JP2003142777A - 光半導体素子 - Google Patents

光半導体素子

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JP2003142777A JP2001337928A JP2001337928A JP2003142777A JP 2003142777 A JP2003142777 A JP 2003142777A JP 2001337928 A JP2001337928 A JP 2001337928A JP 2001337928 A JP2001337928 A JP 2001337928A JP 2003142777 A JP2003142777 A JP 2003142777A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 前端面での光軸の傾斜角θが小さく、かつ前
端面での実効的な反射率を低減した光半導体素子を提供
する。また、光導波路の屈曲部における放射損失を低減
した半導体素子を提供する。 【解決手段】 活性領域と、活性領域を両側から挟むク
ラッド領域と、活性領域及びクラッド領域から構成され
た光導波路と、光導波路の端部を含み互いに略平行に設
けられた前端面と後端面とを含む光半導体素子におい
て、光導波路の光軸が、前端面において前端面の法線に
対して略3°未満の傾斜角で傾くとともに、後端面にお
いて後端面に対して略垂直となり、更に、前端面が反射
防止膜で覆われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光半導体素子に関
し、特に、光通信の信号源、ファイバアンプの励起光源
として用いられる半導体レーザに関する。
【0002】
【従来の技術】図29は、全体が500で表される、半
導体レーザ510と光ファイバ520とを組み合わせた
半導体レーザモジュールである。半導体レーザモジュー
ル500は、半導体レーザ510の前端面511から出
射した光530を、半導体レーザ510の後端面512
と、光ファイバ520に設けられた回折格子521との
間で共振させる構造となっている。従って、半導体レー
ザ510から光が出射する際に、前端面511における
反射をできるだけ低減する必要がある。
【0003】このような、端面での反射率を低減する構
造が、例えば、特許第3040273号公報に記載され
ている。図30は、全体が600で表される、当該公報
記載のスーパールミネッセンスダイオード(以下、「S
LD」という。)の斜視図である。SLD600は、G
aAs基板601を含む。GaAs基板601上には、
GaAsバッファ層602を介して、AlGaAsクラ
ッド層603、AlGaAs活性層604、AlGaA
sガイド層605、606、AlGaAsクラッド層6
09、GaAsコンタクト層610が積層されている。
また、電流ブロック層607、保護層608が、窓部6
07aを挟むように設けられている。
【0004】また、図31は、図30のSLD600を
上面から見た場合の等価屈折率の分布である。図31に
示すように、クラッド領域614と、クラッド領域61
4より屈性率の高い活性領域620が、光導波路を形成
する。活性領域620は屈曲部621で屈曲し、後端面
622とは略垂直に交わり、一方、前端面623とは、
前端面623の法線方向から傾斜角θだけ傾いて交わ
る。更に、傾斜角θを3°以上とすることにより、前端
面623における実質的な反射率を小さくしてレーザ発
振を抑圧する。また、かかる傾斜角θを15°以下とす
ることにより、前端面623に対して全反射となること
を防止している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、SLD
600では、活性領域(ストライプ)620の傾斜角θ
を3°以上、15℃以下とするため、前端面623から
の出射光は、前端面623の法線に対して略9°〜45
°程度傾くこととなる。このため、図29の半導体レー
ザモジュール500のように、出射光を光ファイバに入
射させる場合に光ファイバとの光軸合わせが非常に困難
であった。また、傾斜角θが大きくなることにより、前
端面623で反射されてSLD600の内部に吸収され
る光も多くなり、損失が大きくなった。更には、屈曲部
621で、活性領域620の外に光が逃げて放射損失が
発生していた。
【0006】そこで、本発明は、前端面での傾斜角θが
小さく、かつ前端面での実効反射率を低減した光半導体
素子の提供を目的とする。また、光導波路の屈曲部での
放射損失を低減した半導体素子の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで発明者らは鋭意研
究の結果、前端面における光導波路の傾斜と、前端面を
覆う反射防止膜とを組み合わせることにより、傾斜角θ
をより小さくした条件でも、低い反射率を実現できるこ
とを見出し、本発明を完成した。
【0008】即ち、本発明は、活性領域と、該活性領域
を両側から挟むクラッド領域と、該活性領域及び該クラ
ッド領域から構成された光導波路と、該光導波路の端部
を含み互いに略平行に設けられた前端面と後端面とを含
む光半導体素子であって、該光導波路の光軸が、該前端
面において該前端面の法線に対して略3°未満の傾斜角
で傾くとともに、該後端面において該後端面に対して略
垂直となり、更に、該前端面が反射防止膜で覆われたこ
とを特徴とする光半導体素子である。このように、傾斜
角θを有する光導波路と反射防止膜とを組み合わせるこ
とにより、傾斜角θが3°未満と小さいにも拘わらず、
前端面において、1%以下、特に0.1%以下の実効反
射率を得ることができる。この結果、光半導体素子と回
折格子とを組み合わせて共振器を形成した場合に、良好
な共振を得ることができる。
【0009】上記傾斜角は、略1.5°以下であること
が好ましい。このように、傾斜角を小さくすると、前端
面に略垂直方向に出射光が出射されるため、光半導体素
子と光ファイバとの接続を容易に行える。
【0010】上記活性領域は、それぞれが略直線状の第
1活性領域と第2活性領域と、該第1活性領域と該第2
活性領域とが所定の屈曲角で接続された屈曲部とを含む
ものであっても良い。
【0011】また、本発明は、活性領域と、該活性領域
を両側から挟むクラッド領域と、該活性領域及び該クラ
ッド領域から構成された光導波路と、該光導波路の端部
を含み互いに略平行に設けられた前端面と後端面とを含
む光半導体素子であって、該活性領域が、それぞれが略
直線状の第1活性領域と第2活性領域と、該第1活性領
域と該第2活性領域とが所定の屈曲角で接続された屈曲
部とを含み、該屈曲角が180°より小さい側の該クラ
ッド領域に、該クラッド領域より屈折率の高い局所導波
領域が該屈曲部に隣接して設けられたことを特徴とする
光半導体素子でもある。かかる局所導波領域を設けるこ
とにより、活性領域の屈曲部における放射損失を低減す
ることが可能となる。
【0012】上記局所導波領域の屈折率は、上記活性領
域の屈折率と略同一であっても良い。
【0013】また、本発明は、活性領域と、該活性領域
を両側から挟むクラッド領域と、該活性領域及び該クラ
