JP2012156414A - 半導体レーザ素子および半導体レーザ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】波長可変動作を行わせても出力が低下せず、低消費電力で高出力動作が可能な半導体レーザ素子およびそれを備える半導体レーザ装置を提供する。
【解決手段】活性層24に沿って回折格子層25を設ける。前方DFB領域S1の回折格子層25には、格子間隔がレーザ光の出力方向に連続的に変化するチャープ回折格子30を形成し、後方DFB領域S2の回折格子層25には、格子間隔が一定の領域を含む均一回折格子31を形成する。活性層24を挟んで回折格子層25と反対側には、活性層24とは独立して電流を注入可能なチューニング層22を設ける。後方DFB領域S2にチューニング電極28を設け、前方DFB領域S1とは独立して、後方DFB領域S2のチューニング層22に電流を注入する。
【選択図】図2
【解決手段】活性層24に沿って回折格子層25を設ける。前方DFB領域S1の回折格子層25には、格子間隔がレーザ光の出力方向に連続的に変化するチャープ回折格子30を形成し、後方DFB領域S2の回折格子層25には、格子間隔が一定の領域を含む均一回折格子31を形成する。活性層24を挟んで回折格子層25と反対側には、活性層24とは独立して電流を注入可能なチューニング層22を設ける。後方DFB領域S2にチューニング電極28を設け、前方DFB領域S1とは独立して、後方DFB領域S2のチューニング層22に電流を注入する。
【選択図】図2
Description
本発明は、半導体レーザ素子および半導体レーザ装置に関し、より詳細には、光ファイバ通信で用いられる単一モード半導体レーザ素子およびそれを備える半導体レーザ装置に関する。
単一モードで発振する単一モード半導体レーザ素子の代表例としては、分布ブラッグ反射型(Distributed Bragg Reflector;略称:DBR)半導体レーザ素子および分布帰還型(Distributed Feedback;略称:DFB)半導体レーザ素子がある。
DBR半導体レーザ素子およびDFB半導体レーザ素子は、活性層または受動導波層の近傍に回折格子を備えており、回折格子の周期、すなわち格子間隔に対応する特定の波長で発振する。これらの半導体レーザ素子は、単一モードの指標であるサイドモード抑圧比(Side Mode Suppression Ratio;略称:SMSR)が30dB以上あり、高速で直接変調したときにもモード跳びが起こりにくいことから、長距離伝送に適している。
DBR半導体レーザ素子において、30nm以上の広帯域の波長可変動作を行わせるためには、活性層の前後にサンプルドグレーティング(Sampled Grating;略称:SG)または超周期構造グレーティング(Superstructure Grating;略称:SSG)と呼ばれる特殊な回折格子を形成し、反射鏡であるDBRミラー領域への電流注入によって、波長制御を行う必要がある。さらに単一縦モードでの発振を維持するためには、活性層とDBRミラーとの間の位相調整領域への注入電流を、波長を制御する波長制御電流と同時に調節する複雑な制御回路が必要である。
これに対し、DFB半導体レーザ素子は、単一縦モードを維持しつつ発振させることが容易であり、発振波長が安定している。またDFB半導体レーザ素子は、動作温度を変えることによって、発振波長を変化させる波長可変動作を行わせることが可能である。DFB半導体レーザ素子の発振波長の変化量は、約0.1nm/℃である。したがって、たとえば発振波長を5nm変化させるためには、DFB半導体レーザ素子の温度を約50℃変える必要がある。
動作温度が高いとDFB半導体レーザ素子の特性が劣化するので、単一のDFB半導体レーザ素子では波長可変幅に限度がある。広帯域の波長可変動作を行わせるためには、複数のDFB半導体レーザ素子をアレイ状に配列して、アレイ状に配列されたDFB半導体レーザ素子の選択と温度調節とを組み合わせることが必須となる。
非特許文献1には、DFB半導体レーザ素子を従属接続して集積した波長可変半導体レーザ装置の構成例が開示されている。具体的には、DFB半導体レーザ素子をアレイ状に配列した波長可変半導体レーザ装置(以下「アレイDFB半導体レーザ装置」という場合がある)が開示されている。非特許文献1に開示される波長可変半導体レーザ装置では、ペルティエ素子を用いてヒートシンク温度を0℃から60℃まで変えることによって、合計6つのDFB半導体レーザ素子で、34nmの波長可変幅を得ている。
DFB半導体レーザ素子の温度を変える方法以外で、DFB半導体レーザ素子の波長可変動作を実現する技術が、非特許文献2に開示されている。非特許文献2に開示される技術では、TTG(Tunable Twin-Guide)−DFBレーザ装置と呼ばれる半導体レーザ装置を用いて、活性層近傍のチューニング層にキャリアを注入して、等価的な回折格子の屈折率を変えることによって、DFBレーザ素子の発振波長を変えるようにしている。波長可変幅としては、キャリア注入のみで5nm〜8nm程度が実現可能である。
J. Hong、外5名、IEEE Photonics Technology Letters、1999年、Vol.11、p.515−517
