JPH0649134A - tert−ブトキシカルボニル基で部分エステル化されたm−ヒドロキシスチレン−スチレン又はαメチルスチレンブロック共重合体及びその製造方法 - Google Patents

tert−ブトキシカルボニル基で部分エステル化されたm−ヒドロキシスチレン−スチレン又はαメチルスチレンブロック共重合体及びその製造方法

Info

Publication number
JPH0649134A
JPH0649134A JP22517492A JP22517492A JPH0649134A JP H0649134 A JPH0649134 A JP H0649134A JP 22517492 A JP22517492 A JP 22517492A JP 22517492 A JP22517492 A JP 22517492A JP H0649134 A JPH0649134 A JP H0649134A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydroxystyrene
block copolymer
molecular weight
styrene
tert
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP22517492A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Watanabe
修 渡辺
Motoyuki Yamada
素行 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority to JP22517492A priority Critical patent/JPH0649134A/ja
Publication of JPH0649134A publication Critical patent/JPH0649134A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルカリで容易に現像することができると共
に、単分散性で高現像性及び高解像度を有し、機能性高
分子としてレジスト材料等の用途に好適なポリマーを提
供する。 【構成】 重量平均分子量(Mw)/数平均分子量
(Mn)が1.01〜1.5の単分散性のm−ヒドロキ
シスチレンとスチレン又はαメチルスチレンとのブロッ
ク共重合体中のポリ(m−ヒドロキシスチレン)部の水
酸基を部分的にtert−ブトキシカルボニル化して、
下記構造式(1),(2)及び(3)で示される繰り返
し単位を有し、かつ分子量分布が重量平均分子量
(Mw)/数平均分子量(Mn)=1.01〜1.5であ
るポリヒドロキシスチレン部の水酸基がtert−ブト
キシカルボニル基で部分エステル化されたm−ヒドロキ
シスチレン−スチレン又はαメチルスチレンブロック共
重合体を得る。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はLSI用のレジスト材等
として好適に用いられるポリ(m−ヒドロキシスチレ
ン)部の水酸基がtert−ブトキシカルボニル基で部
分エステル化された単分散性のm−ヒドロキシスチレン
−スチレン又はαメチルスチレンブロック共重合体及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
高解像度のリソグラフィー用或いはLSI用として使用
するレジスト材料用ベースポリマーとしては、機能性高
分子が多用されている。特に近年のLSIにおける高密
度化の進展に伴い、レジスト材料については益々高解像
度及び高現像性が要求されるようになり、このような要
求に応え得る機能性高分子としては従来はノボラック樹
脂が主流に使用されていたが、最近においてはこれに代
わるものとして化学増幅タイプのレジスト材料が種々検
討されている。
【0003】上記化学増幅タイプのレジスト材料におい
ては、特に作業性の観点から酸によって容易に脱離する
官能基を有すると共に、その官能基の脱離前後での溶解
性が異なるものが賞用されている。このようなレジスト
材料としては耐プラズマ性に優れているポリスチレン誘
導体が特に好適なものとして知られている。
【0004】これらのポリマーをレジスト用ベースポリ
マーとして使用する場合には、その分子量や分子量分布
