JP4415891B2 - 半導体光増幅素子 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体光増幅素子に関するものである。
半導体光増幅素子は、小型、低消費電力、及び低コストといった利点を有しており、今後の光通信システムにおけるキーデバイスとして大きな需要が見込まれている。
半導体光増幅素子の出力光には、増幅信号光に加えて、その内部で発生する自然放出増幅光が重畳する。この自然放出増幅光は、信号光とは無関係にランダムに発生するので、増幅信号光に対する雑音成分となる。
このような自然放出に起因する雑音成分が重畳すると、増幅信号光の品質が劣化し、伝送特性に悪影響を及ぼす。そこで、この自然放出増幅光を低減するために、従来の光増幅システムでは、増幅信号光の波長帯域以外の光を除去するバンドパスフィルタが、半導体光増幅素子の出力側に別途に設けられていた(例えば、非特許文献1を参照)。
Michael J.Connelly 著、"Semiconductor Optical Amplifiers"、KLUWER ACADEMIC PUBLISHERS, p111−113
しかしながら、上述したフィルタとしては、増幅信号光のみを通過させるフィルタ、すなわち増幅信号光の波長帯域に過不足無く一致するよう、通過波長帯域を高精度で合わせ込んだ高価なフィルタが必要である。また、フィルタの導入によってシステムが大型化する。特に、WDMシステムのように多数の波長の信号光が一括伝送される場合や、加入者系のように受信端末が多数存在するシステムでは、波長数や端末数に比例して多数のフィルタが必要となり、フィルタの導入に伴うコスト増、及びシステムの大型化は顕著となる。
そこで、本発明は、自然放出増幅光を低減することが可能であり、低コスト、且つ小型化が可能な半導体光増幅素子を提供することを目的としている。
本発明の半導体光増幅素子は、第1導電型の下部クラッド層、第2導電型の上部クラッド層、活性層、及び回折格子層を備えている。下部クラッド層は、所定方向に順に設けられた第1の領域および第2の領域を有している。上部クラッド層は、第1の領域に支持されている。活性層は、下部クラッド層の第1の領域と上部クラッド層との間に設けられている。回折格子層は、活性層と光学的に結合され、所定方向に沿って設けられた回折格子を有し、第2の領域に支持されている。第2の領域は、所定方向に延びる第3の領域と、該第3の領域の両側に設けられた第4領域を有しており、回折格子層は、第3の領域に支持されており、第4の領域には、第2導電型の半導体層が設けられており、第2導電型の半導体層のバンドギャップは、回折格子層のバンドギャップより大きい。本半導体光増幅素子は、下部電極と、第1の上部電極と、記第1の上部電極とは電気的に絶縁された第2の上部電極を更に備える。下部クラッド層、活性層、及び上部クラッド層は、下部電極と第1の上部電極との間に設けられており、下部クラッド層、及び第2導電型の半導体層は、下部電極と第2の上部電極との間に設けられている。上記所定方向は、光の導波方向であり、回折格子層には、所定方向に直交する方向において回折格子層の両側に設けられた第2導電型の半導体層から電流が注入される。
この半導体光増幅素子によれば、回折格子層の回折格子の格子周期を設定することによって、回折格子層を導波する光のうち所望の波長帯域の光を回折格子層から出力することができる。したがって、この半導体光増幅素子は、自然放出増幅光を低減するための別途のフィルタを必要とせずに所望の波長帯域の光を出力することが可能である。また、入力信号光を増幅する部分と、自然放出増幅光を除去して増幅信号光を出力する部分とがモノリシックに製造された素子であるので、この半導体光増幅素子のサイズは、小さい。更に、この半導体光増幅素子は、通常の半導体製造装置を用いて、一括大量生産することが出来るので、低コストである。また、この構成の半導体光増幅素子によれば、回折格子層に電流を注入することによって、回折格子の等価屈折率を変更することが可能である。これによって、回折格子層からの光の出力方向を変更することが可能となる。
回折格子層の回折格子は、単一の格子周期を有していてもよい。あるいは、回折格子層は、所定方向に順に設けられた複数の部分を有しており、複数の部分それぞれの回折格子の格子周期は、互いに異なっていてもよい。
上記複数の部分を有する半導体光増幅素子は、当該複数の部分それぞれの格子周期が異なっているので、複数の部分それぞれから互いに異なる波長帯域の光を出力することができる。すなわち、複数の部分はそれぞれ、対応の波長帯域以外の波長帯域に含まれている自然放出増幅光を除去した光を取り出すことができる。ところで、この構成の半導体光増幅素子と同様の機能を実現するために、従来のシステムは、通過波長帯域の異なる複数のフィルタと、信号光の波長に応じて当該複数のフィルタを伝送路に挿入する制御装置を更に備える必要があった。この従来のシステムに比して、本発明の半導体光増幅素子では、通過波長帯域の異なる複数のフィルタを個々に用意する必要がなく、制御装置も不要である。したがって、この半導体光増幅素子は、小型化が可能であり、低コストである。
