JP6744819B2 - メバロン酸、イソプレン、イソプレノイド前駆体、イソプレノイド、およびアセチルCoA由来産物の生産向上のための組換え微生物 - Google Patents

メバロン酸、イソプレン、イソプレノイド前駆体、イソプレノイド、およびアセチルCoA由来産物の生産向上のための組換え微生物 Download PDF

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Description

本開示は、組換え微生物における、メバロン酸、イソプレン、イソプレノイド、イソプレノイド前駆体、および/またはアセチルCoA由来産物の生産を増大させるための組成物および方法、ならびに同物質を生産して使用する方法に関する。
関連出願の相互参照
本出願は、その内容全体が参照により本明細書に援用される、2014年2月20日に出願された、米国仮特許出願第61/942,546号明細書の優先権を主張する。
メバロン酸は、アセチルCoAをイソペンテニル二リン酸とジメチルアリル二リン酸に変換する、メバロン酸依存性生合成経路の中間体である。アセチルCoAのメバロン酸への変換は、上流メバロン酸依存性生合成経路(MVA経路)のチオラーゼ、HMG−CoAシンターゼ、およびHMG−CoA還元酵素活性によって触媒され得る。
商業的に、メバロン酸は,化粧品中の添加剤として、生分解性ポリマーの製造のために使用されており、その他の化学物質の合成のためのキラル構成要素としての価値を有し得る。
メバロン酸依存性経路の生成物は、イソペンテニルピロリン酸(IPP)およびジメチルアリル二リン酸(DMAPP)である。IPPおよびDMAPPは、イソプレンならびにイソプレノイドの前駆体である。イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)は、天然ゴムの単量体であり、また集合的にイソプレノイドと称される非常に多様なその他の天然起源化合物の一般的構造モチーフでもある。それに加えてイソプレンは、多様な合成ポリマー、中でも注目すべきは合成ゴムのための重要な出発原料である。
イソプレノイドは、イソプレノイド前駆体分子IPPおよびDMAPPに由来する化合物である。29,000種を超えるイソプレノイド化合物が同定されており、新しいイソプレノイドが毎年発見されている。イソプレノイドは、イソプレノイドの比較的複雑な構造を形成するための基本的構成単位としてイソプレノイド前駆体分子を使用する、微生物および植物種などの天然物から単離し得る。イソプレノイドは、ほとんどの生きている生物および細胞に不可欠であり、細胞膜流動性および電子伝達を維持する手段を提供する。自然界では、イソプレノイドは、植物中の天然殺虫剤としての多様な役割において機能し、シナモン、クローブ、およびショウガに付随する香りを与える。さらに、製薬業界および化学産業界は、医薬品、栄養補給食品、着香剤、および農業害虫防除剤として、イソプレノイドを利用する。生物学的システムにおけるそれらの重要性と、広範な用途における有用性を考慮して、イソプレノイドは、科学者によって注視され続けてきた。
メバロン酸およびイソプレノイドを得るための従来の手段としては、生物学的材料(例えば、植物、微生物、および動物)からの抽出、および実験室での部分的または完全有機合成が挙げられる。しかしこのような手段は、概して満足のいくものではないことが判明している。特にイソプレノイドでは、それらの分子構造の往々にして複雑な性質を所与として、所望の製品を得るためにいくつかのステップが通常要求されることを考えると、有機合成は非実用的である。さらにこれらの化学合成ステップは、有毒溶媒の使用を伴い得て、生物学的材料からのイソプレノイド抽出もまた同様である。さらに生物学的材料は、典型的に、これらの分子を微量でのみ含有するため、これらの抽出および精製法は、通常、所望のイソプレノイドを比較的低収率でもたらす。不運にも、比較的大量のイソプレノイドを得ることに伴う困難さは、それらの実用的利用を制限してきた。
イソプレン、イソプレノイド前駆体分子、およびイソプレノイドの生産における最近の進歩は、しっかりした商業的工程の要求を満たすのに十分であり得る、速度、力価、および純度で、イソプレンおよびイソプレノイドを生産する方法を開示する(例えば、国際公開第2009/076676A2号パンフレット、および米国特許第7,915,026号明細書を参照されたい);しかしイソプレンおよびイソプレノイドの生産を向上させるためならびに同物質の生産量および収率を向上させるための改良が、依然として必要とされる。
メバロン酸依存性生合成経路の中間体としてのメバロン酸の生産を増大させ;イソプレン、イソプレノイド前駆体、および/またはイソプレノイドなどのメバロン酸に由来する分子の生産を増大させ;アセチルCoA由来産物の生産を増大させる組成物および方法の開示によって、このような改善が本明細書で提供される。
本明細書全体を通じて、様々な特許、特許出願およびその他の各種文献(例えば学術誌論文)に言及する。本明細書で引用される全ての特許、特許出願、および文献の開示は、あらゆる目的のために、その内容全体を参照によって本明細書に援用する。
提供される本明細書は、特に、組換え微生物における1つまたは複数のアセチル化タンパク質の発現および/または活性が調節されるように、組換え微生物/組換え細胞で1つまたは複数の特定の遺伝子操作を使用する、微生物におけるメバロン酸、イソプレン、イソプレノイド前駆体、イソプレノイド、および/またはアセチルCoA由来産物の生産を増大させるための組成物および方法を開示する。このような調節は、メバロン酸、イソプレン、イソプレノイド前駆体分子、イソプレノイド、および/またはアセチルCoA由来産物の生産増大をもたらし得る。
したがって、一態様では、本明細書で提供されるのは、イソプレンを産生できる組換え細胞であり、細胞は、(i)1つまたは複数のアセチル化タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸のどちらか、またはそれらの活性が調節されるように遺伝子操作されている1つまたは複数のアセチル化タンパク質;(ii)MVA経路の1つまたは複数のポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸;および(iii)イソプレンシンターゼポリペプチドをコードする異種核酸、またはイソプレンシンターゼ活性を有するポリペプチドを含んでなり、細胞は、核酸の発現および/またはアセチル化タンパク質の活性が調節されるように修飾または遺伝子操作されており、適切な培地中の組換え細胞の培養はイソプレンの生産を提供する。
本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、1つまたは複数のアセチル化タンパク質の活性が減衰、欠失または増大するように、1つまたは複数のアセチル化タンパク質の活性が調節される。
本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、アセチル化タンパク質はアセチルトランスフェラーゼである。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、アセチルトランスフェラーゼは、YfiQ、Pat、およびAcuAからなる群から選択される。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、アセチルトランスフェラーゼはYfiQポリペプチドである。
本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、アセチル化タンパク質はデアセチラーゼである。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、デアセチラーゼは、CobBおよびSrtNからなる群から選択される。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、デアセチラーゼはCobBポリペプチドである。
本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、1つまたは複数のアセチル化タンパク質は、YfiQポリペプチドおよびCobBポリペプチドからなる群から選択される。
本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、アセチル化タンパク質はYfiQポリペプチドである。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、YfiQポリペプチドの活性は、YfiQポリペプチドをコードする核酸の発現を低下、減衰、または欠失させることで調節される。
本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、アセチル化タンパク質はCobBポリペプチドである。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、CobBポリペプチドの活性は、CobBポリペプチドをコードする核酸の発現を増大させることで調節される。
本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、MVA経路の1つまたは複数のポリペプチドは、(a)2分子のアセチルCoAを縮合してアセトアセチルCoAを形成する酵素;(b)アセトアセチルCoAとアセチルCoAを縮合してHMG−CoAを形成する酵素(例えば、HMGシンターゼ);(c)HMG−CoAをメバロン酸に変換する酵素;(d)メバロン酸をメバロン酸5−リン酸にリン酸化する酵素;(e)メバロン酸5−リン酸をメバロン酸5−ピロリン酸に変換する酵素;および(f)メバロン酸5−ピロリン酸をイソペンテニルピロリン酸に変換する酵素から選択される。
本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、イソプレンシンターゼポリペプチドをコードする異種核酸、またはイソプレンシンターゼ活性を有するポリペプチドは、植物イソプレンシンターゼポリペプチドである。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、イソプレンシンターゼポリペプチドまたはイソプレンシンターゼ活性を有するポリペプチドは、ポリペプチドクズ属(Pueraria)またはポプラ属(Populus)、またはウラジロハコヤナギ(Populus alba)×ヤマナラシ(Populus tremula)交配種に由来する。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、イソプレンシンターゼポリペプチドまたはイソプレンシンターゼ活性を有するポリペプチドは、プエラリア・モンタナ(Pueraria montana)、プエラリア・ロバタ(Pueraria lobata)、ポプルス・トレムロイデス(Populus tremuloides)、ウラジロハコヤナギ(Populus alba)、セイヨウハコヤナギ(Populus nigra)、およびコットンウッド(Populus trichocarpa)からなる群から選択される生物に由来する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組換え細胞は、ホスホケトラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種核酸をさらに含んでなる。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、ホスホケトラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種核酸は、キシルロース−5−リン酸からグリセルアルデヒド−3−リン酸およびアセチルリン酸(本明細書で同義的にアセチルリン酸、アセチルリン酸、アセチル−P、Ac−Pと言及される)を合成する能力がある。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、ホスホケトラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種核酸は、フルクトース−6−リン酸からエリスロース−4−リン酸およびアセチルリン酸を合成する能力がある。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、組換え細胞は、1つまたは複数の1−デオキシ−D−キシルロース−5−リン酸(DXP)経路ポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸をさらに含んでなる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組換え細胞は、1つまたは複数のペントースリン酸経路タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸をさらに含んでなり、細胞は、ペントースリン酸経路タンパク質をコードする核酸の発現および/またはペントースリン酸経路タンパク質の活性が調節されるように修飾されている。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のペントースリン酸経路タンパク質の活性が増大される。
特定の実施形態では、ペントースリン酸経路タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸の発現を増大させることで1つまたは複数のペントースリン酸経路タンパク質の活性が増大される。このような実施形態では、ペントースリン酸経路タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸は、トランスケトラーゼ(tktA)、トランスアルドラーゼ(talB)、リブロース−5−リン酸−エピメラーゼ(rpe)、およびリボース−5−リン酸エピメラーゼ(rpiA)からなる群から選択される。
その他の実施形態では、1つまたは複数のペントースリン酸経路タンパク質の活性が低下される。特定の実施形態では、ペントースリン酸経路タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸の発現を低下、減衰、または欠失させることで、1つまたは複数のペントースリン酸経路タンパク質の活性が低下される。このような実施形態では、ペントースリン酸経路タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸は、ホスホフルクトキナーゼ(pfkA)を含んでなる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組換え細胞は、1つまたは複数の酢酸循環タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸をさらに含んでなり、細胞は、酢酸循環タンパク質をコードする核酸の発現および/または酢酸循環タンパク質の活性が調節されるように修飾されている。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の酢酸循環タンパク質の活性が増大される。いくつかの実施形態では、酢酸循環タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸の発現を増大させることで、1つまたは複数の酢酸循環タンパク質の活性が増大される。このような実施形態では、酢酸循環タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸は、アセチル補酵素Aシンセターゼ(acs)、酢酸キナーゼ(ackA)、およびホスホトランスアセチラーゼ(pta)からなる群から選択され得る。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の酢酸循環タンパク質の活性が低下される。いくつかの実施形態では、酢酸循環タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸の発現を低下、減衰、または欠失させることで、1つまたは複数の酢酸循環タンパク質の活が低下される。このような実施形態では、酢酸循環タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸は、ホスホトランスアセチラーゼ(pta)、酢酸キナーゼ(ackA)、および酢酸輸送体/酢酸ポンプ(actP)からなる群から選択され得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組換え細胞は、sfcA、maeB、pdhR、aceE、aceF、lpdA、glta、acs、pta、ackA、actP、pfkA、rpe、rpiA、tkta、talB、pgl、edd、およびedaからなる群から選択される、1つまたは複数のタンパク質をコードする1つまたは複数の核酸をさらに含んでなり、細胞は、核酸の発現および/またはタンパク質の活性が調節されるように修飾されている。いくつかの実施形態では,1つまたは複数のタンパク質をコードする1つまたは複数の核酸の発現を増大させることで、これらのタンパク質の1つまたは複数の活性が増大される。特定の実施形態では、増大される1つまたは複数のタンパク質をコードする1つまたは複数の核酸は、ackA、pta、sfcA、maeB、aceE、aceF、lpdA、acs、rpe、rpiA、tkta、talB、およびpglからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のタンパク質をコードする1つまたは複数の核酸の発現を低下、減衰、または欠失させることで、これらのタンパク質の1つまたは複数の活性が低下される。特定の実施形態では、低下される1つまたは複数のタンパク質をコードする1つまたは複数の核酸は、pdhR、glta、pta、ackA、actP、pfkA、pgl、edd、およびedaからなる群から選択される。
本明細書に記載される組換え細胞のいずれか1つの中では、1つまたは複数のアセチル化タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸、MVA経路の1つまたは複数のポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸、イソプレンシンターゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸、ホスホケトラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸、1つまたは複数のペントースリン酸経路タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸、または1つまたは複数の酢酸循環タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸が、誘導性プロモーターまたは構成的プロモーター下に置かれる。
本明細書に記載される組換え細胞のいずれか1つの中では、1つまたは複数のアセチル化タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸、MVA経路の1つまたは複数のポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸、イソプレンシンターゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸、ホスホケトラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸、1つまたは複数のペントースリン酸経路タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸、または1つまたは複数の酢酸循環タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸は、1つまたは複数のマルチコピープラスミドにクローニングされる。
本明細書に記載される組換え細胞のいずれか1つの中では、1つまたは複数のアセチル化タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸、MVA経路の1つまたは複数のポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸、イソプレンシンターゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸、ホスホケトラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸、1つまたは複数のペントースリン酸経路タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸、または1つまたは複数の酢酸循環タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸は、細胞の染色体に組み込まれる。
本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、組換え細胞は、グラム陽性細菌細胞またはグラム陰性細菌細胞である。本明細書で開示される実施形態のいずれかのその他の実施形態では、組換え細胞は、真菌細胞、糸状菌細胞、藻類細胞または酵母細胞である。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、組換え細胞は、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、ストレプトミセス・リビダンス(Streptomyces lividans)、ストレプトミセス・コエリカラー(Streptomyces coelicolor)、ストレプトミセス・グリセウス(Streptomyces griseus)、大腸菌(Escherichia coli)、およびパントエア・シトレア(Pantoea citreaからなる群から選択される)。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、組換え細胞は、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、およびヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)からなる群から選択される。
本明細書に記載される実施形態のいずれかでは、イソプレン生産は、アセチル化タンパク質をコードする核酸の発現および/またはアセチル化タンパク質の活性が調節されるように修飾されていない組換え細胞と比較して、増大される。
本明細書に記載される実施形態のいずれかでは、イソプレン生産が少なくとも5%増大され、イソプレン生産の増大は、(i)力価、(ii)瞬間収率、(iii)累積収率、(iv)イソプレン対二酸化炭素比、(v)比生産性、または(vi)細胞生産性指数の増大を含んでなる。
その他の態様では、(a)本明細書で開示される実施形態のいずれかの組換え細胞をイソプレン生産に適した条件下で培養するステップと、(b)イソプレンを生産するステップとを含んでなる、イソプレンを生産する方法もまた、本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、方法は、(c)イソプレンを回収するステップをさらに含んでなる。
別の態様では、本明細書で提供されるのは、イソプレノイド前駆体を産生できる組換え細胞であり、細胞は、(i)1つまたは複数のアセチル化タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸のどちらか、またはそれらの活性が調節されるように遺伝子操作されている1つまたは複数のアセチル化タンパク質;および(ii)MVA経路の1つまたは複数のポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸を含んでなり、細胞は、核酸の発現および/またはアセチル化タンパク質の活性が調節されるように修飾または遺伝子操作されており、適切な培地中の組換え細胞の培養は、イソプレノイド前駆体の生産を提供する。
本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、1つまたは複数のアセチル化タンパク質の活性が減衰、欠失または増大するように、1つまたは複数のアセチル化タンパク質の活性が調節される。
本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、アセチル化タンパク質はアセチルトランスフェラーゼである。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、アセチルトランスフェラーゼは、YfiQ、Pat、およびAcuAからなる群から選択される。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、アセチルトランスフェラーゼはYfiQポリペプチドである。
本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、アセチル化タンパク質はデアセチラーゼである。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、デアセチラーゼは、CobBおよびSrtNからなる群から選択される。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、デアセチラーゼはCobBポリペプチドである。
本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、1つまたは複数のアセチル化タンパク質は、YfiQポリペプチドおよびCobBポリペプチドからなる群から選択される。
本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、アセチル化タンパク質はYfiQポリペプチドである。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、YfiQポリペプチドの活性は、YfiQポリペプチドをコードする核酸の発現を低下、減衰、または欠失させることで調節される。
本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、アセチル化タンパク質はCobBポリペプチドである。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、CobBポリペプチドの活性は、CobBポリペプチドをコードする核酸の発現を増大させることで調節される。
本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、MVA経路の1つまたは複数のポリペプチドは、(a)2分子のアセチルCoAを縮合してアセトアセチルCoAを形成する酵素;(b)アセトアセチルCoAとアセチルCoAを縮合してHMG−CoAを形成する酵素(例えば、HMGシンターゼ);(c)HMG−CoAをメバロン酸に変換する酵素;(d)メバロン酸をメバロン酸5−リン酸にリン酸化する酵素;(e)メバロン酸5−リン酸をメバロン酸5−ピロリン酸に変換する酵素;および(f)メバロン酸5−ピロリン酸をイソペンテニルピロリン酸に変換する酵素から選択される。
特定の実施形態では、組換え細胞は、ホスホケトラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種核酸をさらに含んでなる。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、ホスホケトラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種核酸は、キシルロース5−リン酸からグリセルアルデヒド3リン酸およびアセチルリン酸を合成する能力がある。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、ホスホケトラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種核酸は、フルクトース−6−リン酸からエリスロース−4−リン酸およびアセチルリン酸を合成する能力がある。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組換え細胞は、1つまたは複数のペントースリン酸経路タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸をさらに含んでなり、細胞は、ペントースリン酸経路タンパク質をコードする核酸の発現および/またはペントースリン酸経路タンパク質の活性が調節されるように修飾されている。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のペントースリン酸経路タンパク質の活性が増大される。
特定の実施形態では、ペントースリン酸経路タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸の発現を増大させることで1つまたは複数のペントースリン酸経路タンパク質の活性が増大される。このような実施形態では、ペントースリン酸経路タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸は、トランスケトラーゼ(tktA)、トランスアルドラーゼ(talB)、リブロース−5−リン酸−エピメラーゼ(rpe)、およびリボース−5−リン酸エピメラーゼ(rpiA)からなる群から選択される。
その他の実施形態では、1つまたは複数のペントースリン酸経路タンパク質の活性が低下される。特定の実施形態では、ペントースリン酸経路タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸の発現を低下、減衰、または欠失させることで、1つまたは複数のペントースリン酸経路タンパク質の活性が低下される。このような実施形態では、ペントースリン酸経路タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸は、ホスホフルクトキナーゼ(pfkA)を含んでなる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組換え細胞は、1つまたは複数の酢酸循環タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸をさらに含んでなり、細胞は、酢酸循環タンパク質をコードする核酸の発現および/または酢酸循環タンパク質の活性が調節されるように修飾されている。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の酢酸循環タンパク質の活性が増大される。いくつかの実施形態では、酢酸循環タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸の発現を増大させることで、1つまたは複数の酢酸循環タンパク質の活性が増大される。このような実施形態では、酢酸循環タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸は、アセチル補酵素Aシンセターゼ(acs)、酢酸キナーゼ(ackA)、およびホスホトランスアセチラーゼ(pta)からなる群から選択され得る。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の酢酸循環タンパク質の活性が低下される。いくつかの実施形態では、酢酸循環タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸の発現を低下、減衰、または欠失させることで、1つまたは複数の酢酸循環タンパク質の活が低下される。このような実施形態では、酢酸循環タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸は、ホスホトランスアセチラーゼ(pta)、酢酸キナーゼ(ackA)、および酢酸輸送体/酢酸ポンプ(actP)からなる群から選択され得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組換え細胞は、sfcA、maeB、pdhR、aceE、aceF、lpdA、glta、acs、pta、ackA、actP、pfkA、rpe、rpiA、tkta、talB、pgl、edd、およびedaからなる群から選択される、1つまたは複数のタンパク質をコードする1つまたは複数の核酸をさらに含んでなり、細胞は、核酸の発現および/またはタンパク質の活性が調節されるように修飾されている。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のタンパク質をコードする1つまたは複数の核酸の発現を増大させることで、これらのタンパク質の1つまたは複数の活性が増大される。特定の実施形態では、増大される1つまたは複数のタンパク質をコードする1つまたは複数の核酸は、ackA、pta、sfcA、maeB、aceE、aceF、lpdA、acs、rpe、rpiA、tkta、talB、およびpglからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のタンパク質をコードする1つまたは複数の核酸の発現を低下、減衰、または欠失させることで、これらのタンパク質の1つまたは複数の活性が低下される。特定の実施形態では、低下される1つまたは複数のタンパク質をコードする1つまたは複数の核酸は、pdhR、glta、pta、ackA、actP、pfkA、pgl、edd、およびedaからなる群から選択される。
本明細書に記載される組換え細胞のいずれか1つの中では、1つまたは複数のアセチル化タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸、MVA経路の1つまたは複数のポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸、ホスホケトラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸、1つまたは複数のペントースリン酸経路タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸、または1つまたは複数の酢酸循環タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸が、誘導性プロモーターまたは構成的プロモーター下に置かれる。
本明細書に記載される組換え細胞のいずれか1つの中では、1つまたは複数のアセチル化タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸、MVA経路の1つまたは複数のポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸、ホスホケトラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸、1つまたは複数のペントースリン酸経路タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸、または1つまたは複数の酢酸循環タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸が、1つまたは複数のマルチコピープラスミドにクローニングされる。
本明細書に記載される組換え細胞のいずれか1つの中では、1つまたは複数のアセチル化タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸、MVA経路の1つまたは複数のポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸、ホスホケトラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸、1つまたは複数のペントースリン酸経路タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸、または1つまたは複数の酢酸循環タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸が、細胞の染色体に組み込まれる。
本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、組換え細胞は、グラム陽性細菌細胞またはグラム陰性細菌細胞である。本明細書で開示される実施形態のいずれかのその他の実施形態では、組換え細胞は、真菌細胞、糸状菌細胞、藻類細胞または酵母細胞である。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、組換え細胞は、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、ストレプトミセス・リビダンス(Streptomyces lividans)、ストレプトミセス・コエリカラー(Streptomyces coelicolor)、ストレプトミセス・グリセウス(Streptomyces griseus)、大腸菌(Escherichia coli)、およびパントエア・シトレア(Pantoea citreaからなる群から選択される)。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、組換え細胞は、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、およびヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)からなる群から選択される。
本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、イソプレノイド前駆体は、メバロン酸(MVA)、ジメチルアリル二リン酸(DMAPP)、およびイソペンテニルピロリン酸(IPP)からなる群から選択される。
本明細書に記載される実施形態のいずれかでは、イソプレノイド前駆体の生産は、アセチル化タンパク質をコードする核酸の発現および/またはアセチル化タンパク質の活性が調節されるように修飾されていない組換え細胞と比較して、増大される。
本明細書に記載される実施形態のいずれかでは、イソプレノイド前駆体の生産が少なくとも5%増大され、イソプレノイド前駆体の生産の増大は、(i)力価、(ii)瞬間収率、(iii)累積収率、(iv)比生産性、または(v)細胞生産性指数の増大を含んでなる。
さらなる態様では、本明細書で提供されるのは、(a)本明細書で開示される実施形態のいずれかの組換え細胞をイソプレノイド前駆体の生産に適した条件下で培養するステップと、(b)イソプレノイド前駆体を生産するステップとを含んでなる、イソプレノイド前駆体を生産する方法である。いくつかの実施形態では、方法は、(c)イソプレノイド前駆体を回収するステップをさらに含んでなる。
さらに別の態様では、本明細書で提供されるのはイソプレノイドを産生できる組換え細胞であり、細胞は、(i)1つまたは複数のアセチル化タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸のどちらか、またはそれらの活性が調節されるように遺伝子操作されている1つまたは複数のアセチル化タンパク質;(ii)MVA経路の1つまたは複数のポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸;および(iii)ピロリン酸ポリプレニルシンターゼをコードする1つまたは複数の核酸を含んでなり、細胞は、核酸の発現および/またはアセチル化タンパク質の活性が調節されるように修飾または遺伝子操作されており、適切な培地中の組換え細胞の培養は、イソプレノイドの生産を提供する。
本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、1つまたは複数のアセチル化タンパク質の活性が減衰、欠失または増大するように、1つまたは複数のアセチル化タンパク質の活性が調節される。
本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、アセチル化タンパク質はアセチルトランスフェラーゼである。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、アセチルトランスフェラーゼは、YfiQ、Pat、およびAcuAからなる群から選択される。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、アセチルトランスフェラーゼはYfiQポリペプチドである。
本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、アセチル化タンパク質はデアセチラーゼである。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、デアセチラーゼは、CobBおよびSrtNからなる群から選択される。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、デアセチラーゼはCobBポリペプチドである。
本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、1つまたは複数のアセチル化タンパク質は、YfiQポリペプチドおよびCobBポリペプチドからなる群から選択される。
本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、アセチル化タンパク質はYfiQポリペプチドである。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、YfiQポリペプチドの活性は、YfiQポリペプチドをコードする核酸の発現を低下、減衰、または欠失させることで調節される。
本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、アセチル化タンパク質はCobBポリペプチドである。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、CobBポリペプチドの活性は、CobBポリペプチドをコードする核酸の発現を増大させることで調節される。
本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、MVA経路の1つまたは複数のポリペプチドは、(a)2分子のアセチルCoAを縮合してアセトアセチルCoAを形成する酵素;(b)アセトアセチルCoAとアセチルCoAを縮合してHMG−CoAを形成する酵素(例えば、HMGシンターゼ);(c)HMG−CoAをメバロン酸に変換する酵素;(d)メバロン酸をメバロン酸5−リン酸にリン酸化する酵素;(e)メバロン酸5−リン酸をメバロン酸5−ピロリン酸に変換する酵素;および(f)メバロン酸5−ピロリン酸をイソペンテニルピロリン酸に変換する酵素から選択される。
特定の実施形態では、組換え細胞は、ホスホケトラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種核酸をさらに含んでなる。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、ホスホケトラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種核酸は、キシルロース5−リン酸からグリセルアルデヒド3リン酸およびアセチルリン酸を合成する能力がある。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、ホスホケトラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種核酸は、フルクトース−6−リン酸からエリスロース−4−リン酸およびアセチルリン酸を合成する能力がある。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組換え細胞は、1つまたは複数のペントースリン酸経路タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸をさらに含んでなり、細胞は、ペントースリン酸経路タンパク質をコードする核酸の発現および/またはペントースリン酸経路タンパク質の活性が調節されるように修飾されている。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のペントースリン酸経路タンパク質の活性が増大される。
特定の実施形態では、ペントースリン酸経路タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸の発現を増大させることで1つまたは複数のペントースリン酸経路タンパク質の活性が増大される。このような実施形態では、ペントースリン酸経路タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸は、トランスケトラーゼ(tktA)、トランスアルドラーゼ(talB)、リブロース−5−リン酸−エピメラーゼ(rpe)、およびリボース−5−リン酸エピメラーゼ(rpiA)からなる群から選択される。
