JP5028974B2 - 重合体粒子及び重合体粒子の製造方法 - Google Patents

重合体粒子及び重合体粒子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5028974B2
JP5028974B2 JP2006318899A JP2006318899A JP5028974B2 JP 5028974 B2 JP5028974 B2 JP 5028974B2 JP 2006318899 A JP2006318899 A JP 2006318899A JP 2006318899 A JP2006318899 A JP 2006318899A JP 5028974 B2 JP5028974 B2 JP 5028974B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer particles
fumarate
fumaric acid
acid ester
solvent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006318899A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008133323A (ja
Inventor
靖芳 藤井
亨 土井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tosoh Corp filed Critical Tosoh Corp
Priority to JP2006318899A priority Critical patent/JP5028974B2/ja
Publication of JP2008133323A publication Critical patent/JP2008133323A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5028974B2 publication Critical patent/JP5028974B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

本発明はフマル酸エステル系重合体粒子に関するものであり、さらに詳しくは、凝集のないフマル酸エステル系重合体粒子の製造方法に関する。
フマル酸エステルを重合して得られる単独重合体または共重合体は、一般的な熱可塑性ビニル重合体と比べて高い耐熱性を示し、さらに透明性に優れた重合体となることが知られている。例えば、フマル酸ジイソプロピルやフマル酸ジシクロヘキシルから得られる単独重合体は、200℃以上でも軟化点およびガラス転移温度を示さず、光学分野における様々な用途に使用可能な透明重合体として有望な材料である。(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。
フマル酸エステル系重合体は、ラジカル重合によって製造することができる。また、その製造方法は、塊状重合、懸濁重合、溶液重合、乳化重合、沈殿重合等の従来公知の方法により製造することができる。しかしながら、塊状重合は重合系の温度制御が困難となるといった問題があり、乳化重合では乳化剤の除去が困難であるといった問題があり、溶液重合は比較的低分子量の重合体しか製造できないといった問題があった。また、沈殿重合は未反応単量体の除去操作が必要ないこと、粒径の小さい重合体が得られるといった利点はあるものの、比較的低分子量の重合体しか製造できないといった問題があった。(例えば、特許文献2参照)。
一方、懸濁重合は重合体中の未反応単量体を除去する操作が必要であるが、比較的高分子量の重合体を製造できること、重合系の温度制御が容易であること、重合条件により重合体の粒子径を制御できること、水媒体中で実施可能であること及び重合後の分散剤の除去が比較的容易であることから、工業的に好ましい製造方法である。
通常、懸濁重合により得られるフマル酸エステル系重合体粒子中には、未反応のフマル酸エステル単量体が残留する。この未反応のフマル酸エステルはフマル酸エステル系重合体の着色等の物性の低下や臭気の原因となるため、重合体粒子より除去する必要がある。
一般的な未反応単量体の除去方法としては、重合体を溶解させることなく未反応単量体を溶解させる溶剤で重合体粒子を洗浄する方法、重合体粒子を良溶剤により溶液としたのち貧溶剤中に添加して重合体を沈降させる方法、重合体粒子を乾燥することにより除去する方法が挙げられる。
このうち、重合体粒子を乾燥することにより除去する方法は、フマル酸エステルの沸点が極めて高いため、加熱下で長時間真空乾燥した場合においても重合体中に多量の未反応フマル酸エステル単量体が残留するなどの課題がある。また、重合体粒子を溶液としたのち貧溶剤中に添加し重合体を沈降させる方法では、重合体粒子を溶解させる煩雑な操作が必要であること、および多量の溶剤を使用することから、工業的に好ましくない。
一方、重合体を溶解させることなく未反応単量体を溶解させる溶剤で重合体粒子を洗浄する方法は、効率よく未反応単量体の除去ができることから、好ましい洗浄方法である。
しかしながら、本発明者等が検討した結果、この方法で洗浄したフマル酸エステル系重合体粒子を乾燥すると、乾燥温度や乾燥形式に関わりなくフマル酸エステル系重合体粒子が凝集し、取扱いが困難になるため、粉砕や分級といった操作が必要となるという問題があった。
特公平5−40281号公報 特開2001−48935号公報 大津隆行著、未来材料、2002年、Vol.2、No.12発行、(第70〜74頁)
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、さらに詳しくは、凝集のないフマル酸エステル系重合体粒子及びフマル酸エステル系重合体粒子の製造方法に関する。
