JP4906185B2 - 光半導体素子及び光半導体素子の変調方法 - Google Patents

光半導体素子及び光半導体素子の変調方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光変調機能を有する光半導体素子及び光半導体素子の変調方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光変調機能を有する半導体レーザは、小型の光送信素子として幹線系光通信において必要不可欠なデバイスとなりつつある。その用途としては、例えば、高速光ファイバ通信の送信器部などが挙げられる。このような光半導体素子は、光源となる半導体レーザとともに変調器がモノリシック集積されているものである。
【0003】
現在、半導体レーザと集積する変調器としては、電界吸収型の変調器が主流となっている。その一方で、近年の光通信における伝送速度の高速化に伴い、光の変調時の波長変動を制御できるという利点から、マッハ・ツェンダ(Mach-Zehnder)型変調器が注目されている。
【0004】
また、幹線系光通信の方式として、波長多重(WDM;Wavelength Division Multiplexing)技術が広く採用されるようになっている。WDM技術は、1本の光ファイバで各種の信号伝送や双方向光伝送を行うために、異なる信号を乗せた複数の波長の光を1本の光ファイバで伝送するものである。このため、半導体レーザと光変調器とを集積した素子に対して、光源である半導体レーザの波長を変化することが要請されている。このような要請に応えるためには、波長の異なる複数の半導体レーザを集積してそれぞれを変調器に接続し、それらの半導体レーザのうち所望の波長を有する一つを選択して駆動する方法が有力なものとなっている。
【0005】
従来、マッハ・ツェンダ型変調器に複数の半導体レーザを接続した光半導体素子として、特開平7−154371号公報に開示されているものがある。図16は、この従来の光半導体素子の構造を示す平面図である。
【0006】
図16に示すように、基板102の一端側に、複数の半導体レーザ100a〜100hが設けられている。基板102中央に、マッハ・ツェンダ型変調器106が設けられている。更に、基板102の他端側には、半導体光増幅器(SOA;Semiconductor Optical Amplifier)108が設けられている。半導体レーザ100a〜100hとマッハ・ツェンダ型変調器106の間の基板102には光カプラー104が設けられている。各半導体レーザ100a〜100hは光カプラー104の各入力ポートに接続され、各半導体レーザ100a〜100hから出射されたレーザ光が結合されて出力ポートから出射される。光カプラー104の出力ポートには、レーザ光の変調を行うマッハ・ツェンダ型変調器106が接続されている。マッハ・ツェンダ型変調器106の出力ポートには、マッハ・ツェンダ型変調器106からの変調光を増幅する半導体光増幅器108が接続されている。
【0007】
複数の半導体レーザ100a〜100hのいずれかから出射されたレーザ光は、光カプラー104を介してマッハ・ツェンダ型変調器106に入射され変調される。マッハ・ツェンダ型変調器106によって変調されたレーザ光は、半導体光増幅器108により増幅され出射される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図16に示す従来の光半導体素子には、大きな光出力を得ることが困難であるという問題があった。この原因としては、以下のような点があげられる。
【0009】
第一に、複数の半導体レーザから出射されたレーザ光を、光カプラー104により結合して一つの光導波路に入射する際に、大きな光損失が生じる点である。この損失は、マッハ・ツェンダ型変調器106を用いる場合に限られたものではない。半導体レーザから出射されたレーザ光が、光カプラー104を介して1つの光導波路に入射されるまでに、半導体レーザが2つの場合には3dB(1/2)、4つの場合には6dB(1/4)、8つの場合には9dB(1/8)の原理的な光損失が発生する。実際の光カプラーでは、このような原理的な損失に加えて、更に光導波路の曲がりによる光損失や、光カプラーの過剰損失が生じることとなる。
【0010】
第二に、マッハ・ツェンダ型変調器106自身の光損失が大きい点である。これは、マッハ・ツェンダ型変調器106の素子長が少なくとも1mm程度と比較的長いこと、その構造に曲がり及び分岐光導波路が含まれることに起因するものである。従来、マッハ・ツェンダ型変調器106自身に起因して、最良の値でも4〜5dBの光損失が生じてしまうことが報告されている。
【0011】
ここで、例えば、2つの半導体レーザを集積した上述の従来の光半導体素子を、伝送用光ファイバに接続した場合の光損失について考える。伝送用光ファイバとの結合効率を−2dBと高い値に仮定し、半導体光増幅器により変調光は増幅しないものとする。すると、半導体レーザから出射されたレーザ光が伝送用光ファイバへ入射するまでの光損失は、2×1光カプラー及びマッハ・ツェンダ型変調器による光損失と伝送用光ファイバとの結合効率とを考慮すると、少なくとも9dB以上となる。更に、8つの半導体レーザを集積した場合には、少なくとも15dB以上とかなり大きな値の光損失が生じてしまう。
【0012】
このような光損失は、マッハ・ツェンダ型変調器106に本質的な問題である。従って、光変調器として、マッハ・ツェンダ型のものを用いる限り、このような光損失を回避することは困難である。
【0013】
上述した光損失については、図16に示すように、半導体光増幅器108を集積することによってその一部を補償することが可能である。しかしながら、半導体光増幅器108は、光出力の飽和特性を有するため、光出力の上限が存在している。
【0014】
特に、図16に示すように、変調光を半導体光増幅器108によって増幅する場合、大きな光出力を得ようとすると、半導体光増幅器108内部での光強度が変動する。この結果、半導体光増幅器108内部のキャリア密度が変動し、パターン効果が生じてしまうという問題があった。
【0015】
本発明の目的は、光損失を低減し、大きな光出力を得ることが可能な光半導体素子及び光半導体素子の変調方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、第1の入力ポート及び第2の入力ポートと、第1の出力ポート及び第2の出力ポートとを有する第1の光カプラーと、第1の入力ポート及び第2の入力ポートと、出力ポートとを有する第2の光カプラーと、前記第1の光カプラーの第1の出力ポートに一端が接続され、前記第2の光カプラーの第1の入力ポートに他端が接続された第1の光導波路と、前記第1の光カプラーの第2の出力ポートに一端が接続され、前記第2の光カプラーの第2の入力ポートに他端が接続された第2の光導波路と、前記第1の光導波路及び/又は前記第2の光導波路に電圧を印加する電極と、前記第1の光カプラーの第1の入力ポートにレーザ光を入射する第1のレーザ部と、前記第1の光カプラーの第2の入力ポートにレーザ光を入射する第2のレーザ部とをモノリシックに一体化したことを特徴とする光半導体素子により達成される。
【0017】
また、上記の光半導体素子において、前記電極は、前記第1の光導波路に電圧を印加する第1の電極と、前記第2の光導波路に電圧を印加する第2の電極とを有するようにしてもよい。
【0018】
また、上記の光半導体素子において、前記第1のレーザ部は、発振波長の異なる複数の半導体レーザと、前記複数の半導体レーザから出射するレーザ光を結合する光カプラーとを有し、前記第2のレーザ部は、発振波長の異なる複数の半導体レーザと、前記複数の半導体レーザから出射するレーザ光を結合する光カプラーとを有するようにしてもよい。
【0019】
また、上記目的は、第1の入力ポート及び第2の入力ポートと、第1の出力ポート及び第2の出力ポートとを有する第1の光カプラーと、第1の入力ポート及び第2の入力ポートと、出力ポートとを有する第2の光カプラーと、前記第1の光カプラーの第1の出力ポートに一端が接続され、前記第2の光カプラーの第1の入力ポートに他端が接続された第1の光導波路と、前記第1の光カプラーの第2の出力ポートに一端が接続され、前記第2の光カプラーの第2の入力ポートに他端が接続された第2の光導波路と、前記第1の光導波路及び/又は前記第2の光導波路に電圧を印加する電極と、前記第1の光カプラーの第1の入力ポートにレーザ光を入射する第1のレーザ部と、前記第1の光カプラーの第2の入力ポートにレーザ光を入射する第2のレーザ部とを有する光半導体素子の変調方法であって、前記電極により前記第1の光導波路及び/又は前記第2の光導波路に変調信号電圧を印加することにより、前記第1の光カプラーの第1の入力ポート又は第2の入力ポートに入射するレーザ光を変調し、前記第2の光カプラーの出力ポートから出射することを特徴とする光半導体素子の変調方法により達成される。
【0020】
また、上記目的は、第1の入力ポート及び第2の入力ポートと、第1の出力ポート及び第2の出力ポートとを有する第1の光カプラーと、第1の入力ポート及び第2の入力ポートと、出力ポートとを有する第2の光カプラーと、前記第1の光カプラーの第1の出力ポートに一端が接続され、前記第2の光カプラーの第1の入力ポートに他端が接続された第1の光導波路と、前記第1の光カプラーの第2の出力ポートに一端が接続され、前記第2の光カプラーの第2の入力ポートに他端が接続された第2の光導波路と、前記第1の光導波路に電圧を印加する第1の電極と、前記第2の光導波路に電圧を印加する第2の電極と、前記第1の光カプラーの第1の入力ポートにレーザ光を入射する第1のレーザ部と、前記第1の光カプラーの第2の入力ポートにレーザ光を入射する第2のレーザ部とを有する光半導体素子の変調方法であって、前記第1の電極により前記第1の光導波路にバイアス電圧を印加し、前記第2の電極により前記第2の光導波路に変調信号を印加することにより、前記第1の光カプラーの第1の入力ポート又は第2の入力ポートに入射するレーザ光を変調し、前記第2の光カプラーの出力ポートから出射することを特徴とする光半導体素子の変調方法により達成される。
