JP4592418B2 - 高収率での1,3−プロパンジオールの生物生産のための方法 - Google Patents

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Description

本発明は、単一微生物による、発酵性炭素源の1,3−プロパンジオールへの生物変換のための方法を含む。
1,3−プロパンジオールは、ポリエステル線維の生産およびポリウレタンおよび環状化合物の製造において、潜在的有用性を有するモノマーである。
1,3−プロパンジオールへの多様な化学経路が知られている。例えば触媒上で、ホスフィン、水、一酸化炭素、水素、および酸の存在下、アクロレインの触媒的液相水和作用とそれに続く還元によって、エチレンオキシドを1,3−プロパンジオールに転換しても良く、あるいは周期表のVIII族からの元素を有する触媒上で、グリセロールなどの化合物を一酸化炭素および水素の存在下で反応させても良い。これらの方法によって1,3−プロパンジオールを生じさせることは可能であるが、それらは高価であり、環境汚染物質を含有する不要流出物を生じる。
グリセロールの発酵から1,3−プロパンジオールが生産できることは一世紀以上にわたって知られている。例えばシトロバクター(Citrobacter)、クロストリジウム(Clostridium)、エンテロバクター(Enterobacter)、イリオバクター(Ilyobacter)、クレブシエラ(Klebsiella)、乳酸桿菌(Lactobacillus)、およびペロバクター(Pelobacter)などの類に、1,3−プロパンジオールを生産できる菌株が見つかっている。それぞれの事例研究において、グリセロールは酵素が触媒する二段階の反応順序で1,3−プロパンジオールに転換される。第1のステップでは、デヒドラターゼが、グリセロールの3−ヒドロキシプロピオンアルデヒド(3−HPA)および水への転換を触媒する(式1)。第2のステップでは、3−HPAがNAD−結合酸化還元酵素によって1,3−プロパンジオールに還元される(式2)。1,3−プロパンジオールはさらに代謝されず、その結果、培養液中に蓄積する。
グリセロール→3−HPA+HO(式1)
3−HPA+NADH+H→1,3プロパンジオール+NAD(式2)
全体的反応は、補助因子、還元β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)の形態である還元当量を消費し、それはニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)に酸化される。
クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、シトロバクター・フロインディ(Citrobacter freundii)、およびクロストリジウム・パストゥリアヌム(Clostridium pasteurianum)では、グリセロールデヒドラターゼ(dhaB1−3またはdhaB、CおよびE)の3個の構造的サブユニットをコードする遺伝子は、特異的1,3−プロパンジオール酸化還元酵素(dhaT)をコードする遺伝子に隣接する。遺伝的編成はこれらの微生物の間でいくらか異なるが、これらの遺伝子は、orfXおよびorfZ(グリセロールデヒドラターゼのデヒドラターゼ再活性化因子をコードする遺伝子)、ならびにorfYおよびorfW(機能不明の遺伝子)も含む一群に集まっている。これらの微生物の特異的1,3−プロパンジオール酸化還元酵素(dhaT’s)は、III型アルコールデヒドロゲナーゼファミリーに属することが知られており、それぞれが保存された鉄結合モチーフを示し、NAD/NADH結合1,3−プロパンジオールおよび3−HPAの相互転換に対する優先度を有する。しかし1,3−プロパンジオールと3−HPAとのNAD/NADH結合相互転換は、動力学的パラメーターの効率がより低いとはいえ、デヒドラターゼ酵素に特異的に結合していないアルコールデヒドロゲナーゼ(例えばウマ肝臓およびパン酵母アルコールデヒドロゲナーゼ(E.C.1.1.1.1))によっても触媒される。グリセロールデヒドラターゼ(E.C.4.2.1.30)およびジオール[1,2プロパンジオール]デヒドラターゼ(E.C.4.2.1.28)は関連しているが異なる酵素であり、異なる遺伝子によってコードされる。クレブシエラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca)およびネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)からのジオールデヒドラターゼ遺伝子は、グリセロールデヒドラターゼ遺伝子に類似し、orfXおよびorfZに類似した遺伝子を含む一群に集まっている(非特許文献1)、(非特許文献2)、ジェンバンク(GenBank)AF026270)。
グリセロールからの1,3−プロパンジオールの生産は、概して嫌気的条件下で唯一の炭素源としてグリセロールを使用して、その他の外来性還元当量受容体の不在下で実施される。これらの条件下では、例えばシトロバクター(Citrobacter)、クロストリジウム(Clostridium)、およびクレブシエラ(Klebsiella)の菌株で、最初にNAD−(またはNADP−)結合グリセロールデヒドロゲナーゼによるグリセロールからジヒドロキシアセトン(DHA)への酸化を伴うグリセロールへの平行径路が作動する(式3)。DHAは、DHAキナーゼによるジヒドロキシアセトンリン酸(DHAP)へのリン酸化(式4)に続いて、生合成のため、そして例えば解糖を通じたATP生成のサポートのために利用できるようになる。
グリセロール+NAD→DHA+NADH+H(式3)
DHA+ATP→DHAP+ADP(式4)
1,3−プロパンジオール経路とは対照的に、この経路は炭素およびエネルギーを細胞に提供し、NADHを消費するよりは、むしろ生産するかもしれない。
クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)およびシトロバクター・フロインディ(Citrobacter freundii)では、グリセロールデヒドラターゼ(dhaB)、1,3−プロパンジオール酸化還元酵素(dhaT)、グリセロールデヒドロゲナーゼ(dhaD)、およびジヒドロキシアセトンキナーゼ(dhaK)の機能的に結合した活性をコードする遺伝子は、dhaレギュロンによって包含される。クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)およびシトロバクター・フロインディ(Citrobacter freundii)中のdhaレギュロンは、転写活性化タンパク(dhaR)をコードする遺伝子をも包含する。シトロバクター(Citrobacter)およびクレブシエラ(Klebsiella)からのdhaレギュロンは大腸菌(Escherichia coli)中で発現され、グリセロールを1,3−プロパンジオールに転換することが示されている。
化学方法はエネルギー集約的であり、生物学的方法は高価な開始材料グリセロールからの比較的低い力価に制限されるので、1,3−プロパンジオール生産について上で述べた化学的または生物学的方法のいずれもが、工業的規模の生産には良く適していない。これらの欠点は、低いエネルギー投入および炭水化物または糖などの安価な開始材料を必要とする方法によって、あるいはグリセロールプロセスの代謝効率を増大させることによって克服できうる。どちらの方法の開発も糖からグリセロール、およびグリセロールから1,3プロパンジオールへの転換に関与する遺伝的機構を操作する能力を必要とする。
グリセロールの調製のための生物学的方法は既知である。グリセロールの生産株の圧倒的多数は酵母であるが、細菌、その他の真菌類、および藻類もいくつか知られている。細菌および酵母の両者は、解糖中の果糖−1,6−ビスリン酸経路や、あるいはエムデン−マイエルホーフ−パルナス経路を通じて、グルコースまたはその他の炭水化物を転換することで、グリセロールを生産する。ジヒドロキシアセトンリン酸は、グリセロール−3−リン酸デヒドロゲナーゼの作用によってグリセロール−3−リン酸に転換され、グリセロール−3−リン酸は、グリセロール−3−ホスファターゼの作用によってグリセロールに転換される。
グリセロール−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(DAR1,GPD1)をコードする遺伝子はクローン化されており、S.ジアスタチカス(diastaticus)(非特許文献3)から配列決定されている。DAR1遺伝子は、シャトルベクターにクローン化され、大腸菌を形質転換するために使用され、発現によって活性酵素が生産される。(非特許文献3)は、DAR1が細胞浸透圧環境によって制御されることを認識するが、組換え型微生物において1,3−プロパンジオール生産を亢進するするために、どのように遺伝子が使用できうるかについては示唆していない。
その他のグリセロール−3−リン酸デヒドロゲナーゼ酵素が単離されている。例えばsn−グリセロール−3−リン酸デヒドロゲナーゼが出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)からクローン化されて配列決定されており、(非特許文献4)、(非特許文献5)は、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)からのグリセロール−3−リン酸デヒドロゲナーゼをコードするGPD1のクローン化を教示する。(非特許文献3)と同様、(非特許文献5)および(非特許文献4)の両者は、この遺伝子の制御の浸透圧感受性を認識するが、組換え型微生物での1,3−プロパンジオール生産において、遺伝子がいかに使用できうるかについては示唆していない。
G3PDHについては、グリセロール−3−ホスファターゼが出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)から単離されており、タンパクはGPP1およびGPP2遺伝子によってコードされるものと同定されている(非特許文献6)。G3PDHをコードする遺伝子同様、GPP2は浸透圧感受性であるように見える。
(特許文献1)および(非特許文献7)は、「PTS」(−)/グルコース(+)表現型を有する大腸菌株について述べている。(特許文献2)は、エネルギー効率を改善するためのNADHデヒドラターゼIIの遺伝子の欠失について開示する。(特許文献3)は、3−ヒドロキシプロピオン酸生産のための「アルデヒドデヒドロゲナーゼA」および「アルデヒドデヒドロゲナーゼB」の有用性について述べる。
(特許文献4)(米国特許公報(特許文献5))(本願特許出願人)は、デヒドラターゼ活性を含む単一微生物を使用した、グリセロールまたはジヒドロキシアセトン以外の炭素基材(特に例えばグルコース)からの1,3−プロパンジオール生産のための方法を開示する。(特許文献6)(本願特許出願人)は、内在性活性グリセロールキナーゼおよびグリセロールデヒドロゲナーゼの片方または双方を撹乱しながら、グリセロール−3−リン酸デヒドロゲナーゼおよびグリセロール−3−リン酸ホスファターゼの片方または双方の外来性活性を発現することに派生する利点を有する、同様の方法を開示する。(特許文献7)(米国特許公報(特許文献8)、本願特許出願人)は、外来性グリセロール−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、グリセロール−3−リン酸ホスファターゼ、デヒドラターゼ、および1,3−プロパンジオール酸化還元酵素(例えば,dhaT)を含む単一微生物を使用した、1,3−プロパンジオール生産のための方法について述べる。(特許文献9)(米国特許公報(特許文献10)、本願特許出願人)は、デヒドラターゼおよびタンパクX(後にデヒドラターゼ再活性化因子ペプチドであると同定された)をさらに含む組換え型微生物を含む、1,3−プロパンジオール生産のための方法を開示する。(特許文献11)(本願特許出願人)は、3−ヒドロキシプロピオンアルデヒドを1,3−プロパンジオールに転換する、(dhaTによってコードされる1,3−プロパンジオール酸化還元酵素から区別される)非特異的触媒活性のおかげで、力価(リットル当たり生成物グラム数)の顕著な増大が得られる方法の改善について述べる。米国特許公報(特許文献12)(2003)(米国特許公報(特許文献13)(2002)本願特許出願人)は、1,3−プロパンジオール生産のために有用なベクターおよびプラスミドを開示する。本願特許出願人の出願は、その内容全体を本願明細書に引用したものとする。
1,3−プロパンジオールの生物生産は、二段階逐次反応のための中間基材としてグリセロールを要し、そこではデヒドラターゼ酵素(典型的に補酵素B12−依存性デヒドラターゼ)がグリセロールを3−ヒドロキシプロピオンアルデヒドに転換し、それが次にNADH−(またはNADPH−)依存性酸化還元酵素によって1,3−プロパンジオールに還元される。補助因子要件の複雑性により、1,3−プロパンジオール生産のためこの反応順序を利用する工業的方法のために、ホールセル(whole cell)触媒を使用することが必要となる。
グルコースからの1,3−プロパンジオールの生産をもたらす生物学的方法における特異的欠損は、発酵によって得られる低収率生成物であった。(特許文献11)(本願特許出願人)は、24%〜35%の範囲にあるグルコースからの1,3−プロパンジオールの重量収率について述べる。解決すべき問題は、いかに1,3−プロパンジオールをグルコースまたはその他の糖などの安価な炭素基材から、単一微生物により高収率で生物学的に生産するかである。
国際公開第9634961号パンフレット 欧州特許出願公開第1170376 A1号明細書 国際公開第2001016346号パンフレット 国際公開第9635796号パンフレット 米国特許第5,686,276号明細書 国際公開第9928480号パンフレット 国際公開第9821339号パンフレット 米国特許第6,013,494号明細書 国際公開第9821341号パンフレット 米国特許第6,136,576号明細書 国際公開第2001012833号パンフレット 米国特許出願第10/420587号明細書 米国特許出願第60/374931号明細書 米国特許第4,683,202号明細書 国際公開第2001012833 A2号パンフレット 米国特許第5,356,812号明細書 米国特許第5,008,473号明細書 国際公開第9821340 A1号パンフレット ダニエル(Daniel)ら、FEMS Microbiol.Rev.22、553(1999) トラヤおよびモリ、J.Biol.Chem.274、3372(1999) ウァン(Wang)ら、J.Bact.176、7091〜7095(1994) ラールソン(Larason)ら、Mol.Microbiol.10、1101(1993) アルバーティン(Albertyn)ら、Mol.Cell.Biol.14、4135(1994) ノルベック(Norbeck)ら、J.Biol.Chem.271、13875(1996) エルナンデス−モンタルボ(Hernandez−Montalvo)ら、Appl.Microbiol.Biotechnol.57:186〜191(2001) Nucleic Acids Res.13、3021〜3030(1985) Biochemical Journal 219、345〜373(1984) トビマツら、J.Bacteriol.181、4110(1999) ジョンソン(Johnson)およびリン(Lin)、J.Bacteriol.169、2050(1987) ダニエル(Daniel)ら、J.Bacteriol.177、2151(1995) レウルス(Leurs)ら、FEMS Microbiol.Lett.154、337(1997) ヴェイガ・ダ・ダンハ(Veiga da Dunha)、およびフォスター(Foster)、Appl.Environ.Microbiol.58、2005(1992) サムブルック(Sambrook)J.、フリッチュ(Fritsch)E.F.、およびマニアティス(Maniatis)T.「分子クローニング:実験室マニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Manual)」第二版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor(1989)第11章および表11.1 サムブルック(Sambrook)J.、フリッチュ(Fritsch)E.F.、およびマニアティス(Maniatis)T.「分子クローニング:実験室マニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Manual)」第二版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor(1989)9.50〜9.51 サムブルック(Sambrook)J.、フリッチュ(Fritsch)E.F.、およびマニアティス(Maniatis)T.「分子クローニング:実験室マニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Manual)」第二版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor(1989)11.7〜11.8 「基礎的局在性整列化検索ツール(Basic Local Alignment Search Tool)」アルトシュル(Altschul)ら、J.Mol.Biol.215:403〜410(1993) 「計算分子生物学(Computational Molecular Biology)」レスク(Lesk)A.M.編、Oxford University Press、New York、1988 「バイオコンピューティング:情報科学およびゲノムプロジェクト(Biocomputing:Informatics and Genome Projects)」スミス(Smith)D.W.編、Academic Press、New York、1993 「配列データのコンピュータ分析(Computer Analysis of Sequence Data)」、第一部、グリフィン(Griffin)A.M.、およびグリフィン(Griffin)H.G.編、Humana Press、New Jersey、1994 「分子生物学における配列分析(Sequence Analysis in Molecular Biology)」フォン・ハインェ(von Heinje)G.編、Academic Press、New York、1987 「配列分析入門(Sequence Analysis Primer)」グリブスコフ(Gribskov)M.およびデュヴルー(Devereux)J.編、Stockton Press、New York、1991 デュヴルー(Devereux)ら、Nucleic Acids Res.12:387〜395(1984) ピアソン(Pearson)ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、85:2444〜2448(1988) 「BLASTマニュアル(BLAST Manual)」、アルトシュル(Altschul)ら、Natl.Cent.Biotechnol.Inf.、Natl.Library Med.(NCBI NLM)NIH、Bethesda,Md.20894 アルトシュル(Altschul)ら、J.Mol.Biol.215:403〜410(1990) アルトシュル(Altschul)ら、「ギャップBLASTおよびPSI−BLAST:新世代のタンパクデータベース研究プログラム(Gapped BLAST and PSI−BLAST:a new generation of protein database search programs)」Nucleic Acids Res.25:3389〜3402(1997) ハイン(Hein)ら、Methods Enzymol.183:626〜645(1990) サムブルック(Sambrook)J.、フリッチュ(Fritsch)E.F.、およびマニアティス(Maniatis)T.「分子クローニング:実験室マニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Manual)」第二版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor(1989) エリクソン(Eriksson)ら、Mol.Microbiol.17、95(1995) トーマスD.ブロック(Thomas D.Brock)「生物工学:工業微生物学テキストブック(Biotechnology:A Textbook of Industrial Miclobiology)」第二版(1989)、Sinauer Associates,Inc.、Sunderland,MA. デシュパンデ、ムクンド(Deshpande、Mukund)V.、Appl.Biochem.Biotechnol.36、227(1992) デ・マンチルハ(DeMancilha)ら、Food Chem.14、313(1984) バネイクス(Baneyx)、Curr.Opinion Biotech.(1999)10:411 ロス(Ross)ら、J.Bacteriol.(1998)180:5375 デハセス(deHaseth)ら、J.Bacteriol.(1998)180:3019 スモルケ(Smolke)およびキースリング(Keasling)、Biotech.And Bioengineeering(2002)80:762 シュワルツ(Swartz)、Curr.Opinions Biotech.(2001)12:195 マ(Ma)ら,J.Bacteriol.(2002)184:5733 「一般微生物学方法マニュアル(Manual of Methods for General Bacteriology)」、フィリップス・ゲアハルト(Phillipp Gerhardt)、R.G.E.マレー(R.G.E.Murray)、ラルフN.コスティロウ(Ralph N.Costilow)、ユージーンW.ネスター(Eugene W.Nester)、ウィリスA.ウッド(Willis A.Wood)、ノエルR.クリーグ(Noel R.Krieg)、およびG.ブリッグス・フィリップス(G.Briggs Phillips)編、米国微生物学会、Washington,D.C.(1994) ダツセンコ(Datsenko)およびワーナー(Wanner)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 97、6640〜6645(2000) パルメロス(Palmeros)ら、Gene 247、255〜264(2000) ミラー、J.H.(Miller,J.H.)、「微生物遺伝学短期講習。大腸菌と関連細菌に関する実験室マニュアルおよびハンドブック(A short course in bacterial genetics.A laboratory manual and handbook for Escherchia coli and related bacteria)」(1992)、Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor,NY T.E.バーマン(T.E.Barman)、「酵素ハンドブック(Enzyme Handbook)」(1985)、Springer−Verlag、Berlin フロレス(Flores)およびガンセード(Gancedo)、FEBS Lett.412、531〜534(1997) フォレージ(Forage)およびフォスター(Foster)Biochim.Biophys.Acta 569、249(1979) ホンダら、J.Bacteriol.143、1458(1980) ベル(Bell)ら、J.Biol.Chem.250、7153(1975) タン(Tang)ら、J.Bacteriol.140、182(1997) フロレス(Flores)ら、Nature Biotechnology 14、620〜623(1996) リーヴィ(Levy)ら、Gene 86、27〜33(1990)
