JP2011211125A - 窒化物半導体発光素子、窒化物半導体発光素子の製造方法、画像表示装置用光源、および画像表示装置 - Google Patents

窒化物半導体発光素子、窒化物半導体発光素子の製造方法、画像表示装置用光源、および画像表示装置 Download PDF

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Mitsuki Matsudate
みつき 松舘
Masateru Oya
昌輝 大矢
Koichi Nanbae
宏一 難波江
Ichiro Masumoto
一郎 増本
Shunsuke Nozu
俊介 野津
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Abstract

【課題】 屈曲形状の導波路構造によりレーザ発振が抑制されており、かつ低損失で高出力である窒化物半導体発光素子を提供する。
【解決手段】 活性層と、電流狭窄層108と、クラッド層とが、前記順序で積層され、
前記電流狭窄層108の一部に、開口埋め込み部が形成され、
前記開口埋め込み部は、少なくとも一部が屈曲した導波路形状を有し、かつ、前記クラッド層の少なくとも一部により埋め込まれていることを特徴とする窒化物半導体発光素子。
【選択図】 図2

Description

本発明は、窒化物半導体発光素子、窒化物半導体発光素子の製造方法、画像表示装置用光源、および画像表示装置に関する。
半導体レーザを光源に用いたプロジェクション型のレーザディスプレイの開発が精力的に進められている。レーザは、従来のランプ光源に比べ単色性が高く、色再現性に優れたディスプレイを実現できる。また、レーザ光は指向性に優れているため、光の利用効率も高い。さらに、小型で高効率かつ発光ビーム品質に優れた半導体レーザ(LD)を光源として用いれば、更なる低消費電力化や装置の小型化が可能になるため、ディスプレイ用可視半導体レーザ光源の実用化が期待されている。
しかしながら、レーザ光は、位相が揃っており高コヒーレンス性を有する。このため、スクリーンに投射されたレーザ光がランダムに干渉することにより、スペックルと呼ばれるちらつきが生じることが知られている。これが、レーザディスプレイを実現する上で大きな問題となっている。
このようなスペックルを抑制するためには、レーザ光の時間的コヒーレンスの低減が必要である。時間的コヒーレンスを低減する手法の一つとして、例えば、位相を空間的にランダムにするための空間位相変調器を光源の外に設けたり、複数の光源からの光を集光したりする方法などがある。このような方法は、大型のディスプレイへの応用には有効である。しかしながら、半導体レーザの特性を活かした小型ディスプレイへの応用には、コスト低減の観点からも、より簡素な構成が望ましい。このため、単体でスペックルを低減でき、かつレーザのように単色性や指向性に優れた小型の光源が求められる。
スペックルの低減を光源単体で実現するためには、発光波長幅を拡大することが有効である。例えば、発光ダイオード(LED)では、半導体レーザよりも発光波長幅が遙かに広いため、スペックルは問題とならない。しかしながら、LEDはスペクトル幅が広すぎるため単色性の面で問題があり、また、発光ビームに指向性がないため、小型・低消費電力のディスプレイには不向きである。
これらの課題を解決可能であり、ディスプレイ用途に有望な半導体光源として、スーパールミネッセントダイオード(SLD)がある。SLDは、半導体レーザと同様な導波路構造を有しながら、何らかの手段により光損失を増加させて発振を抑制したデバイスである。SLDは、導波路構造により半導体レーザの様に指向性ビームを発することができ、また発振が抑制されているため時間的コヒーレンス性は低減されている。また、導波路構造によって活性層により増幅・損失の効果を受けるため、LEDよりも波長幅を狭くすることができ、単色性の面でもLEDに比べて有利である。さらに、可視光以外の波長域においても、例えば、高速変調を行うための半導体発光素子として、レーザ発振を抑制したSLDが注目されている(特許文献1等)。
SLDを高効率化するための構造として、例えば、特許文献1に記載されている赤外波長帯のリッジ型SLDの構造がある。図17は、特許文献1のSLDにおいて、導波路に垂直なリッジ構造の断面図である。図示のとおり、この素子(SLD)は、GaAs基板1を有し、基板1上に、n型バッファ層2、n型クラッド層3、SCH層4、多重量子井戸層5、SCH層6、p型クラッド層7、エッチング停止層8、p型クラッド層9、およびp型コンタクト層10が前記順序で積層されている。また、p型クラッド層9およびp型コンタクト層10は、尾根状になるように、ウェットエッチングにより一部が除去されている。また、このSLDの上部には保護膜11およびp側電極12が設けられ、基板1の裏面にはn側電極14が設けられている。このような構造では、p型クラッド層9の一部を除去することによって、導波路が規定されている。このようなSLDの平面構造の概略は、例えば、図18のように表すことができる。特許文献1に記載の素子では、図18のように、リッジ型の曲がり導波路を用いて出射面を斜め端とし、後面を垂直端面としている。同図に示す導波路は、垂直端面を有する直線部A、斜め端面を有する直線部B、およびこれらを接続する屈曲部から構成されている。同図のSLDにおいて、出射端面は導波路と垂直でない斜め端となっており、実効的な反射率を低減して発振を抑制する効果がある。一方、前記出射端面と反対側の後端面は、垂直端面である。すなわち、前記後端面は、反射面である。これにより、前記後端面での出力を抑えると共に有効導波路長を長くし、SLD出力を改善することができる。さらに反射面の特性を高めるために、図示のように、出射端面には無反射膜コート、後端面には高反射膜コートをそれぞれ設けることもできる。
一方、半導体発光素子の高性能化等の観点から、窒化物半導体発光素子の研究が盛んに行われている(特許文献2等)。
特開2002−076432号公報 特開平9−260772号公報
しかしながら、特許文献1のような屈曲形状の導波路構造を窒化物半導体発光素子に適用するには、以下のような課題がある。
一般に、窒化物系LDの多くでは、例えば特許文献2に示されるようなリッジ型の導波路構造が用いられており、光ディスク用途の波長帯では良好な特性のLDが実現されている。しかし、リッジ型導波路で上記SLDに用いるような曲線の導波路を形成することは容易ではない。すなわち、まず、窒化物系材料(窒化物半導体)は、結晶硬度が高いため、ウェットエッチングが困難である。このため、窒化物半導体におけるリッジ形成には、ハロゲン系ガスなどによるドライエッチングが用いられる。また、高い結晶硬度に対しエッチング速度を維持するには、高パワーでのエッチングが必要となる。こうした条件下では、リッジ側面に凹凸が生じたり、エッチングされた底面や活性層がダメージを受けたりすることが懸念される。このような側面の凹凸やダメージは、直線導波路のみで構成されるLDでは実用上ほとんど問題にならず、リッジ型構造でも良好な特性のものが実現できている。しかし、SLDに用いる曲線導波路においては、前記側面の凹凸やダメージが、素子特性にも影響する大きい問題となることが懸念される。
通常、LDなどの直線導波路のモード分布は、導波路の中心にピークを持つ対称な形である。一方、曲線導波路内でのモード分布は、導波路中心よりも曲線の外側にピークが寄った非対称な形状となる。このため、前記外側のリッジ側面ではモードの浸み出しにより電界強度が高くなっている。
よって、前記外側のリッジ側面の凹凸が散乱損失の原因になったり、ダメージによる光吸収が増加したりする懸念が生じ、素子特性への影響が懸念される。また、素子収量の観点からは、素子面積低減のため、曲線部を縮小したり曲率を小さくしたりする必要が生じる場合があるが、曲率を小さくするほどこうした損失増加の傾向は大きくなってしまう。また、曲線部のエッチングにおいては、エッチング速度の結晶面方位依存性によっても凹凸が生じやすく、平滑な曲面のリッジ側面を得ることが困難である。
また、曲線部の放射損失を低く保つためには、導波路内外の屈折率差Δnを大きくする必要がある。導波路内外の屈折率差Δnは、例えば、リッジ形成時のエッチング深さによって制御することができる。リッジ導波路でΔnを制御する場合は、エッチング時の残し厚マージンが小さくなるため、エッチング深さの精密な制御が必要とされる。しかし、窒化物系材料(窒化物半導体)のドライエッチングでは、選択エッチングが難しく、エッチング自動停止層を設けるといった従来材料(GaAs等)での手法は適用しがたい。また、層構造の厚さや、プロセス時のエッチング速度を、時間的・空間的に均一に保ってΔnを制御することは容易ではない。すなわち、窒化物系材料におけるリッジ型導波路のSLDでは、曲線導波路での光損失が高くなり、十分な特性が得られなくなってしまうという懸念がある。
そこで、本発明は、屈曲形状の導波路構造によりレーザ発振が抑制されており、かつ低損失で高出力である窒化物半導体発光素子、窒化物半導体発光素子の製造方法、画像表示装置用光源、および画像表示装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の窒化物半導体発光素子は、活性層と、電流狭窄層と、クラッド層とが、前記順序で積層され、前記電流狭窄層の一部に、開口埋め込み部が形成され、前記開口埋め込み部は、少なくとも一部が屈曲した導波路形状を有し、かつ、前記クラッド層の少なくとも一部により埋め込まれていることを特徴とする。
本発明の窒化物半導体発光素子の製造方法は、
活性層を形成する活性層形成工程と、
電流狭窄層の前駆層を、非晶質層として形成する電流狭窄層前駆層形成工程と、
前記電流狭窄層前駆層の一部をエッチングにより除去し、少なくとも一部が屈曲した導波路形状の開口部を形成する開口部形成工程と、
前記開口部を埋め込むようにクラッド層を形成するクラッド層形成工程とを有し、
前記クラッド層形成工程において、前記電流狭窄層前駆層の結晶化温度以上で前記クラッド層を形成することにより、前記電流狭窄層前駆層を結晶化させ、電流狭窄層とすることを特徴とする。
本発明の画像表示装置用光源は、本発明の窒化物半導体発光素子または本発明の製造方法により製造される窒化物半導体発光素子を含むことを特徴とする。
本発明の画像表示装置は、本発明の画像表示装置用光源を含むことを特徴とする。
本発明によれば、屈曲形状の導波路構造によりレーザ発振が抑制されており、かつ低損失で高出力である窒化物半導体発光素子、窒化物半導体発光素子の製造方法、画像表示装置用光源、および画像表示装置を提供することが可能である。
