JP2000269600A - 高出力広帯域光源及び光増幅デバイス - Google Patents

高出力広帯域光源及び光増幅デバイス

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JP2000269600A
JP2000269600A JP11073903A JP7390399A JP2000269600A JP 2000269600 A JP2000269600 A JP 2000269600A JP 11073903 A JP11073903 A JP 11073903A JP 7390399 A JP7390399 A JP 7390399A JP 2000269600 A JP2000269600 A JP 2000269600A
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broadband light
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JP11073903A
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Katsuyuki Imoto
克之 井本
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Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 増幅利得が大きく帯域幅が広い高出力広帯域
光源及び光増幅デバイスを提供する。 【解決手段】 スラブ状の活性層3の真上の上部第2ク
ラッド層5、コンタクト層6及び上部電極7が略矩形断
面形状を有し、かつ所望幅パターン形状に形成されてい
るので、光は上記各層の略真下の活性層3の領域内に閉
じ込められて自然放出光が発生し、パターン形状の略真
下の活性層3内を導波しながら増幅されるので、大きな
増幅利得が得られる。広帯域化に関しては、上部第2ク
ラッド層5、コンタクト層6及び上部電極7を積層体の
一方の端面から他方の端面に向かって少なくとも複数並
列に分離して設け、それぞれの上部電極7に独立に電流
を流すことによって実現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高出力広帯域光源
及び光増幅デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】マルチメディアの普及に伴い、幹線系、
アクセス系、データコム等で情報伝送が急増しており、
大規模な波長多重光通信システムの実現が望まれてい
る。このシステムを実現する上では高出力で多波長の光
を出力する光源が主要な光部品の一つであり、開発が急
がれている。この種の光源として、以下の四つの方式が
提案されている。すなわち、 (1) DFBレーザアレイ (2) DBRレーザアレイ (3) 広い発光スペクトルを有する光源の光を分波器等で
スライスする方式(スペクトルスライス多波長光源) (4) 多波長外部グレーティングレーザアレイ である。上記(3) の方式の中には、LED光源方式、ス
ーパールミネッセントダイオード方式、スーパーコンテ
ィニューム方式、モードロックLD方式がある。
【0003】特にスーパールミネッセントダイオード方
式は大出力が得られ、広帯域な発光スペクトルが得られ
ることで有望視されている。
【0004】図7は高出力広帯域光源としてのスーパー
ルミネッセントダイオードの従来例を示す外観斜視図で
ある。図8(a)は図7に示した高出力広帯域光源の電
流−光出力特性を示す図であり、図8(b)は図7に示
した高出力広帯域光源の発光スペクトルを示す図であ
る。図8(a)において横軸が電流を示し、縦軸が光出
力を示し、図8(b)において横軸は波長を示し、縦軸
が光強度を示す。
【0005】図7に示すスーパールミネッセントダイオ
ードは、InPからなる基板40上にスラブ状のGaI
nAs/GaInAsP多重量子井戸構造の活性層41
を形成し、その活性層41の上をスラブ状のInPから
なる上部クラッド層42で覆い、その上部クラッド層4
2の上にSiO2 膜43をパターニングすることによ
り、テーパ状の上部電極(Au/Zn/Au)44を形
成したものである。
【0006】上部電極44とInP基板裏面に形成され
た下面電極(AuGe/Au)45との間に電流を注入
すると、活性層領域各所で自然放出光が発生し、この自
然放出光が導波構造によって活性層領域中を伝搬する。
この誘導放出により光増幅が行われる。
【0007】そこで、このダイオード長を数mm程度ま
で長くすることによって高出力化が図られている。しか
し、この高出力化により出力端付近での光強度が非常に
強くなるために、誘導放出によってキャリアが消費され
てしまい、利得が飽和して出力が制限されてしまう。
【0008】そのため、テーパ構造の上部電極44を用
いることにより、パワー密度を低減し利得飽和が防止さ
れている。また、ダイオードの両端の劈開面55−1、
55−2からの反射光が活性層41に戻るとレーザ発振
を起こし、スーパールミネッセントダイオードとして動
作しなくなるので、両劈開面55−1、55−2に対し
て上部電極44のパターンを傾斜させると共に、後端側
46には非励起の吸収領域を設けることによってレーザ
発振の抑制を行っている(森、他:多波長スペクトルス
ライス光源のための高出力SLDの特性解析と試作、信
学技報OPE98−6、1998−5、p.31〜p.
