JP4833631B2 - 光増幅素子 - Google Patents
光増幅素子 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4833631B2 JP4833631B2 JP2005290173A JP2005290173A JP4833631B2 JP 4833631 B2 JP4833631 B2 JP 4833631B2 JP 2005290173 A JP2005290173 A JP 2005290173A JP 2005290173 A JP2005290173 A JP 2005290173A JP 4833631 B2 JP4833631 B2 JP 4833631B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- waveguide
- multimode
- waveguides
- signal light
- input
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Semiconductor Lasers (AREA)
Description
このWDMシステムでは、波長に応じて光信号を合流・分岐するWDM合分波回路、全ての波長の光を一括して合流・分岐する合分岐回路、特定の波長を抜き出し、あるいは挿入するアドドロップマルチプレクサ(Add−drop multiplexer、ADM)等の光素子が使用され、光信号がこれらの光素子を通過する際に生じる強度損失のため、信号強度が劣化する。
図14(a)は、従来の光増幅素子を光導波方向に沿って切断した断面図、図14(b)は、図14(a)のA−A´線で切断した断面図を示し、従来の光増幅素子(Semiconductor Optical Amplifier:SOA)の例として、n−InP基板101を用いた場合の構造を示す(非特許文献1)。
そして、InGaAsP活性層102およびn−InP層104上には、p−InP層105が形成され、p−InP層105上にはp−GaInAsコンタクト層106が形成されている。また、p−GaInAsコンタクト層106上にはp側電極107が形成され、n−InP基板101の裏面にはn側電極108が形成されている。
図15において、入力光強度が小さい場合、入力光強度が増加しても利得はほぼ一定であるが、入力光強度がある値を超えると、利得は急激に減少する。ここで、WDMシステムでは、光信号として波長多重信号が入射され、その波長多重数は、アドドロップマルチプレクサ等を通過する毎に変動する。
ここで、アドドロップマルチプレクサにより光信号が追加されて、波長多重数がnに増加したとする。この場合、光増幅素子の入射光強度がn波合計でP2(dBm)になると、光増幅素子の利得はG2(dB)になる。
図16において、n−InP基板201上には、利得媒質であるInGaAsP活性層202がストライプ状に形成され、InGaAsP活性層202は、p−InP層203およびn−InP層204により埋め込まれている。
図16の光増幅素子のレーザ発振状態では、利得媒質でのキャリア密度は一定値にクランプされるが、発振しきい値が高いため、キャリア密度は通常のDFBレーザよりも高い値にクランプされる。
従って、上述した発振状態では、光増幅素子に注入する電流値を増加させても、発振光の光強度が増大するだけで、光増幅素子の利得を一定に保つことができる。そして、入力信号光強度が大きくなった場合、発振光強度が減少して、光増幅素子内部でのトータルの光強度が一定に保たれるため、光増幅素子のキャリア密度に変動が生じることがなく、光増幅素子の利得を一定に保つことができる。
図17において、図16の光増幅素子では、外部から入射された信号光の入力光強度が変動しても、利得は一定値Goに保たれる。すなわち、信号光の波長多重数がmからnに変化し、合計入力パワーがP1からP2に変化した場合においても、利得はGoで一定値となる。
また、図16の光増幅素子では、外部からの入射光強度がさらに増大し、発振が抑圧された場合に限り、利得が低下する。逆に、図16の光増幅素子で発振が生じている限り、入射光強度あるいは入射信号の波長多重数によらず、利得を一定に保つことができる。
さらに、図16のDFB型光増幅素子では、発振光強度が非常に強いため、入射信号強度が小さいと、通常の波長フィルタを用いた場合においても、信号光と同程度の強度で発振光が残留するという問題があった。
また、特許文献1に開示された半導体光アンプにおいても、図15のDFB型光増幅素子と同様の問題があった。
そこで、本発明の目的は、信号光の導波方向に発振光を混入させることなく、入力光強度による利得変動を抑えることが可能な光増幅素子を提供することである。
これにより、信号光に対しては幅W、長さL MM1 の多モード導波路を、発振光に対しては幅L MM1 、長さWの多モード導波路として作用させることができ、これに基づく構造パラメータの設計が可能となる。
請求項3記載の光増幅素子は、単一モードの光を導波させるように構成され、前記多モード導波路間を接続する接続導波路をさらに備えることを特徴とする。
これにより、多モード導波路同士を低損失で互いに結合させることができ、多モード導波路の配置の自由度を確保しつつ、多モード導波路全体の長さを長くすることができる。
また、請求項4記載の光増幅素子は、前記2つの入出導波路と前記接続導波路の少なくともひとつを、信号光の波長に対して透明な材質をコアとしたシングルモード導波路から構成したことを特徴とする。