本願特許出願人らは前述の問題を解決した。本発明は、単一微生物の使用によってこれまで得られていたよりも高い収率で、発酵性炭素源を1,3−プロパンジオールに生物転換する。得られる収率は35%を超え、好ましくは40%を超える。グルコースがモデル基材として、大腸菌がモデル宿主微生物として使用され、有用な遺伝的修飾および撹乱についてここで詳述する。
本願特許出願人らは、
a)活性PEP−グルコースリン酸転移酵素系タンパクの発現を妨げる撹乱された内在性ホスホエノールピルベート−グルコースリン酸転移酵素系、
b)活性ガラクトース−プロトン同伴輸送体をコードするアップレギュレートされた内在性galP遺伝子、
c)活性グルコキナーゼをコードするアップレギュレートされた内在性glk遺伝子、および
d)活性グリセロールアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼをコードするダウンレギュレートされた内在性gapA遺伝子
を含む大腸菌株を提供した。
本願特許出願人らは、撹乱された内在性ホスホエノールピルベート−グルコースリン酸転移酵素系が、
a1)活性ホスホキャリアタンパクの発現を妨げる撹乱された内在性ptsH遺伝子、
a2)活性ホスホエノールピルベート−タンパクリン酸基転移酵素の発現を妨げる撹乱された内在性ptsI遺伝子、および
a3)活性グルコース−特異的IIA構成要素の発現を妨げる撹乱された内在性crr遺伝子
の1つまたは複数を含む、上述の大腸菌株も提供した。
上述の大腸菌実施形態は、
e)活性有気呼吸制御タンパクの発現を妨げる撹乱された内在性arcA遺伝子、
f)活性ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼをコードするアップレギュレートされた内在性ppc遺伝子、
g)活性cob(I)アラミンアデノシルトランスフェラーゼをコードするアップレギュレートされた内在性btuR遺伝子、および
h)活性アルコールデヒドロゲナーゼをコードするアップレギュレートされたyqhD遺伝子
の1つまたは複数をさらに含むことができる。
上述の大腸菌実施形態は、
i)活性メチルグリオキサールシンターゼの発現を妨げる撹乱された内在性mgsA遺伝子、
j)活性酢酸キナーゼの発現を妨げる撹乱された内在性ackA遺伝子、
k)活性ホスホトランスアセチラーゼの発現を妨げる撹乱された内在性pta遺伝子、
l)活性アルデヒドデヒドロゲナーゼAの発現を妨げる撹乱された内在性aldA遺伝子、および
m)活性アルデヒドデヒドロゲナーゼBの発現を妨げる撹乱された内在性aldB遺伝子
の1つまたは複数をさらに含むことができる。
上述の大腸菌実施形態は、
n)活性ホスホグルコン酸デヒドラターゼの発現を妨げる撹乱された内在性edd遺伝子、
o)活性グリセロールキナーゼの発現を妨げる撹乱された内在性glpK遺伝子、および
p)活性NADH−依存性グリセロールデヒドロゲナーゼの発現を妨げる撹乱された内在性gldA遺伝子
の1つまたは複数をさらに含むことができる。
さらに1,3−プロパンジオールは、発酵に適した条件下で、ここで述べる大腸菌株をグルコースなどの適切な炭素基材と接触させて生物生産できる。さらに1,3−プロパンジオールは、発酵に適した条件下で、活性
(i)グリセロール−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、
(ii)グリセロール−3−ホスファターゼ、
(iii)デヒドラターゼ、および
(iV)デヒドラターゼ再活性化活性
をさらに含む、ここで述べる大腸菌株を適切な炭素基材と接触させて生物生産できる。
さらに上で開示する実施形態のいずれかは、コンストラクトpSYCO101、pSYCO103、pSYCO106、pSYCO109、あるいはそれらの対応するヌクレオチド配列配列番号:65、66、67、または68を含んでも良い。
(配列説明および生物学的寄託)
以下の詳細な説明、図1、添付の配列表と説明、および本出願の一部を形成する生物学的寄託から、発明をより詳しく理解できる。
ここに添付した68の配列説明および配列表は、37C.F.R.§1.821〜1.825(「ヌクレオチド配列および/またはアミノ酸配列開示を含む特許出願の要件−配列規則(Requirements for Patent Applications Containing Nucleotide Sequences and/or Amino Acid Sequence Disclosures−the Sequence Rules)」)で述べられる、特許出願におけるヌクレオチドおよび/またはアミノ酸配列開示を司る規則に適合し、世界知的所有権機関(WIPO)標準ST2.5(1998)およびEPOおよびPCTの配列表要件(規則5.2および49.5(aの2)、および実施細則第208号および附属書C)で示される対応する米国特許商標局規則に一致する。配列説明は、参照によってここに編入する(非特許文献8)および(非特許文献9)で述べられるIUPAC−IYUB標準に準拠して定義されるように、ヌクレオチド配列性状のための1文字コード、およびアミノ酸のための3文字コードを含む。
配列番号:1は、loxP511−Cat−loxP511カセットをコードするpLoxCat27の部分的ヌクレオチド配列である。
配列番号:2〜3は、arcA撹乱を構築するのに使用されるオリゴヌクレオチドプライマーである。
配列番号:4〜5は、arcA撹乱を確認するのに使用されるオリゴヌクレオチドプライマーである。
配列番号:6は、loxP−Cat−loxPカセットをコードするpLoxCat1の部分的ヌクレオチド配列である。
配列番号:7〜8は、染色体galPプロモーターのtrcプロモーター置換のためのテンプレートプラスミドである、pR6KgalPを構築するのに使用されるオリゴヌクレオチドプライマーである。
配列番号:9〜10は、染色体glkプロモーターのtrcプロモーター置換のためのテンプレートプラスミドである、pR6Kglkを構築するのに使用されるオリゴヌクレオチドプライマーである。
配列番号:11は、loxP−Cat−loxPTrcカセットのヌクレオチド配列である。
配列番号:12〜13は、染色体galPプロモーター置換のための配列番号:11の組み込みを確認するのに使用されるオリゴヌクレオチドプライマーである。
配列番号:14〜15は、染色体glkプロモーターの置換のための配列番号:11の組み込みを確認するのに使用されるオリゴヌクレオチドプライマーである。
配列番号:16〜17は、edd撹乱を構築するのに使用されるオリゴヌクレオチドプライマーである。
配列番号:18〜19は、eddの撹乱を確認するのに使用されるオリゴヌクレオチドプライマーである。
配列番号:20は、選択されたtrcプロモーター調節glk発現のためのヌクレオチド配列である。
配列番号:21は、標準trcプロモーターの部分的ヌクレオチド配列である。
配列番号:22〜23は、gapAの増幅のために使用されるオリゴヌクレオチドプライマーである。
配列番号:24〜25は、gapAからGTGへの開始コドン変更に使用されるオリゴヌクレオチドプライマーである。
配列番号:26〜27は、gapAからTTGへの開始コドン変更に使用されるオリゴヌクレオチドプライマーである。
配列番号:28は、短1.5GIプロモーターのヌクレオチド配列である。
配列番号:29〜30は、短1.5GIプロモーターを有する染色体gapAプロモーター置換のために使用されるオリゴヌクレオチドプライマーである。
配列番号:31は、短1.20GIプロモーターのヌクレオチド配列である。
配列番号:32は、短1.6GIプロモーターのヌクレオチド配列である。
配列番号:33〜34は、短1.20GIプロモーターを有する染色体gapAプロモーター置換のために使用されるオリゴヌクレオチドプライマーである。
配列番号:35は、短1.6GIプロモーターを有する染色体gapAプロモーター置換のために使用される配列番号33を有するオリゴヌクレオチドプライマーである。
配列番号:36〜37は、mgsA撹乱を構築するのに使用されるオリゴヌクレオチドプライマーである。
配列番号:38〜39は、mgsAの撹乱を確認するのに使用されるオリゴヌクレオチドプライマーである。
配列番号:40〜41は、短1.6GIプロモーターを有する染色体ppcプロモーター置換のために使用されるオリゴヌクレオチドプライマーである。
配列番号:42は、ppcプロモーター置換を確認するのに使用されるオリゴヌクレオチドプライマーである。
配列番号:43〜44は、短1.6GIプロモーターを有する染色体yciK−btuRプロモーター置換のために使用されるオリゴヌクレオチドプライマーである。
配列番号:45〜46は、yciK−btuRプロモーター置換を確認するのに使用されるオリゴヌクレオチドプライマーである。
配列番号:47〜48は、短1.6GIプロモーターを有する染色体yqhDプロモーター置換のために使用されるオリゴヌクレオチドプライマーである。
配列番号:49は、yqhDプロモーター置換を確認するのに使用されるオリゴヌクレオチドプライマーである。
SEQ ID番号:50〜51は、pta−ackA撹乱を構築するのに使用されるオリゴヌクレオチドプライマーである。
SEQ ID番号:52〜53は、pta−ackAの撹乱を確認するのに使用されるオリゴヌクレオチドプライマーである。
SEQ ID番号:54〜55は、ptsHIcrr撹乱を構築するのに使用されるオリゴヌクレオチドプライマーである。
配列番号:56は、ptsHIcrrの撹乱を確認するのに使用されるオリゴヌクレオチドプライマーである。
配列番号:57〜58は、aldA撹乱を構築するのに使用されるオリゴヌクレオチドプライマーである。
配列番号:59〜60は、aldAの撹乱を確認するのに使用される
オリゴヌクレオチドプライマーである。
配列番号:61〜62は、aldB撹乱を構築するのに使用されるオリゴヌクレオチドプライマーである。
配列番号:63〜64は、aldBの撹乱を確認するのに使用されるオリゴヌクレオチドプライマーである。
配列番号:65は、pSYCO101プラスミドのヌクレオチド配列である。
配列番号:66は、pSYCO103プラスミドのヌクレオチド配列である。
配列番号:67は、pSYCO106プラスミドのヌクレオチド配列である。
配列番号:68は、pSYCO109プラスミドのヌクレオチド配列である。
本願特許出願人らは、「特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約」の条項に従って、以下の生物学的寄託を行った。
Figure 0004592418
寄託物は、表示された国際受託機関に少なくとも30年間保存され、それを開示する特許の付与時に一般に公開される。寄託株の利用可能性は、政府の行動によって付与された特許権を失墜させて主題発明を実施する認可とはみなされない。
ここでの用法では、「ATCC」は、米国VA20110〜2209マナッサスのユニバーシティ・ブールヴァード10801(10801 University Blvd.,Manassas,VA20110−2209 U.S.A.)に所在する米国微生物系統保存機関を指す。「ATCC番号」は、ATCCに寄託された培養物の受け入れ番号である。
本発明は、単一微生物を使用して、発酵性炭素源を直接1,3−プロパンジオールに生物転換する改善された方法を提供する。方法は、これまで得られたことのないレベルの改善された1,3−プロパンジオール収率によって特徴づけられる。
開示された生産宿主菌株は、炭素から非生産的化合物への転換を妨げる、種々の欠失変異を組み込むことで遺伝子操作されて、経路の代謝効率が最大化されている。1,3−プロパンジオール生産の亢進のために、特定の酵素活性を調節するように、形質転換および変異を組み合わせられることが考察された。したがって1,3−プロパンジオール生産の増大につながるホールセル触媒の変更を予測することは、本発明の範囲内である。
(用語および定義)
発明は、請求の範囲および明細書で使用される以下の用語および定義を参照して、より完全に理解できる。
(欠失させられる遺伝子)
「NADHデヒドロゲナーゼII」、「NDHII」、および「Ndh」という用語は、ユビキノン−8+NADH+Hからユビキノール−8+NADへの転換を触媒するタンパクであるII型NADHデヒドロゲナーゼを指す。NADHデヒドロゲナーゼIIの典型は、EC1.6.99.3である。NADHデヒドロゲナーゼIIは、大腸菌ではndhによってコードされる。
「有気呼吸制御タンパク」および「ArcA」と言う用語は、グローバル制御タンパクを指す。有気呼吸制御タンパクは、大腸菌ではarcAによってコードされる。
「ホスホグルコン酸デヒドラターゼ」および「Edd」と言う用語は、6−ホスホ−グルコン酸から2−ケト−3−デオキシ−6−ホスホ−グルコン酸+HOへの転換を触媒するタンパクを指す。ホスホグルコン酸デヒドラターゼの典型は、EC 4.2.1.12である。ホスホグルコン酸デヒドラターゼは、大腸菌ではeddによってコードされる。
「ホスホキャリアタンパクHPr」および「PtsH」と言う用語は、大腸菌ではptsHによってコードされるホスホキャリアタンパクを指す。「ホスホエノールピルベート−タンパクリン酸基転移酵素」および「PtsI」と言う用語は、大腸菌ではptsIによってコードされるリン酸基転移酵素EC 2.7.3.9を指す。「PTSシステム」、「グルコース−特異的IIA構成要素」、および「Crr」と言う用語は、大腸菌ではcrrによってコードされるEC 2.7.1.69を指す。PtsH、PtsI、およびCrrが、PTSシステムを構成する。
「ホスホエノールピルベート−糖リン酸転移酵素系」、「PTSシステム」、または「PTS」という用語は、ホスホエノールピルベート−依存性糖摂取システムを指す。
「メチルグリオキサールシンターゼ」および「MgsA」と言う用語は、ジヒドロキシ−アセトン−ホスフェートからメチル−グリオキサール+ホスフェートへの転換を触媒するタンパクを指す。メチルグリオキサールシンターゼの典型は、EC 4.2.3.3である。メチルグリオキサールシンターゼは大腸菌ではmgsAによってコードされる。
「アルデヒドデヒドロゲナーゼA」および「AldA」と言う用語は、HO+NAD+アルデヒドからNADH+アルコールへの転換を触媒するタンパクを指す。アルデヒドデヒドロゲナーゼAの典型は、EC 1.2.1.22である。アルデヒドデヒドロゲナーゼAは、大腸菌ではaldAによってコードされる。
「アルデヒドデヒドロゲナーゼB」および「AldB」と言う用語は、HO+NAD+アルデヒドからNADH+アルコールへの転換を触媒するタンパクを指す。アルデヒドデヒドロゲナーゼBの典型は、EC 1.2.1.22である。アルデヒドデヒドロゲナーゼBは、大腸菌ではaldBによってコードされる。
(発現が修飾される遺伝子)
「ガラクトース−プロトン同伴輸送体」および「GalP」と言う用語は、周辺質から細胞質への糖およびプロトンの輸送を触媒するタンパクを指す。D−グルコースがGalPのための好ましい基材である。ガラクトース−プロトン同伴輸送体は、大腸菌ではgalPによってコードされる。
「グルコキナーゼ」および「Glk」と言う用語は、D−グルコース+ATPからグルコース−6−ホスフェート+ADPへの転換を触媒するタンパクを指す。グルコキナーゼの典型はEC 2.7.1.2である。グルコキナーゼは、大腸菌ではglkによってコードされる。
「グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ」および「GapA」と言う用語は、グリセルアルデヒド−3−リン酸+ホスフェート+NADから3−ホスホ−D−グリセロイル−ホスフェート+NADH+Hへの転換を触媒するタンパクを指す。グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼの典型は、EC 1.2.1.12である。グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼは、大腸菌ではgapAによってコードされる。
「ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ」および「Ppc」と言う用語は、ホスホエノールピルベート+HO+COからホスフェート+オキザロ酢酸への転換を触媒するタンパクを指す。ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼの典型は、EC 4.1.1.31である。ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼは、大腸菌ではppcによってコードされる。
「YciK」と言う用語は、大腸菌ではCob(I)アラミンアデノシルトランスフェラーゼをコードする遺伝子であるbtuRに翻訳的に連結される、yciKによってコードされる推定上の酵素を指す。
「cob(I)アラミンアデノシルトランスフェラーゼ」と言う用語は、デオキシアデノシル部分のATPから還元コリノイドへの転移を担う酵素を指す。cob(I)アラミンアデノシルトランスフェラーゼの典型は、EC 2.5.1.17である。cob(I)アラミンアデノシルトランスフェラーゼは、大腸菌では遺伝子「btuR」(GenBank M21528)、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)では「cobA」(GenBank L08890)、そしてシュードモナス・デニトリフィカンス(Pseudomonas denitrificans)では「cobO」(GenBank M62866)によってコードされる。
(追加的定義)
「短1.20GIプロモーター」と言う用語は、配列番号:31を指す。「短1.5GIプロモーター」と言う用語は、配列番号:28を指す。「短1.6GIプロモーター」および「短野生型プロモーター」と言う用語は、同義的に使用され配列番号:32を指す。
「グリセロール−3−リン酸デヒドロゲナーゼ」および「G3PDH」と言う用語は、ジヒドロキシアセトンリン酸(DHAP)からグリセロール−3−リン酸(G3P)への転換を触媒する酵素活性を担うポリペプチドを指す。生体内(in vivo)G3PDHは、NADH、NADPH、またはFAD−依存性であっても良い。補助因子特異的グリセロール−3−リン酸デヒドロゲナーゼに具体的に言及する場合、「NADH−依存性グリセロール−3−リン酸デヒドロゲナーゼ」、「NADPH−依存性グリセロール−3−リン酸デヒドロゲナーゼ」およびFAD−依存性グリセロール−3−リン酸デヒドロゲナーゼ」と言う用語を使用する。概してNADH−依存性およびNADPH−依存性グリセロール−3−リン酸デヒドロゲナーゼが、(例えばgpsAによってコードされる遺伝子によって)NADHおよびNADPHを同義的に使用できるように、NADH−依存性およびNADPH−依存性グリセロール−3−リン酸デヒドロゲナーゼと言う用語は、同義的に使用される。NADH−依存性酵素(EC 1.1.1.8)は、例えばGPD1(GenBank Z74071x2)、またはGPD2(GenBank Z35169x1)、またはGPD3(GenBank G984182)、またはDAR1(GenBank Z74071x2)をはじめとするいくつかの遺伝子によってコードされる。NADPH−依存性酵素(EC1.1.1.94)は、gpsA(GenBank U321643、(cds 197911−196892)G466746およびL45246)によってコードされる。FAD−依存性酵素(EC1.1.99.5)は、GUT2(GenBank Z47047x23)、またはglpD(GenBank G147838)、またはglpABC(GenBank M20938)によってコードされる(参照によってここに編入する(特許文献6)およびその参考文献を参照されたい)。
「グリセロール−3−ホスファターゼ」、「sn−グリセロール−3−ホスファターゼ」、または「d,l−グリセロールホスファターゼ」、および「G3Pホスファターゼ」と言う用語は、グリセロール−3−リン酸および水からグリセロールおよび無機ホスフェートへの転換を触媒する酵素活性を担うポリペプチドを指す。G3Pホスファターゼは、例えばGPP1(GenBank Z47047x125)、またはGPP2(GenBank U18813x11)によってコードされる(参照によってここに編入する(特許文献6)およびその参考文献を参照されたい)。
「グリセロールキナーゼ」と言う用語は、グリセロールおよびATPからグリセロール−3−リン酸およびADPへの転換を触媒する酵素活性を担うポリペプチドを指す。高エネルギーホスフェート供与体ATPは、生理学的代替物(例えばホスホエノールピルベート)によって置き換えられも良い。グリセロールキナーゼは、例えばGUT1(GenBank U11583x19)およびglpK(GenBank L19201)によってコードされる(参照によってここに編入する(特許文献6)およびその参考文献を参照されたい)。
「グリセロールデヒドロゲナーゼ」と言う用語は、グリセロールからジヒドロキシアセトン(E.C.1.1.1.6)への、あるいはグリセロールからグリセルアルデヒド(E.C.1.1.1.72)への転換を触媒する酵素活性を担うポリペプチドを指す。グリセロールからジヒドロキシアセトンへの転換を触媒する酵素活性を担うポリペプチドは、「ジヒドロキシアセトン還元酵素」とも称される。グリセロールデヒドロゲナーゼは、NADH(E.C.1.1.1.6)、NADPH(E.C.1.1.1.72)またはその他の補助因子(例えばE.C.1.1.99.22)に依存しても良い。NADH−依存性グリセロールデヒドロゲナーゼは、例えばgldA(GenBank U00006)によってコードされる(参照によってここに編入する(特許文献6)およびその参考文献を参照されたい)。
「デヒドラターゼ酵素」、または「デヒドラターゼ」と言う用語は、グリセロール分子から生成物3−ヒドロキシプロピオンアルデヒドへの転換を触媒するあらゆる酵素活性を指す。本発明において、デヒドラターゼ酵素は、それぞれグリセロールおよび1,2−プロパンジオールである好ましい基材を有する、グリセロールデヒドラターゼ(E.C.4.2.1.30)およびジオールデヒドラターゼ(E.C.4.2.1.28)を含む。デヒドラターゼ酵素の遺伝子は、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、シトロバクター・フロインディ(Citrobacter freundii)、クロストリジウム・パストゥリアヌム(Clostridium pasteurianum)、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)、およびクレブシエラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca)で同定されている。それぞれの場合、デヒドラターゼは、大型または「α」サブユニット、中型または「β」サブユニット、および小型または「γ」サブユニットの3個のサブユニットから構成される。文献で使用される遺伝子命名法に幅広い変動があるために、表1に比較チャートを提示して、同定を容易にする。遺伝子については、例えば(非特許文献1)および(非特許文献2)でも述べられている。表1について述べると、グリセロールデヒドラターゼの大型または「α」サブユニットをコードする遺伝子としては、dhaB1、gldA、およびdhaBが挙げられ、中型または「β」サブユニットをコードする遺伝子としてはdhaB2、gldB、およびdhaCが挙げられ、小型また「γ」サブユニットをコードする遺伝子としては、dhaB3、gldC、およびdhaEが挙げられる。また表1では、ジオールデヒドラターゼの大型または「α」サブユニットをコードする遺伝子としてpduCおよびpddAが挙げられ、中型または「β」サブユニットをコードする遺伝子としてpduDおよびpddBが挙げられ、小型また「γ」サブユニットをコードする遺伝子としてpduEおよびpddCが挙げられている。
