JP3284994B2 - 半導体光集積素子及びその製造方法 - Google Patents

半導体光集積素子及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体レーザ、光
変調器及び光増幅器等の光機能素子、並びに分岐/合流
やスポットサイズ変換等の機能を有する受動光導波路
(以下、PWGとも呼ぶ)が同一の半導体チップ上に集
積形成された半導体光集積素子及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、光機能素子とPWGを有する光集
積素子としては、個々の要素素子を光ファイバや石英系
光導波路を用いてハイブリッド集積した素子が使用され
てきた。しかし、光機能素子とPWGを同一の半導体チ
ップ上に集積形成された半導体光集積素子が開発され、
この半導体光集積素子は、小型化できるうえ、半導体素
子と石英系光導波路等との接続点が少なくて済むため挿
入損失が低減でき、実装に関わるコストも低減できると
いった特徴を有しており、近年、研究開発が盛んに行わ
れている。そして、この研究開発テーマの一つとして、
半導体光集積素子の高性能化を目的とするPWGの導波
損失の低減が挙げられている。
【0003】先ず、PWGの導波損失の低減について説
明する。この半導体光集積素子において、光機能部は、
通常、半導体基板上にストライプ状に形成された半導体
活性層あるいは光吸収層(以下、活性層と総称する)の
周囲が半導体クラッド層で埋め込まれた構造となってお
り、一方、PWGは同じく基板上に形成された半導体コ
ア層の周囲あるいは上部のみにクラッド層が形成された
光導波路構造となっている。また、光機能部の活性層上
部のクラッド層は、活性層への電流注入あるいは電圧印
加が可能な構成とするために導電型とする必要があり、
例えばn型半導体基板を用いる際にはp型のクラッド層
が用いられる。
【0004】ここで、半導体光集積素子の低コスト化、
高歩留まり化を目的として、PWG部のクラッド層を、
光機能部のクラッド層と同一のp型半導体で形成するこ
とにより製造工程を簡略化しようとしても、p型クラッ
ド層における価電子帯間吸収によって、PWGの伝搬損
失は20〜30dB/cmと非常に大きくなり、光集積
素子の挿入損失が増大してしまうという欠点があった。
この欠点に対し、PWG部のクラッド層にはp型導電性
の材質を用いず、光機能部におけるp型クラッド層とは
別々の結晶成長工程で形成する方法が報告されており、
PWG部をアンドープ、若しくは高抵抗の材料からなる
クラッド層で埋め込むことにより、2〜3dB/cmの
導波損失の光導波路が形成されている。
【0005】さらにまた、光機能部での電流狭窄効果を
高めるために、PWG部のクラッド層にFeドープの高
抵抗半導体層を用い、高抵抗クラッド層形成時に同時に
活性層の両脇を埋め込んで電流ブロック構造を形成する
製造方法が報告されている(K. Y. Liou et Al., IEEE
PHOTONICS TECHNOLOGY LETTERS, Vol. 2, p.878-88
0)。
【0006】なお、半導体光集積素子の製造方法として
は、受動導波路における光伝搬損失を低減することによ
り素子特性の向上を図った例が報告されており、例え
ば、ELECTRONICS LETTERS vol.32の2265ページから2266
ページに記載のK. Hamamotoet.Al.による1×4半導
体光増幅器ゲート型モノリシックマトリクス光スイッチ
が挙げられる。
【0007】次に、上記モノリシックマトリクス光スイ
ッチの半導体光集積素子について、図面を参照して説明
する。図18は、従来例の半導体光集積素子の模式拡大
平面図を示してある。同図において、10は半導体光集
積素子であり、窓部101、PWG部102、光増幅器
部103から構成してある。半導体光集積素子10は、
一入力四出力の分岐/半導体光増幅器ゲート型マトリク
ス光スイッチであり、(100)面方位を有するInP
基板106の光増幅器部103上に、<011>方位に
ストライプ状に形成された4つの光増幅器105と、P
WG部102上に、これらを結ぶY分岐型のPWG10
4を設けた構造としてある。
【0008】ここで、半導体光集積素子10の入力側か
らPWG104に入射した光は、二段のY分岐によって
四分割され、光増幅器105に達する。そして、半導体
光集積素子10は、四つのうち任意の光増幅器105に
電流を流すことによりゲートがオンとなり、光が出力側
から出射されることにより光スイッチとして機能する。
【0009】図19は、図18における要部の模式拡大
断面図を示しており、(a)はPWGの断面図(a−
a’断面)を、(b)は光増幅器の断面図(b−b’断
面)を、(c)は光増幅器部とPWG部の境界付近にお
ける導波路方向の断面図(c−c’断面)を示してあ
る。同図(a)に示すようにPWG104においては、
InP基板上106にストライプ状に形成されたコア層
113がアンドープInPクラッド112で埋め込まれ
ており、さらに、p型InPクラッド111、p型In
GaAsコンタクト層110及びSiO2マスク109
が積層されている。
【0010】一方、同図(b)に示すように光増幅器1
05では、同様にInP基板上106にストライプ状に
形成された活性層114がp型InPクラッド111で
埋め込まれており、さらに、p型InGaAsコンタク
ト層110、SiO2マスク109及びTi/Au電極
108が形成されている。ここで、Ti/Au電極10
8は、p型InGaAsコンタクト層110に接続して
ある。
【0011】半導体光集積素子10は、選択成長技術を
用いて、光増幅器部103の活性層114とPWG部1
02のコア層113を一括して形成している。この選択
成長技術は、有機金属気相成長法(MOVPE)におい
て、InP等の半導体基板上に導波路成長領域となる開
口部を挟んだ一対のストライプ状誘電体薄膜マスクを形
成し、InGaAsP等の結晶を選択的に成長させた際
に、前記誘電体マスク幅もしくは前記成長領域幅を変え
ることのみで成長層のバンドギャップエネルギーを制御
することが可能であることを利用し、光機能部の活性層
とPWG部のコア層を一度の結晶成長工程で一括して形
成できるという特徴を有する技術であり、各種半導体光
集積素子の製造に利用されている。
【0012】ここで、具体的には、半導体光集積素子1
0は、光増幅器部103及びPWG部102のマスク幅
をそれぞれ30μm及び6μmとし、成長層のバンドギ
ャップ波長がそれぞれ1.55μm及び1.40μmで
ある活性層114及びコア層113を一括形成してい
る。
【0013】以上のようにして形成された活性層114
及びPWG113は、二回の結晶成長工程により別々に
埋め込まれる。はじめに、光増幅器105を覆うよう
に、PWG104のみを選択的に埋め込むためのSiO
2マスクを形成したうえで、PWG部102のコア層1
13をアンドープInPクラッド112で埋め込む。次
に、光増幅器部103のSiO2マスクを除去した後、
光増幅器105に形成されたSiO2マスクを除去し、
光増幅器105の活性層14を埋め込むように、p型I
nPクラッド111及びp型InGaAsコンタクト層
110を形成する。
【0014】このように、半導体光集積素子10は、光
増幅器部103において、活性層114をp型InPク
ラッド111で埋め込み、表面に電極を形成することに
より電流流入が可能となり、さらに、PWG部102に
おいては、コア層113を光の損失が少ないアンドープ
クラッド112で埋め込むことにより、光伝搬損失が2
dB/cmといった低損失なPWG104を形成してい
る。その結果、素子全体での伝搬損失が1dBに低減さ
れ、光増幅器105への注入電流60mAでファイバ間
利得0dBの無挿入損失ゲート動作が実現されている。
【0015】しかし、上述した二度の埋め込み成長工程
による半導体光集積素子10の製造においては、光増幅
器105等の光機能部とPWG部102における埋め込
み成長境界の不連続が問題となることが多かった。具体
的には、半導体光集積素子10において、信号光の反射
や素子の信頼性の低下等が生じ、素子特性が大きく損な
われるといった現象が発生していた。なお、この現象の
原因は、PWG104と光増幅器105との接続部、具
体的には、活性層114とコア層113の境界付近にお
いて、同図(c)に示すように、形成されたアンドープ
InPクラッド112の側部がp型InPクラッド11
1で完全に埋め込まれずに、空隙部802が形成される
とことに起因することが判明している。
【0016】次に、この空隙部802について、図面を
参照して説明する。図20は、従来例の埋め込み成長工
程における半導体光集積素子の模式拡大図であり、
(a)は平面図を、(b)は誘電体マスクを示してあ
る。同図(a)に示すように、通常、半導体レーザ、光
増幅器、半導体光変調器等の光機能部901の活性層1
14は、(100)方位面を有する基板上において<0
11>方位にストライプ状に形成される。なお、ここで
は光機能部901に電流狭窄構造を形成しない場合につ
いて示してある。このため、同図(b)に示すように、
コア層113を選択的に埋め込むために活性層114の
上部に形成される誘電体マスク912が導波路上で途切
れる部分における側縁部913は、導波路形成方位であ
る<011>方位に対して基板面内で垂直になるよう形
成される。
【0017】ここで、半導体光集積素子10は、光機能
部901の活性層114とPWG部102のコア層11
3が形成された後に、二回の埋め込み成長工程でアンド
ープInPクラッド112及びp型InPクラッド11
1で各々独立に埋め込む製造工程へと進むことになる
が、この埋め込み成長工程で、側縁部913付近に空隙
部802が発生する。
【0018】この空隙部802の発生過程を、図面を参
照して説明する。図21は、図20における各埋め込み
成長工程における、PWG部の断面図(a−a’断
面)、PWG部と光機能部の接続部における導波路方向
の断面図(c−c’断面)及び光機能部の断面図(b−
b’断面)を示してある。ここで、同図においては各断
面図を、列方向には各断面毎に、行方向には各工程毎に
示してある。
【0019】同図において、工程(1)はPWG部10
2埋め込みマスク形成工程であり、活性層114上部に
誘電体マスク912を形成する。ここで、活性層114
全体が確実にp型ドープInPクラッド111で埋め込
まれるよう、誘電体マスク912の側縁部913は、コ
ア層113側にはみ出している。次に、工程(2)はP
WG部102埋め込み成長工程であり、PWG部102
をアンドープInPクラッド112で選択的に埋め込
む。このとき、前述したように活性層114とコア層1
13の境界における誘電体マスク912の側縁部913
が<011>方位に垂直であるため、アンドープInP
クラッド112側部に{111}A面801及び{11
1}B面115が形成される。
【0020】この現象は、古くからGaAsの選択成長
等でも報告されている(K. Kamon et Al., J. CRYSTAL
GROWTH, Vol. 73, p. 73-76)。この{111}A面8
01におけるInPの成長速度は比較的高いため、1μ
