JPH0649137A - tert−ブトキシカルボニル基で部分エステル化されたp−ヒドロキシスチレン−m−ヒドロキシスチレンブロック共重合体及びその製造方法 - Google Patents

tert−ブトキシカルボニル基で部分エステル化されたp−ヒドロキシスチレン−m−ヒドロキシスチレンブロック共重合体及びその製造方法

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JPH0649137A
JPH0649137A JP22517392A JP22517392A JPH0649137A JP H0649137 A JPH0649137 A JP H0649137A JP 22517392 A JP22517392 A JP 22517392A JP 22517392 A JP22517392 A JP 22517392A JP H0649137 A JPH0649137 A JP H0649137A
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JP
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hydroxystyrene
block copolymer
molecular weight
tert
poly
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JP22517392A
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Osamu Watanabe
修 渡辺
Motoyuki Yamada
素行 山田
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルカリで容易に現像することができると共
に、単分散性で高現像性及び高解像度を有し、機能性高
分子としてレジスト材料等の用途に好適なポリマーを提
供する。 【構成】 重量平均分子量(Mw)/数平均分子量
(Mn)が1.01〜1.5の単分散性のp−ヒドロキ
シスチレンとm−ヒドロキシスチレンとのブロック共重
合体中のポリ(p−ヒドロキシスチレン)部及びポリ
(m−ヒドロキシスチレン)部の水酸基を部分的にte
rt−ブトキシカルボニル化して、下記構造式(1),
(2),(3)及び(4)で示される繰り返し単位を有
し、かつ分子量分布が重量平均分子量(Mw)/数平均
分子量(Mn)=1.01〜1.5であるポリ(p−ヒ
ドロキシスチレン)部及びポリ(m−ヒドロキシスチレ
ン)部の水酸基がtert−ブトキシカルボニル基で部
分エステル化されたp−ヒドロキシスチレン−m−ヒド
ロキシスチレンブロック共重合体を得る。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はLSI用のレジスト材等
として好適に用いられるポリ(p−ヒドロキシスチレ
ン)部及びポリ(m−ヒドロキシスチレン)部の水酸基
がtert−ブトキシカルボニル基で部分エステル化さ
れた単分散性のp−ヒドロキシスチレン−m−ヒドロキ
シスチレンブロック共重合体及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
高解像度のリソグラフィー用、或いはLSI用として使
用するレジスト材料用ベースポリマーとしては、機能性
高分子が多用されている。特に近年のLSIにおける高
密度化の進展に伴い、レジスト材料については益々高解
像度及び高現像性が要求されるようになり、このような
要求に応え得る機能性高分子として従来はノボラック樹
脂が主流に使用されていたが、最近においてはこれに代
わるものとして化学増幅タイプのレジスト材料が種々検
討されている。
【0003】上記化学増幅タイプのレジスト材料におい
ては、特に作業性の観点から酸によって容易に脱離する
官能基を有すると共に、その官能基の脱離前後での溶解
