JP4833630B2 - 光増幅素子 - Google Patents

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本発明は光増幅素子に関し、特に、波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)を利用した光伝送システムに適用して好適なものである。
従来、複数の異なる波長の光信号を伝送する光伝送システムとして、複数の異なる波長の光信号を1本の光ファイバに結合して伝送する波長多重を利用した光伝送システム(WDMシステム)がある。さらに、WDMシステムでは、1対1の伝送のみならず、ネットワーク化が急速に進展している。
このWDMシステムでは、波長に応じて光信号を合流・分岐するWDM合分波回路、全ての波長の光を一括して合流・分岐する合分岐回路、特定の波長を抜き出し、あるいは挿入するアドドロップマルチプレクサ(Add−drop multiplexer、ADM)等の光素子が使用され、光信号がこれらの光素子を通過する際に生じる強度損失のため、信号強度が劣化する。
このため、WDMシステムでは、光ファイバを伝送する光信号を光のまま増幅する光増幅素子が必要不可欠となっている。
図13(a)は、従来の光増幅素子を光導波方向に沿って切断した断面図、図13(b)は、図13(a)のA−A´線で切断した断面図を示し、従来の光増幅素子(Semiconductor Optical Amplifier:SOA)の例として、n−InP基板101を用いた場合の構造を示す(非特許文献1)。
図13において、n−InP基板101上には、利得媒質であるInGaAsP活性層102がストライプ状に形成され、InGaAsP活性層102は、p−InP層103およびn−InP層104により埋め込まれている。
そして、InGaAsP活性層102およびn−InP層104上には、p−InP層105が形成され、p−InP層105上にはp−GaInAsコンタクト層106が形成されている。また、p−GaInAsコンタクト層106上にはp側電極107が形成され、n−InP基板101の裏面にはn側電極108が形成されている。
図14は、図13の光増幅素子の飽和特性を示す図である。
図14において、入力光強度が小さい場合、入力光強度が増加しても利得はほぼ一定であるが、入力光強度がある値を超えると、利得は急激に減少する。ここで、WDMシステムでは、光信号として波長多重信号が入射され、その波長多重数は、アドドロップマルチプレクサ等を通過する毎に変動する。
今、波長多重数mの光信号が光増幅素子に入射したとものする。この場合、光増幅素子の入射光強度がm波合計でP1(dBm)になると、光増幅素子の利得はG1(dBm)になる。
ここで、アドドロップマルチプレクサにより光信号が追加されて、波長多重数がnに増加したとする。この場合、光増幅素子の入射光強度がn波合計でP2(dBm)になると、光増幅素子の利得はG2(dB)になる。
このように、図13の光増幅素子をWDMシステムに用いた場合、波長多重数により入射光強度が異なるようになるため、光信号の利得が変動する。このため、従来の光増幅器では、特許文献1に開示されているように、波長多重数により光信号の利得が変動することを防止するため、発振作用を利用することで利得をある一定値にクランプする方法を用いたものがあった。
図15(a)は、従来の光増幅素子を光導波方向に沿って切断した断面図、図15(b)は、図15(a)のC−C´線で切断した断面図である。
図15において、n−InP基板201上には、利得媒質であるInGaAsP活性層202がストライプ状に形成され、InGaAsP活性層202は、p−InP層203およびn−InP層204により埋め込まれている。
ここで、InGaAsP活性層202の下面には、InGaAsP分離閉じ込め(SCH)層209が形成されるとともに、InGaAsP活性層202の上面には、InGaAsP分離閉じ込め(SCH)層210が形成され、InGaAsP分離閉じ込め層210にはグレーティングが形成されている。そして、InGaAsP分離閉じ込め層210およびn−InP層204上には、p−InP層205が形成され、p−InP層205上にはp−GaInAsコンタクト層206が形成されている。また、p−GaInAsコンタクト層206上にはp側電極207が形成され、n−InP基板201の裏面にはn側電極208が形成されている。
図15の光増幅素子では、InGaAsP分離閉じ込め層210に形成されているグレーティングにより光信号が反射されるため正帰還がかかり、DFBレーザのように発振させることができる。ただし、グレーティングの結合係数は通常のDFBレーザよりも小さくなっており、発振しきい値は高くなっている。
図15の光増幅素子のレーザ発振状態では、利得媒質でのキャリア密度は一定値にクランプされるが、発振しきい値が高いため、キャリア密度は通常のDFBレーザよりも高い値にクランプされる。
このため、図15のグレーティングを有するDFB型光増幅素子では、発振が生じている限り、その利得媒質(InGaAsP活性層202)のキャリア密度は一定となり、利得は利得媒質のキャリア密度に比例するため、利得を一定値にクランプさせることができる。
従って、上述した発振状態では、光増幅素子に注入する電流値を増加させても、発振光の光強度が増大するだけで、光増幅素子の利得を一定に保つことができる。そして、入力信号光強度が大きくなった場合、発振光強度が減少して、光増幅素子内部でのトータルの光強度が一定に保たれるため、光増幅素子のキャリア密度に変動が生じることがなく、光増幅素子の利得を一定に保つことができる。
図16は、図15の光増幅素子の飽和特性を示す図である。
図16において、図15の光増幅素子では、外部から入射された信号光の入力光強度が変動しても、利得は一定値Goに保たれる。すなわち、信号光の波長多重数がmからnに変化し、合計入力パワーがP1からP2に変化した場合においても、利得はGoで一定値となる。
また、図15の光増幅素子では、外部からの入射光強度がさらに増大し、発振が抑圧された場合に限り、利得が低下する。逆に、図15の光増幅素子で発振が生じている限り、入射光強度あるいは入射信号の波長多重数によらず、利得を一定に保つことができる。
また、特許文献1には、偏光に依存しない利得特性を得るとともに、飽和入力光強度レベルおよび飽和利得特性を向上させるために、マルチモード導波路領域の両端にシングルモード導波路領域が結合された半導体光アンプが開示されている。
また、非特許文献2には、外部から入射された信号光の入力光強度が変動しても、利得が一定値に保たれるようにするために、信号光の伝播方向と直交する方向に発振光を励起させるための反射器を設ける方法が開示されている。
特開平11−68240号公報 K.Morito他、"High−Output−Power Polarization−Insensitive Semiconductor Optical Amplifier"Journal of Lightwave Technology,No.1,p176−181,2003のfig.5 D.A.Francis,S.P.DiJaili,J.D.Walker,"A single−chip linear optical amplifier",Technical digest of Optical Fiber communications 2001(OCF2001),post
しかしながら、図15のDFB型光増幅素子を用いた場合、発振光が信号光と同一光路に混入するため、この混入した発振光を除去するための波長フィルタが必要になるという問題があった。
さらに、図15のDFB型光増幅素子では、発振光強度が非常に強いため、入射信号強度が小さいと、通常の波長フィルタを用いた場合においても、信号光と同程度の強度で発振光が残留するという問題があった。
また、特許文献1に開示された半導体光アンプにおいても、図15のDFB型光増幅素子と同様の問題があった。
さらに、非特許文献2に開示された方法では、信号光を単一横モードにすると、信号光導波路の幅が狭くなるため、信号光の導波方向と直交する方向での発振が困難になるという問題があった。一方、信号光の波長で決定される一定値よりも信号光導波路の幅を大きくすると、信号光が単一横モードにならず、モード分散や入出力時の光ファイバによる結合によって損失が発生するという問題があった。
そこで、本発明の目的は、構成要件を緩和しつつ、入力光強度による利得変動を抑えるとともに、信号光の導波方向に発振光が混入することを防止することが可能な光増幅素子を提供することである。
上述した課題を解決するために、請求項1記載の光増幅素子は、信号光を単一モードで伝送する2つの入出力導波路と、該2つの入出力導波路の間で信号光を複数モードで且つ一定の導波路幅で伝送する多モード導波路とを備えた光増幅素子において、前記信号光を増幅する利得を持つ利得領域と、前記利得を持たない非利得領域とから前記多モード導波路を構成し、前記利得領域から放出された自然放出光を前記多モード導波路の導波方向と交差する方向に反射する反射領域を前記利得領域の両脇に形成するとともに、前記多モード導波路の導波方向に沿う前記利得領域の長さと前記非利得領域の長さとを合計した長さを前記信号光の自己結像効果が生じる長さとしたことを特徴とする。
これにより、発振が生じる方向の選択性を向上させることができ、信号光の導波方向と直交する方向に導波する発振光の利得の低下を抑制しつつ、信号光の導波方向の利得を低下させることができる。このため、反射領域の反射率が小さい場合においても、信号光の導波方向と直交する方向に発振が生じる前に信号光の導波方向で発振が生じることを防止することができ、信号光の導波方向と直交する方向に発振光を導波させつつ、多モード導波路での発振作用により信号光の利得をクランプさせることができる。このため、入出力導波路の1つから出射される増幅光に発振光が混入することを防止しつつ、発振により利得がクランプされた利得媒質内で、入力信号光を増幅させることが可能となるとともに、光増幅素子に要求される構成要件を緩和することができる。この結果、信号光と発振光とを分離するための波長フィルタや光導波路を不要とすることができ、素子サイズの増大を抑制しつつ、入力光強度による利得変動を抑えることが可能となるとともに、光増幅素子を安定して作製することができる。
