JPH075649B2 - アニオン重合方法 - Google Patents

アニオン重合方法

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JPH075649B2
JPH075649B2 JP21116788A JP21116788A JPH075649B2 JP H075649 B2 JPH075649 B2 JP H075649B2 JP 21116788 A JP21116788 A JP 21116788A JP 21116788 A JP21116788 A JP 21116788A JP H075649 B2 JPH075649 B2 JP H075649B2
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承治 池田
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【発明の詳細な説明】 本発明の背景 本発明は、新規なアニオン重合開始剤を用いるアニオン
重合法に関する。
近年、塗料用基体樹脂分野において、ハイソリッド化が
強く要請されている。周知のように、ハイソリッド化の
ためには基体樹脂が高濃度において塗装可能な粘度を保
つように低分子量化する必要がある。しかし既存の技術
による基体樹脂の低分子量化は、i)分子量分布が広い
ためやみくもな低分子量化は極端な低分子量分の生成の
原因となり塗装作業性、塗膜物性に悪影響を及ぼす、i
i)塗膜中の末端自由鎖の増加に伴い、望ましい塗膜物
性が得られない、等を欠点を有する。
すなわち、ラジカル重合法によって得られる樹脂は、低
分子量化すると分子量分布が広いため極端な低分子量分
子が生成し、極端な低分子量分子の中には架橋点となる
官能基が含まれていない可能性がある。
アニオン重合法、特にアニオンリビング重合法は比較的
分子量分布の狭い高分子が得られ、しかも分子量の調節
が容易であるので、より低粘度のハイソリッド塗料用樹
脂の合成法として適している。他方、塗料用樹脂として
使用するためには、分子鎖中に架橋剤と反応し得る官能
基を持っていることが必要である。しかもすぐれた物性
を有する硬化塗膜を得るためには、同じ分子鎖中に少な
くとも2個のそのような官能基を持っていることが望ま
しい。
ところが例えばα−メチルスチレンにNa金属を反応させ
て得られるジアニオン型リビング四量体を開始剤とし、
二つの生長開始点からアニオン重合法によって生長させ
て得られるポリマーの生長末端に官能基を導入して多官
能性ポリマーを得ようとする場合、もし一方の生長末端
が停止反応を起こすと単官能のモノマーしか得られな
い。
そこで本発明者らは先に、保護された官能基を有するα
−アルキルスチレンにアルカリ金属を反応させて得られ
るジアニオン型リビングテロマーを開始剤とし、二つの
生長開始点からアニオン重合法によって生長させて得ら
れるポリマーの生長末端に官能基を導入し、ポリマー鎖
の中心部分と両末端に官能基を有する多官能ポリマーを
製造するためのアニオン重合法を提案している。特願昭
62-80399参照。しかしながらこの方法において使用する
開始剤の調製は比較的操作が複雑であり、かつ取扱いが
厄介なアルカリ金属自体を使用しなければならない。
そこで本発明者らは、保護された官能基(ヒドロキシ含
有基)を有するα−置換スチレン誘導体をn−ブチルリ
チウムなどの有機アルカリ金属で金属化して得られる化
合物を開始剤として使用し、アニオン重合によって得ら
れるポリマーの生長末端に官能基を導入することを考え
た。ここで使用する開始剤は生長点を一つしか持たない
が、その製造は本発明者らが先に提案したジアニオン型
テロマーの製造よりもはるかに容易かつ簡単であり、か
つ重合後開始剤が本来持っている保護された官能基の保
護基を脱離することにより、両末端に架橋剤と反応し得
る官能基を有する、分子量分布の狭い二官能ポリマーが
得られる。