ッド領域から構成された光導波路と、該光導波路の端部
を含み互いに略平行に設けられた前端面と後端面とを含
む光半導体素子であって、該活性領域が、それぞれが略
直線状の第1活性領域と第2活性領域と、該第1活性領
域と該第2活性領域とが所定の屈曲角で接続された屈曲
部とを含み、該屈曲角が180°より大きき側の該クラ
ッド領域に、該クラッド領域より屈折率の低い局所反射
強調領域が該屈曲部に隣接して設けられたことを特徴と
する光半導体素子でもある。かかる局所反射強調領域を
設けることにより、活性領域の屈曲部における放射損失
を低減することが可能となる。
【0014】また、本発明は、活性領域と、該活性領域
を両側から挟むクラッド領域と、該活性領域及び該クラ
ッド領域から構成された光導波路と、該光導波路の端部
を含み互いに略平行に設けられた前端面と後端面とを含
む光半導体素子であって、該活性領域が、それぞれが略
直線状の第1活性領域と第2活性領域と、該第1活性領
域と該第2活性領域とが所定の屈曲角で接続された屈曲
部とを含み、該活性領域が、該活性領域を伝搬する光を
該屈曲部で略全反射する反射面を含むことを特徴とする
光半導体素子でもある。かかる反射面を設けて、活性領
域を伝搬する光を略全反射させることにより、活性領域
の屈曲部における放射損失を低減することが可能とな
る。
【0015】上記反射面は、上記活性領域の一部を切り
取るように形成された平面からなることが好ましい。
【0016】また、本発明は、活性領域と、該活性領域
を両側から挟むクラッド領域と、該活性領域及び該クラ
ッド領域から構成された光導波路と、該光導波路の端部
を含み互いに略平行に設けられた前端面と後端面とを含
む光半導体素子であって、該光導波路の光軸が、該前端
面において該前端面の法線に対して傾斜するとともに、
該後端面において該後端面に対して略垂直となり、該光
導波路の光軸と該前端面との間の角が90°より大きい
側の、該活性領域と該前端面との間に、該クラッド領域
より屈折率の高い高屈折率領域が設けられたことを特徴
とする光半導体素子でもある。かかる高屈折率領域を設
けることにより、前端面における実質的な反射率を低減
することができる。
【0017】上記高屈折率領域の屈折率は、上記活性領
域の屈折率と略同一であっても良い。
【0018】また、本発明は、活性層と、該活性層を両
面から挟むクラッド層と、該活性層に設けられた光導波
路と、該活性層の両側に設けられた埋め込み層と、該光
導波路の端部を含み互いに略平行に設けられた前端面と
後端面とを含む光半導体素子であって、該光導波路が、
それぞれの光軸が略直線状の第1光導波路と第2光導波
路と、該第1光導波路と該第2光導波路とが所定の屈曲
角で接続された屈曲部とを含み、該屈曲角が180°よ
り小さい側の該埋め込み層に、該埋め込み層より屈折率
の高い局所導波領域が該屈曲部に隣接して設けられたこ
とを特徴とする光半導体素子でもある。このように、本
発明にかかる構造は、埋め込み構造の光半導体素子にも
適用が可能である。
【0019】また、本発明は、活性層と、該活性層を両
面から挟むクラッド層と、該活性層に設けられた光導波
路と、該活性層の両側に設けられた埋め込み層と、該光
導波路の端部を含み互いに略平行に設けられた前端面と
後端面とを含む光半導体素子であって、該光導波路が、
それぞれの光軸が略直線状の第1光導波路と第2光導波
路と、該第1光導波路と該第2光導波路とが所定の屈曲
角で接続された屈曲部とを含み、該屈曲角が180°よ
り大きき側の該埋め込み層に、該埋め込み層より屈折率
の低い局所反射強調領域が該屈曲部に隣接して設けられ
たことを特徴とする光半導体素子でもある。
【0020】また、本発明は、活性層と、該活性層を両
側から挟むクラッド層と、該活性層に設けられた光導波
路と、該活性層の両側に設けられた埋め込み層と、該光
導波路の端部を含み互いに略平行に設けられた前端面と
後端面とを含む光半導体素子であって、該光導波路の光
軸が、該前端面において該前端面の法線に対して傾斜す
るとともに、該後端面において該後端面に対して略垂直
となり、該光導波路の光軸と該前端面との間の角が90
°より大きい側の、該光導波路と該前端面との間に、該
埋め込み層より屈折率の高い高屈折率領域が設けられた
ことを特徴とする光半導体素子でもある。
【0021】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、本実施の
形態1にかかる、全体が200で表される半導体レーザ
であり、(a)に断面図、(b)に上面図を示す。
(a)は、(b)のI−I方向に見た場合の断面図であ
る。図1(a)に示すように、半導体レーザ200は、
n−GaAs基板1を含む。n−GaAs基板1上に
は、超格子バッファを含むバッファ層2を有する。バッ
ファ層2上には、n−AlGaAsクラッド層3、7、
n−AlGaAsグレーティングガイド層4、6に上下
から挟まれたInGaAs量子井戸活性層15が設けら
れている。n−AlGaAsクラッド層7は、リッジ部
7aを有する。n−AlGaAsクラッド層7の上に
は、Si絶縁膜9が設けられるとともに、リッジ
部7aの上には、p−GaAsキャップ層10が設けら
れる。更に、底面には、例えばTi−Pt−Auからな
るp側電極11が、上面には、例えばGe−Au−Ni
からなるn側電極12が、それぞれ形成されている。
【0022】図1(b)に示すように、半導体レーザ2
00は、前端面110、後端面120を有し、前端面1
10上には反射防止膜20、後端面120上には反射膜
21がそれぞれ設けられている。また、リッジ部7aは
屈曲部7bを有する2つの直線部7c、7dから形成さ
れている。前端面110の法線方向に対して、リッジ部
7cは傾斜角θだけ傾いている。傾斜角θは、3°未
満、好ましくは、1.5°より小さい角度となる。一
方、後端面120とリッジ部7aとは、略垂直に交わ
る。
【0023】図2は、図1(a)に示す半導体レーザ2
00を上面から見た場合の、等価屈折率の分布である。
図1(b)に示すように、クラッド領域5と、クラッド
領域5より屈折率の高い活性領域30により、光導波路
が形成される(以下の半導体レーザにおいても同
じ。)。また、図1(b)のような屈曲したリッジ部7
aを形成することにより、活性領域(ストライプ)30
は、屈曲部33で屈曲して接続された2つの直線部分3
1、32から形成される。前端面110において、光導
波路の光軸40(活性領域)は、前端面110の法線方
向から傾斜角θだけ傾いている。傾斜角θは、略3°未
満であり、好適には1.5°以下である。一方、後端面
120において、光導波路の光軸40は、後端面110
に対して略垂直となっている。
【0024】また、前端面110上には、反射防止膜2
0が形成されている。反射防止膜20は、例えば、アル
ミナ(Al)をλ/(4n)の厚さで(nはアル
ミナの屈折率)堆積させた無反射コーティング膜が用い
られる。一方、後端面120上に、例えばSiO/a
−Si/SiOのような多層膜からなる反射膜21が
形成されている。なお、以下の実施の形態においても、
反射防止膜20、反射膜21にはかかる構造の膜を用い
ることとする。
