JPH0329243B2 - - Google Patents

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JPH0329243B2
JPH0329243B2 JP23922385A JP23922385A JPH0329243B2 JP H0329243 B2 JPH0329243 B2 JP H0329243B2 JP 23922385 A JP23922385 A JP 23922385A JP 23922385 A JP23922385 A JP 23922385A JP H0329243 B2 JPH0329243 B2 JP H0329243B2
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JP
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polymer
formula
meth
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JP23922385A
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Masatoshi Oohata
Koichi Tsutsui
Shoji Ikeda
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Nippon Paint Co Ltd
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Nippon Paint Co Ltd
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Publication of JPH0329243B2 publication Critical patent/JPH0329243B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
技術分野および背景 本発明は、幹ポリマーへ末端に架橋剤と反応し
得る官能基を持つた複数の枝ポリマーが結合した
新規な櫛形高分子化合物およびその製造法に関す
る。 周知のように高分子化合物の粘度はその分子量
の関数である。また粘度を同じ分子量で比較すれ
ば、直鎖型高分子よりも星型や櫛型の分岐型高分
子の方が一般に粘度が低いことが知られている。
さらに同じ平均分子量で比較した場合、分子量分
布の小さい高分子は分子量分布の大きい高分子よ
りも一般に粘度が低いことが知られている。 近年塗料の分野ではハイソリツド化が強く要請
されている。ハイソリツド化のためには基体樹脂
が高濃度において塗装可能な粘度を保つように低
分子量化する必要がある。しかしながら基体樹脂
を低分子量化すると塗膜性能が低下するなどの欠
点がある。そこで同じ分子量レベルで比較して相
対的に粘度の低い分岐型の、しかも分子量分布の
小さい高分子は、塗膜性能や塗装作業性を低下さ
せることなく塗料のハイソリツド化を可能とする
ビヒクル樹脂として非常に有望である。 これまで例えば単分散ポリスチレンをクロロメ
チル化し、イオン重合でつくつたポリスチリルア
ニオンをクロロメチル基へカツプリングしてつく
つた櫛型高分子が知られている。しかしながらこ
のような高分子は架橋剤と反応し得る官能基を持
たないため、ラツカータイプの塗料のビヒクルに
しか使用できず、また枝の数を制御することが困
難なため全体として分子量分布を小さく制御する
ことが困難である。従つてこれらは熱硬化型の塗
料のビヒクル樹脂には使用できない。 これまで幹ポリマーへ末端に架橋剤と反応し得
る官能基を有する枝ポリマー鎖を櫛形に結合した
グラフト共重合体は知られていない。 本発明はそのためこのような枝ポリマー鎖の末
端に架橋剤と反応し得る官能基を有する新規なグ
ラフト共重合体と、その製造法を提供することを
課題とする。 解決方法 本発明は、 (a) ベンゼン核上に少なくとも1個のアルキル基
を有する置換スチレン10ないし100モル%、 (b) スチレン、α−メチルスチレン、エチレン、
プロピレン、1−ブテンおよびイソブテンから
選ばれたエチレン性不飽和結合を有するモノマ
ー0ないし90モル% をモノマー成分とする平均分子量500ないし
500000の重合体よりなる幹ポリマーと、 該幹ポリマー1分子あたり少なくとも2個の数
平均分子量500ないし100000の(メタ)アクリル
酸エステル重合体または(メタ)アクリロニトリ
ル重合体または(メタ)アクリル酸エステル/