M-C. Amann、外1名、IEEE J. Selected Areas in Communications、1990年、Vol.8、p.1169−1177
前述の非特許文献1に開示されるアレイDFB半導体レーザ装置では、DFB半導体レーザ素子に加えて、ペルティエ素子が設けられるので、DFB半導体レーザ素子で電力が消費されるだけでなく、ペルティエ素子部分でも電力が消費される。
アレイDFB半導体レーザ装置では、ペルティエ素子を用いて、周囲の温度によらずに、広い温度範囲でDFB半導体レーザ素子の温度を調整する必要がある。その反面、DFB半導体レーザ素子の出力波長を一定に制御するために設けられる波長ロッカーについては、ペルティエ素子で一定の温度に保つ必要がある。したがって、ペルティエ素子部分での消費電力がDFB半導体レーザ素子の消費電力以上に大きくなり、モジュール全体としての消費電力が大幅に増大するという問題がある。
前述の非特許文献2に開示されるTTG−DFBレーザ装置では、チューニング層への電流注入によって、発振波長を変化させているが、活性層近傍でのフリーキャリア吸収が増大して、出力が低下するという問題がある。
本発明の目的は、波長可変動作を行わせても出力が低下せず、低消費電力で高出力動作が可能な半導体レーザ素子およびそれを備える半導体レーザ装置を提供することである。
本発明の半導体レーザ素子は、一端面部からレーザ光を出力する半導体レーザ素子であって、電流注入によって光を発生する活性層と、前記活性層に沿って設けられ、前記活性層で発生した光を周期的に反射する回折格子層と、前記活性層を挟んで、前記回折格子層と反対側に設けられ、前記活性層とは独立して電流を注入可能なチューニング層と、前記活性層に電流を注入する活性層電極と、前記チューニング層に電流を注入するチューニング電極とを備え、前記活性層および前記活性層電極は、レーザ光の出力方向の前方側に位置する前方領域と、前記レーザ光の出力方向の後方側に位置する後方領域とにわたって設けられ、前記チューニング層および前記チューニング電極は、前記前方領域および前記後方領域のうちの少なくとも前記後方領域に設けられ、前記後方領域に設けられる前記チューニング電極は、前記前方領域とは独立して、前記後方領域に設けられる前記チューニング層に電流を注入するように構成され、前記回折格子層は、前記前方領域に、格子間隔がレーザ光の出力方向に連続的に変化するチャープ回折格子を有し、前記後方領域に、格子間隔が一定の領域を含む均一回折格子を有することを特徴とする。
本発明の半導体レーザ装置は、発振波長が異なる複数の半導体レーザ素子と、前記複数の半導体レーザ素子から選ばれる複数の半導体レーザ素子を縦続接続する複数の導波路と、前記複数の導波路を結合して、単一のレーザ光を出力する光結合器とを備え、前記半導体レーザ素子は、前記本発明の半導体レーザ素子であることを特徴とする。
本発明の半導体レーザ素子によれば、活性層と回折格子層とチューニング層と活性層電極とチューニング電極とを備えて、半導体レーザ素子が構成される。回折格子層は、前方領域にチャープ回折格子を有し、後方領域に均一回折格子を有するので、後方領域のチューニング層に電流を注入することによって、レーザ光の発振波長を変化させ、チューニングすることができる。
活性層および活性層電極は、前方領域と後方領域とにわたって設けられ、チューニング層およびチューニング層は、少なくとも後方領域に設けられる。後方領域に設けられるチューニング電極は、前方領域とは独立して、後方領域に設けられるチューニング層に電流を注入するように構成される。これによって、前方領域では、活性層電極で活性層に電流を注入するとともに、後方領域では、活性層電極で活性層に電流を注入し、チューニング電極でチューニング層に電流を注入するように動作させて、レーザ光の発振波長を変化させる波長可変動作と、レーザ光の出力制御動作とを独立して行うことができる。
したがって、前方領域での利得を一定とすることができ、また前方領域でのフリーキャリア吸収の増大を抑えることができる。これによって、波長可変動作を行わせたときに、レーザ光の出力が低下することを防ぐことができるので、高出力動作を行うことができる。また前方領域では、発振波長をチューニングするためにチューニング層を設けてチューニング層に電流を注入する必要がないので、前方領域と後方領域とにわたってチューニング層を設けてチューニング層に電流を注入する場合に比べて、消費電力を低減することができる。このように、波長可変動作を行わせても出力が低下せず、低消費電力で高出力動作が可能な半導体レーザ素子を実現することができる。