m以上の比較的厚い層厚が必要なクラッド層の成長にお
いては、活性層114を覆う誘電体マスク902上にア
ンドープInPクラッド112が大きくせり出すように
成長される。
【0021】さらに、工程(3)は光機能部901マス
ク除去工程であり、活性層114上部の誘電体マスク9
12を除去する。ここで、誘電体マスク912がコア層
113にはみ出した部分に、空隙部802が形成され
る。次に、工程(4)は光機能部901埋め込み成長工
程であり、少なくとも光機能部901の活性層114を
埋め込むようにp型InPクラッド111及びp型In
GaAsコンタクト層110を成長させる。ところが、
PWG部102を埋め込む際に、アンドープInPクラ
ッド112が側部に{111}B面115を形成し、か
つ誘電体マスク902上へせり出しているので、空隙部
802内にp型InPクラッド111の埋め込み成長が
行われずに成長が終了することにより、活性層114と
コア層113の境界に半導体層で埋め込まれない空隙部
802が形成されることがある。
【0022】そして、空隙部802が形成された場合、
信号光の反射や素子の信頼性の低下等が生じ、その結果
として素子特性が大きく損なわれることが大きな問題と
なる。また、埋め込み後の活性層114とコア層113
の境界部分は、InPクラッド111が大きく盛り上が
る形状となる。そして、このように埋め込み成長後の表
面に大きな段差が生じる場合、その後のプロセス工程に
おいて、電極コンタクト窓形成時の不良や電極の段切れ
等が生じやすく、素子特性への影響が懸念される。ま
た、このような大きな段差は、基板面を上にして半導体
光集積素子10をプラットフォーム上に実装する際にも
問題となる。
【0023】次に、光機能部に電流狭窄構造を形成する
従来技術であって、光機能部のコア層の両脇への高抵抗
InP層の形成とPWG部のコア層の上部クラッドの形
成を同一の結晶成長行程でおこなう光集積素子の製造方
法について、図面を参照して説明する。なお、この場
合、PWG部のコア層はアンドープInPではなく高抵
抗InP層で埋め込まれるが、上部クラッド層が高抵抗
InP層である場合においてもPWG部の導波損失は十
分に低減される。
【0024】図22は、従来例の電流狭窄構造を有する
半導体光集積素子の埋め込み成長工程における埋め込み
境界付近の模式拡大図であり、(a)は平面図を、
(b)は誘電体マスクを示してある。同図(b)におい
て、光機能部901において、活性層114の両脇を高
抵抗InPクラッド404で埋め込むために、誘電体マ
スク902は活性層114の上部のみに形成されてい
る。しかし、誘電体マスク912aが導波路上で途切れ
る部分における側縁部913aは、導波路形成方位であ
る<011>方位に対して基板面内で垂直になるよう形
成されることには変わりがない。他の構造については、
図20における従来例と同様である。
【0025】そして、光機能部901の電流狭窄を行う
従来の技術を用いて製造された半導体光集積素子10の
要部の断面について、図面を参照して説明する。図23
は、図22の導波路構造における埋め込み境界の要部の
模式拡大断面図であり、(a)は光機能部の断面図(a
−a’断面)を、(b)はPWG部と光機能部の接続部
における導波路方向の断面図(b−b’断面)を示して
ある。同図(a)において、光機能部901の断面は電
流狭窄構造を有している。
【0026】また、図22に示すように、側縁部913
aは電流狭窄構造を用いることにより小さくなるが、導
波路形成方位である<011>方位に対して基板面内で
垂直になるよう形成されているので、結果的に空隙部8
02の発生を防止することはできない。したがって、図
23(b)に示すように、高抵抗InPクラッド304
の側部に形成される{111}B面115及び誘電体マ
スク902上へのせり出しによって、p型InPクラッ
ド111層の埋め込み成長後の活性層114とコア層1
13の境界に半導体層で埋め込まれない空隙部802が
形成されることが懸念され、同様の問題が生じることに
なる。なお、以上述べた事は、光機能部901の電流狭
窄構造がpnpn接合により形成される場合でも同様に
問題となる。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
記の問題を解決すべくなされたものであり、半導体レー
ザ等の光機能部と受動光導波路(PWG)部を同一基板
上に集積した半導体光集積素子において、PWGの導波
損失が低く、光機能部との接続部において空隙等による
過剰損失のない、良好な特性を有する半導体光集積素子
及び安定してその製造を行なう技術を提供することを目
的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1記載の半導体光集積素子は、少な
くとも光機能部及び受動光導波路部からなる半導体光集
積素子であって、表面が(100)面、又は(100)
面に対して微小な傾斜角を有する面方位で構成された半
導体基板上に形成された、少なくとも活性層を有する光
機能部と、少なくともコア層を有する受動光導波路部か
らなるとともに、前記活性層と前記コア層が光学的に接
続されており、かつ前記活性層と前記コア層の上部に、
不純物濃度が異なる第一及び第二のクラッド層が各々形
成された構造となっている光集積素子において、前記活
性層とコア層の接続部近傍における前記第一及び第二の
クラッド層の境界部において前記活性層もしくはコア層
が<011>方位に対して基板面内で有限の角度を有し
て形成されており、かつ前記第一及び第二のクラッド層
の接合部が、マスクを用いた領域選択成長によって形成
された{111}B面により形成されている構成として
ある。
【0029】これにより、半導体光集積素子は、クラッ
ド層の接続部において空隙等の不連続の生じない良好な
埋め込み構造となり、光機能部の活性層と受動光導波路
部のコア層との境界における空隙の存在に起因する信号
光の反射による素子特性の劣化を防止することができ
る。また、半導体光集積素子の表面平坦性が改善され、
電極窓及び電極における段切れ不良を防止することがで
きる。
【0030】また、本発明の請求項2記載の半導体光集
積素子は、少なくとも光機能部及び受動光導波路部から
なる半導体光集積素子であって、表面が(100)面、
又は(100)面に対して微小な傾斜角を有する面方位
で構成された半導体基板上全面に形成されたコア層と、
前記光機能部のみに形成された活性層を有し、前記活性
層と前記受動光導波路部における前記コア層が光学的に
接続されており、かつ前記活性層と前記受動光導波路部
における前記コア層の上部に、不純物濃度が異なる第一
及び第二のクラッド層が各々形成された構造となってい
る光集積素子において、前記活性層とコア層の接続部近
傍における前記第一及び第二のクラッド層の境界部にお
いて前記活性層もしくはコア層が<011>方位に対し
て基板面内で有限の角度を有して形成されており、かつ
前記第一及び第二のクラッド層の接合部が、マスクを用
いた領域選択成長によって形成された{111}B面に
より形成されている構成としてある。
【0031】これにより、半導体光集積素子は、半導体
基板上全面に形成されたコア層と前記光機能部のみに形
成された活性層との境界における空隙の存在に起因する
信号光の反射による素子特性の劣化を防止することがで
きる。また、半導体光集積素子の表面平坦性が改善さ
れ、電極窓及び電極における段切れ不良を防止すること
ができる。
【0032】請求項3記載の発明は、請求項1記載の半
導体光集積素子において、前記活性層と前記コア層が同
一の結晶成長工程により形成されている構成としてあ
る。これにより、半導体光集積素子は、光機能部の活性
層と受動光導波路部のコア層が同一の結晶成長工程によ
り形成されている構造であっても、これらの境界におけ
る空隙の存在に起因する信号光の反射による素子特性の
劣化を防止することができる。
【0033】請求項4記載の発明は、請求項1または2
記載の半導体光集積素子において、前記光機能部におい
ては前記活性層が選択的に形成されて光導波路を構成し
ており、かつ前記受動光導波路部においては前記コア層
がメサエッチングにより光導波路として形成されている
構成としてある。これにより、半導体光集積素子は、光
機能部の活性層が選択的に形成されて光導波路を構成
し、受動光導波路部のコア層がメサエッチングにより光
導波路として形成されている構造であっても、これらの
境界における空隙の存在に起因する信号光の反射による
素子特性の劣化を防止することができる。
【0034】請求項5記載の発明は、請求項1または2
記載の半導体光集積素子において、前記光機能部におい
て前記活性層の側部が前記第二のクラッド層により埋め
込まれており、かつ前記活性層の上部には前記第一のク
ラッド層が形成されている構成としてある。これによ
り、半導体光集積素子は、光機能部の活性層の側部が前
記第二のクラッド層により埋め込まれており、かつ前記
活性層の上部には前記第一のクラッド層が形成されてい
る構造であっても、活性層とコア層との境界における空
隙の存在に起因する信号光の反射による素子特性の劣化
を防止することができる。
【0035】請求項6記載の発明は、請求項1〜5のい
ずれか一項記載の半導体光集積素子において、前記光機
能部の活性層、及び前記受動光導波路部のコア層のう
ち、少なくとも一方が量子井戸構造である構成としてあ
る。これにより、半導体光集積素子は、光機能部の活性
層、及び受動光導波路部のコア層のうち、少なくとも一
方が量子井戸構造であっても、活性層とコア層との境界
における空隙の存在に起因する信号光の反射による素子
特性の劣化を防止することができる。
【0036】請求項7記載の発明は、請求項1〜6のい
ずれか一項記載の半導体光集積素子において、前記光機
能部が異なる発振波長を有する半導体レーザアレイで構
成されており、かつ前記受動光導波路部が合波器として
構成されている構成としてある。これにより、半導体光
集積素子は、光機能部が異なる発振波長を有する半導体
レーザアレイで構成されており、かつ受動光導波路部が
合波器として構成されている構造であっても、活性層と
コア層との境界における空隙の存在に起因する信号光の
反射による素子特性の劣化を防止することができる。
【0037】請求項8記載の発明は、請求項1〜6のい
ずれか一項記載の半導体光集積素子において、前記光機
能部が半導体光アンプで構成されており、かつ前記受動
光導波路部がスポットサイズ変換器として構成されてい
る構成としてある。これにより、半導体光集積素子は、
光機能部が半導体光アンプで構成されており、かつ受動
光導波路部がスポットサイズ変換器として構成されてい
る構造であっても、活性層とコア層との境界における空
隙の存在に起因する信号光の反射による素子特性の劣化
を防止することができる。
【0038】請求項9記載の発明は、請求項1〜6のい
ずれか一項記載の半導体光集積素子において、前記光機
能部が半導体光アンプアレイで構成されており、かつ前
記受動光導波路部が合波器として構成されている構成と
してある。これにより、半導体光集積素子は、光機能部
が半導体光アンプアレイで構成されており、かつ受動光
導波路部が合波器として構成されている構造であって
