JP5407622B2 - フマル酸エステル系重合体の製造方法 - Google Patents

フマル酸エステル系重合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明はフマル酸エステル系重合体の製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、分子量の制御されたフマル酸エステル系重合体の製造方法に関する。
フマル酸エステルを重合して得られる単独重合体または共重合体(フマル酸エステル系重合体)は、一般に熱可塑性ビニル重合体と比べて高い耐熱性を示し、さらに透明性に優れた重合体となることが知られている。例えば、フマル酸ジイソプロピルやフマル酸ジシクロヘキシルから得られる単独重合体は、200℃以上でも軟化点及びガラス転移点を示さず、光学分野における様々な用途に使用可能な透明性重合体として有望な材料である。(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。
フマル酸エステル系重合体は、ラジカル重合によって製造することができる。また、その方法は、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、沈殿重合等の従来公知の方法により製造することができる。しかしながら、塊状重合は重合系の温度制御が困難となるといった問題があり、乳化重合では乳化剤の除去が困難であるといった問題があり、溶液重合は比較的低分子量の重合体しか製造できないといった問題があった。(例えば、特許文献2参照)
一方、懸濁重合は比較的広い分子量範囲の重合体を製造できること、重合系の温度制御が容易であること、重合条件により重合体の粒子径を制御できること、水媒体中で実施可能であること及び重合後の分散剤の除去が比較的容易であることから、工業的に好ましい製造方法である。
一般にフマル酸エステル系重合体は分子量に対する諸物性の変化が大きく、用途に合わせて分子量を調整する必要がある。フマル酸エステル系重合体の分子量は、重合温度、開始剤濃度により変化させることができる。しかしながら、重合温度を大きく変化させると重合中に凝集が発生する問題があった。また、フマル酸エステルの重合では、一般的なラジカル重合と比べてラジカル開始剤濃度が高く、さらにラジカル開始剤濃度を上げて分子量調整することは、取扱い及び後処理が煩雑になるといった問題があった。
特公平5−40281号公報 特開2001−48935号公報
大津隆行著、未来材料、2002年、Vol.2、No.12発行、(第70〜74頁)
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、分子量が制御されたフマル酸エステル系重合体粒子の製造方法を提供することである。
本発明者等は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の化合物を用いることによるフマル酸エステル系重合体粒子の製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記一般式(1)で示されるフマル酸エステル50〜100重量%及びその他共重合可能な単量体0〜50重量%を、下記一般式(2)で示される化合物、分散剤、油溶性ラジカル開始剤の存在下、水性媒体中で懸濁重合を行うことを特徴とするフマル酸エステル系重合体粒子の製造方法である。
Figure 0005407622
(ここで、R及びRはそれぞれ独立して炭素数1〜12の直鎖状アルキル基、炭素数1〜12の分岐状アルキル基、あるいは炭素数3〜6の環状アルキル基である。)
Figure 0005407622
(ここで、R〜Rはそれぞれ独立して水素、炭素数1〜8の直鎖状アルキル基、あるいは炭素数1〜8の分岐状アルキル基を示し、nは1〜8の整数である。)
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるフマル酸エステルとは特定の一般式(1)で示され、R及びRはそれぞれ独立して炭素数1〜12の直鎖状アルキル基、炭素数1〜12の分岐状アルキル基、あるいは炭素数3〜6の環状アルキル基を示し、炭素数1〜12の直鎖状アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、炭素数1〜12の分岐状アルキル基としては、例えばイソプロピル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられ、炭素数3〜6の環状アルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。これらの中でも、得られるフマル酸ジエステル系重合体粒子が耐熱性に優れるものとなることから、イソプロピル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基等が好ましく、特にイソプロピル基が好ましい。
そして、具体的な一般式(1)で示されるフマル酸ジエステルとしては、例えばフマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジプロピル、フマル酸ジペンチル、フマル酸ジヘキシル、フマル酸ジイソプロピル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジ−iso−ブチル、フマル酸ジ−sec−ブチル、フマル酸ジ−tert−ブチル、フマル酸ジ−2−エチルヘキシル、フマル酸ジシクロプロピル、フマル酸ジシクロブチル、フマル酸ジシクロヘキシル等が挙げられる。これらの中でも、フマル酸ジイソプロピル、フマル酸ジ−tert−ブチル、フマル酸ジシクロヘキシル等が好ましく、特にフマル酸ジイソプロピルが好ましい。
その他共重合可能な単量体としては、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸アルキルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸アルキルエステル類;スチレン、α−メチルスチレン等のビニル芳香族炭化水素類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバル酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;N−メチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のN−置換マレイミド類;アクリロニトリル;メタクリロニトリル等が挙げられる。