上記の複数の部分それぞれから互いに異なる中心波長の光が実質的に同方向に出力されるように、当該複数の部分それぞれの回折格子の格子周期が設定されていてもよい。この構成の半導体光増幅素子によれば、異なる波長帯域の光を同一方向に取り出すことが可能であるので、一つの受光器によって異なる波長帯域の光を受光することが可能となる。
また、上記複数の部分それぞれから互いに異なる中心波長の光が異なる方向に出力されるように、当該複数の部分それぞれの回折格子の格子周期が設定されていてもよい。この構成の半導体光増幅素子によれば、分波器を用いずに、異なる波長帯域の光をそれぞれ異なる方向に取り出すことができる。
本発明の半導体光増幅素子は、反射制御層を更に備えることができる。この反射制御層は、回折格子層上に設けられており、回折格子層と異なる反射率を有している。この反射制御層によれば、回折格子層から出力する光の強度を所望の強度に設定することが可能となる。
本発明の半導体光増幅素子は、第1の光閉じ込め層および第2の光閉じ込め層を更に備えることができる。第1の光閉じ込め層は、活性層と下部クラッド層との間に設けられており、活性層のバンドギャップエネルギーと下部クラッド層のバンドギャップエネルギーの間のバンドギャップエネルギーを有する。第2の光閉じ込め層は、活性層と上部クラッド層との間に設けられており、活性層のバンドギャップエネルギーと上部クラッド層のバンドギャップエネルギーの間のバンドギャップエネルギーを有する。
この半導体光増幅素子によれば、キャリアが、第1及び第2の光閉じ込め層を介して上下のクラッド層から活性層へより効率良く注入される。また、活性層において発生された光を、活性層内により効率良く閉じ込めることができる。したがって、半導体光増幅素子の増幅特性が向上される。特に、活性層の構造が、光閉じ込め係数が小さい量子井戸構造である場合には、第1及び第2の光閉じ込め層によって活性層の光閉じ込め係数を向上することができる。
本発明の半導体光増幅素子において、下部クラッド層の第1の領域は、所定方向に延びる第5の領域と、第5の領域の両側に設けられた第6の領域とを有しており、活性層は、第5の領域に支持されており、上部クラッド層は、第6の領域、及び活性層上に設けられていることが好適である。
この半導体光増幅素子では、従来の埋め込みヘテロ構造(BH構造)の半導体光素子に比して、電流ブロック層が不要である。したがって、成長回数及び製造工程が短縮され、製造コストが低減される。
本発明によれば、自然放出増幅光を低減することが可能であり、低コスト、且つ小型化が可能な半導体光増幅素子が提供される。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体光増幅素子の断面図である。図1には、この半導体光増幅素子の活性層における光の導波方向に沿った縦断面が示されている。
図1に示す半導体光増幅素子10は、基板12、下部クラッド層14、下部電極16、活性層18、上部クラッド層20、コンタクト層22、上部電極24、回折格子層26、及び低反射膜28を備えている。
基板12は、本実施の形態では、n型の基板である。基板12の一方の主面には下部クラッド層14が設けられている。基板12の他方の主面には、下部電極16が設けられている。基板12には下部クラッド層14にドーピングされた不純物と同じ導電型の不純物が高濃度にドーピングされている。この基板12は、下部電極16とオーミックコンタクトを形成している。
下部クラッド層14は、本実施の形態では、n型のクラッド層である。下部クラッド層14は、その表面に領域(第1の領域)14a及び領域(第2の領域)14bを有している。領域14a及び領域14bは、所定方向に順に設けられている。この所定方向は、活性層における光の導波方向と同方向である。
領域14aには、活性層18を介して上部クラッド層20が支持されている。すなわち、活性層18は、下部クラッド層14の領域14aと上部クラッド層20との間に設けられている。活性層18は、外部からの入力信号光を受ける一端18a及び増幅した光を出力する他端18bを有している。
活性層18は、バルク構造、単一の量子井戸構造、又は、量子井戸層とバリア層とが交互に複数積層された多重量子井戸構造を有することができる。活性層18は、アンドープであることができるが、必要に応じて不純物がドーピングされていてもよい。
上部クラッド層20は、本実施の形態では、p型のクラッド層である。上部クラッド層20には、p型の不純物がドーピングされている。この上部クラッド層20上には、コンタクト層22が設けられている。
コンタクト層22には、上部クラッド層20と同じ導電型の不純物が高濃度にドーピングされている。このコンタクト層22上には、上部電極24が設けられており、コンタクト層22及び上部電極24はオーミックコンタクトを形成している。
