JP2007149489A - 燃料電池発電装置の運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水素精製装置での残余ガスの一部を系外へ無駄に放出することなく、改質器温度を適正な温度に維持し、かつ要請に応じた量の高純度水素を供給することが可能な、水素製造供給手段を備えた燃料電池発電装置の運転方法を提供する。
【解決手段】水蒸気改質ガスを用いる燃料電池1と、改質ガスを圧縮機4を介して水素精製装置5に供給し高純度水素を生成する水素製造供給手段とを備えた燃料電池発電装置であって、水素精製装置での水素収率が燃料電池での水素利用率に比べて低い燃料電池発電装置の運転方法において、燃料電池の燃料オフガスと、水素精製装置の残余ガスとを改質器バーナー2aに供給して燃焼させ、その際、改質器の温度が上昇して予め定めた所定温度に到達した場合、改質器に供給する原燃料ガスのS/Cを増加することにより改質器の温度を低下させる。
【選択図】図1

Description

この発明は、都市ガス,LPGおよびメタノール等の炭化水素系化合物を原燃料として改質器に供給して水蒸気改質し、得られた水素に富む改質ガスを燃料として発電する燃料電池と、前記改質ガスを、燃料電池への改質ガス供給配管から分岐し、水素精製装置に供給して高純度水素を生成し、燃料電池外へ供給可能とした水素製造供給手段とを備えた燃料電池発電装置の運転方法に関する。
上記のように、改質ガスを燃料として発電する燃料電池と、前記改質ガスを精製する水素製造供給手段とを備えた燃料電池発電装置の構成は、本願発明者と一部同一発明者により出願された特許文献1に開示されている。図5は、特許文献1において図1として開示された燃料電池発電装置の反応ガス系統の構成を示す基本系統図である。
特許文献1の記載を引用すれば、図5は、「原燃料を改質器2によって改質し、得られた改質ガスを燃料電池1の燃料極1bに供給する燃料ガスとするものにおいて、得られた改質ガスを燃料電池1の燃料極1bに供給する配管に、圧縮機4と水素精製装置5を備えた水素精製系へと改質ガスを分岐する分岐配管を連結した燃料電池発電装置」を開示する。なお、図5において、1aは空気極、1cは冷却板、2aは改質器バーナー、2bは改質触媒層、3は生成水回収装置、6および7は弁である。
上記特許文献1の構成を備えた燃料電池発電装置によれば、「例えば、昼間は、改質ガスの供給先を燃料電池の燃料極に選択して燃料電池の発電運転を行い、電力需要量が少なく、買電価格の安い夜間には、燃料電池の発電運転を停止して改質ガスの供給先を水素精製系へと切り替えて高純度水素を製造し、直接、あるいはタンクに貯蔵したのち、使用先へと供給する方法を採ることができ、燃料電池の発電運転の有無にかかわらず改質器が有効に運転されることとなり、効率的に運用される燃料電池発電装置が得られる。」
ところで、特許文献1には、改質器の温度を運転可能な適正範囲に制御し、かつ要請に応じた量の高純度水素を発電装置外へ供給可能とするための具体的な方法については記載がなく、その他の先行技術文献においても特段の開示はない。要請に応じた高純度水素量を供給するためには、改質器の温度制御に関わる下記のような問題点があり、この点について以下に詳述する。
燃料電池の水素利用率(燃料電池に供給される水素量に対する、燃料電池の反応で消費される水素量の割合)は、発電装置の効率を向上させるために可能な限り高い値で運転するのが一般的であり、一例として、りん酸形燃料電池の水素利用率は80%程度で運転するように設計されている。一方、水素の精製装置として一般に使用されるPSA(Pressure Swing Adsorption:圧力スイング吸着)装置における水素収率(PSAに供給される水素量に対する、分離精製される高純度水素量の割合)は、装置容量,運転条件等によって違いはあるが、70%程度である。
ところで、装置全系での発電効率および水素製造効率を向上させるためには、燃料電池で未反応の水素およびメタン、一酸化炭素等の可燃性成分を含む燃料オフガス、およびPSAで水素を分離精製した後の水素,メタン,一酸化炭素等を含む残余ガスを、改質器のバーナーに供給して改質反応の熱源として利用することが望ましい。