も、活性層とコア層との境界における空隙の存在に起因
する信号光の反射による素子特性の劣化を防止すること
ができる。
【0039】請求項10記載の発明は、請求項1〜6の
いずれか一項記載の半導体光集積素子において、前記光
機能部が半導体レーザ、可飽和吸収体、分布反射器及び
光変調器で構成されている構成としてある。これによ
り、半導体光集積素子は、光機能部が半導体レーザ、可
飽和吸収体、分布反射器及び光変調器で構成されている
構造であっても、活性層とコア層との境界における空隙
の存在に起因する信号光の反射による素子特性の劣化を
防止することができる。
【0040】請求項11記載の発明は、請求項1〜6の
いずれか一項記載の半導体光集積素子において、前記光
機能部が半導体レーザ及び光受光器で構成されており、
かつ前記受動光導波路部が合分波器として構成されてい
る構成としてある。これにより、半導体光集積素子は、
光機能部が半導体レーザ及び光受光器で構成されてお
り、かつ受動光導波路部が合分波器として構成されてい
る構造であっても、活性層とコア層との境界における空
隙の存在に起因する信号光の反射による素子特性の劣化
を防止することができる。
【0041】上記目的を達成するために、本発明の請求
項12記載の半導体光集積素子の製造方法は、表面が
(100)面、又は(100)面に対して微小な傾斜角
を有する面方位で構成された半導体基板上の光機能部に
少なくとも活性層を、受動光導波路部に少なくともコア
層を形成した後、前記活性層及び前記コア層の上部に、
不純物濃度の異なる第一及び第二のクラッド層を別々の
結晶成長工程で形成する工程を含む光集積素子の製造方
法において、少なくとも前記活性層上部に成長阻止マス
クを形成する工程と、該成長阻止マスクが形成されてい
ない前記受動光導波路部の前記コア層の上部に前記第二
のクラッド層を結晶成長する工程と、前記成長阻止マス
クをエッチングにより除去する工程と、少なくとも前記
光機能部の前記活性層上部に前記第一のクラッド層を結
晶成長する工程を含むとともに、前記第一及び第二のク
ラッド層の境界部において、前記活性層もしくはコア層
をストライプ方位が<011>方位に対して基板面内で
有限の角度を有するように形成するとともに、前記成長
阻止マスクを側縁部が<011>方位に対してほぼ平行
になるように形成し、前記第一及び第二のクラッド層の
接合部を{111}B面により形成する方法としてあ
る。
【0042】これにより、面方位が(100)である半
導体基板上に、光機能部の活性層とPWG部のコア層を
形成した後、光機能部の表面に成長阻止マスクを形成し
てPWG部コア層上部に低損失クラッド層を選択的に形
成し、光機能部の活性層を導電型クラッド層で埋め込む
工程において、クラッド層の接続部において空隙等の不
連続の生じない、良好な埋め込み構造光集積素子を製造
することをができる。そして、半導体光集積素子におい
ては、活性層とPWG部のコア層の境界における空隙の
存在に起因する信号光の反射による素子特性の劣化を防
止することができる。また、表面平坦性が改善されたた
め、埋め込み成長境界付近のInPクラッド層の隆起に
起因する電極窓及び電極形成の工程における段切れを防
止することができる。したがって、本発明による製造方
法を用いることにより、半導体光集積素子の製造歩留ま
りを大幅に改善することができる。
【0043】請求項13記載の発明は、請求項12記載
の半導体光集積素子の製造方法において、前記半導体基
板上に一対の成長阻止マスクを形成し、有機金属気相成
長法を用いることにより、マスク空隙部にバンドギャッ
プエネルギーの異なる前記活性層及び前記コア層を一回
の結晶成長工程により選択的に形成する工程を含む構成
としてある。これにより、半導体基板上に一対の成長阻
止マスクを形成し、有機金属気相成長法を用いることに
より、マスク空隙部にバンドギャップエネルギーの異な
る活性層及びコア層を一回の結晶成長工程により選択的
に形成する工程を含んでいても、素子特性の劣化を防止
することができ、電極窓及び電極形成の工程における段
切れを防止することができ、半導体光集積素子の製造歩
留まりを大幅に改善することができる。
【0044】請求項14記載の発明は、請求項12記載
の半導体光集積素子の製造方法において、前記活性層及
び前記コア層の一方を半導体基板上に形成された一対の
成長阻止マスクの空隙部に選択的に形成するとともに、
他方をこの半導体層の結晶成長及びエッチング工程によ
り形成する工程を含む構成としてある。これにより、活
性層及びコア層の一方を半導体基板上に形成された一対
の成長阻止マスクの空隙部に選択的に形成するととも
に、他方をこの半導体層の結晶成長及びエッチング工程
により形成する工程を含んでいても、素子特性の劣化を
防止することができ、電極窓及び電極形成の工程におけ
る段切れを防止することができ、半導体光集積素子の製
造歩留まりを大幅に改善することができる。
【0045】請求項15記載の発明は、請求項12記載
の半導体光集積素子の製造方法において、前記半導体基
板全面に少なくとも前記活性層を形成する工程と、前記
光機能部の表面に誘電体マスクを形成する工程と、前記
誘電体マスクの形成されていない領域における前記活性
層をメサエッチングにより除去する工程と、該エッチン
グされた基板上の前記受動光導波路部に結晶成長により
少なくともコア層を形成する工程と、導波路パターン上
に形成した誘電体マスクを用いて前記活性層ならびにコ
ア層をエッチングすることにより導波路構造を形成する
工程を含む構成としてある。これにより、上記工程を含
んでいても、半導体光集積素子の素子特性の劣化を防止
することができ、電極窓及び電極形成の工程における段
切れを防止することができ、半導体光集積素子の製造歩
留まりを大幅に改善することができる。
【0046】請求項16記載の発明は、請求項12記載
の半導体光集積素子の製造方法において、前記半導体基
板全面に少なくとも前記コア層を形成する工程と、前記
受動光導波路部の表面に成長阻止マスクを形成する工程
と、前記成長阻止マスクの形成されていない領域におけ
る前記コア層をエッチングにより除去する工程と、この
エッチングされた基板上の前記光機能部に結晶成長によ
り少なくとも活性層を形成する工程と、第一及び第二の
クラッド層の形成後に、導波路パターン状に形成した誘
電体マスクを用いて前記活性層及び前記コア層をメサエ
ッチングすることにより導波路構造を形成する工程を含
む構成としてある。これにより、上記工程を含んでいて
も、半導体光集積素子の素子特性の劣化を防止すること
ができ、電極窓及び電極形成の工程における段切れを防
止することができ、半導体光集積素子の製造歩留まりを
大幅に改善することができる。
【0047】請求項17記載の発明は、請求項12記載
の半導体光集積素子の製造方法において、前記半導体基
板全面に少なくとも前記コア層を形成する工程と、前記
光機能部に少なくとも活性層を形成する工程と、前記光
機能部を覆うように成長阻止マスクを形成する工程と、
前記受動光導波路部上に前記第二のクラッド層を選択的
に形成する工程と、前記成長阻止マスクを除去した後、
少なくとも前記光機能部上に前記第一のクラッド層を形
成する工程と、メサエッチングにより少なくとも前記受
動光導波路部の導波路構造を形成する工程を含み、前記
光機能部と前記受動光導波路部との境界において、前記
活性層もしくはコア層の方向が<011>方位に対して
基板面内で有限の角度を有するように形成するととも
に、前記成長阻止マスクの端部が<011>方位に対し
てほぼ平行になるように形成する構成としてある。これ
により、上記工程を含んでいても、半導体光集積素子の
素子特性の劣化を防止することができ、電極窓及び電極
形成の工程における段切れを防止することができ、半導
体光集積素子の製造歩留まりを大幅に改善することがで
きる。
【0048】請求項18記載の発明は、請求項12〜1
7のいずれか一項記載の半導体光集積素子の製造方法に
おいて、前記第一もしくは第二のクラッド層がAlを含
む半導体層を含む多層構造であり、成長後に前記Alを
含む半導体層の少なくとも一部を酸化する工程を含む構
成としてある。これにより、第一もしくは第二のクラッ
ド層がAlを含む半導体層を含む多層構造であり、成長
後にAlを含む半導体層の少なくとも一部を酸化する工
程を含んでいても、素子特性の劣化を防止することがで
き、電極窓及び電極形成の工程における段切れを防止す
ることができ、半導体光集積素子の製造歩留まりを大幅
に改善することができる。
【0049】請求項19記載の発明は、請求項12〜1
7のいずれか一項記載の半導体光集積素子の製造方法に
おいて、前記受動光導波路上部における第二のクラッド
層の形成時に、前記活性層の上部に形成させた成長阻止
マスクを用いて、前記活性層両脇にも前記第二のクラッ
ド層が同時に形成される工程を含む構成としてある。こ
れにより、受動光導波路上部における第二のクラッド層
の形成時に、活性層の上部に形成させた成長阻止マスク
を用いて、活性層両脇にも第二のクラッド層が同時に形
成される工程を含んでいても、素子特性の劣化を防止す
ることができ、電極窓及び電極形成の工程における段切
れを防止することができ、半導体光集積素子の製造歩留
まりを大幅に改善することができる。
【0050】請求項20記載の発明は、請求項19記載
の半導体光集積素子の製造方法において、前記第二のク
ラッド層が高抵抗型導電形態の半導体である構成として
ある。これにより、第二のクラッド層が高抵抗型導電形
態の半導体であっても、素子特性の劣化を防止すること
ができ、電極窓及び電極形成の工程における段切れを防
止することができ、半導体光集積素子の製造歩留まりを
大幅に改善することができる。
【0051】請求項21記載の発明は、請求項19記載
の半導体光集積素子の製造方法において、前記第二のク
ラッド層が真性半導体である構成としてある。これによ
り、第二のクラッド層が真性半導体であっても、素子特
性の劣化を防止することができ、電極窓及び電極形成の
工程における段切れを防止することができ、半導体光集
積素子の製造歩留まりを大幅に改善することができる。
【0052】請求項22記載の発明は、請求項19記載
の半導体光集積素子の製造方法において、前記第一もし
くは第二のクラッド層がAlを含む半導体層を含む多層
構造であり、成長後に少なくとも前記光機能部における
前記Alを含む半導体層を酸化する工程を含む構成とし
てある。これにより、第一もしくは第二のクラッド層が
Alを含む半導体層を含む多層構造であり、成長後に少
なくとも光機能部におけるAlを含む半導体層を酸化す
る工程を含んでいても、素子特性の劣化を防止すること
ができ、電極窓及び電極形成の工程における段切れを防
止することができ、半導体光集積素子の製造歩留まりを
大幅に改善することができる。
【0053】上記目的を達成するために、本発明の請求
項23記載の光通信用モジュールは、請求項1及び2に
記載の半導体光集積素子と、この半導体光集積素子から
の出力光を外部に導波するための導波手段と、この導波
手段に前記半導体光集積素子からの出力光を集光するた
めの集光手段と、上記半導体光集積素子を駆動するため
の駆動手段とを具備する構成としてある。これにより、