(メタ)アクリロニトリル共重合体よりなる枝ポ
リマー鎖を有し、該枝ポリマーは一端において幹
ポリマー中の前記アルキル置換スチレン成分のベ
ンゼン核上のアルキル基へ式、 (式中、R1およびR2はアルキル基または置換
基を有することもあるフエニル基を意味する。) を介して結合しており、該枝ポリマーの他端はア
ミノ基、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン、メ
ルカプト基、スルホニル基またはエポキシ基から
選ばれる架橋剤と反応し得る官能基で終わつてい
ることを特徴とする多官能型グラフト共重合体を
提供する。 本発明はまた、 (A)(a) ベンゼン核上に少なくとも1個のアルキル
基を有する置換スチレン10〜100モル%、 (b) スチレン、α−メチルスチレン、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテンまたはイソブテ
ンから選ばれたエチレン性不飽和結合を有す
るモノマー0ないし90モル% をモノマー成分とする平均分子量500ないし
500000の重合体よりなる幹ポリマーを式MR3
(式中、Mは周期律表第a族の金属元素、R3
は有機基を意味する。)の金属化合物と反応さ
せる工程、 (B) 前記(A)工程の生成物を式 (式中、R1およびR2は前記に同じ。)で表さ
れるビニリデン化合物と反応させ、前記幹ポリ
マー中の前記アルキル置換スチレン成分のベン
ゼン核上のアルキル基へ幹ポリマー1分子あた
り少なくとも2個の式、 (式中、符号は前記に同じ)で表される基を
導入する工程、 (C) 前記(B)工程で得られた金属化幹ポリマーをア
ニオン重合開始剤として、各金属化部位へ数平
均分子量が500ないし100000になるように、(メ
タ)アクリル酸エステルおよび/または(メ
タ)アクリロニトリルをグラフト重合し、枝ポ
リマーを形成する工程と、 (D) 前記各枝ポリマーのリビング成長末端へアミ
ノ基、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン、メ
ルカプト基、スルホニル基またはエポキシ基か
ら選ばれた架橋剤と反応し得る官能基を導入す
る工程 よりなることを特徴とする多官能型グラフト共重
合体の製造法を提供する。 詳細な議論 アニオン重合法によつてグラフト重合体を得る
方法として、幹ポリマーの活性点をn−ブチルリ
チウムなどを用いて金属化し、該金属化幹ポリマ
ーを開始剤としてスチレン系、アクリル系などの
モノマーをグラフト重合させて枝ポリマーを合成
する方法がある。しかし幹ポリマーの金属化はリ
チウム原子の会合により幹ポリマーがゲル化し、
沈澱するので枝ポリマーの合成を著しく困難にす
る。そこでテトラメチルエチレンジアミンなどの
第3級アミン類を添加し、金属化を促進すると共
に金属原子を第3級アミンの配置によつてゲル化
を抑制する方法が提案されているが好結果は得ら
れていない。 本発明者らは、パラメチルスチレンなどのよう
なベンゼン核にアルキル基が置換されたスチレン
系モノマーのホモポリマーまたは該置換スチレン
と他のモノマーとの共重合体よりなる幹ポリマー
を金属化し、該金属化幹ポリマーを開始剤として
枝ポリマーをグラフト重合によつて合成する際
に、金属化した幹ポリマーのゲル化物ないし沈澱
を一旦1,1−ジフエニルエチレンなどのビニリ
デンモノマーと反応させることによつて均一に溶
解し得ること、およびこのようにして得られる金
属化幹ポリマーのビニリデンモノマー付加物を開
始剤として用いることにより、成長アニオン末端
のカルボニル付加などの副反応を起こすことな
く、アクリル系モノマーをグラフト共重合するこ
とができることを見出した。本発明はこれらの新
知見を基礎とするものである。 本発明において使用し得る幹ポリマーは、ベン
ゼン核上に少なくとも1個のアルキル基を有する
スチレン系モノマーのホモポリマーか、該スチレ
ン系モノマーと他のモノマーとのランダムもしく
はブロツク共重合体である。前記アルキル置換ス
チレン系モノマーの例としては、o−,m−およ
びp−メチルスチレン、o−,m−,p−エチル
スチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,6−
ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチ
レン、2,3,5,6−テトラメチルスチレン等
が挙げられる。幹ポリマーはこれらアルキル置換
スチレンのホモポリマーもくしはそれらの共重合
体でよく、またはこれらアルキル置換スチレンと
