JPH10330431A - 芳香族ビニル系化合物・(メタ)アクリレート共重合体 - Google Patents

芳香族ビニル系化合物・(メタ)アクリレート共重合体

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JPH10330431A
JPH10330431A JP13888097A JP13888097A JPH10330431A JP H10330431 A JPH10330431 A JP H10330431A JP 13888097 A JP13888097 A JP 13888097A JP 13888097 A JP13888097 A JP 13888097A JP H10330431 A JPH10330431 A JP H10330431A
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JP
Japan
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meth
acrylate
group
aromatic vinyl
vinyl compound
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Application number
JP13888097A
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English (en)
Inventor
Tetsunori Shinozaki
崎 哲 徳 篠
Tatsukazu Ishida
田 達 麗 石
Toru Masuda
田 透 増
Atsushi Myonaka
中 敦 妙
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Honshu Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Honshu Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F212/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an aromatic carbocyclic ring
    • C08F212/02Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical
    • C08F212/04Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical containing one ring

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性および耐光(放射線)性などの光学特
性、誘電特性などの電気的特性および剛性などの機械的
特性に優れるとともに、耐熱性、耐熱安定性などの耐熱
特性にも優れ、さらには接着性にも優れた新規な芳香族
ビニル系化合物・(メタ)アクリレート共重合体。 【解決手段】 特許請求の範囲に示される式[I]で示
される芳香族ビニル系化合物から導かれる単位:5〜9
9モル%と、式[II]で示される多環式(メタ)アクリ
レート化合物から導かれる単位:95〜1モル%とから
なり、重量平均分子量(GPCで測定)が2,000〜
500,000であり、ガラス転移点が10〜200℃
である共重合体。この共重合体は、式[III]で示され
る(メタ)アクリレート化合物から導かれる単位を70
モル%の量で含有していてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、透明性および耐光(放射
線)性に優れ、誘電特性などの電気的特性および剛性な
どの機械的特性にも優れるとともに、耐熱性、耐熱安定
性などの耐熱特性にも優れ、さらには接着性にも優れた
新規な芳香族ビニル系化合物・(メタ)アクリレート共
重合体に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来、光学繊維、光ディスク、コ
ンパクトディスク、光カード、有機ガラス、プラスチッ
クレンズ、透明誘電シートなどの光学用途に利用しうる
透明性樹脂としては、(メタ)アクリレート系重合体、
ポリカーボネート、スチレン系重合体、エポキシ樹脂な
どが提案されている。これらのうちでも、(メタ)アク
リレート系重合体およびポリカーボネートは、光散乱性
が極めて小さく透明性に優れており、すでにこれら用途
に利用されている。
【0003】上記のような(メタ)アクリレート系重合
体としては、一般的にポリメタクリル酸メチル(PMM
A)が用いられているが、PMMAは、耐熱特性、耐溶
剤性、耐薬品性、耐水性、耐光性、耐放射線(プラズ
マ)性などが充分とはいえず、特に耐熱性、熱安定性、
寸法安定性などの耐熱特性に劣り、耐熱特性を求められ
る分野では利用し難いという欠点があった。
【0004】このような従来の(メタ)アクリレート系
重合体の欠点を改善するものとして、脂環族(メタ)ア
クリレートの単独重合体、あるいは他の(メタ)アクリ
レートとの共重合体が、たとえば特開昭58−2218
08号公報、特開昭59−136704号公報、特開昭
59−162503号公報、特開昭59−172603
号公報、特開昭59−176703号公報、特開昭59
−200202号公報、特開昭59−214802号公
報、特開昭60−124605号公報、特開昭60−1
44313号公報などに種々提案されている。
【0005】しかしながらこれら公報で提案された脂環
族(メタ)アクリレート(共)重合体の耐熱特性は、P
MMAに比べると改善されているが充分であるとはいえ
ない。また(メタ)アクリレート(共)重合体は、その