その他の実施形態では、1つまたは複数のペントースリン酸経路タンパク質の活性が低下される。特定の実施形態では、ペントースリン酸経路タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸の発現を低下、減衰、または欠失させることで、1つまたは複数のペントースリン酸経路タンパク質の活性が低下される。このような実施形態では、ペントースリン酸経路タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸は、ホスホフルクトキナーゼ(pfkA)を含んでなる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組換え細胞は、1つまたは複数の酢酸循環タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸をさらに含んでなり、細胞は、酢酸循環タンパク質をコードする核酸の発現および/または酢酸循環タンパク質の活性が調節されるように修飾されている。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の酢酸循環タンパク質の活性が増大される。いくつかの実施形態では、酢酸循環タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸の発現を増大させることで、1つまたは複数の酢酸循環タンパク質の活性が増大される。このような実施形態では、酢酸循環タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸は、アセチル補酵素Aシンセターゼ(acs)、酢酸キナーゼ(ackA)、およびホスホトランスアセチラーゼ(pta)からなる群から選択され得る。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の酢酸循環タンパク質の活性が低下される。いくつかの実施形態では、酢酸循環タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸の発現を低下、減衰、または欠失させることで、1つまたは複数の酢酸循環タンパク質の活が低下される。このような実施形態では、酢酸循環タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸は、ホスホトランスアセチラーゼ(pta)、酢酸キナーゼ(ackA)、および酢酸輸送体/酢酸ポンプ(actP)からなる群から選択され得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組換え細胞は、sfcA、maeB、pdhR、aceE、aceF、lpdA、glta、acs、pta、ackA、actP、pfkA、rpe、rpiA、tkta、talB、pgl、edd、およびedaからなる群から選択される、1つまたは複数のタンパク質をコードする1つまたは複数の核酸をさらに含んでなり、細胞は、核酸の発現および/またはタンパク質の活性が調節されるように修飾されている。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のタンパク質をコードする1つまたは複数の核酸の発現を増大させることで、これらのタンパク質の1つまたは複数の活性が増大される。特定の実施形態では、増大される1つまたは複数のタンパク質をコードする1つまたは複数の核酸は、ackA、pta、sfcA、maeB、aceE、aceF、lpdA、acs、rpe、rpiA、tkta、talB、およびpglからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のタンパク質をコードする1つまたは複数の核酸の発現を低下、減衰、または欠失させることで、これらのタンパク質の1つまたは複数の活性が低下される。特定の実施形態では、低下される1つまたは複数のタンパク質をコードする1つまたは複数の核酸は、pdhR、glta、pta、ackA、actP、pfkA、pgl、edd、およびedaからなる群から選択される。
本明細書に記載される組換え細胞のいずれか1つの中では、1つまたは複数のアセチル化タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸、MVA経路の1つまたは複数のポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸、1つまたは複数のペントースリン酸経路タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸、または1つまたは複数の酢酸循環タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸が、誘導性プロモーターまたは構成的プロモーター下に置かれる。
本明細書に記載される組換え細胞のいずれか1つの中では、1つまたは複数のアセチル化タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸、MVA経路の1つまたは複数のポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸、ホスホケトラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸、1つまたは複数のペントースリン酸経路タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸、または1つまたは複数の酢酸循環タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸が、1つまたは複数のマルチコピープラスミドにクローニングされる。
本明細書に記載される組換え細胞のいずれか1つの中では、1つまたは複数のアセチル化タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸、MVA経路の1つまたは複数のポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸、ホスホケトラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸、1つまたは複数のペントースリン酸経路タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸、または1つまたは複数の酢酸循環タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸が、細胞の染色体に組み込まれる。
本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、組換え細胞は、グラム陽性細菌細胞またはグラム陰性細菌細胞である。本明細書で開示される実施形態のいずれかのその他の実施形態では、組換え細胞は、真菌細胞、糸状菌細胞、藻類細胞または酵母細胞である。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、組換え細胞は、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、ストレプトミセス・リビダンス(Streptomyces lividans)、ストレプトミセス・コエリカラー(Streptomyces coelicolor)、ストレプトミセス・グリセウス(Streptomyces griseus)、大腸菌(Escherichia coli)、およびパントエア・シトレア(Pantoea citrea)からなる群から選択される。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、組換え細胞は、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、およびヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)からなる群から選択される。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、イソプレノイドは、モノテルペノイド、セスキテルペノイド、ジテルペノイド、セスタテルペノイド、トリテルペノイド、およびテトラテルペノイドからなる群から選択される。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、イソプレノイドは、アビエタジエン、アモルファジエン、カレン、α−ファルネセン、β−ファルネセン、ファルネソール、ゲラニオール、ゲラニルゲラニオール、リナロール、リモネン、ミルセン、ネロリドール、オシメン、パチョロール、β−ピネン、サビネン、γ−テルピネン、テルピネン、およびバレンセンからなる群から選択される。
本明細書に記載される実施形態のいずれかでは、イソプレノイド生産は、アセチル化タンパク質をコードする核酸の発現および/またはアセチル化タンパク質の活性が調節されるように修飾されていない組換え細胞と比較して、増大される。
本明細書に記載される実施形態のいずれかでは、イソプレノイド生産が少なくとも5%増大され、イソプレノイド生産の増大は、(i)力価、(ii)瞬間収率、(iii)累積収率、(iv)比生産性、または(v)細胞生産性指数の増大を含んでなる。
さらなる態様では、本明細書で提供されるのは、(a)本明細書で開示される実施形態のいずれかの組換え細胞をイソプレノイドの生産に適した条件下で培養するステップと、(b)イソプレノイドを生産するステップとを含んでなる、イソプレノイドを生産する方法である。いくつかの実施形態では、方法は、(c)イソプレノイドを回収するステップをさらに含んでなる。
なおも別の態様では、本明細書で提供されるのは、アセチルCoA由来産物を産生できる組換え細胞であり、細胞は、(i)1つまたは複数のアセチル化タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸のどちらか、またはそれらの活性が調節されるように遺伝子操作されている1つまたは複数のアセチル化タンパク質;および(ii)ホスホケトラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種核酸を含んでなり、細胞は核酸の発現および/またはアセチル化タンパク質の活性が調節されるように修飾または遺伝子操作されており、細胞はアセチルCoA由来産物を産生する。いくつかの実施形態では、細胞は、(i)を含まないアセチルCoA由来産物を産生する能力がある細胞と比較して、増大した量のアセチルCoA由来産物を産生する。
いくつかの実施形態では、アセチルCoA由来産物は、脂肪酸、フェノール、プロスタグランジン、マクロライド抗生物質、イソプレン、およびイソプレノイドからなる群から選択される。
本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、1つまたは複数のアセチル化タンパク質の活性が減衰、欠失または増大するように、1つまたは複数のアセチル化タンパク質の活性が調節される。
本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、アセチル化タンパク質はアセチルトランスフェラーゼである。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、アセチルトランスフェラーゼは、YfiQ、Pat、およびAcuAからなる群から選択される。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、アセチルトランスフェラーゼはYfiQポリペプチドである。
本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、アセチル化タンパク質はデアセチラーゼである。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、デアセチラーゼは、CobBおよびSrtNからなる群から選択される。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、デアセチラーゼはCobBポリペプチドである。
本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、1つまたは複数のアセチル化タンパク質は、YfiQポリペプチドおよびCobBポリペプチドからなる群から選択される。
本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、アセチル化タンパク質はYfiQポリペプチドである。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、YfiQポリペプチドの活性は、YfiQポリペプチドをコードする核酸の発現を低下、減衰、または欠失させることで調節される。
本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、アセチル化タンパク質はCobBポリペプチドである。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、CobBポリペプチドの活性は、CobBポリペプチドをコードする核酸の発現を増大させることで調節される。
本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、ホスホケトラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種核酸は、キシルロース5−リン酸からグリセルアルデヒド3リン酸およびアセチルリン酸を合成する能力がある。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、ホスホケトラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種核酸は、フルクトース−6−リン酸からエリスロース−4−リン酸およびアセチルリン酸を合成する能力がある。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組換え細胞は、1つまたは複数のペントースリン酸経路タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸をさらに含んでなり、細胞は、ペントースリン酸経路タンパク質をコードする核酸の発現および/またはペントースリン酸経路タンパク質の活性が調節されるように修飾されている。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のペントースリン酸経路タンパク質の活性が増大される。
特定の実施形態では、ペントースリン酸経路タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸の発現を増大させることで1つまたは複数のペントースリン酸経路タンパク質の活性が増大される。このような実施形態では、ペントースリン酸経路タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸は、トランスケトラーゼ(tktA)、トランスアルドラーゼ(talB)、リブロース−5−リン酸−エピメラーゼ(rpe)、およびリボース−5−リン酸エピメラーゼ(rpiA)からなる群から選択される。
その他の実施形態では、1つまたは複数のペントースリン酸経路タンパク質の活性が低下される。特定の実施形態では、ペントースリン酸経路タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸の発現を低下、減衰、または欠失させることで、1つまたは複数のペントースリン酸経路タンパク質の活性が低下される。このような実施形態では、ペントースリン酸経路タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸は、ホスホフルクトキナーゼ(pfkA)を含んでなる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組換え細胞は、1つまたは複数の酢酸循環タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸をさらに含んでなり、細胞は、酢酸循環タンパク質をコードする核酸の発現および/または酢酸循環タンパク質の活性が調節されるように修飾されている。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の酢酸循環タンパク質の活性が増大される。いくつかの実施形態では、酢酸循環タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸の発現を増大させることで、1つまたは複数の酢酸循環タンパク質の活性が増大される。このような実施形態では、酢酸循環タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸は、アセチル補酵素Aシンセターゼ(acs)、酢酸キナーゼ(ackA)、およびホスホトランスアセチラーゼ(pta)からなる群から選択され得る。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の酢酸循環タンパク質の活性が低下される。いくつかの実施形態では、酢酸循環タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸の発現を低下、減衰、または欠失させることで、1つまたは複数の酢酸循環タンパク質の活が低下される。このような実施形態では、酢酸循環タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸は、ホスホトランスアセチラーゼ(pta)、酢酸キナーゼ(ackA)、および酢酸輸送体/酢酸ポンプ(actP)からなる群から選択され得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組換え細胞は、sfcA、maeB、pdhR、aceE、aceF、lpdA、glta、acs、pta、ackA、actP、pfkA、rpe、rpiA、tkta、talB、pgl、edd、およびedaからなる群から選択される、1つまたは複数のタンパク質をコードする1つまたは複数の核酸をさらに含んでなり、細胞は、核酸の発現および/またはタンパク質の活性が調節されるように修飾されている。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のタンパク質をコードする1つまたは複数の核酸の発現を増大させることで、これらのタンパク質の1つまたは複数の活性が増大される。特定の実施形態では、増大される1つまたは複数のタンパク質をコードする1つまたは複数の核酸は、ackA、pta、sfcA、maeB、aceE、aceF、lpdA、acs、rpe、rpiA、tkta、talB、およびpglからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のタンパク質をコードする1つまたは複数の核酸の発現を低下、減衰、または欠失させることで、これらのタンパク質の1つまたは複数の活性が低下される。特定の実施形態では、低下される1つまたは複数のタンパク質をコードする1つまたは複数の核酸は、pdhR、glta、pta、ackA、actP、pfkA、pgl、edd、およびedaからなる群から選択される。
本明細書に記載される組換え細胞のいずれか1つの中では、1つまたは複数のアセチル化タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸、MVA経路の1つまたは複数のポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸、イソプレンシンターゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸、ホスホケトラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸、1つまたは複数のペントースリン酸経路タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸、または1つまたは複数の酢酸循環タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸が、誘導性プロモーターまたは構成的プロモーター下に置かれる。
本明細書に記載される組換え細胞のいずれか1つの中では、1つまたは複数のアセチル化タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸、MVA経路の1つまたは複数のポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸、イソプレンシンターゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸、ホスホケトラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸、1つまたは複数のペントースリン酸経路タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸、または1つまたは複数の酢酸循環タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸は、1つまたは複数のマルチコピープラスミドにクローニングされる。
本明細書に記載される組換え細胞のいずれか1つの中では、1つまたは複数のアセチル化タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸、MVA経路の1つまたは複数のポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸、イソプレンシンターゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸、ホスホケトラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸、1つまたは複数のペントースリン酸経路タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸、または1つまたは複数の酢酸循環タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸は、細胞の染色体に組み込まれる。
本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、組換え細胞は、グラム陽性細菌細胞またはグラム陰性細菌細胞である。本明細書で開示される実施形態のいずれかのその他の実施形態では、組換え細胞は、真菌細胞、糸状菌細胞、藻類細胞または酵母細胞である。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、組換え細胞は、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、ストレプトミセス・リビダンス(Streptomyces lividans)、ストレプトミセス・コエリカラー(Streptomyces coelicolor)、ストレプトミセス・グリセウス(Streptomyces griseus)、大腸菌(Escherichia coli)、およびパントエア・シトレア(Pantoea citreaからなる群から選択される)。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、組換え細胞は、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、およびヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)からなる群から選択される。
本明細書に記載される実施形態のいずれかでは、アセチルCoA由来産物の生産は、アセチル化タンパク質をコードする核酸の発現および/またはアセチル化タンパク質の活性が調節されるように修飾されていない組換え細胞と比較して、増大される。
別の態様では、本明細書で提供されるのは、(a)本明細書で開示される実施形態のいずれか1つの組換え細胞をアセチルCoA由来産物の生産に適した条件下で培養するステップと、(b)アセチルCoA由来産物を生産するステップとを含んでなる、アセチルCoA由来産物を生産する方法である。いくつかの実施形態では、方法は、(c)アセチルCoA由来産物を回収するステップをさらに含んでなる。
図1Aは、4時間にわたる、YfiQ遺伝子に欠失を有する細胞と対比した、対照野性型YfiQ細胞の増殖(OD600)を描写する。図1Bは、同細胞の一晩の増殖を描写する。 図1Aは、4時間にわたる、YfiQ遺伝子に欠失を有する細胞と対比した、対照野性型YfiQ細胞の増殖(OD600)を描写する。図1Bは、同細胞の一晩の増殖を描写する。 4時間にわたる、YfiQ遺伝子に欠失を有する細胞と対比した、対照野性型YfiQ細胞のイソプレン比生産性を描写する。 経時的にそれぞれ15Lの発酵中で測定された、酢酸のブロス濃度を描写する。MCM2732(YfiQ欠失)(黒菱形);MCS1227(YfiQ野性型)(白四角形)。 経時的にそれぞれ15Lの発酵中で測定された、グルコース比取り込み速度を描写する。MCM2732(yfiQ欠失)(黒色菱形);MCS1227(yfiQ野性型)(白色四角形)。 経時的にそれぞれ15Lの発酵中で得られた、容積イソプレン生産性を描写する。MCM2732(yfiQ欠失)(黒色菱形);MCS1227(yfiQ野性型)(白色四角形)。 経時的にそれぞれ15Lの発酵中で得られた、グルコース上のイソプレンの累積収率を描写する。MCM2732(yfiQ欠失)(黒色菱形);MCS1227(yfiQ野性型)(白四角形)。 経時的にそれぞれ15Lの発酵中で得られた、細胞性能指数(CPI)を描写する。MCM2732(yfiQ欠失)(黒色菱形);MCS1227(yfiQ野性型)(白四角形)。 経時的にそれぞれ15Lの発酵中で得られた、平滑化イソプレン比生産性を描写する。MCM2732(yfiQ欠失)(黒色菱形);MCS1227(yfiQ野性型)(白四角形)。 唯一の炭素源としての様々な濃度の酢酸上で培養された、yfiQ野性型およびyfiQ欠失イソプレン産生細胞の増殖速度を描写する。 唯一の炭素源としての様々な濃度の酢酸上で培養された、yfiQ野性型およびyfiQ欠失イソプレン産生細胞のイソプレン比生産性を描写する。 唯一の炭素源としてのグルコース上で培養された、yfiQ野性型およびyfiQ欠失イソプレン産生細胞増殖速度を描写する。 唯一の炭素源としてのグルコース上で培養された、yfiQ野性型およびyfiQ欠失イソプレン産生細胞のイソプレン比生産性を描写する。 プラスミドpMCS826PKL16(M.ホミニス(M.hominis))のマップを描写する。 プラスミドpEWL1421のマップを描写する。 プラスミドpMCS1019のマップを描写する。 経時的にそれぞれ15Lの発酵中で測定された、酢酸のブロス濃度を描写する。全ての細胞は、yfiQ欠失を有する。MCM2732対照細胞(M.ホミニス(M.hominis)ホスホケトラーゼ異種性発現およびpta過剰発現)(黒色菱形);MCM3151(M.ホミニス(M.hominis)ホスホケトラーゼ異種発現およびpta欠失)(白色四角形);MD1206(M.ホミニス(M.hominis)ホスホケトラーゼ異種発現およびpta欠失)(白色三角形);MD1207(E.ガリナーラム(E.gallinarum)ホスホケトラーゼ異種発現およびpta欠失)(「x」で標識された線)。 経時的にそれぞれ15Lの発酵中で得られた、グルコース上のイソプレンの累積収率を描写する。全ての細胞は、yfiQ欠失を有する。MCM2732対照細胞(M.ホミニス(M.hominis)ホスホケトラーゼ異種発現およびpta過剰発現)(黒色菱形);MCM3151(M.ホミニス(M.hominis)ホスホケトラーゼ異種発現およびpta欠失)(白色四角形);MD1206(M.ホミニス(M.hominis)ホスホケトラーゼ異種発現およびpta欠失)(白色三角形);.MD1207(E.ガリナーラム(E.gallinarum)ホスホケトラーゼ異種発現およびpta欠失)(「x」で標識された線) 経時的にそれぞれ15Lの発酵中で得られた、(40時間にわたる)グルコース上のイソプレン収率を描写する。全ての細胞は、yfiQ欠失を有する。MCM2732対照細胞(M.ホミニス(M.hominis)ホスホケトラーゼ異種発現およびpta過剰発現)(黒色菱形);MCM3151(M.ホミニス(M.hominis)ホスホケトラーゼ異種発現およびpta欠失)(白色四角形);MD1206(M.ホミニス(M.hominis)ホスホケトラーゼ異種発現およびpta欠失)(白色三角形);.MD1207(E.ガリナーラム(E.gallinarum)ホスホケトラーゼ異種発現およびpta欠失)(「x」で標識された線) actP欠失およびackA過剰発現対立遺伝子交換ベクターのマップを描写する。 MD1207(対照)、MD1245(actP欠失)、およびDW1245(ackA過剰発現)の増殖速度(図20A)、経時的二酸化炭素放出速度(CER)(図20B)、経時的ブロス酢酸(図20C)、および経時的ブロスMVA(図20D)を描写する。全ての細胞は、E.ガリナーラム(E.gallinarum)ホスホケトラーゼ異種発現があるyfiQおよびpta欠失である。 MD1207(対照)、MD1245(actP欠失)、およびDW1245(ackA過剰発現)の増殖速度(図20A)、経時的二酸化炭素放出速度(CER)(図20B)、経時的ブロス酢酸(図20C)、および経時的ブロスMVA(図20D)を描写する。全ての細胞は、E.ガリナーラム(E.gallinarum)ホスホケトラーゼ異種発現があるyfiQおよびpta欠失である。 MD1207(対照)、MD1245(actP欠失)、およびDW1245(ackA過剰発現)の増殖速度(図20A)、経時的二酸化炭素放出速度(CER)(図20B)、経時的ブロス酢酸(図20C)、および経時的ブロスMVA(図20D)を描写する。全ての細胞は、E.ガリナーラム(E.gallinarum)ホスホケトラーゼ異種発現があるyfiQおよびpta欠失である。 MD1207(対照)、MD1245(actP欠失)、およびDW1245(ackA過剰発現)の増殖速度(図20A)、経時的二酸化炭素放出速度(CER)(図20B)、経時的ブロス酢酸(図20C)、および経時的ブロスMVA(図20D)を描写する。全ての細胞は、E.ガリナーラム(E.gallinarum)ホスホケトラーゼ異種発現があるyfiQおよびpta欠失である。 MD1207(対照)、MD1245(actP欠失)、およびDW1245(ackA過剰発現)の瞬間イソプレン/CO生産(図21A)、経時的に生じたイソプレン力価(図21B)、経時的に生じたイソプレン収率%(図21C)、および経時的イソプレン比生産性(図21D)を描写する。全ての細胞は、E.ガリナーラム(E.gallinarum)ホスホケトラーゼ異種発現があるyfiQおよびpta欠失である。 MD1207(対照)、MD1245(actP欠失)、およびDW1245(ackA過剰発現)の瞬間イソプレン/CO生産(図21A)、経時的に生じたイソプレン力価(図21B)、経時的に生じたイソプレン収率%(図21C)、および経時的イソプレン比生産性(図21D)を描写する。全ての細胞は、E.ガリナーラム(E.gallinarum)ホスホケトラーゼ異種発現があるyfiQおよびpta欠失である。 MD1207(対照)、MD1245(actP欠失)、およびDW1245(ackA過剰発現)の瞬間イソプレン/CO生産(図21A)、経時的に生じたイソプレン力価(図21B)、経時的に生じたイソプレン収率%(図21C)、および経時的イソプレン比生産性(図21D)を描写する。全ての細胞は、E.ガリナーラム(E.gallinarum)ホスホケトラーゼ異種発現があるyfiQおよびpta欠失である。 MD1207(対照)、MD1245(actP欠失)、およびDW1245(ackA過剰発現)の瞬間イソプレン/CO生産(図21A)、経時的に生じたイソプレン力価(図21B)、経時的に生じたイソプレン収率%(図21C)、および経時的イソプレン比生産性(図21D)を描写する。全ての細胞は、E.ガリナーラム(E.gallinarum)ホスホケトラーゼ異種発現があるyfiQおよびpta欠失である。 ペントースリン酸経路上方制御対立遺伝子交換ベクターのマップを描写する。 pfkA下方制御対立遺伝子交換ベクターのマップを描写する。 最後のアミノ酸位置から3つ目に、イソロイシン(I)、アルギニン(R)、またはスレオニン(T)変異がある、PfkA::TmRNAタンパク質分解タグを発現する細胞の増殖速度を描写する。 MD1207(対照)およびMD1284(PPP過剰発現)の増殖速度(図25A)、経時的二酸化炭素放出速度(CER)(図25B)、ブ経時的ロス酢酸(図25C)、および経時的ブロスMVA(図25D)を描写する。全ての細胞は、E.ガリナーラム(E.gallinarum)ホスホケトラーゼ異種発現があるyfiQおよびpta欠失である。 MD1207(対照)およびMD1284(PPP過剰発現)の増殖速度(図25A)、経時的二酸化炭素放出速度(CER)(図25B)、ブ経時的ロス酢酸(図25C)、および経時的ブロスMVA(図25D)を描写する。全ての細胞は、E.ガリナーラム(E.gallinarum)ホスホケトラーゼ異種発現があるyfiQおよびpta欠失である。 MD1207(対照)およびMD1284(PPP過剰発現)の増殖速度(図25A)、経時的二酸化炭素放出速度(CER)(図25B)、ブ経時的ロス酢酸(図25C)、および経時的ブロスMVA(図25D)を描写する。全ての細胞は、E.ガリナーラム(E.gallinarum)ホスホケトラーゼ異種発現があるyfiQおよびpta欠失である。 MD1207(対照)およびMD1284(PPP過剰発現)の増殖速度(図25A)、経時的二酸化炭素放出速度(CER)(図25B)、ブ経時的ロス酢酸(図25C)、および経時的ブロスMVA(図25D)を描写する。全ての細胞は、E.ガリナーラム(E.gallinarum)ホスホケトラーゼ異種発現があるyfiQおよびpta欠失である。 MD1207(対照)およびMD1284(PPP過剰発現)の瞬間イソプレン/CO生産(図26A)、経時的に生じたイソプレン力価(図26B)、経時的に生じたイソプレン%収率的(図26C)、および経時的イソプレン比生産性(図26D)を描写する。全ての細胞は、E.ガリナーラム(E.gallinarum)ホスホケトラーゼ異種発現があるyfiQおよびpta欠失である。 MD1207(対照)およびMD1284(PPP過剰発現)の瞬間イソプレン/CO生産(図26A)、経時的に生じたイソプレン力価(図26B)、経時的に生じたイソプレン%収率的(図26C)、および経時的イソプレン比生産性(図26D)を描写する。全ての細胞は、E.ガリナーラム(E.gallinarum)ホスホケトラーゼ異種発現があるyfiQおよびpta欠失である。 MD1207(対照)およびMD1284(PPP過剰発現)の瞬間イソプレン/CO生産(図26A)、経時的に生じたイソプレン力価(図26B)、経時的に生じたイソプレン%収率的(図26C)、および経時的イソプレン比生産性(図26D)を描写する。全ての細胞は、E.ガリナーラム(E.gallinarum)ホスホケトラーゼ異種発現があるyfiQおよびpta欠失である。 MD1207(対照)およびMD1284(PPP過剰発現)の瞬間イソプレン/CO生産(図26A)、経時的に生じたイソプレン力価(図26B)、経時的に生じたイソプレン%収率的(図26C)、および経時的イソプレン比生産性(図26D)を描写する。全ての細胞は、E.ガリナーラム(E.gallinarum)ホスホケトラーゼ異種発現があるyfiQおよびpta欠失である。 MD1207(対照)、MD1284(PPP過剰発現)、MD1286(PPP過剰発現およびPfkAIタグ)、MD1285(PPP過剰発現およびPfkATタグ)、MD1287((PPP過剰発現およびPfkARタグ))の増殖速度(図27A)および経時的に生じたイソプレン力価(図27B)を描写する。全ての細胞は、E.ガリナーラム(E.gallinarum)ホスホケトラーゼ異種発現があるyfiQおよびpta欠失である。 MD1207(対照)、MD1284(PPP過剰発現)、MD1286(PPP過剰発現およびPfkAIタグ)、MD1285(PPP過剰発現およびPfkATタグ)、MD1287((PPP過剰発現およびPfkARタグ))の増殖速度(図27A)および経時的に生じたイソプレン力価(図27B)を描写する。全ての細胞は、E.ガリナーラム(E.gallinarum)ホスホケトラーゼ異種発現があるyfiQおよびpta欠失である。 メバロン酸、イソプレン、イソプレノイド、イソプレノイド前駆体、および/またはアセチルCoA由来産物を生成する細胞内の代謝を描写する。
本発明は、特に、タンパク質のアセチル化(「アセチル化タンパク質(acetylating proteins)」または「アセチル化タンパク質(acetylation proteins)」)に関与するポリペプチドをコードする遺伝子の発現を調節するために遺伝子操作されている組換え微生物中で、メバロン酸、イソプレン、イソプレノイド前駆体分子、イソプレノイド、および/またはアセチルCoA由来産物の生産を増大させる組成物および方法を提供する。より具体的には、本発明は、特に、その中で1つまたは複数のアセチル化タンパク質の活性が調節されている細胞を含んでなる、組換え微生物、またはそれらの子孫を提供する。これらのアセチル化タンパク質としては、制限なしに、アセチルトランスフェラーゼポリペプチド(アセチルトランスフェラーゼ)および/またはデアセチラーゼポリペプチドが挙げられる。いくつかの実施形態では、前記1つまたは複数のアセチル化タンパク質の活性は、前記1つまたは複数のアセチル化タンパク質の活性が、低下、減衰、欠失または増大するように調節される。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、1つまたは複数のアセチル化タンパク質は、YfiQポリペプチド、Patポリペプチド、AcuAポリペプチド、サルモネラ・エンテリカ(Salmonella enterica)アセチルトランスフェラーゼ(gi|16503810|emb|CAD05835.1|配列番号51)、ロドシュードモナス・パルストリス(Rhodopseudomonas palustris)GCN5ファミリーN−アセチルトランスフェラーゼ(gi|499473135|ref|WP_011159775.1|配列番号52)、ストレプトミセス・リビダンス(Streptomyces lividans)タンパク質アセチルトランスフェラーゼ(EFD66247配列番号53)、マイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis)アセチルトランスフェラーゼ(gi|15608138|ref|NP_215513.1|配列番号54)、およびマイコバクテリウム・スメグマチス(Mycobacterium smegmatis)アセチルトランスフェラーゼ(gi|118468187|ref|YP_889697.1|配列番号55)からなる群から選択される。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、1つまたは複数のアセチル化タンパク質は、CobBポリペプチド、SrtNポリペプチド、サルモネラ・エンテリカ(Salmonella enterica)NAD依存性デアセチラーゼ(gi|16764576|ref|NP_460191.1|配列番号56)、ロドシュードモナス・パルストリス(Rhodopseudomonas palustris)NAD依存性デアセチラーゼ(gi|499471434|ref|WP_011158074.1|配列番号57)、およびマイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis)NAD依存性タンパク質デアシラーゼ(gi|614103494|sp|P9WGG3.1|NPD_MYCTU配列番号58)からなる群から選択される。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、1つまたは複数のアセチル化タンパク質は、YfiQポリペプチドおよびCobBポリペプチドからなる群から選択される。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、アセチル化タンパク質はYfiQポリペプチドである。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、YfiQポリペプチドの活性は、YfiQポリペプチドをコードする遺伝子/核酸の発現を低下、減衰、または欠失させることで調節される。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、YfiQポリペプチドをコードする遺伝子の発現を増大させることで、YfiQポリペプチドの活性が調節される。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、アセチル化タンパク質はCobBポリペプチドである。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、CobBポリペプチドの活性は、CobBポリペプチドをコードする遺伝子の発現を低下、減衰、または欠失させることで調節される。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、CobBポリペプチドの活性は、CobBポリペプチドをコードする遺伝子の発現を増大させることで調節される。
本明細書で詳述されるように、アセチル化は、迅速に変化する条件に応答して、タンパク質の活性を調節しならびに遺伝子発現を制御するために、細胞によって使用される翻訳後修飾である(Cerezo et al.,2011,Molec.Microb.,82(5):1110−28)。細胞タンパク質のアセチル化は、細胞内で利用可能なアセチルCoAのアセチル基を標的タンパク質上に転移するアセチルトランスフェラーゼ、およびタンパク質中のアミノ酸からアセチル基を除去するデアセチラーゼとして知られている酵素によって調節される。本明細書で開示されるように、本発明者らは、特に、細胞内アセチル化の制御に関与する遺伝子の調節が、イソプレン、イソプレノイド前駆体、およびイソプレノイドをはじめとする、メバロン酸由来分子の生産に、ならびにアセチルCoA由来分子の生産に、実質的で驚くべき改善をもたらすことを発見した。
一態様では、本明細書で開示される組換え微生物は、細胞(細菌、真菌、または藻類細胞など)であり、それは、1つまたは複数のメバロン酸(MVA)経路ポリペプチドをコードする核酸を異種発現するように、さらに遺伝子操作または修飾されている。メバロン酸依存性生合成経路は、イソプレノイド前駆体分子ジメチルアリル二リン酸(DMAPP)およびイソペンテニルピロリン酸(IPP)の生産に、特に重要である。上流メバロン酸経路の酵素は、3つの酵素反応を通じて、アセチルCoAをメバロン酸に変換する。理論に束縛されることなく、上流メバロン酸依存性生合成経路への導入のために細胞内で利用可能なアセチルCoAの量の増大は、メバロン酸の細胞内濃度、ひいてはDMAPPおよびIPPなどの下流イソプレノイド前駆体分子の濃度を実質的に増大させると考えられる。したがってこれらの株によるメバロン酸生産の収量増大は、商業的応用に有利である。組換え微生物のあらゆる子孫もまた、本発明の範囲内であることが検討される。
さらに、細胞代謝中の炭素利用に関与する追加的な遺伝子の調節、またはアセチルCoAの利用可能な細胞内供給に関与するとされるものもまた調節されて、メバロン酸、イソプレン、イソプレノイド前駆体、および/またはイソプレノイドの生産が改善されてもよい。これらとしては、より多くの炭素流がメバロン酸の生産に向かうように、代謝経路中の酵素活性を増大または低下させるように調節され得る、ホスホケトラーゼ、クエン酸シンターゼ、ホスホトランスアセチラーゼ、酢酸キナーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ、リンゴ酸酵素および/またはピルビン酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子が挙げられるが、これに限定されるものではない。その調節が、細胞内でメバロン酸の生産に向かう炭素流を増大させ得るその他の要素としては、6−ホスホグルコノラクトナーゼ、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ、マグネシウム欠乏時RssB活性インヒビタータンパク質、多剤排出ポンプAcrAB−TolCのAcrA成分、およびフマル酸および硝酸還元RNAが挙げられる。これは次に、イソプレン、イソプレノイド前駆体、およびイソプレノイドの生産のためのより多くの基質をもたらし得る。したがって本出願の組成物および方法は、メバロン酸、イソプレン、イソプレノイド前駆体分子、イソプレノイド、およびアセチルcoA由来産物の生産を増大させるために利用可能な微生物株の数、ならびに細胞(細菌、真菌、または藻類細胞など)によって生産されるこれらの化合物(例えば、メバロン酸)の量の双方において、当該技術分野で以前実施されていたものの改善に相当する。
一般技術