【0021】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による光半導体素子及び光半導体素子の変調方法について図1乃至図5を用いて説明する。図1は、本発明の第1実施形態による光半導体素子の構造を示す平面図、図2及び図3は、光半導体素子の変調方法を示すタイムチャート、図4は、複数のレーザダイオードを並列に接続して用いたときの構造を示す平面図、図5は、複数のレーザダイオードを直列に接続して用いたときの構造を示す平面図である。なお、本実施形態では、光源として2つのレーザダイオードを用いる場合について説明する。
【0022】
まず、本実施形態による光半導体素子の構造について図1を用いて説明する。
【0023】
本実施形態による光半導体素子では、図1に示すように、基板10の一端側に、光源であるレーザダイオード12a、12bが設けられている。基板10の中央には、レーザダイオード12a、12bからのレーザ光を変調するマッハ・ツェンダ型変調器14が設けられている。
【0024】
マッハ・ツェンダ型変調器14は、2つの入力ポートと2つの出力ポートを有する2×2光カプラー16と、2×2光カプラー16の2つの出力ポートにそれぞれ接続された光導波路18a、18bと、光導波路18a、18bにそれぞれ設けられた電極20a、20bと、光導波路18a、18bがそれぞれ接続された2つの入力ポートと一つの出力ポートとを有する2×1光カプラー22とから構成されている。
【0025】
2×2光カプラー16の2つの入力ポートには、光導波路24a、24bを介してレーザダイオード12a、12bがそれぞれ接続され、レーザダイオード12a、12bから出射されたレーザ光が、マッハ・ツェンダ型変調器14に入射される。
【0026】
2×1光カプラー22の出力ポートには、素子端部まで設けられた光導波路26が接続され、光導波路26の素子端部側から、マッハ・ツェンダ型変調器14による変調光が出射される。
【0027】
次に、本実施形態による光半導体素子の各構成部分について図1を用いて詳述する。
【0028】
レーザダイオード12a、12bは、本実施形態による光半導体素子の光源として機能するものであり、例えば、λ/4シフトDFB(Distributed FeedBack、分布帰還型)レーザや、利得結合DFBレーザ、DBR(Distributed Bragg Reflector、分布反射型)レーザ等の半導体レーザである。通常、レーザダイオード12a、12bの発振波長は互いに異なるものとし、所望の波長の光を得るべく、どちらか一方を駆動する。また、レーザダイオード12a、12bの発振波長を同一のものとし、一方を予備の光源としてもよい。
【0029】
レーザダイオード12a又はレーザダイオード12bより出射されたレーザ光は、光導波路24a又は光導波路24bを介して2×2光カプラー16に入射される。
【0030】
2×2光カプラー16は、レーザダイオード12a又はレーザダイオード12bから出射されたレーザ光を1:1の割合で分岐し光導波路18a、18bへと入射する。
【0031】
このように、マッハ・ツェンダ型変調器14の入射側に2×2光カプラー16を設けることにより、従来技術では必要であった2×1光カプラーを用いることなく2つのレーザダイオード12a、12bを接続することができる。これにより、光損失を原理的に3dB低減することができる。更に、2×2光カプラー16によって、レーザダイオード12a又はレーザダイオード12bから出射されたレーザ光を半減することなく、マッハ・ツェンダ型変調器14に入射することが可能となる。これにより、2×1光カプラーを使用した従来のものに比べて、ほぼ2倍の光強度を有する変調光を得ることが可能となる。
【0032】
また、レーザダイオード12a、12bとマッハ・ツェンダ型変調器14とを同一の基板102に設けているので、レーザダイオード12a、12bから2×2光カプラー16までの光導波路等における光伝送の際に生じる光損失を最小限に抑えることが可能となる。
【0033】
マッハ・ツェンダ型変調器14は、電極20a及び/又は電極20bに電圧を印加し光導波路18a、18bの屈折率を変化することにより、レーザダイオード12a、12bから出射されたレーザ光を変調するものである。変調方法の詳細については後述する。
【0034】
2×1光カプラー22は、マッハ・ツェンダ型変調器14の光導波路20a、20bを通過したレーザ光を結合し、光導波路26へと出射するものである。
【0035】
次に、本実施形態による光半導体素子の変調方法にについて図1乃至図3を用いて説明する。尚、図1に示す光半導体素子では、マッハ・ツェンダ型変調器14に電圧を印加しない場合、レーザダイオード12aを駆動したときには、2つの光導波路の光路長差が無くレーザ光が光導波路26端部から出射されるオン状態となり、レーザダイオード12bを駆動したときには、2つの光導波路の光路長差が存在してレーザ光が光導波路26端部から出射されないオフ状態となるように構成されているものとする。
【0036】
まず、レーザダイオード12aを駆動する場合について説明する。図1では、マッハ・ツェンダ型変調器14に電圧を印加しない場合は、2つの光導波路の光路長差が無く、レーザ光が光導波路26端部から出射される。そこで、電極20aには、図2(a)に示すように、0のバイアス電圧のみを印加する。一方、電極20bには、図2(b)に示すように、直流バイアスが−1/2Vπ、振幅Vπの変調信号を印加する。これにより、マッハ・ツェンダ型変調器14による変調光は、図2(c)に示すような変調波形となる。
【0037】
一方、レーザダイオード12bを、上記のレーザダイオード12aの場合と同一のマッハ・ツェンダ型変調器14の変調条件の下で駆動すると、変調光は、図2(d)に示すように、レーザダイオード12aを駆動した場合の変調波を反転した波形パターンとなる。
【0038】
上述のような変調光の相補性は、レーザダイオード12aを駆動した場合と、レーザダイオード12bを駆動した場合とで、2つの光導波路の光路長差が異なるためである。即ち、レーザダイオード12aを駆動した場合、図1では、マッハ・ツェンダ型変調器14に電圧を印加しないと、光路長差が無いためレーザ光が干渉せずに光導波路26端部より出射され、電圧を印加すると、光路長差が生じるためレーザ光が干渉して光導波路26端部より出射されない。一方、レーザダイオード12bを駆動した場合、図1では、マッハ・ツェンダ型変調器14に電圧を印加しないと、光路長差が存在するためレーザ光が干渉して光導波路26端部より出射されず、電圧を印加すると、光路長差が無くなるためレーザ光が干渉せずに光導波路26端部より出射される。
【0039】
なお、厳密には、レーザダイオード12aとレーザダイオード12bとの発振波長が大きく異なると、マッハ・ツェンダ型変調器14の光路長差が変化し干渉点がずれるため、変調光は、完全に反転した波形パターンとはならなくなる。
【0040】
レーザダイオード12bを駆動するときに、変調光の波形パターンがレーザダイオード12aを駆動した場合に対し反転しないようにするためには、図3(a)に示すように、電極20aに−Vπのバイアス電圧を印加する。一方、電極20bには、図3(b)に示すように、レーザダイオード12aの場合と同様、直流バイアスが−1/2Vπ、振幅Vπの変調信号を印加する。こうして、図3(c)に示すように、図2のレーザダイオード12aを駆動した場合と同じ波形パターンの変調光が得られる。なお、上記のレーザダイオード12bと同一の条件でレーザダイオード12aを駆動すると、変調光は、図3(d)に示すように、レーザダイオード12bを駆動した場合と反転した波形パターンとなる。
【0041】
上述のように、マッハ・ツェンダ型変調器14の電極12aに印加する電圧を切り替えることにより、レーザダイオード12a、12bのどちらを駆動しても、波形パターンを反転することなく変調光を得ることができる。
【0042】
こうして、マッハ・ツェンダ型変調器14の光導波路20a、20bを通過し変調された光は、2×1光カプラー22により結合され、光導波路26の素子端部側より出射される。
【0043】
このように、本実施形態によれば、複数の半導体レーザを2入力2出力構成の光カプラーを介してマッハ・ツェンダ型変調器に接続するので、光損失を低減し、大きな光出力を得ることができる。
【0044】
また、複数の半導体レーザとマッハ・ツェンダ型変調器とが同一基板上に一体化されているので、半導体レーザから光カプラーまでの光導波路等における光伝送の際に生じる光損失を最小限に抑えることができる。また、システムの全体構成を小型化することができ、低コスト化を図ることができる。
【0045】
なお、光源として用いるレーザダイオードの数は、上記のように2つに限定されるものではなく、更に多くの数のレーザダイオードを光源として用いてもよい。例えば、図4に示すように、8つのレーザダイオードを並列に接続して用いることもできる。この場合、8つのレーザダイオードレーザダイオード28a〜28hのうち半分のレーザダイオード28a〜28dが、4×1光カプラー30aを介して光導波路24aに接続されている。残り半分のレーザダイオード28e〜28hが、4×1光カプラー30bを介して光導波路24bに接続されている。
【0046】
図4に示す光半導体素子の構造では、レーザダイオード28a〜28hと光導波路24a、24bとの間に設けられた4×1光カプラー30a、30bによる損失を回避することはできない。しかし、従来技術により8つのレーザダイオードを接続する場合と比較すると、マッハ・ツェンダ型変調器14の入射側に2×2光カプラー16を用いているため、2×1光カプラーが1つ不要となる。このため、レーザダイオードを2つ用いた場合と同様に、光損失を原理的に3dB低減することができる。また、4×1光カプラー30a、30bとマッハ・ツェンダ型変調器14との間の光導波路24a、24bに半導体光増幅器を設けて、レーザ光を増幅してからマッハ・ツェンダ型変調器14に入射するようにしてもよい。
【0047】
また、図5に示すように、例えば6つのレーザダイオードを3つずつ直列に接続して用いてもよい。この場合、光導波路24aには、直列に設けられたレーザダイオード32a〜32cが接続されている。レーザダイオード32a〜32cの発振波長を決定する回折格子の周期はそれぞれ異なっている。光導波路24bには、直列に設けられたレーザダイオード32d〜32fが接続されている。レーザダイオード32d〜32fの発振波長を決定する回折格子の周期はそれぞれ異なっている。