光通信用中継モジュールは、高速光信号の光経路切り替
えにおいてON/OFF比の高い優れた光スイッチング
特性を実現でき、小型化及び消費電力の低減を行なうこ
とができる。
【0054】また、本発明の請求項24記載の光通信用
モジュールは、請求項1及び2に記載の半導体光集積素
子と、この半導体光集積素子に入力光を導波させるため
の導波手段と、この導波手段から前記半導体光集積素子
へ入力光を集光するための集光手段と、前記半導体光素
子からの出力光を外部に導波するための導波手段と、こ
の導波手段に上記半導体光集積素子からの出力光を集光
するための集光手段と、上記半導体光集積素子を駆動す
るための駆動手段とを具備する構成としてある。これに
より、光通信用中継モジュールは、高速光信号の光経路
切り替えにおいてON/OFF比の高い優れた光スイッ
チング特性を実現でき、小型化及び消費電力の低減を行
なうことができる。
【0055】上記目的を達成するために、本発明の請求
項25記載の光通信システムは、請求項1及び2に記載
の半導体光集積素子を有する通信手段と、この通信手段
からの出力光を受信するための受信手段とを具備する構
成としてある。これにより、光通信システムは、消費電
力を低減できるとともに、低クロストークでスケーラビ
リティに優れた光クロスコネクトシステムを容易に実現
できる。
【0056】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施の形態について説明する。本発明における半導体
光集積素子及びその製造方法の第一実施形態について、
図面を参照して説明する。図1は、Y分岐/光増幅器ゲ
ート型一入力四出力のモノリシックマトリクス光スイッ
チにおける素子構造の模式拡大平面図を示してある。同
図において、1は半導体光集積素子であり、四つの光増
幅器105とこれらを結ぶY分岐型のPWG104から
構成してある。ここで、本実施形態では、素子の入出力
端における信号光の反射を低減するため、入出力導波路
を素子端面に対して垂直な<011>方位から7°斜め
に傾けて形成してある(図面上では認識しやすいように
傾きを大きくしてある)。
【0057】また、図2は、図1における要部の模式拡
大断面図を示しており、(a)はPWGの断面図(a−
a’断面)を、(b)は光増幅器の断面図(b−b’断
面)を示してある。ここで、PWG104の断面及び光
増幅器105の断面は、図19(a)、(b)に示した
断面と同じである。
【0058】また、図3は、図1における光増幅器部と
PWG部の境界付近における導波路方向の模式拡大断面
図(c−c’断面)を示してある。ここで、PWG10
4ではコア層113がアンドープInPクラッド112
で埋め込まれ、一方、光増幅器105では活性層114
がp型InPクラッド111で埋め込まれている。
た、各クラッド111,112の接合部が、マスクを用
いた領域選択成長によって形成された{111}B面1
15により形成されている。つまり、図19(c)に示
すように、空隙部802が発生していない。その他の構
造は、図18及び図19に示した従来例の半導体光集積
素子10と同様である。
【0059】次に、本発明の半導体光集積素子1の製造
方法について、図面を参照して以下に説明する。図4
は、本発明の第一実施形態の素子製造工程におけるマス
クの模式拡大図であり、(a)は導波路構造形成用マス
クを、(b)はPWG部埋め込み用マスクを示してあ
る。先ず、同図(a)において、(100)面方位を有
するn型InP基板106上に、熱CVD法により第一
の誘電体マスク材質であるSiO2からなるマスク膜を
100nm成膜した後、SiO2マスク109aを形成
した。
【0060】ここで、マスクを形成するときに、光増幅
器部103におけるSiO2マスク109aの幅は30
μmとし、素子の出射端付近では4μmまで徐々に狭く
することによりスポットサイズ変換構造を形成する形状
としてある。一方、PWG部102におけるマスク幅は
6μmとしてあり、導波路形成領域201となるマスク
開口幅は1.0μmであり、素子全体にわたり一定とし
てある。
【0061】以上のように形成した第一の誘電体マスク
109aを用いて、n型InP下部クラッド層を50n
m、波長組成1.55μmの無歪InGaAsP層を3
00nm、InP上部クラッド層を100nm、MOV
PE選択成長により形成する。ここで、上記の層厚は、
光増幅器部103における値である。なお、MOVPE
選択成長によるバンドギャップエネルギー制御の原理に
伴い、このInGaAsP層が光増幅器部103におい
ては活性層114に、PWG部102においては信号光
に対して透明なコア層113として機能する。
【0062】次に、基板全体に第二の誘電体マスク材質
であるSiO2膜を200nm堆積した後、PWG部1
02を選択的に埋め込むために、図4(b)に示すSi
2マスク109bを形成する。ここで、SiO2マスク
109bは光増幅器部103における活性層全体を覆
い、なおかつコア層113との交差部においてマスク側
縁部が<011>方位になる形状としてある。その結
果、埋め込み成長境界202において、SiO2マスク
109bは<011>方位に対して基板面内で角度をも
つよう形成されたコア層113と斜めに交差する形状と
することができる。
【0063】この第二の誘電体マスクを用いて、PWG
部102を厚さ2μmのアンドープInPクラッド11
2で埋め込んだ。埋め込み成長後のアンドープInPク
ラッド112は、PWG104との交差部において側面
が{111}B面115で構成され、SiO2マスク1
09b上への顕著な横方向成長は見られなかった。
【0064】次に、光増幅器部103に形成されたSi
2マスク109bを除去した後、基板全面をドーピン
グ濃度5.0×1017/cm3のp−InPクラッド1
11(層厚2μm)及びドーピング濃度1.0×101
9/cm3のp型InGaAsコンタクト層110(層厚
100nm)で埋め込んである。そして、図3に示すよ
うに、埋め込み成長の後、第三の誘電体SiO2マスク
109を全面に形成し、光増幅器部103におけるメサ
形成のためのパターニングを施し、反応性イオンビーム
エッチング(RIBE)により活性層を含むように深さ
3μm、幅6μmのメサを形成した。
【0065】その後、コンタクト窓形成行程、p−In
GaAsコンタクト層110上部へのTi/Au電極1
08のパターニング工程、基板研磨工程、裏面電極形成
工程、劈開による素子端面形成工程、無反射被覆(AR
コート107)形成工程等を経て、半導体光集積素子1
は製造される。
【0066】上記のような方法で製造される半導体光集
積素子の第一実施形態の作用について、特に、光機能部
と受動導波路部境界部において良好な埋め込み成長界面
が形成される作用について、図面を参照して以下に説明
する。図5は、第一実施形態の埋め込み成長工程におけ
る半導体光集積素子の模式拡大図であり、(a)は平面
図を、(b)は誘電体マスクを示してある。同図(b)
にて、少なくとも活性層114とコア層113の境界付
近、すなわちアンドープInPクラッド112が形成さ
れる境界付近において、導波路ストライプの方向を従来
の<011>方位から傾けた構成としてある。また、コ
ア層113を選択的に埋め込む際に活性層114上に形
成する誘電体マスク902が導波路と交差する部分の側
縁部903は、<011>方位に対してほぼ平行になる
よう形成することを特徴としている。なお、誘電体マス
ク912の側縁部913は、活性層114全体が確実に
p型ドープInPクラッド111で埋め込まれるよう、
コア層113側にはみ出している。
【0067】図6は、図5における各埋め込み成長工程
における、PWG部の断面図(a−a’断面)、PWG
部と光機能部の接続部の導波路方向における断面図(c
−c’断面)及び光機能部の断面図(b−b’断面)を
示してある。ここで、同図においては各断面図を、列方
向には各断面毎に、行方向には各工程毎に示してある。
また、ここでは、光機能部に電流ブロック構造を形成し
ない場合について示してある。
【0068】同図において、工程(1)では活性層11
4上部及び一部のコア層113に誘電体マスク902を
形成する。次に、工程(2)では、誘電体マスク902
を用いてPWG部102をアンドープInPクラッド1
12で選択的に埋め込む。ここで、誘電体マスク902
の側縁部903が<011>方位に形成されているた
め、導波路方向断面図(c−c’断面)に示すように、
埋め込み境界面が{111}B面115となる。つま
り、このストライプ方位での選択成長においては、{1
11}B面115への成長速度は(100)面上のそれ
と比較し充分に遅いため、通常の埋め込み成長条件を用
いても、従来技術において生じた誘電体マスク902上
へのアンドープInPクラッド112の横方向成長が、
抑制された埋め込み形状が実現できる。
【0069】次に、工程(3)では活性層114上部の
誘電体マスク902を除去する。ここで、誘電体マスク
902がコア層113にはみ出した部分に、空隙部が生
じないとともに、境界部の盛り上がりも抑制できる。し
たがって、工程(4)にて、少なくとも光機能部901
の活性層114を埋め込むようにp型InPクラッド1
11及びp型InGaAsコンタクト層110を成長さ
せるときに、この埋め込んだ後の形状は、境界部での空
隙やInPクラッド111、112の盛り上がりのない
良好な形状となる。したがって、InPクラッド11
1、112の隆起に起因する電極窓形成不良及び電極の
段切れ、並びにパッシブ実装を行なうときの実装不良等
の問題を解決することができる。また、活性層114と
コア層113の境界における空隙の存在に起因する信号
光の反射や素子の信頼性低下等の素子特性への悪影響を
著しく改善することができる。
【0070】以上説明したように、第一実施形態の半導
体光集積素子及びその製造方法を用いることにより、半
導体光集積素子1では、PWG部102のアンドープI
nPクラッド112と光増幅器部103のp型InPク
ラッド111の埋め込み成長境界を{111}B面11
5で形成することができ、良好な埋め込み形状を得るこ
とができる。したがって、埋め込み成長境界202にお
けるInPクラッド111、112の局所的な隆起を生
じることはなく、さらに、光導波層の直上に空隙を発生
させずに、半導体光集積素子1を製造することができ
る。
【0071】そして、その効果として、半導体光集積素
子1においては、活性層114とPWG部のコア層11
3の境界における空隙の存在に起因する信号光の反射に
よる素子特性の劣化を防止することができる。また、表
面平坦性が改善されたため、埋め込み成長境界202付
近のInPクラッド層の隆起に起因する電極窓及び電極
形成の工程における段切れを防止することができる。以
上の効果により、本発明による製造方法を用いることに
より、半導体光集積素子の製造歩留まりを大幅に改善す
ることができる。
【0072】以下、本発明の第二実施形態について、図
面を参照して説明する。図7は、第二実施形態における
スポットサイズ変換部付き半導体光増幅器の模式図であ
り、(a)は素子構造の拡大平面図を、(b)は素子長
手方向の構造の拡大断面図(a−a’断面)を示してあ