がレジストの現像特性及び解像度に大きな影響を与える
が、これらのポリマーは通常のラジカル重合法や縮重合
法により得られる多分散ポリマーであって、はじめから
分子量や分子量分布を制御するということが配慮されて
いないので、レジストの現像性及び解像度を高めるた
め、分別という手法を用いて分子量の制御を行ってい
る。
【0005】しかしながら、分別という手法は操作が複
雑であるのみならず、時間がかかるという欠点がある
上、厳しくなる要求性能に対して十分に追随することが
困難であるので、問題解決の本質的手段にはなり得ない
ものであった。
【0006】従って、レジスト材料用ベースポリマーと
して好適な高品質のポリマーの開発が望まれていた。
【0007】本発明は上記要望に応えるためなされたも
ので、酸によって容易に脱離する官能基を有するので、
その官能基の脱離前後での溶解性が異なることでアルカ
リで容易に現像することができると共に、高現像性及び
高解像度を有し、レジスト材料等として有用なポリ(m
−ヒドロキシスチレン)部の水酸基がtert−ブトキ
シカルボニル基で部分エステル化されたm−ヒドロキシ
スチレン−スチレン又はαメチルスチレンブロック共重
合体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は上記
目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、下記構造式
(4)で示されるスチレン又はαメチルスチレンと下記
構造式(5)で示されるm−tert−ブトキシスチレ
ンとをリビング重合させた後、分子中のtert−ブチ
ル基を脱離させることにより、重量平均分子量(Mw
/数平均分子量(Mn)が1.01〜1.5の単分散性
のm−ヒドロキシスチレンとスチレン又はαメチルスチ
レンとのブロック共重合体が得られること、そして該ブ
ロック共重合体中のポリ(m−ヒドロキシスチレン)部
の水酸基を部分的にtert−ブトキシカルボニル化す
ることにより、下記構造式(1),(2)及び(3)で
示される繰り返し単位を有し、かつ分子量分布がMw
n=1.01〜1.5であるポリ(m−ヒドロキシス
チレン)部の水酸基がtert−ブトキシカルボニル基
で部分エステル化されたm−ヒドロキシスチレンとスチ
レン又はαメチルスチレンとのブロック共重合体が得ら
れること、この方法は分子量の制御が容易であり、かつ
確実にMw/Mn=1.01〜1.5の単分散性のブロッ
ク共重合体を与えるものであると共に、このようにして
得られた単分散性ブロック共重合体が酸によって容易に
脱離し得るtert−ブトキシカルボニル基を有し、ア
ルカリで容易に現像することができる上、単分散性で分
別という面倒な手法を行わなくても高現像性及び高解像
度を有し、それ故、機能性高分子としてレジスト材料用
ベースポリマー等の用途に好適に利用できることを知見
し、本発明をなすに至った。
【0009】
【化2】 (但し、式中Rは水素原子又はメチル基である。以下同
様。)
【0010】従って、本発明は、上記構造式(1),
(2)及び(3)で示される繰り返し単位を有し、かつ
分子量分布が重量平均分子量(Mw)/数平均分子量
(Mn)=1.01〜1.5であるポリ(m−ヒドロキ
シスチレン)部の水酸基がtert−ブトキシカルボニ
ル基で部分エステル化されたm−ヒドロキシスチレン−
スチレン又はαメチルスチレンブロック共重合体、及び
重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が1.0
1〜1.5の単分散性のm−ヒドロキシスチレンとスチ
レン又はαメチルスチレンとのブロック共重合体中のポ
リ(m−ヒドロキシスチレン)部の水酸基を部分的にt
ert−ブトキシカルボニル化する上記m−ヒドロキシ
スチレン−スチレン又はαメチルスチレンブロック共重
合体の製造方法を提供する。
【0011】以下、本発明につき更に詳述すると、本発
明のブロック共重合体は、下記構造式(1),(2)及
び(3)で示される繰り返し単位を有するポリ(m−ヒ
ドロキシスチレン)部の水酸基がtert−ブトキシカ
ルボニル基で部分エステル化されたものである。
【0012】
【化3】
【0013】ここで、上記式(1),(2)及び(3)
の繰り返し単位は任意の割合で含有してよいが、通常は
重量分率が0.01≦構造式(1)≦99.98,0.
