JP4162389B2 - 有機反射防止膜の組成物及びその製造方法 - Google Patents

有機反射防止膜の組成物及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は248nm KrFおよび193nm ArFを用いたリソグラフィー用フォトレジストを使用する超微細パターン形成工程において、下部膜層の反射を防止し光およびフォトレジスト自体の厚さ変化による定在波(standing wave)を除去することができる反射防止用有機物質に関するもので、特に、64M、256M、1G、4G DRAMの超微細パターン形成時に使用できる有機反射防止化合物およびその製造方法に関する。また、本発明はこのような有機反射防止化合物を含む反射防止組成物と、これを用いた反射防止膜およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造工程中、超微細パターン形成工程ではウェーハ上の下部膜層の光学的性質および、感光膜の厚さ変動による定在波、反射ノッチング(reflective notching)と、下部膜からの回折光および反射光によるCD(critical dimension)の変動が不可避に起こる。したがって、露光源として使用する光の波長帯において光を良好に吸収する有機物質を導入して下部膜層で反射を防止できるようにする反射防止膜の導入が提案されてきた。
【0003】
反射防止膜は使用される物質の種類によって無機系反射防止膜と有機系反射防止膜とに区分されるか、その機構(mechanism)によって吸収系反射防止膜と干渉系反射防止膜とに分かれる。365nm波長のI−線(I−line)を用いた微細パターンの形成工程では主に無機系反射防止膜が使用され、吸収系としてはTiNおよび無定型カーボン(Amorphous C)が、干渉系としては主にSiONが使用されて来た。
【0004】
KrF光を用いる超微細パターンの形成工程では主に無機系としてSiONが使用されて来たが、無機系反射防止膜の場合は光源である193nmにおける干渉現状を制御する物質がまだ発表されていないので、近年では、反射防止膜として有機系化合物を使用しようとする努力が続いている。
【0005】
有機反射防止膜は次のような基本条件を要する。
【0006】
第一に、工程適用の際、フォトレジストが溶媒によって溶解されて剥がれる現象が起こらないこと。そのためには成形膜が架橋構造をなすように設計される必要があり、この際の副産物として化学物質が生じてはいけない。
【0007】
第二に、反射防止膜から酸またはアミン等の化学物質の出入りがあってはならない。万が一、反射防止膜から酸が移行(migration)すれば、パターンの下面にアンダーカッティング(undercutting)が発生し、一方アミンのような塩基が移行すると、フッティング(footing)現象が生ずる傾向があるからである。
【0008】
第三に、フォトレジスト層をマスクとして利用してエッチングプロセスを効果的に行うために、反射防止膜は上部のフォトレジスト層に比べて速いエッチング速度を持たなければならない。
【0009】
第四に、従って、反射防止膜はできるだけ薄膜で十分に反射防止膜としての役目を果たすべきである。
【0010】
また、既存の有機反射防止膜は、第一に、発色団を含有した重合体と、これらを互い架橋させる架橋剤(単分子物)及び添加剤(熱変酸化剤)、または、第二に、自ら架橋反応が可能で発色団を含有する重合体及び添加剤(熱変酸化剤)の2種類の形態で大きく分けられるが、前記2種類の形態の有機反射防止膜は重合反応時に設計された比率によって発色団の含有量が決まるので、k値の調節がほとんど不可能であり、k値を変化させるためには再び合成しなければならない問題点がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
前述の問題点を解決するために本発明は、新規の反射防止膜用重合体及びその製造方法と、前記重合体を用いた反射防止膜及びその製造方法を提供することにその目的がある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明において、有機反射防止膜に使われる化合物の基本構造式を下記化学式[化4]及び化学式[化5]に表した。