透明性を利用して保護膜あるいはコーティング剤用途に
利用するには、各種基材との接着性の向上も望まれてい
る。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に鑑み
てなされたものであって、透明性および耐光(放射線)
性などの光学特性、誘電特性などの電気的特性および剛
性などの機械的特性に優れるとともに、耐熱性、耐熱安
定性などの耐熱特性にも優れ、さらには接着性にも優れ
た新規な芳香族ビニル系化合物・(メタ)アクリレート
共重合体を提供することを目的としている。
【0007】
【発明の概要】本発明に係る芳香族ビニル系化合物・
(メタ)アクリレート共重合体は、下記式[I]で示さ
れる芳香族ビニル系化合物から導かれる単位:5〜99
モル%と、下記式[II]で示される多環式(メタ)アク
リレートから導かれる単位:95〜1モル%とからな
り、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)で測定される重量平均分子量が2,000〜50
0,000であり、示差走査型熱量計(DSC)で測定
されるガラス転移点が10〜200℃であることを特徴
としている。
【0008】
【化3】
【0009】上記の芳香族ビニル系化合物・(メタ)ア
クリレート共重合体は、下記式[III]で示される(メ
タ)アクリレート化合物から導かれる単位を70モル%
以下の量で含有していてもよい。
【0010】
【化4】
【0011】本発明に係る芳香族ビニル系化合物・(メ
タ)アクリレート共重合体は、特に透明性、耐熱性、耐
光(放射線)性に優れている。
【0012】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る芳香族ビニル
系化合物・(メタ)アクリレート共重合体について具体
的に説明する。なお本明細書において、(メタ)アクリ
レートは、アクリレートまたはメタクリレートを総称し
た意味で用いられる。
【0013】本発明に係る芳香族ビニル系化合物・(メ
タ)アクリレート共重合体は、以下に示すような式
[I]で示される芳香族ビニル系化合物から導かれる単
位と、式[II]で示される多環式(メタ)アクリレート
から導かれる単位と、必要に応じて式[III]で示され
る(メタ)アクリレート化合物から導かれる単位とから
なる。
【0014】芳香族ビニル系化合物から導かれる単位
[I]は、後述するような式[Ia]で示される芳香族
ビニル化合物または芳香族ビニリデン化合物から導かれ
る単位であり、本明細書では、この芳香族ビニル化合物
または芳香族ビニリデン化合物を総称して芳香族ビニル
系化合物という。まず下記式[I]について説明する。
【0015】
【化5】
【0016】上記式中、R1 は水素原子、メチル基また
はエチル基である。R2 〜R6 は、それぞれ独立に水
素、炭素、酸素、窒素、珪素、ハロゲンから選ばれる元
素からなる基である。ただしR2 〜R6 が同時に水素で
あることはない。
【0017】このようなR2 〜R6 としては、具体的
に、水素原子、ハロゲン、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル
基、オクチル基、デシル基、ステアリル基、シクロヘキ
シル基などの直鎖状、分岐状、環状アルキル基、フェニ
ル基、α-メチルベンジル基、クミル基などの芳香族炭
化水素基、トリフルオロエチル基、テトラフルオロプロ
ピル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、オクタフルオ
ロペンチル基などのハロゲン含有炭化水素基、ヒドロキ
シ基、t-ブトキシ基、クミルオキシ基、アセチル基、ア
セトキシ基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシヘキシ
ル基、ヒドロキシエチル基、メトキシエチル基、エトキ
シエチル基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ
基、(メトキシエトキシ)エチル基、t-ブトキシカルボ
ニル基、t-ブトキシカルボニルメチル基、t-ブトキシカ
ルボニルエチル基、t-ブトキシカルボニルオキシ基、t-
ブトキシカルボニルオキシエチル基、t-ブトキシカルボ
ニルオキシプロピル基、ヒドロキシカルボニルエチル
基、ヒドロキシカルボニルプロピル基、カルボキシル
基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ア
ルデヒド構造を有する基、テトラヒドロフルフリル基、
テトラヒドロフルフリロキシ基、テトラヒドロピラニル
基、テトラヒドロピラニロキシ基などの酸素含有基、ア
ミノ基、ジメチルアミノエチル基、ジメチルアミノエト
キシ基、ジエチルアミノエチル基、ジエチルアミノエト
キシ基、アミド基などの窒素含有基、トリメチルシリル
基、トリメチルシリロキシ基、トリメトキシシリル基、
トリメトキシシリロキシ基などのケイ素含有基などが挙
げられる。
【0018】R2 〜R6 は同一であっても異なっていて
もよく(ただし同時に水素であることはない)、R2
6 のうちの少なくとも1つは炭素、酸素、窒素、珪
素、ハロゲンを含む基であるが、酸素、窒素、珪素また
はハロゲンを含む基であることが望ましい場合が多い。
たとえばヒドロキシ基、t-ブトキシ基、アセトキシ基、
エトキシエトキシ基、α-メチルベンジロキシ基、クミ
ルオキシ基、テトラヒドロピラニロキシ基、トリフルオ
ロエチル基、ジメチルアミノエチル基、トリメチルシロ
キシ基などが好ましい。またR2 〜R6 のうち、隣接す
る2つが共同して環構造を形成してもよい。次に多環式
(メタ)アクリレートから導かれる単位[II]について
説明する。
【0019】
【化6】
【0020】上記式中、nは1〜3の整数である。R10
