JP2639770B2 - ポリビニルアルコール系グラフト共重合体 - Google Patents

ポリビニルアルコール系グラフト共重合体

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JP2639770B2
JP2639770B2 JP4266705A JP26670592A JP2639770B2 JP 2639770 B2 JP2639770 B2 JP 2639770B2 JP 4266705 A JP4266705 A JP 4266705A JP 26670592 A JP26670592 A JP 26670592A JP 2639770 B2 JP2639770 B2 JP 2639770B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリビニルアルコール
系グラフト共重合体に関するものであり、特に主鎖にポ
リビニルアルコール鎖を有し、グラフト鎖にポリスチレ
ン鎖を有するポリビニルアルコール系グラフト共重合体
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高分子材料の多様化に伴い、材料
自体の高機能化、高性能化が要求されている。これらの
ニーズに対応するためには、ホモポリマーの機能化のみ
では限界があるため、各種のブロック或いはグラフト共
重合体が注目されている。特にグラフト共重合体は、グ
ラフト鎖の一端がフリーであることから、各種ポリマー
とのブレンド性、環境応答性等において注目すべき機能
を有している。然しながら、多くのグラフト共重合体は
グラフト鎖の分子量に分布を有しており、この分子量分
布が重合体の物性に大きな影響を与えるため、重合体の
物性を微細に制御することが困難であるという問題が内
在している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ポリビニルアルコール
の機能化について考えると、グラフト鎖にポリスチレン
鎖を有するポリビニルアルコール−ポリスチレングラフ
ト共重合体は、ポリビニルアルコールとポリスチレンと
の互いに相反する性質、例えば親水性−疎水性、軟質−
硬質、結晶性−非結晶性を有していることから、その組
成に応じて種々の機能をポリビニルアルコールに付与す
ることが期待される。然しながら、これまで得られてい
るポリスチレンマクロモノマーと酢酸ビニルモノマーと
の共重合反応性が低いことや、酢酸ビニルセグメントの
ケン化に際してグラフト鎖が外れる等の問題があるた
め、このようなグラフト共重合体に関する報告は極めて
少ない。
【0004】従って本発明の目的は、ポリビニルアルコ
ール単位をベースとし、ポリスチレン単位をグラフト鎖
に有するポリビニルアルコール系グラフト共重合体及び
その製造方法を提供することにある。また本発明の他の
目的は、分子量分布の狭いポリスチレンを側鎖に有する
ポリビニルアルコール系グラフト共重合体及びその製造
方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記式
(1):
【化5】 で表されるビニルアルコール単位と、下記式(2):
【化6】 〔式中、R1 及びR2 は、水素原子、ハロゲンまたは炭
素数1〜8のアルキル基を示し、R3 は、アルキル基、
アルコキシ基、アミノ基及び水酸基から成る群より選択
された何れかの基を示し、nは、正の整数である、〕で
表されるポリスチレン単位とを有するポリビニルアルコ
ール系グラフト共重合体が提供される。
【0006】本発明によれば更に、下記式(3):
【化7】 〔式中、R1 〜R3 は、前記と同じ意味を示し、nは、
正の整数である、〕で表される末端ビニルシラン変性ポ
リスチレンと酢酸ビニルとをラジカル共重合して下記式
(4):
【化8】 〔式中、R1 〜R3 及びnは、前記と同じ意味を示し、
l及びmは、正の整数である、〕で表されるポリ酢酸ビ
ニル−ポリスチレングラフト共重合体を合成する工程
と、該グラフト共重合体をケン化する工程とから成る前
記のポリビニルアルコール系グラフト共重合体の製造方
法が提供される。
【0007】本発明においては、特に前記式(3) で表さ
れる末端ビニルシラン変性ポリスチレンをマクロモノマ
ーとして使用し、これを酢酸ビニルと共重合することに