01≦構造式(2)≦99.98,0.01≦構造式
(3)≦99.98、(1)+(2)+(3)=1とな
るような割合で含有することが好ましく、特に本発明の
ブロック共重合体をレジスト材として使用する場合は、
レジストの現像時における溶解性の差の観点から20≦
(1)≦99.98,0.01≦(2)≦50,0.0
1≦(3)≦80、より好ましくは50≦(1)≦9
9.98,0.01≦(2)≦20,0.01≦(3)
≦45とすることが好ましい。
【0014】更に、上記ブロック共重合体において、分
子中の水酸基のt−ブトキシカルボニル基による部分エ
ステル化の割合はポリ(m−ヒドロキシスチレン)に対
して0.1〜80%(重量%、以下同様)、特に5〜4
5%であることが好ましい。
【0015】本発明の上記m−ヒドロキシスチレンとス
チレン又はαメチルスチレンとのブロック共重合体は、
w/Mnが1.01〜1.5、好ましくは1.01〜
1.3の範囲となるような分子量分布を有する単分散性
のものである。Mw/Mnが1.01に満たないものは技
術的に合成困難であり、1.5を超えるとレジスト材料
として利用できる程度の高解像度、高現像度を得ること
ができない。なお、重量平均分子量(Mw)は光散乱法
により、また、数平均分子量(Mn)は膜浸透圧計を用
いて測定することができる。
【0016】更に、上記ブロック共重合体の平均分子量
は特に制限されるものではないが、レジスト材料として
使用する場合は、一般に数平均分子量が500〜50
0,000の範囲、特に3,000〜300,000の
範囲であることが好ましい。数平均分子量が500未満
ではレジスト材料として膜強度が無い場合があり、50
0,000を超えると現像特性、相溶性に問題があり、
高解像度、高現像度を得ることができない場合がある。
【0017】なお、上記分子量分布の評価はゲルパーミ
ェーションクロマトグラフィー(GPC)によって行う
ことができ、分子構造は1H−NMRスペクトルによっ
て容易に確認することができる。
【0018】本発明において上述した単分散性の部分エ
ステル化m−ヒドロキシスチレン−スチレン又はαメチ
ルスチレンブロック共重合体は、以下に示す如く単分散
性m−ヒドロキシスチレン−スチレン又はαメチルスチ
レンブロック共重合体の水酸基をt−ブトキシカルボニ
ル基によって部分的にエステル化することにより容易に
得ることができる。
【0019】ここでまず、単分散性のm−ヒドロキシス
チレンとスチレン又はαメチルスチレンのブロック共重
合体は、下記構造式(4)で示されるスチレン又はαメ
チルスチレンと下記構造式(5)で示されるm−t−ブ
トキシスチレンの両モノマーをリビング重合させた後、
分子中のt−ブチル基を脱離することによって得ること
ができる。
【0020】
【化4】
【0021】また、上記モノマーのリビング重合に際し
ては、重合開始剤として有機金属化合物を用いることが
好ましい。有機金属化合物としては、例えばn−ブチル
リチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウ
ム、ナトリウムナフタレン、アントラセンナトリウム、
α−メチルスチレンテトラマージナトリウム、クミルカ
リウム、クミルセシウム等の有機アルカリ金属などが挙
げられる。なお重合開始剤の添加量は、生成するポリマ
ーの分子量に依存しており、分子量とモノマーの重量か
ら算出される。
【0022】リビング重合は一般に有機溶媒中で行うこ
とが望ましい。有機溶媒としては芳香族炭化水素、環状
エーテル、脂肪族炭化水素溶媒等が例示され、具体例と
してベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン、テトラヒドロピラン、ジメトキシエタン、n−ヘ
キサン、シクロヘキサン等が挙げられる。これらの有機
溶媒はそれぞれ単独で使用しても2種以上を組み合わせ
て使用してもよい。なお、上記両モノマー式(4),
(5)の有機溶媒中の濃度は1〜50%、特に1〜30
%とすることが好ましい。
【0023】反応は高真空下又はアルゴン、窒素等の不
活性ガス雰囲気下で撹拌して行うことが好ましい。反応
温度は−100℃から使用した有機溶媒の沸点温度まで