Figure 0004592418
Figure 0004592418
グリセロールおよびジオールデヒドラターゼは、グリセロールおよびその他の基材による機序ベースの自殺不活性化を受ける(非特許文献1)。「デヒドラターゼ再活性化因子」と言う用語は、デヒドラターゼ活性再活性化を担うタンパクを指す。「デヒドラターゼ再活性化活性」、「デヒドラターゼ活性を再活性化する」または「デヒドラターゼ活性を再生する」と言う用語は、基材の触媒作用ができないデヒドラターゼを基材の触媒作用ができるものに転換する現象、またはデヒドラターゼの不活性化を阻害する現象、または生体内(in vivo)のデヒドラターゼ酵素の有用な半減期を延長させる現象を指す。2種のタンパクがデヒドラターゼ再活性化因子に関与するとして同定されている(参照によってここに編入する(特許文献9)(米国特許公報(特許文献8))およびその参考文献、(非特許文献1)、(非特許文献2)、および(非特許文献10)を参照されたい)。表1において、タンパクの1つをコードする遺伝子としては、orfZ、dhaB4、gdrA、pduG、およびddrAが挙げられる。また表1において、2つのタンパクの2つめをコードする遺伝子としては、orfX、orf2b、gdrB、pduH、およびddrBが挙げられる。
「1,3プロパンジオール酸化還元酵素」、「1,3プロパンジオールデヒドロゲナーゼ」または「DhaT」と言う用語は、このような活性をコードする遺伝子が、その自然な(すなわち野生型)設定で、デヒドラターゼ酵素に物理的または転写的に結合していることが分かっていると言う条件で、3−HPAと1,3−プロパンジオールとの相互転換を触媒できる酵素活性を担うポリペプチドを指す。例えばクレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)からのdhaTの場合のように、dhaレギュロン内に遺伝子が見つかっている。表1において、1,3−プロパンジオール酸化還元酵素をコードする遺伝子としては、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、シトロバクター・フロインディ(Citrobacter freundii)、およびクロストリジウム・パストゥリアヌム(Clostridium pasteurianum)からのdhaTが挙げられる。これらの各遺伝子は、III型アルコールデヒドロゲナーゼファミリーに属するポリペプチドをコードし、保存された鉄結合モチーフを示し、3−HPAおよび1,3−プロパンジオールのNAD/NADH結合相互転換に対する優先度を有する(非特許文献11)、(非特許文献12)、および(非特許文献13)。同様の物理特性を有する酵素が、ブレビス乳酸菌(Lactobacillus brevis)およびブッフネリ乳酸菌(Lactobacillus buchneri)から単離されている(非特許文献14)。
「dhaレギュロン」と言う用語は、デヒドラターゼ活性、再活性化活性、1,3−プロパンジオール酸化還元酵素をはじめとするが、これに限定されるものではない種々の生物学的活性をコードする関連した遺伝子または読み取り枠のセットを指す。典型的にdhaレギュロンは、ここで述べるような読み取り枠dhaR、orfY、dhaT、orfX、orfW、dhaB1、dhaB2、dhaB3、およびorfZを含む。
「非特異的触媒活性」と言う用語は、3−HPAおよび1,3−プロパンジオールの相互転換を触媒するのに十分な酵素活性を担うポリペプチドを指し、特に1,3−プロパンジオール酸化還元酵素を除外する。典型的にこれらの酵素は、アルコールデヒドロゲナーゼである。このような酵素は、FADまたはFMNなどのフラビンをはじめとするが、これに限定されるものではないNAD/NADH以外の補助因子を用いても良い。例えば非特異的アルコールデヒドロゲナーゼ(yqhD)の遺伝子は、大腸菌K12菌株内で、内因的にコードされ機能的に発現することが分かっている。
「機能」または「酵素機能」と言う用語は、特異的化学反応を実施するのに要するエネルギーを変化させる酵素の触媒活性を指す。このような活性は、生成物または基材のいずれかの生産が、適切な条件下で達成されても良い、平衡状態にある反応に適用しても良いものと理解される。
「ポリペプチド」および「タンパク」と言う用語は、同義的に使用される。
「炭素基材」および「炭素源」と言う用語は、本発明の宿主微生物によって代謝されることができる炭素源、特に単糖類、オリゴ糖、多糖類、および1炭素基材またはそれらの混合物より構成される群から選択される炭素源を指す。
「宿主細胞」または「宿主微生物」と言う用語は、外来性または異種性遺伝子を受容し、それらの遺伝子を発現して活性遺伝子生成物を生産できる微生物を指す。
「外来性遺伝子」、「外来性DNA」、「異種性遺伝子」、および「異種性DNA」と言う用語は、種々の手段によって宿主微生物内に配置された、1つの生物にとって天然である遺伝物質を指す。関心のある遺伝子は、自然発生的遺伝子、変異遺伝子、または合成遺伝子であっても良い。
「形質転換」および「形質移入」と言う用語は、核酸の組み込み後の細胞中での新しい遺伝子の獲得を指す。獲得された遺伝子は、染色体DNA中に統合されても、あるいは余分の染色体複製配列として導入されても良い。「形質転換体」と言う用語は、形質転換の産物を指す。
「遺伝子改変」と言う用語は、形質転換または変異によって、遺伝因子を変化させるプロセスを指す。
「組換え型微生物」および「形質転換された宿主」と言う用語は、異種性または外来性遺伝子または相同遺伝子の余剰コピーで形質転換されているあらゆる微生物を指す。本発明の組換え型微生物は、適切な炭素基材からの1,3−プロパンジオール生産のために、グリセロール−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GPD1)、グリセロール−3−ホスファターゼ(GPP2)、グリセロールデヒドラターゼ(dhaB1、dhaB2、およびdhaB3)、デヒドラターゼ再活性化因子(orfZおよびorfX)、そして任意に1,3−プロパンジオール酸化還元酵素(dhaT)をコードする外来性遺伝子を発現する。好ましい実施形態は、これらの遺伝子で形質転換されているが、機能性のdhaTを欠く大腸菌である。大腸菌以外の宿主微生物も、3−HPAと1,3−プロパンジオールとの相互転換のために、開示された遺伝子、および1,3−プロパンジオール酸化還元酵素(dhaT)を特に除外する、非特異的触媒活性のための遺伝子を含有するように形質転換できる。
「遺伝子」とは、コード領域に先行し(5’非コード)、それに続く(3’非コード)制御配列をはじめとする、特定タンパクを発現する核酸断片を指す。「天然」および「野生型」と言う用語は、それ自体の制御配列と共に自然界に見られる遺伝子を指す。
「コードする(encoding)」および「コードする(coding)」と言う用語は、転写および翻訳機序を通じ、それによって遺伝子がアミノ酸配列を生産するプロセスを指す。具体的なアミノ酸配列をコードするプロセスは、コードされるアミノ酸における変化を引き起こさない塩基の変化が関与しても良く、あるいは1つまたは複数のアミノ酸を変更するかもしれないが、DNA配列によってコードされるタンパクの機能特性に影響しない塩基の変化が関与する、DNA配列を含むものと理解される。したがって発明は、具体的例証配列を超えて包含するものと理解される。
「単離された」と言う用語は、それが自然に結合する少なくとも1つの構成要素から除去された、タンパクまたはDNA配列を指す。
「単離された核酸分子」は、一本鎖または二重鎖の任意の合成非天然または変性ヌクレオチド塩基を含有する、RNAまたはDNAのポリマーである。DNAポリマーの形態である単離された核酸分子は、cDNA、ゲノムDNAまたは合成DNAの1つまたは複数セグメントを含んでなっても良い。
「実質的に同様」とは、1つまたは複数のヌクレオチ塩基の変化が1つまたは複数のアミノ酸の置換をもたらすが、DNA配列によってコードされるタンパクの機能特性に影響しない核酸分子を指す。「実質的に同様」とは、1つまたは複数のヌクレオチド塩基の変化が、アンチセンスまたはコサプレッション技術による遺伝子発現変化を仲介する、核酸分子の能力に影響しない核酸分子も指す。「実質的に同様」とは、アンチセンスまたはコサプレッション技術による遺伝子発現変化を仲介する能力、または結果として生じるタンパク分子の機能特性の変化に関して、結果として生じる転写物の機能特性に実質的に影響しない、本発明の核酸分子の変更(1つまたは複数ヌクレオチド塩基の欠失または挿入など)も指す。発明は、具体的例証配列を超えて包含する。
例えば特定部位で化学的に等価のアミノ酸の生産をもたらすが、コードされるタンパクの機能特性に影響しない遺伝子の変化が一般的であることは、技術分野で周知である。本発明の目的では、置換は以下の5つの群中の1つの交換として定義される。
1.小型脂肪族,非極性またはわずかに極性の残基:Ala、Ser、Thr(Pro、Gly)、
2.極性、負に帯電した残基およびそれらのアミド:Asp、Asn、Glu、Gln、
3.極性、正に帯電した残基:His、Arg、Lys、
4.大型脂肪族、非極性残基:Met、Leu、Ile、Val(Cys)、および
5.大型芳香族残基:Phe、Tyr、Trp。
したがって疎水性アミノ酸であるアミノ酸アラニンのためのコドンは、別のより疎水性が低い残基(グリシンなど)または疎水性がより高い残基(バリン、ロイシン、またはイソロイシンなど)をコードするコドンによって置換されても良い。同様に、1つの負に帯電した残基を別のものにする(グルタミン酸からアスパラギン酸など)、または1つの正に帯電した残基を別のものにする(アルギニンからリジンになど)置換をもたらす変化も機能的に等しい生成物を生産することが期待できる。
多くの場合、タンパク分子のN−末端およびC−末端部分の変化をもたらすヌクレオチド変化もタンパク活性を変更させるとは考えられない。
それぞれの提案される変更は、技術分野のルーチン技術の十分に範囲内であり、コードされる生成物の生物学的活性保持の判定も同様である。さらに当業者は、本発明によって包含される実質的に同様の配列が、厳密な条件(0.1×SSC、0.1%SDS、65℃および2×SSC、0.1%SDSでの洗浄、引き続く0.1×SSC、0.1%SDS)下で、ここで例証する配列とハイブリッド形成するそれらの能力によっても定義されることを認識する。本発明の好ましい実質的に同様の核酸断片は、そのDNA配列が、ここで報告する核酸断片のDNA配列と少なくとも80%同一の核酸断片である。より好ましい核酸断片は、ここで報告する核酸断片のDNA配列と少なくとも90%同一である。最も好ましいのは、ここで報告する核酸断片のDNA配列に少なくとも95%同一の核酸断片である。
温度および溶液イオン強度の適切な条件下で、核酸断片の一本差が形態が、別の核酸断片にアニールできる場合、核酸断片は、cDNA、ゲノムDNA、またはRNAなどの別の核酸断片に「ハイブリッド形成可能」である。ハイブリッド形成および洗浄条件は周知であり、(非特許文献15)で例証される(その内容全体を本願明細書に引用したものとする)。温度およびイオン強度条件が、ハイブリッド形成の「強度」を決定する。相同的核酸の予備スクリーニングのためには、55°のTmに対応する厳密さの低いハイブリッド形成条件が使用できる。例えば5×SSC、0.1%SDS、0.25%ミルク、およびホルムアミドや、あるいは30%ホルムアミド、5×SSC、0.5%SDS。中程度の厳密さのハイブリッド形成条件は、より高いTmに対応する。例えば40%ホルムアミド、5×または6×SSCなど。ハイブリッド形成の厳密さ次第で塩基間のミスマッチは可能であるが、ハイブリッド形成は、2つの核酸が相補的配列を含有することを要求する。核酸をハイブリッド形成する適切な厳密さは技術分野で周知の変数である、核酸の長さおよび相補性の程度に左右される。2つのヌクレオチド配列間の類似性または相同性の程度が高い程、これらの配列を有する核酸ハイブリッドのTm値は大きくなる。核酸ハイブリッド形成の相対安定性(より高いTmに対応する)は、次の順で低下する。RNA:RNA、DNA:RNA、DNA:DNA。長さが100ヌクレオチドを超えるハイブリッドでは、Tmを計算する式が導かれている((非特許文献16)参照)。より短核酸、すなわちオリゴヌクレオチドによるハイブリッド形成のためには、ミスマッチの配置がより重要になり、オリゴヌクレオチドの長さがその特異性を定める((非特許文献17)参照)。一実施形態では、ハイブリッド形成可能核酸の長さは、少なくともヌクレオチド約10個である。ハイブリッド形成可能核酸の好ましい最小の長さは、少なくともヌクレオチド約15個、より好ましくは少なくともヌクレオチド約20個、そして最も好ましくは長さは少なくともヌクレオチド30個である。さらに当業者は、温度および洗浄液塩濃度が、プローブの長さなどの要因次第で、必要に応じて調節できることを認識する。
「かなりの部分」とは、当業者による配列の手動評価によって、あるいはBLAST((非特許文献18)、www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/も参照されたい)などのアルゴリズムを使用したコンピュータ支援配列比較および同定によって、ポリペプチドまたは遺伝子の推定上の同定が得られるのに十分な、そのポリペプチドまたは遺伝子のヌクレオチド配列のアミノ酸配列を含む、アミノ酸またはヌクレオチド配列を指す。推定的にポリペプチドまたは核酸配列が既知のタンパクまたは遺伝子に相同的であると同定するためには、概して10個以上の隣接するアミノ酸または30個以上のヌクレオチド配列が必要である。さらにヌクレオチド配列に関して、20〜30個の隣接するヌクレオチドを含む遺伝子−特異的オリゴヌクレオチドプローブを遺伝子同定(例えばサザンハイブリッド形成)および単離(例えば細菌コロニーまたはバクテリオファージプラークの原位置(in situ)ハイブリッド形成)配列−依存性方法で使用しても良い。さらにプライマーを含む特定の核酸分子を得るために、塩基12〜15個の短オリゴヌクレオチドをPCRで増幅プライマーとして使用しても良い。したがってヌクレオチド配列の「かなりの部分」は、配列を含む核酸分子の特異的同定および/または単離ができるようにする十分な配列を含む。本願明細書は、1つまたは複数の特定タンパクをコードする、部分的または完全なアミノ酸およびヌクレオチド配列を教示する当業者は、ここで報告する配列の利益を持って、今や開示された配列の全てまたはかなりの部分を当業者に既知の目的のために使用できる。したがって本発明は、添付の配列表で報告されたような完全な配列、ならびに上で定義されたようなこれらの配列のかなりの部分を含む。
「相補的」と言う用語は、互いにハイブリッド形成できるヌクレオチド塩基間の関係について述べる。例えばDNAについて、アデノシンはチミンに相補的であり、シトシンはグアニンに相補的である。したがって本発明は添付の配列表で報告されるような完全な配列、ならびに実質的に同様の核酸配列に相補的な単離された核酸分子も含む。
技術分野で既知の「パーセント同一性」と言う用語は、配列を比較して判定される2つ以上のポリペプチド配列または2つ以上のポリヌクレオチド配列の関係である。技術分野で「同一性」とは、場合によっては、このような配列のストリング間の整合によって判定されるような、ポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列間の配列関連性の程度も意味する。「同一性」および「類似性」は、(非特許文献19)、(非特許文献20)、(非特許文献21)、(非特許文献22)、(非特許文献23)で述べられたものをはじめとするがこれに限定されるものではない既知の方法によって容易に計算できる。同一性を判定する好ましい方法は、試験される配列間に最大の整合を与えるように設計される。
同一性および類似性を判定する方法は、一般に入手できるコンピュータプログラムで体系化される。2つの配列間の同一性および類似性を判定する好ましいコンピュータプログラム方法としては、それらの標準デフォルト値がgap形成ペナルティ=12およびgap延長ペナルティ=4である、ニードルマン(Needleman)およびブンシュ(Wunsch)アルゴリズムを使用した、GCGプログラムパッケージにあるGCGパイルアッププログラム(非特許文献24)、BLASTP、BLASTN、およびFASTA(非特許文献25)が挙げられるが、これに限定されるものではない。BLASTXプログラムは、NCBIおよびその他の供給元から一般に入手できる(非特許文献26)、(非特許文献27)、(非特許文献28)。パーセント同一性を判定する別の好ましい方法は、ヨッタン−ハイン(Jotun−Hein)アルゴリズムを使用したDNASTARタンパクアライメントプロトコル法による(非特許文献29)。アラインメントのためのヨッタン−ハイン(Jotun−Hein)法のデフォルト変数は、複数アラインメントではgapペナルティ=11、gap長さペナルティ=3、対合アラインメントではktuple=6である。一例として、参照ヌクレオチド配列に対して少なくとも例えば95%の「同一性」を有するヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドとは、ポリヌクレオチド配列が参照ヌクレオチド配列の各100個のヌクレオチドあたり5点の変異を含んでも良いこと以外は、ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列が、参照配列と同一であることを意味する。換言すると、参照ヌクレオチド配列と少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを得るためには、参照配列中の5%までのヌクレオチドが、欠失しまたは別のヌクレオチドで置換されていても良く、あるいは参照配列中の全ヌクレオチドの5%までのヌクレオチドの数が、参照配列中に挿入されていても良い。参照配列のこれらの変異は、参照ヌクレオチド配列の5’または3’末端部位で生じても、あるいはこれの末端部位間のあらゆる位置で、参照配列中の、または参照配列中の1つまたは複数の隣接するグループ中のヌクレオチドに個別に挿入されて生じても良い。同じように参照アミノ酸配列に対して少なくとも例えば95%の同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドとは、ポリペプチド配列が参照アミノ酸の各100個のアミノ酸あたり5個までのアミノ酸の変化を含むこと以外は、ポリペプチドのアミノ酸配列が参照配列に同一であることを意味する。換言すると参照アミノ酸配列と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを得るためには、参照配列中の5%までのアミノ酸残基が欠失しまたは別のアミノ酸で置換されていても良く、あるいは参照配列中の全アミノ酸残基の5%までのアミノ酸の数が、参照配列中に挿入されていても良い。参照配列のこれらの変化は、参照アミノ酸配列のアミノまたはカルボキシ末端部位で生じても、あるいはこれらの末端部位間のあらゆる位置で参照配列中の、または参照配列中の1つまたは複数の隣接するグループ中の残基間に個別に挿入されて生じても良い。
「相同的」と言う用語は、特定の宿主細胞において天然または自然発生的なタンパクまたはポリペプチドを指す。発明は組換えDNA技術を通じて、相同的タンパクを生成する微生物を含む。
「パーセント相同性」と言う用語は、ポリペプチド間のアミノ酸配列同一性の程度を指す。第1のアミノ酸配列が第2のアミノ酸配列と同一である場合、第1および第2のアミノ酸配列は100%相同性を示す。あらゆる2つのポリペプチド間の相同性は、どちらかの配列の特定部位の整合アミノ酸総数の一次関数であり、例えば2つの配列のどちらかのアミノ酸総数の半分が同一ならば、2つの配列は50%の相同性を示すと言われる。
「コドン縮重」とは、コードされるポリペプチドのアミノ酸配列に影響しないヌクレオチド配列の変動を可能にする遺伝子コード中の分岐を指す。当業者は、特定のアミノ酸を特定化するヌクレオチドコドンの使用における、特定の宿主細胞によって示される「コドン−バイアス」について良く知っている。したがって宿主細胞における改善された発現のために遺伝子を合成する場合、コドン使用頻度が、宿主細胞の好ましいコドン使用頻度に近くなるように、遺伝子をデザインすることが望ましい。
結果として生じるタンパク分子の機能特性に実質的に影響しない、沈黙変化を生じる配列中の欠失、挿入または置換などの配列の変更も考察された。例えば遺伝子コードの縮重を反映する、あるいは特定部位で化学的に等価のアミノ酸の生産をもたらす遺伝子配列中の変化が考察された。したがって疎水性アミノ酸であるアミノ酸アラニンのコドンは、グリシンなどの疎水性がより低い別の残基、あるいはバリン、ロイシン、またはイソロイシンなどのより疎水性が高い残基をコードするコドンによって置換されても良い。同様に、グルタミン酸に換わるアスパラギン酸などの1個の負に帯電した残基の別のものによる置換をもたらす変化、またはアルギニンに換わるリジンなどの1個の正に帯電した残基の別のものによる置換をもたらす変化も、生物学的に等しい生成物を生産することが期待できる。タンパク分子のN−末端およびC−末端部分の変化をもたらすヌクレオチドの変化が、タンパクの活性を変更することは期待されない。場合によってはタンパクの生物学的活性変化の効果を研究するために、配列の変異体を作り出すことが実際望ましいかもしれない。提案される各変更は、技術分野のルーチン技術の十分に範囲内であり、コードされる生成物中の生物学的活性保持の判定についても同様である。さらに当業者は、本発明によって包含される配列が、厳密な条件下(0.1×SSC、0.1%SDS、65℃)において、ここで例証する配列とハイブリッド形成するそれらの能力によって定義されることを認識する。
「発現」と言う用語は、遺伝子生成物配列の遺伝子コードから遺伝子生成物への転写および翻訳を指す。
「プラスミド」、「ベクター」、および「カセット」と言う用語は、細胞の中心的代謝の一部ではない遺伝子を運ぶことが多く、通常環状二重鎖DNA分子の形態である染色体外の要素を指す。このような要素は、あらゆる源から誘導された一本鎖または二重鎖DNAまたはRNAの配列、ゲノム一体化配列、直鎖または環状のファージまたはヌクレオチド配列を自律的に複製するかもしれず、そこではいくつかのヌクレオチド配列が独自の構成に連結または組み換えされ、それは選択された遺伝子産物のために、適切な3’非翻訳配列と共に、プロモーター断片およびDNA配列を細胞中に導入することができる。「形質転換カセット」とは、外来性遺伝子を含有し、外来遺伝子に加えて特定の宿主細胞の形質転換を容易にする要素を有する特異性ベクターを指す。「発現カセット」とは、外来性遺伝子を含有し、外来性遺伝子に加えて外来性宿主におけるその遺伝子の促進された発現を可能にする要素を有する特異性ベクターを指す。
(組換え型生物の構築)