【0048】
図5に示す光半導体素子の構造では、直列に設けられたレーザダイオードのうち、マッハ・ツェンダ型変調器14から離れた位置に設けられたレーザダイオードより出射されたレーザ光が、マッハ・ツェンダ型変調器14に近い位置に設けられたレーザダイオードの回折格子の影響を受けないように、レーザダイオードそれぞれの発振波長を設定する必要がある。即ち、後方のレーザダイオードより出射されたレーザ光が、前方のレーザダイオードの回折格子の反射帯域に入らないように設定する必要がある。
【0049】
また、直列に設けられたレーザダイオードのうち、駆動するレーザダイオードよりもマッハ・ツェンダ型変調器14に近い位置に設けられたレーザダイオードには、レーザ光の吸収が起こらないように多少電流を流す必要がある。
【0050】
このように、複数のレーザダイオードを直列に設けた場合は、駆動するレーザダイオードを切り替えるとともに、駆動したレーザダイオードよりもマッハ・ツェンダ型変調器14に近い位置に設けられたレーザダイオードの電流値も制御する。こうして、光カプラーによる損失を減らして、複数のレーザダイオードを光源として用いることが可能となる。
【0051】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による光半導体素子及び光半導体素子の変調方法について図6及び図7を用いて説明する。図6は、本実施形態による光半導体素子の構造を示す平面図、図7は、光半導体素子の変調方法を示すタイムチャートである。なお、第1実施形態による光半導体素子と同一の構成要素には同一の符号を付し説明を省略又は簡潔にする。
【0052】
本実施形態による光半導体素子は、第1実施形態による光半導体素子に半導体光増幅器を設けて光出力の向上を図ったものである。
【0053】
本実施形態による光半導体素子の構造は第1実施形態によるものとほぼ同一である。図6に示すように、第1実施形態による光半導体素子の構造に加えて、マッハ・ツェンダ型変調器14による変調光を増幅する半導体光増幅器34が光導波路26に設けられている。光導波路26が設けられた素子端部側には、半導体光増幅器34によって増幅された光のうちから所望の波長成分のみを濾波する波長フィルタ36が配置されている。また、レーザダイオード12a、12bの発振波長は、互いに異なる値に設定されている。
【0054】
本実施形態による光半導体素子では、異なる発振波長のレーザダイオード12a、12bを同時に駆動しマッハ・ツェンダ型変調器14による変調を行い、半導体光増幅器34におけるパターン効果を回避することに特徴がある。以下、本実施形態による光半導体素子の変調方法について図6及び図7を用いて説明する。ここで、レーザダイオード12a、12bの発振波長をそれぞれλ1、λ2とし、波長フィルタ36の透過波長をλ1に設定するものとする。
【0055】
まず、レーザダイオード12a、12bを同時に駆動し、波長λ1のレーザ光と波長λ2のレーザ光とを出射する。続いて、マッハ・ツェンダ型変調器14によってレーザダイオード12a、12bから出射された波長λ1のレーザ光と波長λ2のレーザ光とを同時に変調する。
【0056】
図7(a)は、レーザダイオード12aより出射された波長λ1のレーザ光の変調光を示したものである。図7(b)は、レーザダイオード12bより出射された波長λ2のレーザ光の変調光を示したものである。図7(a)及び図7(b)から明らかなように、第1実施形態において述べたマッハ・ツェンダ型変調器14の変調特性により、波長λ1のレーザ光と波長λ2のレーザ光とは、互いに反転した波形パターンで変調されることとなる。即ち、波長λ1の変調光と波長λ2の変調光は、一方がオンの時には他方はオフとなる相補的な関係になっている。このような状態で、波長λ1のレーザ光と波長λ2のレーザ光の変調光は、同時に半導体光増幅器34に入射されて増幅されることとなる。
【0057】
上記のレーザダイオード12a、12bより出射されたレーザ光の変調光の相補的な関係により、半導体光増幅器34に入射してその内部を伝搬する全光強度は、図7(c)に示すように、多少の揺らぎは生じるものの、ほぼオンレベルで一定となる。この結果、半導体光増幅器34内でのキャリア密度変動が生じることがなく、半導体光増幅器34への入射光のパターンによる利得変動、即ちパターン効果を抑制することが可能となる。
【0058】
最後に、パターン効果を生じることなく半導体光増幅器34によって増幅されたレーザ光から、波長λ1のレーザ光の波長成分を、波長フィルタ36によって濾波する。この結果、図7(d)に示すように、レーザダイオード12aより出射されたレーザ光の変調光を増幅したものが得られる。こうして、パターン効果を伴わずに増幅された変調光を得ることが可能となる。
【0059】
なお、相補的な波形パターンを有し、異なる波長の光を入射して半導体光増幅器のパターン効果を抑制する技術が特開平10−33617号公報に開示されている。この従来技術は、2つの強度変調器を用いて、半導体光増幅器に入射する2つの相補的な信号をつくりだすものである。
【0060】
一方、本実施形態による光半導体素子は、1つのマッハ・ツェンダ型変調器により相補的な波形パターンを有する信号を同時につくりだすことができるという利点を有し、上記の従来技術とは大きく異なっている。
【0061】
このように、本実施形態によれば、複数の半導体レーザを2入力2出力構成の光カプラーを介してマッハ・ツェンダ型変調器に接続するので、光損失を低減し、大きな光出力を得ることができる。また、異なる発振波長のレーザダイオードを同時に駆動し、それらの出射光をマッハ・ツェンダ型変調器により同時に変調して半導体光増幅器に入射するので、パターン効果を生じることなく半導体光増幅器によって変調光を増幅することができる。
【0062】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態による光半導体素子及び光半導体素子の変調方法について図8乃至図12を用いて説明する。図8は、本実施形態による光半導体素子の構造を示す図、図9及び図10は、光半導体素子のプッシュプル動作による変調方法を示すタイムチャート、図11及び図12は、光半導体素子の製造方法を示す工程図である。
【0063】
本実施形態による光半導体素子は、InGaAsP/InP系材料により構成され、光源として2つのλ/4シフトDFBレーザを用いたものである。
【0064】
まず、本実施形態による光半導体素子の構造について図8を用いて説明する。図8(a)は、本実施形態による光半導体素子の構造を示す平面図、図8(b)は図8(a)のa−a′線断面図、図8(c)は図8(a)のb−b′線断面図である。
【0065】
本実施形態による光半導体素子では、図8(a)に示すように、n型InP基板38の一端側に、2つのλ/4シフトDFBレーザ40a、40bが設けられている。n型InP基板38の中央には、マッハ・ツェンダ型変調器42が設けられている。
【0066】
マッハ・ツェンダ型変調器42は、2つの入力ポートと2つの出力ポートとを有する2×2MMI(Multi-Mode Interference)光カプラー44と、2×2MMI光カプラー44の2つの出力ポートにそれぞれ接続された光導波路46a、46bと、光導波路46a、46b上にそれぞれ設けられたp側電極48a、48bと、光導波路46a、46bがそれぞれ接続された2つの入力ポートと2つの出力ポートとを有する2×2MMI光カプラー50とから構成されている。
【0067】
MMI光カプラーは、幅広の光導波路で構成されており、その入力ポートから入射した光は、高次モードが励起されて伝搬する。各モードは干渉し、周期的に焦点を結ぶポイントがある。例えば焦点の数が2となる位置にMMI光カプラーの長さを合わせ、各焦点の位置に出力ポートを配置するすることにより、3dB光カプラーとなる。
【0068】
2×2MMI光カプラー44の2つの入力ポートには、光導波路52a、52bを介してλ/4シフトDFBレーザ40a、40bがそれぞれ接続され、λ/4シフトDFBレーザ40a、40bから出射されたレーザ光が、マッハ・ツェンダ型変調器42に入射される。
【0069】
2×2MMI光カプラー50の2つの出力ポートには、素子端部まで設けられた光導波路54a、54bがそれぞれ接続されている。光導波路54a、54bの素子端部側から、マッハ・ツェンダ型変調器42によって変調されたレーザ光が出射される。
【0070】
このように構成された光半導体素子には、λ/4シフトDFBレーザ40a、40b側の端面と、光導波路54a、54b側の端面に、無反射コート膜56a、56bが形成されている。
【0071】
上記の光導波路構造は、図8(a)の平面図では便宜的に表したものである。以下に、各構成部分の断面構造について説明する。
【0072】
まず、λ/4シフトDFBレーザ40a、40bが設けられている部分の断面構造について図8(b)を用いて説明する。
【0073】
図8(b)に示すように、n型InP基板38上に、InP/InGaAs歪多重量子井戸層58が設けられている。InP/InGaAs歪多重量子井戸層58は、例えば、0.1μm厚のn型InGaAsPガイド層(バンドギャップ波長1.2μm)と、0.1μm厚のInGaAsP SCH(Separate Confinement Herterostructure)層(バンドギャップ波長1.3μm)と、10nm厚のInGaAsP障壁層(バンドギャップ波長1.3μm)と、6nm厚の1%圧縮歪InGaAsP井戸層7層とが順次形成されたものである(図示せず)。なお、n型InP基板38とInP/InGaAs歪多重量子井戸層58との間に、n型InPバッファ層が形成されているようにしてもよい。
【0074】
InP/InGaAs歪多重量子井戸層58のn型InGaAsPガイド層と接するn型InP基板38の表面のλ/4シフトDFBレーザ40a、40bが設けられる領域には、λ/4の位相シフトを設けた回折格子(図示せず)が形成されている。それらの回折格子の周期は互いに異なっており、λ/4シフトDFBレーザ40a、40bの発振波長は互いに異なったものに設定されている。
