JP4592937B2 - 水素製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、天然ガスや都市ガス、あるいはLPガス等の炭化水素ガスを改質して水素を製造するに際して、該改質ガス中の水素を水素吸蔵合金により分離精製し且つ貯蔵するようにしてなる水素製造装置に関し、また該水素製造装置を備えた燃料電池システム(装置)に関する。
【0002】
【従来の技術】
水素ガスは不飽和結合への水素添加用、酸水素炎用その他各種用途に供される基礎原料であり、その工業的製造方法としては各種の方法が知られている。このうち、天然ガスや都市ガス、あるいはLPガス等を原料とする水蒸気改質法は、比較的豊富でクリーンなガスを原料とするものであるため、燃料電池の水素ガス燃料を得る手段として注目される。
【0003】
水蒸気改質法においては、原料ガスがメルカプタンその他の形で硫黄(S)分を含む都市ガス等の場合には、脱硫器でその原料ガス中に含まれる硫黄分を除去した後、別途配置された水蒸気発生器からの水蒸気を添加、混合して改質器へ導入され、水素を主成分とするガスへ改質される。なお、原料ガスが硫黄分を含まないか、既に除去されている場合には脱硫器は必要としない。
【0004】
改質器においては、Ni系、Ru系等の適当な触媒が使用され、接触反応により改質される。改質器には各種のタイプがあるが、図1はこの種の改質器を模式的に示したもので、概略、燃焼部と改質部に分けることができる。燃焼部では燃料ガスを空気により燃焼させ、その熱(ΔH)が改質部に供給される。改質部では600〜800℃程度という温度で水素を主成分とするガスに改質される。燃焼部からの燃焼排ガスは、改質器自体の構造、規模、操作条件等の如何にもよるが、例えば200〜300℃程度という温度で排出され、改質ガスは400〜500℃程度という温度で排出される。
【0005】
原料ガスがCH4 を主成分とするものである場合の改質反応(CH4+2H2O=CO2+4H2)では、生成改質ガス中に未反応水蒸気やCO2 のほかに幾分のCOガスが副生、随伴して含まれている。このため改質器で生成される改質ガスは、この副生COガスをCO2 へ変えて除去するためにCO変成器にかけられる。変成器中での反応(CO+H2O=CO2+H2)で必要なH2Oとしては改質器において未反応の残留水蒸気が利用される。
【0006】
CO変成器から出るガス中には、改質器から出る改質ガス中のCO量より少ないが、なおCOが含まれている。このため、そのガスを例えば燃料電池にそのまま使用したのでは電池性能を阻害してしまう。例えば固体高分子型燃料電池(PEFC)での水素ガス中のCOは100ppmが限度であり、これらを越えると電池性能が著しく劣化する。このため、それらの成分は燃料電池へ導入する前に除去する必要がある。その精製法としては各種あり得るが、その例としてはPSA法、高分子膜法、或いはPd膜法などが考えられる。
【0007】
このうち、PSA法の場合には、装置としての設置スペースが大きく、また作動圧力も数kG〜50kG/cm2と云うような圧力を必要とすることなどからコスト高となってしまう。また高分子膜法では、この方法による1回の精製では90%程度の水素濃度にしかならず、作動圧力として数kG〜150kG/cm2と云うような圧力を要するだけでなく、分離後の水素圧力が低下し、また使用膜に寿命がある。さらにPd膜法では、用いる分離膜自体高価であるばかりでなく、作動温度として300〜500℃と云うような高温を必要とするなどの諸問題点がある。しかもこれらの方法は、ただ水素の精製のみを行い得るもので、需要に応じて所定必要量を供給する貯蔵機能は有していない。
【0008】