た、2つの入出力導波路と多モード導波路を低損失で結合することが可能となるとともに、信号光の伝搬方向と水平面内で直交する方向に発振を起こさせることが可能となる。このため、素子サイズの増大を抑制しつつ、入力光強度による利得変動を抑えることが可能となるとともに、入出力導波路の1つから出射される増幅光に発振光が混入することを防止しつつ、信号光の伝播方向と直交する方向に発振を起こさせるための利得を容易に稼ぐことができ、光増幅素子の構成要件を緩和することができる。
また、請求項記載の光増幅素子は、請求項1記載の光増幅素子において、前記多モード導波路を、前記2つの入出力導波路の間に複数配置するとともに、前記信号光を単一モードで伝搬する複数の接続導波路により直列に接続したことを特徴とする。
これにより、多モード導波路全体の長さを長くすることを可能として、クランプ利得を稼ぐことが可能となるとともに、反射領域の反射率が小さい場合においても、信号光の導波方向と直交する方向に発振が生じる前に信号光の導波方向で発振が生じることを防止することができる。このため、入出力導波路の1つから出射される増幅光に発振光が混入することを防止しつつ、発振により利得がクランプされた利得媒質内で、入力信号光を増幅させることが可能となるとともに、光増幅素子に要求される構成要件を緩和しつつ、駆動電流を低減させることができる。
また、請求項3記載の光増幅素子は、請求項1または2記載の光増幅素子において、前記非利得領域を、前記利得領域の光入射側端面と光出射側端面に隣接して形成したことを特徴とする。
これにより、請求項1または2記載の光増幅素子における前述の効果をより一層高めることができる。
また、請求項4記載の光増幅素子は、信号光を単一モードで伝送する2つの入出力導波路と、該2つの入出力導波路の間で信号光を複数モードで且つ一定の導波路幅で伝送する複数の多モード導波路と、前記2つの入出力導波路のうち一方の入出力導波路から出力された信号光を分岐して前記複数の多モード導波路に入力する光分岐手段と、前記複数の多モード導波路から出力された信号光を合波して前記2つの入出力導波路のうち他方の入出力導波路に出力する光合波手段とを備えた光増幅素子において、前記多モード導波路の導波路幅をW 1 、前記多モード導波路の縦方向の等価屈折率をn eq 、前記信号光の波長をλとしたとき、前記多モード導波路の各長さL i を、L i =m i ・n eq ・W 1 2 /λ(ただし、m i :正の整数)を満たす長さに設定するとともに、前記多モード導波路の少なくとも一部を構成する利得媒質から放出された自然放出光を前記多モード導波路の導波方向と交差する方向に反射する2つの反射領域を前記複数の多モード導波路を間に挟んで対向配置したことを特徴とする。
これにより、信号光の導波方向の利得の増大を抑制しつつ、信号光の導波方向と直交する方向に導波する発振光の利得を増大させることができる。このため、反射領域の反射率が小さい場合においても、信号光の導波方向と直交する方向に発振が生じる前に信号光の導波方向で発振が生じることを防止することができ、信号光の導波方向と直交する方向に発振光を導波させつつ、多モード導波路での発振作用により信号光の利得をクランプさせることができる。このため、入出力導波路の1つから出射される増幅光に発振光が混入することを防止しつつ、発振により利得がクランプされた利得媒質内で、入力信号光を増幅させることが可能となるとともに、光増幅素子に要求される構成要件を緩和することができる。この結果、信号光と発振光とを分離するための波長フィルタや光導波路を不要とすることができ、素子サイズの増大を抑制しつつ、入力光強度による利得変動を抑えることが可能となるとともに、光増幅素子を安定して作製することができる。
また、請求項5記載の光増幅素子は、信号光を複数モードで且つ一定の導波路幅で伝送する複数の多モード導波路と、該多モード導波路の各一端に光学的に接続された複数の入力導波路と、該入力導波路に対応して前記多モード導波路の各他端に光学的に接続された複数の出力導波路とを備えた光増幅素子において、前記多モード導波路の導波路幅をW 1 、前記多モード導波路の縦方向の等価屈折率をn eq 、前記信号光の波長をλとしたとき、前記多モード導波路の各長さL i を、L i =m i ・n eq ・W 1 2 /λ(ただし、m i :正の整数)を満たす長さに設定するとともに、前記多モード導波路の少なくとも一部を構成する利得媒質から放出された自然放出光を前記多モード導波路の導波方向と交差する方向に反射する2つの反射領域を前記複数の多モード導波路を間に挟んで対向配置したことを特徴とする。
これにより、反射領域の反射率が小さい場合においても、信号光の導波方向と直交する方向に発振が生じる前に信号光の導波方向で発振が生じることを防止することができ、信号光の導波方向と直交する方向に発振光を導波させつつ、多モード導波路での発振作用により信号光の利得をクランプさせることができる。このため、出力導波路から出射される増幅光に発振光が混入することを防止しつつ、発振により利得がクランプされた利得媒質内で、入力信号光を増幅させることが可能となるとともに、光増幅素子に要求される構成要件を緩和することができる。
これにより、自己結合効果を発現させることを可能としつつ、多モード導波路の長さを長くすることを可能として、クランプ利得を稼ぐことが可能となる。このため、注入電流密度を一定に保ちつつ、多モード導波路のサイズを小さくすることが可能となり、出力導波路の基本モードに信号光を低損失で結合させることを可能としつつ、駆動電流を低減させることができる。
以上説明したように、本発明によれば、出力導波路から出射される増幅光に発振光が混入することを防止しつつ、発振により利得がクランプされた利得媒質内で、入力信号光を増幅させることが可能となるとともに、光増幅素子に要求される構成要件を緩和することができる。このため、信号光と発振光とを分離するための波長フィルタや光導波路を不要とすることができ、素子サイズの増大を抑制しつつ、入力光強度による利得変動を抑えることが可能となるとともに、光増幅素子を安定して作製することができる。
以下、本発明の実施形態に係る光増幅素子について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る光増幅素子の概略構成を示す平面図、図2は、図1の414の部分を拡大して示す平面図である。
図1において、n−InP基板401上には、入力信号光411を入力する入力導波路402、入力信号光411を導波させる多モード導波路403a〜403c、出力信号光412を出力する出力導波路404が、信号光の伝播方向に沿って順次形成されている。ここで、多モード導波路403bは信号光の伝播方向に沿って利得を持つように構成し、多モード導波路403a、403cは信号光の伝播方向に沿って利得を持たないように構成することができる。
また、入力導波路402および出力導波路404は、信号光波長に対して透明なInGaAsPをコアとしたシングルモード導波路から構成することができ、多モード導波路403bは、InGaAsPをコアとした利得媒質からなる多モード導波路から構成することができ、多モード導波路403a、403cは、信号光波長に対して透明なInGaAsPをコアとした多モード導波路から構成することができる。また、入力導波路402、多モード導波路403a〜403cおよび出力導波路404は導波路中心軸が互いに一致するようにn−InP基板401上に並べて配置することができる。また、多モード導波路403aの長さをLp1、多モード導波路403bの長さをL0、多モード導波路403cの長さをLp2とすると、多モード導波路403a〜403cの全体の長さL=Lp1+L0+Lp2は、多モード導波路403a〜403cの幅をW1、多モード導波路403a〜403cの縦方向(基板垂直方向)の等価屈折率をneq、入力信号光411の波長をλとすると、
L=m・neq・W1 2/λ ・・・(1)
の関係を満たすように設定することができる。ここで、mは任意の整数である。これは、多モード干渉はL=neq・W1 2/λごとに周期的にスポットが形成されるため、その整数倍を多モード導波路の長さとして用いることに対応している。なお、以下の説明では、(1)式の関係を満たす多モード導波路403a〜403cの全体の長さLをLMMIとする。ここで、多モード導波路403a〜403cの全体の長さLMMIは、多モード導波路403a〜403cにおいて、光が最初にスポット状に集光されるまでの長さを示している。
また、入力導波路402側のn−InP基板401の端面405には反射防止膜407が形成されるとともに、出力導波路404側のn−InP基板401の端面406には反射防止膜408が形成されている。さらに、多モード導波路403bの両脇には、多モード導波路403bに入射された光の伝搬方向と交差する方向に光を反射させる反射手段409、410が対向配置されている。ここで、反射手段409、410としては、例えば、高反射膜を用いることができ、多モード導波路403bの側壁に形成された誘電体多層膜または金属膜または半導体を含む周期構造を用いることができる。
そして、入力導波路402に入射した入力信号光411は、入力導波路402を伝搬して多モード導波路403a〜403cに入射される。そして、入力信号光411が多モード導波路403a〜403cに入射すると、入力信号光411は多モード導波路403a〜403cにおける固有モードに展開される。すなわち、入力導波路402の基本伝搬モードと多モード導波路403a〜403cの複数の伝搬モードとの重なり積分に比例したパワー分布で多モード導波路403a〜403c内の複数の伝搬モードが励振される。そして、多モード導波路403a〜403c内で励振された各モードは、それぞれの伝搬定数により決定される位相条件で多モード導波路403a〜403c内を伝搬する。
そして、光がある距離だけ伝搬すると、各モードの光の位相が多モード導波路403a〜403c内で互いに強め合う状態となり、1つまたは複数のスポットに集光されることがある。この現象は、自己結像効果(self−imaging effect)として知られている。また、この現象は、多モード干渉(Multi−mode Interference:MMI)としても知られている。
ここで、(1)式の関係を満たすように、多モード導波路403a〜403cの長さLMMIを設定することにより、多モード導波路403a〜403c内を伝搬する信号光を1つのスポットに集光させることができる。そして、多モード導波路403a〜403c内を長さLMMIだけ伝搬した信号光は出力導波路404に入射し、出力導波路404を伝搬した後、出力信号光412として端面406から出射される。