他のモノマーとの共重合体でもよい。他のモノマ
ーの例としては、スチレン、α−メチルスチレン
などのスチレン系モノマーのほか、エチレン、プ
ロピレン、1−ブテン、イソブテン等のエチレン
性不飽和結合を有するモノマーのような幹ポリマ
ーを金属化するための金属と副反応を起こさない
モノマーであればいずれも使用し得る。 アルキル置換スチレンのアルキル基が金属化幹
ポリマーの活性点となるので、該アルキル置換ス
チレンと他のモノマーとの共重合体の場合、幹ポ
リマーは該アルキル置換スチレンを少なくとも10
モル%、好ましくは40モル%以上含むべきであ
る。 幹ポリマーは公知のラジカル重合法、カチオン
重合法、配位アニオン重合法によつて製造するこ
ともできるが、単分散もしくは分子量分布の小さ
い幹ポリマーが好ましいので、公知のアニオン重
合法によつて製造することがより好ましい。 幹ポリマーの合成に使用し得るアニオン重合開
始剤、式(MR3(Mはa族の金属元素、R3は有
機基)の具体例としては、n−ブチルリチウム、
sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、
クミルカリウム、ナフタレンリチウム、ナフタレ
ンナトリウム、ナフタレンカリウム、α−メチル
スチレンオリゴマーナトリウム、クミルセシウム
等を挙げることができる。アニオンリビング重合
は−100℃〜+80℃、望ましくは−80℃〜+50℃
の温度で、重合反応に対して不活性な溶媒中で行
うのが一般的である。使用し得る溶媒の例として
は、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキ
サン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。重合
反応は不活性ガス雰囲気下もしくは減圧下、特に
高真空下で行うのが好ましい。 幹ポリマーの分子量はアニオン重合開始剤/モ
ノマー比を変えることにより抑制することがで
き、該比を下げることによつて分子量を増加する
ことができる。さらに、アニオン重合開始剤の種
類または重合温度を変えることによつても分子量
を調節することができる。 幹ポリマーは通常500〜500000、好ましくは
3000〜100000、さらに好ましくは5000〜50000の
数平均分子量を持つべきである。 幹ポリマーの金属化は、前記式MR3の有機金
属化合物の幹ポリマーと反応させることによつて
達成し得る。有機金属化合物としては、n−ブチ
ルリチウム、sec−ブチルリチウム等が好ましい。
反応は−100℃〜+80℃、好ましくは−10℃〜+
30℃の温度で溶媒の存在下で行われる。使用し得
る溶媒の例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン等の飽和脂肪族炭化水素、シクロプロパン、
シクロヘキサン等の飽和脂環族炭化水素、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、お
よびテトラヒドロフラン等が挙げられる。再び不
活性ガス雰囲気下もしくは減圧下、特に高真空下
の反応が好ましい。 金属化反応時、金属化を促進し、さらに幹ポリ
マーへ結合した金属の会合を抑制するため第3級
アミンを用いることができる。使用し得る第3級
アミンとしては、テトラメチルエチレンジアミ
ン、ジピペリジノエタン等が挙げられる。その使
用量は前記有機金属化合物1モル当たり0.5〜8
モル、好ましくは1〜4モルである。 有機金属化合物の使用量は、幹ポリマー中のア
ルキル置換スチレン単位1モル当たり2×10-4
2モル、好ましくは1×10-3〜1モル、さらに好
ましくは1×10-2〜0.8モルである。 かくして得られた金属化幹ポリマーは、その金
属化率がアルキル置換スチレン単位の総モル数の
3〜10%をこえると前記溶媒中に沈澱を形成す
る。沈澱を形成した場合、不活性ガス雰囲気下も
しくは減圧下、特に高真空下において上澄みの溶
媒を除去することが望ましい。 本発明の最大の特徴は、前記金属化幹ポリマー
の沈澱を溶解させる目的と、アクリル系モノマー
のグラフト重合時の副反応を抑制する目的で、前
記金属化幹ポリマーと、式 (式中、R1およびR2は前記に同じ。)のビニリ
デンモノマーを反応させ、生成する金属化幹ポリ
マーのビニリデンモノマー付加物をアニオン重合
開始剤として使用することにある。 前記ビニリデンモノマーの具体例としては、
1,1−イソプロピルエチレン、1,1−イソブ
チルエチレン、1,1−ジフエニルエチレン等が
挙げられる。 金属化幹ポリマーと前記ビニリデンモノマーと