炭素基材の1,3プロパンジオールへの転換のために酵素経路をコードするのに必要な遺伝子を含有する組換え型生物は、技術分野で周知の技術を使用して構築されても良い。グリセロール−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GPD1)、グリセロール−3−ホスファターゼ(GPP2)、グリセロールデヒドラターゼ(dhaB1、dhaB2、およびdhaB3)、デヒドラターゼ再活性化因子(orfZおよびorfX)および1,3−プロパンジオール酸化還元酵素(dhaT)をコードする遺伝子は、クレブシエラ(Klebsiella)またはサッカロミセス(Saccharomyces)などの生来の宿主から単離され、大腸菌DH5α、ECL707、AA200、またはKLP23などの宿主菌株を形質転換するために使用された。
(遺伝子の単離)
細菌ゲノムから所望の遺伝子を得る方法は、分子生物学技術分野で一般的かつ周知である。例えば遺伝子配列が既知である場合、制限エンドヌクレアーゼ消化によって適切なゲノムライブラリーを作り出しても良く、所望の遺伝子配列に相補的なプローブでスクリーンしても良い。配列が単離されると、適切なベクターを使用して、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などの標準プライマーに特異的な増幅方法(米国特許公報(特許文献14))を使用してDNAを増幅し、形質転換に適したDNAの総量を得ても良い。
代案としては、コスミドライブラリーを作り出して、ゲノムDNAの大型セグメント(35〜45kb)をベクター内にパッケージして、適切な宿主を形質転換するのに使用しても良い。コスミドベクターは、大量のDNAを収容できることにおいてユニークである。概してコスミドベクターは、外来性DNAのパッケージングとそれに引き続く環化に必要なcosDNA配列の少なくとも1つのコピーを有する。これらのベクターはcos配列に加えて、ColE1などの複製の原点、およびアンピシリンまたはネオマイシンに抵抗性の遺伝子などの薬剤耐性マーカーも含有する。適切な細菌宿主の形質転換のためにコスミドベクターを使用する方法は、(非特許文献30)で詳しく述べられている。
典型的にコスミドをクローン化するには、適切な制限エンドヌクレアーゼを使用して外来性DNAを単離し、適切なリガーゼを使用して、コスミドベクターのcos領域に隣接させてライゲートする。線形化した外来性DNAを含有するコスミドベクターは、次にバクテリオファージなどのDNAパッケージングビヒクルと反応させられる。パッケージングプロセスにおいて、cos部位は分割され、外来性DNAは細菌ウイルス粒子の頭部分内にパッケージされる。次にこれらの粒子は、大腸菌などの適切な宿主細胞に形質移入するために使用される。細胞内に注入されると、外来性DNAはcos粘着末端の影響下で環化する。このようにして外来性DNAの大型セグメントは、組換え型宿主細胞に導入され発現できる。
(グリセロールデヒドラターゼ(dhaB1、dhaB2、およびdhaB3)、デヒドラターゼ再活性化因子(orfZおよびorfX)、および1,3プロパンジオールデヒドロゲナーゼ(dhaT)をコードする遺伝子の単離およびクローン化)
本発明のコンテクストで、コスミドベクターおよびコスミド形質転換法を使用して、グリセロールを1,3−プロパンジオールにプロセスできる遺伝子をプロセスすることが知られている細菌属から、ゲノムDNAの大型セグメントをクローン化した。具体的には技術分野で周知の方法によってK.ニューモニエ(pneumoniae)からゲノムDNAを単離し、コスミドベクターSupercos 1への挿入のために制限酵素Sau3Aで消化して、GigapackIIパッケージング抽出物を使用してパッケージした。ベクターの構築に続いて、大腸菌XL1−Blue MR細胞をコスミドDNAで形質転換した。グリセロール存在下で細胞を培養し、培養液を1,3−プロパンジオール形成について分析して、グリセロールを1,3−プロパンジオールに転換する能力について形質転換体をスクリーンした。
1,3−プロパンジオール陽性形質転換体の2つを分析し、コスミドをpKP1およびpKP2と命名した。DNA配列決定からは、C.フロインディ(freundii)からのグリセロールデヒドラターゼ遺伝子との高度な相同性が明らかになり、これらの形質転換体がグリセロールデヒドラターゼ遺伝子をコードするDNAを含有することが実証された。その他の1,3−プロパンジオール陽性形質転換体を分析し、コスミドをpKP4およびpKP5と命名した。DNA配列決定からは、これらのコスミドがジオールデヒドラターゼ遺伝子をコードするDNAを運ぶことが明らかになった。
本発明はクレブシエラ(Klebsiella)コスミド内からの単離された遺伝子を利用するが、デヒドラターゼ遺伝子およびデヒドラターゼ再活性化因子遺伝子の代案の供給源としては、シトロバクター(Citrobacter)、クロストリジア(Clostridia)、およびサルモネラ(Salmonella)(表1参照)が挙げられるが、これに限定されるものではない。
(G3PDHおよびG3Pホスファターゼをコードする遺伝子)
本発明は、宿主細胞内でのG3PDHおよびG3Pホスファターゼ活性の発現に適した遺伝子を提供する。
G3PDHをコードする遺伝子は既知である。例えばGPD1は、サッカロミセス(Saccharomyces)から単離されている(非特許文献3)。同様に、G3PDH活性は、サッカロミセス(Saccharomyces)から単離されており、GPD2によってコードされている(非特許文献31)。
本発明の目的では、ジヒドロキシアセトンリン酸(DHAP)からグリセロール−3−リン酸(G3P)への転換を触媒できる、NADH−依存性G3PDH活性を担うポリペプチドをコードするあらゆる遺伝子が適切であることが考察された。さらに本発明において、遺伝子DAR1、GPD1、GPD2、GPD3、およびgpsAに対応するNADH−依存性G3PDHのアミノ酸配列をコードするあらゆる遺伝子が機能性であることが考察され、そこではアミノ酸配列が、酵素機能を変更しないアミノ酸置換、欠失または付加を包含しても良い。当業者は、その他の供給源から単離されたG3PDHをコードする遺伝子も本発明で適切であることを理解するであろう。G3Pホスファターゼをコードする遺伝子は既知である。例えばGPP2は、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)から単離されている(非特許文献6)。
本発明の目的では、G3Pホスファターゼ活性をコードするあらゆる遺伝子が方法で使用するのに適し、そこでは活性がグリセロール−3−リン酸およびHOから、グリセロールおよび無機ホスフェートへの転換を触媒できる。さらにG3Pホスファターゼ酵素の機能を変更しないアミノ酸置換、欠失または付加を包含するあらゆるアミノ酸配列をはじめとする、遺伝子GPP2およびGPP1に対応するG3Pホスファターゼのアミノ酸配列をコードするあらゆる遺伝子が、本発明で機能性である。当業者は、その他の供給源から単離されるG3Pホスファターゼをコードする遺伝子も本発明で適切であることを理解するであろう。
(宿主細胞)
1,3−プロパンジオールの組換え型による生産のための適切な宿主細胞は、原核生物または真核生物のどちらであっても良く、1,3−プロパンジオール経路のために活性酵素を発現する宿主細胞能力によってのみ制限される。適切な宿主細胞は、シトロバクター(Citrobacter)、エンテロバクター(Enterobacter)、クロストリジウム(Clostridium)、クレブシエラ(Klebsiella)、アエロバクター(Aerobacter)、乳酸桿菌(Lactobacillus)、アスペルギルス(Aspergillus)、サッカロミセス(Saccharomyces)、分裂酵母(Schizosaccharomyces)、チゴサッカロミセス(Zygosaccharomyces)、ピチア(Pichia)、クリヴェロミセス(Kluyveromyces)、カンジダ(Candida)、ハンゼヌラ(Hansenula)、デバリオミセス(Debaryomyces)、ケカビ(Mucor)、トルロプシス(Torulopsis)、メチロバクター(Methylobacter)、エシェリキア(Escherichia)、サルモネラ(Salmonella)、バシラス(Bacillus)、ストレプトマイセス(Streptomyces)、およびシュードモナス(Pseudomonas)などの微生物である。本発明で好ましいのは、大腸菌、エシェリキア・ブラタエ(Escherichia blattae)、クレブシエラ(Klebsiella)、シトロバクター(Citrobacter)、およびアエロバクター(Aerobacter)である。最も好ましいのは大腸菌(KLP23(特許文献15)、RJ8.n(ATCC PTA−4216),大腸菌:FMP’::Km(ATCC PTA4732)、MG1655(ATCC 700926))である。
(ベクターおよび発現カセット)
本発明は、適切な宿主細胞へのG3PDH、G3Pホスファターゼ、デヒドラターゼ、およびデヒドラターゼ再活性化因子のクローン化、形質転換、および発現に適した多様なベクター、および形質転換および発現カセットを提供する。適切なベクターは、用いられる微生物と適合性のものである。適切なベクターは、例えばバクテリア、ウイルス(バクテリオファージT7またはM−13由来ファージなど)、コスミド、酵母または植物から誘導できる。このようなベクターを得て使用するプロトコルは技術分野で既知である(非特許文献30)。
所望の宿主細胞においてG3PDHおよびG3Pホスファターゼ遺伝子(それぞれDAR1およびGPP2)の発現を駆動させるのに有用なイニシエーション調節領域、またはプロモーターは多数有り、当業者にはよく知られている。CYC1、HIS3、GAL1、GAL10、ADH1、PGK、PHO5、GAPDH、ADC1、TRP1、URA3、LEU2、ENO、およびTPI(サッカロミセス(Saccharomyces)における発現に有用)、AOX1(ピチア(Pichia)における発現に有用)、およびlac、trp、λP、λP、T7、tac、およびtrc(大腸菌における発現に有用)をはじめとするが、これに限定されるものではない、実質的にこれらの遺伝子を駆動できるあらゆるプロモーターが、本発明において適切である。
また終止調節領域は、好ましい宿主に生来の種々の遺伝子から誘導されても良い。任意に、終止部位は必要ないかもしれないが、含まれれば最も好ましい。
本酵素の効果的な発現のためには、発現が適切なメッセンジャーRNAの形成に帰結するように、酵素をコードするDNAが、イニシエーションコドンを通じて、選択された発現調節領域に作動可能に連結する。
本発明で特に有用なのは、ベクターpSYCO101、pSYCO103、pSYCO106、およびpSYCO109である。必須要素は、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)および出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)から単離されたdhaレギュロンに由来する。それぞれが3つの個別のオペロンに配列された読み取り枠dhaB1、dhaB2、dhaB3、dhaX、orfX、DAR1、およびGPP2を含み、それらのヌクレオチド配列はそれぞれ配列番号:65、配列番号:66、配列番号:67、および配列番号:68を与えられる。ベクター間の違いは、以下のチャートで例示される[接頭語「p−」はプロモーターを示す。各「( )」内に含有される読み取り枠は、オペロンの組成を表す]。
pSYCO101(配列番号:65):
p−trc(Dar1_GPP2)その他の2つの経路オペロンと比較して反対向き、
p−1.6longGI(dhaB1_dhaB2_dhaB3_dhaX)、および
p−1.6longGI(orfY_orfX_orfW)。
pSYCO103(配列番号:66):
p−trc(Dar1_GPP2)その他の2つの経路オペロンと比較して同じ向き、
p−1.5longGI(dhaB1_dhaB2_dhaB3_dhaX)、および
p−1.5longGI(orfY_orfX_orfW)。
pSYCO106(配列番号:67):
p−trc(Dar1_GPP2)その他の2つの経路オペロンと比較して同じ向き、
p−1.6longGI(dhaB1_dhaB2_dhaB3_dhaX)、および
p−1.6longGI(orfY_orfX_orfW)。
pSYCO109(配列番号:68):
p−trc(Dar1_GPP2)その他の2つの経路オペロンと比較して同じ向き、
p−1.6longGI(dhaB1_dhaB2_dhaB3_dhaX)、および
p−1.6longGI(orfY_orfX)。
(適切な宿主の形質転換および1,3−プロパンジオール生産のための遺伝子発現)
ひとたび適切なカセットが構築されると、それらは適切な宿主細胞を形質転換するために使用される。G3PDH、G3Pホスファターゼ、デヒドラターゼ、およびデヒドラターゼ再活性化因子をコードする遺伝子を含有するカセットの宿主細胞内への導入は、形質転換(例えばカルシウム透過化処理細胞、電気穿孔法を使用した)によって、あるいは組換え型ファージウイルスを使用した形質移入などの既知の手順によって達成されても良い(非特許文献30)。
一般方法および実施例で完全に述べるように、本発明では大腸菌を形質転換するのにカセットを使用した。
(変異体)
例証される細胞に加えて、本方法が、特に1,3プロパンジオールの生産を亢進するようにデザインされた単一または複数の変異を有する細胞を使用できることが考察された。炭素供給原料を非生成経路に通常迂回させる、あるいは顕著な異化代謝産物抑制を示す細胞は、これらの表現型の欠陥を防ぐように変異できる。例えば多くの野生型細胞は、培養液中のグルコースおよび副産物からの異化代謝産物抑制を受け、グルコース抑制に抵抗性の1,3−プロパンジオール生産をできるこれらの野生型生物の変異株菌株が、本発明において特に有用であることが考察された。
変異体を作り出す方法は、技術分野で一般的であり周知である。例えば野生型細胞を放射線または化学的突然変異誘発要因などの多様な作用物質に曝して、次に所望の表現型をスクリーニングしても良い。放射線を通じて変異を作り出す場合、紫外線(UV)またはイオン化放射線のどちらかが使用できる。遺伝的変異に適した短波UVの波長は200nm〜300nmの範囲内にあり、254nmが好ましい。この波長のUV放射線は、主に核酸配列内でグアニジンおよびシトシンから、アデニンおよびチミジンへの変化を引き起こす。あらゆる細胞はUV誘発性変異のほとんどを修復するDNA修復機序を有するので、カフェインおよびその他の阻害剤などの作用物質を添加して修復プロセスを妨げ、効果的な変異の数を最大化しても良い。300nm〜400nm範囲の光を使用した長波UV変異も可能であるが、DNAと相互作用するソラレン染料などの種々の活性化因子と共に使用されない限り、概して短波長UV光ほど効果的でない。
化学物質による突然変異誘発も変異体を発生させるのに効果的であり、一般に使用される物質としては、非複製DNAに影響するHNOおよびNHOHなどの化学薬品、ならびにフレームシフト変異を引き起こすアクリジン染料などの複製DNAに影響することが顕著な作用薬が挙げられる。放射線または化学物質を使用して変異体を作り出す具体的方法は、技術分野で文書で十分に立証されている。例えば参照によってここに編入する(非特許文献32)または(非特許文献33)を参照されたい。
突然変異誘発が生じた後、所望の表現型を有する変異体は、多様な方法によって選択されても良い。ランダムスクリーニングが最も一般的であり、突然変異を起こした細胞が所望の生成物または中間体を生産する能力について選択される。代案としては、突然変異を起こした細胞集団を抵抗性コロニーのみが生育できる選択培養液で培養して、変異体の選択的単離が実施できる。変異株選択の方法は、微生物工学技術分野で高度に発達し周知である。例えば(非特許文献32)、(非特許文献34)を参照されたい。
上述の変異体を作り出す方法に加えて、炭素基材から1,3−プロパンジオールへの転換に関与する選択された遺伝子を、当業者に既知の多様な方法によってアップレギュレートまたはダウンレギュレートしても良い。遺伝子のアップレギュレートまたはダウンレギュレートは、例えば対応する(または変更されていない)野生型遺伝子によってコードされるタンパクの活性などの対照活性レベルに対する、遺伝子によってコードされるタンパク活性の変化を指すことはよく理解されている。
(アップレギュレート)
酵素経路に関与する特異的遺伝子をアップレギュレートして、それらがコードする機能の活性を増大させても良い。例えば選択された遺伝子の追加的コピーを宿主細胞内にpBR322などの多コピープラスミド上に導入しても良い。このような遺伝子はまた、適切な制御配列を持つ染色体中に統合されて、それらのコードされる機能の活性増大をもたらしても良い。ターゲット遺伝子は、非天然プロモーターまたは変性天然プロモーターの調節の下にあるように修飾されても良い。内在性プロモーターは、変異、欠失、および/または置換によって、生体内(in vivo)で変性できる。
(ダウンレギュレート)
代案としては特定遺伝子の発現を所定の活性レベルに対して減少させる、または排除することが有用かもしれない。本発明の目的では、減少と排除を区別することが有用である。遺伝子の「ダウンレギュレート」および「ダウンレギュレートする」と言う用語は、減少を指すが、コードされるタンパクの活性の完全排除ではない。遺伝子をダウンレギュレートするおよび撹乱する方法は、当業者に既知である。
ダウンレギュレートは、コード領域および/または制御(プロモーター)領域の欠失、挿入、または変化によって生じさせることができる。特定のダウンレギュレートは、無作為変異とそれに続くスクリーニングまたは選択によって、あるいは遺伝子配列が既知である場合、当業者に既知の分子生物学的方法による直接介入によって得ても良い。特に有用であるが、これに限らないダウンレギュレートをもたらす方法は、プロモーター強度の変更である。
(撹乱)
遺伝子の撹乱は、例えば1)コード領域および/または制御(プロモーター)領域を欠失させる、2)外来性核酸配列をコード領域および/制御(プロモーター)領域に挿入する、および3)(例えばDNA塩基対変化を作り出すことによって)コード領域および/または制御(プロモーター)領域を変化させることで生じるかもしれない。このような変化は、関心のあるタンパクの発現を妨げ、あるいは非機能的タンパクの発現をもたらす。特定の撹乱は、無作為変異とそれに続くスクリーニングまたは選択によって、あるいは遺伝子配列が既知である場合、特定の撹乱は、当業者に既知の分子生物学的方法による直接介入によって得ても良い。特に有用な方法は、顕著な量のコード領域および/または制御(プロモーター)領域の欠失である。
組み換えタンパク発現を変化させる方法は、当業者に既知であり、(非特許文献35)、(非特許文献36)、(非特許文献37)、(非特許文献38)、(非特許文献39)、および(非特許文献40)で、ある程度考察されている。
(1,3−プロパンジオール生産経路における変化)
(代表的酵素経路)
グルコースからの1,3−プロパンジオールの生産は、以下の一連のステップによって達成できる。この一連のステップは、当業者に既知のいくつかの経路の代表的なものである。グルコースは解糖経路の酵素によって、一連のステップでジヒドロキシアセトンリン酸(DHAP)および3−ホスホグリセルアルデヒド(3−PG)に転換される。次にグリセロールは、DHAPのジヒドロキシアセトン(DHA)への加水分解とそれに続く還元、あるいはDHAPのグリセロール3−リン酸(G3P)への還元とそれに続く加水分解のいずれかによって形成される。加水分解ステップは、それらの基材について非特異的であることが分かっているいくつかの細胞ホスファターゼのいずれかによって触媒でき、あるいは活性は、組み換えによって宿主に導入できる。還元ステップはNAD(またはNADP)結合宿主酵素によって触媒でき、あるいは活性は、宿主に組み換えによって導入できる。dhaレギュロンが、式3の可逆性反応を触媒するグリセロールデヒドロゲナーゼ(E.C.1.1.1.6)を含有することは、注目に値する。
グリセロール→3−HPA+HO(式1)
3−HPA+NADH+H→1,3プロパンジオール+NAD(式2)
グリセロール+NAD→DHA+NADH+H(式3)
グリセロールは、上で詳述したように中間体3−ヒドロキシ−プロピオンアルデヒド(3−HPA)を経由して1,3−プロパンジオールに転換される。中間体3−HPAは、宿主によってコードできる、または組み換えによって宿主に導入できるデヒドラターゼ酵素によってグリセロールから生産される(式1)。このデヒドラターゼは、グリセロールデヒドラターゼ(E.C.4.2.1.30)、ジオールデヒドラターゼ(E.C.4.2.1.28)、あるいはこの形質転換を触媒できるあらゆるその他の酵素であることができる。ジオールデヒドラターゼを除くグリセロールデヒドラターゼは、dhaレギュロンによってコードされる。1,3−プロパンジオールは、NAD−(またはNADP)結合宿主酵素によって3−HPAから生産され(式2)、あるいは活性は組み換えによって宿主内に導入できる。1,3−プロパンジオール生産におけるこの最後の反応は、1,3−プロパンジオールデヒドロゲナーゼ(E.C.1.1.1.202)またはその他のアルコールデヒドロゲナーゼによって触媒できる。
(炭素チャネリングに影響する変異および形質転換)
1,3−プロパンジオール生産経路の変動を含む多様な変異微生物は、本発明において有用であろう。1,3−プロパンジオール生産経路の中間体の代案の経路を遮断する変異もまた、本発明に有用であろう。例えばグリセロールキナーゼの除外は、G3Pホスファターゼの作用によってG3Pから形成されるグリセロールが、ATPを消費してG3Pに再転換されるのを防止する。またグリセロールデヒドロゲナーゼ(例えばgldA)の除外は、NADH−依存性グリセロール−3−リン酸デヒドロゲナーゼの作用によってDHAPから形成されるグリセロールが、ジヒドロキシアセトンに転換されるのを防止する。変異は、酵素活性を障害するまたは改善するように構造遺伝子に向けることができ、あるいは酵素活性の発現レベルを調節するように、プロモーター領域およびリボゾーム結合部位をはじめとする制御遺伝子に向けることができる。
従って1,3−プロパンジオール生産の亢進のため特定の酵素活性を調節するように、形質転換および変異を組み合わせられることが考察された。従って1,3−プロパンジオールの生産増大をもたらす、ホールセル触媒の変更を期待することは、本発明の範囲内である。
本発明は、糖基材からの1,3−プロパンジオールの生産のために、炭素フローがグルコースからDHAP、G3P、グリセロール、3−HPA、そして最後に1,3−プロパンジオールに移動する、好ましい経路を利用する。本生産菌株は、炭素から非生産的化合物への転換を妨げる種々の欠失変異を組み込むことで、経路の代謝効率を最大化するために遺伝子操作されている。上述のように、グリセロールは、グリセロールデヒドロゲナーゼまたはグリセロールキナーゼを通じたDHAまたはG3Pのどちらかへの形質転換により、3HPAへの転換から迂回されても良い。したがって本生産菌株は、gldAandglpK遺伝子に欠失変異を含有する。同様にDHAPは、トリオースリン酸イソメラーゼによって3−PGに迂回させても良いので、本生産微生物はこの遺伝子にも欠失変異を含有する。本方法は、グリセロールから3HPAへの転換のためにデヒドラターゼ酵素をさらに組み込み、それはdhaレギュロンのorfXおよびorfZによってコードされる再活性化因子と協力して機能する。3HPAの1,3−プロパンジオールへの転換は、典型的に1,3−プロパンジオール酸化還元酵素を通じて達成されるが、本方法は、最終生成物1,3プロパンジオールのより大きな力価および収率を生じる、非特異的触媒活性を利用する。このような方法では、1,3−プロパンジオールの少なくとも10g/Lの力価が達成され、200g/Lの力価が期待される。