第1の実施形態に係る窒化物半導体発光素子の導波路に垂直な面の断面図である。 第1の実施形態に係る窒化物半導体発光素子の平面図である。 第1の実施形態に係る窒化物半導体発光素子の製造工程の一工程を模式的に例示する断面図である。 第1の実施形態に係る窒化物半導体発光素子の製造工程の別の一工程を模式的に例示する断面図である。 第1の実施形態に係る窒化物半導体発光素子の製造工程のさらに別の一工程を模式的に例示する断面図である。 第1の実施形態に係る窒化物半導体発光素子の製造工程のさらに別の一工程を模式的に例示する断面図である。 第1の実施形態に係る窒化物半導体発光素子の製造工程のさらに別の一工程を模式的に例示する平面図である。 第2の実施形態に係る窒化物半導体発光素子の導波路に垂直な面の断面図である。 第3の実施形態に係る窒化物半導体発光素子の平面図である。 第4の実施形態に係る窒化物半導体発光素子の平面図である。 第4の実施形態に係る窒化物半導体発光素子の導波路に垂直な面の断面図である。 第5の実施形態に係る窒化物半導体発光素子の導波路に垂直な面の断面図である。 第6の実施形態に係る窒化物半導体発光素子の平面図である。 第6の実施形態に係る窒化物半導体発光素子の導波路に垂直な面の断面図である。 第7の実施形態にかかる窒化物半導体発光素子の平面図である。 第7の実施形態にかかる窒化物半導体発光素子の導波路に垂直な面の断面図である。 第8の実施形態にかかる窒化物半導体発光素子の導波路に垂直な面の断面図である。 第9の実施形態にかかる窒化物半導体発光素子の平面図である。 第9の実施形態にかかる窒化物半導体発光素子の導波路に垂直な面の断面図である。 曲線導波路における伝搬モード分布の計算結果を例示する模式図である。 特許文献1の半導体発光素子の導波路に垂直な面の断面図である。 特許文献1の半導体発光素子の構造を模式的に示す平面図である。
本発明において、「上に」または「上方に」は、特に断らない限り、上面に直接接触している状態でも良いし、間に他の構成要素等が存在していても良い。「下に」または「下方に」も同様とする。また、「上面に」は、上面に直接接触している状態を指す。「下面に」も同様とする。
また、本発明において、「組成」および「組成比」とは、例えば、InAlGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成で表される半導体層において、xの数値を「In組成比」といい、yの数値を「Al組成比」というものとする。また、本発明において、一つの半導体層と他の半導体層との組成を比較する場合、導電性を発現させるための不純物(ドーパント)は、半導体層を構成する元素として考慮しないものとする。例えば、p型GaN層とn型GaN層とは、不純物(ドーパント)が異なるが、組成は同一であるものとする。また、例えば、n型GaN層と、不純物濃度がさらに高いnGaN層とがあった場合、それらの組成は同一であるものとする。
以下、本発明の具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の説明により限定されない。また、説明の便宜上、図面およびその説明等は、適宜、誇張・簡略化等する場合がある。
(第1の実施形態)
図1に、本発明の第1の実施形態に係る半導発光素子の断面構造を例示する。また、同図は、導波路に垂直な面の断面図である。以下において、同図に示す発光素子は、緑色波長帯で発光する窒化ガリウム(GaN)系のSLD素子であるものとして説明するが、本発明の窒化物半導体発光素子はこれに限定されない。
図示のとおり、この半導体発光素子は、n型GaN基板101、n型AlGaNクラッド層102、下側光導波路層103、InGaN/InGaN量子井戸活性層104、InGaN上側光導波路層105、AlN電流狭窄層108、p型AlGaNクラッド層106、およびp型GaNコンタクト層107を備えている。n型AlGaNクラッド層102は、基板101上に設けられている。クラッド層102上には、下側光導波路層103、InGaN/InGaN量子井戸活性層104、および上側光導波路層105が、前記順序で積層されている。量子井戸活性層104は、本発明の窒化物半導体発光素子における前記「活性層」に相当する。InGaN上側光導波路層105上には、AlN電流狭窄層108、p型AlGaNクラッド層106、およびp型GaNコンタクト層107が、前記順序で積層されている。AlN電流狭窄層108の一部には、開口埋め込み部が形成されている。前記開口埋め込み部は、後述するように、少なくとも一部が屈曲した導波路形状を有する。また、図1に示すとおり、電流狭窄層108の前記開口埋め込み部は、p型クラッド層106の一部により埋め込まれている。電流狭窄層108は、本発明の窒化物半導体発光素子における前記「電流狭窄層」に相当し、p型クラッド層106は、本発明の窒化物半導体発光素子における前記「クラッド層」に相当する。なお、以下、本発明の窒化物半導体発光素子における前記「クラッド層」(図1においては、p型クラッド層106)を、他のクラッド層(例えば、図1のクラッド層102)と区別するために、「上部クラッド層」ということがある。コンタクト層107上には、p側電極109が設けられ、GaN基板101の下には、n側電極110が設けられている。さらに、図1の半導体発光素子の表面は、電極109が設けられた部分を除いて絶縁膜111で覆われている。
また、InGaN量子井戸活性層104は2周期の量子井戸を含み、2層のInGaN量子井戸層とこれを挟む3層のInGaNバリア層から構成されている。ここで、量子井戸層の平均層厚は3nmであり、平均インジウム(In)組成比は22%である。また、バリア層の平均層厚は10nmであり、平均インジウム(In)組成比は5%である。この量子井戸活性層104のピーク波長は、約530nmとなっている。
AlN電流狭窄層に挟まれた開口部(開口埋め込み部)の幅は、例えば1.5μmである。電流狭窄層108は、電流狭窄機能および水平方向の屈折率導波機構としての機能を備えており、開口部(開口埋め込み部)形状によって導波路120の範囲が画定される。図1の窒化物半導体発光素子においては、前記開口埋め込み部下方における量子井戸活性層104およびその付近が、光が導波される部分すなわち導波路120となる。
図1の下部に示したカーブは、導波路の曲線部における水平方向の電界強度の分布を表す。図示のとおり、前記導波路の屈曲部では、前記電界強度は、前記屈曲部の外側に電界が寄ったモード形状となり、導波路を規定するAlN電流狭窄層の開口部(開口埋め込み部)よりも外側に若干電界がしみ出している。
図2に、図1の窒化物半導体発光素子の平面図を示す。なお、同図においては、図示の便宜のために、電流狭窄層108よりも上に存在する構成要素は除去して示している。図示のとおり、導波路120は、AlN電流狭窄層108の開口部で画定されている。導波路120は、一つの素子端面(後端面側)に垂直な直線部Aと、もう片方の素子端面(出射面側)に垂直でない直線部Bと、直線部AおよびBを接続する屈曲部とを有する。同図の窒化物半導体発光素子では、前記屈曲部は、直線部AおよびBを滑らかに接続する曲線部である。同図の窒化物半導体発光素子では、前記曲線部の形状は、曲線部での光損失を抑えるため、曲率半径が2mm程度の円弧状の緩いカーブとなっている。また、直線部Bと、出射端面の垂線とのなす角は、出射端面での実効反射率を抑えるため、5°程度となっている。また、両端面には、端面での反射率制御を補助するための誘電体多層反射膜112,113が設けられている。出射端面の反射膜112は、発光波長付近での反射率がなるべく小さくなるような無反射コート膜となっている。一方、後端面の反射膜113は、発光波長付近での反射率がなるべく1に近くなるような高反射コート膜となっている。なお、本発明の窒化物半導体発光素子において、前記屈曲部は、例えば図2のように、直線部AおよびBが曲線部により滑らかに接続されていることが好ましい。しかし、本発明の窒化物半導体発光素子における前記屈曲部はこれに限定されず、例えば、2つの直線部が直接結合され、折れ線を形成していても良い。
なお、前記のとおり、本発明の窒化物半導体発光素子は、活性層と、電流狭窄層と、クラッド層とが、前記順序で積層され、前記電流狭窄層の一部に、開口埋め込み部が形成され、前記開口埋め込み部は、少なくとも一部が屈曲した導波路形状を有し、かつ、前記クラッド層の少なくとも一部により埋め込まれていることを特徴とする。言い換えると、本発明の窒化物半導体発光素子は、前記活性層上に、一対の電流狭窄層が、一定の空隙をおいて配置され、前記空隙の間に、前記クラッド層の少なくとも一部が配置されている。具体的には、例えば、図1および2に示したとおりである。前記一対の電流狭窄層(図1および2では、電流狭窄層108)の間の空隙が、前記開口埋め込み部(開口部)に相当する。
図1および2に示すSLDでは、出射端面は導波路と垂直でない斜め端であるため、実効的な反射率を低減して発振を抑制する効果がある。一方、前記出射端面と反対側の後端面は、垂直端面、すなわち反射面であるため、前記後端面での出力を抑えると共に実効的な利得長を長くとることができ、高出力が得られる。また、この素子では、導波路は、電流狭窄層108を低屈折率層として用いたインナーストライプ構造となっている。このように、電流狭窄層を用いたインナーストライプ構造の導波路は、その低損失性から、窒化物系材料(窒化物半導体)の曲線導波路SLDを作製する上で適している。
図1に示した窒化物系半導体発光素子の製造方法につき、図3を用いて説明する。図3A〜Dは、前記製造方法における各工程中の素子の断面図である。図3Eは、前記製造方法における一工程中の前記素子の平面図である。まず、n型GaN基板101上に、有機金属気相成長法(Metal−Organic Vapor Phase Epitaxy:MOVPE法)等を用いて、厚さ2μm程度のn型クラッド層102、下側光導波路層103、InGaN/GaN量子井戸活性層104、上側光導波路層105を順次積層させる(図3A)。これらの工程中、下側光導波路層103および上側光導波路層105に挟まれたInGaN/GaN量子井戸活性層104を形成する工程が、本発明の製造方法における前記「活性層形成工程」に相当する。次に、上側光導波路層105上(すなわち、活性層104上)に、AlN層108bを、その結晶化温度よりも低温(例えば、他の層の形成温度よりも低温)で、約0.1μmの厚さに堆積させる。具体的には、例えばMOVPE法により、約500℃以下の低温でAlN層を約0.1μmの厚さに堆積させると、非晶質のAlN層108bが形成される(前記「電流狭窄層前駆層形成工程」)。なお、このように、非晶質のAlN層を形成することは、例えば、特開2003−078215号公報に記載されている。次に、通常のフォトリソグラフィー工程を用いて、図2のAlN電流狭窄層108の平面形状に対応したエッチングマスクを、例えば酸化シリコン膜等で形成する。さらに、リン酸を含有するエッチング液を用いたエッチング液により、ウェットエッチングすると、エッチングマスクで被覆されていない領域の非晶質AlN層のみが除去され、導波路形状が作製される。これにより、図3Bに示すとおり、電流狭窄層前駆層108bの一部に、開口部が形成される(前記「開口部形成工程」)。この開口部は、図2に示したような、一部が屈曲した導波路形状である。非晶質AlN層108b以外の層は、通常の成長温度(すなわち、その層の結晶化温度以上)で積層されており、結晶化しているため、リン酸エッチング液ではエッチングされず、エッチングは自動的に停止する。AlNの成膜温度、エッチング条件を制御することによって、AlN側面の角度は、基板面に対しほぼ垂直とすることができる。エッチング工程の後、エッチングマスクを除去する(図3B)。