そして、一般式(1)で示されるフマル酸エステルとその他共重合可能な単量体の配合割合は、一般式(1)で示されるフマル酸エステル50〜100重量%及びその他共重合可能な単量体0〜50重量%であり、特に好ましくは一般式(1)で示されるフマル酸エステル70〜100重量%及びその他共重合可能な単量体0〜30重量%である。
一般式(2)で示される化合物のR〜Rはそれぞれ独立して水素、炭素数1〜8の直鎖状アルキル基、あるいは炭素数1〜8の分岐状アルキル基を示し、炭素数1〜8の直鎖状アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、炭素数1〜8の分岐状アルキル基としては、例えばイソプロピル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。また、一般式(2)で示される化合物のnは1〜8の整数である。
そして、具体的な一般式(2)で示される化合物としては、エチレングリコールモノアルキルエーテルエステル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルエステル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルエステル類等が挙げられ、その中でもエチレングリコールモノアルキルエーテルエステル類が好ましい。
具体的な一般式(2)で示されるエチレングリコールモノアルキルエーテルエステル類としては、例えばエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノペンチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノヘキシルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノsec−ブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノtert−ブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ(2−エチルヘキシル)エーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノプロピルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノブチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノペンチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノヘキシルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノイソブチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノsec−ブチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノtert−ブチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノ(2−エチルヘキシル)エーテルプロピオネート、エチレングリコールモノメチルエーテルピバレート、エチレングリコールモノエチルエーテルピバレート、エチレングリコールモノプロピルエーテルピバレート、エチレングリコールモノブチルエーテルピバレート、エチレングリコールモノペンチルエーテルピバレート、エチレングリコールモノヘキシルエーテルピバレート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテルピバレート、エチレングリコールモノイソブチルエーテルピバレート、エチレングリコールモノsec−ブチルエーテルピバレート、エチレングリコールモノtert−ブチルエーテルピバレート、エチレングリコールモノ(2−エチルヘキシル)エーテルピバレート等が挙げられる。これらの中でも、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートが好ましい。
また、一般式(2)で示されるプロピレングリコールモノアルキルエーテルエステル類としては、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノペンチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノヘキシルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノイソブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノsec−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノtert−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ(2−エチルヘキシル)エーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノブチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノペンチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノヘキシルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノイソブチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノsec−ブチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノtert−ブチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノ(2−エチルヘキシル)エーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテルピバレート、プロピレングリコールモノエチルエーテルピバレート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルピバレート、プロピレングリコールモノブチルエーテルピバレート、プロピレングリコールモノペンチルエーテルピバレート、プロピレングリコールモノヘキシルエーテルピバレート、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテルピバレート、プロピレングリコールモノイソブチルエーテルピバレート、プロピレングリコールモノsec−ブチルエーテルピバレート、プロピレングリコールモノtert−ブチルエーテルピバレート、プロピレングリコールモノ(2−エチルヘキシル)エーテルピバレート等が挙げられる。これらの中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテートが好ましい。
