JP5544682B2 - フマル酸エステル重合体の製造方法 - Google Patents

フマル酸エステル重合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明はフマル酸エステル重合体の製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、高分子量で生産性の高いフマル酸エステル重合体の製造方法に関する。
フマル酸エステルから得られる単独重合体または共重合体(フマル酸エステル重合体)は、一般的な熱可塑性ビニル重合体と比べて高い耐熱性を示し、さらに透明性に優れた樹脂となることが知られている。例えば、フマル酸ジイソプロピルやフマル酸ジシクロヘキシルから得られる単独重合体は、200℃以上でも軟化点およびガラス転移温度を示さず、光学分野における様々な用途に使用可能な透明樹脂として有望な材料である。(例えば、特許文献1または非特許文献1参照)。
フマル酸エステル重合体は、ラジカル重合によって製造することができ、その製造方法は、塊状重合、懸濁重合、溶液重合、乳化重合等の従来公知の方法により製造することができる。このなかでも、塊状重合及び懸濁重合は、機械特性に優れる高分子量重合体が製造可能であること、透明性に優れる重合体が製造可能であることから、好ましい製造方法である。
また、フマル酸エステルはフマル酸とアルコールとの反応、フマル酸とアルケンとの反応、フマル酸ジクロリドと金属アルコキシドとの反応、及びマレイン酸エステルの異性化等により製造することができる。このなかでも、フマル酸とアルコールとの反応は、原料の取扱いが容易であること、反応条件が温和であること、高収率であること等から好ましい製造方法である。
このフマル酸とアルコールとの反応では、脱水触媒存在下でフマル酸とアルコールからフマル酸エステルを生成するエステル化反応が平衡反応であることから、原料中の水分を除去するとともに反応系中の水を除去することにより高収率を達成することができ、また、水との副反応により生成するリンゴ酸やリンゴ酸エステル等を大幅に低減することができる。(例えば、特許文献2参照)しかしながら、これまでにフマル酸エステルの重合において、フマル酸のエステル化反応中に生成する副生物の影響についての報告例はない。
本発明者等が検討した結果、フマル酸エステル中に微量のリンゴ酸エステルが含有されていると、この微量のリンゴ酸エステルがフマル酸エステルの重合を阻害し、フマル酸エステル重合体の収率及び分子量を著しく低下させることを見出した。即ち、フマル酸エステル中のリンゴ酸エステルの含有率が増加すると、フマル酸エステル重合体の生産効率が低下し、得られるフマル酸エステル重合体の機械的強度が劣るものとなる問題があった。
また、リンゴ酸エステルはフマル酸エステルとの沸点差が極めて小さく、簡便な分離方法である蒸留ではリンゴ酸エステルの除去が困難であるといった問題があった。
特公平5−40281号公報 特開昭60−193946号公報 大津隆行著、未来材料、2002年、Vol.2、No.12発行、(第70〜74頁)
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、高分子量で生産性の高いフマル酸エステル重合体の製造方法を提供することである。
本発明者等は、鋭意検討した結果、リンゴ酸エステルの含有率を低減させたフマル酸エステルをラジカル重合開始剤存在下で重合を行うフマル酸エステル重合体の製造方法が上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明はリンゴ酸エステルの含有率が0.3重量%以下であるフマル酸エステルをラジカル重合開始剤存在下で重合を行なうことを特徴とするフマル酸エステル重合体の製造方法に関するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるフマル酸エステル中のリンゴ酸エステル含有率は0.3重量%以下であり、より好ましくは0.2重量%以下、さらに好ましくは0.1重量%以下である。フマル酸エステル中のリンゴ酸エステル含有率が0.3重量%を超えると、フマル酸エステル重合体の分子量及び収率が著しく低下する。
そして、リンゴ酸エステルの含有率を0.3重量%以下とするために、例えばフマル酸エステル中に残存するリンゴ酸エステルの水酸基を反応により変換させた後、蒸留を行なう方法;フマル酸エステルを晶析する方法等を行なうことができる。