次に、導波路形状に加工されたAlN電流狭窄層前駆層108b上に、MOVPE法を用いて、p型クラッド層106を、AlN層108bの結晶化温度以上の温度、例えば1000℃程度で約0.5μm程度積層させ(前記「クラッド層形成工程」)、さらに、p型コンタクト層107を積層させる。この工程において、非晶質AlN電流狭窄層108bは、高温に曝されることにより結晶層に変換され、AlN電流狭窄層108となる。この時、AlN電流狭窄層108内には多数の転位が導入され格子緩和するため、結晶化してもクラックが発生しない。また、結晶化されたAlN層上にもp型クラッド層(上部クラッド層)が成長されるため、AlN電流狭窄層108がp型クラッド層106中に埋め込まれた構造となる(図3C)。
さらに、素子全体に、CVD法などを用いて、酸化シリコン膜等の絶縁膜111を形成する。そして、通常のフォトリソグラフィー工程を用いて、p側電極109形成部の絶縁膜111を除去する。その後、チタンおよび金を蒸着し、適当な条件で加熱してアロイ処理を行うことにより、p側電極109を形成する。また、基板101の裏面にもチタンおよび金を蒸着し、適当な条件で加熱してアロイ処理を行うことにより、n側電極110を形成する(図3D)。
さらに、劈開により素子端面を露出させた後、スパッタリング法などを用いて、酸化チタン膜および酸化アルミ膜からなる出射端面の無反射コート多層膜112と、後端面の高反射コート多層膜113とを、順次各端面に形成する。設計による端面の反射率は例えば、無反射コート膜では1%、高反射コート膜では95%に設計されている。また出射端面の角度は垂直から5°斜めになっており、この場合出射端面での実効的な反射率は、垂直端面の反射率の約1/100となっている。素子の導波路長は、所望の特性によって定めるものであるが、本実施形態では1.0mmとした(工程4、図3E)。以上のようにして、図1および2に示す窒化物半導体発光素子を製造することができる。
本発明の窒化物半導体発光素子の製造方法の前記「開口部形成工程」において、前記エッチングは、ドライエッチングでもウェットエッチングでも良い。前記電流狭窄層前駆層が非晶質であるため、結晶層と比較して温和な条件でエッチングでき、ドライエッチングを用いても、活性層や光導波路層がダメージを受けにくいためである。ただし、例えば図3を用いて説明したように、ウェットエッチングを用いると、ドライエッチングの場合と比較して、活性層や光導波路層へのダメージをさらに極めて小さくできるため好ましい。また、前記の例では、エッチング深さが0.1μmである。このように、形成される導波路形状がインナーストライプ形状であることにより、例えば、エッチング深さを、リッジ導波路形成時に比べ浅くすることもできる。これにより、エッチングマスク形状を正確に再現できる。また、ウェットエッチングは自動的に停止するため、エッチング深さの制御も容易であり、Δnを設計通りに作製することが可能になる。また、ウェットエッチング工程の段階ではAlN電流狭窄層前駆層108bは非晶質であるため、エッチング時の面方位依存性は存在しないので、導波路の曲線部のAlN側面も滑らかに作製することができる。このAlN電流狭窄層前駆層は、p型クラッド層(上部クラッド層)成長時に滑らかな面を保ったまま結晶化するが、AlN層内に多数の転位を生じて緩和するため、電流狭窄層下層の結晶にも影響を与えない。よって、本実施形態においては、窒化物系材料においても、低損失な曲線導波路を作製することができ、高出力でかつスペックルの低減されたディスプレイ用光源を実現することが可能となる。
なお、本発明の窒化物半導体発光素子は、以上の説明に限定されない。例えば、本発明の窒化物半導体発光素子において、前記活性層、前記電流狭窄層、前記上部クラッド層以外の構成要素は特に制限されず、図1および2と同様でも良いし、適宜変更しても良い。また、本発明の窒化物半導体発光素子は、前記のとおり、活性層と、電流狭窄層と、上部クラッド層とが、前記順序で積層されている。ただし、前記活性層と前記電流狭窄層の間には、他の構成要素が存在していても良いし、存在していなくても良い。また、前記電流狭窄層と、前記上部クラッド層との間には、他の構成要素が存在していても良いし、存在していなくても良い。以下の各実施形態においても同様である。
また、以上の説明においては、電流狭窄層108をAlN層とした例について説明したが、本発明において、電流狭窄層の形成材料は特に制限されない。例えば、前記電流狭窄層は、InやGaを含む層であっても良く、具体的には、InAlGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)から形成されていても良い。InAlGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成で表される材料のうち、AlNは、バンドギャップが最も大きく、屈折率が最も小さいため、電流狭窄効果も高く、導波路のΔnを大きくするために特に好ましい。また、本実施形態においては、開口部(開口埋め込み部)の外側においても電流狭窄層を除去する構造としたが、これに限定されず、開口部(開口埋め込み部)の外側において電流狭窄層を残す構造であっても良い。ただし、光導波路を規定(画定)する上では、開口部(開口埋め込み部)近傍のみが低屈折率であれば良い。具体的には、前記電流狭窄構造層の幅方向において、開口部側と逆側の端が、p側電極109の端よりも、ある程度以上外側に位置していることが好ましい。前記電流狭窄層をなるべく大きく残さないことが、前記電流狭窄層の結晶歪や熱膨張係数差の影響による応力が生じたり、p型クラッド層(上部クラッド層)成長時の埋め込み形状に影響を与えたりする恐れが少ないため好ましい。なお、前記電流狭窄層が、前述のように格子緩和されていることで、結晶歪による応力の影響を小さく抑えることができる。
さらに、以上の説明における、電流狭窄層108以外の層の形成材料も、全て例示であり、本発明を何ら限定しない。本発明の窒化物半導体発光素子において、形成材料である窒化物半導体は、例えば、III族窒化物半導体であることが好ましい。
また、以上の説明において、数値は、全て例示であり、本発明をなんら限定しない。例えば、以上の説明においては、SLD素子構造において、導波路長が1.0mm、後端面反射率が95%、導波路幅1.5μm等の場合の例を説明したが、これに限定されるものではない。SLD素子においては、活性層の利得に対応して、適切な有効導波路長(利得長)を設けることが高出力化設計上重要である。すなわち、利得が高くなるほど有効導波路長を長くする効果も高くなる一方で、発振条件にも近くなるため、活性層に応じた設計が必要である。本実施形態で説明したようなInGaN系量子井戸活性層においては、例えば、後端面反射率が50%以上であれば導波路長が約0.5mm以上で概ね十分な光出力が得られると見積もられる。また、後端面の反射率については、100%に近いほど望ましいが、20%程度でも効果があると見積もられる。一方、導波路幅はここでは1.5μmとしているが、その理由はミラースキャンによるプロジェクション型ディスプレイ用光源として用いる場合には、光学的にシングルモードビームを発する素子が望ましいからである。ただし、高出力化を優先する場合や、ビームのモード特性が限定されない場合には、より広い幅の導波路を用いたり、導波路幅が部分的に変化するテーパー型の導波路を用いたりすることももちろん可能である。
また、以上の説明においては、斜め端である出射端面の角度(前記出射端面において、前記出射端面の垂線と前記導波路とのなす角)を5°としたが、これに限定されるものではない。前記斜め出射端角度に関しては、ビーム特性や実装容易性の面と、所望の有効反射率の値を考慮して決めることが望ましく、活性層の利得特性や、屈折率等によって最適値が異なる。ビーム特性に関しては、本実施形態の構造の場合、非対称性や、出射面でのケラレといった問題を生じないために、前記斜め出射端角度が10°を超えないことが好ましい。また、斜め出射端の場合、ビームの出射方向は、本実施形態においては、例えば、前記斜め出射端角度の約2.2倍の角度方向となる。すなわち、前記斜め出射端角度が5°の場合には、約11°の方向に出射することとなり、光学系に実装する場合この出射角度の分を傾けて実装する必要が生じる。したがって、前記斜め出射端角度は、実装上の困難や、前述したビームのケラレの問題を生じないために、5°を超えないことがより好ましい。
また、以上の説明においては、曲率半径を2mmとしたが、これに限定されるものではない。低損失化の観点からは、曲率半径はなるべく大きいことが好ましい。本実施形態に用いた素子の導波路構成の場合、前記曲率半径は、低損失化の観点から、好ましくは2mm以上、より好ましくは3mm以上である。ただし、斜め出射端角度によっては、曲率半径が大きすぎると、素子サイズが非常に大きくなってしまい、素子収量・コストの面で不利となる。よって、前記斜め出射端角度も含めて許容損失量を考慮した上で、曲線部の導波路設計を行うことが望ましい。
(第2の実施形態)
次に、図4を用いて、本発明の第2の実施形態による窒化物半導体発光素子を説明する。図4は、導波路に垂直な面の断面図である。本実施形態の窒化物半導体発光素子は、図4拡大図(図4のa部分を拡大した図)に示したように、AlN電流狭窄層の開口部側の断面形状のみが第1の実施形態と異なり、それ以外の構造は、第1の実施形態の窒化物半導体発光素子と同様である。図4に示すとおり、本実施形態の窒化物半導体発光素子は、AlN電流狭窄層の開口部(開口埋め込み部)側断面が、下部で開口が狭く、上部で広くなるようなテーパー状になっている。本発明の窒化物半導体発光素子は、このように、前記開口埋め込み部における前記導波路形状が、前記電流狭窄層の厚み方向に沿って幅が変化する形状であっても良い。
本実施形態においては、第1の実施形態と同様に、非晶質AlN層を用いて電流狭窄層を形成しているため、低損失化の効果が得られる。これに加えて、AlN層の開口部(開口埋め込み部)側の界面がテーパー状であることから、導波路内外の屈折率変化が第1の実施形態のように急峻ではなく、徐々に変化する構造となっている。このような構造では、AlNのエッジ部にパターニングによる微小な凹凸があったとしても光のモードがこれに影響されにくいため、エッジの微小な凹凸に起因する散乱損失を低減することができる。すなわち、曲線部の導波路損失をさらに低減することができる。