代案としては、1,3−プロパンジオール生産のための改善された方法が、グリセロールまたはジヒドロキシアセトンを基材として用いても良く、そこでは経路が、最後の3つの基材、グリセロール→3HPA→1,3−プロパンジオールのみを含む。このような方法でもまた、非特異的触媒活性(アルコールデヒドロゲナーゼであることが期待される)の利益となるように酸化還元酵素は除外されるが、培養物にグリセロールを添加するエネルギーへの考慮から、欠失変異の必要性は帳消しになる。このような方法では、少なくとも71g/Lの1,3−プロパンジオールの力価が得られ、200g/Lの力価が期待される。
同様に、dhaT活性の欠失または変異によって修飾されている野生型微生物の変異体を提供して、改善された1,3−プロパンジオール生産株を作り出すことも発明の範囲内である。例えば1,3−プロパンジオール酸化還元酵素活性をコードするdhaT遺伝子を不活性化するように、dhaレギュロンの全ての要素を自然に含有する微生物を操作しても良い。これらの微生物は、アルコールデヒドロゲナーゼであることが期待される内在性触媒活性の存在によって仲介されて、より高い収率および力価の1,3−プロパンジオールを生産することが期待される。このような微生物の例としては、クレブシエラ(Klebsiella)種、シトロバクター(Citrobacter)種、およびクロストリジウム(Clostridium)種が挙げられるが、これに限定されるものではない。
(培養液および炭素基材)
本発明の発酵培養液は、適切な炭素基材を含有しなくてはならない。適切な基材としては、グルコースおよびフルクトースなどの単糖類、そしてラクトースまたはスクロースなどのオリゴ糖が挙げられるが、これに限定されるものではない。
本発明では、好ましい炭素基材はグルコースである。
適切な炭素源に加えて、発酵培養液は、培養物の生育、および1,3−プロパンジオール生産に必要な酵素経路の促進に適した、当業者に既知の適切なミネラル、塩、補助因子、緩衝液およびその他の構成要素を含有しなくてはならない。Co(II)塩および/またはビタミンB12またはその前駆物質に特別な注意が払われる。
アデノシル−コバラミン(補酵素B12)は、デヒドラターゼ活性のための必須補助因子である。補酵素B12の合成は原核生物に見られ、例えばエシェリキア・ブラタエ(Escherichia blattae)、クレブシエラ(Klebsiella)種、シトロバクター(Citrobacter)種、およびクロストリジウム(Clostridium)種など化合物を新規(de novo)に合成できるものもあり、一方他のものは部分的反応を遂行できる。例えば大腸菌は、コリン環構造を作ることができないが、コビナミドのコリノイドへの転換を触媒でき、5’−デオキシアデノシル基を導入できる。したがってビタミンB12などの補酵素B12前駆物質が、大腸菌発酵中に提供されなくてはならないことは、技術分野で既知である。
大腸菌発酵へのビタミンB12添加は、一定の速度で連続的に、または細胞集団の生成と同時に段階的に添加しても良く、あるいは単一または複数の大量瞬時添加で添加しても良い。細胞集団(OD550)に供給されるビタミンB12(mg)の好ましい比率は、0.06〜0.60である。細胞集団(OD550)に供給されるビタミンB12(mg)の最も好ましい比率は、0.12〜0.48である。
本発明の形質転換大腸菌にはビタミンB12が添加されるが、新規(de novo)B12生合成できるその他の微生物もまた適切な生産細胞であり、これらの微生物へのB12の添加が不必要であることが考察された。
(培養条件)
典型的に細胞は、35℃において適切な培養液中で培養された。本発明の好ましい生育培養液は、ルリア・ベルターニ(Luria Bertani)(LB)ブロス、サブロー・デキストロース(Sabouraud Dextrose)(SD)ブロス、またはイースト培地(Yeast medium)(YM)ブロスなどの一般的な商業的に調製された培養液である。その他の特定または合成培養液を使用しても良く、特定微生物の生育に適した培養液は、微生物または発酵科学の当業者には既知である。異化代謝産物抑制を直接または間接的に調節することが知られている、例えば環状アデノシン2’:3’−モノホスフェートなどの作用薬の使用を反応培養液中に組み込んでも良い。同様に1,3−プロパンジオール生産の亢進をもたらす酵素活性(例えばメチルビオロゲン)を調節することが知られている作用薬を遺伝子操作と併せて、あるいはそれに対する代案として使用しても良い。
発酵に適したpHはpH5.0〜9.0の範囲であり、pH6.0〜pH8.0が初期条件として好ましい。
反応は好気的または嫌気的条件下で実施しても良く、微生物の要件に基づいて好気的、無酸素、または嫌気的条件が好ましい。
流加バッチ発酵は、例えば限定的または過剰なグルコースなどの炭素供給と共に実施しても良い。
(バッチおよび連続発酵)
本方法は、バッチ発酵法を用いる。古典的なバッチ発酵は閉鎖システムであり、そこでは培養液の組成が発酵の最初に設定され、発酵中の人為的変化を受けない。したがって発酵開始時に培養液に所望の微生物または微生物を接種し、発酵を起こさせてシステムには何も添加しない。しかし典型的には「バッチ」発酵は、炭素源の添加に関するバッチであり、pHおよび酸素濃度などの因子の調節が試みられることが多い。バッチシステムでは、システムの代謝産物および生物質量組成は、発酵が停止する時点まで常に変化する。バッチ培養内で細胞は、静的な遅滞期から高い対数増殖期へ、そして最後に成長率が減退または停止する静止期へ調節される。処置を施さない場合、静止期にある細胞はやがて死滅する。対数期にある細胞が、概して最終生成物または中間体の生産の大部分を担う。
標準バッチシステムのバリエーションが、流加バッチシステムである。流加バッチ発酵プロセスも本発明において適切であり、発酵の進行と共に基材が段階的に添加されること以外は、典型的なバッチシステムを含む。流加バッチシステムは、異化代謝産物抑制が細胞の代謝を阻害する傾向があって、培養液中に限定量の基材を有することが望ましい場合に有用である。流加バッチシステム中の実際の基材濃度の測定は困難であるので、pH、溶存酸素、およびCOなどの排ガス分圧などの測定可能因子の変化に基づいて推定される。バッチおよび流加バッチ発酵は、技術分野で一般的であり周知であって、実例は(非特許文献32)にある。
本発明はバッチモードで実施されるが、方法が連続発酵法に適合性であるかどうかが考察された。連続発酵は、開放システムであり、特定発酵培養液が生物反応器に継続的に添加され、等量の調整済み培養液が同時に処理のために除去される。連続発酵は、概して培養を一定の高密度に維持し、細胞は主に対数増殖期にある。
連続発酵は、細胞増殖または最終生成物濃度に影響する、1つの因子またはいくつもの因子のモジュレーションを可能にする。例えば一方法は、炭素源または窒素などの栄養制限物質レベルを定率に維持し、その他の全パラメータを調節できるようにする。その他のシステムでは、培養液の濁度によって測定される細胞濃度を一定に保ったまま、増殖に影響するいくつかの因子を継続的に変化させられる。連続システムは、定常状態増殖条件を維持することを目指すので、培養液を抜き取ることによる細胞の損失は、発酵中の細胞成長率に対して均衡を保たれなくてはならない。連続発酵プロセスのために栄養素および増殖因子をモジュレートする方法、ならびに生成物形成速度を最大化する技術は、工業微生物学の技術分野で周知であり、多様な方法が(非特許文献32)によって詳述されている。
バッチ、流加バッチ、または連続プロセスを使用して本発明を実施すること、およびあらゆる既知の発酵様式が適することが考察された。さらに細胞を基材上にホールセル触媒として固定し、1,3−プロパンジオール生産の発酵条件に曝すことが考察された。
(1,3−プロパンジオールの同定および精製)
発酵培養液からの1,3−プロパンジオールの精製方法は、技術分野で既知である。例えば反応混合物を有機溶剤、蒸留、およびカラムクロマトグラフィ(米国特許公報(特許文献16))によって抽出することで、細胞培養液からプロパンジオールを得られる。この方法に特に良好な有機溶剤は、シクロヘキサン(米国特許公報(特許文献17))である。
1,3−プロパンジオールは、培養液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析することで、直接同定しても良い。本発明で好ましいのは、発酵培養液がアイソクラティック様式の0.01N硫酸の移動相を使用して、分析イオン交換カラム上で分析される方法である。
(一般方法および材料)
リン酸化、ライゲーション、および形質転換の手順は、技術分野で周知である。以下の実施例で使用するのに適した技術は、(非特許文献30)にある。
細菌培養の維持および増殖に適した材料と方法は、技術分野で周知である。以下の例で使用するのに適した技術は、(非特許文献41)または(非特許文献32)にある。細菌細胞の生育および維持のために使用される全ての試薬および材料は、特に断りのない限り、ウィスコンシン州ミルウォーキーのアルドリッチケミカルズ(Aldrich Chemicals(Milwaukee,WI))、ミシガン州デトロイトのディフコラボラトリーズ(DIFCO Laboratories(Detroit,MI))、メリーランド州ゲーサーズバーグのギブコ/BRL(GIBCO/BRL(Gaithersburg,MD))、またはミズーリ州セントルイスのシグマケミカル(Sigma Chemical Company(St.Louis,MO))から得られた。
略語の意味は次のとおり。「hr」は時間を意味し、「min」は分を意味し、「sec」は秒を意味し、「d」は日を意味し、「mL」はミリリットルを意味し、「L」はリットルを意味し、50ampは50μg/mLのアンピシリンであり、そしてLB−50ampは50μg/mLのアンピシリンを含有するルリア・ベルターニ(Luria−Bertani)ブロスである。
表中では以下の略語を使用する。「Con.」は転換、「Sel.」は炭素に基づく選択性、および「nd」は非検出。
以下の例で使用され構築される菌株およびベクターを下のチャートに列挙する。
Figure 0004592418
Figure 0004592418
菌株:
KLP23 (特許文献15)、
RJ8.n (ATCC PTA−4216)、
MG1655 ATCC 700926(市販される)
プラスミド:
pAH48 (特許文献18)
pDT29 (特許文献15)
pKP32 (特許文献15)
pSYCO101 配列番号:65
pSYCO103 配列番号:66
pSYCO106 配列番号:67
pSYCO109 配列番号:68
プラスミドpKD3、pKD4、pKD13およびpKD46、およびpCP20については(非特許文献42)で述べられている。プラスミドpLoxCat2およびpJW168については、(非特許文献43)で述べられている。
(遺伝子ノックアウト、プロモーター置換、および染色体変異導入のための染色体組み込み)
DNAを染色体の特定領域に統合するためには、挿入するDNAの目的染色体部位に対する相同性および選択マーカーが必要である。組み込み後にマーカーが容易に除去できれば有利である。P1ファージからのloxP/Creリコンビナーゼシステム、および酵母からのFRT/Flpリコンビナーゼシステムが、マーカーを除去する機序を提供する。loxPおよびFRT部位は、CreおよびFlpリコンビナーゼのための認識部位である。CreおよびFlpは部位特異的リコンビナーゼであり、直接的反復認識部位から介在性DNAを切除する。
目的染色体部位に相同的なアームを含有し、loxP(非特許文献43)またはFRT(非特許文献42)部位が隣接する選択マーカーをコードする組み込みカセットは、pKD46を含む目的細胞に形質転換される(非特許文献42)。成功した組み込み体は、抗生物質存在下における細胞の増殖によって選択される。引き続いてpKD46を細胞から取り除き、次に抗生物質遺伝子の除去のために、リコンビナーゼプラスミドを組み込み体に導入する。loxPカセットと統合される菌株は、CreリコンビナーゼをコードするpJW168で形質転換される(非特許文献43)。FRTカセットを含有する菌株は、FlpリコンビナーゼをコードするpCP20で形質転換される(非特許文献42)。統合マーカーの除去後、リコンビナーゼプラスミドは菌株から取り除かれる。
P1vir形質導入を上述のようにして実施した(非特許文献44)。
(酵素アッセイ)
(グルコキナーゼ(Glk)活性のアッセイ)
グルコースからグルコース−6−ホスフェートへの転換に続いて、グルコキナーゼ反応をグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ(E.C.1.1.1.49)の反応に共役して、グルコキナーゼ(Glk)活性を340nmにおける分光測定でアッセイした。アッセイは0.5mMのNADP、5mMのATP、5mMのMgCl、および100mMのリン酸緩衝液(pH7.2)中2単位のグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼを含有した。代案のアッセイは、(非特許文献45)にある。
(グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ活性のアッセイ)
グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ活性のアッセイは、NADHの出現によって、細胞フリー抽出物中で測定した。アッセイに先だってイオン交換カラムを使用して、遠心分離した(50,000×g、1h、4℃)細胞フリーの上清を部分的に精製した。アッセイは0.2mMのグリセルアルデヒド3−リン酸、2.5mMのNAD、2mMのEDTA、5mMのシステアミン、20mMのリン酸カリウム、および40mMのトリエタノールアミン(pH8.9)を含有した。代案のアッセイは、(非特許文献45)にある。
(ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(Ppc)活性のアッセイ)
共役アッセイ(非特許文献46)によって、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(Ppc)活性を細胞フリー抽出物中で測定した。この方法は、遠心分離した(50,000×g、1h、4℃)細胞フリー抽出物サンプルを0.22mMのNADH、1.1mMのホスホエノールピルベート(PEP)、0.25mMのアセチル−CoA、および0.1Mのトリス/HCl緩衝液(pH8.5)中の6Uのリンゴ酸デヒドロゲナーゼ(MDH)を含有するキュベット内で、11mMの重炭酸水素ナトリウムおよび11mMの硫酸マグネシウムと共に、総容積1.0mLで室温において培養することを伴う。酵素およびNADHの背景反応速度をPEPの不在下で340nmで最初に判定した。第2の基材であるPEPを引き続いて添加し、経時的な吸光度の変化をさらにモニターした。全体速度から背景速度を差し引いて、Ppc活性を特定した。代案のアッセイは、(非特許文献45)にある。
(デヒドラターゼ酵素のアッセイ)
グリセロールまたは1,2−プロパンジオールのいずれかを基材として使用して、細胞フリー抽出物中のデヒドラターゼ活性を判定した。典型的には、フレンチプレスとそれに続く細胞細片の遠心分離を使用した細胞撹乱によって、細胞フリー抽出物を調製した。アルデヒドのメチルベンゾ−2−チアゾロンヒドラゾンとの反応に基づくアッセイは、(非特許文献47)で述べられている。
(非特許文献48)は、デヒドラターゼの再活性化を測定するアッセイを開示する。デヒドラターゼ活性は、トルエン添加ホールセル内で、グリセロールまたは1,2−プロパンジオールのいずれかを基材として使用して、ATP有りまたは無しで判定した。再活性化は、ATP添加有り−対−添加無しで、生成物形成比率によって判定した。生成物形成(グリセロールまたは1,2−プロパンジオールを基材としてそれぞれ使用した場合、3−HPAまたはプロピオンアルデヒド)をHPLCを使用して直接測定し、あるいはメチルベンゾ−2−チアゾロンヒドラゾン試薬を使用して間接的に測定した。代案としては、NADH結合アルコールデヒドロゲナーゼを使用したアルデヒドのそれぞれのアルコールへの転換を共役させて、NADHの消失をモニターして生成物形成を判定した。
(1,3−プロパンジオール酸化還元酵素のアッセイ)
(非特許文献11)で述べられたように1,3−プロパンジオールおよびNADを基材として使用して、1,3−プロパンジオールデヒドロゲナーゼと称されることもある、1,3−プロパンジオール酸化還元酵素の活性を溶液中で、あるいはスラブゲル中で、細胞フリー抽出物について判定した。代案としては、NADHの消失によって、3−HPAおよびNADHの1,3−プロパンジオールおよびNADへの転換を判定した。スラブゲルアッセイは、サイズ分離に基づいて、1,3−プロパンジオール酸化還元酵素(dhaT)の活性を非特異的アルコールデヒドロゲナーゼの活性から区別する潜在的利点を有する。シトロバクター・フレンディ(Citrobacter freundii)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、およびクロストリジウム・パストゥリアヌム(Clostridium pasteurianum)からの1,3−プロパンジオール酸化還元酵素(dhaT)の天然分子量は、通常大きく、330,000〜440,000ダルトン程度である。ブレビス乳酸菌(Lactobacillus brevis)およびブッフネリ乳酸菌(Lactobacillus buchneri)は、既知の1,3−プロパンジオール酸化還元酵素(dhaT)と同様の特性を有する、デヒドラターゼ連携1,3−プロパンジオール酸化還元酵素を含有する。
(グリセロール3−リン酸デヒドロゲナーゼ活性のアッセイ)
(非特許文献49)で発表された方法からの手順を下のように修正して使用した。この方法は、細胞フリー抽出物サンプルを0.2mMのNADH、2.0mMのジヒドロキシアセトンリン酸(DHAP)、および0.1Mmのトリス/HCl(pH7.5)緩衝液中の酵素を含有するキュベット内で、5mMDTTと共に、1.0mLの総量で30℃において培養することを伴う。酵素およびNADHの背景反応速度を340nmで最初に少なくとも3分間判定した。第2の基材であるDHAPを引き続いて添加し、経時的な吸光度の変化を少なくとも3分間さらにモニターした。全体速度から背景速度を差し引いて、G3PDH活性を特定した。
(グリセロール−3−ホスファターゼ活性のアッセイ)
抽出物をビス−トリスまたはMESおよびマグネシウム緩衝液(pH6.5)中で、有機リン酸基材と共に培養して、酵素活性のアッセイを実施した。使用した基材は、l−α−グリセロールホスフェート、またはd,l−α−グリセロールホスフェートのどちらかであった。アッセイ中の試薬の最終濃度は、緩衝液(20mMのビス−トリスまたは50mMのMES)、MgCl(10mM)、および基材(20mM)である。サンプル中の総タンパクが低く、酸クエンチで可視的沈殿が生じない場合、サンプルをキュベット内で都合良くアッセイした。この方法は、20mMの基材(50μL、200mM)、50mMのMES、10mMのMgCl(pH6.5)緩衝液を含有するキュベット内で、酵素サンプルを培養することを伴う。最終ホスファターゼアッセイ容積は、0.5mLであった。酵素含有サンプルを反応混合物に添加し、キュベットの内容を混合し、次にキュベットを温度37℃の循環水浴に5〜120分間入れたが、時間の長さは、酵素サンプル中のホスファターゼ活性が2〜0.02U/mLの範囲にあるかどうかに左右された。酸モリブデン試薬(0.4mL)を添加して、酵素反応をクエンチした。フィスク・スバロウ試薬(0.1mL)および蒸留水(1.5mL)を添加した後、溶液を混合して発色させた。10分間完全に発色させた後、Cary 219 UV/vis分光光度計を使用して、サンプルの吸光度を660nmで読み取った。原液無機ホスフェート溶液(0.65mM)を使用して、最終無機ホスフェート濃度が0.026〜0.130μモル/mLの範囲にある6つの標準を作成して調製された標準曲線と、放出された無機ホスフェートの量とを比較した。
(グリセロールキナーゼ活性アッセイ)
典型的に細胞フリー粗抽出物である適量の酵素を40mMのATP、20mMのMgSO、21mMの均一13C標識グリセロール(99%、ケンブリッジアイソトープラボラトリーズ(Cambridge Isotope Laboratories))および0.1Mのトリス−HCl(pH9)を含有する反応混合物に25℃で75分間かけて添加した。グリセロールからグリセロール3−リン酸への転換は、次によって検知された。13C−NMR(125MHz):グリセロール(63.11ppm、δ、J=41Hzおよび72.66ppm、t、J=41Hz);グリセロール3−リン酸(62.93ppm、δ、J=41Hz;65.31ppm、brd、J=43Hz;および72.66ppm、dt、J=6,41Hz)。
(NADH−結合グリセロールデヒドロゲナーゼアッセイ)
非変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動によるタンパク分離後に、大腸菌菌株からの細胞フリー抽出物中のNADH−結合グリセロールデヒドロゲナーゼ活性(gldA)を判定した。フェナジンメトスルフェート(PMS)を媒介物として使用して、グリセロールおよびNADから、ジヒドロキシアセトンおよびNADHへの転換を3−[4,5−ジメチルチアゾール−2−イル]−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)から濃色のホルマザンへの転換に共役させた(非特許文献50)。
天然ゲル(カリフォルニア州サンディエゴのノヴェックス(Novex(San Diego,CA))からの8〜16%TG、1.5mm、15レーンゲル)を使用して、標準手順によって電気泳動を二連で実施した。3×50mMトリスまたは炭酸カリウム緩衝液(pH9)で10分間の洗浄によって、残留グリセロールをゲルから除去した。50mMのトリスまたは炭酸カリウム(pH9)、60mgの硫酸アンモニウム、75mgのNAD、1.5mgのMTT、および0.5mgのPMSを含有する15mLのアッセイ溶液中で、グリセロール(最終濃度ほぼ0.16M)有りおよび無しで二連のゲルを展開した。
ポリアクリルアミドゲル電気泳動に続いて、精製K.ニューモニエ(pneumoniae)グリセロールデヒドロゲナーゼ(dhaD)に対して産生されるポリクローナル抗体との反応によって、大腸菌菌株(gldA)中のNADH−結合グリセロールデヒドロゲナーゼ活性の存在または不在も判定した。
(1,3−プロパンジオールの単離および同定)
(発酵生成物のHPLC分析)
グルコースから1,3−プロパンジオールへの転換をHPLCによってモニターした。標準クロマトグラフィーを使用して、分析を実施した。適切な一方法は、RI検出を使用したウォーターズ・アライエンス(Waters Alliance)HPLCシステムを用いる。カリフォルニア州ハーキュリーズのバイオラド(Biorad(Hercules、CA))からのカチオンH詰め替えカートリッジプレカラム(4.6mm×30mm)を装着し、50℃に温度調節され、流速0.4mL/minで5mMのHSOを移動相として使用した、カリフォルニア州ハーキュリーズのバイオラド(Biorad(Hercules、CA))からのアミネクス(Aminex)HPX87Hカラム(7.8mm×300mm)にサンプルを注入した。システムを毎週、既知濃度の標準に対して較正した。典型的にはグルコース、グリセロール、1,3-プロパンジオール、および酢酸の滞留時間は、それぞれ12.7分、19.0分、25.2分、および21.5分であった。
(発酵方法のGC/MS分析)