性が異なるものが賞用されている。このようなレジスト
材料としては耐プラズマ性に優れているポリスチレン誘
導体が特に好適なものとして知られている。
【0004】これらのポリマーをレジスト用ベースポリ
マーとして使用する場合には、その分子量や分子量分布
がレジストの現像特性及び解像度に大きな影響を与える
が、これらのポリマーは通常のラジカル重合法や縮重合
法により得られる多分散ポリマーであって、はじめから
分子量や分子量分布を制御するということが配慮されて
いないので、レジストの現像性及び解像度を高めるた
め、分別という手法を用いて分子量の制御を行ってい
る。
【0005】しかしながら、分別という手法は操作が複
雑であるのみならず時間がかかるという欠点がある上、
厳しくなる要求性能に対して十分に追随することが困難
であるので、問題解決の本質的手段にはなり得ないもの
であった。
【0006】従って、レジスト材料用ベースポリマーと
して好適な高品質のポリマーの開発が望まれていた。
【0007】本発明は上記要望に応えるためなされたも
ので、酸によって容易に脱離する官能基を有するので、
その官能基の脱離前後での溶解性が異なることでアルカ
リで容易に現像することができると共に、高現像性及び
高解像度を有し、レジスト材料等として有用なポリ(p
−ヒドロキシスチレン)部及びポリ(m−ヒドロキシス
チレン)部の水酸基がtert−ブトキシカルボニル基
で部分エステル化されたp−ヒドロキシスチレン−m−
ヒドロキシスチレンブロック共重合体及びその製造方法
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は上記
目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、下記構造式
(5)で示されるp−tert−ブトキシスチレンと下
記構造式(6)で示されるm−tert−ブトキシスチ
レンとをリビング重合させた後、分子中のtert−ブ
チル基を脱離させることにより、重量平均分子量
(Mw)/数平均分子量(Mn)が1.01〜1.5の単
分散性のp−ヒドロキシスチレンとm−ヒドロキシスチ
レンとのブロック共重合体が得られること、そして該ブ
ロック共重合体中のポリ(p−ヒドロキシスチレン)部
及びポリ(m−ヒドロキシスチレン)部の水酸基を部分
的にtert−ブトキシカルボニル化することにより、
下記構造式(1),(2),(3)及び(4)で示され
る繰り返し単位を有し、かつ分子量分布がMw/Mn
1.01〜1.5であるポリ(p−ヒドロキシスチレ
ン)部及びポリ(m−ヒドロキシスチレン)部の水酸基
がそれぞれtert−ブトキシカルボニル基で部分エス
テル化されたp−ヒドロキシスチレンとm−ヒドロキシ
スチレンとのブロック共重合体が得られること、この方
法は分子量の制御が容易であり、かつ確実にMw/Mn
1.01〜1.5の単分散性のブロック共重合体を与え
るものであると共に、このようにして得られた単分散性
ブロック共重合体が酸によって容易に脱離し得るter
t−ブトキシカルボニル基を有し、アルカリで容易に現
像することができる上、単分散性で分別という面倒な手
法を行わなくても高現像性及び高解像度を有し、それ
故、機能性高分子としてレジスト材料用ベースポリマー
等の用途に好適に利用できることを知見し、本発明をな
すに至った。
【0009】
【化2】
【0010】従って、本発明は、上記構造式(1),
(2),(3)及び(4)で示される繰り返し単位を有
し、かつ分子量分布が重量平均分子量(Mw)/数平均
分子量(Mn)=1.01〜1.5であることを特徴と
するポリ(p−ヒドロキシスチレン)部及びポリ(m−
ヒドロキシスチレン)部の水酸基がtert−ブトキシ
カルボニル基で部分エステル化されたp−ヒドロキシス
チレン−m−ヒドロキシスチレンブロック共重合体、及
び重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が1.