これにより、多モード導波路403a〜403c内で自己結像効果を起こさせることが可能となり、多モード導波路403a〜403c内を伝搬した信号光を出力導波路404の基本モードに結合させることができる。このため、複数の伝搬モードを多モード導波路403a〜403c内で励振させた場合においても、多モード導波路403a〜403cと出力導波路404との間の結合損失を低減させることができる。
また、多モード導波路403bのコアは利得媒質を含むため、入力信号光411は、多モード導波路403bを伝搬するに従って増幅され、増幅された出力信号光412を得ることができる。
一方、多モード導波路403bにて生成された自然放出光は四方八方に放出され、多モード導波路403bの両脇の高反射膜409、410にて反射させることにより、入力信号光411の導波方向と直交する方向にレーザ発振を起こさせることができる。そして、入力信号光411の導波方向と直交する方向にレーザ発振が起こると、多モード導波路403bに入射された信号光の強度が変動した場合においても、多モード導波路403bのキャリア密度を一定に保つことができ、光増幅素子の利得を一定値にクランプさせることができる。
さらに、利得を持つように構成された多モード導波路403bの前後段には、利得を持たないように構成された多モード導波路403a、403cが設けられている。このため、発振が生じる方向の選択性を向上させることができ、信号光の導波方向と直交する方向に導波する発振光の利得の低下を抑制しつつ、信号光の導波方向の利得を低下させることができる。このため、反射手段409、410の反射率が小さい場合においても、信号光の導波方向と異なる方向に発振が生じる前に信号光の導波方向で発振が生じることを防止することができ、信号光の導波方向と異なる方向に発振光を導波させつつ、多モード導波路での発振作用により信号光の利得をクランプさせることができる。
このため、出力導波路402から出射される増幅光に発振光が混入することを防止しつつ、発振により利得がクランプされた利得媒質内で、入力信号光411を増幅させることが可能となるとともに、光増幅素子に要求される構成要件を緩和することができる。この結果、信号光と発振光とを分離するための波長フィルタや光導波路を不要とすることができ、素子サイズの増大を抑制しつつ、入力光強度による利得変動を抑えることが可能となるとともに、光増幅素子を安定して作製することができる。
すなわち、図2に示すように、多モード導波路403bにて生成された自然放出光4002、4003は、導波路の中心軸D1−D1´方向に沿って伝播する信号光4001に対して様々の角度で交差する。ここで、信号光4001との交差角度が浅い自然放出光4002が、多モード導波路403bから多モード導波路403cに進入したとしても、多モード導波路403cは利得を持たないため、多モード導波路403cに進入した自然放出光4002がそれ以上増幅されることはない。また、多モード導波路403cの両脇には反射手段もないため、多モード導波路403cに進入した自然放出光4002はn−InP基板401外に放射され、多モード導波路403bに戻ることはなく、レーザキャビティも形成されず発振も生じない。
一方、信号光4001とほぼ垂直に交差する自然放出光4003は、多モード導波路403bから多モード導波路403cに進入することはなく、多モード導波路403bの両脇には反射手段409、410が形成されているため、多モード導波路403b内で増幅されながら反射手段409、410にて反射が繰り返される。この結果、自然放出光4003は、多モード導波路403b内において発振利得に達し、レーザ発振するようになる。
従って、発振光の伝播方向は信号光の伝播方向に対して垂直に近い角度で交差するようになり、発振光と信号光との交差角度を大きくすることができる。このため、出力導波路404に発振光が混入することを防止することが可能となり、発振光と信号光との分離を容易化することができる。また、発振光と信号光との交差角度を大きくすることが可能となることから、発振光が信号光に混入することを防止しつつ、多モード導波路403bの幅を増大させることで、信号光と直交する方向での利得を増大させることができる。このため、反射手段409、410の反射率に対する要求を緩和することが可能となり、光増幅素子の作製を容易化することができる。
なお、図1の構成例では、利得を持つ多モード導波路403bの前後段に利得を持たない多モード導波路403a、403cをそれぞれ設ける方法について説明したが、利得を持つ多モード導波路403bの前段または後段のいずれか一方にのみ利得を持たない多モード導波路を設けるようにしてもよい。
図3は、図1のA1−A1´線で切断した光増幅素子の構成例を示す断面図である。
図3において、図1の多モード導波路403bでは、InGaAsP活性層502がストライプ状にn−InP基板501上に形成されている。なお、InGaAsP活性層502の幅は、複数モードの光が伝播されるように設定することができ、多モード導波路403bのInGaAsP活性層502の幅は、例えば、20μmに設定することができる。そして、InGaAsP活性層502の両側は、n−InP基板501上に順次積層されたp−InP電流ブロック層503およびn−InP電流ブロック層504にて埋め込まれている。ここで、p−InP電流ブロック層503およびn−InP電流ブロック層504にてInGaAsP活性層502の両側を埋め込むことにより、埋め込みヘテロ構造を構成することができる。
そして、InGaAsP活性層502およびn−InP電流ブロック層504上には、p−InPクラッド層505が形成されている。ここで、n−InP基板501とp−InPクラッド層505との間にInGaAsP活性層502を形成することにより、InGaAsP活性層502をコアとした利得媒質からなる多モード導波路403bを構成することができる。
そして、p−InPクラッド層505上にはp−GaInAsコンタクト層506が形成されている。また、p−GaInAsコンタクト層506上にはp側電極507が形成され、n−InP基板501の裏面にはn側電極508が形成されている。また、p−InP電流ブロック層503およびn−InP電流ブロック層504にて埋め込まれたInGaAsP活性層502はメサ状にエッチングされ、p−InP電流ブロック層503、n−InP電流ブロック層504、p−InPクラッド層505およびp−GaInAsコンタクト層506の側壁が露出されている。そして、p−InP電流ブロック層503、n−InP電流ブロック層504、p−InPクラッド層505およびp−GaInAsコンタクト層506の側壁には、入力信号光411の伝搬方向に沿うようにして高反射膜509、510が形成されている。なお、高反射膜509、510としては、例えば、TiO2、SiO2などの誘電体多層膜またはAuなどの金属膜または半導体の周期構造を用いることができる。
図4は、図1のD1−D1´線で切断した光増幅素子の構成例を示す断面図である。
図4において、n−InP基板5001上には、利得媒質であるInGaAsP活性層5003がストライプ状に形成され、InGaAsP活性層5003の前後段には、信号光波長に対して透明なInGaAsPコア層5002、5004がそれぞれ配置されている。
そして、InGaAsP活性層5002およびInGaAsPコア層5002、5004上には、p−InP層5005が形成され、p−InP層5005上には、多モード導波路403bに対応して配置されたp−GaInAsコンタクト層5006が形成されている。また、p−GaInAsコンタクト層5006上にはp側電極5007が形成され、n−InP基板5001の裏面にはn側電極5008が形成されている。
一方、入力導波路402および出力導波路404のC1−C1´線で切断した構成は、入力導波路402および出力導波路404のInGaAsP活性層502の幅が多モード導波路403のInGaAsP活性層502の幅と異なることを除けば、多モード導波路403と同様の構成をとることができる。すなわち、入力導波路402および出力導波路404のInGaAsP活性層502の幅は、単一モードの光が伝搬されるように設定され、入力導波路402および出力導波路404のInGaAsP活性層502の幅は、例えば、0.8μmに設定することができる。
また、多モード導波路403a、403cのB1−B1´線で切断した構成は、InGaAsPコア層の組成が信号光波長に対して透明になっていることと、多モード導波路のために導波路幅が広いことを除けば、図13(b)と同様の構成をとることができる。
なお、InGaAsP活性層502、p−InP電流ブロック層503、n−InP電流ブロック層504、p−InPクラッド層505およびp−GaInAsコンタクト層506をn−InP基板501上に形成する場合、例えば、MBE(molecular beam epitaxy)、MOCVD(metal organic chemical vaper deposition)、あるいはALCVD(atomic layer chemical vaper deposition)などのエピタキシャル成長を用いることができる。
そして、p側電極507に電圧を印加することにより、n−InP電流ブロック層504にて電流を狭窄させながら、InGaAsP活性層502に電流を注入することができる。そして、InGaAsP活性層502に電流が注入されると、InGaAsP活性層502にて発光させることができる。そして、InGaAsP活性層502にて生成された光は、InGaAsP活性層502の両側の反射手段509、510にて反射され、図1の入力信号光411の導波方向と直交する方向にレーザ発振を起こさせることができる。
例えば、高反射膜509、510の反射率RHが0.9、すなわち90%であったとする。この場合、デシベル表示に直すと、10×log(RH)となり、反射損失の0.46dBに相当する。そして、多モード導波路403bでは自然放出光が四方八方に放出され、多モード導波路403bの幅方向に進行または導波する光が反射手段509、510にて反射される。
ここで、反射損失は0.46dBなので、この反射光が多モード導波路403bの幅方向に距離Wだけ伝搬する間に0.46dBの利得があれば、反射損失と利得とが釣り合う。この結果、反射手段509、510とInGaAsP活性層502とからなるレーザキャビティが多モード導波路403bの幅方向に形成され、多モード導波路403bの幅方向にレーザ発振を起こさせることができる。