は水素原子またはメチル基である。X1は、直接結合を
示すかまたは酸素原子を有していてもよい低級アルキレ
ン基であり、低級アルキレン基としては、具体的にメチ
レン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などが
挙げられ、含酸素低級アルキレン基としては、具体的に
オキシエチレン基、オキシプロピレン基などが挙げられ
る。
【0021】R11〜R27は、水素、炭素、酸素、窒素、
珪素、ハロゲンから選ばれる元素からなる基であり、こ
のようなR11〜R27としては、具体的には前記芳香族ビ
ニル化合物で示した置換基R2 〜R6として例示したよ
うな元素または基と同様のものが挙げられる。R11〜R
27は同一であっても異なっていてもよいが、隣接する2
つが共同して環構造を形成することはない。R11〜R27
は用途によって好ましい構造が異なるが、これらのうち
でも水素原子、カルボキシル基、メトキシカルボニル
基、アミノ基、アミド基、トリメチルシリロキシ基、ト
リメチルシリル基などであることが好ましい場合が多
い。
【0022】本発明に係る芳香族ビニル系化合物・(メ
タ)アクリレート共重合体は、必要に応じて下記式で示
される(メタ)アクリレートから導かれる単位[III]
を含有していてもよい。
【0023】
【化7】
【0024】式中、R30は水素原子またはメチル基であ
り、R31は水素、炭素、酸素、窒素、珪素、ハロゲンか
ら選ばれる元素からなり、炭素数11以下の基である。
このようなR31としては、具体的に、水素原子、ハロゲ
ン、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル
基、ステアリル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル
基などの直鎖状、分岐状、環状アルキル基、フェニル
基、α-メチルベンジル基、クミル基などの芳香族炭化
水素基、トリフルオロエチル基、テトラフルオロプロピ
ル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、オクタフルオロ
ペンチル基などのハロゲン含有炭化水素基、ヒドロキシ
プロピル基、ヒドロキシヘキシル基、ヒドロキシエチル
基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、(メトキシ
エトキシ)エチル基、t-ブトキシカルボニルメチル基、
t-ブトキシカルボニルエチル基、t-ブトキシカルボニル
オキシエチル基、t-ブトキシカルボニルオキシプロピル
基、ヒドロキシカルボニルエチル基、ヒドロキシカルボ
ニルプロピル基、メトキシカルボニル基、エトキシカル
ボニル基、アルデヒド構造を有する基、テトラヒドロフ
ルフリル基、テトラヒドロピラニル基(テトラヒドロ-2
H-ピラン-2-イル基)、(テトラヒドロ-2-フラニル)
メチル基、グリシジル基などの酸素含有基、アミノ基、
ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノエチル基など
の窒素含有基、トリメチルシリル基、トリメトキシシリ
ル基などのケイ素含有基などが挙げられる。
【0025】R31は用途によって好ましい構造は異なる
が、たとえばt-ブチル基などの嵩高い構造を有する基、
あるいはテトラヒドロピラニル基などの酸素含有基など
であると、得られる共重合体のガラス転移温度が高くな
る傾向があるので好ましい場合が多い。またたとえばフ
ォトレジスト用途では、R31は、イソプロピル基、イソ
ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、エト
キシエチル基、(テトラヒドロ-2-フラニル)メチル
基、(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル基)、2-ヒドロ
キシエチル基、グリシジル基などであることが好まし
い。
【0026】本発明に係る芳香族ビニル系化合物・(メ
タ)アクリレート共重合体は、上記のような多環式(メ
タ)アクリレート単位[I]を、5〜99モル%、好ま
しくは10〜90モル%、さらに好ましくは15〜85
モル%、特に好ましくは20〜80モル%の量で、多環
式(メタ)アクリレートから導かれる単位[II]を、9
5〜1モル%、好ましくは90〜10モル%、さらに好
ましくは85〜15モル%、特に好ましくは80〜20
モル%の量で含有している。
【0027】さらに本発明に係る芳香族ビニル系化合物
・(メタ)アクリレート共重合体は、必要に応じて(メ
タ)アクリレート化合物から導かれる単位[III]を含
有していてもよく、具体的に0モル%を越え70モル%
以下、好ましくは2〜65モル%、より好ましくは5〜
60モル%、さらに好ましくは7〜55モル%、特に好
ましくは10〜50モル%の量で含有していてもよい。
【0028】この(メタ)アクリレート化合物から導か
れる単位[III]は置換基R31の構造を適宜選択するこ
とにより、芳香族ビニル系化合物・(メタ)アクリレー
ト共重合体に、ガラス転移温度の制御(耐熱性の制
御)、印刷性、塗装性、接着性、濡れ特性などを効果的
に付与することができる。
【0029】このような構成からなる本発明に係る芳香
族ビニル系化合物・(メタ)アクリレート共重合体は、
従来公知の(メタ)アクリレート(共)重合体に比べて
特に透明性、耐放射線(プラズマ)性および耐熱性に優
れているが、具体的に光散乱性が小さく透明性におり、
また耐放射線(プラズマ)性に優れるなどの優れた光学
特性を示す。
【0030】また該共重合体は、誘電特性などの電気的
特性および剛性などの機械的特性に優れるとともに、耐
熱性、耐熱安定性などの耐熱特性にも優れ、同時に印刷
性、塗装性、接着性、濡れ特性を付与することも可能で