の間で自由に選択することができるが、特にテトラヒド
ロフラン溶媒では−78℃〜0℃、ベンゼン溶媒では室
温で反応させることが好ましい。また、反応は通常約1
0分〜20時間行うことが好適である。
【0024】反応の停止は、例えばメタノール、水、メ
チルブロマイド等の停止剤を反応系に添加することによ
って行う。次いで、得られた反応混合溶液を適当な溶
剤、例えばメタノール中に沈澱せしめ、洗浄、乾燥する
ことにより、重合反応によって生成したポリマーを精
製、単離することができる。なお、このようにリビング
重合反応を行うと、上記式(4)及び(5)のモノマー
中のビニル基のみが選択的に反応して重合し、下記構造
式(6)及び(7)で示される繰り返し単位を有するブ
ロック共重合体が得られる。
【0025】
【化5】
【0026】このようにして得られる共重合体は、分子
量分布Mw/Mnが1.01〜1.5の単分散性のもので
ある。
【0027】なお、上記反応におけるポリマーの収率は
ほぼ100%であるので、得られるポリマーの分子量は
使用したモノマーの重量と重合開始剤のモル数(分子
数)から容易に算出できる。
【0028】次に、上記式(6)及び(7)で示される
繰り返し単位を有する共重合体中のt−ブチル基を脱離
させることにより、下記構造式(8)及び(9)で示さ
れるフェノール残基構造単位を有するm−ヒドロキシス
チレンとスチレン又はαメチルスチレンとのブロック共
重合体が得られる。
【0029】
【化6】
【0030】上記のt−ブチル基の脱離反応は、ジオキ
サン、アセトン、アセトニトリル、ベンゼン等の単独又
は混合溶媒中で塩酸、臭化水素酸等の酸を滴下すること
によって容易に行うことができる。これらの反応におい
ては、高分子の主鎖が切断されたり、分子間に架橋反応
が起こるということがないので、前駆体であるm−t−
ブトキシスチレンとスチレン又はαメチルスチレンとの
ブロック共重合体の分子量分布がそのまま維持されて、
分子量分布の狭い単分散のm−ヒドロキシスチレンとス
チレン又はαメチルスチレンとの共重合体を得ることが
できる。
【0031】なおこの場合、酸の添加量はポリ(m−t
ert−ブトキシスチレン)と等モル以上添加すればよ
い。
【0032】更に、上述の単分散性のm−ヒドロキシス
チレンとスチレン又はαメチルスチレンとのブロック共
重合体のポリ(m−ヒドロキシスチレン)部の水酸基を
部分的にt−ブトキシカルボニル化する反応は、通常の
t−ブトキシカルボニル化反応と同様にして容易に行う
ことができる。
【0033】例えば、t−ブトキシカルボニル化試薬と
して、クロロギ酸−t−ブチル、ジ−t−ブチルカーボ
ネート、t−ブトキシカルボニルチオ−(4,6−ジメ
チルピリジン)、t−ブチルペンタクロロフェニルカー
ボネート、2−(t−ブトキシカルボニルオキシイミ
ノ)−2−フェニルアセトニトリル等を使用し、かつ酸
トラップ溶媒としてピリジン、テトラエチルアミン等を
用いて、単分散のポリ(m−ヒドロキシスチレン)部の
水酸基を部分的にt−ブトキシカルボニル化する。この
場合、必要に応じてジメチルアミン、4−N,N−ジメ
チルアミノピリジン等をt−ブトキシカルボニル化触媒
として反応系に添加してもよい。なお、t−ブトキシカ
ルボニル化試薬の使用量は、t−ブトキシカルボニル化
率に比例量であり、t−ブトキシカルボニル化触媒の添
加量は触媒量とすることができる。更に酸トラップ溶媒
の使用量は、t−ブトキシカルボニル化試薬と等モルが
好適である。
【0034】また、カリウム−t−ブトキシドを用い
て、m−ヒドロキシスチレンとスチレン又はαメチルス
チレンとのブロック共重合体をカリウム塩にし、これを
ジ−t−ブチルジカーボネートと反応させる方法によっ
ても単分散のm−ヒドロキシスチレンとスチレン又はα
メチルスチレンとの共重合体を部分的にt−ブトキシカ
ルボニル化することができる。なお、本発明におけるt
−ブトキシカルボニル化反応は上記反応に限定されるも
のではない。
【0035】このようにして得られる本発明の部分エス
テル化単分散性m−ヒドロキシスチレン−スチレン又は
αメチルスチレン共重合体のt−ブトキシカルボニル化
率は、1H−NMRスペクトルによって容易に確認する
