JP4601103B2 - 共重合体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は化学増幅型レジスト等として使用した場合に、溶剤に対する溶解性が良好で不溶分の少ないp−ビニルフェノール系共重合体、その前駆共重合体、およびそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
p−ビニルフェノール(別名:4−ヒドロキシスチレン)の単独重合体および共重合体は金属処理組成物およびフォトレジストの製造といった多くの用途に使用できる重合体である。しかし、p−ビニルフェノールは不安定な化合物であり、重合用の原料として工業的に適していない。p−ビニルフェノールの酢酸エステルであるp−アセトキシスチレンは安定なモノマーであり、容易に単独重合あるいは共重合することができる。重合後、フェノールエステル基を加水分解すると、p−ビニルフェノール系重合体を製造することができる。
【0003】
近年、集積回路の高集積化に伴ってサブミクロンのパターン形成が要求されている。そこで、脂環式骨格を有する単量体とp−アセトキシスチレンとを共重合させた二元系共重合体のフェノールエステル基を加水分解して得られるp−ビニルフェノール系共重合体を化学増幅型レジストとして用いることが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような組み合わせの二元系共重合体のフェノールエステル基を加水分解して得られるp−ビニルフェノール系重合体を化学増幅型レジスト等として使用すべく溶剤に溶解させた場合、溶剤に対する溶解性が悪いために溶剤不溶分が生じ、それが化学増幅型レジスト等の濾過工程におけるフィルター詰まり等の原因になっていた。
【0005】
よって、本発明の課題は、溶剤に対する溶解性が良好で不溶分の少ないp−ビニルフェノール系共重合体、その前駆共重合体である脂環式骨格を有する単量体とp−アセトキシスチレンとを共重合させた共重合体、およびそれらの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題に鑑み、p−ビニルフェノール系共重合体の溶解性について鋭意検討した結果、脂環式骨格を有する単量体とp−アセトキシスチレンを特定の方法で重合させて得られた前駆共重合体を加水分解して製造されたp−ビニルフェノール系共重合体が化学増幅型レジスト等の溶剤に対する溶解性が良好で、不溶分の少ない好適な共重合体となることを見出し本発明に至った。
【0007】
すなわち、本発明は、少なくとも脂環式骨格を有する単量体とp−アセトキシスチレンを重合して得られる共重合体であって、前記脂環式骨格を有する単量体が、脂環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルであり、共重合体中のp−アセトキシスチレンの共重合組成分布が、前記共重合体が、共重合体溶液をゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(GPC)にて10個のフラクションに分取し、各フラクションについて 1 H−NMRの測定を行って得られる、各フラクションにおけるp−アセトキシスチレンの共重合組成(モル%)が、 1 H−NMR測定によって得られる、共重合体全体のp−アセトキシスチレンの平均共重合組成(モル%)の−10〜+10モル%内であることを特徴とする共重合体、およびこの共重合体を、アルカリにより加水分解して得られる共重合体である。
【0008】
また本発明は、少なくとも脂環式骨格を有する単量体とp−アセトキシスチレンが含まれる単量体成分と、重合開始剤と、溶剤からなる混合溶液を、重合温度に加熱した溶剤中に滴下することを特徴とする共重合体の製造方法、およびこの製造方法により得られた共重合体をアルカリにより加水分解することを特徴とするp−ビニルフェノール系共重合体の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明するが、脂環式骨格を有する単量体とp−アセトキシスチレンを重合して得られる共重合体を便宜上「前駆共重合体」と呼び、この共重合体をアルカリにより加水分解して得られる共重合体を便宜上「共重合体」と呼ぶことにする。
【0010】
本発明の前駆共重合体の製造方法としては、あらかじめ、少なくとも脂環式骨格を有する単量体とp−アセトキシスチレンが含まれる単量体成分、重合開始剤を有機溶剤に溶解させた混合溶液を一定温度に保持した有機溶剤中に滴下する方法が好ましい方法として例示できる。
【0011】