本発明の概要 本発明は、アニオン重合可能な単量体のアニオン重合方
法に関する。
本発明において使用するアニオン重合開始剤は、下記式
(I)のα−アルキルスチレン誘導体または式(II)の
ジフェニルエチレン誘導体から得られる。
式中、R1はC1−C6アルキルである。
R2は直接結合手、またはC1−C6アルキレンである。
R3はヒドロキシ基の保護基である。
R4は水素、またはC1−C6アルキルである。
アニオン重合開始剤は、前記α−アルキルスチレン誘導
体(I)またはジフェニルエチレン誘導体(II)に、式
MR5(Mは周期律表Ia族の金属元素であり、R5はC1−C6
またはクミル)を反応せしめることによって得られる。
開始剤として、前記式(I)の化合物に有機リチウムを
反応させて得られる生成物を使用し、(メタ)アクリル
酸エステルをアニオン重合する場合、開始段階で副反応
として活性点のカルボニル付加がおこり、生成ポリマー
中に極端に分子量の小さいポリマーが混入し、分子量分
布の狭いポリマーが得られないことである。そのような
場合は、開始剤として式(I)のα−アルキルスチレン
誘導体、に有機リチウムを反応せしめた後、さらに式 (式中R4は前記に同じ。)のジフェニルエチレンまたは
その誘導体を反応せしめて得られる生成物を使用すれば
よい。これにより(メタ)アクリル酸エステルのアニオ
ン重合において、汎用性の高いリチウムを対カチオンと
するアニオン重合開始剤を用いて前記副反応を防止する
ことができる。
本発明のアニオン重合反応は、前記の新規アニオン開始
剤を用いることを除き、常法のアニオンリビング重合法
によって実施することができる。
所定時間重合反応を行った後、低級アルカノールのよう
なプロトン供与体を加えることにより、重合体の生長末
端と反応して生長反応が停止される。
プロトン供与体の代わりに、架橋剤と反応し得る官能基
を導入するための試薬を反応させることにより、生長末
端を失活させると同時に、末端へ架橋剤と反応し得る官
能基を導入することができる。
最後に、式(I)のα−アルキルスチレン誘導体または
式(II)のジフェニルエチレン誘導体のヒドロキシ基の
保護基を脱離してヒドロキシ基を再生することにより、
両末端に架橋剤と反応し得る官能基を有し、分子量分布
の狭いテレキリックポリマーが得られる。
詳細な議論 アニオン重合開始剤 式(I)のα−アルキルスチレン誘導体のうち、ヒドロ
キシ基の保護基としてトリアルキルシリル基を有する化
合物は、本発明者らの特願昭62-80397に記載されてい
る。これらは対応する遊離ヒドロキシ基を有するα−ア
ルキルスチレン誘導体にトリアルキルクロロシランまた
はヘキサアルキルシラザンを反応せしめることによって
製造することができる。
ここでヒドロキシ基の保護基とは、加水分解等の比較的
緩和な条件で選択的に脱離し、ヒドロキシ基を再生し得
る基をいう。このような保護基およびその脱離方法は例
えばペプチド合成等の分野においてよく知られている。
式(I)のα−アルキルスチレン誘導体の具体例として
は、p−(2−トリメチルシロキシエチル)−α−メチ
ルスチレン、p−(2−トリエチルシロキシエチル)−
α−メチルスチレン、p−(2−tert−ブチルメチルシ
ロキシエチル−α−メチルスチレン(BOMS)、p−(2
−トリブチルシロキシエチル)−α−メチルスチレン、
p−(2−プロピルジメチルシロキシエチル)−α−メ
チルスチレン、p−(2−tert−ブトキシエチル)−α
−メチルスチレンなどが挙げられる。
式(II)のジフェニルエチレン誘導体は新規化合物であ
る。
したがって、これら化合物は本発明の使用方法に限定さ
れるものではない。例えば、ジフェニルエチレンは単独
重合性を示さないがスチレン等の単量体とは共重合する
ことが知られている(Bull.Chew.Soc.Jpn.,40,2659 (1
967)ことから該化合物も各種共重合体を合成するため
の単量体として用いることができる。
式(II)で表わされる化合物のうちp−(2−tert−ブ