例えば、多モード導波路403bの幅W=20μmとすると、多モード導波路403bの利得が0.46dB/20μmだけあればレーザ発振を起こさせることができる。そして、多モード導波路403b内にレーザ発振が起こると、InGaAsP活性層502に入射された信号光強度が変動した場合においても、InGaAsP活性層502のキャリア密度を一定に保つことができ、光増幅素子の利得を一定値にクランプさせることができる。
一方、多モード導波路403bを軸方向に伝搬する信号光の利得について考えると、多モード導波路403bの利得は0.46dB/20μmにクランプされている。このため、多モード導波路403bの長さL0=836μmであるとすると、多モード導波路403bを伝搬した時の信号光の利得は、
836μm×(0.46dB/20μm)=19dB ・・・(2)
でクランプされる。
そして、多モード導波路403bの利得がクランプされると、これ以上多モード導波路403bに電流を注入しても、この電流は発振光のパワーを増大させるために消費され、信号光の利得に寄与することはない。一方、入射側端面405および出射側端面406には反射防止膜407、408がそれぞれ設けられているため、残留反射率RARは0.1%以下(−30dB以下)に抑えられている。このため、多モード導波路403bの利得が19dBだけあったとしても、入力信号光411の伝搬方向では発振に至ることはなく、進行波型の光増幅動作が行われる。
図5は、図1のA1−A1´線で切断した光増幅素子のその他の構成例を示す断面図である。
図5において、図1の多モード導波路403bでは、InGaAsP活性層502bがストライプ状にn−InP基板501b上に形成されている。なお、InGaAsP活性層502bの幅は、複数モードの光が伝播されるように設定することができる。そして、InGaAsP活性層502bの両側は、n−InP基板501b上に順次積層されたp−InP電流ブロック層503bおよびn−InP電流ブロック層504bにて埋め込まれている。そして、InGaAsP活性層502bおよびn−InP電流ブロック層504b上には、p−InPクラッド層505bが形成されている。
そして、p−InPクラッド層505b上にはp−GaInAsコンタクト層506bが形成されている。また、p−GaInAsコンタクト層506b上にはp側電極507bが形成され、n−InP基板501bの裏面にはn側電極508bが形成されている。また、p側電極507b、p−GaInAsコンタクト層506b、p−InPクラッド層505b、n−InP電流ブロック層504bおよびp−InP電流ブロック層503bには、入力信号光411の伝搬方向に沿うように配置された溝509b、510bがInGaAsP活性層502bの両側にそれぞれ形成されている。ここで、溝509b、510bを入力信号光411の伝搬方向に沿って周期的に配置することにより、半導体と空気との周期構造を構成することができ、周期構造のペア数を2以上とすることにより、98%以上の反射率を得ることができる。
図6は、本発明の光増幅素子の動作原理を示す平面図である。
図6において、n−InP基板601上には、入力信号光611を入力する入力導波路602、入力信号光611を導波させる多モード導波路603、出力信号光612を出力する出力導波路604が形成されている。ここで、入力導波路602および出力導波路604は、InGaAsPをコアとした利得媒質からなるシングルモード導波路から構成することができ、多モード導波路603は、InGaAsPをコアとした利得媒質からなる多モード導波路から構成することができる。
また、入力導波路602側のn−InP基板601の端面605には反射防止膜607が形成されるとともに、出力導波路604側のn−InP基板601の端面606には反射防止膜608が形成されている。さらに、多モード導波路603の両脇には、多モード導波路N2に入射された光の伝搬方向と交差する方向に光を反射させる高反射膜609、610が対向配置されている。
ここで、図6のA2−A2´線で切断した光増幅素子の構成は図3の構成と同様とすることができ、図6のB2−B2´線で切断した光増幅素子の構成は図1のC1−C1´線で切断した光増幅素子の構成と同様とすることができる。
そして、入力導波路602に入射した入力信号光611は、入力導波路602を伝搬して多モード導波路603に入射される。そして、入力信号光611が多モード導波路603に入射すると、入力信号光611は多モード導波路603における固有モードに展開される。すなわち、入力導波路602の基本伝搬モードと多モード導波路603の複数の伝搬モードとの重なり積分に比例したパワー分布で多モード導波路603内の複数の伝搬モードが励振される。そして、多モード導波路603内で励振された各モードは、それぞれの伝搬定数により決定される位相条件で多モード導波路603内を伝搬する。
そして、光がある距離だけ伝搬すると、各モードの光の位相が多モード導波路603内で互いに強め合う状態となり、1つまたは複数のスポットに集光される。ここで、(1)式の関係を満たすように、多モード導波路603の長さLを設定することにより、多モード導波路603内を伝搬する信号光を1つのスポットに集光させることができる。そして、多モード導波路603内を長さLMMIだけ伝搬した信号光は出力導波路604に入射し、出力導波路604を伝搬した後、出力信号光612として端面606から出射される。
例えば、多モード導波路603の幅W=20μm、多モード導波路603の等価屈折率neq=3.24、入力信号光411の波長λ=1.55μm、m=1とすると、多モード導波路603の長さLMMI=836μmに設定することができる。
また、入力導波路602、多モード導波路603および出力導波路604のコアは利得媒質を含むため、入力信号光611は、入力導波路602、多モード導波路603および出力導波路604を伝搬するに従って増幅され、増幅された出力信号光612を得ることができる。
一方、多モード導波路603にて生成された自然放出光は四方八方に放出され、多モード導波路603の両脇の高反射膜609、610にて反射させることにより、入力信号光611の導波方向と直交する方向にレーザ発振を起こさせることができる。そして、入力信号光611の導波方向と直交する方向にレーザ発振が起こると、多モード導波路603に入射された信号光の強度が変動した場合においても、多モード導波路603のキャリア密度を一定に保つことができ、光増幅素子の利得を一定値にクランプさせることができる。
図7は、図6の光増幅素子の飽和特性を示す図である。
図7において、多モード導波路603に電流を注入すると、最初は電流の増加とともに利得は増加する。そして、電流がI1に達すると、多モード導波路603の幅方向に距離Wだけ伝搬した時の利得がしきい値利得Glateralに達し、多モード導波路603の幅方向で発振が生じる。この時、発振しきい値利得Glateralは、
lateral=−10×log(RH)(dB) ・・・(3)
で与えられる。
さらに電流を増加させ、電流がI2(>I1)に達した場合においても、多モード導波路603内では既に発振が生じているためキャリア密度は一定値にクランプされ、利得は増加しない。すなわち、通常の光増幅素子では、電流がI1を超えても、電流の増加に伴って利得が単調増加するのに対して、本実施形態では、多モード導波路603の利得をG0にクランプさせることができる。この時、信号光の利得G0は、
0=Glatera×LMMI/W ・・・(4)
で与えられる。ここで、信号光の利得G0は、(1)、(3)式を用いることにより、
0=−10×log(RH)×neq×W/λ ・・・(5)
となる。
そして、電流がI1以上の動作状態、すなわち、多モード導波路603の幅方向で発振が生じているために利得がG0にクランプされている状態では、図6の入力信号光611の強度が大きくなった場合でも、発振光の強度が減少するだけで光増幅素子内部の発振光と信号光のトータルの光強度は一定に保たれる。このため、光増幅素子内の利得媒質のキャリア密度に変動が生じることはなく、図7に示すように、光増幅素子の利得は一定に保たれる。この結果、入力信号光611の波長多重数が変化した場合においても、利得変動を抑制することができ、波長多重光伝送システムを安定に動作させることができる。
このような動作を実現するためには、上述した(1)式の条件以外にも、光増幅素子の構造パラメータの間で満たさなければならない条件がある。図6の光増幅素子では、信号光の伝播方向に対しては進行波型の増幅が行われ、多モード導波路603の幅方向にはレーザ発振が行われる。このため、高反射膜609、610の反射率RH、多モード導波路603の幅Wおよび長さL、反射防止膜407、408の反射率RARとの関係は、以下のように説明される。
ここで、クランプされた単位長さ当たりの利得をGclamp(dB)とすると、多モード導波路603の幅方向で発振が生じる条件は以下の(6)式で与えられる。
lateral=Gclamp×W=−10×log(RH) ・・・(6)
一方、信号光の伝播方向で発振が生じないようにするためには、反射防止膜407、408での反射によるキャビティ内反射損失が信号利得GSignalよりも大きいことが必要である。反射防止膜407、408での反射によるキャビティ内反射損失は10×log(RAR)で表されるため、信号光の伝播方向で発振が生じない条件は以下の(7)式で与えられる。
Signal=GClamp×L<−10×log(RAR) ・・・(7)
そして、(6)、(7)式からGClampを消去すると、以下の(8)式が得られる。
L×log(RH)>W×log(RAR) ・・・(8)
そして、(8)式に(1)式を代入すると、以下の(9)式が得られる。
m・neq・W×log(RH)>λ×log(RAR) ・・・(9)
(9)式から、高反射膜609、610の反射率RHが与えられた時に信号光の伝播方向で発振が生じないようにするための多モード導波路603の幅Wを求めることができる。
例えば、図6の構成において、多モード導波路603の幅W=20μm、多モード導波路603の等価屈折率neq=3.24、入力信号光411の波長λ=1.55μm、m=1、高反射膜609、610の反射率RH=0.9、反射防止膜407、408の反射率RAR=0.001であるとすると、
(9)式の左辺=1×3.24×20×log(0.9)=−2.97
(9)式の右辺=1.55×log(0.001)=−4.65
となり、(9)式の条件を満たすことから、信号光の伝播方向で発振が生じないようにすることができる。