本発明者等は、水素吸蔵合金(Hydrogen Storage Alloy、本明細書及び図面中適宜「HSA」と略称する)に着目し、これを利用して、以上のような精製及び貯蔵の問題を一挙に解決してなる水素製造装置を先に開発している(特開平11ー176462号)。本水素吸蔵合金を使用した水素製造装置においては、貯蔵された水素を放出させる時に水素合金を加熱することでその放出が促進されるが、その一態様例として、改質器の燃焼排ガスを使用して水素吸蔵合金を加熱し、水素放出を促進している。
【0009】
図2は上記一態様例を示す図である。2個のHSA充填容器を用い、天然ガスや都市ガス等の炭化水素ガスの改質器を常時連続運転しながら、水素(純水素又それに近い水素)を断続的に放出して使用する。図2中、A及びBはそれぞれHSA充填容器を示し、切換弁1及び2を設けてある。なお改質器に続きCO変成器を用いる場合もあるが、この場合の記載は省略している。
【0010】
図2のとおり、天然ガスや都市ガス等(硫黄成分を含む都市ガスの場合には、必要に応じて適宜脱硫して使用される)の原料ガスはHSA充填容器Aで間接熱交換し、改質ガスの精製・吸蔵中に発生する熱を吸収した後(これを逆に云えばHSA充填容器A内を冷却した後)、改質用の水蒸気とともに改質器へ導入されて水素を主成分とするガスに改質される。切換弁1は改質ガスがHSA充填容器Aへ流れるようにセットされている。改質ガスはHSA充填容器Aへ通され、ここで水素が分離精製され且つ吸蔵される。
【0011】
一方、HSA充填容器Bからは、既に上記のようにして分離精製且つ吸蔵された水素が放出される。このため切換弁2はHSA充填容器Aからの流動が閉止されるようセットされている。水素の放出には加熱が必要であるが、本例では改質器燃焼部からの排ガスの熱を利用する。該排ガスの温度は通常200〜300℃程度であり、HSA充填容器B中のHSAに熱(ΔH)を付与して吸蔵純水素を放出させ、自らは冷却されて排出される。放出の初期段階で出るオフガスは改質器燃焼部への燃料ガス又は燃焼用空気に混入される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような装置では、改質器が作動するタイミング(時期)と水素を使用するタイミング(時期)とが一致する場合には、水素の放出に改質器燃焼部からの排ガスを利用できる。しかし、改質器が作動するタイミングと水素を使用するタイミングとが必ずしも一致しない場合があり、例えば水素使用時に改質器が作動していないとその放出に燃焼部からの排ガスが利用できず、別途他の加熱源により補うほかはなかった。また、燃焼部からの排ガスを貯蔵することはできないため、水素の使用量が少ない時には、改質器からの排ガスの一部を無駄に捨てざるを得ず、エネルギーロスとなってしまっていた。
【0013】
そこで、本発明においては、上記のような水素製造装置をさらに改善し、改質器の運転中に排出される燃焼部からの排ガスをさらに有効に利用するようにすることにより、改質器が作動するタイミングと水素を使用するタイミングとが一致しない場合においても、常時、排ガスの保有熱を利用して水素を需要に応じて所要用途に供給できるようにしてなる水素製造装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、炭化水素ガスの改質器を運転させ、生成された水素ガスを主成分とする改質ガスを少なくとも2基以上のHSA充填容器に交互に通して水素を分離精製し且つ吸蔵させるとともに、改質器燃焼部からの排ガスを利用して温水発生手段により温水を発生させ、該温水を既に水素を吸蔵したHSA充填容器からの水素放出用に利用するようにしてなることを特徴とする水素製造装置を提供する。
【0015】