ことができるもので、このt−ブトキシカルボニル化率
は、上述したようにレジストの現像時における溶解性の
差及び架橋反応制御の観点からポリ(m−ヒドロキシス
チレン)に対して0.1〜80%、特に5〜45%の範
囲であることが好ましい。
【0036】
【発明の効果】本発明のt−ブトキシカルボニル基で部
分エステル化されたm−ヒドロキシスチレン−スチレン
又はαメチルスチレンブロック共重合体は、アルカリ現
像でき、かつ分子量分布が狭いので、高解像度のレジス
ト材料等の感光性高分子材料として好適である。また、
本発明の製造方法によれば、上記単分散性のt−ブトキ
シカルボニル基部分エステルのm−ヒドロキシスチレン
とスチレン又はαメチルスチレンとのブロック共重合体
をその分子量を任意にかつ容易に制御して工業的に有利
に製造することができる。
【0037】
【実施例】以下、実施例を示し本発明を更に詳述する
が、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0038】〔実施例1〕単分散のm−ヒドロキシスチレンとαメチルスチレンと
のブロック共重合体の合成 3リットルのフラスコに溶媒としてテトラヒドロフラン
2300ml、開始剤としてn−ブチルリチウム1×1
-2モルを仕込み、混合した。得られた混合溶液を−7
8℃に冷却した後、この溶液にm−tert−ブトキシ
スチレン95gを添加し、−78℃の重合温度で2時間
重合させ、次にαメチルスチレン5gを添加し、15時
間撹拌しながら重合反応を行わせたところ、反応溶液は
赤色を呈した。次いで、得られた反応溶液に反応停止剤
としてメタノールを添加し、重合反応を停止させた後、
この溶液をメタノール中に注ぎ、得られた重合体を沈澱
させ、分離乾燥させたところ、白色の重合体100gが
得られた。
【0039】得られた重合体の1H−NMRの測定結果
は下記の通りである。
【0040】
【化7】
【0041】1H−NMR測定結果から、上記の共重合
体はαメチルスチレン5%及びm−tert−ブトキシ
スチレン95%からなる共重合体であることが確認され
た。また、膜浸透圧測定法によって数平均分子量を測定
したところ、9000g/モルであった。更に、GPC
溶出曲線の結果から、単分散性が極めて高い(Mw/Mn
=1.11)ことが確認された。なお、GPC溶出曲線
は図1に示した通りである。
【0042】次いで、上記共重合体20gをアセトン3
00mlに加えて溶解させた後、60℃で少量の濃塩酸
を添加した。得られた溶液を8時間撹拌した後、この溶
液を水中に注ぎ、洗浄・乾燥させたところ、ポリマー1
3gが得られた。
【0043】膜浸透圧測定法によりこのポリマーの数平
均分子量を測定したところ6000g/モルであった。
また、このポリマーの分子量分布をGPCにより評価し
た結果は図2に示した通りであり、極めて単分散性の高
い共重合体であることが確認された。更に、ここで得ら
れたポリマーの1H−NMRの測定結果からtert−
ブチル基に由来するピークが観測されなかったので、ポ
リマーがポリ(m−ヒドロキシスチレン)とポリαメチ
ルスチレンとの共重合体であって、tert−ブチル基
を全く有していないことが確認された。
【0044】tert−ブトキシカルボニル基で部分エ
ステル化されたm−ヒドロキシスチレンとαメチルスチ
レンとのブロック共重合体の合成 リビング重合で得られたm−ヒドロキシスチレンとαメ
チルスチレンとのブロック共重合体(分子量8000、
分子量分布1.05)100gをピリジン1リットルに
溶解させ、45℃で撹拌しながら二炭酸ジ−t−ブチル
を40g添加した。添加と同時にガスが発生したが、N
2気流中で一時間反応させた。濃塩酸40gを含む水1
リットルに反応液を滴下し、白色の沈澱を得た。ろ過し
た後、アセトン50mlに沈澱溶解させ、水1リットル
に滴下した。沈澱をろ過した後、40℃以下で真空乾燥
した。
【0045】得られたポリマーは前記式(1),(2)
及び(3)の繰り返し単位を有するもので(但し、R=
CH3)、1H−NMRにおける8ppmのOH基のピー
クを用いてtert−ブトキシカルボニル基の導入率を
求めた結果、20.6%であり、また分子量分布は1.
