JP6238842B2 - 水素製造装置およびその運転方法 - Google Patents
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Description
前記脱硫器と前記改質器と前記CO変成器と前記水素精製部とに亘ってガスを流通するガス流通路を設けて、前記ガス流通路に原料ガスを供給して水素精製運転を行う技術に関する。
当該水素製造装置の一例として、圧送装置により圧送される原料ガスを脱硫する脱硫器と、脱硫後の原料ガスを水蒸気との混合状態で加熱して改質ガスを得る改質器と、当該改質器からの改質ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させて水素リッチガスを得るCO変成器と、当該水素リッチガスから水素以外の不純物を分離して水素を精製する水素精製部(たとえば、PSA方式を用いた装置)とを備えたものが知られている。
また、他の水素製造装置として、原料ガスに水蒸気を混合し加熱して改質ガスを得る改質器と、当該改質ガスを昇圧させる昇圧装置と、昇圧された改質ガスを水素と水素以外のオフガスとに分離するPSA式の水素精製部と、水素精製部からのオフガスを貯留可能なオフガス用タンクとを備えたものが知られている(特許文献1を参照)。
上記目的を達成するための本願の水素製造装置の特徴構成は、
原料ガスを脱硫する脱硫器と、脱硫後の原料ガスを水蒸気との混合状態で加熱手段により加熱して改質ガスを得る改質器と、改質ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させるCO変成器と、当該CO変成器にて処理された後の変成ガスから水素以外の不純物を分離して水素ガスを精製する水素精製部とを設け、
前記脱硫器と前記改質器と前記CO変成器と前記水素精製部とに亘ってガスを流通するガス流通路を設けて、前記ガス流通路に原料ガスを供給して水素精製運転を行う水素製造装置であって、
前記ガス流通路に、前記水素精製部を迂回して前記脱硫器と前記改質器と前記CO変成器との順にガスを循環流通する閉循環回路を設け、
前記水素精製運転を実行する状態と、前記加熱手段による前記改質器の加熱を維持しつつ、前記水素精製部を停止状態として、ガス流通路内に充填されたガスを前記閉循環回路に循環流通させる待機運転を実行する状態とを切り替える切替装置を備える点にある。
上記特徴構成によれば、前記ガス流通路に、ガス流通路内に充填されたガスを返送可能にして、前記脱硫器、前記改質器、前記CO変成器に、前記ガス流通路内に充填されたガスを返送循環する閉循環回路を形成するので、前記CO変成器を通過する閉循環回路内のガスは、前記水素精製部を迂回して、返送された返送ガスを前記脱硫器、前記改質器、前記CO変成器に、再度循環することができる。また、このとき、改質器における加熱を維持するから、再循環されたガスが、改質器で得た熱量を変成器、脱硫器に順次伝達する。すると、待機運転中は前記水素精製部の一時停止状態としても、前記脱硫器、前記改質器、前記CO変成器を所定の加熱状態に維持しておくことができ、水素精製運転を速やかに開始できる状態で待機させておくことができる。
本願の水素製造装置の更なる特徴構成は、
前記水素精製部が水素以外の不純物を吸着除去する吸着材を充填した吸着塔を用いた圧力揺動吸着運転により水素精製を行うPSA装置を備える点にある。
水素精製部としては、PSA装置や膜分離装置、深冷分離装置等が用いられる場合があるが、上記特徴構成によれば、PSA装置を用いた水素精製を行うから、一般に、水素精製純度を高くかつ回収率も比較的高くする連続運転を可能とするので、効率の良い水素精製運転が可能となる。
本願の水素製造装置の更なる特徴構成は、
前記切替装置は、前記待機運転前または待機運転中に、前記PSA装置の吸着塔に水素ガスを充填して置換する水素置換運転を実行可能に構成してある点にある。
上記特徴構成によれば、水素製造装置の待機運転前または待機運転中に、前記PSA装置の吸着塔に水素ガスを充填して置換するから、待機運転中に、水素精製部としてのPSA装置の吸着塔が、水素置換された状態に維持される。PSA装置は、水素以外の不純物を吸着除去する吸着材を用いたものであるから、水素精製運転の実行中は、吸着材に対して、圧力揺動運転条件の下、水素および水素以外の不純物の吸脱着が繰り返し行われる。また、圧力揺動運転は、複数の吸着塔で交互に行われるものであるから、PSA装置の停止時には、その吸着塔に収容された吸着材が水素以外の不純物を吸着した状態となっている場合がある。水素製造運転の停止中、その吸着材から水素以外の不純物が脱離すると、待機運転中に吸着塔内の水素以外の不純物濃度が上昇してしまう。すると、水素精製純度が低下するおそれがあり、運転再開初期の吸着塔内のガスは製品水素ガスとして回収することができない。結局このような場合、待機運転終了後水素精製運転を再開しても速やかに高純度の水素製造を開始できるわけではない。