さらに、一般式(2)で示されるジエチレングリコールモノアルキルエーテルエステル類としては、例えばジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノペンチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノsec−ブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノtert−ブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ(2−エチルヘキシル)エーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノペンチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノsec−ブチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノtert−ブチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノ(2−エチルヘキシル)エーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルピバレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルピバレート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルピバレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルピバレート、ジエチレングリコールモノペンチルエーテルピバレート、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテルピバレート、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテルピバレート、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテルピバレート、ジエチレングリコールモノsec−ブチルエーテルピバレート、ジエチレングリコールモノtert−ブチルエーテルピバレート、ジエチレングリコールモノ(2−エチルヘキシル)エーテルピバレート等が挙げられる。これらの中でも、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノペンチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテルアセテート等が好ましい。
本発明における化合物(2)の添加量は、一般式(1)で示されるフマル酸エステル50〜100重量%及びその他共重合可能な単量体0〜50重量%よりなる単量体100重量部に対して、一般式(2)で示される化合物0.0001〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.001〜5重量部、特に好ましくは0.01〜2重量部である。
本発明における分散剤としては特に制限はなく、公知の分散剤を使用することができ、ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール系分散剤;メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロースヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等のセルロース系分散剤等を例示することができ、その中でもセルロース系分散剤が好ましく、特にヒドロキシプロピルメチルセルロースが好ましい。
また、本発明における油溶性ラジカル開始剤としては、特に制限はなく、例えばベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーブチルピバレート等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−ブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等のアゾ系開始剤が挙げられる。
本発明における水性媒体としては、通常水性媒体として扱われているものでよく、例えば水、工業用水、イオン交換水、蒸留水等を挙げることができる。また、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、メタノール、エタノール、アセトン等の水溶性媒体を混合した混合水性媒体であってもよい。
本発明における懸濁重合方法としては、公知のラジカル懸濁重合法で製造可能であり、水性媒体中で懸濁剤を用いる限り特に制限はない。また、ラジカル共重合を行なう際の重合温度は、重合開始剤の分解温度に応じて適宜設定することができ、一般的には40〜150℃の範囲で行なうことが好ましい。
本発明における懸濁重合反応装置としては、特に制限はなく、公知の装置を使用することができ、撹拌翼、温度調整装置等を備えたGL、SUS等の反応釜を例示することができる。また、撹拌翼については、パドル翼、4枚パドル翼、アンカー翼、3枚後退翼、6枚タービン翼、ブルーマージン翼等を例示することができる。
本発明の製造方法では、分散剤、未反応フマル酸エステル,その他共重合可能な単量体等を除去する目的でフマル酸エステル系重合体粒子を洗浄することが好ましい。具体的には、懸濁重合後のフマル酸エステル系重合体粒子を、該重合体粒子を不溶かつ未反応フマル酸エステル,その他共重合可能な単量体を可溶とする溶剤で洗浄する工程、および該重合体粒子を不溶かつ分散剤を可溶とする溶剤で洗浄する工程を経た後乾燥することにより、フマル酸エステル系重合体粒子を製造することができる。また、乾燥前に必要に応じて水系溶剤等で洗浄してもよい。フマル酸エステル系重合体粒子の洗浄では分散剤および未反応フマル酸エステル,その他共重合可能な単量体が除去できればよく、分散剤と未反応フマル酸エステル,その他共重合可能な単量体を同一の溶剤で同時に除去することもでき、異なる溶剤で個別に除去することもできる。