ある。
【0031】本発明では、上記のような芳香族ビニル系
化合物・(メタ)アクリレート共重合体は、本発明の効
果を損なわない範囲であればさらに他の構成単位を任意
に含有していてもよく、通常10モル%以下、好ましく
は7モル%以下、より好ましくは5モル%以下、特に好
ましくは3モル%以下の量で含有していてもよい。
【0032】このように任意に含有されていてもよい構
成単位としては、具体的には例えばエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、1,3-プロパンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキ
サンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール
Aジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ
(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ
(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレートな
どの多官能性(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼ
ン、トリビニルベンゼンなどの芳香族多官能性化合物、
ブタジエン、イソプレンなどの共役二重結合性化合物な
どから導かれる単位が挙げられる。
【0033】本発明に係る芳香族ビニル系化合物・(メ
タ)アクリレート共重合体では、芳香族ビニル系化合物
単位[I]と、多環式(メタ)アクリレート単位[II]
と、必要に応じて含まれる(メタ)アクリレート化合物
単位[III]とがランダムに配列した構造であっても、
あるいはブロック構造であっても、グラフト構造であっ
てもよく、用途に応じていずれかを選択することもでき
るが、ランダムに配列していることが好ましい場合が多
い。
【0034】また上記芳香族ビニル系化合物・(メタ)
アクリレート共重合体では、環状構造あるいは架橋構造
が形成されていてもよいが、実質上線状構造であること
が好ましい。共重合体が実質上線状構造を有すること
は、例えば共重合体がある程度温和な条件下で有機溶剤
に溶解すること、具体的にはゲルパーミエーションクロ
マトグラフィーで分子量測定する際に、室温で移動相溶
媒(例えばテトラヒドロフラン)に溶解することで確認
することができる。
【0035】本発明に係る芳香族ビニル系化合物・(メ
タ)アクリレート共重合体のGPCで測定される重量平
均分子量は2,000〜500,000、好ましくは
4,000〜200,000、より好ましくは5,00
0〜100,000、特に好ましくは7,000〜5
0,000である。また分子量分布(重量平均分子量M
w/数平均分子量Mn)は、1.0〜5.0、好ましくは
1.0〜3.0、より好ましくは、1.0〜2.5、特に好
ましくは1.0〜2.2である。
【0036】また芳香族ビニル系化合物・(メタ)アク
リレート共重合体の示差走査型熱量計(DSC)によっ
て測定されるガラス転移点(Tg)は、10〜200℃
であり、好ましくは50〜200℃、より好ましくは1
10〜200℃、特に好ましくは120〜200℃であ
る。
【0037】また芳香族ビニル系化合物・(メタ)アク
リレート共重合体のX線回折法によって測定される結晶
化度は、5.0%以下、好ましくは3.0%以下、特に好
ましくは1.0%以下であり、アッベ屈折計で測定され
る(25℃、D線)屈折率は、1.40〜1.75、好ま
しくは1.45〜1.65であり、ヘイズ(曇り度)(A
STM D1003−52)は、20%以下好ましくは
5%以下であることが望ましい。
【0038】上記のような本発明に係る芳香族ビニル系
化合物・(メタ)アクリレート共重合体は、下記式[I
a]で示される芳香族ビニル系化合物と、式[IIa]で
示される多環式(メタ)アクリレートと、必要に応じて
式[IIIa]で示される(メタ)アクリレート化合物と
を共重合させることにより製造することができる。本発
明で用いられる芳香族ビニル系化合物[Ia]は、ビニ
ル重合性の芳香族化合物であり、具体的には芳香族ビニ
ル化合物または芳香族ビニリデン化合物である。
【0039】
【化8】
【0040】(式中、R1〜R6は、前記式[I]中に示
すこれらと同様である。) このような式[Ia]で示される芳香族ビニル系化合物
としては、具体的にビニルナフタレン、ビニルアントラ
セン、4-ビニルフェノール(p-ヒドロキシスチレン)、
4-ビニル3-メチルフェノール、2,6-ジメチル4-ビニルフ
ェノール、2,5-ジメチル4-ビニルフェノール、2,6-ジエ
チル4-ビニルフェノール、4-ビニル1-メトキシベンゼン
(p-メトキシスチレン)、4-ビニル1-エトキシベンゼン
(P-エトキシスチレン)、4-ビニル1-t-ブトキシベンゼ
ン(P-t-ブトキシスチレン)、4-ビニル1-アセトキシベ
ンゼン(p-アセトキシスチレン)、3-ビニル1-アセトキ
シベンゼン(3-アセトキシスチレン)、4-ビニル1-α-
メチルベンジロキシベンゼン、4-ビニル1-(1-エトキシ
エトキシ)ベンゼン、4-ビニル1-t-ブトキシカルボニル
オキシベンゼン、4-ビニル1-テトラヒドロフルフリロキ
シベンゼン、4-ビニル1-テトラヒドロピラニロキシベン
ゼン、4-ビニル1-ジメチルアミノエトキシベンゼン、4-
ビニル1-トリメチルシロキシベンゼン、4-イソプロペニ
ルフェノール、3-イソプロペニルフェノール、4-イソプ
ロペニル3-メチルフェノール、2,6-ジメチル4-イソプロ
ペニルフェノール、2,5-ジメチル4-イソプロペニルフェ
ノール、2,6-ジエチル4-イソプロペニルフェノール、4-