本願の水素製造装置の更なる特徴構成は、
前記水素精製部で精製された水素ガスを貯留する製品タンクを備える点にある。
上記特徴構成によれば、製品水素を製品タンクに貯留しておけるので、製品水素を安定供給するのに寄与するとともに、製品水素を、たとえば前記水素置換運転等の他の用途に対しても柔軟に利用できるようになる。
本願の水素製造装置の更なる特徴構成は、
前記閉循環回路内における内圧を検知する圧力検知部を備え、前記待機運転中において前記圧力検知部の検知圧力が所定圧力よりも低下した場合に、前記製品タンクから水素ガスを前記閉循環回路内に供給する水素供給路を設けた点にある。
上記特徴構成によると、製品タンクに貯留される製品ガスを、水素供給路を介して閉循環回路内に供給してその閉循環回路内の圧力を良好に維持することができる。
本願の水素製造装置の更なる特徴構成は、
前記加熱手段が、前記待機運転における前記改質器の温度を、前記水素精製運転時における前記改質器の温度との関連で定めた設定温度に維持すべく加熱するように構成されている点にある。
上記特徴構成によると、水素精製運転、待機運転を通じて、ガス流通路に流通されるガスの温度を前記改質器の温度との関連で定めた設定温度に維持するべく加熱を維持しておくことができる。この待機運転の際には、閉循環回路をガスが流通することになるので、閉循環回路では経由しない水素精製部による放熱を考慮する必要がない。また、上記水素精製運転時には、改質器での改質反応として吸熱反応が起きるために、改質器を十分に加熱する必要があるが、上記待機運転中は、ガス流通路に充填されるガスが、水素を主成分とするガスとなっているので、改質反応はほとんど生起しない。また、待機運転中には、改質器での改質反応に要する水蒸気を供給する必要がないことから、待機運転中に、改質器に対する水蒸気の供給を停止しておけば、その水蒸気を生成あるいは加熱するエネルギーが不要となる。これらの理由により、改質器を加熱するのに必要なエネルギーは少なく維持でき、待機運転時の加熱量自体は水素精製運転時よりもきわめて少なく維持することができる。したがって、待機運転を行うとしても、少ない加熱コストの上昇のみで実行できるので、水素製造を速やかに開始できることに対する動作費用としては、極めて安価に水素製造装置を運転できるものとなる。
本願の水素製造装置の運転方法の特徴構成は、
原料ガスを脱硫する脱硫器と、脱硫後の原料ガスを水蒸気との混合状態で加熱手段により加熱して改質ガスを得る改質器と、改質ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させるCO変成器と、当該CO変成器にて処理された後の変成ガスから水素以外の不純物を分離して水素ガスを精製する水素精製部とを設け、
前記脱硫器と前記改質器と前記CO変成器と前記水素精製部とに亘ってガスを流通するガス流通路とを設けて、前記ガス流通路に原料ガスを供給して水素精製運転を行う水素製造装置の運転方法であって、
前記ガス流通路に、前記水素精製部を迂回して前記脱硫器と前記改質器と前記CO変成器との順にガスを循環流通する閉循環回路を設け、
前記水素精製運転を実行する状態と、前記加熱手段による前記改質器の加熱を維持しつつ、前記水素精製部を停止状態として、ガス流通路内に充填されたガスを前記閉循環回路に流通させる待機運転を実行する状態とを切り替える点にある。
上記特徴構成によると、先述の水素製造装置を水素精製運転と、待機運転とに切り替えつつ、たとえば、水素製造需要の高い日中は、水素精製運転により水素製造を行い、水素製造需要のない夜間には待機運転により、いつでも速やかに水素製造を再開できる状態に待機しておくことができ、需要の無い時期に水素製造運転を行うエネルギー的な無駄を排除しつつも、需要が発生した時に速やかに水素製造を再開できる状態を、待機運転を行う少ないエネルギーで維持できるようになるので、先述の水素製造装置の効用を十分に生かしつつ運転効率の高い水素製造運転とすることができる。
圧送装置11により圧送される炭化水素を含む原料ガス(例えば、メタンを主成分とする都市ガス13A)を脱硫する脱硫器12と、
脱硫後の原料ガスを水蒸気との混合状態で加熱手段14により加熱して改質ガスを得る改質器13と、
改質ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させるCO変成器17と