【0075】
InP/InGaAs歪多重量子井戸層58上には、2μm厚のp型InPクラッド層60と、p型InGaAsコンタクト層62とが順次形成されている。p型InPクラッド層60とp型InGaAsコンタクト層62とには、λ/4シフトDFBレーザ40a、40bが設けられる領域に、幅2μmのリッジ構造がそれぞれ形成されている。これらリッジ構造の両側溝部及びリッジ構造に形成されていないp型InGaAsコンタクト層62上には酸化シリコン薄膜64が形成されている。更に、リッジ構造の両側溝部には、ポリイミド層66が充填されている。リッジ構造のp型InGaAsコンタクト層62上には、p側電極68a、68bが形成されている。n型InP基板38の他方の面にはn側電極70が形成されている。こうして、λ/4シフトDFBレーザ40a、40bが形成されている。λ/4シフトDFBレーザ40a、40bは、例えば長さ300μmであり、2つのレーザの間隔は、20μmとなっている。
【0076】
上述したλ/4シフトDFBレーザ40a、40b以外のマッハ・ツェンダ型変調器42、光導波路52a、52b、54a、54bは、p型InGaAsコンタクト層62の有無を除き、同一の断面構造を有している。これらの断面構造について、マッハ・ツェンダ型変調器42が設けられている部分の断面構造を例に図8(c)を用いて説明する。
【0077】
図8(c)に示すように、n型InP基板38上に、InGaAsP/InP量子井戸層72が形成されている。InGaAsP/InP量子井戸層72は、例えば10nm厚のInP障壁層と10nm厚のInGaAsP井戸層とを20周期積層したPL(フォトルミネセンス)ピーク波長を1.45μmとしたものである(図示せず)。
【0078】
InGaAsP/InP量子井戸層72上には、p型InPクラッド層60と、p型InGaAsコンタクト層62が順次形成されている。
【0079】
n型InP基板38、InGaAsP/InP量子井戸層72、p型InPクラッド層60、p型InGaAsコンタクト層62は、例えば幅2μmで、通常のメサ構造と比べて高い、高さ3μmの2つのハイメサ構造を有するように形成され、それぞれが光導波路46a、46bを構成している。光導波路46a、46bの間隔は、例えば20μmとなっている。
【0080】
上述のハイメサ構造の側面及びn型InP基板38上に、酸化シリコン薄膜64が形成されている。更に、ハイメサ構造の両側には、ポリイミド層66が充填されている。ハイメサ構造及びポリイミド層66上には、ハイメサ構造上のp型InGaAsコンタクト層76と接するようにp側電極48a、48bが形成されている。n型InP基板38の他方の面にはn側電極70が形成されている。
【0081】
2×2MMI光カプラー44、50は、p型InGaAsコンタクト層62が設けられていない点を除いて、上述したハイメサ構造と同様の断面構造を有している。2×2MMI光カプラー44、50の大きさは、例えば幅15μm、長さ420μmであり、接続されている光導波路の間隔は5μmとなっている。
【0082】
以上のように構成されている光半導体素子の大きさは、例えば幅300μm、長さ200μmとなっている。
【0083】
上述のように、本実施形態による光半導体素子は、モノリシックに一体化されているので、システムの全体構成を小型化することができ、低コスト化が可能である。
【0084】
次に、本実施形態による光半導体素子の変調方法について説明する。ここでは、マッハ・ツェンダ型変調器42の2つの光導波路46a、46b間には光路長差が全くないものと仮定する。本実施形態による光半導体素子は、第1実施形態による光半導体素子と同様にして変調することができる。
【0085】
λ/4シフトDFBレーザ40aを駆動する場合には、例えばp側電極48aに対して0Vのバイアス電圧のみ印加し、p側電極48bにのみ直流バイアスが約−1.25V、振幅約2.5V(オンレベルが0V、オフレベルが−2.5V)の変調信号を印加する。
【0086】
これに対し、λ/4シフトDFBレーザ40bを駆動する場合には、p側電極48aに印加するバイアス電圧を−2.5Vに切り替える。一方、p側電極48bには、λ/4シフトDFBレーザ40aを駆動する場合と同様に、直流バイアスが約−1.25V、振幅約2.5Vの変調信号を印加する。こうすることにより、上述の条件でλ/4シフトDFBレーザ40aを駆動する場合と同じ波形パターンの変調光を得ることができる。
【0087】
また、本実施形態による光半導体素子は、プッシュプル(push-pull)動作により変調することができる。プッシュプル動作とは、マッハ・ツェンダ型変調器42のp側電極48a、48bに対して互いに逆相の変調信号を加えることにより、光出力の増大化・安定化を図るものである。これにより、p側電極48a、48bに印加する電圧を低減することが可能である。
【0088】
上述のようなプッシュプル動作を行う場合についても、λ/4シフトDFBレーザ40aを駆動した場合の変調光の波形パターンと、λ/4シフトDFBレーザ40bを駆動した場合の変調光の波形パターンとを、反転することなく同一にすることが可能である。プッシュプル動作において同一の波形パターンの変調光を得る変調方法について図9及び図10を用いて説明する。
【0089】
例えば、λ/4シフトDFBレーザ40aを駆動する場合には、p側電極48aに、図9(a)に示す直流バイアス約−0.6V、振幅約1.25Vの変調信号を印加する。p側電極48bには、図9(b)に示す直流バイアス約−1.9V、振幅約1.25Vの変調信号を印加する。これにより、図9(c)に示すような波形パターンの変調光が得られる。
【0090】
これに対し、λ/4シフトDFBレーザ40bを駆動する場合には、p側電極48aに、図10(a)に示す直流バイアス約−1.9V、振幅約1.25Vの変調信号を印加する。p側電極48bには、図10(b)に示すように、直流バイアス電圧約−0.6V、振幅約1.25Vの変調信号を印加する。これにより、図10(c)に示すような、λ/4シフトDFBレーザ40aを駆動する場合と同一の波形パターンの変調光が得られる。
【0091】
上述のように、p側電極48a、48bに印加する変調信号のバイアス電圧を切り替えることにより、プッシュプル動作の場合においても、λ/4シフトDFBレーザ40a、40bのどちらを駆動した場合でも、反転することなく同一の波形パターンの変調光を得ることが可能となる。
【0092】
また、マッハ・ツェンダ型変調器42の光導波路46a、46bに光路長差が存在する場合や、λ/4シフトDFBレーザ40a、40b共に上記の場合と反転した波形パターンの変調光が得られるように駆動する場合についても、上述のようにバイアス電圧を切り替えることにより、λ/4シフトDFBレーザ40a、を駆動した場合の変調光とλ/4シフトDFBレーザ40bを駆動した場合の変調光とを、反転することなく同一の波形パターンとすることができる。
【0093】
なお、マッハ・ツェンダ型変調器42による変調条件を同一とした場合には、第1実施形態と同様、λ/4シフトDFBレーザ40aを駆動した場合と、λ/4シフトDFBレーザ40bを駆動した場合とでは、互いに反転した波形パターンの変調光が得られる。
【0094】
次に、本実施形態による光半導体素子の製造方法について図11及び図12を用いて説明する。図11(a1)乃至図11(e1)及び図12(a1)乃至図12(d1)は、光半導体素子の製造方法を示す平面図、図11(a2)乃至図11(e2)は、それぞれ図11(a1)乃至図11(e1)のa−a′線断面図、図12(a2)乃至図12(d2)は、それぞれ図12(a1)乃至図12(d1)のb−b′線断面図、図12(a3)乃至図12(d3)は、それぞれ図12(a1)乃至図12(d1)のc−c′線断面図である。
【0095】
まず、n型InP基板38上にレジストを塗布する。次いで、λ/4シフトDFBレーザ40a、40bを形成する領域上のレジストに電子ビーム露光法等を用いてλ/4シフトを有する回折格子パターンを形成する。それらの回折格子の周期を互いに異なったものとし、λ/4シフトDFBレーザ40a、40bの発振波長を互いに異なったものとなるようにする。
【0096】
続いて、例えばエタンをエッチングガスとする反応性イオンエッチング(RIE;Reactive Ion Ethcing)等のドライエッチングにより、上述の回折格子パターンをn型InP基板38上に転写してλ/4シフト領域74a、74bを形成した後、レジストを除去する(図11(a1)、図11(a2))。
【0097】
次いで、λ/4シフト領域74a、74bを設けたn型InP基板38の全面に、有機金属気相成長(MOVPE;Metal Organic Vapor Epitaxy)法を用いて、n型InGaAsPガイド層、SCH(Separate Confinement Heterostructure)層、1%圧縮歪InGaAsP井戸層7層を形成して、InGaAsP/InP歪多重量子井戸層58を形成する。続いて、InGaAsP/InP歪多重量子井戸層58上にp型InPクラッド層60の一部を形成する(図11(b1)、図11(b2))。
【0098】
次に、p型InPクラッド層60上に酸化シリコン薄膜76を形成する。続いて、フォトリソグラフィーにより、λ/4シフトDFBレーザ40a、40bを形成する領域以外の酸化シリコン薄膜76を除去する。この酸化シリコン薄膜76をマスクとして、マッハ・ツェンダ型変調器42、光導波路52a、52b、54a、54bを形成する領域のp型InPクラッド層60及びInGaAsP/InP歪多重量子井戸層58を、ウエットエッチングにより除去する(図11(c1)、図11(c2))。
【0099】
次に、p型InPクラッド層60及びInGaAsP/InP歪多重量子井戸層58をウエットエッチングにより除去した領域のn型InP基板38上に、MOVPE法によりInP/InGaAsP量子井戸層72、p型InPクラッド層60の一部を順次形成する(図11(d1)、図11(d2))。このとき、λ/4シフトDFBレーザ40a、40bを形成する領域のInGaAsP/InGaAsP歪量子井戸層58と、InP/InGaAsP量子井戸層72とがつき合わせたように接続するように成長条件を調整する。このとき、InGaAsP/InGaAsP歪量子井戸層58と、InP/InGaAsP量子井戸層72との接続面が、後に形成する光導波路52a、52b端部に対して垂直になるようにしているが、接続面での反射を低減するために、光導波路52a、52b端部に対して接続面を傾いているようにしてもよい。