の反応は、−100〜+80℃、好ましくは−10℃〜+
30℃の温度で、不活性ガス雰囲気下もしくは減圧
下、特に高真空下で行うことができる。この反応
は例えば、ペンタン、ヘプタン、ヘキサン等の飽
和脂肪族炭化水素、シクロプロパン、シクロヘキ
サン等の飽和脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素、およびテトラ
ヒドロフラン等の溶媒中で行うのが一般的であ
る。 ビニリデンモノマーの使用量は、幹ポリマーの
金属化に用いた有機金属化合物1モル当たり0.2
〜2モル、好ましくは0.4〜1.5モル、さらに好ま
しくは該有機金属化合物とほぼ等モル量用いる。
ビニリデンモノマーは金属化幹ポリマーの金属化
点に定量的に反応し、使用した溶媒に良好に溶解
する付加物を生成する。 得られる付加物はそれへアクリル系モノマーを
グラフト共重合するための高分子アニオン重合開
始剤として使用することができる。 グラフト共重合し得るアクリルモノマーの具体
例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)
アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチ
ル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アク
リル酸フエニル、(メタ)アクリル酸ベンジル等
の(メタ)アクリル酸エステル、および(メタ)
アクリロニトリルが挙げられる。(メタ)アクリ
ル酸エステル類は前記高分子アニオン重合開始剤
と反応して重合反応を停止するように官能基を含
んではならないことは勿論である。 グラフト共重合反応は、−100℃〜+80℃、好ま
しくは−80℃〜+30℃の温度で、不活性ガス雰囲
気下もしくは減圧下、特に高真空下で実施するこ
とができる。また幹ポリマーの金属化およびその
ビニリデデンモノマーの付加反応に使用した前記
溶媒の存在下で行われるのが一般的である。 グラフト共重合反応は、各枝ポリマーの数平均
分子量が500ないし100000になるまで継続される。 このグラフト共重合反応によつて生成したリビ
ングポリマーは枝ポリマーの末端が金属化されて
いる。従つてこのリビングポリマーと適当な外部
試薬との反応により、その枝ポリマーの末端へア
ミノ基、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン、メ
ルカプト基、スルホニル基、エポキシ基等架橋剤
と反応し得る官能基を導入することができる。 枝ポリマーの末端へ水酸基を導入するための外
部試薬の具体例としては、ホルムアルデヒド、ア
セトアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、クロラ
ール、プロピオンアルデヒド、イソブチルアルデ
ヒド、n−バレルアルデヒド、イソバレルアルデ
ヒド、n−カプロアルデヒド、n−ヘプトアルデ
ヒド、ステアリルアルデヒド等のアルデヒド類、
アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン
等のケトン類、エチレンオキシド、プロピレンオ
キシド、トリメチレンオキシド、ブチレンオキシ
ド、ペンチレンオキシド、シクロヘキシレンオキ
シド、スチレンオキシド等のアルキレンオキシド
類およびその誘導体、および酸素が挙げられる。 枝ポリマーの末端へカルボキシル基を導入する
ための外部試薬としては二酸化炭素が挙げられ
る。 枝ポリマーの末端へハロゲンを導入するための
外部試薬としては、塩素、臭素、ビスブロモメチ
ルエーテル、ビスクロロメチルエーテル等が挙げ
られる。 枝ポリマーの末端へアミノ基を導入するための
外部試薬としては、エチレンイミン、プロピレン
イミン、シクロヘキセンイミン等のイミンが挙げ
られる。 その他、枝ポリマーの末端へは、例えば二硫化
炭素、エチレンスルフイド、プロピレンスルフイ
ド、イオウ等によつてメルカプト基を、塩化スル
フリル等によりスルホニル基を、エピクロルヒド
リン等によりエポキシ基等の官能基を導入するこ
とができる。 かくして本発明により、幹ポリマー上に少なく
とも2個の枝ポリマー鎖を有し、さらに枝ポリマ
ーの末端に架橋剤と反応し得る官能基を持つた新
しいタイプの櫛形分岐ポリマーが得られる。 本発明の多官能型グラフト共重合体の枝ポリマ
ーの数は幹ポリマーの金属化率を、また枝ポリマ
ーの分子量は高分子イオン重合開始剤とグラフト
重合に用いるアクリルモノマーとの比率を調節す
ることによつて所望のレベルに抑制することがで
きる。 以上のように、本発明は幹ポリマーの金属化の