【化4】
Figure 0004162389
【化5】
Figure 0004162389
(上記の式において、R、R'はそれぞれ水素またはメチル基、RaないしRd、R1ないし R9はそれぞれ−H、−OH、−OCOCH3、−COOH、−CH2OH、または炭素数1ないし5の置換若しくは非置換された直鎖若しくは分岐鎖のアルキルまたはアルコキシアルキル、m、nはそれぞれ1〜5の整数、x、yはそれぞれ0.01〜0.99のモル分率を示す。また、R10および R11はそれぞれ分岐鎖若しくは直鎖置換されたC1〜C10のアルキル基を、R12は水素またはメチル基を表す)。
【0013】
前記化学式[化4]を製造するために本発明は、下記化学式[化6]で表される化合物を提供する。
【化6】
Figure 0004162389
(上記の式において、Rは水素またはメチル基、Ra、Rb、R1ないし R9はそれぞれ−H、−OH、−OCOCH3、−COOH、−CH2OH、または炭素数1ないし5の置換若しくは非置換された直鎖若しくは分岐鎖のアルキルまたはアルコキシアルキル、はそれぞれ1〜5の整数を表す)。
【0014】
前記化学式[化6]は、下記[化7]に示す反応式のようにアントラセンオキシムとアクリル系単量体をラウリル系酸触媒下で縮合反応させて製造し、前記縮合反応は30ないし80℃の温度範囲で3ないし10時間ほど行うのが好ましい。
【化7】
Figure 0004162389
【0015】
本発明に係る前記化学式[化4]で表される化合物は、前記化学式「化6」で表されるアントラセンメチルヒドロキシイミンアルキルアクリート系の単量体をヒドロキシアクリート系の単量体と共に溶媒中で反応させた後、開始剤を入れて重合反応させて製造する。この際、前記溶媒とは、テトラヒドロフラン、トルエン、メチルエチルケトン、およびジオキサンからなるグループから選択されたいずれか1種以上を使用することが好ましい。また、前記開始剤は、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、アセチルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、及びt−ブチルパーオキサイドからなるグループから選択されたいずれかを使用することが好ましい。
【0016】
また、前記重合反応は、50ないし90℃の温度範囲で行うことが好ましいし、各単量体のモル比は0.01〜0.99:0.01〜0.99であることが好ましい。
【0017】
更に、本発明は、前記化学式[化4]の構造を有する化合物を含むことを特徴とする反射防止膜用組成物、または前記化学式[化4]の構造を有する化合物の中のいずれと、前記化学式[化5]の構造を有する化合物の中のいずれかを共に含むことを特徴とする反射防止膜用組成物を提供する。
【0018】
前記化学式[化5]の化合物は(メタ)アクロレインを重合させてポリ(メタ)アクロレインを製造した後、製造された結果物を側鎖または主鎖置換された炭素数1ないし10のアルキルアルコールと反応させて製造する。
【0019】
より詳しくは、まず、(メタ)アクロレインを有機溶媒に溶かして、そこに重合開始剤を添加した後、真空状態下で60ないし70℃の温度で4ないし6時間の間、重合反応させた後、その結果物に側鎖または主鎖置換された炭素数1ないし10のアルキルアルコールを、トリフルオロメチルスルフィン酸を触媒として常温で20ないし30時間反応させて製造する。
【0020】
前記製造過程における有機溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、メチルエチルケトン、ベンゼン、トルエン及びザイレンからなるグループから選択されたいずれか1種またはそれ以上を混合して使用することが好ましく、重合開始剤は、2,2−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、ベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーアセテート、t−ブチルヒドロパーオキサイド及びジ−t−ブチルパーオキサイドからなるグループから選択されたいずれかを使用することが好ましい。また、前記炭素数1ないし10のアルキルアルコールはメタノールまたはエタノールを使用することが好ましい。