【0025】図3は、端面にコーティングを施さない場
合、即ち、劈開面を端面に用いた場合の端面反射率の傾
斜角依存性である。傾斜依存性を求めるにあたっては、
Marcuseの方法(D. Marcuse, "Reflection loss of las
er mode from tilted end mirror," IEEE J. Lightwave
Technol., Vol. 7, No. 2, pp. 336-339, 1989 参照)
を用いた。図3において、横軸は端面の法線方向から
の、光導波路の光軸の傾斜角θであり、縦軸は端面にお
ける反射率である。ここで、光の波長(λ)、真空中の
波数(k)、半導体レーザの等価屈折率
(neff)、活性領域30の屈折率(n)、クラッ
ド領域5の屈折率(n)、ストライプ(活性領域)の
幅(2T)は、それぞれ、0.98μm、2π/λ、
3.37232、3.37232、3.36950、及
び3.5μmとした。図3からわかるように、傾斜角θ
を大きくすると、反射率が単調に減少する。例えば、傾
斜角θを1°及び1.5°とした場合の反射率は、傾け
ない場合(傾斜角θが0の場合)に比べて、1/2.5
4及び1/7.21倍となり、それぞれ、約12%、約
4%となる。しかしながら、反射率を、1%以下の低反
射率にするためには、傾斜角θを2°以上にする必要が
ある。これは、端面が劈開面であるため、半導体結晶と
空気の境界で決まるフレネル反射率(約30%)が端面
に存在するからである。
【0026】これに対して、本実施の形態にかかる半導
体レーザ200では、前端面110に、例えば、膜厚λ
/(4n)(ここで、nはアルミナの屈折率)のアルミ
ナ(Al)からなる反射防止膜20を形成するこ
とにより、傾斜角θを小さくしながら、前端面110に
おける実効反射率を低減している。
【0027】図4に、劈開端面における、実効反射率の
傾斜角依存性を示す。(a)は反射防止膜を形成しない
場合であり、(b)は反射防止膜を形成した場合であ
る。傾斜角θを0とすると、反射防止膜を形成しない場
合(図4(a))の実効反射率はフレネル反射率の値で
ある約30%となるが、反射防止膜を形成した場合(図
4(a))の実効反射率は、2.4%まで低減できる。
従って、傾斜角θを1.0°とすると反射率は約0.8
%となり、また、傾斜角θを1.5°とすると反射率は
約0.3%となる。更には、傾斜角θを3.0°に近づ
けることにより、約0.1%以下の反射率を実現するこ
とができる。
【0028】このように、本実施の形態1にかかる半導
体レーザ200では、光導波路の光軸40を、前端面1
10の法線方向から所定の傾斜角θだけ傾斜させるとと
もに、前端面110上に反射防止膜20を形成すること
により、3°未満、更には1.5°以下の小さな傾斜角
θで、0.4%以下、特に0.1%以下の低反射率を実
現することができる。
【0029】なお、後端面120上には、例えばSiO
/a−Si/SiOのような多層膜からなる高反射
率の反射膜21が形成される。この結果、後端面120
での反射率が、フレネル反射率(約30%)を大きく超
える98%程度となり、高反射率を実現することができ
る。このため、高出力の半導体レーザが実現できる。
【0030】次に、半導体レーザ200の製造方法につ
いて、簡単に説明する。半導体レーザ200は、通常の
半導体レーザと同様の製造工程を用いて、GaAs基板
1上にバッファ層2からAlGaAsクラッド層7まで
形成する。続いて、AlGaAsクラッド層7をエッチ
ングしてリッジ部7aを形成する。かかる工程では、リ
ッジ部7aが、図1(b)ような形状になるように、A
lGaAsクラッド層7をエッチングする。エッチング
には、ドライエッチング法を用いることが好ましい。続
いて、従来と同様の工程で、Si膜9、電極1
1、12等を形成して半導体レーザ200が完成する。
【0031】本実施の形態にかかる半導体レーザ200
では、前端面の法線方向からの傾斜角θを3°未満に抑
えつつ、前端面における実質的な反射率を小さくするこ
とができる。このため、半導体レーザ200と回折格子
とを組み合わせて共振器を形成した場合に、良好な共振
を得ることができる。例えば、ファイバグレーティング
を用いた共振器を作製した場合、波長の安定が図れ、か
つ高出力の半導体レーザを提供できる。
【0032】また、光導波路の傾斜角θが3°未満であ
るため、前端面の法線と、前端面からの出射光のなす角
度も10°以下、好ましくは5°以下となる。従って、
半導体レーザ200と光ファイバとの接続(光軸合わ
せ)が容易となる。
【0033】また、前端面で反射して活性領域以外に吸
収される光の割合が減り、かかる前端面での損失を低減
できる。このため、しきい値電流が低く、高効率の半導
体レーザを提供できる。
【0034】実施の形態2.図5は、全体が210で表
される、本実施の形態にかかる半導体レーザの等価屈折
率の分布である。図5は、図2と同方向に見た場合の等
価屈折率の分布であり、図5中、図2と同一符号は、同
一又は相当箇所を示す。なお、以下に示す半導体レーザ
の等価屈折率の分布は、全て、図2と同方向に見た場合
の分布である。半導体レーザ210では、上述の半導体
レーザ200と同様に、屈曲した活性領域30が、クラ
ッド領域5の中に設けられている。但し、光導波路の光
軸が、前端面110の法線方向から傾く傾斜角θは、3
°以上であってもかまわない。活性領域30は、略直線
状の第1活性領域31と第2活性領域32とが、所定の
屈曲角で屈曲して接続された屈曲部33とを含み、屈曲
角が180°より小さい側のクラッド領域5に、クラッ
ド領域5より屈折率の高い局所導波領域50が屈曲部3
3に隣接して設けられている。なお、屈曲角は、第1活
性領域31と第2活性領域32との間の角度をいう。
【0035】屈曲部33を有する活性領域30では、屈
曲部33の外側(屈曲角が180°より大きい側)に向
かって光分布が偏り、光の放射が生じる。このため、屈
曲部33を有する活性領域30を半導体レーザに適用す
ると、かかる光の放射に起因する放射損失が発生する。
この結果、半導体レーザのしきい値電流の上昇や、発光
効率の低下の原因となっていた。
【0036】これに対して、本実施の形態2にかかる半
導体レーザ210では、屈曲角が180°より小さい側
のクラッド領域5に、クラッド領域5より屈折率の高い
局所導波領域50を隣接して設けることにより、活性領
域30を通る光を、局所導波領域50側に引き寄せるこ
ととした。この結果、屈曲部33において、活性領域3
0から外部に放射される光が低減され、屈曲部33にお
ける放射損失を小さくできる。
【0037】図1に示すように、活性領域30は、その
上方にリッジ部7aを設けることにより、クラッド領域
5中に形成することができるが、局所導波領域50とな
る領域の上方にもリッジ部7aを設けることにより、活
性領域30に隣接した局所導波領域50がクラッド領域
5中に形成できる。局所導波領域50の形状は、上方に
形成されるリッジ部7aの形状を変えることにより制御
できる。
【0038】次に、本発明の効果を明らかにするため
に、BPM(Beam Propagation Method,M.D. Feit and J.