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定の洗浄条件によるフマル酸エステル系重合体粒子及びフマル酸エステル系重合体粒子の製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、少なくとも下記一般式(1)で示されるフマル酸エステル残基よりなり、GPCにより求められる数平均分子量60000〜500000であり、平均粒径1〜500μmであり、未反応のフマル酸エステル単量体の残存量が1重量%以下であることを特徴とするフマル酸エステル系重合体粒子、及び少なくとも下記一般式(2)で示されるフマル酸エステルを懸濁重合して得られるフマル酸エステル系重合体粒子を、該重合体粒子を不溶かつ該フマル酸エステルを可溶する溶剤で洗浄した後、さらに水系溶剤で洗浄し、乾燥することを特徴とするフマル酸エステル系重合体粒子の製造方法に関するものである。
Figure 0005028974
(ここで、RおよびRはそれぞれ独立して炭素数1〜12の直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基、あるいは炭素数3〜6の環状アルキル基を示す。)
Figure 0005028974
(ここで、RおよびRはそれぞれ独立して炭素数1〜12の直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基、あるいは炭素数3〜6の環状アルキル基を示す。)
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いるフマル酸エステル残基における特定の一般式(1)で表されるRおよびRは、それぞれ独立して炭素数1〜12の直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基、あるいは炭素数3〜6の環状アルキル基を示し、炭素数1〜12の直鎖状アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、炭素数1〜12の分岐状アルキル基としては、例えばイソプロピル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、炭素数3〜6の環状アルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。これらの中でも、フマル酸エステル系重合体粒子が耐熱性に優れるものとなることから、イソプロピル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基が好ましく、特にイソプロピル基が好ましい。
そして、具体的な一般式(1)で表されるフマル酸エステル残基としては、例えばフマル酸ジメチル残基、フマル酸ジエチル残基、フマル酸ジプロピル残基、フマル酸ジペンチル残基、フマル酸ジヘキシル残基、フマル酸ジイソプロピル残基、フマル酸ジ−n−ブチル残基、フマル酸ジ−iso−ブチル残基、フマル酸ジ−sec−ブチル残基、フマル酸ジ−tert−ブチル残基、フマル酸ジシクロプロピル残基、フマル酸ジシクロブチル残基、フマル酸ジシクロヘキシル残基等が挙げられる。これらの中でも、フマル酸ジイソプロピル残基、フマル酸ジ−tert−ブチル残基、フマル酸ジシクロヘキシル残基が好ましく、特にフマル酸ジイソプロピル残基が好ましい。
本発明におけるフマル酸エステル系重合体粒子は、一般式(1)で表わされるフマル酸エステル残基を1種類以上含む限り特に制限はなく、必要に応じてその他単量体残基を含んでいてもよい。
その他単量体残基としては、例えばエチレン残基、プロピレン残基、1−ブテン残基、イソブテン残基等のオレフィン類残基;アクリル酸メチル残基、アクリル酸エチル残基、アクリル酸ブチル残基等のアクリル酸アルキルエステル類残基;メタクリル酸メチル残基、メタクリル酸エチル残基、メタクリル酸ブチル残基等のメタクリル酸アルキルエステル類残基;スチレン残基、α−メチルスチレン残基等のビニル芳香族炭化水素類残基;酢酸ビニル残基、プロピオン酸ビニル残基、ピバル酸ビニル残基等のカルボン酸ビニルエステル類残基;メチルビニルエーテル残基、エチルビニルエーテル残基、ブチルビニルエーテル残基等のビニルエーテル類残基;N−メチルマレイミド残基、N−シクロヘキシルマレイミド残基、N−フェニルマレイミド残基等のN−置換マレイミド類残基;アクリロニトリル残基;メタクリロニトリル残基等が挙げられる。
一般式(1)で表わされるフマル酸エステル残基とその他単量体残基からなるフマル酸エステル系重合体粒子の組成は、フマル酸エステル系重合体粒子の耐熱性に優れることから好ましくはフマル酸エステル残基50〜100重量%およびその他単量体残基0〜50重量%が好ましく、より好ましくはフマル酸エステル残基70〜100重量%およびその他単量体残基0〜30重量%であり、さらに好ましくはフマル酸エステル残基80〜100重量%およびその他単量体残基0〜20重量%である。
本発明におけるフマル酸エステル重合体粒子の数平均分子量は、60000〜500000であり、好ましくは80000〜400000であり、さらに好ましくは100000〜300000である。数平均分子量が60000未満であると、十分な機械強度が得られない。また、数平均分子量が500000を超えると、重合体溶液の粘度が増大し、取扱いが困難となる。
本発明のフマル酸エステル系重合体粒子の平均粒径は1〜500μmであり、好ましくは10〜450μmであり、より好ましくは10〜100μmである。平均粒径が1μm未満であると重合体粒子の洗浄においてろ材の目詰まりが発生し、500μmを超えると溶剤への溶解性が低下する。また、重合体粒子に含まれる未反応のフマル酸エステル単量体の残存量は、1重量%以下であり、好ましくは0.5重量%以下であり、さらに好ましくは0.3重量%以下である。
