JP2001316418A - 部分保護ポリヒドロキシスチレンの製造法 - Google Patents

部分保護ポリヒドロキシスチレンの製造法

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JP2001316418A
JP2001316418A JP2000138045A JP2000138045A JP2001316418A JP 2001316418 A JP2001316418 A JP 2001316418A JP 2000138045 A JP2000138045 A JP 2000138045A JP 2000138045 A JP2000138045 A JP 2000138045A JP 2001316418 A JP2001316418 A JP 2001316418A
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polyhydroxystyrene
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JP2000138045A
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Kenichi Yokoyama
健一 横山
Yukio Maeda
幸勇 前田
Hidekazu Kobayashi
英一 小林
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Original Assignee
JSR Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒドロキシル基の一部が3級アルキル基また
は3級アルキル基とアセタール基で保護された部分保護
ポリヒドロキシスチレンの製造法を提供すること。 【解決手段】 3級アルコキシ基を置換基として持つス
チレンに由来する繰返し単位からなるポリマーを脱保護
反応に付し、上記置換基の80〜95モル%をヒドロキ
シル基に変換した部分保護ポリヒドロキシスチレンを製
造する方法およびこの部分保護ポリヒドロキシスチレン
をさらにビニルエーテルと反応させてヒドロキシル基の
一部をアセタール基に変換した部分保護ポリヒドロキシ
スチレンを製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はヒドロキシル基の一
部が保護された部分保護ポリヒドロキシスチレンの製造
法に関する。さらに詳しくは、ヒドロキシル基の一部が
3級アルキル基または3級アルキル基とアセタール基で
保護された部分保護ポリヒドロキシスチレンの製造法に
関する。
【0002】
【従来の技術】ヒドロキシル基の一部がt−ブチル基、
テトラヒドロピラニル基、トリメチルシリル基等で保護
された部分保護ポリヒドロキシスチレンは知られている
(特開平4−211258号公報参照)。
【0003】この部分保護ポリヒドロキシスチレンは、
(i)上記の如き特定の保護基で保護された保護ヒドロ
キシスチレンをラジカル重合開始剤の存在下で重合せし
め次いで得られた保護ポリヒドロキシスチレンを酸例え
ば硫酸の存在下で加水分解せしめて製造する方法、(i
i)上記の如き特定の保護基で保護された保護ヒドロキ
シスチレンとヒドロキシスチレンとをラジカル重合開始
剤の存在下で共重合させて製造する方法および(iii)
ヒドロキシスチレンをラジカル重合させ、そして得られ
たポリヒドロキシスチレンに上記特定の保護基を化学的
に導入する方法のいずれかによって製造される。上記公
開公報には、部分保護ポリヒドロキシスチレンとして、
p−t−ブトキシスチレン単位:p−ヒドロキシスチレ
ン単位の割合が1:1のもの、4:6のものおよび3:
7のものが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、部分
保護ポリヒドロキシスチレンの新規な製造法を提供する
ことにある。本発明の他の目的は、3級アルキル基で保
護された保護ヒドロキシル基が全ヒドロキシル基のわず
か5〜20%程度と少ない部分保護ポリヒドロキシスチ
レンを脱保護反応を経て製造する方法を提供することに
ある。本発明のさらに他の目的は、上記の如くして製造
した部分保護ポリヒドロキシスチレンの遊離ヒドロキシ