ここで、半導体光増幅素子10による光増幅の原理について説明する。活性層18は、下部クラッド層14及び上部クラッド層20より低バンドギャップの材料によって構成されている。したがって、活性層18に注入されたキャリアは活性層18内に閉じ込められる。この状態において、外部から一端18aに中心波長λの入力信号光が入射すると、当該入力信号光による誘導放出によって活性層18内の電子と正孔が効率良く結合する。このとき生じる利得によって入力信号光がコヒーレントに増幅され、中心波長λの増幅信号光が他端18bから出力される。また、この増幅信号光とは別に、自然放出現象により自然放出増幅光が生じ、当該自然放出増幅光は、増幅信号光に重畳する雑音成分となる。すなわち、活性層18の他端18bからは、増幅信号光及び自然放出増幅光を含む光が出力される。
図1に戻り、下部クラッド層14の領域14bには、回折格子層26が支持されている。回折格子層26には、上記所定方向に沿って設けられた回折格子を有している。この回折格子層26は、活性層18の他端18bと光学的に結合された一端26aを有している。本実施の形態では、回折格子層26の回折格子の格子周期Λは一定になっている。回折格子層26は、増幅信号光の吸収を避けるために、増幅信号光の波長に対応するバンドギャップより大きなバンドギャップを有する材料で構成されている。活性層18との良好な結合を実現するために、回折格子層26は活性層18と同様の断面構造を有することが好ましく、且つ両者の断面がほぼ完全に重なった状態で、活性層18の他端18bと回折格子層26の一端26aとが接触していることが好ましい。
なお、回折格子層26上に保護層が設けられていてもよい。保護層には、回折格子層26からの光の取り出しを妨げないために、光に対して透明な材料が用いられる。保護層の材料としては、例えば、SiN、SiO、Al等の誘電体膜が例示される。
このように構成された半導体光増幅素子10の両端には、低反射膜28が設けられている。低反射膜28は、両端面における光の反射を低減することによってレーザ発振を抑制している。この低反射膜28によって、半導体光増幅素子としての動作が可能になっている。低反射膜28は、例えば、窒化膜によって構成されている。
以下、半導体光増幅素子10の各要素の材料を例示する。基板12がGaAsの場合には、下部クラッド層14にはGaInP、下部電極16にはAuGeNi、活性層18にはGaInNAs、上部クラッド層20にはGaInP、コンタクト層22にはGaAs、上部電極24にはTiPtAu、回折格子層26にはGaAsを用いることができる。また、基板12がInPの場合には、下部クラッド層14にはInP、下部電極16にはAuGeNi、活性層18にはGaInAsP又はGaInAs、上部クラッド層20にはInP、コンタクト層22にはGaInAsP又はGaInAs、上部電極24にはTiPtAu、回折格子層26にはGaInAsPを用いることができる。
以下、回折格子層26による増幅信号光の出力に関する原理について説明する。活性層18の他端18bから出力された光は、回折格子層26の一端26aに入射する。
ここで、回折格子の格子周期をΛとすると、次式(1)に示すブラッグの反射の条件より、回折格子層26の一端26aに入射した光のうち中心波長λの増幅信号光Lは、当該光の進行方向(上記所定方向)に対して一定の角度θの方向に出力される。
Λ−nΛcos(θ)=Λ(n−ncos(θ))=mλ …(1)
ここで、nは回折格子層を導波する信号光に対する等価屈折率であり、nは回折格子層から光が出力される領域の屈折率であり、mは1以上の整数である。
例えば、回折格子の等価屈折率nが3.4であり、回折格子層26から光が出力される領域(大気)の屈折率nが1.0である場合に、回折格子の格子周期Λを385.3nmにすることによって、中心波長λが1310nmの増幅信号光Lは、角度θ=90度の方向に出力される。このような周期の回折格子は、干渉露光装置やEB露光装置といった、回折格子形成に用いられる一般的な装置を用いて容易に作製でき、プロセス上の問題は無い。
以下、半導体光増幅素子10の作用及び効果について説明する。上述したように角度θの方向に出力される光は、中心波長λ近傍の成分のみ、即ち増幅信号光Lの波長帯域のみである。その他の波長帯域の光は、ブラッグ条件を満たさないので、回折格子層26の他端からそのまま放出される。したがって、半導体光増幅素子10によれば、自然放出増幅光を含む他の波長帯域の光を除去して、増幅信号光Lのみを角度θの方向に出力することが可能となる。
このように、半導体光増幅素子10は、別途のフィルタ等を設けなくても、自然放出増幅光を低減できる。また、この半導体光増幅素子10は、通常の半導体製造装置を用いて一括大量生産することが可能である。したがって、この半導体光増幅素子10によれば、コストが低減される。更に、光を増幅する部分と自然放出増幅光を除去して増幅信号光を出力する部分がモノリシックに形成されており、数百μm程度のサイズであるので、この半導体光増幅素子10は小型である。従って、従来システムで問題となっていた、別途のフィルタの導入に伴うシステムの大型化を避けることが出来る。
[第2の実施の形態]
図2は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体光増幅素子の断面図である。図2には、この半導体光増幅素子の活性層における光の導波方向に沿った縦断面が示されている。以下、図2に示す半導体光増幅素子10Bについて、半導体光増幅素子10と異なる点を説明する。