特に断りのない限り、本発明の実施は、当該分野の技術範囲内である、(組換え技術をはじめとする)従来の分子生物学技術、微生物学、細胞生物学、生化学、および免疫学を採用する。このような技術は、文献、“Molecular Cloning:A Laboratory Manual”,第2版(Sambrook et al.,1989);“Oligonucleotide Synthesis”(M.J.Gait編,1984);“Animal Cell Culture”(R.I.Freshney編,1987);“Methods in Enzymology”(Academic Press,Inc.);“Current Protocols in Molecular Biology”(F.M.Ausubel et al.,編.,1987,and periodic updates);“PCR:The Polymerase Chain Reaction”,(Mullis et al.,編,1994).Singleton et al.,Dictionary of Microbiology and Molecular Biology 第2版,J.Wiley&Sons(New York,N.Y.1994)、およびMarch,Advanced Organic Chemistry Reactions,Mechanisms and Structure 第4版,John Wiley&Sons(New York,N.Y.1992)で詳しく説明され、当業者に、本出願で使用される多くの用語について、一般的指針を提供する。
定義
「完全メバロン酸(MVA)経路」または「全メバロン酸(MVA)経路」という用語は、アセチルCoAをピロリン酸ジメチルアリル(DMAPP)およびイソペンテニルピロリン酸(IPP)に変換する、細胞代謝経路を指し、それは、酵素アセトアセチル補酵素Aシンターゼ(例えば、チオラーゼ)、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル補酵素Aシンターゼ、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル補酵素A還元酵素、メバロン酸キナーゼ(MVK)、ホスホメバロン酸キナーゼ(PMK)、ジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼ(MVD)、およびイソペンテニル二リン酸イソメラーゼ(IDI)によって触媒される。
本明細書の用法では、「上流メバロン酸経路」または「上流MVA経路」という用語は、酵素アセトアセチル補酵素Aシンターゼ(例えば、チオラーゼ)、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル補酵素Aシンターゼ、および3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル補酵素A還元酵素によって触媒される、細胞内の一連の反応を指す。
「下流メバロン酸経路」または「下流MVA経路」という用語は、酵素メバロン酸キナーゼ(MVK)、ホスホメバロン酸キナーゼ(PMK)、ジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼ(MVD)、およびイソペンテニル二リン酸イソメラーゼ(IDI)によって触媒される、細胞内の一連の反応を指す。
「イソプレン」という用語は、2−メチル−1,3−ブタジエン(CAS#78−79−5)を指す。それは、3,3−ジメチルアリル二リン酸(DMAPP)からのピロリン酸除去からの、直接的および最終揮発性C5炭化水素生成物であり得る。これは、IPP分子のDMAPP分子への結合または重合を伴わなくてもよい。「イソプレン」という用語は、本明細書で特に断りのない限り、通常、その生産方法に限定されることは意図されない。
本明細書の用法では、「ポリペプチド」という用語は、ポリペプチド、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド断片、および融合ポリペプチドを含む。
本明細書の用法では、「単離ポリペプチド」は、2、5、10、20、50以上の異なるポリペプチドライブラリーなどのポリペプチドライブラリーの一部でなく、それが自然界で一緒に存在する少なくとも1つの構成要素から分離される。単離ポリペプチドは、例えば、ポリペプチドをコードする組換え核酸の発現によって得られ得る。
「異種ポリペプチド」とは、宿主細胞とは異なる生物、種、または株に由来する核酸配列によってコードされる、ポリペプチドを意味する。いくつかの実施形態では、異種ポリペプチドは、自然界で同一宿主細胞に見られる、野生型ポリペプチドと同じでない。
本明細書の用法では、「核酸」は、一本鎖または二本鎖形態のどちらかで、共有結合的に共に連結した2つ以上のデオキシリボヌクレオチドおよび/またはリボヌクレオチドを指す。
「組換え核酸」とは、それに関心のある核酸が由来する生物の天然ゲノム中で、関心のある核酸の側面に位置する1つまたは複数の核酸(例えば、遺伝子)を含まない、関心のある核酸を意味する。したがって用語は、例えば、ベクターに、自己複製プラスミドまたはウイルスに、または原核生物または真核生物ゲノムDNAに、組み込まれた組換えDNA、またはその他の配列から独立した別個の分子(例えば、PCRまたは制限エンドヌクレアーゼ消化によって生じる、cDNA、ゲノムDNA断片、またはcDNA断片)として存在する組換えDNAを含む。
「異種核酸」は、宿主細胞とは異なる生物、種または株に由来する核酸配列を意味する。いくつかの実施形態では、異種核酸は、天然で同一宿主細胞に見られる野生型核酸と同じでない。例えば、大腸菌(E.coli)染色体に形質転換されまたは組み込まれたmvaEおよびmvaS遺伝子によってコードされる核酸は、異種核酸である。
本明細書の用法では、「発現調節配列」は、興味深い核酸の転写を誘導する核酸配列を意味する。発現調節配列は、構成的または誘導性プロモーターなどのプロモーター、またはエンハンサーであり得る。発現調節配列は、「天然」または異種であり得る。天然発現調節配列は、発現される遺伝子と同じ生物、種、または株に由来する。異種発現調節配列は、発現される遺伝子と異なる生物、種、または株に由来する。「誘導性プロモーター」は、環境的または発生的調節下において、活性のプロモーターである。
「作動可能に連結する」とは、核酸発現制御配列(プロモーターなど)と第2の核酸配列の間の機能的連結を意味し、発現調節配列は、第2の配列に対応する、核酸の転写を誘導する。
本明細書の用法では、「最少培地(単数)」または「最少培地(複数)」という用語は、細胞増殖で可能な最少栄養素を含有して、通常はアミノ酸が不在である増殖培地を指す。最少培地は、典型的に、(1)微生物(例えば、細菌、真菌、または藻類細胞)増殖のための炭素源;(2)微生物(例えば、細菌)種および増殖条件間で変動し得る様々な塩;および(3)水を含有する。炭素源は、下でより詳細に考察されるように、グルコースのような単糖類から、酵母抽出物などの他のバイオマスのより複雑な加水分解物まで、著しく変動し得る。塩は、通常、マグネシウム、窒素、リン、およびイオウなどの必須元素を提供して、細胞がタンパク質および核酸を合成できるようにする。最少培地はまた、特定のプラスミドの維持などについて選択するために、抗生物質などの選択的薬剤によって補足し得る。例えば、微生物が、アンピシリンまたはテトラサイクリンなどの特定の抗生物質に耐性があれば、抵抗性を欠く細胞が増殖するのを防ぐために、その抗生物質を培地に添加し得る。培地は、特定のアミノ酸などの所望の生理学的または生化学的特性について選択するために、必要に応じて、その他の化合物で補足し得る。
本明細書の用法では、「イソプレノイド」という用語は、各単位が特定パターンに配列された5つの炭素原子からなる、2つ以上の炭化水素単位から構成される天然有機化合物クラスの大規模かつ多様なクラスを指す。本明細書の用法では、「イソプレン」は、「イソプレノイド」の定義から明示的に除外される。
本明細書の用法では、「テルペノイド」という用語は、多様な様式で構築および修飾されて、グループ構成員中で使用されるイソプレノイド単位数に基づいてグループ分けされた、五炭素イソプレノイド単位に由来する有機分子の大規模かつ多様なクラスを指す。ヘミテルペノイドは、1つのイソプレノイド単位を有する。モノテルペノイドは、2つのイソプレノイド単位を有する。セスキテルペノイドは、3つのイソプレノイド単位を有する。ジテルペノイドは、4つのイソプレン単位を有する。セスタテルペノイドは、5つのイソプレノイド単位を有する。トリテルペノイドは、6つのイソプレノイド単位を有する。テトラテルペノイドは、8つのイソプレノイド単位を有する。ポリテルペノイドは、8つを超えるイソプレノイド単位を有する。
本明細書の用法では、「イソプレノイド前駆体」は、テルペノイドまたはイソプレノイドの生合成において、生物によって使用される任意の分子を指す。イソプレノイド前駆体分子の非限定的例としては、例えば、イソペンテニルピロリン酸(IPP)、およびジメチルアリル二リン酸(DMAPP)が挙げられる。
本明細書の用法では、「質量収率」という用語は、細胞(細菌、真菌、または藻類細胞など)によって消費されたグルコース質量で除して100を乗じた、細胞(細菌、真菌、または藻類細胞など)によって生産された産物の質量を指す。
「比生産性」とは、生成物生成時間、細胞密度、および培養物容積で除した、細胞(細菌、真菌、または藻類細胞など)によって生成された生成物の質量を意味する。
「力価」は、培養液の容積で除した、細胞(細菌、真菌、または藻類細胞など)によって生成された生成物の質量を意味する。
本明細書の用法では、「細胞生産性指標(CPI)」という用語は、培養物中に生じた細胞(細菌、真菌、または藻類細胞など)の質量で除した、細胞(細菌、真菌、または藻類細胞など)によって産生された生成物の質量を指す。
本明細書の用法では、「アセチルCoA由来産物」という用語は、アセチルCoAに由来する二次代謝産物を指す。二次代謝産物の例としては、脂肪酸、フェノール、プロスタグランジン、マクロライド抗生物質、イソプレン、およびイソプレノイドが挙げられるが、これに限定されるものではない。
本明細書で特に断りのない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的用語は、本発明が関係する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
本明細書の用法では、単数の用語「a」、「an」、および「the」は、文脈上明白に別段の記載がない限り、複数への言及を含む。
本明細書全体を通じて記載されるあらゆる最大数値限界は、あたかもより低い数値限界が本明細書に明示的に記載されているかのように、あらゆるより低い数値限界を含むことが意図される。本明細書全体を通じて示されるあらゆる最小数値限界は、あたかもより高い数値限界が本明細書に明示的に記載されているかのように、あらゆるより高い数値限界を含む。本明細書全体を通じて示されるあらゆる数値範囲は、あたかもより狭い数値範囲が本明細書に明示的に記載されているかのように、このようなより広い数値範囲に含まれるあらゆるより狭い数値範囲を含む。
細胞アセチル化機構の調節
タンパク質中の残基のアセチル化は、原核および真核細胞全体を通じて見られる翻訳後修飾である。リジン残基のアセチル化は、観察される一般的な翻訳後修飾である。翻訳後修飾として、アセチル化は、迅速に変化する条件に応答してタンパク質の活性を調節し、ならびに遺伝子発現を制御するために、細胞によって使用され得る(Cerezo et al.,2011,Molec.Microb.,82(5):1110−28)。細胞タンパク質のアセチル化は、アセチルCoA分子のアセチル基を標的タンパク質上に転移する、アセチルトランスフェラーゼ(アセチルCoA依存性アセチルトランスフェラーゼまたはGcn5様タンパク質N−アセチルトランスフェラーゼなど、例えばYfiQ)として知られている酵素によって調節される。本明細書の用法では、「YfiQ」という用語は、「タンパク質リジンアセチラーゼ」または「pka」という用語と同義的に使用され得るyfiQによってコードされる、アセチルトランスフェラーゼポリペプチドを指す。対照的に、細胞内タンパク質の脱アセチル化は、NAD依存性(Sir2様)タンパク質デアセチラーゼ(サーチュインとしてもまた知られている、例えばCobB)などのデアセチラーゼとして知られている酵素によって調節される。
微生物におけるタンパク質アセチル化の1つの重要な標的は、AMP形成アセチル補酵素Aシンセターゼ(Acs)であり、これは酢酸から中央代謝のキーストーン分子である高エネルギー中間体アセチルCoAへの変換に関与する、遍在性酵素である(Cerezo et al.,2011,Molec.Microb.,82(5):1110−28)。CobBのデアセチラーゼの活性は、生体外においてAcs上で実証さている(Zhao et al.,2004,J.Mol.Biol.,337:731−41)。理論に束縛されることなく、Acsのアセチル化はその酵素的不活性化をもたらすので、Acsアセチル化の量を低下させるように遺伝子操作された細胞は、より大量のアセチルCoAを産生することが予期され得る。
細胞内タンパク質アセチル化に関与する経路を遺伝子操作することで、組換え微生物は、調節された内在性アセチルトランスフェラーゼおよび/またはデアセチラーゼ遺伝子発現またはタンパク質活性を有しない微生物と比較して、酢酸の産生量が低下し得る。酢酸の産生量の低下は、当業者に公知の日常的アッセイによって測定され得る。酢酸の量低下は、アセチル化タンパク質の1つまたは複数をコードする1つまたは複数の核酸を含んでなる細胞と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%であり、前記細胞は、核酸発現および/またはアセチル化タンパクの活性が調節されるように遺伝子操作されている。
アセチルトランスフェラーゼ(YfiQ(pka)、Pat、またはAcuAなどであるが、これに限定されるものではない)またはデアセチラーゼ(CobBおよびSrtNなどであるが、これに限定されるものではない)の活性はまた、タンパク質活性または遺伝子発現の分子操作によって低下され得る。タンパク質活性または遺伝子発現の低下は、操作が実施されていない場合と比較した、遺伝子発現、比活性または全活性の任意の量の低下であり得る。場合によっては、酵素活性の低下は、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%低下される。
アセチルトランスフェラーゼ(YfiQ(pka)、Pat、またはAcuAなどであるが、これに限定されるものではない)またはデアセチラーゼ(CobBおよびSrtNなどであるが、これに限定されるものではない)の活性はまた、タンパク質活性または遺伝子発現の分子操作によって増大され得る。タンパク質活性または遺伝子発現の増大は、操作が実施されていない場合と比較した、遺伝子発現、比活性または全活性の任意の量の増大であり得る。場合によっては、酵素活性の増大は、少なくとも約1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、125%、150%、200%、250%、300%、350%、400%、450%、500%、750%、1000%以上増大される。
いくつかの実施形態では、前記1つまたは複数のアセチル化タンパク質の活性は、前記1つまたは複数のアセチル化タンパク質の活性が、減衰、欠失または増大するように調節される。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、1つまたは複数のアセチル化タンパク質は、YfiQポリペプチドおよびCobBポリペプチドからなる群から選択される。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、アセチル化タンパク質はYfiQポリペプチドである。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、YfiQポリペプチドの活性は、YfiQポリペプチドをコードする遺伝子の発現を低下、減衰、または欠失させることで調節される。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、YfiQポリペプチドをコードする遺伝子の発現を増大させることで、YfiQポリペプチドの活性が調節される。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、アセチル化タンパク質はCobBポリペプチドである。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、CobBポリペプチドの活性は、CobBポリペプチドをコードする遺伝子の発現を低下、減衰、または欠失させることで調節される。本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、CobBポリペプチドの活性は、CobBポリペプチドをコードする遺伝子の発現を増大させることで調節される。
場合によっては、アセチルトランスフェラーゼおよび/またはデアセチラーゼ遺伝子の活性(転写時(すなわち、遺伝子発現)および/または翻訳レベル(すなわち、タンパク質活性)のどちらかの調節は、アセチルトランスフェラーゼおよび/またはデアセチラーゼ活性の調節を有しない細胞と比較して、メバロン酸依存性生合成経路に向かうより多くの炭素流をもたらす。
メバロン酸産生能力がある組換え細胞
メバロン酸依存性生合成経路(MVA経路)は、全ての高等真核生物および特定の細菌に存在する、主要代謝経路である。タンパク質プレニル化、細胞膜保守、タンパク質固着、およびN−グリコシル化などの多様なプロセスで使用される分子の生成に重要であるのに加えて、メバロン酸経路は、テルペン、テルペノイド、イソプレノイド、およびイソプレン生合成のための基礎原料の役割を果たす、イソプレノイド前駆体分子DMAPPおよびIPPの主要な供給源を提供する。
MVA経路の上流部分では、チオラーゼ、HMG−CoA還元酵素活性、およびHMG−CoAシンターゼ酵素活性のいずれかを有するポリペプチドの作用によって、細胞代謝中に生成されたアセチルCoAがメバロン酸に変換される。最初に、アセチルCoAが、チオラーゼの作用によって、アセトアセチルCoAに変換される。次に、アセトアセチルCoAが、HMG−CoAシンターゼの酵素作用によって、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルCoA(HMG−CoA)に変換される。このCoA誘導体は、HMGCoA還元酵素によってメバロン酸に還元され、これはイソプレノイド生産のメバロン酸経路の律速段階である。メバロン酸は、次にメバロン酸キナーゼ作用によって、メバロン酸5−リン酸に変換され、それは引き続いてホスホメバロン酸キナーゼの酵素活性によって、メバロン酸5−ピロリン酸に変換される。最後に、メバロン酸5−ピロリン酸デカルボキシラーゼ酵素の活性によって、メバロン酸5−ピロリン酸からIPPが生成される。
いくつかの態様では、本明細書で言及される酵素のいずれかの調節は、発現(例えば、転写または翻訳)、生産、翻訳後修飾または任意のその他の酵素機能に影響を及ぼし得る。いくつかの実施形態では、組換え細胞内の酵素機能(例えば、触媒能力)は、このような調節のために遺伝子操作されていない細胞と比較して、増大または低下される。一実施形態では、酵素機能(例えば、活性)は、遺伝子操作されていない細胞と比較して増大される。別の実施形態では、酵素機能(例えば、活性)は、遺伝子操作されていない細胞と比較して低下される。
上流および下流MVA経路からの酵素のいずれでも、本明細書に記載される遺伝子操作宿主細胞との組み合わせで使用されてもよい。MVA経路ポリペプチドの非限定的例としては、アセチルCoAアセチルトランスフェラーゼ(AA−CoAチオラーゼ)ポリペプチド、アセトアセチル−CoAシンターゼ(nphT7)、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルCoAシンターゼ(HMG−CoAシンターゼ)ポリペプチド、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルCoA還元酵素(HMG−CoA還元酵素)ポリペプチド、メバロン酸キナーゼ(MVK)ポリペプチド、ホスホメバロン酸キナーゼ(PMK)ポリペプチド、ジホスホメバロン酸(diphosphomevalonate)デカルボキシラーゼ(MVD)ポリペプチド、ホスホメバロン酸デカルボキシラーゼ(PMDC)ポリペプチド、イソペンテニルリン酸キナーゼ(IPK)ポリペプチド、IDIポリペプチド、およびMVA経路ポリペプチドの2つ以上の活性を有するポリペプチド(例えば、融合ポリペプチド)が挙げられる。MVA経路ポリペプチドとしては、MVA経路ポリペプチドの少なくとも1つの活性を有する、ポリペプチド、ポリペプチド断片、ペプチド、および融合ポリペプチドが挙げられる。例示的なMVA経路核酸としては、MVA経路ポリペプチドの少なくとも1つの活性を有する、ポリペプチド、ポリペプチド断片、ペプチド、または融合ポリペプチドをコードする核酸が挙げられる。例示的なMVA経路ポリペプチドおよび核酸としては、本明細書に記載される起源生物のいずれかに由来する、天然ポリペプチドおよび核酸が挙げられる。
使用され得るMVA経路ポリペプチドの非限定的例は、国際公開第2009/076676号パンフレット;国際公開第2010/003007号パンフレット、および国際公開第2010/148150号パンフレットに記載される。
mvaEおよびmvaSポリペプチドをコードする遺伝子
いくつかの微生物(L.グレイ−(L.grayi)、E.フェシウム(E.faecium)、E.ガリナーラム(E.gallinarum)、E.カセリフラブス(E.casseliflavus)、およびE.ファエカリス(E.faecalis)などであるが、これに限定されるものではない)において、mvaE遺伝子は、チオラーゼおよびHMG−CoA還元酵素活性の双方を持つポリペプチドをコードする。事実上、mvaE遺伝子産物は、真正細菌中で発見された最初のIPP生合成の二機能性酵素、および天然で別のタンパク質に融合するHMG−CoA還元酵素の最初の例に相当する(Hedl,et al.,J Bacteriol.2002 April;184(8):2116−2122)。他方、mvaS遺伝子は、HMG−CoAシンターゼ活性を有するポリペプチドをコードする。異なる細菌種、E.ファエカリス(E.faecalis)mvaEおよびmvaS遺伝子が、以前、メバロン酸を生産するために大腸菌(E.coli)株に組み込まれている(その開示が参照により本明細書に援用される米国特許出願公開第2005/0287655A1号明細書を参照されたい;Tabata,K.and Hashimoto,S.−I.Biotechnology Letters 26:1487−1491,2004)。
したがって、細胞(例えば、大腸菌(E.coli)などの細菌細胞)は、1つまたは複数のmvaEおよびmvaS遺伝子(L.グレイ−(L.grayi)、E.フェシウム(E.faecium)、E.ガリナーラム(E.gallinarum)、E.カセリフラブス(E.casseliflavus)、および/またはE.ファエカリス(E.faecalis)に由来するmvaEおよびmvaS遺伝子などであるが、これに限定されるものではない)を発現するように遺伝子操作されて、メバロン酸の生産量、ピーク力価、および細胞生産性が増大され得る。1つまたは複数のmvaEおよびmvaS遺伝子は、マルチコピープラスミド上で発現させ得る。プラスミドは、高コピー数プラスミド、低コピー数プラスミド、または中程度コピー数プラスミドであり得る。代案としては、1つまたは複数のmvaEおよびmvaS遺伝子は、宿主細胞の染色体に組み込み得る。プラスミド上の、または宿主細胞の染色体に組み込まれた部分としての双方の、1つまたは複数のmvaEおよびmvaS遺伝子の異種発現で、遺伝子の発現は、誘導性プロモーターまたは構成的発現プロモーターのどちらかによって駆動され得る。プロモーターは、1つまたは複数のmvaEおよびmvaS遺伝子発現の強力な駆動機構であり得て、それは発現の弱い駆動機構であり得て、またはそれは発現の中程度の駆動機構であり得る。
上流MVA経路ポリペプチドをコードする任意の遺伝子が、本発明で使用され得る。特定の実施形態では、mvaEおよびmvaS遺伝子(L.グレイ−(L.grayi)、E.フェシウム(E.faecium)、E.ガリナーラム(E.gallinarum)、E.カセリフラブス(E.casseliflavus)、および/またはE.ファエカリス(E.faecalis)に由来するmvaEおよびmvaS遺伝子などであるが、これに限定されるものではない)様々な選択肢が、単独で、または上流MVA経路からのタンパク質をコードする1つまたは複数のその他のmvaEおよびmvaS遺伝子との組み合わせで、本発明の範囲内で検討される。したがって、特定の態様では、表1で検討される遺伝子のいずれかの組み合わせが、上に記載される様式のいずれかで、細胞(細菌、真菌、または藻類細胞など)内で発現され得る。
Figure 0006744819
例示的なMvaEポリペプチドおよび核酸
mvaE遺伝子は、チオラーゼおよびHMG−CoA還元酵素活性の双方を持つポリペプチドをコードする。mvaE遺伝子によってコードされるポリペプチドのチオラーゼ活性が、アセチルCoAをアセトアセチルCoAに変換するのに対し、ポリペプチドのHMG−CoA還元酵素の酵素活性は、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルCoAをメバロン酸に変換する。例示的なMvaEポリペプチドおよび核酸としては、MvaEポリペプチドの少なくとも1つの活性を有する、本明細書に記載される起源生物のいずれかからの天然ポリペプチドおよび核酸、ならびに本明細書に記載される起源生物のいずれかに由来する変異ポリペプチドおよび核酸が挙げられる。
変異MvaEポリペプチドとしては、MvaEポリペプチド活性(すなわちアセチルCoAをアセトアセチルCoAに変換する能力、ならびに3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルCoAをメバロン酸に変換する能力)を保ちながら、その中で1つまたは複数のアミノ酸残基がアミノ酸置換を受けたものが挙げられる。アミノ酸置換は、保存的または非保存的であり得て、このような置換アミノ酸残基は、遺伝コードによってコードされ得て、またはコードされ得ない。標準的な20のアミノ酸「アルファベット」が、それらの側鎖類似性に基づいて、化学物質ファミリーに分類されている。これらのファミリーとしては、塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β−分枝側鎖(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)、および芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)のあるアミノ酸が挙げられる。「保存的アミノ酸置換」は、その中でアミノ酸残基が、化学的に類似した側鎖を有するアミノ酸残基で置換されるものである(すなわち塩基性側鎖を有するアミノ酸が、塩基性側鎖を有する別のアミノ酸で置換される)。「非保存的アミノ酸置換」は、その中でアミノ酸残基が、化学的に異なる側鎖を有するアミノ酸残基で置換されるものである(すなわち塩基性側鎖を有するアミノ酸が、芳香族側鎖を有する別のアミノ酸で置換される)。
MvaEポリペプチド内にアミノ酸置換を導入して、分子の機能性を改善し得る。例えば、基質に対するMvaEポリペプチドの結合親和性を増大させ、またはアセチルCoAをアセトアセチルCoAに変換する能力および/または3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルCoAをメバロン酸に変換する能力を改善するアミノ酸置換をMvaEポリペプチドに導入し得る。いくつかの態様では、変異MvaEポリペプチドは、1つまたは複数の保存的アミノ酸置換を含有する。
一態様では、メバロン酸、イソプレン、イソプレノイド前駆体、および/またはイソプレノイドを生成するために、分解されないまたは分解を起こしにくいmvaEタンパク質を使用し得る。使用し得る、分解されないまたは分解を起こしにくいmvaEの遺伝子産物の例としては、生物E.フェシウム(E.faecium)、E.ガリナーラム(E.gallinarum)、E.カセリフラブス(E.casseliflavus)、E.ファエカリス(E.faecalis)、およびL.グレイ(L.grayi)からのものが挙げられるが、これに限定されるものではない。当業者は、任意の標準的分子生物学的技術によって、大腸菌(E.coli)BL21(DE3)中でmvaEタンパク質を発現させて、断片の不在を探し得る。例えば、断片の不在は、Hisタグ媒介精製に続いて、Safestain染色されたSDS−PAGEゲル上で同定し得て、またはメバロン酸、イソプレン、またはイソプレノイド産生大腸菌(E.coli)BL21内で発現される場合は、本明細書に記載される検出方法を使用して同定し得る。
Hedl et al.,(J Bacteriol.2002年4月;184(8):2116−2122)に記載されるものなどの標準法を使用して、アセトアセチルCoAチオラーゼならびにHMG−CoA還元酵素活性を測定することで、ポリペプチドがmvaE活性を有するかどうかを判定し得る。例示的なアッセイでは、アセトアセチルCoAチオラーゼ活性が、分光光度計によって測定され、アセトアセチルCoAの形成またはチオ開裂に伴う302nmにおける吸光度の変化が、モニターされる。アセトアセチルCoAの合成を判定するための各反応の標準アッセイ条件は、1mMのアセチルCoA、10mMのMgCl、50mMのトリス、pH10.5であり、反応は酵素の添加によって開始される。アッセイは、200μLの最終容量を採用し得る。アッセイでは、1酵素単位(eu)が、1分間の1μmolアセトアセチルCoA中の合成またはチオ開裂に相当する。別の例示的なアッセイでは、分光光度計によって、340nmにおけるNADP(H)の出現または消失によって、HMG−CoA還元酵素活性をモニターし得る。HMG−CoAのメバロン酸への還元脱アシル化を示すために測定される各反応の標準アッセイ条件は、0.4mMのNADPH、1.0mMの(R,S)−HMG−CoA、100mMのKCl、および100mMのKPO、pH6.5である。アッセイは、200μLの最終容量を採用する。反応は、酵素を添加することで開始される。アッセイでは、1euは、1分間の1μmolのNADP(H)中の代謝回転に相当する。これは、0.5μmolのHMG−CoAまたはメバロン酸の代謝回転に相当する。
代案としては、細胞(細菌、真菌、または藻類細胞など)内のメバロン酸の生成は、制限なしに、ガスクロマトグラフィー(米国特許出願公開第2005/0287655A1号明細書を参照されたい)またはHPLC(米国特許出願第12/978,324号明細書A1を参照されたい)によって測定し得る。例示的なアッセイとして、1つまたは複数の抗生物質で補足されたLBブロスを含有する振盪管に、培養物を接種して、34℃、250rpmで、14時間培養し得る。次に、1%グルコース、0.1%酵母抽出物、および200μMのIPTGで補足されたTM3培地を含有するウェルプレート内で、培養物を0.2の最終ODに希釈し得る。次にプレートをBreath Easierメンブレン(Diversified Biotech)で密封し、振盪機/インキュベーター内で、34℃、600rpmで24時間培養する。次に1mLの各培養物を3,000×gで5分間遠心分離する。次に上清を20%硫酸に添加して、氷上で5分間インキュベートする。次に混合物を3000×gで5分間遠心分離して、HPLC分析のために上清を収集する。サンプル中のメバロン酸濃度は、メバロン酸(Sigma)の標準曲線と比較することで判定される。グルコース濃度は、当該技術分野で公知のいずれかの方法に従って、グルコースオキシダーゼアッセイを実施することでさらに測定し得る。HPLCを使用して、各サンプルの屈折率応答と、既知濃度の様々なメバロン酸を含有する溶液を通過させて得られる検量線とを比較することにより、メバロン酸レベルを定量化し得る。
例示的なmvaE核酸としては、mvaEポリペプチドの少なくとも1つの活性を有する、ポリペプチド、ポリペプチド断片、ペプチド、または融合ポリペプチドをコードする核酸が挙げられる。例示的なMvaEポリペプチドおよび核酸としては、本明細書に記載される起源生物のいずれかからの天然ポリペプチドおよび核酸、ならびに本明細書に記載される起源生物のいずれかに由来する変異ポリペプチドおよび核酸が挙げられる。例示的なMvaE核酸としては、例えば、リステリア・グレイ(Listeria grayi)DSM 20601、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、エンテロコッカス・ガリナルム(Enterococcus gallinarum)EG2、エンテロコッカス・カセリフラブス(Enterococcus casseliflavus)、および/またはエンテロコッカス・ファエカリス(Enterococcus faecalis)から単離されたmvaE核酸が挙げられる。リステリア・グレイ(Listeria grayi)DSM 20601 mvaE遺伝子によってコードされるmvaE核酸は、配列番号1と、少なくとも約99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%の配列同一性を有し得る。別の態様では、リステリア・グレイ(Listeria grayi)DSM 20601 mvaE遺伝子によってコードされるmvaE核酸は、配列番号1と、少なくとも約84%、83%、82%、81%、または80%の配列同一性を有し得る。エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)mvaE遺伝子によってコードされるmvaE核酸は、配列番号3と、少なくとも約99%、98%、97%、96%、95%、95%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、または85%の配列同一性を有し得る。別の態様では、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)mvaE遺伝子によってコードされるmvaE核酸は、配列番号3と、少なくとも約84%、83%、82%、81%、または80%の配列同一性を有し得る。エンテロコッカス・ガリナルム(Enterococcus gallinarum)EG2 mvaE遺伝子によってコードされるmvaE核酸は、配列番号5と、少なくとも約99%、98%、97%、96%、95%、95%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、または85%の配列同一性を有し得る。別の態様では、エンテロコッカス・ガリナルム(Enterococcus gallinarum)EG2 mvaE遺伝子によってコードされるmvaE核酸は、配列番号5と、少なくとも約84%、83%、82%、81%、または80%の配列同一性を有し得る。エンテロコッカス・カセリフラブス(Enterococcus casseliflavus)mvaE遺伝子によってコードされるmvaE核酸は、配列番号7と、少なくとも約99%、98%、97%、96%、95%、95%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、または85%の配列同一性を有し得る。別の態様では、エンテロコッカス・カセリフラブス(Enterococcus casseliflavus)mvaE遺伝子によってコードされるmvaE核酸は、配列番号7と、少なくとも約84%、83%、82%、81%、または80%の配列同一性を有し得る。エンテロコッカス・ファエカリス(Enterococcus faecalis)mvaE遺伝子によってコードされるmvaE核酸は、配列番号18と、少なくとも約99%、98%、97%、96%、95%、95%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、または85%の配列同一性を有し得る。本明細書の態様のいずれにおいても、上流MVA経路ポリペプチドは、配列番号1〜8および18〜19のいずれか1つと、少なくとも約99%、98%、97%、96%、95%、95%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、82%、81%、または80%配列同一性がある核酸によってコードされてもよい。本明細書の態様のいずれにおいても、上流MVA経路ポリペプチドは、配列番号1〜8および18〜19のいずれか1つがある核酸によってコードされてもよい。
代表的MvaEポリペプチドとしては、少なくとも1つのMvaEポリペプチド活性を有する、ポリペプチド、ペプチド、または融合ポリペプチドの断片が挙げられる。代表的mvaEポリペプチドとしては、本明細書に記載される起源生物のいずれかに由来する天然ポリペプチド、ならびに本明細書に記載される起源生物のいずれかに由来する変異ポリペプチドが挙げられる。代表的MvaEポリペプチドとしては、例えば、リステリア・グレイ(Listeria grayi)DSM20601、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、エンテロコッカス・ガリナルム(Enterococcus gallinarum)EG2、および/またはエンテロコッカス・カセリフラブス(Enterococcus casseliflavus)から単離される、MvaEポリペプチドが挙げられる。リステリア・グレイー(Listeria grayi)DSM 20601 mvaE遺伝子によってコードされるMvaEポリペプチドは、配列番号11と、少なくとも約99%、98%、97%、96%、95%、95%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%の配列同一性を有し得る。別の態様では、リステリア・グレイ(Listeria grayi)DSM 20601 mvaE遺伝子によってコードされるMvaEポリペプチドは、配列番号11と、少なくとも約84%、83%、82%、81%、または80%の配列同一性を有し得る。エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)mvaE遺伝子によってコードされるMvaEポリペプチドは、配列番号13と、少なくとも約99%、98%、97%、96%、95%、95%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、または85%の配列同一性を有し得る。別の態様では、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)mvaE遺伝子によってコードされるMvaEポリペプチドは、配列番号13と、少なくとも約84%、83%、82%、81%、または80%の配列同一性を有し得る。エンテロコッカス・ガリナルム(Enterococcus gallinarum)EG2 mvaE遺伝子によってコードされるMvaEポリペプチドは、配列番号9と、少なくとも約99%、98%、97%、96%、95%、95%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、または85%の配列同一性を有し得る。別の態様では、エンテロコッカス・ガリナルム(Enterococcus gallinarum)EG2 mvaE遺伝子によってコードされるMvaEポリペプチドは、配列番号9と、少なくとも約84%、83%、82%、81%、または80%の配列同一性を有し得る。エンテロコッカス・カセリフラブス(Enterococcus casseliflavus)mvaE遺伝子によってコードされるMvaEポリペプチドは、配列番号15と、少なくとも約99%、98%、97%、96%、95%、95%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、または85%の配列同一性を有し得る。別の態様では、エンテロコッカス・カセリフラブス(Enterococcus casseliflavus)mvaE遺伝子によってコードされるMvaEポリペプチドは、配列番号15と、少なくとも約84%、83%、82%、81%、または80%の配列同一性を有し得る。本明細書の態様のいずれにおいても、上流MVA経路ポリペプチドは、配列番号9〜16および20〜21のいずれか1つと、少なくとも約99%、98%、97%、96%、95%、95%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、82%、81%、または80%配列同一性があるポリペプチドによってコードされてもよい。本明細書の態様のいずれにおいても、上流MVA経路ポリペプチドは、配列番号9〜16および20〜21のいずれか1つがあるポリペプチドによってコードされてもよい。
mvaE核酸は、細胞(細菌、真菌、または藻類細胞など)内で、マルチコピープラスミド上で発現させ得る。プラスミドは、高コピー数プラスミド、低コピー数プラスミド、または中程度コピー数プラスミドであり得る。代案としては、mvaE核酸は、宿主細胞の染色体に組み込み得る。プラスミド上の、または宿主細胞の染色体に組み込まれた部分としての双方の、mvaE核酸の異種性発現で、核酸の発現は、誘導性プロモーターまたは構成的発現プロモーターのどちらかによって駆動され得る。プロモーターは、mvaE核酸発現の強力な駆動機構であり得て、それは発現の弱い駆動機構であり得て、またはそれは発現の中程度の駆動機構であり得る。
例示的なmvaSポリペプチドおよび核酸
mvaS遺伝子は、HMG−CoAシンターゼ活性を持つポリペプチドをコードする。このポリペプチドは、アセトアセチルCoAを3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoA(HMG−CoA)に変換し得る。例示的なMvaSポリペプチドおよび核酸としては、MvaSポリペプチドの少なくとも1つの活性を有する、本明細書に記載される起源生物のいずれかからの天然ポリペプチドおよび核酸、ならびに本明細書に記載される起源生物のいずれかに由来する変異ポリペプチドおよび核酸が挙げられる。
変異MvaSポリペプチドとしては、MvaSポリペプチド活性(すなわちアセトアセチルCoAを3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルCoAに変換する能力)を保ちながら、その中で1つまたは複数のアミノ酸残基がアミノ酸置換を受けたものが挙げられる。MvaSポリペプチドにアミノ酸置換を導入して、分子機能性を改善し得る。例えば、MvaSポリペプチドの基質に対する結合親和性を増大させ、またはアセトアセチルCoAを3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルCoAに変換する能力を改善するアミノ酸置換を、MvaSポリペプチドに導入し得る。いくつかの態様では、変異MvaSポリペプチドは、1つまたは複数の保存的アミノ酸置換を含有する。
Quant et al.(Biochem J.,1989,262:159−164)に記載されるものなどの標準法を使用して、HMG−CoAシンターゼ活性を測定することで、ポリペプチドがmvaS活性を有するかどうかを判定し得る。例示的なアッセイでは、303nmにおける吸光度の変化をモニターすることで、アセトアセチルCoAのエノール形態の消失を分光光度的に測定することで、HMG−CoAシンターゼ活性をアッセイし得る。30℃で、50mmのトリス/HCl、pH8.0、10mMのMgCl、および0.2mMのジチオスレイトールを含有する、標準1mLアッセイシステム;5mM−アセチルリン酸、10,MアセトアセチルCoA、および5ulの抽出物サンプルを添加し得て、アセチルCoA(100μM)および10単位のPTAの同時添加がそれに続く。次にHMG−CoAシンターゼ活性をアセチルCoA添加前後の速度差として測定する。使用された条件下(pH8.0、10mM−MgCl)におけるアセトアセチルCoAの吸収係数は、12.2×10−1cm−1である。定義上、1単位の酵素活性は、1分あたり1μmolのアセトアセチルCoAの変換を引き起こす。
代案としては、細胞(細菌、真菌、または藻類細胞など)内のメバロン酸の生成は、制限なしに、ガスクロマトグラフィー(米国特許出願公開第2005/0287655A1号明細書を参照されたい)またはHPLC(米国特許出願第12/978,324号明細書を参照されたい)によって測定し得る。例示的なアッセイとして、培養物を、1つまたは複数の抗生物質で補足されたLBブロスを含有する振盪管に接種して、34℃、250rpmで、14時間培養し得る。次に、1%グルコース、0.1%酵母抽出物、および200μMのIPTGで補足されたTM3培地を含有するウェルプレート内で、培養物を0.2の最終ODに希釈し得る。次に、プレートをBreath Easierメンブレン(Diversified Biotech)で密封し、振盪機/インキュベーター内で、34℃、600rpmで24時間培養する。次に、1mLの各培養物を3,000×gで5分間遠心分離する。次に、上清を20%硫酸に添加して、氷上で5分間インキュベートする。次に、混合物を3000×gで5分間遠心分離して、HPLC分析のために上清を収集する。サンプル中のメバロン酸濃度は、メバロン酸(Sigma)の標準曲線と比較することで判定される。グルコース濃度は、当該技術分野で公知のいずれかの方法に従って、グルコースオキシダーゼアッセイを実施することでさらに測定し得る。HPLCを使用して、各サンプルの屈折率応答と、既知濃度の様々なメバロン酸を含有する溶液を通過させて得られる検量線とを比較することにより、メバロン酸レベルを定量化し得る。