ル基の一部をさらにアセタール基により保護して、3級
アルキル基で保護された保護ヒドロキシル基、アセター
ル基により保護された保護ヒドロキシル基および遊離ヒ
ドロキシル基を含有する部分保護ポリヒドロキシスチレ
ンを製造する方法を提供することにある。本発明のさら
に他の目的は、感放射線性樹脂組成物の樹脂成分の中間
体あるいは感放射線性樹脂組成物の樹脂成分として有用
な部分保護ポリヒドロキシスチレンの新規かつ低コスト
な製造法を提供することにある。本発明のさらに他の目
的および利点は以下の説明から明らかになろう。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、本発明
の上記目的および利点は、第1に、下記式(1)
【0006】
【化6】
【0007】ここで、R1は水素原子またはメチル基で
ありそしてR2、R3およびR4は同一もしくは異なり炭
素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基である、
で表される繰返し単位を含有するポリマーを脱保護反応
に付して保護されたヒドロキシル基(−OCR2
34)の80〜95モル%をヒドロキシル基に変換せし
めることを特徴とする部分保護ポリヒドロキシスチレン
の製造法(以下、本発明の第1方法ということがある)
によって達成される。また、本発明によれば、本発明の
上記目的および利点は、第2に、本発明の第1方法で製
造された部分保護ポリヒドロキシスチレンを、次いで、
下記式(2)
【0008】
【化7】
【0009】ここで、R5は水素原子またはメチル基で
あり、R6は水素原子または炭素数1〜3の直鎖状また
は分岐状のアルキル基でありそしてR7は炭素数1〜6
の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基、ベンジル
基、フェネチル基もしくは2−(1−ナフチル)エチル
基であり、またR6とR7は一緒になってそれらが結合し
ている酸素原子および炭素原子と共に5〜6員複素環を
形成していてもよい、で表されるビニルエーテル類と反
応せしめて上記部分保護ポリヒドロキシスチレンのヒド
ロキシル基の一部を下記式(3)
【0010】
【化8】
【0011】ここで、R5、R6およびR7の定義は上記
に同じである、で表される保護ヒドロキシル基に変換
し、上記式(1)で表される繰返し単位、下記式(4)
【0012】
【化9】
【0013】ここで、R1の定義は上記に同じである、
で表される繰返し単位および下記式(5)
【0014】
【化10】
【0015】ここでR1、R5、R6およびR7の定義は上
記に同じである、で表される繰返し単位から実質的にな
り、上記式(1)で表される繰返し単位の割合が5〜2
0モル%である部分保護ポリヒドロキシスチレンを生成
せしめることを特徴とする部分保護ポリヒドロキシスチ
レンの製造法(以下、本発明の第2方法ということがあ
る)によって達成される。以下、本発明を詳述する。
【0016】第1方法 第1方法では、上記式(1)で表される繰返し単位を含
有する、好ましくは上記式(1)で表される繰返し単位
から実質的になるポリマーが出発原料として用いられ
る。上記式(1)で表される繰返し単位は、下記式
(1)−1
【0017】
【化11】
【0018】ここで、R1、R2、R3およびR4の定義は
上記に同じである、で表されるモノマーすなわちヒドロ
キシル基が3級アルキル基で保護されたヒドロキシスチ
レン類を例えばラジカル重合あるいはアニオン重合せし
めることによって生成することができる。特に、感放射
線性樹脂組成物の樹脂成分またはその中間体に用いる場
合、アニオン重合により生成することが好ましい。
【0019】上記式(1)および(1)−1中、R1
水素原子またはメチル基でありそしてR2、R3およびR
4は同一もしくは異なり炭素数1〜4の直鎖状または分
岐状のアルキル基である。炭素数1〜4のアルキル基と
しては例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i
−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基を好ま
しいものとして挙げることができる。式(1)−1で表
されるモノマーとしては、例えばp−t−ブトキシスチ
レン、m−t−ブトキシスチレン、p−t−ブトキシ−