図4の半導体発光素子の製造方法は、例えば、電流狭窄層前駆層108bの形成工程およびエッチング(パターニング)工程における一方または両方の条件を適宜変更する以外は、第1の実施形態(図1および2)の半導体発光素子と同様にして製造することができる。例えば、第1の実施形態で説明した製造方法において、エッチング条件の調整によっては、ウェットエッチングがほぼ等方的となることから、若干のテーパー形状を作製することが可能である。ただし、そのような効果を得るためには、開口部の最も狭い部分の幅と広い部分の幅の差が、ある程度大きいことが望ましい。また、低温成長の非晶質AlN層は、成長温度が高すぎると(例えば500℃以上)結晶化してしまうが、非晶質を形成可能な範囲の温度内では、成長温度が高いほどエッチングレートが小さくなる傾向がある。これを利用するために、例えば、0.1μm厚のAlN電流狭窄層を、3段階に分け、440℃⇒420℃⇒400℃のように温度を変化させながら成長させる。すると、ウェットエッチング工程(開口部形成工程)において、AlN電流狭窄層上部の方がエッチングレートが早くなるため、上部ほどサイドエッチング量が大きくなる。よって、図4のようなテーパー状のAlN電流狭窄層を形成することができる。
その他の製法としては、一定温度で成長した非晶質AlN層を用い、エッチングマスクを作製する際にエッチングマスクとAlN層との密着性を若干低下させるように調整しても良い。このようにすると、エッチングマスクとAlN層との間にエッチャントが浸入しやすいため、上部のサイドエッチング量が増加し、テーパー形状界面のAlN電流狭窄層を形成することができる。テーパー形状界面のAlN層の形成手法については、ここで記述された手法に依らずその他の手法であっても良い。また、図4では、下部で開口が狭く、上部で広くなるようなテーパー状の構造を示した。しかし、前記電流狭窄層の構造はこれに限定されず、例えば、電流狭窄層の厚みが、開口部(開口埋め込み部)端付近で薄くなっているような他の構造であっても良い。図4に示した形状では、AlN層の最下部で開口部(開口埋め込み部)の幅が最も狭くなっているので、導波路幅に対応した活性層への電流注入を妨げない点において有利である。
なお、本実施形態において、電流狭窄層および電流狭窄層前駆層は、AlN層として説明したが、前記第1の実施形態と同様、AlNのみに限定されない。他の層の形成材料、厚み等も、同様に、前記の説明は例示であって、本実施形態は、これのみに限定されない。
(第3の実施形態)
次に、図5を用いて本発明の第3の実施形態による窒化物半導体発光素子を説明する。図5は、導波路形状の平面図である。図5に示す窒化物半導体発光素子は、導波路形状の曲線部(屈曲部)における電流狭窄層(AlN層)のパタン形状以外は、第1の実施形態(図1および2)の窒化物半導体発光素子と同様である。なお、同図においては、図示の便宜のために、電流狭窄層108よりも上に存在する構成要素は除去して示している。図5拡大図(図5におけるb部分の拡大図)およびそのさらなる拡大図(前記拡大図におけるc部分の拡大図)に、前記曲線部における電流狭窄層のパタン形状を示す。図示のとおり、前記導波路形状の曲線部において、開口部(開口埋め込み部)を規定する電流狭窄層108(AlN層)の内側の線は、直線部よりも距離dだけ曲率の内側へずれ、前記直線部と不連続に繋がった形状となっている。すなわち、前記曲線部の導波路中心線は、前記直線部の導波路中心線から見て、曲率の小さい側に距離dだけ移動した形状となっている。AlN層108における前記曲線部の外側の線は、前記直線部と連続的に繋がっている。なお、ここでは、距離dは約0.2μmであるが、この数値は例示であって、本発明はこれに限定されない。
一般に、曲線導波路と、直線部または曲率が逆の曲線導波路との接続点においては、曲線部における電界分布の曲率外側への偏りを補償して結合損失を抑制するため、曲線部を曲率の小さい側へ若干移動させることが損失低減に有効である。このことは、例えば、岡本勝就著「光導波路の基礎」(コロナ社、1992年)などに記載されている。この接続される二つの導波路の中心線のずれは、オフセットと呼ばれる。
本実施形態においては、第1の実施形態と同様に、非晶質AlN層を用いて電流狭窄層を形成しているため、低損失化の効果が得られている。これに加え、直線部と曲線部の接続部においてオフセットを設けているため、曲線導波路での光損失がさらに低減されている。一般に、窒化物系半導体では、その材料特性から、深い段差のある境界面に角があると、その部分を起点としてクラックが発生し伝播しやすいという特徴がある。特に、導波路のクラッド層としてAlGaN層を用いる場合、歪の効果も加わってよりその傾向が大きくなる。そのため、AlGaN層をクラッド層とするリッジ導波路構造において、オフセット構造を設けると導波路を構成するリッジ界面に角が形成されるため、クラックの発生源となる場合があった。また、リッジの高さが、例えば0.5μm程度と高いため、1μm以下のオフセット構造を精度良く設けるのは現実的に困難であった。本実施形態においては、薄膜AlN層により導波路が規定されているため、パターニング精度が良く、またAlN層のパタンにオフセットによる角が存在していても、クラック等は発生せず良好なオフセット構造が実現可能である。また、窒化物系材料(窒化物半導体)を用いて可視波長域の発光素子を作製する場合、Δnが小さいため、低損失化には曲率を大きくしなければならない。しかしながら、本実施形態を採用することによって、曲率が小さい場合でも低損失化することができ、必要以上に素子サイズを大きくすることなく良好な特性を実現できる。直線部の導波路中心線と、曲線部の導波路中心線との距離をオフセット量dと呼ぶが、最適オフセット量は、導波路構造(幅、曲線部曲率、Δn等)によって異なる。第1の実施形態と同様な構造においては、d=0.2μm程度が最適な値と見積もられる。
本実施形態の窒化物半導体発光素子の製造方法は、AlN層エッチングのマスク作製工程において、所望のオフセットを設けたマスク形状を用いれば良く、他は第1の実施形態と同様に行うことができる。
なお、本実施形態において、電流狭窄層および電流狭窄層前駆層は、AlN層として説明したが、前記各実施形態と同様、AlNのみに限定されない。他の層の形成材料、厚み等も、同様に、前記の説明は例示であって、本実施形態は、これのみに限定されない。
(第4の実施形態)
次に、図6および7を用いて本発明の第4の実施形態による窒化物半導体発光素子を説明する。図6は本実施形態の窒化物半導体発光素子の平面図、図7は、図6拡大図(図6におけるd部分の拡大図)に示した曲線部のC−C’に見た断面図である。なお、図6においては、図示の便宜のために、電流狭窄層108と電極(p側電極)109との間に存在する構成要素は、除去して示している。本実施形態の窒化物半導体発光素子は、前記導波路形状の前記曲線部の上方における電極形成位置が、第1の実施形態と異なり、それ以外の構造は、第1の実施形態(図1および2)の窒化物半導体発光素子と同様である。第1の実施形態では、電極パタンは、導波路中心線に対称に、例えば20μmの幅で形成した。本実施形態の窒化物半導体発光素子は、前記曲線部の上方において、電極パタンの中心が導波路中心線よりも内側にある。具体的には、例えば、p側電極109は、電極幅を12μmとし、電極中心が導波路中心よりも約5μm内側に移動している。すなわち、電極(p側電極)109は、導波路中心線に対し、外側の幅が1μm、内側の幅が11μmとなる位置に形成されている。なお、これらの数値は例示であって、本発明を限定しない。また、以下において、p側電極109を、他の電極(例えば、図1におけるn側電極110)と区別するために、「上部電極」という場合がある。
一般に、曲線導波路内においては、図1に示したように、電界分布が曲率外側へ偏る傾向がある。この偏りは、放射モードが増加したり、導波モードの損失が増加したりすることで、曲線部での放射損失が増大する要因となる。前記電界分布の偏りによる放射損失が小さい場合は、実用上、問題にならない。しかしながら、Δnが小さい場合、曲率が小さい場合、または導波路幅が広い場合等は、前記電界分布の偏りによる放射損失が顕著となる場合がある。このような電界分布の偏りは、導波路を規定(画定)する両側の低屈折領域において、曲線部の外側の垂直方向の有効屈折率を下げて光閉じこめを強くしたり、曲線部の内側の有効屈折率を上げて光閉じこめを弱くしたり、屈折率分布をモードの偏りと逆向き非対称とすることで、ある程度補正することができる。これにより、曲線部での放射損失を低減させることが可能になる。特に、窒化物系材料(窒化物半導体)を用いて可視波長域の発光素子を作製する場合、Δnが小さいため、前記補正を利用せずに低損失化するには、前記曲線部の曲率を大きくしなければならない。しかしながら、本実施形態を採用することによって、曲率が小さい場合でも低損失化することができ、必要以上に素子サイズを大きくすることなく良好な特性を実現できる。
本実施形態においては、上部電極(p側電極109)の形成位置を導波路中心からずらすことによって、電流経路分布が図7に示すように導波路中心に対し非対称になる効果を利用している。すなわち、電流が流れる際のジュール発熱によって上部クラッド層温度に水平方向の分布ができ、曲線部内側の有効屈折率が上がるため、光閉じこめ効果が弱くなり、曲線部外側へ偏った電界分布を補正することができる。この場合、曲線部内側の上部電極端からAlN狭窄層外側への電流パスが生じないように注意する必要がある。図6および7に示した構成においては、曲線部内側の上部電極端とAlN狭窄層の外側の端との間隔が5μm以上であることが好ましく、10μm以上であれば、前記電流パスの形成をほぼ完全に防止できる。
また、例えば、上部クラッド層(p型AlGaNクラッド層)106に代えて、GaN層とAlGaN層を短周期で交互に積層した超格子上部クラッド層を用いても良い。この場合、水平方向の電気抵抗が垂直方向に比べ低くなるため、上部電極形成部全体に渡り水平に電流が広がり、屈折率が変調される効果がより大きくなる効果が得られる。この場合、水平方向の電流広がりが大きくなるため、上部電極(p側電極109)端とAlN狭窄層外側の端との間隔は、10μm以上が好ましく、15μm以上がさらに好ましい。この間隔を確保できるように、曲線部内側でのAlN層幅を広くしても良い。
本実施形態の素子の製造方法は、例えば、前記上部電極(p側電極)形成工程において、曲線部上方の上部電極(p側電極)を所望の幅・位置としたマスク形状を用いれば良く、他は第1の実施形態と同様にすれば良い。また、例えば、設計上必要であれば、AlN層エッチングのマスク作製工程において、所望の幅に変更したものを用いれば良い。
なお、本実施形態において、電流狭窄層および電流狭窄層前駆層は、AlN層として説明したが、前記各実施形態と同様、AlNのみに限定されない。他の層の形成材料、厚み等も、同様に、前記の説明は例示であって、本実施形態は、これのみに限定されない。
(第5の実施形態)
次に、図8を用いて本発明の第5の実施形態による半導体発光素子を説明する。図8は、本実施形態における、第4の実施形態の図6拡大図C−C’と同位置で切断して同方向に見た断面図である。本実施形態の窒化物半導体発光素子の構造は、AlN電流狭窄層の厚みが曲線部外側よりも内側の方が薄くなっている点が、第1の実施形態(図1および2)の窒化物半導体発光素子と異なり、それ以外は、第1の実施形態(図1および2)の窒化物半導体発光素子と同様である。具体的には、例えば、直線部のAlN層厚が約0.1μmに対し、外側のAlN層厚は約0.1μm、内側のAlN層厚は約0.03μmである。