例示的なmvaS核酸としては、mvaSポリペプチドの少なくとも1つの活性を有する、ポリペプチド、ポリペプチド断片、ペプチド、または融合ポリペプチドをコードする核酸が挙げられる。例示的なmvaSポリペプチドおよび核酸としては、本明細書に記載される起源生物のいずれかからの天然ポリペプチドおよび核酸、ならびに本明細書に記載される起源生物のいずれかに由来する変異ポリペプチドおよび核酸が挙げられる。例示的なmvaS核酸としては、例えば、リステリア・グレイ(Listeria grayi)DSM 20601、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、エンテロコッカス・ガリナルム(Enterococcus gallinarum)EG2、および/またはエンテロコッカス・カセリフラブス(Enterococcus casseliflavus)から単離されたmvaS核酸が挙げられる。リステリア・グレイ(Listeria grayi)DSM 20601 mvaS遺伝子によってコードされるmvaS核酸は、配列番号2と、少なくとも約99%、98%、97%、96%、95%、95%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、または85%の配列同一性を有し得る。リステリア・グレイ(Listeria grayi)DSM20601 mvaS遺伝子によってコードされるmvaS核酸はまた、配列番号2と、少なくとも約84%、83%、82%、81%、または80%の配列同一性を有し得る。エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)mvaS遺伝子によってコードされるmvaS核酸は、配列番号4と、少なくとも約99%、98%、97%、96%、95%、95%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、または85%の配列同一性を有し得る。エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)mvaS遺伝子によってコードされるmvaS核酸は、配列番号4と、少なくとも約84%、83%、82%、81%、または80%の配列同一性を有し得る。エンテロコッカス・ガリナルム(Enterococcus gallinarum)EG2 mvaS遺伝子によってコードされるmvaS核酸は、配列番号6と、少なくとも約99%、98%、97%、96%、95%、95%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、または85%の配列同一性を有し得る。エンテロコッカス・ガリナルム(Enterococcus gallinarum)EG2 mvaS遺伝子によってコードされるmvaS核酸は、配列番号6と少なくとも約2%、83%、82%、81%、または80%の配列同一性を有し得る。エンテロコッカス・カセリフラブス(Enterococcus casseliflavus)mvaS遺伝子によってコードされるmvaS核酸は、配列番号8と、少なくとも約99%、98%、97%、96%、95%、95%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、または85%の配列同一性を有し得る。エンテロコッカス・カセリフラブス(Enterococcus casseliflavus)mvaS遺伝子によってコードされるmvaS核酸は、配列番号8と、少なくとも約84%、83%、82%、81%、または80%の配列同一性を有し得る。
代表的MvaSポリペプチドとしては、少なくとも1つのMvaSポリペプチド活性を有する、ポリペプチド、ペプチド、または融合ポリペプチドの断片が挙げられる。代表的mvaSポリペプチドとしては、本明細書に記載される起源生物のいずれかに由来する天然ポリペプチドおよびポリペプチド、ならびに本明細書に記載される起源生物のいずれかに由来する変異ポリペプチドが挙げられる。代表的MvaSポリペプチドとしては、例えば、リステリア・グレイ(Listeria grayi)DSM20601、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、エンテロコッカス・ガリナルム(Enterococcus gallinarum)EG2、および/またはエンテロコッカス・カセリフラブス(Enterococcus casseliflavus)から単離される、MvaSポリペプチドが挙げられる。リステリア・グレイ(Listeria grayi)DSM 20601 mvaS遺伝子によってコードされるMvaSポリペプチドは、配列番号12と、少なくとも約99%、98%、97%、96%、95%、95%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、または85%の配列同一性を有し得る。リステリア・グレイ(Listeria grayi)DSM 20601 mvaS遺伝子によってコードされるMvaSポリペプチドはまた、配列番号12と、少なくとも約84%、83%、82%、81%、または80%の配列同一性を有し得る。エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)mvaS遺伝子によってコードされるMvaSポリペプチドは、配列番号14と、少なくとも約99%、98%、97%、96%、95%、95%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、または85%の配列同一性を有し得る。エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)mvaS遺伝子によってコードされるMvaSポリペプチドは、配列番号14と、少なくとも約84%、83%、82%、81%、または80%の配列同一性を有し得る。エンテロコッカス・ガリナルム(Enterococcus gallinarum)EG2 mvaS遺伝子によってコードされるMvaSポリペプチドは、配列番号10と、少なくとも約99%、98%、97%、96%、95%、95%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、または85%の配列同一性を有し得る。エンテロコッカス・ガリナルム(Enterococcus gallinarum)EG2 mvaS遺伝子によってコードされるMvaSポリペプチドは、配列番号10と、少なくとも約84%、83%、82%、81%、または80%の配列同一性を有し得る。エンテロコッカス・カセリフラブス(Enterococcus casseliflavus)mvaS遺伝子によってコードされるMvaSポリペプチドは、配列番号16と、少なくとも約99%、98%、97%、96%、95%、95%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、または85%の配列同一性を有し得る。エンテロコッカス・カセリフラブス(Enterococcus casseliflavus)mvaS遺伝子によってコードされるMvaSポリペプチドは、配列番号16と、少なくとも約84%、83%、82%、81%、または80%の配列同一性を有し得る。
mvaS核酸は、細胞(細菌、真菌、または藻類細胞など)内で、マルチコピープラスミド上で発現させ得る。プラスミドは、高コピー数プラスミド、低コピー数プラスミド、または中程度コピー数プラスミドであり得る。代案としては、mvaS核酸は、宿主細胞の染色体に組み込み得る。プラスミド上の、または宿主細胞の染色体に組み込まれた部分としての双方の、mvaS核酸の異種性発現で、核酸の発現は、誘導性プロモーターまたは構成的発現プロモーターのどちらかによって駆動され得る。プロモーターは、mvaS核酸発現の強力な駆動機構であり得て、それは発現の弱い駆動機構であり得て、またはそれは発現の中程度の駆動機構であり得る。
アセトアセチルCoAシンターゼポリペプチドをコードする核酸
一態様では、本明細書に記載される細胞(細菌、真菌、または藻類細胞など)のいずれかは、アセトアセチルCoAシンターゼポリペプチドをコードする、1つまたは複数の異種核酸を含有し得る。アセトアセチル−CoAシンターゼ遺伝子(別名nphT7)は、マロニルCoAおよびアセチル−CoAからアセトアセチル−CoAを合成する活性を有して、2つのアセチル−CoA分子からアセトアセチル−CoAを合成する最小の活性(例えば、皆無の活性)を有する酵素をコードする遺伝子である。nphT7に関する教示については、例えば、その内容を本明細書に明示的に援用する、Okamura et al.,PNAS Vol 107,No.25,pp.11265−11270(2010)を参照されたい。ストレプトミセス属(Streptomyces)CL190株の放線菌類に由来するアセトアセチルCoAシンターゼ遺伝子は、そのそれぞれの開示が参照により本明細書に援用される、特開第2008−61506A号公報、および米国特許出願公開第2010/0285549号明細書に記載される。アセトアセチルCoAシンターゼはまた、アセチル−CoA:マロニルCoAアシル基転移酵素とも称され得る。使用され得る代表的なアセトアセチルCoAシンターゼ(またはアセチルCoA:マロニルCoAアシル基転移酵素)は、Genbank AB540131.1である。
一態様では、本発明のアセトアセチルCoAシンタ−ゼは、不可逆反応を通じて、マロニルCoAおよびアセチルCoAからアセトアセチルCoAを合成する。アセチルCoAを生成するためのアセトアセチルCoAシンターゼの使用は、この反応が不可逆的でありながら、2つのアセチルCoA分子からアセトアセチルCoAを合成するアセトアセチルCoAチオラーゼ酵素の作用は可逆的である、という追加的な利点を提供する。その結果、マロニルCoAおよびアセチルCoAからアセトアセチルCoAを合成するためのアセトアセチルCoAシンターゼの使用は、同一最終生成物を生成するためのチオラーゼの使用と比較して、イソプレンの生産性に顕著な改善をもたらし得る。
さらに、イソプレンを生産するためのアセトアセチルCoAシンターゼの使用は、アセトアセチルCoAシンターゼがマロニルCoAの脱炭酸を通じて、マロニルCoAをアセチルCoAに変換し得るという別の利点を提供する。したがって、出発基質の貯蔵は、アセチルCoAの出発量によって制限されない。出発基質がマロニルCoAのみの場合でも、アセトアセチルCoAシンターゼによるアセトアセチルCoAの合成はなおも起こり得る。一態様では、より多くのマロニルCoAを有する宿主株を使用して、出発マロニルCoAのプールが増大される。このような貯留の増大は、自然発生的であり、または分子操作によって操作され得る。例えば、Fowler,et al.,Applied and Environmental Microbiology,Vol.75,No.18,pp.5831−5839(2009)を参照されたい。
本明細書に記載される態様または実施形態のいずれにおいても、マロニルCoAおよびアセチルCoAからアセトアセチルCoAを合成する能力を有する酵素を使用し得る。このような酵素の非限定的例は、本明細書に記載される。本明細書に記載される特定の実施形態では、マロニルCoAおよびアセチルCoAからアセトアセチルCoAを合成する活性を有する、ストレプトミセス属(Streptomyces)の放線菌に由来するアセトアセチルCoAシンターゼ遺伝子を使用し得る。
このようなアセトアセチルCoAシンターゼ遺伝子の一例は、る配列番号17のアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする遺伝子である。このようなタンパク質は、マロニルCoAおよびアセチルCoAからアセトアセチルCoAを合成する活性を有するアセトアセチルCoAシンターゼに対応する配列番号17のアミノ酸配列を有し、2つのアセチルCoA分子からアセトアセチルCoAを合成する活性を有しない。
一実施形態では、配列番号17のアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする遺伝子は、ストレプトミセス属(Streptomyces)種CL190株の放線菌類から入手されるゲノムDNAをテンプレートとして、および特開第2008−61506A号公報を参照してデザインし得る1対のプライマーを使用して、核酸増幅法(例えばPCR)によって得られ得る。
本明細書に記載されるように、本発明で使用するためのアセトアセチルCoAシンターゼ遺伝子は、ストレプトミセス属(Streptomyces)種CL190株の放線菌類からの配列番号17のアミノ酸配列を有するタンパク質をコードする遺伝子に限定されない。マロニルCoAおよびアセチルCoAからアセトアセチルCoAを合成する能力を有して、2つのアセチルCoA分子からアセトアセチルCoAを合成しない、タンパク質をコードする任意の遺伝子を本明細書に記載する方法で使用し得る。特定の実施形態では、アセトアセチルCoAシンターゼ遺伝子は、配列番号17のアミノ酸配列と高度に類似し、またはそれと実質的に同一のアミノ酸配列を有して、マロニルCoAおよびアセチルCoAからアセトアセチルCoAを合成する機能を有する、タンパク質をコードする遺伝子であり得る。「高度に類似」または「実質的に同一」という表現は、例えば、少なくとも約80%の同一性、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、および少なくとも約99%の同一性を指す。上で使用されるように、同一性は、異なるアミノ酸配列および配列番号17のアミノ酸配列中のアミノ酸残基間の同一性の百分率に相当し、それは配列類似性を検索するプログラムを使用して、配列番号17および異なるアミノ酸配列の、アミノ酸配列のアライメントを実施することで計算される。
その他の実施形態では、アセトアセチルCoAシンターゼ遺伝子は、1つ以上アミノ酸の置換、欠失、付加、または挿入によって、配列番号17のアミノ酸配列から誘導されるアミノ酸配列を有し、マロニルCoAおよびアセチルCoAからアセトアセチルCoAを合成する機能を有する、タンパク質をコードする遺伝子であってもよい。本明細書では、「より多くのアミノ酸」という表現は、例えば、2〜30個のアミノ酸、好ましくは2〜20個のアミノ酸、より好ましくは2〜10個のアミノ酸、最も好ましくは2〜5個のアミノ酸を指す。
なおも別の実施形態では、アセトアセチルCoAシンターゼ遺伝子は、ストリンジェントな条件下で、配列番号17のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列と相補的なヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドの部分または全体とハイブリダイズでき、マロニルCoAおよびアセチルCoAからアセトアセチルCoAを合成する機能を有するタンパク質をコードできる、ポリヌクレオチドからなってもよい。本明細書では、ストリンジェントな条件下のハイブリダイゼーションは、60℃で2×SSC洗浄条件下における結合維持に相当する。ハイブリダイゼーションは、J.Sambrook et al.Molecular Cloning,A Laboratory Manual,3rd Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory(2001)に記載される方法などの従来の既知の方法によって実施し得る。
本明細書に記載されるように、配列番号17のアミノ酸配列と異なるアミノ酸配列を有するアセトアセチルCoAシンターゼをコードする遺伝子は、例えば、ストレプトミセス属(Streptomyces)種CL190株から得られたのではない放線菌類などの、潜在的にあらゆる生物から単離し得る。さらに、本明細書の用途のためのアセトアセチルCoAシンターゼ遺伝子は、当該技術分野で知られている方法によって、配列番号17のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを改変することで得られ得る。ヌクレオチド配列の変異誘発は、クンケル法またはギャップド二本鎖法、またはそれらのどちらかに類似した方法などの既知の方法によって実施し得る。例えば、変異誘発は、変異誘発キット(例えば製品名;Mutant−KおよびMutant−G(TAKARA Bio))、部位特異的変異誘発のための製品名;LA PCR invitro Mutagenesisシリーズキット(TAKARA Bio)などを使用して、実施してもよい。
配列番号17のアミノ酸配列と異なるアミノ酸配列を有するアセトアセチルCoAシンターゼの活性は、下述するように評価し得る。具体的には、評価されるタンパク質をコードする遺伝子を、その中で遺伝子が発現し得るように、最初に宿主細胞に導入し、クロマトグラフィーなどの技術によるタンパク質の精製がそれに続く。評価される得られたタンパク質含有する緩衝液に、基質としてマロニルCoAおよびアセチルCoAを添加し、例えば、所望の温度(例えば、10℃〜60℃)での培養がそれに続く。反応完了後、失われた基質量および/または生成された生成物量(アセトアセチルCoA)を判定する。したがって試験されるタンパク質が、マロニルCoAおよびアセチルCoAからアセトアセチルCoAを合成する機能を有するかどうかを評価し、合成程度を評価することが可能である。このような場合、評価される得られたタンパク質を含有する緩衝液に、基質としてアセチルCoAのみを入れて、失われた基質量および/または生成された生成物量を同様に判定することで、タンパク質が2つのアセチルCoA分子から、アセトアセチルCoAを合成する活性を有するかどうかを調べることが可能である。
メバロン酸の生産増大能力がある組換え微生物
本明細書に記載される組換え微生物(例えば、組換え細菌、真菌、または藻類細胞)は、本明細書に記載される様々な遺伝子または酵素経路に対するいかなる操作もない同一細胞を上回る量および/または濃度で、メバロン酸を産生する能力を有する。メバロン酸に向かう炭素流を増大させるために、本明細書に記載される様々な経路の調節のために遺伝子操作されている組換え微生物(例えば、細菌細胞)が、メバロン酸を生産するために使用され得る。いくつかの態様では、細胞は、1つまたは複数のアセチル化タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸を含有し、前記細胞は、核酸の発現および/またはアセチル化タンパク質の活性が調節されるように遺伝子操作されている。アセチル化タンパク質は、アセチルトランスフェラーゼ(YfiQなどであるが、これに限定されるものではない)および/またはデアセチラーゼ(CobBなどであるが、これに限定されるものではない)であり得る。いくつかの実施形態では、YfiQポリペプチドの活性は、YfiQポリペプチドをコードする遺伝子の発現を低下、減衰、または欠失させることで(内在性yfiQ遺伝子の欠失などであるが、これに限定されるものではない)調節される。その他の実施形態では、CobBポリペプチドの活性は、CobBタンパク質をコードする遺伝子の発現を増大させることで(内在性cobB遺伝子の発現の増大、またはcobBをコードする核酸の異種発現などであるが、これに限定されるものではない)調節される。その他の態様では、本明細書に記載される組換え細胞を適切な培地中で培養することは、1つまたは複数のアセチル化タンパク質を含まない、メバロン酸を産生する能力がある細胞と比較して、改善されたメバロン酸の生産をもたらし、前記タンパク質は、それらの発現および/または活性が調節されるように遺伝子操作される。その他の実施形態では、改善されたメバロン酸の生産は、メバロン酸比生産性の増大、メバロン酸力価の増大、メバロン酸収率の増大、細胞生存率の増大、および/または酢酸生成量の低下の1つまたは複数によって特徴付けられる。
一態様では、核酸の発現および/またはアセチル化タンパク質の活性が調節されるように遺伝子操作されている本明細書に記載される組換え細胞(細菌、真菌、または藻類細胞など)は、核酸の発現および/またはアセチル化タンパク質の活性が調節されるように遺伝子操作されていない同一細胞を上回る濃度で、メバロン酸を産生する能力を有する。細胞(細菌、真菌、または藻類細胞など)は、包括的に、約30mg/L/hr/OD、40mg/L/hr/OD、50mg/L/hr/OD、60mg/L/hr/OD、70mg/L/hr/OD、80mg/L/hr/OD、90mg/L/hr/OD、100mg/L/hr/OD、110mg/L/hr/OD、120mg/L/hr/OD、130mg/L/hr/OD、140mg/L/hr/OD、150mg/L/hr/OD、160mg/L/hr/OD、170mg/L/hr/OD、180mg/L/hr/OD、190mg/L/hr/OD、または200mg/L/hr/ODを超えて、ならびにこれら数字の間の任意の数値メバロン酸を産生し得る。例示的一実施形態では、細胞は、約85mg/L/hr/ODを超えるメバロン酸を産生し得る。
核酸の発現および/またはアセチル化タンパク質の活性が調節されるように遺伝子操作されている宿本明細書に記載される主細胞(細菌、真菌、または藻類細胞などの)は、核酸の発現および/またはアセチル化タンパク質の活性が調節されるように遺伝子操作されていない同一細胞と比較して、より高いピーク力価のメバロン酸を生産する能力を有する。別の態様では、細本明細書に記載される胞(細菌、真菌、または藻類細胞など)は、1つまたは複数のアセチル化タンパク質を含有するように修飾されていない同一細胞よりも高いピーク力価でメバロン酸を産生し、前記タンパク質は、適切な培地中で培養されると、それらの発現および/または活性が調節されるように遺伝子操作される。細胞(細菌、真菌、または藻類細胞など)は、48時間の発酵後に、包括的に、約50g/L、60g/L、70g/L、80g/L、90g/L、100g/L、110g/L、120g/L、130g/L、140g/L、150g/L、160g/L、170g/L、180g/L、190g/L、200g/L、210g/L、220g/L、230g/L、240g/L、250g/L、260g/L、270g/L、280g/L、290g/L、300g/Lを超えるピーク力価、ならびにこれらの数字の間の任意の数値のメバロン酸を産生し得る。例示的な一実施形態では、細胞は、48時間の発酵後に、約105g/Lのピーク力価を超えるメバロン酸を産生する。
核酸の発現および/またはアセチル化タンパク質の活性が調節されるように遺伝子操作されている宿本明細書に記載される主細胞(細菌、真菌、または藻類細胞などの)は、核酸の発現および/またはアセチル化タンパク質の活性が調節されるように遺伝子操作されていない同一細胞と比較して、より高い細胞生産性指数(CPI)を生じる能力を有する。いくつかの態様では、本明細書に記載される細胞(細菌、真菌、または藻類細胞など)は、1つまたは複数のアセチル化タンパク質を含有するように修飾されていない同一細胞よりも高いCPIを有し、前記タンパク質は、それらの発現および/または活性が調節されるように遺伝子操作される。一態様では、細胞は、最少培地中で培養され得る。細胞(細菌、真菌、または藻類細胞など)は、メバロン酸について、包括的に、少なくとも約1(g/g)、2(g/g)、3(g/g)、4(g/g)、5(g/g)、6(g/g)、7(g/g)、8(g/g)、9(g/g)、10(g/g)、11(g/g)、12(g/g)、13(g/g)、14(g/g)、15(g/g)、20(g/g)、25(g/g)、または30(g/g)、ならびにこれらの数字の間の任意の数値のCPIを有し得る。例示的一実施形態では、細胞は、メバロン酸について少なくとも約4.5(g/g)のCPIを有する。
核酸の発現および/またはアセチル化タンパク質の活性が調節されるように遺伝子操作されている宿本明細書に記載される主細胞(細菌、真菌、または藻類細胞などの)は、核酸の発現および/またはアセチル化タンパク質の活性が調節されるように遺伝子操作されていない同一細胞と比較して、より高い質量収率のメバロン酸を生産する能力を有する。いくつかの態様では、本明細書に記載される細胞(細菌、真菌、または藻類細胞など)は、1つまたは複数のアセチル化タンパク質前記タンパク質を含有するように修飾されていない同一細胞よりも、グルコースからのメバロン酸のより高い質量収率を有し、前記タンパク質は、それらの発現および/または活性が調節されるように遺伝子操作される。一態様では、細胞は、最少培地中で培養され得る。細胞(細菌、真菌、または藻類細胞など)は、グルコースから、包括的に、少なくとも約25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、または55%、ならびにこれらの数字の間の任意の数値の質量収率のメバロン酸を産生し得る。例示的一実施形態では、細胞は、グルコースから、少なくとも約38%質量収率のメバロン酸を産生する。
組換え細胞を使用して多量のメバロン酸を生産する方法。
本明細書でまた提供されるのは、メバロン酸を生産する方法である。いくつかの態様では、メバロン酸を生産する方法は、(a)1つまたは複数のアセチル化タンパク質を含んでなるように修飾されている組換え細胞(細菌、真菌、または藻類細胞など)を含んでなる組成物を培養するステップと、(b)メバロン酸を生産するステップとを含んでなり、前記タンパク質は、本明細書に記載されるように、(上に記載される細菌細胞などの細胞のいずれかをはじめとする)またはメバロン酸を産生する能力があるそれらの子孫の発現および/または活性が調節されるように遺伝子操作される。いくつかの態様では、メバロン酸を生産する方法は、メバロン酸の生産に適した条件下で、本明細書に記載される組換え細胞のいずれかを培養して、組換え細胞にメバロン酸を産生させるステップとを含んでなる。いくつかの態様では、メバロン酸を生産する方法は、メバロン酸を回収するステップをさらに含んでなる。
メバロン酸を生産する方法はまた、(a)1つまたは複数のアセチル化タンパク質を異種性に発現する細胞を培養するステップと、(b)メバロン酸を生産するステップとを含んでなり得て、前記タンパク質は、それらの発現および/または活性が調節されるように遺伝子操作される。さらに、細胞は、1つまたは複数のアセチル化タンパク質が欠損している同一細胞を上回る濃度でメバロン酸を産生し得て、前記タンパク質は、それらの発現および/または活性が調節されるように遺伝子操作される。
メバロン酸は、包括的に、約30mg/L/hr/OD、40mg/L/hr/OD、50mg/L/hr/OD、60mg/L/hr/OD、70mg/L/hr/OD、80mg/L/hr/OD、90mg/L/hr/OD、100mg/L/hr/OD、110mg/L/hr/OD、120mg/L/hr/OD、130mg/L/hr/OD、140mg/L/hr/OD、150mg/L/hr/OD、160mg/L/hr/OD、170mg/L/hr/OD、180mg/L/hr/OD、190mg/L/hr/OD、または200mg/L/hr/ODを超えるメバロン酸、ならびにこれらの数字の間の任意の数値の量で生産され得る。いくつかの態様では、メバロン酸を生産する方法は、メバロン酸を回収するステップをさらに含んでなる。例示的一実施形態では、本メバロン酸生産方法は、約85mg/L/hr/ODを超えるメバロン酸を生産し得る。
メバロン酸を生産する方法は同様に、(a)本明細書に記載されるように、メバロン酸に向かう炭素流が増大するように遺伝子操作されている細胞を培養するステップと、(b)メバロン酸を生産するステップとを含んでなり得て、細胞は1つまたは複数のアセチル化タンパク質を異種発現し、前記タンパク質は、それらの発現および/または活性が調節されるように遺伝子操作された細胞は数時間の発酵後に、1つまたは複数のアセチル化タンパク質が欠損している同一細胞よりも高いピーク力価でメバロン酸を産生し、前記タンパク質は、それらの発現および/または活性が調節されるように遺伝子操作される。
本明細書で提供される細胞(細菌、真菌、または藻類細胞など)は、包括的に、48時間の発酵後に、約50g/L、60g/L、70g/L、80g/L、90g/L、100g/L、110g/L、120g/L、130g/L、140g/L、150g/L、160g/L、170g/L、180g/L、190g/L、または200g/Lを超えるピーク力価、ならびにこれらの数字の間の任意の数値のメバロン酸を産生し得る。いくつかの態様では、メバロン酸を生産する方法は、メバロン酸を回収するステップをさらに含んでなる。例示的一実施形態では、本メバロン酸生産方法は、48時間の発酵後に、約105g/Lを超えるピーク力価のメバロン酸を生産し得る。
メバロン酸を生産する方法は同様に、(a)本明細書に記載されるように、メバロン酸に向かう炭素流が増大するように遺伝子操作されている細胞を培養するステップと、(b)メバロン酸を生産するステップとを含んでなり得て、細胞は、1つまたは複数のアセチル化タンパク質を含んでなり、前記タンパク質は、それらの発現および/または活性が調節されるように遺伝子操作される。細胞は、1つまたは複数の上流MVA経路ポリペプチドをコードする上流MVA経路遺伝子の1つまたは複数のコピーが欠損しメバロン酸生産に向かう炭素流が増大するように遺伝子操作されていない同一細胞よりも高い、メバロン酸CPIを有する。例示的一実施形態では、本メバロン酸生産方法は、メバロン酸について少なくとも4.5(g/g)のCPIがある細胞を使用して、メバロン酸を生産し得る。代案としては、細胞(細菌、真菌、または藻類細胞などの)は、包括的に、少なくとも1(g/g)、2(g/g)、3(g/g)、4(g/g)、5(g/g)、6(g/g)、7(g/g)、8(g/g)、9(g/g)、10(g/g)、11(g/g)、12(g/g)、13(g/g)、14(g/g)、15(g/g)、20(g/g)、25(g/g)、または30(g/g)、ならびにこれらの数字の間の任意の数値のCPIを有し得る。いくつかの態様では、メバロン酸を生産する方法は、メバロン酸を回収するステップをさらに含んでなる。
本明細書で提供されるのは、上述の細胞のいずれかを使用して、メバロン酸の生産を向上させる方法である。細胞によるメバロン酸の生産は、1つまたは複数のアセチル化タンパク質の発現によって向上され得て、前記タンパク質は、それらの発現および/または活性が調節されるように遺伝子操作される。メバロン酸の生産は、1つまたは複数のアセチル化タンパク質の発現がない細胞によるメバロン酸の生産と比較して、約1,000,000倍(例えば、約1〜約500,000倍、約1〜約50,000倍、約1〜約5,000倍、約1〜約1,000倍、約1〜約500倍、約1〜約100倍、約1〜約50倍、約5〜約100,000倍、約5〜約10,000倍、約5〜約1,000倍、約5〜約500倍、約5〜約100倍、約10〜約50,000倍、約50〜約10,000倍、約100〜約5,000倍、約200〜約1,000倍、約50〜約500倍、または約50〜約200倍)向上され得て、前記タンパク質は、それらの発現および/または活性が調節されるように遺伝子操作される。
イソプレンの産生が可能な組換え細胞
イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)は、幅広い用途で利用される重要な有機化合物である。例えば、イソプレンは、合成ゴムの製造をはじめとする、多数の化学薬品組成物およびポリマーの合成において、中間体または出発原料として用いられる。イソプレンはまた、多数の植物および動物によって天然に合成される重要な生物学的材料である。
イソプレンは、イソプレンシンターゼの酵素作用によって、DMAPPから生成される。そのため、理論に束縛されることなく、上述の組成物および方法のいずれかによって、細胞(細菌、真菌、または藻類細胞など)内のメバロン酸の細胞産生を増大させることは、より大量のイソプレン生産も同様にもたらすと考えられる。グルコースからのメバロン酸生成のモル収率を増大させることは、メバロン酸キナーゼ、ホスホメバロン酸キナーゼ、ジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼ、イソペンテニル二リン酸イソメラーゼの、およびイソプレンおよびイソプレノイド生産のためのその他の適切な酵素の、適切な酵素活性レベルと組み合わせると、グルコースから生成されるイソプレノイド前駆体およびイソプレンを含むイソプレノイドのより高いモル収率につながる。
イソプレンの生産は、酵素活性が調節されてイソプレン生産に向かう炭素流が増大するように酵素経路の1つまたは複数が操作されている、明細書に記載される組換え宿主細胞のいずれかを使用して実施され得る。メバロン酸生成への炭素流動増大のために操作された様々な酵素経路を有する、本明細書に記載される組換え微生物を使用して、イソプレンが生産され得る。上に記載されるメバロン酸の生産増大能力がある、1つまたは複数のアセチル化タンパク質を発現する(前記タンパク質は、それらの発現および/または活性が調節されるように遺伝子操作されている)組換え宿主細胞のいずれも、イソプレンの生産増大能力があり得る。いくつかの態様では、これらの細胞は、全MVA経路のポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種核酸と、イソプレンシンターゼポリペプチドまたはイソプレンシンターゼ活性を有するポリペプチドをコードする異種核酸とをさらに含んでなる。その他の態様では、これらの細胞は、ホスホケトラーゼをコードする1つまたは複数の異種核酸ポリペプチドをさらに含んでなる。
下流MVA経路のポリペプチドをコードする核酸
本発明のいくつかの態様では、本明細書に記載される細胞または方法のいずれかに記載される細胞は、下流メバロン酸(MVA)経路ポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸をさらに含んでなる。いくつかの態様では、下流MVA経路ポリペプチドは、内在性ポリペプチドである。いくつかの態様では、下流MVA経路をコードする内在性核酸は、構成的プロモーターと作動可能に連結する。いくつかの態様では、下流MVA経路をコードする内在性核酸は、誘導性プロモーターと作動可能に連結する。いくつかの態様では、下流MVA経路をコードする内在性核酸は、強力プロモーターと作動可能に連結する。特定の態様では、細胞は、野生型細胞と比較して、内在性下流MVA経路ポリペプチドを過剰発現するように操作される。いくつかの態様では、下流MVA経路をコードする内在性核酸は、弱いプロモーターと作動可能に連結する。
下流メバロン酸生合成経路は、メバロン酸キナーゼ(MVK)、ホスホメバロン酸キナーゼ(PMK)、およびジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼ(MVD)を含んでなる。いくつかの態様では、下流MVA経路は、イソペンテニル二リン酸イソメラーゼ(IDI)をさらに含んでなり得る。本明細書で提供される細胞は、イソプレンシンターゼ、1つまたは複数の上流MVA経路ポリペプチド、および/または1つまたは複数の下流MVA経路ポリペプチドをコードする、少なくとも1つの核酸を含んでなり得る。下流MVA経路のポリペプチドは、(a)メバロン酸をメバロン酸5−リン酸にリン酸化する;(b)メバロン酸5−リン酸をメバロン酸5−ピロリン酸に変換する;および(c)メバロン酸5−ピロリン酸をイソペンテニルピロリン酸に変換する任意の酵素であり得る。より具体的には、メバロン酸をメバロン酸5−リン酸にリン酸化する酵素は、M.マゼイ(M.mazei)メバロン酸キナーゼポリペプチド、ラクトバチルス属(Lactobacillus)メバロン酸キナーゼポリペプチド、M.ブルトニイ(M.burtonii)メバロン酸キナーゼポリペプチド、ラクトバチルス・サケイ(Lactobacillus sakei)メバロン酸キナーゼポリペプチド、酵母メバロン酸キナーゼポリペプチド、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)メバロン酸キナーゼポリペプチド、ストレプトコッカス属(Streptococcus)メバロン酸キナーゼポリペプチド、ストレプトコッカス・ニューモニアエ(Streptococcus pneumoniae)メバロン酸キナーゼポリペプチド、ストレプトミセス属(Streptomyces)メバロン酸キナーゼポリペプチド、およびストレプトミセス属(Streptomyces)CL190メバロン酸キナーゼポリペプチドからなる群に由来し得る。別の態様では、メバロン酸をメバロン酸5−リン酸にリン酸化する酵素は、M.マゼイ(M.mazei)メバロン酸キナーゼである。
いくつかの態様では、下流MVA経路ポリペプチドは、異種ポリペプチドである。いくつかの態様では、細胞は、下流MVA経路ポリペプチドをコードする異種核酸の2つ以上のコピーを含んでなる。いくつかの態様では、下流MVA経路をコードする異種核酸は、構成的プロモーターと作動可能に連結する。いくつかの態様では、下流MVA経路をコードする異種核酸は、誘導性プロモーターと作動可能に連結する。いくつかの態様では、下流MVA経路をコードする異種核酸は、強力プロモーターと作動可能に連結する。いくつかの態様では、下流MVA経路をコードする異種核酸は、弱いプロモーターと作動可能に連結する。いくつかの態様では、異種下流MVA経路ポリペプチドは、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、エンテロコッカス・ファエカリス(Enterococcus faecalis)、またはメタノサルシナ・マゼイ(Methanosarcina mazei)からのポリペプチドである。
下流MVA経路ポリペプチドをコードする核酸は、細胞のゲノムに組み込まれ得て、または細胞内で安定して発現され得る。下流MVA経路ポリペプチドをコードする核酸は、ベクター上にさらに存在し得る。
例示的な下流MVA経路ポリペプチドを以下にさらに提供する:(i)メバロン酸キナーゼ(MVK);(ii)ホスホメバロン酸キナーゼ(PMK);(iii)ジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼ(MVD);および(iv)イソペンテニル二リン酸イソメラーゼ(IDI)。具体的には、下流MVKポリペプチドは、メタノサルシナ属(Methanosarcina)に由来し得て、より具体的には、下流MVKポリペプチドは、メタノサルシナ・マゼイ(Methanosarcina mazei)に由来し得る。他の態様では、下流MVKポリペプチドは、M.ブルトニイ(M.burtonii)に由来し得る。下流MVA経路ポリペプチドの追加的な例は、下流MVK経路ポリペプチドおよび下流MVK経路ポリペプチド変異体に関して、その内容全体を明示的に参照によって本明細書に援用する、米国特許出願公開第2010/0086978号明細書にある。
本明細書に記載される細胞のいずれでも、IDI核酸(例えば、IDIをコードする内在性または異種核酸)を含んでなり得る。イソペンテニル二リン酸イソメラーゼポリペプチド(イソペンテニル二リン酸ΔイソメラーゼまたはIDI)は、イソペンテニル二リン酸(IPP)とジメチルアリル二リン酸(DMAPP)の相互変換を触媒する(例えば、IPPをDMAPPに変換し、および/またはDMAPPをIPPに変換する)。例示的なIDIポリペプチドとしては、IDIポリペプチドの少なくとも1つの活性を有する、ポリペプチド、ポリペプチド断片、ペプチド、および融合ポリペプチドが挙げられる。(本明細書に記載されるものなどの)標準法を使用して、ポリペプチドが、試験管内で、細胞内抽出物中で、または生体内で、IPPおよびDMAPPを相互転換する能力を測定することで、ポリペプチドがIDIポリペプチド活性を有するかどうかを判定し得る。例示的なIDI核酸としては、IDIポリペプチドの少なくとも1つの活性を有する、ポリペプチド、ポリペプチド断片、ペプチド、または融合ポリペプチドをコードする核酸が挙げられる。例示的なIDIポリペプチドおよび核酸としては、本明細書に記載される起源生物のいずれかからの天然ポリペプチドおよび核酸、ならびに本明細書に記載される起源生物のいずれかに由来する変異ポリペプチドおよび核酸が挙げられる。
下流MVA経路ポリペプチドとしては、下流MVA経路ポリペプチドの少なくとも1つの活性を有する、ポリペプチド、ポリペプチド断片、ペプチド、および融合ポリペプチドが挙げられる。例示的な下流MVA経路核酸としては、下流MVA経路ポリペプチドの少なくとも1つの活性を有する、ポリペプチド、ポリペプチド断片、ペプチド、または融合ポリペプチドをコードする核酸が挙げられる。例示的な下流MVA経路ポリペプチドおよび核酸としては、本明細書に記載される起源生物のいずれかに由来する、天然ポリペプチドおよび核酸が挙げられる。さらに、より良いイソプレン生産の結果をもたらす、下流MVA経路ポリペプチド変異体もまた使用し得る。
いくつかの態様では、下流MVA経路ポリペプチドは、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、エンテロコッカス・ファエカリス(Enterococcus faecalis)、またはメタノサルシナ・マゼイ(Methanosarcina mazei)からのポリペプチドである。いくつかの態様では、MVKポリペプチドは、ラクトバチルス属(Lactobacillus)メバロン酸キナーゼポリペプチド、ラクトバチルス・サケイ(Lactobacillus sakei)メバロン酸キナーゼポリペプチド、酵母メバロン酸キナーゼポリペプチド、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)メバロン酸キナーゼポリペプチド、ストレプトコッカス属(Streptococcus)メバロン酸キナーゼポリペプチド、ストレプトコッカス・ニューモニアエ(Streptococcus pneumoniae)メバロン酸キナーゼポリペプチド、ストレプトミセス属(Streptomyces)メバロン酸キナーゼポリペプチド、ストレプトミセス属(Streptomyces)CL190メバロン酸キナーゼポリペプチド、M.ブルトニイ(M.burtonii)メバロン酸キナーゼポリペプチド、およびメタノサルシナ・マゼイ(Methanosarcina mazei)メバロン酸キナーゼポリペプチドからなる群から選択される。本明細書に記載されるいずれかのプロモーター(例えば、誘導性プロモーターおよび構成的プロモーターをはじめとする、本明細書に記載されて、本開示の実施例で同定されるプロモーター)を使用して、本明細書に記載されるMVAポリペプチドのいずれかの発現を駆動し得る。
イソプレンシンターゼポリペプチドをコードする核酸
本発明のいくつかの態様では、(本明細書に記載されるような、炭素流を増大するように操作されている宿主細胞をはじめとする)本明細書に記載される組成物または方法のいずれかに記載される細胞は、イソプレンシンターゼポリペプチドをコードし、またはイソプレンシンターゼ活性を有するポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸をさらに含んでなる。いくつかの態様では、イソプレンシンターゼポリペプチドは、内在性ポリペプチドである。いくつかの態様では、イソプレンシンターゼポリペプチドまたはイソプレンシンターゼ活性を有するポリペプチドをコードする内在性核酸は、構成的プロモーターと作動可能に連結する。いくつかの態様では、イソプレンシンターゼポリペプチドまたはイソプレンシンターゼ活性を有するポリペプチドをコードする内在性核酸は、誘導性プロモーターと作動可能に連結する。いくつかの態様では、イソプレンシンターゼポリペプチドまたはイソプレンシンターゼ活性を有するポリペプチドをコードする内在性核酸は、強力なプロモーターと作動可能に連結する。特定の態様では、細胞は、野生型細胞と比較して、内在性イソプレンシンターゼ経路ポリペプチドを過剰発現するように操作される。いくつかの態様では、イソプレンシンターゼポリペプチドまたはイソプレンシンターゼ活性を有するポリペプチドをコードする内在性核酸は、弱いプロモーターと作動可能に連結する。いくつかの態様では、イソプレンシンターゼポリペプチドまたはイソプレンシンターゼ活性を有するポリペプチドは、クズ属(Pueraria)またはポプラ属(Populus)またはウラジロハコヤナギ(Populus alba)×ヤマナラシ(Populus tremula)などの雑種からのポリペプチドである。
いくつかの態様では、イソプレンシンターゼポリペプチドは、異種ポリペプチドである。いくつかの態様では、細胞は、イソプレンシンターゼポリペプチドをコードする異種核酸の2つ以上のコピーを含んでなる。いくつかの態様では、イソプレンシンターゼポリペプチドをコードする異種核酸は、構成的プロモーターと作動可能に連結する。いくつかの態様では、イソプレンシンターゼポリペプチドをコードする異種核酸は、誘導性プロモーターと作動可能に連結する。いくつかの態様では、イソプレンシンターゼポリペプチドをコードする異種核酸は、強力なプロモーターと作動可能に連結する。いくつかの態様では、イソプレンシンターゼポリペプチドをコードする異種核酸は、弱いプロモーターと作動可能に連結する。
イソプレンシンターゼポリペプチドをコードする核酸は、宿主細胞ゲノムに組み込み得て、または細胞内で安定して発現させ得る。イソプレシンターゼンをコードする核酸は、さらにベクター上に存在し得る。
例示的なイソプレンシンターゼ核酸としては、イソプレンシンターゼポリペプチドの少なくとも1つの活性を有する、ポリペプチド、ポリペプチド断片、ペプチド、または融合ポリペプチドをコードする核酸が挙げられる。イソプレンシンターゼポリペプチドは、ジメチルアリル二リン酸(DMAPP)をイソプレンに変換する。例示的なイソプレンシンターゼポリペプチドとしては、イソプレンシンターゼポリペプチドの少なくとも1つの活性を有するポリペプチド、ポリペプチド断片、ペプチド、および融合ポリペプチドが挙げられる。例示的なイソプレンシンターゼポリペプチドおよび核酸としては、本明細書に記載される起源生物のいずれかからの天然ポリペプチドおよび核酸が挙げられる。さらに、イソプレンシンターゼ変異体は、改善された酵素活性などの改善された活性を有し得る。いくつかの態様では、イソプレンシンターゼ変異体は、改善された安定性(例えば、熱安定性)、および/または改善された溶解度などのその他の改善された特性を有する。