よってポリスチレンをグラフト鎖に有するポリビニルア
ルコール系グラフト共重合体を合成することに成功した
ものである。即ち、上記の末端ビニルシラン変性ポリス
チレンは酢酸ビニルとの共重合性が高く、両者の共重合
体をスムーズに形成することができる。またこの共重合
体におけるC−Si−C結合は加水分解に対する安定性が
高く、ケン化に際してグラフト鎖が外れるという問題も
有効に解決された。
【0008】マクロモノマー;本発明のグラフト共重合
体は、前記式(3) で表される末端ビニルシラン変性ポリ
スチレンをマクロモノマーとして使用し、これを酢酸ビ
ニルと共重合させ、次いでケン化を行なうことによって
合成される。かかる変性ポリスチレン、即ちマクロモノ
マーは、片末端成長性のアニオン重合開始剤を使用し、
且つ重合停止剤としてビニルシランを用いてのアニオン
重合によって合成することができる。かかるアニオン重
合を行なうことによって分子量分布〔重量平均分子量
(Mw)/数平均分子量 (Mn)〕の狭い均一な分子量を有
するマクロモノマーが得られる。一般に、このマクロモ
ノマーの分子量分布は、1.1以下、特に1.10〜1.03の範
囲にあることが好ましい。分子量分布が 1.1を越える
と、グラフト鎖の長さが不均一となるため、グラフト共
重合体の物性制御が困難となるおそれがある。また、そ
の重合度(式(3) におけるn)は任意であるが、通常、
10〜100 であることが望ましく、最終目的物であるグラ
フト共重合体の物性に応じて適宜決定することができ
る。例えば、ポリスチレンの物性が強く反映されるグラ
フト共重合体を製造目的とすればその重合度が大きいも
のが使用され、その逆であれば重合度の低いものが使用
される。
【0009】本発明において、このマクロモノマーの合
成のために使用するアニオン重合開始剤としては、片末
端成長性である限り任意のもの、例えば、n−ブチルリ
チウム、エチルリチウム等のアルキルリチウム、n−ア
ミルナトリウム、トリフェニルメチルナトリウム等のア
ルキルナトリウム、KNH2 等の金属アミン類、アルフ
ィン触媒等を使用することができるが、特に有機溶媒に
易溶性であることからアルキルリチウム系の重合開始剤
が好適である。ここで、前記式(3) における基R3 は、
アニオン重合開始剤に由来する基であり、例えばn−ブ
チル基、エチル基、トリフェニルメチル基等のアルキル
基、イソプロポキシド基、エトキシド基等のアルコキシ
基、−NH2 , −NHC6 5 等のアミノ基及び水酸基
を挙げることができ、これらの中でもアルキル基が好適
である。尚、このアニオン重合開始剤の使用量は、目的
とするポリスチレンマクロモノマーの分子量に応じて適
宜選択することができるが、通常、スチレンとのモル比
(スチレン/開始剤)として10〜100 の割合で使用され
る。
【0010】また重合停止剤として使用されるビニルシ
ランは、例えば下記式(5):
【化9】 〔式中、R1 及びR2 は前記の通りであり、Xは、反応
性原子または反応性の官能基を示す、〕で表される。R
1 及びR2 は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン、
あるいはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、
ペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜8のアルキル基
であり、Xは、ハロゲン等の電気陰性度が高く脱離性の
大きい原子または基である。本発明においては、特に反
応性等の見地から、ジメチルビニルクロロシランが最も
好適に使用される。ここで、前記式(3) における基R1
及びR2 は、ビニルシラン中のR1 及びR2 に対応する
ものであり、例えばジメチルビニルクロロシランを重合
停止剤として使用した場合には、これらは何れもメチル
基となる。この重合停止剤の使用量は、通常、前記アニ
オン重合開始剤の3〜7倍モル量が適当である。
【0011】上記のアニオン重合開始剤及び重合停止剤
を用いてのスチレンの重合は、特に制限はないが、通
常、乾燥不活性ガス雰囲気下、適当な有機溶媒を用いて
の溶液重合によって行なうことが好適である。この有機
