JP4611710B2 - 光増幅素子 - Google Patents

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Description

本発明は光増幅素子に関し、特に、波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)を利用した光伝送システムに適用して好適なものである。
従来、複数の異なる波長の光信号を伝送する光伝送システムとして、複数の異なる波長の光信号を1本の光ファイバに結合して伝送する波長多重を利用した光伝送システム(WDMシステム)がある。さらに、WDMシステムでは、1対1の伝送のみならず、ネットワーク化が急速に進展している。
このWDMシステムでは、波長に応じて光信号を合流・分岐するWDM合分波回路、全ての波長の光を一括して合流・分岐する合分岐回路、特定の波長を抜き出し、あるいは挿入するアドドロップマルチプレクサ(Add−drop multiplexer、ADM)等の光素子が使用され、光信号がこれらの光素子を通過する際に生じる強度損失のため、信号強度が劣化する。
このため、WDMシステムでは、光ファイバを伝送する光信号を光のまま増幅する光増幅素子が必要不可欠となっている。
図11(a)は、従来の光増幅素子を光導波方向に沿って切断した断面図、図11(b)は、図11(a)のA−A´線で切断した断面図を示し、従来の光増幅素子(Semiconductor Optical Amplifier:SOA)の例として、n−InP基板101を用いた場合の構造を示す(非特許文献1)。
図11において、n−InP基板101上には、利得媒質であるInGaAsP活性層102がストライプ状に形成され、InGaAsP活性層102は、p−InP層103およびn−InP層104により埋め込まれている。
そして、InGaAsP活性層102およびn−InP層104上には、p−InP層105が形成され、p−InP層105上にはp−GaInAsコンタクト層106が形成されている。また、p−GaInAsコンタクト層106上にはp側電極107が形成され、n−InP基板101の裏面にはn側電極108が形成されている。
図12は、図11の光増幅素子の飽和特性を示す図である。
図12において、入力光強度が小さい場合、入力光強度が増加しても利得はほぼ一定であるが、入力光強度がある値を超えると、利得は急激に減少する。ここで、WDMシステムでは、光信号として波長多重信号が入射され、その波長多重数は、アドドロップマルチプレクサ等を通過する毎に変動する。
今、波長多重数mの光信号が光増幅素子に入射したとものする。この場合、光増幅素子の入射光強度がm波合計でP1(dBm)になると、光増幅素子の利得はG1(dBm)になる。
ここで、アドドロップマルチプレクサにより光信号が追加されて、波長多重数がnに増加したとする。この場合、光増幅素子の入射光強度がn波合計でP2(dBm)になると、光増幅素子の利得はG2(dB)になる。
このように、図11の光増幅素子をWDMシステムに用いた場合、波長多重数により入射光強度が異なるようになるため、光信号の利得が変動する。このため、従来の光増幅器では、特許文献1に開示されているように、波長多重数により光信号の利得が変動することを防止するため、発振作用を利用することで利得をある一定値にクランプする方法を用いたものがあった。
図13(a)は、従来の光増幅素子を光導波方向に沿って切断した断面図、図13(b)は、図13(a)のC−C´線で切断した断面図である。
図13において、n−InP基板201上には、利得媒質であるInGaAsP活性層202がストライプ状に形成され、InGaAsP活性層202は、p−InP層203およびn−InP層204により埋め込まれている。
ここで、InGaAsP活性層202の下面には、InGaAsP分離閉じ込め(SCH)層209が形成されるとともに、InGaAsP活性層202の上面には、InGaAsP分離閉じ込め(SCH)層210が形成され、InGaAsP分離閉じ込め層210にはグレーティングが形成されている。そして、InGaAsP分離閉じ込め層210およびn−InP層204上には、p−InP層205が形成され、p−InP層205上にはp−GaInAsコンタクト層206が形成されている。また、p−GaInAsコンタクト層206上にはp側電極207が形成され、n−InP基板201の裏面にはn側電極208が形成されている。
図13の光増幅素子では、InGaAsP分離閉じ込め層210に形成されているグレーティングにより光信号が反射されるため正帰還がかかり、DFBレーザのように発振させることができる。ただし、グレーティングの結合係数は通常のDFBレーザよりも小さくなっており、発振しきい値は高くなっている。
図13の光増幅素子のレーザ発振状態では、利得媒質でのキャリア密度は一定値にクランプされるが、発振しきい値が高いため、キャリア密度は通常のDFBレーザよりも高い値にクランプされる。
このため、図6のグレーティングを有するDFB型光増幅素子では、発振が生じている限り、その利得媒質(InGaAsP活性層202)のキャリア密度は一定となり、利得は利得媒質のキャリア密度に比例するため、利得を一定値にクランプさせることができる。
従って、上述した発振状態では、光増幅素子に注入する電流値を増加させても、発振光の光強度が増大するだけで、光増幅素子の利得を一定に保つことができる。そして、入力信号光強度が大きくなった場合、発振光強度が減少して、光増幅素子内部でのトータルの光強度が一定に保たれるため、光増幅素子のキャリア密度に変動が生じることがなく、光増幅素子の利得を一定に保つことができる。
図14は、図13の光増幅素子の飽和特性を示す図である。
図14において、図13の光増幅素子では、外部から入射された信号光の入力光強度が変動しても、利得は一定値Goに保たれる。すなわち、信号光の波長多重数がmからnに変化し、合計入力パワーがP1からP2に変化した場合においても、利得はGoで一定値となる。
また、図13の光増幅素子では、外部からの入射光強度がさらに増大し、発振が抑圧された場合に限り、利得が低下する。逆に、図13の光増幅素子で発振が生じている限り、入射光強度あるいは入射信号の波長多重数に依存することなく、利得を一定に保つことができる。
K.Morito他、"High−Output−Power Polarization−Insensitive Semiconductor Optical Amplifier"Journal of Lightwave Technology,No.1,p176−181,2003のfig.5 特開平7−106714号公報
しかしながら、図13のDFB型光増幅素子を用いた場合、発振光が信号光と同一光路に混入するため、この混入した発振光を除去するための波長フィルタが必要になるという問題があった。
さらに、図13のDFB型光増幅素子では、発振光強度が非常に強いため、入射信号強度が小さいと、通常の波長フィルタを用いた場合においても、信号光と同程度の強度で発振光が残留するという問題があった。
さらに、信号光の利得は、DFBのグレーティングにより決まる発振光の発振閾値利得にクランプされるため、DFB型光増幅素子の製造段階で一意に定まり、DFB型光増幅素子の使用時に信号光の利得を可変させることができないという問題もあった。
そこで、本発明の目的は、信号光の導波方向に発振光を混入させることなく、入力光強度による利得変動を抑えることができるとともに、使用時に信号光の利得を可変させることが可能な光増幅素子を提供することである。
上述した課題を解決するために、請求項1記載の光増幅素子、単一モードの光を導波させるとともに、少なくとも一部に利得媒質を含むように構成された単一モード導波路と、前記単一モード導波路の出射側に光学的に結合され、複数モードの光を導波させるとともに、少なくとも一部に利得媒質を含むように構成された多モード導波路と、前記多モード導波路の利得媒質から放射される自然放出光を反射させることにより、前記多モード導波路に入射された光の伝搬方向と交差する方向に発振を起こさせる反射領域と、前記単一モード導波路および前記多モード導波路に独立して電流を注入する第1電流注入手段とを備え、前記単一モード導波路は、注入される電流により信号光の利得を可変に制御し、前記多モード導波路は、注入される電流により、入射された光の伝搬方向と交差する方向に発振を起こして利得をクランプし、前記単一モード導波路から出射された信号光を増幅することを特徴とする。
これにより、信号光の導波方向と異なる方向に導波する発振光を多モード導波路で生成させることを可能としつつ、多モード導波路での発振作用により信号光の利得をクランプさせることが可能となるとともに、光増幅素子の製造後に信号光の利得を可変させることが可能となる。このため、出力増幅光に発振光が混入することを防止しつつ、発振作用により利得がクランプされた利得媒質内で、入力信号光を増幅させることが可能となるとともに、光増幅素子の使用時に信号光の利得を調整することができる。この結果、信号光と発振光とを分離するための波長フィルタや光導波路を不要とすることができ、素子サイズの増大を抑制しつつ、入力光強度による利得変動を抑えることが可能となるとともに、所望の信号光強度を容易に得ることが可能となる。
また、請求項2記載の光増幅素子、前記多モード導波路は複数の多モード導波路を有していることを特徴とする
また、請求項3記載の光増幅素子は、少なくとも2個の多モード導波路の導波路幅は互いに異なることを特徴とする。
これにより、多モード導波路ごとに注入キャリア密度を変化させることが可能となる。このため、利得を稼ぎながら、飽和出力パワーを増大させたり、NF(ノイズフィギュア)を向上させたりすることができ、光増幅素子の用途に応じて多様な動作状態を実現することができる。
また、請求項記載の光増幅素子前記第1電流注入手段は、少なくとも2個の多モード導波路に独立に電流を注入する第2電流注入手段を備えることを特徴とする。
これにより、多モード導波路ごとに注入電流密度を独立に制御することが可能となり、多モード導波路ごとに導波路幅が互いに異なる場合においても、光増幅素子を効率よく駆動することができる。
また、請求項記載の光増幅素子、前記単一モード導波路および前記多モード導波路は導波路中心軸が互いに一致するように同一基板上に並べて配置され、前記反射領域は前記多モード導波路の両脇に対向配置されていることを特徴とする。