05であった。
【0046】〔実施例2〕単分散のm−ヒドロキシスチレンとスチレンとのブロッ
ク共重合体の合成 3リットルのフラスコに溶媒としてテトラヒドロフラン
2300ml、開始剤としてn−ブチルリチウム8×1
-3モルを仕込み、混合した。得られた混合溶液を−7
8℃に冷却した後、この溶液にm−tert−ブトキシ
スチレン95gを添加し、−78℃の重合温度で2時間
重合させ、次にスチレン5gを添加し、3時間撹拌しな
がら重合反応を行わせたところ、反応溶液は赤色を呈し
た。次いで、得られた反応溶液に反応停止剤としてメタ
ノールを添加し、重合反応を停止させた後、この溶液を
メタノール中に注ぎ、得られた重合体を沈澱させ、分離
乾燥させたところ、白色の重合体100gが得られた。
【0047】得られた重合体のGPC溶出曲線は図3に
示した通りである。1H−NMR測定結果から、上記の
共重合体はスチレン5%及びm−tert−ブトキシス
チレン95%からなる共重合体であることが確認され
た。また、膜浸透圧測定法によって数平均分子量を測定
したところ、1.1× 104g/モルであった。更に、
GPC溶出曲線の結果から、単分散性が極めて高い(M
w/Mn=1.14)ことが確認された。
【0048】次いで、上記共重合体20gをアセトン3
00mlに加えて溶解させた後、60℃で少量の濃塩酸
を添加した。得られた溶液を8時間撹拌した後、この溶
液を水中に注ぎ、洗浄・乾燥させたところ、ポリマー1
3gが得られた。
【0049】膜浸透圧測定法によりこのポリマーの数平
均分子量を測定したところ7200g/モルであった。
また、このポリマーの分子量分布をGPCにより評価し
た結果は図4に示した通りであり、極めて単分散性の高
い共重合体であることが確認された。更に、ここで得ら
れたポリマーの1H−NMRの測定結果からtert−
ブチル基に由来するピークが観測されなかったので、ポ
リマーがポリ(m−ヒドロキシスチレン)とポリスチレ
ンとの共重合体であって、tert−ブチル基を全く有
していないことが確認された。
【0050】tert−ブトキシカルボニル基で部分エ
ステル化されたm−ヒドロキシスチレンとスチレンとの
ブロック共重合体の合成 リビング重合で得られたm−ヒドロキシスチレンとスチ
レンとのブロック共重合体(分子量7200、分子量分
布1.14)100gをピリジン1リットルに溶解さ
せ、45℃で撹拌しながら二炭酸ジ−t−ブチルを50
g添加した。添加と同時にガスが発生したが、N2気流
中で一時間反応させた。濃塩酸20gを含む水1リット
ルに反応液を滴下し、白色の沈澱を得た。ろ過した後、
アセトン50mlに沈澱溶解させ、水1リットルに滴下
した。沈澱をろ過した後、40℃以下で真空乾燥した。
【0051】得られたポリマーは前記式(1),(2)
及び(3)の繰り返し単位を有するもので(但し、R=
H)、1H−NMRにおける8ppmのOH基のピーク
を用いてtert−ブトキシカルボニル基の導入率を求
めた結果、25.6%であり、また分子量分布は1.1
4であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたm−tert−ブトキシス
チレンとαメチルスチレンとのブロック共重合体のGP
C溶出曲線を示すグラフである。
【図2】実施例1で得られたヒドロキシスチレンとαメ
チルスチレンとのブロック共重合体のGPC溶出曲線を
示すグラフである。
【図3】実施例2で得られたm−tert−ブトキシス
チレンとスチレンとのブロック共重合体のGPC溶出曲
線を示すグラフである。
【図4】実施例2で得られたヒドロキシスチレンとスチ
レンとのブロック共重合体のGPC溶出曲線を示すグラ
フである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記構造式(1),(2)及び(3)で
    示される繰り返し単位を有し、かつ分子量分布が重量平
    均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)=1.01〜
    1.5であることを特徴とするポリ(m−ヒドロキシス
    チレン)部の水酸基がtert−ブトキシカルボニル基
    で部分エステル化されたm−ヒドロキシスチレン−スチ
    レン又はαメチルスチレンブロック共重合体。 【化1】 (但し、式中Rは水素原子又はメチル基である。)
  2. 【請求項2】 重量平均分子量(Mw)/数平均分子量
    (Mn)が1.01〜1.5の単分散性のm−ヒドロキ
    シスチレンとスチレン又はαメチルスチレンとのブロッ
    ク共重合体中のポリ(m−ヒドロキシスチレン)部の水
    酸基を部分的にtert−ブトキシカルボニル化する請
    求項1記載のm−ヒドロキシスチレン−スチレン又はα
    メチルスチレンブロック共重合体の製造方法。
JP22517492A 1992-07-31 1992-07-31 tert−ブトキシカルボニル基で部分エステル化されたm−ヒドロキシスチレン−スチレン又はαメチルスチレンブロック共重合体及びその製造方法 Pending JPH0649134A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22517492A JPH0649134A (ja) 1992-07-31 1992-07-31 tert−ブトキシカルボニル基で部分エステル化されたm−ヒドロキシスチレン−スチレン又はαメチルスチレンブロック共重合体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22517492A JPH0649134A (ja) 1992-07-31 1992-07-31 tert−ブトキシカルボニル基で部分エステル化されたm−ヒドロキシスチレン−スチレン又はαメチルスチレンブロック共重合体及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0649134A true JPH0649134A (ja) 1994-02-22