溶媒の適当な例としては、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、テトラヒドロフラン等を挙げることができる。また
重合温度についての制限も特にないが、分子量分布の制
御という点で、0℃以下、特に−30℃以下とすることが
望ましい。
【0012】酢酸ビニル系グラフト共重合体の合成;上
述したマクロモノマーと酢酸ビニルとのラジカル共重合
は任意の方法で行なうことができるが、一般的には工業
的製造に適するという見地から、適当な有機溶媒を用い
ての溶液重合によって行なうことが好適である。この有
機溶媒の適当な例としては、メタノール等のアルコール
系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒などを例示する
ことができる。ラジカル共重合にあたって、マクロモノ
マーと酢酸ビニルとの仕込組成には特に制限はなく、目
的とするグラフト共重合体の物性に応じて適宜選択する
ことができるが、通常、マクロモノマー/酢酸ビニルの
モル比が、0.0001〜0.10の範囲にあることが好適であ
る。またこのラジカル共重合に使用される重合開始剤と
しては、特に制限はなく、2,2'−アゾビスイソブチロニ
トリル等のアゾ系開始剤、過酸化ベンゾイル、過酸化カ
ーボネート等の過酸化物系開始剤などのそれ自体公知の
ものは何れも使用することができるが、取扱いが容易で
あるという点で、アゾ系開始剤が好適に使用される。こ
の重合開始剤は、その種類によっても異なるが、通常、
モノマーの全量(マクロモノマーと酢酸ビニルとの合計
量)に対して0.01〜1.0 重量%の量で使用されることが
好適である。
【0013】重合温度は、用いるラジカル重合開始剤の
種類に応じて適宜選択されるが、一般的には30〜90℃が
適当である。その他、使用するモノマー組成、開始剤の
使用量等の種々の条件は、目的とするポリビニルアルコ
ール系グラフト共重合体の物性に応じて適宜決定すれば
よい。
【0014】上記のラジカル共重合によって、前述した
式(4) で表される酢酸ビニル系ポリスチレングラフト共
重合体が得られる。この共重合体において、主鎖の重合
度(即ち、式(4) においてl+mに相当)は、特に制限
されるものではないが、取扱上の見地から3000以下とす
ることが好適である。尚、m/lの比は、マクロモノマ
ーと酢酸ビニルとの仕込組成に対応して0.0001〜0.10の
範囲にあることが望ましい。
【0015】ケン化;本発明のポリビニルアルコール系
グラフト共重合体は、上記で得られた酢酸ビニル系ポリ
スチレングラフト共重合体をケン化することによって得
られる。このケン化は、例えば酢酸ビニル系ポリスチレ
ングラフト共重合体をメタノールまたはメタノール/ベ
ンゼン混合溶液中に溶解し、水酸化ナトリウム等の水酸
化アルカリのメタノール溶液もしくは水溶液を添加、攪
拌することによって行なうことができる。ケン化度は、
通常98モル%以上とすることが好適である。
【0016】ポリビニルアルコール系グラフト共重合
体;上記で得られたケン化物を、メタノール、アセトン
等の貧溶媒で洗浄するか、或いは重合体の溶液(例えば
水溶液)を多量の貧溶媒中に滴下して沈澱させることに
より精製を行なう再沈澱法を繰り返し行なうことによ
り、前述した式(1) で表されるポリビニルアルコール単
位と、式(2) で表されるポリスチレン鎖を有する単位と
を有する本発明のポリビニルアルコール系グラフト共重
合体が得られる。このグラフト共重合体は、例えば下記
式(6):
【化10】 〔式中、R1 〜R3 及びl, m, nは前記の通り〕で表
される。
【0017】この様にして得られるポリビニルアルコー
ル系グラフト共重合体は、スチレン鎖の分子量、共重合
組成、主鎖の重合度等を変更することによってその物性
を、非常に幅ひろい範囲に変化させることができる。例
えば、主鎖の重合度については説明するまでもないが、
スチレン鎖の分子量を制御することによって、環境応答
性、各種ポリマーに対する相溶性等を大きく変化させる
ことができ、また共重合組成を変化させることによっ
て、親水性から疎水性へと変化させることもできる。特
に、このグラフト共重合体は、ポリスチレン鎖の分子量
分布の幅が狭いために、その物性の制御を微細な範囲で
行なうことが可能となる。このように、本発明のポリビ
ニルアルコール系グラフト共重合体は、その物性の制御