る。同図(a)において、1aは半導体光集積素子であ
り、窓部101、スポットサイズ変換(以下、SSCと
総称する)部301、光増幅器部103から構成してあ
り、光増幅器部103は両端にSSC部301を有する
構造としてある。
【0073】ここで、活性層114ストライプ方位が<
011>方位に対して基板面内で約7°傾いた斜め端面
形状とし(図面上では認識しやすいように傾きを大きく
してある)、素子の入出力端における信号光の反射低減
を図っている。なお、図示していないが、好ましくは、
入出力導波路の光軸をずらし、高い消光比が得られる構
造としても良い。
【0074】図8は、第二実施形態におけるスポットサ
イズ変換部付き半導体光増幅器のマスクの模式拡大図で
あり、(a)は活性層形成用マスクを、(b)はPWG
部埋め込み用マスクを示してある。同図(a)におい
て、109cは、活性層114を選択成長で形成する際
に用いる誘電体マスクであり、両端部の幅を狭くしてあ
る。また、同図(b)において、109dは、PWG部
102を選択的に埋め込む際に用いる誘電体マスクであ
り、SSC部301において、埋め込み成長境界202
を形成してある。
【0075】以下に、半導体光集積素子1aの具体的な
製造方法について、図面を参照して説明する。はじめ
に、n-InP基板106上に第一のマスク材質である
SiO2膜を100nm成膜したのち、図8(a)に示
すようにストライプ方位が<011>方位から7°傾く
ようにSiO2マスク109cを形成する。ここで、光
増幅器部103におけるマスク幅は30μmとし、SS
C部301では素子の入出射端に向かい4μmまで徐々
に狭くなる形状としてある。なお、導波路形成領域20
1のマスク開口幅は素子各部にわたり0.7μmで一定
としてある。
【0076】そして、このように形成したSiO2マス
ク109cを用いて、波長組成1.55μmの無歪In
GaAsPからなり、光増幅器部103における層厚が
300nmとなる活性層114を成長圧力760Tor
rのMOVPE選択成長により形成する。
【0077】次に、InP基板106全体に第二の誘電
体マスク材質であるSiO2膜を堆積した後、SSC部
301を選択的に埋め込むため、図8(b)に示すよう
に、SiO2マスク109dを形成する。ここで、第二
のSiO2マスク109dは、光増幅器部103の活性
層114全体を覆い、なおかつマスク側縁部903aが
<011>方位になる形状とした。つまり、第二のSi
2マスク側縁部903aは、埋め込み成長界面202
において活性層ストライプと基板面内で斜めに交差する
形状とする。そして、この第二の誘電体マスク109d
を用いて、SSC部301を2μm厚のアンドープIn
Pクラッド112で埋め込む。すると、図7(b)に示
すように、埋め込み成長後のアンドープInPクラッド
112の側部は、{111}B面115で構成される。
【0078】次に、第二の誘電体によるSiO2膜10
9dを除去した後、全体をドーピング濃度5.0×10
7/cm3のp型InPクラッド111(層厚2μm)
及びドーピング濃度1.0×1019/cm3のp型In
GaAsコンタクト層110(層厚100nm)で埋め
込む。そして、埋め込み成長の後、第三の誘電体マスク
材質であるSiO2マスク109を全面に形成し、メサ
形成のためのパターニングを施し、RIBEにより活性
層の両脇に深さ3μm、間隔6μmの二本のドライエッ
チング溝302を設けることにより導波路メサ形状を形
成する。
【0079】その後、コンタクト窓形成行程、p型In
GaAsコンタクト層110上部へのTi/Au電極1
08のパターニング工程、基板研磨工程、裏面電極形成
工程、劈開による素子端面形成工程、無反射被覆(AR
コート107)形成工程等を経て、素子の製造を完了す
る。
【0080】上記のような方法で製造される半導体光集
積素子1aの素子特性について、以下に説明する。半導
体光集積素子1aの利得特性としては、10mAの電流
を注入し、波長λ=1.55μm、強度−20dBmの
信号光を、ファイバを通して入力したところ、挿入損失
無し(ファイバ間利得0dB)で出力側ファイバから信
号光が出力されるという結果が得られた。なお、比較の
ために、活性層114全体がp型InPクラッド111
で埋め込まれた従来の半導体光集積素子の利得特性を測
定したところ、ファイバ間利得0dBとなる注入電流は
30mAであった。つまり、第二実施形態の半導体光集
積素子製造方法により動作電流を20mA低減すること
ができた。
【0081】この利得特性の改善効果は、光スポットが
入出射端に向けて拡大するSSC部301において、低
損失であるアンドープInPクラッド112としたこと
に起因する。さらに、第二実施形態における製造方法を
用いることによって、従来の製造方法により埋め込み構
造を製造した場合に発生する埋め込み成長境界における
InPクラッド111、112の局所的な隆起、及び光
導波層の直上における空隙を発生させずに製造すること
ができる。
【0082】つまり、図7(b)に示すように、SSC
部301のアンドープInPクラッド112と光増幅器
部103のアンドープInPクラッド112の埋め込み
成長境界202が、{111}B面115で形成される
ため、埋め込み成長境界に202おけるInPクラッド
111、112の局所的な隆起や光導波層の直上におけ
る空隙のない良好な埋め込み形状を得ることができる。
【0083】以上説明したように、第二実施形態の半導
体光集積素子及びその製造方法を用いることにより、良
好な埋め込み形状を得ることができ、活性層114と受
動光導波路部102の境界における空隙の存在に起因す
る信号光の反射による素子特性の劣化を防止することが
できる。また、表面平坦性が改善されるため、埋め込み
成長境界付近のInPクラッド層の隆起に起因する電極
窓及び電極を形成するときの段切れを防止することがで
き、半導体光集積素子の製造歩留まりを大幅に改善する
ことができる。さらに、表面平坦性が改善されることに
より、石英系光導波路へ本素子を実装したときの実装精
度の向上も図られる。
【0084】以下、本発明の第三実施形態として、光機
能部の両脇に高抵抗半導体層等による電流狭窄構造を導
入する場合について、図面を参照して説明する。ここ
で、半導体光集積素子としては、図1に示すY分岐/光
増幅器ゲート型一入力四出力のモノリシックマトリクス
光スイッチに、電流狭窄構造を用いてある。図9は、電
流狭窄構造を用いた埋め込み成長工程における半導体光
集積素子の模式拡大図であり、(a)は平面図を、
(b)は誘電体マスクを示してある。同図において、1
cは半導体光集積素子であり、少なくともPWG部10
2においては、そのストライプ方位が<011>方位に
対してInP基板106面内で傾いたストライプ方位を
持つように形成され、なおかつ埋め込み成長の境界が<
011>方位にほぼ平行となるように活性層114上部
の誘電体マスク902を形成してある。したがって、埋
め込み成長境界は<011>ストライプ方位に対してほ
ぼ平行になる。その他の方法については、第一実施形態
と同様である。
【0085】また、図10は、図9における要部の模式
拡大断面図を示しており、(a)は活性層の断面図(a
−a’断面)を、(b)は光増幅器部とPWG部の境界
付近における導波路方向の断面図(b−b’断面)を示
してある。同図(b)に示すように、導波路ストライプ
方位の断面形状については、高抵抗InPクラッド40
4の境界面が、成長速度の遅い{111}B面115と
なり、誘電体マスク902上への横方向成長が抑制され
る結果、InPの盛り上がりや空隙のない良好な埋め込
み形状が実現できる。したがって、第一実施形態と同様
の効果を得ることができる。
【0086】以上に述べたように、本発明の素子製造方
法によれば、電流狭窄構造を用いた半導体光集積素子1
cにおいても、低損失PWGが得られるうえ、素子特性
の劣化を防止することができ、またさらに、半導体光集
積素子1cの製造歩留まりを大幅に改善することができ
る。なお、以上述べた製作方法は、光機能部901の電
流狭窄構造がpnpn接合により形成される場合にも同
様に適用可能である。
【0087】以下、本発明の第四実施形態について、図
面を参照して説明する。図11は、集積型モード同期レ
ーザの概略模式拡大平面図を示してある。同図におい
て、1bは半導体光集積素子であり、光増幅器部10
3、モード同期レーザを発振させるための過飽和吸収体
(以下、SAと総称する)部401、PWG部102、
光信号の変調によりハイブリッドモード同期動作を行う
変調器部402、及び発振波長を制御する分布ブラッグ
反射器(以下、DBRと総称する)部403から構成し
てある。ここで、SA部401、光増幅器部103、変
調器部402及びDBR部403における活性層114
のストライプ方位は<011>方位としてある。また、
PWG部102はS字曲線導波路状に形成してあり、具
体的には、一例として、S字曲線導波路の曲率半径は、
導波光の散乱が十分に抑制されるよう約5mmとしてあ
る。
【0088】また、図12は、図11における集積型モ
ード同期レーザの要部の模式拡大断面図であり、(a)
は活性層の断面図を、(b)はコア層の断面図を示して
ある。同図(a)において、活性層114部は両脇に高
抵抗InPクラッド404による電流狭窄構造が形成さ
れ、活性層114の上部にはp型InPクラッド11
1、p型InGaAsコンタクト層110及びTi/A
u電極108が形成されている。
【0089】また、同図(b)において、コア層113
の上部には高抵抗InPクラッド404、p型InPク
ラッド111及びp型InGaAsコンタクト層110
が形成されている。ここで、PWG部102において、
コア層113は、全面が低損失な高抵抗InPクラッド
404で埋め込まれた構造としてある。
【0090】次に、半導体光集積素子1bの製造方法に
ついて、以下に説明する。ここで、活性層114及びコ
ア層113を選択成長により一括形成する手順及び、二
回の埋め込み成長後の電極形成等のプロセス工程は第一
実施形態及び第二実施形態と同様としてあるので、相違
点について説明する。先ず、図示してないが、n−In
P基板106上のDBR部403表面に、電子ビーム露
光法を用いて、周期240nm、深さ80nmの回折格
子を形成する。
【0091】その後、第一のマスク材質であるSiO2
膜を基板全面に100nm成膜し、活性層114とコア
層113を選択成長により一括して形成するためのSi
2マスクを形成する。ここで、選択成長用パターン
は、SA部401、光増幅器部103、変調器部402
及びDBR部403における活性層114のストライプ
方位が<011>方位となるように形成してある。な
お、PWG部102は曲線導波路状に形成してあり、具
体的には、一例として、導波路形成領域の幅は1.5μ
mとしてある。
【0092】次に、第一のマスク材質によるSiO2
スクを用いて、光増幅器部103において以下の層構造
が得られるよう、選択成長により導波路構造を形成す
る。はじめに、波長組成1.55μmの無歪InGaA
sPからなる下部SCH層を100nm形成する。次
に、波長組成1.55μmの無歪InGaAsPによる
厚さ12nmの障壁層と、波長組成1.55μmで0.