36)。
【0009】図7に示すような構造において、図8
(a)、(b)より、高出力(800mW)及び広帯域
(3dB帯域で約30nm)特性が得られている。
【0010】図9(a)はスーパールミネッセントダイ
オードの他の従来例を示す外観斜視図であり、図9
(b)は図9(a)に示したスーパールミネッセントダ
イオードのA−A線断面図である。
【0011】同図9(a)に示すダイオードは基板40
上に矩形断面構造で、かつ伝搬方向にエクスポネーシャ
ルなテーパ形状に変化した活性層41を形成し、その活
性層41の上に導波層47及び上部クラッド層42を形
成した埋め込み型の半導体光増幅器であり、上部電極4
4と下面電極45との間に電流を注入し、領域52に入
射した光を領域54から高い利得(20dB以上)で増
幅して出射させることができる。
【0012】図10及び図11はスーパールミネッセン
トダイオードの他の従来例を示す外観斜視図である。
【0013】これらのダイオードも図7に示したダイオ
ードと同様にスラブ状の活性層41を用いて構成したも
のである。
【0014】すなわち、図10に示したダイオードは、
基板40上にスラブ状の下部クラッド層48、活性層4
1、上部クラッド層42及びコンタクト層49を順次形
成し、コンタクト層49の上に誘電体層50を形成し、
誘電体層50の上に二つのテーパ状の上部電極44−
1、44−2を形成したものであり、図11に示したダ
イオードは、誘電体層50の上に四つのテーパ状の上部
電極44−1〜44−4を形成したものであり、共に上
部電極と下面電極45との間に電流を注入するようにし
たものである。領域52から活性層41内に入射した光
を光増幅領域53で増幅し、大出力の光を光出射領域5
4から出射させるようにしたものである。このような構
成において電極パターンが複数設けられているのは、い
ずれの電極に電流を注入するかによって出射光のビーム
偏向を電気的に制御するためである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図7か
ら図11に示した従来例には以下のような問題がある。 (1) 図7、図10及び図11に示した構成は、活性層が
スラブ構造であり、その活性層内への光の閉じ込めは上
部電極パターン及びその電極に流す電流に依存している
が、その光閉じ込め性は悪いため、増幅利得を大きくと
るのが難しい。また、電流を増加すると出力は増加する
が、消費電力も増加してしまう。さらに、帯域特性につ
いて考慮すると、図7に示した構成で31nm程度の帯
域が得られているが、それよりも広帯域化を図ろうとす
ると、ダイオードの素子長を短くせねばならず、高出力
化が困難である。
【0016】(2) 図9に示した構成は活性層の断面が矩
形状に形成されているので、その活性層内への光の閉じ
込め性は良好であるものの、活性層を矩形状にエッチン
グ加工するときに生じる活性層の側面荒れに起因する光
の伝搬損失が増加し、光出力が大幅に低下する。この光
出力を増加させようとすると、電流値を大きくしなけれ
ばならず、消費電力が増加してしまう。また、このよう
な構成は、活性層を矩形断面形状にドライエッチングす
る工程と、活性層を覆うようにクラッド層及びコンタク
ト層を結晶成長させる工程とを付加しなければならず、
低コストで製造するのが困難である。
【0017】(3) 図7、図10及び図11に示したダイ
オードに共通した問題点として、広帯域化を図ろうとす
ると、両端面に広帯域にわたって低反射率のコーティン
グ膜を形成しなければならない。しかし、50nm以上
の広帯域にわたって低反射率のコーティング膜を実現す
ることは困難である。このため、テーパ状の電極パター
ン幅を広げたり、テーパ状活性層の幅を広げることがな
されているが、活性層の幅をあまり広くすると、出射光
を光ファイバへ結合させるのにレンズを設けなければな
らない。
【0018】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、増幅利得が大きく帯域幅が広い高出力広帯域光源及
び光増幅デバイスを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の高出力広帯域光源は、裏面に下面電極を有す