未反応フマル酸エステル,その他共重合可能な単量体の洗浄に使用する溶剤はフマル酸エステル系重合体粒子が不溶かつ未反応フマル酸エステル,その他共重合可能な単量体が可溶な溶剤であれば特に限定されるものではなく、複数の溶剤を混合して使用してもよい。未反応フマル酸エステル,その他共重合可能な単量体の洗浄溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、メタノール/水混合溶剤、エタノール/水混合溶剤、ヘキサン、ヘプタン等が挙げられ、メタノール、エタノール等が好ましく、特にエタノールが好ましい。
分散剤の洗浄に使用する溶剤はフマル酸エステル系重合体粒子が不溶かつ分散剤が可溶な溶剤であれば特に限定されるものではなく、複数の溶剤を使用してもよい。分散剤の洗浄溶剤としては、例えば水、水/メタノール混合溶剤、水/エタノール混合溶剤、メタノール/塩化メチレン混合溶剤、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられ、特に水が好ましい。
また、乾燥前に用いる水系溶剤は、水もしくは水と有機溶剤の混合溶剤であり、フマル酸エステル系重合体を溶解させない限り特に限定されるものではなく、例えばメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;アセトン、2−ブタノン等のケトン類;テトラヒドロフラン等のエーテル類等が挙げられる。この中でも、取扱いが容易であり、比較的沸点が低く、混合比率を上げられることから、メタノールおよびエタノールが好ましく、メタノールが特に好ましい。また、混合溶剤を用いる場合、水と混合する有機溶剤は単一の溶剤でもよく、複数の溶剤を混合してもよい。
洗浄方法については特に制限はなく、任意の方法で洗浄することができ、例えば洗浄槽内でフマル酸エステル系重合体粒子と洗浄溶剤を混合・撹拌したのち遠心分離機で重合体粒子と洗浄液を分離する方法、洗浄槽内でフマル酸エステル系重合体粒子と洗浄溶剤を混合・撹拌したのち吸引もしくは加圧ろ過機で重合体粒子と洗浄液を分離する方法、ろ過乾燥機内でフマル酸エステル系重合体粒子と洗浄溶剤を混合・撹拌したのち吸引もしくは加圧ろ過する方法等を挙げることができる。また、これらの洗浄は必要に応じて繰り返し実施することもできる。
本発明のフマル酸エステル系重合体粒子の乾燥方法としては、公知の方法で乾燥可能であり、特に制限はない。また、乾燥温度としては0〜200℃の範囲で行うことが好ましい。さらに乾燥機は、公知の乾燥機が使用可能であり、容器回転式乾燥機、竪型混合乾燥機、ろ過乾燥機、流動層乾燥機、移動層乾燥機、棚段乾燥機等を例示することができる。
本発明で得られるフマル酸エステル重合体粒子の数平均分子量は、好ましくは60000〜500000であり、より好ましくは80000〜400000であり、特に好ましくは100000〜300000である。
本発明により、好適な分子量のフマル酸エステル系重合体粒子を簡便に製造することができる。
本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下に実施例により得られたフマル酸ジエステル共重合体の評価・測定方法を示す。なお、断りのない限り用いた試薬は市販品を用いた。
〜数平均分子量〜
ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)装置(東ソー製、カラムGMHHR−H)を用い、テトラヒドロフランを溶媒として、40℃で測定し、標準ポリスチレン換算から算出して求めた。
実施例1
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた500mLの4口フラスコに、分散剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学製、商品名メトローズ60SH−50)0.4g、蒸留水260g、フマル酸ジイソプロピル140g(0.699モル)(フマル酸エステル100重量%)、一般式(2)で示される化合物ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート3.6g(0.02モル)(フマル酸エステル100重量部に対して、2.6重量部)および重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート0.8g(0.005モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、500rpmで攪拌しながら50℃で24時間保持することによりラジカル重合を行なった。重合反応の終了後、フラスコの中の重合物をろ別し、メタノール200gで4回洗浄を行った後、蒸留水200gで2回洗浄し、120℃で5時間真空乾燥することによりフマル酸エステル系重合体粒子122gを得た。
得られたフマル酸エステル系重合体粒子の数平均分子量は120,000であった。
実施例2
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた500mLの4口フラスコに、分散剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学製、商品名メトローズ60SH−50)0.4g、蒸留水260g、フマル酸ジイソプロピル140g(0.699モル)(フマル酸エステル100重量%)、一般式(2)で示される化合物ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート7.2g(0.04モル)(フマル酸エステル100重量部に対して、5.1重量部)および重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート0.8g(0.005モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、500rpmで攪拌しながら50℃で24時間保持することによりラジカル重合を行なった。重合反応の終了後、フラスコの中の重合物をろ別し、メタノール200gで4回洗浄を行った後、蒸留水200gで2回洗浄し、120℃で5時間真空乾燥することによりフマル酸エステル系重合体粒子123gを得た。
得られたフマル酸エステル系重合体粒子の数平均分子量は98,000であった。
実施例3