また、本発明のフマル酸エステル系重合体粒子は、取扱いが容易かつ溶剤への溶解性に優れることから、粒径1mm以上の粒子の含有量が1重量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5重量%以下であり、さらに好ましくは0.3重量%以下である。また、重合体粒子のかさ比重は、取扱いが容易かつ溶解性に優れることから、0.3〜1.0g/mLが好ましく、より好ましくは0.4〜0.9g/mLである。
本発明のフマル酸エステル系重合体粒子の製造方法は、少なくとも一般式(2)で示されるフマル酸エステルを懸濁重合して得られるフマル酸エステル系重合体粒子を、該重合体粒子を不溶かつ該フマル酸エステルを可溶する溶剤で洗浄した後、さらに水系溶剤で洗浄し、乾燥する方法である。
ここで一般式(2)で表されるRおよびRは、それぞれ独立して炭素数1〜12の直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基、あるいは炭素数3〜6の環状アルキル基を示し、炭素数1〜12の直鎖状アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、炭素数1〜12の分岐状アルキル基としては、例えばイソプロピル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、炭素数3〜6の環状アルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。これらの中でも、フマル酸エステル系重合体粒子が耐熱性に優れるものとなることから、イソプロピル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基が好ましく、特にイソプロピル基が好ましい。
そして、具体的な一般式(2)で表されるフマル酸エステルとしては、例えばフマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジプロピル、フマル酸ジペンチル、フマル酸ジヘキシル、フマル酸ジイソプロピル、フマル酸ジ−n−ブチル、フマル酸ジ−iso−ブチル、フマル酸ジ−sec−ブチル、フマル酸ジ−tert−ブチル、フマル酸ジシクロプロピル、フマル酸ジシクロブチル、フマル酸ジシクロヘキシル等が挙げられる。これらの中でも、フマル酸ジイソプロピル、フマル酸ジ−tert−ブチル、フマル酸ジシクロヘキシルが好ましく、特にフマル酸ジイソプロピルが好ましい。
本発明のフマル酸エステル系重合体粒子の製造方法では、一般式(2)で表されるフマル酸エステルを懸濁重合する。
懸濁重合を行う際の重合温度は、重合開始剤の分解温度に応じて適宜設定することができ、一般的には40〜150℃の範囲で行うことが好ましい。
懸濁重合を行う際の重合開始剤としては、例えばベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーブチルピバレート等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−ブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等のアゾ系開始剤が挙げられる。
そして、前記懸濁重合して得られるフマル酸エステル系重合体粒子を、該重合体粒子を不溶かつ該フマル酸エステルを可溶する溶剤で洗浄した後、さらに水系溶剤で洗浄し、乾燥することにより、本発明のフマル酸エステル系重合体粒子を製造することができる。
また、該重合体粒子を不溶かつ該フマル酸エステルを可溶する溶剤で洗浄する前に、重合体粒子を溶かすことなく分散剤を溶解させる溶剤で重合体粒子を洗浄することが好ましい。重合体粒子の洗浄では分散剤および未反応単量体が除去できればよく、分散剤と未反応単量体を同一の溶剤で同時に除去することもでき、異なる溶剤で個別に除去することもできる。分散剤および/もしくは未反応単量体の洗浄に用いる溶剤が水系溶剤である場合、分散剤および/もしくは未反応単量体の洗浄と水系溶剤による洗浄を同時に行なうこともできる。
ここで、フマル酸エステル系重合体粒子を不溶かつ該フマル酸エステルを可溶する溶剤としては、フマル酸エステル系重合体粒子が不溶かつ未反応単量体が可溶な溶剤であれば特に限定されるものではなく、複数の溶剤を混合して使用してもよい。該溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、メタノール/水混合溶剤、エタノール/水混合溶剤等が挙げられる。
分散剤の洗浄に使用する溶剤は重合体粒子が不溶かつ分散剤が可溶な溶剤であれば特に限定されるものではなく、複数の溶剤を使用してもよい。分散剤の洗浄溶剤としては、例えば水、水/メタノール混合溶剤、水/エタノール混合溶剤、メタノール/塩化メチレン混合溶剤、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
本発明で用いる水系溶剤は、水もしくは水と有機溶剤の混合溶剤であり、フマル酸エステル系重合体粒子を溶解させない限り特に限定されるものではない。混合溶剤を用いる場合、水と混合する有機溶剤は単一の溶剤でもよく、複数の溶剤を混合してもよく、例えばメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;アセトン、2−ブタノン等のケトン類;テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル類等が挙げられる。この中でも、取扱いが容易であり、比較的沸点が低く、混合比率を上げられることから、メタノールおよびエタノールが好ましく、メタノールが特に好ましい。
そして、具体的な水系溶剤としては、例えば水、水/メタノール混合溶剤、水/エタノール混合溶剤、水/プロパノール混合溶剤、水/アセトン混合溶剤、水/2−ブタノン混合溶剤、水/テトラヒドロフラン混合溶剤等が挙げられる。この中でも、水、水/メタノール混合溶剤および水/エタノール混合溶剤が好ましく、水および水/メタノール混合溶剤が特に好ましい。