A. Fleck,Jr., " Computation of mode properties in
optical fiber waveguides by a propagating beam met
hod," Appl. Opt., vol. 19,no. 7, pp. 1154-1164, 19
80 参照)を用いたシミュレーションを行う。
【0039】図6は、BPM法による解析に用いた半導
体レーザ211の等価屈折率の分布であり、図5とほぼ
同一の構造である。半導体レーザ211の共振器長L
は、1500μmである。活性領域30は、略直線状の
第1活性領域31と第2活性領域32とからなり、略中
央部に屈曲部33を有する。また、屈曲部33に隣接し
て、略三角形の局所導波領域50が設けられている。局
所導波領域50の長さは、屈曲部33から両方向にLz
ずつであり、活性領域(ストライプ)30の幅2Tは、
3.5μmである。また、傾斜角はθ、活性領域30の
屈折率を3.37232、その両側のクラッド領域5の
屈折率を3.36950、活性領域30を通る光の波長
λを0.98μmとする。また、局所導波領域50の屈
折率は、活性領域30の屈折率と同じとする。
【0040】局所導波領域50を設けた効果は、後端面
120から活性領域30に入射した基本モード光が、屈
曲部33を通過して前端面110に到達した時点で、傾
斜導波領域50の基本モードとどの程度結合するかの結
合効率で評価する。
【0041】図7は、局所導波領域50の長さLzと、
結合効率との関係であり、傾斜角θ(前端面の法線方向
からの、光導波路の光軸の傾き)は、0.5°、1.0
°、1.5°とする。局所導波領域50の長さLzを長
くすると、局所導波領域50がないとき(Lz=0)に
比べ、結合効率が高くなることが分かる。これは、局所
導波領域50の存在により、放射損失が低減しているた
めである。図7より、局所導波領域50の長さLzを略
200μm以上とすることにより、傾斜角θが0.5
°、1.0°、1.5°において良好な結合効率が得ら
れることがわかる。
【0042】図8は、全体が212で表される、本実施
の形態にかかる他の半導体レーザの等価屈折率の分布で
ある。半導体レーザ212は、上述の半導体レーザ21
1の前端面110、後端面120を覆うように、反射防
止膜20、反射膜21を形成したものである。
【0043】このように、反射防止膜20、反射膜21
をそれぞれの端面に形成することにより、光導波路の光
軸の傾斜角θを3°より小さくした場合でも、前端面1
10での反射率を低減することができる。また、局所導
波領域50を有することにより、活性領域30が屈曲部
33を有することに起因する放射損失を低減できる。
【0044】実施の形態3.図9は、全体が213で表
される、本実施の形態にかかる半導体レーザの等価屈折
率の分布であり、図9中、図2と同一符号は、同一又は
相当箇所を示す。半導体レーザ213では、上述の半導
体レーザ200と同じように屈曲した活性領域30が、
クラッド領域5の中に設けられている。但し、光導波路
の光軸(即ち、活性領域30の形成方向)が、前端面1
10の法線方向から傾く傾斜角θは、3°以上であって
もかまわない。更に、活性領域30の屈曲部33での屈
曲角が180°より大きくなった側に、活性領域30に
沿って、局所反射強調領域60が設けられている。局所
反射強調領域60の屈折率は、周囲のクラッド領域5よ
り低くなっている。
【0045】かかる局所反射強調領域60は、活性層1
5の上方のクラッド層7等をエッチングで除去すること
により、除去部下方の等価屈折率を低下させて形成す
る。即ち、リッジ部7aの屈曲部において、リッジ部7
aに隣接する領域をエッチングで除去することにより、
局所反射強調領域60が形成される。
【0046】上述のように、活性領域30が屈曲部33
を有する場合、かかる屈曲部33で活性領域30の外部
に光が放出され、放射損失が発生する。これに対して、
本実施の形態にかかる半導体レーザ213では、周囲の
クラッド領域5より屈折率の低い局所反射強調領域60
を、活性領域30に沿って設けることにより、活性領域
30とその周囲との屈折率の差を大きくしている。この
結果、屈曲部33で、活性領域30から局所反射強調領
域60に放射される光の量が抑制され、放射損失を低減
できる。これにより、しきい値電流が低く、発光効率の
高い半導体レーザ213の実現が可能となる。
【0047】図10は、全体が214で表される、本実
施の形態にかかる他の半導体レーザの等価屈折率の分布
である。半導体レーザ214は、上述の半導体レーザ2
13の前端面110、後端面120を覆うように、反射
防止膜20、反射膜21を形成したものである。
【0048】このように、反射防止膜20、反射膜21
をそれぞれの端面に形成することにより、光導波路の光
軸の傾斜角θを3°より小さくした場合でも、前端面1
10での反射率を低減することができる。また、局所反
射強調領域60を有することにより、活性領域30が屈
曲部33を有することに起因する放射損失を低減でき
る。
【0049】図11は、全体が215で表される、本実
施の形態にかかる他の半導体レーザの等価屈折率の分布
である。半導体レーザ215は、上述の半導体レーザ2
13が、更に、局所導波領域50を備える構造となって
いる。即ち、活性領域30の屈曲部33に隣接して、屈
曲角が180°より小さい側に局所導波領域50、屈曲
角が180°より大きい側に局所反射強調領域60がそ
れぞれ設けられている。
【0050】このように、半導体レーザ215では、前
端面110の法線方向から傾斜角θの活性領域30を有
することにより、前端面110から出射する光の反射率
を低減できるとともに、活性領域30の屈曲部33に、
局所導波領域50、局所反射強調領域60を有すること
により、活性領域30が屈曲部33を有することに起因
する放射損失を低減できる。
【0051】図12は、全体が216で表される、本実
施の形態にかかる他の半導体レーザの等価屈折率の分布
である。半導体レーザ216は、上述の半導体レーザ2
15が、更に、前端面110、後端面120を覆う反射
防止膜20、反射膜21を備える構造となっている。即
ち、活性領域30の屈曲部33に隣接して、局所導波領
域50、局所反射強調領域60がそれぞれ設けられると
ともに、端面110、120を覆うように、反射膜2
0、反射防止膜21が設けられている。
【0052】このように、半導体レーザ216が、前端
面110の法線方向から傾斜角θの活性領域30を有す
ることにより、前端面110から出射する光の反射率を
低減できるとともに、活性領域30の屈曲部33に、局
所導波領域50、局所反射強調領域60を有することに
より、活性領域30が屈曲部33を有することに起因す
る放射損失を低減できる。特に、反射防止膜20を備え