チルジメチルシロキシエチル)ジフェニルエチレン(II
−a)は、以下のスキーム、 に従ってp−(2−ヒドロキシエチル)ジフェニルエチ
レン(VII−a)を合成し、これにtert−ブチルジメチ
ルクロロシランを反応することによって製造することが
できる。
p−(2−トリメチルシロキシエチル)ジフェニルエチ
レン(II−b)は、化合物(VII−a)にヘキサメチル
ジシラザンを反応せしめることによって得られる。
また、p−(2−tert−ブトキシエチル)ジフェニルエ
チレン(II−c)は、化合物(VII−a)にイソブチレ
ンを反応させることによって合成することができる。
前記以外のジフェニルエチレン誘導体も遊離ヒドロキシ
ル基を有する対応するジフェニルエチレン誘導体(VI
I)に、対応するトリアルキルクロロシラン、ヘキサア
ルキルジシラザン、またはオレフィンを反応させること
によって前記合成スキームに準じて製造することができ
る。
本発明のアニオン重合開始剤は、前記α−アルキルスチ
レン誘導体(I)またはジフェニルエチレン誘導体(I
I)に、式MR5の有機アルカリ金属を反応せしめることに
よって得られる。式MR5の有機アルカリ金属の具体例と
しては、n−,sec−もしくはtert−ブチルリチウム、ク
ミルカリウム、クミルセシウムなどが挙げられる。有機
アルカリ金属は、化合物(I)または(II)に対し0.5
〜1.2モルの範囲で反応させる。あまり過剰に用いると
未反応有機アルカリ金属からもポリマーが生成するため
避けるべきである。反応は後記重合反応に用いられる溶
媒中で、−100℃〜+50℃,好ましくは−100℃〜−40℃
において、後記重合反応と同じ雰囲気中、10分ないし24
時間で行うことができる。
前記化合物(I)と有機リチウム化合物との反応で得ら
れる生成物は、さらに式(III)のジフェニルエチレ
ン、またはp−メチルジフェニルエチレンのようなその
C1−C6アルキル誘導体と反応させた後、本発明のアニオ
ン重合開始剤として使用することができる。化合物(II
I)は、化合物(I)に対し1〜1.5モル用いるのが適当
である。
よく知られているように、化合物(I)または(II)と
有機アルカリ金属MR5との反応により、式R5CH2C-(R)
・M+(式中、Rはスチレン誘導体のα位の置換基)型
のイオン対またはその解離物を生成し、アニオン重合は
これによって生じたカルバニオンを活性種として開始さ
れる。化合物(I)と有機アルカリ金属との反応生成物
に化合物(III)を反応させる時は、化合物(I)と化
合物(III)のダイマーに相当するイオン対またはその
解離物のカルバニオンが活性種となる。
アニオン重合 本発明の開始剤で重合し得る単量体の具体例としては、
スチレン、o−,m−またはp−メチルスチレン、α−メ
チルスチレン、o−,m−またはp−エチルスチレン、o
−,m−またはp−プロピルスチレン、o−,m−またはp
−ブチルスチレン、o−,m−またはp−ヘキシルスチレ
ン等のスチレン誘導体、1,3−ブタジエン,イソプレン,
2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン,2−メチル−1,3−ブ
タジエン,3,4−ジメチル−1,3−ペンタジエン,3,4−ジ
メチル−1,3−ヘキサジエン,4,5−ジエチル−1,3−オク
タジエン,フェニル−1,3−ブタジエン,2−tertブチル
−1,3−ブタジエン等のジエン類、(メタ)アクリル酸
メチル,(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル
酸n−ブチル,(メタ)アクリル酸i−ブチル,(メ
タ)アクリル酸フェニル,(メタ)アクリル酸ベンジル
等の(メタ)アクリル酸エステル類、および(メタ)ア
クリロニトリルが挙げられる。
重合は重合反応に対して不活性な溶媒中で行うのが一般
的である。使用し得る溶媒の具体例としては、ジエチル
エーテル,メチルエチルエーテル,1,4−ジオキサン,テ
