JP2006073870A - 光増幅素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 信号光の導波方向に発振光を混入させることなく、入力光強度による利得変動を抑えることが可能な光増幅素子を提供する。
【解決手段】 入力導波路402、入力信号光411、多モード導波路403および出力導波路404をn−InP基板401上に形成し、入力導波路402および出力導波路404は、InGaAsPをコアとした利得媒質からなるシングルモード導波路から構成するとともに、多モード導波路403は、InGaAsPをコアとした利得媒質からなる多モード導波路から構成し、多モード導波路403の両脇に高反射膜409、410を対向配置し、入力信号光411の導波方向と直交する方向に多モード導波路403内でレーザ発振を起こさせながら、入力信号光411を多モード導波路403内に伝搬させることにより、入力信号光411を増幅する。
【選択図】 図1

Description

本発明は光増幅素子に関し、特に、波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)を利用した光伝送システムに適用して好適なものである。
従来、複数の異なる波長の光信号を伝送する光伝送システムとして、複数の異なる波長の光信号を1本の光ファイバに結合して伝送する波長多重を利用した光伝送システム(WDMシステム)がある。さらに、WDMシステムでは、1対1の伝送のみならず、ネットワーク化が急速に進展している。
このWDMシステムでは、波長に応じて光信号を合流・分岐するWDM合分波回路、全ての波長の光を一括して合流・分岐する合分岐回路、特定の波長を抜き出し、あるいは挿入するアドドロップマルチプレクサ(Add−drop multiplexer、ADM)等の光素子が使用され、光信号がこれらの光素子を通過する際に生じる強度損失のため、信号強度が劣化する。
このため、WDMシステムでは、光ファイバを伝送する光信号を光のまま増幅する光増幅素子が必要不可欠となっている。
図7(a)は、従来の光増幅素子を光導波方向に沿って切断した断面図、図7(b)は、図7(a)のA−A´線で切断した断面図を示し、従来の光増幅素子(Semiconductor Optical Amplifier:SOA)の例として、n−InP基板101を用いた場合の構造を示す(非特許文献1)。
図7において、n−InP基板101上には、利得媒質であるInGaAsP活性層102がストライプ状に形成され、InGaAsP活性層102は、p−InP層103およびn−InP層104により埋め込まれている。
そして、InGaAsP活性層102およびn−InP層104上には、p−InP層105が形成され、p−InP層105上にはp−GaInAsコンタクト層106が形成されている。また、p−GaInAsコンタクト層106上にはp側電極107が形成され、n−InP基板101の裏面にはn側電極108が形成されている。
図8は、図7の光増幅素子の飽和特性を示す図である。
図8において、入力光強度が小さい場合、入力光強度が増加しても利得はほぼ一定であるが、入力光強度がある値を超えると、利得は急激に減少する。ここで、WDMシステムでは、光信号として波長多重信号が入射され、その波長多重数は、アドドロップマルチプレクサ等を通過する毎に変動する。
今、波長多重数mの光信号が光増幅素子に入射したとものする。この場合、光増幅素子の入射光強度がm波合計でP1(dBm)になると、光増幅素子の利得はG1(dBm)になる。
ここで、アドドロップマルチプレクサにより光信号が追加されて、波長多重数がnに増加したとする。この場合、光増幅素子の入射光強度がn波合計でP2(dBm)になると、光増幅素子の利得はG2(dB)になる。
このように、図7の光増幅素子をWDMシステムに用いた場合、波長多重数により入射光強度が異なるようになるため、光信号の利得が変動する。このため、従来の光増幅器では、特許文献1に開示されているように、波長多重数により光信号の利得が変動することを防止するため、発振作用を利用することで利得をある一定値にクランプする方法を用いたものがあった。
図9(a)は、従来の光増幅素子を光導波方向に沿って切断した断面図、図9(b)は、図9(a)のC−C´線で切断した断面図である。
図9において、n−InP基板201上には、利得媒質であるInGaAsP活性層202がストライプ状に形成され、InGaAsP活性層202は、p−InP層203およびn−InP層204により埋め込まれている。
ここで、InGaAsP活性層202の下面には、InGaAsP分離閉じ込め(SCH)層209が形成されるとともに、InGaAsP活性層202の上面には、InGaAsP分離閉じ込め(SCH)層210が形成され、InGaAsP分離閉じ込め層210にはグレーティングが形成されている。そして、InGaAsP分離閉じ込め層210およびn−InP層204上には、p−InP層205が形成され、p−InP層205上にはp−GaInAsコンタクト層206が形成されている。また、p−GaInAsコンタクト層206上にはp側電極207が形成され、n−InP基板201の裏面にはn側電極208が形成されている。
図9の光増幅素子では、InGaAsP分離閉じ込め層210に形成されているグレーティングにより光信号が反射されるため正帰還がかかり、DFBレーザのように発振させることができる。ただし、グレーティングの結合係数は通常のDFBレーザよりも小さくなっており、発振しきい値は高くなっている。
図9の光増幅素子のレーザ発振状態では、利得媒質でのキャリア密度は一定値にクランプされるが、発振しきい値が高いため、キャリア密度は通常のDFBレーザよりも高い値にクランプされる。
このため、図6のグレーティングを有するDFB型光増幅素子では、発振が生じている限り、その利得媒質(InGaAsP活性層202)のキャリア密度は一定となり、利得は利得媒質のキャリア密度に比例するため、利得を一定値にクランプさせることができる。
従って、上述した発振状態では、光増幅素子に注入する電流値を増加させても、発振光の光強度が増大するだけで、光増幅素子の利得を一定に保つことができる。そして、入力信号光強度が大きくなった場合、発振光強度が減少して、光増幅素子内部でのトータルの光強度が一定に保たれるため、光増幅素子のキャリア密度に変動が生じることがなく、光増幅素子の利得を一定に保つことができる。
図10は、図9の光増幅素子の飽和特性を示す図である。
図10において、図9の光増幅素子では、外部から入射された信号光の入力光強度が変動しても、利得は一定値Goに保たれる。すなわち、信号光の波長多重数がmからnに変化し、合計入力パワーがP1からP2に変化した場合においても、利得はGoで一定値となる。
また、図9の光増幅素子では、外部からの入射光強度がさらに増大し、発振が抑圧された場合に限り、利得が低下する。逆に、図9の光増幅素子で発振が生じている限り、入射光強度あるいは入射信号の波長多重数によらず、利得を一定に保つことができる。
K.Morito他、Journal of Lightwave Technology,No.1,p176−181,2003のfig.5 特開平7−106714号公報
しかしながら、図9のDFB型光増幅素子を用いた場合、発振光が信号光と同一光路に混入するため、この混入した発振光を除去するための波長フィルタが必要になるという問題があった。
さらに、図9のDFB型光増幅素子では、発振光強度が非常に強いため、入射信号強度が小さいと、通常の波長フィルタを用いた場合においても、信号光と同程度の強度で発振光が残留するという問題があった。
そこで、本発明の目的は、信号光の導波方向に発振光を混入させることなく、入力光強度による利得変動を抑えることが可能な光増幅素子を提供することである。
上述した課題を解決するために、請求項1記載の光増幅素子によれば、単一モードの光を導波させる入力導波路と、前記入力導波路に光学的に結合され、複数モードの光を導波させるとともに、少なくとも一部に利得媒質を含むように構成された多モード導波路と、前記多モード導波路に光学的に結合され、単一モードの光を導波させる出力導波路と、前記利得媒質から放射される自然放出光を反射させることにより、前記入力導波路を介して前記多モード導波路に入射された光の伝搬方向と交差する方向に発振を起こさせる反射領域とを備えることを特徴とする。
これにより、信号光の導波方向と異なる方向に導波する発振光を多モード導波路で生成させることを可能としつつ、多モード導波路での発振作用により信号光の利得をクランプさせることができる。このため、出力導波路から出射される増幅光に発振光が混入することを防止しつつ、発振により利得がクランプされた利得媒質内で、入力信号光を増幅させることが可能となる。この結果、信号光と発振光とを分離するための波長フィルタや光導波路を不要とすることができ、素子サイズの増大を抑制しつつ、入力光強度による利得変動を抑えることが可能となる。
また、請求項2記載の光増幅素子によれば、前記入力導波路、前記多モード導波路および前記出力導波路は導波路中心軸が互いに一致するように同一基板上に並べて配置され、前記反射領域は前記多モード導波路の両脇に対向配置されていることを特徴とする。
これにより、入力導波路、多モード導波路および出力導波路を低損失で結合することが可能となるとともに、信号光の伝搬方向と直交する方向に発振を起こさせることが可能となる。このため、素子サイズの増大を抑制しつつ、入力光強度による利得変動を抑えることが可能となるとともに、出力導波路から出射される増幅光に発振光が混入することを防止することができる。
また、請求項3記載の光増幅素子によれば、前記入力導波路、前記多モード導波路および前記出力導波路は互いに共通の利得媒質から構成されるコアを備え、前記多モード導波路の前記コアの幅が前記入力導波路および前記出力導波路の前記コアの幅より広いことを特徴とする
これにより、入力導波路、多モード導波路および出力導波路を同一工程内で一括形成することが可能となり、製造工程の増大を抑制しつつ、入力光強度による利得変動を抑えることが可能となるとともに、出力導波路から出射される増幅光に発振光が混入することを防止することができる。
また、請求項4記載の光増幅素子によれば、前記多モード導波路の長さをL、幅をW、屈折率をneq、信号光波長をλとすると、L=m・neq・W2/λ(ただし、mは正の整数)であることを特徴とする。
これにより、自己結合効果を発現させることを可能としつつ、多モード導波路の長さを長くすることを可能として、クランプ利得を稼ぐことが可能となる。このため、注入電流密度を一定に保ちつつ、多モード導波路のサイズを小さくすることが可能となり、出力導波路の基本モードに信号光を低損失で結合させることを可能としつつ、駆動電流を低減させることができる。
また、請求項5記載の光増幅素子によれば、前記多モード導波路のコアの一部を構成し、前記多モード導波路よりも幅が広くなるように前記反射領域の方向に延伸され、信号光波長に対して透明な透明層をさらに備えることを特徴とする。
これにより、発振光に対するコアを反射領域まで延伸することができ、キャビティ内における発振光の損失を減少させることが可能となる。このため、多モード導波路内で発振光を効率よくフィードバックさせることが可能となり、反射領域の反射率に対する要求を緩和することができる。
また、請求項6記載の光増幅素子によれば、前記反射領域は、前記多モード導波路の側壁に形成された誘電体多層膜または金属膜を備えることを特徴とする。
これにより、入力導波路、多モード導波路および出力導波路が形成された基板上に反射領域を一体的に形成することが可能となり、素子サイズの増大を抑制しつつ、信号光の導波方向と異なる方向に発振光を導波させることができる。
以上説明したように、本発明によれば、多モード導波路に入射された光の伝搬方向と交差する方向に発振を起こさせる反射領域を設けることにより、出力導波路から出射される増幅光に発振光が混入することを防止しつつ、発振により利得がクランプされた利得媒質内で、入力信号光を増幅させることが可能となる。このため、信号光と発振光とを分離するための波長フィルタや光導波路を不要とすることができ、素子サイズの増大を抑制しつつ、入力光強度による利得変動を抑えることが可能となる。
以下、本発明の実施形態に係る光増幅素子について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る光増幅素子の概略構成を示す平面図である。
図1において、n−InP基板401上には、入力信号光411を入力する入力導波路402、入力信号光411を導波させる多モード導波路403、出力信号光412を出力する出力導波路404が形成されている。
ここで、入力導波路402および出力導波路404は、InGaAsPをコアとした利得媒質からなるシングルモード導波路から構成することができ、多モード導波路403は、InGaAsPをコアとした利得媒質からなる多モード導波路から構成することができる。また、入力導波路402、多モード導波路403および出力導波路404は導波路中心軸が互いに一致するようにn−InP基板401上に並べて配置することができる。また、多モード導波路403の長さLは、多モード導波路403の幅をW、多モード導波路403の縦方向(基板垂直方向)の等価屈折率をneq、入力信号光411の波長をλとすると、
L=neq・W2/λ ・・・(1)
の関係を満たすように設定することができる。なお、以下の説明では、(1)式の関係を満たす多モード導波路403の長さLをLMMIとする。ここで、多モード導波路403の長さLMMIは、多モード導波路403において、光が最初にスポット状に集光されるまでの長さを示している。
また、入力導波路402側のn−InP基板401の端面405には反射防止膜407が形成されるとともに、出力導波路404側のn−InP基板401の端面406には反射防止膜408が形成されている。さらに、多モード導波路403の両脇には、高反射膜409、410が対向配置されている。ここで、高反射膜409、410は、多モード導波路403の側壁に形成された誘電体多層膜または金属膜を用いることができる。
そして、入力導波路402に入射した入力信号光411は、入力導波路402を伝搬して多モード導波路403に入射される。そして、入力信号光411が多モード導波路403に入射すると、入力信号光411は多モード導波路403における固有モードに展開される。すなわち、入力導波路402の基本伝搬モードと多モード導波路403の複数の伝搬モードとの重なり積分に比例したパワー分布で多モード導波路403内の複数の伝搬モードが励振される。そして、多モード導波路403内で励振された各モードは、それぞれの伝搬定数により決定される位相条件で多モード導波路403内を伝搬する。
そして、光がある距離だけ伝搬すると、各モードの光の位相が多モード導波路403内で互いに強め合う状態となり、1つまたは複数のスポットに集光されることがある。この現象は、自己結像効果(self−imaging effect)として知られている。
ここで、(1)式の関係を満たすように、多モード導波路403の長さLMMIを設定することにより、多モード導波路403内を伝搬する信号光を1つのスポットに集光させることができる。そして、多モード導波路403内を長さLMMIだけ伝搬した信号光は出力導波路404に入射し、出力導波路404を伝搬した後、出力信号光412として端面406から出射される。
これにより、多モード導波路403内で自己結像効果を起こさせることが可能となり、多モード導波路403内を伝搬した信号光を出力導波路404の基本モードに結合させることができる。このため、複数の伝搬モードを多モード導波路403内で励振させた場合においても、多モード導波路403と出力導波路404との間の結合損失を低減させることができる。
例えば、多モード導波路403の幅W=20μm、多モード導波路403の等価屈折率neq=3.24、入力信号光411の波長λ=1.55μmとすると、多モード導波路403の長さLMMI=836μmに設定することができる。
また、入力導波路402、多モード導波路403および出力導波路404のコアは利得媒質を含むため、入力信号光411は、入力導波路402、多モード導波路403および出力導波路404を伝搬するに従って増幅され、増幅された出力信号光412を得ることができる。
一方、多モード導波路403にて生成された自然放出光は四方八方に放出され、多モード導波路403の両脇の高反射膜409、410にて反射させることにより、入力信号光411の導波方向と直交する方向にレーザ発振を起こさせることができる。そして、入力信号光411の導波方向と直交する方向にレーザ発振が起こると、多モード導波路403に入射された信号光の強度が変動した場合においても、多モード導波路403のキャリア密度を一定に保つことができ、光増幅素子の利得を一定値にクランプさせることができる。
このため、出力導波路404から出射される増幅光に発振光が混入することを防止しつつ、発振により利得がクランプされた利得媒質内で、入力信号光411を増幅させることが可能となる。この結果、信号光と発振光とを分離するための波長フィルタや光導波路を不要とすることができ、素子サイズの増大を抑制しつつ、入力光強度による利得変動を抑えることが可能となる。
図2は、図1のA−A´線で切断した光増幅素子の構成例を示す断面図である。
図2において、図1の多モード導波路403では、InGaAsP活性層502がストライプ状にn−InP基板501上に形成されている。なお、InGaAsP活性層502の幅は、複数モードの光が伝播されるように設定することができ、多モード導波路403のInGaAsP活性層502の幅は、例えば、20μmに設定することができる。そして、InGaAsP活性層502の両側は、n−InP基板501上に順次積層されたp−InP電流ブロック層503およびn−InP電流ブロック層504にて埋め込まれている。ここで、p−InP電流ブロック層503およびn−InP電流ブロック層504にてInGaAsP活性層502の両側を埋め込むことにより、埋め込みヘテロ構造を構成することができる。
そして、InGaAsP活性層502およびn−InP電流ブロック層504上には、p−InPクラッド層505が形成されている。ここで、n−InP基板501とp−InPクラッド層505との間にInGaAsP活性層502を形成することにより、InGaAsP活性層502をコアとした利得媒質からなる多モード導波路403を構成することができる。
そして、p−InPクラッド層505上にはp−GaInAsコンタクト層506が形成されている。また、p−GaInAsコンタクト層506上にはp側電極507が形成され、n−InP基板501の裏面にはn側電極508が形成されている。また、p−InP電流ブロック層503およびn−InP電流ブロック層504にて埋め込まれたInGaAsP活性層502はメサ状にエッチングされ、p−InP電流ブロック層503、n−InP電流ブロック層504、p−InPクラッド層505およびp−GaInAsコンタクト層506の側壁が露出されている。そして、p−InP電流ブロック層503、n−InP電流ブロック層504、p−InPクラッド層505およびp−GaInAsコンタクト層506の側壁には、入力信号光411の伝搬方向に沿うようにして高反射膜509、510が形成されている。なお、高反射膜509、510としては、例えば、TiO2、SiO2などの誘電体多層膜またはAuなどの金属膜を用いることができる。
一方、入力導波路402および出力導波路404のB−B´線で切断した構成は、入力導波路402および出力導波路404のInGaAsP活性層502の幅が多モード導波路403のInGaAsP活性層502の幅と異なることを除けば、多モード導波路403と同様の構成をとることができる。すなわち、入力導波路402および出力導波路404のInGaAsP活性層502の幅は、単一モードの光が伝搬されるように設定され、入力導波路402および出力導波路404のInGaAsP活性層502の幅は、例えば、0.8μmに設定することができる。
なお、InGaAsP活性層502、p−InP電流ブロック層503、n−InP電流ブロック層504、p−InPクラッド層505およびp−GaInAsコンタクト層506をn−InP基板501上に形成する場合、例えば、MBE(molecular beam epitaxy)、MOCVD(metal organic chemical vaper deposition)、あるいはALCVD(atomic layer chemical vaper deposition)などのエピタキシャル成長を用いることができる。
そして、p側電極507に電圧を印加することにより、n−InP電流ブロック層504にて電流を狭窄させながら、InGaAsP活性層502に電流を注入することができる。そして、InGaAsP活性層502に電流が注入されると、InGaAsP活性層502にて発光させることができる。そして、InGaAsP活性層502にて生成された光は、InGaAsP活性層502の両側の高反射膜509、510にて反射され、図1の入力信号光411の導波方向と直交する方向にレーザ発振を起こさせることができる。
例えば、高反射膜509、510の反射率RHが0.9、すなわち90%であったとする。この場合、デシベル表示に直すと、10×log(RH)となり、反射損失の0.46dBに相当する。そして、多モード導波路403では自然放出光が四方八方に放出され、多モード導波路403の幅方向に進行または導波する光が高反射膜509、510にて反射される。
ここで、反射損失は0.46dBなので、この反射光が多モード導波路403の幅方向に距離Wだけ伝搬する間に0.46dBの利得があれば、反射損失と利得とが釣り合う。この結果、高反射膜509、510とInGaAsP活性層502とからなるレーザキャビティが多モード導波路403の幅方向に形成され、多モード導波路403の幅方向にレーザ発振を起こさせることができる。
例えば、多モード導波路403の幅W=20μmとすると、多モード導波路403の利得が0.46dB/20μmだけあればレーザ発振を起こさせることができる。そして、多モード導波路403内にレーザ発振が起こると、InGaAsP活性層502に入射された信号光強度が変動した場合においても、InGaAsP活性層502のキャリア密度を一定に保つことができ、光増幅素子の利得を一定値にクランプさせることができる。
一方、多モード導波路403を軸方向に伝搬する信号光の利得について考えると、多モード導波路403の長さLMMI=836μmであり、多モード導波路403の利得は0.46dB/20μmにクランプされている。このため、多モード導波路403を伝搬した時の信号光の利得は、
836μm×(0.46dB/20μm)=19dB ・・・(2)
でクランプされる。
そして、多モード導波路403の利得がクランプされると、これ以上多モード導波路403に電流を注入しても、この電流は発振光のパワーを増大させるために消費され、信号光の利得に寄与することはない。一方、入射側端面405および出射側端面406には反射防止膜407、408がそれぞれ設けられているため、残留反射率RARは0.1%以下(−30dB以下)に抑えられている。このため、多モード導波路403の利得が19dBだけあったとしても、入力信号光411の伝搬方向では発振に至ることはなく、進行波型の光増幅動作が行われる。
図3は、図1の光増幅素子の飽和特性を示す図である。
図3において、多モード導波路403に電流を注入すると、最初は電流の増加とともに利得は増加する。そして、電流がI1に達すると、多モード導波路403の幅方向に距離Wだけ伝搬した時の利得がしきい値利得Glateralに達し、多モード導波路403の幅方向で発振が生じる。この時、しきい値利得Glateralは、
lateral=−10×log(RH)(dB) ・・・(3)
で与えられる。
さらに電流を増加させ、電流がI2(>I1)に達した場合においても、多モード導波路403内では既に発振が生じているためキャリア密度は一定値にクランプされ、利得は増加しない。すなわち、通常の光増幅素子では、電流がI1を超えても、電流の増加に伴って利得が単調増加するのに対して、本実施形態では、多モード導波路403の利得をG0にクランプさせることができる。この時、信号光の利得G0は、
0=Glatera×LMMI/W ・・・(4)
で与えられる。ここで、信号光の利得G0は、(1)、(3)式を用いることにより、
0=−10×log(RH)×neq×W/λ ・・・(5)
となる。
そして、電流がI1以上の動作状態、すなわち、多モード導波路403の幅方向で発振が生じているために利得がG0にクランプされている状態では、図1の入力信号光411の強度が大きくなった場合でも、発振光の強度が減少するだけで光増幅素子内部の発振光と信号光のトータルの光強度は一定に保たれる。このため、光増幅素子内の利得媒質のキャリア密度に変動が生じることはなく、図10に示すように、光増幅素子の利得は一定に保たれる。この結果、入力信号光411の波長多重数が変化した場合においても、利得変動を抑制することができ、波長多重光伝送システムを安定に動作させることができる。
また、上述した実施形態では、多モード導波路403の幅方向に形成された高反射膜509、510とInGaAsP活性層502とからなるレーザキャビティでレーザ発振が起こるため、発振光の伝搬方向と信号光の伝搬方向とを直交させることができる。このため、発振光が入力導波路402および出力導波路404に混入することを防止することができ、発振光と信号光とを空間的に分離することができる。このため、信号光と発振光とを分離するための波長フィルタや光導波路を不要とすることができ、素子サイズの増大を抑制しつつ、入力光強度による利得変動を抑えることが可能となる。
また、多モード導波路403は、InGaAsP活性層502をコアとして、信号光に対しては幅W、長さLの多モード導波路として、発振光対しては幅L、長さWの多モード導波路として、それぞれ作用するため、発振光および信号光の双方を水平方向(基板面内方向)に伝搬させることができる。このため、通常の半導体レーザおよび半導体光増幅器の製造プロセスをそのまま流用することができ、光増幅素子の製造工程の煩雑化を抑制することが可能となるとともに、高信頼性を確保することができる。
さらに、発振光の伝搬方向となるInGaAsP活性層502の幅方向には、多モード導波路403を構成するための十分なスペースを確保することができる。このため、シングルモード導波路の幅方向または厚み方向に発振光が伝搬する場合に比べて多くの距離を伝搬させることができ、大きな利得を得ることができる。このため、高反射膜409、410の反射率がある程度低くても発振を起こさせることができ、高反射膜409、410の反射率に対する要求を緩和させて、高反射膜409、410の作製を容易化することができる。
なお、利得媒質を含む導波路の構成に関しては、特に制約を設けるものではなく、通常の光増幅素子で用いられている全ての層構造に適用するようにしてもよい。すなわち、InGaAsP活性層502の形状はバルクの他、MQW(多重量子井戸)、量子細線、量子ドットなどでもよく、また、上下の閉じ込めを所望の値にするために分離閉じ込めヘテロ構造(SCH)や、屈折率を徐々に変化させた傾斜屈折率閉じ込め構造(GRIN−SCH)としてもよい。例えば、バンドギャップ波長が利得媒質とInPクラッドとの間にあるようなInGaAsP分離閉じ込め層または光ガイド層を利得媒質の上部または下部に設けるようにしてもよい。さらに、材料に関しても、InPおよびInGaAsPの組み合わせに限定されることなく、GaAs、AlGaAs、GaInAs、GaInNAs、AlGaAsPなど他の半導体材料を用いるようにしてもよい。
また、導波路構造に関しても、pn埋め込み、リッジ構造、半絶縁埋め込み構造、ハイメサ構造を用いるようにしてもよい。さらに、基板に関しても、n型基板に限定されることなく、p型基板または半絶縁性基板を用いるようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、信号光の伝搬経路に沿って、入力導波路402から多モード導波路403を経て出力導波路404に至るまでの全てについて利得媒質をコアに含む場合について説明したが、少なくとも多モード導波路403のコアまたはクラッドの一部に利得媒質を設けるようにしてもよい。
図4は、本発明の第2実施形態に係る光増幅素子の概略構成を示す断面図である。なお、図4の断面図は、図1のA−A´線で切断した光増幅素子の構成部分に対応し、図4の実施形態の水平方向の導波路の構成は図1と同様の構成をとることができる。
図4において、n−InP基板701上には、InGaAsP分離閉じ込め層711が形成されている。なお、InGaAsP分離閉じ込め層711は、信号光の波長に対して透明になるように構成することができる。そして、InGaAsP分離閉じ込め層711上には、InGaAsP活性層702がストライプ状に形成されている。なお、InGaAsP活性層702の幅は、多モード導波路では、複数モードの光が伝播されるように設定することができる。
そして、InGaAsP活性層702の両側は、InGaAsP分離閉じ込め層711上に順次積層されたp−InP電流ブロック層703およびn−InP電流ブロック層704にて埋め込まれている。そして、InGaAsP活性層702およびn−InP電流ブロック層704上には、p−InPクラッド層705が形成されている。
そして、p−InPクラッド層705上にはp−GaInAsコンタクト層706が形成されている。また、p−GaInAsコンタクト層706上にはp側電極707が形成され、n−InP基板701の裏面にはn側電極708が形成されている。また、p−InP電流ブロック層703およびn−InP電流ブロック層704にて埋め込まれたInGaAsP活性層702はメサ状にエッチングされ、InGaAsP分離閉じ込め層711、p−InP電流ブロック層703、n−InP電流ブロック層704、p−InPクラッド層705およびp−GaInAsコンタクト層706の側壁が露出されている。そして、InGaAsP分離閉じ込め層711、p−InP電流ブロック層703、n−InP電流ブロック層704、p−InPクラッド層705およびp−GaInAsコンタクト層706の側壁には、信号光の伝搬方向に沿うようにして高反射膜709、710が形成されている。
なお、入力導波路および出力導波路の構成は、入力導波路および出力導波路のInGaAsP活性層702の幅が多モード導波路のInGaAsP活性層702の幅と異なることを除けば、多モード導波路703と同様の構成をとることができる。すなわち、入力導波路および出力導波路のInGaAsP活性層702の幅は、単一モードの光が伝搬されるように設定することができる。
そして、p側電極707に電圧を印加することにより、n−InP電流ブロック層704にて電流を狭窄させながら、InGaAsP活性層702に電流を注入することができる。そして、InGaAsP活性層702に電流が注入されると、InGaAsP活性層702にて発光させることができる。そして、InGaAsP活性層702にて生成された光は、InGaAsP活性層702の両側の高反射膜709、710にて反射され、信号光の導波方向と直交する方向にレーザ発振を起こさせることができる。
ここで、高反射膜709、710の方向に延伸されたInGaAsP分離閉じ込め層711をInGaAsP活性層702の下層に設けることにより、発振光に対するコアを高反射膜709、710まで延伸することができる。このため、InGaAsP活性層702にて生成された光をInGaAsP分離閉じ込め層711にてガイドしながら、高反射膜709、710に導くことができ、キャビティ内における発振光の損失を減少させることが可能となる。このため、多モード導波路内で発振光を効率よくフィードバックさせることが可能となり、高反射膜709、710の反射率に対する要求を緩和することができる。
図5は、本発明の第3実施形態に係る光増幅素子の概略構成を示す平面図である。
図5において、n−InP基板801上には、入力信号光811を入力する入力導波路802、入力信号光811を導波させる多モード導波路803、出力信号光812を出力する出力導波路804が形成されている。
ここで、入力導波路802および出力導波路804は、入力信号光811の波長に対して透明なInGaAsPをコアとしたバットジョイント構成とすることができ、多モード導波路803は、InGaAsPをコアとした利得媒質からなる多モード導波路から構成することができる。また、入力導波路802、多モード導波路803および出力導波路804は導波路中心軸が互いに一致するようにn−InP基板801上に並べて配置することができる。また、多モード導波路803の長さLMMIは、(1)式の関係を満たすように設定することができる。また、多モード導波路803の幅Wは、複数モードの光が伝播されるように設定することができ、入力導波路802および出力導波路804の幅は、単一モードの光が伝播されるように設定することができる。
また、入力導波路802側のn−InP基板801の端面805には反射防止膜807が形成されるとともに、出力導波路804側のn−InP基板801の端面806には反射防止膜808が形成されている。さらに、多モード導波路803の両脇には、高反射膜809、810が対向配置されている。
そして、入力導波路802に入射した入力信号光811は、入力導波路802を伝搬して多モード導波路803に入射される。そして、入力信号光811が多モード導波路803に入射すると、多モード導波路803内の複数の伝搬モードが励振され、それぞれの伝搬定数により決定される位相条件で多モード導波路803内を伝搬する。そして、多モード導波路803内を伝搬した光は、出力導波路804に入射し、出力信号光812として端面806から出射される。なお、(1)式の関係を満たすように、多モード導波路803の長さLMMIを設定することにより、多モード導波路803内を伝搬した信号光を出力導波路804の基本モードに結合させることができ、多モード導波路803と出力導波路804との間の結合損失を低減させることができる。
ここで、多モード導波路803のコアは利得媒質を含むため、入力信号光811は、多モード導波路803を伝搬するに従って増幅され、増幅された出力信号光812を得ることができる。
一方、多モード導波路803にて生成された自然放出光は四方八方に放出され、多モード導波路803の両脇の高反射膜809、810にて反射させることにより、入力信号光811の導波方向と直交する方向にレーザ発振を起こさせることができる。そして、入力信号光811の導波方向と直交する方向にレーザ発振が起こると、多モード導波路803に入射された信号光強度が変動した場合においても、多モード導波路803のキャリア密度を一定に保つことができ、光増幅素子の利得を一定値にクランプさせることができる。
このため、入力導波路802および出力導波路804をバットジョイント構成とした場合においても、出力導波路804から出射される増幅光に発振光が混入することを防止しつつ、発振により利得がクランプされた利得媒質内で、入力信号光811を増幅させることが可能となる。この結果、信号光と発振光とを分離するための波長フィルタや光導波路を不要とすることができ、素子サイズの増大を抑制しつつ、入力光強度による利得変動を抑えることが可能となる。
図6は、本発明の第4実施形態に係る光増幅素子の概略構成を示す平面図である。
図6において、n−InP基板901上には、入力信号光911を入力する入力導波路902、入力信号911を導波させる多モード導波路903、出力信号光912を出力する出力導波路904が形成されている。
ここで、入力導波路902および出力導波路904は、InGaAsPをコアとした利得媒質からなるシングルモード導波路から構成することができ、多モード導波路903は、InGaAsPをコアとした利得媒質からなる多モード導波路から構成することができる。また、入力導波路902、多モード導波路903および出力導波路904は導波路中心軸が互いに一致するようにn−InP基板901上に並べて配置することができる。また、多モード導波路903の長さLは、多モード導波路903の幅をW、多モード導波路903の縦方向(基板垂直方向)の等価屈折率をneq、入力信号光911の波長をλとすると、
L=m・neq・W2/λ(ただし、mは正の整数) ・・・(6)
の関係を満たすように設定することができる。また、多モード導波路903の幅Wは、複数モードの光が伝播されるように設定することができ、入力導波路902および出力導波路904の幅は、単一モードの光が伝播されるように設定することができる。
また、入力導波路902側のn−InP基板901の端面905には反射防止膜907が形成されるとともに、出力導波路904側のn−InP基板901の端面906には反射防止膜908が形成されている。さらに、多モード導波路903の両脇には、高反射膜909、910が対向配置されている。
そして、入力導波路902に入射した入力信号光911は、入力導波路902を伝搬して多モード導波路903に入射される。そして、入力信号光911が多モード導波路903に入射すると、多モード導波路903内の複数の伝搬モードが励振され、それぞれの伝搬定数により決定される位相条件で多モード導波路903内を伝搬する。そして、多モード導波路903内を伝搬した光は、出力導波路904に入射し、出力信号光912として端面906から出射される。
ここで、自己結像効果によるスポット状の集光現象は周期的に繰り返される。そのため、(6)式の関係を満たすように、光が最初にスポット状に集光されるまでの長さLMMIの整数倍になるように、多モード導波路903の長さを設定した場合においても、多モード導波路903内を伝搬した信号光を出力導波路904の基本モードに結合させることができ、多モード導波路903と出力導波路904との間の結合損失を低減させることができる。
また、光が最初にスポット状に集光されるまでの長さLMMIの整数倍になるように、多モード導波路903の長さを設定することにより、自己結合効果を発現させることを可能としつつ、クランプ利得を稼ぐことが可能となる。このため、注入電流密度を一定に保ちつつ、多モード導波路903のサイズを小さくすることが可能となり、出力導波路904の基本モードに信号光を低損失で結合させることを可能としつつ、駆動電流を低減させることができる。
例えば、光が最初にスポット状に集光されるまでの長さLMMIの3倍になるように、多モード導波路903の長さを設定した場合について考える。また、例えば、高反射膜909、910の反射率RHが0.94、すなわち94%であったとする。そして、多モード導波路903の幅W=10μmとすると、(5)式により、多モード導波路903をLMMIだけ伝搬した時の信号光のクランプ利得は5.6dBとなる。この時、多モード導波路903において、光が最初にスポット状に集光されるまでの長さLMMIは、(1)式により209μmとなる。このため、多モード導波路903の長さLは3×LMMI=627μmとなる。また、多モード導波路903におけるLMMI当たりのクランプ利得は5.6dBなので、多モード導波路903全体のクランプ利得は16.8Bとなる。
また、図1の実施形態では、多モード導波路403の幅Wおよび長さLがそれぞれ20μm、836μmであったのに対し、図6の実施形態では、多モード導波路903の幅Wおよび長さLがそれぞれ10μm、627μmであるため、面積で比較すると、3/8になっている。
一方、図1の実施形態では、しきい値利得Glateralは0.46dB/20μmであり、単位長さ当たりの発振しきい値利得密度は0.023(dB/μm)であるのに対し、図6の実施形態では、しきい値利得Glateralは0.27dB/10μmであり、単位長さ当たりの発振しきい値利得密度は0.027(dB/μm)とほぼ同一の利得密度で動作するため、注入電流密度もほぼ同一になると考えられる。従って、光が最初にスポット状に集光されるまでの長さLMMIの3倍になうように、多モード導波路903の長さを設定した場合においても、多モード導波路903の面積は3/8となり、注入電流密度を一定とすると、半分以下の電流で駆動することができる。
なお、図6の実施形態でも、導波路の構成、コア層もしくは利得媒質の組成および構造、SCH構造の有無などは、図1の実施形態と同様に様々な変形を施すことができる。また、図6の実施形態では、入力導波路902および出力導波路904についても、InGaAsPをコアとした利得媒質からなるシングルモード導波路から構成する方法について説明したが、図5と同様に、入力導波路902および出力導波路904が入力信号光911の波長に対して透明な媒質を用いて構成されるようにしてもよい。また、図6の実施形態では、光が最初にスポット状に集光されるまでの長さLMMIの3倍になるように、多モード導波路903の長さLを設定する方法について説明したが、多モード導波路903の長さLは、光が最初にスポット状に集光されるまでの長さLMMIの3倍に限定されることなく、光が最初にスポット状に集光されるまでの長さLMMIの整数倍ならばいくつでもよい。
次に、上述した実施形態の効果が期待できるような構造パラメータに範囲について説明する。
上述した光増幅素子では、入力信号光に対しては進行波型の増幅が行われ、多モード導波路の幅方向にはレーザ発振が生じる。このため、高反射膜の反射率RH、多モード導波路の幅W、多モード導波路の長さLおよび反射防止膜の反射率RARとの関係は、以下のように説明される。クランプされた単位長さ当たりの利得をGclamp(dB)とすると、多モード導波路の幅方向で発振が生じるためのしきい値利得Glateralは、
lateral=Gclamp×W=−10×log(RH)(dB) ・・・(7)
一方、信号光の伝搬方向で発振が生じないようにするためには、反射防止膜での反射によるキャビティ内の反射損失が信号利得Gsignalよりも大きいことが必要である。反射防止膜での反射によるキャビティ内の反射損失は、10×log(RAR)で表されるため、信号光の伝搬方向で発振が生じないようにするためには、
signal=Gclamp×L<−10×log(RAR) ・・・(8)
という条件を満たすことが必要である。(7)式および(8)式を用いて(8)式のGclampを消去すると、
L×log(RH)>W×log(RAR) ・・・(9)
となる。
図6の多モード導波路の多段接続の場合は、接続数mを用いて以下の条件を満たせば、上述したような動作が期待できる。
m×L×log(RH)>W×log(RAR) ・・・(10)
上述した光増幅素子は、光通信、光交換、光情報処理などの光を利用した光伝送処理システムなどの用途に適用することができ、特に、波長多重数による光信号の利得変動を防止することを可能としつつ、波長多重光伝送システムの大型化を抑制することが可能となる。
本発明の第1実施形態に係る光増幅素子の概略構成を示す平面図である。 図1のA−A´線で切断した光増幅素子の構成例を示す断面図である。 図1の光増幅素子の飽和特性を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る光増幅素子の概略構成を示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係る光増幅素子の概略構成を示す平面図である。 本発明の第4実施形態に係る光増幅素子の概略構成を示す平面図である。 図7(a)は、従来の光増幅素子を光導波方向に沿って切断した断面図、図7(b)は、図7(a)のA−A´線で切断した断面図である。 図7の光増幅素子の飽和特性を示す図である。 図9(a)は、従来の光増幅素子を光導波方向に沿って切断した断面図、図9(b)は、図9(a)のC−C´線で切断した断面図である。 図9の光増幅素子の飽和特性を示す図である。
符号の説明
401、501、701、801、901 n−InP基板
402、802、902 入力導波路
403、803、903 多モード導波路
404、804、904 出力導波路
405、406、805、806、905、906 端面
407、408、807、808、907、908 反射防止膜
409、410、509、510、709、710、809、810、909、910 高反射膜
411、811、911 入力信号光
412、812、912 出力信号光
502、702 InGaAsP活性層
503、703 p−InP電流ブロック層
504、704 n−InP電流ブロック層
505、77705 p−InPクラッド層
506、706 p−GaInAsキャップ層
507、707 p側電極
508、708 n側電極
711 InGaAsP分離閉じ込め層

Claims (6)

  1. 単一モードの光を導波させる入力導波路と、
    前記入力導波路に光学的に結合され、複数モードの光を導波させるとともに、少なくとも一部に利得媒質を含むように構成された多モード導波路と、
    前記多モード導波路に光学的に結合され、単一モードの光を導波させる出力導波路と、 前記利得媒質から放射される自然放出光を反射させることにより、前記入力導波路を介して前記多モード導波路に入射された光の伝搬方向と交差する方向に発振を起こさせる反射領域とを備えることを特徴とする光増幅素子。
  2. 前記入力導波路、前記多モード導波路および前記出力導波路は導波路中心軸が互いに一致するように同一基板上に並べて配置され、前記反射領域は前記多モード導波路の両脇に対向配置されていることを特徴とする請求項1記載の光増幅素子。
  3. 前記入力導波路、前記多モード導波路および前記出力導波路は互いに共通の利得媒質から構成されるコアを備え、前記多モード導波路の前記コアの幅が前記入力導波路および前記出力導波路の前記コアの幅より広いことを特徴とする請求項2記載の光増幅素子。
  4. 前記多モード導波路の長さをL、幅をW、屈折率をneq、信号光波長をλとすると、
    L=m・neq・W2/λ(ただし、mは正の整数)
    であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の光増幅素子。
  5. 前記多モード導波路のコアの一部を構成し、前記多モード導波路よりも幅が広くなるように前記反射領域の方向に延伸され、信号光波長に対して透明な透明層をさらに備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の光増幅素子。
  6. 前記反射領域は、前記多モード導波路の側壁に形成された誘電体多層膜または金属膜を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の光増幅素子。
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