本発明の半導体レーザ装置によれば、発振波長が異なる複数の半導体レーザ素子と、複数の導波路と、光結合器とを備えて、半導体レーザ装置が構成される。半導体レーザ素子は、前述の本発明の半導体レーザ素子である。本発明の半導体レーザ素子は、前述のように波長可変動作が可能であるので、発振波長が異なる複数の半導体レーザ素子を組み合わせることによって、広帯域の波長可変動作が可能である。また本発明の半導体レーザ素子は、温度を調整するのではなく、チューニング層に電流を注入することによって、波長可変動作が行われる。広帯域の波長可変動作を行うときにも、半導体レーザ素子の温度を調整するのではなく、複数の半導体レーザ素子の中からの半導体レーザ素子の選択と、半導体レーザ素子のチューニング層への電流の注入の有無との組み合わせによって、広帯域の波長可変動作が行われる。したがって、半導体レーザ素子の温度を調整して波長可変動作を行う場合に比べて、半導体レーザ装置の消費電力を低減することができる。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態である波長可変レーザ素子11を備える半導体レーザ装置1の構成を示す平面図である。半導体レーザ装置1は、複数の波長可変レーザ素子11がアレイ状に配列され、広帯域の波長可変動作が可能な広帯域波長可変レーザアレイである。半導体レーザ装置1は、複数の波長可変レーザ素子11と、受動導波路12と、多モード干渉型光結合器(Multi-Mode Interference;略称:MMI)16とを備える。MMI16は、入力導波路13と、多モード導波路14と、出力導波路15とを備える。本実施の形態では、MMI16は、2×1合波用の多モード干渉型光結合器であり、2本の入力導波路13と、1本の出力導波路15とを備える。
図1は、本発明の第1の実施の形態である波長可変レーザ素子11を備える半導体レーザ装置1の構成を示す平面図である。半導体レーザ装置1は、複数の波長可変レーザ素子11がアレイ状に配列され、広帯域の波長可変動作が可能な広帯域波長可変レーザアレイである。半導体レーザ装置1は、複数の波長可変レーザ素子11と、受動導波路12と、多モード干渉型光結合器(Multi-Mode Interference;略称:MMI)16とを備える。MMI16は、入力導波路13と、多モード導波路14と、出力導波路15とを備える。本実施の形態では、MMI16は、2×1合波用の多モード干渉型光結合器であり、2本の入力導波路13と、1本の出力導波路15とを備える。
波長可変レーザ素子11は、一端面部からレーザ光を出力する。波長可変レーザ素子11は、半導体レーザ素子で構成される。波長可変レーザ素子11を構成する半導体レーザ素子の材料系としては、長波光通信で用いられるリン化インジウム(InP)基板上の、インジウムガリウムヒ素リン(InGaAsP)およびインジウムアルミニウムガリウムヒ素(InAlGaAs)などが採用できる。
本実施の形態において、半導体レーザ装置1は、6個の波長可変レーザ素子11を備える。以下の説明において、6個の波長可変レーザ素子11を区別して示す場合には、参照符LD1〜LD6を用いて、第1〜第6波長可変レーザ素子LD1〜LD6として示す。すなわち半導体レーザ装置1は、第1〜第6波長可変レーザ素子LD1〜LD6を備える。
受動導波路12は、波長可変レーザ素子11の発振波長に対して透明に構成される。換言すれば、受動導波路12は、波長可変レーザ素子11の発振波長のレーザ光を透過可能に構成される。
第1〜第6波長可変レーザ素子LD1〜LD6は、受動導波路12を介して接続される。受動導波路12は、第1〜第6波長可変レーザ素子LD1〜LD6から選ばれる複数の波長可変レーザ素子11を縦続接続する。具体的には、第1〜第6波長可変レーザ素子LD1〜LD6は、3つずつ、受動導波路12で縦続接続される。第1、第3および第5波長可変レーザ素子LD1,LD3,LD5が縦続接続され、第2、第4および第6波長可変レーザ素子LD2,LD4,LD6が縦続接続される。
より詳細には、第1波長可変レーザ素子LD1のレーザ光が出力される端部(以下「出力端部」という場合がある)とは反対側の端部は、受動導波路12を介して、第3波長可変レーザ素子LD3の出力端部と接続される。第3波長可変レーザ素子LD3の出力端部とは反対側の端部は、受動導波路12を介して、第5波長可変レーザ素子LD5の出力端部に接続される。第2波長可変レーザ素子LD2の出力端部とは反対側の端部は、受動導波路12を介して、第4波長可変レーザ素子LD4の出力端部と接続される。第4波長可変レーザ素子LD4の出力端部とは反対側の端部は、受動導波路12を介して、第6波長可変レーザ素子LD6の出力端部に接続される。
第1波長可変レーザ素子LD1の出力端部は、受動導波路12を介して、MMI16の2本の入力導波路13のうちの一方の入力導波路13に接続される。第2波長可変レーザ素子LD2の出力端部は、受動導波路12を介して、MMI16の2本の入力導波路13のうちの他方の入力導波路13に接続される。
第1〜第6波長可変レーザ素子LD1〜LD6から出力されたレーザ光は、受動導波路12を介して、入力導波路13に導かれる。入力導波路13に導かれた導波光であるレーザ光は、MMI16の多モード導波路14および出力導波路15に導かれ、出力光10として外部に取り出される。すなわちMMI16は、2本の入力導波路13を結合して、出力光10として、単一のレーザ光を出力する。MMI16を構成する入力導波路13、多モード導波路14および出力導波路15は、全て受動導波路で構成される。
図2は、図1の切断面線II−IIから見た波長可変レーザ素子11の構成を示す断面図である。波長可変レーザ素子11は、上部クラッド層21、チューニング層22、バリア層23、活性層24、回折格子層25、下部クラッド層26、チューニング電極27,28および活性層電極29を含んで構成される。