標準法を使用して、ポリペプチドが、試験管内で、細胞抽出物中で、または生体内で、DMAPPをイソプレンに変換する能力を測定することで、ポリペプチドがイソプレンシンターゼポリペプチド活性を有するかどうかを判定し得る。細胞抽出物中のイソプレンシンターゼポリペプチド活性は、例えば、Silver et al.,J.Biol.Chem.270:13010−13016,1995に記載されるようにして、測定し得る。1つの例示的なアッセイでは、窒素流下で、DMAPP(Sigma)を蒸発するまで乾燥させて、100mMリン酸カリウム緩衝液、pH8.2中で100mMの濃度に再水和して、−20℃で保存し得る。アッセイを実施するために、金属ねじ蓋およびテフロン(商標)被覆ケイ素隔壁付き20mLのHeadspaceバイアル(Agilent Technologies)内の25μLの細胞抽出物に、5μLの1M MgCl、1mMの(250μg/mL)DMAPP、65μLの植物抽出緩衝液(PEB)(50mMのTris−HCl、pH8.0、20mMのMgCl、5%グリセロール、および2mMのDTT)の溶液を添加して、振盪しながら37℃で15分間培養し得る。反応は、200μLの250mM EDTAを添加することでクエンチし、GC/MSによって定量化し得る。
いくつかの態様では、イソプレンシンターゼポリペプチドは、植物イソプレンシンターゼポリペプチドまたはその変異体である。いくつかの態様では、イソプレンシンターゼポリペプチドは、クズ属(Pueraria)からのイソプレンシンターゼまたはその変異体である。いくつかの態様では、イソプレンシンターゼポリペプチドは、ポプラ属(Populus)からのイソプレンシンターゼまたはその変異体である。いくつかの態様では、イソプレンシンターゼポリペプチドは、ポプライソプレンシンターゼポリペプチドまたはその変異体である。いくつかの態様では、イソプレンシンターゼポリペプチドは、クズイソプレンシンターゼポリペプチドまたはその変異体である。いくつかの態様では、イソプレンシンターゼポリペプチドは、クズ属(Pueraria)またはポプラ属(Populus)または雑種ウラジロハコヤナギ(Populus alba)×ヤマナラシ(Populus tremula)からのポリペプチドまたはそれらの変異体である。
いくつかの態様では、イソプレンシンターゼポリペプチド、イソプレンシンターゼ活性を有するポリペプチドまたは対応する核酸は、マメ亜科(Faboideae)などのマメ科(Fabaceae)に由来する。いくつかの態様では、イソプレンシンターゼポリペプチド、イソプレンシンターゼ活性を有するポリペプチドまたは対応する核酸は、プエラリア・モンタナ(Pueraria montana)(クズ)(Sharkey et al.,Plant Physiology 137:700−712,2005)、プエラリア・ロバタ(Pueraria lobata)、ポプラ(ウラジロハコヤナギ(Populus alba)、セイヨウハコヤナギ(Populus nigra)、コットンウッド(Populus trichocarpa)、またはウラジロハコヤナギ(Populus alba)とヤマナラシ(Populus tremula)交雑種(Populus alba×tremula)(CAC35696)など(Miller et al.,Planta 213:483−487,2001)、アスペン(ポプルス・トレムロイデス(Populus tremuloides)など)(Silver et al.,JBC 270(22):13010−1316,1995)、ヨーロッパナラ(Quercus robur)(Zimmer et al.,国際公開第98/02550号パンフレット)、またはそれらの変種に由来する。いくつかの態様では、イソプレンシンターゼポリペプチド、イソプレンシンターゼ活性を有するポリペプチド、または対応する核酸は、プエラリア・モンタナ(Pueraria montana)、プエラリア・ロバタ(Pueraria lobata)、ポプルス・トレムロイデス(Populus tremuloides)、ウラジロハコヤナギ(Populus alba)、セイヨウハコヤナギ(Populus nigra)、またはコットンウッド(Populus trichocarpa)またはそれらの変種に由来する。いくつかの態様では、イソプレンシンターゼポリペプチド、イソプレンシンターゼ活性を有するポリペプチド、または対応する核酸は、ウラジロハコヤナギ(Populus alba)またはそれらの変種に由来する。いくつかの態様では、イソプレンシンターゼ(例えば、ウラジロハコヤナギ(Populus alba)からのイソプレンシンターゼまたはその変異体)をコードする核酸は、コドン最適化される。
いくつかの態様では、イソプレンシンターゼ核酸またはポリペプチドは、天然ポリペプチドまたは核酸(例えば、ポプラ属(Populus)からの天然ポリペプチドまたは核酸)である。いくつかの態様では、イソプレンシンターゼ核酸またはポリペプチドは、野生型または天然ポリペプチドまたは核酸でない。いくつかの態様では、イソプレンシンターゼ核酸またはポリペプチドは、野生型または天然ポリペプチドまたは核酸の変異体(例えば、ポプラ属(Populus)からの野生型または天然ポリペプチドまたは核酸の変種)である。
いくつかの態様では、イソプレンシンターゼポリペプチドは、変種である。いくつかの態様では、イソプレンシンターゼポリペプチドは、野生型または天然起源イソプレンシンターゼの変種である。いくつかの態様では、変種は、野生型または天然起源イソプレンシンターゼと比較して、改善された触媒活性などの改善された活性を有する。活性(例えば、触媒活性)の増大は、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%のいずれかであり得る。いくつかの態様では、触媒活性などの活性の増大は、少なくとも約1倍、2倍、5倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、75倍、または100倍のいずれかである。いくつかの態様では、触媒活性などの活性の増大は、約10%〜約100倍(例えば、約20%〜約100倍、約50%〜約50倍、約1倍〜約25倍、約2倍〜約20倍、または約5倍〜約20倍)である。いくつかの態様では、変種は、野生型または天然起源イソプレンシンターゼと比較して、改善された溶解度を有する。溶解度の増大は、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%のいずれかであり得る。溶解度の増大は、少なくとも約1倍、2倍、5倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、75倍、または100倍のいずれかであり得る。いくつかの態様では、溶解度の増大は、約10%〜約100倍(例えば、約20%〜約100倍、約50%〜約50倍、約1倍〜約25倍、約2倍〜約20倍、または約5倍〜約20倍)である。いくつかの態様では、イソプレンシンターゼポリペプチドは、天然起源イソプレンシンターゼの変異体であり、天然起源イソプレンシンターゼと比較して、改善された安定性(熱安定性など)を有する。
いくつかの態様では、変異体は、野生型または天然起源イソプレンシンターゼの少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約100%、少なくとも約110%、少なくとも約120%、少なくとも約130%、少なくとも約140%、少なくとも約150%、少なくとも約160%、少なくとも約170%、少なくとも約180%、少なくとも約190%、または少なくとも約200%の活性を有する。変異体は、野生型または天然起源イソプレンシンターゼと、配列類似性を共有し得る。いくつかの態様では、野生型または天然起源イソプレンシンターゼの変異体は、野生型または天然起源イソプレンシンターゼと、少なくとも約40%、50%、60%、70%、75%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%のいずれかのアミノ酸配列同一性を有し得る。いくつかの態様では、野生型または天然起源イソプレンシンターゼの変異体は、野生型または天然起源イソプレンシンターゼと、約70%〜約99.9%、約75%〜約99%、約80%〜約98%、約85%〜約97%、または約90%〜約95%のアミノ酸配列同一性のいずれかを有する。
いくつかの態様では、変異体は、野生型または天然起源イソプレンシンターゼ中に、変異を含んでなる。いくつかの態様では、変異体は、少なくとも1つのアミノ酸置換、少なくとも1つのアミノ酸挿入、および/または少なくとも1つのアミノ酸欠失を有する。いくつかの態様では、変異体は、少なくとも1つのアミノ酸置換を有する。いくつかの態様では、変異体と、野生型または天然起源イソプレンシンターゼの間で異なるアミノ酸残基の数は、例えば、1、2、3、4、5、10、15、20、30、40、50以上のアミノ酸残基など、1つまたは複数であり得る。天然起源イソプレンシンターゼとしては、例えば、葛イソプレンシンターゼ、ポプライソプレンシンターゼ、ヨーロッパナライソプレンシンターゼ、および柳イソプレンシンターゼなど、植物からの任意のイソプレンシンターゼが挙げられる。いくつかの態様では、変異体は、ウラジロハコヤナギ(Populus alba)からのイソプレンシンターゼの変異体である。いくつかの態様では、ウラジロハコヤナギ(Populus alba)からのイソプレンシンターゼの変異体は、少なくとも1種のアミノ酸置換、少なくとも1種のアミノ酸挿入、および/または少なくとも1種のアミノ酸欠失を有する。いくつかの態様では、変異体は、トランケート型ウラジロハコヤナギ(Populus alba)イソプレンシンターゼである。いくつかの態様では、変異体(例えば、ウラジロハコヤナギ(Populus alba)からのイソプレンシンターゼの変異体をコードする核酸は、コドン最適化される(例えば、その中で異種イソプレンシンターゼが発現される宿主細胞に基づいてコドン最適化される)。その他の態様では、ウラジロハコヤナギ(Populus alba)に由来するイソプレンシンターゼの変異体は、表2に示されるアミノ酸残基に、少なくとも1つのアミノ酸置換、少なくとも1つのアミノ酸挿入、および/または少なくとも1つのアミノ酸欠失を有する。別の態様では、イソプレンシンターゼの変異体は、表2に示されるアミノ酸残基のいずれかに、少なくとも1つのアミノ酸置換、少なくとも1つのアミノ酸欠失、または少なくとも1つのアミノ酸挿入を含んでなり、アミノ酸残基番号は、MEAウラジロハコヤナギ(P.alba)イソプレンシンターゼ(配列番号24)のアミノ酸残番号に対応する。一態様では、ウラジロハコヤナギ(P.alba)イソプレンシンターゼは、例えば、完全長イソプレンシンターゼよりアミノ酸16個分短いMEAイソプレンシンターゼなどのトランケート型イソプレンシンターゼである。
Figure 0006744819
一実施形態では、MEAウラジロハコヤナギ(P.alba)イソプレンシンターゼはトランケート型であり、完全長ウラジロハコヤナギ(P.alba)イソプレンシンターゼよりもアミノ酸16個分短い。
本明細書で提供されるイソプレンシンターゼポリペプチドは、イソプレンシンターゼおよびイソプレンシンターゼ変異体に関して、その内容全体を明示的に参照によって本明細書に援用する、国際公開第2009/132220号パンフレット、国際公開第2010/124146号パンフレット、および米国特許出願公開第2010/0086978号明細書に記載される、イソプレンシンターゼまたはイソプレンシンターゼ変異体のいずれかであり得る。
本明細書に記載されるプロモーター(例えば、誘導性プロモーターおよび構成的プロモーターをはじめとする、本明細書に記載されて、本開示の実施例で同定されるいずれかのプロモーター)を使用して、本明細書に記載されるイソプレンシンターゼのいずれかの発現を駆動し得る。
適切なイソプレンシンターゼとしては、Genbank受入番号AY341431、AY316691、AY279379、AJ457070、およびAY182241によって同定されるものが挙げられるが、これに限定されるものではない。本明細書に記載される組成物、またはイソプレンシンターゼをコードする微生物を作成する方法をはじめとする方法のいずれかで、使用し得るイソプレンシンターゼのタイプは、国際公開第2009/076676号パンフレット、国際公開第2010/003007号パンフレット、国際公開第2009/132220号パンフレット、国際公開第2010/031062号パンフレット、国際公開第2010/031068号パンフレット、国際公開第2010/031076号パンフレット、国際公開第2010/013077号パンフレット、国際公開第2010/031079号パンフレット、国際公開第2010/148150号パンフレット、国際公開第2010/124146号パンフレット、国際公開第2010/078457号パンフレット、国際公開第2010/148256号パンフレット、および国際公開第2013/166320号パンフレットにもまた記載される。
DXP経路ポリペプチドをコードする核酸
本発明のいくつかの態様では、(本明細書に記載されるように炭素流を増大させるように操作されている宿主細胞をはじめとする)本明細書に記載される組成物また方法のいずれかに記載される細胞は、DXSポリペプチドまたはその他のDXP経路ポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種核酸をさらに含んでなる。いくつかの態様では、細胞は、DXSポリペプチドまたはその他のDXP経路ポリペプチドをコードする内在性核酸の染色体のコピーをさらに含んでなる。いくつかの態様では、大腸菌(E.coli)細胞は、IDIポリペプチドおよびDXSポリペプチドまたはその他のDXP経路ポリペプチドをコードする、1つまたは複数の核酸をさらに含んでなる。いくつかの態様では、1つの核酸が、イソプレンシンターゼポリペプチド、IDIポリペプチド、およびDXSポリペプチドまたはその他のDXP経路ポリペプチドをコードする。いくつかの態様では、1つのプラスミドが、イソプレンシンターゼポリペプチド、IDIポリペプチド、およびDXSポリペプチドまたはその他のDXP経路ポリペプチドをコードする。いくつかの態様では、複数のプラスミドが、イソプレンシンターゼポリペプチド、IDIポリペプチド、およびDXSポリペプチドまたはその他のDXP経路ポリペプチドをコードする。
例示的なDXSポリペプチドとしては、DXSポリペプチドの少なくとも1つの活性を有する、ポリペプチド、ポリペプチド断片、ペプチド、および融合ポリペプチドが挙げられる。(本明細書に記載されるものなどの)標準法を使用して、ポリペプチドが、試験管内、細胞抽出物中、または生体内で、ピルビン酸およびD−グリセルアルデヒド3−リン酸を1−デオキシ−D−キシルロース−5−リン酸に変換する能力を測定することで、ポリペプチドがDXSポリペプチド活性を有するかどうかを判定し得る。例示的なDXSポリペプチドおよび核酸およびDXS活性を測定する方法は、国際公開第2009/076676号パンフレット、米国特許出願第12/335,071号明細書(米国特許出願公開第2009/0203102号明細書)、国際公開第2010/003007号パンフレット、米国特許出願公開第2010/0048964号明細書、国際公開第2009/132220号パンフレット、および米国特許出願公開第2010/0003716号明細書に、より詳細に記載される。
例示的なDXP経路ポリペプチドとしては、DXP経路ポリペプチドの1つまたは2つ以上の活性を有する、DXSポリペプチド、DXRポリペプチド、MCTポリペプチド、CMKポリペプチド、MCSポリペプチド、HDSポリペプチド、HDRポリペプチド、およびポリペプチド(例えば、融合ポリペプチド)のいずれかが挙げられるが、これに限定されるものではない。特に、DXP経路ポリペプチドとしては、DXP経路ポリペプチドの少なくとも1つの活性を有する、ポリペプチド、ポリペプチド断片、ペプチド、および融合ポリペプチドが挙げられる。例示的なDXP経路核酸としては、DXP経路ポリペプチドの少なくとも1つの活性を有する、ポリペプチド、ポリペプチド断片、ペプチド、または融合ポリペプチドをコードする核酸が挙げられる。例示的なDXP経路ポリペプチドおよび核酸としては、本明細書に記載される起源生物のいずれかからの天然ポリペプチドおよび核酸、ならびに本明細書に記載される起源生物のいずれかに由来する変異ポリペプチドおよび核酸が挙げられる。例示的なDXP経路ポリペプチド、および核酸、およびDXP経路ポリペプチド活性を測定する方法は、国際公開第2010/148150号パンフレットにより詳細に記載される。
例示的なDXSポリペプチドとしては、DXSポリペプチドの少なくとも1つの活性を有する、ポリペプチド、ポリペプチド断片、ペプチド、および融合ポリペプチドが挙げられる。(本明細書に記載されるものなどの)標準法を使用して、ポリペプチドが、試験管内、細胞抽出物中、または生体内で、ピルビン酸およびD−グリセルアルデヒド−3−リン酸を1−デオキシ−D−キシルロース−5−リン酸に変換する能力を測定することで、ポリペプチドがDXSポリペプチド活性を有するかどうかを判定し得る。例示的なDXSポリペプチド、および核酸、およびDXS活性を測定する方法は、国際公開第2009/076676号パンフレット、米国特許出願第12/335,071号明細書(米国特許出願公開第2009/0203102号明細書)、国際公開第2010/003007号パンフレット、米国特許出願公開第2010/0048964号明細書、国際公開第2009/132220号パンフレット、および米国特許出願公開第2010/0003716号明細書により詳細に記載される。
特に、DXSポリペプチドは、ピルビン酸およびD−グリセルアルデヒド3−リン酸を1−デオキシ−d−キシルロース5−リン酸(DXP)に変換する。標準法を使用して、ポリペプチドが、試験管内、細胞抽出物中、または生体内で、ピルビン酸およびD−グリセルアルデヒド3−リン酸を変換する能力を測定することで、ポリペプチドがDXSポリペプチド活性を有するかどうかを判定し得る。
DXRポリペプチドは、1−デオキシ−d−キシルロース5−リン酸(DXP)を2−C−メチル−D−エリスリトール4−リン酸(MEP)に変換する。標準法を使用して、ポリペプチドが、試験管内、細胞抽出物中、または生体内で、DXPを変換する能力を測定することで、ポリペプチドがDXRポリペプチド活性を有するかどうかを判定し得る。
MCTポリペプチドは、2−C−メチル−D−エリスリトール4−リン酸(MEP)を4−(シチジン5’−ジホスホ)−2−メチル−D−エリスリトール(CDP−ME)に変換する。標準法を使用して、ポリペプチドが、試験管内、細胞抽出物中、または生体内で、MEPを変換する能力を測定することで、ポリペプチドがMCTポリペプチド活性を有するかどうかを判定し得る。
CMKポリペプチドは、4−(シチジン5’−ジホスホ)−2−C−メチル−D−エリスリトール(CDP−ME)を2−ホスホ−4−(シチジン5’−ジホスホ)−2−C−メチル−D−エリスリトール(CDP−MEP)に変換する。標準法を使用して、ポリペプチドが、試験管内、細胞抽出物中、または生体内で、CDP−MEを変換する能力を測定することで、ポリペプチドがCMKポリペプチド活性を有するかどうかを判定し得る。
MCSポリペプチドは、2−ホスホ−4−(シチジン5’−ジホスホ)−2−C−メチル−D−エリスリトール(CDP−MEP)を2−C−メチル−D−エリスリトール2、4−シクロ二リン酸(ME−CPPまたはcMEPP)に変換する。標準法を使用して、ポリペプチドが、試験管内、細胞抽出物中、または生体内で、CDP−MEPを変換する能力を測定することで、ポリペプチドがMCSポリペプチド活性を有するかどうかを判定し得る。
HDSポリペプチドは、2−C−メチル−D−エリスリトール2、4−シクロ二リン酸を(E)−4−ヒドロキシ−3−メチルブテ−2−エン−1−イル二リン酸(HMBPPまたはHDMAPP)に変換する。標準法を使用して、ポリペプチドが、試験管内、細胞抽出物中、または生体内で、ME−CPPを変換する能力を測定することで、ポリペプチドがHDSポリペプチド活性を有するかどうかを判定し得る。
HDRポリペプチドは、(E)−4−ヒドロキシ−3−メチルブテ−2−エン−1−イル二リン酸をイソペンテニル二リン酸(IPP)およびジメチルアリル二リン酸(DMAPP)に変換する。標準法を使用して、ポリペプチドが、試験管内、細胞抽出物中、または生体内で、HMBPPを変換する能力を測定することで、ポリペプチドがHDRポリペプチド活性を有するかどうかを判定し得る。
下流MVA経路、イソプレンシンターゼ、IDI、およびDXP経路ポリペプチドの起源生物
イソプレンシンターゼ、IDI、DXP経路、および/またはMVA経路核酸(およびそれらがコードするポリペプチド)は、イソプレンシンターゼ、IDI、DXP経路、および/またはMVA経路核酸を天然に含有する、任意の生物から得られ得る。イソプレンは、細菌、酵母、植物、および動物などの多様な生物によって、天然に形成される。いくつかの生物が、イソプレンを生成するためのMVA経路を含有する。イソプレンシンターゼ核酸は、例えば、イソプレンシンターゼを含有する任意の生物から得られ得る。MVA経路核酸は、例えば、MVA経路を含有する任意の生物から得られ得る。IDIおよびDXP経路核酸は、例えば、IDIおよびDXP経路を含有する任意の生物から得られ得る。
イソプレンシンターゼ、DXP経路、IDI、および/またはMVA経路核酸の核酸配列は、細菌、真菌、植物、藻類、またはラン藻から単離され得る。例示的な起源生物としては、例えば、サッカロミセス属(Saccharomyces)(例えば、S.セレビシエ(S.cerevisiae)種などの酵母、エシェリキア属(Escherichia)(例えば、大腸菌(E.coli)種などの細菌、またはメタノサルシナ属(Methanosarcina)の種(例えば、メタノサルシナ・マゼイ(Methanosarcina mazei)、葛またはポプラ(例えば、ウラジロハコヤナギ(Populus alba)またはウラジロハコヤナギ(Populus alba)×ヤマナラシ(Populus tremula)CAC35696)またはアスペン(例えば、ポプルス・トレムロイデス(Populus tremuloides))などの植物が挙げられる。使用し得る例示的なイソプレンシンターゼ、IDI、および/またはMVA経路ポリペプチド起源は、国際公開第2009/076676号パンフレット、国際公開第2010/003007号パンフレット、国際公開第2009/132220号パンフレット、国際公開第2010/031062号パンフレット、国際公開第2010/031068号パンフレット、国際公開第2010/031076号パンフレット、国際公開第2010/013077号パンフレット、国際公開第2010/031079号パンフレット、国際公開第2010/148150号パンフレット、国際公開第2010/078457号パンフレット、および国際公開第2010/148256号パンフレットにもまた記載される。
イソプレンの生産増大能力がある組換え細胞
イソプレンに向かう素流が増大するように遺伝子操作されている、本明細書に記載される組換え細胞は、イソプレンに向かう炭素流が増大するように遺伝子操作されていない同一細胞を上回る濃度で、イソプレンを産生する能力を有する。一態様では、本明細書に記載される組換え細胞(細菌、真菌、または藻類細胞など)は、1つまたは複数のアセチル化タンパク質を含んでなり、前記タンパク質は、それらの発現および/または活性が調節されるように遺伝子操作されて、1つまたは複数のアセチル化タンパク質が欠損している同一細胞上回る濃度で、イソプレンを産生する能力を有し、前記タンパク質は、それらの発現および/または活性が調節されるように遺伝子操作される。アセチル化タンパク質は、アセチルトランスフェラーゼ(YfiQなどであるが、これに限定されるものではない)および/またはデアセチラーゼ(CobBなどであるが、これに限定されるものではない)であり得る。いくつかの実施形態では、YfiQポリペプチドの活性は、YfiQポリペプチドをコードする遺伝子の発現を低下、減衰、または欠失させることで(内在性yfiQ遺伝子の欠失などであるが、これに限定されるものではない)調節される。その他の実施形態では、CobBポリペプチドの活性は、CobBタンパク質をコードする遺伝子の発現を増大させることで(内在性cobB遺伝子の発現の増大、またはcobBをコードする核酸の異種発現などであるが、これに限定されるものではない)調節される。その他の実施形態では、適切な培地中でこれらの細胞培養することは、1つまたは複数のアセチル化タンパク質を含まないイソプレンを産生する細胞と比較して、改善されたイソプレンの生産を提供し、前記タンパク質は、それらの発現および/または活性が調節されるように遺伝子操作される。いくつかの態様では、細胞は、イソプレンシンターゼポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種核酸をさらに含んでなる。特定の態様では、これらの細胞は、全MVA経路のポリペプチドをコードする異種核酸、ホスホケトラーゼをコードする1つまたは複数の異種核酸ポリペプチド、および/またはイソプレンシンターゼポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種核酸の1つまたは複数のコピーをさらに含んでなり得る。本明細書で開示される細胞の態様のいずれにおいても、1つまたは複数の異種核酸が宿主細胞の染色体に組み込まれ得る。その他の態様では、改善されたイソプレンの生産は、イソプレン比生産性の増大、イソプレン力価の増大、イソプレン収率の増大、細胞生存率の増大、および/または酢酸生成量の低下の1つまたは複数によって特徴付けられる。
例示的一実施形態では、本明細書で開示される細胞は、イソプレンに向かう炭素流が増大するように遺伝子操作されていないイソプレン産生細胞と比較して、少なくとも5%高い量のイソプレンを産生し得る。その他の態様では、細胞(細菌、真菌、または藻類細胞など)は、1つまたは複数のアセチル化タンパク質を含まないイソプレン産生細胞(細菌、真菌、または藻類細胞など)と比較して、少なくとも5%高い量のイソプレンを産生し得て、前記タンパク質は、それらの発現および/または活性が調節されるように遺伝子操作される。代案としては、細胞(細菌、真菌、または藻類細胞など)は、包括的に、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、または15%を超える、ならびにこれらの数字の間の任意の数値のイソプレンを産生し得る。
本発明の一態様では、イソプレンに向かう炭素流が増大するように遺伝子操作された細胞が提供され、細胞は、1つまたは複数のアセチル化タンパク質を含んでなり、前記タンパク質は、それらの発現および/または活性が調節されるように遺伝子操作される。全MVA経路をコードする1つまたは複数の異種核酸ポリペプチド、ホスホケトラーゼをコードする1つまたは複数の異種核酸ポリペプチド、およびイソプレンシンターゼポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種核酸。いくつかの態様では、細胞は、DXP経路ポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種核酸をさらに含んでなり得る。細胞は、IDIポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種核酸をさらに含んでなり得る。1つまたは複数の異種核酸が、構成的プロモーターと作動可能に連結し得て、誘導性プロモーターと作動可能に連結し得て、または誘導性および構成的プロモーターの組み合わせと作動可能に連結し得る。1つまたは複数の異種核酸は、さらに、強力なプロモーター、弱いプロモーター、および/または中程度のプロモーターと、作動可能に連結し得る。異種核酸の1つまたは複数は、宿主細胞のゲノムに組み込まれ得て、または細胞内で安定して発現され得る。1つまたは複数の異種核酸が、ベクター上にさらに存在し得る。
本明細書に記載される組成物または方法いずれかに従って、イソプレンに向かう炭素流が増大するように遺伝子操作されている細胞によるイソプレンの生産は、向上され得る(例えば、1つまたは複数のアセチル化タンパク質の発現が向上され、前記タンパク質は、それらの発現および/または活性が調節されるように遺伝子操作される)。その他の態様では、本明細書に記載される方法または組成物のいずれかに従った、細胞によるイソプレンの生産は、向上/増大/改善され得る(例えば、1つまたは複数のアセチル化タンパク質の発現によって向上され、前記タンパク質は、イソプレンシンターゼポリペプチド、全MVA経路のポリペプチド、DXP経路ポリペプチド、および/またはIDIポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種核酸の発現および/または活性が調節されるように遺伝子操作される)。本明細書の用法では、「向上された」/「改善された」/「増大された」イソプレン生産は、1つまたは複数のアセチル化タンパク質を発現せず、イソプレン生産に向かう炭素流が増大するように遺伝子操作されていない細胞と比較した、本明細書に記載される組成物および方法のいずれかによって記載される細胞による、増大されたイソプレンの細胞生産性指数(CPI)、増大されたイソプレンの力価、増大されたイソプレンの質量収率、累積イソプレン収率の増大、後期発酵イソプレン生産の増大、細胞生存率の増大、酢酸生成量の低下、および/または増大されたイソプレンの比生産性を指し、前記タンパク質は、それらの発現および/または活性が調節されるように遺伝子操作される。イソプレンの生産は、約5%〜約1,000,000倍向上され得る。イソプレンの生産は、1つまたは複数のアセチル化タンパク質を発現しない細胞によるイソプレンの生産と比較して、約10%〜約1,000,000倍(例えば、約1〜約500,000倍、約1〜約50,000倍、約1〜約5,000倍、約1〜約1,000倍、約1〜約500倍、約1〜約100倍、約1〜約50倍、約5〜約100,000倍、約5〜約10,000倍、約5〜約1,000倍、約5〜約500倍、約5〜約100倍、約10〜約50,000倍、約50〜約10,000倍、約100〜約5,000倍、約200〜約1,000倍、約50〜約500倍、または約50〜約200倍)向上され得て、前記タンパク質は、それらの発現および/または活性が調節されるように遺伝子操作される。
イソプレンの生産はまた、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、1倍数、2倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1000倍、2000倍、5000倍、10,000倍、20,000倍、50,000倍、100,000倍、200,000倍、500,000倍、または1,000,000倍のいずれか向上され得る。
組換え細胞を使用してイソプレンを生産する方法
本明細書でまた提供されるのは、本明細書に記載されるような、イソプレンに向かう炭素流が増大するように遺伝子操作されている組換え微生物のいずれかを培養するステップを含んでなるイソプレンを生産する方法である。一態様では、イソプレンは、1つまたは複数のアセチル化タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸、全MVA経路のポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種核酸、およびイソプレンシンターゼポリペプチドを含んでなる組換え細胞(細菌、真菌、または藻類細胞など)を培養することで生産され得て、前記細胞は、核酸の発現および/またはアセチル化タンパク質の活性が調節されるように遺伝子操作されている。特定の実施形態では、組換え細胞は、ホスホケトラーゼポリペプチドをコードする、1つまたは複数の核酸をさらに含んでなり得る。イソプレンは、本明細書に記載される細胞のいずれかから、本明細書に記載される方法のいずれかによって、生産され得る。細胞のいずれでも、グルコースなどであるが、これに限定されるものではない炭水化物、または酢酸などであるが、これに限定されるものではないその他の炭素源から、イソプレンを生産する目的で使用され得る。
したがって、本明細書でまた提供されるのは、(a)1つまたは複数のアセチル化タンパク質を含んでなる細胞を培養するステップと、(b)イソプレンを生産するステップとを含んでなるイソプレンを生産する方法であり、細胞は、アセチル化タンパク質の発現および/または活性が調節されるように遺伝子操作されている。その他の態様では、本明細書で提供されるのは、(a)イソプレンを生産するための適切な培地中で、1つまたは複数のアセチル化タンパク質を含んでなる細胞(細菌、真菌、または藻類細胞など)を培養するステップと、(b)イソプレンを生産するステップとを含んでなるイソプレンを生産する方法であり、前記タンパク質は、それらの活性が調節されるように遺伝子操作される。細胞は、上述されるような全MVA経路のポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸分子、ホスホケトラーゼポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸分子、および上に記載されるイソプレンシンターゼポリペプチドのいずれかを含んでなり得る。いくつかの態様では、細胞(細菌、真菌、または藻類細胞など)は、本明細書に記載される細胞のいずれかであり得る。本明細書に記載されるイソプレンシンターゼまたはその変異体のいずれか、本明細書に記載される微生物(例えば、細菌)または植物系統のいずれか、本明細書に記載されるプロモーターのいずれか、および/または本明細書に記載されるベクターのいずれかはまた、本明細書に記載される方法で使用され得る、本明細書に記載されるエネルギー源(例えば、グルコースまたは任意のその他の六炭糖)のいずれかを使用して、イソプレンを生産するのにも使用され得る。いくつかの態様では、イソプレンを生産する方法は、イソプレンを回収するステップをさらに含んでなる。
いくつかの態様では、生産されたイソプレンの量が、ピーク絶対生産性時点で測定される。いくつかの態様では、細胞ピーク絶対生産性は、本明細書で開示されるイソプレン量のいずれかに関する。いくつかの態様では、生産されたイソプレンの量が、ピーク比生産性時点で測定される。いくつかの態様では、細胞ピーク比生産性は、本明細書で開示される細胞あたりのイソプレン量のいずれかに関する。いくつかの態様では、生産されたイソプレンの累積総量が測定される。いくつかの態様では、細胞累積総生産性は、本明細書で開示されるイソプレン量のいずれかに関する。
いくつかの態様では、アセチル化タンパク質の発現および/または活性が調節されるように遺伝子操作されている本明細書に記載される細胞(例えば、培養中の細胞)のいずれもが、1、10、25、50、100、150、200、250、300、400、500、600、700、800、900、1,000、1,250、1,500、1,750、2,000、2,500、3,000、4,000、5,000nmole以上のイソプレンイソプレン/湿潤細胞重量グラム/時間(nmole/gwcm/hr)を産生する。いくつかの態様では、イソプレンの量は、約2〜約100nmole/gwcm/hr、約100〜約500nmole/gwcm/hr、約150〜約500nmole/gwcm/hr、約500〜約1,000nmole/gwcm/hr、約1,000〜約2,000nmole/gwcm/hr、または約2,000〜約5,000nmole/gwcm/hrなど、約2〜約5,000nmole/gwcm/hrである。いくつかの態様では、イソプレンの量は、約20〜約5,000nmole/gwcm/hr、約100〜約5,000nmole/gwcm/hr、約200〜約2,000nmole/gwcm/hr、約200〜約1,000nmole/gwcm/hr、約300〜約1,000nmole/gwcm/hr、または約400〜約1,000nmole/gwcm/hrである。
いくつかの態様では、アセチル化タンパク質の発現および/または活性が調節されるように遺伝子操作されている細胞は、約1、10、25、50、100、150、200、250、300、400、500、600、700、800、900、1,000、1,250、1,500、1,750、2,000、2,500、3,000、4,000、5,000、10,000、100,000ngイソプレン/g湿潤細胞重量/hr(ng/gwcm/h)以上のイソプレンを生成する。いくつかの態様では、イソプレンの量は、約2〜約100ng/gwcm/h、約100〜約500ng/gwcm/h、約500〜約1,000ng/gwcm/h、約1,000〜約2,000ng/gwcm/h、または約2,000〜約5,000ng/gwcm/hなどの約2〜約5,000ng/gwcm/hである。いくつかの態様では、イソプレンの量は、約20〜約5,000ng/gwcm/h、約100〜約5,000ng/gwcm/h、約200〜約2,000ng/gwcm/h、約200〜約1,000ng/gwcm/h、約300〜約1,000ng/gwcm/h、または約400〜約1,000ng/gwcm/hである。
いくつかの態様では、アセチル化タンパク質の発現および/または活性が調節されるように遺伝子操作されている細胞は、1、10、25、50、100、150、200、250、300、400、500、600、700、800、900、1,000、1,250、1,500、1,750、2,000、2,500、3,000、4,000、5,000、10,000、50,000、100,000mgイソプレン/Lブロス(mg/Lbroth、式中、ブロス容積は、細胞および細胞培地の容積を含む)以上のいずれかをほぼ超える、またはそのいずれかである、イソプレンの累積力価(総量)を生成する。いくつかの態様では、イソプレンの量は、約2〜約5,000mg/Lbrothなどの約2〜約100mg/Lbroth、約100〜約500mg/Lbroth、約500〜約1,000mg/Lbroth、約1,000〜約2,000mg/Lbroth、または約2,000〜約5,000mg/Lbrothである。いくつかの態様では、イソプレンの量は、約20〜約5,000mg/Lbroth、約100〜約5,000mg/Lbroth、約200〜約2,000mg/Lbroth、約200〜約1,000mg/Lbroth、約300〜約1,000mg/Lbroth、または約400〜約1,000mg/Lbrothである。
いくつかの態様では、アセチル化タンパク質の発現および/または活性が調節されるように遺伝子操作されている細胞は、容量基準で発酵発生気体の少なくとも約1、2、5、10、15、20、または25%を構成する。いくつかの態様では、イソプレンは、発生気体の容量基準で約5〜約15%、約15〜約25%、約10〜約20%、または約1〜約10%などの約1〜約25%を構成する。
これらの細胞内のアセチル化タンパク質の発現および/または活性が調節されるように遺伝子操作されている本明細書に記載される組換え細胞によるイソプレンの生産は、約5%〜約1,000,000倍向上され得る。イソプレンの生産は、野性型レベルの1つまたは複数のアセチル化タンパク質、イソプレンシンターゼポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種核酸、全MVA経路のポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種核酸、DXP経路ポリペプチド、および/またはIDIポリペプチドを発現して、イソプレン生産に向かう炭素流を増大させるように操作されていない細胞によるイソプレンの生産と比較して、約10%〜約1,000,000倍(例えば、約50%〜約1,000,000倍、約1〜約500,000倍、約1〜約50,000倍、約1〜約5,000倍、約1〜約1,000倍、約1〜約500倍、約1〜約100倍、約1〜約50倍、約5〜約100,000倍、約5〜約10,000倍、約5〜約1,000倍、約5〜約500倍、約5〜約100倍、約10〜約50,000倍、約50〜約10,000倍、約100〜約5,000倍、約200〜約1,000倍、約50〜約500倍、または約50〜約200倍)向上され得る。
イソプレンの生産はまた、天然細胞による、または1つまたは複数のアセチル化タンパク質、イソプレンシンターゼポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種核酸、全MVA経路のポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種核酸、DXP経路ポリペプチド、および/またはIDIポリペプチドを発現せず、イソプレン生産に向かう炭素流が増大するように遺伝子操作されていない細胞によるイソプレンの生産と比較して、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、1倍、2倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1000倍、2000倍、5000倍、10,000倍、20,000倍、50,000倍、100,000倍、200,000倍、500,000倍、または1,000,000倍のいずれか向上され得て、前記タンパク質は、それらの活性が調節されるように遺伝子操作される。
イソプレノイド前駆体および/またはイソプレノイドを産生できる組換え細胞
イソプレノイドは、多数の生物中で、MVA経路の最終生成物であるイソプレノイド前駆体分子の合成から生成され得る。上述のように、イソプレノイドは、重要なクラスの化合物に相当し、例えば、食品および飼料補給剤、フレーバーおよび臭気化合物、および抗がん、抗マラリア、抗真菌、および抗菌化合物を含む。
分子クラスとして、イソプレノイドは、化合物に含まれるイソプレン単位数に基づいて分類される。モノテルペンは、10個の炭素または2個のイソプレン単位を含んでなり、セスキテルペンは、15個の炭素または3個のイソプレン単位を含んでなり、ジテルペンは、20炭素または4個のイソプレン単位を含んでなり、セステルテルペンは、25個の炭素または5個のイソプレン単位を含んでなり、以下同じように続く。ステロイド(一般的に約27個の炭素を含んでなる)は、イソプレノイドの切断または再構成生成物である。
イソプレノイドは、イソプレノイド前駆体分子IPPおよびDMAPPから生成され得る。これらの多様な化合物は、これらの比較的単純な汎用前駆体から誘導され、保存的ポリプレニルピロリン酸シンターゼのグループによって合成される(Hsieh et al.,Plant Physiol.2011年3月;155(3):1079−90)。それらの特有の生理学的機能を反映する、これらの直鎖プレニルピロリン酸の様々な鎖長は、一般に、アリル性基質(ジメチルアリル二リン酸(C−DMAPP)、ピロリン酸ゲラニル(C10−GPP)、ピロリン酸ファルネシル(C15−FPP)、ゲラニルゲラニルピロリン酸(C20−GGPP))と、対応する数のイソペンテニルピロリン酸(C−IPP)との縮合反応を通じて、ポリプレニルピロリン酸シンターゼの非常に発達した活性部位によって判定される(Hsieh et al.,Plant Physiol.2011年3月;155(3):1079−90)。ピロリン酸ポリプレニルシンターゼの例としては、ピロリン酸ファルネシル(FPP)シンターゼ(例えば、大腸菌(E.coli)のためにコドン最適化されたファルネセンシンターゼ(配列番号26)または大腸菌(E.coli)のためにコドン最適化されたアモルファジエンシンターゼ(配列番号25));ピロリン酸ゲラニルシンターゼ;またはゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼが挙げられるが、これに限定されるものではない。
イソプレノイド前駆体および/またはイソプレノイドの生産は、酵素活性が調節されてイソプレノイド生産に向かう炭素流が増大するように、酵素経路の1つまたは複数が操作されている、本明細書に記載される組換え宿主細胞のいずれかを使用して実施され得る。さらに、これらの細胞は、1つまたは複数のアセチル化タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸、全MVA経路のポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種核酸、および/またはホスホケトラーゼをコードする1つまたは複数の異種核酸ポリペプチド、および/またはイソプレンシンターゼポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種核酸を発現し得て、前記細胞は、核酸の発現および/またはアセチル化タンパク質の活性が調節されるように遺伝子操作されている。いくつかの態様では、これらの細胞は、上述のIDIおよび/またはDXP経路ポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種核酸、および/またはポリプレニルピロリン酸シンターゼポリペプチドをコードする異種核酸をさらに含んでなる。理論により拘束されることなく、上述の組成物および方法のいずれかによって、細胞内で、アセチルCoAまたはメバロン酸の細胞産生を増大させることは、同様により大量のイソプレノイド前駆体分子および/またはイソプレノイド生成をもたらすと考えられる。グルコースからのアセチルCoAおよび/またはメバロン酸生成のモル収率を増大させることは、メバロン酸キナーゼ、ホスホメバロン酸キナーゼ、ジホスホメバロン酸デカルボキシラーゼ、イソペンテニル二リン酸イソメラーゼ、およびイソプレンおよびイソプレノイド生成のためのその他の適切な酵素の適切な酵素活性レベルとグルコースを組み合わせると生成される、イソプレンをはじめとするイソプレノイド前駆体分子および/またはイソプレノイドのより高いモル収率につながる。