半導体光増幅素子10Bの回折格子層26Bは、所定方向(活性層18における光の導波方向と同方向)に沿って、複数の部分26B〜26Bを有している。なお、Nは2以上の整数である。
複数の部分26B〜26Bそれぞれの格子周期は、互いに異なっている。本実施の形態では、複数の部分それぞれの回折格子の格子周期Λ(i=1〜N)は、次式(2)を満たすように設定されている。
Λ=mλ/(n−ncos(θ)) …(2)
ここで、mは1以上の整数であり、nは回折格子層を導波する信号光に対する等価屈折率であり、nは回折格子層26Bから光が出力される領域の屈折率であり、λは複数の部分それぞれから出力する光の中心波長であり、θは光がブラッグ反射される一定の角度である。
すなわち、複数の部分26B〜26Bそれぞれの格子周期は、当該複数の部分から互いに異なる中心波長の光が同一方向に出力されるように、設定されている。この同一方向とは、上記所定方向に対して角度θの方向である。より具体的には、部分26Bからは波長λの光Lが角度θの方向に出力され、部分26Bからは波長λの光Lが角度θの方向に出力され、部分26Bからは波長λの光Lが角度θの方向に出力される。
例えば、回折格子の等価屈折率nが3.4であり、回折格子層26から光が出力される領域(大気)の屈折率nが1.0である場合に、部分26B〜26Bの回折格子の格子周期Λ〜Λをそれぞれ379.4nm、385.3nm、391.2nmにすることによって、中心波長λが1290nmの増幅信号光L、中心波長λが1310nmの増幅信号光L、中心波長λが1330nmの増幅信号光Lが、角度θ=90度の方向に出力される。
この半導体光増幅素子10Bは、上述した半導体光増幅素子10と同様の効果に加えて、複数の部分から互いに異なる波長帯域の増幅信号光を、対応の波長帯域以外の自然誘導放出光を除去しつつ、同一方向に出力することができる。したがって、この半導体光増幅素子10Bによれば、信号光の数に応じた数のフィルタ、及びこれらのフィルタを伝送路に挿入する制御装置が不要になる。例えば、互いに中心波長が異なるのN個の信号光のうち1伝送中には一つの信号光のみを伝送するシステムに半導体光増幅素子10Bを用いる場合には、全信号光が同じ方向に取り出されるので、半導体光増幅素子10Bからの出力光を一つの光受信器によって受信することができ、受信部のコストを削減できる。
[第3の実施の形態]
図3は、本発明の第3の実施の形態に係る半導体光増幅素子の断面図である。図3には、この半導体光増幅素子の活性層における光の導波方向に沿った縦断面が示されている。以下、図3に示す半導体光増幅素子10Cについて、半導体光増幅素子10Bと異なる点を説明する。
半導体光増幅素子10Cの回折格子層26Cは、所定方向(活性層18における光の導波方向と同方向)に沿って、複数の部分26C〜26Cを有している。なお、Nは2以上の整数である。
複数の部分26C〜26Cそれぞれの格子周期は、互いに異なっている。本実施の形態では、複数の部分それぞれの回折格子の格子周期Λ(i=1〜N)は、次式(3)を満たすように設定されている。
Λi=mλi/(n−ncos(θ)) …(3)
ここで、mは1以上の整数であり、nは回折格子層を導波する信号光に対する等価屈折率であり、nは回折格子層26Cから光が出力される領域の屈折率であり、λは複数の部分それぞれから出力する信号光の中心波長であり、θは複数の部分それぞれから光がブラッグ反射される角度であり、上記所定方向に対する角度である。
すなわち、複数の部分26C〜26Cそれぞれの格子周期は、当該複数の部分から互いに異なる中心波長の光が互いに異なる方向に出力されるように、設定されている。より具体的には、部分26Cからは波長λの光Lが角度θの方向に出力され、部分26Cからは波長λの光Lが角度θの方向に出力され、部分26Cからは波長λの光Lが角度θの方向に出力される。
例えば、回折格子の等価屈折率nが3.4であり、回折格子層26から光が出力される領域(大気)の屈折率nが1.0である場合に、部分26C〜26Cの回折格子の格子周期Λ〜Λをそれぞれ509.1nm、451.7nm、391.2nmにすることによって、中心波長λが1290nmの増幅信号光L、中心波長λが1310nmの増幅信号光L、中心波長λが1330nmの増幅信号光Lがそれぞれ、角度θ=30度、角度θ=60度、角度θ=90度の方向に出力される。
この半導体光増幅素子10Cは、上述した半導体光増幅素子10と同様の効果に加えて、複数の部分から互いに異なる波長帯域の増幅信号光を、対応の波長帯域以外の自然誘導放出光を除去しつつ、互いに異なる方向に出力することができる。したがって、この半導体光増幅素子10Cからの出力を、波長帯域毎に用意された複数の受光器によって受光することができる。例えば、互いに異なる波長帯域の複数の信号を含む多重信号を増幅する場合に、この半導体光増幅素子10Cによれば、信号光の数に応じた数のフィルタ、及び波長分離の為の分波器といった光学素子が不要になり、コストの増大や、システムの大型化を回避できる。
[第4の実施の形態]