本実施形態においては、低屈折率層であるAlN層の厚みによって導波路の両側の垂直方向の有効屈折率が変化する効果を利用している。すなわち、曲線部内側ではAlN層厚が薄いため有効屈折率が低くなる。これにより、曲線部内側の光閉じこめ効果が弱くなり、曲線部外側へ偏った電界分布を補正することができ、第4の実施形態と同様な低損失化効果を得ることができる。または、曲線部外側では、AlN層をさらに厚くしても良い。AlN層が厚いと有効屈折率が高くなり、同様に電界分布補正効果が得られる。または、AlN層厚が、曲線部(屈曲部)内側<直線部<曲線部(屈曲部)外側となるように変化させても良い。この構造によれば、さらに低損失化の効果が大きくなるが、若干製法が複雑化する。したがって、得られる低損失化の効果を考慮して、層厚変化の構成を決めれば良い。曲線(屈曲)導波路の構造としては、例えば、(1)曲線部(屈曲部)内側屈折率が直線部よりも大きく、外側屈折率が直線部よりも小さい構造、(2)曲線部(屈曲部)内側屈折率が直線部と同等で外側屈折率が直線部よりも小さい構造、および、(3)曲線部(屈曲部)外側屈折率が直線部と同等で内側屈折率が直線部よりも大きい構造がある。これらの構造において、前記各部分の屈折率差(屈折率変化)が同等であれば、低損失化(放射損失の低減)の効果は、(1)が最も大きく、次いで(2)、(3)の順となる。ただし、直線部の有効屈折率を小さくしすぎることは好ましくない。また、曲線部(屈曲部)外側での電流狭窄層厚み(AlN層厚)を厚くすることによる屈折率変化は、層構造により限定的である場合があり、曲線部内側での電流狭窄層厚み(AlN層厚)を薄くする方が屈折率変化を大きくすることが可能な傾向がある。電流狭窄層厚み変化による垂直方向の有効屈折率の変化量は、層構造全体の設計に影響される。小さい電流狭窄層厚み変化により十分な有効屈折率変化を得るという観点では、電流狭窄層厚み方向における電界強度が高くなる層構造とすることが望ましい。そのような層構造としては、例えば、電流狭窄層上に形成する上部クラッド層(図1においてはp型クラッド層106)のAl組成比を高くした層構造、活性層上部の光導波路層の厚みを小さくした層構造等がある。また、活性層上部の光導波路層(図1においては、上側光導波路層105)が厚い場合は特に、電流狭窄層厚み(AlN層厚)が薄い範囲では有効屈折率変化が大きいが、ある程度以上の層厚では変化が小さくなる。こういった傾向を考慮し、層構造に応じて具体的な電流狭窄層厚み(AlN層厚)を設計することが望ましい。
本実施形態の素子の製造方法は特に制限されないが、例えば、以下のとおりである。すなわち、第1の実施形態の低温成長による電流狭窄層前駆層(AlN層)形成工程において、所望の厚みに応じて、成長温度を変化させる。本実施形態の場合、最初の0.03μmを450℃、次の0.07μmを420℃のようにし、上部ほどエッチングレートが速くなるようにする。次に、エッチングマスクを、電流狭窄層前駆層(AlN層)108bを残す全ての領域に通常の方法で形成し、エッチングを行う。さらに、導波路曲線部内側部のマスクを部分的に除去し、短時間でエッチングを行う。この際、低温成長により形成した、上部の電流狭窄層前駆層(AlN層)がちょうど除去される時間でエッチングを停止する。これにより、曲線部内側での電流狭窄層前駆層厚が約0.03μmとなり、電流狭窄層前駆層厚み(AlN層厚)の差を形成できる。この際、高温で成長した電流狭窄層前駆層(AlN層)と低温で成長した層とではエッチングレートが異なるため、均一な層厚で曲線部内側の電流狭窄層前駆層(AlN層)を残すことができる。この場合、前記第2の実施形態のように電流狭窄層前駆層(AlN層)の成長温度を変化させているため、サイドエッチングが入りやすい構造になっている。しかしながら、屈折率変化を大きくするという観点では、なるべくサイドエッチングが入らないよう、電流狭窄層前駆層(AlN層)とエッチングマスクとの密着性を高くしたり、サイドエッチングの入りにくいエッチング条件を用いたりすることが望ましい。ただし、サイドエッチングがある場合でも屈折率差を確保することも可能であり、積極的にサイドエッチングによりテーパー形状を作製し、低損失化効果を併せ得られるようにしても良い。電流狭窄層前駆層(AlN層)形成工程よりも前の工程、および、電流狭窄層前駆層(AlN層)エッチング(開口部形成工程)後の工程は、第1の実施形態と同様にすれば良い。
なお、ここでは、曲線部(屈曲部)内側での電流狭窄層前駆層(AlN層厚)のみを薄くする方法について説明した。しかしながら、例えば、電流狭窄層前駆層厚み(AlN層厚)を曲線部(屈曲部)内側、直線部、曲線部(屈曲部)外側で3通りに変化させる構造も、同様の手法を用いて形成することができる。この場合、電流狭窄層前駆層(AlN層)形成工程では、成長温度を3段階に変化させる。エッチング工程(開口部形成工程)においては、最初に全ての電流狭窄層(AlN)形成領域にマスクをかけエッチングした後、曲線部(屈曲部)内側マスクを除去してエッチングし、最後に直線部マスクを除去してエッチングを行う。この場合、最下層のAlNのエッチングレートと、上部2層のエッチングレート差を大きくすることが必要である。以上、ここでは電流狭窄層前駆層(AlN層)の成長温度を変化させる製法について説明したが、それ以外の方法で電流狭窄層前駆層厚み(AlN層厚)差を形成しても良い。例えば、薄くしたい部分の電流狭窄層前駆層(AlN層)の幅を狭くし、さらに電流狭窄層前駆層(AlN層)とエッチングマスクとの密着性を下げてサイドエッチングが促進するような条件でエッチングを行うといった手法を用いても良い。この場合、電流狭窄層前駆層(AlN層)幅が狭い部分では左右からのエッチングが貫通し、全体の層厚を薄くすることができる。
なお、本実施形態において、電流狭窄層および電流狭窄層前駆層は、AlN層として説明したが、前記各実施形態と同様、AlNのみに限定されない。他の層の形成材料、厚み等も、同様に、前記の説明は例示であって、本実施形態は、これのみに限定されない。
(第6の実施形態)
次に、図9、図10を用いて本発明の第6の実施形態による窒化物半導体発光素子を説明する。図9は、本実施形態の窒化物半導体発光素子の平面図である。なお、同図においては、図示の便宜のために、電流狭窄層108よりも上に存在する構成要素は除去して示している。図10は、図9拡大図(図9のe部分の拡大図)に示した曲線部の、C−C’方向に見た断面図である。本実施形態の窒化物半導体発光素子は、AlN電流狭窄層の幅が曲線部外側で曲線部内側よりも広くなっている点が第1の実施形態と異なり、それ以外の構造は、第1の実施形態(図1および2)の窒化物半導体発光素子と同様である。図9および10の半導体素子において、具体的には、例えば、直線部の電流狭窄層(AlN層)の幅が20μmであるのに対し、曲線部外側では30μm、曲線部では8μmとなっている。また、曲線部内側の電流狭窄層(AlN層)幅が狭いことに対応して、上部電極幅(p側電極109の幅)は、導波路中心より曲線部内側方向へ3μm、外側方向へ7μmの計10μm幅としている。また、電流狭窄層(AlN層)幅の変化に対応して、上部クラッド層(p型クラッド層106)の厚みおよびAl組成比が部分的に変化しており、導波路曲線部外側のAlN層脇の上部クラッド層(p型クラッド層106)において相対的に厚みが大きくAl組成比が低い構造となっている。この厚み・組成分布の影響を受けて、導波路内部でも曲線部外側寄りから内側寄りにかけて厚みが薄くなり、Al組成が高くなるように変化している。
本実施形態においては、電流狭窄層上に形成した上部クラッド層(p型クラッド層106)のAl組成比によって、導波路内の垂直方向の有効屈折率が変化する効果を利用している。上部クラッド層のAl組成比が小さくなると、電流狭窄層前駆層(AlN層)の存在しない導波路内部では垂直方向の有効屈折率が高くなる。一方、電流狭窄層前駆層(AlN層)上では、上部クラッド層のAl組成比が変化しても、垂直方向の有効屈折率はあまり変化しない。このため、本実施形態においては、導波路の外側ではΔnが大きく、導波路の内側ではΔnが小さくなっている。これにより、曲線部内側の光閉じこめ効果が弱くなり、曲線部外側へ偏った電界分布を補正することができ、第4の実施形態と同様な低損失化効果を得ることができる。
本実施形態の素子の製造方法は、例えば、電流狭窄層前駆層(AlN層)エッチングのマスク作製工程において、曲線部における電流狭窄層前駆層(AlN層)幅を変化させたマスク形状を用いれば良く、他は第1の実施形態と同様にすれば良い。上部クラッド層の成長工程において、AlN層上ではAlNに対しGaNの成長速度が低下する傾向があるため、AlN層脇ではこの影響を受けてGaNの成長速度が上昇する。この影響は、AlN層面積が大きい程顕著になるため、AlN層面積を変化させておくと、自動的にAlNとGaNの比率すなわちAlGaN層のAl組成比を部分的に変化させることができる。曲線部内側のAlN層幅は狭い方が望ましいが、狭くし過ぎるとAlN層外側への無効電流パスが問題になる場合がある。このような場合は、AlN層外側部分の上部クラッド層をさらにドライエッチング等を用いて除去してしまうなどの対策を施しても良い。なお、ここでは、AlN層の幅を変化させることによって、上部クラッド層のAl組成比を変化させ、Δn差を設ける場合の例について示しているが、他の方法により、同様に上部クラッド層のAl組成比変化を設けることができれば、AlN層幅が左右で異なっていなくても良い。
なお、本実施形態において、電流狭窄層および電流狭窄層前駆層は、AlN層として説明したが、前記各実施形態と同様、AlNのみに限定されない。他の層の形成材料、厚み等も、同様に、前記の説明は例示であって、本実施形態は、これのみに限定されない。
(第7の実施形態)
図11に、本発明の第7の実施形態にかかる窒化物半導体発光素子の平面図を示す。なお、同図においては、図示の便宜のために、電流狭窄層108よりも上に存在する構成要素は除去して示している。図11の素子において、図1のC−C’で示した、導波路に垂直な面で切断して見た断面構造は、図1と同様である。図12に、図11のD−D’で示した、導波路に垂直な面で切断して見た断面構造を示す。
本実施形態の窒化物半導体発光素子は、出射端面および光損失増大領域を有する。前記開口埋め込み部における導波路形状の一部は、図示のとおり、前記出射端面に垂直である。なお、前記開口埋め込み部における導波路形状の一部が前記出射端面に「垂直」であるという場合は、実質的に垂直であれば良く、厳密に垂直でもほぼ垂直でも良い。前記光損失増大領域は、前記開口埋め込み部屈曲部よりも光出射側寄りで、かつ、前記開口埋め込み部屈曲部の外側寄りに配置されている。さらに、図11および12に示すとおり、本実施形態の窒化物半導体発光素子は、さらに、光損失増大層114を有する。光損失増大層114は、活性層104と異なる格子定数を有する。光損失増大層114は、前記光損失増大領域における上側光導波路層105上(すなわち活性層104上)に配置されている。活性層104における、光損失増大層114下方の領域は、面欠陥を有する。本実施形態の窒化物半導体発光素子におけるこれ以外の構造は、第1の実施形態(図1および2)の窒化物半導体発光素子と同じである。