を微細な範囲で安定に行なうことができるため、その物
性に応じて、極めて広範囲での用途に適用することがで
きる。
【0018】
【実施例】実施例1 マクロモノマーの合成;十分に洗浄、乾燥を行なった50
mlナス型フラスコに三方コック及びマグネチックスター
ラを装備し、フラスコ内を窒素置換した後、該フラスコ
を 120℃のオイルバスに浸漬し、30分間減圧してフラス
コ内の水分を完全に除去した。次いでフラスコを室温ま
で冷却して窒素雰囲気にし、シリンジを用いて、 テトラヒドロフラン 12.5ml ベンゼン 12.5ml スチレン 3.00g(28.8mmol) を加え、攪拌しながら−30℃まで冷却した。これに、 n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液 0.75ml(1.75
mmol) を加え、30分間攪拌を行なった。次に、 ジメチルビニルクロロシラン 1.06g(8.75mmol) を加え、2時間室温で攪拌を行ない、反応混合物を1リ
ットルのメタノール中に滴下して生成重合物を沈澱分離
した。得られた重合物について、ベンゼン−メタノール
系溶媒を用いて溶解−再沈澱を繰り返して精製を行なっ
た。ここで得られた重合物は、NMR測定の結果、下記
式(7) で表される分子構造を有しているものであること
を確認した。
【化11】 またこの重合物の分子量及び分子量分布(Mw /Mn )
をGPCにより測定した。その結果及び収率を表1に示
す。尚、この分子量分布は1.04であり、単分散であるこ
とが確認された。
【0019】グラフト共重合体の合成;上記で得られた
重合物をマクロモノマーとして、アンプル管に、 該マクロモノマー 0.2 g 酢酸ビニル 4.19g 酢酸エチル 4.20g 2,2'−アゾビスイソブチロニトリル 0.017g を仕込み、窒素置換後封管し、60℃の恒温槽中に浸漬し
て4時間16分間重合を行なった。得られた重合生成物に
ついて、ベンゼン−石油エーテル系溶剤を用いて溶解−
再沈澱を繰り返すことにより精製を行ない、酢酸ビニル
系共重合体を得た(収率28%)。得られた共重合体の分
子量、組成等の共重合結果について、表2に示す。次い
で、前記共重合体 0.3gを、メタノール/テトラヒドロ
フラン(体積比:1/2)混合溶液80mlに溶解し、攪拌
しながら1N−NaOHメタノール溶液10mlを加えて3時間
ケン化反応を行なった。得られた反応物をメタノールで
洗浄した後、80℃で一昼夜減圧乾燥を行ない、目的とす
るポリビニルアルコール系グラフト共重合体を得た。得
られたグラフト共重合体は、 1H−NMRにより、表3
に示す組成を有するものであることを確認した。
【0020】実施例2 実施例1で合成されたマクロモノマーを使用し、下記の
仕込み組成及び重合条件を採用した以外は実施例1と同
様にラジカル共重合及びケン化を行なってポリビニルア
ルコール系グラフト共重合体を合成した。 (仕込み組成) マクロモノマー 0.4 g 酢酸ビニル 3.26g 酢酸エチル 3.25g 2,2'−アゾビスイソブチロニトリル 0.015g (重合条件) 重合時間 6時間24分 重合温度 60℃ 得られた酢酸ビニル系共重合体及びそれをケン化して得
られたポリビニルアルコール系グラフト共重合体の分子
量、組成等について、表2及び表3に示す。
【0021】実施例3 実施例1で合成されたマクロモノマーを使用し、下記の
仕込み組成及び重合条件を採用した以外は実施例1と同
様にラジカル共重合及びケン化を行なってポリビニルア
ルコール系グラフト共重合体を合成した。 (仕込み組成) マクロモノマー 0.60g 酢酸ビニル 3.02g 酢酸エチル 3.00g 2,2'−アゾビスイソブチロニトリル 0.014g (重合条件) 重合時間 10時間4分 重合温度 60℃ 得られた酢酸ビニル系共重合体及びそれをケン化して得
られたポリビニルアルコール系グラフト共重合体の分子
量、組成等について、表2及び表3に示す。
【0022】実施例4 マクロモノマーの合成;仕込み組成を次のように変更し
た以外は、実施例1と同様にマクロモノマーの合成を行
なった。 (仕込み組成) テトラヒドロフラン 20ml ベンゼン 10ml スチレン 3.6g(34.6ml) n−ブチルリチウム(n−ヘキサン溶液) 0.43ml(1.
