JP3189152B2 - 無水マレイン酸系共重合体の製造方法 - Google Patents

無水マレイン酸系共重合体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は無水マレイン酸系共重合
体の新規な製造方法に関する。更に詳しくは無水マレイ
ン酸系共重合体を重合するにあたり、開始剤として第4
周期の第VII,VIII族から選ばれる金属のアセチ
ルアセトナート錯体の少なくとも1種類を用い、コモノ
マーにe値が−0.4以下であるコモノマーを用いるこ
とを特徴とする新規な製造方法に関する。本発明により
得られる重合体はコーティング剤、表面処理剤、シール
剤、粘着剤、金属捕捉剤、樹脂改質剤、分散剤として有
用であり、例えば紙や織物のサイズ剤、バインダー、ス
ケール防止剤、洗浄剤に応用できる。
【0002】
【従来の技術】従来より開始剤として第4周期の第VI
I,VIII族から選ばれる金属のアセチルアセトナー
ト錯体の少なくとも1種類を用いた重合はジャーナル・
オブ・マクロモレキュラー・サイエンス・ケミストリー
A,A2(5)905(1968)や東ソ−研究報告第
10巻第2号123(1966)等に記載されている。
前者の例ではメタクリル酸、スチレン、酢酸ビニルを塊
状重合しており、例えばメタクリル酸の重合例ではマン
ガンアセチルアセトナート錯体を開始剤とし、モノマー
に対し金属錯体開始剤を0.53wt%用いて80℃で
30分重合して15%の収率で重合体を得ている。
【0003】また後者の例ではスチレンをベンゼン溶媒
中で溶液重合しており、例えばスチレンとベンゼンを同
体積で混合し、マンガンアセチルアセトナート錯体を開
始剤としてモノマーに対し金属錯体開始剤を0.5wt
%用いて110℃で1時間重合して25%の収率で重合
体を得ている。
【0004】また工業化学雑誌72(3)751(19
69)においてはマンガンやコバルトのアセチルアセト
ナート錯体を用いてブタジエンの重合を行っている。
1.4×10−2mol/lのマンガンアセチルアセト
ナートを用いて、ブタジエンの50vol%ベンゼン溶
液の重合を80℃で10時間行うと11%の収率で重合
体が得られる。
【0005】いずれの場合もその反応活性は極めて低
い。また従来の製造技術において開始剤として第4周期
の第VII,VIII族から選ばれる金属のアセチルア
セトナート錯体の少なくとも1種類を用いた重合が、無
水マレイン酸との共重合に応用された例は無い。
【0006】金属錯体を無水マレイン酸の共重合の開始
剤に応用した例が米国特許3607842に開示されて
いる。この方法はI〜III族から選ばれる金属の有機
金属化合物とIV〜VIII族から選ばれる遷移金属の
化合物を組み合わせた2種の成分を触媒とするもので、
特に遷移金属としてはコバルト、鉄、ニッケルが挙げら
れている。しかしながらこれらの触媒は危険性が高かっ
たり、取り扱いが困難であるという欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は無水マレイン
酸系共重合体の新規な製造法を提供することを目的とす
る。更に詳しくは無水マレイン酸系共重合体を製造する
にあたり、開始剤として第4周期の第VII,VIII
族から選ばれる金属のアセチルアセトナート錯体の少な
くとも1種類を用い、コモノマーにe値が−0.4以下
であるコモノマーを用いることを特徴とする無水マレイ
ン酸共重合体を高収率で得る製造方法に関する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは無水マレイ
ン酸系共重合体を重合するにあたり、従来無水マレイン
酸の共重合では検討されていない開始剤、すなわち開始
剤として第4周期の第VII,VIII族から選ばれる
金属のアセチルアセトナート錯体の少なくとも1種類を
用い、コモノマーにe値が−0.4以下であるコモノマ
ーを用いることにより高収率で無水マレイン酸系共重合
体が得られることを発見し本発明に至った。従来より第
4周期の第VII,VIII族から選ばれる金属のアセ
チルアセトナート錯体の少なくとも1種類が重合開始剤
となることは知られているが比較的その活性は低かっ
た。本発明者らはこの開始剤も無水マレイン酸とe値が
−0.4以下のコモノマーの共重合に応用するとその活
性が著しく向上することを発見し本発明に至った。本発
明の特徴は使用する開始剤種とコモノマー種の組合せに
ある。
【0009】本発明において使用する開始剤は第4周期
の第VII,VIII族から選ばれる金属のアセチルア
セトナート錯体の少なくとも1種類であり、具体的には
マンガン、鉄、コバルト、ニッケルのアセチルアセトナ
ート錯体であり、特にマンガン・アセチルアセトナート
錯体が好ましい。
【0010】本発明において使用する開始剤の量は無水
マレイン酸に対し0.01〜5mol%、より好ましく
は0.05〜1.0mol%である。使用開始剤量が
0.01mol%未満では収率が著しく低下し、5mo
l%を越える場合では重合終了後金属錯体とポリマーの
分離が困難となる。コモノマー種はe値が−0.4以下
であり無水マレイン酸とエステル形成やアミド形成の様
な反応をしないものであれば特に限定しないがよりe値
が小さいものが好ましい。なお本発明で述べるe値と
は、アルフレイ(Alfrey)とプライス(Pric
e)のQ−e理論に基づきスチレンのQ値を1.00、
e値を−0.80と定義し共重合のモノマー反応性比よ
り決定されるものであり、本発明で用いた値はブランド
ラップ(J.Brandrup),イマーガット(E.