GC/MSによって1,3−プロパンジオールの生産を確認した。GC/MSの当業者が利用できる標準技術および材料を使用して、分析を実施した。適切な一方法は、ヒューレットパッカード(Hewlett Packard)5971シリーズ質量選択検出器(EI)およびHP−INNOWaxカラム(長さ30m、内径0.25mm、膜厚0.25μm)に連結された、ヒューレットパッカード(Hewlett Packard)5890シリーズIIガスクロマトグラフを使用した。生成した1,3−プロパンジオールの滞留時間および質量スペクトルを基準1,3−プロパンジオール(m/e:57,58)と比較した。
GC/MSの代案の方法は、サンプルの誘導体化を伴った。1.0mLのサンプル(例えば培養上清)に、30μLの濃(70%v/v)過塩素酸を添加した。混合後、サンプルを凍結乾燥した。凍結乾燥物質にビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミドとピリジン(300μL)との1:1混合物を添加し、激しく混合して65℃に1時間おいた。遠心分離によって不溶性物質をサンプルから除去した。結果として生じる2相に分かれた液体の上方を分析で使用した。サンプルをJ&Wサイエンティフィック(J&W Scientific)からのDB−5カラム(48m、内径0.25mm、0.25μm膜厚)上でクロマトグラフにかけ、培養上清から得られた1,3−プロパンジオール誘導体の滞留時間および質量スペクトルを基準試料から得られたものと比較した。TMS−誘導化1,3−プロパンジオールの質量スペクトルは、205、177、130、および115 AMUの特徴的イオンを含有する
(培養液組成)
TM2培養液(TM2)は基本の処方であり、それに炭素源(典型的に20g/Lまたは40g/Lのグルコース)、適切な抗生物質、およびその他の構成要素が添加される。TM2培養液は以下の構成要素を含有する。KHPO(13.6g/L)、KHPO(13.6g/L)、MgSO・7HO(2g/L)、クエン酸一水和物(2g/L)、クエン酸アンモニウム第二鉄(0.3g/L)、(NHSO(3.2g/L)、酵母抽出物(5g/L)、微量元素溶液(1ml)。pHを6.8に調節する。微量元素の溶液は、クエン酸HO(4.0g/L)、MnSO・HO(3.0g/L)、NaCl(1.0g/L)、FeSO・7HO(0.10g/L)、CoCl・6HO(0.10g/L)、ZnSO・7HO(0.10g/L)、CuSO・5HO(0.010g/L)、HBO(0.010g/L)、およびNaMoO・2HO(0.010g/L)を含有する。
TM3培養液(TM3)は、0.5g/Lの酵母抽出物を含有すること以外は、TM2培養液と同一である。
LB培養液(LB)は、5g/Lの酵母抽出物、10g/Lのトリプトン、および10g/LのNaClを含有する。LBプレート(またはLA)は、LB培養液+2%寒天である。2YT培養液(2YT)は、10g/Lの酵母抽出物、16g/Lトリプトン、および10g/LNaClを含有する。グルコース(SBG1%)添加ソイブロスは、ディフコ(Difco)からの10g/Lのソイトーン(Soytone)、5g/Lの酵母抽出物、10g/LのNaCl、および10g/Lのグルコースを含有する。
(発酵プロトコル(14L))
既述したあらゆる菌株(KLP23、RJ8.n、MB 1655)のフラスコ振盪培養は、実施例で詳細に述べるような適切な抗生物質を含有する2YT培養液またはLBのどちらかで培養して、発酵槽に接種するための前培養を作り出した。培養は、凍結保護物質として15%グリセロールと共に調製した凍結シード・バイアル、あるいは50mg/Lのスペクチノマイシン添加した新鮮なLAプレート上に生育した単一コロニーのどちらかから開始した。凍結バイアルから開始される培養は、2Lフラスコ内の500mLの特定培養液で培養し、単一コロニーを使用して前培養を開始した場合、それを250mLバッフル付きフラスコ内の30mLの特定培養液中に入れた。培養を34℃および300rpmの振盪で、OD550がほぼ1.0 AUになるまで培養して使用し、発酵槽に接種した。場合によってはシード発酵槽を使用して、生産発酵槽に接種するためにより大量の前培養を提供した。シード発酵槽は、ビタミンB12がシードタンクに添加されないこと以外は、生産発酵槽と概して同一である。シード発酵槽を使用する手順の詳細は、該当実施例で述べられている。
シードおよび生産発酵槽は、KHPO(7.5g/L)、MgSO・7HO(2g/L)、クエン酸一水和物(2g/L)、クエン酸アンモニウム第二鉄(0.3g/L)、CaCl・2HO(0.2g/L)、硫酸(98%;1.2mL/L)、泡止め剤としてのMazu DF204(0.4mL/L)、酵母抽出物(5g/L)、微量元素溶液(10ml/L)を含有する同一培養液で調製した。微量元素溶液は、クエン酸・HO(4.0g/L)、MnSO・HO(3.0g/L)、NaCl(1.0g/L)、FeSO・7HO(0.10g/L)、CoCl・6HO(0.10g/L)、ZnSO・7HO(0.10g/L)、CuSO・5HO(0.010g/L)、HBO(0.010g/L)、およびNaMoO・2HO(0.010g/L)を含有する。滅菌後、20〜28%のNHOHでpHを6.8に調節し、グルコース(60〜67%(w/w)溶液からの10〜25g/L)および適切な抗生物質(詳細は具体例参照)を添加した。接種後の発酵槽容積は6リットルであった。
14Lの撹拌されるタンク発酵槽を上述の培養液で調製した。温度を34℃に調節し、アンモニア水(20〜28重量%)を使用して、pHを6.8に調節した。背圧を0.5bargに調節し、dO調節を5%に設定した。軽微な逸脱を除いて、グルコース濃度は60〜67%(w/w)の供給で0g/L〜25g/Lに維持された。ビタミンB12の添加、およびここで述べる一般手順のその他のあらゆる変更は、実施例で言及される。
割合または%のいずれかであるモル収率は、(グリセロール生成モル+1,3−プロパンジオール生成モル)/(グルコース消費モル)を表す。概して%で示される重量収率は、(1,3−プロパンジオール生成グラム数)/(グルコース消費グラム数)を表す。
(実施例1)
(1,3−プロパンジオール生産のためのNADHデヒドロゲナーゼIIマイナス(Δndh)大腸菌株構築)
(KLndh81の構築)
コード領域にloxP511カセットを割り込ませて、ndh変異を得た。上流および下流側面領域を持つndh遺伝子(GenBank目録番号U00096参照)は、大腸菌MG1655からPCR増幅してクローン化した。ndhカセットをStuIで消化し遺伝子のほぼ中央で切断して、ndh遺伝子に対して反対向きのcat遺伝子で、loxP511−Cat−loxP511カセットをこの部位内にクローン化した。Spe IおよびEcoR Vによる消化と、それに続くブラントエンドを生成するためのフィルイン、および1.1kb断片のゲル精製により、プラスミドpLoxCat27[配列番号:1]からloxP511−Cat−loxP511カセットを得た。loxP511部位は、loxP部位の変異体である(非特許文献43)。ndh::CatカセットをPCR増幅し、KLP23適格細胞内に電気穿孔して、菌株KLndh81::Cmを作り出した。Creリコンビナーゼによってクロラムフェニコールマーカーを除去し(非特許文献43)、1個のloxP511部位を含有する96bpの中断配列が残された。この菌株をKLndh81と命名した。代案としてはコード領域をloxP部位のないCatカセットで中断してndh変異を得て、菌株KLNDH413を得た。
(RJ8.nの構築)
Klndh81::Cmからのndh側面配列およびloxP511−Cat−loxP511を含有するカセットをPCR増幅し、pUni/V5−HisTOPO[インビトロジェン(Invitrogen)]内にクローン化して、pAH111を作り出した。pAH111からのndh−loxP511−Cat−loxP511カセットを菌株RJ8/pKD46内に統合した。組換え菌株をクロラムフェニコール耐性について選択した。カセットのndhへの組み込み成功は、PCRで確認した。Creリコンビナーゼ(非特許文献43)を使用して、クロラムフェニコールマーカーを除去し、菌株RJ8.nを作り出した。
(実施例2)
(大腸菌株KLP23/pAH48/pDT29およびKLP23/pAH48/pKP32による1,3−プロパンジオールおよびグリセロール生産の比較)
プラスミドpAH48およびpDT29またはpKP32で、菌株KLP23を形質転換した。一般方法で述べたようにして、1,3−プロパンジオール(およびグリセロール)の生産を14L発酵槽内で判定した。解凍した凍結バイアルを200mg/Lのカルベニシリンおよび50mg/Lのスペクチノマイシン添加500mLの2YT中で培養し、それを使用して各発酵の前培養を調製した。フラスコの全内容物を使用して、発酵槽を接種した。発酵槽を35℃およびd6設定値10%で操作した。その他の全調節パラメータは一般方法で述べたとおりである。各発酵のビタミンB12ストラテジーは、下で詳述する。
(KLP23/pAH48/pDT29での発酵)
本実施例では、接種3時間後に開始して、16mL/時間の速度でビタミンB12(0.075g/L、500mL)を供給した。大腸菌菌株KLP23/pAH48/pDT29を使用した、グルコースから1,3−プロパンジオール(1,3PD)への転換の代表的な発酵の概要を表2.1に示す。1,3−プロパンジオールの収率は、24重量%(1,3プロパンジオールのグラム数/グルコース消費グラム数)であり、力価68g/Lの1,3−プロパンジオールが得られた。
Figure 0004592418
2倍濃度での同一ビタミンB12の供給、あるいは発酵の経時変化に沿ったビタミンB12の大量瞬時添加でも同様の結果が得られた。得られた最高力価は77g/Lであった。
(KLP23/pAH48/pKP32による改善された発酵)
大腸菌菌株KLP23/pAH48/pKP32を使用した、グルコースから1,3−プロパンジオール(1,3−PD)への転換の代表的な発酵の概要を表2.2に示す。接種3時間後に開始して、16mL/時間の速度でビタミンB12(0.150g/L、500mL)を供給した。グルコース供給の連続した添加を可能にするために、36時間後にほぼ2Lの発酵ブロスをパージした。1,3−プロパンジオールの収率は、26重量%(1,3−プロパンジオールのグラム数/グルコース消費グラム数)であり、力価112g/Lの1,3−プロパンジオールが得られた。
Figure 0004592418
半分の濃度での同一ビタミンB12の供給、あるいは発酵の経時変化に沿ったビタミンB12の大量瞬時添加でも同様の結果が得られた。得られた最高力価は114g/Lであった。
(実施例2A)
(大腸菌株RJ8/pAH48/pDT29およびRJ8/pAH48/pKP32による1,3−プロパンジオールおよびグリセロール生産の比較)
解凍した凍結バイアルを200mg/Lのカルベニシリンおよび50mg/Lのスペクチノマイシン添加500mLの2YT中で培養し、それを使用してRJ8/pAH48pDT29およびRJ8/pAH48/pKP32の前培養を調製した。フラスコの全内容物を使用して、発酵槽を接種した。発酵槽を35℃およびd6設定値10%で操作した。その他の全調節パラメータは一般方法で述べたとおりである。dhaT欠失があったこと以外は、RJ8/pAH48/pKP32はRJ8/pAH48/pDT29と同一であった。各発酵のビタミンB12ストラテジーは下で詳述する。
(RJ8/pAH48/pDT29による発酵)
大腸菌菌株RJ8/pAH48/pDT29を使用した、グルコースから1,3−プロパンジオール(1,3−PD)への転換の代表的な発酵の概要を表2A.1に示す。ビタミンB12を2、16、および16mgの大量瞬時添加で、それぞれ2、8、および26時間目に提供した。1,3−プロパンジオールの収率は35重量%(1,3−プロパンジオールのグラム数/グルコース消費グラム数)であり、力価50.1g/Lの1,3−プロパンジオールが得られた。
Figure 0004592418
(RJ8/pAH48/pKP32による改善された発酵)
大腸菌菌株RJ8/pAH48/pKP32を使用した、グルコースから1,3−プロパンジオール(1,3−PD)への転換の代表的な発酵の概要を表2A.2に示す。ビタミンB12を48および16mgの大量瞬時添加で、それぞれ26および44時間目に提供した。1,3−プロパンジオールの収率は34重量%(1,3−プロパンジオールのグラム数/グルコース消費グラム数)であり、力価129g/Lの1,3−プロパンジオールが得られた。
Figure 0004592418
(大腸菌株RJ8.n/pAH48/pKP32による1,3−プロパンジオールおよびグリセロール生産)
プラスミドpAH48およびpKP32で、菌株RJ8.nを形質転換した。一般方法で述べたようにして、1,3−プロパンジオール(およびグリセロール)の生産を14L発酵槽内で判定した。解凍したRJ8.n/pAH48/pKP32の凍結バイアルを200mg/Lのカルベニシリンおよび50mg/Lのスペクチノマイシン添加500mLのLBに移して、前培養を調製した。培養をシード発酵槽に移し、1Lの培養を生産発酵槽に移す前に16時間培養した。その時点で、OD550は50 AU超に達し、30g/Lのグリセロールがブロス中に蓄積した。シードおよび生産発酵槽のどちらも35℃およびd6設定値10%で操作した。その他の全調節パラメータは一般方法で述べたとおりである。
ビタミンB12を16mgの大量瞬時添加で、12時間、17.3時間、22.8時間、および27.5時間目に生産タンクに提供した。最終力価は112.7g/L 3Gであり、質量収率は31.6%であった。
(実施例3)
(arcAグローバル制御因子に欠失がある大腸菌株の構築およびフラスコ振盪成績)
0.6kbコード領域をpKD3のFRT−CmR−FRTカセットで置換することで、arcA欠失[GenBank目録番号U00096参照]を作り出した。pKD3をテンプレートとして使用して、プライマーペア配列番号:2および配列番号:3で、置換カセットを増幅した。プライマー配列番号:2は、arcAの5’末端に対して41bpの相同性、pKD3に対して20bpの相同性を含む。プライマー配列番号:3は、arcAの3’末端に対して42bpの相同性、pKD3に対して20bpの相同性を含む。PCR生成物をゲル精製し、MG1655/pKD46適格細胞内に電気穿孔した。組換え菌株をLBプレート上で12.5mg/Lのクロラムフェニコールにより選択した。プライマーペア配列番号:4および配列番号:5を使用して、arcA遺伝子の欠失をPCRで確認した。野生型菌株は0.7kbのPCR生成物を与え、一方、組換え菌株は特徴的な1.1kbのPCR生成物を与える。菌株をMG1655 ΔarcA::Cmと命名した。P1溶菌液を調製し使用して、変異を菌株KLndh81内に移し、KLndh81 ΔarcA::Cmを形成した。
KLndh81 ΔarcA::Cm菌株およびKLndh81対照菌株をプラスミドpSYCO101でエレクトロ形質転換した。各菌株の1個のコロニーを50mg/Lスペクチノマイシン添加LB培養液中で10時間培養した。次に40g/Lのグルコース、50mg/Lのスペクチノマイシン、および2mg/LのビタミンB12添加10mLのTM2培養液を含有する250mLバッフル付きエルレンマイヤーフラスコに、これらの培養の200μL容量を移した。フラスコを300rpmおよび34℃で40時間培養した。表3の結果は、arcA変異がグリセロールおよび1,3プロパンジオール生産のモル収率を改善することを示す。
Figure 0004592418
(実施例4)
(ガラクトース−プロトン同伴輸送体(galP)およびグルコキナーゼ(glk)の発現レベルを調節するTRCプロモーターを有するリン酸転移酵素システムマイナス(PTS)大腸菌株の構築)
(loxP−CAT−loxP−Trcカセット(pTrCm42)の構築)
HindIIIおよびNcoIで消化したプラスミドpTrc99a(ファーマシア(Pharmacia))から直鎖DNAを得て、T4 DNAポリメラーゼで充填し、環状化して、カリフォルニア州カールズバッドのインビトロジェン(Invitrogen(Carlsbad、CA))からの大腸菌TOP−10に形質転換した。50mg/Lのカルベニシリンを含有するルリア寒天プレート上での選択に続いて、結果として生じるプラスミド(pTrc1)を精製し、制限酵素分析にかけてして元来HindIIIとNcoIの間に存在していたDNA領域が不在であることを確認した。
pTrc1(trcプロモーターの−35領域の上流)内のユニークなBspM1部位を使用して、loxP部位が側面にあるクロラムフェニコール耐性遺伝子(CAT)を含有するカセットを挿入した。BspM1で消化されたpTrc1から直鎖DNAを得て、QIAクイックゲル抽出キット(キアゲン(QIAGEN))を使用してゲル精製し、T4DNAポリメラーゼで充填して、loxP−Cat−loxPカセットにライゲートした。Stu1およびBamH1で消化して、プラスミドpLoxCat1からloxP−Cat−loxPカセットを得た(配列番号:6参照)。pLoxCat1はpLoxCat2に類似する(非特許文献43)。ライゲーション混合物を大腸菌TOP−10(インビトロジェン(Invitrogen))に形質転換し、50mg/Lのカルベニシリンおよび20mg/Lのクロラムフェニコール添加ルリア寒天プレート上で選択を実施した。プラスミドを得て、制限酵素分析を実施した。loxP−Cat−loxP−TrcをloxP−Cat−loxPカセットと共に、trcプロモーターに対して同一および反対方向に含有する2個のプラスミドをそれぞれ、pTrCm41およびpTrCm42と命名した。
(galP(pR6KgalP)のためのtrcプロモーター置換テンプレートの構築)
プライマーペア配列番号:7および配列番号:8を使用して、pTrCm42から、trcプロモーターおよびlacオペレーターを上流loxP−CAT−loxPカセットと共に含有するDNAカセットをPCR増幅した。プライマーペアは、galP上流領域に対する40bpの相同性をPCR生成物の両端に組み込む。PCRパラメータは95℃で1分間、55℃で1分間、72℃で2分間、Taqポリメラーゼ(ロシュ(Roche))を使用して30サイクルであった。生成物をEcho pUni/His5 R6K(インビトロジェン(Invitrogen))中にサブクローニングして、プラスミドpR6KgalPを生成した。
(glk(pR6Kglk)のためのtrcプロモーター置換テンプレートの構築)
プライマーペア配列番号:9および配列番号:10を使用して、PCRによるpTrCm42から、trcプロモーターおよびlacオペレーターを上流loxP−CAT−loxPカセットと共に含有するDNAカセットを増幅した。プライマーペア配列番号:9および配列番号:10は、glk上流領域に対するそれぞれ39(1塩基欠失)および40bpの相同性をPCR生成物の両端に組み込む。PCRパラメータは95℃で1分間、55℃で1分間、72℃で2分間、Taqポリメラーゼ(ロシュ(Roche))を使用して30サイクルであった。生成物をEcho pUni/His5 R6K(インビトロジェン(Invitrogen))中にサブクローニングして、プラスミドpR6Kglkを生成した。
(大腸菌ΔptsHIcrr菌株(KLpts7)の構築)
大腸菌株NF9の誘導体を供与体としてを使用して、P1vir形質導入により、大腸菌株KLndh81のPTSマイナス誘導体(ΔptsHIcrr)を得た(非特許文献51)。形質導入は、ptsH、ptsI、およびcrrを含むオペロンをカナマイシン抗生物質耐性マーカーで置換して(非特許文献52)、菌株KLpts7を与える。マッコンキー(MacConkey)(ラクトース)寒天+1%グルコース上に平板培養すると、KLpts7は白色コロニー表現型を示す。
(天然galPプロモーターの合成trcプロモーター(KLgalP−trc)による置換)
rTthRNAポリメラーゼ(パーキンエルマー(Perkin Elmer))、pR6KgalPをテンプレートとして、およびプライマーペア配列番号:7および配列番号:8を使用して、loxP−Cat−loxP−Trcカセットを含みgalP上流領域に対する40bpの相同性を両端に組み込んだ、PCR増幅生成物[GenBank目録番号U00096参照]を生成した。(非特許文献42)で述べられたようなλレッドシステムを使用して、組み込みのためのpKD46を含有するエレクトロ−コンピテントKLpts7細胞に、PCR増幅された組み込みカセットを形質転換した。10mg/Lのクロラムフェニコール添加LBプレート上で選択を実施した。このカセットの成功した組み込みは、galP ATG開始コドン上流の38〜181bp領域(GenBank目録番号U00096参照)をloxP−Cat−loxP−Trcカセット(配列番号:11)で置き換えて、菌株KLpts::galP−trcを提供する。プライマーペア配列番号:7および配列番号:8(組み込み部位を増幅して1.4kbの生成物を与える)と、プライマーペア配列番号:12および配列番号:13(上流および下流領域含めた組み込み部位を増幅して2.1kbの生成物を与える。)を使用して、PCR分析によって組み込みを確認した。PCRパラメータは95℃で1分間、55℃で1分間、72℃で2分間、TaqポリメラーゼまたはrTthポリメラーゼを使用して30サイクルであった。マッコンキー(MacConkey)(ラクトース)寒天+1%グルコース上に平板培養すると、KLpts::galP−trcは淡紅色コロニー表現型を示す。(非特許文献43)で述べられたようにして、クロラムフェニコールマーカーを除去した。プライマーペア配列番号:12および配列番号:13(1.1kbの生成物を与える)を使用してPCR分析によって除去を確認し、結果として得られる菌株をKLgalP−trcと命名した。
(天然glkプロモーターの合成trcプロモーター(KLGG)による置換)
rTth RNAポリメラーゼ(パーキンエルマー(Perkin Elmer))、pR6Kglkをテンプレートとして、およびプライマーペア配列番号:9および配列番号:10を使用して、loxP−Cat−loxP−Trcカセットを含み、glk上流領域に対するほぼ40bpの相同性を両端に組み込んだPCR増幅生成物[GenBank目録番号U00096参照]を生成した。上述のλレッドシステムを使用して、組み込みのためのpKD46を含有するエレクトロ−コンピテントKLgalP−trc細胞に、PCR増幅された組み込みカセットを形質転換した。10mg/Lのクロラムフェニコールを含有するLBプレート上で選択を実施した。このカセットの成功した組み込みは、glk ATG開始コドン上流の40〜137bp領域(GenBank目録番号U00096参照)をloxP−Cat−loxP−Trcカセット(配列番号:11)で置き換える。プライマーペア配列番号:14および配列番号:15(上流および下流領域を含めた組み込み部位を増幅して2.4kbの生成物を与える)を使用して、PCR分析によって組み込みを確認した。マッコンキー(MacConkey)(ラクトース)寒天+1%グルコース上に平板培養すると、コロニーは深紅色を示し、親株(KLgalP−trc)と比較して、グルコースから酸への転換の増大が示された。上述のようにしてクロラムフェニコールマーカーを除去し、引き続くPCR分析(プライマーペア配列番号:14および配列番号:15を使用して1.3kbの生成物を与える)から菌株KLGGが得られた。
(グローバル制御因子(KLGG ΔarcA)をコードするarcA遺伝子の欠失)
MG1655 ΔarcA::Cm菌株のP1溶菌液を調製して使用し、変異を菌株KLGGに移した。結果として生じるクロラムフェニコール抵抗性クローンKLGG ΔarcA::CmをゲノムPCRによって調べ、変異が存在することを確実にした。FLPリコンビナーゼを使用して、クロラムフェニコール耐性マーカーを除去し(非特許文献42)、この菌株をKLGG ΔarcAと命名した。