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた500mLの4口フラスコに、分散剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学製、商品名メトローズ60SH−50)0.4g、蒸留水260g、フマル酸ジイソプロピル140g(0.699モル)(フマル酸エステル100重量%)、一般式(2)で示される化合物ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート3.6g(0.02モル)(フマル酸エステル100重量部に対して、2.6重量部)および重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート0.8g(0.005モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、500rpmで攪拌しながら50℃で24時間保持することによりラジカル重合を行なった。重合反応の終了後、フラスコの中の重合物をろ別し、メタノール200gで4回洗浄を行った後、蒸留水200gで2回洗浄し、120℃で5時間真空乾燥することによりフマル酸エステル系重合体粒子122gを得た。
得られたフマル酸エステル系重合体粒子の数平均分子量は106,000であった。
実施例4
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた500mLの4口フラスコに、分散剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学製、商品名メトローズ60SH−50)0.4g、蒸留水260g、フマル酸ジイソプロピル140g(0.699モル)(フマル酸エステル100重量%)、一般式(2)で示される化合物ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート7.2g(0.04モル)(フマル酸エステル100重量部に対して、5.1重量部)および重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート0.8g(0.005モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、500rpmで攪拌しながら50℃で24時間保持することによりラジカル重合を行なった。重合反応の終了後、フラスコの中の重合物をろ別し、メタノール200gで4回洗浄を行った後、蒸留水200gで2回洗浄し、120℃で5時間真空乾燥することによりフマル酸エステル系重合体粒子123gを得た。
得られたフマル酸エステル系重合体粒子の数平均分子量は66,000であった。
実施例5
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた500mLの4口フラスコに、分散剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学製、商品名メトローズ60SH−50)0.4g、蒸留水260g、フマル酸ジイソプロピル100g(0.499モル)、フマル酸ビス(2−エチルヘキシル)40g(0.117モル)(フマル酸エステル100重量%)、一般式(2)で示される化合物ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート3g(0.02モル)(フマル酸エステル100重量部に対して、2.1重量部)および重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート0.8g(0.005モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、500rpmで攪拌しながら50℃で24時間保持することによりラジカル重合を行なった。重合反応の終了後、フラスコの中の重合物をろ別し、メタノール200gで4回洗浄を行った後、蒸留水200gで2回洗浄し、120℃で5時間真空乾燥することによりフマル酸エステル系重合体粒子120gを得た。
得られたフマル酸エステル系重合体粒子の数平均分子量は75,000であった。
実施例6
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた500mLの4口フラスコに、分散剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学製、商品名メトローズ60SH−50)0.4g、蒸留水260g、フマル酸ジイソプロピル130g(0.65モル)、アクリル酸テトラヒドロフルフリル10g(0.064モル)(フマル酸エステル92.9重量%、その他共重合可能な単量体7.1重量%)、一般式(2)で示される化合物ジエチレングリコールモノヘキシルエーテルアセテート4.6g(0.02モル)(フマル酸エステル及びその他共重合可能な単量体よりなる単量体100重量部に対して、3.3重量部)および重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート0.8g(0.005モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、500rpmで攪拌しながら50℃で24時間保持することによりラジカル重合を行なった。重合反応の終了後、フラスコの中の重合物をろ別し、メタノール200gで4回洗浄を行った後、蒸留水200gで2回洗浄し、120℃で5時間真空乾燥することによりフマル酸エステル系重合体粒子88gを得た。
得られたフマル酸エステル系重合体粒子の数平均分子量は79,000であった。
実施例7
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた500mLの4口フラスコに、分散剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学製、商品名メトローズ60SH−50)0.4g、蒸留水260g、フマル酸ジイソプロピル115g(0.575モル)、アクリル酸3−エチル−3−オキセタニルメチル25g(0.148モル)(フマル酸エステル82.1重量%、その他共重合可能な単量体17.9重量%)、一般式(2)で示される化合物ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート7.2g(0.04モル)(フマル酸エステル及びその他共重合可能な単量体よりなる単量体100重量部に対して、5.1重量部)および重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート0.8g(0.005モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、500rpmで攪拌しながら50℃で24時間保持することによりラジカル重合を行なった。重合反応の終了後、フラスコの中の重合物をろ別し、メタノール200gで4回洗浄を行った後、蒸留水200gで2回洗浄し、120℃で5時間真空乾燥することによりフマル酸エステル系重合体粒子115gを得た。