H.Immergut)著のポリマーハンドブックより
引用したものである。本発明においてより好ましいe値
の範囲は−0.5〜−2.0であり、具体的にはプロピ
レン、ブタジエン、イソプレン、イソブチレン、インデ
ン、スチレンおよびそのアルキル化誘導体、ハロゲン化
誘導体、アルキルビニルエステル、ノルボルナジエン、
アルキルビニルエーテルおよびそれらの誘導体、N−ビ
ニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、N−ビニル
カプロラクタム、1,1−ジフェニルエチレン、ビニル
イミダゾール、2−ビニルピリジンおよびそのアルキル
化誘導体等が挙げられるが、なかでもスチレンおよびそ
のアルキル化誘導体又はハロゲン化誘導体、アルキルビ
ニルエーテルおよびその誘導体、インデン等が好まし
い。
【0011】本発明は溶媒を用いて重合することが好ま
しい。その場合に使用される溶媒はモノマーが可溶で無
水マレイン酸に対し不活性の溶媒であれば特に限定はさ
れない。即ち溶媒としては、ケトン、エステル、エーテ
ルあるいは芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素が挙げ
られる。具体的にはアセトン、メチルエチルケトン、シ
クロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジオキサ
ン、テトラハイドロフラン、ジエチルエーテル、ジプロ
ピルエーテル、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロ
ホルム、ジクロルエタン等である。特に生成する共重合
体が可溶な溶媒が好ましく、さらに好ましくはアセト
ン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
【0012】溶媒の使用量はモノマーを均一に溶解する
だけの量があれば充分であり、特に限定はされないが通
常無水マレイン酸に対し重量比で等倍から20倍の溶媒
が使用される。20倍を越える量の溶媒を使用すると収
率が著しく低下する場合がある。コモノマーと無水マレ
イン酸の仕込組成はモル比で約1:10〜10:1の範
囲にあり、好ましくは約1:1である。
【0013】重合は大気雰囲気下においても進行する
が、不活性ガス雰囲気下にて行う方がより好ましい。不
活性ガスには窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン等が挙
げられる。
【0014】またコモノマーと無水マレイン酸と開始剤
の仕込方法は特に限定されるものではない。例えば重合
操作を簡略化させるために一括で仕込んでもよく、無水
マレイン酸を先に仕込み、その中へコモノマーと開始剤
を連続的に仕込みながら反応させることもできる。
【0015】重合は通常0〜120℃の温度範囲で行わ
れ、好ましくは10〜100℃である。重合温度が極端
に低い場合も高い場合も重合が進行せず好ましくない。
以上のようにして本発明の製造は実施されるが、生成す
る共重合体を溶解しない重合溶媒を用いる重合法では、
生成共重合体は溶液中に析出してくる。反応終了後生成
共重合体を濾過分離して共重合体に対する貧溶媒で充分
に洗浄した後乾燥することにより精製共重合体が得られ
る。また共重合体を溶解する溶媒を用いた重合法では反
応液は最後まで均一系に保たれるので、反応液を大量の
共重合体に対する貧溶媒中に注ぐことによって共重合体
を沈澱させ、濾過分離した後洗浄、乾燥して精製共重合
体を得ることができる。
【0016】
【発明の効果】かくして本発明によれば、新規な触媒と
特定の性質のコモノマーの組合せにより無水マレイン酸
系共重合体が高収率で得られる。
【0017】
【実施例】本発明の内容を一層明らかにするため以下に
実施例をもって説明するが、本発明はこれらに限定され
るものではない。分子量はGPC(東ソ−(株)製HL
C8020,カラム:東ソ−(株)製G2000HX
L,G3000HXL,G4000HXL展開液:蓚酸
2wt%THF溶液)より算出した。
【0018】以下、マンガン・アセチルアセトナ−トを
Mn(acac)と略記する。
【0019】実施例1 200mlのオートクレーブにシクロヘキサノン120
gと無水マレイン酸15g(0.153mol)と等モ
ルのスチレン(15.9g)を仕込み完全に溶解させ
た。Mn(acac)を0.75g添加した後反応容
器を密閉し窒素で置換した後60℃まで昇温させ2hr
反応させた。反応終了後の反応液を取り出し激しく撹拌
した4リットルのメタノールにゆっくり滴下し、沈澱物
を濾過分離した。メタノールで充分洗浄した後真空乾燥
させ精製共重合体30.6g(収率99%)を得た。
【0020】実施例2 コモノマーをインデンに代えた以外は実施例1と同様の
操作を行なった。共重合体の収量は29.3g,収率8
9%であった。
【0021】実施例3 コモノマ−をエチルビニルエーテルに代えた以外は実施
例1と同様の操作を行なった。共重合体の収量は25.
4g,収率98%であった。
【0022】実施例4 200mlのオートクレーブにシクロヘキサノン120
gと無水マレイン酸15g(0.153mol)を仕込
み完全に溶解させた。Mn(acac)を0.75g
添加した後反応容器を密閉し窒素で置換した。無水マレ
イン酸と等モルのイソブチレンを添加した後、60℃ま
で昇温させ2hr反応させた。反応終了後の反応液を取
り出し激しく撹拌した3リットルのトルエンにゆっくり
滴下し、沈澱物を濾過分離した。トルエンで充分洗浄し
た後真空乾燥させ精製共重合体15.6g(収率66
%)を得た。
【0023】比較例1〜3 コモノマーを1−ブテン、アクリル酸、メチルメタクリ
レートにそれぞれ代えた以外は実施例1と同様の操作を
行なった。
【0024】結果を表1にまとめた。
【0025】
【表1】

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無水マレイン酸系共重合体を製造するにあ
    たり、開始剤として第4周期の第VII,VIII族か
    ら選ばれる金属のアセチルアセトナート錯体の少なくと
    も1種類を用い、コモノマーにe値が−0.4以下であ
    るコモノマーを用いることを特徴とする無水マレイン酸
    共重合体の製造方法。
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