JP2013102043A - 半導体レーザ素子、及び、半導体レーザ素子の作製方法 - Google Patents

半導体レーザ素子、及び、半導体レーザ素子の作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光出力の低減を抑制しつつ比較的に低い閾値電圧で駆動可能な半導体レーザ素子と、この半導体レーザ素子の作製方法とを提供する。
【解決手段】端面発光型の半導体レーザ素子11であって、六方晶系半導体からなる支持基体1の主面1aの上に設けられた活性層3と、活性層3上に設けられたp型窒化物半導体領域4と、p型窒化物半導体領域4上に設けられたITO電極5aと、を備え、p型窒化物半導体領域4のp側クラッド層4cは、0.18μm以上0.22μm以下の範囲の膜厚を有し、ITO電極5aは、活性層3の発振波長の光に対し2.5×10cm−1以上3.0×10cm−1以下の光吸収係数を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、端面発光型の半導体レーザ素子と、この半導体レーザ素子の作製方法とに関する。
特許文献1には、製造プロセスに起因して電極層の表面に変質層が形成されるのを抑制することを目的とする窒化物系半導体レーザ素子が開示されている。特許文献1の窒化物系半導体レーザ素子は、InGaNからなるMQW活性層上に形成されたp型コンタクト層と、このp型コンタクト層のMQW活性層とは反対側の表面上に形成され、Pt電極層とPd電極層とPt電極層とを含み、平面的に見てストライプ形状を有するp側オーミック電極とを備える。そして、Pt電極層の厚みは、Pt電極層の厚みの10倍以上30倍以下である。
また、特許文献2には、ITO薄膜に係る技術が開示されている。このITO薄膜は、基板上に形成され、0.6〜2.8at.%のSn濃度を有し、透明導電膜として利用できる。このITO薄膜の製造方法は、大気中に開放した基板に、インジウム塩と錫塩の混合溶液を噴霧する工程を含む方法である。錫塩として塩化第1錫を用いることができる。また、溶液として、アルコール溶液を用いることができる。
特開2010−114430号公報 再表WO2005/021436号公報
荒川 泰彦、染谷 隆夫、"次世代大容量光メモリ用青色面発光レーザの開発研究"、[online]、公益財団法人 放送文化基金、1999年度(平成11年度)助成、研究報告、[平成23年11月8日検索]、インターネット<URL:http://www.hbf.or.jp/grants/pdf/g/11-g-arakawa.pdf>
従来のレーザダイオード(LD)には、光をガイド層に閉じ込めるために、n側とp側とにクラッド層が設けられている。p側のクラッド層の膜厚は、閾値電圧を低減するために、比較的に薄い。p側のクラッド層の膜厚が比較的に薄い場合、p側のクラッド層は、導波路を進む光を光ガイド層に十分に閉じ込めきれない場合があり、この場合、光は、p側のクラッド層を介して、金属からなるp側電極に至る(漏れる)。金属は一般に光の透過率が極端に低いので、光が、p側クラッド層を介してp側電極に漏れると、p側電極によって吸収される場合があり、この場合、レーザダイオードからの光出力が減衰する。
そこで、本発明の目的は、上記の事項を鑑みてなされたものであり、光出力の低減を抑制しつつ、比較的に低い閾値電圧で駆動可能な半導体レーザ素子と、この半導体レーザ素子の作製方法とを提供することである。
本発明の第1の側面は、半導体レーザ素子であり、端面発光型の半導体レーザ素子であって、六方晶系半導体からなる支持基体の主面上に設けられたn型窒化物半導体領域と、前記n型窒化物半導体領域上に設けられた活性層と、前記活性層上に設けられたp型窒化物半導体領域と、前記p型窒化物半導体領域上に設けられたITO電極と、を備え、前記p型窒化物半導体領域は、クラッド層を有し、前記クラッド層は、0.18μm以上0.22μm以下の範囲の膜厚を有し、前記ITO電極は、前記活性層の発振波長の光に対し、2.5×10cm−1以上3.0×10cm−1以下の光吸収係数を有し、前記活性層の発振波長は、400nm以上550nm以下である、ことを特徴とする。
本発明の第1の側面に係るp型窒化物半導体領域は、0.18μm以上0.22μm以下の範囲の比較的に薄い膜厚のクラッド層を有する。このように、p側のクラッド層が比較的薄く、p側のクラッド層における電圧降下が低減されているが、活性層からの光が、このクラッド層を介してITO電極に至る場合がある。しかし、本発明の第1の側面に係るITO電極は、光の波長が長い程、光吸収係数は小さくなり、400nm以上550nm以下の範囲の発振波長の光に対しては、比較的に小さい2.5×10cm−1以上3.0×10cm−1以下の範囲の光吸収係数を有することになるので、クラッド層を介してITO電極に至ってもITO電極に吸収される光は低減される。よって、光出力の低減が抑制される。
本発明の第1の側面では、前記p型窒化物半導体領域は、前記クラッド層上に設けられたコンタクト層を有し、前記ITO電極は、前記コンタクト層上に設けられ、前記コンタクト層は、InGaNからなる、ことが好ましい。InGaNからなるコンタクト層を介してITO電極が設けられているので、ITO電極とコンタクト層との界面におけるオフセット電圧が低減できる。従って、半導体レーザ素子の閾値電圧を低減できる。また、ITOの屈折率は、InGaNの屈折率に比較して、十分に小さいので、ITO電極による光の閉じ込めが可能となる。従って、光出力の低減が抑制できる。