イソプレノイドのタイプ
メバロン酸への炭素流動増大のために操作された本発明の細胞は、イソプレノイドおよびイソプレノイド前駆体分子DMAPPおよびIPPの産生を増大できる。イソプレノイドの例としては、制限なしに、ヘミテルペン、モノテルペノイド、セスキテルペノイド、ジテルペノイド、セステルテルペノイド、トリテルペノイド、テトラテルペノイド、より高級なポリテルペノイドが挙げられる。いくつかの態様では、ヘミテルペノイドは、プレノール(すなわち3−メチル−2−ブテン−1−オール)、イソプレノール(すなわち3−メチル−3−ブテン−1−オール)、2−メチル−3−ブテン−2−オール、またはイソ吉草酸である。いくつかの態様では、モノテルペノイドは、制限なしに、ピロリン酸ゲラニル、ユーカリプトール、リモネン、またはピネンであり得る。いくつかの態様では、セスキテルペノイドは、ピロリン酸ファルネシル、アルテミシニン、またはビサボロールである。いくつかの態様では、ジテルペノイドは、制限なしに、ゲラニルゲラニルピロリン酸、レチノール、レチナール、フィトール、タキソール、フォルスコリン、またはアフィジコリンであり得る。いくつかの態様では、トリテルペノイドは、制限なしに、スクアレンまたはラノステロールであり得る。イソプレノイドはまた、アビエタジエン、アモルファジエン、カレン、α−ファルネセン、β−ファルネセン、ファルネソール、ゲラニオール、ゲラニルゲラニオール、リナロール、リモネン、ミルセン、ネロリドール、オシメン、パトコウロール、β−ピネン、サビネン、γ−テルピネン、テルピネン、およびバレンセンからなる群から選択し得る。
いくつかの態様では、テトラテルペノイドは、リコペンまたはカロテン(カロテノイド)である。本明細書の用法では、「カロテノイド」という用語は、植物の葉緑体および有色体中、藻類などのいくつかのその他の光合成生物の葉緑体および有色体中、ある種の真菌およびいくつかの細菌中に生じる、一群の天然有機色素を指す。カロテノイドとしては、酸素含有キサントフィルおよび酸素非含有カロテンが挙げられる。いくつかの態様では、カロテノイドは、キサントフィルおよびカロテンからなる群から選択される。いくつかの態様では、キサントフィルは、ルテインまたはゼアキサンチンである。いくつかの態様では、カロテノイドは、α−カロテン、β−カロテン、γ−カロテン、β−クリプトキサンチンまたはリコペンである。
ポリプレニルピロリン酸シンターゼポリペプチドをコードする異種核酸
本発明のいくつかの態様では、本明細書の組成物または方法のいずれかに記載されるイソプレノイドへの炭素流動増大のために操作された細胞は、上述の下流メバロン酸(MVA)経路ポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸、ならびにポリプレニルピロリン酸シンターゼポリペプチドをコードする、1つまたは複数の核酸をさらに含んでなる。ポリプレニルピロリン酸シンターゼポリペプチドは、内在性ポリペプチドであり得る。ポリプレニルピロリン酸シンターゼポリペプチドをコードする内在性核酸は、構成的プロモーターと作動可能に連結し得て、または同様に誘導性プロモーターと作動可能に連結し得る。ポリプレニルピロリン酸シンターゼポリペプチドをコードする内在性核酸は、強力なプロモーターとさらに作動可能に連結し得る。代案としては、ポリプレニルピロリン酸シンターゼポリペプチドをコードする内在性核酸は、弱いプロモーターと作動可能に連結し得る。特に、細胞は、野生型細胞と比較して、内在性ポリプレニルピロリン酸シンターゼポリペプチドを過剰発現するように改変し得る。
いくつかの態様では、ポリプレニルピロリン酸シンターゼポリペプチドは、異種ポリペプチドである。本発明の細胞は、ポリプレニルピロリン酸シンターゼポリペプチドをコードする異種核酸の2つ以上のコピーを含んでなり得る。いくつかの態様では、ポリプレニルピロリン酸シンターゼポリペプチドをコードする異種核酸は、構成的プロモーターと作動可能に連結する。いくつかの態様では、ポリプレニルピロリン酸シンターゼポリペプチドをコードする異種核酸は、誘導性プロモーターと作動可能に連結する。いくつかの態様では、ポリプレニルピロリン酸シンターゼポリペプチドをコードする異種核酸は、強力なプロモーターと作動可能に連結する。いくつかの態様では、ポリプレニルピロリン酸シンターゼポリペプチドをコードする異種核酸は、弱いプロモーターと作動可能に連結する。
ポリプレニルピロリン酸シンターゼポリペプチドをコードする核酸は、宿主細胞ゲノムに組み込み得て、または細胞内で安定して発現させ得る。ポリプレニルピロリン酸シンターゼポリペプチドをコードする核酸は、さらにベクター上に存在し得る。
例示的なポリプレニルピロリン酸シンターゼ核酸としては、ポリプレニルピロリン酸シンターゼの少なくとも1つの活性を有する、ポリペプチド、ポリペプチド断片、ペプチド、または融合ポリペプチドをコードする核酸が挙げられる。ポリプレニルピロリン酸シンターゼポリペプチドは、イソプレノイド前駆体分子をより複雑なイソプレノイド化合物に変換する。例示的なシンターゼポリペプチドとしては、ポリプレニルピロリン酸シンターゼポリペプチドの少なくとも1つの活性を有するポリペプチド、ポリペプチド断片、ペプチド、および融合ポリペプチドが挙げられる。例示的なポリプレニルピロリン酸シンターゼポリペプチドおよび核酸としては、本明細書に記載される起源生物のいずれかからの天然ポリペプチドおよび核酸が挙げられる。さらに、ポリプレニルピロリン酸シンターゼ変異体は、改善された酵素活性などの改善された活性を有し得る。いくつかの態様では、ポリプレニルピロリン酸シンターゼ変異体は、改善された安定性(例えば、熱安定性)、および/または改善された溶解度などのその他の改善された特性を有する。例示的なポリプレニルピロリン酸シンターゼ核酸としては、制限なしに、ゲラニル二リン酸(GPP)シンターゼ、ピロリン酸ファルネシル(FPP)シンターゼ、およびゲラニルゲラニルピロリン酸(GGPP)シンターゼ、または任意のその他の既知のポリプレニルピロリン酸シンターゼポリペプチドなどのポリプレニルピロリン酸シンターゼポリペプチドをコードする核酸が挙げられる。
本発明のいくつかの態様では、本明細書の組成物または方法のいずれかに記載されるイソプレノイドへの炭素流動増大のために操作された細胞は、ピロリン酸ファルネシル(FPP)シンターゼをコードする、1つまたは複数の核酸をさらに含んでなる。FPPシンターゼポリペプチドは、内在性遺伝子によってコードされる内在性ポリペプチドであり得る。いくつかの態様では、FPPシンターゼポリペプチドは、大腸菌(E.coli)中で、内在性ispA遺伝子によってコードされる(例えば、配列番号23)。FPPシンターゼポリペプチドをコードする内在性核酸は、構成的プロモーターと作動可能に連結し得て、または同様に誘導性プロモーターと作動可能に連結し得る。FPPシンターゼポリペプチドをコードする内在性核酸は、強力なプロモーターとさらに作動可能に連結し得る。特に、細胞は、野生型細胞と比較して、内在性FPPシンターゼポリペプチドを過剰発現するように改変し得る。
いくつかの態様では、FPPシンターゼポリペプチドは異種ポリペプチドである。本発明の細胞は、FPPシンターゼポリペプチドをコードする異種核酸の2つ以上のコピーを含んでなり得る。いくつかの態様では、FPPシンターゼポリペプチドをコードする異種核酸は、構成的プロモーターと作動可能に連結する。いくつかの態様では、FPPシンターゼポリペプチドをコードする異種核酸は、誘導性プロモーターと作動可能に連結する。いくつかの態様では、ポリプレニルピロリン酸シンターゼポリペプチドをコードする異種核酸は、強力なプロモーターと作動可能に連結する。
FPPシンターゼポリペプチドをコードする核酸は、宿主細胞ゲノムに組み込み得て、または細胞内で安定して発現させ得る。FPPシンターゼをコードする核酸は、さらにベクター上に存在し得る。
標準法を使用して、ポリペプチドが、試験管内で、細胞抽出物中で、または生体内で、IPPを高級イソプレノイドに変換する能力を測定することで、ポリペプチドがポリプレニルピロリン酸シンターゼポリペプチド活性を有するかどうかを判定し得る。これらの方法は、当該技術分野で周知であり、例えば、米国特許第7,915,026号明細書、Hsieh et al.,Plant Physiol.2011年3月;155(3):1079−90;Danner et al.,Phytochemistry.2011年4月12日[印刷前のデジタル出版];Jones et al.,J Biol Chem.2011年3月24日[印刷前のデジタル出版]];Keeling et al.,BMC Plant Biol.2011年3月7日;11:43; Martin et al.,BMC Plant Biol.2010年11月21日;10:226;Kumeta&Ito,Plant Physiol.2010年12月;154(4):1998−2007;およびKollner&Boland,J Org Chem.2010年8月20日;75(16):5590−600に記載される。
イソプレノイド前駆体および/またはイソプレノイドの生産増大能力がある組換え細胞
本明細書に記載される組換え微生物(例えば、組換え細菌、真菌、または藻類細胞)は、本明細書に記載される様々な酵素経路に対する任意の操作のない同一細胞を上回る量および/または濃度で、イソプレノイド前駆体および/またはイソプレノイドを産生する能力を有する。さらに、本明細書に記載される細胞は、イソプレノイドに向かう炭素流を増大させるために遺伝子操作されておらず1つまたは複数のアセチル化タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸が欠失している同一細胞を上回る量および/または濃度で、イソプレノイド前駆体および/またはイソプレノイドを産生する能力を有し、細胞は、核酸の発現および/またはアセチル化タンパク質の活性、およびピロリン酸ポリプレニルシンターゼポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種核酸が調節されるように、遺伝子操作されている。アセチル化タンパク質は、アセチルトランスフェラーゼ(YfiQなどであるが、これに限定されるものではない)および/またはデアセチラーゼ(CobBなどであるが、これに限定されるものではない)であり得る。いくつかの実施形態では、YfiQポリペプチドの活性は、YfiQポリペプチドをコードする遺伝子の発現を低下、減衰、または欠失させることで(内在性yfiQ遺伝子の欠失などであるが、これに限定されるものではない)調節される。その他の実施形態では、CobBポリペプチドの活性は、CobBタンパク質の活性を増大させることで(内在性cobB遺伝子の発現の増大、またはcobBをコードする核酸の異種発現などであるが、これに限定されるものではない)調節される。その他の実施形態では、これらの細胞は適切な培地中で培養することは、1つまたは複数のアセチル化タンパク質を含まないイソプレノイド前駆体および/またはイソプレノイドを産生する細胞と比較して、改善されたイソプレノイド前駆体および/またはイソプレノイドの生産を提供し、前記タンパク質は、それらの活性が調節されるように遺伝子操作される。特定の態様では、これらの細胞は、全MVA経路のポリペプチドをコードする異種核酸の1つまたは複数のコピー、および/またはホスホケトラーゼをコードする1つまたは複数の異種核酸ポリペプチドをさらに含んでなり得る。本明細書で開示される細胞の態様のいずれにおいても、1つまたは複数の異種核酸が宿主細胞の染色体に組み込まれ得る。その他の態様では、改善されたイソプレノイド前駆体および/またはイソプレノイドの生産は、イソプレノイド前駆体および/またはイソプレノイド比生産性の増大、イソプレノイド前駆体および/またはイソプレノイド力価の増大、イソプレノイド前駆体および/またはイソプレノイド収率の増大、細胞生存率の増大、および/または酢酸生成量の低下の1つまたは複数によって特徴付けられる。
本発明の一態様では、1つまたは複数のアセチル化タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸、全MVA経路のポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種核酸、および/またはホスホケトラーゼをコードする1つまたは複数の異種核酸ポリペプチド、および/またはDXP経路ポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種核酸、および/またはピロリン酸ポリプレニルシンターゼをコードする1つまたは複数の異種核酸を含んでなる、イソプレノイドおよび/またはイソプレノイド前駆体に向かう炭素流を増大させるために遺伝子操作されている細胞が提供され、前記細胞は、核酸の発現および/またはアセチル化タンパク質の活性が調節されるように遺伝子操作されている。細胞は、IDIポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種核酸をさらに含んでなり得る。さらにポリプレニルピロリン酸シンターゼポリペプチドは、FPPシンターゼポリペプチドであり得る。1つまたは複数の異種核酸が、構成的プロモーターと作動可能に連結し得て、誘導性プロモーターと作動可能に連結し得て、または誘導性および構成的プロモーターの組み合わせと作動可能に連結し得る。1つまたは複数の異種核酸は、さらに、強力なプロモーター、弱いプロモーター、および/または中程度のプロモーターと、作動可能に連結し得る。1つまたは複数のアセチル化タンパク質をコードする異種核酸の1つまたは複数、全MVA経路のポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種核酸、ホスホケトラーゼをコードする1つまたは複数の異種核酸ポリペプチド、DXP経路ポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種核酸、および/またはピロリン酸ポリプレニルシンターゼをコードする1つまたは複数の異種核酸は、宿主細胞のゲノムに組み込まれ得て、または細胞内で安定して発現され得て、前記タンパク質は、それらの活性が調節されるように遺伝子操作される。1つまたは複数の異種核酸が、ベクター上にさらに存在し得る。
本明細書で提供されるのは、向上、改善、または増大されたイソプレノイド前駆体および/またはイソプレノイド生産のために、上に記載されるイソプレノイドおよび/またはイソプレノイド前駆体に向かう炭素流増大のために遺伝子操作されている細胞のいずれかを使用する方法である。本明細書の用法では、「向上された」/「改善された」/「増大された」イソプレノイド前駆体および/またはイソプレノイド生産は、1つまたは複数のアセチル化タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸を含まない細胞と比較した、本明細書に記載される組成物および方法のいずれかによって記載される細胞による、イソプレノイド前駆体の細胞生産性指数(CPI)および/またはイソプレノイド生産の増大、イソプレノイド前駆体および/またはイソプレノイド力価の増大、イソプレノイド前駆体および/またはイソプレノイド質量収率の増大、イソプレノイド前駆体および/またはイソプレノイド比生産性の増大、細胞生存率の増大、および/または酢酸塩生成量の低下を指し、前記細胞は、核酸の発現および/またはアセチル化タンパク質の活性が調節されるように遺伝子操作されている。イソプレノイド前駆体および/またはイソプレノイドの生産は、約5%〜約1,000,000倍向上され得る。イソプレノイド前駆体および/またはイソプレノイドの生産は、それらの活性が調節されるように遺伝子操作されている1つまたは複数のアセチル化タンパク質の発現がない細胞によるイソプレノイドおよび/またはイソプレノイド前駆体の生産と比較して、約10%〜約1,000,000倍(例えば、約1〜約500,000倍、約1〜約50,000倍、約1〜約5,000倍、約1〜約1,000倍、約1〜約500倍、約1〜約100倍、約1〜約50倍、約5〜約100,000倍、約5〜約10,000倍、約5〜約1,000倍、約5〜約500倍、約5〜約100倍、約10〜約50,000倍、約50〜約10,000倍、約100〜約5,000倍、約200〜約1,000倍、約50〜約500倍、または約50〜約200倍)向上され得る。
イソプレノイド前駆体および/またはイソプレノイドの生産はまた、天然細胞による、または1つまたは複数のアセチル化タンパク質の発現がなく、イソプレノイドおよび/またはイソプレノイド前駆体の生産に向かう炭素流が増大するように、遺伝子操作されていない細胞による、イソプレノイド前駆体および/またはイソプレノイドの生産と比較して、少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、1倍数、2倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1000倍、2000倍、5000倍、10,000倍、20,000倍、50,000倍、100,000倍、200,000倍、500,000倍、または1,000,000倍のいずれか向上され得て、前記タンパク質は、それらの活性が調節されるように遺伝子操作される。
組換え細胞を使用してイソプレノイドおよび/またはイソプレノイド前駆物質分子を生産する方法
本明細書でまた提供されるのは、本明細書に記載される様々な酵素経路が遺伝子操作されている、および/または1つまたは複数のアセチル化タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸、全MVA経路のポリペプチド、およびピロリン酸ポリプレニルシンターゼポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種核酸を含んでなる組換え微生物(例えば、組換え体細菌、真菌、または藻類細胞)を培養するステップを含んでなる、イソプレノイド前駆体分子および/またはイソプレノイドを生産する方法であり、前記細胞は、核酸の発現および/またはアセチル化タンパク質の活性が調節されるように遺伝子操作されている。特定の実施形態では、組換え細胞は、ホスホケトラーゼポリペプチドをコードする、1つまたは複数の核酸をさらに含んでなる。イソプレノイド前駆体分子および/またはイソプレノイドは、本明細書に記載される細胞のいずれかから、本明細書に記載される方法のいずれかに従って、生産され得る。細胞のいずれでも、グルコースなどであるが、これに限定されるものではない炭水化物から、または酢酸などであるが、これに限定されるものではないその他の炭素源から、イソプレノイド前駆体分子および/またはイソプレノイドを生産する目的で使用され得る。
したがって、本明細書で提供されるのは、(a)イソプレノイドおよび/またはイソプレノイド前駆体に向かう炭素流増大のために遺伝子操作されている細胞を培養するステップと;(b)イソプレノイド前駆体分子および/またはイソプレノイドを生産するステップとを含んでなる、イソプレノイド前駆体分子および/またはイソプレノイドを生産する方法である。その他の態様では、本明細書で提供されるのは、(a)1つまたは複数のアセチル化タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸を含んでなる細胞(細菌、真菌、または藻類細胞など)をイソプレンを生産するのに適切な培地中で培養するステップと、(b)イソプレノイド前駆体分子および/またはイソプレノイドを生産するステップとを含んでなる、イソプレノイド前駆体分子および/またはイソプレノイドを生産する方法である。前記細胞は、核酸の発現および/またはアセチル化タンパク質の活性が調節されるように遺伝子操作されている。細胞は、上述されるような全MVA経路のポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸分子、および/またはホスホケトラーゼポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸分子をさらに含んでなり得る。いくつかの態様では、細胞(細菌、真菌、または藻類細胞など)は、本明細書に記載される細胞のいずれかであり得る。いくつかの態様では、イソプレノイド前駆体分子および/またはイソプレノイドを生産する方法は、イソプレノイド前駆体分子および/またはイソプレノイドを回収するステップをさらに含んでなる。
例示的一実施形態では、当該イソプレノイド前駆体分子および/またはイソプレノイド製造方法は、イソプレノイドおよび/またはイソプレノイド前駆体に向かう炭素流が増大するように遺伝子操作されておらず、1つまたは複数のアセチル化タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸を含まない、イソプレノイドおよび/またはイソプレノイド前駆体産生細胞と比較して、少なくとも5%より高い量のイソプレノイド前駆体および/またはイソプレノイドを生産し得て、前記細胞は、核酸の発現および/またはアセチル化タンパク質の活性が調節されるように遺伝子操作されている。その他の態様では、本明細書で提供されるのは、イソプレノイド前駆体分子および/またはイソプレノイド製造方法であり、それは、例示的一実施形態では、1つまたは複数のアセチル化タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸を含まない、イソプレノイドおよび/またはイソプレノイド前駆体産生細胞(細菌、真菌、または藻類細胞など)と比較して、少なくとも5%より高い量のイソプレノイド前駆体および/またはイソプレノイドを生産し得て、前記細胞は、核酸の発現および/またはアセチル化タンパク質の活性が調節されるように遺伝子操作されている。イソプレノイドおよび/またはイソプレノイド前駆体の生産に向かう炭素流が増大するように、遺伝子操作されておらず。代案としては、細胞(細菌、真菌、または藻類細胞など)は、包括的に、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、または15%を超えるイソプレノイド前駆体および/またはイソプレノイドを産生し得る。いくつかの態様では、イソプレノイド前駆体分子および/またはイソプレノイドを生産する方法は、イソプレノイド前駆体分子および/またはイソプレノイドを回収するステップをさらに含んでなる。
本明細書で提供されるのは、イソプレノイドおよび/またはイソプレノイド前駆体分子の生産向上のために、上に記載されるイソプレノイドおよび/またはイソプレノイド前駆体に向かう炭素流が増大するように遺伝子操作されている細胞のいずれかを使用する方法である。本明細書の用法では,「向上された」イソプレノイド前駆体および/またはイソプレノイド生産は、1つまたは複数のアセチル化タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸を含まない細胞と比較した、本明細書に記載される組成物および方法のいずれかによって記載される細胞による、イソプレノイド前駆体および/またはイソプレノイド生産の細胞生産性指数(CPI)増大、イソプレノイド前駆体および/またはイソプレノイドの力価増大、イソプレノイド前駆体および/またはイソプレノイドの質量収率増大、イソプレノイド前駆体および/またはイソプレノイドの比生産性増大、イソプレノイド前駆体および/またはイソプレノイド累積収率増大、イソプレノイド前駆体および/またはイソプレノイドの後期発酵の増大、および細胞生存率の増大、および/または酢酸生成量の低下を指し、前記細胞は、核酸の発現および/またはアセチル化タンパク質の活性が調節されるように遺伝子操作されている。イソプレノイド前駆体分子および/またはイソプレノイドの生産は、1つまたは複数のアセチル化タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸を含まない細胞によるイソプレノイド前駆体分子および/またはイソプレノイドの生産と比較して、約10%〜約1,000,000倍(例えば、約1〜約500,000倍、約1〜約50,000倍、約1〜約5,000倍、約1〜約1,000倍、約1〜約500倍、約1〜約100倍、約1〜約50倍、約5〜約100,000倍、約5〜約10,000倍、約5〜約1,000倍、約5〜約500倍、約5〜約100倍、約10〜約50,000倍、約50〜約10,000倍、約100〜約5,000倍、約200〜約1,000倍、約50〜約500倍、または約50〜約200倍)向上され得て、前記細胞は、核酸の発現および/またはアセチル化タンパク質の活性が調節されるように遺伝子操作されている。例示的一実施形態では、イソプレノイド前駆体分子および/またはイソプレノイドの生産は、約5%〜約1,000,000倍増大され得る。
イソプレノイド前駆体分子および/またはイソプレノイドの生産はまた、1つまたは複数のアセチル化タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸を含まない細胞によるイソプレノイド前駆体分子および/またはイソプレノイドの生産と比較して、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、1倍数、2倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍、500倍、1000倍、2000倍、5000倍、10,000倍、20,000倍、50,000倍、100,000倍、200,000倍、500,000倍、または1,000,000倍のいずれか向上され得て、前記細胞は、核酸の発現および/またはアセチル化タンパク質の活性が調節されるように遺伝子操作されている。
メバロン酸、イソプレン、イソプレノイド、イソプレノイド前駆体、およびアセチルCoA由来産物の生産改善のための追加的な酵素経路調節
本発明のいくつかの態様では、本明細書に記載される方法または組成物のいずれかに記載される組換え細胞は、1つまたは複数のタンパク質をコードする1つまたは複数の核酸をさらに含んでなり、細胞は、核酸の活性および/またはタンパク質の発現が調節されるように修飾されている。細胞代謝中の炭素利用に関与する追加的な遺伝子の調節、またはアセチルCoAの利用可能な細胞内供給に関与するとされるものもまた調節されて、メバロン酸、イソプレン、イソプレノイド前駆体、および/またはイソプレノイドの生産が改善されてもよい。これらのとしては、ホスホフルクトキナーゼが関与する経路の調節、ホスホケトラーゼに関与する経路の調節、ペントースリン酸経路酵の調節素、酢酸生産と酢酸循環とアセチルCoA生産に関与する酵素の調節、エントナー・ドウドロフ経路が関与する経路の調節、ペントースリン酸経路の酸化分岐が関与する経路の調節などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
ホスホケトラーゼポリペプチドをコードする核酸
本発明のいくつかの態様では、本明細書に記載される方法または組成物のいずれかに記載される組換え細胞は、ホスホケトラーゼポリペプチドまたはホスホケトラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸をさらに含んでなり得る。いくつかの態様では、ホスホケトラーゼポリペプチドは、異種ポリペプチドである。いくつかの態様では、ホスホケトラーゼポリペプチドをコードする異種核酸は、構成的プロモーターと作動可能に連結する。いくつかの態様では、ホスホケトラーゼポリペプチドをコードする異種核酸は、誘導性プロモーターと作動可能に連結する。いくつかの態様では、ホスホケトラーゼポリペプチドをコードする異種核酸は、強力なプロモーターと作動可能に連結する。いくつかの態様では、ホスホケトラーゼポリペプチドをコードする2つ以上の異種核酸(例えば、ホスホケトラーゼポリペプチドをコードする異種核酸の2、3、4つ以上のコピー)が使用される。いくつかの態様では、ホスホケトラーゼポリペプチドをコードする異種核酸は、弱いプロモーターと作動可能に連結する。特定の態様では、細胞は、野生型細胞と比較して、内在性ホスホケトラーゼポリペプチドを過剰発現するように遺伝子操作される。
ホスホケトラーゼ酵素は、キシルロース−5−リン酸からグリセルアルデヒド−3−リン酸およびアセチルリン酸への変換、および/またはフルクトース−6−リン酸からエリスロース−4−リン酸およびアセチルリン酸への変換を触媒する。特定の実施形態では、ホスホケトラーゼ酵素は、キシルロース−5−リン酸からグリセルアルデヒド−3−リン酸およびアセチルリン酸への変換を触媒できる。その他の実施形態では、ホスホケトラーゼ酵素は、フルクトース−6−リン酸からエリスロース−4−リン酸およびアセチルリン酸への変換を触媒できる。したがって、理論により拘束されることなく、本明細書に記載されるホスホケトラーゼの発現は、炭水化物源から生成されるアセチルリン酸量の増大をもたらし得る。このアセチルリン酸はアセチルCoAに変換され得て、それは次に、MVA経路の酵素機能によって使用されて、メバロン酸、イソプレノイド前駆体分子、イソプレンおよび/またはイソプレノイドが生産され得る。したがって炭水化物基質から生成されるこれらの化合物の量が、増大されてもよい。代案としては、増大をより高い細胞内濃度に反映させることなく、アセチル−PおよびAcCoAの生成が増大され得る。特定の実施形態では、ホスホケトラーゼ反応が起こっているにもかかわらず、細胞内アセチル−PまたはアセチルCoA濃度は不変であり、または低下することさえある。
例示的なホスホケトラーゼ核酸としては、ホスホケトラーゼポリペプチドの少なくとも1つの活性を有する、ポリペプチド、ポリペプチド断片、ペプチド、または融合ポリペプチドをコードする核酸が挙げられる。例示的なホスホケトラーゼポリペプチドおよび核酸としては、本明細書に記載される起源生物のいずれかからの天然ポリペプチドおよび核酸、ならびに本明細書に記載される起源生物のいずれかに由来する変異ポリペプチドおよび核酸が挙げられる。
標準法を使用して、ペプチドが、D−フルクトース−6−リン酸またはD−キシルロース−5−リン酸をアセチル−Pに変換する能力を測定することで、ポリペプチドが、ホスホケトラーゼペプチド活性を有するかどうかを判定し得る。次にアセチル−Pは、分光光度法で検出し得るフェリルアセチルヒドロキサム酸に変換され得る(Meile et al.,J.Bact.183:2929−2936,2001)。本明細書に記載されるようなホスホケトラーゼペプチド活性を有すると同定された任意のポリペプチドは、本発明で使用するのに適する。
その他の態様では、代表的ホスホケトラーゼ核酸としては、例えば、ラクトバチルス・ロイテリー(Lactobacillus reuteri)、ビフィドバクテリウム・ロングム(Bifidobacterium longum)、フェリモナス・バレアリカ(Ferrimonas balearica)、ペドバクター・サルタンス(Pedobactor saltans)、ストレプトミセス・グリセウス(Streptomyces griseus)、マイコプラズマ・ホミニス(Mycoplasma hominis)、および/またはノカルジオプシス・ダッソンビレイ(Nocardiopsis dassonvillei)から単離された、ホスホケトラーゼが挙げられる。本明細書で使用され得るホスホケトラーゼ酵素の追加的な例は、参照により本明細書に援用される、米国特許第7,785,858号明細書に記載される。
エントナー・ドウドロフ経路が関与する経路
エントナー・ドウドロフ(ED)経路は、エンデン・メイヤーホフ・パルナス(EMP−解糖)経路の代替物である。大腸菌(E.coli)のようないくつかの生物がEDおよびEMP経路の双方を持つ一方で、その他の生物はそのどちらか一方のみを有する。バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)がEMP経路のみを有するのに対し、ザイモモナス・モビリス(Zymomonas mobilis)はED経路のみを有する(Peekhaus and Conway.1998.J.Bact.180:3495−3502;Stulke and Hillen.2000.Annu.Rev.Microbiol.54,849−880;Dawes et al.1966.Biochem.J.98:795−803)。
ホスホグルコン酸デヒドラターゼ(edd)が、6−ホスホ−D−グルコン酸塩から1分子のHOを除去して、2−デヒドロ−3−デオキシ−D−グルコン酸塩6−リン酸を形成するのに対し、2−ケト−3−デオキシグルコン酸6−リン酸アルドラーゼ(eda)は、アルドール切断を触媒する(Egan et al.1992.J.Bact.174:4638−4646)。2つの遺伝子は、オペロン中にある。
ホスホケトラーゼ経路に向けられ得る代謝産物はまた、ED経路にも転用され得る。代謝産物が、ED経路に失われるのを回避するために、ホスホグルコン酸デヒドラターゼ遺伝子(例えば、内在性ホスホグルコン酸デヒドラターゼ遺伝子)および/または2−ケト−3−デオキシグルコン酸6−リン酸アルドラーゼ遺伝子(例えば、内在性2−ケト−3−デオキシグルコン酸6−リン酸アルドラーゼ遺伝子)活性が弱力化される。弱力化を達成する一方法は、ホスホグルコン酸デヒドラターゼ(edd)および/または2−ケト−3−デオキシグルコン酸6−リン酸アルドラーゼ(eda)を欠失させることである。これはクロラムフェニコールまたはカナマイシンカセットによって片方または双方の遺伝子を置換し、それに続いてカセットをループアウトすることで達成し得る。これらの酵素機能がなければ、ホスホケトラーゼ酵素を通じてより多くの炭素が流動し、ひいてはメバロン酸、イソプレン、イソプレノイド前駆体分子、イソプレノイド、および/またはアセチルCoA由来産物の収率が増大する。
ホスホグルコン酸デヒドラターゼ(edd)および/または2−ケト−3−デオキシグルコン酸6−リン酸アルドラーゼ(eda)の活性はまた、酵素のその他の分子操作によって低下させ得る。酵素活性の低下は、いかなる操作も実施しなかった場合と比較した、比活性または全活性の任意の量の低下であり得る。場合によっては、酵素活性の低下は、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%低下される。
場合によっては、内在性ホスホグルコン酸デヒドラターゼ遺伝子および/または内在性2−ケト−3−デオキシグルコン酸6−リン酸アルドラーゼ遺伝子の活性の弱力化は、弱力化された内在性ホスホグルコン酸デヒドラターゼ遺伝子および/または内在性酢酸キナーゼ−2−ケト−3−デオキシグルコン酸6−リン酸アルドラーゼ遺伝子発現を有しない細胞と比較して、メバロン酸依存性生合成経路へのより多くの炭素流をもたらす。
ペントースリン酸経路の酸化分岐が関与する経路
大腸菌(E.coli)は、ペントースリン酸経路を使用してヘキソースとペントースを分解し、細胞様々な同化経路のための中間体を提供する。それはまた、NADPHの主な産生者でもある。ペントースリン酸経路は、酸化分岐(グルコース6−リン酸−1−デヒドロゲナーゼ(zwf)、6−ホスホグルコノラクトナーゼ(pgl)または6−ホスホグルコン酸デヒドロゲナーゼ(gnd)のような酵素がある)、および非酸化分岐(トランスケトラーゼ(tktA)、トランスアルドラーゼ(talAまたはtalB)、リブロース−5−リン酸−エピメラーゼおよび(または)リボース−5−リン酸エピメラーゼなどの酵素がある)から構成される(Sprenger.1995.Arch.Microbiol.164:324−330)。
ホスホケトラーゼ酵素に向けて炭素を誘導するために、ペントースリン酸経路の非酸化分岐(トランスケトラーゼ、トランスアルドラーゼ、リブロース−5−リン酸−エピメラーゼおよび(または)リボース−5−リン酸エピメラーゼのタンパク質の発現および/または活性を調節し(例えば、酵素活性を増大させ)、フルクトース6−リン酸およびキシルロース5−リン酸に向けてより多くの炭素が流動するようにし得て、それによって、メバロン酸、イソプレン、イソプレノイド前駆体分子、イソプレノイド、および/またはアセチルCoA由来産物の最終生成量を増大させる。トランスケトラーゼ、トランスアルドラーゼ、リブロース−5−リン酸−エピメラーゼおよび(または)リボース−5−リン酸エピメラーゼ活性の増大は、いかなる操作も実施しなかった場合と比較した、比活性または全活性の任意の量の増大であり得る。場合によっては、酵素活性は、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%増大する。いくつかの態様では、トランスケトラーゼ、トランスアルドラーゼ、リブロース−5−リン酸−エピメラーゼおよび(または)リボース−5−リン酸エピメラーゼの活性は、内在性トランスケトラーゼ、トランスアルドラーゼ、リブロース−5−リン酸−エピメラーゼ、および(または)リボース−5−リン酸エピメラーゼの活性を増大させることで、調節される。これは合成構成的高発現性プロモーターによって、内在性トランスケトラーゼ、トランスアルドラーゼ、リブロース−5−リン酸−エピメラーゼおよび(または)リボース−5−リン酸エピメラーゼ遺伝子プロモーターを置換することで達成し得る。トランスケトラーゼ、トランスアルドラーゼ、リブロース−5−リン酸−エピメラーゼおよび(または)リボース−5−リン酸エピメラーゼをコードする遺伝子はまた、適切なプロモーターの後のプラスミド上にクローン化し得る。トランスケトラーゼ、トランスアルドラーゼ、リブロース−5−リン酸−エピメラーゼおよび(または)リボース−5−リン酸エピメラーゼの活性の増大は、トランスケトラーゼ、トランスアルドラーゼ、リブロース−5−リン酸−エピメラーゼおよび(または)リボース−5−リン酸エピメラーゼの発現増大を有しない細胞と比較して、メバロン酸依存性生合成経路へのより多くの炭素流をもたらし得る。
ホスホフルクトキナーゼが関与する経路
ホスホフルクトキナーゼは、フルクトース−6−リン酸のリン酸化を触媒する、解糖の重要な酵素である。大腸菌(E.coli)は、pfkAおよびpfkBによってコードされる2つのイソ酵素を有する。細胞内のホスホフルクトキナーゼ活性の大部分は、pfkAに起因する(Kotlarz et al.1975 Biochim.Biophys.Acta 381:257−268)。
ホスホケトラーゼ酵素に向けて炭素を誘導するために、ホスホフルクトキナーゼ発現を調節して(例えば、酵素活性を低下させて)、フルクトース−6−リン酸およびキシルロース−5−リン酸に向けてより多くの炭素が流動するようにし得て、それによってメバロン酸、イソプレン、イソプレノイド前駆体分子、およびイソプレノイド、および/またはアセチルCoA由来産物の最終生産量を増大させる。ホスホフルクトキナーゼ活性の低下は、いかなる操作も実施しなかった場合と比較した、比活性または全活性の任意の量の低下であり得る。場合によっては、酵素活性の低下は、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%低下される。いくつかの態様では、ホスホフルクトキナーゼの活性は、内在性ホスホフルクトキナーゼの活性を低下させることで調節される。これは合成構成的低発現性プロモーターによって、内在性ホスホフルクトキナーゼ遺伝子プロモーターを置換することで、達成し得る。ホスホフルクトキナーゼの活性の低下は、ホスホフルクトキナーゼの発現低下を有しない細胞と比較して、メバロン酸依存性生合成経路へのより多量の炭素流をもたらし得る。
酢酸生産、酢酸循環させる、およびアセチルCoA生産に関与する遺伝子の調節
有用な工業的発酵産物を生産するために、微生物(大腸菌(E.coli)および酵母など)が、高細胞密度発酵のための宿主株として広範に使用されている。グルコースは、相対的に安価で容易に利用可能な炭素およびエネルギー源であることから、宿主細胞の高密度増殖のためならびに異種発現される組換え遺伝子の発現ための増殖培地に、かなりの量のグルコースが添加される。高細胞密度発酵中に起こり得る大きな1つの問題は、酢酸が最も優勢である発酵性酸性副産物の生産であり、それは細胞増殖および生産における限界の主要因になり得る(Han et al.,Biotechnol.Bioeng.,39,663(1992);Luli et al.,Appl.Environ.Microbiol.,56,1004(1990))。
本明細書で提供される実施形態では、酢酸循環タンパク質、酢酸生産タンパク質、またはアセチルCoA生産関連タンパク質としてはホスホトランスアセチラーゼ(Pta)、酢酸キナーゼ(AckA)、AMP形成アセチル補酵素Aシンセターゼ(Acs)、および酢酸輸送体/酢酸ポンプ/(actP)が挙げられるが、これに限定されるものではない。本明細書に記載される実施形態のいずれか1つの中では、これらのタンパク質をコードする1つまたは複数の遺伝子に対する変異は、発現を増大または低下/減衰/欠失させ、またはこれらのタンパク質の活性に対する変化は、単独で、または組み合わせのどちらかで起こり得て、メバロン酸、イソプレン、イソプレノイド、イソプレノイド前駆体、および/またはアセチルCoA由来産物の生産をさらに促進する。これらの酢酸循環タンパク質の発現および/または活性に対する変化は、単独で、または(上述されるようなYfiQおよび/またはCobBなどであるが、これに限定されるものではない)1つまたは複数のアセチル化タンパク質活性の調節との組み合わせで起こりえる。いくつかの実施形態では、アセチルトランスフェラーゼの活性は、1つまたは複数の酢酸循環遺伝子/タンパク質の調節と並んで、アセチルトランスフェラーゼポリペプチドまたはアセチルトランスフェラーゼ遺伝子の発現の欠失または減衰によって調節される。例示的な実施形態では、YfiQの活性は、YfiQポリペプチドまたはyfiQ遺伝子の発現の欠失または減衰によって調節される。その他の実施形態では、デアセチラーゼの活性は、1つまたは複数の酢酸循環遺伝子/タンパク質の調節と並んで、デアセチラーゼポリペプチドまたはデアセチラーゼ遺伝子の発現または活性を増大させることで調節される。例示的な実施形態では、CobBの活性は、CobBポリペプチドまたはcobB遺伝子の発現または活性を増大させることで調節される。
好気条件下の微生物におけるグルコース代謝では、クレブス回路(TCA回路)を超える炭素流動は、酢酸/酢酸塩に変換されて、それは究極的に細胞外に排出される(Majewski & Domach,Biotechnol.Bioeng.,35,732(1990))。排出された酢酸/酢酸塩は、宿主株の増殖と所望の発酵産物の生産を阻害し得る。
ホスホトランスアセチラーゼ(Pta)(Shimizu et al.1969.Biochim.Biophys.Acta 191:550−558)は、アセチルCoAとアセチルリン酸の間の可逆的変換を触媒する(本明細書で、同義的にアセチルリン酸、アセチルリン酸、アセチル−P、またはAc−Pと称される)一方で、酢酸キナーゼ(AckA)(Kakuda,H.et al.1994.J.Biochem.11:916−922)は、アセチルリン酸を利用して酢酸を形成する。これらのタンパク質をコードする遺伝子は、大腸菌(E.coli)中でオペロンとして転写され得る。これらは一緒に、ATPの放出と共に、酢酸の異化を触媒する。したがって、当業者は、ホスホトランスアセチラーゼ遺伝子(例えば、内在性ホスホトランスアセチラーゼ遺伝子)および/または酢酸キナーゼ遺伝子(例えば、内在性酢酸キナーゼ遺伝子)の活性を調節することで、利用可能なアセチルCoAの量を増大させ得る。例えば、このような調節は、ホスホトランスアセチラーゼ遺伝子の発現を増大させることで達成され得る。このような調節はまた、酢酸キナーゼ遺伝子の発現を増大させることで達成され得る。特定の実施形態では、調節は、ホスホトランスアセチラーゼおよび酢酸キナーゼ遺伝子の双方の発現を改変することで達成され得る。調節はまた、ホスホトランスアセチラーゼ遺伝子および/または酢酸キナーゼ遺伝子の発現を低下、減衰、または欠失させることで得られ得る。減衰を達成する一方法は、ホスホトランスアセチラーゼ(pta)および/または酢酸キナーゼ(ackA)遺伝子を欠失させることである。これはクロラムフェニコールカセットによって片方または双方の遺伝子を置換し、それに続いてカセットをループアウトすることで達成され得る。理論により拘束されることなく、これらの遺伝子を欠失させることは、より多くの炭素をメバロン酸経路に転用し、酢酸の生産から離すことで、メバロン酸、イソプレンまたはイソプレノイドの収率を増大させ得る。
代案としては、理論により拘束されることなく、ackAの発現または活性を増大させることは、アセチルCoAを合成するのに使用される酢酸の生産を増大させ得る。
代案としては、理論により拘束されることなく、ptaの発現または活性増大させることは、アセチルCoAの生産を増大させ得る。
さらに、ptaおよび/またはackA遺伝子の発現の調節は、(上述されるようなYfiQおよび/またはCobBなどであるが、これに限定されるものではない)1つまたは複数のアセチル化タンパク質の活性の調節との組み合わせで実施され得る。いくつかの実施形態では、アセチルトランスフェラーゼの活性は、アセチルトランスフェラーゼポリペプチドまたはアセチルトランスフェラーゼ遺伝子の発現を欠失または減衰させることで、調節される。例示的な実施形態では、YfiQの活性は、YfiQポリペプチドまたはyfiQ遺伝子の発現の欠失または減衰によって調節される。その他の実施形態では、デアセチラーゼの活性は、デアセチラーゼポリペプチドまたはデアセチラーゼ遺伝子の発現または活性を増大させることで調節される。例示的な実施形態では、CobBの活性は、CobBポリペプチドまたはcobB遺伝子の発現または活性を増大させることで調節される。