図4は、本発明の第4の実施形態に係る半導体光増幅素子を一部破断して示す斜視図である。図5は、図4のV−V線に沿った断面図である。図6は、図4のVI−VI線に沿った断面図である。以下、図4〜図6に示す半導体光増幅素子10Dについて、半導体光増幅素子10、10B、及び10Cと異なる点について説明する。
図4及び図5に示すように、半導体光増幅素子10Dにおいては、下部クラッド層14の領域14aに領域(第5の領域)14c及び領域(第6の領域)14dが設けられている。領域14cは、所定方向、即ち活性層18における光の導波方向と同方向に延びている。領域14dは、領域14cの両側に設けられている。
領域14cには、メサ状の活性層18が支持されている。上部クラッド層20は、活性層18及び領域14d上に設けられている。下部クラッド層14及び上部クラッド層20のバンドギャップは、活性層18のバンドギャップより大きくなっている。また、下部クラッド層14及び上部クラッド層20の屈折率は、活性層18の屈折率よりも小さくなっている。活性層18の幅は導波信号光の単一横モード性を維持する必要上、5μm以下になっている。上部クラッド層20上には、コンタクト層22が設けられており、コンタクト層22上には上部電極24が設けられている。また基板12の裏面には下部電極16が形成されている。
上部クラッド層20、活性層18、及び下部クラッド層14によって構成されているpin接合部のターンオン電圧は、この部分のpin接合電位(ビルトインポテンシャル)によって定まる。このpin接合電位は、主として活性層の材料のバンドギャップによって定まる。
また、上部クラッド層20及び下部クラッド層14によって構成されるpn接合部のターンオン電圧は、この部分のpn接合電位によって定まる。このpn接合電位は、主として上部及び下部クラッド層の材料のバンドギャップによって定まる。
この半導体光増幅素子10Dでは、上部及び下部クラッド層のバンドギャップが、活性層18のバンドギャップより大きいので、pin接合電位よりもpn接合電位の方が大きくなる。したがって、pin接合部の接合電位とpn接合部の接合電位との差を利用することによって、活性層18に電流(キャリア)を閉じ込めることができる。
以下、このメカニズムについて、更に詳細に説明する。pn接合部の接合電位がpin接合部の接合電位よりも高いということは、pn接合部のターンオン電圧が、pin接合部のターンオン電圧よりも高いことを意味する。また、pin接合部の接合電位とpn接合部の接合電位との差が大きいほど、pin接合部のターンオン電圧とpn接合部のターンオン電圧の差が大きくなる。換言すれば、上部及び下部クラッド層のバンドギャップと活性層18のバンドギャップとの差が大きいほど、ターンオン電圧差が大きくなる。
駆動電圧を0Vから徐々に増加させた場合、ターンオン電圧の低いpin接合部が先にターンオンする。そのため、pin接合部の抵抗が急激に低下し、順方向電流が流れる。その結果、活性層18にキャリアが大量に供給され、活性層18において光が発生する。このとき、pn接合部はターンオンしていないため、pn接合部は依然高抵抗である。したがって、電流(キャリア)はpn接合部において効果的にブロックされて、pin接合部、即ち活性層に効果的に閉じ込められる。
また、活性層18の屈折率は、その周囲を取り囲む上部及び下部クラッド層の屈折率よりも大きいので、活性層18において発生した光は活性層18付近に閉じ込められる。したがって、活性層18に光及び電流を効果的に閉じ込めることが可能である。故に、活性層18において誘導放出が効率よく生じ、入力信号光を効率よく増幅することが可能となる。
図4及び図6に示すように、半導体光増幅素子10Dは、回折格子層26にも電流を注入できる構造になっている。具体的に、下部クラッド層14の領域14bには、領域(第3の領域)14e及び領域(第4の領域)14fが設けられている。領域14eは、領域14cに連続しており、上記の所定方向に延びている。領域14fは、領域14eの両側に設けられている。
領域14eには、回折格子層26が支持されている。領域14fには、p型の半導体層32が設けられている。この半導体層32は、上部クラッド層20に連続しており、上部クラッド層20と同材料によって構成されている。半導体層32上には、コンタクト層34が設けられており、コンタクト層34上には、上部電極36が設けられている。コンタクト層34はコンタクト層22と同じ材料によって構成されており、上部電極36は上部電極24と同じ材料によって構成されている。また基板12の裏面側には、下部電極16が形成されている。
コンタクト層22とコンタクト層34との間、上部電極24と上部電極36との間には、溝が設けられている。これによって、活性層18と回折格子層26は電気的に絶縁され、両者に独立に電流を注入することが可能になっている。なお、更に高い絶縁性が必要であれば、上部クラッド層20と半導体層32との間に溝を形成してもよい。
回折格子層26上には、反射される信号の取り出しを妨げないようにするため、保護層30のみが形成されている。保護層30は、プロセス時のダメージ、機械的衝撃による破損や、経時変化に伴う結晶劣化等から、回折格子層26を保護する機能を有している。保護層30は、光の取り出しを妨げぬよう、透明な材料で形成されている。例えば、保護層30には、SiN、SiO、又はAl等の誘電体膜が使用される。なお、保護層30は、無くてもよい。