α−メチルスチレン、m−t−ブトキシ−α−メチルス
チレン、p−(2−メチル)ブトキシスチレン等を挙げ
ることができる。
【0020】第1方法の出発原料であるポリマーは、上
記式(1)で表される繰返し単位からなるのが好ましい
が、この繰返し単位以外の他の繰返し単位を少割合で含
有していてもよい。かかる他の繰返し単位の含有量は全
繰返し単位に対し好ましくは15モル%以下、さらに好
ましくは10モル%以下である。かかる他の繰返し単位
は上記式(1)−1で表されるモノマー以外の他のモノ
マーを上記式(1)−1で表されるモノマーと一緒に重
合せしめることによって生成することができる。かかる
他のモノマーとしては、例えばスチレン、4−メトキシ
スチレン、4−エトキシスチレン、N,N−ジメチルア
クリルアミド、ビニルピリジン等を挙げることができ
る。
【0021】ラジカル重合は、例えば次のようにして実
施することができる。窒素雰囲気下、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテルの如き有機溶媒中で、ラジカル
重合開始剤の存在下に、式(1)−1で表されるモノマ
ーおよび必要により他のモノマーを攪拌下に例えば50
〜200℃に加熱することにより実施される。ラジカル
重合開始剤としては、例えば2,2’−アゾビスイソブ
チロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチル
バレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキ
シ−2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合
物;ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルペルオキシ
ド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1’−ビス
−(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、3,5,5
−トリメチルヘキサノイルパーオキシド、t−ブチルパ
ーオキシ−2−エチルヘキサノエートなどの有機過酸化
物ならびに過酸化水素を挙げることができる。
【0022】また、アニオン重合は例えば次のようにし
て実施することができる。窒素雰囲気下、トルエンとテ
トラヒドロフランとの混合溶媒の如き有機溶媒中で、ア
ニオン重合開始剤の存在下に、式(1)−1で表される
モノマーおよび必要により他のモノマーを攪拌下に例え
ば−100℃〜50℃の温度に維持することにより実施
される。アニオン重合開始剤として、例えばn−ブチル
リチウム、s−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、
エチルリチウム、エチルナトリウム、1,1−ジフェニ
ルヘキシルリチウム、1,1−ジフェニル−3−メチル
ペンチルリチウム等の有機アルカリ金属が用いられる。
【0023】第1方法で出発原料として用いられるかか
るポリマーは、ポリスチレン換算重量平均分子量が好ま
しくは1,000〜1,000,000、より好ましくは
1,000〜500,000のものである。第1方法は、
上記ポリマーを脱保護反応に付して式(1)で表される
繰返し単位中の下記式(イ)
【0024】
【化12】
【0025】ここでR2、R3およびR4の定義は上記式
(1)に同じである、で表される保護されたヒドロキシ
ル基の80〜95モル%を脱保護して遊離のヒドロキシ
ル基に変換せしめる。脱保護反応はプロトン性溶媒例え
ばアルコール、水等を含有する溶媒中でポリマーを脱保
護剤で加熱処理することにより実施される。脱保護剤と
しては、例えばp−トルエンスルホン酸、蓚酸の如き有
機酸、硫酸、塩酸の如き無機酸および硫酸水素リチウ
ム、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウムの如き重硫
酸塩を使用することができる。脱保護剤は、ポリマー1
00重量部当たり、好ましくは0.1〜150重量部、
より好ましくは0.1〜100重量部で使用される。
【0026】反応温度は20〜90℃が好ましく、30
〜80℃がより好ましい。また、反応時間は、反応温度
や使用する脱保護剤の種類、量によっても異なるが、多