01〜1.5の単分散性のp−ヒドロキシスチレンとm
−ヒドロキシスチレンとのブロック共重合体中のポリ
(p−ヒドロキシスチレン)部及びポリ(m−ヒドロキ
シスチレン)部の水酸基を部分的にtert−ブトキシ
カルボニル化する上記部分エステル化されたp−ヒドロ
キシスチレン−m−ヒドロキシスチレンとのブロック共
重合体の製造方法を提供する。
【0011】以下、本発明につき更に詳述すると、本発
明のブロック共重合体は、下記構造式(1),(2),
(3)及び(4)で示される繰り返し単位を有するポリ
(p−ヒドロキシスチレン)部及びポリ(m−ヒドロキ
シスチレン)部の水酸基がtert−ブトキシカルボニ
ル基で部分エステル化されたものである。
【0012】
【化3】
【0013】ここで、上記式(1),(2),(3)及
び(4)の繰り返し単位は任意の割合で含有してよい
が、通常は重量分率が0.01≦(1)≦99.97,
0.01≦(2)≦99.97,0.01≦(3)≦9
9.97、0.01≦(4)≦99.97、(1)+
(2)+(3)+(4)=1となるような割合で含有す
ることが好ましく、特に本発明のブロック共重合体をレ
ジスト材として使用する場合は、レジストの現像時にお
ける溶解性の差及び架橋反応制御の観点から20≦
(1)≦99.98,0.01≦(2)≦50,0.0
1≦(3)≦80,0.01≦(4)≦50、より好ま
しくは50≦(1)≦99.8,0.01≦(2)≦2
0,0.01≦(3)≦45,0.01≦(4)≦20
とすることが好適である。
【0014】更に、上記ブロック共重合体において分子
中の水酸基のt−ブトキシカルボニル基による部分エス
テル化の割合は、ポリ(p,m−ヒドロキシスチレン)
に対して0.1〜80%(重量%、以下同様)、特に5
〜45%であることが好ましい。
【0015】本発明の上記p−ヒドロキシスチレンとm
−ヒドロキシスチレンとのブロック共重合体は、Mw
nが1.01〜1.5、好ましくは1.01〜1.3
の範囲となるような分子量分布を有する単分散性のもの
である。Mw/Mnが1.01に満たないものは技術的に
合成困難であり、1.5を超えるとレジスト材料として
利用できる程度の高解像度、高現像度を得ることができ
ない。なお、重量平均分子量(Mw)は光散乱法によ
り、また、数平均分子量(Mn)は膜浸透圧計を用いて
測定することができる。
【0016】更に、上記ブロック共重合体の平均分子量
は特に制限されるものではないが、レジスト材料として
使用する場合は、一般に数平均分子量が500〜50
0,000の範囲、特に3,000〜300,000の
範囲であることが好ましい。数平均分子量が500未満
ではレジスト材料として膜強度が無い場合があり、50
0,000を超えると現像特性、相溶性に問題があり、
高解像度、高現像度を得ることができない場合がある。
【0017】なお、上記分子量分布の評価はゲルパーミ
ェーションクロマトグラフィー(GPC)によって行う
ことができ、分子構造は1H−NMRスペクトルによっ
て容易に確認することができる。
【0018】本発明において上述した単分散性の部分エ
ステル化p−ヒドロキシスチレン−m−ヒドロキシスチ
レンブロック共重合体は、以下に示す如く単分散性p−
ヒドロキシスチレン−m−ヒドロキシスチレンブロック
共重合体の水酸基をt−ブトキシカルボニル基によって
部分的にエステル化することにより容易に得ることがで
きる。
【0019】ここでまず、単分散性のp−ヒドロキシス
チレンとm−ヒドロキシスチレンのブロック共重合体
は、下記構造式(5)で示されるp−t−ブトキシスチ
レンと下記構造式(6)で示されるm−t−ブトキシス
チレンの両モノマーをリビング重合させた後、分子中の
t−ブチル基を脱離することによって得ることができ
る。
【0020】
【化4】
【0021】また、上記モノマーのリビング重合に際し
ては、重合開始剤として有機金属化合物を用いることが
好ましい。有機金属化合物としては、例えばn−ブチル
リチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウ
ム、ナトリウムナフタレン、アントラセンナトリウム、
α−メチルスチレンテトラマージナトリウム、クミルカ
リウム、クミルセシウム等の有機アルカリ金属などが挙
げられる。なお重合開始剤の添加量は、生成するポリマ
ーの分子量に依存しており、分子量とモノマーの重量か
ら算出される(分子量=モノマーの重量/開始剤のモル
数)。
【0022】リビング重合は一般に有機溶媒中で行うこ
とが望ましい。有機溶媒としては芳香族炭化水素、環状
エーテル、脂肪族炭化水素溶媒等が例示され、具体例と
してベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン、テトラヒドロピラン、ジメトキシエタン、n−ヘ
キサン、シクロヘキサン等が挙げられる。これらの有機
溶媒はそれぞれ単独で使用しても2種以上を組み合わせ
て使用してもよい。なお、上記両モノマー式(5),
(6)の有機溶媒中の濃度は、1〜50%、特に1〜3
0%とすることが好ましい。
【0023】反応は高真空下又はアルゴン、窒素等の不
活性ガス雰囲気下で撹拌して行うことが好ましい。反応
温度は−100℃から使用した有機溶媒の沸点温度まで
の間で自由に選択することができるが、特にテトラヒド
ロフラン溶媒では−78℃〜0℃、ベンゼン溶媒では室
温で反応させることが好ましい。また、反応は通常約1
0分〜20時間行うことが好適である。
【0024】反応の停止は、例えばメタノール、水、メ
チルブロマイド等の停止剤を反応系に添加することによ
って行う。次いで、得られた反応混合溶液を適当な溶
剤、例えばメタノール中に沈澱せしめ、洗浄、乾燥する
ことにより、重合反応によって生成したポリマーを精
製、単離することができる。なお、このようにリビング
重合反応を行うと、上記式(5)及び(6)のモノマー
中のビニル基のみが選択的に反応して重合し、下記構造
式(7)及び(8)で示される繰り返し単位を有するブ
ロック共重合体が得られる。
【0025】
【化5】
【0026】このようにして得られる共重合体は、分子
量分布Mw/Mnが1.01〜1.5の単分散性のもので
ある。
【0027】なお、上記反応におけるポリマーの収率は
ほぼ100%であるので、得られるポリマーの分子量は
使用したモノマーの重量と重合開始剤のモル数(分子
数)から容易に算出できる。
【0028】次に、上記式(7)及び(8)で示される
繰り返し単位を有するブロック共重合体中のt−ブチル
基を脱離させるとことにより、下記構造式(9)及び
(10)で示されるフェノール残基構造単位を有するp
−ヒドロキシスチレンとm−ヒドロキシスチレンとのブ
ロック共重合体が得られる。
【0029】
【化6】
【0030】上記のt−ブチル基の脱離反応は、ジオキ
サン、アセトン、アセトニトリル、ベンゼン等の単独又
は混合溶媒中で塩酸、臭化水素酸等の酸を滴下すること
によって容易に行うことができる。これらの反応におい
ては、高分子の主鎖が切断されたり、分子間に架橋反応
が起こるということがないので、前駆体であるp−t−
ブトキシスチレンとm−t−ブトキシスチレンとのブロ
ック共重合体の分子量分布がそのまま維持されて、分子
量分布の狭い単分散のp−ヒドロキシスチレンとm−ヒ
ドロキシスチレンとのブロック共重合体を得ることがで
きる。
【0031】なおこの場合、酸の添加量はポリ(p−ヒ
ドロキシスチレン)とポリ(m−ヒドロキシスチレン)
と等モル以上添加すればよい。
【0032】更に、上述の単分散のp−ヒドロキシスチ
レンとm−ヒドロキシスチレンとのブロック共重合体の
ポリ(p−ヒドロキシスチレン)部及びポリ(m−ヒド
ロキシスチレン)部の水酸基を部分的にt−ブトキシカ
ルボニル化する反応は、通常のt−ブトキシカルボニル
化反応と同様にして容易に行うことができる。
【0033】例えば、t−ブトキシカルボニル化試薬と
して、クロロギ酸−t−ブチル、ジ−t−ブチルカーボ
ネート、t−ブトキシカルボニルチオ−(4,6−ジメ
チルピリジン)、t−ブチルペンタクロロフェニルカー
ボネート、2−(t−ブトキシカルボニルオキシイミ