ることにより、傾斜角θが3°より小さい場合でも、前
端面110において低い反射率を得ることができる。
【0053】実施の形態4.図13は、全体が220で
表される、本実施の形態にかかる半導体レーザの等価屈
折率の分布である。図13中、図2と同一符号は、同一
又は相当箇所を示す。半導体レーザ220では、上述の
半導体レーザ200と同様に、屈曲した活性領域30
が、クラッド領域5の中に設けられている。光導波路の
光軸が、前端面110の法線方向から傾く傾斜角θは、
3°以上であってもかまわない。活性領域30は、略直
線状の第1活性領域31と第2活性領域32とが、所定
の屈曲角で屈曲して接続された屈曲部33とを含む。更
に、屈曲角が180°より大きい側の活性領域30が、
角度φ(φは、光導波路30の高軸と切取り面70との
間の角度)で切り取られ、切取り面70となっている。
即ち、屈曲部33において、活性領域30が、光軸方向
から角度φだけ傾いた切取り角度で切り取られ、切取り
面70となった構造となっている。
【0054】半導体レーザ220では、活性領域30が
前端面110の法線方向から傾斜角θだけ傾いていると
ともに、後端面120に対して略垂直となっている。ま
た、活性領域30は、屈曲部33で屈曲した構造となっ
ている。かかる構造では、前端面110では低反射率、
後端面120は高反射率とすることができるが、一方
で、屈曲部33において光の放射損失を生じる。半導体
レーザ220では、かかる放射損失を低減するために、
活性領域30の屈曲部33に切取り面70が設けられて
いる。
【0055】半導体レーザ220では、図13に示すよ
うに、直線状の活性領域30(第1活性領域31、第2
活性領域32)では、導波モードは伝搬定数βで後端面
120から前端面110に向かって進む。この場合、活
性領域30が切り取られる角度φが、
【0056】 (β/k)・sin((π/2)−φ)=ncl (1) 但し、k(=2π/λ、λは波長):真空中の波数 ncl:活性領域周囲のクラッド領域の屈折率
【0057】で表される式(1)を満たすと、屈曲部3
3の切取り面70で進行波は全反射となり、活性領域3
00の外側へ放射されなくなる。このように、切取り角
度φの切取り面70を設けることにより、活性領域30
の屈曲部33における放射損失が大幅に低減できる。
【0058】例えば、活性領域(ストライプ)30の幅
2Tを3.5μm、活性領域30の屈折率を3.372
32、活性領域30の周囲のクラッド領域5の屈折率を
3.36950、波長λを0.98μmとした場合、基
本モードのβ/kは、3.37131となり、活性領
域30を通る光が屈曲部33で全反射するために必要な
切取り角φは、1.88°となる。
【0059】このような、所定の切取り角φで切り取ら
れた切取り面70を有する活性領域30は、クラッド領
域5の上方に形成されるリッジ部7aを、切取り角φで
切り取った形状とすることにより作製できる。
【0060】このように、本実施の形態にかかる半導体
レーザ220では、活性領域30の屈曲部33におい
て、光軸方向から所定の角度φだけ傾いた切取り角度で
活性領域30が切り取られ、切取り面70が形成される
ことにより、活性領域30を通る光を切取り面70で全
反射させることができる。この結果、活性領域30の屈
曲部33における光の放射損失を低減し、しきい値電流
の低い半導体レーザを提供することができる。
【0061】図14は、全体が221で表される、本実
施の形態にかかる他の半導体レーザの等価屈折率の分布
である。半導体レーザ221は、上述の半導体レーザ2
20が、更に、前端面110、後端面120を覆う反射
防止膜20、反射膜21を備える構造となっている。こ
のように、半導体レーザ221が、切取り面70を有す
ることにより、活性領域30の屈曲部33での放射損失
を低減できる。更に、反射防止膜20を前端面110に
備えることにより、前端面110での反射率を低減でき
る。特に、傾斜角θが3°より小さい場合でも、低反射
率を実現できる。また、反射膜21を有することによ
り、高出力の半導体レーザ221を実現できる。
【0062】図15は、全体が222で表される、本実
施の形態にかかる他の半導体レーザの等価屈折率の分布
である。半導体レーザ222は、上述の半導体レーザ2
20が、更に、局所導波領域50を有する構造になって
いる。半導体レーザ222では、活性領域30が所定の
角度φで切り取られた切取り面70を有するため、切取
り面70で光が全反射する。例えば、活性領域(ストラ
イプ)30の幅2Tを3.5μm、活性領域30の屈折
率を3.37232、活性領域30周囲のクラッド領域
5の屈折率を3.36950、波長λを1.3μmとす
ると、上述の式(1)において、基本モードのβ/k
は3.37097となり、切取り角φは1.69°とな
る。
【0063】このように、本実施の形態にかかる半導体
レーザ222では、活性領域30の屈曲部33において
切取り面70が形成されることにより、活性領域30を
通る光を切取り面70で全反射させることができる。ま
た、局所導波領域50を有することによっても、外部へ
の光の放射を抑えることができる。この結果、活性領域
30の屈曲部33における光の放射損失を低減し、しき
い値電流が低く、高効率の半導体レーザを提供すること
ができる。
【0064】図16は、全体が223で表される、本実
施の形態にかかる他の半導体レーザの等価屈折率の分布
である。半導体レーザ223は、上述の半導体レーザ2
22が、更に、反射防止膜20、反射膜21を有する構
造になっている。
【0065】このように、本実施の形態にかかる半導体
レーザ223では、活性領域30の屈曲部33において
切取り面70、及び局所導波領域50を有することによ
り、活性領域30の屈曲部33における光の放射損失を
低減し、しきい値電流の低い半導体レーザを提供するこ
とができる。更に、反射防止膜20を前端面110に備
えることにより、前端面110での反射率を低減でき
る。特に、傾斜角θが3°より小さい場合でも、低反射
率を実現できる。また、反射膜21を後端面120に備
えることにより、半導体レーザの高出力化が可能とな
る。
【0066】実施の形態5.図17は、全体が230で
表される、本実施の形態にかかる半導体レーザの等価屈
折率の分布である。図17中、図2と同一符号は、同一
又は相当箇所を示す。半導体レーザ230では、上述の
半導体レーザ200と同様に、屈曲した活性領域30
が、クラッド領域5の中に設けられている。但し、光導
波路の光軸が、前端面110の法線方向から傾く傾斜角
θは、3°以上であってもかまわない。活性領域30
は、略直線状の第1活性領域31と第2活性領域32と
が、所定の屈曲角で屈曲して接続された屈曲部33とを
含む。更に、クラッド領域5よりも屈折率の高い高屈折