リンゴ酸エステルの水酸基を反応により変換する方法としては、例えば脱水触媒による脱水反応、アシル化剤によるアシル化反応、金属やアルキル金属等による金属アルコキド化反応、アルキルハライドやアルコールによるエーテル化反応等を例示することができる。このなかでも、微量のリンゴ酸エステルに対して高選択性かつ高転化率で反応させることができ、かつ蒸留により容易にリンゴ酸エステルのアシル化物を分離できることから、アシル化剤によるアシル化反応が好ましい。
また、フマル酸エステルを晶析する方法では、例えば5〜80%のフマル酸エステルを結晶化させた後、ろ別することによりリンゴ酸エステルを効率的に除去することができる。
アシル化反応に用いるアシル化剤としては、例えば酢酸、プロピオン酸、コハク酸、マレイン酸等のカルボン酸;無水酢酸、無水プロピオン酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等の無水カルボン酸;アセチルクロリド等の酸ハロゲン化物等を例示することができる。中でも、取扱いが容易であること、反応性が高いことから無水カルボン酸が好ましく、無水酢酸及び無水プロピオン酸がより好ましい。また、該アシル化反応において触媒を使用することも可能であり、従来公知の触媒を使用することができる。
アシル化剤の使用量は任意に選択することができ、特に効率的に反応が進行することから、リンゴ酸エステル:アシル化剤=1:1〜1:1000(モル比)が好ましく、リンゴ酸エステル:アシル化剤=1:10〜1:500(モル比)がより好ましい。また、アシル化反応を行う際の温度は特に限定はなく、0〜250℃が好ましく、50〜150℃がより好ましい。
このようにしてアシル化したリンゴ酸エステルは、蒸留によってフマル酸エステルから容易に分離することができる。その際の蒸留条件としては、例えば1〜2kPaの圧力下90〜150℃の温度で分取することにより行なうことができる。
本発明におけるフマル酸エステルとは特定の一般式(1)で表されるフマル酸エステルが好ましく、一般式(1)におけるRおよびRはそれぞれ独立して炭素数1〜12の直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基、あるいは炭素数3〜6の環状アルキル基を示し、アルキル基中にハロゲン原子を含んでいてもよい。
Figure 0005544682
ここで、炭素数1〜12の直鎖状アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2,2,2−トリフルオロエチル基等が挙げられ;炭素数1〜12の分岐状アルキル基としては、例えばイソプロピル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル基等が挙げられ;炭素数3〜6の環状アルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。これらの中でも、フマル酸エステル重合体が耐熱性に優れるものとなることから、イソプロピル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基等が好ましく、特にイソプロピル基が好ましい。
そして、具体的な一般式(1)で表されるフマル酸エステルとしては、例えばフマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジプロピル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジペンチル、フマル酸ジヘキシル、フマル酸ジイソプロピル、フマル酸ジ−iso−ブチル、フマル酸ジ−sec−ブチル、フマル酸ジ−tert−ブチル、フマル酸ビス(2−エチルヘキシル)、フマル酸ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル)、フマル酸ジシクロプロピル、フマル酸ジシクロブチル、フマル酸ジシクロヘキシル、フマル酸ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)等が挙げられる。これらの中でも、フマル酸ジイソプロピル、フマル酸ジ−tert−ブチル、フマル酸ジシクロヘキシル等が好ましく、特にフマル酸ジイソプロピルが好ましい。