ノ)−2−フェニルアセトニトリル等を使用し、かつ酸
トラップ溶媒としてピリジン、テトラエチルアミン等を
用いて、単分散のポリ(p−ヒドロキシスチレン)部及
びポリ(m−ヒドロキシスチレン)部の水酸基を部分的
にt−ブトキシカルボニル化する。この場合、必要に応
じてジメチルアミン、4−N,N−ジメチルアミノピリ
ジン等をt−ブトキシカルボニル化触媒として反応系に
添加してもよい。なお、t−ブトキシカルボニル化試薬
の使用量は、t−ブトキシカルボニル化率に比例量であ
り、t−ブトキシカルボニル化触媒の添加量は触媒量と
することができる。更に酸トラップ溶媒の使用量は、t
−ブトキシカルボニル化試薬と等モルが好適である。
【0034】また、カリウム−t−ブトキシドを用いて
p−ヒドロキシスチレンとm−ヒドロキシスチレンとの
ブロック共重合体をカリウム塩にし、これをジ−t−ブ
チルジカーボネートと反応させる方法によっても単分散
のp−ヒドロキシスチレンとm−ヒドロキシスチレンと
のブロック共重合体を部分的にt−ブトキシカルボニル
化することができる。なお、本発明におけるt−ブトキ
シカルボニル化反応は上記反応に限定されるものではな
い。
【0035】このようにして得られる本発明の部分エス
テル化単分散性p−ヒドロキシスチレン−m−ヒドロキ
シスチレン共重合体のt−ブトキシカルボニル化率は、
1H−NMRスペクトルによって容易に確認することが
できるもので、このt−ブトキシカルボニル化率は、上
述したようにレジストの現像時における溶解性の差及び
架橋反応制御の観点からポリ(p−ヒドロキシスチレ
ン)とポリ(m−ヒドロキシスチレン)に対してそれぞ
れ0.1〜80%、特に5〜45%の範囲であることが
好ましい。
【0036】
【発明の効果】本発明のt−ブトキシカルボニル基で部
分エステル化されたp−ヒドロキシスチレン−m−ヒド
ロキシスチレンブロック共重合体は、アルカリ現像で
き、かつ分子量分布が狭いので、高解像度のレジスト材
料等の感光性高分子材料として好適である。また、本発
明の製造方法によれば、上記単分散性のt−ブトキシカ
ルボニル基部分エステルのp−ヒドロキシスチレン−m
−ヒドロキシスチレンとのブロック共重合体をその分子
量を任意にかつ容易に制御して工業的に有利に製造する
ことができる。
【0037】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明を更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0038】〔実施例〕単分散性のp−ヒドロキシスチレンとm−ヒドロキシス
チレンとのブロック共重合体の合成 3リットルのフラスコに溶媒としてテトラヒドロフラン
2300ml、開始剤としてn−ブチルリチウム8×1
-3モルを仕込み、混合した。得られた混合溶液を−7
8℃に冷却した後、この溶液にp−tert−ブトキシ
スチレン100gを添加し、2時間撹拌しながら重合反
応を行わせ、次にm−tert−ブトキシスチレン5g
を添加し、2時間撹拌しながら重合反応を行わせたとこ
ろ、反応溶液は赤色を呈した。次いで、得られた反応溶
液に反応停止剤としてメタノールを添加して重合反応を
停止させた後、この溶液をメタノール中に注ぎ、得られ
た重合体を沈澱させ、分離乾燥させたところ、白色の重
合体104gが得られた。
【0039】得られた重合体の1H−NMRの測定結果
は下記の通りである。 1.4〜2.2ppm:(ブロード,3H,−C2
−) 1.3〜1.6ppm:(ブロード,9H,−OC(C
33 ) 6〜7ppm: (ブロード,4H,C6 4
【0040】1H−NMR測定結果から、上記の共重合
体は、p−tert−ブトキシスチレン95%及びm−
tert−ブトキシスチレン5%からなる共重合体であ
ることが確認された。また、膜浸透圧測定法によって数
平均分子量を測定したところ、1.2×104g/モル
であった。更に、GPC溶出曲線の結果から、単分散性
が極めて高い(Mw/Mn=1.09)ことが確認され