率領域80が、前端面110に、活性領域30に沿って
設けられている。高屈折率領域80は、前端面110
と、活性領域30の光軸との間の角度が、90°より大
きい側のクラッド領域5中に設けられている。なお、高
屈折率領域80の屈折率は、活性領域30の屈折率と同
じであることが好ましい。
【0067】一般に、光は屈折率の高い領域に引き寄せ
られる。従って、図17に示すように、前端面110近
傍において、前端面110と活性領域30の光軸との交
差角度が90°より大きい側に、クラッド領域5より屈
折率の大きい高屈折率領域80を設けると、活性領域3
0を通る光は、高屈折率領域80側に引き寄せられる。
このため、前端面110で反射された光が、活性領域
(ストライプ)30に結合し難くなり、前端面110の
実質的な反射率が低減できる。
【0068】このような、高屈折率領域80は、活性層
15の上方に形成されるリッジ部7aを、高屈折率領域
80の上方にも形成することにより作製できる。
【0069】図18は、全体が231で表される、本実
施の形態にかかる他の半導体レーザの等価屈折率の分布
である。半導体レーザ231は、上述の半導体レーザ2
30が、更に、反射防止膜20、反射膜21を有する構
造になっている。
【0070】このように、本実施の形態にかかる半導体
レーザ231では、高屈折率領域80を有することによ
り、前端面110の反射率が低減できる。更に、反射防
止膜20を前端面110に備えることによっても、前端
面110での反射率を低減できる。特に、傾斜角θが3
°より小さい場合でも、低反射率を実現できる。
【0071】図19は、全体が232で表される、本実
施の形態にかかる他の半導体レーザの等価屈折率の分布
である。半導体レーザ232は、上述の半導体レーザ2
30が、更に、局所導波領域50を備える構造となって
いる。
【0072】このように、本実施の形態にかかる半導体
レーザ232では、高屈折率領域80を有することによ
り、前端面110での反射率が低減できる。また、局所
導波領域50を有することによって、外部への光の放射
を抑えることができる。この結果、活性領域30の屈曲
部33における光の放射損失を低減し、しきい値電流が
低く、高効率の半導体レーザを提供することができる。
【0073】図20は、全体が233で表される、本実
施の形態にかかる他の半導体レーザの等価屈折率の分布
である。半導体レーザ233は、上述の半導体レーザ2
32が、更に、端面110、120上に反射防止膜2
0、反射膜21を備える構造となっている。
【0074】かかる半導体レーザ233では、高屈折率
領域80を有することにより、前端面110の反射率が
低減できる。また、局所導波領域50を有することによ
っても、外部への光の放射を抑えることができる。更
に、反射防止膜20を有することにより、前端面110
での反射率を低減できる。特に、傾斜角θが3°より小
さい場合でも、低反射率を実現できる。また、反射膜2
1を有することにより、半導体レーザの出力を高くでき
る。
【0075】図21は、全体が234で表される、本実
施の形態にかかる他の半導体レーザの等価屈折率の分布
である。半導体レーザ234は、上述の半導体レーザ2
30が、更に、局所反射強調領域60を備える構造とな
っている。
【0076】かかる半導体レーザ234では、高屈折率
領域80を有することにより、前端面110の反射率が
低減できる。また、局所反射強調領域60を有すること
によっても、外部への光の放射を抑えることができる。
従って、前端面110での反射率が低く、活性領域30
の屈曲部33での放射損失が低減された半導体レーザの
提供が可能となる。
【0077】図22は、全体が235で表される、本実
施の形態にかかる他の半導体レーザの等価屈折率の分布
である。半導体レーザ235は、上述の半導体レーザ2
34が、更に、端面110、120に、反射防止膜2
0、反射膜21を備える構造となっている。
【0078】かかる半導体レーザ235では、高屈折率
領域80を有することにより、前端面110の反射率が
低減できる。また、局所反射強調領域60を有すること
によっても、外部への光の放射を抑えることができる。
更に、反射防止膜20を有することにより、前端面11
0での反射率をより低減できる。また、反射膜21を有
することにより、半導体レーザの出力を高くできる。従
って、前端面110での反射率が低く、活性領域30の
屈曲部33での放射損失が低減された高出力の半導体レ
ーザの提供が可能となる。
【0079】図23は、全体が236で表される、本実
施の形態にかかる他の半導体レーザの等価屈折率の分布
である。半導体レーザ236は、上述の半導体レーザ2
30が、局所導波領域50と局所反射強調領域60の双
方を有する構造となっている。
【0080】かかる半導体レーザ236では、高屈折率
領域80を有することにより、前端面110の反射率が
低減できる。また、局所導波領域50と局所反射強調領
域60の双方を有することにより、屈曲部33での放射
損失を大幅に低減することができる。従って、前端面1
10での反射率が低く、活性領域30の屈曲部33での
放射損失が低減された半導体レーザの提供が可能とな
る。
【0081】図24は、全体が237で表される、本実
施の形態にかかる他の半導体レーザの等価屈折率の分布
である。半導体レーザ237は、上述の半導体レーザ2
36が、更に、端面110、120に、反射防止膜2
0、反射膜21を有する構造となっている。
【0082】かかる半導体レーザ237では、高屈折率
領域80を有するとともに、反射防止膜20を有するこ
とにより、前端面110の反射率が更に低減できる。ま
た、局所導波領域50と局所反射強調領域60の双方を
有することにより、屈曲部33での放射損失を大幅に低
減することができる。更に、後端面120に反射膜21
を有することにより、半導体レーザの高出力化が可能と
なる。従って、前端面110での反射率が低く、活性領
域30の屈曲部33での放射損失が低減された、高出力
の半導体レーザの提供が可能となる。
【0083】図25は、全体が238で表される、本実
施の形態にかかる他の半導体レーザの等価屈折率の分布
である。半導体レーザ238は、上述の半導体レーザ2
30が、切取り面70を有する構造となっている。
【0084】かかる半導体レーザ238では、高屈折率
領域80を有することにより、前端面110の反射率が
低減できる。また、切取り面70を有することにより、
屈曲部33での放射損失を低減することができる。従っ
て、前端面110での反射率が低く、活性領域30の屈
曲部33での放射損失が低減された半導体レーザの提供
が可能となる。
【0085】図26は、全体が239で表される、本実
施の形態にかかる他の半導体レーザの等価屈折率の分布
である。半導体レーザ239は、上述の半導体レーザ2