一般に改質器は、燃料電池用として最適設計を追及した結果、80%程度の水素利用率とし、燃料電池で水素を消費した後の燃料オフガスを改質器のバーナーで燃焼させることにより、熱量がバランスするように設計されている。仮に、PSAの水素収率が燃料電池の水素利用率と同じ80%程度であれば、PSAで水素を生成分離した後の残余ガスを、燃料電池での燃料オフガスとともに改質器バーナで燃焼させた場合においても、熱量バランスを調整する特段の制御は不要である。
また、PSAの水素収率が80%を上回る場合には、PSAでの残余ガスの発熱量は燃料電池での燃料オフガスに比べて単位流量あたりの発熱量が小さくなり、改質器バーナに投入されるガスの持つ全発熱量は改質に必要な発熱量を下回る。従って、この場合には、燃料電池における水素利用率を下げ、燃料オフガスが持つ発熱量を増加させることで不足分を補うことができるので、制御は容易となりエネルギの無駄な消費もない。
ところが、現在入手可能なPSAの水素収率は70%程度であるため、PSAでの残余ガスが持つ発熱量は、水素利用率80%の燃料電池での燃料オフガスが持つ発熱量に比べて単位流量あたりの値が大きく、PSAでの残余ガスと燃料電池での燃料オフガスの全量を改質器のバーナで燃焼させた場合、必要な熱量に比べて過剰な熱量状態となるため、改質器の構造部材,触媒の温度が過度に上昇する問題が発生する。
このような問題を回避し、PSAでの残余ガスの一部を系外へ無駄に放出することなく改質器温度を適正な温度に維持するためには、改質反応に必要とする熱量に対して余剰となる分の熱量を装置内で適正に処理しなければならない。
従来の水素製造供給手段を備えた燃料電池発電装置の改質器温度制御においては、その構造部材および充填触媒を保護するために、温度が過度に上昇する場合には燃焼空気流量を増加させて、その温度上昇を防止していた。しかしながら、改質器燃焼排ガス系の圧力損失を考慮すると、無制限に燃焼空気流量を増加させることはできず、自ずと上限の燃焼空気流量が存在する。
特開2000−348750号公報
この発明は、上記のような点に鑑みてなされたもので、この発明の課題は、水素精製装置(PSA)での残余ガスの一部を系外へ無駄に放出することなく、改質器温度を適正な温度に維持し、かつ要請に応じた量の高純度水素を供給することが可能な、水素製造供給手段を備えた燃料電池発電装置の運転方法を提供することにある。
前述の課題を解決するため、この発明は、炭化水素系化合物からなる原燃料と水蒸気とを含む原燃料ガスを、反応熱供給用のバーナーを有する改質器によって改質し、得られた水素に富む改質ガスを燃料電池の燃料ガスとして用いる燃料電池と、前記改質ガスを燃料電池への改質ガス供給配管から分岐し、水素精製装置に供給して高純度水素を生成し、燃料電池外へ供給可能とした水素製造供給手段とを備えた燃料電池発電装置であって、前記水素精製装置における水素収率が、前記燃料電池における水素利用率に比べて低い燃料電池発電装置の運転方法において、前記燃料電池における発電反応後の燃料オフガスと、前記水素精製装置における水素精製後の残余ガスとを前記改質器のバーナーに供給して燃焼させ、その際、改質器の温度が上昇して予め定めた所定温度に到達した場合、改質器に供給する原燃料ガスのS/C(原燃料ガス中の炭素原子1モルに対するスチームのモル数比)を増加することにより改質器の温度を低下させることを特徴とする(請求項1)。
また、前記課題は、下記の発明によっても達成できる。即ち、炭化水素系化合物からなる原燃料と水蒸気とを含む原燃料ガスを、反応熱供給用のバーナーを有する改質器によって改質し、得られた水素に富む改質ガスを燃料電池の燃料ガスとして用いる燃料電池と、前記改質ガスを燃料電池への改質ガス供給配管から分岐し、水素精製装置に供給して高純度水素を生成し、燃料電池外へ供給可能とした水素製造供給手段とを備えた燃料電池発電装置であって、前記水素精製装置における水素収率が、前記燃料電池における水素利用率に比べて低い燃料電池発電装置の運転方法において、前記燃料電池における発電反応後の燃料オフガスと、前記水素精製装置における水素精製後の残余ガスとを、前記改質器のバーナーに供給して燃焼させ、改質器の温度が上昇した場合には、改質器温度によって制御される燃焼空気流量を調節して改質器の温度を低下させ、この燃焼空気流量が所定の上限値に到達した際には、S/Cを増加することにより改質器の温度を低下させることを特徴とする(請求項2)。