これにより、多モード導波路にて増幅された信号光が接続導波路または入出力導波路に集光された状態で入射したために、光パワー密度が高くなった場合においても、利得飽和による波形劣化を防止することができる。
これにより、反射領域の反射率が互いに等しい場合においても、多モード導波路ごとに注入キャリア密度を変化させることが可能となる。このため、利得を稼ぎながら、飽和出力パワーを増大させたり、NF(ノイズフィギュア)を向上させたりすることができ、光増幅素子の用途に応じて様々な動作状態を実現することができる。
これにより、多モード導波路ごとに注入電流密度を独立に制御することが可能となり、多モード導波路ごとに導波路幅が互いに異なる場合においても、光増幅素子を効率よく駆動することができる。
これにより、2つの入出力導波路と多モード導波路を同一工程内で一括形成することが可能となり、製造工程の増大を抑制しつつ、入力光強度による利得変動を抑えることが可能となるとともに、入出力導波路の1つから出射される増幅光に発振光が混入することを防止することができる。
Li=mi・neqi・Wi 2/λ(ただし、miは正の整数)
であることを特徴とする。
これにより、自己結合効果を発現させることを可能としつつ、多モード導波路の長さを長くすることを可能として、クランプ利得を稼ぐことが可能となる。このため、注入電流密度を一定に保ちつつ、多モード導波路のサイズを小さくすることが可能となり、入出力導波路の基本モードに信号光を低損失で結合させることを可能としつつ、駆動電流を低減させることができる。
これにより、発振光に対するコアを反射領域まで延伸することができ、キャビティ内における発振光の損失を減少させることが可能となる。このため、多モード導波路内で発振光を効率よくフィードバックさせることが可能となり、反射領域の反射率に対する要求を緩和することができる。
これにより、2つの入出力導波路と多モード導波路が形成された基板上に反射領域を一体的に形成することが可能となり、素子サイズの増大を抑制しつつ、信号光の導波方向と異なる方向に発振光を導波させることができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る光増幅素子の概略構成を示す平面図、図2は、図1の414の部分を拡大して示す平面図である。
図1において、n−InP基板401上には、多モード導波路403aに接続され、入力信号光411を入力する入力導波路402、信号光を導波させる複数の多モード導波路403a〜403c、多モード導波路403a、403bを互いに接続する接続導波路413a、多モード導波路403b、403cを互いに接続する接続導波路413b、多モード導波路403cに接続され、出力信号光412を出力する出力導波路404が形成されている。
L=m・neq・W2/λ ・・・(1)
の関係を満たすように設定することができる。ただし、mは正の整数である。なお、以下の説明では、(1)式の関係を満たす各多モード導波路403a〜403cの長さLをLMMIとする。ここで、各多モード導波路403a〜403cの長さLMMIは、各多モード導波路403a〜403cにおいて、光が最初にスポット状に集光されるまでの長さを示している。また、多モード干渉では、長さLMMIごとに周期的にスポットが形成されるため、(1)式では、その整数倍を各多モード導波路403a〜403cの長さとして用いることを示している。
さらに、多モード導波路403a〜403cの少なくとも2箇所で反射手段409a、410a、反射手段409b、410bおよび反射手段409c、410cの反射率が互いに異なるように設定することにより、多モード導波路403a〜403cの幅Wが互いに等しい場合においても、多モード導波路403a〜403cごとに注入キャリア密度を変化させることが可能となる。このため、利得を稼ぎながら、飽和出力パワーを増大させたり、NF(ノイズフィギュア)を向上させたりすることができ、光増幅素子の用途に応じて様々な動作状態を実現することができる。
すなわち、図2に示すように、多モード導波路403aにて生成された自然放出光4002、4003は、導波路の中心軸C1−C1´方向に沿って伝播する信号光4001に対して様々の角度で交差する。ここで、接続導波路413aの周辺には導波路コアがなく、導波構造消失領域4005a、4005bが形成されている。このため、信号光4001との交差角度が浅い自然放出光4002が、多モード導波路403aから導波構造消失領域4005a、4005bに進入したとしても、導波構造消失領域4005a、4005bは利得を持たないため、導波構造消失領域4005a、4005bに進入した自然放出光4002がそれ以上増幅されることはない。また、導波構造消失領域4005a、4005bの両脇には反射手段もないため、導波構造消失領域4005a、4005bに進入した自然放出光4002はn−InP基板401外に放射され、多モード導波路403aに戻ることはなく、レーザキャビティも形成されず発振も生じない。
従って、発振光の伝播方向は信号光の伝播方向に対して垂直に近い角度で交差するようになり、発振光と信号光との交差角度を大きくすることができる。このため、出力導波路404に発振光が混入することを防止することが可能となり、発振光と信号光との分離を容易化することができる。