本発明における前記フマル酸エステルをラジカル重合開始剤存在下で重合を行なう方法としては、公知の重合で行うことが可能であり、例えば塊状重合、溶液重合、懸濁重合、沈殿重合、乳化重合等のいずれもが採用可能である。
ラジカル重合を行う際の重合開始剤としては、例えばベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーブチルピバレート、tert−ブチルパーピバレート、tert−ブチルパーオキシピバレート等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−ブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等のアゾ系開始剤が挙げられる。
そして、溶液重合、懸濁重合、沈殿重合、乳化重合において使用可能な溶媒として特に制限はなく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族溶媒;メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶媒;シクロヘキサン;ジオキサン;テトラヒドロフラン(THF);アセトン;メチルエチルケトン;ジメチルホルムアミド;酢酸イソプロピル;水;N−メチルピロリドン;ジメチルホルムアミド等が挙げられ、これらの混合溶媒も挙げられる。
ラジカル重合を行う際の重合温度は、重合開始剤の分解温度に応じて適宜設定することができ、一般的には40〜150℃の範囲で行うことが好ましい。
フマル酸エステルをラジカル重合開始剤存在下で重合を行なう際には、共重合性単量体共存下で重合を行なうことも可能であり、該共重合性単量体としては、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸3−エチル−3−オキセタニル等のアクリル酸アルキルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸3−エチル−3−オキセタニル等のメタクリル酸アルキルエステル類;スチレン、α−メチルスチレン等のビニル芳香族炭化水素類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバル酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;N−メチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のN−置換マレイミド類;アクリロニトリル;メタクリロニトリル等が挙げられる。
本発明で得られるフマル酸エステル重合体のゲルパーミエイションクロマトグラフィーで測定されるポリスチレン換算による数平均分子量は、60,000〜500,000が好ましく、特に好ましくは70,000〜300,000、さらに好ましくは80,000〜200,000である。
本発明では、リンゴ酸エステルの含有率が少ないフマル酸エステルを用いることにより、高分子量で生産性の高いフマル酸エステル重合体の製造方法を提供することができる。
本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下に実施例により得られたフマル酸エステル重合体の評価・測定方法を示す。なお、断りのない限り用いた試薬は市販品を用いた。
〜数平均分子量〜
ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)装置(東ソー製、カラムGMHHR−H)を用い、テトラヒドロフランを溶媒として、40℃で測定し、標準ポリスチレン換算から算出して求めた。
〜濃度〜
ガスクロマトグラフィー(GC)装置(島津製作所製)を用い、ジイソプロピルベンゼンを内部標準として測定し、各成分のピーク強度から算出した。
合成例1(フマル酸エステルの合成)
攪拌機、分留装置および温度計を備えた5Lの3口フラスコに、フマル酸870g(7.5mol)、2−プロパノール2700g(45.0mol)、濃硫酸45mLを入れ、攪拌しながら80℃で12時間保持することにより2−プロパノールと水を共沸留去しながらエステル化反応を行なった。次にエステル化反応物中の2−プロパノールを減圧留去し、トルエン1500gを加え、水1500gで洗浄を5回行なったのち、トルエンを減圧留去した。得られた生成物を1.6kPa、110℃で減圧蒸留することにより、フマル酸ジイソプロピル1000gを得た。