上記請求項1または請求項2の発明によれば、S/Cを増加させることにより、炭化水素系合物である原燃料を水素に変換する割合が向上し、炭化水素系化合物の水蒸気改質反応に係る例えば下式(化1)による吸熱量が増加するとともに、改質ガス中の水素の割合に対してメタン,一酸化炭素の割合が低下する。
Figure 2007149489
その結果、燃料電池で水素を消費した後の燃料オフガス、および水素精製装置で高純度水素を分離精製した後の残余ガスのメタン,一酸化炭素濃度が低下し、改質器のバーナで燃焼させるガスの単位流量あたりの発熱量が低下するので、改質器温度が過度に上昇することを抑制できる。また、S/Cを増加させることで、反応に寄与しない水蒸気量が増えるが、この余剰な水蒸気の加熱に要する熱量に相当する分も前記過剰な燃焼熱量の消費に寄与する。
即ち、S/Cの増加は原燃料の水素への変換割合の向上と吸熱量の増加、および改質器から持ち去る熱量の増加の二重の効果をもって、改質器の過度な温度上昇を抑制することができる。
前記請求項1または2の発明の実施態様としては、下記請求項3ないし5の発明が好ましい。即ち、前記請求項1または2に記載の燃料電池発電装置の運転方法において、前記水素精製装置は、圧力スイング吸着(PSA)装置とする(請求項3)。また、請求項1または2に記載の燃料電池発電装置の運転方法において、前記S/Cを増加する際のS/Cの値は、3.25以上とする(請求項4)。さらに、請求項1または2に記載の燃料電池発電装置の運転方法において、前記改質用の水蒸気は、前記燃料電池の発電反応によって生成された水を回収し、この回収水を燃料電池の反応熱によって蒸発させたものとするとする(請求項5)。詳細は後述する。
なお、改質ガスを燃料電池の改質ガス供給配管から分岐して水素精製装置に供給するに際して、改質器と水素精製装置の運転圧力によっては、その間に圧縮機を設置する必要がある。
この発明によれば、水素精製装置(PSA)での残余ガスの一部を系外へ無駄に放出することなく、改質器温度を適正な温度に維持し、かつ要請に応じた量の高純度水素を供給することが可能な、水素製造供給手段を備えた燃料電池発電装置の運転方法を提供することができる。
図1〜図4および実施例に基づき、本発明の実施の形態について以下に述べる。
図1は、本発明の実施の形態に係る燃料電池発電装置の基本系統図であり、図1において図5に示した部材と同一機能部材には同一番号を付して示す。なお、図1においては図5における生成水回収装置3や弁6,7等の図示を省略している。一方、図1においては、図5に対して追加された部材もあり、これらについては、以下の図1の構成や動作に関する説明の中で述べる。
図1において、1は模式的に表示した燃料電池であり、空気極1aと燃料極1bを備えた多数の単セルを積層し、燃料電池1を所定の温度に保持するための冷却板1cを適宜挿入して構成され、冷却板1cには、電池冷却水を水蒸気分離器8の下方から冷却水循環ポンプ9を介して通流される。燃料電池1の発電に利用する燃料ガスには、都市ガス,LPGおよびメタノール等の炭化水素系化合物の原燃料と水蒸気とを混合して改質器2に導入し、改質触媒層2bにおける改質反応で得られた水素に富む改質ガスが用いられる。
図1において、改質用の水蒸気としては、燃料電池1の冷却によって得た熱により水蒸気分離器8で発生させた水蒸気を使用している。りん酸形燃料電池ではその反応温度が180〜200℃であり、冷却によって得た熱で直接に水蒸気を発生させて使用することができる。固体高分子形燃料電池では、その反応温度が約80℃程度であるため、冷却によって得られた温水をさらに加熱して水蒸気を得る。また、溶融炭酸塩形(反応温度:約600℃)や固体酸化物形(反応温度:約1000℃)の高温形燃料電池では、電池の冷却を水ではなく、空気等のガス流体を用いて冷却するが、冷却に供したガスと水を熱交換することで水蒸気を発生させ、改質反応に使用することが一般に行われており、電池の冷却によって得られた熱で水蒸気を発生させることは同じである。なお、水蒸気分離器8には、通常、図5に示した生成水回収装置3から回収水が供給され、この回収水を蒸発させることにより改質用の水蒸気を得る。