【0021】
前記化学式[化5]の化合物は下記化学式[化8]ないし化学式[化11]の化合物からなるグループから選択されたいずれかを使用することが好ましい。
【化8】
Figure 0004162389
【化9】
Figure 0004162389
【化10】
Figure 0004162389
【化11】
Figure 0004162389
【0022】
前記化学式[化8]ないし化学式[化11]の化合物はアルコール基を有する他の重合体と酸の存在下で硬化が非常によく起きる。
【0023】
更に、本発明は、前記化学式[化4]の構造を有する化合物の中のいずれかと前記化学式[化5]の構造を有する化合物の中のいずれかを含んでおり、アントラセン、9−アントラセンメタノール、9−アントラセンカルボニトリル、9−アントラセンカルボン酸、ジトラノール、1,2,10−アントラセントリオール、アントラフラボン酸、9−アントラアルデヒドオキシム、9−アントラアルデヒド、2−アミノ−7−メチル−5−オキソ−5H−[1]ベンゾピラノ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル、1−アミノアントラキノン、アントラキノン−2−カルボン酸、1,5−ジヒドロキシアントラキノン、アントロン、9−アントリルトリフルオロメチルケトン、下記化学式[化12]の9−アルキルアントラセン誘導体、下記化学式[化13]の9−カルボキシルアントラセン誘導体及び下記化学式[化14]の1−カルボキシルアントラセン誘導体からなるグループ(以下、“ アントラセン誘導体グループ”という)から選択されたいずれか1種以上の化合物を含んでいる反射防止膜用組成物を提供する。
【化12】
Figure 0004162389
【化13】
Figure 0004162389
【化14】
Figure 0004162389
(上記の式において、R1ないし R5はそれぞれ−H、−OH、−CH2OH、または炭素数1ないし5の置換若しくは非置換された直鎖若しくは分岐鎖のアルキルまたはアルコキシアルキルである。)
【0024】
更に、本発明は、前記化学式[化4]の構造を有する化合物の中のいずれかと前記化学式[化5]の構造を有する化合物の中のいずれかを有機溶媒に溶解させた後、この溶液を単独でまたは前記アントラセン誘導体グループから選択されたいずれか1種以上の化合物を添加した溶液を濾過したのち、下部層に塗布し、次いでハードベーキングして製造することを特徴とする反射防止膜の製造方法を提供する。この時、前記有機溶媒は、エチル3−エトキシプロピオネート、メチル3−メトキシプロピオネート、シクロヘキサノン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートからなるグループから選択されたいずれかを使用、前記溶媒を反射防止膜樹脂の200-5000重量%の量で使用するのが好ましく、ハードベーキング時の温度は100〜300℃であることを特徴とするのが好ましい。
【0025】
更に、本発明はまた、本発明に係る反射防止膜用組成物の中のいずれかを使用して製造されたことを特徴とする半導体素子を提供する。
【0026】
前述のように構成された本発明は、まず重合体自体が248nmの波長で吸収がよく行われるように吸光度が大きい発色団を有した単量体(前記化学式[化6]の構造を有する化合物)を合成した後、これを、高分子量を有する前記化学式[化4]の構造を有する化合物(第1重合体)で合成する。それから、有機反射防止膜の成形性、気密性、耐溶解性を与えるためにコーティングの後、ハードベーク時架橋反応が行われるように樹脂内のアルコール基と反応して架橋結合を持つことができる高分子である化学式[化5]の構造を有する化合物(第2重合体)を合成して、前記第1重合体と共に混合して熱反応により架橋物を形成できるようにしたものである。
【0027】