本発明の第1の側面では、前記コンタクト層は、45nm以上55nm以下の範囲の膜厚を有する、ことが好ましい。コンタクト層はMgドープ量が多く光吸収係数が高いため、この範囲の比較的小さい膜厚であれば、閾値電圧の増加にほぼ影響がない。
本発明の第1の側面では、前記主面は、前記六方晶系半導体のc面から前記六方晶系半導体のm軸方向に、予め規定された傾斜角で傾斜している、ことが好ましい。GaN系半導体の屈折率は、半極性面上に設けられている場合と、c面上に設けられている場合とで比較すると、半極性面上に設けられた場合の方が、大きい。このため、GaN系半導体から成る光ガイド層が半極性面上に設けられている場合、ITO電極による光の閉じ込めが十分に効果的となる。従って、光出力の低減が抑制できる。
本発明の第1の側面では、前記傾斜角は、63度以上80度未満の範囲にある、ことが好ましい。この範囲の傾斜角が緑色領域の発光に適している。
本発明の第1の側面では、前記ITO電極の膜厚は、0.45μm以上0.55μm以下の範囲にある、ことが好ましい。ITO電極の膜厚が0.45μm以上0.55μm以下の範囲にあるので、ITOの外側にある不透明な金属電極への光のしみ出しを抑制でき、閾値増大を抑制することができる。
本発明の第1の側面では、前記ITO電極は、0.6at.%以上2.8at.%以下の範囲にあるスズを含有している、ことが好ましい。ITO電極が0.6at.%以上2.8at.%以下の範囲にあるスズを含有しているので、ITO電極の光吸収係数が十分に低減可能となる。
本発明の第1の側面では、前記ITO電極は、透明電極である、ことが好ましい。電極が透明であることにより、電極での光吸収による内部ロスを低減することができる。
本発明の第1の側面では、前記活性層の発振波長は、480nm以上540nm以下の範囲にある、ことが好ましく、更に、510nm以上540nm以下の範囲にある、ことも好ましい。この波長範囲が純緑色であり、ディスプレイ用途に適している。
本発明の第2の側面は、半導体レーザ素子の作製方法であり、端面発光型の半導体レーザ素子の作製方法であって、六方晶系半導体からなる基板と前記基板の主面上に形成されたn型窒化物半導体領域と前記n型窒化物半導体領域上に形成された活性層と前記活性層上に形成されたp型窒化物半導体領域とを含むエピタキシャル基板を作製する工程と、前記p型窒化物半導体領域上にITO電極を形成する工程と、を備え、前記p型窒化物半導体領域は、クラッド層を有し、前記クラッド層は、0.18μm以上0.22μm以下の範囲の膜厚を有し、前記ITO電極は、前記活性層の発振波長の光に対し、2.5×10cm−1以上3.0×10cm−1以下の光吸収係数を有し、前記活性層の発振波長は、400nm以上550nm以下である、ことを特徴とする。
本発明の第2の側面に係るp型窒化物半導体領域は、0.18μm以上0.22μm以下の範囲の比較的に薄い膜厚のクラッド層を有する。このように、p側のクラッド層が比較的薄く、p側のクラッド層における電圧降下が低減されているが、活性層からの光が、このクラッド層を介してITO電極に至る場合がある。しかし、本発明の第2の側面に係るITO電極は、光の波長が長い程、光吸収係数は小さくなり、400nm以上550nm以下の範囲の発振波長の光に対しては、比較的に小さい2.5×10cm−1以上3.0×10cm−1以下の範囲の光吸収係数を有することになるので、クラッド層を介してITO電極に至ってもITO電極に吸収される光は低減される。よって、光出力の低減が抑制される。
本発明の第2の側面では、前記エピタキシャル基板は、前記クラッド層上に形成されたコンタクト層を有し、前記ITO電極は、前記ITO電極を形成する工程において、前記コンタクト層上に形成され、前記コンタクト層は、InGaNからなる、ことが好ましい。InGaNからなるコンタクト層を介してITO電極が設けられているので、ITO電極とコンタクト層との界面におけるオフセット電圧が低減できる。従って、半導体レーザ素子の閾値電圧を低減できる。また、ITOの屈折率は、InGaNの屈折率に比較して、十分に小さいので、ITO電極による光の閉じ込めが可能となる。従って、光出力の低減が抑制できる。
本発明の第2の側面では、前記コンタクト層は、45nm以上55nm以下の範囲の膜厚を有する、ことが好ましい。コンタクト層はMgドープ量が多く光吸収係数が高いため、この範囲の比較的小さい膜厚であれば、閾値電圧の増加にほぼ影響がない。
本発明の第1の側面では、前記主面は、前記六方晶系半導体のc面から前記六方晶系半導体のm軸方向に、予め規定された傾斜角で傾斜している、ことが好ましい。GaN系半導体の屈折率は、半極性面上に設けられている場合と、c面上に設けられている場合とで比較すると、半極性面上に設けられた場合の方が、大きい。このため、GaN系半導体から成る光ガイド層が半極性面上に設けられている場合、ITO電極による光の閉じ込めが十分に効果的となる。従って、光出力の低減が抑制できる。
本発明の第2の側面では、前記傾斜角は、63度以上80度未満の範囲にある、ことが好ましい。この範囲の傾斜角が緑色領域の発光に適している。
本発明の第2の側面では、前記ITO電極の膜厚は、0.45μm以上0.55μm以下の範囲にある、ことが好ましい。ITO電極の膜厚が0.45μm以上0.55μm以下の範囲にあるので、ITOの外側にある不透明な金属電極への光のしみ出しを抑制でき、閾値増大を抑制することができる。