曲線導波路では、導波路の曲がりに追随しきれないモードによる光の放射損失が発生する場合がある。こうした損失を低減するためには、導波路内外の有効屈折率差Δnを大きくして、閉じこめを強くすることが有効であるが、窒化物系材料(窒化物半導体)を用いて可視波長の導波路を形成する場合、屈折率の絶対値が小さいため、Δnを大きくすることが他の材料系に比べ困難である。
また、インナーストライプ型導波路では、活性層および光導波路層が導波路のクラッド領域すなわち電流狭窄層の下方にも存在する。よって、曲線部において生じた放射損失光において、水平方向には放射するものの、垂直方向には閉じこめられたまま導波する成分が残存する。このような導波成分が、出射端面に到達し反射されて戻ると、再度、後端面側の導波路に結合してしまう場合がある。こうした影響により、出射端面の実効反射低減を妨げ、発振動作を引き起こしSLD動作を阻害することが懸念される。図16に、曲線導波路のモード伝搬のシミュレーション結果を例示する。同図は、発光素子を活性層平面で切断して見た各部の放射光強度を、相対値で色分けした図である。放射光強度の相対値は、導波路中心線付近の、最も強度が高い部分の強度を1としている。図において、横軸(X(μm))および縦軸(Z(μm))は、それぞれ、発光素子の各部の座標を示す。図示のとおり、導波路の曲線部よりも光出射側(出射端面側)寄りで、かつ、前記曲線部の外側寄りの部分において、放射損失が発生している。この部分では、曲線導波路で追随できずに発生した放射光が、出射端面まで達している。この部分および導波路部分以外の部分では、放射損失(放射光強度)は、ほとんど0である。このような放射損失光の一部は、例えば、キャリア注入されていない活性層に吸収されるが、曲線部が出射端面に近い場合などは、吸収しきれずに残留反射となり発振動作を引き起こすことが懸念される。
さらに、窒化物系(窒化物半導体)の活性層材料は、材料特性として状態密度が大きいため利得が高く、利得が容易に飽和しない傾向があるので、発振抑制のために反射率を十分抑制することは極めて重要である。このような場合、十分に実効的反射率を抑制するためには、斜め端の角度を大きくしたり、曲線部と出射端面との距離を離したりすることが有効である。しかし、斜め端の角度を大きくし過ぎると、出射ビーム形状が非対称になったり、ビームの出射方向が端面に垂直な方向から大きくずれたりするため、ビーム品質が劣化したりビームのケラレが生じたりする懸念がある。一方、残留反射低減のため、曲線部よりも出射端面側の導波路を長くすると、素子幅および素子長さの拡大に繋がるため、素子収量の観点から低コスト化を阻害する可能性がある。放射損失を低減するために、曲線部の曲率を大きくすることも有効であるが、同様に素子サイズの拡大に繋がってしまう。
この放射損失による発振を抑制するために、斜め端角度を小さくしたまま、斜め端面に無反射コートを施し反射率を低く制御する手法が知られている。しかしながら、窒化物系材料(窒化物半導体)では、インジウム(In)組成比揺らぎ等の影響により比較的利得ピーク幅が広くなりやすい。このため、ある程度広い所望の波長範囲に渡り安定的に発振を抑制するのに十分低い反射率(例えば0.001%以下)を実現することは、一般的なコーティング膜の作製精度では困難であり、容易に発振動作に移行してしまう懸念がある。
本発明の窒化物半導体発光素子では、この放射損失を抑制し、低損失とするために、例えば、前記各実施形態で述べた構造を採用することができる。本実施形態では、前記放射損失を抑制するための、さらに別の形態について説明する。
本実施形態の窒化物半導体発光素子においては、前記のとおり、出射端面と導波路曲線部との間に、光損失増大層を形成した光損失増大領域が設けられている。光損失増大領域においては、AlNは基板のGaNとの格子定数差が大きく、またAlN層面積も広いため、AlN層に近接した層には強い歪がかかった状態となる。この影響を受けて、ディスプレイ用光源で用いられるようなIn組成比の高いInGaN量子井戸活性層では、層内に面欠陥が増殖する。面欠陥が発生した量子井戸活性層は、バンド間吸収に加え欠陥による光吸収や散乱損失(すなわち光損失)が増大するため、導波路曲線部で発生した放射損失光を十分吸収することができる。その結果、出射端面と導波路曲線部の間隔をそれほど広げなくても、残留反射の影響を抑制することができ、高出力でかつスペックルの低減されたディスプレイ用光源を実現することが可能となる。なお、本発明の窒化物半導体発光素子において、前記光損失増大層の形成材料は、特に制限されないが、例えば、InAlGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)であっても良い。前記光損失増大層は、AlNから形成されていることが、前記活性層(例えば、InGaN量子井戸活性層)に面欠陥を生じさせる観点から、特に好ましい。
面欠陥は、導波路を画定するAlN層下部にも発生する場合があるが、面欠陥の発生はAlN層面積にも依存するため、幅の狭いAlN層を用いれば導波路での吸収損失増大の影響は抑えることができる。また、面欠陥の発生は、InGaN活性層構造に依存し、In組成比が高いほど、また量子井戸層(活性層)厚が厚いほど発生しやすい。また、面欠陥は、活性層よりも上方の層を成長する際の成長温度が高いほど、また成長時間が高いほど発生しやすくなり、場合によってはAlN層が存在しない領域でも発生する可能性がある。このため、活性層構造によって条件を調整し、AlN層下部でのみ有効に面欠陥が発生するように設定することが好ましい。
本実施形態の窒化物半導体発光素子の製造方法は、特に制限されない。例えば、前記開口部形成工程(エッチング工程)において、光損失増大層114となる部分の電流狭窄層前駆層(非晶質AlN層)を光損失増大層前駆層として残してエッチングすること以外は、第1の実施形態(図1および2)の窒化物半導体発光素子と同様にして製造して良い。
本実施形態によれば、素子収量や素子の出力・ビーム品質を維持しながら、残留反射低減により発振を抑制した窒化物半導体発光素子を提供することができる。このため、本実施形態の窒化物半導体発光素子は、例えば、スペックルを低減できるディスプレイ用光源として有効である。
なお、本実施形態において、電流狭窄層および電流狭窄層前駆層は、AlN層として説明したが、前記各実施形態と同様、AlNのみに限定されない。他の層の形成材料、厚み等も、同様に、前記の説明は例示であって、本実施形態は、これのみに限定されない。
(第8の実施形態)
次に、本発明の第8の実施形態による半導体発光素子を説明する。本実施形態における平面図は、図11の第7の実施形態と同様である。また、図11のC−C’で示した導波路に垂直な面で切断して見た断面構造は、第1の実施形態(図1)と同様である。図13に、図11のD−D’で示した導波路に垂直な面で切断して見た断面構造を示す。本実施形態においては、光損失増大領域のAlN層(光損失増大層)厚が、導波路脇のAlN層厚よりも厚い点が、第7の実施形態と異なっている。このようなAlN層厚分布を設けた結果、光損失増大領域ではAlN層による歪の影響が大きくなるため、面欠陥が発生しやすい。一方、導波路脇のAlN層(電流狭窄層)厚は、光損失増大領域のAlN層(光損失増大層)厚よりも薄く、面積も小さいため、活性層への歪の影響が小さく、面欠陥の発生を抑えることができる。すなわち、導波路特性には殆ど影響を与えずに、残留反射の影響を低減することが可能である。
本実施形態による窒化物半導体発光素子の製造方法は特に制限されないが、例えば、以下のとおりである。すなわち、まず、上側導波路層103および下側導波路層105に挟まれた活性層104の形成(前記「活性層形成工程」)までを、第1の実施形態と同様にして行う。次に、第1の実施形態の低温成長によるAlN層(電流狭窄層前駆層)形成工程において、所望の厚みに応じて、成長温度を変化させる。本実施形態の場合、最初の0.1μmを450℃、次の0.1μmを420℃のようにし、上側のAlN層においてエッチングレートが速くなるようにする。次に、エッチングマスクを、AlN層を残す全ての領域に通常の方法で形成し、エッチングを行う。さらに、導波路脇のAlN上のマスクのみを部分的に除去し、短時間でエッチングを行う。この際、AlN層上部の低温成長層のAlNがちょうど除去される時間でエッチングを停止する。これにより、導波路脇のAlN層(電流狭窄層前駆層)厚が約0.1μm、光損失増大領域内のAlN層(光損失増大層前駆層)厚が約0.2μmと層厚差を形成できる。この際、高温で成長したAlN層と低温で成長した層とではエッチングレートが異なるため、導波路脇のAlN層も均一に作製することができ、良好な導波路を形成できる。その後の工程は、第一実施形態と同様にすれば、光損失増大領域内に選択的に面欠陥を発生させることができる。これにより、良好な特性を維持したまま、残留反射の影響を抑制し、良好なSLD素子特性を得ることができる。
ここでは、AlN層厚差を設けることにより、光損失増大領域に選択的に面欠陥を発生させる手法について説明したが、他の方法を用いて面欠陥の発生確率差を設けても良い。例えば面欠陥は、活性層成長時の欠陥密度に依存したり、または、活性層波長が長いほど、すなわちインジウム(In)組成比が高く、層厚が厚いほど発生しやすい傾向がある。これらを利用して、例えば、活性層成長前の基板において、光損失増大領域形成部内に微小な凹凸加工を施して面欠陥を発生しやすくさせても良い。または、基板のオフ角によって成長される活性層波長の変化を利用して、光損失増大領域上により長波長の活性層が成長されるようにオフ角分布を設ける方法などを用いても良い。これらの方法で、光損失増大領域内に選択的に面欠陥を発生することができれば、良好な特性を維持したまま、残留反射の影響を抑制し、良好なSLD素子特性を得ることができる。
本実施形態によれば、第7の実施形態と同様に、素子収量や素子の出力・ビーム品質を維持しながら、残留反射低減により発振を抑制した窒化物半導体発光素子を提供することができる。このため、本実施形態の窒化物半導体発光素子は、例えば、スペックルを低減できるディスプレイ用光源として有効である。
なお、本実施形態において、電流狭窄層、電流狭窄層前駆層、光損失増大層、および光損失増大層前駆層は、AlN層として説明したが、前記各実施形態と同様、AlNのみに限定されない。他の層の形成材料、厚み等も、同様に、前記の説明は例示であって、本実施形態は、これのみに限定されない。
(第9の実施形態)