くの場合0.5〜15時間である。反応終了後、必要に
より反応液を濾過して脱保護剤を除去した後、酢酸エチ
ルと水を加えて抽出、分液し、有機層を濃縮し、エタノ
ールに溶解し、大量の水中に投入してポリマーを析出さ
せる。
【0027】第1方法は、上記の如く、保護されたヒド
ロキシル基の80〜95モル%を脱保護して遊離のヒド
ロキシル基に変換する点に最大の特徴を有する。上記式
(1)で表される繰返し単位から実質的になるポリマー
を脱保護せしめる方法によれば、上記の如き大部分の保
護されたヒドロキシル基を脱保護せしめること、換言す
れば保護されたヒドロキシル基を制御されたわずかの割
合すなわち20〜5モル%だけ残存せしめることを容易
に実現することができる。第1方法で製造される部分保
護ポリヒドロキシスチレンは感放射線性樹脂組成物の樹
脂成分の中間体として好適に使用される。
【0028】第2方法 本発明の第2方法は、上記第1方法で得られた部分保護
ポリヒドロキシスチレンを下記式(2)
【0029】
【化13】
【0030】ここで、R5は水素原子またはメチル基で
あり、R6は水素原子または炭素数1〜3の直鎖状また
は分岐状のアルキル基でありそしてR7は炭素数1〜6
の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基、ベンジル
基、フェネチル基もしくは2−(1−ナフチル)エチル
基であり、またR6とR7は一緒になってそれらが結合し
ている酸素原子および炭素原子と共に5〜6員複素環を
形成していてもよい、で表されるビニルエーテル類と反
応せしめる。上記式(2)中、R6の炭素数1〜3のア
ルキル基は例えばメチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基であり、R7の炭素数1〜6のアル
キル基は例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、
i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec
−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、n−ペン
チル基、n−ヘキシル基、ネオペンチル基、シクロペン
チル基、シクロヘキシル基等である。
【0031】式(2)で表されるビニルエーテル類とし
ては、例えばメチルビニルエーテル、エチルビニルエー
テル、メチル1−プロペニルエーテル、エチル1−プロ
ペニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等を挙
げることができる。第2方法の反応は、アセタール化触
媒の存在下で実施される。アセタール化触媒としては、
例えばp−トルエンスルホン酸およびその水和物、メタ
ンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、蓚酸、
1,1,1−フルオロ酢酸などの有機酸;硫酸、塩酸など
の無機酸;あるいはピリジニウムp−トルエンスルホネ
ート、アンモニウムp−トルエンスルホネート、4−メ
チルピリジニウムp−トルエンスルホネートの如き塩を
挙げることができる。
【0032】反応は、部分保護ポリヒドロキシスチレン
を溶解しうる有機溶媒例えばジオキサン、プロピレング
リコールモノメチルエーテルアセテートなど中で実施す
るのが好ましい。反応温度は好ましくは15〜60℃で
あり、より好ましくは20〜50℃である。反応時間
は、使用するビニルエーテル類、触媒の種類、反応温度
等により好適な範囲が異なるが、例えば0.1〜24時
間とすることができる。反応終了後、例えば次のように
して後処理することができる。反応混合物を濃アンモニ
ア水により中和し、水中に滴下し、濾過し、固形物をア
セトンに溶解せしめ、水中に滴下し、濾過してポリマー
を得ることができる。
【0033】第2方法におけるビニルエーテル類との反
応は,部分ポリヒドロキシスチレン(遊離ヒドロキシル
基を80〜95%で有する)の遊離ヒドロキシル基の一
部、好ましくは1〜75%を下記式(3)
【0034】
【化14】
【0035】ここで、R5、R6およびR7の定義は上記
式(2)に同じである、で表される保護ヒドロキシル基
(アセタール基)に変換せしめる反応である。遊離ヒド
ロキシル基のアセタール基への変換割合は、遊離ヒドロ