これにより、単一モード導波路および多モード導波路を低損失で結合することが可能となるとともに、信号光の伝搬方向と直交する方向に発振を起こさせることが可能となる。このため、素子サイズの増大を抑制しつつ、入力光強度による利得変動を抑えることが可能となるとともに、出力導波路から出射される増幅光に発振光が混入することを防止することができる。
また、請求項記載の光増幅素子、前記単一モード導波路および前記多モード導波路は互いに共通の利得媒質から構成されるコアを備え、前記多モード導波路の前記コアの幅が前記単一モード導波路の前記コアの幅より広いことを特徴とする。
これにより、単一モード導波路および多モード導波路を同一工程内で一括形成することが可能となり、製造工程の増大を抑制しつつ、入力光強度による利得変動を抑えることが可能となるとともに、出力導波路から出射される増幅光に発振光が混入することを防止することができる。
また、請求項記載の光増幅素子、前記多モード導波路のうち、i番目の多モード導波路の長さをLi 、幅をWi 、屈折率をneqi 、信号光波長をλとすると、Li =mi ・neqi ・Wi 2 /λ(ただし、mi は正の整数)であることを特徴とする。
これにより、自己結合効果を発現させることを可能としつつ、多モード導波路の長さを長くすることを可能として、クランプ利得を稼ぐことが可能となる。このため、注入電流密度を一定に保ちつつ、多モード導波路のサイズを小さくすることが可能となり、出力導波路の基本モードに信号光を低損失で結合させることを可能としつつ、駆動電流を低減させることができる。
また、請求項記載の光増幅素子、前記多モード導波路のコアの一部を構成し、前記多モード導波路よりも幅が広くなるように前記反射領域の方向に延伸され、信号光波長に対して透明な透明層をさらに備えることを特徴とする。
これにより、発振光に対するコアを反射領域まで延伸することができ、キャビティ内における発振光の損失を減少させることが可能となる。このため、多モード導波路内で発振光を効率よくフィードバックさせることが可能となり、反射領域の反射率に対する要求を緩和することができる。
また、請求項記載の光増幅素子、前記反射領域は、前記多モード導波路の側壁に形成された誘電体多層膜または金属膜を備えることを特徴とする。
これにより、単一モード導波路および多モード導波路が形成された基板上に反射領域を一体的に形成することが可能となり、素子サイズの増大を抑制しつつ、信号光の導波方向と異なる方向に発振光を導波させることができる。
以上説明したように、本発明によれば、出力増幅光に発振光が混入することを防止しつつ、発振により利得がクランプされた利得媒質内で、入力信号光を増幅させることが可能となるとともに、光増幅素子の製造後に信号光の利得を可変させることが可能となる。このため、信号光と発振光とを分離するための波長フィルタや光導波路を不要とすることができ、素子サイズの増大を抑制しつつ、入力光強度による利得変動を抑えることが可能となるとともに、光増幅素子の使用時に信号光の利得を容易に調整することができる。
以下、本発明の実施形態に係る光増幅素子について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る光増幅素子の概略構成を示す平面図である。
図1において、n−InP基板401上には、単一モード導波路が形成された第1領域R1と多モード導波路が形成された第2領域R2が設けられている。すなわち、n−InP基板401上には、多モード導波路403aに接続され、入力信号光411を入力する入力導波路402、信号光を導波させる複数の多モード導波路403a、403b、多モード導波路403a、403bを互いに接続する接続導波路413、多モード導波路403bに接続され、出力信号光412を出力する出力導波路404が形成されている。
ここで、入力導波路402および出力導波路404は、InGaAsPをコアとした利得媒質からなるシングルモード導波路から構成することができ、多モード導波路403a、403bは、InGaAsPをコアとした利得媒質からなる多モード導波路から構成することができ、接続導波路413は、InGaAsPをコアとした利得媒質からなるシングルモード導波路から構成することができる。そして、入力導波路402および多モード導波路403a、403bの利得媒質にはそれぞれ独立して電流を注入することができる。
また、入力導波路402、多モード導波路403a、403b、接続導波路413および出力導波路404は導波路中心軸が互いに一致するようにn−InP基板401上に並べて配置することができる。また、各多モード導波路403a、403bの長さLi(i=1、2)は、i番目の多モード導波路403a、403bの幅をWi、i番目の多モード導波路403a、403bの縦方向(基板垂直方向)の等価屈折率をneqi、入力信号光411の波長をλとすると、
i=m・neqi・Wi 2/λ ・・・(1)
の関係を満たすように設定することができる。ただし、mは正の整数である。なお、以下の説明では、(1)式の関係を満たす各多モード導波路403a、403bの長さL1、L2をLMMIとする。ここで、各多モード導波路403a、403bの長さLMMIは、各多モード導波路403a、403bにおいて、光が最初にスポット状に集光されるまでの長さを示している。また、多モード干渉では、長さLMMIごとに周期的にスポットが形成されるため、(1)式では、その整数倍を各多モード導波路403a、403bの長さL1、L2として用いることを示している。
また、入力導波路402側のn−InP基板401の端面405には反射防止膜407が形成されるとともに、出力導波路404側のn−InP基板401の端面406には反射防止膜408が形成されている。さらに、多モード導波路403の両脇には、高反射膜409、410が対向配置されている。ここで、高反射膜409、410は、多モード導波路403の側壁に形成された誘電体多層膜または金属膜を用いることができる。
そして、入力導波路402に入射した入力信号光411は、入力導波路402を伝搬して多モード導波路403aに入射される。ここで、多モード導波路403a、403bと独立に入力導波路402に電流を注入することにより、電流注入量に応じて入力導波路402の利得を変化させることができ、入力導波路402を伝搬する入力信号光411を所望の強度に増幅することができる。なお、入力信号光411の増幅を入力導波路402にて行うことにより、入力信号光411の強度が微弱な状態のままで入力導波路402を伝搬させることができる。このため、増幅後の入力信号光411の強度が入力導波路402における飽和出力強度に達しないようにすることができ、光強度に対する利得が平坦な領域で入力信号光411を増幅させることができる。このため、入力信号光411の強度が変動した場合においても、入力導波路402での利得変動を抑えることができ、入力導波路402での利得を一定に保ちつつ、入力信号光411を増幅させることができる。
そして、入力導波路402にて増幅された入力信号光411が多モード導波路403aに入射すると、入力信号光411は多モード導波路403aにおける固有モードに展開される。すなわち、入力導波路402の基本伝搬モードと多モード導波路403aの複数の伝搬モードとの重なり積分に比例したパワー分布で多モード導波路403a内の複数の伝搬モードが励振される。そして、多モード導波路403a内で励振された各モードは、それぞれの伝搬定数により決定される位相条件で多モード導波路403a内を伝搬する。
そして、多モード導波路403a内を伝搬した信号光は接続導波路413に入射し、接続導波路413を伝搬した後、多モード導波路403bに入射する。そして、多モード導波路403bに入射した信号光は、多モードに展開されながら多モード導波路403bを伝搬し、出力導波路404に入射する。そして、出力導波路404に入射した信号光は、出力導波路404を伝搬した後、出力信号光412として端面406から出射される。
ここで、各多モード導波路403a、403b内において、光がある距離だけ伝搬すると、各モードの光の位相が各多モード導波路403a、403b内で互いに強め合う状態となり、1つまたは複数のスポットに集光されることがある。この現象は、自己結像効果(self−imaging effect)として知られている。
ここで、(1)式の関係を満たすように、各多モード導波路403a、403bの長さL1、L2をLMMIに設定することにより、各多モード導波路403a、403b内を伝搬する信号光を1つのスポットに集光させることができる。これにより、各多モード導波路403a、403b内で自己結像効果を起こさせることが可能となり、各多モード導波路403a、403b内を伝搬した信号光を、接続導波路413および出力導波路404の基本モードにそれぞれ結合させることができる。このため、複数の伝搬モードを各多モード導波路403a、403b内で励振させた場合においても、各多モード導波路403a、403bと接続導波路413および出力導波路404との間の結合損失を低減させることができる。
また、入力導波路402および多モード導波路403a、403bのコアは利得媒質を含むため、入力導波路402にて利得が調整された入力信号光411は、多モード導波路403a、403bにて増幅され、トータル利得を可変させることを可能としつつ、増幅された出力信号光412を得ることができる。
一方、各多モード導波路403a、403bにて生成された自然放出光は四方八方に放出され、各多モード導波路403a、403bの両脇の高反射膜409、410にて反射させることにより、入力信号光411の導波方向と直交する方向にレーザ発振を起こさせることができる。そして、入力信号光411の導波方向と直交する方向にレーザ発振が起こると、各多モード導波路403a、403bに入射された信号光の強度が変動した場合においても、各多モード導波路403a、403bのキャリア密度を一定に保つことができ、光増幅素子の利得を一定値にクランプさせることができる。
このため、出力導波路404から出射される増幅光に発振光が混入することを防止しつつ、発振により利得がクランプされた利得媒質内で、入力信号光411を増幅させることが可能となる。この結果、信号光と発振光とを分離するための波長フィルタや光導波路を不要とすることができ、素子サイズの増大を抑制しつつ、入力光強度による利得変動を抑えることが可能となる。
また、複数の多モード導波路403a、403bを多段接続することにより、多モード導波路403a、403b全体の長さを長くすることを可能として、クランプ利得を稼ぐことが可能となり、駆動電流を低減させることができる。