活性層24は、電流注入によって光を発生する。活性層24は、InGaAsPで構成される。活性層24は、たとえば交互に積層された複数の井戸層と複数の障壁層とを含む多重量子井戸構造として構成される。井戸層および障壁層は、それぞれ組成およびバンドギャップが異なるInGaAsPで構成される。
回折格子層25は、活性層24に沿って設けられる。回折格子層25は、活性層24で発生した光を周期的に反射する。チューニング層22は、活性層24を挟んで、回折格子層25と反対側に設けられる。チューニング層22は、活性層24とは独立して電流を注入可能に構成される。
具体的には、活性層24とチューニング層22とは、バリア層23を隔てて近接している。より詳細には、活性層24の厚み方向一方側、すなわち図2の紙面に向かって上側の表面部にバリア層23が積層されている。バリア層23の厚み方向一方側の表面部には、チューニング層22が積層されている。
チューニング層22の厚み方向一方側、すなわち図2の紙面に向かって上側の表面部には、上部クラッド層21が積層されている。活性層24の厚み方向他方側、すなわち図2の紙面に向かって下側の表面部には、回折格子層25が積層されている。回折格子層25の厚み方向他方側の表面部には、下部クラッド層26が積層されている。
第1のクラッド層である下部クラッド層26は、不図示の半導体基板上、具体的には半導体基板の厚み方向一方側の表面部に設けられる。活性層電極29は、半導体基板の厚み方向他方側の表面部に設けられる。活性層電極29は、活性層24に電流を注入する電極である。チューニング電極27,28は、第2のクラッド層である上部クラッド層21上、具体的には上部クラッド層21の厚み方向一方側の表面部に設けられる。チューニング電極27,28は、チューニング層22に電流を注入する電極である。
本実施の形態では、チューニング層22は、InGaAsPで構成される。バリア層23は、n型InP(以下「n−InP」という場合がある)で構成される。上部クラッド層21および下部クラッド層26は、p型InP(以下「p−InP」という場合がある)で構成される。
波長可変レーザ素子11は、DFB型波長可変レーザ素子であり、前方DFB領域S1と後方DFB領域S2とを有する。前方DFB領域S1と後方DFB領域S2とは、レーザ共振器を構成する。前方DFB領域S1は、波長可変レーザ素子11のうちで、レーザ光の出力方向の前方側に位置する領域であり、後方DFB領域S2は、波長可変レーザ素子11のうちで、レーザ光の出力方向の後方側に位置する領域である。本実施の形態では、波長可変レーザ素子11は、前方DFB領域S1と後方DFB領域S2とによって構成される。前方DFB領域S1は、前方領域に相当し、後方DFB領域S2は、後方領域に相当する。
活性層24および活性層電極29は、前方DFB領域S1と後方DFB領域S2とにわたって設けられる。チューニング層22およびチューニング電極27,28は、前方DFB領域S1および後方DFB領域S2のうちの少なくとも後方DFB領域S2に設けられる。本実施の形態では、チューニング層22およびチューニング電極27,28は、前方DFB領域S1と後方DFB領域S2とにわたって設けられる。
前方DFB領域S1の活性層24の近傍には、チャープ回折格子30が形成され、後方DFB領域S2の活性層24の近傍には、均一回折格子31が形成されている。具体的には、チャープ回折格子30および均一回折格子31は、回折格子層25に形成される。換言すれば、回折格子層25は、前方DFB領域S1にチャープ回折格子30を有し、後方DFB領域S2に均一回折格子31を有する。
チャープ回折格子30は、格子間隔が、レーザ光の出力方向に連続的に変化するように構成される。均一回折格子31は、格子間隔が一定の領域を含むように、すなわち格子間隔がレーザ光の出力方向において変化しない領域を含むように構成される。本実施の形態では、均一回折格子31は、後方DFB領域S2の全体にわたって、格子間隔が一定になるように構成される。
前述の図1に示す第1〜第6波長可変レーザ素子LD1〜LD6は、図2に示す構成と同様の構成を有するが、チャープ回折格子30および均一回折格子31の周期、すなわち格子間隔は、半導体レーザ装置1のレーザ光が出力される端部、すなわち出力導波路15に近くなるほど、発振波長が短波長になるように選ばれる。具体的には、第1、第3および第5波長可変レーザ素子LD1,LD3,LD5、ならびに第2、第4および第6波長可変レーザ素子LD2,LD4,LD6の各分岐において、発振波長は、LD1、LD3、LD5の順に短波長(LD1>LD3>LD5)となり、またLD2、LD4、LD6の順に短波長(LD2>LD4>LD6)となっている。
均一回折格子31の周期は、たとえば240nmである。これは、等価屈折率の値によって多少変化するが、波長1550nmに対応する。チャープ回折格子30の周期は、均一回折格子31の周期を基準として、たとえば±0.5nm〜0.8nmである。これは、波長幅±3nm〜5nmに対応する。具体的に述べると、たとえば、均一回折格子31の周期が240nmである場合、チャープ回折格子30の周期は、240nm±0.5nm〜240nm±0.8nmである。