この前駆共重合体の製造方法に用いられる脂環式骨格を有する単量体としては、特に限定されないが、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、および、これらの置換体からなる群から選ばれる少なくとも1種以上が好ましい。具体的には、1−イソボニルメタクリレート、2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタン、シクロヘキシルメタクリレート、アダマンチルメタクリレート、トリシクロデカニルメタクリレート、ジシクロペンタジエニルメタクリレート等が挙げられ、これらは必要に応じて単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0012】
上記脂環式骨格を有する単量体は、単量体成分全体に対して5〜50モル%の範囲で用いられることが好ましく、より好ましくは15〜35モル%の範囲である。脂環式骨格を有する単量体が5モル%未満では、得られる前駆共重合体のフェノールエステル基を加水分解して得られるp−ビニルフェノール系共重合体を化学増幅型レジストに使用した場合の感度と解像度が不十分になることがあり、50モル%を超えるとp−アセトキシスチレンの仕込量が著しく減ってしまうので好ましくない。
【0013】
前駆共重合体の製造方法に用いられるp−アセトキシスチレンは、単量体成分全体に対して、50〜95モル%の範囲で用いられることが好ましく、より好ましくは、65〜85モル%の範囲である。p−アセトキシスチレンが50モル%未満では、得られる前駆共重合体のフェノールエステル基を加水分解して得られるp−ビニルフェノール系共重合体を化学増幅型レジスト等として使用する場合のドライエッチング耐性が不十分となり、95モル%を超えると、脂環式骨格を有する単量体の仕込量が著しく減ってしまうので好ましくない。
【0014】
また、前駆共重合体の製造方法に用いられる単量体成分としては、上記脂環式骨格を有する単量体とp−アセトキシスチレン以外に、これらと共重合可能なビニル系単量体を用いてもよい。
【0015】
このようなビニル系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族アルケニル化合物;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のメタクリル酸エステル;メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸;アクリルアミド、塩化ビニル、エチレン等が挙げられる。これらは必要に応じて単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0016】
得られる前駆共重合体のフェノールエステル基を加水分解して得られるp−ビニルフェノール系共重合体を化学増幅型レジストに使用する場合は、上記ビニル系単量体は、レジストの感度、解像度、ドライエッチング耐性を損なわない範囲で用いることが好ましく、通常これは単量体成分全体に対して20モル%以下である。
【0017】
前駆共重合体の製造方法において、単量体成分等を溶解する溶剤および被滴下溶剤は、単量体成分、重合開始剤、および、得られる前駆共重合体のいずれも溶解できる溶剤であればよい。このような溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸イソブチル等のエーテル類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類等が挙げられる。
【0018】
前駆共重合体の製造方法で用いられる重合開始剤は、熱により効率的にラジカルを発生するものであればよい。このような重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物等が挙げられる。
【0019】
前駆共重合体の製造方法における重合温度は、用いる溶剤の沸点、用いる重合開始剤の分解温度等によって決定され、特に限定されないが、重合温度が低すぎると反応時間が長くなり、生産性が低下するので好ましくなく、重合温度が高すぎると反応の制御が難しくなるので好ましくない。重合温度の好適な範囲は、例えば、50〜150℃の範囲とされる。
【0020】
本発明の前駆共重合体の製造方法における滴下速度は、特に限定されるものではない。また、滴下時間も特に限定されないが、通常6時間以上であり、さらに滴下終了後2時間程度その温度を保持し、重合を完結させることが好ましい。
【0021】