図2は、図1のB−B´線で切断した光増幅素子の構成例を示す断面図である。
図2において、図1の多モード導波路403bでは、InGaAsP活性層502がn−InP基板501上にストライプ状に形成されている。なお、InGaAsP活性層502の幅は、複数モードの光が伝搬されるように設定することができ、多モード導波路403bのInGaAsP活性層502の幅は、例えば、20μmに設定することができる。そして、InGaAsP活性層502の両側は、n−InP基板501上に順次積層されたp−InP電流ブロック層503およびn−InP電流ブロック層504にて埋め込まれている。ここで、p−InP電流ブロック層503およびn−InP電流ブロック層504にてInGaAsP活性層502の両側を埋め込むことにより、埋め込みヘテロ構造を構成することができる。
そして、InGaAsP活性層502およびn−InP電流ブロック層504上には、p−InPクラッド層505が形成されている。ここで、n−InP基板501とp−InPクラッド層505との間にInGaAsP活性層502を形成することにより、InGaAsP活性層502をコアとした利得媒質からなる多モード導波路403bを構成することができる。
そして、p−InPクラッド層505上にはp−GaInAsコンタクト層506が形成されている。また、p−GaInAsコンタクト層506上にはp側電極507が形成され、n−InP基板501の裏面にはn側電極508が形成されている。また、p−InP電流ブロック層503およびn−InP電流ブロック層504にて埋め込まれたInGaAsP活性層502はメサ状にエッチングされ、p−InP電流ブロック層503、n−InP電流ブロック層504、p−InPクラッド層505およびp−GaInAsコンタクト層506の側壁が露出されている。そして、p−InP電流ブロック層503、n−InP電流ブロック層504、p−InPクラッド層505およびp−GaInAsコンタクト層506の側壁には、入力信号光411の伝搬方向に沿うようにして高反射膜509、510が形成されている。なお、高反射膜509、510としては、例えば、TiO2、SiO2などの誘電体多層膜またはAuなどの金属膜を用いることができる。なお、図1の多モード導波路403aも同様の構成をとることができる。
一方、入力導波路402のA−A´線で切断した構成および出力導波路404のC−C´線で切断した構成は、入力導波路402および出力導波路404のInGaAsP活性層502の幅が、多モード導波路403a、403bのInGaAsP活性層502の幅と異なることを除けば、多モード導波路403a、403bと同様の構成をとることができる。すなわち、入力導波路402および出力導波路404のInGaAsP活性層502の幅は、単一モードの光が伝搬されるように設定され、入力導波路402および出力導波路404のInGaAsP活性層502の幅は、例えば、0.8μmに設定することができる。また、接続導波路413も入力導波路402および出力導波路404と同様の構成をとることができる。
なお、InGaAsP活性層502、p−InP電流ブロック層503、n−InP電流ブロック層504、p−InPクラッド層505およびp−GaInAsコンタクト層506をn−InP基板501上に形成する場合、例えば、MBE(molecular beam epitaxy)、MOCVD(metal organic chemical vaper deposition)、あるいはALCVD(atomic layer chemical vaper deposition)などのエピタキシャル成長を用いることができる。
そして、p側電極507に電圧を印加することにより、n−InP電流ブロック層504にて電流を狭窄させながら、InGaAsP活性層502に電流を注入することができる。そして、InGaAsP活性層502に電流が注入されると、InGaAsP活性層502にて発光させることができる。そして、InGaAsP活性層502にて生成された光は、InGaAsP活性層502の両側の高反射膜509、510にて反射され、図1の入力信号光411の導波方向と直交する方向にレーザ発振を起こさせることができる。
すなわち、多モード導波路403の幅方向に形成された高反射膜509、510とInGaAsP活性層502とからなるレーザキャビティでレーザ発振が起こるため、発振光の伝搬方向と信号光の伝搬方向とを直交させることができる。このため、発振光が入力導波路402および出力導波路404に混入することを防止することができ、発振光と信号光とを空間的に分離することができる。このため、信号光と発振光とを分離するための波長フィルタや光導波路を不要とすることができ、素子サイズの増大を抑制しつつ、入力光強度による利得変動を抑えることが可能となる。
また、多モード導波路403a、403bは、InGaAsP活性層502をコアとして、信号光に対しては幅W、長さLMMIの多モード導波路として、発振光に対しては幅LMMI、長さWの多モード導波路として作用するため、発振光および信号光の双方を水平方向(基板面内方向)に伝搬させることができる。このため、通常の半導体レーザおよび半導体光増幅器の製造プロセスをそのまま流用することができ、光増幅素子の製造工程の煩雑化を抑制することが可能となるとともに、高信頼性を確保することができる。
さらに、発振光の伝搬方向となるInGaAsP活性層502の幅方向には、多モード導波路403を構成するための十分なスペースを確保することができる。このため、シングルモード導波路の幅方向または厚み方向に発振光が伝搬する場合に比べて多くの距離を伝搬させることができ、大きな利得を得ることができる。このため、高反射膜409、410の反射率がある程度低くても発振を起こさせることができ、高反射膜409、410の反射率に対する要求を緩和させて、高反射膜409、410の作製を容易化することができる。
図3は、図1のD−D´線で切断した光増幅素子の構成例を示す断面図である。
図3において、n−InP基板1201上には、InGaAsP活性層1202が形成されている。ここで、InGaAsP活性層1202の幅は、多モード導波路403a、403bでは、複数モードの光が伝搬されるように設定するとともに、多モード導波路403a、403bごとに互いに異なるように設定することができる。また、入力導波路402、接続導波路413および出力導波路404では、InGaAsP活性層1202の幅は、単一モードの光が伝搬されるように設定することができる。
そして、InGaAsP活性層1202上には、p−InPクラッド層1205が形成されている。ここで、n−InP基板1201とp−InPクラッド層1205との間にInGaAsP活性層1202を形成することにより、InGaAsP活性層1202をコアとした利得媒質からなる入力導波路402および多モード導波路403a、403bをそれぞれ構成することができる。
そして、p−InPクラッド層1205上にはp−GaInAsコンタクト層1206a〜1206cが形成されている。ここで、p−GaInAsコンタクト層1206a〜1206cは、入力導波路402および多モード導波路1103a、1103bにそれぞれ対応するように分割して配置されている。また、p−GaInAsコンタクト層1206a〜1206c上にはp側電極1207a〜1207cがそれぞれ形成され、n−InP基板1201の裏面にはn側電極1208が形成されている。
ここで、p−GaInAsコンタクト層1206a〜1206cおよびp側電極1207a〜1207cをそれぞれ分割することにより、入力導波路402および多モード導波路1103a、1103bごとに注入電流密度を独立に制御することができる。
図4は、本発明の光増幅素子の動作原理を示す平面図である。なお、図4の光増幅素子の構成は、図1の光増幅素子の多モード導波路403a、403bを1つだけ設けた場合に対応している。
すなわち、図4において、n−InP基板601上には、入力信号光611を入力する入力導波路602、入力信号光611を導波させる多モード導波路603、出力信号光612を出力する出力導波路604が形成されている。ここで、入力導波路602および出力導波路604は、InGaAsPをコアとした利得媒質からなるシングルモード導波路から構成することができ、多モード導波路603は、InGaAsPをコアとした利得媒質からなる多モード導波路から構成することができる。
また、入力導波路602側のn−InP基板601の端面605には反射防止膜607が形成されるとともに、出力導波路604側のn−InP基板601の端面606には反射防止膜608が形成されている。さらに、多モード導波路603の両脇には、高反射膜609、610が対向配置されている。
そして、入力導波路602に入射した入力信号光611は、入力導波路602を伝搬して多モード導波路603に入射される。そして、入力信号光611が多モード導波路603に入射すると、入力信号光611は多モード導波路603における固有モードに展開される。すなわち、入力導波路602の基本伝搬モードと多モード導波路603の複数の伝搬モードとの重なり積分に比例したパワー分布で多モード導波路603内の複数の伝搬モードが励振される。そして、多モード導波路603内で励振された各モードは、それぞれの伝搬定数により決定される位相条件で多モード導波路603内を伝搬する。
そして、光がある距離だけ伝搬すると、各モードの光の位相が多モード導波路603内で互いに強め合う状態となり、1つまたは複数のスポットに集光される。ここで、(1)式の関係を満たすように、多モード導波路603の長さLを設定することにより、多モード導波路603内を伝搬する信号光を1つのスポットに集光させることができる。そして、多モード導波路603内を長さLMMIだけ伝搬した信号光は出力導波路604に入射し、出力導波路604を伝搬した後、出力信号光612として端面606から出射される。
これにより、多モード導波路603内で自己結像効果を起こさせることが可能となり、多モード導波路603内を伝搬した信号光を出力導波路604の基本モードに結合させることができる。このため、複数の伝搬モードを多モード導波路603内で励振させた場合においても、多モード導波路603と出力導波路604との間の結合損失を低減させることができる。
例えば、多モード導波路603の幅W=20μm、多モード導波路603の等価屈折率neq=3.24、入力信号光411の波長λ=1.55μm、m=1とすると、多モード導波路603の長さLMMI=836μmに設定することができる。