本実施の形態では、レーザ光の出力方向における前方DFB領域S1の長さ寸法d1、および後方DFB領域S2の長さ寸法d2は、それぞれ200μm前後である。チャープ回折格子30のブラッグ反射ピーク幅は、数nm、たとえば3nm〜8nmになるように設定されている。均一回折格子31の反射ピーク幅は、1nm程度になるように設定されている。
前方DFB領域S1と後方DFB領域S2とには、個別のチューニング電極27,28と、共通の活性層電極29とが設けられている。以下の説明では、前方DFB領域S1に設けられるチューニング電極27を、前方チューニング電極27といい、後方DFB領域S2に設けられるチューニング電極28を、後方チューニング電極28という場合がある。本実施の形態では、前方チューニング電極27と後方チューニング電極28とが個別に設けられるので、後方チューニング電極28は、前方DFB領域S1とは独立して、後方DFB領域S2に設けられるチューニング層22に電流を注入することができる。図2では、理解を容易にするために、後述する図3に示す基板32、接地電極33および埋込み層34、コンタクト層、ならびにチューニング電極27,28および活性層電極29への配線などは、図示を省略している。
図3は、図2の切断面線III−IIIから見た波長可変レーザ素子11の構成を示す断面図である。波長可変レーザ素子11は、前述の図2で図示する構造に加えて、基板32、接地電極33および埋込み層34をさらに備える。埋込み層34は、接地電極33に電気的に接続される。埋込み層34は、活性層24を含むリッジ構造の両側壁を覆うように形成されている。埋込み層34は、n−InPで構成される。
次に波長可変動作について説明する。図3に示すように、埋込み層34は、バリア層23と電気的には同電位になっているので、活性層電極29と接地電極33との間を正にバイアスすると、活性層24にはキャリアが注入されて利得が生じ、閾値電流を超えるとレーザ発振が生じる。
この状態で後方チューニング電極28と接地電極33との間を正にバイアスした場合には、後方DFB領域S2のチューニング層22にキャリアが注入されて、チューニング層22の屈折率が下がり、後方DFB領域S2の発振波長が短波長側にシフトする。このとき、チューニング電流は後方DFB領域S2のみに注入されるので、波長可変レーザ素子の全長にわたってチューニング電流を注入する従来のTTG−DFBレーザ装置に比べて、同じ屈折率の変化を得るのに必要な電流を小さくすることができる。したがって、波長可変レーザ素子11の消費電力を低減することができる。
図4は、前方DFB領域S1および後方DFB領域S2の反射スペクトルを示す図である。図4(a)は、後方DFB領域S2にチューニング電流を注入していないときの前方DFB領域S1の反射スペクトル41と後方DFB領域S2の反射スペクトル42との相対的な波長の位置関係を表している。図4(b)は、後方DFB領域S2にチューニング電流を注入したときの前方DFB領域S1の反射スペクトル41と後方DFB領域S2の反射スペクトル42との相対的な波長の位置関係を表している。
前方DFB領域S1の反射スペクトル41は、前方DFB領域S1の回折格子層25で反射された反射光のスペクトルを表し、後方DFB領域S2の反射スペクトル42は、後方DFB領域S2の回折格子層25で反射された反射光のスペクトルを表す。図4において、横軸は発振波長λを示し、縦軸は反射強度を示す。図4の横軸は、紙面に向かって右側に行くほど発振波長λの値が大きい、すなわち長波長となり、左側に行くほど発振波長λの値が小さい、すなわち短波長となっている。
図4(a)に示すように、後方DFB領域S2にチューニング電流を注入していないときには、前方DFB領域S1の反射スペクトル41の反射ピークと、後方DFB領域S2の反射スペクトル42の反射ピークとが重なり合う波長領域、より具体的には、前方DFB領域S1のストップバンド端近傍であって後方DFB領域S2の反射が極小となる波長領域において、発振の閾値利得が最小になり、レーザ発振が起こる。このときの発振波長λをλ1とする。
後方DFB領域S2のチューニング層22にキャリアを注入すると、図4(b)に示すように後方DFB領域S2の反射スペクトル42の短波長シフトが生じる。前方DFB領域S1の反射スペクトル41には変化がなく、前方DFB領域S1は、一定の高い反射率を示す。この一定の高い反射率の中で、発振波長は連続的に短波長側にシフトする。最短波長側での発振波長λをλ2とする。連続的な波長可変幅Wとして、λ1−λ2が得られる。
このように発振波長は、レーザ共振器の一部である後方DFB領域S2のチューニング電流で決まる。また出力側にある前方DFB領域S1での利得は一定であり、かつフリーキャリア吸収の影響はない。したがって、本実施の形態の波長可変レーザ素子11では、従来のTTG−DFBレーザ装置と異なり、波長チューニングに伴う出力の低下を無視することができる。