8%の圧縮歪を導入したInGaAsPからなる厚さ6
nmの井戸層からなる量子井戸構造活性層を八周期形成
する。その後、波長組成1.55μmの無歪InGaA
sPからなる上部SCH層を100nm、ドーピング濃
度5×1017/cm3のp−InPクラッド層を20n
m形成する。ここで、DBR部403、SA部401、
変調器部402及びPWG部102における波長組成
は、それぞれ1550nm、1540nm、1480n
m、1350nmとしてある。
【0093】図13は、図11における集積型モード同
期レーザのPWG部埋め込み用マスクを示してある。同
図に示すように、InP基板106の全体に、第二の誘
電体マスク材質であるSiO2膜を堆積した後、活性層
114の両脇、及びコア層113の上部を埋め込むため
のマスク109eを形成する。なお、選択成長により形
成された導波路構造の上面にのみSiO2マスクを残す
手法としては、IEEE PHOTONICS TECHNOLOGY LETTERS誌,
Vol. 8, pp.179-181.に記載のY. Sakata. et Al.によ
る製造方法を用いてある。
【0094】ここで、第二の誘電体マスク109eは第
一及び第二実施形態と同様、PWGコア層113と交差
する埋め込み成長境界202においてマスク境界の側縁
部903bが<011>方位になる形状としてある。な
お、好ましくは、SiO2マスク109eは、活性層に
近いPWG部102の両側においても形成されている
が、この部分を極力小さく形成することにより、導波損
失の増大を防ぐことができる。
【0095】具体的には、一例として、この第二の誘電
体マスクを用いて、PWG部102を2μm厚の高抵抗
InPクラッド404で埋め込んである。そして、図示
してないが、埋め込み成長後の高抵抗InPクラッド4
04は、PWG102との交差部である埋め込み成長境
界202において側面が{111}B面で構成され、誘
電体マスク上への顕著な横方向成長を防止することがで
きる。
【0096】次に、活性層114上部の第二の誘電体で
あるSiO2膜を除去した後、基板全面をドーピング濃
度5.0×1017/cm3のp型InPクラッド111
(層厚2μm)及びドーピング濃度1.0×1019
cm3のp型InGaAsコンタクト層110(層厚1
00nm)で埋め込む。そして、埋め込み成長の後、第
一及び第二実施形態と同様、RIBEによるメサ形成工
程、コンタクト窓形成工程、Ti/Au電極108のパ
ターニング工程、基板研磨工程、裏面電極形成工程、劈
開による素子端面形成工程、DBR部側の素子端面への
無反射被覆(ARコート107)形成工程等を経て、素
子の製造を完了する。
【0097】上記のような方法で製造される半導体光集
積素子1bの素子特性について、以下に説明する。半導
体光集積素子1bの利得特性としては、半導体光増幅器
部103に50mAを電流注入し、SA部401に−1
Vのバイアス電圧を印可したところ、パルス幅3nm、
スペクトル幅1nmのコヒーレントな光パルス列が、周
波数9.9GHzで安定して出力されるという結果が得
られた。
【0098】また、<011>方位に垂直な埋め込み境
界を持つ従来構造において発生するモード同期周波数の
揺らぎやパルスごとに出力が変動するといった不具合が
改善され、歩留まりの極めて高い生産を行なうことがで
きる。なお、これらの効果は、埋め込み成長境界におけ
るInPクラッドの空隙による導波路内部の反射を防止
することができることに起因する。
【0099】以上説明したように、第三実施形態の半導
体光集積素子及びその製造方法を用いることにより、集
積型モード同期レーザにおける光機能部が電流ブロック
構造を持つ場合についても、具体的には、光機能部の両
脇に高抵抗半導体層等による電流狭窄構造を導入する場
合においても、良好な埋め込み形状を得ることができ、
活性層114とコア層113の境界における空隙の存在
に起因する信号光の反射による素子特性の劣化を防止す
ることができるとともに、製造歩留まりの改善を行なう
ことができる。
【0100】以下、本発明の第五実施形態について、図
面を参照して説明する。図14は、半導体光増幅器と合
分波器の集積素子の模式拡大図であり、(a)は素子構
造の平面図を、(b)はPWG部埋め込み用マスクを示
してある。同図(a)において、1dは半導体光集積素
子であり、MMI合分波器501、PWG104及び光
増幅器105から構成してあり、第一実施形態の1×4
光増幅器ゲート型モノリシックマトリクス光スイッチ
を、MMI合分波器501を用いて構成した半導体光集
積素子の構造を示している。四つの光増幅器105は、
<011>方位にアレイ状に形成され、MMI合分波器
501との間にPWG104が形成されている。MMI
合分波器501は<011>方位から傾けて形成されて
おり、WG104は曲線状としてある。
【0101】図15は、図14における要部の模式拡大
断面図を示しており、(a)はPWGの断面図(a−
a’断面)を、(b)は光増幅器の断面図(b−b’断
面)を、(c)は光増幅器部とPWG部の境界付近にお
ける導波路方向の断面図(c−c’断面)を示してあ
る。同図(a)に示すように、MMI合分波器501及
びPWG104からなるPWG部102におけるPWG
104は、コア層に相当するn型InGaAsPガイド
層503が上下から低損失のn型InP基板106及び
アンドープInPクラッド112で挟まれ、両側はメサ
エッチングにより空気と接しており、いわゆるハイメサ
構造としてある。
【0102】一方、同図(b)に示すように、光増幅器
部103において、n型InGaAsPガイド層503
は幅広に形成され、その上部に幅狭の活性層114が形
成され、さらにその上部にp型InPクラッド111が
形成されている。すなわち、コア層たるn型InGaA
sPガイド層503は素子全体に形成されており、活性
層114のみが光機能部である光増幅器部103に形成
された構成となっている。このように、この活性層11
4の上に、アンドープInPクラッド112がPWG部
102のみに形成されているため、半導体光集積素子1
dにも本発明は適用可能である。
【0103】次に、半導体光集積素子素子1dの製造方
法を以下に説明する。はじめに、(100)面方位を有
するn型InP基板106上に、105μm組成n型I
nGaAsPガイド層503(層厚0.6μm)、n型
InPクラッド502(層厚50nm)を全面に成長す
る。そして、図示してないが、熱CVD法により第一の
誘電体マスク材質であるSiO2膜を100nm成膜し
た後、活性層114を選択的に形成するためのマスクを
形成する。
【0104】なお、光増幅器部103におけるSiO2
マスクの幅は30μmとし、PWG104との接続部に
向かって4μmまで徐々に狭くすることによりスポット
サイズ変換構造を形成する形状とする。一方、PWG部
102にはマスクを形成せずに、光増幅器部103にお
けるマスク開口幅は0.7μmとする。
【0105】以上のように形成した第一の誘電体マスク
を用いて、波長組成1.55μmの無歪InGaAsP
活性層114を300nm、InP上部クラッド層を3
0nm、MOVPE選択成長により形成する。
【0106】次に、基板全体に第二の誘電体マスク材質
であるSiO2膜を200nm堆積した後、図14
(b)に示すように、PWG部102のみにアンドープ
InPクラッド112を形成するためのSiO2マスク
109fを形成する。ここで、SiO2マスク109f
は光増幅器部103における活性層114全体を覆い、
なおかつPWG104となる領域との交差部である埋め
込み成長境界202において、マスク側縁部903cが
<011>方位になる形状とする。
【0107】この第二の誘電体マスク109fを用い
て、PWG部102を厚さ2μmのアンドープInPク
ラッド112で埋め込んである。図15(c)に示すよ
うに、埋め込み成長後のアンドープInPクラッド11
2は、埋め込み成長境界202において側面が{11
1}B面115で構成され、SiO2マスク109f上
への顕著な横方向成長を防止することができる。
【0108】次に、光増幅器部103に形成されたSi
2マスク109fを除去した後、基板全面をドーピン
グ濃度5.0×1017/cm3のp−InPクラッド1
11(層厚2μm)及びドーピング濃度1.0×101
9/cm3のp型InGaAsコンタクト層110(層厚
100nm)で埋め込んだ。埋め込み成長の後、第三の
誘電体マスクであるSiO2マスク109を全面に形成
し、PWG部102における導波路メサ形成及び光増幅
器部103におけるメサ形成のためのパターニングを施
し、反応性イオンエッチング(RIE)によりPWG1
04においては幅3μm、MMI合分波器501におい
ては幅10μm、光増幅器においては活性層114を挟
むように幅6μm、深さ5μmのメサを形成する。
【0109】その後、光増幅器105におけるp−In
GaAsコンタクト層110上部へのTi/Au電極1
08のパターニング工程、基板研磨工程、裏面電極形成
工程、劈開による素子端面形成工程、無反射被覆(AR
コート107)形成工程等を経て、素子の製造を完了す
る。
【0110】以上説明したように、第五実施形態の半導
体光集積素子及びその製造方法を用いることにより、P
WG部102のアンドープInPクラッド112と光増
幅器部103のp型InPクラッド111の埋め込み成
長境界が{111}B面115で形成される構造とな
り、埋め込み成長境界202におけるInPクラッド1
12、111の局所的な隆起や光導波層直上に空隙のな
い良好な埋め込み形状を得ることができる。これによ
り、活性層114と受動光導波路部の境界における空隙
の存在に起因する信号光の反射による素子特性の劣化を
防止することができるとともに、表面平坦性が改善され
るため、電極窓及び電極形成時の段切れを防止すること
ができ、製造歩留まりの改善を行なうことができる。
【0111】以下、本発明の第六実施形態について、図
面を参照して説明する。図16は、光中継モジュールの
概略構成図を示してある。同図において、60は光通信
用中継モジュールであり、サブマウント604上に、第
一実施形態の1×4光増幅器ゲート型モノリシックマト
リクス光スイッチである半導体光集積素子602、入出
力用の光ファイバ601及びレンズ603並びに駆動回
路605を設けた構造としてある。
【0112】入力用の光ファイバ601は、導波路の光
軸上に配設されたレンズ603を介して入射光を半導体
光集積素子602に光結合させる構造としてある。ま
た、半導体光集積素子602は、駆動回路605により
駆動され、一入力の入射光に対して、四出力の出射光の
スイッチングを行なう。また、半導体光集積素子602
における出力側の導波路の光軸上に、レンズ603及び
光ファイバ601を配設してあり、出力光は光ファイバ
601から出力される。
【0113】上記のような構造を有する光通信用中継モ
ジュール60は、優れた素子特性を有する半導体光集積
素子602を用いることにより、毎秒10ギガビット程
度の高速光信号の光経路切り替えにおいて、ON/OF
F比の高い優れた光スイッチング特性を実現できる。さ
らに、光通信用中継モジュール60を小型化し、消費電
力を低減できる。このように、本発明による半導体光集
積素子を光通信用中継モジュールに用いることによっ
て、非常に優れた性能を有する光通信用中継モジュール
を得ることができる。
【0114】以下、本発明の第七実施形態について、図
面を参照して説明する。図17は、光通信システムのブ
ロック図を示してある。同図において、70は第五実施
形態の光通信用中継モジュール60を用いたクロスコネ
クト系光通信システムである。光通信システム70は、
送信装置701、光ファイバ601、中継装置704及
び受信装置707から構成されている。
【0115】送信装置701は、光通信用送信モジュー
ル703と送信モジュール駆動系702から構成されて