ここで、図6の高反射膜609、610の反射率RH=0.8であるとすると、(3)式から、多モード導波路603の幅方向の発振しきい値利得Glateralは0.97dBとなる。そして、高反射膜609、610の反射率RH=0.8の場合において、多モード導波路603の単位長さ当たりの利得が、高反射膜609、610の反射率RH=0.9の場合と同じ0.46dB/20μmで発振を生じさせるものとすると、多モード導波路603の幅Wは0.97/(0.46/20)=42μmとなる。そして、この場合には、
(9)式の左辺=1×3.24×42×log(0.8)=−13.2<右辺
となり、(9)式の条件を満たさなくなる。これは、多モード導波路603の幅Wが約2倍になったために、(1)式で与えられる自己結像効果の生じる多モード導波路603の長さLが約4倍になり、信号光に対する利得が大きくなった結果、多モード導波路603の幅方向で発振が生じる前に信号光の伝播方向で発振が生じるためである。
一方、図1の構成において、信号光の伝播について考えると、利得を持たない多モード導波路403aを長さLp1だけ伝播した後、利得を持つ多モード導波路403bを長さL0だけ伝播し、利得を持たない多モード導波路403cを長さLp2だけ伝播する。ここで、多モード導波路403a〜403cの等価屈折率をそれぞれneqa、neqb、neqcとすると、多モード導波路403a〜403c全体を伝播した信号光の感じる平均的な等価屈折率neq0は、
(neqa×Lp1+neqb×L0+neqc×Lp2)/(Lp1+L0+Lp2
となる。このため、等価屈折率neq0を(1)式に代入して求めた多モード導波路403a〜403cの全体の長さLMMIが以下の(10)式を満たせば、多モード導波路403a〜403c全体で多モード干渉素子が形成され、入力導波路402から入射した入力信号光411が自己結像効果により出力導波路404に導かれるようにすることができる。
MMI=Lp1+L0+Lp2 ・・・(10)
一方、多モード導波路403a、403cは利得を持たないため、信号光に対する利得は、多モード導波路403bの単位長さ当たりの利得GClampに多モード導波路403bの長さL0を乗じた値GClamp×L0となる。このため、反射手段409、410の反射率RHが与えられた時に信号光の伝播方向で発振が生じないようにするための条件としては、(8)式のLをL0で置き換えた以下の(8)´式を満たせばよい。
0×log(RH)>W1×log(RAR) ・・・(8)´
このため、多モード導波路403bの長さL0と幅W1との間には(1)式は成り立つ必要はなく、(10)式の多モード導波路403a〜403c全体の長さLMMIと幅W1との間に(1)式が成り立てばよい。また、多モード導波路403a〜403c全体の長さLMMIと多モード導波路403bの長さL0との関係も(10)式からLMMI≧L0の関係を満たせばよいため、反射手段409、410の反射率RHに合わせて多モード導波路403bの幅W1を決めた後、モード導波路403bの幅W1とは独立に(8)´式を満たすように多モード導波路403bの長さL0を決めることにより、所望の利得クランプ動作を実現することができる。
例えば、図1の構成において、反射手段409、410の反射率RH=0.8とし、多モード導波路403bの単位長さ当たりの利得が、反射手段409、410の反射率RH=0.9の場合と同じ0.46dB/20μmで発振を生じさせるものとする。この場合、多モード導波路403bの幅Wは0.97/(0.46/20)=42μmとなり、多モード導波路403bの長さL0=836μmとすると、(8)´式の条件を満たすことから、信号光の伝播方向で発振が生じないようにすることができる。この場合、多モード導波路403a〜403cの等価屈折率neqa、neqb、neqcはそれぞれ3.22、3.24、3.22とすると、平均的な等価屈折率neq0は3.224となる。そして、多モード導波路403a〜403c全体の長さLMMIは(1)式より3669μmとなる。そして、(8)´式の条件を満たすように多モード導波路403bの長さL0=836μmとしたため、多モード導波路403a、403cの長さLp1、Lp2はそれぞれ1416μmとすることができる。
なお、利得媒質を含む導波路の構成に関しては、特に制約を設けるものではなく、通常の光増幅素子で用いられている全ての層構造に適用するようにしてもよい。すなわち、InGaAsP活性層502の形状はバルクの他、MQW(多重量子井戸)、量子細線、量子ドットなどでもよく、また、上下の閉じ込めを所望の値にするために分離閉じ込めヘテロ構造(SCH)や、屈折率を徐々に変化させた傾斜屈折率閉じ込め構造(GRIN−SCH)としてもよい。例えば、バンドギャップ波長が利得媒質とInPクラッドとの間にあるようなInGaAsP分離閉じ込め層または光ガイド層を利得媒質の上部または下部に設けるようにしてもよい。さらに、利得媒質の材料に関しても、InPおよびInGaAsPの組み合わせに限定されることなく、GaAs、AlGaAs、GaInAs、GaInNAs、AlGaAsPなど他の半導体材料を用いるようにしてもよい。
また、導波路構造に関しても、pn埋め込み、リッジ構造、半絶縁埋め込み構造、ハイメサ構造を用いるようにしてもよい。さらに、基板に関しても、n型基板に限定されることなく、p型基板または半絶縁性基板を用いるようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、多モード導波路403bの全てについて利得媒質をコアに含む場合について説明したが、少なくとも多モード導波路403bのコアまたはクラッドの一部に利得媒質を設けるようにしてもよい。また、上述した実施形態では、m=1の場合について説明したが、mは1以上の任意の整数でもよい。
図8は、本発明の第2実施形態に係る光増幅素子の概略構成を示す平面図である。
図8において、n−InP基板801上には、多モード導波路803dに接続され、入力信号光811を入力する入力導波路802、利得を持ち信号光を導波させる複数の多モード導波路803a〜803c、多モード導波路803aの前後段にそれぞれ接続され、利得を持たない多モード導波路803d、803e、多モード導波路803bの前後段にそれぞれ接続され、利得を持たない多モード導波路803f、803g、多モード導波路803cの前後段にそれぞれ接続され、利得を持たない多モード導波路803h、803i、多モード導波路803e、803fを互いに接続する接続導波路813a、多モード導波路803g、803hを互いに接続する接続導波路813b、多モード導波路803iに接続され、出力信号光812を出力する出力導波路804が形成されている。
ここで、入力導波路802および出力導波路804は、入力信号光811の波長に対して透明なInGaAsPをコアとしたシングルモード導波路から構成することができ、多モード導波路803a〜803cは、InGaAsPをコアとした利得媒質からなる多モード導波路から構成することができ、接続導波路813a、813bは、入力信号光811の波長に対して透明なInGaAsPをコアとしたシングルモード導波路から構成することができる。さらに、多モード導波路803d、803e、803f、803g、803h、803iは、信号光波長に対して透明なInGaAsPをコアとした多モード導波路から構成することができる。
また、入力導波路802、多モード導波路803a〜803c、接続導波路813a、813bおよび出力導波路804は導波路中心軸が互いに一致するようにn−InP基板801上に並べて配置することができる。また、各多モード導波路803a〜803cの長さLは、(1)式の関係を満たすように設定することができる。また、各多モード導波路803a〜803cの幅Wは、複数モードの光が伝搬されるように設定することができ、入力導波路802、接続導波路813a、813bおよび出力導波路804の幅は、単一モードの光が伝搬されるように設定することができる。
また、入力導波路802側のn−InP基板801の端面805には反射防止膜807が形成されるとともに、出力導波路804側のn−InP基板801の端面806には反射防止膜808が形成されている。さらに、多モード導波路803aの両脇には、多モード導波路803aに入射された光の伝搬方向と交差する方向に光を反射させる反射手段809a、810aが対向配置され、多モード導波路803bの両脇には、多モード導波路803bに入射された光の伝搬方向と交差する方向に光を反射させる反射手段809b、810bが対向配置され、多モード導波路803cの両脇には、多モード導波路803cに入射された光の伝搬方向と交差する方向に光を反射させる反射手段809c、810cが対向配置されている。
図9は、図8のA−A´線で切断した光増幅素子の構成例を示す断面図である。
図9において、n−InP基板901上には、InGaAsP入力導波路コア層902、InGaAsP活性層903a〜903c、InGaAsP接続導波路コア層909a、909bおよびInGaAsP出力導波路コア層904が形成されている。ここで、InGaAsP活性層903aは、InGaAsP入力導波路コア層902とInGaAsP接続導波路コア層909aとの間に配置され、InGaAsP活性層903bは、InGaAsP接続導波路コア層909a、909b間に配置され、InGaAsP活性層903cは、InGaAsP接続導波路コア層909bとInGaAsP出力導波路コア層904との間に配置されている。
なお、InGaAsP活性層903a〜903cの幅は、複数モードの光が伝搬されるように設定することができ、InGaAsP活性層903a〜903cの幅は、例えば、20μmに設定することができる。
そして、InGaAsP入力導波路コア層902、InGaAsP活性層903a〜903c、InGaAsP接続導波路コア層909a〜909bおよびInGaAsP出力導波路コア層904上には、p−InPクラッド層905が形成されている。ここで、n−InP基板901とp−InPクラッド層905との間にInGaAsP活性層903a〜903cを形成することにより、InGaAsP活性層903a〜903cをコアとした利得媒質からなる多モード導波路903a〜903cをそれぞれ構成することができる。
そして、p−InPクラッド層905上にはp−GaInAsコンタクト層906a〜906cが形成されている。ここで、p−GaInAsコンタクト層906a〜906cは、InGaAsP活性層903a〜903cにそれぞれ対応するように分割して配置されている。また、p−GaInAsコンタクト層906a〜906c上にはp側電極907a〜907cがそれぞれ形成され、n−InP基板901の裏面にはn側電極908が形成されている。