図3において、図1の多モード導波路403a〜403cでは、InGaAsP活性層502がストライプ状にn−InP基板501上に形成されている。なお、InGaAsP活性層502の幅は、複数モードの光が伝搬されるように設定することができ、多モード導波路403のInGaAsP活性層502の幅は、例えば、20μmに設定することができる。そして、InGaAsP活性層502の両側は、n−InP基板501上に順次積層されたp−InP電流ブロック層503およびn−InP電流ブロック層504にて埋め込まれている。ここで、p−InP電流ブロック層503およびn−InP電流ブロック層504にてInGaAsP活性層502の両側を埋め込むことにより、埋め込みヘテロ構造を構成することができる。
図4において、図1の多モード導波路403a〜403cでは、InGaAsP活性層502bがストライプ状にn−InP基板501b上に形成されている。なお、InGaAsP活性層502bの幅は、複数モードの光が伝播されるように設定することができる。そして、InGaAsP活性層502bの両側は、n−InP基板501b上に順次積層されたp−InP電流ブロック層503bおよびn−InP電流ブロック層504bにて埋め込まれている。そして、InGaAsP活性層502bおよびn−InP電流ブロック層504b上には、p−InPクラッド層505bが形成されている。
すなわち、図5において、n−InP基板601上には、入力信号光611を入力する入力導波路602、入力信号光611を導波させる多モード導波路603、出力信号光612を出力する出力導波路604が形成されている。ここで、入力導波路602および出力導波路604は、InGaAsPをコアとした利得媒質からなるシングルモード導波路から構成することができ、多モード導波路603は、InGaAsPをコアとした利得媒質からなる多モード導波路から構成することができる。
そして、入力導波路602に入射した入力信号光611は、入力導波路602を伝搬して多モード導波路603に入射される。そして、入力信号光611が多モード導波路603に入射すると、入力信号光611は多モード導波路603における固有モードに展開される。すなわち、入力導波路602の基本伝搬モードと多モード導波路603の複数の伝搬モードとの重なり積分に比例したパワー分布で多モード導波路603内の複数の伝搬モードが励振される。そして、多モード導波路603内で励振された各モードは、それぞれの伝搬定数により決定される位相条件で多モード導波路603内を伝搬する。
また、入力導波路602、多モード導波路603および出力導波路604のコアは利得媒質を含むため、入力信号光611は、入力導波路602、多モード導波路603および出力導波路604を伝搬するに従って増幅され、増幅された出力信号光612を得ることができる。
そして、例えば、高反射膜509、510の反射率RHが0.9、すなわち90%であったとする。この場合、デシベル表示に直すと、10×log(RH)となり、反射損失の0.46dBに相当する。そして、多モード導波路603では自然放出光が四方八方に放出され、多モード導波路603の幅方向に進行または導波する光が高反射膜509、510にて反射される。
836μm×(0.46dB/20μm)=19dB ・・・(2)
でクランプされる。
図6において、多モード導波路603に電流を注入すると、最初は電流の増加とともに利得は増加する。そして、電流がI1に達すると、多モード導波路603の幅方向に距離Wだけ伝搬した時の利得がしきい値利得Glateralに達し、多モード導波路603の幅方向で発振が生じる。この時、しきい値利得Glateralは、
Glateral=−10×log(RH)(dB) ・・・(3)
で与えられる。
G0=Glatera×LMMI/W ・・・(4)
で与えられる。ここで、信号光の利得G0は、(1)、(3)式を用いることにより、
G0=−10×log(RH)×neq×W/λ ・・・(5)
となる。
そして、図1の構成では、長さがそれぞれLMMIに設定された複数の多モード導波路403a〜403cを多段接続することにより、自己結合効果を発現させることを可能としつつ、クランプ利得を稼ぐことが可能となる。このため、注入電流密度を一定に保ちつつ、多モード導波路403a〜403cのサイズを小さくすることが可能となり、接続導波路413a、413bおよび出力導波路404の基本モードに信号光を低損失で結合させることを可能としつつ、駆動電流を低減させることができる。
ここで、反射手段409a、410a、反射手段409b、410bおよび反射手段409c、410cとしては、誘電体多層膜、金属膜または半導体を含む周期構造を用いることができる。誘電体多層膜では、誘電体膜の積層数を変えることにより反射率を制御することができる。金属膜では、膜厚を変えることにより反射率を制御することができる。半導体を含む周期構造では、周期構造のペア数を変えることにより反射率を制御することができる。ここで、半導体を含む周期構造を半導体と空気とのペアで構成した場合、半導体の選択エッチングにて周期構造を形成することができ、周期構造の作製を容易化することができる。
また、上述した実施形態では、信号光の伝搬経路に沿って、入力導波路402から多モード導波路403a〜403cを経て出力導波路404に至るまでの全てについて利得媒質をコアに含む場合について説明したが、少なくとも多モード導波路403a〜403cのコアまたはクラッドの一部に利得媒質を設けるようにしてもよい。
図7において、n−InP基板701上には、InGaAsP分離閉じ込め層711が形成されている。なお、InGaAsP分離閉じ込め層711は、信号光の波長に対して透明になるように構成することができる。そして、InGaAsP分離閉じ込め層711上には、InGaAsP活性層702がストライプ状に形成されている。なお、InGaAsP活性層702の幅は、多モード導波路では、複数モードの光が伝搬されるように設定することができる。