38が、更に、端面110、120に、反射防止膜2
0、反射膜21を有する構造となっている。
【0086】かかる半導体レーザ239では、高屈折率
領域80と反射防止膜20とを有することにより、前端
面110の反射率が大幅に低減できる。また、切取り面
70を有することにより、屈曲部33での放射損失を低
減することができる。更に、後端面120に反射膜21
を有することにより、半導体レーザの高出力化が可能と
なる。従って、前端面110での反射率が低く、活性領
域30の屈曲部33での放射損失が低減された、高出力
の半導体レーザの提供が可能となる。
【0087】図27は、全体が240で表される、本実
施の形態にかかる他の半導体レーザの等価屈折率の分布
である。半導体レーザ240は、上述の半導体レーザ2
30が、更に、屈曲部33において、局所導波領域50
と切取り面70を有する構造となっている。
【0088】かかる半導体レーザ240では、高屈折率
領域80を有することにより、前端面110の反射率が
低減できる。また、局所導波領域50と切取り面70と
を屈曲部33に有することにより、屈曲部33での放射
損失を大幅に低減することができる。従って、前端面1
10での反射率が低く、活性領域30の屈曲部33での
放射損失が低減された導体レーザの提供が可能となる。
【0089】図28は、全体が241で表される、本実
施の形態にかかる他の半導体レーザの等価屈折率の分布
である。半導体レーザ241は、上述の半導体レーザ2
40が、更に、端面110、120に、反射防止膜2
0、反射膜21を有する構造となっている。
【0090】かかる半導体レーザ241では、反射防止
膜20、高屈折率領域80を有することにより、前端面
110の反射率が大幅に低減できる。また、局所導波領
域50と切取り面70とを屈曲部33に有することによ
り、屈曲部33での放射損失を大幅に低減することがで
きる。更に、反射膜21を後端面120に有することに
より、半導体レーザの高出力化が可能となる。従って、
前端面110での反射率が低く、活性領域30の屈曲部
33での放射損失が低減された高出力の半導体レーザの
提供が可能となる。
【0091】なお、上記実施の形態1〜5では、InG
aAs層を活性層15に用いた場合について説明した
が、GaAs層を活性層に用いることも可能である。
【0092】また、基板等に他の半導体材料を用いても
かまわない。例えば、InP基板を用いたInGaAs
P/InP系の半導体レーザとしても構わない。
【0093】また、上記実施の形態では、リッジ型半導
体レーザについて説明したが、埋め込み型半導体レーザ
のような他の屈折率導波型の半導体レーザにも適用可能
である。かかる埋め込み型半導体レーザでは、活性層1
5の両側(図1のy軸方向側)に埋め込み層が形成さ
れ、埋め込み層中に、局所導波領域50、局所反射強調
領域60、高屈折率領域80が形成される。
【0094】更には、半導体レーザだけでなく、スーパ
ールミネッセンスダイオード等の他の光半導体素子に適
用することも可能である。
【0095】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
にかかる光半導体素子では、前端面における実質的な反
射率を小さくすることができる。
【0096】特に、前端面の法線方向からの、光導波路
の光軸の傾斜角θを3°未満に抑えつつ、前端面におけ
る反射率を1%以下、更には、0.1%以下にできる。
【0097】また、本発明にかかる光半導体素子では、
光導波路を構成する活性領域(ストライプ)の屈曲部に
おける放射損失の軽減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1にかかる光半導体素子
の断面図、及び上面図である。
【図2】 本発明の実施の形態1にかかる光半導体素子
の等価屈折率の分布である。
【図3】 光導波路の傾斜角θと前端面における反射率
との関係である。
【図4】 光導波路の傾斜角θと前端面における反射率
との関係である。
【図5】 本発明の実施の形態2にかかる光半導体素子
の等価屈折率の分布である。
【図6】 本発明の実施の形態2にかかる他の光半導体
素子の等価屈折率の分布である。
【図7】 局所導波領域長と結合効率との関係である。
【図8】 本発明の実施の形態2にかかる他の光半導体
素子の等価屈折率の分布である。
【図9】 本発明の実施の形態3にかかる光半導体素子
の等価屈折率の分布である。
【図10】 本発明の実施の形態3にかかる他の光半導
体素子の等価屈折率の分布である。
【図11】 本発明の実施の形態3にかかる他の光半導
体素子の等価屈折率の分布である。
【図12】 本発明の実施の形態3にかかる他の光半導
体素子の等価屈折率の分布である。
【図13】 本発明の実施の形態4にかかる光半導体素
子の等価屈折率の分布である。
【図14】 本発明の実施の形態4にかかる他の光半導
体素子の等価屈折率の分布である。
【図15】 本発明の実施の形態4にかかる他の光半導
体素子の等価屈折率の分布である。
【図16】 本発明の実施の形態4にかかる他の光半導
体素子の等価屈折率の分布である。
【図17】 本発明の実施の形態5にかかる光半導体素
子の等価屈折率の分布である。
【図18】 本発明の実施の形態5にかかる他の光半導
体素子の等価屈折率の分布である。
【図19】 本発明の実施の形態5にかかる他の光半導
体素子の等価屈折率の分布である。
【図20】 本発明の実施の形態5にかかる他の光半導
体素子の等価屈折率の分布である。
【図21】 本発明の実施の形態5にかかる他の光半導
体素子の等価屈折率の分布である。
【図22】 本発明の実施の形態5にかかる他の光半導
体素子の等価屈折率の分布である。
【図23】 本発明の実施の形態5にかかる他の光半導
体素子の等価屈折率の分布である。
【図24】 本発明の実施の形態5にかかる他の光半導
体素子の等価屈折率の分布である。
【図25】 本発明の実施の形態5にかかる他の光半導
体素子の等価屈折率の分布である。
【図26】 本発明の実施の形態5にかかる他の光半導
体素子の等価屈折率の分布である。
【図27】 本発明の実施の形態5にかかる他の光半導
体素子の等価屈折率の分布である。
【図28】 本発明の実施の形態5にかかる他の光半導
体素子の等価屈折率の分布である。
【図29】 従来の半導体レーザモジュールである。
【図30】 従来のスーパールミネッセンスダイオード
の斜視図である。
【図31】 従来のスーパールミネッセンスダイオード
の等価屈折率の分布である。
【符号の説明】
5 クラッド領域、20 反射防止膜、21 反射膜、
30 活性領域(ストライプ)、31 第1活性領域、
32 第2活性領域、33 屈曲部、40 光軸、11
0 前端面、120 後端面、200 半導体レーザ。
