む量、及び周壁部から抜け防止部を引き起す量を小さくすることができ、周壁部の製作が容易になる。
更に、前記舌片の引き起し基端部は、前記軌道輪の周壁部の内側に収容された前記保持器の外周縁よりも、前記周壁部の先端面寄りに位置することが望ましい。
これにより、周壁部から引き起された抜け防止部と保持器の外周縁との干渉が防止される。
本発明の実施例を説明する。図1の(a)は本発明の第1実施例のスラストころ軸受101の平面図、(b)は同じく正面断面図、図2は図1の要部の拡大断面図である。
図1に示されるように、本発明の第1実施例のスラストころ軸受101は、複数個(本実施例の場合、16個)の転動体(針状ころ1)を保持する保持器2と、保持器2を収容する円板状の軌道輪3とを備えている。保持器2には、各針状ころ1の軸線1aを放射状に配置して収容するためのポケット4が、周方向に等角度間隔をおいて設けられている。各ポケット4に収容された針状ころ1は、ポケット4内で回転自在である。
軌道輪3について説明する。図1及び図2に示されるように、軌道輪3は、薄い金属板を屈曲させて、有底円筒状に成形したものであり、その内側部分に保持器2が収容される。軌道輪3の底壁部5の内面部(軌道輪3の底面部)には、各針状ころ1を受け止める軌道面6が形成されている。また、底壁部5の外周部分には、底壁部5から直交状態で立ち上がる周壁部7が形成されている。周壁部7には、周方向に等角度間隔をおいて複数個(第1実施例の場合、120°をおいて3個)の抜け防止部8が設けられている。
抜け防止部8について説明する。図3の(a),(b)に示されるように、周壁部7の上端面9(アキシャル方向Pの先端面)には、周壁部7の内壁面11から、周壁部7の周方向Qに所定の間隔をおいて一対の切れ目12が設けられている。一対の切れ目12は、周壁部7のラジアル方向Rに同一長さで設けられている。一対の切れ目12の終端部12aから、周壁部7の周方向Qに沿って円弧状の切れ目13が設けられている。そして、周壁部7のうち、これらの切れ目12,13によって区画形成された部分が、アキシャル方向Pに沿って所定深さH(周壁部7の全高さよりも小さい深さ)だけ切り込まれていて、舌片14が形成されている。この状態で、周壁部7の内壁面11における舌片14の下端部(即ち、舌片14の両側面部に設けられた一対の切れ目15の下端部15aどうしを結ぶ部分)には、引起し基端部16が設けられている。舌片14を、引起し基端部16を支点として、ラジアル方向Rの内側に引き起す。これにより、舌片14が引起し基端部16を残して周壁部7から分離され、抜け防止部8が形成される。
図1及び図2に示されるように、周壁部7から引き起された抜け防止部8の先端部8aは、保持器2の外周面2aよりもラジアル方向Rの内側に入り込んで、その上方に配置される。即ち、抜け防止部8の先端部8aと保持器2の外周面2aとは、距離e1だけ重なり合う。これにより、軌道輪3の周壁部7の内側に収容された保持器2及び各針状ころ1が、軌道輪3の開口から抜け出ることが防止される。
ここで、保持器2と軌道輪3とは別々の工程を経て製造される。軌道輪3は、底壁部5と周壁部7とが形成された後、上記した舌片14が形成され、焼入れ処理が施される。そして、焼入れ処理が施された後、舌片14がラジアル方向Rの内側に引き起されて、抜け防止部8が形成される。このため、各転動体3が組み込まれた保持器2が軌道輪3に収容されるときには、図4に示されるように、抜け防止部8がラジアル方向Rの外側に広げられる(弾性変形)。その状態を、図4において一点鎖線で示す。そして、軌道輪3に保持器2が収容された後、弾性復元される。これにより、保持器2が抜け出ることが防止される。また、保持器2を収容させるときに広げられた各抜け防止部8は、弾性復元することにより自動的に元の状態(保持器2が抜け出ることを防止した状態)に復帰するため、保持器2を収容させる作業が容易である。
そして、舌片14の引起し基端部16は、軌道輪3の周壁部7の内側に収容される保持器2の外周面2aの上縁部の近傍(望ましくは、保持器2の外周面2aの上縁部よりも上方の位置)に設けられている。これにより、舌片14の長さが短くて済むと共に、舌片14の引起し量(引起し角度)も小さくて済む。更に、引き起されて形成された抜け防止部8の下部と保持器2の外周面2aの上縁部とが干渉することも防止できる。