(1-エチルビニル)フェノール、4-(1-エチルビニル)3-メ
チルフェノール、2,5-ジエチル4-(1-エチルビニル)フェ
ノール、2,3,6トリメチル4-(1-エチルビニル)フェノー
ル、4-イソプロペニル1-メトキシベンゼン、4-イソプロ
ペニル1-エトキシベンゼン、4-イソプロペニル1-t-ブト
キシベンゼン、4-イソプロペニル1-α-メチルベンジロ
キシベンゼン、4-イソプロペニル1-(1-エトキシエトキ
シ)ベンゼン、4-イソプロペニル1-t-ブトキシカルボニ
ルオキシベンゼン、4-イソプロペニル1-テトラヒドロフ
ルフリロキシベンゼン、4-イソプロペニル1-テトラヒド
ロピラニロキシベンゼン、4-イソプロペニル1-ジメチル
アミノエトキシベンゼン、4-イソプロペニル1-トリメチ
ルシロキシベンゼン、4-(1-エチルビニル)1-t-ブトキ
シベンゼン、4-(1-エチルビニル)1-アセトキシベンゼ
ン、4-(1-エチルビニル)1-テトラヒドロピラニロキシ
ベンゼン、4-(1-エチルビニル)1-(1-エトキシエトキ
シ)ベンゼン、4-(1-エチルビニル)1-t-ブトキシカル
ボニルオキシベンゼン、などが挙げられる。これらの化
合物を2種以上共重合させてもよい。本発明で用いられ
る多環式(メタ)アクリレートは、下記式[IIa]で示
される。
【0041】
【化9】
【0042】(式中、n、X1 、Ra およびR11〜R27
は、前記式[II]中に示すこれらと同様である。) このような多環式(メタ)アクリレートとしては、具体
的に下記のような化合物が挙げられる。
【0043】
【化10】
【0044】
【化11】
【0045】
【化12】
【0046】
【化13】
【0047】
【化14】
【0048】
【化15】
【0049】
【化16】
【0050】
【化17】
【0051】上記の多環式(メタ)アクリレートを2種
以上共重合させてもよい。上記のような多環式(メタ)
アクリレート[IIa]は、たとえば下記一般式[IIb]
で示される多環式アルコールのうち目的構造の多環式
(メタ)アクリレートに対応する多環式アルコールと、
アクリル酸(誘導体)あるいはメタクリル酸(誘導体)
とを縮合反応させるか、あるいは該多環式アルコール
と、アクリル酸クロリド、メタクリル酸クロリドなどの
酸ハライドとを反応させることにより合成することがで
きる。
【0052】
【化18】
【0053】(式中、X0はヒドロオキシ基であり、X1
は直接結合を示すかまたは酸素を含有していてもよい低
級アルキレン基であり、n、X1、R10およびR11〜R
27は、前記式[II]中に示すこれらと同様である。) この多環式アルコールは、下記一般式[IIc]で示され
る多環式オレフィンと、蟻酸あるいはエチレンオキシ
ド、プロピレンオキシドなどのアルキレンオキシドとを
反応させて得ることができる。
【0054】
【化19】
【0055】(式中、n、X1、R10およびR11〜R26
は、前記式[II]中に示すこれらと同様である。) また本発明において、芳香族ビニル系化合物・(メタ)
アクリレート共重合体に、(メタ)アクリレート単位
[III]を導入するために用いられる(メタ)アクリレ
ートは下記式[IIIa]で示される。
【0056】
【化20】
【0057】(式中、R30、R31は、前記式[III]中
に示すこれらと同様である。) このような(メタ)アクリレートとしては、具体的にた
とえば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プ
ロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)ア
クリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メ
タ)アクリル酸s-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチ
ル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸
ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アク
リル酸デシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、
(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベン
ジル、(メタ)アクリル酸α-メチルベンジル、(メ
タ)アクリル酸トリル、(メタ)アクリル酸ノルボルニ
ル、(メタ)アクリル酸エチレングリコール、(メタ)
アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸-
2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロ
キシヘキシル、(メタ)アクリル酸-3-ヒドロキシヘキ
シル、(メタ)アクリル酸エチレングリコールメチルエ
ーテル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、
(メタ)アクリル酸-2-(2-メトキシエトキシ)エチ
ル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロピラニル、(メ
タ)アクリル酸-1-エトキシエチル、(メタ)アクリル
酸-2-エトキシエチル、(メタ)アクリル酸-2-メトキシ
エチル、(メタ)アクリル酸1H、1H、5H-オクタ
フルオロペンチル、(メタ)アクリル酸-2,2,2-トリフ
ルオロエチル、(メタ)アクリル酸-1,1,1,3,3,3-ヘキ
サフルオロイソプロピル、(メタ)アクリル酸-2,2,3,3
-テトラフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸-2-ジエ