回折格子層26の材料は、増幅信号光の吸収を防ぐため、増幅信号光の波長に対応するバンドギャップよりも高いバンドギャップを有しており、以下の述べる電流と光をこの層に閉じ込める必要性から、下部クラッド層14及び半導体層32のバンドギャップより低バンドギャップを有しており、且つ下部クラッド層14及び半導体層32のバンドギャップより高い屈折率を有している。
回折格子層26には両側の半導体層32を介して幅方向の両側から電流(キャリア)が注入される。回折格子層26の幅は、導波信号光の単一横モード性を維持する必要上、5μm以下である。一方、キャリアの拡散長は2〜3μmあるので、両側から拡散してくるキャリアにより、回折格子層26内のキャリア密度はほぼ均一になる。
半導体層32、回折格子層26、及び下部クラッド層14によって構成される電流狭窄部のターンオン電圧は、主として回折格子層26の材料のバンドギャップに依存する電流狭窄部の接合電位(ビルトインポテンシャル)によって定まる。下部クラッド層14及び半導体層32によって構成されるpn接合部のターンオン電圧は、主として下部クラッド層14及び半導体層32の材料のバンドギャップに依存するpn接合電位によって定まる。
半導体光増幅素子10Dでは、回折格子層26のバンドギャップよりも下部クラッド層14及び半導体層32のバンドギャップの方が大きいので、電流狭窄部におけるターンオン電圧よりもpn接合部におけるターンオン電圧の方が大きくなる。このターンオン電圧差を利用して、回折格子層26に電流(キャリア)を閉じ込めることが可能となる。
また、回折格子層26の屈折率は、その周囲を取り囲む半導体層32及び下部クラッド層14の屈折率よりも大きいので、活性層18からの増幅信号光は、回折格子層26内に閉じ込められて導波し、導波中に回折格子により効果的に反射されて、取り出される。
ここで、活性層18、及び回折格子層26における電流狭窄構造の従来の電流狭窄構造に対する優位点について説明する。従来は、メサ状の活性層や回折格子層に電流を閉じ込める場合に、所謂埋め込みヘテロストラクチャー(BH:BuriedHeterostructure)構造が用いられていた。すなわち、従来は、メサ状の活性層や回折格子層の両側に導電型の異なる電流ブロック層を別途積層し、そこに形成されるpn逆バイアスを利用することによって、電流狭窄が実現されていた。しかしながら、BH構造では、電流狭窄のために、電流ブロック層を別途成長する必要があるため、成長回数が増え、製造工程も複雑化するといった難点があった。
これに対して、半導体光増幅素子10Dでは、電流ブロック層が不要のため、BH構造に比べて、成長回数や製造工程を短縮でき、製造コストを削減できるという利点がある。
また、半導体光増幅素子10Dは、第1〜第3の実施の形態の半導体光増幅素子が有する効果に加えて、回折格子層26への電流注入が可能であるので、以下の効果を更に有している。
すなわち、本構造においても他の実施例同様、ブラッグ条件を満たす方向に光は反射されるが、その方向に関する角度θは、次式(4)によって与えられる。
θ=arccos{(n−mλ/Λ)/n)} …(4)
ここで、回折格子層26に電流(キャリア)が注入されると、プラズマ効果等によって、電流(キャリア)注入量に依存して回折格子層26の屈折率が変化する。したがって、回折格子層を導波する信号光に対する等価屈折率nも連動して変化する。(4)式から明らかなように、nが変われば角度θが変わる。したがって、半導体光増幅素子10Dによれば、回折格子層26への電流値に応じて、増幅信号光の出力方向、即ち角度θを任意に変えることが可能であり、回折格子層26の電流制御によって角度可変のブラッグ反射器として使用することが可能となる。
かかる半導体光増幅素子10Dによれば、例えば、回折格子層26に電流を注入することによって、増幅信号光の出力方向(角度θ)を必要に応じて変更することが可能である。また、例えば、回折格子層26への電流値を変更することによって、増幅信号光の波長が変動しても増幅信号光の出力方向(角度θ)を一定に維持することが可能である。
また、半導体光増幅素子10Dによれば、プロセス上の問題等で、回折格子の周期Λが設計値からある程度ずれて製造されても、(4)式が成り立つよう回折格子層26への電流を制御することによって、増幅信号光の出力方向(角度θ)を所望の方向に調整することが可能である。即ち、半導体光増幅素子10Dによれば、回折格子の作製誤差に起因する不良発生を低減できる。したがって、実プロセスにおける回折格子の許容寸法精度を大幅に緩和することが出来、製造歩留まりの向上や製造コストの削減を図ることが出来る。なお、半導体光増幅素子10Dが有する回折格子層26への電流注入構造は、上記第1〜第3の実施の形態の半導体光増幅素子の全てに適用可能である。
以上、本発明の第1〜第4の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されることなく種々の変形が可能である。図7は、本発明の他の実施の形態にかかる半導体光増幅素子の断面図である。図7には、この半導体光増幅素子の活性層における光の導波方向に沿った縦断面が示されている。