後にビニリデンモノマーを反応させることによつ
て金属化による沈澱を溶解することができ、また
これによつて生成するビニリデンモノマーとの付
加物がグラフト重合に用いるアクリルモノマーの
副反応を抑制するので、櫛形の分岐グラフト共重
合体を円滑に合成することができ、さらにグラフ
ト重合によつて生成するリビングポリマーは枝ポ
リマーの末端に活性点をなお略しているので、こ
れを利用して該末端へ架橋剤と反応し得る官能基
を導入することができる。 生成した本発明の多官能型グラフト共重合体は
枝ポリマーの末端に官能基を有し、しかも分岐型
構造であることおよび分子量分布が比較的小さい
ため、同じ分子量の直鎖高分子に比べて粘度が低
いので、ハイソリツド型塗料等のビヒクルとして
使用する低粘度型の樹脂として非常に有用であ
り、また本発明のグラフト共重合体の組成の大半
がアクリル系ポリマーであり、また官能基を枝ポ
リマーの末端に有するため官能基の易動性が向上
し、密度のゆらぎの少ない架橋体が得られるた
め、光学材料としても有用である。 以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれ
らの実施例のみに限定されるものではない。なお
実施例中ポリマーの諸物性の測定は次の方法で行
つた。 ポリマーの分子量および分子量分布は、示差屈
折計、紫外分光光度計およびレーザー小角光散乱
計を有するGPC、浸透圧オスモメトリー、蒸気
圧オスモメトリー並びに超遠心機を用いて行つ
た。 幹ポリマーの金属化率は、活性点にトリメチル
クロルシランを反応させ、得られたシリル化ポリ
マーを再沈精製後、1H−NMRにより測定した。 水酸基末端およびカルボキシル末端グラフト共
重合体の水酸基価および酸価は、水酸化カリウム
による滴定、ASTM E222−66法および
Zerewitinoff法により測定した。 実施例 1 ポリパラメチルスチレン(PPMS、幹ポリマ
ー)の合成 高真空下においてブレークシールを用い−78℃
でフラスコにテトラヒドロフラン(THF)345ml
およびn−ブチルリチウム(n−BuLi)
1.13mmolのシクロヘキサン溶液を入れ、次にp
−メチルスチレン(PMS)32.2ml(0.245mol)
をTHF70mlに溶解したモノマー溶液を加え、重
合を開始した。約30分経過後、メタノール数mlを
加え、重合を停止させ、ポリマーをメタノール中
に析出させた。ポリマーはベンゼン/メタノール
系で数回再沈精製後、室温で真空乾燥を行い、目
的とするPPMSを得た。 得られたPPMSはGPCより数平均分子量
(ポリスチレン換算)2.6×104g/mol、(重
量平均分子量)/Mn=1.2であつた。 リチウム化PPMS(Li−PPMS)の合成 高真空下において、ブレークシールを用い、あ
らかじめ凍結乾燥したPPMSのシクロヘキサン溶
液とテトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)
を所定量フラスコに入れた後、所定温度とした
後、n−BuLiシクロヘキサン溶液を所定量加え、
金属化反応を開始した。所定時間撹拌反応後リチ
ウム化PPMS(Li−PPMS)を得た。Li化度の測
定はLi−PPMSをトリメチルクロルシランでシリ
ル化後、アミン塩酸塩、LiClをロ過、再沈精製
後、1H−NMRで行つた。これらの結果を第1表
に示した。
【表】 は4。
リチウム化ポリパラメチルスチレンの溶解 上記で得られたLi−PPMSの沈澱に溶媒である
シクロヘキサンを除いた後、高真空下においてブ
レークシールを用い、ベンゼン約100mlおよびジ
フエニルエチレン(DPE)をDPE/n−BuLi=
2.0(モル比)となるように加え、室温にて所定時
間撹拌反応後、ベンゼン中に溶解した高分子アニ
オン重合開始剤(Li−D−PPMS)を得た。これ
らの結果を前記リチウム化反応の結果と一括し、
第2表に示した。
【表】 メチルメタクリレートのグラフト共重合および
枝ポリマー末端へのエチレンオキサイドの付加
反応 高真空下において、ブレークシールを用い、フ
ラスコにTHF500ml、上記実験番号12のLi−D−
PPMS2.4gのベンゼン溶液100mlを加え、−78℃
に冷却後、メチルメタクリレート(MMA)26.5
ml(0.248mol)を加え、重合を開始させた。約
40分間撹拌反応後、エチレンオキサイド(EO)
4.6ml(90.8mmol)を加え、約30分間撹拌反応さ
せた。その後、塩酸酸性メタノール約1000mlにポ
リマーを析出させ、分離したポリマーをアセト
ン/n−ヘキサンで再沈精製後、室温で真空乾燥