チルアミノエチル、(メタ)アクリル酸-2-ジメチルア
ミノエチル、(メタ)アクリル酸-3-トリメトキシシリ
ルプロピル、(メタ)アクリル酸トリメチルシリル、
(メタ)アクリル酸-t-ブトキシカルボニルメチル、
(メタ)アクリル酸-t-ブトキシカルボニルエチル、
(メタ)アクリル酸-t-ブトキシカルボニルオキシエチ
ル、(メタ)アクリル酸-t-ブトキシカルボニルオキシ
プロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシカルボニルエ
チル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシカルボニルプロピ
ル、2-(メタ)アクリロイロキシエタナール、3-(メ
タ)アクリロイロキシプロパナール、4-(メタ)アクリ
ロイロキシブタナールなどが挙げられる。これらを2種
以上共重合させてもよい。
【0058】また本発明では、上記のような芳香族ビニ
ル系化合物[Ia]、多環式(メタ)アクリレート[II
a]、必要に応じて(メタ)アクリレート化合物[III
a]に加えて、本発明の目的を損なわない範囲であれ
ば、任意に他の成分を共重合させてもよく、たとえば前
述したような多官能性(メタ)アクリレート、芳香族多
官能性化合物、共役二重結合性化合物などを共重合させ
ることができ、具体的に任意成分から導かれる単位の量
が得られる共重合体中10モル%以下となる量で共重合
させることができる。
【0059】本発明では、上記のような芳香族ビニル系
化合物類と(メタ)アクリレート類とを共重合させて本
発明に係る芳香族ビニル系化合物・(メタ)アクリレー
ト共重合体を製造する際には、従来公知のスチレン系重
合体あるいは(メタ)アクリレート(共)重合体の製造
方法を採用することができる。具体的には、ポリメタク
リル酸メチルの製造と同様に、懸濁重合法、乳化重合
法、溶液重合法、塊状重合法などの方法で、上記の重合
性芳香族ビニル系化合物[Ia]、多環式(メタ)アク
リレート[IIa]、(メタ)アクリレート[IIIa]お
よび必要に応じて任意に他の化合物を共重合させること
ができる。これらのうち、塊状重合法は不純物の混入を
避けることができる点で有利であり、溶液重合法は、分
子量、分子量分布、組成分布などを制御しやすい点で有
利である。
【0060】重合反応の開始剤としては、通常ラジカル
重合開始剤が用いられるが、アニオン重合開始剤、配位
アニオン重合開始剤、グループトランスファー重合用開
始剤系などを用いることもできる。
【0061】ラジカル開始剤としては、具体的にベンゾ
イルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジ
クミルパーオキサイド、3,3,5-トリメチルヘキサノイル
パーオキサイド、ジ-2-エチルヘキシルパーオキシジカ
ーボネート、メチルエチルケトンパーオキサイド、t-ブ
チルパーオキシフタレート、t-ブチルパーオキシベンゾ
エート、ジ-t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチル
パーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオキシ-2-エ
チルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシ-3,5,5-トリ
メチルヘキサノエートなどの有機過酸化物、1,1'-アゾ
ビスイソブチロニトリル、1,1'-アゾビスシクロヘキサ
ンカルボニトリル、2-シアノ-2-プロピルアゾホルムア
ミドなどのアゾ化合物などを用いることができる。
【0062】また紫外線などの光照射によりラジカルを
発生させて重合を行うことも、公知のレドックス系開始
剤を用いて重合することも可能である。重合系に連鎖移
動剤を存在させて生成する共重合体の分子量を調節する
こともでき、たとえばt-ブチルメルカプタン、n-ブチル
メチルメルカプタン、n-オクチルメルカプタン、n-ドデ
シルメルカプタン、α-メチルスチレンダイマーなどの
連鎖移動剤を上記(メタ)アクリレート類に対し1モル
以下の量で用いることができる。
【0063】アニオン重合開始剤としては、n-ブチルリ
チウム、s-ブチルリチウム、t-ブチルリチウム、1,1-ジ
フェニルヘキシルリチウム、フルオレニルリチウム、α
-メチルスチリルリチウムなどの有機アルカリ金属化合
物類、n-ブチルマグネシウムハライド、s-ブチルマグネ
シウムハライド、t-ブチルマグネシウムハライドなどの
グリニャール試薬、メチルアルミニウムテトラフェニル
ポルフィリン、ジエチルアルミニウムジフェニルアミド
などのアルミニウム化合物、ビスシクロペンタジエニル
サマリウムハイドライド、ビスシクロペンタジエニルイ
ッテルビウムハイドライドなどのメタロセン化合物、ト
リエチルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどの有
機燐化合物などを用いることができる。
【0064】これらアニオン重合開始剤に加えてトリエ
チルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリオク
チルアルミニウム、メチルビス(2,6-ジ-t-ブチルフェ
ノキシ)アルミニウムなどの有機アルミニウム化合物、
テトラメチルエチレンジアミンなどの有機窒素化合物な
どを用いるか、あるいは光照射すると、重合速度を速め
たり分子量、組成などの制御を行いやすくなることがあ
る。配位アニオン重合用開始剤としては公知のチーグラ
ー・ナッタ型触媒などが挙げられる。
【0065】重合を溶液重合法で行う際には、該重合が
ラジカル重合であれば、溶媒は生成する共重合体が溶解
するものであればよく、溶媒として公知のものを特に制