このようにして製造された前駆共重合体溶液は、適当な溶液粘度に調製された後、メタノール、水等の多量の貧溶媒中に滴下して析出させる。その後、その析出物を濾別、十分に乾燥する。この工程は、再沈と呼ばれ、場合により不要となることもあるが、重合溶液中に残存する未反応の単量体、あるいは、重合開始剤等を取り除くために非常に有効である。これらの未反応物がそのまま残存していると、前駆共重合体のフェノールエステル基を加水分解して得られるp−ビニルフェノール系共重合体を化学増幅型レジスト等として使用する場合には、特定波長の透過率に悪影響を及ぼす可能性があるため、できれば取り除いた方が好ましい。
【0022】
前駆共重合体の重量平均分子量は、特に限定されないが、前駆共重合体のフェノールエステル基を加水分解して得られるp−ビニルフェノール系共重合体を化学増幅型レジスト等として使用する場合は、1,000〜100,000の範囲が好ましい。重量平均分子量は、大きいほどドライエッチング耐性に優れ、小さくなるほど感度、解像度が向上する。
【0023】
前駆共重合体中のp−アセトキシスチレンの平均共重合組成は、特に限定されないが、50〜95モル%の範囲が好ましく、より好ましくは65〜85モル%の範囲である。p−アセトキシスチレンの平均共重合組成がこの範囲内にあると、前駆共重合体のフェノールエステル基を加水分解して得られるp−ビニルフェノール系共重合体を化学増幅型レジスト等として使用する場合にドライエッチング耐性と、感度、解像度とのバランスが良好になる。
【0024】
前駆共重合体中のp−アセトキシスチレンの平均共重合組成の数値は、共重合体の1H−NMRを測定し、得られる特定の1Hシグナル強度の比率から平均共重合組成を計算することにより求められる。1H−NMR測定によって得られる平均共重合組成は、共重合体製造時に仕込んだ単量体の割合とほぼ一致する。
【0025】
また、前駆共重合体中のp−アセトキシスチレンの共重合組成分布は、その平均共重合組成の−10〜+10モル%内であることが好ましい。前駆共重合体中のp−アセトキシスチレンの共重合組成分布が、その平均共重合組成の−10〜+10モル%の範囲を超えて拡がると、前駆共重合体のフェノールエステル基を加水分解して得られるp−ビニルフェノール系共重合体を化学増幅型レジスト等に使用する場合に、溶剤に対する溶解性が悪くなり、不溶分が増加する場合がある。
【0026】
前駆共重合体中のp−アセトキシスチレンの共重合組成分布は、各共重合体鎖ごとのp−アセトキシスチレンの共重合組成が、上記1H−NMR測定によって得られる平均共重合組成からどれだけばらついているかを示すものである。
【0027】
前駆共重合体中のp−アセトキシスチレンの共重合組成分布の測定方法は、前駆共重合体のクロロホルム溶液をゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(GPC)にて10個のフラクションに分割し、各フラクションについて1H−NMRの測定を行い、各フラクションにおけるp−アセトキシスチレンの共重合組成を求める方法を用いる。
【0028】
各共重合体鎖ごとのp−アセトキシスチレンの共重合組成が、その平均共重合組成からばらついてしまうのは、脂環式骨格を有する単量体とp−アセトキシスチレンのように、極性が大きく異なり、かつ、一方が大きな環状骨格を有する単量体を共重合させる場合、それぞれの単量体の重合反応性が大きく異なるからである。すなわち、両者はランダムに共重合しにくく、特にバッチ重合においては、重合の初期と後期で(即ち、重合率によって)得られる共重合体鎖において単量体の共重合組成が大きく偏ったものが生成することが原因である。
【0029】
また、p−アセトキシスチレンの共重合組成分布が広い前駆共重合体を加水分解して得られたp−ビニルフェノール系共重合体の溶解性が悪くなる理由は次のように推定される。すなわち、p−ビニルフェノール系共重合体を溶解する化学増幅型レジスト用等の溶剤は、単量体の平均組成比に合わせて選択されるが、p−アセトキシスチレンの共重合組成分布が広い前駆共重合体を加水分解して得られたp−ビニルフェノール系共重合体は、前駆共重合体と同様にp−ビニルフェノールの共重合組成分布が広く、共重合組成が大きく偏った共重合体を含むため、溶剤に対する溶解性が悪くなると推定される。
【0030】
本発明のp−ビニルフェノール系共重合体は、上記前駆共重合体をアルカリにより加水分解することにより得られる。このような加水分解の方法としては、乾燥した前駆共重合体の粉体をアルカリと接触させ、フェノールエステル基を加水分解してp−ビニルフェノールとしたものを濾別、乾燥する方法が例示できる。
【0031】
加水分解に用いるアルカリとしては、例えば、ジメチルアミノピリジン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等が挙げられ、特にジメチルアミノピリジン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドが好ましい。