を設けた改質部10を備え、
当該CO変成器17にて処理された後の変成ガスから水素以外の不純物を分離して水素ガスを精製する水素精製部22と、
製品タンク23およびオフガスタンク21と
を設けた水素分離部20を備え、
それらに供給されるガスを所定の順序で流通させるガス流通路により連通接続するとともに、ガス流通動作を制御する切替装置として機能し、後述の水素精製部22を構成するPSA装置のバルブ開閉動作を含め、ガス精製装置全体の動作をプログラムに基づいて制御する制御装置30を備えている。
上述のように、改質部10は、圧送装置11により圧送される炭化水素を含む原料ガス(例えば、メタンを主成分とする都市ガス13A)を脱硫する脱硫器12と、脱硫後の原料ガスを水蒸気との混合状態で加熱手段14により加熱して改質ガスを得る改質器13と、改質ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させるCO変成器17とを設けて構成される。
改質部10は、ガス流通路を構成する第1流路L1より圧縮機等からなる圧送装置11にて圧縮された原料ガスの供給を受け、その原料ガスを脱硫する脱硫器12を備える。
脱硫器12には、Ni−Mo系、ZnO系等の脱硫触媒が充填されており、当該脱硫触媒により、原料ガス中の付臭剤等の硫黄成分を除去している。これにより、原料ガスを、改質器13に充填された改質触媒を劣化させにくい性状としている。
脱硫後の原料ガスはガス流通路を構成する第2流路L2により改質器13に供給される。改質器13は、改質器13に充填される改質触媒(例えば、ニッケル系触媒)を触媒活性温度に維持するべく、外部から供給される燃料ガス(例えば、都市ガス13A)を燃焼させて改質触媒を加熱するバーナ装置等からなる加熱手段14を備えている。
改質器13に原料ガスを供給する第2流路L2には、純水をその排ガスの熱により加熱する第1熱交換器15にて加熱され気化した水蒸気と原料ガスとを混合する混合部16が設けられており、原料ガスへの水蒸気の混合を促進している。改質器13では、水蒸気の混合された原料ガスを加熱し、改質触媒により改質して改質ガスを得る。
改質器13で得られた改質ガスは、ガス流通路を構成する第3流路L3により改質ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させるCO変成器17に供給される。CO変成器17には、一酸化炭素変成触媒が充填され、改質ガス中の一酸化炭素が水蒸気と反応して水素と二酸化炭素に変換される。一酸化炭素変成触媒としては、高温用、中温用、低温用があり、運転温度に応じて適当なものが使用される。運転温度が300〜450℃の高温用触媒としては、例えば、鉄−クロム系触媒が挙げられ、運転温度が180〜450℃の中温用触媒、および、190〜250℃の低温用触媒としては、例えば、銅−亜鉛系触媒が挙げられる。また、これら高温用、中温用、低温用の触媒は、2種以上を組み合わせて用いることができる。
水素分離部20は、改質部10にて改質された改質ガスから水素以外の不純物を分離すべく、圧力スイング式吸着法(以下、PSA法等と略称することがある)を実行可能な、複数(当該実施形態では3つ)の吸着塔20a、20b、20cを備えたPSA装置からなる水素精製部22と、製品タンク23と、オフガスタンク21とを備えている。
水素精製部22における各吸着塔20a、20b、20cには、吸着材としてゼオライト系吸着材、活性炭、シリカゲルなどを組み合わせたものが充填されている。各吸着塔20a、20b、20cでは、通常のPSA法と同様に、吸着工程、減圧工程、パージ工程、および昇圧工程のプロセスを、複数の吸着塔20a、20b、20cで位相を異ならせて実行することにより、連続的に水素リッチガスを第6流路L6に製品水素として供給可能に構成されている。詳細な説明は省略するが、上述のプロセスは、前記制御装置により、特に複数の吸着塔20a、20b、20cに接続される各流通路に設けられる複数のバルブ(図示略)の開閉を行って、順次実行される。
なお、図1では、吸着塔20aに変成ガスを流通して製品水素を得る吸着工程が行われている状態を示している。
一方、水素分離部20で水素が分離された後のオフガスは、水素分離部20に第7流路L7のバルブV7を介して接続されたオフガスタンク21に一時貯留される。オフガスタンク21に貯留されたオフガスは、水素、メタン等の可燃性ガスを含むため、適宜、オフガス流通路L8を介して加熱手段14へ導かれ、燃料ガスとして用いられる。