る化合物半導体基板上にスラブ状の下部クラッド層、活
性層及び上部第1クラッド層が順次積層され、この上部
第1クラッド層の上に、略矩形断面形状の上部第2クラ
ッド層及びコンタクト層が順次積層され、上部第2クラ
ッド層の側面、コンタクト層の側面及び上部第1クラッ
ド層の上面を覆うようにSiO2 層及びポリマ層が順次
形成され、コンタクト層の上に上部電極が形成された積
層体の両端面が無反射コーティング層で覆われ、上部第
2クラッド層、コンタクト層及び上部電極が上記積層体
の一方の端面から他方の端面に向かって所望長さだけ直
線状に形成されると共に、さらに他方の端面に向かって
幅が広がるテーパ状に形成され、上部電極から下面電極
に電流を流すと他方の端面から光を出射するものであ
る。
【0020】上記構成に加え本発明の高出力広帯域光源
は、積層体の他方の端面から出射される光はインコヒー
レント光であってもよい。
【0021】上記構成に加え本発明の高出力広帯域光源
は、積層体の一方の端面から同一幅で所望長さを有する
上部電極は、一方の端面の近傍が除去されていてもよ
い。
【0022】上記構成に加え本発明の高出力広帯域光源
は、上部第2クラッド層、コンタクト層及び上部電極は
両端面に対して斜めに設けられていてもよい。
【0023】上記構成に加え本発明の高出力広帯域光源
は、上部第2クラッド、コンタクト層及び上部電極は積
層体の一方の端面から他方の端面に向かって複数、並列
に分離して形成され、各上部電極に独立に電流が流れる
ようにしてもよい。
【0024】上記構成に加え本発明の高出力広帯域光源
は、上部第2クラッド、コンタクト層及び上部電極のテ
ーパ状に幅を広げた構造は直線的かあるいは曲線的な広
がり構造であってもよい。
【0025】上記構成に加え本発明の高出力広帯域光源
は、下部クラッドと活性層との間に、屈折率が下部クラ
ッド層の屈折率よりも高く活性層の屈折率よりも低いバ
ッファ層が設けられていてもよい。
【0026】上記構成に加え本発明の高出力広帯域光源
は、活性層はバルク構造あるいは多重量子井戸構造のい
ずれかであるのが好ましい。
【0027】上記構成に加え本発明の高出力広帯域光源
は、活性層は井戸層の厚さが異なった不均一量子井戸構
造を有するのが好ましい。
【0028】上記構成に加え本発明の高出力広帯域光源
は、無反射コーティング層が積層体の一方の端面にのみ
形成されていてもよい。
【0029】本発明の光増幅デバイスは、裏面に下面電
極を有する化合物半導体基板上にスラブ状の下部クラッ
ド層、活性層及び上部第1クラッド層が順次積層され、
この上部第1クラッド層の上に、略矩形断面形状の上部
第2クラッド層及びコンタクト層が順次積層され、上部
第2クラッド層の側面、コンタクト層の側面及び上部第
1クラッド層の上面を覆うようにSiO2 層及びポリマ
層が順次形成され、コンタクト層の上に上部電極が形成
された積層体の両端面が無反射コーティング層で覆わ
れ、上部第2クラッド層、コンタクト層及び上部電極が
積層体の一方の端面から他方の端面に向かって所望長さ
だけ直線状に形成され、さらに他方の端面に向かって幅
が広がるテーパ状に形成され、上部電極から下面電極に
電流を流すと、一方の端面の活性層に入射された光が増
幅されて他方の端面から出射するものである。
【0030】本発明によれば、スラブ状の活性層の真上
の上部第2クラッド層、コンタクト層及び上部電極が略
矩形断面形状を有し、かつ所望幅パターン形状に形成さ
れているので、光は上記各層の略真下の活性層領域内に
閉じ込められて自然放出光が発生し、パターン形状の略
真下の活性層内を導波しながら増幅されるので、大きな
増幅利得が得られる。
【0031】また、活性層はその上下のクラッド層で一
様にサンドイッチ状態に連続的に結晶成長で積層されて
いるので、界面の不整がほとんどない。このため、導波
損失も少なく、結果的に低消費電力で大きな光出力を得
ることができる。
【0032】さらに下部クラッド層、活性層、上部第1
クラッド層、上部第2クラッド層及びコンタクト層は連
続的に成膜することができるので、不純物の混入やパタ
ーニング時の界面の不整等を回避できる。また、プロセ