Family

ID=16825116

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22517492A Pending JPH0649134A (ja) 1992-07-31 1992-07-31 tert−ブトキシカルボニル基で部分エステル化されたm−ヒドロキシスチレン−スチレン又はαメチルスチレンブロック共重合体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0649134A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0789279A1 (en) 1996-02-09 1997-08-13 Wako Pure Chemical Industries Ltd Polymer and resist material
KR100895455B1 (ko) * 2000-08-31 2009-05-07 후지필름 가부시키가이샤 네거티브 레지스트 조성물 및 이를 사용한 패턴 형성 방법

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0789279A1 (en) 1996-02-09 1997-08-13 Wako Pure Chemical Industries Ltd Polymer and resist material
KR100895455B1 (ko) * 2000-08-31 2009-05-07 후지필름 가부시키가이샤 네거티브 레지스트 조성물 및 이를 사용한 패턴 형성 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20100033962A (ko) Aba형 삼중블록 공중합체 및 그 제조방법
JPH0665333A (ja) 単分散性共重合体及びその製造方法
US5089601A (en) Chloroprene polymer
KR100503192B1 (ko) 고분자 화합물 및 그의 제조 방법
JPS62246905A (ja) スチレン系共重合体
JPH04359906A (ja) ポリ(パラ−t−ブトキシカルボニルオキシスチレン)及びその製造方法
Hirano et al. Precise synthesis of novel ferrocene-based star-branched polymers by using specially designed 1, 1-diphenylethylene derivatives in conjunction with living anionic polymerization
JPH0649134A (ja) tert−ブトキシカルボニル基で部分エステル化されたm−ヒドロキシスチレン−スチレン又はαメチルスチレンブロック共重合体及びその製造方法
JPH0649137A (ja) tert−ブトキシカルボニル基で部分エステル化されたp−ヒドロキシスチレン−m−ヒドロキシスチレンブロック共重合体及びその製造方法
JPH0649136A (ja) tert−ブトキシカルボニル基で部分エステル化されたポリ(3−ヒドロキシスチレン)及びその製造方法
JPH0641221A (ja) ポリ(3−メチル−4−ヒドロキシスチレン)及びその製造方法
JPH0632849A (ja) tert−ブトキシカルボニル基で部分エステル化されたp−ヒドロキシスチレン−αメチルスチレンブロック共重合体及びその製造方法
JPH0632851A (ja) tert−ブトキシカルボニル基で部分エステル化されたp−ヒドロキシαメチルスチレン−スチレンブロック共重合体及びその製造方法
JPH0632848A (ja) tert−ブトキシカルボニル基で部分エステル化されたp−ヒドロキシαメチルスチレン−αメチルスチレンブロック共重合体及びその製造方法
JPH0632838A (ja) tert−ブトキシカルボニル基で部分エステル化されたp−ヒドロキシスチレン−スチレンランダム共重合体及びその製造方法
JPH0632850A (ja) tert−ブトキシカルボニル基で部分エステル化されたp−ヒドロキシスチレン−p−ヒドロキシαメチルスチレンブロック共重合体及びその製造方法
JPH0649135A (ja) tert−ブトキシカルボニル基で部分エステル化されたポリ(3−メチル−4−ヒドロキシスチレン)及びその製造方法
JPH0641222A (ja) ポリ(m−ヒドロキシスチレン)及びその製造方法
JPH0632819A (ja) ポリ(p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン)の製造方法
JP2862720B2 (ja) t−ブトキシカルボニル基で部分エステル化された狭分散性ポリヒドロキシスチレン及びその製造方法
JPH0632820A (ja) t−ブトキシカルボニル基で部分エステル化されたポリ(p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン)及びその製造方法
JPH07268030A (ja) テトラヒドロピラニル基で部分エーテル化されたポリヒドロキシスチレン及びその製造方法
JPH0665324A (ja) 単分散性共重合体及びその製造方法
JPH0632818A (ja) ポリ(p−ヒドロキシスチレン)の製造方法
JP2002047322A (ja) A−b−a型アルケニルフェノール系共重合体