【0032】
このようにして得られた本発明のp−ビニルフェノール系共重合体を化学増幅型レジスト用樹脂等として使用するには、これを化学増幅型レジスト用等の溶剤に溶解させる。この溶剤は、目的に応じて任意に選択されるが、本発明のような脂環式骨格とp−ビニルフェノール骨格を有する共重合体は、それらの極性が大きく異なるため、溶剤の選択が非常に難しく、また、溶剤の選択は樹脂の溶解性以外の理由、たとえば、塗膜の均一性、外観、あるいは安全性等から制約を受ける。
【0033】
これらの条件を満たす化学増幅型レジスト用等の溶剤としては、例えば、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサン、ジグライム等が挙げられる。
【0034】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。ここで「部」は、特に断りがない限り、「重量部」を意味する。
【0035】
また、共重合体の物性の測定は、以下の方法を用いて行った。
・重量平均分子量
ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(GPC)により、ポリメタクリル酸メチル換算で求めた。溶剤には、クロロホルムを使用した。
【0036】
・p−アセトキシスチレンの平均共重合組成(モル%)
1H−NMRの測定により求めた。溶剤には、重クロロホルムを使用した。
【0037】
・p−アセトキシスチレンの共重合組成分布
共重合体をクロロホルムに溶解し、この溶液をGPCにて10個のフラクションに分取し、各フラクションについて1H−NMRの測定を行い、共重合体中のp−アセトキシスチレンの共重合組成を求めた。最もp−アセトキシスチレンの共重合組成が高かったものを最大組成(モル%)とし、最もp−アセトキシスチレンの共重合組成が低かったものを最小組成(モル%)とした。
【0038】
・溶解性
乳酸エチル、およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートそれぞれ7部に共重合体1部を添加し、室温で2時間撹拌し、溶液の状態を観察した。判定は、不溶分がなく、溶液が透明なものを○、不溶分があり、溶液が不透明なものを×とした。
【0039】
(実施例1)
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、1,4−ジオキサン20.0部を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。1−イソボニルメタクリレート11.1部、p−アセトキシスチレン18.0部、1,4−ジオキサン62.5部、アゾビスイソブチロニトリル1.9部を混合した単量体溶液を一定速度で6時間かけて、フラスコ中に滴下し、その後、80℃の温度を2時間保持した。次いで、得られた反応溶液を1,4−ジオキサンで約2倍に希釈し、約10倍量のメタノール中に撹拌しながら滴下し沈殿を得た。得られた沈殿を濾別し、減圧下60℃で約40時間乾燥して前駆共重合体Aを得た。得られた前駆共重合体Aの各物性を表1に示す。
【0040】
ついで、得られた前駆共重合体Aを10部、ジメチルアミノピリジン1部、メタノール100部を窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに入れ、窒素雰囲気下で、スラリーを70℃で15時間攪拌する。得られた反応溶液を1000部の水中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物の沈殿を得た。得られた沈殿を濾別し、減圧下60℃で約40時間乾燥しp−ビニルフェノール系共重合体Aを得た。得られたp−ビニルフェノール系共重合体Aの溶解性を表2に示す。
【0041】
(実施例2)
単量体、およびその仕込量を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様に合成を行い、前駆共重合体Bを経てp−ビニルフェノール系共重合体Bを得た。前駆共重合体Bの各物性を表1に、p−ビニルフェノール系共重合体Bの溶解性を表2に示す。
【0042】
(比較例1)
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、1−イソボニルメタクリレート11.1部、p−アセトキシスチレン18.0部、1,4−ジオキサン82.5部、アゾビスイソブチロニトリル3.8部を全量入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げ、その温度で8時間重合させた。次いで、得られた反応溶液を1,4−ジオキサンで約2倍に希釈し、約10倍量のメタノール中に撹拌しながら滴下し共重合体の沈殿を得た。得られた沈殿を濾別し、減圧下60℃で約40時間乾燥して前駆共重合体Cを得た。得られた前駆共重合体Cの各物性を表1に示す。