図5は、図1に示す半導体レーザ装置1において第1〜第6波長可変レーザ素子LD1〜LD6がカバーする発振波長の範囲の一例を示す図である。図5(a)は、第1、第3および第5波長可変レーザ素子LD1,LD3,LD5がカバーする発振波長の範囲を示す。図5(b)は、第2、第4および第6波長可変レーザ素子LD2,LD4,LD6がカバーする発振波長の範囲を示す。図5において、横軸は発振波長λを示し、縦軸は反射強度を示す。図5の横軸は、紙面に向かって右側に行くほど発振波長λの値が大きい、すなわち長波長となり、左側に行くほど発振波長λの値が小さい、すなわち短波長となっている。
図5では、第1波長可変レーザ素子LD1の反射スペクトルを参照符51で示し、第2波長可変レーザ素子LD2の反射スペクトルを参照符52で示し、第3波長可変レーザ素子LD3の反射スペクトルを参照符53で示し、第4波長可変レーザ素子LD4の反射スペクトルを参照符54で示し、第5波長可変レーザ素子LD5の反射スペクトルを参照符55で示し、第6波長可変レーザ素子LD6の反射スペクトルを参照符56で示す。
第1〜第6波長可変レーザ素子LD1〜LD6の各反射スペクトル51〜56のピークは、各波長可変レーザ素子11がカバーする発振波長の範囲を示している。各波長可変レーザ素子11がカバーする発振波長の範囲は、各波長可変レーザ素子11の前方DFB領域S1の回折格子層25で反射された反射光のピークの波長範囲、すなわち前方DFB領域S1のストップバンドの波長範囲に相当する。
第1〜第6波長可変レーザ素子LD1〜LD6は、前方DFB領域S1のストップバンド幅W1〜W6、具体的には6nmだけ分離されるように、1つおきの番号順に、2つの分枝に配置されている。具体的には、1つの分枝に、第1、第3および第5波長可変レーザ素子LD1,LD3,LD5が配置され、もう1つの分枝に、第2、第4および第6波長可変レーザ素子LD2,LD4,LD6が配置されている。
したがって、各分枝において発振波長は、LD1、LD3、LD5の順に短波長(LD1>LD3>LD5)となり、またLD2、LD4、LD6の順に短波長(LD2>LD4>LD6)となっている。また隣接する波長可変レーザ素子11同士は、ブラッグ中心波長同士が12nm離れているので、反射スペクトル51〜56のピーク同士が全く重なっていない。
ここで、出力端から遠い側の波長可変レーザ素子11を発振させるときには、出力端側の波長可変レーザ素子11では発振が生じるには利得が不十分であり、かつ長波側のレーザ光に対しては吸収が起こらずに透明になる弱励起状態になるように、少しだけチューニング電流を注入しておく。受動導波路12上で隣接する波長可変レーザ素子11同士のストップバンドは12nm離れているので、相互の干渉は無視できる。このとき、たとえば1つの波長可変レーザ素子11当たり6nmを受け持つとすると、全体で36nmの波長可変幅が連続的に得られる。しかも、波長可変レーザ素子の温度を一定で動作させることができる。したがって、従来のアレイDFB半導体レーザ装置に比べて、消費電力を大幅に低減することができる。
以上のように本実施の形態の波長可変レーザ素子11では、前方DFB領域S1と後方DFB領域S2とに個別にチューニング電極27,28が設けられ、後方DFB領域S2のみチューニング層22に電流を注入し、前方DFB領域S1では活性層24のみに電流を注入する構造となっている。これによって、発振波長のチューニング動作、すなわち波長可変動作と、レーザ光の出力制御動作とを独立にして行うことができる。したがって、波長可変動作をさせても、波長可変レーザ素子11の出力の低下が起こらないので、高出力動作が可能である。
具体的に述べると、回折格子層25は、前方DFB領域S1にチャープ回折格子30を有し、後方DFB領域S2に均一回折格子31を有するので、後方DFB領域S2のチューニング層22に電流を注入することによって、レーザ光の発振波長を変化させ、チューニングすることができる。
活性層24および活性層電極29は、前方DFB領域S1と後方DFB領域S2とにわたって設けられ、チューニング層22およびチューニング電極27,28は、少なくとも後方DFB領域S2に設けられる。後方DFB領域S2に設けられるチューニング電極28は、前方DFB領域S1とは独立して、後方DFB領域S2に設けられるチューニング層22に電流を注入するように構成される。これによって、前方DFB領域S1では、活性層電極29で活性層24に電流を注入するとともに、後方DFB領域S2では、活性層電極29で活性層24に電流を注入し、チューニング電極28でチューニング層22に電流を注入するように動作させて、レーザ光の発振波長を変化させる波長可変動作と、レーザ光の出力制御動作とを独立して行うことができる。
したがって、前方DFB領域S1での利得を一定とすることができ、また前方DFB領域S1でのフリーキャリア吸収の増大を抑えることができる。これによって、波長可変動作を行わせたときに、レーザ光の出力が低下することを防ぐことができるので、高出力動作を行うことができる。また前方DFB領域S1では、発振波長をチューニングするためにチューニング層22に電流を注入する必要がないので、前方DFB領域S1と後方DFB領域S2とにわたってチューニング層22に電流を注入する場合に比べて、消費電力を低減することができる。このように、波長可変動作を行わせても出力が低下せず、低消費電力で高出力動作が可能な波長可変レーザ素子11を実現することができる。