トラヒドロフラン等のエーテル類、ベンゼン,トルエ
ン,キシレン等の芳香族炭化水素類、ペンタン,ヘキサ
ン,ヘプタン,シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類が
挙げられる。また溶媒はこれらのうち二種以上混合して
用いることができる。さらに重合濃度には特に制限はな
いが5〜30%で行われるのが一般的である。
重合温度は−100℃〜+50℃の範囲内で任意に選択する
ことができるが、ジエン系単量体の場合は−40〜50℃、
スチレン系およびアクリル酸系の単量体の場合は50℃以
下、特に−10℃〜−50℃の範囲が好ましい。
重合雰囲気は、不活性ガス雰囲気下,減圧下,好ましく
は高真空下において行われ、重合時間は使用する単量
体,溶媒,重合温度,重合濃度,得られる重合体の分子
量に応じ、10分ないし48時間が採用される。
また、該開始剤により、公知のアニオンリビング重合法
を用いてランダム共重合体およびブロック共重合体も製
造することができる。
かくして得られた重合体の生長末端は“リビング”であ
るため、メタノールのようなプロトン性溶媒を添加する
とトリアルキルシロキシ末端もしくはアルコキシ末端の
重合体が得られ、また適当な外部試薬との反応により重
合体の生長末端側に水酸基,カルボキシル基,アミノ
基,エポキシ基,メルカプト基,スルホニル基,ハロゲ
ン,ビニル基,ビニリデン基等の官能基を導入すること
ができる。
ポリマーの末端へ水酸基を導入するための外部試薬の具
体例としては、ホルムアルデヒド,アセトアルデヒド,n
−ブチルアルデヒド,クロラール,プロピオンアルデヒ
ド,イソブチルアルデヒド,n−バレルアルデヒド,イソ
バレルアルデヒド,n−カプロアルデヒド,n−ヘプトアル
デヒド,ステアリルアルデヒド等のアルデヒド類、アセ
トン,メチルエチルケトン,ジエチルケトン等のケトン
類、エチレンオキシド,プロピレンオキシド,トリメチ
レンオキシド,ブチレンオキシド,ペンチレンオキシ
ド,シクロヘキシレンオキシド,スチレンオキシド等の
アルキレンオキシド類およびその誘導体、および酸素が
挙げられる。
ポリマーの末端へカルボキシル基を導入するための外部
試薬としては二酸化炭素が挙げられる。
ポリマーの末端へハロゲンを導入するための外部試薬と
しては、塩素,臭素,ビスブロモメチルエーテル,ビス
クロロメチルエーテル等が挙げられる。
ポリマーの末端へアミノ基を導入するための外部試薬と
しては、エチレンイミン,プロピレンイミン,シクロヘ
キセンイミン等のイミンが挙げられる。
その他、ポリマーの末端へは、例えば二硫化炭素,エチ
レンスルフィド,プロピレンスルフィド,イオウ等によ
ってメルカプト基を、塩化スルフリル等によりスルホニ
ル基を、エピクロルヒドリン等によりエポキシ基等の官
能基を導入することができる。
その後、化合物(I)または(II)に含まれていたヒド
ロキシ基の保護基を加水分解等の常法によって脱離すれ
ば、ポリマー末端の一方にヒドロキシ基を、他方に官能
基を有するテレキリックポリマーを得ることができる。
以下に本発明の実施例を示す。実施例中のポリマーの物
性は次の方法で測定した。
ポリマーの分子量および分子量分布は示差屈折計、紫外
吸光光度計を備えたGPC、蒸気圧オスモメトリーを用い
て測定した。
末端カルボキシ基の定量は、Anal.Chem.,29,232 (195
7)に従い、メチルイソブチルケトン中カリウムメトキ
サイドのベンゼン/メタノール溶液を滴定試薬とし、電
位差滴定により求めた。
実施例1 高真空下ブレークシール法を用い、室温でTHF133mlにp
−(2−tert−ブチルジメチルシロキシエチル)−α−
スチレン(BOMS)のTHF溶液(3.3×10-2N,11.9ml)を加
え、さらにn−ブチルリチウム(2.3×10-2N,11.8ml)
を加えた。反応系はα−メチルスチリルアニオン特有の
赤褐色を示した。1時間反応後、α−メチルスチレン8.