次に、図14および15を用いて、本発明の第9の実施形態による窒化物半導体発光素子を説明する。図14は、本実施形態による窒化物半導体発光素子の平面図である。なお、同図においては、図示の便宜のために、電流狭窄層108よりも上に存在する構成要素は除去して示している。本実施形態の窒化物半導体発光素子は、第7の実施形態と同様に光損失増大領域を有する。本実施形態の窒化物半導体発光素子は、前記光損失増大領域において、光損失増大層114に代えて、上部クラッド層(p型クラッド層)下部までをエッチングにより除去し、かつ電極(金属膜)が形成された構造となっている点が第7の実施形態と相違している。それ以外の構造は、第7の実施形態の窒化物半導体発光素子と同様である。図14のD−D’で示した導波路に垂直な面で切断して見た断面構造を図15に示す。光損失増大領域において、p型クラッド層下部までをエッチングにより除去することにより金属膜形成領域116が形成され、さらに絶縁膜111上に電極(金属膜)115が形成されている。本実施形態においては、曲線部で発生した放射光が、クラッド層厚みが薄く導波しにくいこと、また電極(金属膜)115の吸収を受けることで残留反射を低減している。ここでは、電極(金属膜)115を、AlN層(電流狭窄層)から離間した位置に配置された、図14のような平面形状の電極(金属膜)としたが、これに限定されず、どのような形状でも良い。ただし、エッチング領域が導波路に近接し過ぎると活性層への欠陥導入などの影響が懸念され好ましくない。また、光損失増大領域の界面において反射する放射光成分が導波路に再結合しないような構造であることが望ましい。
なお、図15においては、前記金属膜(電極)の形成領域において、上部クラッド層106の厚みがゼロである例を示している。しかし、本発明は、これに限定されない。例えば、前記クラッド層(上部クラッド層)の厚みが、前記導波路部分(前記開口埋め込み部)上方における前記クラッド層の厚みよりも小さくなるように上部クラッド層を残し、前記金属膜(電極)を、前記クラッド層を介して前記活性層上方に配置しても良い。
本実施形態による窒化物半導体発光素子の製造方法は、特に制限されないが、例えば、以下のとおりである。すなわち、まず、上部クラッド層(p型クラッド層)106およびコンタクト層107の形成までを第1の実施形態と同様に行い、AlN層が埋め込まれた半導体積層構造を形成する。その後、光損失増大領域(すなわち、金属膜形成領域116)を除いた部分に、酸化シリコン膜等によりエッチングマスクを形成し、金属膜形成領域116のp型コンタクト層およびp型クラッド層をエッチング除去する。このエッチングは、どの深さまで行っても良いが、導波路内部の活性層に影響を与えないためには、InGaN量子井戸活性層まで到達しない深さが望ましく、また光損失増大効果のためにはクラッド層下部までエッチング除去されることが望ましいため、制御可能な範囲でエッチングを行う。その後、第1の実施形態の図3Dに示した工程と同様に、素子全体にCVD法などを用いて、酸化シリコン膜等の絶縁膜111を形成する。そして、通常のフォトリソグラフィー工程を用いて、AlN導波路上のp側電極109形成部の絶縁膜111を除去する。その後、チタンおよび金を蒸着し、適当な条件で加熱してアロイ処理を行うことにより、p側電極109を形成する。この際、電極(金属膜)115が光損失増大領域上にも形成されるようにする。または、素子全体に電極を形成しても良い。また、光損失増大効果を高めるため、アロイ処理後にさらに厚膜の電極を設けても良い。その後の工程は、第1の実施形態と同様に行えば良い。
本実施形態によれば、第7の実施形態と同様に、素子収量や素子の出力・ビーム品質を維持しながら、残留反射低減により発振を抑制した窒化物半導体発光素子を提供することができる。このため、本実施形態の窒化物半導体発光素子は、例えば、スペックルを低減できるディスプレイ用光源として有効である。
なお、本実施形態において、前記の説明における各層の形成材料、厚み等は例示であって、本実施形態は、これのみに限定されない。
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は、これら実施形態に具体的に示した構成、方法に限定されるものではなく、発明の趣旨に沿うものであれば種々のバリエーションが考えられる。例えば、上記実施形態では、緑色波長帯のInGaN量子井戸を活性層とする発光素子の例を採用したが、これに限定されることなく、赤、緑、青色といったディスプレイ用の可視光源のみならず、InNを用いた赤外波長帯や、AlGaNを用いた紫外波長帯の光源にも適用できる。ただし、ディスプレイ用途においては、可視光源かつRGBのうち最も視感度の高い緑色光源においてスペックルを低減することが重要であり、この波長帯の発光が可能な窒化物系半導体に本発明を適用する意義が大きい。また、発光波長域が可視波長域である窒化物材料では、屈折率の絶対値が小さく、赤外波長域に比べΔnを大きくすることが難しい。これによる放射損失等の問題を解決する観点からも、発光波長域が可視光領域である窒化物半導体発光素子に本発明を適用する意義が大きい。
本発明の窒化物半導体発光素子は、屈曲形状の導波路構造によりレーザ発振が抑制されており、かつ低損失で高出力である。したがって、本発明の半導体発光素子は、例えば前記のとおり、特に光源単体でスペックルを低減可能な、ディスプレイ用途に適したビーム特性及び発光波長幅を有する半導体発光素子として用いることができる。また、本発明の窒化物半導体発光素子は、例えば、ディスプレイ(画像表示装置)全般の光源に用いる可視光半導体発光素子として使用可能である。本発明の窒化物半導体発光素子は、前記のとおり、可視光波長帯(例えば、400〜750nm)で発光することが好ましく、青色〜赤色の可視光波長帯(例えば、430〜750nm)で発光することがより好ましく、青色〜緑色の可視光波長帯(例えば、430〜570nm)で発光することが特に好ましい。前述のとおり、本発明の画像表示装置用光源は、本発明の窒化物半導体発光素子を含むことを特徴とし、本発明の画像表示装置は、前記本発明の画像表示装置用光源を含むことを特徴とする。前記本発明の画像表示装置としては、例えば、レーザプロジェクタ(レーザディスプレイ)が好ましい。本発明のレーザプロジェクタ(レーザディスプレイ)によれば、例えば、色再現性の飛躍的な向上、省エネ・低コストで大画面・高精細化、光学系の超小型化等の効果を得ることも可能である。本発明のレーザプロジェクタ(レーザディスプレイ)は、具体的には、例えば、モバイルプロジェクタ、次世代リアプロジェクションTV(rear projection TV)、デジタルシネマ、網膜走査ディスプレイ(RSD:Retinal Scanning Display)、ヘッドアップディスプレイ(HUD:Head Up Display)、または携帯電話、デジタルカメラ、ノートパソコン等への組込型プロジェクタ(embedded projector)等があげられ、幅広い市場に対する応用が可能である。また、本発明の半導体発光素子は、画像表示装置に限定されず、例えば、光干渉断層計(OCT:Optical Coherence Tomography)、光ファイバジャイロ、光ファイバ破断点検出等の製品用の発光素子としても使用可能である。したがって、本発明の窒化物半導体発光素子は、例えば医療・バイオ分野、各種センシング分野等、幅広い分野への応用が可能である。また、前記各実施形態においては、主に、曲線部を含むSLD素子の例を示したが、本発明は、SLDに限らず、パッシブな導波路、レーザ、変調器、波長可変レーザ、受光素子等、どのような光素子にも適用が可能である。
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載しうるが、以下には限定されない。
(付記1)
活性層と、電流狭窄層と、クラッド層とが、前記順序で積層され、
前記電流狭窄層の一部に、開口埋め込み部が形成され、
前記開口埋め込み部は、少なくとも一部が屈曲した導波路形状を有し、かつ、前記クラッド層の少なくとも一部により埋め込まれていることを特徴とする窒化物半導体発光素子。
(付記2)
前記電流狭窄層が、InAlGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)から形成されていることを特徴とする付記1に記載の窒化物半導体発光素子。
(付記3)
前記電流狭窄層が、AlNから形成されていることを特徴とする付記1または2に記載の窒化物半導体発光素子。
(付記4)
前記開口埋め込み部における前記導波路形状が、前記電流狭窄層の厚み方向に沿って幅が変化する形状であることを特徴とする付記1から3のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
(付記5)
前記開口埋め込み部における前記導波路形状が、曲線部と、前記曲線部に接続された直線部とを有する形状であることを特徴とする付記1から4のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
(付記6)
前記開口埋め込み部直線部と前記開口埋め込み部曲線部との接続部において、前記開口埋め込み部直線部の導波路中心線と、前記開口埋め込み部曲線部の導波路中心線とが不連続であることを特徴とする付記5に記載の窒化物半導体発光素子。
(付記7)
さらに、前記クラッド層を介して前記開口埋め込み部の上方に配置された電極を有し、
前記開口埋め込み部曲線部の上方における前記電極の幅の中心線が、前記開口埋め込み部曲線部の導波路中心線よりも、前記開口埋め込み部曲線部の内側寄りに配置されていることを特徴とする付記5または6に記載の窒化物半導体発光素子。
(付記8)
前記電流狭窄層の厚みが、前記開口埋め込み部曲線部の内側と外側とで異なることを特徴とする付記5から7のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
(付記9)
前記電流狭窄層の、導波路と垂直方向の幅が、前記開口埋め込み部曲線部の内側と外側とで異なることを特徴とする付記5から8のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
(付記10)
さらに、出射端面および光損失増大領域を有し、
前記開口埋め込み部における導波路形状の一部が、前記出射端面に実質的に垂直であり、
前記光損失増大領域が、前記開口埋め込み部屈曲部よりも光出射側寄りで、かつ、前記開口埋め込み部屈曲部の外側寄りに配置されていることを特徴とする付記1から9のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
(付記11)
さらに、光損失増大層を有し、
前記光損失増大層は、前記活性層と異なる格子定数を有し、
前記光損失増大層は、前記光損失増大領域における前記活性層上に配置され、
前記活性層における前記光損失増大層下方の領域が面欠陥を有することを特徴とする付記10に記載の窒化物半導体発光素子。
(付記12)
前記光損失増大層の厚みが、前記電流狭窄層と異なることを特徴とする付記11記載の窒化物半導体発光素子。
(付記13)
前記光損失増大層が、InAlGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)から形成されていることを特徴とする付記11または12記載の窒化物半導体発光素子。
(付記14)
前記光損失増大層が、AlNから形成されていることを特徴とする付記11から13のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
(付記15)
さらに、金属膜を有し、
前記金属膜は、前記光損失増大領域において、前記クラッド層を介して前記活性層上方に配置され、