本発明の第2の側面では、前記ITO電極は、0.6at.%以上2.8at.%以下の範囲にあるスズを含有している、ことが好ましい。ITO電極が0.6at.%以上2.8at.%以下の範囲にあるスズを含有しているので、ITO電極の光吸収係数が十分に低減可能となる。
本発明の第2の側面では、前記ITO電極は、透明電極である、ことが好ましい。電極が透明であることにより、電極での光吸収による内部ロスを低減することができる。
本発明の第2の側面では、前記活性層の発振波長は、480nm以上540nm以下の範囲にある、ことが好ましく、更に、510nm以上540nm以下の範囲にある、ことも好ましい。この波長範囲が純緑色であり、ディスプレイ用途に適している。
本発明によれば、光出力の低減を抑制しつつ、比較的に低い閾値電圧で駆動可能な半導体レーザ素子と、この半導体レーザ素子の作製方法とを提供できる。
図1は、実施形態に係る半導体レーザ素子の断面の構成を示す図である。 図2は、実施形態に係る半導体レーザ素子の作製方法の主要な工程を示す図である。 図3は、実施形態に係る半導体レーザ素子の作製工程において形成される複数の生産物の断面構成を示す図である。 図4は、実施形態に係る半導体レーザ素子の作製工程において形成される複数の生産物の断面構成を示す図である。 図5は、実施形態に係る半導体レーザ素子の作製工程において形成される複数の生産物の断面構成を示す図である。 図6は、実施形態に係る半導体レーザ素子の効果を説明するための図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、可能な場合には、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。まず、図1を参照して、実施形態に係る半導体レーザ素子11の構成を説明する。図1は、実施形態に係る半導体レーザ素子11の断面の構成を示す図である。図1には、半導体レーザ素子11の層構造が記載されている。図1には、半導体レーザ素子11の各層の材料、組成及び膜厚が例示されている。
半導体レーザ素子11は、端面発光型の半導体レーザ素子である。半導体レーザ素子11は、支持基体1、n型窒化物半導体領域2、活性層3、p型窒化物半導体領域4、p側電極5、絶縁膜6及びn側電極7を備える。n型窒化物半導体領域2は、支持基体1の主面上に設けられ、この主面を介して支持基体1に接している。活性層3は、n型窒化物半導体領域2上に設けられ、n型窒化物半導体領域2に接している。p型窒化物半導体領域4は、活性層3上に設けられ、活性層3に接している。p側電極5は、p型窒化物半導体領域4上に設けられ、p型窒化物半導体領域4に接している。絶縁膜6は、p型窒化物半導体領域4上に設けられ、p型窒化物半導体領域4に接している。n側電極7は、支持基体1の裏面上に設けられ、この裏面を介して支持基体1に接している。
支持基体1は、六方晶系半導体からなり、例えば、GaNからなる。支持基体1は、互いに対向する主面1aと裏面1bとを有している。支持基体1の主面1aは、支持基体1の六方晶系半導体のc面((0001)面)から支持基体1の六方晶系半導体のm軸方向に、予め規定された傾斜角で傾斜している半極性面である。主面1aの傾斜角は、動作電圧の増加を抑制しつつ閾値電流を更に低減する観点から、例えば、63度以上80度未満の範囲にある。
n型窒化物半導体領域2は、六方晶系の窒化ガリウム系半導体からなる。n型窒化物半導体領域2は、バッファ層2a、n側クラッド層2b、n側光ガイド層2c及びn側光ガイド層2dを有する。バッファ層2a、n側クラッド層2b、n側光ガイド層2c及びn側光ガイド層2dは、この順に、エピタキシャル成長によって、支持基体1の主面1a上に設けられている。バッファ層2aとn側クラッド層2bとの界面、n側クラッド層2bとn側光ガイド層2cとの界面、及び、n側光ガイド層2cとn側光ガイド層2dとの界面は、何れも、主面1aの結晶方位を引き継ぐ傾向を有する。
バッファ層2aは、支持基体1の主面1a上に設けられ、主面1aを介して支持基体1に接している。バッファ層2aは、Si等をn型ドーパントとして含有するn型の窒化ガリウム系半導体からなり、例えばn型のGaNからなる。バッファ層2aのn型ドーパント濃度は、例えば3×1018cm−3の程度である。バッファ層2aの膜厚は、例えば1.1μmの程度である。
n側クラッド層2bは、バッファ層2a上に設けられ、例えば、バッファ層2aに接している。n側クラッド層2bは、Si等をn型ドーパントとして含有するn型の窒化ガリウム系半導体からなり、例えばn型のIn0.03Al0.14Ga0.83Nからなる。n側クラッド層2bのn型ドーパント濃度は、例えば1×1018cm−3以上5×1018cm−3以下の範囲にある。n側クラッド層2bの膜厚は、例えば1.2μmの程度である。
n側光ガイド層2cは、n側クラッド層2b上に設けられ、n側クラッド層2bに接している。n側光ガイド層2cは、Si等をn型ドーパントとして含有するn型の窒化ガリウム系半導体からなり、例えばn型のGaNからなる。n側光ガイド層2cのn型ドーパント濃度は、例えば1×1018cm−3以上3×1018cm−3以下の範囲にある。n側光ガイド層2cの膜厚は、例えば0.20μmの程度である。
n側光ガイド層2dは、n側光ガイド層2c上に設けられ、n側光ガイド層2cに接している。n側光ガイド層2dは、Si等をn型ドーパントとして含有するn型の窒化ガリウム系半導体からなり、例えばn型のIn0.04Ga0.96Nからなる。n側光ガイド層2dの膜厚は、例えば0.18μmの程度である。