特に、本発明に用いられた架橋剤らは、重合体の形態として架橋反応において効率性が極大化できるように設計されたので、第1重合体の比率を調節することによって、有機反射防止膜のk値を自由に調節することが可能である。
【0028】
また、本発明の反射防止膜樹脂は、ヒドロカーボン系の全ての溶媒に対して良好な溶解性を有しており、ハードベーク時にどんな溶媒にでも溶解されない耐溶解性を持っている。更に、パターンの形成時、アンダーカッティング及びフッティングが起こらないだけでなく、特にアクリレート系の高分子で形成されているので、エッチング時フォトレジスト膜に比べて良好なエッチング速度を有し、これにより、エッチング選択比を増加させた。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施例について説明する。本実施例は本発明の権利範囲を限定するものではなく、ただ例示として提示されたものである。
【0030】
実施例1:9−アントラセンメチルヒドロキシイミンエチルアクリートの製造
9−アントラルアルデヒドオキシム0.5モルをテトラヒドロフランに溶かして極微量のジブチル錫ラウレートを入れて活性化させた後、2−ヒドロキシエチルアクリート0.5モルを加える。反応の完了後、溶液を濾過してエチルアセテートで抽出する。この抽出物を蒸溜水で数回洗って、減圧蒸留器により乾燥すると、下記化学式[化15]で表される9−アントラセンメチルヒドロキシイミンエチルアクリートが得られる(収率:85−90%)。
【化15】
Figure 0004162389
【0031】
実施例2:9−アントラセンメチルヒドロキシイミンエチルメタクリートの製造
9−アントラルアルデヒドオキシム0.5モルをテトラヒドロフランに溶かして極微量のジブチル錫ラウレートを入れて活性化させた後、2−ヒドロキシエチルメタクリート0.5モルを加える。反応の完了後、溶液を濾過してエチルアセテートで抽出する。この抽出物を蒸溜水で数回洗って、減圧蒸留器により乾燥すると、下記化学式[化16]のような9−アントラセンメチルヒドロキシイミンエチルメタクリートが得られる(収率:85−90%)。
【化16】
Figure 0004162389
【0032】
実施例3:9−アントラセンメチルヒドロキシイミンプロピルアクリートの製造
9−アントラルアルデヒドオキシム0.5モルをテトラヒドロフランに溶かして極微量のジブチル錫ラウレートを入れて活性化させた後、3−ヒドロキシプロピルアクリート0.5モルを加える。反応の完了後、溶液を濾過してエチルアセテートで抽出する。この抽出物を蒸溜水で数回洗って、減圧蒸留器により乾燥すると、下記化学式[化17]のような9−アントラセンメチルヒドロキシイミンプロピルアクリートが得られる(収率:85−90%)。
【化17】
Figure 0004162389
【0033】
実施例4:9−アントラセンメチルヒドロキシイミンブチルアクリートの製造
9−アントラルアルデヒドオキシム0.5モルをテトラヒドロフランに溶かして極微量のジブチル錫ラウレートを入れて活性化させた後、4−ヒドロキシブチルアクリート0.5モルを加える。反応の完了後、溶液を濾過してエチルアセテートで抽出する。この抽出物を蒸溜水で数回洗って、減圧下で蒸留器により乾燥すると、下記化学式[化18]のような9−アントラセンメチルヒドロキシイミンブチルアクリートが得られる(収率:85−90%)。
【化18】
Figure 0004162389
【0034】
実施例5:ポリ[9−アントラセンメチルヒドロキシイミンエチルアクリート−(2−ヒドロキシエチルアクリート)] の製造
実施例1で合成した9−アントラセンメチルヒドロキシイミンエチルアクリート単量体0.5モル、2−ヒドロキシエチルアクリート0.5モルを500mlの丸底フラスコに入れて攪拌する。次に、予め準備したテトラヒドロフラン300gを入れて撹拌しながら前記混合物に加える。それから、2,2−アゾビスイソブチルロニトリルを0.1g〜3.0g入れた後、前記混合物を窒素雰囲気下で60℃ないし75℃温度で5〜20時間反応させた。反応の終了後、この溶液をエチルエーテルまたはノルマルヘキサン溶媒に沈殿させた後、濾過して乾燥させると、下記化学式[化19]のような本実施例によるポリ[9−アントラセンメチルヒドロキシイミンエチルアクリート− (2−ヒドロキシエチルアクリート)]の樹脂が得られる(収率:83%)。