水系溶剤として混合溶剤を用いる際には、重合体粒子の凝集が抑制されることから、好ましくは水40重量%〜100重量%および有機溶剤60〜0重量%であり、より好ましくは水50重量%〜100重量%および有機溶剤50〜0重量%である。
分散剤、未反応単量体の洗浄及び水系溶剤による洗浄の方法については特に制限はなく、任意の方法で洗浄することができ、例えば洗浄溶剤中で重合体粒子を流動させる方法や、重合体粒子層に洗浄溶剤を通過させる方法等を挙げることができる。洗浄後の溶剤と重合体粒子の分離は、特に制限はなく、例えば減圧ろ過、加圧ろ過、遠心ろ過、沈降分離等の従来公知の方法により実施することができ、特に効率よく分離できることから、減圧ろ過もしくは遠心ろ過が好ましい。
分散剤、未反応単量体の洗浄及び水系溶剤による洗浄における1回あたりの使用量は特に制限はなく、効率よく洗浄できることから、好ましくは重合体粒子重量:洗浄溶剤重量=60:40〜10:90であり、より好ましくは重合体粒子重量:洗浄溶剤重量=50:50〜20:80である。
フマル酸エステル系重合体粒子の乾燥方法は特に制限はなく、従来公知の方法で乾燥することができる。例えば減圧乾燥、通気乾燥、気流乾燥、熱風式乾燥等を挙げることができる。また、乾燥温度については重合体粒子のガラス転移温度もしくは分解温度のいずれかのうち低い温度以下である限り特に制限はなく、任意の温度を選択することができる。
本発明により、凝集のないフマル酸エステル系重合体粒子及びフマル酸エステル系重合体粒子の製造を提供することができる。
本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下に実施例により得られたフマル酸エステル系重合体粒子の評価・測定方法を示す。なお、断りのない限り用いた試薬は市販品を用いた。
〜未反応単量体測定〜
重合体粒子5gをp−キシレン100gに溶解させたサンプルを、ガスクロマトグラフ(島津製作所製、商品名GC−14A)を用いて測定した。
〜1mm以上の粒径測定〜
重合体粒子を目開き1mmの篩で分離し、重量を測定した。
〜平均粒径測定〜
マイクロトラック粒度測定装置(日機装製、商品名MT3300)を用いて測定した。
〜かさ比重測定〜
JISK7365法に従って測定を行なった。
〜分子量測定〜
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)装置(東ソー製、カラムGMHHR−H)を用い、THFを溶媒として、40℃で測定し、得られた溶出曲線より標準ポリスチレン換算値として求めた。
実施例1
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた500mLの4口フラスコに、分散剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学製、商品名メトローズ60SH−50)0.4g、蒸留水260g、フマル酸ジイソプロピル140g(0.699モル)、および重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート0.8g(0.005モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、500rpmで攪拌しながら50℃で24時間保持することによりラジカル懸濁重合を行なった。重合反応の終了後、フラスコの中の重合物をろ別し、メタノール200gで4回洗浄を行った後、蒸留水200gで2回洗浄し、120℃で5時間真空乾燥することにより重合体粒子120gを得た。
得られたフマル酸ジイソプロピル重合体粒子に残存する未反応単量体は0.1重量%、数平均分子量は147,000であった。また、粒径1mm以上の粒子は0.1重量%であり、平均粒径は75μmであった。この粒子20重量%を分散機でTHF80重量%に溶解させたところ、均一な溶液が得られた。
実施例2
実施例1と同様にして重合した重合体粒子をろ別し、蒸留水100gおよびメタノール100gからなる混合溶媒で7回洗浄し、120℃で5時間真空乾燥することにより重合体粒子を得た。
得られたフマル酸ジイソプロピル重合体粒子に残存する未反応単量体は0.2重量%であり、粒径1mm以上の粒子は0.3重量%であり、平均粒径は80μmであった。この粒子20重量%を分散機でTHF80重量%に溶解させたところ、均一な溶液が得られた。
実施例3
分散剤をヒドロキシプロピルメチルセルロースの代わりにポリビニルアルコール(日本合成製、商品名GH−23)とし、撹拌回転数を1000rpmとした以外は実施例1と同様にして重合体粒子を得た。
得られたフマル酸ジイソプロピル重合体粒子に残存する未反応単量体は0.1重量%であった。また、粒径1mm以上の粒子は0.0重量%であり、平均粒径は14μmであった。この粒子20重量%を分散機でTHF80重量%に溶解させたところ、均一な溶液が得られた。
実施例4
撹拌回転数を100rpmとした以外は実施例1と同様にして重合体粒子を得た。得られたフマル酸ジイソプロピル重合体粒子に残存する未反応単量体は0.1重量%であった。また、粒径1mm以上の粒子は0.7重量%であり、平均粒径は420μmであった。この粒子20重量%を分散機でTHF80重量%に溶解させたところ、均一な溶液が得られた。
比較例1
実施例1と同様にして重合した重合体粒子をろ別し、メタノール200gで4回洗浄し、120℃で5時間真空乾燥することにより重合体粒子を得た。得られたフマル酸ジイソプロピル重合体粒子は凝集しており、粒径1mm以上の粒子が94.8重量%であった。
比較例2
実施例1と同様にして重合した重合体粒子をろ別し、蒸留水200gで2回洗浄後、120℃で5時間真空乾燥した。得られた重合体粒子に残存する未反応単量体は12.3%であった。また、平均粒径は80μmであった。