キシル基に対する使用するビニルエーテル類の割合に原
則として依存する。遊離ヒドロキシル基を1モルに対
し、ビニルエーテル類は好ましくは1〜75モル%、よ
り好ましくは1〜60モル%で使用される。かくして、
本発明によれば、上記式(1)で表される繰返し単位5
〜20モル%、下記式(4)
【0036】
【化15】
【0037】ここで、R1の定義は上記に同じである、
で表される繰返し単位好ましくは10〜94モル%、さ
らに好ましくは20〜94モル%および下記式(5)
【0038】
【化16】
【0039】ここでR1、R5、R6およびR7の定義は上
記に同じである、で表される繰返し単位好ましくは1〜
70モル%、さらに好ましくは1〜60モル%から実質
的になる部分保護ポリヒドロキシスチレンが得られる。
この部分保護ポリヒドロキシスチレンは化学増幅型ホト
レジストに用いられる感放射線性樹脂組成物の樹脂成分
として有利に使用される。以下、本発明を実施例により
詳述する。本発明はこれらの実施例により何ら制限され
るものではない。
【0040】
【実施例】実施例1 (1)乾燥窒素を充填した容器中に、トルエン1800
gとテトラヒドロフラン200gを注ぎ、−70℃に冷
却した後、n−ブチルリチウム0.96gをこの混合溶
媒中に溶解し、撹拌しながらp−tert−ブトキシス
チレン176gをゆっくりと滴下した。さらに4時間攪
拌した後、メタノールを添加して重合反応を停止させ
た。次いで反応液を大量のメタノール中に投入してポリ
マーを析出させ、これを濾過、洗浄後、55℃で16時
間減圧乾燥して白色粉体状のポリマー174gを得た。
このポリマーについて、東ソー社製GPCカラム(G2
000HXL 2本、G3000HXL 1本、G40
00XL 1本)を用い、流量1.0ml/分、溶出溶
媒テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件
で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフ法により測定したところ、Mw=1
2000、Mw/Mn=1.07のポリマーであった。
【0041】(2)(1)で得られたポリマー20gを
プロピレングリコールモノメチルエーテル47gに溶解
し、触媒であるp−トルエンスルホン酸一水和物0.6
gを加えて50℃で12時間反応を行った。次いで、反
応液に酢酸ブチル67gおよび水67gを加えて分液精
製を行った。次いで、前記有機層を濃縮し、プロピレン
グリコールモノメチルエーテルに再溶解した後、大量の
水中に投入してポリマーを析出させ、濾過、洗浄後、5
5℃で16時間減圧乾燥を行い、白色粉体状のポリマー
13.5gを得た。得られたポリマーについて、ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフ法により測定したとこ
ろ、Mw=8500、Mw/Mn=1.07のポリマー
であった。また13C−NMR分析の結果、ポリ(4−ヒ
ドロキシスチレン)中のフェノール性水酸基の水素原子
の10%がtert−ブチル基で置換されている化合物
であることが確認された。
【0042】(3)(2)で得られたポリマーをプロピ
レングリコールモノメチルアセテート55gに溶解した
後、この溶液にp−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩
の30重量%メタノール溶液3.3gを添加し、次いで
メタノールを減圧留去した後、エチルビニルエーテル
1.86gを添加して、撹拌下室温で12時間反応させ
た。次いで、反応溶液を1重量%アンモニア水溶液中に
滴下したところ白色固体が得られた。これを濾過、洗浄
後、50℃で18時間減圧乾燥を行い、白色粉体状のポ
リマー14.5gを得た。得られたポリマーについてゲ
ルパーミエーションクロマトグラフ法により測定したと
ころ、Mw=9600、Mw/Mn=1.08のポリマ
ーであった。また1H−NMR分析、13C−NMR分析
の結果、ポリ(4−ヒドロキシスチレン)中のフェノー
ル性水酸基の水素原子の10%がtert−ブチル基で
置換されており、24%が1−エトキシエチル基で置換
されている化合物であることが確認された。
【0043】(4)(3)で得られたポリマー10g、
ビス(シクロヘキシルスルホニウム)ジアゾメタン0.