あり、光ファイバ601が光通信用送信モジュール70
3に接続されてある。そして、光通信用送信モジュール
703は、送信モジュール駆動系702に駆動されて光
信号を送信する。
【0116】中継装置704は、光通信用中継モジュー
ル60と中継モジュール駆動系705から構成されてあ
り、一入力四出力としてあり各々光ファイバ601が接
続されてある。そして、光通信用中継モジュール60
は、中継モジュール駆動系705に駆動され入射光の光
経路切り替えを行ない出射光を出力する。
【0117】受信装置707は、受光部70から構成し
てあり、受光部707には光ファイバ601が接続され
てある。そして、受信装置707は、中継装置704か
らの光信号を受信する。
【0118】上記のような構造を有する光通信システム
70は、優れた素子特性を有する半導体光集積素子60
2を用いることにより、光通信システムとして、消費電
力を低減できるとともに、低クロストークでスケーラビ
リティに優れた光クロスコネクトシステムを容易に実現
できる。このように、本発明による半導体光集積素子を
光通信システムに用いることによって、非常に優れた性
能を有する光通信システムを得ることができる。
【0119】上述した実施形態においては、この発明を
特定の条件で構成した例について説明したが、この発明
は、様々な実施例を含むものである。また、具体的な寸
法を用いて説明したが、これらの寸法に限定するもので
ないことは勿論である。例えば、SSC部付き半導体レ
ーザ、SSC部付きDFBレーザ/EA変調器集積化光
源、発振波長の異なる複数のDFBレーザと光合波器、
EA変調器、光増幅器により構成された波長選択光源、
DFBレーザと受光素子を合分波器で接続した送受信素
子、複数の光増幅器とアレイ導波路格子型光合分波器
(AWG)により構成される多波長レーザや波長セレク
タ、マッハツェンダ干渉器と光増幅器により構成される
波長変換素子等、あらゆる形態の光集積素子に対して本
発明は適用可能である。
【0120】なお、活性層とコア層の両方がストライプ
状に形成された時点より後の、クラッド層の形成工程に
ついて説明したが、活性層とコア層の形成方法について
は、上述した選択成長法を用いる一括形成としてもよい
し、一方の層を全面に形成した後、誘電体マスクを用い
て一部の領域を部分的にエッチングで除去し、その後に
他方の層を選択的に形成するバットジョイント構成を用
いても良い。また、コア層はPWG部だけでなく、光機
能部にも形成されていても良いし、PWGの形態によっ
ては、コア層をストライプ状に形成するのではなく、広
い範囲に形成したスラブ光導波路としても良い。
【0121】また、埋め込み成長の構造に関しても、電
流ブロック層としてInAlAs酸化膜等を設ける場合
等にも適用可能である。また、異なる材料系の結晶成長
による光集積素子にも適用可能であり、例えば、InP
基板上のInAlGaAs、InAsSb等の材料系や
GaAs基板上のGaInNAs、AlGaInP、A
lGaAs等の材料により製造された素子についても適
用可能である。
【0122】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明の素子製造
方法によれば、光機能部とPWG部に別々の半導体クラ
ッド層を形成する必要があるときに、はじめに形成する
クラッド層の端部に形成される(111)面からなるフ
ァセット上の成長速度が抑制され、途切れのない良好な
成長界面が形成されるように、導波路のレイアウト及び
誘電体マスクを設計することができる。そして、本発明
の素子製造方法を用いることにより、半導体光集積素子
において、良好な埋め込み形状を持つ光集積素子が容易
に製造可能となり、低損失PWGが得られるうえ、素子
特性や製造歩留まりの向上が大幅に向上する。
【0123】さらに、本発明は、活性層及びPWG部の
コア層を選択成長により一括して形成する場合に限定さ
れるものではなく、活性層が選択成長で形成されコア層
が全面成長とエッチングで形成された場合や、活性層、
受動導波路とも選択成長で形成されているが、それぞれ
別の成長で形成される場合、また、活性層、コア層とも
全面成長とエッチングにより形成された場合、さらに活
性層、コア層の下に共通の光ガイド層が設けられている
場合等、PWG部と光機能部を別々のクラッド層で埋め
込む必要がある全ての導波路構造に対しも有効である。
【0124】さらに、本発明は光素子単体だけに留まら
ず、本発明の光素子を構成要素に持つ光通信モジュール
や光通信システムの性能を著しく向上させることが可能
であり、光通信モジュールや光通信システムのスケーラ
ビリティの向上に極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例であるY分岐/光増幅器ゲ
ート型一入力四出力のモノリシックマトリクス光スイッ
チにおける素子構造の模式拡大平面図を示してある。
【図2】図1における要部の模式拡大断面図を示してお
り、(a)はPWGの断面図(a−a’断面)を、
(b)は光増幅器の断面図(b−b’断面)を示してあ
る。
【図3】図1における光増幅器部とPWG部の境界付近
における導波路方向の模式拡大断面図(c−c’断面)
を示してある。
【図4】本発明の第一実施形態の素子製造工程における
マスクの模式拡大図であり、(a)は導波路構造形成用
マスクを、(b)はPWG部埋め込み用マスクを示して
ある。
【図5】第一実施形態の埋め込み成長工程における半導
体光集積素子の模式拡大図であり、(a)は平面図を、
(b)は誘電体マスクを示してある。
【図6】図5における各埋め込み成長工程における、P
WG部の断面図(a−a’断面)、PWG部と光機能部
の接続部の導波路方向における断面図(c−c’断面)
及び光機能部の断面図(b−b’断面)を示してある。
【図7】第二実施形態におけるスポットサイズ変換部付
き半導体光増幅器の模式拡大図であり、(a)は素子構
造の平面図を、(b)は素子長手方向の構造の断面図を
示してある。
【図8】第二実施形態におけるスポットサイズ変換部付
き半導体光増幅器のマスクの模式拡大図であり、(a)
は活性層形成用マスクを、(b)はPWG部埋め込み用
マスクを示してある。
【図9】第三実施形態における電流狭窄構造を用いた埋
め込み成長工程における半導体光集積素子の模式拡大図
であり、(a)は平面図を、(b)は誘電体マスクを示
してある。
【図10】図9における要部の模式拡大断面図を示して
おり、(a)は活性層の断面図(a−a’断面)を、
(b)は光増幅器部とPWG部の境界付近における導波
路方向の断面図(b−b’断面)を示してある。
【図11】第四実施形態における集積型モード同期レー
ザの模式拡大平面図を示してある。
【図12】図11における集積型モード同期レーザの要
部の模式拡大断面図であり、(a)は活性層の断面図
を、(b)はコア層の断面図を示してある。
【図13】図11における集積型モード同期レーザのP
WG部埋め込み用マスクを示してある。
【図14】第五実施形態における半導体光増幅器と合分
波器の集積素子の模式拡大図であり、(a)は素子構造
の平面図を、(b)はPWG部埋め込み用マスクを示し
てある。
【図15】図14における要部の模式拡大断面図を示し
ており、(a)はPWGの断面図(a−a’断面)を、
(b)は光増幅器の断面図(b−b’断面)を、(c)
は光増幅器部とPWG部の境界付近における導波路方向
の断面図(c−c’断面)を示してある。
【図16】第六実施形態における光中継モジュールの概
略構成図を示してある。
【図17】第七実施形態における光通信システムのブロ
ック図を示してある。
【図18】従来例の半導体光集積素子の模式拡大平面図
を示してある。
【図19】図18における要部の模式拡大断面図を示し
ており、(a)はPWGの断面図(a−a’断面)を、
(b)は光増幅器の断面図(b−b’断面)を、(c)
は光増幅器部とPWG部の境界付近における導波路方向
の断面図(c−c’断面)を示してある。
【図20】従来例の埋め込み成長工程における半導体光
集積素子の模式拡大図であり、(a)は平面図を、
(b)は誘電体マスクを示してある。
【図21】図20における各埋め込み成長工程におけ
る、PWG部の断面図(a−a’断面)、PWG部と光
機能部の接続部における導波路方向の断面図(c−c’
断面)及び光機能部の断面図(b−b’)を示してあ
る。
【図22】従来例の電流狭窄構造を用いた埋め込み成長
工程における半導体光集積素子の模式拡大図であり、
(a)は平面図を、(b)は誘電体マスクを示してあ
る。
【図23】図22における従来例の電流狭窄構造を用い
た埋め込み成長工程における要部の模式拡大断面図であ
り、(a)は光機能部の断面図(a−a’断面)を、
(b)はPWG部と光機能部の接続部における導波路方
向の断面図(b−b’断面)を示してある。
【符号の説明】
1 半導体光集積素子 1a 半導体光集積素子 1b 半導体光集積素子 1c 半導体光集積素子 1d 半導体光集積素子 10 半導体光集積素子 60 光通信用中継モジュール 70 光通信システム 101 窓部 102 受動光導波路(PWG)部 103 光増幅器部 104 受動光導波路(PWG) 105 光増幅器 106 InP基板 107 ARコート 108 Ti/Au電極 109 SiO2マスク 109a SiO2マスク 109b SiO2マスク 109c SiO2マスク 109d SiO2マスク 109e SiO2マスク 109f SiO2マスク 110 p型InGaAsコンタクト層 111 p型InPクラッド 112 アンドープInPクラッド 113 コア層 114 活性層 115 {111}B面 201 導波路形成領域 202 埋め込み成長境界 301 SSC部 302 ドライエッチング溝 304 高抵抗引InPクラッド 401 過飽和吸収体(SA)部 402 変調器部 403 分布ブラッグ反射器(DBR)部 404 高抵抗InPクラッド 405 (100)面 501 MMI合分波器 502 n型InPクラッド 503 n型InGaAsPガイド層 601 光ファイバ 602 半導体光集積素子 603 レンズ 604 サブマウント 605 駆動回路 701 送信装置 702 送信モジュール駆動系 703 光通信用送信モジュール 704 中継装置 705 中継モジュール駆動系 706 受光部 707 受信装置 801 {111}A面 802 空隙部 901 光機能部 902 誘電体マスク 903 側縁部 903a 側縁部 903b 側縁部 903c 側縁部 912 誘電体マスク 912a 誘電体マスク 913 側縁部 913a 側縁部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−105383(JP,A) 特開 平7−263655(JP,A) 特開 平4−268765(JP,A) 特開 平3−198392(JP,A) Electronics Lette rs,32[7],p.664−665 Journal of Crysta l Growth,188,288−294 Journal of Crysta l Growth,164,314−320 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 5/00 - 5/50 G02B 6/122 G02F 1/035

Claims (25)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも光機能部及び受動光導波路部
    からなる半導体光集積素子であって、 表面が(100)面、又は(100)面に対して微小な
    傾斜角を有する面方位で構成された半導体基板上に形成
    された、少なくとも活性層を有する光機能部と、少なく
    ともコア層を有する受動光導波路部からなるとともに、
    前記活性層と前記コア層が光学的に接続されており、か