得られたフマル酸ジイソプロピルの純度は99.21重量%、リンゴ酸ジイソプロピルは0.38重量%であった。
合成例2(フマル酸エステルの精製:晶析)
攪拌機、温度計を備えた500mLの3口フラスコに、合成例1で得られたフマル酸ジイソプロピル400gを入れ、撹拌しながら3℃まで冷却した。さらにフマル酸ジイソプロピル結晶0.1gを入れ、20分結晶を析出させた。得られたフマル酸ジイソプロピル結晶混合物をろ過することにより、フマル酸ジイソプロピルの結晶275g(69%を結晶化)を得た。得られた結晶は、フマル酸ジイソプロピルの純度は99.90重量%、リンゴ酸ジイソプロピルは0.02重量%であった。
合成例3(フマル酸エステルの精製:残存するリンゴ酸エステルのアシル化)
攪拌機、温度計を備えた500mLの3口フラスコに、合成例1で得られたフマル酸ジイソプロピル400g(リンゴ酸ジイソプロピル7.0mmol)、アシル化剤として無水プロピオン酸15.8g(0.1mol)、ピリジン7.9g(0.1mol)を入れ、撹拌しながら10時間100℃に加熱した。得られた反応混合物を水400gで3回抽出することにより洗浄した。得られた反応物は395gであった。
合成例4(フマル酸エステルの精製:蒸留)
合成例3で調製したフマル酸ジイソプロピルを1.6kPaで蒸留を行い、105〜110℃の成分を分取した。得られた蒸留物は360gであり、フマル酸ジイソプロピル99.72重量%、リンゴ酸ジイソプロピル0.02重量%、リンゴ酸ジイソプロピルのアシル化物0.07重量%であった。
合成例5
攪拌機、分留装置および温度計を備えた5Lの3口フラスコに、フマル酸870g(7.5mol)、1−ブタノール3335g(45.0mol)、濃硫酸45mLを入れ、攪拌しながら95℃で10時間保持することにより1−ブタノールと水を共沸留去しながらエステル化反応を行なった。次にエステル化反応物中の1−ブタノールを減圧留去し、トルエン1500gを加え、水1500gで洗浄を5回行なったのち、トルエンを減圧留去した。得られた生成物に無水酢酸30g(0.3mol)、ピリジン23.7g(0.3mol)を入れ、撹拌しながら10時間100℃に加熱した。得られた反応混合物を水400gで3回抽出することにより洗浄したのち、1.3kPで蒸留を行い、135〜145℃の成分を分取しフマル酸ジブチル1280gを得た。得られたフマル酸ジブチルは、リンゴ酸ジブチル0.02重量%、リンゴ酸字磯プロピルのアシル化物0.08重量%含有するものであった。
実施例1
ガラスアンプルに合成例2で得られたフマル酸ジイソプロピル53.6g(278mmol)(リンゴ酸ジイソピロピル0.02重量%)及びtert−ブチルパーオキシピバレート0.3g(2mmol)を加え窒素置換の後、熔封し、50℃で36時間保持することにより、ラジカル重合を行なった。重合反応の終了後、アンプル中の重合物をTHF300gに溶解し、2Lのメタノール中に滴下することによりフマル酸エステル重合体48.3gを得た(収率90%)。得られた重合体の数平均分子量は132,000であった。
実施例2
ガラスアンプルに合成例4で得られたフマル酸ジイソプロピル53.6g(278mmol)(リンゴ酸ジイソピロピル0.02重量%)及びtert−ブチルパーオキシピバレート0.3g(2mmol)を加え窒素置換の後、熔封し、50℃で36時間保持することにより、ラジカル重合を行なった。重合反応の終了後、アンプル中の重合物をTHF300gに溶解し、2Lのメタノール中に滴下することによりフマル酸エステル重合体45.6gを得た(収率85%)。得られた重合体の数平均分子量は120,000であった。
実施例3
合成例1で調製したフマル酸ジイソプロピル37.5g(188mmol)と合成例2で調製したフマル酸ジイソプロピル16.1g(80mmol)を混合(リンゴ酸ジイソプロピル0.27重量%)し、さらにtert−ブチルパーオキシピバレート0.3g(2mmol)を加え窒素置換の後、熔封し、50℃で36時間保持することにより、ラジカル重合を行なった。重合反応の終了後、アンプル中の重合物をTHF300gに溶解し、2Lのメタノール中に滴下することによりフマル酸エステル重合体45.6gを得た(収率74%)。得られた重合体の数平均分子量は93,000であった。