図8において、n−InP基板701b上には、InGaAsP分離閉じ込め層711bが形成されている。なお、InGaAsP分離閉じ込め層711bは、信号光の波長に対して透明になるように構成することができる。そして、InGaAsP分離閉じ込め層711b上には、InGaAsP活性層702bがストライプ状に形成されている。なお、InGaAsP活性層702bの幅は、多モード導波路では、複数モードの光が伝搬されるように設定することができる。
そして、p−InPクラッド層705b上にはp−GaInAsコンタクト層706bが形成されている。また、p−GaInAsコンタクト層706b上にはp側電極707bが形成され、n−InP基板701bの裏面にはn側電極708bが形成されている。また、p側電極707b、p−GaInAsコンタクト層706b、p−InPクラッド層705b、n−InP電流ブロック層704b、p−InP電流ブロック層703bおよびInGaAsP分離閉じ込め層711bには、入力信号光411の伝搬方向に沿うように配置された溝709b、710bがInGaAsP活性層702bの両側にそれぞれ形成されている。
また、高反射膜709b、710bの方向に延伸されたInGaAsP分離閉じ込め層711bをInGaAsP活性層702bの下層に設けることにより、発振光に対するコアを溝709b、710bまで延伸することができる。このため、InGaAsP活性層702bにて生成された光をInGaAsP分離閉じ込め層711bにてガイドしながら、溝709b、710bに導くことができ、キャビティ内における発振光の損失を減少させることが可能となる。このため、多モード導波路内で発振光を効率よくフィードバックさせることが可能となり、溝709b、710bの反射率に対する要求を緩和することができる。
図9において、n−InP基板901上には、多モード導波路903aに接続され、入力信号光911を入力する入力導波路902、信号光を導波させる複数の多モード導波路903a〜903c、多モード導波路903a、903bを互いに接続する接続導波路913a、多モード導波路903b、903cを互いに接続する接続導波路913b、多モード導波路903cに接続され、出力信号光912を出力する出力導波路904が形成されている。
図10において、n−InP基板1001上には、InGaAsP入力導波路コア層1002、InGaAsP活性層1003a〜1003c、InGaAsP接続導波路コア層1009a〜1009bおよびInGaAsP出力導波路コア層1004が形成されている。ここで、InGaAsP活性層1003aは、InGaAsP入力導波路コア層1002とInGaAsP接続導波路コア層1009aとの間に配置され、InGaAsP活性層1003bは、InGaAsP接続導波路コア層1009a、1009b間に配置され、InGaAsP活性層1003cは、InGaAsP接続導波路コア層1009bとInGaAsP出力導波路コア層1004との間に配置されている。
そして、InGaAsP入力導波路コア層1002、InGaAsP活性層1003a〜1003c、InGaAsP接続導波路コア層1009a〜1009bおよびInGaAsP出力導波路コア層1004上には、p−InPクラッド層1005が形成されている。ここで、n−InP基板1001とp−InPクラッド層1005との間にInGaAsP活性層1003a〜1003cを形成することにより、InGaAsP活性層1003a〜1003cをコアとした利得媒質からなる多モード導波路903a〜903cをそれぞれ構成することができる。
一方、各多モード導波路903a〜903cにて生成された自然放出光は四方八方に放出され、多モード導波路903a〜903cの両脇の反射手段909a、910a、909b、910b、909c、910caにて反射させることにより、入力信号光911の導波方向と直交する方向にレーザ発振を起こさせることができる。そして、入力信号光911の導波方向と直交する方向にレーザ発振が起こると、各多モード導波路903a〜903cに入射された信号光強度が変動した場合においても、各多モード導波路903a〜903cのキャリア密度を一定に保つことができ、光増幅素子の利得を一定値にクランプさせることができる。
さらに、多モード導波路903a〜903cの少なくとも2箇所で反射手段909a、910a、反射手段909b、910bおよび反射手段909c、910cの反射率が互いに異なるように設定することにより、飽和出力パワーを増大させたり、NF(ノイズフィギュア)を向上させたりすることができる。
図11において、n−InP基板1101上には、多モード導波路1103aに接続され、入力信号光1111を入力する入力導波路1102、信号光を導波させる複数の多モード導波路1103a〜1103c、多モード導波路1103a、1103bを互いに接続する接続導波路1113a、多モード導波路1103b、1103cを互いに接続する接続導波路1113b、多モード導波路1103cに接続され、出力信号光1112を出力する出力導波路1104が形成されている。
図12において、n−InP基板1201上には、InGaAsP活性層1202が形成されている。ここで、InGaAsP活性層1202の幅は、多モード導波路1103a〜1103cでは、複数モードの光が伝搬されるように設定するとともに、多モード導波路1103a〜1103cごとに互いに異なるように設定することができ、入力導波路1102、接続導波路1113a、1113bおよび出力導波路1104では、単一モードの光が伝搬されるように設定することができる。