n側光ガイド層2dのn型ドーパント濃度は、1×1017cm−3以上3×1018cm−3以下の範囲にあるが、2×1017cm−3以上1×1018cm−3以下の範囲にあることができる。n側光ガイド層2dのn型ドーパント濃度が1×1017cm−3未満であると、動作電圧が増加する傾向がある。n側光ガイド層2dのn型ドーパント濃度が3×1018cm−3を超えると、閾値電流が増加する傾向がある。
活性層3は、n側光ガイド層2d上に設けられ、n側光ガイド層2dに接している。活性層3は、単一の井戸層を含む単一量子井戸構造、又は、複数の井戸層を含む多重量子井戸構造を有しているが、図1には、一例として、単一量子井戸構造を有する半導体レーザ素子11が例示されている。
活性層3は、例えば、400nm以上550nm以下の範囲にある波長の光を発生可能な量子井戸構造を有する。活性層3の量子井戸構造が発生可能な光の波長は、特に、480nm以上540nm以下の範囲にあることができ、更に、510nm以上540nm以下の範囲にあることができる。
活性層3の単一の井戸層は、アンドープの窒化ガリウム系半導体からなり、例えばアンドープのIn0.30Ga0.70Nからなる。活性層3の単一の井戸層の膜厚は、例えば3nmの程度である。
p型窒化物半導体領域4は、六方晶系の窒化ガリウム系半導体からなる。p型窒化物半導体領域4は、p側光ガイド層4a、電子ブロック層4b、p側クラッド層4c及びコンタクト層4dを有する。p側光ガイド層4a、電子ブロック層4b、p側クラッド層4c及びコンタクト層4dは、この順に、エピタキシャル成長によって、活性層3上に設けられている。活性層3とp側光ガイド層4aとの界面、p側光ガイド層4aと電子ブロック層4bとの界面、電子ブロック層4bとp側クラッド層4cとの界面、p側クラッド層4cとコンタクト層4dとの界面は、何れも、支持基体1の主面1aの結晶方位を引き継ぐ傾向を有する。
p側光ガイド層4aは、活性層3上に設けられ、活性層3に接している。p側光ガイド層4aは、アンドープの窒化ガリウム系半導体からなり、例えば、アンドープのIn0.02Ga0.98Nからなる。p側光ガイド層4aの膜厚は、例えば0.08μmの程度である。
電子ブロック層4bは、p側光ガイド層4a上に設けられ、p側光ガイド層4aに接している。電子ブロック層4bは、Mg等をp型ドーパントとして含有するp型の窒化ガリウム系半導体からなり、例えばp型のGaNからなる。電子ブロック層4bのp型ドーパント濃度は、例えば、1×1019cm−3の程度である。電子ブロック層4bの膜厚は、例えば、0.20μmの程度である。
p側クラッド層4cは、電子ブロック層4b上に設けられ、電子ブロック層4bに接している。p側クラッド層4cは、Mg等をp型ドーパントとして含有するp型の窒化ガリウム系半導体からなり、例えばp型のAl0.02Ga0.98Nからなる。p側クラッド層4cのp型ドーパント濃度は、例えば、5×1018cm−3以上3×1019cm−3以下の範囲にある。p側クラッド層4cは、0.18μm以上0.22μm以下の範囲の膜厚を有する。p側クラッド層4cの膜厚は、例えば、0.20μmの程度である。
コンタクト層4dは、p側クラッド層4c上に設けられ、p側クラッド層4cに接している。コンタクト層4dは、Mg等をp型ドーパントとして含有するp型の窒化ガリウム系半導体からなり、例えばp型のInGaNからなる。コンタクト層4dのp型ドーパント濃度は、例えば、3×1019cm−3の程度である。コンタクト層4dは、45nm以上55nm以下の範囲の膜厚を有する。コンタクト層4dの膜厚は、例えば、0.050μmの程度である。
p型窒化物半導体領域4は、リッジ部Lgを含む。リッジ部Lgは、電子ブロック層4b上に設けられている。コンタクト層4dの全体は、リッジ部Lgに含まれている。p側クラッド層4cは、一部がリッジ部Lgに含まれている。具体的には、p側クラッド層4cにおいて、電子ブロック層4bとの界面から0.15μmの程度の箇所から、リッジ部Lgが形成されている。すなわち、p側クラッド層4cにおいて、コンタクト層4dとの界面から0.050μmの程度の箇所までが、リッジ部Lgに含まれる。リッジ部Lgは、半導体レーザ素子11の導波路の延びる方向に延びている。リッジ部Lgの幅(具体的には、半導体レーザ素子11の導波路の延びる方向に交差する方向における幅)は、例えば、2μmの程度とすることができる。
電子ブロック層4bの上であってリッジ部Lgの両側には、絶縁膜6が設けられている。絶縁膜6は、電子ブロック層4bの上であってリッジ部Lgの両側(リッジ部Lgが延びている方向と交差する方向における両側)において、p側クラッド層4cに接している。絶縁膜6は、リッジ部Lgの側面に接している。絶縁膜6は、例えば、SiOからなる。リッジ部Lgの側面には、p側クラッド層4c及びコンタクト層4dの端面が露出しているので、絶縁膜6は、リッジ部Lgの側面において、p側クラッド層4c及びコンタクト層4dに接している。また、絶縁膜6は、リッジ部Lg上に設けられたITO電極5aにも接している。
p側電極5は、ITO電極5a(ITO:Indium Tin Oxide)とp側パッド電極5bとを含む。ITO電極5aは、コンタクト層4d上に設けられ、コンタクト層4dに接している。ITO電極5aは、活性層3の発振波長の光に対し、2.5×10cm−1以上3.0×10cm−1以下の範囲にある光吸収係数を有する。ITO電極5aの膜厚は、0.45μm以上0.55μm以下の範囲にある。ITO電極5aは、例えば、0.6at.%以上2.8at.%以下の範囲にあるスズ(Sn)を含有している。ITO電極5aは、透明電極であることができる。