限なく広範に用いることができる。たとえばベンゼン、
トルエン、キシレン、エチルベンゼン、t-ブチルベンゼ
ンなどの芳香族炭化水素、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトンなどのケトン類、炭酸ジエチル、炭酸
ジメチルなどのエステル類、テトラヒドロフラン、ジオ
キサンなどのエーテル類、ジメチルホルムアミドなどの
アミド類などを用いることができる。
【0066】重合がアニオン重合あるいは配位アニオン
重合の場合には、ケトン、エステルなどは重合開始剤と
反応することが多いので、上記の溶媒のうちでも芳香族
炭化水素、エーテル類が好ましく用いられる。
【0067】重合温度は任意に設定できるが、たとえば
ラジカル重合は、−20℃〜200℃、好ましくは0℃
〜120℃、より好ましくは20℃〜120℃、特に好
ましくは50〜120℃の温度で行なうことが望まし
い。アニオン重合は、低温で行うと副反応を抑制できる
ため好ましく、−100℃〜70℃、好ましくは−90
℃〜50℃、特に好ましくは−80℃〜30℃の温度で
行なうことが望ましい。
【0068】本発明では、上記のような各化合物から、
直接目的構造の芳香族ビニル系化合物・(メタ)アクリ
レート共重合体を製造してもよく、また一旦共重合によ
り得られた共重合体をさらに種々反応によりその構造を
変化させて、目的構造の芳香族ビニル系化合物・(メ
タ)アクリレート共重合体を製造してもよい。
【0069】たとえば芳香族ビニル系化合物と(メタ)
アクリル酸を予め共重合させて一旦芳香族ビニル系化合
物・(メタ)アクリル酸共重合体(主鎖結合)を形成し
た後、得られた共重合体中の(メタ)アクリル酸のカル
ボキシル基(分鎖基)をエステル化して目的とする芳香
族ビニル系化合物・(メタ)アクリレート共重合体を製
造することもできる。このような方法においては、前述
した多環式(メタ)アクリレートの合成方法を適用する
ことができ、具体的にはポリ(メタ)アクリル酸のカル
ボキシル基と、前記式[IIb]で示される多環式アルコ
ールに対応するアルコールを反応させてエステルを形成
することにより本発明の構造の芳香族ビニル系化合物・
(メタ)アクリレート共重合体を製造することもでき
る。
【0070】またたとえばアセトキシスチレンと多環式
(メタ)アクリレートとの共重合体のアセトキシ基を選
択的に加水分解することにより、ヒドロキシスチレンと
多環式(メタ)アクリレートとの共重合体を得ることも
できる。このように共重合反応により得られた共重合体
の構造を変化させて、目的構造の共重合体を得る際に
は、最終的に上記したような単位[I]、[II]および
必要に応じて[III]から構成される共重合体が得られ
ればよく、製造過程では必ずしも[Ia]、[IIa]お
よび[IIIa]などの化合物を用いなくてもよいことも
ある。
【0071】用 途 本発明に係る芳香族ビニル系化合物・(メタ)アクリレ
ート共重合体は、上記のように光学特性、機械的特性、
電気的特性、耐熱特性、接着性などの諸特性に優れてお
り、このような特性を利用して種々の用途に利用するこ
とができる。
【0072】この芳香族ビニル系化合物・(メタ)アク
リレート共重合体を成形する際には、通常の熱可塑性ポ
リマー溶融成形法を適用することができ、優れた寸法精
度で所望寸法の製品を容易に得ることができる。
【0073】本発明に係る芳香族ビニル系化合物・(メ
タ)アクリレート共重合体は、歪みによる光学特性の変
調がないので光学用途特に光透過性光学用材料として好
適に用いることができ、また耐熱特性を要求される用途
であっても利用することができ、成形品を高温下で使用
することもできる。具体的にコンパクトディスク、ビデ
オディスク、追記型光ディスク、書換型光ディスク、光
磁気ディスクなどのディスク用途および光カードとして
利用することができる。プラスチックレンズとして利用
することもでき、球面レンズ、平面レンズなど様々な形
状のレンズに成形することができるので、眼鏡、望遠
鏡、ルーペ、ライトなどの多様な分野での利用が可能で
ある。
【0074】建築物、自動車、飛行機、船舶、鉄道など
の窓ガラス用途あるいは電子レンジ用容器用途に用いる
こともできる。さらに本発明に係る芳香族ビニル系化合
物・(メタ)アクリレート共重合体は、高いプラズマ耐
性を利用して耐プラズマ保護膜などの保護フィルム材料
として利用することができ、従来のポリメタクリル酸メ
チルと同様に電子線レジストなどのレジスト分野に用い
ることもできる。
【0075】特に本発明に係る芳香族ビニル系化合物・
(メタ)アクリレート共重合体がポジ型フォトレジスト
用のベースレジンとして用いられる場合には、該重合体
は、4-ビニルフェノール(p-ヒドロキシスチレン)、4-
ビニルアセトキシベンゼン(p-アセトキシスチレン)、
3-ビニルアセトキシベンゼン(3-アセトキシスチレ
ン)、4-イソプロペニルフェノールおよび3-イソプロペ
ニルフェノールから選ばれる芳香族ビニル系化合物[I
a]と、前記多環式(メタ)アクリレート[IIa]とか
ら得られるものが好ましい。
【0076】本発明に係る芳香族ビニル系化合物・(メ
タ)アクリレート共重合体は、各構成単位中のR2
6、R11〜R27、R31として極性の高いものを選択す
ることで、水などの極性液体に対する接触角が小さく
し、かつ塗装性(接着性)、印刷性を向上させることが
出来るので、自動車、船舶などの外装表面コーティング
剤としても用いることができる。
【0077】またこのような構造の芳香族ビニル系化合
物・(メタ)アクリレート共重合体は、前記した用途た
とえばプラスチックレンズあるいは窓ガラス材料などと
して用いたときには、水などの極性液体に対する接触角
が小さいので水滴などによる透明性の低下を防ぐことが
でき、またコンパクトディスク材料として用いたときに