ここで、p−GaInAsコンタクト層1206a〜1206cおよびp側電極1207a〜1207cをそれぞれ分割することにより、多モード導波路1103a〜1103cごとに注入電流密度を独立に制御することができる。
一方、各多モード導波路1103a〜1103cにて生成された自然放出光は四方八方に放出され、多モード導波路1103a〜1103cの両脇の高反射膜1109、1110にて反射させることにより、入力信号光1111の導波方向と直交する方向にレーザ発振を起こさせることができる。そして、入力信号光1111の導波方向と直交する方向にレーザ発振が起こると、各多モード導波路1103a〜1103cに入射された信号光強度が変動した場合においても、各多モード導波路1103a〜1103cのキャリア密度を一定に保つことができ、光増幅素子の利得を一定値にクランプさせることができる。
なお、図11のA4−A4´線で切断した光増幅素子の構成は図3の構成と同様とすることができ、図11のB4−B4´線で切断した光増幅素子の構成は図1のB1−B1´線で切断した光増幅素子の構成と同様とすることができる。
このように、多モード導波路1103a〜1103cの幅をW1<W2<W3のように設定することにより、図4に示した第1実施形態の構成と等しい利得をとりながら、NFを向上させつつ飽和出力パワーがさらに大きくなるという効果が期待される。
図13において、n−InP基板1301上には、多モード導波路1303aに接続され、入力信号光1311を入力する入力導波路1302、信号光を導波させる複数の多モード導波路1303a〜1303c、多モード導波路1303cに接続され、出力信号光1312を出力する出力導波路1304が形成されている。
ここで、各多モード導波路1303a〜1303cのコアは利得媒質を含むため、入力信号光1311は、各多モード導波路1303a〜1303cを伝搬するに従って増幅され、増幅された出力信号光1312を得ることができる。
上述した光増幅素子では、入力信号光に対しては進行波型の増幅が行われ、多モード導波路の幅方向にはレーザ発振が生じる。このため、高反射膜の反射率RH、i番目の多モード導波路の幅Wi、i番目の多モード導波路の長さLiおよび反射防止膜の反射率RARとの関係は、以下のように説明される。クランプされた単位長さ当たりの利得をGclamp_i(dB)とすると、多モード導波路の幅方向で発振が生じるためのしきい値利得Glateralは、
Glateral=Gclamp_i×Wi=−10×log(RH)(dB) ・・・(6)
一方、信号光の伝搬方向で発振が生じないようにするためには、反射防止膜での反射によるキャビティ内の反射損失が信号利得Gsignalよりも大きいことが必要である。反射防止膜での反射によるキャビティ内の反射損失は、10×log(RAR)で表されるため、信号光の伝搬方向で発振が生じないようにするためには、
402、602、802、902、1102、1302 入力導波路
403a〜403c、603、903a〜903c、1103a〜1103c、1303a〜1303c 多モード導波路
404、604、804、904、1104、1304 出力導波路
405、406、605、606、905、906、1105、1106、1305、1306 端面
407、408、607、608、907、908、1107、1108、1307、1308 反射防止膜
409a〜409c、410a〜410c、509、510、509b、510b、609、610、709、710、709b、710b、909a〜909c、910a〜910c、1109a〜1109c、1110a〜1110c、1309a〜1309c、1310a〜1310c 反射手段
411、611、911、1111、1311 入力信号光
412、612、912、1112、1312 出力信号光
502、502b、702、702b、1002、1003a〜1003c、1202 InGaAsP活性層
503、503b、703、703b p−InP電流ブロック層
504、504b、704、704b n−InP電流ブロック層
505、505b、705、705b、1005、1205 p−InPクラッド層
506、506b、706、706b、1006a〜1006c、1206a〜1206c p−GaInAsキャップ層
507、507b、707、707b、1007a〜1007c、1207a〜1207c p側電極
508、508b、708、708b、1008、1208 n側電極
711、711b InGaAsP分離閉じ込め層
413a、413b、913a、913b、1113a、1113b 接続導波路
1002 InGaAsP入力導波路コア層
1009a、1009b InGaAsP接続導波路コア層
1004 InGaAsP出力導波路コア層
4001 信号光
4002、4003、4004 自然放出光
4005a、4005b 導波構造消失領域
Claims (11)
- 信号光を単一モードで伝送する2つの入出導波路と、該2つの入出導波路の間で信号光を複数モードで伝送する複数の多モード導波路とを備えた光増幅素子において、