ここで、p−GaInAsコンタクト層906a〜906cおよびp側電極907a〜907cをそれぞれ分割することにより、InGaAsP活性層903a〜903cに効率よく電流を注入することが可能となるとともに、InGaAsP入力導波路コア層902、InGaAsP接続導波路コア層909a〜909bおよびInGaAsP出力導波路コア層904に電流が注入されることを抑制することができ、フリーキャリア吸収損失を低減させることができる。
そして、図8において、入力導波路802に入射した入力信号光811は、入力導波路802を伝搬して多モード導波路803d、803a、803eに順次入射される。そして、入力信号光811が多モード導波路803d、803a、803eに入射すると、多モード導波路803d、803a、803e内の複数の伝搬モードが励振され、それぞれの伝搬定数により決定される位相条件で多モード導波路803d、803a、803e内を伝搬する。そして、多モード導波路803d、803a、803e内を伝搬した光は、接続導波路813aに入射し、接続導波路813aを伝搬した後、多モード導波路803f、803b、803gに順次入射する。そして、多モード導波路803f、803b、803gに入射した信号光は、多モードに展開されながら多モード導波路803f、803b、803gを伝搬し、接続導波路813bに入射する。そして、接続導波路813bに入射した信号光は、接続導波路813bを伝搬した後、多モード導波路803h、803c、803iに順次入射し、多モードに展開されながら多モード導波路803h、803c、803iを伝搬する。そして、多モード導波路803h、803c、803iを伝搬した信号光は、出力導波路804に入射し、出力導波路804を伝搬した後、出力信号光812として端面806から出射される。
なお、(1)式の関係を満たすように、多モード導波路803d、803a、803e、多モード導波路803f、803b、803gおよび多モード導波路803h、803c、803iの長さLをそれぞれ設定することにより、多モード導波路803d、803a、803e、多モード導波路803f、803b、803gおよび多モード導波路803h、803c、803i内を伝搬した信号光を、接続導波路813a、813bおよび出力導波路804の基本モードにそれぞれ結合させることができ、多モード導波路803d、803a、803e、多モード導波路803f、803b、803gおよび多モード導波路803h、803c、803iと接続導波路813a、813bおよび出力導波路804との間の結合損失を低減させることができる。
ここで、各多モード導波路803a〜803cのコアは利得媒質を含むため、入力信号光811は、各多モード導波路803a〜803cを伝搬するに従って増幅され、増幅された出力信号光812を得ることができる。
一方、各多モード導波路803a〜803cにて生成された自然放出光は四方八方に放出され、多モード導波路803a〜803cの両脇の高反射膜809、810にて反射させることにより、入力信号光811の導波方向と直交する方向にレーザ発振を起こさせることができる。そして、入力信号光811の導波方向と直交する方向にレーザ発振が起こると、各多モード導波路803a〜803cに入射された信号光強度が変動した場合においても、各多モード導波路803a〜803cのキャリア密度を一定に保つことができ、光増幅素子の利得を一定値にクランプさせることができる。
このため、入力導波路802および出力導波路804をバットジョイント構成とした場合においても、出力導波路804から出射される増幅光に発振光が混入することを防止しつつ、発振により利得がクランプされた利得媒質内で、入力信号光811を増幅させることが可能となる。この結果、信号光と発振光とを分離するための波長フィルタや光導波路を不要とすることができ、素子サイズの増大を抑制しつつ、入力光強度による利得変動を抑えることが可能となる。
さらに、利得を持つように構成された多モード導波路803a〜803cの前後段には、利得を持たないように構成された多モード導波路803d、803e、803f、803g、803h、803iがそれぞれ設けられている。このため、発振が生じる方向の選択性を向上させることができ、信号光の導波方向と直交する方向に導波する発振光の利得の低下を抑制しつつ、信号光の導波方向の利得を低下させることができる。このため、反射手段809a、810a、809b、810b、809c、810cの反射率が小さい場合においても、信号光の導波方向と異なる方向に発振が生じる前に信号光の導波方向で発振が生じることを防止することができ、信号光の導波方向と異なる方向に発振光を導波させつつ、信号光の利得をクランプさせることができる。
すなわち、図8の構成においても、反射手段809a、810a、809b、810b、809c、810cの反射率RHが与えられた時に信号光の伝播方向で発振が生じないようにするためには、(9)式が成り立つ必要はない。各利得領域におけるクランプ利得を足した値が全体の信号光の利得となることを考慮すると、(6)式および(7)式は以下の(6)´式および(7)´式で置き換えられる。ただし、添え字のiはi番目の利得領域を示す。
lateral=Gclamp-i×Wi=−10×log(RHi) ・・・(6)´
Figure 0004833630
ここで、(6)´式および(7)´式からGclamp-iを消去すると、以下の(8)´式が得られる。
Figure 0004833630
そして、図8の構成では、反射手段809a、810a、809b、810b、809c、810cの反射率RHが与えられた時に信号光の伝播方向で発振が生じないようにするためには、(8)´式を持たすように多モード導波路803a〜803cの幅Wiを設定すればよい。
また、上述した実施形態では、接続導波路813a、813bおよび出力導波路804が、入力信号光811の波長に対して透明な材質をコアとしたシングルモード導波路から構成されている。このため、多モード導波路803a〜803cにて増幅された信号光が接続導波路813a、813bおよび出力導波路804にそれぞれ集光された状態で入射し、光パワー密度が高くなった場合においても、利得飽和による波形劣化を防止することができる。また、入力導波路802、接続導波路813a、813bおよび出力導波路804を、入力信号光811の波長に対して透明な材質をコアとしたシングルモード導波路から構成することにより、入力導波路802、接続導波路813a、813bおよび出力導波路804に電流注入する必要がなくなり、駆動電流を低減することができる。
なお、上述した実施形態では、入力導波路802、接続導波路813a、813bおよび出力導波路804の全てを入力信号光811の波長に対して透明な材質を用いて構成する方法について説明したが、必ずしも入力導波路802、接続導波路813a、813bおよび出力導波路804の全てを入力信号光811の波長に対して透明な材質を用いて構成する必要はなく、入力導波路802、接続導波路813a、813bおよび出力導波路804のいずれかを入力信号光911の波長に対して透明な材質を用いて構成するようにしてもよい。例えば、電流を低減したい場合には、入力導波路802、接続導波路813a、813bおよび出力導波路804の全てを入力信号光811の波長に対して透明な材質を用いて構成する方法が効果的であるが、NFをより重視する場合には、入力導波路802は入力信号光811の波長に対して利得を有する材質を用いて構成する方がよい。
また、多モード導波路803a〜803cの全てについて利得媒質をコアに含む場合について説明したが、少なくとも多モード導波路803a〜803cのコアまたはクラッドの一部に利得媒質を設けるようにしてもよい。また、図6の実施形態でも、導波路の構成、コア層もしくは利得媒質の組成および構造、SCH構造の有無などは、図1の実施形態と同様に様々な変形を施すことができる。
また、上述した実施形態では、m=1の場合について説明したが、各多モード導波路803a〜803cの長さはそれぞれ独立に(1)式を満たせばよく、m=1に限定されない。例えば、多モード導波路803aではm=2、多モード導波路803bではm=1、多モード導波路803cではm=4とするようにしてもよく、多モード導波路803a〜803cごとに任意の整数mを用いた場合にも本発明の効果が期待できる。さらに、上述した実施形態では、多モード導波路803a〜803cを3段接続する方法について説明したが、3段に限定されることなく、n(nは正の整数)段構成なら何段でもよい。
図10は、本発明の第3実施形態に係る光増幅素子の概略構成を示す平面図である。
図10において、n−InP基板1001上には、入力信号光1011を入力する入力導波路1002、入力信号光1011を分岐する分岐回路1013、分岐回路1013にて分岐された入力信号光1011をそれぞれ並列に導波させる多モード導波路1003a、1003b、多モード導波路1003a、1003bをそれぞれ伝播した信号光を合波する合波回路1014、出力信号光1012を出力する出力導波路1004が、信号光の伝播方向に沿って順次形成されている。
ここで、入力導波路1002および出力導波路1004は、信号光波長に対して利得を有するInGaAsPをコアとしたシングルモード導波路から構成することができ、多モード導波路1003a、1003bは、InGaAsPをコアとした利得媒質からなる多モード導波路から構成することができる。また、分岐回路1013および合波回路1014は、利得飽和を防止するため、信号光に対して利得を持たない透明な組成のコア層を用いることが好ましい。また、各多モード導波路1003a、1003bの長さLMMIは、(1)式の関係を満たすように設定することができる。また、入力導波路1002側のn−InP基板1001の端面1005には反射防止膜1007が形成されるとともに、出力導波路1004側のn−InP基板1001の端面1006には反射防止膜1008が形成されている。さらに、多モード導波路1003a、1003bの外側の脇には、多モード導波路1003a、1003bに入射された光の伝搬方向と交差する方向に光を反射させる反射手段1009、1010が対向配置されている。
図11は、図10のA4−A4´線で切断した光増幅素子の構成例を示す断面図である。