このような波長可変レーザ素子11を複数備えて、半導体レーザ装置1が構成される。前述のように波長可変レーザ素子11は、波長可変動作が可能であるので、発振波長が異なる複数の波長可変レーザ素子、具体的には6個の波長可変レーザ素子LD1〜LD6を組み合わせることによって、広帯域の波長可変動作が可能である。
また波長可変レーザ素子11は、温度を調整するのではなく、後方DFB領域S2のチューニング層22に電流を注入することによって、波長可変動作が行われる。複数の波長可変レーザ素子11で半導体レーザ装置1を構成して、広帯域の波長可変動作を行うときにも、波長可変レーザ素子11の温度を調整するのではなく、複数の波長可変レーザ素子11の中からの波長可変レーザ素子11の選択と、波長可変レーザ素子11のチューニング層22への電流の注入の有無との組み合わせによって、広帯域の波長可変動作が行われる。
つまり、本実施の形態の半導体レーザ装置1は、波長可変レーザ素子11の温度の調整ではなく、チューニング層22への電流の注入によって、波長可変動作を行わせる構造となっている。したがって、波長可変レーザ素子11の温度を調整して波長可変動作を行う場合に比べて、半導体レーザ装置1の消費電力を低減することができる。
<第2の実施の形態>
図6は、本発明の第2の実施の形態である波長可変レーザ素子60の構成を示す断面図である。図6は、図1の切断面線II−IIから見た断面図に相当する。図6の切断面線III−IIIから見た波長可変レーザ素子60の構成は、前述の図3と同様である。本実施の形態の波長可変レーザ素子60は、第1の実施の形態の波長可変レーザ素子11と類似するので、同一の構成については同一の参照符号を付して、共通する説明を省略する。
図6は、本発明の第2の実施の形態である波長可変レーザ素子60の構成を示す断面図である。図6は、図1の切断面線II−IIから見た断面図に相当する。図6の切断面線III−IIIから見た波長可変レーザ素子60の構成は、前述の図3と同様である。本実施の形態の波長可変レーザ素子60は、第1の実施の形態の波長可変レーザ素子11と類似するので、同一の構成については同一の参照符号を付して、共通する説明を省略する。
前述の第1の実施の形態では、波長可変レーザ素子11は、図2に示すように、後方DFB領域S2に均一回折格子31が設けられた回折格子層25を備える。これに対し、本実施の形態では、波長可変レーザ素子60は、後方DFB領域S2に均一回折格子31が設けられた回折格子層25に代えて、後方DFB領域S2に、位相シフト領域63を有する位相シフタ付き回折格子62が設けられた回折格子層61を備える。
位相シフタ付き回折格子62は、第1の実施の形態における均一回折格子31と同様に、格子間隔が一定の領域を含む均一回折格子の1種である。位相シフタ付き回折格子62は、格子間隔が一定の領域に加えて、位相シフト領域63をさらに含む。位相シフト領域63は、格子間隔が一定の領域に比べて、格子間隔が広がった、または狭まった領域である。
このように後方DFB領域S2に、位相シフタ付き回折格子62を設けることによって、後方DFB領域S2のブラッグ反射ピークの中央で、安定してレーザ発振を生じさせることができるので、波長の制御性を改善することができる。第2の実施の形態の波長可変レーザ素子60におけるその他の動作原理は、第1の実施の形態の波長可変レーザ素子11と同一であるので、説明を省略する。
<第3の実施の形態>
図7は、本発明の第3の実施の形態である波長可変レーザ素子70の構成を示す断面図である。図7は、図1の切断面線II−IIから見た断面図に相当する。図7の切断面線III−IIIから見た波長可変レーザ素子70の構成は、前述の図3と同様である。本実施の形態の波長可変レーザ素子60は、第1の実施の形態の波長可変レーザ素子11と類似するので、同一の構成については同一の参照符号を付して、共通する説明を省略する。
図7は、本発明の第3の実施の形態である波長可変レーザ素子70の構成を示す断面図である。図7は、図1の切断面線II−IIから見た断面図に相当する。図7の切断面線III−IIIから見た波長可変レーザ素子70の構成は、前述の図3と同様である。本実施の形態の波長可変レーザ素子60は、第1の実施の形態の波長可変レーザ素子11と類似するので、同一の構成については同一の参照符号を付して、共通する説明を省略する。
前述の第1の実施の形態では、図2に示すように、前方DFB領域S1および後方DFB領域S2の両方に、チューニング層22およびチューニング電極27,28が設けられている。また活性層電極29は、前方DFB領域S1と後方DFB領域S2とにわたって設けられている。
これに対し、本実施の形態では、後方DFB領域S2のみに、チューニング層22およびチューニング電極28を設けている。また第1の実施の形態における活性層電極29を前方DFB領域S1と後方DFB領域S2とで分割して、個別の活性層電極71,72を設けている。換言すれば、活性層電極71,72は、前方DFB領域S1と後方DFB領域S2とに独立して設けられる。
このように後方DFB領域S2のみにチューニング層22およびチューニング電極28を設けるとともに、前方DFB領域S1と後方DFB領域S2とに個別の活性層電極71,72を設けることによって、後方DFB領域S2と独立にして、前方DFB領域S1の活性層24の利得を調整することができる。したがって、後方DFB領域S2での吸収損失が大きくなる場合でも、レーザ共振器全体の利得を一定に保つように制御することが可能となる。