6mlを加えた後、−78℃に冷却し、重合反応を開始させ
た。1時間反応後、少量のメタノールを加えて反応を停
止させた。得られたポリマーの数平均分子量▲▼
(ポリスチレン換算,GPC)および分子量分布▲▼/
▲▼は:それぞれ16.1×104および1.04となった。
収率100% 実施例2 高真空下ブレークシール法を用い、−78℃でTHF109mlに
n−ブチルリチウム(2.9×10-1N,6.35ml)を入れ、さ
らにBOMSのTHF溶液(BOMS3.50ml,THF6.80ml)を入れ、
1.5時間反応させた。次にメチルメタクリレート10.4ml
を入れ、重合反応を開始させた。2時間反応後、少量の
メタノールを加えて反応を停止させた。得られたポリマ
ーの▲▼(GPC)および▲▼/▲▼はそれ
ぞれ1.5×104および4.25となった。収率100% 実施例3 高真空下ブレークシール法を用い、THF130mlにBOMS3.25
mlを加えた後−40℃とし、n−ブチルリチウム(0.29N,
7.00ml)を入れ、1時間反応させた。次に1,1−ジフェ
ニルエチレン(DPE)のTHF溶液(DPE2.0ml,THF10ml)を
加え、30分間反応させた。さらに−78℃に冷却しメチル
メタクリレート10.4mlを加え、1時間反応させた後少量
のメタノールを加え、反応を停止させた。得られたポリ
マー(理論分子量Mk=6.5×103)の▲▼(GPC)お
よび▲▼/▲▼は、それぞれ6.8×103および1.
17となった。また蒸気圧オスモメトリー(VPO)より求
めた数平均分子量▲▼(VPO)は8.6×103となっ
た。1H−NHR測定により高分子鎖1分子あたりに含まれ
るBOMSユニット及びDPEユニットの数はそれぞれ2.3及び
0.8となった。
実施例4 アルゴン雰囲気下ブレークシール法を用い、−58℃でTH
F28.0lにn−ブチルリチウム(1.82N,227ml)とBOMS219
gを加え、−25℃で2時間反応させた。さらに−25℃でD
PE113gを加え1時間反応させた。次に−78℃でメチルメ
タクリレート2.0lを加え、1時間反応させた後、二酸化
炭素を大過剰に加え、反応を停止させた。得られたポリ
マー(Mk=5.0×103)の▲▼(GPC)および▲
▼/▲▼は、それぞれ5.9×103および1.34となっ
た。
得られたポリマーをベンゼン溶液中で希酸処理後再沈精
製することによって末端カルボキシレートの酸性化を行
った。そのポリマーの滴定、蒸気圧オスモメトリーおよ
1H−NMR測定により、カルボン酸のファンクショナリ
ティーが0.97、および高分子鎖1分子あたりに含まれる
BOMSユニット及びDPEユニットの数はそれぞれ1.1及び0.
9となった。(カルボン酸濃度=1.47×10-4モル/g,▲
▼(VPO)=6.6×103)収率100% さらにアセトン中塩化水素ガスを吹き込むことにより、
または臭化水素酸を加えることにより、保護基が完全に
離脱されたことが1H−NMRにより確認された。
実施例5 p−(2−ヒドロキシエチル)ジフェニルエチレン 攪拌機、還流冷却器および滴下ロートを備えた2lフラス
コに金属マグネシウム粉29.1gを入れ、滴下ロートより
ブロモベンゼン101mlおよびTHF500mlを滴下し、65℃で
反応させることによりグリニヤー試薬を調製した。30℃
に冷却した後、p−ブロモアセトフェノン199gとTHF200
mlを同様に滴下ロートより滴下し反応させた。反応終了
後希塩酸を加え、エーテル抽出を行い、中間体α−メチ
ル−p−ブロモベンズヒドロールを得た。この生成物を
硫酸水素カリウムで脱水減圧蒸留することによりp−ブ
ロムジフェニルエチレンを得た。収率90% 再び上記と同様な反応容器にマグネシウム粉20.4gを入
れ、滴下ロートよりp−ブロモジフェニルエチレン150g
およびTHF500mlの溶液を滴下し、65℃で反応させること
によりグリニヤー試薬を調製した。0℃に冷却後エチレ
ンオキシド100mlを滴下し、反応させた。
反応終了後希塩酸を加えエーテル抽出を行った後減圧蒸
留し、p−(2−ヒドロキシエチル)ジフェニルエチレ
ンを得た。収率85% 同定はガスクロマトグラフィー、IR,1H−NMRで行った。
実施例6 p−(2−tert−ブチルジメチルシロキシエチル)ジフ
ェニルエチレン 攪拌機および滴下ロートを備えた1フラスコに、DMF2
00ml,t−ブチルジメチルクロロシラン16.8gおよびイミ
ダゾール7.6gを入れ、これにDMF100ml中p−(2−ヒド
ロキシエチル)ジフェニルエチレン25.0gの溶液を滴下
し、室温で反応させた。反応終了後エーテル抽出を行っ
た後減圧蒸留し、題記化合物を得た。収率95%1 H−NMR(CDCl3,δ,ppm):0.2(s,6H-Si-CH3 ),0.9
(s,9H-Si-C(CH3)3 ), 3.8(t,2H-CH2 −0−),5.4(d,2HC=CH2 ),7.1−7.