前記金属膜形成領域における前記クラッド層の厚みが、ゼロであるか、または、前記開口埋め込み部上方における前記クラッド層の厚みよりも小さいことを特徴とする付記10から14のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
(付記16)
スーパールミネッセントダイオードであることを特徴とする付記1から15のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
(付記17)
活性層を形成する活性層形成工程と、
電流狭窄層の前駆層を、非晶質層として形成する電流狭窄層前駆層形成工程と、
前記電流狭窄層前駆層の一部をエッチングにより除去し、少なくとも一部が屈曲した導波路形状の開口部を形成する開口部形成工程と、
前記開口部を埋め込むようにクラッド層を形成するクラッド層形成工程とを有し、
前記クラッド層形成工程において、前記電流狭窄層前駆層の結晶化温度以上で前記クラッド層を形成することにより、前記電流狭窄層前駆層を結晶化させ、電流狭窄層とすることを特徴とする窒化物半導体発光素子の製造方法。
(付記18)
前記電流狭窄層前駆層形成工程において、前記電流狭窄層前駆層を、InAlGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)により形成することを特徴とする付記17に記載の製造方法。
(付記19)
前記電流狭窄層前駆層形成工程において、前記電流狭窄層前駆層を、AlNにより形成することを特徴とする付記17または18に記載の製造方法。
(付記20)
前記開口部形成工程において、前記エッチングが、ウェットエッチングであることを特徴とする付記17から19のいずれかに記載の製造方法。
(付記21)
前記開口部形成工程において、前記開口部における前記導波路形状を、前記電流狭窄層の厚み方向に沿って幅が変化する形状として形成することを特徴とする付記17から20のいずれかに記載の製造方法。
(付記22)
前記開口部形成工程において、前記開口部における前記導波路形状を、曲線部と、前記曲線部に接続された直線部とを有する形状として形成することを特徴とする付記17から21のいずれかに記載の製造方法。
(付記23)
前記開口部直線部と前記開口部曲線部との接続部において、前記開口部直線部の導波路中心線と、前記開口部曲線部の導波路中心線とを不連続に形成することを特徴とする付記22記載の製造方法。
(付記24)
さらに、前記クラッド層を介して前記開口埋め込み部の上方に配置された電極を形成する電極形成工程を含み、
前記電極形成工程において、前記開口部曲線部の上方における前記電極の幅の中心線を、前記開口部曲線部の導波路中心線よりも、前記開口部曲線部の内側寄りに配置することを特徴とする付記22または23に記載の製造方法。
(付記25)
前記電流狭窄層前駆層形成工程において、前記電流狭窄層前駆層を、前記開口部曲線部の内側と外側とで厚みが異なるように形成することを特徴とする付記22から24のいずれかに記載の製造方法。
(付記26)
前記電流狭窄層前駆層形成工程において、前記電流狭窄層前駆層を、導波路と垂直方向の幅が、前記開口埋め込み部曲線部の内側と外側とで異なるように形成することを特徴とする付記22から25のいずれかに記載の製造方法。
(付記27)
製造される窒化物半導体発光素子が、出射端面および光損失増大領域を有し、
前記開口埋め込み部における導波路形状の一部を、前記出射端面に垂直に形成し、
前記光損失増大領域が、前記開口埋め込み部屈曲部よりも光出射側寄りで、かつ、前記開口埋め込み部屈曲部の外側寄りに配置されるように前記窒化物半導体発光素子を製造することを特徴とする付記17から26のいずれかに記載の製造方法。
(付記28)
前記電流狭窄層前駆層形成工程において、さらに、光損失増大層前駆層を形成し、
前記光損失増大層前駆層を、前記活性層上における前記光損失増大領域の少なくとも一部に形成し、
前記クラッド層形成工程において、前記光損失増大層前駆層の結晶化温度以上で前記クラッド層を形成することにより、前記光損失増大層前駆層を結晶化させ、前記活性層と格子定数が異なる光損失増大層とすることを特徴とする付記27に記載の製造方法。
(付記29)
前記電流狭窄層前駆層形成工程において、前記光損失増大層を、前記電流狭窄層と厚みが異なるように形成することを特徴とする付記28に記載の製造方法。
(付記30)
前記光損失増大層を、InAlGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)から形成することを特徴とする付記28または29に記載の製造方法。
(付記31)
前記光損失増大層が、AlNから形成されていることを特徴とする付記28から30のいずれかに記載の製造方法。
(付記32)
さらに、金属膜を形成する金属膜形成工程を有し、
前記金属膜は、前記光損失増大領域の少なくとも一部において、前記クラッド層を介して前記活性層上方に配置し、
前記金属膜形成領域における前記クラッド層の厚みを、ゼロであるか、または、前記開口埋め込み部上方における前記クラッド層の厚みよりも小さくなるように形成することを特徴とする付記27から31のいずれかに記載の製造方法。
(付記33)
製造される窒化物半導体発光素子が、スーパールミネッセントダイオードであることを特徴とする付記17から32のいずれかに記載の製造方法。
(付記34)
付記17から33のいずれかに記載の製造方法により製造されることを特徴とする窒化物半導体発光素子。
(付記35)
付記1から16および34のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子を含むことを特徴とする画像表示装置用光源。
(付記36)
付記35に記載の画像表示装置用光源を含むことを特徴とする画像表示装置。
(付記37)
レーザディスプレイであることを特徴とする付記36に記載の画像表示装置。
101 n型基板
102 n型クラッド層
103 下側光導波路層
104 多重量子井戸活性層
105 上側光導波路層
106 p型クラッド層
107 コンタクト層
108 電流狭窄層
108b 電流狭窄層前駆層
109 p側電極
110 n側電極
111 絶縁膜
112 出射端面反射膜
113 後端面反射膜
114 光損失増大層
115 金属膜(電極)
116 金属膜形成領域

Claims (10)

  1. 活性層と、電流狭窄層と、クラッド層とが、前記順序で積層され、
    前記電流狭窄層の一部に、開口埋め込み部が形成され、
    前記開口埋め込み部は、少なくとも一部が屈曲した導波路形状を有し、かつ、前記クラッド層の少なくとも一部により埋め込まれていることを特徴とする窒化物半導体発光素子。
  2. 前記開口埋め込み部における前記導波路形状が、曲線部と、前記曲線部に接続された直線部とを有する形状であり、
    前記開口埋め込み部直線部と前記開口埋め込み部曲線部との接続部において、前記開口埋め込み部直線部の導波路中心線と、前記開口埋め込み部曲線部の導波路中心線とが不連続であることを特徴とする請求項1記載の窒化物半導体発光素子。
  3. さらに、前記クラッド層を介して前記開口埋め込み部の上方に配置された電極を有し、
    前記開口埋め込み部における前記導波路形状が、曲線部と、前記曲線部に接続された直線部とを有する形状であり、
    前記開口埋め込み部曲線部の上方における前記電極の幅の中心線が、前記開口埋め込み部曲線部の導波路中心線よりも、前記開口埋め込み部曲線部の内側寄りに配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の窒化物半導体発光素子。
  4. 前記開口埋め込み部における前記導波路形状が、曲線部と、前記曲線部に接続された直線部とを有する形状であり、
    前記電流狭窄層の厚みが、前記開口埋め込み部曲線部の内側と外側とで異なることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の窒化物半導体発光素子。
  5. 前記開口埋め込み部における前記導波路形状が、曲線部と、前記曲線部に接続された直線部とを有する形状であり、
    前記電流狭窄層の、導波路と垂直方向の幅が、前記開口埋め込み部曲線部の内側と外側とで異なることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の窒化物半導体発光素子。
  6. さらに、出射端面、光損失増大領域および光損失増大層を有し、
    前記開口埋め込み部における導波路形状の一部が、前記出射端面に実質的に垂直であり、
    前記光損失増大領域が、前記開口埋め込み部屈曲部よりも光出射側寄りで、かつ、前記開口埋め込み部屈曲部の外側寄りに配置され、
    前記光損失増大層は、前記活性層と異なる格子定数を有し、
    前記光損失増大層は、前記光損失増大領域における前記活性層上に配置され、
    前記活性層における前記光損失増大層下方の領域が面欠陥を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の窒化物半導体発光素子。
  7. さらに、出射端面、光損失増大領域および金属膜を有し、
    前記開口埋め込み部における導波路形状の一部が、前記出射端面に実質的に垂直であり、
    前記光損失増大領域が、前記開口埋め込み部屈曲部よりも光出射側寄りで、かつ、前記開口埋め込み部屈曲部の外側寄りに配置され、
    前記金属膜は、前記光損失増大領域において、前記クラッド層を介して前記活性層上方に配置され、
    前記金属膜形成領域における前記クラッド層の厚みが、ゼロであるか、または、前記開口埋め込み部上方における前記クラッド層の厚みよりも小さいことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の窒化物半導体発光素子。
  8. 活性層を形成する活性層形成工程と、
    電流狭窄層の前駆層を、非晶質層として形成する電流狭窄層前駆層形成工程と、
    前記電流狭窄層前駆層の一部をエッチングにより除去し、少なくとも一部が屈曲した導波路形状の開口部を形成する開口部形成工程と、
    前記開口部を埋め込むようにクラッド層を形成するクラッド層形成工程とを有し、
    前記クラッド層形成工程において、前記電流狭窄層前駆層の結晶化温度以上で前記クラッド層を形成することにより、前記電流狭窄層前駆層を結晶化させ、電流狭窄層とすることを特徴とする窒化物半導体発光素子の製造方法。
  9. 前記開口部形成工程において、前記エッチングが、ウェットエッチングであることを特徴とする請求項8記載の製造方法。
  10. 画像表示装置用光源を含み、
    前記画像表示装置用光源が、請求項1から7のいずれか一項に記載の窒化物半導体発光素子、または請求項8もしくは9記載の製造方法により製造される窒化物半導体発光素子を含むことを特徴とする画像表示装置。
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