は表面印刷性に優れたコンパクトディスクを得ることが
できる。
【0078】また上記のように置換基(R2〜R6、R11
〜R27、R31)を適当に選択することにより、共重合体
の酸またはアルカリへの溶解性を容易に変化させること
ができるので、各種リソグラフィー用途、ケミカルバル
ブ、ケミカルスイッチへの利用も可能である。このよう
な置換基としてはたとえばt-ブチル基、クミル基のよう
な嵩高い基(R31)あるいは嵩高いエステル基(R2
6、R11〜R27)などが挙げられる。
【0079】本発明に係る芳香族ビニル系化合物・(メ
タ)アクリレート共重合体は、誘電特性に優れるので、
集積回路基盤、層間絶縁膜用の材料としても用いること
も可能である。
【0080】
【発明の効果】本発明に係る芳香族ビニル系化合物・
(メタ)アクリレート共重合体は、光散乱性が極めて小
さく透明性に優れるとともに耐光(放射線)性に優れ、
剛性などの機械的特性、誘電特性などの電気的特性にも
優れ、しかも耐熱性、耐熱安定性、寸法安定性などの耐
熱特性に優れており、さらに接着性にも優れている。本
発明に係る芳香族ビニル系化合物・(メタ)アクリレー
ト共重合体は、特に透明性、耐熱性、耐光性に優れてお
り、種々の用途に利用することができる。
【0081】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0082】
【実施例1】 「芳香族ビニル系化合物・(メタ)アクリレート共重合
体の製造」容量約500mlの5ツ口ガラス製反応器
に、窒素気流下、トルエン150ml、p-アセトキシス
チレン(PACST)20.8ml、減圧蒸留によって
精製した
【0083】
【化21】
【0084】アクリル酸-4-テトラシクロ[6,2,1,
3.6,02.7]ドデシル(TDA)29.2ml、t-ブチ
ルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(商品名:パー
ブチルO(日本油脂社製))3.75mlを装入した。
これを攪拌下に0℃に冷却しながら窒素気流下、20分
間バブリングした後、80℃に昇温してこの温度に保持
することで重合反応を行った。
【0085】60分経過後、反応系を氷浴で急速に冷却
し、0℃になったことを確認してから、大過剰のヘキサ
ンに反応液を投入してポリマーを沈澱させた。この沈殿
を濾別し、ヘキサンで3回洗浄した後、80℃で12時
間減圧乾燥した。得られたPACST・TDA共重合体
の結果を表1に示す。
【0086】
【実施例2】 「3元共重合体の製造」容量約500mlの5ツ口ガラ
ス製反応器に、窒素気流下、トルエン150ml、PA
CST20.8ml、TDA14.6ml、アクリル酸-t
-ブチル(TBA)9.7ml、t-ブチルパーオキシ-2-
エチルヘキサノエート(商品名:パーブチルO(日本油
脂社製))3.75mlを装入した。これを攪拌下に0
℃に冷却しながら窒素気流下、20分間バブリングした
後、80℃に昇温してこの温度に保持することで重合反
応を行った。
【0087】60分経過後、反応系を氷浴で急速に冷却
し、0℃になったことを確認してから、大過剰のヘキサ
ンに反応液を投入してポリマーを沈澱させた。この沈殿
を濾別し、ヘキサンで3回洗浄した後、80℃で12時
間減圧乾燥した。結果を表1に示す。
【0088】
【実施例3】容量約200mlの3ツ口ガラス製反応器
に、窒素気流下、実施例1で得られたPACST・TD
A共重合体3g、アセトン25ml、メタノール12.
5mlを加え、これを攪拌しながら50℃に昇温するこ
とで共重合体を溶解させた。次いで、炭酸ナトリウム5
グラムを水100mlに溶解させた水溶液5mlを50
℃で5分以上かけて滴下した後、同温度で6時間攪拌を
続けた。所定時間後、溶液を室温まで冷却し、酢酸1m
lを加えて溶液を中和した。上記溶液を、脱イオン水2
00mlに投入し、析出した固体を濾別し脱イオン水5
0mlでの洗浄を2回行い80℃で減圧乾燥した。得ら
れた固体は2.4グラムで、NMR測定の結果、PAC
ST単位のアセトキシ基のみが選択的に加水分解し、P
ACST・TDA共重合体がヒドロキシスチレン(PH
S)・TDA共重合体となっていることが確認された。
結果を表1に示す。
【0089】
【表1】
フロントページの続き (72)発明者 増 田 透 和歌山県和歌山市小雑賀2丁目5番115号 本州化学工業株式会社総合研究所内 (72)発明者 妙 中 敦 和歌山県和歌山市小雑賀2丁目5番115号 本州化学工業株式会社総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式[I]で示される芳香族ビニル系化
    合物から導かれる単位:5〜99モル%と、 下記式[II]で示される多環式(メタ)アクリレートか
    ら導かれる単位:95〜1モル%とからなり、 ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で
    測定される重量平均分子量が2,000〜500,00
    0であり、 示差走査型熱量計(DSC)で測定されるガラス転移点
    が10〜200℃であることを特徴とする芳香族ビニル
    系化合物・(メタ)アクリレート共重合体: 【化1】
  2. 【請求項2】前記芳香族ビニル系化合物・(メタ)アク
    リレート共重合体が、 下記式[III]で示される(メタ)アクリレート化合物
    から導かれる単位を70モル%以下の量で含有すること
    を特徴とする請求項1に記載の芳香族ビニル系化合物・
    (メタ)アクリレート共重合体: 【化2】
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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