実施例4
ガラスアンプルに合成例2で得られたフマル酸ジイソプロピル66.5g(332mmol)、合成例5で得られたフマル酸ジブチル4.0g(18mmol)(リンゴ酸エステル0.02重量%)及びt−ブチルパーオキシシピバレート0.3g(2mmol)を加え窒素置換の後、熔封し、50℃で36時間保持することにより、ラジカル重合を行なった。重合反応の終了後、アンプル中の重合物をTHF300gに溶解し、2Lのメタノール中に滴下することによりフマル酸エステル重合体67gを得た(収率95%)。得られた重合体の数平均分子量は135,000であった。
実施例5
ガラスアンプルに合成例2で得られたフマル酸ジイソプロピル40.2g(201mmol)、メタクリル酸3−エチル−3−オキセタニル2.2g(13mmol)(リンゴ酸ジイソプロピル0.02重量%)及びt−ブチルパーオキシピバレート1.8g(11mmol)を加え窒素置換の後、熔封し、50℃で36時間保持することにより、ラジカル重合を行なった。重合反応の終了後、アンプル中の重合物をTHF300gに溶解し、2Lのメタノール中に滴下することによりフマル酸エステル重合体36gを得た(収率86%)。得られた重合体の数平均分子量は154,000であった。
比較例1
ガラスアンプルに合成例1で得られたフマル酸ジイソプロピル53.6g(278mmol)(リンゴ酸ジイソピロピル0.38重量%)及びtert−ブチルパーオキシピバレート0.3g(2mmol)を加え窒素置換の後、熔封し、50℃で36時間保持することにより、ラジカル重合を行なった。重合反応の終了後、アンプル中の重合物をTHF300gに溶解し、2Lのメタノール中に滴下することによりフマル酸エステル重合体27.9gを得た(収率52%)。得られた重合体の数平均分子量は72,000であった。
リンゴ酸ジイソプロピルの含有率が高く、生産性(収率)に劣りかつ高分子量のフマル酸エステル重合体が得られなかった。
比較例2
ガラスアンプルに市販のフマル酸ジイソプロピル(ワコーケミカル)53.6g(278mmol)及びtert−ブチルパーオキシピバレート0.3g(2mmol)を加え窒素置換の後、熔封し、50℃で36時間保持することにより、ラジカル重合を行なった。重合反応の終了後、アンプル中の重合物をTHF300gに溶解し、2Lのメタノール中に滴下することによりフマル酸エステル重合体31.2gを得た(収率58%)。得られた重合体の数平均分子量は78,000であった。また、市販のフマル酸ジイソプロピルに含有するリンゴ酸ジイソプロピル濃度は0.32重量%であった。
リンゴ酸ジイソプロピルの含有率が高く、生産性(収率)に劣りかつ高分子量のフマル酸エステル重合体が得られなかった。
比較例3
合成例2で得られたフマル酸ジイソプロピルの代わりに、合成例1で得られたフマル酸ジイソプロピル66.5g(332mmol)を使用した以外は、実施例4と同様の合成により(リンゴ酸エステル0.36重量%)、フマル酸エステル重合体39gを得た(収率55%)。得られた重合体の数平均分子量は73,000であった。
リンゴ酸ジイソプロピルの含有率が高く、生産性(収率)に劣りかつ高分子量のフマル酸エステル重合体が得られなかった。
比較例4
合成例2で得られたフマル酸ジイソプロピルの代わりに、合成例1で得られたフマル酸ジイソプロピル40.2g(201mmol)を使用した以外は、実施例5と同様の合成により(リンゴ酸ジイソプロピル0.38重量%)、フマル酸エステル重合体21gを得た(収率50%)。得られた重合体の数平均分子量は79,000であった。
リンゴ酸ジイソプロピルの含有率が高く、生産性(収率)に劣りかつ高分子量のフマル酸エステル重合体が得られなかった。

Claims (2)

  1. フマル酸エステルが、残存するリンゴ酸エステルをアシル化した後、蒸留することによりリンゴ酸エステル含有率を0.3重量%以下としたフマル酸エステルであり、該フマル酸エステルをラジカル重合開始剤存在下で重合を行なうことを特徴とするフマル酸エステル重合体の製造方法。
  2. 共重合性単量体共存下で重合を行なうことを特徴とする請求項1に記載のフマル酸エステル重合体の製造方法。
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