5gおよび2−フェニルベンズイミダゾール0.01g
をプロピレングリコールモノメチルアセテート60gに
溶解した後、0.2μmのフィルターで濾過して組成物
溶液を調製した。調製した組成物溶液を、シリコンウェ
ハー上に回転塗布した後に、100℃で90秒間ベーキ
ングを行い、膜厚0.5μmのレジスト膜を形成した。
【0044】(5)形成したレジスト膜に、(株)ニコ
ン製KrFエキシマレーザー照射装置(商品名NSR−
2205 EX12A)を用いて、波長248nmのエ
キシマレーザーをマスクパターンを介し露光量を変えて
露光した。その後、110℃で90秒間露光後ベークを
行い、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロ
キシド水溶液で60秒間、23℃にて現像し、次いで超
純水で30秒間洗浄してポジ型パターンを形成した。こ
の時、0.20μmのラインアンドスペースが設計通り
にパターン形成された露光量(以下、最適露光量とい
う)は30mJ・cm-2であった。形成されたポジ型パ
ターンにおいて分離しているラインアンドスペースの最
小サイズ(以下、解像度という)は、0.16μmと極
めて良好な結果であった。走査型電子顕微鏡を用い、レ
ジストパターンの方形状断面の下辺長Aと上辺長Bを測
定したところB/A=0.90でありパターン形状は良
好であった(以下、0.85≦B/A≦1である場合を
パターン形状良好とする)。またパターンは矩形で裾引
きも無く、剥がれも確認されなかった。上記照射装置の
焦点をずらして露光した場合に、パターン形状が良好で
ある範囲(以下、フォーカス許容範囲という)は1.2
μmと実用特性として極めて優れた結果を得た。
【0045】実施例2 (1)p−tert−ブトキシスチレン176g、2,
2−アゾビスイソブチロニトリル6.56gおよびte
rt−ドデシルメルカプタン0.98gをプロピレング
リコールモノメチルエーテル176gに溶解し、窒素雰
囲気下で内温を70℃に保ちながらで6時間、更に95
℃で1時間反応を行った。次いで、反応液にヘキサン1
76g、メタノール264gおよび水12gを加えて分
液精製を行い、未反応のモノマーを除去した。その後、
ポリマー層から溶媒分を減圧留去し、テトラヒドロフラ
ンに溶解した後、これを大量のメタノール中に投入して
ポリマーを析出させ、濾過、洗浄後55℃で16時間減
圧乾燥して白色粉末状のポリマー164gを得た。この
ポリマーについて、ゲルパーミエーションクロマトグラ
フ法により測定したところ、Mw=15000、Mw/
Mn=1.90であった。
【0046】(2)得られたポリマー20gをテトラヒ
ドロフランに溶解して30%溶液とし、触媒である37
重量%塩酸0.3gを加えて50℃で5時間反応を行っ
た。次いで、反応液に酢酸ブチル67gおよび水67g
を加えて分液精製を行った。さらに、前記有機層を減圧
濃縮し、プロピレングリコールモノメチルエーテルに再
溶解した後、大量の水中に投入してポリマーを析出さ
せ、濾過、洗浄後、55℃で16時間減圧乾燥を行い、
淡褐色粉末状のポリマー13.0gを得た。得られたポ
リマーについて、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
法により測定したところ、Mw=10700、Mw/M
n=1.90であった。また13C−NMR分析の結果、
ポリ(4−ヒドロキシスチレン)中のフェノール性水酸
基の水素原子の11%がtert−ブチル基で置換され
ている化合物であることが確認された。
【0047】(3)次いで、得られたポリマーをプロピ
レングリコールモノメチルアセテート52gに溶解した
後、この溶液にp−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩
の30重量%メタノール溶液3.3gを添加し、次いで
メタノールを減圧留去した後、エチルビニルエーテル
1.8gを添加して、撹拌下室温で12時間反応させ
た。次いで、反応溶液を1重量%アンモニア水溶液中に
滴下したところ白色固体が得られた。これを濾過、洗浄
後、50℃で18時間減圧乾燥を行い、白色粉体状のポ
リマー13.7gを得た。得られたポリマーについてゲ
ルパーミエーションクロマトグラフ法により測定したと
ころ、Mw=12100、Mw/Mn=1.92であっ
た。また1H−NMR分析、13C−NMR分析の結果、
ポリ(4−ヒドロキシスチレン)中のフェノール性水酸
基の水素原子の11%がtert−ブチル基で置換され
ており、24%が1−エトキシエチル基で置換されてい
る化合物であることが確認された。
【0048】(4)(3)で得られたポリマー10g、
ビス(シクロヘキシルスルホニウム)ジアゾメタン0.