微生物における酢酸生産および酢酸循環に関与する別のタンパク質は、AMP形成アセチル補酵素Aシンセターゼ(Acs)であり、これは、酢酸から、中央代謝のキーストーン分子である高エネルギー中間体アセチルCoAへの変換に関与する遍在性酵素である(Cerezo et al.,2011,Molec.Microb.,82(5):1110−28)。理論に束縛されることなく、Acsの発現を増大させるように遺伝子操作される細胞は、より大量のアセチルCoAを産生することが予期され得る。追加的な、Acsは、アセチルトランスフェラーゼおよびデアセチラーゼの基質である。単なる例として、CobBのデアセチラーゼの活性は、生体外においてAcs上で実証されている(Zhao et al.,2004,J.Mol.Biol.,337:731−41)。理論に束縛されることなく、Acsのアセチル化はその酵素的不活性化をもたらし得るので、Acsアセチル化の量を低下させるように遺伝子操作された細胞は、より大量のアセチルCoAを産生することが予期され得る。さらに、Acs遺伝子の発現の調節は、(上述されるようなYfiQおよび/またはCobBなどであるが、これに限定されるものではない)1つまたは複数のアセチル化タンパク質の活性の調節との組み合わせで実施し得る。いくつかの実施形態では、アセチルトランスフェラーゼの活性は、アセチルトランスフェラーゼポリペプチドまたはアセチルトランスフェラーゼ遺伝子の発現を欠失または減衰させることで、調節される。例示的な実施形態では、YfiQの活性は、YfiQポリペプチドまたはyfiQ遺伝子の発現の欠失または減衰によって調節される。その他の実施形態では、デアセチラーゼの活性は、デアセチラーゼポリペプチドまたはデアセチラーゼ遺伝子の発現または活性を増大させることで調節される。例示的な実施形態では、CobBの活性は、CobBポリペプチドまたはcobB遺伝子の発現または活性を増大させることで調節される。
微生物における酢酸生産および酢酸取り扱いに関与する別のタンパク質は、酢酸輸送体/酢酸ポンプ(actP)である。actP活性は、低下または減衰させて、膜を越える酢酸輸送を最小化させ得る。理論に束縛されることなく、酢酸生産が膜を越える輸送に連動すれば、これは、プロトン勾配の脱共役のために、エネルギー損失をもたらし得ると考えられる。いくつかの態様では、actPの活性低下またはactPの欠如を使用して、メバロン酸、イソプレン、イソプレノイド前駆体、およびイソプレノイドの生産が改善され得る。染色体への組み込みまたはプラスミドなどの染色体外ビヒクルを使用して、修飾actP遺伝子が導入されてもよい。なおも別の態様では、actPを発現する細胞(例えば、様々な大腸菌(E.coli)株などの微生物)のゲノムからactPが欠失して、メバロン酸および/またはイソプレンの生産が改善されてもよい。別の態様では、actPポリペプチドをコードする異種核酸は、内在性にactPを発現しない細胞内で発現され得る。さらに、actP遺伝子の発現の調節は、(上述されるようなYfiQおよび/またはCobBなどであるが、これに限定されるものではない)1つまたは複数のアセチル化タンパク質の活性の調節との組み合わせで実施し得る。いくつかの実施形態では、アセチルトランスフェラーゼの活性は、アセチルトランスフェラーゼポリペプチドまたはアセチルトランスフェラーゼ遺伝子の発現を欠失または減衰させることで、調節される。例示的な実施形態では、YfiQの活性は、YfiQポリペプチドまたはyfiQ遺伝子の発現の欠失または減衰によって調節される。その他の実施形態では、デアセチラーゼの活性は、デアセチラーゼポリペプチドまたはデアセチラーゼ遺伝子の発現または活性を増大させることで調節される。例示的な実施形態では、CobBの活性は、CobBポリペプチドまたはcobB遺伝子の発現または活性を増大させることで調節される。
いくつかの態様では、actP、ackA、および/またはptaの欠失または減衰は、actP、ackA、および/またはptaを発現する微生物と比較して、包括的に、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれか、これらの百分率の間の任意の価などのより高いイソプレン収率をもたらす。その他の態様では、actP、ackA、またはptaの欠失は、actP、ackA、および/またはptaを発現する微生物と比較して、これらの百分率の間の任意の価を含めて、包括的に約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかのより高い瞬間イソプレン収率をもたらす。その他の態様では、actP、ackA、および/またはptaの欠失は、actP、ackA、および/またはptaを発現する微生物と比較して、これらの百分率の間の任意の価を含めて、包括的に約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかのより高いイソプレンの細胞生産性指数をもたらす。その他の態様では、actP、ackA、および/またはptaの欠失は、actP、ackA、および/またはptaを発現する微生物と比較して、これらの百分率の間の任意の価を含めて、包括的に約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかのより高いイソプレンの容積生産性をもたらす。その他の態様では、actP、ackA、および/またはptaの欠失は、actP、ackA、および/またはptaを発現する微生物と比較して、これらの百分率の間の任意の価を含めて、包括的に約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかのより高いイソプレンのピーク比生産性をもたらす。いくつかの態様では、actP、ackA、および/またはptaの欠失は、actP、ackA、および/またはptaを発現する微生物と比較して、より長時間維持されるピーク比生産性をもたらす。
いくつかの態様では、組換え微生物は、減衰した内在性ホスホトランスアセチラーゼ遺伝子および/または内在性酢酸キナーゼ遺伝子発現を有しない微生物と比較して、低下した量の酢酸を産生する。酢酸の産生量の低下は、当業者に公知の日常的アッセイによって測定され得る。酢酸の量は、分子操作が実施されない場合と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%低下する。
actP、ackA、および/またはptaの活性はまた、酵素のその他の分子操作によって低下され得る。酵素活性の低下は、いかなる操作も実施しなかった場合と比較した、比活性または全活性の任意の量の低下であり得る。場合によっては、酵素活性の低下は、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%低下される。
場合によっては、内在性ホスホトランスアセチラーゼ遺伝子および/または内在性酢酸キナーゼ遺伝子の活性の減衰は、内在性ホスホトランスアセチラーゼ遺伝子および/または内在性酢酸キナーゼ遺伝子発現の減衰を有しない微生物と比較して、メバロン酸依存性生合成経路に向かうより多くの炭素流をもたらす。
いくつかの実施形態では、AMP形成アセチル補酵素Aシンセターゼ(Acs)、ホスホトランスアセチラーゼ(pta)および/または酢酸キナーゼ(ackA)の活性が増大され得る。これらの酵素活性の増大は、いかなる操作も実施しなかった場合と比較した、比活性または全活性の任意の量の増大であり得る。場合によっては、酵素活性は、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%増大する。
クエン酸シンターゼ経路
クエン酸シンターゼは、オキサロ酢酸とアセチルCoAの縮合を触媒して、トリカルボン酸(TCA)回路の代謝産物である、クエン酸を形成する(Ner,S.et al.1983.Biochemistry,22:5243−5249;Bhayana,V.and Duckworth,H.1984.Biochemistry 23:2900−2905)。大腸菌(E.coli)内では、gltAによってコードされるこの酵素は、二量体サブユニットの三量体のように挙動する。六量体形態は、酵素が、NADHによってアロステリックに調節され得るようにする。この酵素は、幅広く試験されている(Wiegand,G.,and Remington,S.1986.Annual Rev.Biophysics Biophys.Chem.15:97−117;Duckworth et al.1987.Biochem Soc Symp.54:83−92;Stockell,D.et al.2003.J.Biol.Chem.278:35435−43;Maurus,R.et al.2003.Biochemistry.42:5555−5565)。NADHによるアロステリックな阻害を回避するために、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)NADH非感受性クエン酸シンターゼによる置換またはその添加が考察された(Underwood et al.2002.Appl.Environ.Microbiol.68:1071−1081;Sanchez et al.2005.Met.Eng.7:229−239)。
どちらも基質としてアセチルCoAを有するために、クエン酸シンターゼによって触媒される反応は、メバロン酸経路の最初のステップを触媒するチオラーゼと直接競合する(Hedl et al.2002.J.Bact.184:2116−2122)。したがって、当業者は、クエン酸シンターゼ発現を調節して(例えば、酵素活性を低下させる)、より多くの炭素をメバロン酸経路に流動させて、それによってメバロン酸、イソプレン、およびイソプレノイドの最終生成量を増大させる。クエン酸シンターゼ活性の低下は、いかなる操作も実施しなかった場合と比較した、比活性または全活性の任意の量の低下であり得る。場合によっては、酵素活性の低下は、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%低下される。いくつかの態様では、クエン酸シンターゼの活性は、内在性クエン酸シンターゼ遺伝子の活性を低下させることで調節される。これは、NADH非感受性クエン酸シンターゼをコードする導入遺伝子による、内在性クエン酸シンターゼ遺伝子の染色体置換によって、またはバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)に由来する、NADH非感受性クエン酸シンターゼをコードする導入遺伝子を使用することで、達成され得る。クエン酸シンターゼの活性はまた、合成構成的低発現性プロモーターによって内在性クエン酸シンターゼ遺伝子プロモーターを置換することで、調節され得る(例えば、低下させる)。クエン酸シンターゼの活性の低下は、クエン酸シンターゼの発現低下を有しない微生物と比較して、メバロン酸依存性生合成経路へのより多量の炭素流をもたらし得る。
乳酸デヒドロゲナーゼが関与する経路
大腸菌(E.coli)内では、D乳酸は、酵素乳酸デヒドロゲナーゼ(ldhA)を通じて、ピルビン酸から生成される(Bunch,P.et al.1997.Microbiol.143:187−195)。乳酸の生成はNADHの酸化を伴い、したがって酸素が制限されており、全ての還元当量に対応し得ない場合に、乳酸が生成する。したがって、乳酸の生成は、炭素消費の原因になり得る。したがって、メバロン酸生成(および所望ならば、イソプレン、イソプレノイド前駆体、およびイソプレノイド生成)への炭素流動を改善するために、当業者は、酵素の活性を低下させることなどによって、乳酸デヒドロゲナーゼの活性を調節し得る。
したがって、一態様では、乳酸デヒドロゲナーゼの活性は、内在性乳酸デヒドロゲナーゼ遺伝子の活性の減衰によって調節され得る。このような減衰は、内在性乳酸デヒドロゲナーゼ遺伝子の欠失によって達成され得る。当業者に知られている乳酸デヒドロゲナーゼ遺伝子の活性を減衰させるその他の方法もまた、使用してもよい。
乳酸デヒドロゲナーゼが関与する経路を操作することで、組換え微生物は、内在性乳酸デヒドロゲナーゼ遺伝子発現の減衰を有しない微生物と比較して、低下した量の乳酸を産生する。乳酸の産生量の低下は、当業者に公知の日常的アッセイによって測定され得る。乳酸の量は、分子操作が実施されない場合と比較して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%低下する。
乳酸デヒドロゲナーゼの活性はまた、酵素のその他の分子遺伝子操作によって低下され得る。酵素活性の低下は、いかなる操作も実施しなかった場合と比較した、比活性または全活性の任意の量の低下であり得る。場合によっては、酵素活性の低下は、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%低下される。
したがって、場合によっては、内在性乳酸デヒドロゲナーゼ遺伝子の活性の減衰は、内在性乳酸デヒドロゲナーゼ遺伝子発現の減衰を有しない微生物と比較して、メバロン酸依存性生合成経路へのより多くの炭素流をもたらす。
リンゴ酸酵素が関与する経路
リンゴ酸酵素(大腸菌(E.coli)内、sfcAおよびmaeB遺伝子によってコードされる)は、以下の式によって(NAD+またはNADP+を使用して)、リンゴ酸塩からピルビン酸への変換を触媒するアナプレロティック酵素である。
(S)−リンゴ酸+NAD(P)ピルビン酸+CO+NAD(P)H
したがって、この酵素の2つの基質は、(S)−リンゴ酸およびNAD(P)である一方で、その3つの生成物は、ピルビン酸、CO、およびNADPHである。
NADP依存性リンゴ酸酵素(MaeB)の発現(Iwikura,M.et al.1979.J.Biochem.85:1355−1365)は、1)炭素をTCA回路から、アセチルCoAの直接前駆体であるピルビン酸(それ自体がメバロン酸経路の直接前駆体である)に戻すこと、そして2)HMG−CoA還元酵素反応で使用され得る追加的なNADPHを生成することによって、メバロン酸、イソプレン、イソプレノイド前駆体およびイソプレノイド収率の増大を助け得る(Oh,MK et al.(2002)J.Biol.Chem.277:13175−13183;Bologna,F.et al.(2007)J.Bact.189:5937−5946)。
したがって、リンゴ酸酵素の活性および/または発現の増大などの調節によって、メバロン酸、イソプレン、イソプレノイド前駆体、およびイソプレノイドの下流生産のためのより多くの出発基質(ピルビン酸またはアセチルCoA)が獲得され得る。NADP依存性リンゴ酸酵素遺伝子は、内在性遺伝子であり得る。これを達成するための非限定的な一方法は、内在性NADP依存性リンゴ酸酵素遺伝子プロモーターを合成構成的発現プロモーターで置換することである。酵素活性を増大させる別の非限定的方法は、NADP依存性リンゴ酸酵素ポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種核酸を使用する。当業者は、容易に利用可能な分子生物学的技術を使用して、発酵または培養中にmaeBRNAの発現をモニターし得る。
したがって、いくつかの実施形態では、組換え微生物は、NADP依存性リンゴ酸酵素遺伝子発現の増大を有しない微生物と比較して、増大した量のピルビン酸を産生する。いくつかの態様では、NADP依存性リンゴ酸酵素遺伝子の活性増大は、NADP依存性リンゴ酸酵素遺伝子発現の増大を有しない微生物と比較して、メバロン酸依存性生合成経路に向かうより多くの炭素流をもたらす。
ピルビン酸の産生量の増大は、当業者に公知の日常的アッセイによって測定され得る。ピルビン酸の量は、分子操作が実施されない場合と比較して、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%であり得る。
リンゴ酸酵素の活性はまた、酵素のその他の分子操作によって増大され得る。酵素活性の増大は、いかなる操作も実施しなかった場合と比較した、比活性または全活性の任意の量の増大であり得る。場合によっては、酵素活性は、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%である。
ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体が関与する経路
ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体は、ピルビン酸からアセチルCoAへの脱炭酸を触媒し、遺伝子aceE、aceF、およびlpdAによってコードされるタンパク質から構成される。これらの遺伝子の転写は、いくつかの調節因子によって調節される。したがって、当業者は、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体の活性を調節することで、アセチルCoAを増大させ得る。変化は、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体の活性および/または発現の増大(例えば、持続的発現)であり得る。これは、例えば、PL.6(aattcatataaaaaacatacagataaccatctgcggtgataaattatctctggcggtgttgacataaataccactggcggtgatactgagcacatcagcaggacgcactgaccaccatgaaggtg(配列番号13)、λプロモーター、Genbank NC_001416)のような強力な構成的プロモーターを、オペロンの前に配置させる、または1つまたは複数の合成構成的発現プロモーターを使用するなどの異なる方法によって、達成され得る。
したがって、一態様では、ピルビン酸デヒドロゲナーゼの活性は、(a)ピルビン酸デヒドロゲナーゼ(E1)、(b)ジヒドロリポイルトランスアセチラーゼ、および(c)ジヒドロリポイルデヒドロゲナーゼからなるピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体の1つまたは複数の遺伝子の活性を増大させることで、調節される。ピルビン酸デヒドロゲナーゼの活性増大のために、これらの遺伝子の任意の1、2または3つを操作し得るものと理解される。別の態様では、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体の活性は、内在性ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体リプレッサーの活性の弱力化によって調節し得て、詳細は下述される。内在性ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体リプレッサー遺伝子の活性は、内在性ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体リプレッサー遺伝子の欠失によって弱力化し得る。
場合によっては、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体の1つまたは複数の遺伝子は、内在性遺伝子である。ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体の活性を増大させる別の方法は、微生物に、(a)ピルビン酸デヒドロゲナーゼ(E1)、(b)ジヒドロリポイルトランスアセチラーゼ、および(c)ジヒドロリポイルデヒドロゲナーゼからなる群からの1つまたは複数のポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種核酸を導入することである。
これらの方法のいずれかを使用することで、ピルビン酸デヒドロゲナーゼの活性が調節されていない微生物と比較して、組換え微生物は、増大した量のアセチルCoAを生じ得る。ピルビン酸デヒドロゲナーゼの活性を調節することは、ピルビン酸デヒドロゲナーゼの発現調節を有しない微生物と比較して、メバロン酸依存性生合成経路へのより多くの炭素流をもたらし得る。
代表的変異の組み合わせ
本明細書に記載される酵素および/または酵素経路のいずれについても、本明細書に記載される酵素および/または酵素経路の任意の組み合わせ(2、3、4、5、6個以上)を調節する分子操作が、明示的に検討される.ものと理解される。
一実施形態では、単なる例示として、組み合わせの列挙を容易にするために、クエン酸シンターゼ(gltA)はAと称され、ホスホトランスアセチラーゼ(ptaB)はBと称され、酢酸キナーゼ(ackA)はCと称され、乳酸デヒドロゲナーゼ(ldhA)はDと称され、リンゴ酸酵素(sfcAまたはmaeB)はEと称され、ピルビン酸デカルボキシラーゼ(aceE、aceF、および/またはlpdA)はFと称され、6−ホスホグルコノラクトナーゼ(ybhE)はGと称され、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(ppl)はHと称され、アセチルトランスフェラーゼ(YfiQなど)はIと称され、デアセチラーゼ(などのCobB)はJと称される。上で考察されるように、ピルビン酸デカルボキシラーゼ活性を増大させるために、ピルビン酸デカルボキシラーゼ複合体のaceE、aceF、および/またはlpdA酵素を単独で、3酵素の内2つを、または3酵素の内3つを使用し得る。したがって、この例示的実施形態では、酵素A〜Jの任意の2つの組み合わせのために使用され得る非限定的組み合わせは、AB、AC、AD、AE、AF、AG、AH、AI、AJ、BC、BD、BE、BF、BG、BH、BI、BJ、CD、CE、CF、CG、CH、CI、CJ、DE、DF、DG、DH、DI、DJ、EF、EG、EH、EI、EJ、GH、GI、GJ、HI、HJ、およびIJである。任意の3つの酵素A〜Jの組み合わせでは、使用され得る非限定的組み合わせは、ABC、ABD、ABE、ABF、ABG、ABH、ABI、ABJ、BCD、BCE、BCF、BCG、BCH、BCI、BCJ、CDE、CDF、CDG、CDH、CDI、CDJ、DEF、DEG、DEH、DEI、DEJ、ACD、ACE、ACF、ACG、ACH、ACI、ACJ、ADE、ADF、ADG、ADH、ADI、ADJ、AEF、AEG、AEH、AEI、AEJ、BDE、BDF、BDG、BDH、BDI、BDJ、BEF、BEG、BEH、BEI、BEJ、CEF、CEG、CEH、CEI、CEJ、CFG、CFH、CFI、CFJ、CGH、CGI、およびCGJである。任意の4つの酵素A〜Jの組み合わせでは、使用され得る非限定的組み合わせは、ABCD、ABCE、ABCF、ABCG、ABCH、ABCI、ABCJ、ABDE、ABDF、ABDG、ABDH、ABDI、ABDJ、ABEF、ABEG、ABEH、ABEI、ABEJ、BCDE、BCDF、BCDG、BCDH、BCDI、BCDJ、CDEF、CDEG、CDEH、CDEI、CDEJ、ACDE、ACDF、ACDG、ACDH、ACDI、ACDJ、ACEF、ACEG、ACEH、ACEI、ACEJ、BCEF、BDEF、BGEF、BHEF、BIEF、BJEF、およびADEFである。任意の5つの酵素A〜Jの組み合わせでは、使用され得る非限定的組み合わせは、ABCDE、ABCDF、ABCDG、ABCDH、ABCDI、ABCDJ、ABDEF、ABDEG、ABDEH、ABDEI、ABDEJ、BCDEF、BCDEG、BCDEH、BCDEI、BCDEJ、ACDEF、ACDEG、ACEDH、ACEDI、ACEDJ、ABCEF、ABCEG、ABCEH、ABCEI、およびABCEJである。任意の6つの酵素A〜Jの組み合わせでは、使用され得る非限定的組み合わせは、ABCDEF、ABCDEG、ABCDEH、ABCDEI、ABCDEJ、BCDEFG、BCDEFH、BCDEFI、BCDEFJ、CDEFGH、CDEFGI、およびCDEFGJである。任意の7つの酵素A〜Jの組み合わせでは、使用され得る非限定的組み合わせは、ABCDEFG、ABCDEFH、ABCDEFI、ABCDEFJ、BCDEFGH、BCDEFGI、およびBCDEFGJである。任意の8つの酵素A〜Jの組み合わせでは、使用され得る非限定的組み合わせは、ABCDEFGH、ABCDEFGI、およびABCDEFGJである。任意の9つの酵素A〜Jの組み合わせでは、使用され得る非限定的組み合わせは、ABCDEFGHIおよびABCDEFGHJである。別の態様では、全ての10個の酵素の組み合わせABCDEFGHIJが使用される。
その他の実施形態では、メバロン酸、イソプレン、イソプレノイド、イソプレノイド前駆体、および/またはアセチルCoA由来産物の生産の改善/向上/増大をもたらすのに使用するために、本明細書に記載される変異体のいずれもが組み合わされて組換え細胞内で発現され得る。
したがって、本明細書に記載されるような組換え微生物は、(a)クエン酸シンターゼ、(b)ホスホトランスアセチラーゼおよび/または酢酸キナーゼ、(c)乳酸デヒドロゲナーゼ、(d)リンゴ酸酵素、(e)ピルビン酸デカルボキシラーゼ複合体、(f)アセチルトランスフェラーゼ(YfiQなど)、および(g)デアセチラーゼ(CobBなど)からなる群からの1つまたは複数の酵素の活性を調節することで、組換え微生物中の代謝炭素流がメバロン酸生産に向けられるトリカルボン酸(TCA)回路活性条件下で培養されない微生物と比較して増大された、メバロン酸生産の増大を達成し得る。
生成増大のためのその他の制御因子および要素
その他の分子操作を使用して、メバロン酸生成に向かう炭素流を増大させ得る。一方法は、メバロン酸経路に供給する経路に対する負の制御因子の効果を削減し、低下させまたは排除することである。例えば、場合によっては、遺伝子aceEF−lpdAはオペロン中にあり、4番目の遺伝子はpdhR上流にある。PdhRは、そのオペロンの転写の負の制御因子である。ピルビン酸不在下では、それはその標的プロモーターに結合して、転写を抑制する。それはまた、ndhおよびcyoABCDを同様に調節する(Ogasawara,H.et al.2007.J.Bact.189:5534−5541)。一態様では、pdhR制御因子の欠失は、ピルビン酸の供給を改善し得て、したがって、メバロン酸、イソプレン、イソプレノイド前駆体、およびイソプレノイドの生成を改善する。
その他の態様では、PGL低下またはPGL欠損がある微生物(様々な大腸菌(E.coli)株など)への6−ホスホグルコノラクトナーゼ(PGL)の導入を使用して、アセチルCoA由来産物、メバロン酸、イソプレン、イソプレノイド前駆体、およびイソプレノイドの生産が改善され得る。PGLは、染色体への組み込みまたはプラスミドなどの染色体外ビヒクルを使用して、導入されてもよい。なおも別の態様では、PGLを発現する細胞(例えば、様々な大腸菌(E.coli)株などの微生物)のゲノムからPGLが欠失して、メバロン酸および/またはイソプレンの生産が改善されてもよい。別の態様では、PGLポリペプチドをコードする異種核酸は、内在性にPGLを発現しない細胞内で発現され得る。いくつかの態様では、PGLの欠失は、PGLを発現する微生物と比較して、包括的に、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれか、これらの百分率の間の任意の値などのより高いイソプレン収率をもたらす。その他の態様では、PGLの欠失は、PGLを発現する微生物と比較して、これらの百分率の間の任意の値を含めて、包括的に、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかのより高い瞬間イソプレン収率をもたらす。その他の態様では、PGLの欠失は、PGLを発現する微生物と比較して、これらの百分率の間の任意の値を含めて、包括的に、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかのより高いイソプレンの細胞生産性指数をもたらす。その他の態様では、PGLの欠失は、PGLを発現する微生物と比較して、これらの百分率の間の任意の値を含めて、包括的に、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかのより高いイソプレンの容積生産性をもたらす。その他の態様では、PGLの欠失は、PGLを発現する微生物と比較して、これらの百分率の間の任意の値を含めて、包括的に、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかのより高いイソプレンのピーク比生産性をもたらす。いくつかの態様では、PGLの欠失は、PGLを発現する微生物と比較して、より長時間にわたるピーク比生産性の維持をもたらす。
別の態様では、本明細書で開示される細胞のいずれかで、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(大腸菌(E.coli)中のppc)遺伝子発現の調節を使用して、メバロン酸、イソプレン、イソプレノイド前駆体分子、イソプレノイド、および/またはアセチルCoA由来産物の生産が改善され得る。一態様では、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼの遺伝子発現は、野性型細胞と比較してppc遺伝子発現低下をもたらす別のプロモーターで、ppc遺伝子のプロモーター配列を置換することで低下され得る。いくつかの態様では、ppc遺伝子発現は、野性型細胞と比較して、これらの百分率の間の任意の値を含めて、包括的に、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかで低下され得る。いくつかの態様では、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼの発現低下は、野性型レベルでホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼを発現する微生物と比較して、包括的に、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれか、これらの百分率の間の任意の値などのより高いイソプレン収率をもたらす。その他の態様では、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼの発現低下は、野性型レベルでホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼを発現する微生物と比較して、これらの百分率の間の任意の値を含めて、包括的に、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかのより高い瞬間イソプレン収率をもたらす。その他の態様では、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼの発現低下は、野性型レベルでホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼを発現する微生物と比較して、これらの百分率の間の任意の値を含めて、包括的に、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかのより高いイソプレンの細胞生産性指数をもたらす。その他の態様では、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼの発現低下は、野性型レベルでホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼを発現する微生物と比較して、これらの百分率の間の任意の値を含めて、包括的に、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかのより高いイソプレンの容積生産性をもたらす。その他の態様では、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼの発現低下は、野性型レベルでホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼを発現する微生物と比較して、これらの百分率の間の任意の値を含めて、包括的に、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかのより高いイソプレンのピーク比生産性をもたらす。いくつかの態様では、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼの発現低下は、野性型レベルでホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼを発現する微生物と比較して、より長時間維持されるピーク比生産性をもたらす。
別の態様では、本明細書で開示される細胞のいずれかで、マグネシウム欠乏時RssB活性インヒビター(大腸菌(E.coli)のiraM)遺伝子発現の調節を使用して、メバロン酸、イソプレン、イソプレノイド前駆体分子、イソプレノイド、および/またはアセチルCoA由来産物の生産が改善され得る。一態様では、iraM遺伝子発現は、野性型細胞と比較してiraM遺伝子発現増大をもたらす別のプロモーターで、iraM遺伝子のプロモーター配列を置換することで増大され得る。いくつかの態様では、iraM遺伝子発現は、野性型細胞と比較して、これらの百分率の間の任意の値を含めて、包括的に、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかで増大され得る。いくつかの態様では、iraM遺伝子発現の増大は、野性型レベルでiraM遺伝子を発現する微生物と比較して、包括的に、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれか、これらの百分率の間の任意の値などのより高いイソプレン収率をもたらす。その他の態様では、iraM遺伝子発現の増大は、野性型レベルでiraM遺伝子を発現する微生物と比較して、これらの百分率の間の任意の値を含めて、包括的に、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれか、より高い瞬間イソプレン収率をもたらす。その他の態様では、iraM遺伝子発現の増大は、野性型レベルでiraM遺伝子を発現する微生物と比較して、これらの百分率の間の任意の値を含めて、包括的に、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれか、より高いイソプレンの細胞生産性指数をもたらす。その他の態様では、iraM遺伝子発現の増大は、野性型レベルでiraM遺伝子を発現する微生物と比較して、これらの百分率の間の任意の値を含めて、包括的に、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれか、より高いイソプレンの容積生産性をもたらす。その他の態様では、iraM遺伝子発現の増大は、野性型レベルでiraM遺伝子を発現する微生物と比較して、これらの百分率の間の任意の値を含めて、包括的に、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれか、より高いイソプレンのピーク比生産性をもたらす。いくつかの態様では、iraM遺伝子発現の増大は、野性型レベルでiraM遺伝子を発現する微生物と比較して、より長時間維持されるピーク比生産性をもたらす。
別の態様では、本明細書で開示される細胞のいずれかで、多剤排出ポンプacrAB−TolCのAcrA成分(大腸菌(E.coli)のacrA遺伝子)遺伝子発現の調節を使用して、メバロン酸、イソプレン、イソプレノイド前駆体分子、イソプレノイド、および/またはアセチルCoA由来産物の生産が改善され得る。一態様では、acrA遺伝子発現は、野性型細胞と比較してacrA遺伝子発現低下をもたらす別のプロモーターで、acrA遺伝子のプロモーター配列を置換することで低下され得る。いくつかの態様では、acrA遺伝子発現は、野性型細胞と比較して、これらの百分率の間の任意の値を含めて、包括的に、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかで低下され得る。別の態様では、acrAの発現は、それがもはや機能性acrAタンパク質を産生しないようにする、細胞ゲノム内のacrA遺伝子の欠失などによって、完全に消滅させ得る。いくつかの態様では、acrA遺伝子発現の欠失または低下は、野性型レベルでacrA遺伝子を発現する微生物と比較して、包括的に、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれか、これらの百分率の間の任意の値などのより高いイソプレン収率をもたらす。別の態様では、acrA遺伝子発現の欠失または低下は、野性型レベルでacrA遺伝子を発現する微生物と比較して、これらの百分率の間の任意の値を含めて、包括的に、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれか、より高い瞬間イソプレン収率をもたらす。別の態様では、acrA遺伝子発現の欠失または低下は、野性型レベルでacrA遺伝子を発現する微生物と比較して、これらの百分率の間の任意の値を含めて、包括的に、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれか、より高いイソプレンの細胞生産性指数をもたらす。別の態様では、acrA遺伝子発現の欠失または低下は、野性型レベルでacrA遺伝子を発現する微生物と比較して、これらの百分率の間の任意の値を含めて、包括的に、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれか、より高いイソプレンの容積生産性をもたらす。別の態様では、acrA遺伝子発現の欠失または低下は、野性型レベルでacrA遺伝子を発現する微生物と比較して、これらの百分率の間の任意の値を含めて、包括的に、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれか、より高いイソプレンのピーク比生産性をもたらす。いくつかの態様では、acrA遺伝子の発現欠失または低下は、野性型レベルでacrA遺伝子を発現する微生物と比較して、より長時間維持されるピーク比生産性をもたらす。
別の態様では、本明細書で開示される細胞のいずれかで、FNRDNA結合転写調節因子(FNR)遺伝子発現の調節を使用して、メバロン酸、イソプレン、イソプレノイド前駆体分子、イソプレノイド、および/またはアセチルCoA由来産物の生産が改善され得る。一態様では、FNR遺伝子発現は、野性型細胞と比較してFNR発現増大をもたらす別のプロモーターで、FNRをコードする遺伝子のプロモーター配列を置換することで増大され得る。その他の態様では、FNRをコードする異種核酸が、FNRを内在性に発現しない細胞で発現され得る。いくつかの態様では、FNR発現は、野性型細胞または内在性にFNRを発現しない細胞と比較して、これらの百分率の間の任意の値を含めて、包括的に、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかで増大され得る。いくつかの態様では、FNR発現増大は、野性型細胞または内在性にFNRを発現しない細胞と比較して、包括的に、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれか、これらの百分率の間の任意の値などのより高いイソプレン収率をもたらす。その他の態様では、FNR発現の増大は、野性型細胞または内在性にFNRを発現しない細胞と比較してと比較して、これらの百分率の間の任意の値を含めて、包括的に、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかのより高い瞬間イソプレン収率をもたらす。その他の態様では、FNR発現の増大は、野性型細胞または内在性にFNRを発現しない細胞と比較して、これらの百分率の間の任意の値を含めて、包括的に、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかのより高いイソプレンの細胞生産性指数をもたらす。その他の態様では、FNR発現の増大は、野性型細胞または内在性にFNRを発現しない細胞と比較して、これらの百分率の間の任意の値を含めて、包括的に、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかのより高いイソプレンの容積生産性をもたらす。その他の態様では、FNR発現の増大は、野性型細胞または内在性にFNRを発現しない細胞と比較して、これらの百分率の間の任意の値を含めて、包括的に、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかのより高いイソプレンのピーク比生産性をもたらす。いくつかの態様では、FNR発現の増大は、野性型細胞または内在性にFNRを発現しない細胞と比較して、より長時間維持されるピーク比生産性をもたらす。
例示的な宿主細胞
1つまたは複数の遺伝子の異種発現のために使用され得て、生産される核酸の発現および/またはアセチル化タンパク質の活性が調節されるように遺伝子操作され得る、任意の微生物またはそれらの子孫(例えば、組換え宿主細胞)が、メバロン酸、イソプレン、イソプレノイド前駆体分子、イソプレノイド、および/またはアセチルCoA由来産物の生産増大のために、本明細書に記載されるように使用され得る。
グラム陽性またはグラム陰性細菌をはじめとする細菌細胞を使用して、上述の核酸のいずれかを発現させ得る。具体的には、核酸は、P.シトレア(P.citrea)、B.サブチリス(B.subtilis)、B.リケニフォルミス(B.licheniformis)、B.レンタスB.lentus)、B.ブレビス(B.brevis)、B.ステアロサーモフィルス(B.stearothermophilus)、B.アルカロフィルス(B.alkalophilus、B.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)、B.クラウシイ(B.clausii)、B.ハロデュランス(B.halodurans)、B.メガテリウム(B.megaterium)、B.コアギュランス(B.coagulans)、B.サーキュランス(B.circulans)、B.ロータス(B.lautus)、B.チューリンギエンシス(B.thuringiensis)、S.アルバス(S.albus)、S.リビダンス(S.lividans)、S.コエリカラー(S.coelicolor)、S.グリセウス(S.griseus)、シュードモナス属(Pseudomonas)種、およびP.アルカリゲネス(P.alcaligenes)細胞のいずれか1つで発現され得る。いくつかの態様では、宿主細胞は、ラクトバチルス・デルブレッキイ・ラクチス(Lactobacillus lactis)またはラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)などのラクトバチルス属(Lactobacillus)種であり得る。
本発明の組成物および方法で宿主細胞として使用し得る、多数のタイプの嫌気性細胞がある。本発明の一態様では、本明細書に記載される組成物また方法のいずれかに記載される細胞は、偏性嫌気性細胞およびその子孫である。偏性嫌気性菌は、典型的に、酸素が存在する条件では、たとえ増殖したとしても、十分に増殖しない。小量の酸素は存在してもよいものと理解され、すなわち、低レベルの酸素に対して偏性嫌気性菌が有する、いくらかの耐性レベルがある。一態様では、メバロン酸、イソプレン、イソプレノイド前駆体分子、イソプレノイド、および/またはアセチルCoA由来産物を産生するように遺伝子操作された偏性嫌気性菌が、本明細書に記載される方法および/または組成物のいずれかのための宿主細胞の役割を果たし得て、実質的酸素非含有条件下で培養され、その中では存在する酸素量は、嫌気性菌の増殖、維持、および/または発酵に有害でない。
本発明の別の態様では、本明細書に記載される組成物また方法のいずれかで記載されおよび/または使用される宿主細胞は、通性嫌気性細胞およびその子孫である。通性嫌気性菌は、酸素が存在すれば、好気性呼吸(例えば、TCA回路の利用)によって細胞ATPを産生し得る。しかし通性嫌気性菌は、酸素不在下でもまた増殖し得る。これは、より多量の酸素の存在下で死滅し、または不十分に増殖する、偏性嫌気性菌とは対照的である。したがって一態様では、通性嫌気性菌が、本明細書で提供される組成物および/または方法のいずれかのための宿主細胞の役割を果たし得て、メバロン酸、イソプレン、イソプレノイド前駆体分子、イソプレノイド、および/またはアセチルCoA由来産物を産生するように遺伝子操作され得る。通性嫌気性宿主細胞は、存在する酸素量が嫌気性菌の増殖、維持、および/または発酵に有害でない、実質的に酸素非含有の条件下で増殖し得て、または代案としてはより多量の酸素の存在下で増殖し得る。