p側パッド電極5bは、ITO電極5a上に設けられており、ITO電極5aに接している。p側パッド電極5bは、絶縁膜6上にも設けられており、絶縁膜6にも接している。p側パッド電極5bは、金属からなり、例えばTi/Auからなる。n側電極7は、支持基体1の裏面1b上に設けられ、裏面1bを介して支持基体1に接している。n側電極7は、金属からなり、例えばTi/Al/Auからなる。
次に、図2と図3〜図5とを参照して、実施形態に係る半導体レーザ素子の作製方法を説明する。図2は、実施形態に係る半導体レーザ素子の作製方法の主要な工程を示す図である。図3〜図5は、何れも、実施形態に係る半導体レーザ素子の作製工程において形成される複数の生産物の断面構成を示す図である。図3〜図5に示す生産物から、実施形態に係る半導体レーザ素子11が形成される。
まず、ステップS1(図3の(A)部を参照)において、エピタキシャル基板12を用意する。エピタキシャル基板12は、基板(支持基体1に対応)と、この基板上に形成されたn型窒化ガリウム系半導体領域(n型窒化物半導体領域2に対応)と、このn型窒化ガリウム系半導体領域上に形成された活性層(活性層3に対応)と、この活性層上に形成されたp型窒化ガリウム系半導体領域(p型窒化物半導体領域4に対応)とを含む。このように、エピタキシャル基板12の層構造は、図1に示す半導体レーザ素子11の層構造に対応している(以上、ステップS1)。
次に、ステップS2(図3の(B)部〜(F)部、及び、図4の(A)部〜(D)部を参照)において、エピタキシャル基板12のp側(p電極が形成される側)にリッジ部(リッジ部Lgに対応)を形成する。まず、図3の(B)部に示すように、エピタキシャル基板12の表面(p側の表面)上に、EB蒸着(EB:Electron Beam)によって、Al膜13(Al:Aluminum)を、1000オングストロームの程度の厚みに形成し、更に、EB蒸着によって、Ti膜14(Ti:Titanium)を、Al膜13上に、100オングストロームの程度の厚みに形成する。
次に、図3の(C)部に示すように、CVD(Chemical Vapor Deposition)によって、SiOの絶縁膜15を、Ti膜14上に、2000オングストローム程度の厚みに形成する。
次に、図3の(D)部に示すように、絶縁膜15上に、レジストパターニングを行い、マスク16を、1.2μmの程度の幅(すなわち、形成するリッジ部が延びる方向に交差する方向の幅)で形成する。この幅のマスク16によって、0.80μm以上2.2μm以下の範囲の幅(例えば、2.0μmの程度の幅)のリッジ部が形成される。
次に、図3の(E)部に示すように、ICP(Inductively Coupled Plasma)によるドライエッチングによって、Al膜13、Ti膜14、絶縁膜15をエッチングし、このICPによるドライエッチングによって、Al膜13、Ti膜14、絶縁膜15は、それぞれ、Al膜13a、Ti膜14a、絶縁膜15aとなる。
このICPによるドライエッチングでは、反応ガスとして、SiOの絶縁膜15のエッチング用にCHFガスが用いられ、Al膜13及びTi膜14のエッチング用にClガスが用いられる。
次に、図3の(F)部に示すように、マスク16を除去し、Al膜13a、Ti膜14a及び絶縁膜15aが、マスクとして設けられている。
次に、図4の(A)部に示すように、ICPによるドライエッチングによって、エピタキシャル基板12をエッチングし、基板部12aとリッジ部12a1とを形成する。リッジ部12a1は、基板部12a上に突出している。リッジ部12a1上に、Al膜13a、Ti膜14a及び絶縁膜15aが配置されている。このICPによるドライエッチングでは、反応ガスとして、Clガスが用いられる。なお、リッジ部12a1は、エピタキシャル基板12の活性層(活性層3に対応)の上に設けられ、エピタキシャル基板12のp側クラッド層(p側クラッド層4cに対応)の一部を含む。すなわち、このドライエッチングは、エピタキシャル基板12のp側クラッド層の内部に至るまでおこなわれ、エピタキシャル基板12の活性層はエッチングされない。基板部12aとリッジ部12a1との境界面は、エピタキシャル基板12のp側クラッド層に含まれる。なお、エピタキシャル基板12のp側クラッド層の厚みが0.20μmの程度の場合、基板部12aの厚みは、0.15μmの程度であり、リッジ部12a1の厚みは、0.05μmの程度である。
次に、図4の(B)部に示すように、ICPによるドライエッチングによって、Al膜13aを更にエッチングして、Al膜13aの幅を縮小させる。このICPによるドライエッチングによって、Al膜13aは、Al膜13aよりも幅の小さいAl膜13bとなり、更に、リッジ部12a1の幅が、2μmの程度となる。このIPCによるドライエッチングでは、反応ガスとして、Clガスが用いられる。
次に、図4の(C)部に示すように、EB蒸着によって、SiOの絶縁膜15a1をSiOの絶縁膜15a上に3000オングストロームの程度に形成し、EB蒸着によって、SiOの絶縁膜15a2を基板部12a上に3000オングストロームの程度に形成する。絶縁膜15a2は、エピタキシャル基板12のうちドライエッチングによって除去されたスペースを埋めるように形成される。
次に、図4の(D)部に示すように、リフトオフし、Al膜13b、絶縁膜15a及び絶縁膜15a1を、リッジ部12a1上から除去する(以上、ステップS2)。