スが簡易なため低コスト化が期待できる。
【0033】広帯域化に関しては、略矩形断面形状の上
部第2クラッド層、コンタクト層及び上部電極を積層体
の一方の端面から他方の端面に向かって少なくとも複数
並列に分離して設け、それぞれの上部電極に独立に電流
を流すことによって実現することができる。すなわち、
広い波長域を複数箇所で分担し、トータルで広帯域化を
図るようになっている。また複数の並列分離構成は本発
明の光源の素子長を最も広帯域になるように選定し、素
子長の最適化による光出力の低下を複数部構成で抑える
と共に、さらに高出力化を図ることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて詳述する。
【0035】図1(a)は本発明の高出力広帯域光源の
一実施の形態を示す平面図、図1(b)は図1(a)の
左側面図、図1(c)は図1(a)の右側面図、図1
(d)は図1(a)のB−B線断面図である。
【0036】この光源は、波長1.5μm帯用の光源を
示したものである。裏面に下面電極8を有するInP
(n+ )からなる基板1の基板表面にスラブ状のInP
(n)からなる下部クラッド層2、InGaAsPから
なる活性層3及びInP(p)からなる上部第1クラッ
ド層4が順次積層されている。上部第1クラッド層4の
上に略矩形断面形状のInP(p)からなる上部第2ク
ラッド層5及びInGaAsPからなるコンタクト層6
が順次形成されている。上部第2クラッド層5の側面、
コンタクト層6の側面並びに上部第1クラッド層4の上
面には、SiO2層13、ポリマ層(ポリイミド層)1
4が順次形成されている。上部電極7はコンタクト層6
の上に形成されている。積層体の両端面10、11には
無反射コーティング層12−1、12−2が形成されて
いる。
【0037】上部第2クラッド層5、コンタクト層6及
び上部電極7は、同一幅かつ同一パターン状に形成され
ており、一方(図では左側)の端面10から他方(図で
は右側)の端面11に向かって同一幅Wiで長さLiの
領域15と、領域15から他方の端面11に向かって幅
がテーパ状に広がり他端で幅Wo、長さLoの領域16
とで構成されている。
【0038】端子9から電流IL を注入すると、上部第
2クラッド層5の略真下の活性層3の各領域で自然放出
光が発生する。領域15の活性層3内で発生した自然放
出光は、上部第2クラッド層5の略矩形断面形状によっ
て略真下の活性層3内を導波されて伝搬するが、伝搬と
共に誘導放出によって増幅される。増幅された光は領域
16でさらに増幅されて非常に高い光出力となって他方
の端面11から矢印17方向に放射される。
【0039】ここで、領域16では光が伝搬するにつれ
て、テーパ状に広がるので出射端ではパワー密度が低減
し、利得飽和を抑制するように作用する。両端面10、
11には無反射コーティング層12−1、12−2が形
成されているので、両端面10、11からの反射による
レーザ発振を抑えることができ、矢印17方向にはイン
コヒーレントな光を出射させることができる。なお、両
端面10、11を斜め(傾斜角度θ:2〜10°)に形
成しておけば、レーザ発振を略「0」に抑えることがで
きる。
【0040】このような構成により、電流IL の値を増
大させることにより、光出力を増大させることができ
る。広帯域化に関しては、活性層3を多重量子井戸構造
で形成することにより実現することができる。例えば井
戸層の厚さを異ならせた不均一量子井戸構造を用いるこ
とができる。すなわち、多重量子井戸構造として7周期
構造を用いると、7周期構造の井戸層(膜厚約2〜7n
m、InGaAs層)と、バリア層(膜厚約8nm、I
nGaAsP層)の井戸層の厚さを順次7nmから2n
mに変えた量で形成すると、広帯域化を図ることができ
る。
【0041】ここで、幅Wiは3〜5μm、幅Woは数
十μm〜百数十μm、長さLiはコンマ数mm〜1m
m、長さLoは1.5〜5mmの範囲が好ましい。
【0042】図2(a)は本発明の高出力広帯域光源の
他の実施の形態を示す平面図、図2(b)は図2(a)
の左側面図、図2(c)は図2(a)の右側面図、図2
(d)は図2(a)のC−C線断面図である。