    つ前記活性層と前記コア層の上部に、不純物濃度が異な
    る第一及び第二のクラッド層が各々形成された構造とな
    っている光集積素子において、 前記活性層とコア層の接続部近傍における前記第一及び
    第二のクラッド層の境界部において前記活性層もしくは
    コア層が<011>方位に対して基板面内で有限の角度
    を有して形成されており、 かつ前記第一及び第二のクラッド層の接合部が、マスク
    を用いた領域選択成長によって形成された{111}B
    面により形成されていることを特徴とする半導体光集積
    素子。
  2. 【請求項2】 少なくとも光機能部及び受動光導波路部
    からなる半導体光集積素子であって、 表面が(100)面、又は(100)面に対して微小な
    傾斜角を有する面方位で構成された半導体基板上全面に
    形成されたコア層と、前記光機能部のみに形成された活
    性層を有し、前記活性層と前記受動光導波路部における
    前記コア層が光学的に接続されており、かつ前記活性層
    と前記受動光導波路部における前記コア層の上部に、不
    純物濃度が異なる第一及び第二のクラッド層が各々形成
    された構造となっている光集積素子において、 前記活性層とコア層の接続部近傍における前記第一及び
    第二のクラッド層の境界部において前記活性層もしくは
    コア層が<011>方位に対して基板面内で有限の角度
    を有して形成されており、 かつ前記第一及び第二のクラッド層の接合部が、マスク
    を用いた領域選択成長によって形成された{111}B
    面により形成されていることを特徴とする半導体光集積
    素子。
  3. 【請求項3】 前記活性層と前記コア層が同一の結晶成
    長工程により形成されていることを特徴とする請求項1
    記載の半導体光集積素子。
  4. 【請求項4】 前記光機能部においては前記活性層が選
    択的に形成されて光導波路を構成しており、かつ前記受
    動光導波路部においては前記コア層がメサエッチングに
    より光導波路として形成されていることを特徴とする請
    求項1または2記載の半導体光集積素子。
  5. 【請求項5】 前記光機能部において前記活性層の側部
    が前記第二のクラッド層により埋め込まれており、かつ
    前記活性層の上部には前記第一のクラッド層が形成され
    ていることを特徴とする請求項1または2記載の半導体
    光集積素子。
  6. 【請求項6】 前記光機能部の活性層、及び前記受動光
    導波路部のコア層のうち、少なくとも一方が量子井戸構
    造であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項
    記載の半導体光集積素子。
  7. 【請求項7】 前記光機能部が異なる発振波長を有する
    半導体レーザアレイで構成されており、かつ前記受動光
    導波路部が合波器として構成されていることを特徴とす
    る請求項1〜6のいずれか一項記載の半導体光集積素
    子。
  8. 【請求項8】 前記光機能部が半導体光アンプで構成さ
    れており、かつ前記受動光導波路部がスポットサイズ変
    換器として構成されていることを特徴とする請求項1〜
    6のいずれか一項記載の半導体光集積素子。
  9. 【請求項9】 前記光機能部が半導体光アンプアレイで
    構成されており、かつ前記受動光導波路部が合波器とし
    て構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいず
    れか一項記載の半導体光集積素子。
  10. 【請求項10】 前記光機能部が半導体レーザ、可飽和
    吸収体、分布反射器及び光変調器で構成されていること
    を特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の半導体
    光集積素子。
  11. 【請求項11】 前記光機能部が半導体レーザ及び光受
    光器で構成されており、かつ前記受動光導波路部が合分
    波器として構成されていることを特徴とする請求項1〜
    6のいずれか一項記載の半導体光集積素子。
  12. 【請求項12】 表面が(100)面、又は(100)
    面に対して微小な傾斜角を有する面方位で構成された半
    導体基板上の光機能部に少なくとも活性層を、受動光導
    波路部に少なくともコア層を形成した後、前記活性層及
    び前記コア層の上部に、不純物濃度の異なる第一及び第
    二のクラッド層を別々の結晶成長工程で形成する工程を
    含む光集積素子の製造方法において、 少なくとも前記活性層上部に成長阻止マスクを形成する
    工程と、 該成長阻止マスクが形成されていない前記受動光導波路
    部の前記コア層の上部に前記第二のクラッド層を結晶成
    長する工程と、 前記成長阻止マスクをエッチングにより除去する工程
    と、 少なくとも前記光機能部の前記活性層上部に前記第一の
    クラッド層を結晶成長する工程を含むとともに、前記第
    一及び第二のクラッド層の境界部において、 前記活性層もしくはコア層をストライプ方位が<011
    >方位に対して基板面内で有限の角度を有するように形
    成するとともに、前記成長阻止マスクを側縁部が<01
    1>方位に対してほぼ平行になるように形成し、前記第
    一及び第二のクラッド層の接合部を{111}B面によ
    り形成することを特徴とする半導体光集積素子の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 前記半導体基板上に一対の成長阻止マ
    スクを形成し、有機金属気相成長法を用いることによ
    り、マスク空隙部にバンドギャップエネルギーの異なる
    前記活性層及び前記コア層を一回の結晶成長工程により
    選択的に形成する工程を含むことを特徴とする請求項1
    2記載の半導体光集積素子の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記活性層及び前記コア層の一方を半
    導体基板上に形成された一対の成長阻止マスクの空隙部
    に選択的に形成するとともに、他方をこの半導体層の結
    晶成長及びエッチング工程により形成する工程を含むこ
    とを特徴とする請求項12記載の半導体光集積素子の製
    造方法。
  15. 【請求項15】 前記半導体基板全面に少なくとも前記
    活性層を形成する工程と、前記光機能部の表面に誘電体
    マスクを形成する工程と、前記誘電体マスクの形成され
    ていない領域における前記活性層をメサエッチングによ
    り除去する工程と、該エッチングされた基板上の前記受
    動光導波路部に結晶成長により少なくともコア層を形成
    する工程と、導波路パターン上に形成した誘電体マスク
    を用いて前記活性層ならびにコア層をエッチングするこ
    とにより導波路構造を形成する工程を含むことを特徴と
    する請求項12記載の半導体光集積素子の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記半導体基板全面に少なくとも前記
    コア層を形成する工程と、前記受動光導波路部の表面に
    成長阻止マスクを形成する工程と、前記成長阻止マスク
    の形成されていない領域における前記コア層をエッチン
    グにより除去する工程と、このエッチングされた基板上
    の前記光機能部に結晶成長により少なくとも活性層を形
    成する工程と、第一及び第二のクラッド層の形成後に、
    導波路パターン状に形成した誘電体マスクを用いて前記
    活性層及び前記コア層をメサエッチングすることにより
    導波路構造を形成する工程を含むことを特徴とする請求
    項12記載の半導体光集積素子の製造方法。
  17. 【請求項17】 半導体基板全面に少なくとも前記コア
    層を形成する工程と、前記光機能部に少なくとも活性層
    を形成する工程と、前記光機能部を覆うように成長阻止
    マスクを形成する工程と、前記受動光導波路部上に前記
    第二のクラッド層を選択的に形成する工程と、前記成長
    阻止マスクを除去した後、少なくとも前記光機能部上に
    前記第一のクラッド層を形成する工程と、メサエッチン
    グにより少なくとも前記受動光導波路部の導波路構造を
    形成する工程を含み、前記光機能部と前記受動光導波路
    部との境界において、前記活性層もしくはコア層の方向
    が<011>方位に対して基板面内で有限の角度を有す
    るように形成するとともに、前記成長阻止マスクの端部
    が<011>方位に対してほぼ平行になるように形成す
    ることを特徴とする請求項12記載の半導体光集積素子
    の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記第一もしくは第二のクラッド層が
    Alを含む半導体層を含む多層構造であり、成長後に前
    記Alを含む半導体層の少なくとも一部を酸化する工程
    を含むことを特徴とする請求項12〜17のいずれか一
    項記載の半導体光集積素子の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記受動光導波路上部における第二の
    クラッド層の形成時に、前記活性層の上部に形成させた
    成長阻止マスクを用いて、前記活性層両脇にも前記第二
    のクラッド層が同時に形成される工程を含むことを特徴
    とする請求項12〜17のいずれか一項記載の半導体光
    集積素子の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記第二のクラッド層が高抵抗型導電
    形態の半導体であることを特徴とする請求項19記載の
    半導体光集積素子の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記第二のクラッド層が真性半導体で
    あることを特徴とする請求項19に記載の半導体光集積
    素子の製造方法。
  22. 【請求項22】 前記第一もしくは第二のクラッド層が
    Alを含む半導体層を含む多層構造であり、成長後に少
    なくとも前記光機能部における前記Alを含む半導体層
    を酸化する工程を含むことを特徴とする請求項19記載
    の半導体光集積素子の製造方法。
  23. 【請求項23】 請求項1及び2に記載の半導体光集積
    素子と、 この半導体光集積素子からの出力光を外部に導波するた
    めの導波手段と、 この導波手段に前記半導体光集積素子からの出力光を集
    光するための集光手段と、 上記半導体光集積素子を駆動するための駆動手段とを具
    備する光通信用モジュール。
  24. 【請求項24】 請求項1及び2に記載の半導体光集積
    素子と、 この半導体光集積素子に入力光を導波させるための導波
    手段と、 この導波手段から前記半導体光集積素子へ入力光を集光
    するための集光手段と、 前記半導体光素子からの出力光を外部に導波するための
    導波手段と、 この導波手段に上記半導体光集積素子からの出力光を集
    光するための集光手段と、 上記半導体光集積素子を駆動するための駆動手段とを具
    備する光通信用モジュール。
  25. 【請求項25】 請求項1及び2に記載の半導体光集積
    素子を有する通信手段と、 この通信手段からの出力光を受信するための受信手段と
    を具備する光通信システム。
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