図7に示す光増幅素子10Eは、回折格子層26上に設けられた反射制御層40を有している。ここで、回折格子層26からの反射光には、回折格子層26より上側(反射制御層40側)への反射光と、下側領域(下部クラッド層14側)への反射光が存在する。両反射光の強度の大小関係は、反射制御層40の屈折率と下部クラッド層14の反射率との大小関係に依存する。すなわち、下部クラッド層14より低屈折率の材料で反射制御層40を構成すると、下部クラッド層14側への反射光の強度が反射制御層40側への反射光の強度より大きくなる。逆に、下部クラッド層14より高屈折率の材料で反射制御層40を構成すると、下部クラッド層14側への反射光の強度が反射制御層40側への反射光の強度より小さくなる。したがって、反射制御層40の材料組成を調整し、反射制御層40の屈折率を適宜制御することによって、用途に応じて出力する増幅信号光の強度を可変にすることができる。
この反射制御層40によれば、用途、目的に応じて半導体光増幅素子10Eからの増幅信号光を受ける受信器への信号強度を変化させることができるので、受信システムの設計の自由度が増すという利点がある。
反射制御層40には、例えば、SiN、Al、或いはSiOといった誘電体膜を使用することができる。これらの誘電体膜は、回折格子層26の保護層としても機能する。
また、半導体光増幅素子10Eは、第1の光閉じ込め層42及び第2の光閉じ込め層44を更に備えている。第1の光閉じ込め層42は、活性層18と下部クラッド層14との間に設けられており、第2の光閉じ込め層44は、活性層18と上部クラッド層20との間に設けられている。第1の光閉じ込め層42は、活性層18のバンドギャップエネルギーと下部クラッド層14のバンドギャップエネルギーとの間のバンドギャップエネルギーを有する材料からなる。第2の光閉じ込め層44は、活性層18のバンドギャップエネルギーと上部クラッド層20のバンドギャップエネルギーとの間のバンドギャップエネルギーを有する材料からなる。
第1の光閉じ込め層42及び第2の光閉じ込め層44によれば、上部及び下部クラッド層から活性層18に向かって順にバンドギャップが低くなる。したがって、キャリアが、各層間の接合電位に起因するエネルギー障壁でトラップされること無く、第1及び第2の光閉じ込め層を介して上部及び下部クラッド層から活性層18へ効率よく注入される。注入されたキャリアは、第1及び第2の光閉じ込め層と活性層18間に形成される接合電位によって活性層18に閉じ込められる。
また、第1の光閉じ込め層42は、活性層18の屈折率と下部クラッド層14の屈折率との間の屈折率を有している。第2の光閉じ込め層44は、活性層18の屈折率と上部クラッド層20の屈折率との間の屈折率を有している。
したがって、上部及び下部クラッド層は、活性層18において発生された光を活性層18、第1及び第2の光閉じ込め層に閉じ込めるように機能する。このように、第1及び第2の光閉じ込め層は、電流の閉じ込めと、光の閉じ込めを別個に行うことを可能にする。
このように第1の光閉じ込め層42及び第2の光閉じ込め層44を設けることによって、活性層18への光の閉じ込めが強められ、誘導放出が効率よく生ずるようになるので、半導体光増幅素子の増幅特性が改善される。
特に量子井戸構造を有する活性層18は、小さな光閉じ込め係数しか得られないが、第1及び第2の光閉じ込め層を導入することによって光閉じ込め係数を増大することができる。その結果、増幅特性を劇的に改善することができる。なお、第1の光閉じ込め層42及び第2の光閉じ込め層44の材料として、基板12がGaAs基板の場合には、例えばGaAsを用いることができる。また、第1の光閉じ込め層42及び第2の光閉じ込め層44の材料として、基板12がInP基板の場合には、例えばGaInAsPを用いることが出来る。
また、本発明の半導体光増幅素子においては、各層を構成する材料がAlを含まない材料であることが好適である。一般にAlを含む半導体材料は非常に酸化されやすく、それに起因する結晶欠陥の増殖により、素子の特性や信頼性が損なわれたり、表面酸化の影響でその上に別の層を良好に結晶成長するのが困難となるなどの問題が生じる場合がある。一方、Alを含まない材料であれば、このような酸化に起因する諸問題が生じないので、素子特性や製造歩留まり、信頼性を大きく改善することが出来る。
また、本発明の半導体光増幅素子は、他の能動素子(発光ダイオード、半導体レーザ、電解吸収型光変調素子、マッハツェンダー型光変調素子、PD、等)や光導波路といった受動領域とを集積した構成を有していてもよい。これら全ての素子形態において本発明を適用することによって、外付けフィルタの導入に伴うコスト増、システムの大型化といった問題点を解決することが可能である。