【0043】図1(a)〜(d)に示した実施の形態と
の相違点は、一方の端面10側の上部電極7を一方の端
面10の近傍で途切れるようにし、非励起の吸収領域1
8を設けた点である。
【0044】この吸収領域18を設けることにより、一
方の端面10への無反射コーティング層12−1を設け
なくてもよくなる。
【0045】図3(a)は本発明の高出力広帯域光源の
他の実施の形態を示す平面図、図3(b)は図3(a)
の左側面図、図3(c)は図3(a)の右側面図、図3
(d)は図3(a)のD−D線断面図である。
【0046】図2(a)〜(d)に示した実施の形態と
の相違点は、領域15、16を一方の端面10から他方
の端面11に向かって二つ並列になるように分離した点
である。すなわち、この高出力広帯域光源は、上部第2
クラッド層5−1、5−2、コンタクト層6−1、6−
2及び上部電極7−1、7−2を一方の端面10から他
方の端面11に向かって二つ並列に分離したものであ
る。
【0047】このような分離構成にすることにより、光
出力は2倍近くに増加させることができると共に、素子
長さ(Li+Lo)を最も広帯域になるような値に選ぶ
ことができる。また、端子9−1、9−2へ注入する電
流IL1、IL2を独立に調節することによって、光出力と
帯域特性とを制御することができる。
【0048】図4(a)は本発明の高出力広帯域光源の
他の実施の形態を示す平面図、図4(b)は図4(a)
の左側面図、図4(c)は図4(a)の右側面図、図4
(d)は図4(a)のE−E線断面図である。
【0049】図3(a)〜(d)に示した実施の形態と
の相違点は、他方の端面11側に形成された二つの無反
射コーティング層12−2a、12−2bの波長特性が
異なるようにした点である。
【0050】例えば無反射コーティング層12−2aに
は短波長側を中心にして低反射層となるように形成し、
無反射コーティング層12−2bには長波長側を中心に
して低反射層となるように形成することによって、より
広い領域をカバーするようになっている。
【0051】図5(a)は本発明の高出力広帯域光源の
他の実施の形態を示す平面図、図5(b)は図5(a)
の左側面図、図5(c)は図5(a)の右側面図であ
る。
【0052】図4(a)〜(d)に示した実施の形態と
の相違点は、領域15、16を一方の端面10側から他
方の端面11側に向かって5個並列に分離した点であ
る。
【0053】すなわち、この高出力広帯域光源は、上部
第2クラッド層5−1〜5−5、コンタクト層6−1〜
6−5及び上部電極7−1〜7−5を、一方の端面10
から他方の端面11に向かって5個並列に分離したもの
であり、さらに高出力広帯域の出射光が得られる。
【0054】図6(a)は本発明の高出力広帯域光源の
他の実施の形態を示す平面図、図6(b)は図6(a)
の左側面図、図6(c)は図6(a)の右側面図、図6
(d)は図6(a)のF−F線断面図である。
【0055】図1(a)〜(d)に示した実施の形態と
の相違点は、下部クラッド層2と活性層3との間に、屈
折率が下部クラッド層2の屈折率(3.163)よりも
大きく、活性層3の屈折率(3.375)よりも小さい
値を有するバッファ層(屈折率3.2〜3.3)19を
設けた点である。
【0056】このような高出力広帯域光源においても図
1(a)〜(d)に示した実施の形態と同様の効果が得
られる。
【0057】本発明は上記実施の形態に限定されない。
まず、図1〜図6において、テーパ状の領域16の形状
は直線的に広がるようにしてもよく、例えば指数関数的
な曲線状に広がるようにしてもよい。活性層3は多重量
子井戸構造以外にバルク構造としてもよい。SiO2
13には、F、B、P、Tiなどの屈折率制御用ドーパ
ントを含んでいてもよい。ポリマ層14には、ポリイミ
ドやポリイミドにF等の屈折率制御用ドーパントを含ん
だもの等を用いることができる。
【0058】図1、図6に示した構成のものを光源とし
て用いる以外に、一方の端面10側の活性層3内に光を
入射し、他方の端面11側の活性層3から増幅された光
を出射するようにしてもよい。この場合には端子9から
注入される電流は、しきい値以下の順方向電流を流す必
要がある。また、一方の端面10側の端面に無反射コー