た。なお、GPC溶出曲線は図1に示した通りである。
【0041】次いで、上記共重合体20gをアセトン3
00mlに加えて溶解させた後、60℃で少量の濃塩酸
を添加した。得られた溶液を8時間撹拌した後、この溶
液を水中に注ぎ、洗浄・乾燥させたところ、ポリマー1
3gが得られた。
【0042】膜浸透圧測定法によりこのポリマーの数平
均分子量を測定したところ7600g/モルであった。
また、このポリマーの分子量分布をGPCにより評価し
た結果は図2に示した通りであり、極めて単分散性の高
い共重合体であることが確認された。更に、ここで得ら
れたポリマーの1H−NMRの測定結果からtert−
ブチル基に由来するピークが観測されなかったので、ポ
リマーがポリ(p−ヒドロキシスチレン)とポリ(m−
ヒドロキシスチレン)との共重合体であって、tert
−ブチル基を全く有していないことが確認された。
【0043】tert−ブトキシカルボニル基で部分エ
ステル化されたp−ヒドロキシスチレンとm−ヒドロキ
シスチレンとのブロック共重合体の合成 上記リビング重合で得られたp−ヒドロキシスチレンと
m−ヒドロキシスチレンとのブロック共重合体(分子量
7600、分子量分布1.15)100gをピリジン1
リットルに溶解させ、45℃で撹拌しながら二炭酸ジ−
t−ブチルを40g添加した。添加と同時にガスが発生
したが、更にN2気流中で一時間反応させた。濃塩酸2
0gを含む水1リットルに反応液を滴下し、白色の沈澱
を得た。ろ過した後、アセトン50mlに沈澱溶解さ
せ、水1リットルに滴下した。次いで、沈澱をろ過した
後、40℃以下で真空乾燥した。
【0044】得られたポリマーは前記式(1),
(2),(3)及び(4)の繰り返し単位を有するもの
で、1H−NMRにおける8ppmのOH基のピークを
用いてtert−ブトキシカルボニル基の導入率を求め
た結果、19.6%であり、また分子量分布は1.15
であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で得られたp−tert−ブトキシスチ
レンとm−tert−ブトキシスチレンとのブロック共
重合体のGPC溶出曲線を示すグラフである。
【図2】実施例で得られたp−ヒドロキシスチレンとm
−ヒドロキシスチレンとのブロック共重合体のGPC溶
出曲線を示すグラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記構造式(1),(2),(3)及び
    (4)で示される繰り返し単位を有し、かつ分子量分布
    が重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)=1.
    01〜1.5であることを特徴とするポリ(p−ヒドロ
    キシスチレン)部及びポリ(m−ヒドロキシスチレン)
    部の水酸基がtert−ブトキシカルボニル基で部分エ
    ステル化されたp−ヒドロキシスチレン−m−ヒドロキ
    シスチレンブロック共重合体。 【化1】
  2. 【請求項2】 重量平均分子量(Mw)/数平均分子量
    (Mn)が1.01〜1.5の単分散性のp−ヒドロキ
    シスチレンとm−ヒドロキシスチレンとのブロック共重
    合体中のポリ(p−ヒドロキシスチレン)部及びポリ
    (m−ヒドロキシスチレン)部の水酸基を部分的にte
    rt−ブトキシカルボニル化する請求項1記載のp−ヒ
    ドロキシスチレン−m−ヒドロキシスチレンブロック共
    重合体の製造方法。
JP22517392A 1992-07-31 1992-07-31 tert−ブトキシカルボニル基で部分エステル化されたp−ヒドロキシスチレン−m−ヒドロキシスチレンブロック共重合体及びその製造方法 Pending JPH0649137A (ja)

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Cited By (3)

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