好適な実施の形態において本発明の原理を図示し説明してきたが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく配置および詳細において変更され得ることができることは、当業者によって認識される。本発明は、本実施の形態に開示された特定の構成に限定されるものではない。したがって、特許請求の範囲およびその精神の範囲から来る全ての修正および変更に権利を請求する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体光増幅素子の断面図である。 図2は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体光増幅素子の断面図である。 図3は、本発明の第3の実施の形態に係る半導体光増幅素子の断面図である。 図4は、本発明の第4の実施形態に係る半導体光増幅素子を一部破断して示す斜視図である。 図5は、図4のV−V線に沿った断面図である。 図6は、図4のVI−VI線に沿った断面図である。 図7は、本発明の他の実施形態に係る半導体光増幅素子の断面図である。
符号の説明
10…半導体光増幅素子、12…基板、14…下部クラッド層、14a…領域(第1の領域)、14b…領域(第2の領域)、16…下部電極、18…活性層、20…上部クラッド層、22…コンタクト層、24…上部電極、26…回折格子層、28…低反射膜。

Claims (9)

  1. 所定方向に順に設けられた第1の領域及び第2の領域を有する第1導電型の下部クラッド層と、
    前記第1の領域に支持された第2導電型の上部クラッド層と、
    前記下部クラッド層の前記第1の領域と前記上部クラッド層との間に設けられた活性層と、
    前記活性層と光学的に結合され、前記所定方向に沿って設けられた回折格子を有し、前記第2の領域に支持された回折格子層と、
    を備え
    前記下部クラッド層の前記第2の領域は、前記所定方向に延びる第3の領域と、該第3の領域の両側に設けられた第4の領域を有しており、
    前記回折格子層は、前記第3の領域に支持されており、
    前記第4の領域には、第2導電型の半導体層が設けられており、
    前記第2導電型の半導体層のバンドギャップは、前記回折格子層のバンドギャップより大きく、
    下部電極と、第1の上部電極と、前記第1の上部電極とは電気的に絶縁された第2の上部電極と、を更に備え、
    前記下部クラッド層、前記活性層、及び前記上部クラッド層は、前記下部電極と前記第1の上部電極との間に設けられており、
    前記下部クラッド層、及び前記第2導電型の半導体層は、前記下部電極と前記第2の上部電極との間に設けられており、
    前記所定方向は、光の導波方向であり、
    前記回折格子層には、前記所定方向に直交する方向において該回折格子層の両側に設けられた前記第2導電型の半導体層から電流が注入される、
    半導体光増幅素子。
  2. 前記回折格子層の前記回折格子は、単一の格子周期を有する、請求項1に記載の半導体光増幅素子。
  3. 前記回折格子層は、前記所定方向に順に設けられた複数の部分を有しており、
    前記複数の部分それぞれの回折格子の格子周期は、互いに異なっている、
    請求項1に記載の半導体光増幅素子。
  4. 前記複数の部分それぞれから互いに異なる中心波長の光が実質的に同方向に出力されるように、該複数の部分それぞれの回折格子の格子周期が設定されている、請求項3に記載の半導体光増幅素子
  5. 前記複数の部分それぞれから互いに異なる中心波長の光が異なる方向に出力されるように、該複数の部分それぞれの回折格子の格子周期が設定されている、請求項3に記載の半導体光増幅素子。
  6. 前記回折格子層上に設けられた反射制御層を、更に備え、
    前記反射制御層は、前記回折格子層と異なる反射率を有している、
    請求項1〜5の何れか一項に記載の半導体光増幅素子。
  7. 前記活性層と前記下部クラッド層との間に、該活性層のバンドギャップエネルギーと該下部クラッド層のバンドギャップエネルギーの間のバンドギャップエネルギーを有する第1の光閉じ込め層と、
    前記活性層と前記上部クラッド層との間に、該活性層のバンドギャップエネルギーと該上部クラッド層のバンドギャップエネルギーの間のバンドギャップエネルギーを有する第2の光閉じ込め層と、
    を更に備える、請求項1〜6の何れか一項に記載の半導体光増幅素子。
  8. 前記下部クラッド層の前記第1の領域は、前記所定方向に延びる第5の領域と、前記第5の領域の両側に設けられた第6の領域とを有しており、
    前記活性層は、前記第5の領域に支持されており、
    前記上部クラッド層は、前記第6の領域、及び前記活性層上に設けられている、
    請求項1〜の何れか一項に記載の半導体光増幅素子。
  9. 前記複数の部分それぞれの回折格子の格子周期Λi(i=1〜N)は、
    Λ =mλ /(n −n cos(θ ))
    を満たすように設定されており、ここで、mは1以上の整数であり、n は前記回折格子層を導波する光に対する等価屈折率であり、n は前記回折格子層から光が出力される領域の屈折率であり、λ は前記複数の部分それぞれから出力する光の中心波長であり、θ は光がブラッグ反射される一定の角度である、
    請求項4に記載の半導体光増幅素子。
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