また、入力導波路602、多モード導波路603および出力導波路604のコアは利得媒質を含むため、入力信号光611は、入力導波路602、多モード導波路603および出力導波路604を伝搬するに従って増幅され、増幅された出力信号光612を得ることができる。
一方、多モード導波路603にて生成された自然放出光は四方八方に放出され、多モード導波路603の両脇の高反射膜609、610にて反射させることにより、入力信号光611の導波方向と直交する方向にレーザ発振を起こさせることができる。そして、入力信号光611の導波方向と直交する方向にレーザ発振が起こると、多モード導波路603に入射された信号光の強度が変動した場合においても、多モード導波路603のキャリア密度を一定に保つことができ、光増幅素子の利得を一定値にクランプさせることができる。
このため、出力導波路604から出射される増幅光に発振光が混入することを防止しつつ、発振により利得がクランプされた利得媒質内で、入力信号光611を増幅させることが可能となる。この結果、信号光と発振光とを分離するための波長フィルタや光導波路を不要とすることができ、素子サイズの増大を抑制しつつ、入力光強度による利得変動を抑えることが可能となる。
ここで、図4のA−A´線で切断した光増幅素子の構成は図2の構成と同様とすることができ、図4のB−B´線で切断した光増幅素子の構成は図1のC−C´線で切断した光増幅素子の構成と同様とすることができる。
そして、例えば、高反射膜509、510の反射率RHが0.9、すなわち90%であったとする。この場合、デシベル表示に直すと、10×log(RH)となり、反射損失の0.46dBに相当する。そして、多モード導波路603では自然放出光が四方八方に放出され、多モード導波路603の幅方向に進行または導波する光が高反射膜509、510にて反射される。
ここで、反射損失は0.46dBなので、この反射光が多モード導波路603の幅方向に距離Wだけ伝搬する間に0.46dBの利得があれば、反射損失と利得とが釣り合う。この結果、高反射膜509、510とInGaAsP活性層502とからなるレーザキャビティが多モード導波路603の幅方向に形成され、多モード導波路603の幅方向にレーザ発振を起こさせることができる。
例えば、多モード導波路603の幅W=20μmとすると、多モード導波路603の利得が0.46dB/20μmだけあればレーザ発振を起こさせることができる。そして、多モード導波路603内にレーザ発振が起こると、InGaAsP活性層502に入射された信号光強度が変動した場合においても、InGaAsP活性層602のキャリア密度を一定に保つことができ、光増幅素子の利得を一定値にクランプさせることができる。
一方、多モード導波路403を軸方向に伝搬する信号光の利得について考えると、多モード導波路603の長さLMMI=836μmであり、多モード導波路603の利得は0.46dB/20μmにクランプされている。このため、多モード導波路603を伝搬した時の信号光の利得は、
836μm×(0.46dB/20μm)=19dB ・・・(2)
にクランプされる。
そして、多モード導波路603の利得がクランプされると、これ以上多モード導波路603に電流を注入しても、この電流は発振光のパワーを増大させるために消費され、信号光の利得に寄与することはない。一方、入射側端面605および出射側端面606には反射防止膜607、608がそれぞれ設けられているため、残留反射率RARは0.1%以下(−30dB以下)に抑えられている。このため、多モード導波路603の利得が19dBだけあったとしても、入力信号光411の伝搬方向では発振に至ることはなく、進行波型の光増幅動作が行われる。
図5は、図4の光増幅素子の飽和特性を示す図である。
図5において、多モード導波路603に電流を注入すると、最初は電流の増加とともに利得は増加する。そして、電流がI1に達すると、多モード導波路603の幅方向に距離Wだけ伝搬した時の利得がしきい値利得Glateralに達し、多モード導波路603の幅方向で発振が生じる。この時、しきい値利得Glateralは、
lateral=−10×log(RH)(dB) ・・・(3)
で与えられる。
さらに電流を増加させ、電流がI2(>I1)に達した場合においても、多モード導波路603内では既に発振が生じているためキャリア密度は一定値にクランプされ、利得は増加しない。すなわち、通常の光増幅素子では、電流がI1を超えても、電流の増加に伴って利得が単調増加するのに対して、本実施形態では、多モード導波路603の利得をG0にクランプさせることができる。この時、信号光の利得G0は、
0=Glatera×LMMI/W ・・・(4)
で与えられる。ここで、信号光の利得G0は、(1)、(3)式を用いることにより、
0=−10×log(RH)×neq×W/λ ・・・(5)
となる。
そして、電流がI1以上の動作状態、すなわち、多モード導波路603の幅方向で発振が生じているために利得がG0にクランプされている状態では、図3の入力信号光611の強度が大きくなった場合でも、発振光の強度が減少するだけで光増幅素子内部の発振光と信号光のトータルの光強度は一定に保たれる。このため、光増幅素子内の利得媒質のキャリア密度に変動が生じることはなく、図14に示すように、光増幅素子の利得は一定に保たれる。この結果、入力信号光611の波長多重数が変化した場合においても、利得変動を抑制することができ、波長多重光伝送システムを安定に動作させることができる。
ここで、図4の光増幅素子が1つの多モード導波路603を用いているのに対し、図1の光増幅素子が複数の多モード導波路403a、403bを多段接続している点を除けば、図1の光増幅素子の動作原理は、図4の光増幅素子の動作原理と同様である。
そして、図1の構成では、長さがそれぞれLMMIに設定された複数の多モード導波路403a、403bを多段接続することにより、自己結合効果を発現させることを可能としつつ、クランプ利得を稼ぐことが可能となる。このため、注入電流密度を一定に保ちつつ、多モード導波路403a、403bのサイズを小さくすることが可能となり、接続導波路413および出力導波路404の基本モードに信号光を低損失で結合させることを可能としつつ、駆動電流を低減させることができる。
例えば、高反射膜409、410の反射率RHが0.94、すなわち94%であったとする。そして、各多モード導波路403a、403bの幅W=10μmとすると、(5)式により、多モード導波路403a、403bをLMMIだけ伝搬した時の信号光のクランプ利得はそれぞれ5.6dBとなる。この時、各多モード導波路403a、403bにおいて、光が最初にスポット状に集光されるまでの長さLMMIは、(1)式により209μmとなる。このため、多モード導波路403a、403bを2段の縦属接続すると、多モード導波路403a、403bの1段分のクランプ利得は5.6dBなので、多モード導波路403a、403b全体のクランプ利得は11.2Bとなる。
また、図1の構成では、多モード導波路403a、403bによる利得分だけでなく、入力導波路402による利得分もある。ここで、入力導波路402では、入力信号光411の伝搬方向と垂直な方向に自然放出光が反射されることがないため、入力信号光411の伝搬方向と垂直な方向に発振が起こることはない。このため、入力導波路402においては利得がクランプされることはなく、注入電流に応じて利得を変化させることができる。ただし、入力導波路402は、入力信号光411の入射端に配置されているため、入力信号光411の強度は弱く、入力導波路402にて増幅された入力信号光411の強度も飽和出力強度に達することはない。このため、入力導波路402では、図12に示すように、入力光強度がP1よりも小さな利得が平坦な領域で増幅動作を行わせることができる。このため、入力導波路402では、入力信号光411の強度が変動した場合においても、利得変動を抑えることができ、利得を一定に保つことができる。
例えば、入力導波路402の幅W0および長さL0はそれぞれ0.8mm、200μmに設定することができる。そして、入力導波路402への注入電流を変化させることにより、入力導波路402の利得を−20dB(吸収)から+10dB(増幅)まで変化させることができる。
そして、入力導波路402にて増幅された入力信号光411が多モード導波路403a、403bに入射すると、多モード導波路403a、403bにて利得がクランプされながら入力信号光411がさらに増幅され、入力信号光411の利得変動を伴うことなく、入力信号光411の利得を稼ぐことができる。例えば、入力導波路402にて−20dBから+10dBまで利得が可変させられた入力信号光411が多モード導波路403a、403bに入射すると、多モード導波路403a、403bにて11.2B分だけ増幅され、全体で−8.8dBから+21.2dBまで利得を可変させることができる。
なお、利得媒質を含む導波路の構成に関しては、特に制約を設けるものではなく、通常の光増幅素子で用いられている全ての層構造に適用するようにしてもよい。すなわち、InGaAsP活性層502の形状はバルクの他、MQW(多重量子井戸)、量子細線、量子ドットなどでもよく、また、上下の閉じ込めを所望の値にするために分離閉じ込めヘテロ構造(SCH)や、屈折率を徐々に変化させた傾斜屈折率閉じ込め構造(GRIN−SCH)としてもよい。例えば、バンドギャップ波長が利得媒質とInPクラッドとの間にあるようなInGaAsP分離閉じ込め層または光ガイド層を利得媒質の上部または下部に設けるようにしてもよい。さらに、材料に関しても、InPおよびInGaAsPの組み合わせに限定されることなく、GaAs、AlGaAs、GaInAs、GaInNAs、AlGaAsPなど他の半導体材料を用いるようにしてもよい。
また、導波路構造に関しても、pn埋め込み、リッジ構造、半絶縁埋め込み構造、ハイメサ構造を用いるようにしてもよい。さらに、基板に関しても、n型基板に限定されることなく、p型基板または半絶縁性基板を用いるようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、信号光の伝搬経路に沿って、入力導波路402から多モード導波路403を経て出力導波路404に至るまでの全てについて利得媒質をコアに含む場合について説明したが、少なくとも入力導波路402および多モード導波路403a、403bのコアまたはクラッドの一部に利得媒質を設けるようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、m=1の場合について説明したが、各多モード導波路403a、403bの長さはそれぞれ独立に(1)式を満たせばよく、m=1に限定されない。例えば、多モード導波路403aではm=2、多モード導波路403bではm=1とするようにしてもよく、多モード導波路403a、403bごとに任意の整数mを用いた場合にも本発明の効果が期待できる。さらに、上述した実施形態では、多モード導波路403a、403bを2段接続する方法について説明したが、2段に限定されることなく、n(nは正の整数)段構成なら何段でもよい。