図1では、製品水素である水素リッチガス側の流れのみを示しているが、製品水素の送出と、オフガスの送出は、異なった吸着塔20a、20b、20cを対象として、同時に行われるタイミングが存在する。
上述の構成により、本願の水素製造装置100にあっては、図1に示すように、
原料ガスを、バルブV1を通過した後、圧送装置11にて圧送され、第1流路L1を流通して脱硫器12に導かれ脱硫され、水蒸気を混合する混合部16が設けられる第2流路L2を介して改質器13に導かれて改質され、第3流路L3を流通してCO変成器17で変成され、第2熱交換器18が配設される第4流路L4を介して気液分離部19に導かれた後、第5流路L5を介して水素分離部20に導いて水素精製運転を実行可能に構成される。水素精製運転時には、上記PSA装置により、水素精製部22が水素以外の不純物を吸着除去する吸着材を用いた圧力揺動吸着運転により水素精製を行う。
本願の水素製造装置100は、水素ガスを適切に製造して、製品水素として外部へ供給可能に構成されているのであるが、通常の水素製造装置100では、一旦、水素の製造運転の、たとえば夜間の停止期間中において、脱硫器12、改質器13、およびCO変成器17が降温し、その適正作動温度より低い温度となる。このため、水素の製造運転を停止した後に、水素の製造運転を再開するときには、再開から十分に水素濃度の高い製品水素の供給が開始されるまでの間に、1時間程度の起動遅延時間が発生する。
なお、ガス流通路内のガスを前記排気路L12より排出する場合、まず、混合部16からの水蒸気供給を行いながら、ガス流通路内のガスを排出する工程と、水蒸気の供給を停止してガス流通路内のガスを排出する工程とを順に行う。これにより、前記改質部10内の各機器に悪影響を及ぼしにくい状態で、水素ガスによる置換が完了する。
また、水素生成運転中における圧送装置11による前記改質器13への原料ガス供給圧は、0.7MPaG程度に維持されるが、待機運転中の前記改質器13へのガス供給圧についても0.7MPaG程度に維持され、上記のように待機運転中の改質器13等の温度を適正に維持する。しかし、閉循環回路Cの内圧が低下すると、改質器13において同様の加熱状態を維持しても、他のCO変成器17等の温度が十分に高く維持することができなくなる。これは、内圧の低下によるガス運搬量(流量)の減少に伴う熱量輸送量の低下に基づくものであるが、内圧の低下を製品水素ガスにより賄うことで、良好な熱運搬量を維持することができる。
また、前記制御装置30は、切替装置として、上記待機運転を行うに先立って、あるいは、上記待機運転と干渉しない条件下で並行して、水素製造装置の待機運転前または待機運転中に、前記水素精製部22では圧力維持運転を行う。すなわち、水素製造装置100の稼働を一次停止する際には、まず第6流路L6のバルブV6および第7流路L7におけるバルブV7を開成し、第5流路L5のバルブV5を閉成する。その後、前記返送路のバルブV10を開成するとともに、原料供給路のバルブV1を閉成することによって、上記閉循環回路Cを形成できるとともに、前記水素精製部22に対して製品タンク23から水素を供給できるようになる。製品タンク23から水素精製部22への水素ガス供給は、待機運転前の水素精製運転時に脱圧再生を行っておらず、次に水素精製運転を再開する場合に、最初に吸着工程を行う吸着塔20a、20b、20cに対して水素供給を行うとともに、吸着塔20a、20b、20c内部のガスを前記オフガスタンクに回収する、もしくは廃棄する。その後、閉循環回路Cにて待機運転を行っている最中は、各吸着塔20a、20b、20cを、それぞれに設けられたバルブにより密封してPSA運転動作を停止する。
なお、前記水素製造装置100を長期にわたって(たとえば数日程度)停止する場合には、前記水素精製部の水素置換運転を行うとともに、改質部10に対する原料ガスの供給を停止して、バルブV1、V5、V7を閉成し、バルブV11、V12を開成したのち、前記改質部10に製品タンク23から水素を供給する。前記改質部10内部のガスを排気する改質部10の水素置換運転を行った後、前記改質器13の加熱手段14による加熱や、水蒸気の供給も含めて、装置全体を停止状態とする。
(1)上記実施形態では、原料ガスとして、都市ガスを用いる例を示したが、例えば、他の例としては、ガス状炭化水素から最終沸点240℃程度の重質ナフサ等も用いることができる。
たとえば、閉循環回路Cを水素で置換する運転をせず、CO変成器17から供給される変成ガスをそのまま循環させることもできる。また、水素置換運転を行うとしても、水素精製部22から排出される高純度の水素ガスを所定時間にわたって、製品タンク23に供給することなく、改質部10に返送する形態でガス流通路内を水素で置換することができる。