図11において、図10多モード導波路1003a、1003bでは、InGaAsP活性層1102a、1102bがストライプ状にn−InP基板1101上に並列に形成されている。なお、InGaAsP活性層1102a、1102bの幅は、複数モードの光が伝播されるように設定することができる。そして、InGaAsP活性層1102a、1102bの両側は、n−InP基板1101上に順次積層されたp−InP電流ブロック層1103およびn−InP電流ブロック層1104にてそれぞれ埋め込まれている。ここで、p−InP電流ブロック層1103およびn−InP電流ブロック層1104にてInGaAsP活性層1102a、1102bの両側をそれぞれ埋め込むことにより、埋め込みヘテロ構造を構成することができる。
そして、InGaAsP活性層1102a、1102bおよびn−InP電流ブロック層1104上には、p−InPクラッド層1105が形成されている。ここで、n−InP基板1101とp−InPクラッド層1105との間にInGaAsP活性層1102a、1102bを形成することにより、InGaAsP活性層1102a、1102bをコアとした利得媒質からなる多モード導波路1103a、1103bをそれぞれ構成することができる。
そして、p−InPクラッド層1105上には、InGaAsP活性層1102a、1102bにそれぞれ対応するようにp−GaInAsコンタクト層1106a、1106bが形成されている。また、p−GaInAsコンタクト層1106a、1106b上にはp側電極1107a、1107bがそれぞれ形成され、n−InP基板1101の裏面にはn側電極1108が形成されている。また、p−InP電流ブロック層1103、n−InP電流ブロック層1104、p−InPクラッド層1105およびp−GaInAsコンタクト層1106はメサ状にエッチングされ、p−InP電流ブロック層1103、n−InP電流ブロック層1104、p−InPクラッド層1105およびp−GaInAsコンタクト層1106の側壁が露出されている。そして、p−InP電流ブロック層1103、n−InP電流ブロック層1104、p−InPクラッド層1105およびp−GaInAsコンタクト層1106の側壁には、入力信号光1011の伝搬方向に沿うようにして高反射膜1109、1110が形成されている。なお、高反射膜1109、1110としては、例えば、TiO2、SiO2などの誘電体多層膜またはAuなどの金属膜または半導体の周期構造を用いることができる。
なお、図10のB4−B4´線で切断した光増幅素子の構成は、図6のB2−B2´線で切断した光増幅素子と同様の構成をとることができる。
そして、図10において、入力導波路1002に入射した入力信号光1011は、分岐回路1013にて分岐され、多モード導波路1003a、1003bに入射される。そして、分岐回路1013にて分岐された入力信号光1011が多モード導波路1003a、1003bに入射すると、入力信号光1011は多モード導波路路1003a、1003bにおける固有モードにそれぞれ展開される。ここで、(1)式の関係を満たすように、多モード導波路1003a、1003bの長さLMMIをそれぞれ設定することにより、多モード導波路1003a、1003b内を伝搬する信号光を1つのスポットに集光させることができる。そして、多モード導波路1003a、1003b内を長さLMMIだけ伝搬した信号光は、合波回路1014にて合波されてから出力導波路1004に入射し、出力信号光1012として端面1006から出射される。ここで、多モード導波路1003a、1003bのコアは利得媒質を含むため、入力信号光1011は、多モード導波路1003a、1003bを伝搬するに従って増幅され、増幅された出力信号光1012を得ることができる。また、分岐回路1013、多モード導波路1003a、1003bおよび合波回路1014は対称マッハツェンダー干渉計を構成し、多モード導波路1003a、1003bをそれぞれ経由して合波回路1014に入射する信号光の位相が互いに揃うように調整することにより、多モード導波路1003a、1003bをそれぞれ伝播した信号光を損失なく合波させることができる。なお、入力信号光1011は2個の多モード導波路1003a、1003bに分かれて増幅されるため、多モード導波路1003a、1003bにおいて見かけ上パワーは半分になっている。そして、多モード導波路1003a、1003bにおいてそれぞれ飽和出力まで増幅された場合には、合波回路1014にて損失なく合波されるため、図6の構成に比べ飽和出力を2倍にすることができる。
一方、多モード導波路1003a、1003bにて生成された自然放出光は四方八方に放出され、多モード導波路1003a、1003bの外側の脇に配置された反射手段1009、1010にて反射させることにより、入力信号光1011の導波方向と直交する方向にレーザ発振を起こさせることができる。そして、入力信号光1011の導波方向と直交する方向にレーザ発振が起こると、多モード導波路1003a、1003bに入射された信号光の強度が変動した場合においても、多モード導波路1003a、1003bのキャリア密度を一定に保つことができ、光増幅素子の利得を一定値にクランプさせることができる。
さらに、複数の多モード導波路1003a、1003bを並列に配置することにより、多モード導波路1003a、1003bの幅方向で発振を起こさせるために必要な個々の多モード導波路1003a、1003bの幅Wを小さくすることができる。このため、信号光の導波方向と直交する方向に導波する発振光の利得の低下を抑制しつつ、信号光の導波方向の利得を低下させることができ、反射手段409、410の反射率が小さい場合においても、信号光の導波方向と異なる方向に発振が生じる前に信号光の導波方向で発振が生じることを防止することができる。この結果、信号光の導波方向と異なる方向に発振光を導波させつつ、多モード導波路1003a、1003bでの発振作用により信号光の利得をクランプさせることができ、出力導波路402から出射される増幅光に発振光が混入することを防止しつつ、光増幅素子に要求される構成要件を緩和することができる。
すなわち、図10の構成においても、反射手段1009、1110の反射率RHが与えられた時に信号光の伝播方向で発振が生じないようにするためには、(9)式が成り立つ必要はない。多モード導波路1003a、1003bを並列に並べた場合に、発振時の幅方向のクランプ利得は、以下の(6)´´式で与えられる。
lateral=Gclamp×W×p=−10×log(RH) ・・・(6)´´
ただし、pは多モード導波路1003a、1003bの並列数で、図10の例ではp=2である。
ここで、(6)´´式および(7)´式からGclampを消去すると、以下の(8)´´´式が得られる。
L×log(RH)>W×p×log(RAR) ・・・(8)´´´
そして、(8)´´´式に(1)式を代入すると、以下の(9)´´式が得られる。
m・neq・W×log(RH)>p×λ×log(RAR) ・・・(9)´´
(9)´´式から、反射手段1009、1110の反射率RHが与えられた時に信号光の伝播方向で発振が生じないようにするための多モード導波路1003a、1003bの幅Wをそれぞれ求めることができる。
例えば、図10の反射手段1009、1110の反射率RH=0.8の場合において、多モード導波路1003a、1003bの単位長さ当たりの利得が、図6の高反射膜609、610の反射率RH=0.9の場合と同じ0.46dB/20μmで発振を生じさせるものとすると、多モード導波路1003a、1003bの幅方向の発振は多モード導波路1003a、1003bを横切って行われるため、多モード導波路1003a、1003b全体で0.97/(0.46/20)=42μmの幅を持てばよい。ここで、図10の構成では、多モード導波路1003a、1003bが2個並列に配置されているため、個々の多モード導波路1003a、1003bの幅は1/2×42μm=21μmでよい。
具体的には、反射手段1009、1010の反射率RH=0.9、反射防止膜1007、1008の反射率RAR=0.001、多モード導波路1003a、1003bの幅W=21μm、多モード導波路1003a、1003bの等価屈折率neq=3.24、入力信号光1011の波長λ=1.55μm、m=1、P=2であるため、
(9)´´式の左辺=1×3.24×21×log(0.8)=−6.59
(9)´´式の右辺=2×1.55×log(0.001)=−9.3
となり、(9)´´式の条件を満たすことから、信号光の伝播方向で発振が生じないようにすることができる。
なお、図10の実施形態では、多モード導波路1003a、1003bを2個並列に並べる方法について説明したが、多モード導波路の並列数pは2以上の整数であれば、いくつでもよい。
また、図10の実施形態では、多モード導波路1003a、1003b全体が利得を持つようにしてもよいし、利得を持つ領域と利得を持たない領域とから多モード導波路1003a、1003bをそれぞれ構成するようにしてもよい。
図12は、本発明の第4実施形態に係る光増幅素子の概略構成を示す平面図である。
図12において、n−InP基板1201上には、入力信号光1211a、1211bをそれぞれ入力する入力導波路1202a、1202b、入力導波路1202a、1202bにそれぞれ入力された入力信号光1211a、1211bをそれぞれ並列に導波させる多モード導波路1203a、1203b、多モード導波路1203a、1203bをそれぞれ伝播した信号光を出力信号光1212a、1212bとしてそれぞれ出力する出力導波路1204a、1204bが、信号光の伝播方向に沿って順次形成されている。
ここで、入力導波路1202a、1202bおよび出力導波路1204a、1204bは、信号光波長に対して利得を有するInGaAsPをコアとしたシングルモード導波路から構成することができ、多モード導波路1203a、1203bは、InGaAsPをコアとした利得媒質からなる多モード導波路から構成することができる。また、各多モード導波路1203a、1203bの長さLMMIは、(1)式の関係を満たすように設定することができる。また、入力導波路1202a、1202b側のn−InP基板1201の端面1205には反射防止膜1207が形成されるとともに、出力導波路1204a、1204b側のn−InP基板1201の端面1206には反射防止膜1208が形成されている。さらに、多モード導波路1203a、1203bの外側の脇には、多モード導波路1203a、1203bに入射された光の伝搬方向と交差する方向に光を反射させる反射手段1209、1210が対向配置されている。