【化19】
Figure 0004162389
【0035】
実施例6:ポリ[9−アントラセンメチルヒドロキシイミンエチルメタクリート−(3−ヒドロキシプロピルアクリート)] の製造
実施例2で合成した9−アントラセンメチルヒドロキシイミンエチルメタクリート0.5モル、3−ヒドロキシプロピルアクリート0.5モルを500mlの丸底フラスコに入れて混合する。次に、予め準備したテトラヒドロフラン300gを撹拌しながら前記混合物に加える。それから、2,2−アゾビスイソブチルロニトリルを0.1g〜3.0g入れた後、前記混合物を窒素雰囲気下で60℃ないし75℃温度で5〜20時間反応させる。反応の終了後、この溶液をエチルエーテルまたはノルマルヘキサン溶媒に沈殿させた後、濾過して乾燥させると、下記化学式[化20]のような本実施例によるポリ[9−アントラセンメチルヒドロキシイミンエチルメタクリート− (3−ヒドロキシプロピルアクリート)]の樹脂が得られる(収率:82%)。
【化20】
Figure 0004162389
【0036】
実施例7:ポリ[9−アントラセンメチルヒドロキシイミンプロピルアクリート−(4−ヒドロキシブチルアクリート)] の製造
実施例3で合成した9−アントラセンメチルヒドロキシイミンプロピルアクリート0.5モル、4−ヒドロキシブチルアクリート0.5モルを500mlの丸底フラスコに入れて混合する。次に、予め準備したテトラヒドロフラン300gを撹拌しながら前記混合物に加える。それから、2,2−アゾビスイソブチルロニトリルを0.1g〜3.0g入れた後、前記混合物を窒素雰囲気下で60℃ないし75℃温度で5〜20時間反応させる。反応の終了後、この溶液をエチルエーテルまたはノルマルヘキサン溶媒に沈殿させた後、濾過して乾燥させると、下記化学式[化21]のような本実施例によるポリ[9−アントラセンメチルヒドロキシイミンプロピルアクリート− (4−ヒドロキシブチルアクリート)]の樹脂が得られる(収率:81%)。
【化21】
Figure 0004162389
【0037】
実施例8:ポリ[9−アントラセンメチルヒドロキシイミンブチルアクリート−(2−ヒドロキシエチルメタクリート)] の製造
実施例4で合成した9−アントラセンメチルヒドロキシイミンブチルアクリレート0.5モル、2−ヒドロキシエチルメタクリート0.5モルを500mlの丸底フラスコに入れて混合する。次に、予め準備したテトラヒドロフラン300gを撹拌しながら前記混合物に加える。それから、2,2−アゾビスイソブチルロニトリルを0.1g〜3.0g入れた後、前記混合物を窒素雰囲気下で60℃ないし75℃温度で5〜20時間反応させる。反応の終了後、この溶液をエチルエーテルまたはノルマルヘキサン溶媒に沈殿させた後、濾過して乾燥させると、下記化学式[化22]のような本実施例によるポリ[9−アントラセンメチルヒドロキシイミンブチルアクリート−(2−ヒドロキシエチルメタクリート)]の樹脂が得られる(収率:79%)。
【化22】
Figure 0004162389
【0038】
実施例9:反射防止膜の製造
前記化学式[化4]の構造を有する実施例1ないし8により製造された重合体(樹脂)のいずれかと前記化学式[化5]の構造を有する前記化学式[化8]ないし[化11]の重合体とをプロピレングリコールメチルエーテルアセタートの溶媒に溶解する。この溶液に、単独でまたは前記アントラセン誘導体グループから選択されたいずれか1種以上の添加剤の0.1〜30重量%を添加して完全に溶かす。それから、この溶液を濾過してウェーハ上に塗布し、コーティングされたウェーハを、100〜300℃で10〜1000秒間ハードベーキングする。その後、形成された反射防止膜の上に、感光物質を塗布して超微細パターンの形成工程を行う。
【0039】
【発明の効果】
以上のように、本発明で用いた架橋剤は、重合体の形態で架橋反応において効率性が極大化されるように設計したので、第1重合体の比率を調節することによって、有機反射防止膜のk値を自由に調節することが可能である。
【0040】