01mmol) ここで得られた重合物は、NMR測定の結果、前記式
(7) と同様の構造を有していることを確認した。またこ
の重合物の分子量及び分子量分布(Mw /Mn )をGP
Cにより測定した。その結果及び収率を表1に示す。
尚、この分子量分布は1.09であり、単分散であることが
確認された。
【0023】グラフト共重合体の合成;上記で得られた
重合物をマクロモノマーとして使用し、下記仕込み組成
及び重合条件を採用した以外は実施例1と同様の操作を
行なってグラフト共重合体を合成した。 (仕込み組成) マクロモノマー 0.2 g 酢酸ビニル 3.92g 酢酸エチル 3.90g 2,2'−アゾビスイソブチロニトリル 0.016g (重合条件) 重合時間 3時間 重合温度 60℃ 得られた酢酸ビニル系共重合体及びそれをケン化して得
られたポリビニルアルコール系グラフト共重合体の分子
量、組成等について、表2及び表3に示す。
【0024】実施例5 実施例4で合成されたマクロモノマーを使用し、下記仕
込み組成及び重合条件を採用した以外は実施例1と同様
にラジカル共重合及びケン化の操作を行なってグラフト
共重合体を合成した。 (仕込み組成) マクロモノマー 0.40g 酢酸ビニル 3.00g 酢酸エチル 3.00g 2,2'−アゾビスイソブチロニトリル 0.014g (重合条件) 重合時間 5時間3分 重合温度 60℃ 得られた酢酸ビニル系共重合体及びそれをケン化して得
られたポリビニルアルコール系グラフト共重合体の分子
量、組成等について、表2及び表3に示す。
【0025】実施例6 実施例4で合成されたマクロモノマーを使用し、下記仕
込み組成及び重合条件を採用した以外は実施例1と同様
にラジカル共重合及びケン化の操作を行なってグラフト
共重合体を合成した。 (仕込み組成) マクロモノマー 0.60g 酢酸ビニル 2.35g 酢酸エチル 2.30g 2,2'−アゾビスイソブチロニトリル 0.012g (重合条件) 重合時間 10時間 重合温度 60℃ 得られた酢酸ビニル系共重合体及びそれをケン化して得
られたポリビニルアルコール系グラフト共重合体の分子
量、組成等について、表2及び表3に示す。
【0026】実施例7 実施例4で合成されたマクロモノマーを使用し、下記仕
込み組成及び重合条件を採用した以外は実施例1と同様
にラジカル共重合及びケン化の操作を行なってグラフト
共重合体を合成した。 (仕込み組成) マクロモノマー 0.76g 酢酸ビニル 1.47g 酢酸エチル 1.50g 2,2'−アゾビスイソブチロニトリル 0.009g (重合条件) 重合時間 12時間 重合温度 60℃ 得られた酢酸ビニル系共重合体及びそれをケン化して得
られたポリビニルアルコール系グラフト共重合体の分子
量、組成等について、表2及び表3に示す。
【0027】実施例8 マクロモノマーの合成;仕込み組成を次のように変更し
た以外は、実施例1と同様にマクロモノマーの合成を行
なった。 (仕込み組成) テトラヒドロフラン 20ml ベンゼン 10ml スチレン 3.6g(34.6ml) n−ブチルリチウム(n−ヘキサン溶液) 0.28ml(0.