また、上述した実施形態では、高反射膜409、410を第2領域R2にのみ形成する方法について説明したが、高反射膜409、410を第1領域R1に延伸させるようにしてもよい。ここで、入力導波路402では、利得領域の幅が小さく幅方向の利得が小さいため、高反射膜409、410を第1領域R1に延伸させた場合においても、入力導波路402の幅方向に発振が起こらないようにすることができる。このため、入力導波路402の利得がクランプされることを防止することができ、注入電流に応じて入力導波路402の利得を調整することができる。例えば、入力導波路402の幅は0.8〜1.2μm程度以下、多モード導波路403a、403bの幅は8〜12μm程度であるため、入力導波路402の幅は多モード導波路403a、403bの幅の1/10以下となる。このため、入力導波路402の幅方向の利得は(3)式のしきい値利得Glateralには達することはないため、高反射膜409、410を第1領域R1に延伸させた場合においても、入力導波路402の利得がクランプされることを防止することができる。
図6は、本発明の第2実施形態に係る光増幅素子の概略構成を示す断面図である。なお、図6の断面図は、図1のB−B´線で切断した光増幅素子の構成部分に対応し、図6の実施形態の水平方向の導波路の構成は図1と同様の構成をとることができる。
図6において、n−InP基板701上には、InGaAsP分離閉じ込め層711が形成されている。なお、InGaAsP分離閉じ込め層711は、信号光の波長に対して透明になるように構成することができる。そして、InGaAsP分離閉じ込め層711上には、InGaAsP活性層702がストライプ状に形成されている。なお、InGaAsP活性層702の幅は、多モード導波路では、複数モードの光が伝搬されるように設定することができる。
そして、InGaAsP活性層702の両側は、InGaAsP分離閉じ込め層711上に順次積層されたp−InP電流ブロック層703およびn−InP電流ブロック層704にて埋め込まれている。そして、InGaAsP活性層702およびn−InP電流ブロック層704上には、p−InPクラッド層705が形成されている。
そして、p−InPクラッド層705上にはp−GaInAsコンタクト層706が形成されている。また、p−GaInAsコンタクト層706上にはp側電極707が形成され、n−InP基板701の裏面にはn側電極708が形成されている。また、p−InP電流ブロック層703およびn−InP電流ブロック層704にて埋め込まれたInGaAsP活性層702はメサ状にエッチングされ、InGaAsP分離閉じ込め層711、p−InP電流ブロック層703、n−InP電流ブロック層704、p−InPクラッド層705およびp−GaInAsコンタクト層706の側壁が露出されている。そして、InGaAsP分離閉じ込め層711、p−InP電流ブロック層703、n−InP電流ブロック層704、p−InPクラッド層705およびp−GaInAsコンタクト層706の側壁には、信号光の伝搬方向に沿うようにして高反射膜709、710が形成されている。ここで、InGaAsP分離閉じ込め層711は、InGaAsP活性層702とともに導波路のコアを構成することができ、多モード導波路の幅よりも横に広がるようにして、高反射膜709、710まで到達するように構成することができる。
なお、入力導波路および出力導波路の構成は、入力導波路および出力導波路のInGaAsP活性層702の幅が多モード導波路のInGaAsP活性層702の幅と異なることを除けば、多モード導波路703と同様の構成をとることができる。すなわち、入力導波路および出力導波路のInGaAsP活性層702の幅は、単一モードの光が伝搬されるように設定することができる。
そして、p側電極707に電圧を印加することにより、n−InP電流ブロック層704にて電流を狭窄させながら、InGaAsP活性層702に電流を注入することができる。そして、InGaAsP活性層702に電流が注入されると、InGaAsP活性層702にて発光させることができる。そして、InGaAsP活性層702にて生成された光は、InGaAsP活性層702の両側の高反射膜709、710にて反射され、信号光の導波方向と直交する方向にレーザ発振を起こさせることができる。
ここで、高反射膜709、710の方向に延伸されたInGaAsP分離閉じ込め層711をInGaAsP活性層702の下層に設けることにより、発振光に対するコアを高反射膜709、710まで延伸することができる。このため、InGaAsP活性層702にて生成された光をInGaAsP分離閉じ込め層711にてガイドしながら、高反射膜709、710に導くことができ、キャビティ内における発振光の損失を減少させることが可能となる。このため、多モード導波路内で発振光を効率よくフィードバックさせることが可能となり、高反射膜709、710の反射率に対する要求を緩和することができる。
そして、図6の多モード導波路の前段にシングルモード利得領域を設け、多モード導波路とシングルモード利得領域とに独立して電流を注入することができる。そして、シングルモード利得領域で利得を可変させながら信号光を増幅し、多モード導波路にて利得をクランプさせながら信号光をさらに増幅することができる。このため、入力光強度または出力光強度が増大しても利得変動を抑制することが可能となるとともに、電流注入に応じて利得を可変させつつ安定に増幅を行わせることができる。また、発振光の伝搬方向を信号光の伝搬方向と直行させることができ、発振光を除去するための波長フィルタを不要とすることができる。
なお、高反射膜709、710は必ずしも導波路に沿うようにして構成する必要はない。また、上述した実施形態では、InGaAsP分離閉じ込め層711の幅をInGaAsP活性層702の幅よりも広くする方法について説明したが、InGaAsP分離閉じ込め層711の幅はInGaAsP活性層702の幅と等しくてもよい。
図7は、本発明の第3実施形態に係る光増幅素子の概略構成を示す平面図である。
図7において、n−InP基板901上には、多モード導波路903aに接続され、入力信号光911を入力する入力導波路902、信号光を導波させる複数の多モード導波路903a、903b、多モード導波路903a、903bを互いに接続する接続導波路913、多モード導波路903bに接続され、出力信号光912を出力する出力導波路904が形成されている。
ここで、入力導波路902は、InGaAsPをコアとしたシングルモード利得導波路から構成することができ、出力導波路904は、入力信号光911の波長に対して透明なInGaAsPをコアとしたシングルモード導波路から構成することができ、多モード導波路903a、903bは、InGaAsPをコアとした利得媒質からなる多モード導波路から構成することができ、接続導波路913は、入力信号光911の波長に対して透明なInGaAsPをコアとしたシングルモード導波路から構成することができる。そして、入力導波路402および多モード導波路403a、403bの利得媒質にはそれぞれ独立して電流を注入することができる。
また、入力導波路902、多モード導波路903a、903b、接続導波路913および出力導波路904は導波路中心軸が互いに一致するようにn−InP基板901上に並べて配置することができる。また、各多モード導波路903a、903bの長さLは、(1)式の関係を満たすように設定することができる。また、各多モード導波路903a、903bの幅Wは、複数モードの光が伝搬されるように設定することができ、入力導波路902、接続導波路913および出力導波路904の幅は、単一モードの光が伝搬されるように設定することができる。
また、入力導波路902側のn−InP基板901の端面905には反射防止膜907が形成されるとともに、出力導波路904側のn−InP基板901の端面906には反射防止膜908が形成されている。さらに、多モード導波路903の両脇には、高反射膜909、910が対向配置されている。
図8は、図7のA−A´線で切断した光増幅素子の構成例を示す断面図である。
図8において、n−InP基板1001上には、InGaAsP入力導波路活性層1002、InGaAsP多モード導波路活性層1003a、1003b、InGaAsP接続導波路コア層1009およびInGaAsP出力導波路コア層1004が形成されている。ここで、InGaAsP多モード導波路活性層1003aは、InGaAsP入力導波路活性層1002に接続され、InGaAsP多モード導波路活性層1003bは、InGaAsP接続導波路コア層1009とInGaAsP出力導波路コア層1004との間に配置されている。
なお、InGaAsP入力導波路活性層1002の幅は、単一モードの光が伝搬されるように設定することができ、例えば、0.8μmに設定することができる。また、InGaAsP多モード導波路活性層1003a、1003bの幅は、複数モードの光が伝搬されるように設定することができ、例えば、20μmに設定することができる。
そして、InGaAsP入力導波路活性層1002、InGaAsP多モード導波路活性層1003a、1003b、InGaAsP接続導波路コア層1009およびInGaAsP出力導波路コア層1004上には、p−InPクラッド層1005が形成されている。ここで、InGaAsP入力導波路活性層1002およびInGaAsP多モード導波路活性層1003a、1003bをn−InP基板1001とp−InPクラッド層1005との間に形成することにより、InGaAsP入力導波路活性層1002をコアとした利得媒質からなる単一モード導波路902を構成することが可能となるとともに、InGaAsP多モード導波路活性層1003a、1003bをコアとした利得媒質からなる多モード導波路903a、903bをそれぞれ構成することができる。