ティング層(反射率1%以下)12−1の代わりに、高
反射率(反射率75〜90%)を形成することにより、
矢印17方向にはレーザ発振したコヒーレント光を出射
させることができる。
【0059】基板1にはInP以外に、GaAsを用い
てもよい。使用する波長帯は特に限定されず、短波長帯
(1.0μm以下)、長波長帯(1.2μm以上)のい
ずれにも適用することができる。
【0060】図3、図4及び図5に示すように複数、並
列分離して高出力化を図る構成は上記実施の形態に限定
されず、2個以上並列分離してもよい。
【0061】以上において本発明によれば、 (1) 活性層内の導波損失が極めて低く、かつ活性層内へ
の光の閉じ込め性がよいので、高出力の光源を得ること
ができる。
【0062】(2) 活性層の真上の略矩形断面形状の上部
第2クラッド層と、コンタクト層と、上部電極とを一方
の端面から他方の端面に向かって複数、並列に分離して
設けた複数構造にすると共に、それぞれの上部電極に独
立に電流を流すことによって、高出力化と広帯域化とを
合わせて実現することができる。すなわち、本発明の光
源の素子長は最も広帯域になるように選定し、その素子
長の最適化による光出力低下を複数構造でさらに高出力
化を図ることができる。
【0063】(3) 製造プロセスが簡易なため、低コスト
で実現できる。また、結晶成長は1回ですむために、活
性層が不純物付着で導波損失が増加することもない。ま
た活性層とクラッドとの界面の不整も生じない。
【0064】(4) 高出力広帯域光源以外に、高利得光増
幅デバイスとして用いることができる。
【0065】(5) 活性層内への光の閉じ込めは、a)略矩
形断面形状の上部第2クラッド層による光閉じ込めと、
b)電流注入による光の閉じ込め及び増幅の二つの作用が
働くので、より高出力化を図ることができる。
【0066】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果を発揮する。
【0067】増幅利得が大きく帯域幅が広い高出力広帯
域光源及び光増幅デバイスの提供を実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の高出力広帯域光源の一実施の
形態を示す平面図、(b)は(a)の左側面図、(c)
は(a)の右側面図、(d)は(a)のB−B線断面図
である。
【図2】(a)は本発明の高出力広帯域光源の他の実施
の形態を示す平面図、(b)は(a)の左側面図、
(c)は(a)の右側面図、(d)は(a)のC−C線
断面図である。
【図3】(a)は本発明の高出力広帯域光源の他の実施
の形態を示す平面図、(b)は(a)の左側面図、
(c)は(a)の右側面図、(d)は(a)のD−D線
断面図である。
【図4】(a)は本発明の高出力広帯域光源の他の実施
の形態を示す平面図、(b)は(a)の左側面図、
(c)は(a)の右側面図、(d)は(a)のE−E線
断面図である。
【図5】(a)は本発明の高出力広帯域光源の他の実施
の形態を示す平面図、(b)は(a)の左側面図、
(c)は(a)の右側面図である。
【図6】(a)は本発明の高出力広帯域光源の他の実施
の形態を示す平面図、(b)は(a)の左側面図、
(c)は(a)の右側面図、(d)は(a)のF−F線
断面図である。
【図7】高出力広帯域光源としてのスーパールミネッセ
ントダイオードの従来例を示す外観斜視図である。
【図8】(a)は図7に示した高出力広帯域光源の電流
−光出力特性を示す図であり、(b)は図7に示した高
出力広帯域光源の発光スペクトルを示す図である。
【図9】(a)はスーパールミネッセントダイオードの
他の従来例を示す外観斜視図であり、(b)は(a)に
示したスーパールミネッセントダイオードのA−A線断
面図である。
【図10】スーパールミネッセントダイオードの他の従
来例を示す外観斜視図である。
【図11】スーパールミネッセントダイオードの他の従
来例を示す外観斜視図である。
【符号の説明】
1 基板 2 下部クラッド層 3 活性層 4 上部第1クラッド層 5 上部第2クラッド層 6 コンタクト層 7 上部電極