第3の実施の形態の波長可変レーザ素子70におけるその他の動作原理は、第1の実施の形態の波長可変レーザ素子11と同一であるので、説明を省略する。
<第4の実施の形態>
図8は、本発明の第4の実施の形態である半導体レーザ装置2の構成を示す平面図である。本実施の形態の半導体レーザ装置2は、第1の実施の形態の半導体レーザ装置1と類似するので、同一の構成については同一の参照符号を付して、共通する説明を省略する。
図8は、本発明の第4の実施の形態である半導体レーザ装置2の構成を示す平面図である。本実施の形態の半導体レーザ装置2は、第1の実施の形態の半導体レーザ装置1と類似するので、同一の構成については同一の参照符号を付して、共通する説明を省略する。
本実施の形態の半導体レーザ装置2は、図1に示す第1の実施の形態の半導体レーザ装置1の構成に加えて、MMI16の出力導波路15のレーザ光が出力される側の端部に、曲がり導波路構造の半導体光増幅器17をさらに備える。半導体光増幅器17は、MMI16から出力されたレーザ光を増幅する。半導体光増幅器17は、半導体レーザ素子の部分と同様の半導体材料によって構成される光増幅器である。
半導体光増幅器17を設けることによって、半導体レーザ装置2の出力をさらに高めることができる。また半導体光増幅器17は、曲がり導波路構造である。半導体光増幅器17を曲がり導波路構造とすることによって、出射端面での残留反射を抑えることができる。これによって、半導体光増幅器が直線導波路構造である場合に比べて、半導体レーザ素子のモード跳びおよび多モード発振などを起こりにくくし、高い光出力に至るまで、発振モードを安定化させることができる。第4の実施の形態の半導体レーザ装置2におけるその他の動作原理は、第1の実施の形態の半導体レーザ装置1と同一であるので、説明を省略する。
1,2 半導体レーザ装置、10 出力光、11,60,70 波長可変レーザ素子、12 受動導波路、13 入力導波路、14 多モード導波路、15 出力導波路、16 多モード干渉型光結合器(MMI)、17 半導体光増幅器、21 上部クラッド層、22 チューニング層、23 バリア層、24 活性層、25,61 回折格子層、26 下部クラッド層、27 前方チューニング電極、28 後方チューニング電極、29 活性層電極、30 チャープ回折格子、31 均一回折格子、32 基板、33 接地電極、34 埋込み層、41 前方DFB領域S1の反射スペクトル、42 後方DFB領域S2の反射スペクトル、62 位相シフタ付き回折格子、63 位相シフト領域、S1 前方DFB領域、S2 後方DFB領域。
Claims (5)
- 一端面部からレーザ光を出力する半導体レーザ素子であって、
電流注入によって光を発生する活性層と、
前記活性層に沿って設けられ、前記活性層で発生した光を周期的に反射する回折格子層と、
前記活性層を挟んで、前記回折格子層と反対側に設けられ、前記活性層とは独立して電流を注入可能なチューニング層と、
前記活性層に電流を注入する活性層電極と、
前記チューニング層に電流を注入するチューニング電極とを備え、
前記活性層および前記活性層電極は、レーザ光の出力方向の前方側に位置する前方領域と、前記レーザ光の出力方向の後方側に位置する後方領域とにわたって設けられ、
前記チューニング層および前記チューニング電極は、前記前方領域および前記後方領域のうちの少なくとも前記後方領域に設けられ、
前記後方領域に設けられる前記チューニング電極は、前記前方領域とは独立して、前記後方領域に設けられる前記チューニング層に電流を注入するように構成され、
前記回折格子層は、前記前方領域に、格子間隔がレーザ光の出力方向に連続的に変化するチャープ回折格子を有し、前記後方領域に、格子間隔が一定の領域を含む均一回折格子を有することを特徴とする半導体レーザ素子。 - 前記均一回折格子は、格子間隔が広がった位相シフト領域を含む位相シフタ付き回折格子であることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ素子。
- 前記活性層電極は、前記前方領域と前記後方領域とに独立して設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体レーザ素子。
- 発振波長が異なる複数の半導体レーザ素子と、
前記複数の半導体レーザ素子から選ばれる複数の半導体レーザ素子を縦続接続する複数の導波路と、
前記複数の導波路を結合して、単一のレーザ光を出力する光結合器とを備え、
前記半導体レーザ素子は、請求項1〜3のいずれか1つに記載の半導体レーザ素子であることを特徴とする半導体レーザ装置。 - 前記光結合器のレーザ光が出力される側の端部に、前記光結合器から出力されたレーザ光を増幅する光増幅器をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の半導体レーザ装置。
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