【0100】
次に、マスクとして用いた酸化シリコン薄膜76を除去し、残りのp型InPクラッド層60、p型InGaAsコンタクト層62を全面に形成する(図11(e1)、図11(e2))。p型InGaAsコンタクト層62は、その後、p側電極68a、68b、48a、48bを形成する領域近傍を残して、InPを選択的に溶かす溶液(例えば、硫酸、過酸化水素、水の混合液)でエッチングして除去する。
【0101】
次いで、上記の基板表面に光導波路パターンを窒化シリコン薄膜78で形成する。この窒化シリコン薄膜78をマスクとしてp型InPクラッド層60までエッチングし、リッジ構造を形成する(図12(a1)、図12(a2)、図12(a3))。このエッチングには、例えば四塩化珪素をエッチングガスとするRIEを用いる。
【0102】
続いて、λ/4シフトDFBレーザ40a、40bを形成する領域上に酸化シリコン等のマスク80を形成して更にドライエッチングを行い、λ/4シフトDFBレーザ40a、40bを形成する領域のリッジ構造を保持しつつ、マッハ・ツェンダ型変調器42、光導波路52a、52b、54a、54bを形成する光導波路パターンの領域をハイメサ構造に加工する(図12(b1)、図12(b2)、図12(b3))。
【0103】
上述のエッチング終了後、マスク80及び窒化シリコン膜78を除去し、全面を酸化シリコン膜64で被覆する。続いて、λ/4シフトDFBレーザ40a、40bを形成する領域のリッジ構造の両側と、ハイメサ構造の両側にポリイミド層66を充填する(図12(c1)、図12(c2)、図12(c3))。尚、図12(c1)の平面図では、便宜的に光導波路構造を示している。
【0104】
続いて、λ/4シフトDFBレーザ40a、40b及びマッハ・ツェンダ型変調器42のp側電極68a、68b、48a、48bを形成する領域の酸化シリコン膜64を除去し、各領域にp側電極68a、68b、48a、48bを形成する。p側電極としては、例えばTi/Pt/Auを用いることができる。その後、n型InP基板38下部を研磨して100μm程度の厚さにし、n型InP基板38下部にn側電極70を形成する(図12(d1)、図12(d2)、図12(d3))。n側電極としては、AuGe/Auを用いることができる。尚、図12(d1)の平面図では、便宜的に光導波路構造を示している。
【0105】
最後に、上記のようにして形成された素子を劈開し、素子のλ/4シフトDFBレーザ40a、40b側端面と反対側端面に無反射コート膜56a、56bを形成する。なお、反射率低減の観点から、このときの素子の劈開面に対して光導波路54a、54b端部が垂直になるのではなく、5〜7度程度垂直からずれるように形成することが望ましい。こうして、光半導体素子の製造を終了する。
【0106】
このように、本実施形態によれば、複数の半導体レーザを2入力2出力構成の光カプラーを介してマッハ・ツェンダ型変調器に接続するので、光損失を低減し、大きな光出力を得ることができる。
【0107】
また、複数の半導体レーザとマッハ・ツェンダ型変調器とが同一基板上に一体として集積化されているので、半導体レーザから光カプラーまでの光導波路等における光伝送の際に生じる光損失を最小限に抑えることができる。また、システムの全体構成を小型化することができ、低コスト化を図ることができる。
【0108】
なお、本実施形態では、2つのλ/4シフトDFBレーザ40a、40bを光源として用いているが、光源の数は2つに限定されるものではない。第1実施形態による光半導体素子と同様に、複数のλ/4シフトDFBレーザを並列或いは直列に設けて用いることが可能である。
【0109】
また、本実施形態では、λ/4シフトDFBレーザ40a、40bの発振波長を異なる値に設定しているが、これらの発振波長を同一の値に設定してもよい。λ/4シフトDFBレーザ40a、40bの発振波長を同一の値に設定することにより得られる効果について以下に述べる。
【0110】
第1実施形態において述べた場合と同様に、マッハ・ツェンダ型変調器42による変調条件を同一にすると、λ/4シフトDFBレーザ40aを駆動したときの変調光と、λ/4シフトDFBレーザ40bを駆動したときの変調光とは相補的な波形パターンとなる。一方、マッハ・ツェンダ型変調器42では、電圧印加による光導波路の屈折率変化とともにマッハ・ツェンダ型変調器42から光が出射されるオン状態から出射されないオフ状態になる場合には、光の波長成分の幅が広がる正のチャープが起こる。一方、光がオフ状態からオン状態になる場合には、光の波長成分の幅が小さくなる負のチャープが起こる。このため、λ/4シフトDFBレーザ40a、40bのどちらを駆動するかによって、変調時のチャーピングの状態も変化する。従って、λ/4シフトDFBレーザ40a、40bの発振波長を同一の値に設定することにより、同一波長の変調光で適切なチャーピングの状態のものを選択して出射することが可能となる。
【0111】
また、製造状況によっては、λ/4シフトDFBレーザ40a、40bから出射されたレーザ光が伝搬する光導波路が完全に同一に作製されないことがある。この場合、光導波路間の位相差を完全に制御することができず、ばらつきが生じてしまう。このような場合には、マッハ・ツェンダ型変調器42に電圧を印加しない状態で、同一波長のλ/4シフトDFBレーザ40a、40bを駆動した場合の光出力の比を測定する。これにより、光導波路間の位相差のずれの程度を、変調をかけることなくある程度評価することが可能となる。
【0112】
また、作製した光半導体素子が設計からずれた場合には、マッハ・ツェンダ型変調器42の電極48a、48bにバイアス電圧を印加することにより動作点を調整することとなる。このような場合、同一波長のλ/4シフトDFBレーザ40a、40bのうち最適動作点に近いものを選択することにより、動作点を調整するために印加する電圧を低減することが可能となる。
【0113】
また、λ/4シフトDFBレーザ40a、40bの発振波長を同一の値に設定することにより、どちらか一方を予備の光源とすることができる。
【0114】
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態による光半導体素子について図13乃至図15を用いて説明する。図13は、本実施形態による光半導体素子の構造を示す図、図14及び図15は、光半導体素子の製造方法を示す工程図である。なお、第3実施形態による光半導体素子と同一の構成要素には同一の符号を付し説明を省略又は簡潔にする。
【0115】
本実施形態による光半導体素子は、InGaAsP/InP系材料により構成され、光源として2つのλ/4シフトDFBレーザを用い、更に半導体光増幅器によって変調光の増幅を行うものである。
【0116】
まず、本実施形態による光半導体素子の構造について図13を用いて説明する。図13(a)は、本実施形態による光半導体素子の構造を示す平面図、図13(b)は図13(a)のa−a′線断面図、図13(c)は図13(a)のb−b′線断面図、図13(d)は図13(a)のc−c′線断面図である。
【0117】
本実施形態による光半導体素子では、図13(a)に示すように、n型InP基板38の一端側に、2つのλ/4シフトDFBレーザ40a、40bが設けられている。n型InP基板38の中央には、マッハ・ツェンダ型変調器42が設けられている。
【0118】
マッハ・ツェンダ型変調器42は、2つの入力ポートと2つの出力ポートとを有する2×2MMI光カプラー44と、2×2MMI光カプラー44の2つの出力ポートにそれぞれ接続された光導波路46a、46bと、光導波路46a、46b上にそれぞれ設けられたp側電極48a、48bと、光導波路46a、46bがそれぞれ接続された2つの入力ポートと2つの出力ポートとを有する2×2MMI光カプラー50とから構成されている。
【0119】
2×2MMI光カプラー44の2つの入力ポートには、光導波路52a、52bを介してλ/4シフトDFBレーザ40a、40bがそれぞれ接続され、λ/4シフトDFBレーザ40a、40bから出射されたレーザ光が、マッハ・ツェンダ型変調器42に入射される。
【0120】
2×2MMI光カプラー50の2つの出力ポートには、素子端部まで設けられた光導波路54a、54bがそれぞれ接続されている。光導波路54aの終端には、吸収部84が設けられており、光導波路54aからはレーザ光が出射されないようになっている。光導波路54bの素子端部側から、マッハ・ツェンダ型変調器42によって変調されたレーザ光が出射されるようになっている。光導波路54bには、マッハ・ツェンダ型変調器42によって変調されたレーザ光を増幅する半導体光増幅器82が設けられている。
【0121】
このように構成された光半導体素子には、λ/4シフトDFBレーザ40a、40b側の端面と、光導波路54a、54b側の端面に、無反射コート膜56a、56bが形成されている。
【0122】
上記の光導波路構造は、図13(a)の平面図では便宜的に表したものである。以下に、各構成部分の断面構造について説明する。
【0123】
まず、λ/4シフトDFBレーザ40a、40bが設けられている部分の断面構造について図13(b)を用いて説明する。
【0124】
図13(b)に示すように、n型InP基板38上に、InP/InGaAs歪多重量子井戸層58が設けられている。
【0125】
InP/InGaAs歪多重量子井戸層58と接するn型InP基板38の表面のλ/4シフトDFBレーザ40a、40bが設けられる領域には、λ/4の位相シフトを設けた回折格子(図示せず)が形成されている。それらの回折格子の周期は互いに異なっており、λ/4シフトDFBレーザ40a、40bの発振波長は互いに異なったものに設定されている。
【0126】
InP/InGaAs歪多重量子井戸層58上には、2μm厚のp型InPクラッド層60と、p型InGaAsコンタクト層62とが順次形成されている。
【0127】
n型InP基板38、InP/InGaAs歪多重量子井戸層58、p型InPクラッド層60、p型InGaAsコンタクト層62は、2つのハイメサ構造を有するように形成されている。