5gおよび2−フェニルベンズイミダゾール0.01g
をプロピレングリコールモノメチルアセテート60gに
溶解した後、0.2μmのフィルターで濾過して組成物
溶液を調製した。調製した組成物溶液を、シリコンウェ
ハー上に回転塗布した後に、100℃で90秒間ベーキ
ングを行い、膜厚0.5μmのレジスト膜を形成した。
【0049】(5)形成したレジスト膜に、実施例1に
用いた露光装置を用いて同様に露光した後、110℃で
90秒間露光後ベークを行い、2.38重量%テトラメ
チルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間、23
℃にて現像し、次いで超純水で30秒間洗浄してポジ型
パターンを形成した。この時の最適露光量は30mJ・
cm-2であった。形成されたポジ型パターンは、解像度
0.17μmと良好であり、矩形で裾引きも無く、剥が
れも確認されなかった。また、フォーカス許容範囲は
1.2μmと実用特性として極めて優れた結果を得た。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、感放射線性樹脂組成物
の樹脂成分の中間体あるいは感放射線性樹脂組成物の樹
脂成分として有用な部分保護ポリヒドロキシスチレンを
工業的に有利に、低コストで製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 英一 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AB16 AC04 AC08 AD03 BE00 BE07 BE10 BF15 BG00 CB17 CB45 4J100 AB07P AB07Q AB07R BA02R BA03Q BA04P BA04R BA05R BA06R BC04H CA01 CA04 CA05 CA31 HA08 HA19 HA61 HB25 HB52 HC13 HC28 HC71 JA37

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1) 【化1】 ここで、R1は水素原子またはメチル基でありそして
    2、R3およびR4は同一もしくは異なり炭素数1〜4
    の直鎖状または分岐状のアルキル基である、で表される
    繰返し単位を含有するポリマーを脱保護反応に付して保
    護されたヒドロキシル基(−OCR234)の80〜
    95モル%をヒドロキシル基に変換せしめることを特徴
    とする部分保護ポリヒドロキシスチレンの製造法。
  2. 【請求項2】 部分保護ポリヒドロキシスチレンが感放
    射線性樹脂組成物の樹脂成分の中間体である請求項1に
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 請求項1で製造された部分保護ポリヒド
    ロキシスチレンを、次いで、下記式(2) 【化2】 ここで、R5は水素原子またはメチル基であり、R6は水
    素原子または炭素数1〜3の直鎖状または分岐状のアル
    キル基でありそしてR7は炭素数1〜6の直鎖状、分岐
    状または環状のアルキル基、ベンジル基、フェネチル基
    もしくは2−(1−ナフチル)エチル基であり、またR
    6とR7は一緒になってそれらが結合している酸素原子お
    よび炭素原子と共に5〜6員複素環を形成していてもよ
    い、で表されるビニルエーテル類と反応せしめて上記部
    分保護ポリヒドロキシスチレンのヒドロキシル基の一部
    を下記式(3) 【化3】 ここで、R5、R6およびR7の定義は上記に同じであ
    る、で表される保護ヒドロキシル基に変換し、上記式
    (1)で表される繰返し単位、下記式(4) 【化4】 ここで、R1の定義は上記に同じである、で表される繰
    返し単位および下記式(5) 【化5】 ここでR1、R5、R6およびR7の定義は上記に同じであ
    る、で表される繰返し単位から実質的になり、上記式
    (1)で表される繰返し単位の割合が5〜20モル%で
    ある部分保護ポリヒドロキシスチレンを生成せしめるこ
    とを特徴とする部分保護ポリヒドロキシスチレンの製造
    法。
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