そして、p−InPクラッド層1005上にはp−GaInAsコンタクト層1006a〜1006cが形成されている。ここで、p−GaInAsコンタクト層1006a〜1006cは、InGaAsP入力導波路活性層1002およびInGaAsP多モード導波路活性層1003a、1003bにそれぞれ対応するように分割して配置されている。また、p−GaInAsコンタクト層1006a〜1006c上にはp側電極1007a〜1007cがそれぞれ形成され、n−InP基板1001の裏面にはn側電極1008が形成されている。
ここで、p−GaInAsコンタクト層1006a〜1006cおよびp側電極1007a〜1007cをそれぞれ分割することにより、InGaAsP入力導波路活性層1002およびInGaAsP多モード導波路活性層1003a、1003bにそれぞれ独立して電流を注入することが可能となるとともに、InGaAsP接続導波路コア層1009およびInGaAsP出力導波路コア層1004に電流が注入されることを抑制することができ、フリーキャリア吸収損失を低減させることができる。
そして、図7において、入力導波路902に入射した入力信号光911は、入力導波路902を伝搬して多モード導波路903aに入射される。ここで、多モード導波路903a、903bと独立に入力導波路902に電流を注入することにより、電流注入量に応じて入力導波路902の利得を変化させることができ、入力導波路902を伝搬する入力信号光911を所望の強度に増幅することができる。
そして、入力信号光911が多モード導波路903aに入射すると、多モード導波路903a内の複数の伝搬モードが励振され、それぞれの伝搬定数により決定される位相条件で多モード導波路903a内を伝搬する。そして、多モード導波路903a内を伝搬した光は、接続導波路913に入射し、接続導波路913を伝搬した後、多モード導波路903bに入射する。そして、多モード導波路903bに入射した信号光は、多モードに展開されながら多モード導波路903bを伝搬し、出力導波路904に入射する。そして、出力導波路904に入射した信号光は、出力導波路904を伝搬した後、出力信号光912として端面906から出射される。
なお、(1)式の関係を満たすように、各多モード導波路903a、903bの長さLを設定することにより、各多モード導波路903a、903b内を伝搬した信号光を、接続導波路913および出力導波路904の基本モードにそれぞれ結合させることができ、各多モード導波路903a、903bと接続導波路913および出力導波路904との間の結合損失を低減させることができる。
ここで、入力導波路902および多モード導波路903a、903bのコアは利得媒質を含むため、入力導波路902にて利得が調整された入力信号光911は、各多モード導波路903a、903bを伝搬するに従って増幅され、トータル利得を可変させることを可能としつつ、増幅された出力信号光912を得ることができる。
一方、各多モード導波路903a、903bにて生成された自然放出光は四方八方に放出され、多モード導波路903a、903bの両脇の高反射膜909、910にて反射させることにより、入力信号光911の導波方向と直交する方向にレーザ発振を起こさせることができる。そして、入力信号光911の導波方向と直交する方向にレーザ発振が起こると、各多モード導波路903a、903bに入射された信号光強度が変動した場合においても、各多モード導波路903a、903bのキャリア密度を一定に保つことができ、光増幅素子の利得を一定値にクランプさせることができる。
このため、接続導波路913および出力導波路904をバットジョイント構成とした場合においても、出力導波路904から出射される増幅光に発振光が混入することを防止しつつ、発振により利得がクランプされた利得媒質内で、入力信号光911を増幅させることが可能となる。この結果、信号光と発振光とを分離するための波長フィルタや光導波路を不要とすることができ、素子サイズの増大を抑制しつつ、入力光強度による利得変動を抑えることが可能となる。
また、上述した実施形態では、接続導波路913および出力導波路904が、入力信号光911の波長に対して透明な材質をコアとしたシングルモード導波路から構成されている。このため、多モード導波路903a、903bにて増幅された信号光がそれぞれ集光された状態で接続導波路913および出力導波路904に入射したために、光パワー密度が高くなった場合においても、利得飽和による波形劣化を防止することができる。また、接続導波路913および出力導波路904を、入力信号光911の波長に対して透明な材質をコアとしたシングルモード導波路から構成することにより、接続導波路913および出力導波路904に電流注入する必要がなくなり、駆動電流を低減することができる。
なお、上述した実施形態では、接続導波路913および出力導波路904の全てを入力信号光911の波長に対して透明な材質を用いて構成する方法について説明したが、必ずしも接続導波路913および出力導波路904の全てを入力信号光911の波長に対して透明な材質を用いて構成する必要はなく、接続導波路913および出力導波路904のいずれかを入力信号光911の波長に対して透明な材質を用いて構成するようにしてもよい。
また、多モード導波路903a、903bの全てについて利得媒質をコアに含む場合について説明したが、少なくとも多モード導波路903a、903bのコアまたはクラッドの一部に利得媒質を設けるようにしてもよい。また、図6の実施形態でも、導波路の構成、コア層もしくは利得媒質の組成および構造、SCH構造の有無などは、図1の実施形態と同様に様々な変形を施すことができる。さらに、図7の実施形態では、高反射膜909、910を入力導波路902の横にまで延伸させる方法について説明したが、高反射膜909、910は少なくとも多モード導波路903a、903bの横にあればよい。
図9は、本発明の第4実施形態に係る光増幅素子の概略構成を示す平面図である。
図9において、n−InP基板1101上には、多モード導波路1103aに接続され、入力信号光1111を入力する入力導波路1102、信号光を導波させる複数の多モード導波路1103a、1103b、多モード導波路1103a、1103bを互いに接続する接続導波路1113、多モード導波路1103bに接続され、出力信号光1112を出力する出力導波路1104が形成されている。
ここで、入力導波路1102および出力導波路1104は、InGaAsPをコアとした利得媒質からなるシングルモード導波路から構成することができ、多モード導波路1103a、1103bは、InGaAsPをコアとした利得媒質からなる多モード導波路から構成することができ、接続導波路1113は、InGaAsPをコアとした利得媒質からなるシングルモード導波路から構成することができる。そして、入力導波路1102および多モード導波路1103a、1103bの利得媒質にはそれぞれ独立して電流を注入することができる。
また、入力導波路1102、多モード導波路1103a、1103b、接続導波路1113および出力導波路1104は導波路中心軸が互いに一致するようにn−InP基板1101上に並べて配置することができる。また、各多モード導波路1103a、1103bの幅W1、W2は複数モードの光がそれぞれ伝搬されるように互いに異なるように設定することができる。また、入力導波路1102、接続導波路1113および出力導波路1104の幅は、単一モードの光が伝搬されるように設定することができる。また、各多モード導波路1103a、1103bの長さL1、L2は、(1)式の関係を満たすようにそれぞれ設定することができる。
また、入力導波路1102側のn−InP基板1101の端面1105には反射防止膜1107が形成されるとともに、出力導波路1104側のn−InP基板1101の端面1106には反射防止膜1108が形成されている。さらに、多モード導波路1103a、1103bの両脇には、高反射膜1109、1110が対向配置されている。
そして、入力導波路1102に入射した入力信号光1111は、入力導波路1102を伝搬して多モード導波路1103aに入射される。ここで、多モード導波路1103a、1103bと独立に入力導波路1102に電流を注入することにより、電流注入量に応じて入力導波路1102の利得を変化させることができ、入力導波路1102を伝搬する入力信号光1111を所望の強度に増幅することができる。
そして、入力信号光1111が多モード導波路1103aに入射すると、多モード導波路1103a内の複数の伝搬モードが励振され、それぞれの伝搬定数により決定される位相条件で多モード導波路1103a内を伝搬する。そして、多モード導波路1103a内を伝搬した光は、接続導波路1113に入射し、接続導波路1113を伝搬した後、多モード導波路1103bに入射する。そして、多モード導波路1103bに入射した信号光は、多モードに展開されながら多モード導波路1103bを伝搬し、出力導波路1104に入射する。そして、出力導波路1104に入射した信号光は、出力導波路1104を伝搬した後、出力信号光1112として端面1106から出射される。
なお、(1)式の関係を満たすように、各多モード導波路1103a、1103bの長さL1、L2をそれぞれ設定することにより、各多モード導波路1103a、1103b内を伝搬した信号光を、接続導波路1113および出力導波路1104の基本モードにそれぞれ結合させることができ、各多モード導波路1103a、1103bと接続導波路1113および出力導波路1104との間の結合損失を低減させることができる。
ここで、入力導波路1102および各多モード導波路1103a、1103bのコアは利得媒質を含むため、入力導波路1102にて利得が調整された入力信号光1111は、各多モード導波路1103a、1103bを伝搬するに従って増幅され、トータル利得を可変させることを可能としつつ、増幅された出力信号光1112を得ることができる。
一方、各多モード導波路1103a、1103bにて生成された自然放出光は四方八方に放出され、多モード導波路1103a、1103bの両脇の高反射膜1109、1110にて反射させることにより、入力信号光1111の導波方向と直交する方向にレーザ発振を起こさせることができる。そして、入力信号光1111の導波方向と直交する方向にレーザ発振が起こると、各多モード導波路1103a、1103bに入射された信号光強度が変動した場合においても、各多モード導波路1103a、1103bのキャリア密度を一定に保つことができ、光増幅素子の利得を一定値にクランプさせることができる。