フロントページの続き Fターム(参考) 5F041 AA14 AA39 CA14 CA36 CA74 CB05 CB11 5F073 AA74 AA83 AB28 BA02 CA07 CB09 CB20 CB22 EA29

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性領域と、該活性領域を両側から挟む
    クラッド領域と、該活性領域及び該クラッド領域から構
    成された光導波路と、該光導波路の端部を含み互いに略
    平行に設けられた前端面と後端面とを含む光半導体素子
    であって、 該光導波路の光軸が、該前端面において該前端面の法線
    に対して略3°未満の傾斜角で傾くとともに、該後端面
    において該後端面に対して略垂直となり、更に、該前端
    面が反射防止膜で覆われたことを特徴とする光半導体素
    子。
  2. 【請求項2】 上記傾斜角が、略1.5°以下であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の光半導体素子。
  3. 【請求項3】 上記活性領域が、それぞれが略直線状の
    第1活性領域と第2活性領域と、該第1活性領域と該第
    2活性領域とが所定の屈曲角で接続された屈曲部とを含
    むことを特徴とする請求項1又は2に記載の光半導体素
    子。
  4. 【請求項4】 活性領域と、該活性領域を両側から挟む
    クラッド領域と、該活性領域及び該クラッド領域から構
    成された光導波路と、該光導波路の端部を含み互いに略
    平行に設けられた前端面と後端面とを含む光半導体素子
    であって、 該活性領域が、それぞれが略直線状の第1活性領域と第
    2活性領域と、該第1活性領域と該第2活性領域とが所
    定の屈曲角で接続された屈曲部とを含み、該屈曲角が1
    80°より小さい側の該クラッド領域に、該クラッド領
    域より屈折率の高い局所導波領域が該屈曲部に隣接して
    設けられたことを特徴とする光半導体素子。
  5. 【請求項5】 上記局所導波領域の屈折率が、上記活性
    領域の屈折率と略同一であることを特徴とする請求項4
    に記載の光半導体素子。
  6. 【請求項6】 活性領域と、該活性領域を両側から挟む
    クラッド領域と、該活性領域及び該クラッド領域から構
    成された光導波路と、該光導波路の端部を含み互いに略
    平行に設けられた前端面と後端面とを含む光半導体素子
    であって、 該活性領域が、それぞれが略直線状の第1活性領域と第
    2活性領域と、該第1活性領域と該第2活性領域とが所
    定の屈曲角で接続された屈曲部とを含み、該屈曲角が1
    80°より大きき側の該クラッド領域に、該クラッド領
    域より屈折率の低い局所反射強調領域が該屈曲部に隣接
    して設けられたことを特徴とする光半導体素子。
  7. 【請求項7】 活性領域と、該活性領域を両側から挟む
    クラッド領域と、該活性領域及び該クラッド領域から構
    成された光導波路と、該光導波路の端部を含み互いに略
    平行に設けられた前端面と後端面とを含む光半導体素子
    であって、 該活性領域が、それぞれが略直線状の第1活性領域と第
    2活性領域と、該第1活性領域と該第2活性領域とが所
    定の屈曲角で接続された屈曲部とを含み、該活性領域
    が、該活性領域を伝搬する光を該屈曲部で略全反射する
    反射面を含むことを特徴とする光半導体素子。
  8. 【請求項8】 上記反射面が、上記活性領域の一部を切
    り取るように形成された平面からなることを特徴とする
    請求項7に記載の光半導体素子。
  9. 【請求項9】 活性領域と、該活性領域を両側から挟む
    クラッド領域と、該活性領域及び該クラッド領域から構
    成された光導波路と、該光導波路の端部を含み互いに略
    平行に設けられた前端面と後端面とを含む光半導体素子
    であって、 該光導波路の光軸が、該前端面において該前端面の法線
    に対して傾斜するとともに、該後端面において該後端面
    に対して略垂直となり、該光導波路の光軸と該前端面と
    の間の角が90°より大きい側の、該活性領域と該前端
    面との間に、該クラッド領域より屈折率の高い高屈折率
    領域が設けられたことを特徴とする光半導体素子。
  10. 【請求項10】 上記高屈折率領域の屈折率が、上記活
    性領域の屈折率と略同一であることを特徴とする請求項
    9に記載の光半導体素子。
  11. 【請求項11】 活性層と、該活性層を両面から挟むク
    ラッド層と、該活性層に設けられた光導波路と、該活性
    層の両側に設けられた埋め込み層と、該光導波路の端部
    を含み互いに略平行に設けられた前端面と後端面とを含
    む光半導体素子であって、 該光導波路が、それぞれの光軸が略直線状の第1光導波
    路と第2光導波路と、該第1光導波路と該第2光導波路
    とが所定の屈曲角で接続された屈曲部とを含み、該屈曲
    角が180°より小さい側の該埋め込み層に、該埋め込
    み層より屈折率の高い局所導波領域が該屈曲部に隣接し
    て設けられたことを特徴とする光半導体素子。
  12. 【請求項12】 活性層と、該活性層を両面から挟むク
    ラッド層と、該活性層に設けられた光導波路と、該活性
    層の両側に設けられた埋め込み層と、該光導波路の端部
    を含み互いに略平行に設けられた前端面と後端面とを含
    む光半導体素子であって、 該光導波路が、それぞれの光軸が略直線状の第1光導波
    路と第2光導波路と、該第1光導波路と該第2光導波路
    とが所定の屈曲角で接続された屈曲部とを含み、該屈曲
    角が180°より大きき側の該埋め込み層に、該埋め込
    み層より屈折率の低い局所反射強調領域が該屈曲部に隣
    接して設けられたことを特徴とする光半導体素子。
  13. 【請求項13】 活性層と、該活性層を両側から挟むク
    ラッド層と、該活性層に設けられた光導波路と、該活性
    層の両側に設けられた埋め込み層と、該光導波路の端部
    を含み互いに略平行に設けられた前端面と後端面とを含
    む光半導体素子であって、 該光導波路の光軸が、該前端面において該前端面の法線
    に対して傾斜するとともに、該後端面において該後端面
    に対して略垂直となり、該光導波路の光軸と該前端面と
    の間の角が90°より大きい側の、該光導波路と該前端
    面との間に、該埋め込み層より屈折率の高い高屈折率領
    域が設けられたことを特徴とする光半導体素子。
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