そして、入力導波路1202a、1202bにそれぞれ入射した入力信号光1211a、1211bは、多モード導波路1203a、1203bにそれぞれ入射され、多モード導波路路1203a、1203bにおける固有モードにそれぞれ展開される。ここで、(1)式の関係を満たすように、多モード導波路1203a、1203bの長さLMMIをそれぞれ設定することにより、多モード導波路1203a、1203b内をそれぞれ伝搬する信号光を1つのスポットに集光させることができる。そして、多モード導波路1203a、1203b内を長さLMMIだけ伝搬した信号光は、出力導波路1204a、1204bにそれぞれ入射し、出力信号光1212a、1212bとして端面1206からそれぞれ出射される。ここで、多モード導波路1203a、1203bのコアは利得媒質を含むため、入力信号光1211a、1211bは、多モード導波路1203a、1203bを伝搬するに従ってそれぞれ増幅され、増幅された出力信号光1212a、1212bをそれぞれ得ることができる。
一方、多モード導波路1203a、1203bにて生成された自然放出光は四方八方に放出され、多モード導波路1203a、1203bの外側の脇に配置された反射手段1209、1210にて反射させることにより、入力信号光1211a、1211bの導波方向と直交する方向にレーザ発振を起こさせることができる。そして、入力信号光1211a、1211bの導波方向と直交する方向にレーザ発振が起こると、多モード導波路1203a、1203bに入射された信号光の強度が変動した場合においても、多モード導波路1203a、1203bのキャリア密度を一定に保つことができ、光増幅素子の利得を一定値にクランプさせることができる。
さらに、複数の多モード導波路1203a、1203bを並列に配置することにより、多モード導波路1203a、1203bの幅方向で発振を起こさせるために必要な個々の多モード導波路1203a、1203bの幅Wを小さくすることができる。このため、信号光の導波方向と直交する方向に導波する発振光の利得の低下を抑制しつつ、信号光の導波方向の利得を低下させることができ、反射手段1209、1210の反射率が小さい場合においても、信号光の導波方向と異なる方向に発振が生じる前に信号光の導波方向で発振が生じることを防止することができる。この結果、信号光の導波方向と異なる方向に発振光を導波させつつ、多モード導波路1203a、1203bでの発振作用により信号光の利得をクランプさせることができ、出力導波路1204a、1204bから出射される増幅光に発振光が混入することを防止しつつ、光増幅素子に要求される構成要件を緩和することができる。
すなわち、図12の構成においても、反射手段1209、1210の反射率RHが与えられた時に信号光の伝播方向で発振が生じないようにするためには、(9)式が成り立つ必要はなく、(9)´´式を満たせばよいため、多モード導波路1203a、1203bの幅Wおよび反射手段1209、1210の要求される要件を緩和することができる。
なお、図12の実施形態では、多モード導波路1203a、1203bを2個並列に並べる方法について説明したが、多モード導波路の並列数pは2以上の整数であれば、いくつでもよい。
また、図12の実施形態では、多モード導波路1203a、1203b全体が利得を持つようにしてもよいし、利得を持つ領域と利得を持たない領域とから多モード導波路1203a、1203bをそれぞれ構成するようにしてもよい。
上述した光増幅素子は、光通信、光交換、光情報処理などの光を利用した光伝送処理システムなどの用途に適用することができ、特に、波長多重数による光信号の利得変動を防止することを可能としつつ、波長多重光伝送システムの大型化を抑制することが可能となる。
本発明の第1実施形態に係る光増幅素子の概略構成を示す平面図である。 図1の414の部分を拡大して示す平面図である。 図1のA1−A1´線で切断した光増幅素子の構成例を示す断面図である。 図1のD1−D1´線で切断した光増幅素子の構成例を示す断面図である。 図1のA1−A1´線で切断した光増幅素子のその他の構成例を示す断面図である。 本発明の光増幅素子の動作原理を示す平面図である。 図6の光増幅素子の飽和特性を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る光増幅素子の概略構成を示す断面図である。 図8のD3−D3´線で切断した光増幅素子の構成例を示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係る光増幅素子の概略構成を示す平面図である。 図10のA4−A4´線で切断した光増幅素子の構成例を示す断面図である。 本発明の第4実施形態に係る光増幅素子の概略構成を示す平面図である。 図13(a)は、従来の光増幅素子を光導波方向に沿って切断した断面図、図13(b)は、図13(a)のA−A´線で切断した断面図である。 図13の光増幅素子の飽和特性を示す図である。 図15(a)は、従来の光増幅素子を光導波方向に沿って切断した断面図、図15(b)は、図15(a)のC−C´線で切断した断面図である。 図15の光増幅素子の飽和特性を示す図である。
符号の説明
401、501、501b、601、801、901、1001、1101、1201、5001 n−InP基板
402、602、802、902、1002、1102、1202a、1202b 入力導波路
403a〜403c、603、803a〜803i、903a〜903c、1003a、1003b、1103a〜1103c、1203a、1203b 多モード導波路
404、604、804、904、1004、1104、1204a、1204b 出力導波路
405、406、605、606、805、806、905、906、1005、1006、1105、1106、1205、1206 端面
407、408、607、608、807、808、907、908、1007、1008、1107、1108、1207、1208 反射防止膜
409、410、、609、610、809a〜809c、810a〜810c、909、910、1009、1010、1109、1110、1209、1210 反射手段
411、611、811、911、1011、1111、1211a、1211b 入力信号光
412、612、812、912、1012、1112、1212a、1212b 出力信号光
414 多モード導波路接続領域
4001 信号光
4002、4003 自然放出光
502、502b、702、1002、1003a〜1003c、1102a、1102b、1202、5003 InGaAsP活性層
503、503b、1103 p−InP電流ブロック層
504、504b、1104 n−InP電流ブロック層
505、505b、905、1005、1105、1205、5005 p−InPクラッド層
506、506b、906a〜906c、1006a〜1006c、1106a、1106b、1206a〜1206c、5006 p−GaInAsキャップ層
507、507b、907a〜907c、1007a〜1007c、1107a、1107b、1207a〜1207c、5007 p側電極
508、508b、908、1008、1108、1208、5008 n側電極
509b、510b 溝
902、904、5002、5003 InGaAsPコア層
813a、813b 接続導波路
909a、909b InGaAsP接続導波路コア層
1013 分岐回路、
1014 合波回路

Claims (5)

  1. 信号光を単一モードで伝送する2つの入出力導波路と、該2つの入出力導波路の間で信号光を複数モードで且つ一定の導波路幅で伝送する多モード導波路とを備えた光増幅素子において、
    前記信号光を増幅する利得を持つ利得領域と、前記利得を持たない非利得領域とから前記多モード導波路を構成し、前記利得領域から放出された自然放出光を前記多モード導波路の導波方向と交差する方向に反射する反射領域を前記利得領域の両脇に形成するとともに、前記多モード導波路の導波方向に沿う前記利得領域の長さと前記非利得領域の長さとを合計した長さを前記信号光の自己結像効果が生じる長さとしたことを特徴とする光増幅素子。
  2. 前記多モード導波路は、前記2つの入出力導波路の間に複数配置され、前記信号光を単一モードで伝搬する複数の接続導波路により直列に接続されていることを特徴とする請求項1記載の光増幅素子。
  3. 前記非利得領域は、前記利得領域の光入射側端面と光出射側端面に隣接して形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の光増幅素子。
  4. 信号光を単一モードで伝送する2つの入出力導波路と、該2つの入出力導波路の間で信号光を複数モードで且つ一定の導波路幅で伝送する複数の多モード導波路と、前記2つの入出力導波路のうち一方の入出力導波路から出力された信号光を分岐して前記複数の多モード導波路に入力する光分岐手段と、前記複数の多モード導波路から出力された信号光を合波して前記2つの入出力導波路のうち他方の入出力導波路に出力する光合波手段とを備えた光増幅素子において、
    前記多モード導波路の導波路幅をW 1 、前記多モード導波路の縦方向の等価屈折率をn eq 、前記信号光の波長をλとしたとき、前記多モード導波路の各長さL i を、L i =m i ・n eq ・W 1 2 /λ(ただし、m i :正の整数)を満たす長さに設定するとともに、前記多モード導波路の少なくとも一部を構成する利得媒質から放出された自然放出光を前記多モード導波路の導波方向と交差する方向に反射する2つの反射領域を前記複数の多モード導波路を間に挟んで対向配置したことを特徴とする光増幅素子。
  5. 信号光を複数モードで且つ一定の導波路幅で伝送する複数の多モード導波路と、該多モード導波路の各一端に光学的に接続された複数の入力導波路と、該入力導波路に対応して前記多モード導波路の各他端に光学的に接続された複数の出力導波路とを備えた光増幅素子において、
    前記多モード導波路の導波路幅をW 1 、前記多モード導波路の縦方向の等価屈折率をn eq 、前記信号光の波長をλとしたとき、前記多モード導波路の各長さL i を、L i =m i ・n eq ・W 1 2 /λ(ただし、m i :正の整数)を満たす長さに設定するとともに、前記多モード導波路の少なくとも一部を構成する利得媒質から放出された自然放出光を前記多モード導波路の導波方向と交差する方向に反射する2つの反射領域を前記複数の多モード導波路を間に挟んで対向配置したことを特徴とする光増幅素子。
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