3(2d,9Hフェニルプロトン) 実施例7 p−(2−トリメチルシロキシエチル)ジフェニルエチ
レン t−ブチルジメチルクロロシランとイミダゾールの代わ
りにヘキサメチルジシラザンを用いるほかは、実施例6
と同様にして題記化合物を得た。収率90%1 H−NMR(CDCl3,δ,ppm):0.1(s,9H-Si-CH3 ), 3.8(t,2H-CH2 −0),5.4(d,2HC=CH2),7.1−7.3
(2d,9Hフェニルプロトン) 実施例8 p−(2−tert−ブトキシエチル)ジフェニルエチレン 攪拌機,還流冷却器およびガス導入管を備えた2lフラス
コに、塩化メチレン500ml,p−(2−ヒドロキシエチ
ル)ジフェニルエチレン40g,濃硫酸2mlを入れ、0℃で
イソブチレン100gを吹き込んだ。反応終了後エーテル抽
出を行い、減圧蒸留し、題記化合物を得た。収率72%1 H−NMR(CDCl2,δ,ppm):1.2(s,9H-O-C(CH3 )),3.
6(t,2H-CH2 −0−), 5.4(d,2HC=CH2 ),7.2−7.4(2d,9Hフェニルプロト
ン) 実施例9 高真空下ブレークシール法を用い、−78℃でTHF89mlに
n−ブチルリチウム(0.282N)8.05mlを入れ、さらにp
−(2−トリメチルシロキシエチル)ジフェニルエチレ
ン(MODP)1.3gをTHF30mlに溶かした溶液を加え、1時
間反応させた。次に同じ温度でメチルメタクリレート
(MMA)13.3mlを加え、1時間反応後、少量のメタノー
ルを加えて反応を停止させた。得られたポリマーの数平
均分子量▲▼(GPC,ポリスチレン換算)および分子
量分布▲▼/▲▼は、それぞれ3.2×104および
2.23となった。
実施例10 高真空下ブレークシール法を用い、−40℃でTHF141ml,n
−ブチルリチウム(0.282N)6.95ml,THF10ml中MODP1.4g
の溶液を加え、1時間反応させた。次に−78℃でMMA10.
0mlを加え、1時間反応後少量のメタノールを加えて反
応を停止させた。得られたポリマー(Mk=5.1×103)の
▲▼(GPC),▲▼/▲▼およびMn(VPO)
は、それぞれ1.5×104,1.44および1.6×104となった。
また1H−NMRの測定結果と▲▼(VPO)の値より、高
分子鎖1分子あたりのMODPユニットの数は1.1となっ
た。
実施例11 高分子ブレークシール法を用い、−40℃でTHF150ml,n−
ブチルリチウム(0.282N)8.00mlおよびTHF15ml中p−
(tert−ブチルジメチルシロキシエチル)ジフェニルエ
チレン(BODP)1.40gの溶液を加え、1時間反応させ
た。次に−78℃でMMA11.3mlを加え1時間反応後、少量
のメタノールを加えて反応を停止させた。得られたポリ
マー(Mk=5.1×103)の▲▼(GPC),▲▼/
▲▼および▲▼(VPO)は、それぞれ5.3×103,
1.29および4.1×103となった。また実施例10と同様にし
て求めた高分子鎖1分子あたりのMODPユニットの数は1.