また、本発明の反射防止膜樹脂は、ヒドロカーボン系の全ての溶媒に対して良好な溶解性を持っており、ハードベーク時にはいかなる溶媒でも溶解されない耐溶解性を持っている。更に、パターンの形成時、アンダーカッティング(undercutting)及びフッティング(footing)が発生しないだけでなく、特にアクリレート系の高分子で形成されているので、エッチング時フォトレジスト膜に比べて優秀なエッチング速度を有し、これにより、エッチング選択比を増加させた。

Claims (23)

  1. 以下に示す化学式[化1]の構造を有する化合物。
    Figure 0004162389
    (上記の式において、Rは水素またはメチル基、Ra、Rb、R1ないしR9はそれぞれ−H、−OH、−OCOCH3、−COOH、−CH2OH、または炭素数1ないし5の置換若しくは非置換された直鎖若しくは分岐鎖のアルキルまたはアルコキシアルキル、はそれぞれ1〜5の整数を示す。)
  2. 請求項1に記載の化学式[化1]で表される化合物において、
    R、Ra、Rb、R1ないしR9はそれぞれ水素、は2である請求項1に記載のアントラセンメチルヒドロキシイミンエチルアクリート。
  3. 請求項1に記載の化学式[化1]で表された化合物において、
    Rは−CH3、Ra、Rb、R1ないしR9はそれぞれ水素、は2である請求項1に記載のアントラセンメチルヒドロキシイミンエチルメタクリート。
  4. 請求項1に記載の化学式[化1]で表された化合物において、
    R、Ra、Rb、R1ないしR9はそれぞれ水素、は3である請求項1に記載のアントラセンメチルヒドロキシイミンプロピルアクリート。
  5. 請求項1に記載の化学式[化1]で表された化合物において、
    R、Ra、Rb、R1ないしR9はそれぞれ水素、は4である請求項1に記載のアントラセンメチルヒドロキシイミンブチルアクリート。
  6. アントラセンオキシムとアクリル系単量体をラウリル系の酸触媒下で縮合反応させて請求項1に記載の化学式[化1]で示される化合物を製造する方法。
  7. 前記縮合反応は、30ないし80℃の温度範囲で行われることを特徴とする請求項6に記載の製造方法。
  8. 以下に示す化学式[化2]の構造を有する化合物。
    Figure 0004162389
    (上記の式において、R、R'はそれぞれ水素またはメチル基、RaないしRd、R1ないしR9はそれぞれ−H、−OH、−OCOCH3、−COOH、−CH2OH、または炭素数1ないし5の置換若しくは非置換された直鎖若しくは分岐鎖のアルキルまたはアルコキシアルキル、m、nはそれぞれ1〜5の整数、x、yはそれぞれ0.01〜0.99のモル分率を示す)
  9. 請求項8に記載の化学式[化2]で表される化合物において、
    R、R'、 RaないしRd、R1ないしR9はそれぞれ水素、m、nはそれぞれ2、x、yはそれぞれ0.5である請求項8に記載のポリ[9−アントラセンメチルヒドロキシイミンエチルアクリート−(2−ヒドロキシエチルアクリート)]。
  10. 請求項8に記載の化学式[化2]で表される化合物において、
    Rはメチル基、R'、RaないしRd、R1ないしR9はそれぞれ水素、mは2、nは3、x、yはそれぞれ0.5である請求項8に記載のポリ[9−アントラセンメチルヒドロキシイミンエチルメタクリート−(3−ヒドロキシプロピルアクリート)]。
  11. 請求項8に記載の化学式[化2]で表される化合物において、
    R、R'、RaないしRd、R1ないしR9はそれぞれ水素、mは3、nは4、x、yはそれぞれ0.5である請求項8に記載のポリ[9−アントラセンメチルヒドロキシイミンプロピルアクリート−(4−ヒドロキシブチルアクリート)]。
  12. 請求項8に記載の化学式[化2]で表される化合物において、
    R'はメチル基、R、RaないしRd、R1ないしR9はそれぞれ水素、mは4、nは2、x、yはそれぞれ0.5である請求項8に記載のポリ[9−アントラセンメチルヒドロキシイミンブチルアクリート−(2−ヒドロキシエチルメタクリート)]。
  13. 請求項1に記載の化学式[化1]で表される化合物をヒドロキシアクリレート系単量体と共に溶媒中で反応させた後、開始剤を入れて重合反応させることを特徴とする請求項8項に記載の化学式[化2]で表される化合物の製造方法。