Claims (7)

  1. 少なくとも下記一般式(2)で示されるフマル酸エステルを懸濁重合して得られるものからろ別したフマル酸エステル系重合体粒子を、該重合体粒子を不溶かつ該フマル酸エステルを可溶する溶剤で洗浄した後、さらに水系溶剤で洗浄し、乾燥することから得られる、少なくとも下記一般式(1)で示されるフマル酸エステル残基よりなり、GPCにより求められる数平均分子量60000〜500000であり、平均粒径1〜500μmであり、未反応のフマル酸エステル単量体の残存量が1重量%以下であることを特徴とするフマル酸エステル系重合体粒子。
    Figure 0005028974
    (ここで、RおよびRはそれぞれ独立して炭素数1〜12の直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基、あるいは炭素数3〜6の環状アルキル基を示す。)
    Figure 0005028974
    (ここで、R およびR はそれぞれ独立して炭素数1〜12の直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基、あるいは炭素数3〜6の環状アルキル基を示す。)
  2. 粒径1mm以上の粒子の含有量が1重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のフマル酸エステル系重合体粒子。
  3. フマル酸エステル残基が、フマル酸ジイソプロピル残基、フマル酸ジ−t−ブチル残基及びフマル酸ジシクロヘキシル残基からなる群より選ばれる少なくとも1種以上のフマル酸エステル残基であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフマル酸エステル系重合体粒子。
  4. 少なくとも下記一般式(2)で示されるフマル酸エステルを懸濁重合して得られるものからろ別したフマル酸エステル系重合体粒子を、該重合体粒子を不溶かつ該フマル酸エステルを可溶する溶剤で洗浄した後、さらに水系溶剤で洗浄し、乾燥することを特徴とするフマル酸エステル系重合体粒子の製造方法。
    Figure 0005028974
    (ここで、RおよびRはそれぞれ独立して炭素数1〜12の直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基、あるいは炭素数3〜6の環状アルキル基を示す。)
  5. フマル酸エステルが、フマル酸ジイソプロピル、フマル酸ジーt−ブチル及びフマル酸ジシクロヘキシルからなる群より選ばれる少なくとも1種以上のフマル酸エステルであることを特徴とする請求項4に記載のフマル酸エステル系重合体粒子の製造方法。
  6. フマル酸エステル系重合体粒子を不溶かつフマル酸エステルを可溶とする溶剤が、メタノール及び/又はエタノールであることを特徴とする請求項4又は5に記載のフマル酸エステル系重合体粒子の製造方法。
  7. 水系溶媒が、水、水/メタノール混合溶剤、水/エタノール混合溶剤、水/1−プロパノール混合溶剤、水/2−プロパノール、水/アセトン混合溶剤、水/2−ブタノン混合溶剤、水/テトラヒドロフラン混合溶剤からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の水系溶剤であることを特徴とする請求項4〜6の何れかに記載のフマル酸エステル系重合体粒子の製造方法。
JP2006318899A 2006-11-27 2006-11-27 重合体粒子及び重合体粒子の製造方法 Active JP5028974B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006318899A JP5028974B2 (ja) 2006-11-27 2006-11-27 重合体粒子及び重合体粒子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006318899A JP5028974B2 (ja) 2006-11-27 2006-11-27 重合体粒子及び重合体粒子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008133323A JP2008133323A (ja) 2008-06-12
JP5028974B2 true JP5028974B2 (ja) 2012-09-19