上記した第1実施例のスラストころ軸受101では、周壁部7が、ラジアル方向Rに設けられた一対の切れ目12と周壁部7の周方向Q(弧の形成方向)に沿って設けられた切れ目13とによって切り込まれて舌片14が形成された場合である。しかし、図5に示されるように、周壁部7が、ラジアル方向Rに沿って設けられた一対の切れ目17と周壁部7の弦の形成方向に沿って設けられた切れ目18とによって切り込まれて舌片19が形成されていてもよい。また、舌片14,19が、上記した各切れ目12,13,17,18の組合せより成るもの(即ち、ラジアル方向Rに設けられた一対の切れ目12と周壁部7の弦の形成方向に沿って設けられた切れ目18との組合せより成るもの、或いは、ラジアル方向Rに沿って設けられた一対の切れ目17と周壁部7の周方向Qに沿って設けられた切れ目13との組合せより成るもの)であってもよい。
次に、第2実施例のスラストころ軸受102について説明する。図6に示される第2実施例のスラストころ軸受102は、周壁部7から引き起されて形成される抜け防止部21の引起し基端部22がアキシャル方向Pに沿って設けられている場合である。図7に示されるように、周壁部7の上端面9(アキシャル方向Pの先端面)には、周壁部7の内壁面11から、周壁部7の厚み方向(ラジアル方向R)に切れ目23が設けられている。切れ目23の終端部23aから、周壁部7の周方向Qに沿って円弧状の切れ目24が設けられている。そして、これらの切れ目23,24によって区画形成された部分が、アキシャル方向Pに沿って所定深さH(周壁部7の全高さよりも小さい深さ)だけ切り込まれている。
更に、アキシャル方向Pに沿って設けられた切れ目25の終端部25aから、周壁部7の周方向Qに沿って形成された切れ目26をラジアル方向Rの外側に切り込むことによって舌片27が形成されている。この状態で、周壁部7の内壁面11における舌片27の切れ目25と反対側の端部(図7の図面視における右側の端部)には、引起し基端部22が設けられている。舌片27を、引起し基端部22を支点として、ラジアル方向Rの内側に引き起す。これにより、舌片27が引起し基端部22を残して周壁部7から分離され、抜け防止部21が形成される。
図6に示されるように、抜け防止部21の先端部21aは、保持器2の外周面2aよりもラジアル方向Rの内側に入り込んで、その上方に配置される。即ち、抜け防止部21の先端部21aと保持器2の外周面2aとは、距離e2だけ重なり合う。これにより、軌道輪3の周壁部7の内側に収容された保持器2及び各針状ころ1が、軌道輪3の開口から抜け出ることが防止される。
第2実施例のスラストころ軸受102の場合であっても、抜け防止部21によって、軌道輪7に収容された保持器2が抜け出ることが防止される。また、抜け防止部21を弾性変形させることによって保持器2を収容させることができるのは、第1実施例のスラストころ軸受101の場合と同様である。特に、第2実施例のスラストころ軸受102の場合、周壁部7の高さが小さくても、抜け防止部21の長さを長くできるという利点がある。
上記した各実施例のスラストころ軸受101,102は、軌道輪3が1つの場合である。しかし、図8に示される第3実施例のスラストころ軸受103のように、一対の軌道輪3,28が保持器2を挟み込む形態で設けられているものであってもよい。
101〜103:スラストころ軸受
1:針状ころ(転動体)
1a:自転軸線
2:保持器
2a:外周面(保持器の外周縁)
3,28:軌道輪
5:底壁部
6:軌道面
7:周壁部
8,21:抜け防止部
9:上端面(周壁部のアキシャル方向の先端面)
11:内壁面
12,13,15,17,18:切れ目
14,19,27:舌片
16:引起し基端部
23,24:切れ目(第1の切れ目)
25:切れ目(第2の切れ目)
H:深さ
P:アキシャル方向
Q:周方向
R:ラジアル方向(厚み方向)
1:針状ころ(転動体)
1a:自転軸線
2:保持器
2a:外周面(保持器の外周縁)
3,28:軌道輪
5:底壁部
6:軌道面
7:周壁部
8,21:抜け防止部
9:上端面(周壁部のアキシャル方向の先端面)
11:内壁面
12,13,15,17,18:切れ目
14,19,27:舌片
16:引起し基端部
23,24:切れ目(第1の切れ目)
25:切れ目(第2の切れ目)
H:深さ
P:アキシャル方向
Q:周方向
R:ラジアル方向(厚み方向)
Claims (5)
- 自転軸線が放射状に配置された複数個の転動体を保持する保持器と、
有底円筒形状を有し、周壁部の内側に前記保持器を収容すると共に、底壁部の内面に形成された軌道面で前記複数個の転動体を受け止める円板状の軌道輪とを備えるスラストころ軸受であって、
前記軌道輪の周壁部におけるその周方向又はその接線方向の一部で、前記周壁部の内壁面からその厚み方向に、前記周壁部の全厚さよりも小さい厚さを有するように、かつ前記周壁部の先端面から同方向に、前記周壁部の全高さよりも小さい深さを有するように区画形成された部分が、当該部分のアキシャル方向の終端部に設けられた引き起し基端部を支点として、ラジアル方向の内側に引き起されることによって抜け防止部が形成され、