【0128】
上述のハイメサ構造両側のn型InP基板38上には、高抵抗InP層86が形成されている。高抵抗InP層86上には、酸化シリコン薄膜64が形成されている。酸化シリコン薄膜64上には、ハイメサ構造上のp型InGaAsコンタクト層76と接するようにp側電極68a、68bが形成されている。n型InP基板38の他方の面にはn側電極70が形成されている。こうして、λ/4シフトDFBレーザ40a、40bが形成されている。
【0129】
上述したλ/4シフトDFBレーザ40a、40b以外のマッハ・ツェンダ型変調器42、光導波路52a、52b、54a、54bは、p型InGaAsコンタクト層62の有無を除き、同一の断面構造を有している。これらの断面構造について、マッハ・ツェンダ型変調器42が設けられている部分の断面構造を例に図8(c)を用いて説明する。
【0130】
図8(c)に示すように、n型InP基板38上に、InGaAsP/InP量子井戸層72が形成されている。InGaAsP/InP量子井戸層72上には、p型InPクラッド層60と、p型InGaAsコンタクト層62とが順次形成されている。
【0131】
n型InP基板38、InGaAsP/InP量子井戸層72、p型InPクラッド層60、p型InGaAsコンタクト層62は、2つのハイメサ構造を有するように形成され、それぞれ光導波路46a、46bを構成している。
【0132】
上述のハイメサ構造両側のn型InP基板38上には、高抵抗InP層86が形成されている。高抵抗InP層86上には、酸化シリコン薄膜64が形成されている。酸化シリコン薄膜64上には、ハイメサ構造上のp型InGaAsコンタクト層62と接するようにp側電極48a、48bが形成されている。n型InP基板38の他方の面にはn側電極70が形成されている。こうして、マッハ・ツェンダ型変調器42が形成されている。
【0133】
次に、半導体光増幅器82及び吸収部84の断面構造について図13(d)を用いて説明する。
【0134】
図13(d)に示すように、n型InP基板38上に、InP/InGaAs歪多重量子井戸層58が形成されている。InGaAsP/InP量子井戸層72上には、p型InPクラッド層60が形成されている。
【0135】
半導体光増幅器82となる部分は、n型InP基板38、InP/InGaAs歪多重量子井戸層58、p型InPクラッド層60がハイメサ構造となっている。ハイメサ構造となっているp型InPクラッド層60上には、p型InGaAsコンタクト層62が形成されている。なお、n型InP基板38の表面の半導体光増幅器82が設けられる領域には、λ/4の位相シフトを設けた回折格子が形成されておらず、λ/4シフトDFBレーザ40a、40bとなるハイメサ構造とは異なっている。このハイメサ構造両側のn型InP基板38上には、高抵抗InP層86が形成されている。
【0136】
吸収部84となる部分は、InP/InGaAs歪多重量子井戸層58、p型InPクラッド層60が残されている。
【0137】
上述の構造の全面には、p型InGaAsコンタクト層62上を除き、酸化シリコン膜64が形成されている。酸化シリコン膜64上には、p型InGaAsコンタクト層62と接するようにp側電極88が設けられている。n型InP基板38の他方の面にはn側電極70が形成されている。こうして、半導体光増幅器82及び吸収部84が形成されている。
【0138】
上述のように、本実施形態による光半導体素子は、モノリシックに一体化されているので、システムの全体構成を小型化することができ、低コスト化が可能である。
【0139】
次に本実施形態による光半導体素子の変調方法について説明する。
【0140】
本実施形態による光半導体素子は、第3実施形態による光半導体素子と同様に変調することができる。また、本実施形態による光半導体素子では、光導波路54aに吸収部84が設けられ、光導波路54b端部に半導体光増幅器82が設けられている。
【0141】
第4実施形態による光半導体素子は、マッハ・ツェンダ型変調器42がオンの時もオフの時も、λ/4シフトDFBレーザ40a、40bを駆動すると、光導波路54a、54bからレーザ光が出射され得るものであった。
【0142】
これに対し、本実施形態による光半導体素子は、半導体光増幅器82及び吸収層84により、オフ時のレーザ光が吸収され、また、光導波路内を伝搬するレーザ光が、光導波路の曲がり等によって散乱して生じる迷光も除去されるので、オン時にのみレーザ光が出射されるものとなっている。
【0143】
また、半導体光増幅器82によって、マッハ・ツェンダ型変調器42による変調光を増幅することが可能であり、更に高い光出力を得ることが可能である。
【0144】
しかし、λ/4シフトDFBレーザ40a、40bのどちらか一方を駆動する通常の方法では、マッハ・ツェンダ型変調器42によって変調されたレーザ光が半導体光増幅器82に入射するためにパターン効果が生ずることとなる。このため、このような変調光をデータ伝送等の信号光として使用するためには、半導体光増幅器82の出力限界であるCW(Continuous Wave)光が入射した時の飽和出力から、マーク率による3dBの低下も合わせて10dB近く変調光の平均光出力を低減しなければならない。このように、λ/4シフトDFBレーザ40a、40bのどちらか一方を駆動する通常の方法では、大きな光出力を得ることが困難であるという問題が生じる。
【0145】
上述の問題は、第2実施形態において述べた、変調光の波形パターンの相補的な関係を利用した変調方法を適用することにより解決することができる。
【0146】
例えば、λ/4シフトDFBレーザ40aの発振波長を1550.12nmとし、λ/4シフトDFBレーザ40bの発振波長を1548.51nmと設定する。これらのλ/4シフトDFBレーザ40a、40bを同一出力で駆動し、マッハ・ツェンダ型変調器42による変調を行う。λ/4シフトDFBレーザ40a、40bより出射されたレーザ光は、相補的な波形パターンで変調される。この結果、半導体光増幅器82への全入射光は、ほぼ一定の光強度となり、半導体光増幅器82におけるパターン効果が抑制される。
【0147】
続いて、半導体光増幅器82により増幅され出射された光から、1550.12nmの波長成分を波長フィルタによって濾波する。これにより、ピーク強度10mW以上の変調光が得られる。なお、このような波長フィルタは、予め光半導体素子自身に集積しておいてもよい。尚、半導体光増幅器を用いる場合には、半導体光増幅器自身の発光であるASE(Amplified Spontaneous Emission)光を除去するためのフィルタが必要となるので、このフィルタを上記の用途に流用することもできる。
【0148】
次に、本実施形態による光半導体素子の製造方法について図14及び図15を用いて説明する。図14(a1)乃至図14(e1)及び図15(a1)乃至図15(d1)は、光半導体素子の製造方法を示す平面図、図14(a2)乃至図14(e2)は、それぞれ図14(a1)乃至図14(e1)のa−a′線断面図、図15(a2)乃至図15(d2)は、それぞれ図15(a1)乃至図15(d1)のb−b′線断面図、図15(a3)乃至図15(d3)は、それぞれ図14(a1)乃至図14(d1)のc−c′線断面図である。
【0149】
まず、n型InP基板38上にレジストを塗布する。次いで、λ/4シフトDFBレーザ40a、40bを形成する領域上のレジストに電子ビーム露光法等を用いてλ/4シフトを有する回折格子パターンを形成する。れらの回折格子の周期を互いに異なったものとし、λ/4シフトDFBレーザ40a、40bの発振波長を互いに異なったものとなるようにする。
【0150】
続いて、例えばエタンをエッチングガスとするRIE等のドライエッチングにより、上述の回折格子パターンをn型InP基板38上に転写してλ/4シフト領域74a、74bを形成した後、レジストを除去する(図14(a1)、図14(a2))。
【0151】
次いで、λ/4シフト領域74a、74bを設けたn型InP基板38の全面に、MOVPE法を用いて、n型InGaAsPガイド層、SCH層、1%圧縮歪InGaAsP井戸層7層を形成して、InGaAsP/InP歪多重量子井戸層58を形成する。続いて、InGaAsP/InP歪多重量子井戸層58上にp型InPクラッド層60の一部を形成する(図14(b1)、図14(b2))。
【0152】
次に、p型InPクラッド層60上に酸化シリコン薄膜76を形成する。続いて、フォトリソグラフィーにより、λ/4シフトDFBレーザ40a、40b、半導体光増幅器82、吸収部84を形成する領域以外の酸化シリコン薄膜76を除去する。この酸化シリコン薄膜76をマスクとして、マッハ・ツェンダ型変調器42、光導波路52a、52b、54a、54bを形成する領域のp型InPクラッド層60及びInGaAsP/InP歪多重量子井戸層58を、ウエットエッチングにより除去する(図14(c1)、図14(c2))。
【0153】
次に、p型InPクラッド層60及びInGaAsP/InP歪多重量子井戸層58をウエットエッチングにより除去した領域のn型InP基板38上に、MOVPE法によりInP/InGaAsP量子井戸層72、p型InPクラッド層60の一部を順次形成する(図14(d1)、図14(d2))。このとき、λ/4シフトDFBレーザ40a、40b、半導体光増幅器82、吸収部84を形成する領域のInGaAsP/InGaAsP歪量子井戸層58と、InP/InGaAsP量子井戸層72とがつき合わせたように接続するように成長条件を調整する。
【0154】
次に、マスクとして用いた酸化シリコン薄膜76を除去し、残りのp型InPクラッド層60、p型InGaAsコンタクト層62を全面に形成する(図14(e1)、図14(e2))。
【0155】
次いで、p型InGaAsコンタクト層62上に光導波路パターンを窒化シリコン薄膜78で形成する。この窒化シリコン薄膜78をマスクとしてn型InP基板38までエッチングし、ハイメサ構造を形成する(図15(a1)、図15(a2)、図15(a3))。このエッチングには、例えば四塩化珪素をエッチングガスとするRIEを用いる。
【0156】