得られたフマル酸エステル系重合体粒子の数平均分子量は79,000であった。
実施例8
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた500mLの4口フラスコに、分散剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学製、商品名メトローズ60SH−50)0.4g、蒸留水260g、フマル酸ジ−tert−ブチル140g(0.614モル)(フマル酸エステル100重量%)、一般式(2)で示される化合物ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート5.0g(0.03モル)(フマル酸エステル100重量部に対して、3.6重量部)および重合開始剤であるジメチル−2,2−アゾビスイソブチレート1.0g(0.004モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、500rpmで攪拌しながら80℃で24時間保持することによりラジカル重合を行なった。重合反応の終了後、フラスコの中の重合物をろ別し、メタノール200gで4回洗浄を行った後、蒸留水200gで2回洗浄し、120℃で5時間真空乾燥することによりフマル酸エステル系重合体粒子98gを得た。
得られたフマル酸エステル系重合体粒子の数平均分子量は97,000であった。
比較例1
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた500mLの4口フラスコに、分散剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学製、商品名メトローズ60SH−50)0.4g、蒸留水260g、フマル酸ジイソプロピル140g(0.699モル)および重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート0.8g(0.005モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、500rpmで攪拌しながら50℃で24時間保持することによりラジカル重合を行なった。重合反応の終了後、フラスコの中の重合物をろ別し、メタノール200gで4回洗浄を行った後、蒸留水200gで2回洗浄し、120℃で5時間真空乾燥することによりフマル酸エステル系重合体粒子120gを得た。
一般式(2)の化合物を用いなかったことから、得られたフマル酸エステル系重合体粒子の数平均分子量は147,000と、大きいものであった。
比較例2
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた500mLの4口フラスコに、分散剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学製、商品名メトローズ60SH−50)0.4g、蒸留水260g、フマル酸ジイソプロピル140g(0.699モル)、n−ドデシルメルカプタン2.2g(0.01モル)および重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート0.8g(0.005モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、500rpmで攪拌しながら50℃で24時間保持することによりラジカル重合を行なった。重合反応の終了後、フラスコの中の重合物をろ別し、メタノール200gで4回洗浄を行った後、蒸留水200gで2回洗浄し、120℃で5時間真空乾燥することによりフマル酸エステル系重合体粒子80gを得た。
一般式(2)の化合物を用いずメルカプタンを用いたことから、得られたフマル酸エステル系重合体粒子の数平均分子量は142,000と、大きいものであった。
比較例3
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた500mLの4口フラスコに、分散剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学製、商品名メトローズ60SH−50)0.4g、蒸留水260g、フマル酸ジイソプロピル140g(0.699モル)および重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート0.8g(0.005モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、500rpmで攪拌しながら56℃でラジカル重合を行なった。重合開始6時間後に粒子の凝集が発生したため、重合反応を終了した。フラスコの中の重合物をろ別し、テトラヒドロフラン200gに溶解したのち、メタノール1000gで再沈し、さらに120℃で5時間真空乾燥することによりフマル酸エステル系重合体粒子50gを得た。
一般式(2)の化合物を用いなかったことから、粒子が凝集した。なお、得られたフマル酸エステル系重合体凝集物の数平均分子量は64,000であった。
比較例4
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた500mLの4口フラスコに、分散剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学製、商品名メトローズ60SH−50)0.4g、蒸留水260g、フマル酸ジイソプロピル100g(0.499モル)、フマル酸ビス(2−エチルヘキシル)40g(0.117モル)および重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート0.8g(0.005モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、500rpmで攪拌しながら50℃で24時間保持することによりラジカル重合を行なった。重合反応の終了後、フラスコの中の重合物をろ別し、メタノール200gで4回洗浄を行った後、蒸留水200gで2回洗浄し、120℃で5時間真空乾燥することによりフマル酸エステル系重合体粒子119gを得た。
一般式(2)の化合物を用いなかったことから、得られたフマル酸エステル系重合体粒子の数平均分子量は102,000と、大きいものであった。
比較例5