さらに、本発明の運転方法が実施される燃料電池発電装置は、改質器2で得られた改質ガスを燃料電池1の燃料極1bへ供給する配管に分岐配管を有し、圧縮機4と水素精製装置5とを備えた水素精製系へ改質ガスを導入する。水素精製装置5は、複数の容器に活性炭,ゼオライト等の吸着剤を充填し、圧力を変動させることによって特定のガス種を吸着分離する圧力スイング吸着(PSA)装置や、選択的透過性を有する膜分離装置等を使用する。水素精製装置5で分離された高純度の水素ガスは半導体製造,金属精錬,油脂製造,製油・化学工業等における原料,雰囲気ガス等のほか、加圧して自動車の駆動用電力もしくは動力を得るための燃料としても使用できる。
次に、原燃料、水蒸気および各ガスの流れや流量制御等について述べる。図1において、流量計F1で計測される原燃料流量は燃料電池1の負荷と水素精製系に供給される改質ガス流量に従って、流量制御弁FV−1により制御する。流量計F2で計測される改質用蒸気は、F1で計測される原燃料流量に対して一定の定数をかけることで流量設定値を決め、流量制御弁FV−2で制御する。S/Cは改質触媒層2bに投入される原燃料および水蒸気に対し、原燃料である炭化水素系化合物中の炭素原子1モルに対する水蒸気のモル数比であり、水蒸気量の制御においては、原燃料流量の計測値F1に原燃料組成で決まる炭素原子数およびS/Cの設定値(例えば3.0)をかけて水蒸気流量の設定値を決定する。
改質器バーナ2aによって加熱された改質触媒層2bにおける水蒸気改質反応により、炭化水素系化合物は水素,二酸化炭素,一酸化炭素を主成分とする改質ガスに変換される。このうち一酸化炭素は燃料電池の電極の触媒に用いられる白金を被毒し、性能を低下させるので、改質ガスは図示しない一酸化炭素変成器によって、一酸化炭素と水蒸気とから水素と二酸化炭素へと変成させた後、水素濃度が約60%(水蒸気を除くと70%以上)、二酸化炭素が約20%(残余は水蒸気,メタン,および若干量の一酸化炭素)のガスとして燃料電池1の燃料極1bへ送られる。
上記のごとく水素に富む燃料ガスを燃料極1bへ送り、燃料電池1において反応させると、反応に伴って所定の利用率に見あった水素が消費される。燃料極1bより排出される燃料オフガスは、なお一定量の水素を含有しており、これを改質器2の改質器バーナ2aへ導入して、別途供給される燃焼空気と混合,燃焼させ、改質触媒層2bの加熱に利用される。燃料電池1の空気極1aには、空気が図示しないブロワあるいはコンプレッサー等によって供給されて反応に供される。
一方、水素精製装置5に供給された改質ガスから水素を分離した後の残余ガスは、水素,メタン,一酸化炭素の可燃性成分と二酸化炭素,水蒸気の混合物であるが、燃料電池1の燃料極1bの燃料オフガスと同様に改質器バーナ2aに導入して燃焼させ、改質反応の熱源として利用する。
改質器2における改質反応は吸熱反応であり、反応に必要な熱量を連続的かつ安定的に供給しなければならない。改質器2では改質触媒層2bの温度を温度計Tで計測し、温度制御を行う。改質触媒層2bの設定温度(一例として、都市ガスの場合では700〜800℃)に対して、温度が低い場合は原燃料の投入量を増加させ、燃料極1bで未反応の可燃性ガス成分を増加させて改質器バーナ2aに戻るガスの流量および発熱量を増加させることにより賄う。
なお、温度計測位置は前記改質触媒層、特に触媒層の改質ガス出口が好ましいが、設計上、予め各部温度の相関がわかるので、例えば改質触媒層が充填される容器壁の温度など、改質器の温度を代表する位置とすることができる。
一方、設定に対して温度が高い場合は、燃焼空気流量を増加させることで対応するが、改質器バーナ2aや配管等の圧力損失、図1には記載していない空気ブロワの能力から、燃焼空気流量には上限値が存在する。燃焼空気流量が上限に達しても改質器の触媒層温度が設定値まで低減しない場合はS/Cを増加させ、改質器バーナ2aに戻るガスの発熱量を減少させるとともに、改質反応の吸熱量の増加と反応に寄与しない水蒸気の顕熱上昇により持ち去る熱量の増加により、改質器の触媒層温度を低減させ、燃焼空気流量を制御可能な範囲に収める。あるいは、改質器の温度が上昇して予め定めた所定温度に到達した場合、改質器に供給する原燃料ガスのS/Cを増加することにより改質器の温度を低下させる。