次に、ステップS3(図4の(E)部〜(F)部、及び、図5の(A)部を参照)において、p側の表面にITO膜(ITO電極5aに対応)を形成する。まず、図4の(E)部に示すように、絶縁膜15a2上に、レジストパターニングを行い、マスク16aを形成する。マスク16aによって開口16a1が形成される。開口16a1は、リッジ部12a1の表面上に配置され、リッジ部12a1の表面を露出する。
次に、図4の(F)部に示すように、開口16a1によって露出されたリッジ部12a1の表面上にITO膜17a(ITO電極5aに対応)を形成し、マスク16aの表面上にITO膜17bを形成する。
次に、図5の(A)部に示すように、リフトオフを行い、マスク16aと、マスク16a上のITO膜17bとを、絶縁膜15a2上から除去する(以上、ステップS3)。
次に、ステップS4(図5の(B)部を参照)において、基板部12aのn側の表面を研削する。図5の(B)に示すように、基板部12aのn側の表面(裏面)を研削し、この研削によって、基板部12aから基板部12cが形成される(以上、ステップS4)。
次に、ステップS5(図5の(C)部を参照)において、基板部12bのn側の表面のダメージ層を除去する。基板部12bのn側の表面には、ステップS4において実施された研削によって、ダメージ層が形成されているが、図5の(C)部に示すように、RIE(Reactive Ion Etching)によって、除去する(以上、ステップS5)。
次に、ステップS6(図5の(D)部を参照)において、基板部12cのn側の表面上にn側電極18(n側電極7に対応)を、EB蒸着によって形成する。図5の(D)部に示すように、ダメージ層の除去後の基板部12cの裏面(n側の表面であって、裏面1bに対応)上に、Ti/Al/Auからなるn側電極18を形成し、n側電極18に対しアニール処理を行う(以上、ステップS6)。
次に、ステップS7(図5の(E)部を参照)において、ITO膜17a上にp側パッド電極19(p側パッド電極5bに対応)を、EB蒸着によって形成する。図5の(E)部に示すように、ITO膜17a上に設けられるp側パッド電極19は、Ti/Auからなる(以上、ステップS7)。
次に、ステップS8において、ステップS1〜S7によって形成された基板生産物に対し、リッジ部12a1が延びる方向に交差する方向に延びるスクライブ溝を、レーザスクライバによって形成し、ブレーキング装置によって、このスクライブ溝に沿ってレーザバーを分離する。次に、ステップS9において、分離後のレーザバーの共振面に反射防止膜を蒸着によって形成する。レーザバーの共振面は、リッジ部12a1が延びる方向に交差する。
次に、ステップS10において、反射防止膜が設けられたレーザバーに対し、レーザ試験を行い、このレーザ試験の後、ステップS11において、良好なレーザバーから半導体レーザ素子のチップをダイシングによって分離する。この半導体レーザ素子のチップが、半導体レーザ素子11である。最後に、ステップS12において、ステップS11において形成された半導体レーザ素子11の実装処理を、ダイボンディング、ワイヤボンディング及びパッケージング等の処理を介して行う。
以上説明した構成を有する半導体レーザ素子11の作用効果について説明する。p型窒化物半導体領域4は、0.18μm以上0.22μm以下の範囲の比較的に薄い膜厚のp側クラッド層4cを有する。このように、p側クラッド層4cが比較的薄いので、p側クラッド層4cにおける電圧降下が低減されているが、活性層からの光が、このp側クラッド層4cを介してITO電極に至る場合がある。しかし、ITO電極5aは、例えば、特許文献2(再表WO2005/021436号公報)に開示されているように、光の波長が長い程、光吸収係数は小さくなり、400nm以上550nm以下の範囲の発振波長の光に対しては、比較的に小さい2.5×10cm−1以上3.0×10cm−1以下の範囲の光吸収係数を有することになるので、p側クラッド層4cを介してITO電極5aに至ってもITO電極5aに吸収される光は低減される。また、従来のp側電極の材料として一般的なのはPdだが、光吸収係数は8.9×10cm−1の程度である。以上により、半導体レーザ素子11の光出力の低減が抑制される。
図6は、入射光の波長と、InGaNとGaNの屈折率との相関を示す図である。曲線G1は、半極性面である(20−21)面の上に形成されたInGaN膜に対する結果を示し、曲線G2は、c面の上に形成されたInGaN膜に対する結果を示し、曲線G3は、半極性面である(20−21)面の上に形成されたGaN膜に対する結果を示し、曲線G4は、c面の上に形成されたGaN膜に対する結果を示す。図6に示すように、GaN及びInGaNは、何れも、入射光の波長が、400nm以上の場合、波長が長い程、屈折率が低下する。屈折率が低下すると、InGaN及びGaNの少なくとも何れかを含むp側のエピタキシャル層(p型窒化物半導体領域4)の光閉じ込め効果も低減する。しかし、半導体レーザ素子11の場合、ITO電極5aがp側のエピタキシャル層上に設けられており、ITO電極5aの材料であるITOが概ね1.9以上2.0以下の範囲にある屈折率を有しており、図6に示すように400nm以上の波長の入射光に対するInGaN及びGaNの屈折率が概ね2.3以上であるため、ITOとInGaNおよびGaNとの屈折率差により、光閉じ込め効果を良くすることができる。
また、p型窒化物半導体領域4は、p側クラッド層4c上に設けられたコンタクト層4dを有する。ITO電極5aは、コンタクト層4d上に設けられる。