3となった。
実施例12 高真空下ブレークシール法を用い、−40℃でTHF150ml,n
−ブチルリチウム(0.282N)7.90mlおよびTHF36ml中p
−(2−tert−ブトキシエチル)ジフェニルエチレン
(BTDP)の溶液を加え、1時間反応させた。次に−78℃
でMMA11.0mlを加え1時間反応後、少量のメタノールを
加えて反応を停止させた。得られたポリマー(Mk=5.0
×103)の▲▼(GPC),▲▼(VPO)および▲
▼/▲▼は、それぞれ4.9×103,4.6×103およ
び1.21となった。また実施例10と同様にして求めた高分
子鎖1分子あたりのBTDPユニットの数は1.2となった。
実施例13 アルゴン雰囲気下ブレークシール法を用い、−40℃でTH
F33l,n−ブチルリチウム(1.75N)185mlおよびBTDP100g
を加え、1時間反応させた。次に−78℃でMMAを2.0lを
加え、1時間反応後、二酸化炭素を大過剰に加え、反応
を停止させた。得られたポリマー(Mk=6.1×103)をベ
ンゼン中で希酸処理後求めた▲▼(GPC),▲
▼(VPO)および▲▼/▲▼は、それぞれ6.4×
103,7.0×103および1.28となった。また実施例10と同様
にして求めた高分子鎖1分子あたりのBTDPユニットの数
は1.1となった。さらにアルカリ滴定と▲▼(VPO)
より求めた末端カルボン酸のファンクショナリティーは
0.99となった。(カルボン酸濃度=1.41×10-4モル/g) さらにアセトン溶液中臭化水素酸を加え、還流すること
により保護基が完全に脱離することが1H−NMRから確認
された。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アニオン重合可能な単量体のアニオン重合
    において、アニオン重合開始剤として、 (a)式、 (式中、R1はC1−C6アルキル、R2は直接結合手、または
    C1−C6アルキレン、R3はヒドロキシ基の保護基を表
    す。)のα−アルキルスチレン誘導体、または式 (式中、R2およびR3は前記に同じであり、R3は水素また
    はC1−C6アルキルを表す。)のジフェニルエチレン誘導
    体に、式、MR5(式中、Mは周期律表Ia族の金属元素、R
    5はC1−C6アルキルまたはクミルを表す。)の有機金属
    化合物を反応させて得られる生成物、または (b)前記式(I)の化合物に前記式MR5の有機金属化
    合物を反応させた後、式 (式中R4は前記に同じ。)のジフェニルエチレンまたは
    その誘導体を反応させて得られる生成物を使用すること
    を特徴とするアニオン重合方法。
  2. 【請求項2】アニオン重合可能な単量体が、スチレンお
    よびその誘導体、ジエン化合物、(メタ)アクリル酸エ
    ステル、または(メタ)アクリロニトリルから選ばれる
    第1項の方法。
  3. 【請求項3】アニオン重合によって得られる重合体の数
    平均分子量が1,000〜1,000,000である第1項または第2
    項の方法。
  4. 【請求項4】重合体の生長末端へプロトン供与体を反応
    させることにより、生長末端を失活させる工程を含む第
    1項ないし第3項のいずれかの方法。
  5. 【請求項5】重合体の生長末端へ架橋剤と反応し得る官
    能基を導入するための試薬を反応させることにより、架
    橋剤と反応し得る官能基を導入すると同時に、生長末端
    を失活させる工程を含む第1項ないし第3項のいずれか
    の方法。
  6. 【請求項6】重合体の生長末端を失活させた後、保護基
    R3を脱離し得る試薬と反応させることにより、ヒドロキ
    シ基を再生する工程を含む第4項または第5項の方法。
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