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた500mLの4口フラスコに、分散剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学製、商品名メトローズ60SH−50)0.4g、蒸留水260g、フマル酸ジイソプロピル130g(0.65モル)、アクリル酸テトラヒドロフルフリル10g(0.064モル)および重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート0.8g(0.005モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、500rpmで攪拌しながら50℃で24時間保持することによりラジカル重合を行なった。重合反応の終了後、フラスコの中の重合物をろ別し、メタノール200gで4回洗浄を行った後、蒸留水200gで2回洗浄し、120℃で5時間真空乾燥することによりフマル酸エステル系重合体粒子85gを得た。
一般式(2)の化合物を用いなかったことから、得られたフマル酸エステル系重合体粒子の数平均分子量は122,000と、大きいものであった。
比較例6
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた500mLの4口フラスコに、分散剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学製、商品名メトローズ60SH−50)0.4g、蒸留水260g、フマル酸ジイソプロピル115g(0.575モル)、アクリル酸3−エチル−3−オキセタニルメチル25g(0.148モル)および重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート0.8g(0.005モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、500rpmで攪拌しながら50℃で24時間保持することによりラジカル重合を行なった。重合反応の終了後、フラスコの中の重合物をろ別し、メタノール200gで4回洗浄を行った後、蒸留水200gで2回洗浄し、120℃で5時間真空乾燥することによりフマル酸エステル系重合体粒子115gを得た。
一般式(2)の化合物を用いなかったことから、得られたフマル酸エステル系重合体粒子の数平均分子量は158,000と、大きいものであった。
比較例7
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた500mLの4口フラスコに、分散剤であるヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学製、商品名メトローズ60SH−50)0.4g、蒸留水260g、フマル酸ジ−tert−ブチル140g(0.614モル)、および重合開始剤であるジメチル−2,2−アゾビスイソブチレート1.0g(0.004モル)を入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、500rpmで攪拌しながら80℃で24時間保持することによりラジカル重合を行なった。重合反応の終了後、フラスコの中の重合物をろ別し、メタノール200gで4回洗浄を行った後、蒸留水200gで2回洗浄し、120℃で5時間真空乾燥することによりフマル酸エステル系重合体粒子99gを得た。
一般式(2)の化合物を用いなかったことから、得られたフマル酸エステル系重合体粒子の数平均分子量は117,000と、大きいものであった。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で示されるフマル酸エステル50〜100重量%及びその他共重合可能な単量体0〜50重量%を、下記一般式(2)で示される化合物、分散剤、油溶性ラジカル開始剤の存在下、水性媒体中で懸濁重合を行うことを特徴とするフマル酸エステル系重合体粒子の製造方法。
    Figure 0005407622
    (ここで、R及びRはそれぞれ独立して炭素数1〜12の直鎖状アルキル基、炭素数1〜12の分岐状アルキル基、あるいは炭素数3〜6の環状アルキル基である。)
    Figure 0005407622
    (ここで、R〜Rはそれぞれ独立して水素、炭素数1〜8の直鎖状アルキル基、あるいは炭素数1〜8の分岐状アルキル基を示し、nは1〜8の整数である。)
  2. 一般式(1)で示されるフマル酸エステル50〜100重量%及びその他共重合可能な単量体0〜50重量%よりなる単量体100重量部に対して、一般式(2)で示される化合物0.0001〜10重量部であることを特徴とする請求項1に記載のフマル酸エステル系重合体粒子の製造方法。
  3. 一般式(1)で示されるフマル酸エステルが、フマル酸ジイソプロピル、フマル酸ジ−t−ブチル及びフマル酸ジシクロヘキシルからなる群より選ばれる少なくとも1種以上のフマル酸エステルであることを特徴とする請求項1又は2に記載のフマル酸エステル系重合体粒子の製造方法。
  4. 一般式(2)で示される化合物が、エチレングリコールモノアルキルエーテルエステル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルエステル類およびジエチレングリコールモノアルキルエーテルエステル類から選択される少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフマル酸エステル系重合体粒子の製造方法。
  5. 一般式(2)で示される化合物が、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノペンチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテルアセテートからなる群より選ばれる少なくとも1種以上のジエチレングリコール類であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のフマル酸エステル系重合体粒子の製造方法。
  6. 懸濁重合後のフマル酸エステル系重合体粒子を、該重合体粒子を不溶かつ該単量体を可溶とする溶剤で洗浄する工程、および該重合体粒子を不溶かつ分散剤を可溶とする溶剤で洗浄する工程を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のフマル酸エステル系重合体粒子の製造方法。
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