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 裏面に下面電極を有する化合物半導体基
    板上にスラブ状の下部クラッド層、活性層及び上部第1
    クラッド層が順次積層され、この上部第1クラッド層の
    上に、略矩形断面形状の上部第2クラッド層及びコンタ
    クト層が順次積層され、上記上部第2クラッド層の側
    面、上記コンタクト層の側面及び上記上部第1クラッド
    層の上面を覆うようにSiO2 層及びポリマ層が順次形
    成され、上記コンタクト層の上に上部電極が形成された
    積層体の両端面が無反射コーティング層で覆われ、上記
    上部第2クラッド層、上記コンタクト層及び上記上部電
    極が上記積層体の一方の端面から他方の端面に向かって
    所望長さだけ直線状に形成されると共に、さらに他方の
    端面に向かって幅が広がるテーパ状に形成され、上記上
    部電極から上記下面電極に電流を流すと上記他方の端面
    から光を出射することを特徴とする高出力広帯域光源。
  2. 【請求項2】 上記積層体の他方の端面から出射される
    光はインコヒーレント光である請求項1に記載の高出力
    広帯域光源。
  3. 【請求項3】 上記積層体の一方の端面から同一幅で所
    望長さを有する上部電極は、上記一方の端面の近傍が除
    去されている請求項1に記載の高出力広帯域光源。
  4. 【請求項4】 上記上部第2クラッド層、上記コンタク
    ト層及び上記上部電極は両端面に対して斜めに設けられ
    ている請求項1から3のいずれかに記載の高出力広帯域
    光源。
  5. 【請求項5】 上記上部第2クラッド、上記コンタクト
    層及び上記上部電極は上記積層体の一方の端面から他方
    の端面に向かって複数、並列に分離して形成され、各上
    部電極に独立に電流が流れる請求項1から4のいずれか
    に記載の高出力広帯域光源。
  6. 【請求項6】 上記上部第2クラッド、上記コンタクト
    層及び上記上部電極のテーパ状に幅を広げた構造は直線
    的かあるいは曲線的な広がり構造である請求項1から5
    のいずれかに記載の高出力広帯域光源。
  7. 【請求項7】 上記下部クラッドと上記活性層との間
    に、屈折率が上記下部クラッド層の屈折率よりも高く上
    記活性層の屈折率よりも低いバッファ層が設けられてい
    る請求項1から6のいずれかに記載の高出力広帯域光
    源。
  8. 【請求項8】 上記活性層はバルク構造あるいは多重量
    子井戸構造のいずれかである請求項1から7のいずれか
    に記載の高出力広帯域光源。
  9. 【請求項9】 上記活性層は井戸層の厚さが異なった不
    均一量子井戸構造を有する請求項8に記載の高出力広帯
    域光源。
  10. 【請求項10】 上記無反射コーティング層が上記積層
    体の一方の端面にのみ形成されている請求項3に記載の
    高出力広帯域光源。
  11. 【請求項11】 裏面に下面電極を有する化合物半導体
    基板上にスラブ状の下部クラッド層、活性層及び上部第
    1クラッド層が順次積層され、この上部第1クラッド層
    の上に、略矩形断面形状の上部第2クラッド層及びコン
    タクト層が順次積層され、上記上部第2クラッド層の側
    面、上記コンタクト層の側面及び上記上部第1クラッド
    層の上面を覆うようにSiO2 層及びポリマ層が順次形
    成され、上記コンタクト層の上に上部電極が形成された
    積層体の両端面が無反射コーティング層で覆われ、上記
    上部第2クラッド層、上記コンタクト層及び上記上部電
    極が上記積層体の一方の端面から他方の端面に向かって
    所望長さだけ直線状に形成され、さらに他方の端面に向
    かって幅が広がるテーパ状に形成され、上記上部電極か
    ら上記下面電極に電流を流すと、上記一方の端面の活性
    層に入射された光が増幅されて上記他方の端面から出射
    することを特徴とする光増幅デバイス。
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