  14. 前記溶媒は、テトラヒドロフラン、トルエン、メチルエチルケトン及びジオキサンからなるグループから選択されたいずれか1種以上を使用することを特徴とする請求項13に記載の製造方法。
  15. 前記開始剤は、2、2−アゾビスイソブチロニトリル、アセチルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイドからなるグループから選択されたいずれか1種以上を使用することを特徴とする請求項13に記載の製造方法。
  16. 前記重合反応は、50ないし90℃で行われることを特徴とする請求項13に記載の製造方法。
  17. 前記化学式[化2]の構造を有する化合物の中の少なくともいずれかを含むことを特徴とする反射防止膜用組成物。
  18. 前記化学式[化2]の構造を有する化合物の中のいずれかと、下記化学式[化3]の構造を有する化合物の中のいずれかを共に含むことを特徴とする反射防止膜用組成物。
    Figure 0004162389
    (上記の式において、R10および R11はそれぞれ分岐鎖若しくは直鎖置換されたC1〜C10のアルキル基、R12は水素またはメチル基を表す)
  19. 前記化学式[化2]の構造を有する化合物の中のいずれかと前記化学式[化3]の構造を有する化合物の中のいずれかを含み、更にアントラセン、9−アントラセンメタノール、9−アントラセンカルボニトリル、9−アントラセンカルボン酸、ジトラノール、1,2,10−アントラセントリオール、アントラフラボン酸、9−アントラアルデヒドオキシム、9−アントラルアルデヒド、2−アミノ−7−メチル−5−オキソ−5H−[1]ベンゾピラノ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル、1−アミノアントラキノン、アントラキノン−2−カルボン酸、1,5−ジヒドロキシアントラキノン、アントロン、9−アントリルトリフルオロメチルケトン、9−アルキルアントラセン誘導体、9−カルボキシルアントラセン誘導体、1−カルボキシルアントラセン誘導体からなるグループから選択されたいずれか1種以上の化合物とを含む請求項18に記載の反射防止膜用組成物。
  20. 前記化学式[化2]の構造を有する化合物の中のいずれかと前記化学式[化3]の構造を有する化合物の中のいずれかを有機溶媒に溶解させた後、該溶液を単独でまたはアントラセン、9−アントラセンメタノール、9−アントラセンカルボニトリル、9−アントラセンカルボン酸、ジトラノール、1,2,10−アントラセントリオール、アントラフラボン酸、9−アントラルアルデヒドオキシム、9−アントラルアルデヒド、2−アミノ−7−メチル−5−オキソ−5H−[1]ベンゾピラノ[2,3−b]ピリジン−3−カルボニトリル、1−アミノアントラキノン、アントラキノン−2−カルボン酸、1,5−ジヒドロキシアントラキノン、アントロン、9−アントリルトリフルオロメチルケトン、9−アルキルアントラセン誘導体、9−カルボキシルアントラセン誘導体、1−カルボキシルアントラセン誘導体からなるグループから選択された1つ以上の化合物を添加した溶液を濾過した後、下部層に塗布し、次いでハードベークしてなることを特徴とする反射防止膜の製造方法。
  21. 前記有機溶媒は、エチル3−エトキシプロピオネート、メチル3−メトキシプロピオネート、シクロヘキサノン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートからなるグループから選択され、該有機溶媒を用いて、前記有機溶媒を反射防止膜樹脂の200〜5000重量%の量で使用することを特徴とする請求項20に記載の製造方法。
  22. 前記ハードベーク時の温度は、100〜300℃であることを特徴とする請求項20に記載の製造方法。
  23. 請求項17ないし19のいずれか1項に記載の反射防止膜用組成物のいずれかを用いて製造されたことを特徴とする半導体素子。
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