次に、S/Cを増加する制御に関し、りん酸形燃料電池に本発明を適用した場合の実施例に基づいてさらに詳述する。
従来、燃料電池発電装置で一般的に採用されることの多かったS/Cの設定値は3.0である。これを3.25,3.5とした場合の燃料電池入口(PSA入口も同じ組成)における改質ガス組成(dry%)を表1に示す。
Figure 2007149489
改質器2における改質反応は、例えばメタン等の炭化水素系化合物と水蒸気との反応により、水素,二酸化炭素,一酸化炭素に改質するものであるが、反応系における水蒸気量を増加させることで反応がより進み、生成系におけるメタン濃度が低下し、水素濃度が増加する。従って、改質ガスが燃料電池1において水素を消費された後の燃料オフガス、およびPSAで水素を分離精製した後の残余ガスは、S/Cの増加に伴い単位量あたりの発熱量が低下する。図2はその結果を示し、S/Cを変化させた場合の、燃料電池で発電に供した後の出口燃料(即ち、燃料オフガス)、およびPSAで水素を精製分離した後の戻りガス(即ち、残余ガス)の単位量当たりの発熱量の変化を示す。なお、図2においては、燃料電池は水素利用率80%で水素を消費するものとし、PSAでは水素の収率を72%としてそれぞれの出口ガスの発熱量を算出している。
前記表1における組成の変化に較べ、図2のガスの発熱量の変化は大きいが、これはS/Cの変化により水素濃度が高くなるため、必要な水素量に対する投入改質ガス量が少なくなることにより、水素以外の可燃性成分のメタン,一酸化炭素の量が減ることによる。
次に、図3について述べる。図3は、S/Cの変化に対して、改質器バーナの燃焼で必要な燃焼空気流量を示す図である。図3に示す燃焼空気流量は、以下の場合の燃焼空気流量を示す。100kWの発電容量を有する燃料電池とPSAを組み合わせた、水素製造機能を備えた燃料電池発電装置を想定し、発電出力を75%(=75kW)、水素精製のためにPSAへ投入する改質ガス流量を30Nm3/hとした時に、燃料電池の反応で水素が消費された後の燃料オフガス、およびPSAで水素を分離精製した後の残余ガスの全量を、改質器バーナに戻して燃焼させ、改質反応の熱源とする場合を考え、この場合の燃焼空気流量を図3に示す。燃焼空気流量としては、改質器の加熱に供した後の燃焼排ガス温度が改質器の構造部材によって決まる最適な運用温度を維持できる量として算出した。
なお、図3において燃焼空気流量110Nm3/hで点線を付しているが、これは例えば100kW燃料電池を設計するうえでの燃焼空気流量の最大値である。この流量を上回る場合には、燃焼系の機器,配管における圧力損失の過度な増加,空気ブロワの能力不足等を惹き起こし、燃料電池の設計変更が必要となる。一方、S/Cを3.0から3.25,3.5へ増加させると、バーナへ戻るガスの発熱量が減少するために、燃焼に必要な空気量も少なくてすみ、図3に示すように燃焼空気流量は当初計画の範囲内となり、機器の設計変更を必要としない。
本発明によれば、改質器の運転パラメータの一つであるS/Cの設定値を変えるだけで、高い水素利用率で最適化した燃料電池と、相対的に水素の分離能力(水素収率)の低い水素精製装置を組み合わせて、水素製造供給機能を備えた燃料電池発電装置とした場合においても、燃料電池の構成機器を変えることなく、運用することが可能となる。
S/Cの上昇によって改質反応に必要な水蒸気量は増加するが、S/Cを3.0から3.25もしくは3.5まで増加させても、燃料電池の反応熱によって生成する水蒸気量によって賄うことが可能であり、装置外から別途の蒸気発生用熱源を供給する必要はなく、装置全系の発電効率および水素製造効率に影響しない。即ち、S/Cを増加する際のS/Cの値は3.5以上とすることにより、燃料電池の燃焼空気量の設計値を下回り、機器の設計変更の必要がない効果がある。
次に、図4について述べる。図4は、発電装置としての負荷と本発明に係わる各部の流量の関係を模式的に示す図である。改質ガスの一部を取り出し、改質ガス圧縮機と水素精製装置を直列に備えた水素精製系に投入する場合に、燃料電池の発電負荷は変化させず、燃料電池に投入する改質ガス流量も一定とする。ただし、改質ガスを取り出し水素精製系へ投入する場合の図燃料電池の発電負荷は定格の100%負荷より低い。その値は取り出す改質ガス流量によって変わるが、65%〜80%負荷程度である。なぜならば、発電負荷を100%(即ち、この場合改質ガス製造量も100%)とすると、燃料電池外へ改質ガスを取り出す余地がなくなるからである。