また、本発明は、炭化水素ガスの改質器を運転させ、生成された水素ガスを主成分とする改質ガスを少なくとも2基以上のHSA充填容器に交互に通して水素を分離精製し且つ吸蔵させるとともに、改質器改質部からの改質ガスを利用して温水発生手段により温水を発生させ、該温水を既に水素を吸蔵したHSA充填容器からの水素放出用に利用するようにしてなることを特徴とする水素製造装置を提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の水素製造装置は、炭化水素ガスの改質器を運転させ、生成された水素ガスを主成分とする改質ガスを少なくとも2基以上のHSA充填容器に交互に通して水素を分離精製し且つ吸蔵させるとともに、改質器燃焼部からの排ガスを利用して温水発生手段により温水を発生させる。そして、該温水を既に水素を吸蔵したHSA充填容器からの水素放出用に利用する。
【0017】
温水発生手段としては、改質器燃焼部からの排ガスの熱を利用し、水を加熱して温水を発生させ得る手段であれば使用できるが、その好ましい例としては排熱ボイラ(該排ガスの熱により温水を発生させるボイラ)を挙げることができる。本明細書中「排熱ボイラ」とは、貯湯槽を有する排熱ボイラ(水管の非常に長い排熱ボイラを含む)を意味する。排熱ボイラでは、改質器燃焼部からの排ガスにより水を加熱することにより温水を発生させる。排ガスによる水の加熱は、水を収容した貯湯槽中に配置した管状等の熱交換器に排ガスを通す間接熱交換によってもよく、排ガスを該水中に直接吹き込む直接熱交換によってもよい。
【0018】
排熱ボイラには、さらに追焚き手段を設けておくことができる。追焚き手段としては好ましくはバーナが用いられる。これによりHSA充填容器から水素を放出する上で不足する熱量、例えば改質器燃焼部からの排ガスだけでは熱量が不足の場合などにおいて、その不足熱量を補うことができる。この場合、追焚き手段用の燃料としては、改質器からの改質ガス、改質器燃焼部へ供給する燃料ガス、あるいは改質器改質部へ供給する原料ガスを使用することができる。これらガスは改質器へ導入されるか、または改質器から排出されるガスであり、それぞれの配管から分岐させて使用できるので非常に簡便に利用できる。
【0019】
温水発生手段で発生させた温水を既に水素を吸蔵したHSA充填容器からの水素の放出用に利用するが、その態様としては、排熱ボイラからの温水を導管によりHSA充填容器内に配置した熱交換器に循環させることにより行うことができる。
【0020】
以上は改質器燃焼部からの排ガスを利用する場合であるが、改質器での改質反応は600〜800℃程度という温度であり、そこから排出される改質ガスは400〜500℃程度という温度である。
そこで、本発明においては、その改質ガスを利用して温水発生手段により温水を発生させ、該温水を水素を吸蔵したHSA充填容器からの水素放出用に利用する。
【0021】
改質ガスの利用態様としては、改質ガスを改質器からHSA充填容器へ連なる導管から改質ガスを分岐させ、貯湯槽中に配置した管状等の熱交換器に通す間接熱交換により行うことができる。改質ガスは熱交換後、改質器からHSA充填容器へ連なる導管に戻し、吸蔵、精製中のHSA充填容器へ供給される。この場合、熱交換後の改質ガスは貯湯槽中の水を加熱して自らは冷却されているので、HSA充填容器で吸蔵、精製に必要な冷熱量を少なくすることができる。
【0022】
水素吸蔵合金には各種のものがあるが、本発明における水素吸蔵合金としては水素含有ガスから水素を選択的に吸蔵し、水素以外のガスは実質上吸蔵しない水素吸蔵合金であれば何れも使用される。その例としては、例えばTiFe0.9Mn0.1、Mg2Ni、CaNiS、LaNi5、LaAl4.7Ni0.3、MmNi4.5Al0.5(Mm=ミッシュメタル)、MmNi4.15Fe0.85(Mm=ミッシュメタル)等を挙げることができる。これによって水素含有ガスから水素を分離精製且つ吸蔵し、また貯蔵する。貯蔵された水素は温水により加熱することで放出される。
【0023】