前記多モード導波路を該多モード導波路の導波方向に沿って直列に配置するとともに、前記多モード導波路の少なくとも一部を構成する利得媒質から放出された自然放出光を前記多モード導波路の導波方向と交差する方向に反射する反射領域を各多モード導波路の両脇に形成し、かつ前記2つの入出導波路のうち入力導波路となる側の入出導波路と光学的に直接接続された多モード導波路の両脇に形成された前記反射領域の反射率を、前記2つの入出導波路と光学的に直接接続されていない多モード導波路の両脇に配置された前記反射領域の反射率より小さく設定したことを特徴とする光増幅素子。 - 前記反射領域は、前記多モード導波路の全長にわたって各多モード導波路の両脇に形成されていることを特徴とする請求項1記載の光増幅素子。
- 単一モードの光を導波させるように構成され、前記多モード導波路間を接続する接続導波路をさらに備えることを特徴とする請求項1または2記載の光増幅素子。
- 前記2つの入出導波路と前記接続導波路の少なくともひとつは、前記信号光の波長に対して透明な材質をコアとしたシングルモード導波路から構成されていることを特徴とする請求項3記載の光増幅素子。
- 前記複数の多モード導波路のうち少なくとも2個の多モード導波路の導波路幅が互いに異なることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の光増幅素子。
- 前記複数の多モード導波路のうち少なくとも2個の多モード導波路に独立に電流を注入する電流注入手段をさらに備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の光増幅素子。
- 前記多モード導波路の幅および長さは自己結合効果を起こすように設定されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の光増幅素子。
- 前記2つの入出力導波路と前記多モード導波路は互いに共通の利得媒質から構成されるコアを備え、前記多モード導波路の前記コアの幅が前記2つの入出力導波路の前記コアの幅より広いことを特徴とする請求項7記載の光増幅素子。
- 前記複数の多モード導波路のうち、i番目の多モード導波路の長さをL i 、幅をW i 、屈折率をn eqi 、信号光波長をλとすると、
L i =m i ・n eqi ・W i 2 /λ(ただし、m i は正の整数)
であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載の光増幅素子。 - 前記多モード導波路のコアの一部を構成し、前記多モード導波路よりも幅が広くなるように前記反射領域の方向に延伸され、前記信号光の波長に対して透明な透明層をさらに備えることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項記載の光増幅素子。
- 前記反射領域は、前記多モード導波路の側壁に形成された誘電体多層膜、金属膜または半導体を含む周期構造を備えることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項記載の光増幅素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005290173A JP4833631B2 (ja) | 2005-10-03 | 2005-10-03 | 光増幅素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005290173A JP4833631B2 (ja) | 2005-10-03 | 2005-10-03 | 光増幅素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007103589A JP2007103589A (ja) | 2007-04-19 |
JP4833631B2 true JP4833631B2 (ja) | 2011-12-07 |
Family
ID=38030250
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005290173A Expired - Fee Related JP4833631B2 (ja) | 2005-10-03 | 2005-10-03 | 光増幅素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4833631B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016149529A (ja) * | 2015-02-09 | 2016-08-18 | 三菱電機株式会社 | 波長可変光源および波長可変光源モジュール |
JP6541898B2 (ja) * | 2017-01-10 | 2019-07-10 | 三菱電機株式会社 | 半導体光増幅器およびその製造方法、光位相変調器 |
JP7343807B2 (ja) * | 2019-09-26 | 2023-09-13 | 日本電信電話株式会社 | 光送信器 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5436759A (en) * | 1994-06-14 | 1995-07-25 | The Regents Of The University Of California | Cross-talk free, low-noise optical amplifier |
FR2767974B1 (fr) * | 1997-09-01 | 1999-10-15 | Alsthom Cge Alcatel | Dispositif semi-conducteur d'amplification optique |