(6−ホスホグルコン酸デヒドラーゼ遺伝子をコードするedd遺伝子(KLGG ΔarcA Δedd、FMPとも称される)の欠失)
1.7kbのコード領域をpLoxCat2からのloxP−cat−loxPカセットで置換してedd欠失[GenBank目録番号U00096参照]を得た。プライマーペア配列番号:16および配列番号:17で置換カセットを増幅した。プライマー配列番号:16は、eddの5’末端に対する80bpの相同性、およびテンプレートpLoxCat2に対する18bpの相同性を含有する。プライマー配列番号:17は、eddの3’末端に対する78bpの相同性、およびpLoxCat2に対する19bpの相同性を含有する。PCR生成物をゲル精製し、KLGG ΔarcA/pKD46適格細胞内に電気穿孔した。組換え菌株をLBプレート上で12.5mg/Lクロラムフェニコールによって選択した。プライマーペア配列番号:18および配列番号:19を使用して、edd遺伝子の欠失をPCRで確認した。野生型菌株は2.2kbのPCR生成物を与え、一方組換え型は特徴的な1.6kbのPCR生成物を与える。菌株をKLGG ΔarcA Δedd::catと命名した。Creリコンビナーゼ(非特許文献43)を使用して、クロラムフェニコールマーカーを除去し、この菌株をKLGG ΔarcA Δedd、あるいは代案としてはFMPと命名した。
(グルコース消費速度の亢進を示すFMP菌株の選択および性質決定)
ΔptsHIcrr、天然galPプロモーターのtrcプロモーター置換、および天然glkプロモーターのtrcプロモーター置換(これらの3つ全ての変更については実施例4で述べられる)を含む細胞は、最初に緩慢な増殖を示した。また引き続く選択(下で述べるような)は、常に生育がより早い誘導体をもたらした。細胞フリー抽出物からアッセイされたグルコキナーゼ活性は、生育のより早い誘導体で、生育がより緩慢な親株と比較して典型的に3倍高かった。
プラスミドpSYCO103で形質転換された大腸菌株FMPは、本質的に実施例2で述べたようにして14L発酵槽で培養した。発酵の間に−80℃(15%グリセロール原液)での保存のためのバイアルを作成した。33時間(OD550は30.7 AU)で採取したアリコートからLBプレートをストリークし、単一コロニーを回収し「選択FMP/pSYCO103」と命名した。プラスミドを含有しない菌株FMPから単一コロニーを同様に得て、「選択FMP」と命名した。
trcプロモーター領域を含むgalPおよびglk遺伝子は、プライマーペア配列番号:12/配列番号:13およびプライマーペア配列番号:14/配列番号:15をそれぞれ使用して、「選択FMP/pSYCO103」の2個のコロニー、および「選択FMP」の1個のコロニーからPCR増幅した。これらの3個のサンプルの配列分析は、同一プライマーを使用して実施した。それぞれの場合、galP遺伝子およびプロモーター領域は、親株と変わらないままで、一方glk遺伝子およびプロモーター領域は、親株と比較した際に同一の単一塩基対の変化を含有した。「選択FMP/pSYCO103」の2個の分離株、および「選択FMP」の1個の分離株は、対応する親株配列配列番号:21と比較した際に、glk発現を調節するtrcプロモーターの−35〜−10領域中の配列番号:20として同定された配列を含有した。それからgalPおよびglk配列が得られる「選択FMP」に由来する菌株を菌株FMP’::Kmと命名した。
(実施例5)
(菌株FMP/pSYCO103およびFMP’::Km/pSYCO103を使用したグルコースから1,3−プロパンジオールへの発酵の比較例)
菌株FMPおよびFMP’::KmをプラスミドpSYCO103で形質転換した。一般方法で述べたようにして、以下の異なる発酵槽の調節パラメータで、1,3−プロパンジオールの生産を14L発酵槽内で判定した。解凍したFMP/pSYCO103の凍結バイアルを50mg/Lスペクチノマイシン添加500mLの2YTに移して前培養を調製した。dO設定値は15%であった。ビタミンB12を16mgの大量瞬時添加で発酵槽に30、43、および51時間目に添加した。
解凍したFMP’::Km/pSYCO103凍結バイアルを50mg/Lのスペクチノマイシン添加500mLのSBG1%に移して前培養を調製した。ビタミンB12を16mgの大量瞬時添加で発酵槽に21、40、および40.5時間目に添加した。
図1は、1,3−プロパンジオールのFMP’::Km/pSYCO103による生産が、FMP/pSYCO103によるものよりも早いことを示す。
(実施例6)
(グルコースからの1,3プロパンジオール生産のための大腸菌株におけるグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(gapA)変性発現の遺伝子操作)
(開始コドンを変化させることによるGapA発現の低下)
gapA遺伝子のATG開始コドンをGTGまたはTTG開始コドンで置き換えて、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼGapAのレベルを低下させた。
プライマーペア配列番号:22および配列番号:23を使用して、大腸菌株MG1655からのPCRによって、大腸菌gapA遺伝子と上流および下流側面配列を増幅した。PCR生成物をPCR反応から直接pCR−BluntII−TOPO(インビトロジェン(Invitrogen))にクローン化して、pDT50を形成した。プラスミドpDT50およびpLitmus 28(ニューイングランド・バイオラブズ(New England Biolabs,Inc.))をSphIおよびBamHIによって消化し、gapA遺伝子断片およびベクターをそれぞれゲル精製してライゲートした。結果として生じたプラスミドpDT51を大腸菌TOP10(インビトロジェン(Invitrogen))に形質転換した。
カリフォルニア州ラホーヤのストラタジーン(Stratagene(La Jolla,CA))からのストラタジーン・クイックチェンジ1日部位特異的突然変異誘発方法(Stratagene Quick Change1−Day Site−Directed Mutagenesis Method)を使用して、gapA変異株プラスミドを構築した。テンプレートプラスミドpDT51をプライマーペア配列番号:24および配列番号:25と混合してGTG変異を作り出し、あるいはプライマーペア配列番号:26および配列番号:27と混合してTTG変異を作り出した。PCR増幅後、反応をDpnIによって消化し、テンプレートプラスミドを除去し、増幅プラスミドのみを残した。次にプラスミドを大腸菌TOP10(インビトロジェン(Invitrogen))に形質転換した。
プライマーペア配列番号:22および配列番号:23を使用して、gapA−GTGおよびgapA−TTGコンストラクトをPCR増幅した。PCR生成物をgapAノックアウト菌株KLP23A112内に電気穿孔した。CmRマーカーを含有するgapA欠失菌株大腸菌DS112(大腸菌遺伝子ストックセンター(E.coli Genetic Stock Center))から得られたP1ファージ溶菌液でKLP23を形質導入して、大腸菌株KLP23A112を構築した。グルコースを含まないLBプレート上での増殖、およびクロラムフェニコール感受性によって、組み換え体を選択した。配列決定によって、GTGおよびTTG変異の成功した組み込みを確認した。変異菌株をそれぞれKLPAGTGおよびKLPATTGと命名した。KLPAGTGおよびKLPATTG菌株中でのGapA活性の測定は、GapAレベルが対照菌株KLP23のそれぞれ4%および<1%であることを示した。
菌株KLP23、KLPAGTG、およびKLPATTGをプラスミドpSYCO101で形質転換し、40g/Lのグルコース、50mg/Lのスペクチノマイシン、および1mg/LのビタミンB12を含有するTM2培養液中で、1,3−プロパンジオールの生産について試験した。結果を表4に示す。
Figure 0004592418
(プロモーターの置換によりGapA発現を変化させる)
225bpの上流gapA配列(GenBank目録番号U00096参照)をFRT−CmR−FRTおよび遺伝子操作プロモーターで置き換え、合成の短1.5GIプロモーター(配列番号:28)による天然gapAプロモーターの置換を行った。pKD3をテンプレートとして使用して、プライマーペア配列番号:29および配列番号:30によって置換カセットをPCRで増幅した。プライマー配列番号:29は、ATGstartを含むgapAに対する39bpの相同性を含有し、短1.5GIプロモーターを含有し、テンプレートpKD3に対する20bpの相同性を含有する。プライマー配列番号:30は、上流gapA配列に対する59bpの相同性、およびpKD3に対する21bpの相同性を含有する。PCR生成物をゲル精製し、MG1655/pKD46適格細胞内に電気穿孔して、MG1655 1.5gapA::Cmを得た。12.5mg/Lのクロラムフェニコールを含むLBプレート上で、組換え菌株を選択した。カセットの成功した組み込みは、gapA ATG開始コドンの34〜258bp上流領域をFRT−CmR−FRT−短1.5GIプロモーターカセットで置き換える。P1ファージ溶菌液を調製し使用して、変異をFMP’::Kmに移した。この菌株をFMP’::Km 1.5gapA::Cmと称する。
MG1655 1.5gapA::Cm中の短1.5 GI gapAプロモーターを短1.20 GIプロモーター(配列番号:31)または短1.6 GIプロモーター(配列番号:32)で置き換えた。1.20 gapA菌株を作り出すために、MG1655 1.5gapA::CmからのゲノムDNAをテンプレートとして使用して、プライマーペア配列番号:33および配列番号:34で、置換カセットをPCR増幅した。プライマー配列番号:33は、gapA上流領域に対する24bpの相同性を含有する。プライマー配列番号:34は、MG1655 1.5gapA::CmのgapA上流領域に対する相同性を含有し、短1.20 GIプロモーターを含有する。1.6gapA菌株を作り出すために、テンプレートとしてMG1655 1.5gapA::CmからのゲノムDNAを使用して、プライマーペア配列番号:33および配列番号:35で、置換カセットをPCR増幅した。プライマー配列番号:35は、MG1655 1.5gapA::CmのgapA上流領域に対する相同性を含有し、短1.6 GIプロモーターを含有する。短1.20 GIプロモーター置換カセットおよび短1.6 GIプロモーター置換カセットを使用して、上述のMG1655の天然gapAプロモーターを置き換え、それぞれ菌株MG1655 1.20gapA::CmおよびMG1655 1.6gapA::Cmを得た。MG1655 1.20gapA::CmおよびMG1655 1.6gapA::Cmを使用して、(上述のようにP1形質導入を使用して)菌株FMP’::Kmの天然gapAプロモーターを置き換え、それぞれ菌株FMP’::Km 1.20gapA::CmおよびFMP’::Km 1.6gapA::Cmを得た。
菌株FMP’::Km 1.20gapA::Cm、FMP’::Km 1.5gapA::Cm、FMP’::Km 1.6gapA::Cm、および対照としてのFMP’::Kmから調製した細胞フリー抽出物を使用して、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ活性を判定した。値を対照と比較して得られた値は、菌株FMP’::Km 1.20gapA::Cm、FMP’::Km 1.5gapA::Cm、FMP’::Km 1.6gapA::Cmで、それぞれ10%、25%、および140%であった。
GIプロモーター置換体を含有する菌株をプラスミドpSYCO106で形質転換し、20g/Lのグルコース、50mg/Lのスペクチノマイシン、および1mg/LのビタミンB12を含有するTM2培養液中で、1,3−プロパンジオール生産について親菌株と比較した。結果を表5に示す。
Figure 0004592418
(実施例7)
(FMP’::Km 1.5gapA::Cmからのマーカーの除去)
菌株FMP’::Km 1.5gapA::Cmから(一般方法の節で述べたように)クロラムフェニコールマーカーを除去して、菌株FMP’::Km 1.5gapAを得た。
KLndh81 PTSマイナス(ΔptsHIcrr)を作り出した結果として、FMP’::Km 1.5gapAに導入されたカナマイシンマーカーをMG1655 ΔptsHIcrr::Cmからの除去可能なFRT−Cm−FRTカセットで、P1形質導入によって置き換えた。テンプレートとしてpKD3を使用して、プライマーペア配列番号:54および配列番号:55で増幅された置換カセットにより、MG1655中のptsHIcrr欠失を作り出した。プライマー配列番号:54は、菌株FMP’::Km 1.5gapAの染色体中に残るptsHの残りの領域に対して78bpの相同性、およびpKD3に対して20bpの相同性を含有する。プライマー配列番号:55は、菌株FMP’::Km 1.5gapA中のcrrの残りの領域に対する77bpの相同性、およびpKD3に対する20bpの相同性を含有する。PCR生成物をゲル精製し、MG1655/pKD46適格細胞内に電気穿孔した。組換え菌株を12.5mg/Lのクロラムフェニコール添加LBプレート上で選択した。カセットの成功した組み込みは、PCR分析で確認した。マッコンキー(MacConkey)(ラクトース)寒天+1%グルコース上で平板培養すると、MG1655 ΔptsHIcrr::Cmは白色コロニー表現型を示す。P1ファージ溶菌液を調製し、CmマーカーをFMP’::Km 1.5gapAに形質導入した。組換え菌株をクロラムフェニコール上で選択し、カセットの成功した組み込みをPCR分析で確認した。Flpリコンビナーゼを使用して、クロラムフェニコールマーカーを除去し、配列決定(プライマー配列番号:56を使用)によって、クロラムフェニコールマーカーの除去を確認した。結果として生じる菌株をFMP’1.5gapAと命名した。
(実施例8)
(大腸菌株FMP’1.5gapA/pSYCO106を使用したグルコースからの1,3−プロパンジオールの高収率の実証)
菌株FMP’1.5gapAをプラスミドpSYCO106で形質転換した。一般方法で述べたようにして、以下の異なる発酵槽の調節パラメータで、1,3−プロパンジオールおよびグリセロールの生産を14L発酵槽内で判定した。解凍したFMP’1.5gap/pSYCO106の凍結バイアルを50mg/Lスペクチノマイシン添加500mLのSBG1%に移して、前培養を調製した。ビタミンB12を16mgの大量瞬時添加で発酵槽に接種前および接種28時間目に添加した。最終1,3−プロパンジオール濃度は129g/Lであり、質量収率は40.2%であった。
(実施例9)
(大腸菌におけるメチルグリオキサール合成酵素(mgsA)変異株の遺伝子操作)
0.4kbのコード領域をpKD4のFRT−Kan−FRTカセットで置き換えてmgsA欠失[GenBank目録番号U00096参照]を作り出した。pKD4をテンプレートとして使用して、プライマーペア配列番号:36および配列番号:37で、置換カセットをPCR増幅した。プライマー配列番号:36は、mgsAの5’末端に対する40bpの相同性、テンプレートDNAであるpKD4に対する20bpの相同性を含有する。プライマー配列番号:37は、mgsAの3’末端に対する40bpの相同性、pKD4に対する20bpの相同性の相同性を含有する。PCR生成物をゲル精製し、MG1655/pKD46適格細胞内に電気穿孔した。組換え菌株を12.5mg/Lのカナマイシンを含むLBプレート上で選択した。プライマーペア配列番号:38およびQID番号:39を用して、PCRによってmgsA遺伝子の欠失を確認した。野生型菌株は1.3kbのPCR生成物を与え、一方組換え菌株は特徴的な2.4kbのPCR生成物を与える。この菌株をMG1655 ΔmgsA::kanと命名した。mgsA変異株がMG1655中に得られたら、P1ファージ溶菌液を調製して使用し、変異をFMP’1.5gapA内に移した(実施例8)。FLPリコンビナーゼを使用してカナマイシン耐性マーカーを除去し(非特許文献42)、この菌株をFMP’1.5gapA ΔmgsAと命名した。
FMP’1.5gapA ΔmgsAおよびその親株をプラスミドpSYCO106で形質転換して、FMP’1.5gapA ΔmgsA/pSYCO106およびFMP’1.5gapA/pSYCO106をそれぞれ得た。
菌株を1,3−プロパンジオール生産について、20g/Lのグルコース、50mg/Lのスペクチノマイシン、および1mg/LのビタミンB12を含有するTM2培養液中で試験した。結果を表6に示す。
Figure 0004592418
(実施例10)
(大腸菌株FMP’1.5gapA ΔmgsA/pSYCO106を使用したグルコースから1,3−プロパンジオールへの発酵)
菌株FMP’1.5gapA ΔmgsAをプラスミドpSYCO106で形質転換した。一般方法で述べたようにして、以下の異なる発酵槽の調節パラメータで、1,3−プロパンジオール(およびグリセロール)の生産を14L発酵槽内で判定した。FMP’1.5gapA ΔmgsA/pSYCO106の新鮮なプレート(50mg/Lのスペクチノマイシン添加LA)からの単一コロニーを250mLフラスコ内の100mg/Lスペクチノマイシン添加30mLのLB中に移して、前培養を調製した。34℃および300rpmでOD550が1 AUになるまで培養後、10.8mLの培養を発酵槽に移した。操作のほぼ全体に渡り、発酵槽をグルコース限界で操作した。ビタミンB12を16mgの大量瞬時添加で、接種前、接種28時間目および38時間目に発酵槽に添加した。最終1,3−プロパンジオール濃度は130g/Lであり、質量収率は47.5%であった。グルコース過剰(0〜20g/L)を維持した操作で、141g/Lの1,3−プロパンジオールおよび43.6%の質量収率を得た。
(実施例11)
(直鎖DNA形質転換によるホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(ppc)のための遺伝子操作されたプロモーターを有する大腸菌株の構築)
FRT−CmR−FRTおよび遺伝子操作されたプロモーターを含有する59bpの上流ppc配列カセットを置き換えて、合成の短1.6 GIプロモーターによる天然ppcプロモーターの置換を作り出した。pKD3をテンプレートとして使用して、PCR生成物をプライマーペア配列番号:40および配列番号:41で増幅した。プライマー配列番号:40は、上流ppc配列に対して80bpの相同性、テンプレートpKD3に対して20bpの相同性を含有する。プライマー配列番号:41は、上流ppc配列に対して39bpの相同性を含有し、短1.6 GIプロモーター配列を含有し、pKD3に対して20bpの相同性を含有する。PCR生成物をゲル精製し、MG1655/pKD46適格細胞内に電気穿孔した。組換え菌株を12.5mg/Lのクロラムフェニコール添加LBプレート上で選択し、MG1655 1.6ppc::Cmを得た。成功したカセットの組み込みは、ppcATGstartの上流90〜148bp領域[GenBank目録番号U00096参照]をFRT−CmR−FRT−短1.6 GIプロモーターカセットで置き換える。プライマーペア配列番号:40および配列番号:41によって、上流ppc領域への組み込みを確認した。野生型菌株は0.2kbのPCR生成物を与え、一方組換え菌株は特徴的な1.2kbのPCR生成物を与えた。プライマー配列番号:42を使用してこのPCR生成物が配列決定され、プロモーター置換効率的に起きたことが示された。P1ファージ溶菌液を調製して使用し、変異を菌株FMP’1.5gap ΔmgsAに移した。この菌株をFMP’1.5gap Δmgs 1.6ppc::Cmと命名した。FLPリコンビナーゼを使用して、クロラムフェニコール耐性マーカーを除去し(非特許文献42)、結果として得られる菌株をプラスミドpSYCO106でエレクトロ形質転換し、FMP’1.5gap Δmgs 1.6ppc/pSYCO106を得た。
フラスコ振盪培養を使用して、大腸菌のFMP’1.5gap Δmgs/pSYCO106およびFMP’1.5gap Δmgs 1.6ppc/pSYCO106菌株におけるグルコースから1,3−プロパンジオールへの転換を評価した。50mg/Lスペクチノマイシン添加LB培養液中で10時間培養した菌株を使用して、10mLのTM2培養液、20g/Lのグルコース、50mg/Lのスペクチノマイシン、および2mg/LのビタミンB12を含有する250mLバッフル付きエルレンマイヤーフラスコに接種した(200μL)。フラスコを300rpmおよび34℃で培養した。代表的結果を表7に示す。親菌株に対する1.6ppcの変異の追加によって、モル収率増大およびアセテート生産減少の双方が観察された。
Figure 0004592418
すぐ上で述べたフラスコ振盪から得られた細胞フリー抽出物から、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(Ppc)活性を測定した。対数中期において細胞のアリコートを収集し、細胞をフレンチプレスを二回通して破壊し、14,000rpmで15分間遠心分離して、50,000rpmで1時間超遠心分離した。上清を除去し、タンパク源として使用した。PPCの特異的活性を下の表8に報告する。天然ppcプロモーターの短1.6 GIプロモーターによる置換は、Ppc酵素活性を3倍に上昇させる。
Figure 0004592418
(実施例11A)
(大腸菌株FMP’1.5gapA ΔmgsA/pSYCO106を使用したグルコースから1,3−プロパンジオールへの発酵)
一般方法で述べたようにして、以下の異なる発酵槽の調節パラメータで、FMP’1.5gapA ΔmgsA 1.6ppc/pSYCO106による1,3−プロパンジオールの生産を14L発酵槽内で判定した。FMP’1.5gapA ΔmgsA 1.6ppc/pSYCO106の新鮮なプレート(50mg/Lのスペクチノマイシン添加LA)からの単一コロニーを250mLフラスコ内の100mg/Lのスペクチノマイシン添加30mLのLB中に移して、前培養を調製した。34℃および300rpmでOD550が1 AUになるまで培養後、10.8mLの培養を発酵槽に移した。ビタミンB12を16mgの大量瞬時添加で、接種前、接種28時間目および38時間目に発酵槽に添加した。最終1,3−プロパンジオール濃度は135.3g/Lであり、質量収率は46.1%であった。
(実施例12)
(直鎖DNA形質転換によるyciK/btuRのための遺伝子操作されたプロモーターを有する大腸菌株の構築)
遺伝子yciKおよびbtuRは、大腸菌の単一オペロン内に存在する。yciK−btuRの上流に1.3kbのカセットを挿入して、天然yciK−btuRプロモーターの合成短1.6 GIプロモーターによる置換を作り出した。pKD13をテンプレートとして使用して、プライマーペア配列番号:43および配列番号:44によって、FRT−CmR−FRTおよび遺伝操作されたプロモーターを含有する置換カセットをPCR増幅した。プライマー配列番号:43は、上流yciK−btuR配列に対する70bpの相同性を含有し、テンプレートpKD13に対する20bpの相同性を含有する。プライマー配列番号:44は、上流yciK−btuR配列に対する30bpの相同性を含有し、短1.6 GIプロモーター配列を含有し、pKD13に対する20bpの相同性を含有する。PCR生成物をゲル精製し、MG1655/pKD46適格細胞内に電気穿孔した。組換え菌株を25.0mg/Lのカナマイシン添加LBプレート上で選択し、MG1655 1.6yciK−btuR::Kmを得た。カセットの成功した組み込みは、yciK ATG開始コドン上流のbp27およびbp28間[GenBank目録番号U00096参照]へのFRT−CmR−FRT−短1.6GIプロモーターカセットの挿入をもたらす。上流yciK/btuR領域への組み込みは、プライマーペア配列番号:45および配列番号:46によって確認された。野生型菌株は1.4kbのPCR生成物を与え、一方組換え菌株は特徴的な2.8kbのPCR生成物を与える。P1ファージ溶菌液を調製して使用し、変異をTripleと称される菌株FMP’1.5gap Δmgs 1.6ppc誘導体に移した。抗生物質を除去した後、菌株Triple 1.6btuRを得た。