このため、多モード導波路1103a、1103bの幅W1、W2が互いに異なるように設定した場合においても、出力導波路1104から出射される増幅光に発振光が混入することを防止しつつ、発振により利得がクランプされた利得媒質内で、入力信号光1111を増幅させることが可能となる。この結果、信号光と発振光とを分離するための波長フィルタや光導波路を不要とすることができ、素子サイズの増大を抑制しつつ、入力光強度による利得変動を抑えることが可能となる。
また、多モード導波路1103a、1103bの幅W1、W2が互いに異なるように設定することにより、多モード導波路1103a、1103bごとに注入キャリア密度を変化させることが可能となる。このため、利得を稼ぎながら、飽和出力パワーを増大させたり、NFを向上させたりすることができ、光増幅素子の用途に応じて様々な動作状態を実現することができる。
例えば、高反射膜1109、1110の反射率RHが0.94(94%)であったとする。このとき、多モード導波路1103a、1103bの発振しきい値利得は、(3)式により、0.27dBとなる。いま、多モード導波路1103a、1103bの幅W1、W2がそれぞれ8μm、12μmであるとすると、(5)式により多モード導波路1103a、1103bを伝搬した時の信号光のクランプ利得はそれぞれ4.5dB、6.7dBとなる。またこの時の多モード導波路1103a、1103bの長さL1、L2は、(1)式において、LMMIをLi、neqをneqi、WをWi、mをmiと読み替え、さらにmi=1としてそれぞれ134μm、301μmとなる。そこで、本実施形態で示したように、導波路幅W1、W2の多モード領域を、シングルモード接続導波路1113により2段縦属接続すると、2段全体ではクランプ利得は11.2dBとなる。これは、図1に示した第1実施形態の構成と等しい値となっている。
ここで、それぞれ幅の異なる多モード領域における単位長さ当たりの利得を考えてみると、幅が8μmの領域では、0.27dB/8μm=0.03375B/μm、幅が12μmの領域では、0.27dB/12μm=0.0225dB/μmとなっており、幅が狭い領域の方が単位長さ当たりの利得が高くなっていることがわかる。半導体媒質の単位長さ当たりの利得は非飽和時にはキャリア密度に比例するため、多モード領域のうちで幅が狭いほど高注入状態で動作していることになる。従って、当然のことながら、p側電極1207a〜1207cに注入される電流は、複数存在する多モード領域において、幅が狭い領域ほど注入電流密度が高くなるように制御される。
飽和出力の増大は次の理由による。すなわち、第1実施形態において説明したように、本発明の光増幅素子は、利得を有する活性層内部での信号光と発振光の合計の光強度、もしくは光子密度が一定となるような状態で動作する。利得の飽和は、信号光強度が増加し、発振光強度がゼロとなった時に生じる。本実施形態では、多モード導波路を用いているため、飽和出力を上げるためには、活性層内部での信号光の強度分布、もしくは光子密度分布を下げるような構造とすればよいことになる。いま、信号光の強度について考えると、光強度もしくは光子密度は信号光の導波モードのモード断面積を大きくすることにより低減することができる。本実施形態の場合、信号光は多モード導波路を伝搬しているため、導波路幅を広くすることにより信号光のパワーはより多くの導波モードに分配され、導波路幅全体に広がるために光強度もしくは光子密度は小さくなる。シングルモード導波路の場合、シングルモード条件のために導波路幅には上限が存在するが、本実施形態では多モード導波路を用いているために、導波路幅に対する制約はない。
しかも、多モード導波路の幅Wと多モード導波路の長さLは(1)式の関係を満たすため、多モード導波路内を伝搬する信号光は、自己結像効果により集光されて全てシングルモードとして出力される。そのため、多モード導波路を用いた場合の飽和出力は、発振光の強度がゼロとなる時の信号光強度(飽和出力密度)と、多モード導波路内を広がって伝搬する信号光の強度(密度)との関係を考慮すれば良いことになり、飽和出力は、飽和出力密度とモード断面積、もしくは導波路幅(より正確には導波路断面積)の積に比例する。入力信号光は多モード導波路内で飽和出力密度に達するまで飽和することなく増幅され、自己結像効果により集光されて出力される。
従って、単に導波路幅を広げることで(飽和出力密度×導波路幅)が増大し、飽和出力を向上させることが可能となる。例えば、導波路幅を2倍にすれば、導波路内での平均の光強度(光子密度)は1/2となる。そこで、導波路幅を広げたことにより、信号光強度が飽和出力密度に達するまでに2倍の余裕が生まれたことになる。逆に、導波路幅が2倍になっているため、信号光強度が飽和出力密度に達したときに出力される全パワーも2倍になる。これは素子の飽和出力が2倍になったことに相当する。
このように、多モード導波路の幅を入力側から順にW1<W2のように出力側ほど広くなるように設定することにより、図1に示した第1実施形態の構成と等しい利得をとりながら、飽和出力パワーがさらに大きくなるという効果が期待される。
なお、上述した実施形態では、多モード導波路1103a、1103bの幅W1、W2が入力側から出力側に向かって段々広くなるように構成する方法について説明したが、本実施携帯では、入力側から出力側に向かって段々広くなるように構成する方法に限定されることなく、例えば、多モード導波路1103a、1103bの幅W1、W2をW1>W2となるように設定してもよい。この場合、多モード導波路1103aで効果的に利得を稼ぎ、飽和出力の小さな多モード導波路1103bに信号光を注入することが可能となる。この構成は、波長変換などのアプリケーションに適した構造となる。このように、目的に応じて多モード領域の幅の大小関係を任意に決定できることも本構成のメリットの一つである。逆に、多モード領域の幅を変えるだけで様々の動作状態が容易に実現できることが本実施形態の特徴の一つであるといえる。
なお、図9の実施形態でも、導波路の構成、コア層もしくは利得媒質の組成および構造、SCH構造の有無、光反射膜の位置などは、図1の実施形態と同様に様々な変形を施すことができる。また、図9の実施形態では、入力導波路1102および出力導波路1104についても、InGaAsPをコアとした利得媒質からなるシングルモード導波路から構成する方法について説明したが、図7と同様に、出力導波路1104が入力信号光1111の波長に対して透明な媒質を用いて構成されるようにしてもよい。また、接続導波路1113についても入力信号光1111の波長に対して透明な媒質を用いて構成されるようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、m=1の場合について説明したが、各多モード導波路1103a、1103bの長さはそれぞれ独立に(1)式を満たせばよく、m=1に限定されることなく、多モード導波路1103a、1103bごとに任意の整数mを用いた場合にも本発明の効果が期待できる。さらに、上述した実施形態では、多モード導波路1103a、1103bを2段接続する方法について説明したが、2段に限定されることなく、n(nは正の整数)段構成なら何段でもよい。
図10は、本発明の第5実施形態に係る光増幅素子の概略構成を示す平面図である。
図10において、n−InP基板1301上には、多モード導波路1303aに接続され、入力信号光1311を入力する入力導波路1302、信号光を導波させる複数の多モード導波路1303a、1303b、多モード導波路1303bに接続され、出力信号光1312を出力する出力導波路1304が形成されている。ここで、多モード導波路1303aは多モード導波路1303bに直接接続されている。また、入力導波路1302および出力導波路1304は、InGaAsPをコアとした利得媒質からなるシングルモード導波路から構成することができ、多モード導波路1303a、1303bは、InGaAsPをコアとした利得媒質からなる多モード導波路から構成することができる。そして、入力導波路1302および多モード導波路1303a、1303bの利得媒質にはそれぞれ独立して電流を注入することができる。
また、入力導波路1302、多モード導波路1303a、1303bおよび出力導波路1304は導波路中心軸が互いに一致するようにn−InP基板1301上に並べて配置することができる。また、各多モード導波路1303a、1303bの幅W1、W2は複数モードの光がそれぞれ伝搬されるように互いに異なるように設定することができる。また、入力導波路1302および出力導波路1304の幅は、単一モードの光が伝搬されるように設定することができる。また、各多モード導波路1303a、1303bの長さL1、L2は、(1)式の関係を満たすようにそれぞれ設定することができる。
また、入力導波路1302側のn−InP基板1301の端面1305には反射防止膜1307が形成されるとともに、出力導波路1304側のn−InP基板1301の端面1306には反射防止膜1308が形成されている。さらに、多モード導波路1303a、1303bの両脇には、高反射膜1309、1310が対向配置されている。
そして、入力導波路1302に入射した入力信号光1311は、入力導波路1302を伝搬して多モード導波路1303aに入射される。ここで、多モード導波路1303a、1303bと独立に入力導波路1302に電流を注入することにより、電流注入量に応じて入力導波路1302の利得を変化させることができ、入力導波路1302を伝搬する入力信号光1311を所望の強度に増幅することができる。
そして、入力信号光1311が多モード導波路1303aに入射すると、多モード導波路1303a内の複数の伝搬モードが励振され、それぞれの伝搬定数により決定される位相条件で多モード導波路1303a内を伝搬する。そして、多モード導波路1303a内を伝搬した光は、多モード導波路1303bに入射する。そして、多モード導波路1303bに入射した信号光は、多モードに展開されながら多モード導波路1303bを伝搬し、出力導波路1304に入射する。そして、出力導波路1304に入射した信号光は、出力導波路1304を伝搬した後、出力信号光1312として端面1306から出射される。
なお、(1)式の関係を満たすように、各多モード導波路1303a、1303bの長さL1、L2をそれぞれ設定することにより、多モード導波路1303a、1303b内を伝搬した信号光を、出力導波路1304の基本モードに結合させることができ、多モード導波路1303a、1303bと出力導波路1304との間の結合損失を低減させることができる。