いずれの場合であっても、改質器13の加熱を維持しつつ、ガス流通路内に充填されたガスを前記閉循環回路Cに流通させる待機運転を実行することにより、改質部全体を動作温度に近い高温状態に維持することができ、運転の再開後速やかに水素精製部22で高純度の水素を製造できるように待機しておくことができる。
なお、水素置換運転を行う場合、改質部内に存在する一酸化炭素などの不純物ガスが、改質触媒等に悪影響を及ぼす可能性を極力低減することができるので好ましく、また、水素置換運転を製品タンク23の水素を用いて行うことにより、簡単な装置構成で水素置換運転を可能にできる利点がある。
11 :圧送装置
12 :脱硫器
13 :改質器
14 :加熱手段
15 :第1熱交換器
16 :混合部
17 :CO変成器
18 :第2熱交換器
19 :気液分離部
20 :水素分離部
20a :吸着塔
20b :吸着塔
20c :吸着塔
21 :オフガスタンク
22 :水素精製部
23 :製品タンク
30 :制御装置
100 :水素製造装置
C :閉循環回路
L1 :第1流路
L10 :返送路
L11 :水素供給路
L12 :排気路
L2 :第2流路
L3 :第3流路
L4 :第4流路
L5 :第5流路
L6 :第6流路
L7 :第7流路
L8 :オフガス流通路
P :圧力検知部
V1〜V12 :バルブ
Claims (7)
- 原料ガスを脱硫する脱硫器と、脱硫後の原料ガスを水蒸気との混合状態で加熱手段により加熱して改質ガスを得る改質器と、改質ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させるCO変成器と、当該CO変成器にて処理された後の変成ガスから水素以外の不純物を分離して水素ガスを精製する水素精製部とを設け、
前記脱硫器と前記改質器と前記CO変成器と前記水素精製部とに亘ってガスを流通するガス流通路を設けて、前記ガス流通路に原料ガスを供給して水素精製運転を行う水素製造装置であって、
前記ガス流通路に、前記水素精製部を迂回して前記脱硫器と前記改質器と前記CO変成器との順にガスを循環流通する閉循環回路を設け、
前記水素精製運転を実行する状態と、前記加熱手段による前記改質器の加熱を維持しつつ、前記水素精製部を停止状態として、ガス流通路内に充填されたガスを前記閉循環回路に循環流通させる待機運転を実行する状態とを切り替える切替装置を備える水素製造装置。 - 前記水素精製部が水素以外の不純物を吸着除去する吸着材を充填した吸着塔を用いた圧力揺動吸着運転により水素精製を行うPSA装置を備えるものである請求項1に記載の水素製造装置。
- 前記切替装置は、前記待機運転前または待機運転中に、前記PSA装置の吸着塔に水素ガスを充填して置換する水素置換運転を実行可能に構成してある請求項2に記載の水素製造装置。
- 前記水素精製部で精製された水素ガスを貯留する製品タンクを備える請求項1〜3のいずれか一項に記載の水素製造装置。
- 前記閉循環回路内における内圧を検知する圧力検知部を備え、前記待機運転中において前記圧力検知部の検知圧力が所定圧力よりも低下した場合に、前記製品タンクから水素ガスを前記閉循環回路内に供給する水素供給路を設けた請求項4に記載の水素製造装置。
- 前記加熱手段が、前記待機運転における前記改質器の温度を、前記水素精製運転時における前記改質器の温度との関連で定めた設定温度に維持すべく加熱するように構成されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の水素製造装置。
- 原料ガスを脱硫する脱硫器と、脱硫後の原料ガスを水蒸気との混合状態で加熱手段により加熱して改質ガスを得る改質器と、改質ガス中の一酸化炭素を水蒸気と反応させるCO変成器と、当該CO変成器にて処理された後の変成ガスから水素以外の不純物を分離して水素ガスを精製する水素精製部とを設け、
前記脱硫器と前記改質器と前記CO変成器と前記水素精製部とに亘ってガスを流通するガス流通路とを設けて、前記ガス流通路に原料ガスを供給して水素精製運転を行う水素製造装置の運転方法であって、
前記ガス流通路に、前記水素精製部を迂回して前記脱硫器と前記改質器と前記CO変成器との順にガスを循環流通する閉循環回路を設け、
前記水素精製運転を実行する状態と、前記加熱手段による前記改質器の加熱を維持しつつ、前記水素精製部を停止状態として、ガス流通路内に充填されたガスを前記閉循環回路に流通させる待機運転を実行する状態とを切り替える水素製造装置の運転方法。
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