上述のエッチング終了後、窒化シリコン膜78を選択成長マスクとして、ハイメサ構造を形成することにより露出したn型InP基板38上に、高抵抗InP層86を形成する(図15(b1)、図15(b2)、図15(b3))。
【0157】
続いて、窒化シリコン膜78を除去し、全面に酸化シリコン膜64を形成する(図15(c1)、図15(c2)、図15(c3))。尚、図15(c1)の平面図では、便宜的に光導波路構造を示している。
【0158】
続いて、λ/4シフトDFBレーザ40a、40b、マッハ・ツェンダ型変調器42、半導体光増幅器82それぞれのp側電極68a、68b、48a、48b、88を形成する領域の酸化シリコン膜64を除去し、各領域にp側電極68a、68b、48a、48b、88を形成する。p側電極としては、例えばTi/Pt/Auを用いることができる。その後、n型InP基板38下部を研磨して100μm程度の厚さにし、n型InP基板38下部にn側電極70を形成する(図15(d1)、図15(d2)、図15(d3))。n側電極としては、AuGe/Auを用いることができる。尚、図15(d1)の平面図では、便宜的に光導波路構造を示している。
【0159】
最後に、上記のようにして形成された素子を劈開し、素子のλ/4シフトDFBレーザ40a、40b側端面と反対側端面に無反射コート膜56a、56bを形成する。こうして、光半導体素子の製造を終了する。
【0160】
このように、本実施形態によれば、複数の半導体レーザを2入力2出力構成の光カプラーを介してマッハ・ツェンダ型変調器に接続するので、光損失を低減し、大きな光出力を得ることができる。また、異なる発振波長のλ/4シフトDFBレーザを同時に駆動し、それらの出射光をマッハ・ツェンダ型変調器により同時に変調して半導体光増幅器に入射するので、パターン効果を生じることなく半導体光増幅器によって変調光を増幅することができる。
【0161】
また、複数の半導体レーザとマッハ・ツェンダ型変調器とが同一基板上に一体として集積化されているので、半導体レーザから光カプラーまでの光導波路等における光伝送の際に生じる光損失を最小限に抑えることができる。また、システムの全体構成を小型化することができ、低コスト化を図ることができる。
【0162】
なお、本実施形態では、2つのλ/4シフトDFBレーザ40a、40bを光源として用いているが、光源の数は2つに限定されるものではない。第1実施形態による光半導体素子と同様に、複数のλ/4シフトDFBレーザを並列或いは直列に設けて用いることが可能である。
【0163】
[変形実施形態]
本発明の上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
【0164】
第3及び第4実施形態では、光半導体素子の材料をInGaAsP/InP系のものとしたが、これに限定されるものではなく、InAlGaAs/InP系などの他の材料系を用いてもよい。また、各層の膜厚、組成等も適宜変更することができる。
【0165】
また、第3及び第4実施形態では、光源としてλ/4シフトDFBレーザ40a、40bを用いているが、DBRレーザや利得結合DFBレーザ等の他の構造のものを用いてもよい。
【0166】
また、第3及び第4実施形態では、マッハ・ツェンダ型変調器42の入射側及び出射側に2×2MMI光カプラー44、50を用いているが、それらの代わりに、方向性結合器やY分岐等を光カプラーとして用いてもよい。
【0167】
また、第3及び第4実施形態では、λ/4シフトDFBレーザ40a、40bやマッハ・ツェンダ型変調器42等の光導波路構造として、SI−BH(Semi Insulating−Buried Heterostructure)構造或いはハイメサ構造としているが、これらに限定されるものではない。光導波路構造として、例えば、SI−PBH(Semi Insulating−Planar Buried Heterostructure)構造や埋込リッジ構造等を用いてもよい。また、マッハ・ツェンダ型変調器42をリッジ構造等の他の構造としてもよい。また、マッハ・ツェンダ型変調器42による変調方法等に応じて、光導波路間に光路長差を設けてもよい。
【0168】
また、第3及び第4実施形態では、基板としてn型InP基板38を用い、電極構造を集中定数型としているが、n型InP基板38の代わりにFeをドープしたInP基板等の高抵抗基板を用いて電極構造を進行波型としてもよい。
【0169】
また、上記実施形態では、光源であるレーザダイオード又はλ/4シフトDFBレーザと、マッハ・ツェンダ型変調器とを同一基板に形成したモノリシック型の光半導体素子となっているが、モノリシック型に限定されるものではない。例えば、レーザダイオード又はλ/4シフトDFBレーザを、マッハ・ツェンダ型変調器を形成した基板とは別個の基板に形成し、それぞれを光学的に接続してよい。
【0170】
また、上記実施形態では、マッハ・ツェンダ型変調器の2つの光導波路の両方に電極を設けて変調しているが、駆動するレーザが接続されたマッハ・ツェンダ型変調器の入射側の光カプラーの入力ポートや、変調方法等に応じて、光導波路の一方だけに電極を設けたものであってもよい。
【0171】
[付記]
(付記1) 第1の入力ポート及び第2の入力ポートと、第1の出力ポート及び第2の出力ポートとを有する第1の光カプラーと、
第1の入力ポート及び第2の入力ポートと、出力ポートとを有する第2の光カプラーと、
前記第1の光カプラーの第1の出力ポートに一端が接続され、前記第2の光カプラーの第1の入力ポートに他端が接続された第1の光導波路と、
前記第1の光カプラーの第2の出力ポートに一端が接続され、前記第2の光カプラーの第2の入力ポートに他端が接続された第2の光導波路と、
前記第1の光導波路及び/又は前記第2の光導波路に電圧を印加する電極と、
前記第1の光カプラーの第1の入力ポートにレーザ光を入射する第1のレーザ部と、
前記第1の光カプラーの第2の入力ポートにレーザ光を入射する第2のレーザ部と
をモノリシックに一体化したことを特徴とする光半導体素子。
【0172】
(付記2) 付記1記載の光半導体素子において、
前記電極は、前記第1の光導波路に電圧を印加する第1の電極と、前記第2の光導波路に電圧を印加する第2の電極とを有する
ことを特徴とする光半導体素子。
【0173】
(付記3) 付記1又は2記載の光半導体素子において、
前記第2の光カプラーは、他の出力ポートを更に有し、
前記第2の光カプラーの前記他の出力ポートから出射されるレーザ光を吸収する吸収部を更に有する
ことを特徴とする光半導体素子。
【0174】
(付記4) 付記1乃至3のいずれかに記載の光半導体素子において、
前記第1のレーザ部は、発振波長の異なる複数の半導体レーザが直列に設けられており、
前記第2のレーザ部は、発振波長の異なる複数の半導体レーザが直列に設けられている
ことを特徴とする光半導体素子。
【0175】
(付記5) 付記1乃至3のいずれかに記載の光半導体素子において、
前記第1のレーザ部は、発振波長の異なる複数の半導体レーザと、前記複数の半導体レーザから出射するレーザ光を結合する光カプラーとを有し、
前記第2のレーザ部は、発振波長の異なる複数の半導体レーザと、前記複数の半導体レーザから出射するレーザ光を結合する光カプラーとを有する
ことを特徴とする光半導体素子。
【0176】
(付記6) 付記1乃至5のいずれかに記載の光半導体素子において、
前記第2の光カプラーの前記出力ポートから出射されるレーザ光を増幅する光増幅部を更に有する
ことを特徴とする光半導体素子。
【0177】
(付記7) 付記6記載の光半導体素子と、
前記光半導体素子の前記光増幅部により増幅されたレーザ光のうち所定の波長成分を透過する波長フィルタと
を有することを特徴とする光変調装置。
【0178】
(付記8) 第1の入力ポート及び第2の入力ポートと、第1の出力ポート及び第2の出力ポートとを有する第1の光カプラーと、第1の入力ポート及び第2の入力ポートと、出力ポートとを有する第2の光カプラーと、前記第1の光カプラーの第1の出力ポートに一端が接続され、前記第2の光カプラーの第1の入力ポートに他端が接続された第1の光導波路と、前記第1の光カプラーの第2の出力ポートに一端が接続され、前記第2の光カプラーの第2の入力ポートに他端が接続された第2の光導波路と、前記第1の光導波路及び/又は前記第2の光導波路に電圧を印加する電極とを有する光半導体素子の変調方法であって、
前記電極により前記第1の光導波路及び/又は前記第2の光導波路に変調信号電圧を印加することにより、前記第1の光カプラーの第1の入力ポート又は第2の入力ポートに入射するレーザ光を変調し、前記第2の光カプラーの出力ポートから出射する
ことを特徴とする光半導体素子の変調方法。
【0179】
(付記9) 第1の入力ポート及び第2の入力ポートと、第1の出力ポート及び第2の出力ポートとを有する第1の光カプラーと、第1の入力ポート及び第2の入力ポートと、出力ポートとを有する第2の光カプラーと、前記第1の光カプラーの第1の出力ポートに一端が接続され、前記第2の光カプラーの第1の入力ポートに他端が接続された第1の光導波路と、前記第1の光カプラーの第2の出力ポートに一端が接続され、前記第2の光カプラーの第2の入力ポートに他端が接続された第2の光導波路と、前記第1の光導波路に電圧を印加する第1の電極と、前記第2の光導波路に電圧を印加する第2の電極とを有する光半導体素子の変調方法であって、
前記第1の電極により前記第1の光導波路にバイアス電圧を印加し、前記第2の電極により前記第2の光導波路に変調信号を印加することにより、前記第1の光カプラーの第1の入力ポート又は第2の入力ポートに入射するレーザ光を変調し、前記第2の光カプラーの出力ポートから出射する
ことを特徴とする光半導体素子の変調方法。
【0180】
(付記10) 第1の入力ポート及び第2の入力ポートと、第1の出力ポート及び第2の出力ポートとを有する第1の光カプラーと、第1の入力ポート及び第2の入力ポートと、出力ポートとを有する第2の光カプラーと、前記第1の光カプラーの第1の出力ポートに一端が接続され、前記第2の光カプラーの第1の入力ポートに他端が接続された第1の光導波路と、前記第1の光カプラーの第2の出力ポートに一端が接続され、前記第2の光カプラーの第2の入力ポートに他端が接続された第2の光導波路と、前記第1の光導波路に電圧を印加する第1の電極と、前記第2の光導波路に電圧を印加する第2の電極とを有する光半導体素子の変調方法であって、