ここで、入力導波路1302および各多モード導波路1303a、1303bのコアは利得媒質を含むため、入力導波路1302にて利得が調整された入力信号光1311は、各多モード導波路1303a、1303bを伝搬するに従って増幅され、トータル利得を可変させることを可能としつつ、増幅された出力信号光1312を得ることができる。
一方、各多モード導波路1303a、1303bにて生成された自然放出光は四方八方に放出され、多モード導波路1303a、1303bの両脇の高反射膜1309、1310にて反射させることにより、入力信号光1311の導波方向と直交する方向にレーザ発振を起こさせることができる。そして、入力信号光1311の導波方向と直交する方向にレーザ発振が起こると、各多モード導波路1303a、1303bに入射された信号光強度が変動した場合においても、各多モード導波路1303a、1303bのキャリア密度を一定に保つことができ、光増幅素子の利得を一定値にクランプさせることができる。
このため、多モード導波路1303a、1303bの幅W1、W2が互いに異なるように設定し、多モード導波路1303a、1303bを直接接続した場合においても、出力導波路1304から出射される増幅光に発振光が混入することを防止しつつ、発振により利得がクランプされた利得媒質内で、入力信号光1311を増幅させることが可能となる。この結果、信号光と発振光とを分離するための波長フィルタや光導波路を不要とすることができ、素子サイズの増大を抑制しつつ、入力光強度による利得変動を抑えることが可能となる。
また、多モード導波路1303a、1303bの幅W1、W2が互いに異なるように設定することにより、多モード導波路1303a、1303bごとに注入キャリア密度を変化させることが可能となる。このため、利得を稼ぎながら、飽和出力パワーを増大させたり、NFを向上させたりすることができ、光増幅素子の用途に応じて様々な動作状態を実現することができる。
なお、図10の実施形態でも、導波路の構成、コア層もしくは利得媒質の組成および構造、SCH構造の有無、光反射膜の位置などは、図1の実施形態と同様に様々な変形を施すことができる。また、図10の実施形態では、入力導波路1302および出力導波路1304についても、InGaAsPをコアとした利得媒質からなるシングルモード導波路から構成する方法について説明したが、図7と同様に、出力導波路1304が入力信号光1311の波長に対して透明な媒質を用いて構成されるようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、m=1の場合について説明したが、各多モード導波路1303a、1303bの長さはそれぞれ独立に(1)式を満たせばよく、m=1に限定されることなく、多モード導波路1303a、1303bごとに任意の整数mを用いた場合にも本発明の効果が期待できる。さらに、上述した実施形態では、多モード導波路1303a、1303bを2段接続する方法について説明したが、2段に限定されることなく、n(nは正の整数)段構成なら何段でもよい。
次に、上述した実施形態の効果が期待できるような構造パラメータの範囲について説明する。
上述した光増幅素子では、入力信号光に対しては進行波型の増幅が行われ、多モード導波路の幅方向にはレーザ発振が生じる。このため、高反射膜の反射率RH、i番目の多モード導波路の幅Wi、i番目の多モード導波路の長さLiおよび反射防止膜の反射率RARとの関係は、以下のように説明される。クランプされた単位長さ当たりの利得をGclamp_i(dB)とすると、多モード導波路の幅方向で発振が生じるためのしきい値利得Glateralは、
lateral=Gclamp_i×Wi=−10×log(RH)(dB) ・・・(6)
一方、信号光の伝搬方向で発振が生じないようにするためには、反射防止膜での反射によるキャビティ内の反射損失が信号利得Gsignalよりも大きいことが必要である。反射防止膜での反射によるキャビティ内の反射損失は、10×log(RAR)で表されるため、信号光の伝搬方向で発振が生じないようにするためには、
Figure 0004611710
という条件を満たすことが必要である。ここで、nは多モード導波路の個数である。(6)式および(7)式を用いて(7)式のGclampを消去すると、
Figure 0004611710
となる。各構造パラメータの関係が(8)式の関係を満たせば、上述した光増幅素子の動作が期待できる。
上述した光増幅素子は、光通信、光交換、光情報処理などの光を利用した光伝送処理システムなどの用途に適用することができ、特に、波長多重数による光信号の利得変動を防止することを可能としつつ、波長多重光伝送システムの大型化を抑制することが可能となる。
本発明の第1実施形態に係る光増幅素子の概略構成を示す平面図である。 図1のB−B´線で切断した光増幅素子の構成例を示す断面図である。 図1のD−D´線で切断した光増幅素子の構成例を示す断面図である。 本発明の光増幅素子の動作原理を示す平面図である。 図4の光増幅素子の飽和特性を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る光増幅素子の概略構成を示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係る光増幅素子の概略構成を示す平面図である。 図7のA−A´線で切断した光増幅素子の構成例を示す断面図である。 本発明の第4実施形態に係る光増幅素子の概略構成を示す平面図である。 本発明の第5実施形態に係る光増幅素子の概略構成を示す平面図である。 図11(a)は、従来の光増幅素子を光導波方向に沿って切断した断面図、図11(b)は、図11(a)のA−A´線で切断した断面図である。 図11の光増幅素子の飽和特性を示す図である。 図13(a)は、従来の光増幅素子を光導波方向に沿って切断した断面図、図13(b)は、図13(a)のC−C´線で切断した断面図である。 図13の光増幅素子の飽和特性を示す図である。
符号の説明
R1 第1領域
R2 第2領域
401、501、601、701、901、1001、1101、1201、1301 n−InP基板
402、602、802、902、1102、1302 入力導波路
403a、403、603、903a、903b、1103a、1103b、1303a、1303b 多モード導波路
404、604、804、904、1104、1304 出力導波路
405、406、605、606、905、906、1105、1106、1305、1306 端面
407、408、607、608、907、908、1107、1108、1307、1308 反射防止膜
409、410、509、510、609、610709、710、909、910、1109、1110、1309、1310 高反射膜
411、611、911、1111、1311 入力信号光
412、612、912、1112、1312 出力信号光
502、702、1002、1202 InGaAsP活性層
503、703 p−InP電流ブロック層
504、704 n−InP電流ブロック層
505、705、1005、1205 p−InPクラッド層
506、706、1006a〜1006c、1206a〜1206c p−GaInAsキャップ層
507、707、1007a〜1007c、1207a〜1207c p側電極
508、708、1008、1208 n側電極
711 InGaAsP分離閉じ込め層
413、913、1113 接続導波路
1002 InGaAsP入力導波路活性層
1003a、1003b InGaAsP多モード導波路活性層
1009 InGaAsP接続導波路コア層
1004 InGaAsP出力導波路コア層

Claims (9)

  1. 単一モードの光を導波させるとともに、少なくとも一部に利得媒質を含むように構成された単一モード導波路と、
    前記単一モード導波路の出射側に光学的に結合され、複数モードの光を導波させるとともに、少なくとも一部に利得媒質を含むように構成された多モード導波路と、
    前記多モード導波路の利得媒質から放射される自然放出光を反射させることにより、前記多モード導波路に入射された光の伝搬方向と交差する方向に発振を起こさせる反射領域と、
    前記単一モード導波路および前記多モード導波路に独立して電流を注入する第1電流注入手段とを備え
    前記単一モード導波路は、注入される電流により信号光の利得を可変に制御し、
    前記多モード導波路は、注入される電流により、入射された光の伝搬方向と交差する方向に発振を起こして利得をクランプし、前記単一モード導波路から出射された信号光を増幅することを特徴とする光増幅素子。
  2. 前記多モード導波路は複数の多モード導波路を有していることを特徴とする請求項1記載の光増幅素子。
  3. 少なくとも2個の多モード導波路の導波路幅は互いに異なることを特徴とする請求項2記載の光増幅素子。
  4. 前記第1電流注入手段は、少なくとも2個の多モード導波路に独立に電流を注入する第2電流注入手段を備えることを特徴とする請求項2または3記載の光増幅素子。
  5. 前記単一モード導波路および前記多モード導波路は導波路中心軸が互いに一致するように同一基板上に並べて配置され、前記反射領域は前記多モード導波路の両脇に対向配置されていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項記載の光増幅素子。
  6. 前記単一モード導波路および前記多モード導波路は互いに共通の利得媒質から構成されるコアを備え、前記多モード導波路の前記コアの幅が前記単一モード導波路の前記コアの幅より広いことを特徴とする請求項1からのいずれか1項記載の光増幅素子。
  7. 前記多モード導波路のうち、i番目の多モード導波路の長さをLi 、幅をWi 、屈折率をneqi 、信号光波長をλとすると、
    i = mi ・neqi ・Wi 2 /λ ( ただし、mi は正の整数)
    であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項記載の光増幅素子。
  8. 前記多モード導波路のコアの一部を構成し、前記多モード導波路よりも幅が広くなるように前記反射領域の方向に延伸され、信号光波長に対して透明な透明層をさらに備えることを特徴とする請求項1からのいずれか1項記載の光増幅素子。
  9. 前記反射領域は、前記多モード導波路の側壁に形成された誘電体多層膜または金属膜を備えることを特徴とする請求項1からのいずれか1項記載の光増幅素子。
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