(実施例12A)
(Triple 1.6btuR/pSYCO109を有する大腸菌株を使用したグルコースから1,3−プロパンジオールへの発酵)
菌株Triple 1.6btuRをpSYCO109で形質転換した。一般方法で述べたようにして、以下の異なる発酵槽の調節パラメータで、Triple 1.6btuR/pSYCO109による1,3−プロパンジオールの生産を14L発酵槽内で判定した。Triple 1.6btuR/pSYCO109の新鮮なプレート(50mg/Lのスペクチノマイシン添加LA)からの単一コロニーを250mLフラスコ内の100mg/Lのスペクチノマイシン添加30mLのLB中に移して、前培養を調製した。34℃および300rpmでOD550が1 AUになるまで培養後、10.8mLの培養を発酵槽に移した。ビタミンB12を8mgの大量瞬時添加で、接種前、接種28時間目および38時間目に発酵槽に添加した。最終1,3−プロパンジオール濃度は123g/Lであり、質量収率は45.7%であった。
(実施例13)
(直鎖DNA形質転換によるyqhDのための遺伝子操作されたプロモーターを有する大腸菌株の構築)
yqhC遺伝子を含む967bpの上流yqhD配列をFRT−CmR−FRTおよび遺伝子操作されたプロモーターを含有するカセットで置き換えて、合成短1.6 GIプロモーターによる天然yqhD(アルコールデヒドロゲナーゼ)プロモーター置換を作り出した。pKD3をテンプレートとして使用して、PCR生成物をプライマーペア配列番号:47および配列番号:48で増幅した。プライマー配列番号:47は上流yqhD配列に対して78bpの相同性、テンプレートpKD3に対して20bpの相同性を含有した。プライマー配列番号:48は上流yqhD配列に41bpの相同性(1bpの欠失あり)、短1.6 GIプロモーター配列に40bpの相同性、そしてpKD3に19bpの相同性を組み込んだ。PCR生成物をゲル精製し、MG1655/pKD46適格細胞内に電気穿孔した。組換え菌株を12.5mg/Lクロラムフェニコール添加LBプレート上で選択し、MG1655 1.6yqhD::Cmを得た。成功したカセット組み込みは、yqhD ATG startの上流50〜1016bp領域[GenBank目録番号U00096参照]をFRT−CmR−FRT−短1.6 GIプロモーターカセットで置き換える。プライマー配列番号:49による配列決定で上流yqhD領域への組み込みが確認され、プロモーター置換が効率的に起きたことが示された。P1ファージ溶菌液を調製し使用して、変異をに菌株Triple 1.6btuRに移した。抗生物質を(上述のように)除去した後、菌株Triple 1.6btuR 1.6yqhDが得られた。
(実施例13A)
(大腸菌株Triple 1.6btuR 1.6yqhD/pSYCO109を使用したグルコースから1,3−プロパンジオールへの発酵)
菌株Triple 1.6btuR 1.6yqhDをpSYCO109で形質転換した。一般方法で述べたようにして、以下の異なる発酵槽の調節パラメータで、Triple 1.6btuR 1.6yqhD/pSYCO109による1,3−プロパンジオールの生産を14L発酵槽内で判定した。Triple 1.6btuR 1.6yqhD/pSYCO109の新鮮なプレート(50mg/Lスペクチノマイシン添加LA)からの単一コロニーを250mLフラスコ内の100mg/Lスペクチノマイシン添加30mLのLB中に移して、前培養を調製した。34℃および300rpmでOD550が1 AUになるまで培養後、10.8mLの培養を発酵槽に移した。ビタミンB12を16mgの大量瞬時添加で、発酵経過20.6時間目に発酵槽に添加した。最終1,3−プロパンジオール濃度は113.3g/Lであり、質量収率は48.8%であった。
(実施例14)
(直鎖DNA形質転換による酢酸キナーゼ(ack)およびリン酸トランスアセチラーゼ(pta)に欠失変異を有する大腸菌株の構築)
3.3kbのコード領域をpKD3のFRT−CmR−FRTカセットで置き換えて、pta−ackA欠失[GenBank目録番号U00096参照]を作り出した。pKD3をテンプレートとして使用して、プライマーペア配列番号:50および配列番号:51で置換カセットを増幅した。プライマー配列番号:50は、ptaの5’末端に対する80bpの相同性、およびテンプレートDNA、pKD3に対する20bpの相同性を含有する。プライマー配列番号:51は、ackAの3’末端に対する80bpの相同性、pKD3に対する20bpの相同性を含有する。PCR生成物をゲル精製して、MG1655/pKD46適格細胞内に電気穿孔した。組換え菌株を12.5mg/Lのクロラムフェニコールを含むLBプレート上で選択し、菌株MG1655 ΔackA−pta::Cmを得た。プライマーペア配列番号:52および配列番号:53を使用して、PCRによりpta−ackA遺伝子の欠失を確認した。野生型菌株は3.8kbのPCR生成物を与え、一方組換え菌株は特徴的な1.6kbのPCR生成物を与えた。P1ファージ溶菌液を調製して使用し、変異を菌株Triple 1.6btuR 1.6yqhDに移し、菌株Triple 1.6btuR 1.6yqhD ΔackA−pta::Cmを形成した。FLPリコンビナーゼを使用して、クロラムフェニコール耐性マーカーを除去し(非特許文献42)、Triple 1.6btuR 1.6yqhD ΔackA−pta(Triple Triple(TT)と改名される)を得た。Triple 1.6btuR 1.6yqhDおよびTT菌株をプラスミドpSYCO109でエレクトロ形質転換した。
(実施例15)
(菌株TRIPLE 1.6btuR 1.6yqhD/pSYCO109と比較した菌株TRIPLE TRIPLE/pSYCO109におけるリン酸トランスアセチラーゼ(Pta)酵素活性の測定)
一般方法で述べたようにして、以下の異なる発酵槽の調節パラメータで、14L発酵内でTT/pSYCO109およびTriple 1.6btuR 1.6yqhD/pSYCO109による発酵を実施した。Triple 1.6btuR 1.6yqhD/pSYCO106による典型発酵については、実施例13Aで述べた。
250mLフラスコ内の30mLのLB中で100mg/Lのスペクチノマイシンと共に、OD550がほぼ1 AUになるまでTT/pSYCO109の前培養を培養した。既述のようにして調製したシード発酵槽を10.8mLの培養で接種した。30.5時間の発酵時間後、1.2Lの培養を生産発酵槽に移した。ビタミンB12を1回の16mgの大量瞬時添加で、発酵経過1時間目に発酵槽に添加した。典型的発酵における1,3−プロパンジオールの最終濃度は114g/L、収率は48%であった。
典型的Triple 1.6btuR 1.6yghD/pSYCO109発酵からのサンプルをPta酵素活性について分析した。0.4U/mgタンパクの特異的活性を得た。典型的TT/pSYCO109発酵からアッセイしたサンプルは、検出可能なPta酵素活性を示さなかった。
(実施例16)
(TRIPLE 1.6btuR 1.6yqhD/pSYCO109と比較した菌株TT/pSYCO109におけるモル収率の改善された安定性)
二連のフラスコ振盪培養を菌株Triple btuR 1.6yqhD、pSYCO109、およびTT pSYCO109で培養した。LB+50mg/Lスペクチノマイシン中で1個のコロニーを10時間培養した後、100mLの培養を50ppmのスペクチノマイシン有りまたは無しで、2%のグルコース添加30mLのTM2培養液に移した(1日目)。収率の安定性を研究するために、50ppmのスペクチノマイシン有りまたは無しで、2%のグルコースを含有する30mL容積の新鮮なTM2培養液に、1日目の培養の100mL容量を24時間後に移した。これを4回繰り返した。各24時間の期間終了後に、モル収率を実施例2のように計算して、結果を下の表9に示す。ackA−pta欠失がモル収率を安定化させることで、1,3−プロパンジオール生産が改善する。
Figure 0004592418
(実施例17)
(直鎖DNA形質転換によるアルデヒドデヒドロゲナーゼ中に欠失変異を有する大腸菌株の構築)
1.3kbのコード領域をpKD3のFRT−CmR−FRTカセットで置き換えて、aldA欠失[GenBank目録番号U00096参照]を作り出した。pKD3をテンプレートとして使用して、プライマーペア配列番号:57および配列番号:58で、カセットを増幅した。プライマー配列番号:57は、aldAの5’末端に対する80bpの相同性、テンプレートDNA、pKD3に対する20bpの相同性を有する。プライマー配列番号:58は、aldAの3’末端に対する80bpの相同性、pKD3に対する20bpの相同性を含有する。PCR生成物をゲル精製し、MG1655/pKD46適格細胞内に電気穿孔した。組換え菌株を12.5mg/Lのクロラムフェニコール添加LBプレート上で選択した。プライマーペア配列番号:59および配列番号:60を使用して、PCRによってaldA遺伝子の欠失を確認した。野生型菌株は2.0kbのPCR生成物を与え、一方組換え菌株は特徴的な1.8kbのPCR生成物を与える。その菌株のP1溶菌液を調製して使用し、変異を菌株TTに移して、TT ΔaldA::Cm菌株を形成した。FLPリコンビナーゼ使用してクロラムフェニコール耐性マーカーを除去し(非特許文献42)、TT aldAを作り出した。
1.5kbのコード領域をpKD3のFRT−CmR−FRTカセットで置き換えて、aldB欠失[GenBank目録番号U00096参照]を作り出した。pKD3をテンプレートとして使用して、プライマーペア配列番号:61および配列番号:62で置換カセットを増幅した。プライマー配列番号:61はaldBの5’−末端に対する80bpの相同性、pKD3に対する20bpの相同性を含有する。プライマー配列番号:62は、aldBの3’末端に対する80bpの相同性、pKD3に対する20bpの相同性を含有する。PCR生成物をゲル精製し、MG1655/pKD46適格細胞内に電気穿孔した。組換え菌株を12.5mg/Lのクロラムフェニコール添加LBプレート上で選択した。プライマーペア配列番号:63および配列番号:64を使用して、PCRによってaldB遺伝子の欠失を確認した。野生型菌株は1.5kbのPCR生成物を与え、一方組換え菌株は特徴的な1.1kbのPCR生成物を与える。P1溶菌液を調製して使用し、変異をTT菌株に移して、TT ΔaldB::Cm菌株を形成した。プライマーペア配列番号:63および配列番号:64によりクロラムフェニコール抵抗性クローンをゲノムPCRでチェックし、変異が存在することを確実にした。
(実施例17A)
(菌株FMP’1.5gap/pSYCO106によるグリセロールの生産)
菌株FMP’1.5gapAをプラスミドpSYCO106で形質転換した。一般方法で述べたようにして、以下の異なる発酵槽の調節パラメータで、14L発酵槽内でグリセロールの生産を判定した。解凍したFMP’1.5gap/pSYCO106の凍結バイアルを50mg/Lのスペクチノマイシン添加500mLのSBG1%に移して、前培養を調製した。ビタミンB12を発酵槽に添加した。典型的発酵からはモル収率115%で、202g/Lのグリセロールの生産がもたらされた。
(実施例17B)
(菌株TT/pSYCO109によるグリセロール生産)
一般方法で述べたようにして、以下の異なる発酵槽の調節パラメータで、14L発酵槽中でグリセロール生産を判定した。50mg/Lのスペクチノマイシン添加LBプレート上のTT/pSYCO109の単一コロニーを250mLフラスコ内の100mg/Lスペクチノマイシン添加30mLのLBに移した。OD550がほぼ1 AUになったとき、10.8mLの培養を使用して上述のように調製した発酵槽を接種した。発酵槽にビタミンB12は添加しなかった。典型的発酵からは、モル収率137%で302g/Lのグリセロールの生産がもたらされた。
本発明は、特許請求の範囲に記載の発明を含め、以下の発明を包含する。
(1) a)活性PEP−グルコースリン酸転移酵素系タンパクの発現を妨げる撹乱された内在性ホスホエノールピルベート−グルコースリン酸転移酵素系、
b)活性ガラクトース−プロトン同伴輸送体をコードするアップレギュレートされた内在性galP遺伝子、
c)活性グルコキナーゼをコードするアップレギュレートされた内在性glk遺伝子、および
d)活性グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼをコードするダウンレギュレートされた内在性gapA遺伝子
を含むことを特徴とする大腸菌(E.coli)株。
(2) 前記撹乱された内在性ホスホエノールピルベート−グルコースリン酸転移酵素系が、
i)活性ホスホキャリアタンパクの発現を妨げる撹乱された内在性ptsH遺伝子、
ii)活性ホスホエノールピルベート−タンパクリン酸転移酵素の発現を妨げる撹乱された内在性ptsI遺伝子、および
iii)活性グルコース−特異的IIA構成要素の発現を妨げる撹乱された内在性crr遺伝子
の1つまたは複数を含むことを特徴とする(1)に記載の大腸菌株。
(3) e)活性有気呼吸制御タンパクの発現を妨げる撹乱された内在性arcA遺伝子、
f)活性ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼをコードするアップレギュレートされた内在性ppc遺伝子、
g)活性cob(I)アラミンアデノシルトランスフェラーゼをコードするアップレギュレートされた内在性btuR遺伝子、および
h)活性アルコールデヒドロゲナーゼをコードするアップレギュレートされたyqhD遺伝子
の1つまたは複数をさらに含むことを特徴とする(1)または(2)に記載の大腸菌株。
(4) i)活性メチルグリオキサールシンターゼの発現を妨げる撹乱された内在性mgsA遺伝子、
j)活性酢酸キナーゼの発現を妨げる撹乱された内在性ackA遺伝子、
k)活性ホスホトランスアセチラーゼの発現を妨げる撹乱された内在性pta遺伝子、
l)活性アルデヒドデヒドロゲナーゼAの発現を妨げる撹乱された内在性aldA遺伝子、および
m)活性アルデヒドデヒドロゲナーゼBの発現を妨げる撹乱された内在性aldB遺伝子
の1つまたは複数をさらに含むことを特徴とする(1)、(2)、または(3)に記載の大腸菌株。
(5) n)活性ホスホグルコン酸デヒドラターゼの発現を妨げる撹乱された内在性edd遺伝子、
o)活性グリセロールキナーゼの発現を妨げる撹乱された内在性glpK遺伝子、および
p)活性NADH−依存性グリセロールデヒドロゲナーゼの発現を妨げる撹乱された内在性gldA遺伝子
の1つまたは複数をさらに含むことを特徴とする(1)、(2)、(3)、または(4)に記載の大腸菌株。
(6) 適切な条件下で、(1)、(2)、(3)、(4)または(5)に記載の大腸菌株を適切な炭素基材と接触させるステップを含むことを特徴とする1,3−プロパンジオールの生物生産方法。
(7) 前記大腸菌株が
(i)グリセロール−3−リン酸デヒドロゲナーゼ、
(ii)グリセロール−3−ホスファターゼ、
(iii)デヒドラターゼ、および
(iv)デヒドラターゼ再活性化因子
をさらに含むことを特徴とする(6)に記載の方法。
(8) a)活性PEP−グルコースリン酸転移酵素系タンパクの発現を妨げる撹乱された内在性ホスホエノールピルベート−グルコースリン酸転移酵素系、
b)活性ガラクトース−プロトン同伴輸送体をコードするアップレギュレートされた内在性galP遺伝子、
c)活性グルコキナーゼをコードするアップレギュレートされた内在性glk遺伝子、
d)活性グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼをコードするダウンレギュレートされた内在性gapA遺伝子、
e)活性有気呼吸制御タンパクの発現を妨げる撹乱された内在性arcA遺伝子、
f)活性ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼをコードするアップレギュレートされた内在性ppc遺伝子、
g)活性cob(I)アラミンアデノシルトランスフェラーゼをコードするアップレギュレートされた内在性btuR遺伝子、
h)活性アルコールデヒドロゲナーゼをコードするアップレギュレートされたyqhD遺伝子、
i)活性メチルグリオキサールシンターゼの発現を妨げる撹乱された内在性mgsA遺伝子、
j)活性酢酸キナーゼの発現を妨げる撹乱された内在性ackA遺伝子、
k)活性ホスホトランスアセチラーゼの発現を妨げる撹乱された内在性pta遺伝子、
l)活性アルデヒドデヒドロゲナーゼAの発現を妨げる撹乱された内在性aldA遺伝子、
m)活性アルデヒドデヒドロゲナーゼBの発現を妨げる撹乱された内在性aldB遺伝子、
n)活性ホスホグルコン酸デヒドラターゼの発現を妨げる撹乱された内在性edd遺伝子、
o)活性グリセロールキナーゼの発現を妨げる撹乱された内在性glpK遺伝子、
p)活性NADH−依存性グリセロールデヒドロゲナーゼの発現を妨げる撹乱された内在性gldA遺伝子、および
q)pSYCOコンストラクト配列番号:65、66、67、または68のヌクレオチド配列のいずれか1つ
を含むことを特徴とする大腸菌株。
本質的に一般方法で述べたような2つの発酵操作間で比較した1,3−プロパンジオール生産を示す。一例では使用菌株はFMP’::Km/pSYCO103であった。もう一例では使用菌株はFMP/pSYCO103であった。

Claims (3)

  1. a)攪乱された内在性ホスホエノールピルベート−グルコースリン酸転移酵素系であって、
    i) ホスホキャリアタンパクの発現を妨げる遺伝的に攪乱された内在性ptsH遺伝子、
    ii) 活性ホスホエノールピルベート−タンパク質リン酸転移酵素の発現を妨げる遺伝的に攪乱された内在性ptsI遺伝子、および
    iii) 活性グルコース−特異的IIA構成要素の発現を妨げる遺伝的に攪乱された内在性crr遺伝子、の1または複数を含むもの、
    b)活性ガラクトース−プロトン同伴輸送体をコードする遺伝的にアップレギュレートされた内在性galP遺伝子であって、前記アップレギュレートがガラクトース−プロトン同伴輸送体活性の増加をもたらすもの、
    c)活性グルコキナーゼをコードする遺伝的にアップレギュレートされた内在性glk遺伝子であって、前記アップレギュレートがグルコキナーゼ活性の増加をもたらすもの、
    d)活性グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝的にダウンレギュレートされた内在性gapAであって、前記ダウンレギュレートがグリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ活性の減少をもたらすもの、
    e)グリセロール−3−リン酸デヒドロゲナーゼ活性を有する蛋白質をコードする外来性遺伝子、
    f)グリセロールデヒドラターゼ活性を有する蛋白質をコードする外来性遺伝子、および
    g)グリセロール−3−ホスファターゼ活性を有する蛋白質をコードする外来性遺伝子、を含み、これにより、大腸菌(E.coli)株が適切な炭素源をグリセロール、1,3−プロパンジオール、または、グリセロールおよび1,3−プロパンジオールへ生物変換することができることを特徴とする大腸菌(E.coli)株。
  2. a)攪乱された内在性ホスホエノールピルベート−グルコースリン酸転移酵素系であって、
    i) ホスホキャリアタンパクの発現を妨げる遺伝的に攪乱された内在性ptsH遺伝子、
    ii) ホスホエノールピルベート−タンパクリンクリン酸転移酵素の発現を妨げる遺伝的に攪乱された内在性ptsI遺伝子、および
    iii) グルコース−特異的IIA構成要素の発現を妨げる遺伝的に攪乱された内在性crr遺伝子、の1または複数を含むもの、
    b)活性ガラクトース−プロトン同伴輸送体をコードする遺伝的にアップレギュレートされた内在性galP遺伝子であって、前記アップレギュレートがガラクトース−プロトン同伴輸送体活性の増加をもたらすもの、
    c)活性グルコキナーゼをコードする遺伝的にアップレギュレートされた内在性glk遺伝子であって、前記アップレギュレートがグルコキナーゼ活性の増加をもたらすもの、
    d)活性グリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝的にダウンレギュレートされた内在性gapA遺伝子であって、前記ダウンレギュレートがグリセルアルデヒド3−リン酸デヒドロゲナーゼ活性の減少をもたらすもの、
    e)活性有気呼吸制御タンパクの発現を妨げる遺伝的に攪乱された内在性arcA遺伝子、
    f)活性ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼをコードする遺伝的にアップレギュレートされた内在性ppc遺伝子であって、前記アップレギュレートがホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ活性の増加をもたらすもの、
    g)活性cob(I)アラミンアデノシルトランスフェラーゼをコードする遺伝的にアップレギュレートされた内在性btuR遺伝子であって、前記アップレギュレートがcob(I)アラミンアデノシルトランスフェラーゼ活性の増加をもたらすもの、
    h)活性アルコールデヒドロゲナーゼをコードする遺伝的にアップレギュレートされたyqhD遺伝子であって、前記アップレギュレートがアルコールデヒドロゲナーゼ活性の増加をもたらすもの、
    i)活性メチルグリオキサールシンターゼの発現を妨げる遺伝的に攪乱された内在性mgsA遺伝子、
    j)活性酢酸キナーゼの発現を妨げる遺伝的に攪乱された内在性ackA遺伝子、
    k)活性ホスホトランスアセチラーゼの発現を妨げる遺伝的に攪乱された内在性pta遺伝子、
    l)活性アルデヒドデヒドロゲナーゼAの発現を妨げる遺伝的に攪乱された内在性aldA遺伝子、
    m)活性アルデヒドデヒドロゲナーゼBの発現を妨げる遺伝的に攪乱された内在性aldB遺伝子、
    n)活性ホスホグルコン酸デヒドラターゼの発現を妨げる遺伝的に攪乱された内在性edd遺伝子、
    o)活性グリセロールキナーゼの発現を妨げる遺伝的に攪乱された内在性glpK遺伝子、
    p)活性NADH−依存性グリセロールデヒドロゲナーゼの発現を妨げる遺伝的に攪乱された内在性gldA遺伝子、
    q)pSYCOプラスミド配列番号:65、66、67、または68のヌクレオチド配列のいずれか1つ、
    r)グリセロール−3−リン酸デヒドロゲナーゼ活性を有する蛋白質をコードする外来性遺伝子、
    s)グリセロールデヒドラターゼ活性を有する蛋白質をコードする外来性遺伝子、および
    t)グリセロール−3−ホスファターゼ活性を有する蛋白質をコードする外来性遺伝子、を含みこれにより、大腸菌(E.coli)株が適切な炭素源をグリセロール、1,3−プロパンジオール、またはグリセロールおよび1,3−プロパンジオールへ生物変換することができることを特徴とする大腸菌(E.coli)株。
  3. 適切な条件下で、請求項1または2に記載の大腸菌株を適切な炭素基材と接触させるステップを含むことを特徴とする1,3−プロパンジオールの生物生産方法。
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