また、図4に示すように、水素精製装置へ投入する改質ガス流量に従って原燃料流量を増加させ、燃料電池へ投入する改質ガス流量を変化させないようにする。同図には改質用水蒸気流量は図示していないが、原燃料流量に合わせて水蒸気流量も増減させる。原燃料流量も設計上の上限値が存在するので、燃料電池および水素精製系へ投入する改質ガス流量の合計値が原燃料の上限値に見あった改質ガス流量の合計値を上回らないよう、水素精製系へ投入する改質ガス流量を制御する。
本発明の実施の形態に係る燃料電池発電装置の基本系統図。 S/Cを変化させた場合の、燃料電池出口燃料とPSA戻りガスの発熱量の変化を示す図。 S/Cの変化に対して、改質器バーナの燃焼で必要な燃焼空気流量を示す図。 発電装置としての負荷と本発明に係わる各部の流量の関係を模式的に示す図。 特許文献1に開示された燃料電池発電装置の基本系統図。
符号の説明
1:燃料電池、1a:空気極、1b:燃料極、1c:冷却板、2:改質器、2a:改質器バーナ、2b:改質触媒層、3:生成水回収装置、4:圧縮機、5:水素精製装置、8:水蒸気分離器、9:冷却水循環ポンプ

Claims (5)

  1. 炭化水素系化合物からなる原燃料と水蒸気とを含む原燃料ガスを、反応熱供給用のバーナーを有する改質器によって改質し、得られた水素に富む改質ガスを燃料電池の燃料ガスとして用いる燃料電池と、前記改質ガスを燃料電池への改質ガス供給配管から分岐し、水素精製装置に供給して高純度水素を生成し、燃料電池外へ供給可能とした水素製造供給手段とを備えた燃料電池発電装置であって、前記水素精製装置における水素収率が、前記燃料電池における水素利用率に比べて低い燃料電池発電装置の運転方法において、
    前記燃料電池における発電反応後の燃料オフガスと、前記水素精製装置における水素精製後の残余ガスとを前記改質器のバーナーに供給して燃焼させ、その際、改質器の温度が上昇して予め定めた所定温度に到達した場合、改質器に供給する原燃料ガスのS/C(原燃料ガス中の炭素原子1モルに対するスチームのモル数比)を増加することにより改質器の温度を低下させることを特徴とする燃料電池発電装置の運転方法。
  2. 炭化水素系化合物からなる原燃料と水蒸気とを含む原燃料ガスを、反応熱供給用のバーナーを有する改質器によって改質し、得られた水素に富む改質ガスを燃料電池の燃料ガスとして用いる燃料電池と、前記改質ガスを燃料電池への改質ガス供給配管から分岐し、水素精製装置に供給して高純度水素を生成し、燃料電池外へ供給可能とした水素製造供給手段とを備えた燃料電池発電装置であって、前記水素精製装置における水素収率が、前記燃料電池における水素利用率に比べて低い燃料電池発電装置の運転方法において、
    前記燃料電池における発電反応後の燃料オフガスと、前記水素精製装置における水素精製後の残余ガスとを、前記改質器のバーナーに供給して燃焼させ、改質器の温度が上昇した場合には、改質器温度によって制御される燃焼空気流量を調節して改質器の温度を低下させ、この燃焼空気流量が所定の上限値に到達した際には、S/Cを増加することにより改質器の温度を低下させることを特徴とする燃料電池発電装置の運転方法。
  3. 請求項1または2に記載の燃料電池発電装置の運転方法において、前記水素精製装置は、圧力スイング吸着(PSA)装置とすることを特徴とする燃料電池発電装置の運転方法。
  4. 請求項1または2に記載の燃料電池発電装置の運転方法において、前記S/Cを増加する際のS/Cの値は、3.25以上とすることを特徴とする燃料電池発電装置の運転方法。
  5. 請求項1または2に記載の燃料電池発電装置の運転方法において、前記改質用の水蒸気は、前記燃料電池の発電反応によって生成された水を回収し、この回収水を燃料電池の反応熱によって蒸発させたものとすることを特徴とする燃料電池発電装置の運転方法。
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