本発明における水素の分離精製且つ吸蔵は、改質ガスをHSAを充填した容器(HSA充填容器)に通すことにより行われる。これにはバッチ式と通気式の2種の態様があるが、本発明はこれらいずれの態様も適用される。バッチ式の場合は、HSA充填容器の出口を閉、すなわち行き止まりにして、原料ガスを連続的に吸蔵させる。この時、HSAに水素が選択的に吸蔵され、分離精製されるが、水素以外のガスは容器の空間に滞留する。このためHSA充填容器には水素以外のガスを収容するための所定の空間が必要である。通気式の場合は、HSA充填容器に改質ガスを単純に流通させ、容器から出てきたガスをオフガスとして前述のように利用する。
【0024】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳しく説明するが、本発明がこれら実施例に限定されないことは勿論である。
【0025】
《実施例1》
図3〜5は、2個のHSA充填容器を用い、天然ガスや都市ガス等の炭化水素ガスの改質器を運転しながら、水素(純水素又それに近い水素)を断続的に使用する例を示している。本実施例でのHSA充填容器はバッチ式で操作される場合について示しているが、通気式の場合についても同様である。図3〜5中、A及びBはそれぞれHSA充填容器を示し、切換弁1は改質ガス導入側切換弁、切換弁2は純水素導出側切換弁、切換弁3は温水切換弁、切換弁4は都市ガス等の原料ガス切換弁である。これら符号の意味は図6〜7でも同じである。また、改質器に続きCO変成器を用いる場合もあるが、この場合の記載は省略している。
【0026】
以下、HSA充填容器Aが吸蔵・精製、HSA充填容器Bが放出のケースについて説明する。なお、このケースにおいて、操作中不使用の配管の記載は図示を省略している。
図4において、切換弁4は天然ガスや都市ガス等(硫黄成分を含む都市ガスの場合には、必要に応じて適宜脱硫して使用される)の原料ガスがHSA充填容器Aに流れるようにセットされている。原料ガスはHSA充填容器Aで間接熱交換し、改質ガスの精製・吸蔵中に発生する熱を吸収した後(これを逆に云えばHSA充填容器A内を冷却した後)、改質用の水蒸気とともに改質器へ導入されて水素を主成分とするガスに改質される。切換弁1は改質ガスがHSA充填容器Aへ流れるようにセットされている。改質ガスはHSA充填容器Aへ通され、ここで水素が分離精製され且つ吸蔵される。一方、HSA充填容器Bからは、既に上記のようにして分離精製且つ吸蔵された水素が放出される。このため切換弁2はHSA充填容器Bからの水素が流れ、HSA充填容器Aからの流動が閉止されるようセットされている。
【0027】
水素の放出には加熱が必要であるが、本例では改質器燃焼部からの排ガスを利用して温水発生手段により温水を発生させ、その温水をHSA充填容器B内の熱交換器に循環させ、水素の放出に利用する。このため、図示のとおり、排熱ボイラが配置されている。改質器燃焼部からの燃焼排ガスは排熱ボイラの貯湯槽中の熱交換器に通され、ここで該槽中の水を加熱して温水とした後、排出される。なお、図3〜5では間接熱交換により加熱する場合を示しているが、排ガスを直接吹き込むことで加熱するようにしてもよい。
【0028】
切換弁3は温水がHSA充填容器Bに流れるようにセットされている。温水は、ポンプPによりHSA充填容器Bに配置された熱交換器に供給され、HSA充填容器Bを加熱して水素を放出し、排熱ボイラへ循環される。水素は需要に応じて放出するので、ポンプPはその時点で駆動される。排熱ボイラの貯湯槽中の水は、改質器の作動中、その燃焼部からの排ガスにより加熱されて温水となっているので、水素の需要に応じて、該槽中の温水を水素吸蔵済みのHSA充填容器Bに循環して水素を放出させることができる。
【0029】
次に、HSA充填容器Bが吸蔵・精製、HSA充填容器Aが放出のケースについて説明する。なお、このケースにおいて、操作中不使用の配管の記載は図示を省略している。