前記抜け防止部の先端が、前記軌道輪の軸線方向から見て前記保持器の外周縁よりも内側に位置することにより、前記各転動体が保持された前記保持器が、前記軌道輪の開口から抜け出ることを防止したことを特徴とするスラストころ軸受。 - 前記抜け防止部は、前記軌道輪の周壁部の先端面において、前記周壁部の内壁縁を始端とし、前記周壁部の厚み方向の外側へ前記周壁部の全厚さよりも小さい長さ分だけ切り込んだ後、前記周壁部の弧又は弦の形成方向へ方向転換して所定範囲だけ切り込み、その後、前記周壁部の厚み方向の内側へ方向転換して前記周壁部の内壁縁に至る切れ目を形成し、
その切れ目を前記周壁部の先端面からアキシャル方向に沿って、かつ前記周壁部の全高さよりも小さい深さで切り込むことにより、前記切れ目の内側に舌片が形成され、
前記舌片を、その引き起し基端部を支点としてラジアル方向の内側に引き起されることによって形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスラストころ軸受。 - 自転軸線が放射状に配置された複数個の転動体を保持する保持器と、
有底円筒形状を有し、周壁部の内側に前記保持器を収容すると共に、底壁部の内面に形成された軌道面で前記複数個の転動体を受け止める円板状の軌道輪とを備えるスラストころ軸受であって、
前記軌道輪の周壁部におけるその厚み方向の一部で、前記周壁部の内壁面からその周方向に、前記周壁部の全周よりも小さい長さを有するように、かつ前記周壁部の先端面から同方向に、前記周壁部の全高さよりも小さい深さを有するように区画形成された部分が、当該部分の周方向の終端部に設けられた引き起し基端部を支点として、ラジアル方向の内側に引き起されることによって抜け防止部が形成され、
前記抜け防止部の先端が、前記軌道輪の軸線方向から見て前記保持器の外周縁よりも内側に位置することにより、前記各転動体が保持された前記保持器が、前記軌道輪の開口から抜け出ることを防止したことを特徴とするスラストころ軸受。 - 前記抜け防止部は、前記軌道輪の周壁部の先端面において、前記周壁部の内壁縁を始端とし、前記周壁部の厚み方向の外側へ前記周壁部の全厚さよりも小さい厚さ分だけ切り込んだ後、前記周壁部の弧又は弦の形成方向へ方向転換して所定範囲だけ切り込んで第1の切れ目を形成し、その第1の切れ目を前記周壁部の先端面からアキシャル方向に沿って、かつ前記周壁部の全高さよりも小さい深さで切り込むと共に、
前記第1の切れ目のアキシャル方向の終端部から、前記第1の切れ目の前記周壁部の周方向の終端部に至る第2の切れ目を形成し、その第2の切れ目を、前記周壁部の厚み方向に前記第1の切れ目の厚さ分だけ切り込むことにより、前記各切れ目の内側に舌片が形成され、
前記舌片を、その引き起し基端部を支点としてラジアル方向の内側に引き起されることによって形成されていることを特徴とする請求項3に記載のスラストころ軸受。 - 前記舌片を、その引き起し基端部を支点としてラジアル方向の内側に向けて引き起こすことにより塑性変形させて、予め抜け防止部を形成しておき、
前記抜け防止部の先端をラジアル方向の外側に向けて弾性変形させることにより広げられたスペースを利用して、前記軌道輪の周壁部の内側に前記保持器を収容した後、前記抜け防止部の先端をラジアル方向の内側に向けて弾性復元させることにより、前記各転動体が保持された前記保持器が、前記軌道輪の開口から抜け出ることを防止したことを特徴とする請求項2又は4に記載のスラストころ軸受。
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JP2007073335A JP2008232280A (ja) | 2007-03-20 | 2007-03-20 | スラストころ軸受 |
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2007
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US20100322549A1 (en) * | 2009-06-15 | 2010-12-23 | Koyo Bearings Usa Llc | Cage for bearing assembly |
US8602657B2 (en) * | 2009-06-15 | 2013-12-10 | Koyo Bearings Usa Llc | Cage for bearing assembly |
US8903310B2 (en) | 2010-03-03 | 2014-12-02 | Nec Corporation | Wireless communication apparatus |
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