コンタクト層4dは、InGaNからなる。従来の端面発光型の半導体レーザ素子の場合、端面側から光を取り出すので、端面とは異なる箇所に設けられる電極については、光の吸収についての考慮よりもオーミックであるか否かが考慮されてきた。しかし、半導体レーザ素子11のITO電極5aは、InGaNからなるコンタクト層4d上に設けられているので、十分なオーミック性が維持できる。このように、InGaNからなるコンタクト層4dを介してITO電極5aが設けられているので、ITO電極5aとコンタクト層4dとの界面におけるオフセット電圧が低減できる。従って、半導体レーザ素子11の閾値電圧を低減できる。
また、ITO電極5aの材料であるITOは、概ね1.9以上20.以下の範囲にある屈折率を有し、コンタクト層4dの材料であるInGaNは、図6に示すように、200nm以上600nm以下の範囲にある波長の光に対し、概ね2.3以上2.9以下の範囲の屈折率を有する。このように、ITO電極5aの材料であるITOの屈折率は、コンタクト層4dの材料であるInGaNの屈折率に比較して、十分に小さいので、ITO電極による光の閉じ込めが可能となる。従って、半導体レーザ素子11の光出力の低減が抑制できる。
また、コンタクト層4dは、45nm以上55nm以下の範囲の膜厚を有する。コンタクト層4dはMgドープ量が多く光吸収係数が高いため、この範囲の比較的小さい膜厚であれば、閾値電圧の増加にほぼ影響がない。
また、支持基体1の主面1aは、六方晶系半導体(例えばGaN)のc面から、この六方晶系半導体のm軸方向に、予め規定された傾斜角で傾斜している。p側光ガイド層4a、電子ブロック層4b、p側クラッド層4c及びコンタクト層4dの材料であるGaN系半導体の屈折率は、半極性面上に設けられている場合と、c面上に設けられている場合とで比較すると、半極性面上に設けられた場合の方が、大きい。このため、GaN系半導体の一例であるInGaNのp側光ガイド層4aが半極性面の主面1a上に設けられている場合、ITO電極5aによる光の閉じ込めが十分に効果的となる。従って、半導体レーザ素子11の光出力の低減が抑制できる。
GaN系半導体のうち例えばGaN及びInGaNの屈折率は、異方性を有し、更に、図6に示すように、GaN及びInGaNの何れにおいても、c面の上に形成された場合の屈折率と(20−21)面の上に形成された場合の屈折率とは、異なる。図6に示すように、InGaNは、(20−21)面の上に形成された場合のほうが、c面の上に形成された場合よりも、屈折率は大きい。GaNも、InGaNと同様に、(20−21)面の上に形成された場合のほうが、c面の上に形成された場合よりも、屈折率は大きい。従って、GaN系半導体のp側光ガイド層4a、電子ブロック層4b、p側クラッド層4c及びコンタクト層4dが半極性面の主面1a上に設けられている場合のほうが、c面の上に設けられている場合に比較して、ITO電極5aとの屈折率の差が大きいので、従って、GaN系半導体のp側光ガイド層4a、電子ブロック層4b、p側クラッド層4c及びコンタクト層4dが半極性面の主面1a上に設けられている場合にITO電極5aによる光の閉じ込めが十分に効果的となる。
また、主面1aの傾斜角は、c面から63度以上80度未満の範囲にある。この範囲の傾斜角が緑色領域の発光に適している。
また、ITO電極5aの膜厚は、0.45μm以上0.55μm以下の範囲にある。ITO電極5aの膜厚が0.45μm以上0.55μm以下の範囲にあるので、ITOの外側にあり不透明な金属電極であるp側パッド電極5bへの光のしみ出しを抑制でき、閾値増大を抑制することができる。
また、ITO電極5aは、0.6at.%以上2.8at.%以下の範囲にあるスズを含有している。特許文献2(再表WO2005/021436号公報)に開示されているように、ITO電極5aが0.6at.%以上2.8at.%以下の範囲にあるスズを含有しているので、ITO電極5aの光吸収係数が十分に低減可能となる。
また、ITO電極5aは、透明電極である。電極が透明であることにより、電極での光吸収による内部ロスを低減することができる。
また、活性層3の発振波長は、480nm以上540nm以下の範囲にある、ことでき、更に、510nm以上540nm以下の範囲にある、ことができる。この波長範囲が純緑色であり、ディスプレイ用途に適している。
以上、好適な実施の形態において本発明の原理を図示し説明してきたが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく配置および詳細において変更され得ることは、当業者によって認識される。本発明は、本実施の形態に開示された特定の構成に限定されるものではない。したがって、特許請求の範囲およびその精神の範囲から来る全ての修正および変更に権利を請求する。
1…支持基体、11…半導体レーザ素子、12…エピタキシャル基板、12a,12b,12c…基板部、12a1,Lg…リッジ部、13,13a,13b…Al膜、14,14a…Ti膜、15,15a,15a1,15a2,6…絶縁膜、16,16a…マスク、16a1…開口、17a,17b…ITO膜、18,7…n側電極、19,5b…p側パッド電極、1a…主面、1b…裏面、2…n型窒化物半導体領域、2a…バッファ層、2b…n側クラッド層、2c…n側光ガイド層、2d…n側光ガイド層、3…活性層、4…p型窒化物半導体領域、4a…p側光ガイド層、4b…電子ブロック層、4c…p側クラッド層、4d…コンタクト層、5…p側電極、5a…ITO電極。