して多官能型グラフト共重合体を得た。 得られたポリマーは、GPCより幹ポリマー
(=2.6×104、ポリスチレン換算)に対し、枝
ポリマーが9.2×104(ポリスチレン換算)の数平
均分子量を示し、また、幹ポリマーのベンゼン環
に帰因するUV応答を示した。 実施例 2 MMAのグラフト共重合および枝ポリマー末端
へのエチレンオキサイドの付加反応 実施例1と同様に、高真空下においてブレーク
シールを用い、フラスコにTHF500ml、実施例1
中実験番号13のLi−D−PPMS1.5gのベンゼン
溶液94mlを加え、−78℃に冷却後、MMA78.0ml
(0.729mol)を加え重合を開始させた。約30分撹
拌反応後、EO10.0ml(0.198mol)を加え、約20
分撹拌反応させた。その後、塩酸酸性メタノール
約1000mlにポリマーを析出させ、分離したポリマ
ーをアセトン/n−ヘキサンで再沈精製後、室温
で真空乾燥して多官能型グラスト共重合体を得
た。 得られたポリマーは、GPCより幹ポリマー
(=2.6×104、ポリスチレン換算)に対し、枝
ポリマーが1.5×105(ポリスチレン換算)の数平
均分子量を示し、また幹ポリマーのベンゼン環に
帰因するUV応答を示した。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (a) ベンゼン核上に少なくとも1個のアルキ
    ル基を有する置換スチレン10ないし100モル%、 (b) スチレン、α−メチルスチレン、エチレン、
    プロピレン、1−ブテンおよびイソブテンから
    選ばれたエチレン性不飽和結合を有するモノマ
    ー0ないし90モル% をモノマー成分とする平均分子量500ないし
    500000の重合体よりなる幹ポリマーと、 該幹ポリマー1分子あたり少なくとも2個の数
    平均分子量500ないし100000の(メタ)アクリル
    酸エステル重合体または(メタ)アクリロニトリ
    ル重合体または(メタ)アクリル酸エステル/
    (メタ)アクリロニトリル共重合体よりなる枝ポ
    リマー鎖を有し、該枝ポリマーは一端において幹
    ポリマー中の前記アルキル置換スチレン成分のベ
    ンゼン核上のアルキル基へ式、 (式中、R1およびR2はアルキル基または置換
    基を有することもあるフエニル基を意味する。) を介して結合しており、該枝ポリマーの他端はア
    ミノ基、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン、メ
    ルカプト基、スルホニル基またはエポキシ基から
    選ばれる架橋剤と反応し得る官能基で終わつてい
    ることを特徴とする多官能型グラフト共重合体。 2 (A)(a) ベンゼン核上に少なくとも1個のアル
    キル基を有する置換スチレン10〜100モル%、 (b) スチレン、α−メチルスチレン、エチレ
    ン、プロピレン、1−ブテンまたはイソブテ
    ンから選ばれたエチレン性不飽和結合を有す
    るモノマー0ないし90モル% をモノマー成分とする平均分子量500ないし
    500000の重合体よりなる幹ポリマーを式MR3
    (式中、Mは周期律表第a族の金属元素、R3
    は有機基を意味する。)の金属化合物と反応さ
    せる工程、 (B) 前記(A)工程の生成物を式 (式中、R1およびR2は前記に同じ。)で表さ
    れるビニリデン化合物と反応させ、前記幹ポリ
    マー中の前記アルキル置換スチレン成分のベン
    ゼン核上のアルキル基へ幹ポリマー1分子あた
    り少なくとも2個の式、 (式中、符号は前記に同じ)で表される基を導
    入する工程、 (C) 前記(B)工程で得られた金属化幹ポリマーをア
    ニオン重合開始剤として、各金属化部位へ数平
    均分子量が500ないし100000になるように、(メ
    タ)アクリル酸エステルおよび/または(メ
    タ)アクリロニトリルをグラフト重合し、枝ポ
    リマーを形成する工程と、 (D) 前記各枝ポリマーのリビング成長末端へアミ
    ノ基、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン、メ
    ルカプト基、スルホニル基またはエポキシ基か
    ら選ばれた架橋剤と反応し得る官能基を導入す
    る工程 よりなることを特徴とする多官能型グラフト共重
    合体の製造法。
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