前記第1の電極により前記第1の光導波路に変調信号を印加し、前記第2の電極により前記第2の光導波路に前記変調信号の反転信号を印加することにより、前記第1の光カプラーの第1の入力ポート又は第2の入力ポートに入射するレーザ光を変調し、前記第2の光カプラーの出力ポートから出射する
ことを特徴とする光半導体素子の変調方法。
【0181】
(付記11) 第1の入力ポート及び第2の入力ポートと、第1の出力ポート及び第2の出力ポートとを有する第1の光カプラーと、第1の入力ポート及び第2の入力ポートと、出力ポートとを有する第2の光カプラーと、前記第1の光カプラーの第1の出力ポートに一端が接続され、前記第2の光カプラーの第1の入力ポートに他端が接続された第1の光導波路と、前記第1の光カプラーの第2の出力ポートに一端が接続され、前記第2の光カプラーの第2の入力ポートに他端が接続された第2の光導波路と、前記第1の光導波路に電圧を印加する第1の電極と、前記第2の光導波路に電圧を印加する第2の電極と、前記第2の光カプラーの前記出力ポートから出射されるレーザ光を増幅する光増幅部とを有する光半導体素子の変調方法であって、
前記第1の電極により前記第1の光導波路に変調信号電圧を印加することにより、前記第1の光カプラーの第1の入力ポートに入射する第1のレーザ光を変調して前記光増幅部に入射し、前記第2の電極により前記第2の光導波路に前記変調信号電圧の反転信号を印加することにより、前記第1の光カプラーの第2の入力ポートに入射する第2のレーザ光を変調して前記光増幅部に入射し、
前記光増幅器により増幅されたレーザ光から、前記第1のレーザ光又は前記第2のレーザ光の波長成分を波長フィルタにより濾波することにより、前記第1のレーザ光又は前記第2のレーザ光を変調する
ことを特徴とする光半導体素子の変調方法。
【0182】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、第1の入力ポート及び第2の入力ポートと、第1の出力ポート及び第2の出力ポートとを有する第1の光カプラーと、第1の入力ポート及び第2の入力ポートと、出力ポートとを有する第2の光カプラーと、第1の光カプラーの第1の出力ポートに一端が接続され、第2の光カプラーの第1の入力ポートに他端が接続された第1の光導波路と、第1の光カプラーの第2の出力ポートに一端が接続され、第2の光カプラーの第2の入力ポートに他端が接続された第2の光導波路と、第1の光導波路及び/又は第2の光導波路に電圧を印加する電極と、第1の光カプラーの第1の入力ポートにレーザ光を入射する第1のレーザ部と、第1の光カプラーの第2の入力ポートにレーザ光を入射する第2のレーザ部とを有するので、光損失を低減し、大きな光出力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による光半導体素子の構造を示す平面図である。
【図2】本発明の第1実施形態による光半導体素子の変調方法を示すタイムチャート(その1)である。
【図3】本発明の第1実施形態による光半導体素子の変調方法を示すタイムチャート(その2)である。
【図4】本発明の第1実施形態による光半導体素子においてレーザダイオードを8つ並列に設けた場合を示す平面図である。
【図5】本発明の第1実施形態による光半導体素子においてレーザダイオードを3つずつ直列に設けた場合を示す平面図である。
【図6】本発明の第2実施形態による光半導体素子の構造を示す平面図である。
【図7】本発明の第2実施形態による光半導体素子の変調方法を示すタイムチャートである。
【図8】本発明の第3実施形態による光半導体素子の構造を示す図である。
【図9】本発明の第3実施形態による光半導体素子のプッシュプル動作による変調方法を示すタイムチャート(その1)である。
【図10】本発明の第3実施形態による光半導体素子のプッシュプル動作による変調方法を示すタイムチャート(その2)である。
【図11】本発明の第3実施形態による光半導体素子の製造方法を示す工程図(その1)である。
【図12】本発明の第3実施形態による光半導体素子の製造方法を示す工程図(その2)である。
【図13】本発明の第4実施形態による光半導体素子の構造を示す図である。
【図14】本発明の第4実施形態による光半導体素子の製造方法を示す工程図(その1)である。
【図15】本発明の第4実施形態による光半導体素子の製造方法を示す工程図(その2)である。
【図16】従来のマッハ・ツェンダ型変調器に複数の半導体レーザを接続した光半導体素子の構造を示す平面図である。
【符号の説明】
10…基板
12a、12b…レーザダイオード
14…マッハ・ツェンダ型変調器
16…2×2光カプラー
18a、18b…光導波路
20a、20b…電極
22…2×1光カプラー
24a、24b…光導波路
26…光導波路
28a、28b、28c、28d、28e、28f、28g、28h…レーザダイオード
30a、30b…4×1光カプラー
32a、32b、32c、32d、32e、32f…レーザダイオード
34…半導体光増幅器
36…波長フィルタ
38…n型InP基板
40a、40b…λ/4シフトDFBレーザ
42…マッハ・ツェンダ型変調器
44…2×2MMI光カプラー
46a、46b…光導波路
48a、48b…p側電極
50…2×2MMI光カプラー
52a、52b…光導波路
54a、54b…光導波路
56a、56b…無反射コート
58…InP/InGaAs歪多重量子井戸層
60…p型InPクラッド層
62…p型InGaAsコンタクト層
64…酸化シリコン薄膜
66…ポリイミド層
68a、68b…p側電極
70…n側電極
72…InGaAsP/InP量子井戸層
74a、74b…λ/4シフト領域
76…酸化シリコン膜
78…窒化シリコン膜
80…マスク
82…半導体光増幅器
84…吸収部
86…高抵抗InP層
88…p側電極
100a、100b、100c、100d、100e、100f、100g、100h…半導体レーザ
102…基板
104…光カプラー
106…マッハ・ツェンダ型変調器
108…半導体光増幅器

Claims (5)

  1. 第1の入力ポート及び第2の入力ポートと、第1の出力ポート及び第2の出力ポートとを有する第1の光カプラーと、
    第1の入力ポート及び第2の入力ポートと、出力ポートとを有する第2の光カプラーと、
    前記第1の光カプラーの第1の出力ポートに一端が接続され、前記第2の光カプラーの第1の入力ポートに他端が接続された第1の光導波路と、
    前記第1の光カプラーの第2の出力ポートに一端が接続され、前記第2の光カプラーの第2の入力ポートに他端が接続された第2の光導波路と、
    前記第1の光導波路及び/又は前記第2の光導波路に電圧を印加する電極と、
    前記第1の光カプラーの第1の入力ポートにレーザ光を入射する第1のレーザ部と、前記第1の光カプラーの第2の入力ポートにレーザ光を入射する第2のレーザ部と
    をモノリシックに一体化したことを特徴とする光半導体素子。
  2. 請求項1記載の光半導体素子において、
    前記電極は、前記第1の光導波路に電圧を印加する第1の電極と、前記第2の光導波路に電圧を印加する第2の電極とを有する
    ことを特徴とする光半導体素子。
  3. 請求項1又は2記載の光半導体素子において、
    前記第1のレーザ部は、発振波長の異なる複数の半導体レーザと、前記複数の半導体レーザから出射するレーザ光を結合する光カプラーとを有し、
    前記第2のレーザ部は、発振波長の異なる複数の半導体レーザと、前記複数の半導体レーザから出射するレーザ光を結合する光カプラーとを有する
    ことを特徴とする光半導体素子。
  4. 第1の入力ポート及び第2の入力ポートと、第1の出力ポート及び第2の出力ポートとを有する第1の光カプラーと、
    第1の入力ポート及び第2の入力ポートと、出力ポートとを有する第2の光カプラーと、
    前記第1の光カプラーの第1の出力ポートに一端が接続され、前記第2の光カプラーの第1の入力ポートに他端が接続された第1の光導波路と、
    前記第1の光カプラーの第2の出力ポートに一端が接続され、前記第2の光カプラーの第2の入力ポートに他端が接続された第2の光導波路と、
    前記第1の光導波路及び/又は前記第2の光導波路に電圧を印加する電極と
    前記第1の光カプラーの第1の入力ポートにレーザ光を入射する第1のレーザ部と、前記第1の光カプラーの第2の入力ポートにレーザ光を入射する第2のレーザ部と
    を有する光半導体素子の変調方法であって、
    前記電極により前記第1の光導波路及び/又は前記第2の光導波路に変調信号電圧を印加することにより、前記第1の光カプラーの第1の入力ポート又は第2の入力ポートに入射するレーザ光を変調し、前記第2の光カプラーの出力ポートから出射する
    ことを特徴とする光半導体素子の変調方法。
  5. 第1の入力ポート及び第2の入力ポートと、第1の出力ポート及び第2の出力ポートとを有する第1の光カプラーと、第1の入力ポート及び第2の入力ポートと、出力ポートとを有する第2の光カプラーと、前記第1の光カプラーの第1の出力ポートに一端が接続され、前記第2の光カプラーの第1の入力ポートに他端が接続された第1の光導波路と、前記第1の光カプラーの第2の出力ポートに一端が接続され、前記第2の光カプラーの第2の入力ポートに他端が接続された第2の光導波路と、前記第1の光導波路に電圧を印加する第1の電極と、前記第2の光導波路に電圧を印加する第2の電極と、前記第1の光カプラーの第1の入力ポートにレーザ光を入射する第1のレーザ部と、前記第1の光カプラーの第2の入力ポートにレーザ光を入射する第2のレーザ部とを有する光半導体素子の変調方法であって、
    前記第1の電極により前記第1の光導波路にバイアス電圧を印加し、前記第2の電極により前記第2の光導波路に変調信号を印加することにより、前記第1の光カプラーの第1の入力ポート又は第2の入力ポートに入射するレーザ光を変調し、前記第2の光カプラーの出力ポートから出射する
    ことを特徴とする光半導体素子の変調方法。
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