【0043】
ついで、得られた前駆共重合体10部、ジメチルアミノピリジン1部、メタノール100部を窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに入れ、窒素雰囲気下で、スラリーを70℃で15時間攪拌する。得られた反応溶液を1000部の水中に攪拌しながら滴下し、白色の析出物の沈殿を得た。得られた沈殿を濾別し、減圧下60℃で約40時間乾燥しp−ビニルフェノール系共重合体Cを得た。得られたp−ビニルフェノール系共重合体Cの溶解性を表2に示す。
【0044】
(比較例2)
単量体、およびその仕込量を、表1に示すように変更した以外は、比較例1と同様に合成を行い、前駆共重合体Dを経てp−ビニルフェノール系共重合体Dを得た。前駆共重合体Dの各物性を表1に、p−ビニルフェノール系共重合体Dの溶解性を表2に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
これらの結果より、実施例の製造方法により得られたp−ビニルフェノール系共重合体は、化学増幅型レジスト用等の溶剤に対する溶解性が良好で、不溶分がないことがわかった。また、これらの前駆共重合体において、p−アセトキシスチレンの共重合組成分布は、p−アセトキシスチレンの平均共重合組成の−10〜+10モル%の範囲内にあることがわかった。
【0048】
【発明の効果】
本発明の共重合体の製造方法によれば、溶剤に対する溶解性が良好で不溶分の少ないp−ビニルフェノール系共重合体、およびその前駆共重合体が得られる。
特に、p−アセトキシスチレンの共重合組成分布がその平均共重合組成の−10〜+10モル%以内である共重合体は、p−ビニルフェノール系共重合体の前駆共重合体として優れており、このような前駆共重合体をアルカリで加水分解して得られたp−ビニルフェノール系共重合体は、溶剤に対する溶解性が良好で不溶分がない。そのため、このようなp−ビニルフェノール系共重合体を化学増幅型レジスト等に用いることで、濾過工程におけるフィルター詰まりを防止することができる。
Claims (8)
- 少なくとも脂環式骨格を有する単量体とp−アセトキシスチレンを重合して得られる共重合体であって、
前記脂環式骨格を有する単量体が、脂環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルであり、
共重合体中のp−アセトキシスチレンの共重合組成分布が、前記共重合体が、共重合体溶液をゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(GPC)にて10個のフラクションに分取し、各フラクションについて 1 H−NMRの測定を行って得られる、各フラクションにおけるp−アセトキシスチレンの共重合組成(モル%)が、1 H−NMR測定によって得られる、共重合体全体のp−アセトキシスチレンの平均共重合組成(モル%)の−10〜+10モル%内であることを特徴とする共重合体。 - 脂環式骨格を有する単量体が、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1記載の共重合体。
- 脂環式骨格を有する単量体が、1−イソボニルメタクリレート、2−メタクリロイルオキシ−2−メチルアダマンタンからなる群から選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1記載の共重合体。
- 少なくとも脂環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルとp−アセトキシスチレンが含まれる単量体成分と、重合開始剤と、溶剤からなる混合溶液を、重合温度に加熱した溶剤中に滴下することを特徴とする共重合体の製造方法。
- 請求項4記載の共重合体の製造方法による請求項1ないし3の何れか一項記載の共重合体の製造方法。
- 請求項1ないし3の何れか一項記載の共重合体をアルカリにより加水分解して得られるp−ビニルフェノール系共重合体。
- 請求項4記載の共重合体の製造方法により得られた共重合体をアルカリにより加水分解することを特徴とするp−ビニルフェノール系共重合体の製造方法。
- 請求項4記載の共重合体の製造方法により得られた共重合体をアルカリにより加水分解することを特徴とする請求項6記載のp−ビニルフェノール系共重合体の製造方法。
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