Claims (20)

  1. 端面発光型の半導体レーザ素子であって、
    六方晶系半導体からなる支持基体の主面上に設けられたn型窒化物半導体領域と、
    前記n型窒化物半導体領域上に設けられた活性層と、
    前記活性層上に設けられたp型窒化物半導体領域と、
    前記p型窒化物半導体領域上に設けられたITO電極と、
    を備え、
    前記p型窒化物半導体領域は、クラッド層を有し、
    前記クラッド層は、0.18μm以上0.22μm以下の範囲の膜厚を有し、 前記ITO電極は、前記活性層の発振波長の光に対し、2.5×10cm−1以上3.0×10cm−1以下の光吸収係数を有し、
    前記活性層の発振波長は、400nm以上550nm以下である、ことを特徴とする半導体レーザ素子。
  2. 前記p型窒化物半導体領域は、前記クラッド層上に設けられたコンタクト層を有し、
    前記ITO電極は、前記コンタクト層上に設けられ、
    前記コンタクト層は、InGaNからなる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ素子。
  3. 前記コンタクト層は、45nm以上55nm以下の範囲の膜厚を有する、ことを特徴とする請求項2に記載の半導体レーザ素子。
  4. 前記主面は、前記六方晶系半導体のc面から前記六方晶系半導体のm軸方向に、予め規定された傾斜角で傾斜している、ことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の半導体レーザ素子。
  5. 前記傾斜角は、63度以上80度未満の範囲にある、ことを特徴とする請求項4に記載の半導体レーザ素子。
  6. 前記ITO電極の膜厚は、0.45μm以上0.55μm以下の範囲にある、ことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の半導体レーザ素子。
  7. 前記ITO電極は、透明電極である、ことを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか一項に記載の半導体レーザ素子。
  8. 前記ITO電極は、0.6at.%以上2.8at.%以下の範囲にあるスズを含有している、ことを特徴とする請求項1〜請求項7の何れか一項に記載の半導体レーザ素子。
  9. 前記活性層の発振波長は、480nm以上540nm以下の範囲にある、ことを特徴とする請求項1〜請求項8の何れか一項に記載の半導体レーザ素子。
  10. 前記活性層の発振波長は、510nm以上540nm以下の範囲にある、ことを特徴とする請求項1〜請求項8の何れか一項に記載の半導体レーザ素子。
  11. 端面発光型の半導体レーザ素子の作製方法であって、
    六方晶系半導体からなる基板と前記基板の主面上に形成されたn型窒化物半導体領域と前記n型窒化物半導体領域上に形成された活性層と前記活性層上に形成されたp型窒化物半導体領域とを含むエピタキシャル基板を作製する工程と、
    前記p型窒化物半導体領域上にITO電極を形成する工程と、
    を備え、
    前記p型窒化物半導体領域は、クラッド層を有し、
    前記クラッド層は、0.18μm以上0.22μm以下の範囲の膜厚を有し、 前記ITO電極は、前記活性層の発振波長の光に対し、2.5×10cm−1以上3.0×10cm−1以下の光吸収係数を有し、
    前記活性層の発振波長は、400nm以上550nm以下である、ことを特徴とする半導体レーザ素子の作製方法。
  12. 前記エピタキシャル基板は、前記クラッド層上に形成されたコンタクト層を有し、
    前記ITO電極は、前記ITO電極を形成する工程において、前記コンタクト層上に形成され、
    前記コンタクト層は、InGaNからなる、
    ことを特徴とする請求項11に記載の半導体レーザ素子の作製方法。
  13. 前記コンタクト層は、45nm以上55nm以下の範囲の膜厚を有する、ことを特徴とする請求項12に記載の半導体レーザ素子の作製方法。
  14. 前記主面は、前記六方晶系半導体のc面から前記六方晶系半導体のm軸方向に、予め規定された傾斜角で傾斜している、ことを特徴とする請求項11〜請求項13の何れか一項に記載の半導体レーザ素子の作製方法。
  15. 前記傾斜角は、63度以上80度未満の範囲にある、ことを特徴とする請求項14に記載の半導体レーザ素子の作製方法。
  16. 前記ITO電極の膜厚は、0.45μm以上0.55μm以下の範囲にある、ことを特徴とする請求項11〜請求項15の何れか一項に記載の半導体レーザ素子の作製方法。
  17. 前記ITO電極は、透明電極である、ことを特徴とする請求項11〜請求項16の何れか一項に記載の半導体レーザ素子の作製方法。
  18. 前記ITO電極は、0.6at.%以上2.8at.%以下の範囲にあるスズを含有している、ことを特徴とする請求項11〜請求項17の何れか一項に記載の半導体レーザ素子の作製方法。
  19. 前記活性層の発振波長は、480nm以上540nm以下の範囲にある、ことを特徴とする請求項11〜請求項18の何れか一項に記載の半導体レーザ素子の作製方法。
  20. 前記活性層の発振波長は、510nm以上540nm以下の範囲にある、ことを特徴とする請求項11〜請求項18の何れか一項に記載の半導体レーザ素子の作製方法。
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