Family

ID=39558388

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006318899A Active JP5028974B2 (ja) 2006-11-27 2006-11-27 重合体粒子及び重合体粒子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5028974B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5407622B2 (ja) * 2009-07-15 2014-02-05 東ソー株式会社 フマル酸エステル系重合体の製造方法
JP5861325B2 (ja) * 2011-08-30 2016-02-16 東ソー株式会社 ドープ液の製造方法、光学薄膜の製造方法および光学薄膜

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5487847A (en) * 1994-04-11 1996-01-30 Xerox Corporation Process for the preparation of conductive polymeric particles with linear and crosslinked portions
JPH096051A (ja) * 1995-06-16 1997-01-10 Ricoh Co Ltd 静電荷像現像用トナー
JP2001048935A (ja) * 1999-08-10 2001-02-20 Nof Corp フマル酸ジエステル系重合体及びその製造方法
JP4725046B2 (ja) * 2003-08-20 2011-07-13 東ソー株式会社 ディスプレイ用プラスチック基板および表示素子
JP4529696B2 (ja) * 2005-01-13 2010-08-25 東ソー株式会社 フマル酸ジエステル共重合体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008133323A (ja) 2008-06-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4835041B2 (ja) フマル酸ジエステル重合体の製造方法
JP2008530306A (ja) 改質された炭素粒子
JP5028974B2 (ja) 重合体粒子及び重合体粒子の製造方法
JP5407622B2 (ja) フマル酸エステル系重合体の製造方法
JP5408435B2 (ja) ハイパーブランチポリマーの製造方法
JP5217522B2 (ja) 重合体の製造方法
JP4601103B2 (ja) 共重合体およびその製造方法
JP5625268B2 (ja) 重合体の製造方法
JP5789975B2 (ja) N−アルキルマレイミド系重合体粒子及びその製造方法
JP3776462B2 (ja) 共重合体の製造方法
JP2015214614A (ja) ブロックポリマ及びその製造方法
JP2023118665A (ja) 重合体の製造方法
JP6040672B2 (ja) フマル酸ジエステル系重合体の製造方法
JP5298497B2 (ja) 重合体の製造方法
JP5544682B2 (ja) フマル酸エステル重合体の製造方法
JP2008150510A (ja) 常圧ソープフリー重合によるアクリロニトリル含有ポリマーラテックスの製造方法
JP2018150451A (ja) フマル酸エステル系重合体の製造方法
JP2017149932A (ja) フマル酸ジエステル/(メタ)アクリレート共重合体及びその製造方法
CN115975097A (zh) 交联的氯乙烯系树脂粒子及其制备方法
JP2004526824A (ja) ビニル芳香族−アリル型アルコール共重合体の製造
JPH06220106A (ja) 共重合体の製造法
JP5848123B2 (ja) 高分子化合物の製造方法
WO2023120581A1 (ja) 重合体の製造方法、および樹脂組成物
JP2023093385A (ja) 重合体の製造方法、および樹脂組成物
CN116003664A (zh) 非交联的氯乙烯系树脂粒子及其制备方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091009

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111101

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111102

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120207

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120406

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120529

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120611

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5028974

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150706

Year of fee payment: 3