US6597497B2 (en) * | 2001-10-04 | 2003-07-22 | Shih-Yuan Wang | Semiconductor optical amplifier with transverse laser cavity intersecting optical signal path and method of fabrication thereof |
JP2004253543A (ja) * | 2003-02-19 | 2004-09-09 | Anritsu Corp | 半導体光増幅器 |
JP3985159B2 (ja) * | 2003-03-14 | 2007-10-03 | 日本電気株式会社 | 利得クランプ型半導体光増幅器 |
JP2005079541A (ja) * | 2003-09-03 | 2005-03-24 | Mitsubishi Electric Corp | 半導体光増幅器及びその製造方法 |
-
2005
- 2005-10-03 JP JP2005290173A patent/JP4833631B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2007103589A (ja) | 2007-04-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7262905B2 (en) | Optical amplifier | |
US8503072B2 (en) | Gain-clamped semiconductor optical amplifier | |
JPH0715087A (ja) | 単一波長半導体レーザ | |
US9088132B2 (en) | Semiconductor optical element, integrated semiconductor optical element, and semiconductor optical element module | |
US7873082B2 (en) | Semiconductor integrated device | |
JP2008311536A (ja) | 半導体光増幅装置、半導体光増幅システム及び半導体光集積素子 | |
JP3887744B2 (ja) | 半導体光素子 | |
JP2003014963A (ja) | 半導体光集積素子とその製造方法並びに光通信用モジュール | |
JP4415891B2 (ja) | 半導体光増幅素子 | |
JP4833631B2 (ja) | 光増幅素子 | |
JP4620562B2 (ja) | 光増幅素子 | |
JP5718007B2 (ja) | 半導体光導波路素子の製造方法 | |
JP2008147290A (ja) | 量子構造及びそれを含む光増幅器、波長可変レーザ | |
JP4067519B2 (ja) | 光増幅素子 | |
JP4611710B2 (ja) | 光増幅素子 | |
JP4067518B2 (ja) | 光増幅素子 | |
JP4554209B2 (ja) | 光フィルタ | |
JP4833630B2 (ja) | 光増幅素子 | |
JP2011175109A (ja) | 波長可変光フィルタおよび波長可変レーザ | |
JP2008034882A (ja) | 光増幅素子 | |
JP2011109048A (ja) | 波長可変光フィルタ、波長可変レーザ、および波長可変レーザアレイ | |
US20210242653A1 (en) | Optically-pumped semiconductor waveguide amplifier | |
JP4008439B2 (ja) | 半導体光増幅器 | |
JP7189431B2 (ja) | 波長可変レーザ | |
US20230296841A1 (en) | Optical component |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080206 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20090501 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20090501 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20101005 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20101019 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20101217 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110920 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110922 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4833631 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140930 Year of fee payment: 3 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |