JP2004186336A - 多波長レーザ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】多波長レーザ装置において、各レーザユニットの発振波長を典型的なストップ・バンド幅である3〜5nmより遠くに離して設定した場合であっても、使用帯域においてI−L(注入電流−光出力)特性上にキンクが発生してしまい、十分な出力値を得ることができないことがあった。
【解決手段】多波長レーザ装置1は、2つのレーザユニット2A、2Bを配置したレーザ部2を有する。また、レーザ部2の出射端面3は半導体光増幅器5と導波路4で光学的に接続されている。また、多波長レーザ装置1の両端面には、低反射率膜6、7が形成されている。さらに、レーザユニット2A、2Bの波長差は他方の回折格子による反射率が10%以下となっている。
【選択図】 図1
【解決手段】多波長レーザ装置1は、2つのレーザユニット2A、2Bを配置したレーザ部2を有する。また、レーザ部2の出射端面3は半導体光増幅器5と導波路4で光学的に接続されている。また、多波長レーザ装置1の両端面には、低反射率膜6、7が形成されている。さらに、レーザユニット2A、2Bの波長差は他方の回折格子による反射率が10%以下となっている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一つの装置で多数の波長を発振させることが可能な多波長レーザ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバ通信網における波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplex)システムの導入により、シングルモードかつ同調可能、しかも1300から1600nmの波長帯で狭線幅の発振が可能な光源が必要とされている。例えば、InGaAsP系分布帰還型(DFB:Distributed Feedback)レーザは上記要望をある程度満たしている。しかしながら、更なる高密度波長分割多重(DWDM:Dense Wavelength Division Multiplex)システムの急速な進歩には、実用的なアプリケーションに対して広い連続同調範囲と多波長発生を有し、かつコンパクトな多波長レーザ装置が必要とされている。
【0003】
このような要望を満足する光源として、共通の基板上に複数のレーザユニットを直列配置した多波長レーザ装置が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−251691号公報
【特許文献2】
特表2002−511979号公報
【0005】
ここで、特開平11−251691号公報及び特表2002−511979号公報に記載された技術を図6及び図7を用いて説明する。
【0006】
図7に示すように、特開平11−251691号公報に記載の多波長レーザ装置100は、第1の利得結合型DFBレーザユニット111と第2の利得結合DFBレーザユニット113を含み、これらは矢印方向と同じ光軸に沿って同軸方向に設けられた共振器を有する。前記レーザユニット111と113は、矢印方向に出力を有し、第1のレーザユニット111は、多波長レーザ装置100の出力端面127のより近くにある。多波長レーザ装置100は第1の閉じ込め領域を有する基板112上に形成される。活性層114は、多量子井戸構造116と、その中に形成される第1および第2の回折格子117、119と、閉じ込め領域120とを含む。
【0007】
その上に形成されるレーザユニットの励起手段は、基板126とのコンタクト、第1と第2のレーザユニット111、113をそれぞれ形成する第1と第2の電流閉じ込めリッジ122、124、および第1と第2のコンタクト電極130と132から構成される。第1と第2のコンタクト電極130と132は、各リッジの上に形成され、それぞれ直列構造へ電流を注入する。
【0008】
第1および第2の回折格子117と119は、位置的には、第1および第2のDFBレーザユニット111と113にそれぞれ対応する。回折格子は異なる格子周期を有し、各々λe=2Λneff(Λ:回折格子の周期、neff:導波路の等価屈折率)で定義される発振波長λeを有する。第1の回折格子117は、第2の回折格子119よりも短い発振波長を有する。多波長レーザ装置100の出力端面127の近くにある第1のレーザユニット111の発振波長は出力端面127から離れたところにある隣接レーザユニット113のストップ・バンド内には落ちないように形成される。
【0009】
このため、より遠くのレーザユニット113によって生成された光は、多波長レーザ装置100の出力端面127の近くにあるレーザユニット111を通過する。回折格子117と119の両方とも、活性層114に周期的に溝をエッチングすることによって作られる。エッチングの深さは、各レーザユニットが外部フィードバックおよびランダムな端面変化と実質的に関係しないように決められる。それによって、レーザユニット間では実質的な相互作用は行われない。
【0010】
また、図8に示すように特表2002−511979号公報に記載の多波長レーザ装置200は、nドープされたInP基板201である半導体板の上に構成される。多波長レーザ装置200は、複数のDFBレーザユニット203、203’から成り、この例では3個のレーザユニットが示されている。これらレーザユニットは、1列に、相互に隣接して位置し、No.1、No.2、No.3と番号が付けられており、各々異なる周期を持っている回折格子205を有している。各レーザユニット203、203’は基本的に他のレーザユニットとは無関係に動作し、これによりもし適当な電流がそれに供給されると、他のレーザとは無関係にレーザ光を出射させることが出来る。
【0011】
回折格子205の周期は、相互の間で適当な又は十分な差を持つよう適宜選択される。個々のレーザユニット203、203’の間の波長分離及び単位長さ当たりの回折格子の結合強度は、ストップ・バンドが他のレーザユニットの透明波長帯域と重複しない様な方法で選択される。DFBレーザユニットに対する典型的な値は、結合強度κ=50cm−1(10cm−1から100cm−1間で可変)、λ=1.55μm、またn=3.25、これはストップ・バンドの帯域幅Δλ=1.2nmを与える。典型的な場合において、以下の温度制御により得られるこれら波長間の適当な重複を維持するため、レーザから発射される光の夫々の波長の間の差は、典型的には約3〜5nmとすることが出来る。
【0012】
全てのレーザユニットは、基板201の裏面にある様な共通の接地接点207を持つ。レーザユニット内の活性層209は、1550nm(Q1.55)のルミネセンス波長を持つInGaAsP(バルク材料又は量子井戸)で作られる。活性層209の情報には回折格子205が配置される。各レーザユニット203、203’は、各々独立した電気接点211をその頂面に持つ。レーザ203、203’は、分離溝213により相互に電気的に分離される。レーザ203、203’は、導波層215により相互に光学的に接続される。
【0013】
レーザユニット203’に隣接して、レーザユニット203、203’の列の端に、電界吸収型の光強度変調器217を配置することができる。この層219は、レーザ203、203’を相互に接続する導波層215と同じ形式の受動導波管221の上部に位置する。光強度変調器の層219は、その頂部側に、変調電圧を供給するための電気接点223を持つ。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
いずれの多波長レーザ装置においても、隣接するレーザユニットのストップ・バンドにかからないように各レーザユニットの発振波長を設定するようにしている。しかしながら、これらの多波長レーザ装置において、各レーザユニットの発振波長を典型的なストップ・バンド幅である3〜5nmより遠くに離して設定した場合であっても、使用帯域においてI−L(注入電流−光出力)特性上にキンクが発生してしまい、十分な出力値を得ることができないことがあった。
【0015】
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、高出力な多波長レーザ装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1にかかる多波長レーザ装置は、基板上に、1つの出射端面を有するように同じ光軸に沿って軸方向にレーザユニットが複数個直列に配置されたレーザ部を有し、前記レーザユニットは、a)多重量子井戸を含む活性層と、b)活性層を励起する励起手段と、c)回折格子層を有し、前記レーザユニットの発振波長は前記レーザ部の出射端面に近いレーザユニットほど短く、かつ前記発振波長は隣接するレーザユニットの回折格子による反射率が10%以下となっていることを特徴としている。
【0017】
この多波長レーザ装置によれば、I−L特性において、実用的な使用範囲ではキンクが生じないような多波長レーザ装置を提供することができる。
【0018】
また、請求項2にかかる多波長レーザ装置は、上記発明において、前記レーザ部が少なくとも複数列並列に配置され、かつ前記レーザ部の出射端面方向には光合成器が配置されていることを特徴としている。このようにすると多波長レーザ装置としての発振波長の帯域幅をより広くすることができる。なお、光光合成器としては、MMI(Multi−Mode Interferometer)カプラ、スターカプラ、半導体アレイ導波路回折格子(AWG;Arrayed Waveguide Grating)などがあるが、小型化や設計、作製の容易さの点からMMIカプラを用いることが好ましい。
【0019】
また、請求項3にかかる多波長レーザ装置は、上記発明において、前記レーザ部の出射端面方向に半導体光増幅器(SOA;Semiconductor Optical Amplifier)が配置されていることを特徴としている。半導体光増幅器を設けると光合成器での損失を補償することができる。この半導体光増幅器は前記レーザ部の各出射端面近傍に設けることもできるが、半導体光増幅器の数は少なくしたほうが駆動電流の供給箇所を少なくすることができ、小型化、組立が容易になる。したがって、半導体光増幅器を光合成器の出力端近傍に設けて、出力光を合成した後、増幅することが最も好ましい。
加えて、請求項3にかかる多波長レーザ装置は、半導体光増幅器の長さを長くすることにより、より高出力のレーザ光を得ることができる。また、請求項3にかかる多波長レーザ装置はレーザユニットが複数個直列に配置されたレーザ部という構成であるため、全てのレーザユニットを並列に配置した多波長レーザ装置に比べて、同じ出力のレーザ光を得ようとした場合に、半導体光増幅器の長さを短くすることができ、高出力でかつ小型化することが可能である。
【0020】
また、請求項4にかかる多波長レーザ装置は、上記発明において、前記レーザユニットが、屈折率結合型であることを特徴としている。レーザユニットを屈折率結合型とするとチップ歩留まりが良くなるため、更なる多波長化を目的としてアレイ化する際に有効である。
【0021】
また、請求項5にかかる多波長レーザ装置は、上記発明において、前記レーザユニットが、位相シフト部を有することを特徴としている。位相シフト部を有すると単一波長で発振しやすくなる。なお、単一波長でより発振させ易くするためには副モード抑圧比(SMSR;Side Mode Suppression Ratio)を大きくすることが有効であるが、この点からは、位相シフト部は各レーザユニット部の中央近傍に設けることが好ましい。
【0022】
さらに、前述した目的を達成するために、請求項6にかかる多波長レーザ装置は、基板上に、1つの出射端面を有するように同じ光軸に沿って軸方向にレーザユニットが複数個直列に配置されたレーザ部を有し、前記レーザユニットは、a)多重量子井戸を含む活性層と、b)活性層を励起する励起手段と、c)回折格子層を有する多波長レーザ装置であって、前記レーザユニットを前記レーザ部の出射端面側から順に第1のレーザユニット、第2のレーザユニット、…、第n−1のレーザユニット、第nのレーザユニットとし、各々のレーザユニットに流す電流をI1、I2、…、In−1、Inとした時、第nのレーザユニットからの光を出射させる場合には、In>I1、I2、…、In−1となるように電流を流すことを特徴としている。
【0023】
この多波長レーザ装置によれば、前述したようにI−L特性において、実用的な使用範囲ではキンクが生じないことに加え、かつ厳密な制御を必要とせず、良好な単一性を得ることができる。
【0024】
また、請求項7にかかる多波長レーザ装置は、上記発明において、前記Inが少なくとも前記I1、I2、…、In−1のうちの最も大きな電流値の略2倍以上であることを特徴とすることを特徴としている。このようにすると、より容易な制御で目的を達成することができる。なお、ここで、前記I1、I2、…、In−1は各々のしきい値電流の2〜3倍程度以下とすることが好ましい。このようにするとより安定して所望の、この場合には第nのレーザユニットからの光を出射させることができる。
【0025】
また、請求項8にかかる多波長レーザ装置は、基板上に、1つの出射端面を有するように同じ光軸に沿って軸方向にレーザユニットが複数個直列に配置されたレーザ部を有し、前記レーザユニットは、a)多重量子井戸を含む活性層と、b)活性層を励起する励起手段と、c)回折格子層を有する多波長レーザ装置であって、前記レーザユニットを前記レーザ部の出射端面側から順に第1のレーザユニット、第2のレーザユニット、…、第jのレーザユニット、…、第nのレーザユニットとし、各々のレーザユニットに流す電流をI’1、I’2、…、I’j、…、I’nとした時、第jのレーザユニットから光を出射させる場合には、I’j>I’1、I’2、…、I’j−1>I’j+1、…、I’nとなるように電流を流すことを特徴としている。
【0026】
この多波長レーザ装置もまた、前述したようにI−L特性において、実用的な使用範囲ではキンクが生じないことに加え、かつ厳密な制御を必要とせずに良好な単一特性を得ることができる。
【0027】
なお、請求項8にかかる多波長レーザ装置との違いは、光を出射させようとするレーザユニットの後段(出射端面とは逆側)にさらなるレーザユニットが存在することである。この後段に存在するレーザユニットは複数存在する場合もある。この場合には、各レーザユニットに流す電流は、「発振させようとするレーザユニットに流す電流値>発振させようとするレーザユニットの出射端面側に存在するレーザユニットに流す電流値>発振させようとするレーザユニットの後段に存在するレーザユニットに流す電流値」となるようにする。
【0028】
また、請求項9にかかる多波長レーザ装置は、上記発明において、前記I’jは少なくとも前記I’1、I’2、…、I’j−1のうちの最も大きな電流値の略2倍以上であることを特徴としている。このようにすると、より容易な制御で目的を達成することができる。なお、ここで、前記I’1、I’2、…、I’j−1は各々のしきい値電流の2〜3倍程度以下とすることが好ましい。また、I’j+1、…、I’nは光を発振させようとする第n−1のレーザユニットの後方で反射などによる影響をなくすために、透明電流未満、さらに好ましくは略0とすることが好ましい。このようにするとより安定して所望の、この場合には第jのレーザユニットからの光を出射させることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に、添付図面を参照し、実施形態例を挙げて本発明の実施の形態を具体的かつ詳細に説明する。
実施形態例1
図1は、本実施形態例の多波長レーザ装置1を上部から見た模式図、図2は該多波長レーザ装置1を図1のA−A’断面で示す模式図である。
まず、図1を用いて本実施形態例の多波長レーザ装置1の概略について説明する。多波長レーザ装置1は、2つのレーザユニット2A、2Bを配置したレーザ部2を有する。また、レーザ部2の出射端面3は半導体光増幅器5と導波路4で光学的に接続されている。また、多波長レーザ装置1の両端面には、低反射率膜6、7が形成されている。
【0030】
次いで、本実施形態例の多波長レーザ装置1の詳細な構造について図2を用いてその製造方法と共に説明する。
多波長レーザ装置1は、レーザ部2、導波路4及び半導体光増幅器5により構成される。このうち、レーザ部2と半導体光増幅器5は回折格子206を有するか否かの違いであるため、両者は同時に形成され、その後、導波路4に相当する部分のみ除去し、導波路4を再成長させる。
【0031】
まず、n−InPからなる基板8上全面に、n−InPバッファ層21(51)を積層させ、次いで、n−InPクラッド層22(52)、MQW(Multi Quantum Well)−SCH(Separate Confinement Heterostructure;分離光閉込)活性層23(53)(ゲインピーク波長1550nm)、p−InPクラッド層24(54)、スペーサ層25A(第2のp−InPクラッド層55A)を積層させる。次いで、レーザ部2のみにInGaAsPからなる回折格子形成層26’を積層させ、電子描画装置を用いて回折格子パターンを形成し、不要な箇所をエッチング除去し、エッチングした箇所を埋め込むようにp−InP埋め込み層25Bを積層して回折格子26を形成する。
【0032】
ここで、この回折格子パターンは、レーザユニット2A及び2Bが設定された発振波長を有するように適宜定められる。したがって、回折格子26Aと回折格子26Bとではその周期が異なる。なお、前記p−InP埋め込み層25Bの形成と同時に半導体光増幅器5の第3のp−InPクラッド層55Bも積層され、最後にp−InGaAsPコンタクト層27(57)が積層される。さらにレーザ部2には、レーザユニット2Aと2Bを電気的に分離するための分離溝29が形成される。なお、ここで各レーザユニット2A、2Bは屈折率結合型であり、図示していないが、回折格子26A、26Bはそれぞれ中央付近に位相シフト部を有している。
【0033】
次いで、導波路4を形成するために、導波路4に相当する部分のn−InPバッファ層21(51)からp−InGaAsPコンタクト層27(57)に至るまでの半導体の積層体をエッチングで除去する。次いで、露出した基板上にノンドープInPクラッド層41、p−InGaAsP活性層42(ゲインピーク波長1300nm)、ノンドープInPクラッド層43を形成する。
【0034】
このようにして得た、半導体積層構造は適宜、リッジ形状にエッチングされ、その側面を他の図示しない半導体層で埋め込んだ後、低反射膜6、7を形成し、次いで上部にp側電極28A、28B、44、58を形成し、基板8裏面にn側電極9を形成し、本実施形態例の多波長レーザ装置1を作製した。
【0035】
このような多波長レーザ装置1において、回折格子の周期を変えることにより、レーザユニット2Aと2Bの波長差を表1のように変化させてI−L特性を測定した。なお、No.1〜5のレーザ部2の結合効率κは60cm−1である。I−L特性測定結果を図3のグラフに表す。
【0036】
【表1】
【0037】
表1における反射率とは、レーザユニット2Aの波長がレーザユニット2Bの回折格子に対してどのくらいの反射率を有しているかを示している。レーザユニット2Bの波長がレーザユニット2Aの回折格子に対して有する反射率もほぼ同じ値となる。
表1及び図3より、レーザユニット2A、2Bの波長がお互いの回折格子の反射率が10%以下となるNo.2〜5において、キンクが発現するキンク電流が100mA以上となり、非常に良好な特性が得られたことが分かる。
【0038】
また、図4に示すように、同様な構成でκを変化させると、他方のレーザユニットの回折格子に対する反射率が10%以下となる波長差は異なる。しかしながらこの場合であっても、発振された光の出力値は異なるものの、レーザユニット2A、2Bの波長がお互いの回折格子の反射率が10%以下となるように定められている時、キンクが発現するキンク電流は100mA以上となり、非常に良好な特性が得られた。
【0039】
以上により、キンク電流はレーザユニット2A、2Bの発振波長の差の絶対値ではなく、レーザユニットの回折格子の反射率が10%以下となるような波長差とすることにより、精度良く制御できることが分かった。また、特に上記実施例に示すように各レーザユニットの波長差は前記回折格子の反射率が5%以下となるようにするとより好ましい。
【0040】
なお、本実施形態例においては、半導体光増幅器5を用いたが、レーザ部2が1つの場合には、半導体光増幅器5は必須ではない。また、多波長レーザ装置1の出射端面側にEA(電界吸収型;Electro−Absorption)変調器などを設けると外部変調器を用いずに情報の伝送が可能になることから、システムの小型化、低コスト化などを達成できる点でより好ましい。
【0041】
実施形態例2
実施形態例2の多波長レーザ装置10を図5に示す。レーザ部12として12a、12b、12c、12d、12e、12fの6つが配置され、各レーザ部は各々2つのレーザユニットを有し、その出射端面側に導波路を介して光合波器20が配置されている。レーザ部12aを例に取って具体的に説明すると、レーザ部12aは、レーザユニット12aA、12aBを有し、その出射端面13a側に導波路14aを介して光合波器20が配置されている。以上の点以外は実施形態例1と同様である。また、前記光合成器13は導波路14と同様の構成及び製造方法であり、半導体積層構造をエッチングしてリッジ形状を作製する際のパターンだけが異なる。なお、各レーザ部12を構成するレーザユニットのκは50cm−1、各レーザユニットの共振器長は500μm(レーザ部12の共振器長は)、各レーザユニットの発振波長は表3の通りである。表3におけるレーザユニット12A、12Bとは、No.12aについてはレーザユニット12aA、レーザユニット12aB、No.12bについてはレーザユニット12bA、レーザユニット12bB(以下同様)を示す。
また、レーザ部12の出射端面と半導体光増幅器20の入射端面との距離、すなわち、導波路部分と光合成器13の共振器長手方向の長さは800μm、半導体光増幅器20の長さは1200μmであった。
【0042】
【表2】
【0043】
本実施形態例の多波長半導体レーザ装置10においても、レーザユニットの発振波長を他方のレーザユニットの回折格子の反射率が10%以下となるような値としたところ、もっとも小さいキンク電流値も200mAと良好な結果を得ることができた。
【0044】
しかしながら、上記実施形態例においては、井戸層のエネルギーバンドギャップ波長が1550nmであり、レーザ部12b、12cのレーザユニットAの発振波長とのデチューニングが比較的大きい(順に22nm、19nm)のに比べてレーザユニットBの発振波長とのデチューニングは非常に小さな値となっている(順に1nm、2nm)。このような場合には、レーザユニットAのみから発振させようとしても、駆動環境によってはレーザユニットBからも発振されてしまうことがある。このような問題を避けるためには、レーザユニットAとレーザユニットBの発振波長の組合せを例えば、表4に示したようにすることが有効である。
【0045】
【表3】
【0046】
このように、各レーザユニットの発振波長の組合せを変えることによって単一波長特性を容易に制御することもできる。
【0047】
なお、実施形態例1及び2の多波長半導体レーザ装置とも一つのレーザ部は2つレーザユニットを有する構成を採用したが、3つ以上のレーザユニットを有していても良いことは明らかである。また、これらの実施形態例の多波長半導体レーザ装置を構成する組成及びサイズなどはこれら実施の形態例に限られないことは明らかである。
【0048】
実施形態例3
実施形態例1の多波長レーザ装置1において、レーザユニット2Aの発振波長を1533nm、レーザユニット2Bの発振波長を1546nm、κ=50cm−1、各々のレーザユニットの共振器長を500μmとした多波長レーザ装置1を用いて、レーザユニット2Bからの光を発振させる際に、レーザユニット2Aに流す電流値を及びレーザユニット2Bに流す電流値を変えて発振波長の単一性について実験した結果を図6に示す。なお、本実施形態例における各レーザユニット2A及び2Bのしきい値電流は20mA程度である。
【0049】
図6より、レーザユニット2Aにしきい値電流の約2.5倍以下の電流を流し、かつレーザユニット2Bにレーザユニット2Aに流した電流値の約2倍以上の電流を流した際に単一性が優れていることが分かる。
【0050】
なお、ここでは、レーザユニット2Bへ流す電流値を固定し、レーザユニット2Aへ流す電流値の大きさを変化させたが、本願発明の範囲を満足させる範囲であれば、単一性に関係するのは両者の相対的な大きさの差であり、本実施形態例の数値及び形態に限定されるものではない。
【0051】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明にかかる多波長レーザ装置によれば、レーザ部を構成するレーザユニットの発振波長を隣接するレーザユニットの回折格子の反射率が10%以下になるような波長としたことにより、キンクに影響されることなく、十分に高出力でかつ対応する波長域の広い多波長レーザ装置を得ることができる。
【0052】
また、さらに上述した多波長レーザ装置において、各レーザユニットに流す電流値を本願発明で定めたようにすることにより、厳密な制御を要することなく、容易に良好な単一性を有する多波長レーザ装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、第一の実施形態例に関する多波長レーザ装置の一実施形態例を示す模式図である。
【図2】図2は、図1のA−A’断面を示す模式図である。
【図3】図3は、第1の実施形態例の多波長レーザ装置において、レーザユニット2Aと2Bの波長差を変化させた時のI−L特性の結果を示す図である。
【図4】図4は、κを変化させた時の反射スペクトルを示す図である。
【図5】図5は、本願発明に関する多波長レーザ装置の他の実施形態例を示す模式図である。
【図6】図6は、従来の多波長レーザ装置を示す模式図である。
【図7】図7は、従来の他の多波長レーザ装置を示す模式図である。
【図8】
【符号の説明】
1、10 多波長レーザ装置
2、12、12a、12b、12c、12d、12e、12f レーザ部
2A、2B、12aA、12aB レーザユニット
3、13a 出射端面
4、14a 導波路
5、15 半導体光増幅器
6、7、16、17 低反射膜
8 基板
9 n側電極
20 光合波器
21、51 n−InPバッファ層
22、52 n−InPクラッド層
23、53 MQW−SCH活性層
24,54 p−InPクラッド層
25A スペーサ層
25B p−InP埋め込み層
26’ 回折格子形成層
26、26A、26B 回折格子
27,57 p−InGaAsPコンタクト層
28A、28B、58 p側電極
29 分離溝
41 ノンドープInPクラッド層
42 p−InGaAsP活性層
43 ノンドープInPクラッド層
55A 第2のp−InPクラッド層
55B 第3のp−InPクラッド層
【発明の属する技術分野】
本発明は、一つの装置で多数の波長を発振させることが可能な多波長レーザ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバ通信網における波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplex)システムの導入により、シングルモードかつ同調可能、しかも1300から1600nmの波長帯で狭線幅の発振が可能な光源が必要とされている。例えば、InGaAsP系分布帰還型(DFB:Distributed Feedback)レーザは上記要望をある程度満たしている。しかしながら、更なる高密度波長分割多重(DWDM:Dense Wavelength Division Multiplex)システムの急速な進歩には、実用的なアプリケーションに対して広い連続同調範囲と多波長発生を有し、かつコンパクトな多波長レーザ装置が必要とされている。
【0003】
このような要望を満足する光源として、共通の基板上に複数のレーザユニットを直列配置した多波長レーザ装置が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−251691号公報
【特許文献2】
特表2002−511979号公報
【0005】
ここで、特開平11−251691号公報及び特表2002−511979号公報に記載された技術を図6及び図7を用いて説明する。
【0006】
図7に示すように、特開平11−251691号公報に記載の多波長レーザ装置100は、第1の利得結合型DFBレーザユニット111と第2の利得結合DFBレーザユニット113を含み、これらは矢印方向と同じ光軸に沿って同軸方向に設けられた共振器を有する。前記レーザユニット111と113は、矢印方向に出力を有し、第1のレーザユニット111は、多波長レーザ装置100の出力端面127のより近くにある。多波長レーザ装置100は第1の閉じ込め領域を有する基板112上に形成される。活性層114は、多量子井戸構造116と、その中に形成される第1および第2の回折格子117、119と、閉じ込め領域120とを含む。
【0007】
その上に形成されるレーザユニットの励起手段は、基板126とのコンタクト、第1と第2のレーザユニット111、113をそれぞれ形成する第1と第2の電流閉じ込めリッジ122、124、および第1と第2のコンタクト電極130と132から構成される。第1と第2のコンタクト電極130と132は、各リッジの上に形成され、それぞれ直列構造へ電流を注入する。
【0008】
第1および第2の回折格子117と119は、位置的には、第1および第2のDFBレーザユニット111と113にそれぞれ対応する。回折格子は異なる格子周期を有し、各々λe=2Λneff(Λ:回折格子の周期、neff:導波路の等価屈折率)で定義される発振波長λeを有する。第1の回折格子117は、第2の回折格子119よりも短い発振波長を有する。多波長レーザ装置100の出力端面127の近くにある第1のレーザユニット111の発振波長は出力端面127から離れたところにある隣接レーザユニット113のストップ・バンド内には落ちないように形成される。
【0009】
このため、より遠くのレーザユニット113によって生成された光は、多波長レーザ装置100の出力端面127の近くにあるレーザユニット111を通過する。回折格子117と119の両方とも、活性層114に周期的に溝をエッチングすることによって作られる。エッチングの深さは、各レーザユニットが外部フィードバックおよびランダムな端面変化と実質的に関係しないように決められる。それによって、レーザユニット間では実質的な相互作用は行われない。
【0010】
また、図8に示すように特表2002−511979号公報に記載の多波長レーザ装置200は、nドープされたInP基板201である半導体板の上に構成される。多波長レーザ装置200は、複数のDFBレーザユニット203、203’から成り、この例では3個のレーザユニットが示されている。これらレーザユニットは、1列に、相互に隣接して位置し、No.1、No.2、No.3と番号が付けられており、各々異なる周期を持っている回折格子205を有している。各レーザユニット203、203’は基本的に他のレーザユニットとは無関係に動作し、これによりもし適当な電流がそれに供給されると、他のレーザとは無関係にレーザ光を出射させることが出来る。
【0011】
回折格子205の周期は、相互の間で適当な又は十分な差を持つよう適宜選択される。個々のレーザユニット203、203’の間の波長分離及び単位長さ当たりの回折格子の結合強度は、ストップ・バンドが他のレーザユニットの透明波長帯域と重複しない様な方法で選択される。DFBレーザユニットに対する典型的な値は、結合強度κ=50cm−1(10cm−1から100cm−1間で可変)、λ=1.55μm、またn=3.25、これはストップ・バンドの帯域幅Δλ=1.2nmを与える。典型的な場合において、以下の温度制御により得られるこれら波長間の適当な重複を維持するため、レーザから発射される光の夫々の波長の間の差は、典型的には約3〜5nmとすることが出来る。
【0012】
全てのレーザユニットは、基板201の裏面にある様な共通の接地接点207を持つ。レーザユニット内の活性層209は、1550nm(Q1.55)のルミネセンス波長を持つInGaAsP(バルク材料又は量子井戸)で作られる。活性層209の情報には回折格子205が配置される。各レーザユニット203、203’は、各々独立した電気接点211をその頂面に持つ。レーザ203、203’は、分離溝213により相互に電気的に分離される。レーザ203、203’は、導波層215により相互に光学的に接続される。
【0013】
レーザユニット203’に隣接して、レーザユニット203、203’の列の端に、電界吸収型の光強度変調器217を配置することができる。この層219は、レーザ203、203’を相互に接続する導波層215と同じ形式の受動導波管221の上部に位置する。光強度変調器の層219は、その頂部側に、変調電圧を供給するための電気接点223を持つ。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
いずれの多波長レーザ装置においても、隣接するレーザユニットのストップ・バンドにかからないように各レーザユニットの発振波長を設定するようにしている。しかしながら、これらの多波長レーザ装置において、各レーザユニットの発振波長を典型的なストップ・バンド幅である3〜5nmより遠くに離して設定した場合であっても、使用帯域においてI−L(注入電流−光出力)特性上にキンクが発生してしまい、十分な出力値を得ることができないことがあった。
【0015】
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、高出力な多波長レーザ装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1にかかる多波長レーザ装置は、基板上に、1つの出射端面を有するように同じ光軸に沿って軸方向にレーザユニットが複数個直列に配置されたレーザ部を有し、前記レーザユニットは、a)多重量子井戸を含む活性層と、b)活性層を励起する励起手段と、c)回折格子層を有し、前記レーザユニットの発振波長は前記レーザ部の出射端面に近いレーザユニットほど短く、かつ前記発振波長は隣接するレーザユニットの回折格子による反射率が10%以下となっていることを特徴としている。
【0017】
この多波長レーザ装置によれば、I−L特性において、実用的な使用範囲ではキンクが生じないような多波長レーザ装置を提供することができる。
【0018】
また、請求項2にかかる多波長レーザ装置は、上記発明において、前記レーザ部が少なくとも複数列並列に配置され、かつ前記レーザ部の出射端面方向には光合成器が配置されていることを特徴としている。このようにすると多波長レーザ装置としての発振波長の帯域幅をより広くすることができる。なお、光光合成器としては、MMI(Multi−Mode Interferometer)カプラ、スターカプラ、半導体アレイ導波路回折格子(AWG;Arrayed Waveguide Grating)などがあるが、小型化や設計、作製の容易さの点からMMIカプラを用いることが好ましい。
【0019】
また、請求項3にかかる多波長レーザ装置は、上記発明において、前記レーザ部の出射端面方向に半導体光増幅器(SOA;Semiconductor Optical Amplifier)が配置されていることを特徴としている。半導体光増幅器を設けると光合成器での損失を補償することができる。この半導体光増幅器は前記レーザ部の各出射端面近傍に設けることもできるが、半導体光増幅器の数は少なくしたほうが駆動電流の供給箇所を少なくすることができ、小型化、組立が容易になる。したがって、半導体光増幅器を光合成器の出力端近傍に設けて、出力光を合成した後、増幅することが最も好ましい。
加えて、請求項3にかかる多波長レーザ装置は、半導体光増幅器の長さを長くすることにより、より高出力のレーザ光を得ることができる。また、請求項3にかかる多波長レーザ装置はレーザユニットが複数個直列に配置されたレーザ部という構成であるため、全てのレーザユニットを並列に配置した多波長レーザ装置に比べて、同じ出力のレーザ光を得ようとした場合に、半導体光増幅器の長さを短くすることができ、高出力でかつ小型化することが可能である。
【0020】
また、請求項4にかかる多波長レーザ装置は、上記発明において、前記レーザユニットが、屈折率結合型であることを特徴としている。レーザユニットを屈折率結合型とするとチップ歩留まりが良くなるため、更なる多波長化を目的としてアレイ化する際に有効である。
【0021】
また、請求項5にかかる多波長レーザ装置は、上記発明において、前記レーザユニットが、位相シフト部を有することを特徴としている。位相シフト部を有すると単一波長で発振しやすくなる。なお、単一波長でより発振させ易くするためには副モード抑圧比(SMSR;Side Mode Suppression Ratio)を大きくすることが有効であるが、この点からは、位相シフト部は各レーザユニット部の中央近傍に設けることが好ましい。
【0022】
さらに、前述した目的を達成するために、請求項6にかかる多波長レーザ装置は、基板上に、1つの出射端面を有するように同じ光軸に沿って軸方向にレーザユニットが複数個直列に配置されたレーザ部を有し、前記レーザユニットは、a)多重量子井戸を含む活性層と、b)活性層を励起する励起手段と、c)回折格子層を有する多波長レーザ装置であって、前記レーザユニットを前記レーザ部の出射端面側から順に第1のレーザユニット、第2のレーザユニット、…、第n−1のレーザユニット、第nのレーザユニットとし、各々のレーザユニットに流す電流をI1、I2、…、In−1、Inとした時、第nのレーザユニットからの光を出射させる場合には、In>I1、I2、…、In−1となるように電流を流すことを特徴としている。
【0023】
この多波長レーザ装置によれば、前述したようにI−L特性において、実用的な使用範囲ではキンクが生じないことに加え、かつ厳密な制御を必要とせず、良好な単一性を得ることができる。
【0024】
また、請求項7にかかる多波長レーザ装置は、上記発明において、前記Inが少なくとも前記I1、I2、…、In−1のうちの最も大きな電流値の略2倍以上であることを特徴とすることを特徴としている。このようにすると、より容易な制御で目的を達成することができる。なお、ここで、前記I1、I2、…、In−1は各々のしきい値電流の2〜3倍程度以下とすることが好ましい。このようにするとより安定して所望の、この場合には第nのレーザユニットからの光を出射させることができる。
【0025】
また、請求項8にかかる多波長レーザ装置は、基板上に、1つの出射端面を有するように同じ光軸に沿って軸方向にレーザユニットが複数個直列に配置されたレーザ部を有し、前記レーザユニットは、a)多重量子井戸を含む活性層と、b)活性層を励起する励起手段と、c)回折格子層を有する多波長レーザ装置であって、前記レーザユニットを前記レーザ部の出射端面側から順に第1のレーザユニット、第2のレーザユニット、…、第jのレーザユニット、…、第nのレーザユニットとし、各々のレーザユニットに流す電流をI’1、I’2、…、I’j、…、I’nとした時、第jのレーザユニットから光を出射させる場合には、I’j>I’1、I’2、…、I’j−1>I’j+1、…、I’nとなるように電流を流すことを特徴としている。
【0026】
この多波長レーザ装置もまた、前述したようにI−L特性において、実用的な使用範囲ではキンクが生じないことに加え、かつ厳密な制御を必要とせずに良好な単一特性を得ることができる。
【0027】
なお、請求項8にかかる多波長レーザ装置との違いは、光を出射させようとするレーザユニットの後段(出射端面とは逆側)にさらなるレーザユニットが存在することである。この後段に存在するレーザユニットは複数存在する場合もある。この場合には、各レーザユニットに流す電流は、「発振させようとするレーザユニットに流す電流値>発振させようとするレーザユニットの出射端面側に存在するレーザユニットに流す電流値>発振させようとするレーザユニットの後段に存在するレーザユニットに流す電流値」となるようにする。
【0028】
また、請求項9にかかる多波長レーザ装置は、上記発明において、前記I’jは少なくとも前記I’1、I’2、…、I’j−1のうちの最も大きな電流値の略2倍以上であることを特徴としている。このようにすると、より容易な制御で目的を達成することができる。なお、ここで、前記I’1、I’2、…、I’j−1は各々のしきい値電流の2〜3倍程度以下とすることが好ましい。また、I’j+1、…、I’nは光を発振させようとする第n−1のレーザユニットの後方で反射などによる影響をなくすために、透明電流未満、さらに好ましくは略0とすることが好ましい。このようにするとより安定して所望の、この場合には第jのレーザユニットからの光を出射させることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に、添付図面を参照し、実施形態例を挙げて本発明の実施の形態を具体的かつ詳細に説明する。
実施形態例1
図1は、本実施形態例の多波長レーザ装置1を上部から見た模式図、図2は該多波長レーザ装置1を図1のA−A’断面で示す模式図である。
まず、図1を用いて本実施形態例の多波長レーザ装置1の概略について説明する。多波長レーザ装置1は、2つのレーザユニット2A、2Bを配置したレーザ部2を有する。また、レーザ部2の出射端面3は半導体光増幅器5と導波路4で光学的に接続されている。また、多波長レーザ装置1の両端面には、低反射率膜6、7が形成されている。
【0030】
次いで、本実施形態例の多波長レーザ装置1の詳細な構造について図2を用いてその製造方法と共に説明する。
多波長レーザ装置1は、レーザ部2、導波路4及び半導体光増幅器5により構成される。このうち、レーザ部2と半導体光増幅器5は回折格子206を有するか否かの違いであるため、両者は同時に形成され、その後、導波路4に相当する部分のみ除去し、導波路4を再成長させる。
【0031】
まず、n−InPからなる基板8上全面に、n−InPバッファ層21(51)を積層させ、次いで、n−InPクラッド層22(52)、MQW(Multi Quantum Well)−SCH(Separate Confinement Heterostructure;分離光閉込)活性層23(53)(ゲインピーク波長1550nm)、p−InPクラッド層24(54)、スペーサ層25A(第2のp−InPクラッド層55A)を積層させる。次いで、レーザ部2のみにInGaAsPからなる回折格子形成層26’を積層させ、電子描画装置を用いて回折格子パターンを形成し、不要な箇所をエッチング除去し、エッチングした箇所を埋め込むようにp−InP埋め込み層25Bを積層して回折格子26を形成する。
【0032】
ここで、この回折格子パターンは、レーザユニット2A及び2Bが設定された発振波長を有するように適宜定められる。したがって、回折格子26Aと回折格子26Bとではその周期が異なる。なお、前記p−InP埋め込み層25Bの形成と同時に半導体光増幅器5の第3のp−InPクラッド層55Bも積層され、最後にp−InGaAsPコンタクト層27(57)が積層される。さらにレーザ部2には、レーザユニット2Aと2Bを電気的に分離するための分離溝29が形成される。なお、ここで各レーザユニット2A、2Bは屈折率結合型であり、図示していないが、回折格子26A、26Bはそれぞれ中央付近に位相シフト部を有している。
【0033】
次いで、導波路4を形成するために、導波路4に相当する部分のn−InPバッファ層21(51)からp−InGaAsPコンタクト層27(57)に至るまでの半導体の積層体をエッチングで除去する。次いで、露出した基板上にノンドープInPクラッド層41、p−InGaAsP活性層42(ゲインピーク波長1300nm)、ノンドープInPクラッド層43を形成する。
【0034】
このようにして得た、半導体積層構造は適宜、リッジ形状にエッチングされ、その側面を他の図示しない半導体層で埋め込んだ後、低反射膜6、7を形成し、次いで上部にp側電極28A、28B、44、58を形成し、基板8裏面にn側電極9を形成し、本実施形態例の多波長レーザ装置1を作製した。
【0035】
このような多波長レーザ装置1において、回折格子の周期を変えることにより、レーザユニット2Aと2Bの波長差を表1のように変化させてI−L特性を測定した。なお、No.1〜5のレーザ部2の結合効率κは60cm−1である。I−L特性測定結果を図3のグラフに表す。
【0036】
【表1】
【0037】
表1における反射率とは、レーザユニット2Aの波長がレーザユニット2Bの回折格子に対してどのくらいの反射率を有しているかを示している。レーザユニット2Bの波長がレーザユニット2Aの回折格子に対して有する反射率もほぼ同じ値となる。
表1及び図3より、レーザユニット2A、2Bの波長がお互いの回折格子の反射率が10%以下となるNo.2〜5において、キンクが発現するキンク電流が100mA以上となり、非常に良好な特性が得られたことが分かる。
【0038】
また、図4に示すように、同様な構成でκを変化させると、他方のレーザユニットの回折格子に対する反射率が10%以下となる波長差は異なる。しかしながらこの場合であっても、発振された光の出力値は異なるものの、レーザユニット2A、2Bの波長がお互いの回折格子の反射率が10%以下となるように定められている時、キンクが発現するキンク電流は100mA以上となり、非常に良好な特性が得られた。
【0039】
以上により、キンク電流はレーザユニット2A、2Bの発振波長の差の絶対値ではなく、レーザユニットの回折格子の反射率が10%以下となるような波長差とすることにより、精度良く制御できることが分かった。また、特に上記実施例に示すように各レーザユニットの波長差は前記回折格子の反射率が5%以下となるようにするとより好ましい。
【0040】
なお、本実施形態例においては、半導体光増幅器5を用いたが、レーザ部2が1つの場合には、半導体光増幅器5は必須ではない。また、多波長レーザ装置1の出射端面側にEA(電界吸収型;Electro−Absorption)変調器などを設けると外部変調器を用いずに情報の伝送が可能になることから、システムの小型化、低コスト化などを達成できる点でより好ましい。
【0041】
実施形態例2
実施形態例2の多波長レーザ装置10を図5に示す。レーザ部12として12a、12b、12c、12d、12e、12fの6つが配置され、各レーザ部は各々2つのレーザユニットを有し、その出射端面側に導波路を介して光合波器20が配置されている。レーザ部12aを例に取って具体的に説明すると、レーザ部12aは、レーザユニット12aA、12aBを有し、その出射端面13a側に導波路14aを介して光合波器20が配置されている。以上の点以外は実施形態例1と同様である。また、前記光合成器13は導波路14と同様の構成及び製造方法であり、半導体積層構造をエッチングしてリッジ形状を作製する際のパターンだけが異なる。なお、各レーザ部12を構成するレーザユニットのκは50cm−1、各レーザユニットの共振器長は500μm(レーザ部12の共振器長は)、各レーザユニットの発振波長は表3の通りである。表3におけるレーザユニット12A、12Bとは、No.12aについてはレーザユニット12aA、レーザユニット12aB、No.12bについてはレーザユニット12bA、レーザユニット12bB(以下同様)を示す。
また、レーザ部12の出射端面と半導体光増幅器20の入射端面との距離、すなわち、導波路部分と光合成器13の共振器長手方向の長さは800μm、半導体光増幅器20の長さは1200μmであった。
【0042】
【表2】
【0043】
本実施形態例の多波長半導体レーザ装置10においても、レーザユニットの発振波長を他方のレーザユニットの回折格子の反射率が10%以下となるような値としたところ、もっとも小さいキンク電流値も200mAと良好な結果を得ることができた。
【0044】
しかしながら、上記実施形態例においては、井戸層のエネルギーバンドギャップ波長が1550nmであり、レーザ部12b、12cのレーザユニットAの発振波長とのデチューニングが比較的大きい(順に22nm、19nm)のに比べてレーザユニットBの発振波長とのデチューニングは非常に小さな値となっている(順に1nm、2nm)。このような場合には、レーザユニットAのみから発振させようとしても、駆動環境によってはレーザユニットBからも発振されてしまうことがある。このような問題を避けるためには、レーザユニットAとレーザユニットBの発振波長の組合せを例えば、表4に示したようにすることが有効である。
【0045】
【表3】
【0046】
このように、各レーザユニットの発振波長の組合せを変えることによって単一波長特性を容易に制御することもできる。
【0047】
なお、実施形態例1及び2の多波長半導体レーザ装置とも一つのレーザ部は2つレーザユニットを有する構成を採用したが、3つ以上のレーザユニットを有していても良いことは明らかである。また、これらの実施形態例の多波長半導体レーザ装置を構成する組成及びサイズなどはこれら実施の形態例に限られないことは明らかである。
【0048】
実施形態例3
実施形態例1の多波長レーザ装置1において、レーザユニット2Aの発振波長を1533nm、レーザユニット2Bの発振波長を1546nm、κ=50cm−1、各々のレーザユニットの共振器長を500μmとした多波長レーザ装置1を用いて、レーザユニット2Bからの光を発振させる際に、レーザユニット2Aに流す電流値を及びレーザユニット2Bに流す電流値を変えて発振波長の単一性について実験した結果を図6に示す。なお、本実施形態例における各レーザユニット2A及び2Bのしきい値電流は20mA程度である。
【0049】
図6より、レーザユニット2Aにしきい値電流の約2.5倍以下の電流を流し、かつレーザユニット2Bにレーザユニット2Aに流した電流値の約2倍以上の電流を流した際に単一性が優れていることが分かる。
【0050】
なお、ここでは、レーザユニット2Bへ流す電流値を固定し、レーザユニット2Aへ流す電流値の大きさを変化させたが、本願発明の範囲を満足させる範囲であれば、単一性に関係するのは両者の相対的な大きさの差であり、本実施形態例の数値及び形態に限定されるものではない。
【0051】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明にかかる多波長レーザ装置によれば、レーザ部を構成するレーザユニットの発振波長を隣接するレーザユニットの回折格子の反射率が10%以下になるような波長としたことにより、キンクに影響されることなく、十分に高出力でかつ対応する波長域の広い多波長レーザ装置を得ることができる。
【0052】
また、さらに上述した多波長レーザ装置において、各レーザユニットに流す電流値を本願発明で定めたようにすることにより、厳密な制御を要することなく、容易に良好な単一性を有する多波長レーザ装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、第一の実施形態例に関する多波長レーザ装置の一実施形態例を示す模式図である。
【図2】図2は、図1のA−A’断面を示す模式図である。
【図3】図3は、第1の実施形態例の多波長レーザ装置において、レーザユニット2Aと2Bの波長差を変化させた時のI−L特性の結果を示す図である。
【図4】図4は、κを変化させた時の反射スペクトルを示す図である。
【図5】図5は、本願発明に関する多波長レーザ装置の他の実施形態例を示す模式図である。
【図6】図6は、従来の多波長レーザ装置を示す模式図である。
【図7】図7は、従来の他の多波長レーザ装置を示す模式図である。
【図8】
【符号の説明】
1、10 多波長レーザ装置
2、12、12a、12b、12c、12d、12e、12f レーザ部
2A、2B、12aA、12aB レーザユニット
3、13a 出射端面
4、14a 導波路
5、15 半導体光増幅器
6、7、16、17 低反射膜
8 基板
9 n側電極
20 光合波器
21、51 n−InPバッファ層
22、52 n−InPクラッド層
23、53 MQW−SCH活性層
24,54 p−InPクラッド層
25A スペーサ層
25B p−InP埋め込み層
26’ 回折格子形成層
26、26A、26B 回折格子
27,57 p−InGaAsPコンタクト層
28A、28B、58 p側電極
29 分離溝
41 ノンドープInPクラッド層
42 p−InGaAsP活性層
43 ノンドープInPクラッド層
55A 第2のp−InPクラッド層
55B 第3のp−InPクラッド層
Claims (9)
- 基板上に、1つの出射端面を有するように同じ光軸に沿って軸方向にレーザユニットが複数個直列に配置されたレーザ部を有し、前記レーザユニットは
a)多重量子井戸を含む活性層と
b)活性層を励起する励起手段と
c)回折格子層
を有し、前記レーザユニットの発振波長は前記レーザ部の出射端面に近いレーザユニットほど短く、かつ前記発振波長は隣接するレーザユニットの回折格子による反射率が10%以下となっていることを特徴とする多波長レーザ装置。 - 前記レーザ部が少なくとも複数列並列に配置され、かつ前記レーザ部の出射端面方向には光合成器が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の多波長レーザ装置。
- 前記レーザ部の出射端面方向には半導体光増幅器が配置されていることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の多波長レーザ装置。
- 前記レーザユニットは、屈折率結合型であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の多波長レーザ装置。
- 前記レーザユニットは、位相シフト部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の多波長レーザ装置。
- 基板上に、1つの出射端面を有するように同じ光軸に沿って軸方向にレーザユニットが複数個直列に配置されたレーザ部を有し、前記レーザユニットは
a)多重量子井戸を含む活性層と
b)活性層を励起する励起手段と
c)回折格子層
を有する多波長レーザ装置であって、前記レーザユニットを前記レーザ部の出射端面側から順に第1のレーザユニット、第2のレーザユニット、…、第n−1のレーザユニット、第nのレーザユニットとし、各々のレーザユニットに流す電流をI1、I2、…、In−1、Inとした時、第nのレーザユニットからの光を出射する場合には、In>I1、I2、…、In−1となるように電流を注入することを特徴とする多波長レーザ装置。 - 前記Inは少なくとも前記I1、I2、…、In−1のうちの最大電流値の略2倍以上であることを特徴とする請求項6に記載の多波長レーザ装置。
- 基板上に、1つの出射端面を有するように同じ光軸に沿って軸方向にレーザユニットが複数個直列に配置されたレーザ部を有し、前記レーザユニットは
a)多重量子井戸を含む活性層と
b)活性層を励起する励起手段と
c)回折格子層
を有する多波長レーザ装置であって、前記レーザユニットを前記レーザ部の出射端面側から順に第1のレーザユニット、第2のレーザユニット、…、第jのレーザユニット、…、第nのレーザユニットとし、各々のレーザユニットに流す電流をI’1、I’2、…、I’j、…、I’nとした時、第jのレーザユニットから光を出射させる場合には、I’j>I’1、I’2、…、I’j−1>I’j+1、…、I’nとなるように電流を注入することを特徴とする多波長レーザ装置。 - 前記I’jは少なくとも前記I’1、I’2、…、I’j−1のうちの最大電流値の略2倍以上であることを特徴とする請求項8に記載の多波長レーザ装置。
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