66mmol) ここで得られた重合物は、NMR測定の結果、前記式
(7) と同様の構造を有していることを確認した。またこ
の重合物の分子量及び分子量分布(Mw /Mn )をGP
Cにより測定した。その結果及び収率を表1に示す。
尚、この分子量分布は1.09であり、単分散であることが
確認された。
【0028】グラフト共重合体の合成;上記で得られた
重合物をマクロモノマーとして使用し、下記仕込み組成
及び重合条件を採用した以外は実施例1と同様の操作を
行なってグラフト共重合体を合成した。 (仕込み組成) マクロモノマー 0.2 g 酢酸ビニル 4.27g 酢酸エチル 4.25g 2,2'−アゾビスイソブチロニトリル 0.018g (重合条件) 重合時間 3時間10分 重合温度 60℃ 得られた酢酸ビニル系共重合体及びそれをケン化して得
られたポリビニルアルコール系グラフト共重合体の分子
量、組成等について、表2及び表3に示す。
【0029】実施例9 実施例8で合成されたマクロモノマーを使用し、下記仕
込み組成及び重合条件を採用した以外は実施例1と同様
にラジカル共重合及びケン化の操作を行なってグラフト
共重合体を合成した。 (仕込み組成) マクロモノマー 0.40g 酢酸ビニル 2.85g 酢酸エチル 3.00g 2,2'−アゾビスイソブチロニトリル 0.013g (重合条件) 重合時間 6時間44分 重合温度 60℃ 得られた酢酸ビニル系共重合体及びそれをケン化して得
られたポリビニルアルコール系グラフト共重合体の分子
量、組成等について、表2及び表3に示す。
【0030】実施例10 実施例8で合成されたマクロモノマーを使用し、下記仕
込み組成及び重合条件を採用した以外は実施例1と同様
にラジカル共重合及びケン化の操作を行なってグラフト
共重合体を合成した。 (仕込み組成) マクロモノマー 0.60g 酢酸ビニル 2.23g 酢酸エチル 2.30g 2,2'−アゾビスイソブチロニトリル 0.011g (重合条件) 重合時間 10時間13分 重合温度 60℃ 得られた酢酸ビニル系共重合体及びそれをケン化して得
られたポリビニルアルコール系グラフト共重合体の分子
量、組成等について、表2及び表3に示す。
【0031】実施例11 実施例8で合成されたマクロモノマーを使用し、下記仕
込み組成及び重合条件を採用した以外は実施例1と同様
にラジカル共重合及びケン化の操作を行なってグラフト
共重合体を合成した。 (仕込み組成) マクロモノマー 0.76g 酢酸ビニル 1.40g 酢酸エチル 1.40g 2,2'−アゾビスイソブチロニトリル 0.009g (重合条件) 重合時間 12時間15分 重合温度 60℃ 得られた酢酸ビニル系共重合体及びそれをケン化して得
られたポリビニルアルコール系グラフト共重合体の分子
量、組成等について、表2及び表3に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】尚、マクロモノマー仕込み量及び共重合体
組成における各ユニットは、酢酸ビニル或いは酢酸ビニ
ル単位に対するモル%を示す。
【0035】
【表3】
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、分子量分布の狭いポリ
スチレンを有するグラフト鎖をポリビニルアルコールに
導入することができ、これによりポリビニルアルコール
の物性を微細な範囲で制御することが可能となり、ポリ
ビニルアルコールの適用範囲を著しく拡張することが可
能となった。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1): 【化1】 で表されるビニルアルコール単位と、下記式(2): 【化2】 〔式中、R1 及びR2 は、水素原子、ハロゲンまたは炭
    素数1〜8のアルキル基を示し、R3 は、アルキル基、
    アルコキシ基、アミノ基及び水酸基から成る群より選択
    された何れかの基を示し、nは、正の整数である、〕で
    表されるポリスチレン単位とを有するポリビニルアルコ
    ール系グラフト共重合体。
  2. 【請求項2】 下記式(3): 【化3】 〔式中、R1 〜R3 は、前記と同じ意味を示し、nは、
    正の整数である、〕で表される末端ビニルシラン変性ポ
    リスチレンと酢酸ビニルとをラジカル共重合して下記式
    (4): 【化4】 〔式中、R1 〜R3 及びnは、前記と同じ意味を示し、
    l及びmは、正の整数である、〕で表されるポリ酢酸ビ
    ニル−ポリスチレングラフト共重合体を合成する工程
    と、該グラフト共重合体をケン化する工程とから成る請
    求項1に記載のポリビニルアルコール系グラフト共重合
    体の製造方法。
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