図5において、切換弁4は原料ガスがHSA充填容器Bに流れるようにセットされている。原料ガスはHSA充填容器Bで間接熱交換し、改質ガスの精製・吸蔵中に発生する熱を吸収した後(これを逆に云えばHSA充填容器B内を冷却した後)、改質用の水蒸気とともに改質器へ導入されて水素を主成分とするガスに改質される。切換弁1は改質ガスがHSA充填容器Bへ流れるようにセットされている。改質ガスはHSA充填容器Bへ通され、ここで水素が分離精製され且つ吸蔵される。一方、HSA充填容器Aからは、既に上記のようにして分離精製且つ吸蔵された水素が放出される。このため切換弁2はHSA充填容器Aからの水素が流れ、HSA充填容器Bからの流動が閉止されるようセットされている。
【0030】
水素の放出には加熱が必要であるが、本例では改質器燃焼部からの排ガスを利用して温水発生手段により温水を発生させ、その温水をHSA充填容器A内の熱交換器に循環させ、水素の放出に利用する。このため、図示のとおり、排熱ボイラが配置されている。改質器燃焼部からの燃焼排ガスは排熱ボイラの貯湯槽中の熱交換器に通され、ここで該槽中の水を加熱して温水とした後、排出される。
【0031】
切換弁3は温水がHSA充填容器Aに流れるようにセットされている。温水は、ポンプPによりHSA充填容器Aに配置された熱交換器に供給され、HSA充填容器Aを加熱して水素を放出し、排熱ボイラへ循環される。水素は需要に応じて放出するので、ポンプPはその時点で駆動される。排熱ボイラ中の水は、改質器の作動中、その燃焼部からの排ガスにより加熱されて温水となっているので、水素の需要に応じて、排熱ボイラの貯湯槽中の温水を水素吸蔵済みのHSA充填容器Aに循環して水素を放出させることができる。
【0032】
《実施例2》
実施例1は温水の発生に改質器燃焼部からの排ガスを利用する場合であるが、温水の熱量だけでは水素の放出に必要な熱量が温水の熱量では不足する場合がある。本例はこのような場合に対処できるようにした例である。図6は本例を示す図で、実施例1の排熱ボイラに追焚き手段としてバーナを設ける。本例では、バーナでの燃料ガスとして改質器改質部からの改質ガスを分岐させて使用しているが、燃焼部へ供給する燃料ガスを分岐させて使用してもよく、改質ガスの精製、貯蔵中のHSA充填容器から排出されるオフガスを使用してもよい。
【0033】
本例の追焚き用バーナは、改質器の作動時でも、排ガスで加熱された温水の熱量では水素放出に必要な熱量が不足する場合や、改質器の停止時に、予め水素を吸蔵したHSA充填容器から水素を放出する際に、排熱ボイラの温水の保有熱だけでは不足する場合などに適用できる。HSA充填容器Aが吸蔵・精製、HSA充填容器Bが放出のケース、またHSA充填容器Bが吸蔵・精製、HSA充填容器Aが放出のケースにおける操作は実施例1と同様である。
【0034】
《実施例3》
本例は、改質器から排出される改質ガスを利用して温水発生手段である排熱ボイラで温水を発生させ、該温水を水素を吸蔵したHSA充填容器からの水素放出用に利用する例である。改質ガスは400〜500℃程度という温度であるので、これを排熱ボイラに供給して温水を発生させる。本例では、改質器からHSA充填容器へ連なる導管から改質ガスを分岐させ、貯湯槽中に配置した管状等の熱交換器からなる排熱ボイラに通す間接熱交換により温水を発生させる。
【0035】
改質ガスは熱交換後、改質器からHSA充填容器へ連なる導管に戻し、吸蔵、精製中のHSA充填容器へ供給される。熱交換後の改質ガスは貯湯槽中の水を加熱して自らは冷却されているので、HSA充填容器で吸蔵、精製に必要な冷熱量を少なくすることができる。HSA充填容器Aが吸蔵・精製、HSA充填容器Bが放出のケース、またHSA充填容器Bが吸蔵・精製、HSA充填容器Aが放出のケースにおける操作は実施例1と同様である。
本例は、燃焼部からの排ガスで加熱された温水の熱量では水素放出に必要な熱量が不足する場合などにおける補助として適用するようにしてもよい。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、改質器の運転中に排出される燃焼部からの排ガスを有効に利用することにより、改質器が作動するタイミングと水素を使用するタイミングとが一致しない場合においても、常時、排ガスの保有熱を利用して水素を需要に応じて所要用途に供給できるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】水蒸気改質システムの一例を模式的に示す図。
【図2】先に開発した発明における一態様例を示す図。
【図3】本発明の実施例1を示す図。
【図4】本発明の実施例1を示す図。
【図5】本発明の実施例1を示す図。
【図6】本発明の実施例2を示す図。
【図7】本発明の実施例3を示す図。
Claims (4)
- 燃料ガスの燃焼部及び炭化水素ガスを水蒸気改質する改質部を含む炭化水素ガスの水蒸気改質器と、追焚き手段を有する温水発生手段と、少なくとも2基のHSA充填容器と、を備える水素製造装置であって、
前記水蒸気改質部で生成した水素を主成分とする改質ガスを前記少なくとも2基のHSA充填容器に交互に通して、各HSA充填容器で水素を分離精製し且つ吸蔵させるとともに、
前記温水発生手段において前記燃料ガスの燃焼部からの燃焼排ガスを水の加熱源に利用して温水を発生させ、該温水を、水素を吸蔵したHSA充填容器からの水素放出用に利用し、且つ、
前記温水発生手段の追焚き手段用の燃料として、前記水蒸気改質部からの改質ガスを使用するようにしてなること、を特徴とする水素製造装置。 - 燃料ガスの燃焼部及び炭化水素ガスを水蒸気改質する改質部を含む炭化水素ガスの水蒸気改質器と、追焚き手段を有する温水発生手段と、少なくとも2基のHSA充填容器と、を備える水素製造装置であって、
前記水蒸気改質部で生成した水素を主成分とする改質ガスを前記少なくとも2基のHSA充填容器に交互に通して、各HSA充填容器で水素を分離精製し且つ吸蔵させるとともに、
前記温水発生手段において前記燃料ガスの燃焼部からの燃焼排ガスを水の加熱源に利用して温水を発生させ、該温水を、水素を吸蔵したHSA充填容器からの水素放出用に利用し、且つ、
前記温水発生手段の追焚き手段用の燃料として、改質ガスを吸蔵、精製中のHSA充填容器から排出されるオフガスを使用するようにしてなること、を特徴とする水素製造装置。 - 燃料ガスの燃焼部及び炭化水素ガスを水蒸気改質する改質部を含む炭化水素ガスの水蒸気改質器と、追焚き手段を有する温水発生手段と、少なくとも2基のHSA充填容器と、を備える水素製造装置であって、
前記水蒸気改質部で生成した水素を主成分とする改質ガスを前記少なくとも2基のHSA充填容器に交互に通して、各HSA充填容器で水素を分離精製し且つ吸蔵させるとともに、
前記温水発生手段において前記燃料ガスの燃焼部からの燃焼排ガスを水の加熱源に利用して温水を発生させ、該温水を、水素を吸蔵したHSA充填容器からの水素放出用に利用し、且つ、
前記温水発生手段の追焚き手段用の燃料として、炭化水素ガスを使用するようにしてなること、を特徴とする水素製造装置。 - 燃料電池の燃料である水素を製造する請求項1〜3のいずれか1項に記載の水素製造装置を備えてなることを特徴とする燃料電池システム。
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JPH08287932A (ja) * | 1995-04-14 | 1996-11-01 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 熱併給発電方法 |
JP2000095505A (ja) * | 1998-09-18 | 2000-04-04 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 水素の製造方法及び製造装置 |
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