宿主細胞はさらに、糸状菌細胞およびその子孫であり得る。(例えば、Berka & Barnett,Biotechnology Advances,(1989),7(2):127−154を参照されたい)。いくつかの態様では、糸状菌細胞は、トリコデルマ・ロンギブラキアツム(Trichoderma longibrachiatum)、T.ビリデ(T.viride)、T.コニンギイ(T.koningii)、T.ハルジアヌム(T.harzianum)、ペニシリウム属(Penicillium)種、フミコラ・インソレンス(Humicolainsolens)、H.ラヌギノース(H.lanuginose)、H.グリセア(H.grisea)、クリソスポリウム属(Chrysosporium)種、C.ルクノウェンス(C.lucknowense)、グリオクラジウム属(Gliocladium)種、A.オリゼ(A.oryzae)、A.ニガー(A.niger)、ショウユコウジカビ(A.sojae)、A.ジャポニカス(A.japonicus)、A.ニデュランス(A.nidulans)、またはA.アワモリ(A.awamori)などのアスペルギルス属(Aspergillus)種、F.ロゼウム(F.roseum)、F.グラミヌム(F.graminum)、F.セレアリス(F.cerealis)、F.オキシスポラム(F.oxysporum)、またはF.ベネナツム(F.venenatum)などのフザリウム属(Fusarium)種、N.クラッサ(N.crassa)などのニューロスポラ属(Neurospora)種、ヒポクレア属(Hypocrea)種、M.ミーヘイ(M.miehei)などのケカビ属(Mucor)種、クモノスカビ属(Rhizopus)種またはエメリセラ属(Emericella)種のいずれかであり得る。いくつかの態様では、真菌は、A.ニデュランス(A.nidulans)、A.アワモリ(A.awamori)、A.オリゼ(A.oryzae)、A.アクレアトウス(A.aculeatus)、A.ニガー(A.niger)、A.ジャポニカス(A.japonicus)、T.リーゼイ(T.reesei)、T.ビリデ(T.viride)、F.オキシスポラム(F.oxysporum)、またはF.ソラニ(F.solani)である。特定の実施形態では、本明細書において利用するためのプラスミドまたはプラスミド構成要素としては、米国特許出願公開第2011/0045563号明細書に記載されるものが挙げられる。
宿主細胞はまた、サッカロミセス属(Saccharomyces)種、シゾサッカロミセス属(Schizosaccharomyces)種、ピチア属(Pichia)種、またはカンジダ属(Candida)種などの酵母であり得る。いくつかの態様では、サッカロミセス属(Saccharomyces)種は、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)である(例えば、Romanos et al.,Yeast,(1992),8(6):423−488を参照されたい)。特定の実施形態では、本明細書で利用するためのプラスミドまたはプラスミド構成要素としては、米国特許第7,659,097号明細書、および米国特許出願公開第2011/0045563号明細書に記載されるものが挙げられる。
宿主細胞は、さらに、緑藻類、紅藻類、灰色藻類、クロララクニオン藻類、ユーグレナ藻類、クロミスタ、または渦鞭毛藻類などの藻類種であり得る。(例えば、Saunders & Warmbrodt,”Gene Expression in Algae and Fungi,Including Yeast,”(1993),National Agricultural Library,Beltsville,MDを参照されたい)。特定の実施形態では、本明細書において利用するためのプラスミドまたはプラスミド構成要素としては、米国特許出願公開第2011/0045563号明細書に記載されるものが挙げられる。いくつかの態様では、宿主細胞は、形態学に基づいて、以下の群のいずれかに分類されるラン藻などのラン藻である:クロロコックム目(Chlorococcales)、プレウロカプサ目(Pleurocapsales)、ユレモ目(Oscillatoriales)、ネンジュモ目(Nostocales)、またはスティゴネマ目(Stigonematales)(例えば、Lindberg et al.,Metab.Eng.,(2010)12(1):70−79を参照されたい)。特定の実施形態では、本明細書で利用するためのプラスミドまたはプラスミド構成要素としては、米国特許出願公開第2010/0297749号明細書;米国特許出願公開第2009/0282545号明細書、および国際公開第2011/034863号パンフレットに記載されるものが挙げられる。
核酸の発現および/またはアセチル化タンパク質の活性が調節されるように遺伝子操作されている、1つまたは複数のアセチル化タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸を含んでなる大腸菌(E.coli)宿主細胞を使用して、本明細書に記載される上流MVA経路ポリペプチドのいずれかなどの1つまたは複数の上流MVA経路ポリペプチドが発現され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載される組成物および方法において、大腸菌(E.coli)宿主細胞を使用して、1つまたは複数のmvaEおよびmvaSポリペプチドが発現され得る。一態様では、宿主細胞は、上流MVA経路ポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸を発現する、メバロン酸を産生する能力がある大腸菌(Escherichia coli)(大腸菌(E.coli)株の組換え細胞、またはそれらの子孫である。大腸菌(E.coli)宿主細胞(本明細書に記載されるように遺伝子操作されている細胞など)は、上流MVA経路ポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種性に発現した核酸が欠損して、1つまたは複数のアセチル化タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸を含まない同一細胞を上回る量、ピーク力価、および細胞生産性で、メバロン酸を産生し得て、前記細胞は、核酸の発現および/またはアセチル化タンパク質の活性が調節されるように遺伝子操作されている。さらに、大腸菌(E.coli)内で上流MVA経路ポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種性に発現した核酸は、染色体コピーであり得る(例えば、大腸菌(E.coli)染色体に組み込まれる)。別の態様では、大腸菌(E.coli)内でmvaEおよびmvaSポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種性に発現した核酸は、染色体のコピーであり得る(例えば、大腸菌(E.coli)染色体に組み込まれる)。その他の態様では、大腸菌(E.coli)細胞は培養中にある。
代表的ベクター
当業者は、発現ベクターが、特定の宿主株について遺伝子発現を最適化する特定構成要素を含有するように、デザインされることを認識するであろう。このような最適化構成要素としては、複製起点、プロモーター、およびエンハンサーが挙げられるが、これに限定されるものではない。本明細書で言及されるベクターおよび構成要素は、例示的な目的のために記載され、本発明の範囲を狭めることは意図されない。
本明細書に記載される組成物および方法のいずれかにおいて、適切なベクターを使用し得る。例えば、適切なベクターを使用して、嫌気性菌内で、MVA経路ポリペプチド、イソプレンシンターゼ、および/またはピロリン酸ポリプレニルシンターゼをコードする遺伝子の1つまたは複数のコピーの発現を最適化し得る。いくつかの態様では、ベクターは選択マーカーを含有する。選択可能なマーカーの例としては、抗生物質耐性核酸(例えば、カナマイシン、アンピシリン、カルベニシリン、ゲンタマイシン、ハイグロマイシン、フレオマイシン、ブレオマイシン、ネオマイシン、またはクロラムフェニコール)および/または宿主細胞に対する栄養上の利点などの代謝上の利点をもたらす核酸が挙げられるが、これに限定されるものではない。いくつかの態様では、上流MVA経路ポリペプチド、イソプレンシンターゼ、ピロリン酸ポリプレニルシンターゼ、および/または1つまたは複数のMVA経路ポリペプチド核酸の1つまたは複数のコピーが、選択マーカーなしに宿主細胞ゲノム内に組み込まれる。
本明細書で特徴付けられるまたは本開示の実施例で使用されるベクターのいずれか1つが、使用され得る。
代表的形質転換方法
上流MVA経路ポリペプチド、イソプレンシンターゼ、下流MVA経路ポリペプチド、および/またはホスホケトラーゼ1つまたは複数のコピーをコードする核酸が、適切な技術を使用して微生物に挿入され得る。さらに、形質転換、電気穿孔、核マイクロインジェクション、形質導入、形質移入(例えば、リポフェクション媒介またはDEAE−デキストリン媒介形質移入または組換えファージウイルスを使用した形質移入)、リン酸カルシウムDNA沈殿によるインキュベーション、DNA被覆マイクロプロジェクタイルでの高速衝撃、およびプロトプラスト融合などの、宿主細胞にDNAコンストラクトまたはベクターを導入するための標準的な技術を使用して、イソプレンシンターゼ、IDI、DXP経路、および/またはポリプレニルピロリン酸シンターゼ核酸またはそれらを含有するベクターを、宿主細胞(例えば、本明細書に記載される植物細胞、真菌細胞、酵母細胞、または細菌細胞)中に挿入し得る。一般的形質転換技術は、当該技術分野で公知である(例えば、Current Protocols in Molecular Biology(F.M.Ausubel et al.(eds.)Chapter 9,1987;Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd ed.,Cold Spring Harbor,1989;and Campbell et al.,Curr.Genet.16:53−56,1989を参照されたい)。導入された核酸は、染色体DNAに組み込まれ、または染色体外自己複製配列として維持され得る。形質転換体は、当該技術分野で公知の任意の方法によって選択し得る。形質転換体を選択する適切な方法は、その開示が参照により本明細書に援用される、国際公開第2009/076676号パンフレット、米国特許出願公開第12/335,071号明細書(米国特許公開第2009/0203102号明細書)、国際公開第2010/003007号パンフレット、米国特許公開第2010/0048964号明細書、国際公開第2009/132220号パンフレット、および米国特許出願公開第2010/0003716号明細書に記載される。
例示的な細胞培養液
本明細書の用法では、「最少培地」または「最少培地」という用語は、常時ではないが、通常、1つまたは複数のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個以上のアミノ酸)の存在がない、細胞増殖に可能な最少栄養素を含有する増殖培地を指す。最少培地は、典型的に、(1)微生物(例えば、細菌、藻類、真菌細胞)増殖のための炭素源;(2)微生物(例えば、細菌、藻類、真菌細胞)種および培養条件の間で変動し得る、様々な塩類;および(3)水を含有する。下でより詳細に考察されるように、炭素源は、グルコースのような単糖類から、酵母抽出物などのその他のバイオマスのより複雑な加水分解物まで、顕著に変動し得る。塩類は、概してマグネシウム、窒素、リン、およびイオウなどの不可欠な構成要素を提供し、細胞がタンパク質と核酸を合成できるようにする。最少培地はまた、抗生物質などの選択的作用因子で補足して、特定のプラスミドの維持などについて選択し得る。例えば、微生物が、アンピシリンまたはテトラサイクリンなどの特定の抗生物質に耐性を示す場合、耐性を欠く細胞が増殖するのを妨ぐために、その抗生物質を培地に添加し得る。培地は、必要に応じてその他の化合物で補足して、特定のアミノ酸などの所望の生理学的または生化学的特性について選択し得る。
任意の最少培地調合物を使用して、宿主細胞を培養し得る。例示的な最少培地調合物としては、例えば、M9最少培地およびTM3最少培地が挙げられる。1リットルのM9最少培地あたり、以下を含有する:(1)200mLの無菌M9塩(1リットルあたり、64gのNaHPO−7HO、15gのKHPO、2.5gのNaCl、および5.0gのNHCl);(2)2mLの1M MgSO(無菌);(3)20mLの20%(w/v)グルコース(またはその他の炭素源);および(4)100μlの1M CaCl(無菌)。1リットルのTM3最少培地あたり、以下を含有する:(1)13.6gのKHPO;(2)13.6gのKHPO;(3)2gのMgSO 7HO;(4)2gのクエン酸一水和物;(5)0.3gのクエン酸第二鉄アンモニウム;(6)3.2gの(NHSO;(7)0.2gの酵母抽出物;および(8)1mLの1000×微量成分溶液;pHは約6.8に調節され、溶液は濾過滅菌される。1リットルの1000×微量成分あたり、以下を含有する:(1)40gのクエン酸一水和物;(2)30gのMnSO O;(3)10gのNaCl;(4)1gのFeSO 7HO;(4)1gのCoCl 6HO;(5)1gのZnSO 7HO;(6)100mgのCuSO 5HO;(7)100mgのHBO;および(8)100mgのNaMoO 2HO;pHは約3.0に調節される。
追加的な例示的最少培地は、以下を含む:(1)リン酸カリウムKHPO、(2)硫酸マグネシウムMgSO 7HO、(3)クエン酸一水和物C O、(4)クエン酸第二鉄アンモニウムNHFeC、(5)酵母抽出物(biospringerからの)、(6)1000×修正微量金属溶液、(7)硫酸50%w/v、(8)foamblast 882(Emerald Performance Materials)、および(9)マクロ塩類溶液3.36mL。全ての構成要素を脱イオンHOに共に添加して溶解し、次に加熱滅菌する。室温への冷却に続いて、pHを水酸化アンモニウム(28%)で7.0に調節して、所定容積にする。滅菌およびpH調節後、ビタミン溶液およびスペクチノマイシンを添加する。
宿主細胞は、任意の炭素源を使用して培養し得る。「炭素源」という用語は、宿主細胞または生物によって代謝されることができる、1つまたは複数の炭素含有する化合物を指す。例えば、宿主細胞を培養するのに使用される細胞培地としては、宿主細胞の生存率維持または増殖に適した任意の炭素源が挙げられる。いくつかの態様では、炭素源は、炭水化物(単糖、二糖類、オリゴ糖、または多糖類など)、または転化糖(例えば、酵素処理スクロースシロップ)である。
いくつかの態様では、炭素源は、酵母抽出物、または酵母抽出物の1つまたは複数の構成要素を含む。いくつかの態様では、酵母抽出物の濃度は、0.1%(w/v)、0.09%(w/v)、0.08%(w/v)、0.07%(w/v)、0.06%(w/v)、0.05%(w/v)、0.04%(w/v)、0.03%(w/v)、0.02%(w/v)、または0.01%(w/v)の酵母抽出物である。いくつかの態様では、炭素源は、酵母抽出物(またはその1つまたは複数の構成要素)と、グルコースなどの別の炭素源との双方を含む。
例示的な単糖類としては、グルコースおよびフルクトースが挙げられ;例示的なオリゴ糖としては、乳糖およびスクロースが挙げられ;および例示的な多糖類としては、デンプンおよびセルロースが挙げられる。例示的な炭水化物としては、C6糖(例えば、フルクトース、マンノース、ガラクトース、またはグルコース)およびC5糖(例えば、キシロースまたはアラビノース)が挙げられる。
例示的な細胞培養条件
本発明の組換え細胞の維持および増殖に適した材料および方法は、例えば、実施例セクションで後述される。細胞(例えば、細菌、真菌、藻類)培養の維持および増殖に適したその他の材料および方法もまた、技術分野で周知である。例示的な技術は、国際公開第2009/076676号パンフレット、米国特許出願公開第2009/0203102号明細書、国際公開第2010/003007号パンフレット、米国特許出願公開第2010/0048964号明細書、国際公開第2009/132220号パンフレット、米国特許出願公開第2010/0003716号明細書、Manual of Methods for General Bacteriology Gerhardt et al.,編),米国微生物学会(American Society for Microbiology),Washington,D.C.(1994)、またはBrock in Biotechnology:A Textbook of Industrial Microbiology,第2版(1989)Sinauer Associates,Inc.,Sunderland,MA.にある。
標準的細胞培養条件を使用して、細胞を培養し得る(例えば、国際公開第2004/033646号パンフレットと、その中で引用される参考文献を参照されたい)。いくつかの態様では、細胞は、適切な温度、ガス混合物、およびpH(約20℃〜約37℃、約6%〜約84%CO、およびpH約5〜約9など)で、増殖され維持される。いくつかの態様では、細胞は、適切な細胞培地中で35℃で増殖される。いくつかの態様では、発酵のためのpH範囲は、約pH5.0〜約pH9.0(約pH6.0〜約pH8.0または約6.5〜約7.0など)である。細胞は、宿主細胞の要件に基づいて、好気性、無酸素性、または嫌気性条件下で増殖し得る。さらに、より特異的な細胞培養条件を使用して、細胞を培養し得る。例えば、いくつかの実施形態では、細胞(例えば、大腸菌(E.coli)細胞などの細菌細胞、真菌細胞、藻類細胞)は、低コピー数から中程度コピー数プラスミド中で、強力なプロモーターの制御下にある、1つまたは複数の異種核酸を発現し、34℃で培養される。
使用し得る標準的培養条件と、バッチ、流加、または連続発酵などの発酵様式は、国際公開第2009/076676号パンフレット、米国特許出願第12/335,071号明細書(米国特許出願公開第2009/0203102号明細書)、国際公開第2010/003007号パンフレット、米国特許出願公開第2010/0048964号明細書、国際公開第2009/132220号パンフレット、米国特許出願公開第2010/0003716号明細書に記載される。バッチおよび流加発酵は一般的で、当該技術分野で周知であり、例は、Brock,Biotechnology:A Textbook of Industrial Microbiology,第2版(1989)Sinauer Associates,Inc.にある。
いくつかの態様では、細胞は、グルコース制限条件下で培養される。「グルコース制限条件」とは、添加されるグルコースの量が、細胞によって消費されるグルコース量の約105%以下(約100%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、または10%など)であることを意味する。特定の態様では、培地に添加されるグルコースの量は、特定期間中に細胞によって消費されるグルコースの量と、ほぼ同じである。いくつかの態様では、細胞増殖速度は、細胞培地中のグルコースの量が支持し得る速度で、細胞が増殖するように、グルコースの添加量を制限することで制御される。いくつかの態様では、グルコースは、細胞の培養時間中に蓄積されない。様々な態様において、細胞は、グルコース制限条件下で、約1、2、3、5、10、15、20、25、30、35、40、50、60、または70時間以上培養される。様々な態様において、細胞は、細胞が培養される総時間の5、10、15、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、95、または100%以上にわたって、グルコース制限条件下で培養される。いかなる特定の理論による拘束も意図されないが、グルコース制限条件は、細胞のより良好な制御を可能にすると考えられる。
いくつかの態様では、細胞(細菌、真菌、または藻類細胞など)は、バッチ培養中で増殖される。細胞(細菌、真菌、または藻類細胞など)はまた、流加培養または連続培養中で増殖させ得る。さらに、細胞(細菌、真菌、または藻類細胞など)は、上述の最少培地のいずれかをはじめとするが、これに限定されるものではない最少培地中で培養し得る。最少培地は、1.0%(w/v)以下のグルコースまたは任意のその他の六炭糖で、さらに補足し得る。具体的には、最少培地は、1%(w/v)、0.9%(w/v)、0.8%(w/v)、0.7%(w/v)、0.6%(w/v)、0.5%(w/v)、0.4%(w/v)、0.3%(w/v)、0.2%(w/v)、または0.1%(w/v)のグルコースで補足し得る。さらに、最少培地は、0.1%(w/v)以下の酵母抽出物で補足し得る。具体的には、最少培地は、0.1%(w/v)、0.09%(w/v)、0.08%(w/v)、0.07%(w/v)、0.06%(w/v)、0.05%(w/v)、0.04%(w/v)、0.03%(w/v)、0.02%(w/v)、または0.01%(w/v)のグルコースで補足し得る。代案としては、最少培地に、1%(w/v)、0.9%(w/v)、0.8%(w/v)、0.7%(w/v)、0.6%(w/v)、0.5%(w/v)、0.4%(w/v)、0.3%(w/v)、0.2%(w/v)、または0.1%(w/v)グルコースおよびwith0.1%(w/v)、0.09%(w/v)、0.08%(w/v)、0.07%(w/v)、0.06%(w/v)、0.05%(w/v)、0.04%(w/v)、0.03%(w/v)、0.02%(w/v)、または0.01%(w/v)の酵母抽出物を添加し得る。
例示的な精製法
いくつかの態様では、本明細書に記載される方法のいずれかは、生産された化合物を回収するステップをさらに含む。いくつかの態様では、本明細書に記載される方法のいずれかは、イソプレンを回収するステップをさらに含む。いくつかの態様では、イソプレンは、吸収ストリッピングによって回収される(例えばその開示が参照により本明細書に援用される、米国特許出願公開第2011/0178261A1号明細書を参照されたい)。いくつかの態様では、本明細書に記載される方法のいずれかは、イソプレノイドを回収するステップをさらに含む。いくつかの態様では、本明細書に記載される方法のいずれかは、テルペノイドまたはカロテノイドを回収するステップをさらに含む。
適切な精製法は、その開示が参照により本明細書に援用される、米国特許出願公開第2010/0196977A1号明細書に、より詳細に記載される。
代表的生体外タンパク質アセチル化および脱アセチル化アッセイ
代表的アセチル化アッセイは、緩衝液およびアセチルCoAの存在下で実施される。例えばアッセイは、200μMのcAMP存在下および不在下で、20mM緩衝液、100mMのNaCl、100μMアセチルCoA、20μMのUSP中で実施され得る。反応は、20μMのMt−PatAを添加することで開始され得て、22℃で10分間インキュベートして、SDSローディング色素中で沸騰させることでクエンチされる。代表的緩衝液は、次のように提供される:酢酸ナトリウム(pH4.0〜5.0)、MES(pH6.0)、HEPES(pH7.0)、Tris(pH7.5〜8.0)、BisTrisPropane(pH9.0)、およびグリシン(pH10.0)。反応は、SDS−PAGEおよび抗−AcLys抗体ウエスタンブロット法(Cell Signaling Technology)と並行して分析され得て、化学発光(LI−COR Biosciences)によって定量的に検出される。
脱アセチル化アッセイは、200μMのcAMP存在下および不在下で、20mMのTris−HCl、pH7.5、100mMのNaCl、1mM β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)、20μM自己アセチル化Mt−PatA H173K変異体中で、22℃で実施され得る。反応物は、5μMRv1151cを添加することで開始され、SDSローディング色素中で沸騰させることで様々な時点で停止され得る。サンプルは、抗Ac−Lys抗体を用いたSDS−PAGEおよびウエスタンブロット法を使用して、SDS−PAGEおよびウエスタンブロット法を使用して、並行して分析され得る。
本明細書に記載される方法は、細菌、真菌細胞、および藻類細胞内の全てのタンパク質のアセチル化および脱アセチル化をモニタリングするために使用される。
本発明は、例証として提供され制限を意図するものではない、以下の実施例を参照してさらに理解される得る。
実施例1:標準およびアセチル化調節性株の構築
本実施例は、標準株、ならびに細胞内タンパク質アセチル化調節に関与する遺伝子に変異を含有する株の構築を記載する。
I.標準株の構築
マイコプラズマ・ホミニス(Mycoplasma hominis)(株ATCC23114)からのホスホケトラーゼ(PKL)酵素のDNA配列(配列番号28)は、大腸菌(E.coli)内における発現のためにコドン最適化され(配列番号29)、Life Technologiesによって合成された。GENEARTシームレスクローニングおよび構築キット(Life Technologies)を使用して、製造業者のプロトコルに従って、M.ホミニス(M.hominis)ホスホケトラーゼがプラスミドpEWL1421(pTrcウラジロハコヤナギ(P.alba)ispS(MEA変異体)−E.ガリナーラム(E.gallinarum)ホスホケトラーゼ)にサブクローニングされ、プラスミドpMCS826(図13)が得られた。使用されたプライマーは、ホスホケトラーゼではMCS534(cgctaactgcataaaggaggtaaaaaaac)(配列番号32)およびMCS535(gctggagaccgtttaaactttaactagacttta)(配列番号33)、プラスミドpEWL1421ではMCS536(taaagtctagttaaagtttaaacggtctccagc)(配列番号34)およびMCS537(gtttttttacctcctttatgcagttagcg)(配列番号35)(図14)であった。プラスミドpMCS826上のIspSおよびホスホケトラーゼ読み取り枠間のDNAの配列は、プライマーMCS488(ttagcgttcaaacggcagaatcgg)(配列番号36)およびMCS562(ccgtttgaacgctaaAGATACGCGTAACCCCAAGGACGGTAAAatgattagcaaaatctatgatgataaaaagtatctgg)(配列番号37)を使用して、PCRによって改変された。標準技術を使用して、得られたPCR産物を精製し自己ライゲートさせて、プラスミドpMCS1019を形成した(図15)。
DNAカセットは、PCRによって二段階処理で作成された。FRT−gb2−CM−FRTテンプレート(Genebridges)からのプライマーMCS504およびMCS516を使用して、約1.8kbの生成物がPCRによって増幅された。次にこのPCR産物は、プライマーMCS516およびMCS545を使用した、PCRによる増幅の第2のラウンドのためのテンプレートとして使用された。このPCR産物は、Genebridges Red/ET Recombination Quick and Easy大腸菌(E.coli)遺伝子欠失キットを使用して、製造業者の指示に従って、MD891株(BL21 wt, pgl+ t PL.2−mKKDyI::FRT, Gi1.2gltA yhfSFRTPyddVIspAyhfS thiFRTtruncIspA pgl ML, FRT−PL.2−2cis−RBS10000−MVK(burtonii) clone A + t ackA::FRT)染色体に組み込まれた。以下、Gi1.2gltA yhfSFRTPyddVIspAyhfS thiFRTtruncIspAおよびCTOは同義的に使用され、pglMLおよびpgl−は同義的に使用される。得られた株は、MCS1015(MD891+ackA::Cm_pL.2_pta)と称される。MCS1015株の配列解析は、ホスホトランスアセチラーゼ(pta)遺伝子上流のクロラムフェニコール抗生物質マーカーおよびpL.2プロモーターの挿入を明らかにした。製造業者の指示に従って、クロラムフェニコール抗生物質マーカーがFLP発現によってMCS1015株から除去され、MCS1016(MD891+FRT::ackA::FRT_pL.2_pta)株が作成された。MCS1016株は、プラスミドpMCS1019(配列番号30)およびpMCM1225(配列番号27)で形質転換されて、同質遺伝子型株MCS1227(pMCS1019(pTrc_IspS_RBS3_PKL16[M.ホミニス(M.hominis)])、pMCM1225)およびMCS1316(pMCS1019(pTrc_IspS_RBS3_PKL16[M.ホミニス(M.hominis)])、pMCM1225)が作成された。使用されたプライマーの配列は、表1−1に示される。
Figure 0006744819
II.アセチル化染色体変異株の構築
yfiQおよびcobBの欠失のためのコンストラクトは、KeioライブラリーからのクローンコロニーPCRによって増幅された(Baba et al.,Molecular Systems Biology 2 Article number:2006.0008 doi:10.1038/msb4100050)。yfiQ欠失コンストラクトは、プライマーMCM1038およびMCM1039を使用してJW2568(プレート21、G12)から増幅された。cobB欠失コンストラクトは、プライマーMCM1033およびMCM1035を使用してJW1106(プレート21、A2)から増幅された。製造業者のプロトコルに従って、以下の条件で、50μL反応(Agilent Herculase IIキット;カタログ600679)を実施した:yfiQでは、95℃、20分間;(95℃、20秒間;55℃、20秒間;72℃、1.5分間)×30;72℃、3分間;4℃保持およびcobBでは、95℃、20分間;(95℃、20秒間;55℃、20秒間;72℃、1.25分間)×30;72℃、3分間;4℃保持。PCR産物は、製造業者のプロトコル(Qiagen QIAquick PCR精製キット、カタログ28104)に従って精製され、30μL EB中に溶出された。プライマー配列は、表1−2に示される。
Figure 0006744819
yfiQおよびcobBにおける構成的プロモーター挿入のためのコンストラクトは、二段階PCR処理によって作成された。KanR_gi1.6と称されるコンストラクトは、FRT−PGK−gb2−neo−FRTテンプレート(Genebridges)からのプライマーMCS580およびMCS584を使用して、PCRによって増幅された。PCR産物は、QIAquick PCR精製キット(Qiagen)を使用して精製され、さらなるPCRにおいてテンプレートとして使用された(反応あたり10ng)。FRT−kan−FRT−gi1.6−YfiQコンストラクトは、プライマーMCM1042およびMCM1043を使用して増幅された。FRT−kan−FRT−gi1.6−CobBコンストラクトは、プライマーMCM1046およびMCM1048を使用して増幅された。製造業者のプロトコルに従って、以下の条件で、50μL反応(Agilent Herculase IIキット;カタログ600679)を実施した:95℃、20分間;(95℃、20秒間;55℃、20秒間;72℃、1.25分間)×30;72℃、3分間;4℃保持PCR産物は、製造業者のプロトコル(QiagenQIAquick PCR精製キット、カタログ28104)に従って精製され、30μL EB中に溶出された。プライマー配列は、表1−3に示される。
Figure 0006744819
コンストラクトはDW853株内に導入され、それはpRedET−carbを保有するMD891株である。標準分子生物学手順を使用して、pRED/ETプラスミド(GeneBridges)をMD891に電気穿孔し、引き続いて50μg/mLの濃度でカルベニシリンを含有する固体LB培地プレート上で形質転換体を30℃で増殖させることで、DW853が生成された。pRedET−carbを含有する細胞は、LB+carb50中で30℃で一晩培養され、次に新鮮LB+carb50中で1:100に希釈され、30℃で2時間で培養された。130μLの10%アラビノースが添加されて、細胞は37℃でおよそ2時間培養された。細胞は、培養物の半分の容積の冷ddHOで3回洗浄して、培養物の10分の1の容積に再懸濁することで、電気穿孔のために調製された。100μLの細胞懸濁液が、2mm電気穿孔キュベット内で3μLのDNAと組み合わされて、25uFD、200Ω、2.5kVで電気穿孔され、500μLのLBで即座にクエンチされた。細胞は回収されて37℃で3時間振盪され、次に形質転換体が、LB/kan10プレート上で37℃で一晩選択された。形質転換体は、再度画線塗抹されて、次に液体LB/kan10中で培養され、30%グリセロール中で冷凍された。株の説明は、表1−4に示される。
Figure 0006744819
III.PL.2−ptaの形質導入
FRT−cmR−FRT−PL.2−pta遺伝子座は、形質導入によってMCS1015株からMCM2721株内に移動され、ackAの欠失が維持された。MG1655のP1溶解産物を使用して、MCS1015の溶解産物が作成された。この溶解産物の100μLが、10mMのMgClおよび5mMのCaClの培養物の半分の容積に再懸濁された100μLのMCM2721の一晩培養物と混合された。反応物は、30℃でなおも30分間培養されて、次に100μLの1Mクエン酸ナトリウムでクエンチされた。500μLのLBが添加されて、LB/cmp5プレート上で37℃で一晩選択する前に、培養物は37℃1時間で振盪された。単一コロニーは、LB/kan10cmp10上に再度画線塗抹された。コロニーは培養されて、MCM2725(MD891 + FRT−kan−FRT::yfiQ FRT−cmp−FRT::PL.2−pta)として冷凍された。
IV.ループアウト
上記株からの抗生物質マーカーは、FLPリコンビナーゼの一過性発現によって除去された。プラスミドpCP20(www.cgsc.biology.yale.edu/Site.php?ID=64621を参照されたい)が電気穿孔されて、LB/carb50上で30℃で形質転換体が選択された。形質転換体コロニーは、LB/carb50ブロス中で30℃で濁るまで培養され、次に37℃で数時間培養された。次に培養物はLBプレート上に画線塗抹されて、37℃で一晩培養された。単一コロニーは、LB、LB/carb50、LB/kan10、およびLB/cmp5(MCM2725ループアウト用)上にパッチに植えられた。各抗生物質に対して感受性のコロニーについてLBからの画線塗抹が培養されて、30%グリセロール中で冷凍された。ループアウト株は、表1−5に示される。
Figure 0006744819
V.イソプレン産生細胞
プラスミドpMCS1019およびpMCM1225は、上記宿主に同時電気穿孔されて、イソプレン産生細胞が作成された。形質転換体はLB/carb50spec50上で選択されて、単一コロニーは液体LB/carb50spec50中で培養され、30%グリセロール中で冷凍された。イソプレン産生細胞は、表1−6に示される。
Figure 0006744819
実施例2:増殖速度およびイソプレン比生産性のための小規模アッセイにおけるyfiQ欠失の評価
本実施例は、yfiQ遺伝子の欠失を保有する株において、イソプレン生産および増殖速度を測定した。
I.材料と方法
LB培地、酵母抽出物およびMgSO非含有TM3培地、10%酵母抽出物、1MのMgSO、50%グルコース、200mMのIPTG、50mg/mLスペクチノマイシン、50mg/mLカルベニシリン、アルミホイルシール、48ウェル滅菌5mLブロック、Breathe Easierシールメンブレン、アルミホイルシール、96ウェルマイクロタイタープレート、96ウェルガラスブロックは、Zinsser Analyticから購入された。Agilent 6890 GCには5973N質量分光計が装着された。
TM培地(MgSOおよび酵母抽出物非含有)、1%グルコース、8mMのMgSO、0.02%酵母抽出物、および適切な抗生物質を組み合わせることで、補足TM3培地を調製した。一晩培養物を補足TM3培地中に0.2光学濃度(OD)で接種することで、48ウェル滅菌ブロック内で2mLの1日培養を開始した。ブロックをBreathe Easierメンブレンで密封し、600rpmおよび34℃で、2時間培養した。2時間の増殖後、マイクロタイタープレート内でODが600nmで測定され、細胞は200μMのIPTGによって誘導された。OD読み取りはIPTG誘導後に4時間にわたり毎時実施されて、増殖速度が判定された。OD測定は、SpectraMax Plus190(Molecular Devices)を使用して、TM3培地中で適切に希釈して、600nmでマイクロタイタープレート内で実施された。
IPTG誘導の2、3、および4時間後に、100μLのイソプレンサンプルが96ウェルガラスブロック内に収集された。ガラスブロックはアルミホイルで密封されて、ThermoMixer上で450rpmで振盪しながら34℃で30分間培養された。30分間後、ブロックを水浴中で2分間70℃に維持し、GC/MS内でイソプレンヘッドスペース測定を実施して、比生産性を判定した。
II.結果
図1Aは、yfiQ欠失細胞と対比して、4時間にわたる対照野性型yfiQ細胞の増殖(OD600)を示す一方で、図1Bは、一晩増殖(OD600)を示す。図2は、yfiQ欠失細胞と対比して、4時間にわたる対照野性型yfiQ細胞のイソプレン比生産性を示す。
実施例3:メバロン酸経路およびイソプレンシンターゼ発現株内のイソプレン生産に対するyfiQ遺伝子欠失の影響
本実施例は、メバロン酸経路およびイソプレンシンターゼからの導入遺伝子を発現する、15L規模の流加培養中で培養された改変大腸菌(E.coli)宿主(BL21由来産生宿主MD891)を使用して、イソプレン生産評価するために実施された。この実験の宿主株はどちらも、酢酸キナーゼ(AckA)ポリペプチドをコードする遺伝子に欠失を保有して、M.ホミニス(M.hominis)ホスホケトラーゼを発現する。さらに、どちらもホスホトランスアセチラーゼ(pta)を過剰発現する。
これらのイソプレン産生細胞には、同一処理が実施された。ここでは対照細胞MCS1227の能力計量が、yfiQリジンアセチルトランスフェラーゼが欠失した実験的細胞(細胞の詳細は表3−1に提供される)のものと比較される。関連能力計量は、グルコース上の累積イソプレン収率、イソプレンの容積生産性、およびCPIである。
Figure 0006744819
I.材料と方法
培地レシピ(発酵培地1リットルあたり):7.5gのKHPO、2gのMgSO*7HO、2gのクエン酸一水和物、0.3gのクエン酸第二鉄アンモニウム、0.5gの酵母抽出物、1.6mLの50%硫酸、1mLの1000×修正微量金属溶液。全ての成分を合わせてDi HOに溶解した。この溶液を加熱滅菌した(123℃で20分間)。水酸化アンモニウム(28%)によってpHを7.0に調節し、所定容積にした。滅菌およびpH調節後に、10gのグルコース、8mLのビタミン溶液、および抗生物質を添加した。
1000×修正微量金属溶液(1リットルあたり):
40gのクエン酸*H2O、30gのMnSO4*H2O、10gのNaCl、1gのFeSO4*7H2O、1gのCoCl2*6H2O、1gのZnSO*7H2O、100mgのCuSO4*5H2O、100mgのH3BO3、100mgのNaMoO4*2H2O。各成分をDi H2Oに1つずつ溶解して、HCl/NaOHでpHを3.0に調節し、次に溶液を所定容積にして、0.22ミクロンフィルターで濾過滅菌した。
ビタミン溶液(1リットルあたり):1.0gの塩酸チアミン、1.0gのD−(+)−ビオチン、1.0gのニコチン酸、4.0gの塩酸ピリドキシン。各成分をDi H2Oに1つずつ溶解して、HCl/NaOHでpHを3.0に調節し、次に溶液を所定容積にして、0.22ミクロンフィルターで濾過滅菌した。
マクロ塩溶液(1リットルあたり):296gのMgSO4*7H2O、296gのクエン酸一水和物、49.6gのクエン酸第二鉄アンモニウム。全ての成分を水に溶解して所定容積にし、0.22ミクロンフィルターによって濾過滅菌した。
供給液(1キログラムあたり):0.590kgのグルコース、0.393kgのDiHO、7.4gのKHPO、および8.9gの100%Foamblast882。全ての成分を混ぜ合わせて、高圧蒸気滅菌した。供給液の高圧蒸気滅菌後、クリーンベンチ内で栄養素補給剤を供給ボトルに入れる。供給物への滅菌後添加物は(供給液1キログラムあたり)、5.54mLのマクロ塩溶液、6.55mLのビタミン溶液、0.82mLの1000×修正微量金属溶液である。100μMのIPTG標的:供給物1キログラムあたり1.87mlの無菌10mg/ml溶液を添加する。
この実験は、所望の発酵pH(7.0)および温度(34℃)における、グルコースからのイソプレン生産をモニターするために実施した。各実験を開始するために、大腸菌(E.coli)産生株の適切な冷凍バイアルを解凍して、トリプトン酵母抽出物(LB)培地と適切な抗生物質とを含有するフラスコに接種した。550nm(OD550)における測定で、種菌がほぼ1.0の光学濃度に増殖した後に、500mLを使用して15Lバイオリアクターに接種し、初期タンク容積を5Lにした。
バイオリアクター背圧を0.7バールゲージに維持し、生産生物に酸素を提供するのに使用される入口ガスは、入口ガスを既知の濃度(7.3〜8.3容積%の酸素)に希釈する、工場内設備によって提供される。
バッチ添加される培地には、グルコースが9.7g/Lでバッチ添加された。誘導は、イソプロピル−β−D−1−チオガラクトピラノシド(IPTG)を添加することで達成される。細胞のOD550が6になったら、IPTGの無菌溶液を含有するシリンジを添加して、IPTG濃度を100μMにした。pH上昇によってシグナルされるように、ひとたびグルコースが培養物によって消費されたら、グルコース供給液を10g/分以下の速度で供給して代謝要求を満たした。溶存酸素制限が確立された後、固定時点において、温度を34℃から37℃に1時間かけて上昇させた。グルコース上の最大累積イソプレン質量収率を判定するのに十分長い時間、典型的に、合計64時間の経過発酵時間(EFT)にわたり、発酵を実行した。表3−2は、処理条件を示す。
Figure 0006744819
発生気体中のイソプレン、酸素、窒素、および二酸化炭素レベルは、Hiden HPR20(Hiden Analytical)質量分光計によって独立して判定された。
発酵ブロス中の溶存酸素は、Hamilton Companyによって提供される光学センサー付きの清潔な滅菌適性プローブによって測定される。
発酵槽ブロス中のクエン酸、グルコース、酢酸、およびメバロン酸濃度は、4時間間隔で収集されるブロスサンプル中で、HPLC分析によって判定された。ブロスサンプル中の濃度は、既知濃度の標準物質を使用してあらかじめ作成された検量線に対する、屈折率応答の比較によって判定された。
HPLC情報は、次のとおり:装置:Waters Alliance 2695;カラム:BioRad−Aminex HPX−87H Ion Exclusion Column 300mm×7.8mm カタログ番号125−0140カラム温度:50℃;ガードカラム:BioRad−Microguard Cation H refill 30mm×4.6mmカタログ番号125−0129ランニング緩衝液:0.01N HSO;ランニング緩衝液流速:0.6mL/分;近似ランニング圧力:約1100〜1200psi;注入容積:20マイクロリットル;検出器:屈折率(Knauer K−2301;)実行時間:26分間。
II.結果
イソプレン生産性計量(および値が取得された場合はEFT)は、表3−3に示される。
Figure 0006744819
経時的にそれぞれ15Lの発酵中で測定された酢酸のブロス濃度は、図3に示される。yfiQ(MCM2732)が欠失した実験的細胞は、yfiQについて野性型である対照細胞よりも低い酢酸のブロス濃度で終了した。酢酸のブロス濃度は、HPLCによって評価された。
それぞれ15Lの発酵中で経時的に測定されたグルコース比取り込み速度は、図4に示される。yfiQ欠失を保有する実験的細胞(MCM2732)は、yfiQについて野性型である対照細胞よりも高いグルコース比取り込み速度を一貫して示す。より低い酢酸のブロス濃度は、おそらくより高いグルコース比取り込み速度の駆動機構であり、それは次により高い容積生産性を駆動する(図5に示される)。平滑化グルコース比取り込み速度は、次式を使用して計算された:
グルコース比取り込み速度(g/L/hr/OD)=毎時グラムグルコース摂取勾配(8時間にわたる平均化)/ブロス容積*OD
それぞれ15Lの発酵中で経時的に得られた容積生産性は、図5に示される。yfiQ欠失(MCM2732)を保有する実験的細胞は、yfiQについて野性型である対照細胞よりも高いグルコース上のイソプレン容積生産性で終了する。64時間の時点が使用されて、上記表3−3に値が代入された。容積生産性は、次式を使用して計算された:
容積生産性(g/L/hr)=[Σ(IspER(t)/1000*68.117)]/[t−t]、式中、総和は、t〜tに由来し、IspERはイソプレン放出速度である。タンク所要時間は、計算に含まれない。
それぞれ15Lの発酵中で経時的に得られたグルコース上のイソプレン累積収率は、図6に示される。yfiQ欠失(MCM2732)を保有する実験的細胞は、yfiQについて野性型である対照細胞よりも高いグルコース上のイソプレン累積収率で終了する。MCM2732でより低いブロス酢酸は、より低い炭素の損失を表すが、効率向上は、酢酸炭素損失の再捕捉によって説明される得るものを上回る。64時間の時点が使用されて、上記表3−3に値が代入された。全収率は、次式を使用して計算された:
グルコース上の%重量収率=イソプレン合計(t)/[(供給重量(0)−供給重量(t)+83.5)*0.59)]、
式中、0.59はグルコース供給液中のグルコースの重量%であり、83.5はt=0で発酵槽内にバッチ添加された供給物のグラム数である。各供給物は、その重量%が独立して測定された。
各15Lの発酵中で経時的に得られた細胞性能指数(CPI)は、図7に示される。yfiQ欠失を保有する実験的細胞(MCM2732)は、yfiQについて野性型である対照細胞よりも高い細胞性能指数で終了する。64時間の時点が使用されて、上記表3−3に値が代入された。CPIは、次式を使用して計算された:
CPI=総グラムイソプレン/総グラム乾燥細胞重量
各15Lの発酵中で経時的に得られた平滑化イソプレン比生産性は、図8に示される。yfiQ欠失を保有する実験的細胞(MCM2732)は、yfiQについて野性型である対照細胞よりも高いピーク比生産性を示す。これは、おそらくより高いグルコース比取り込み速度によって駆動される。64時間の時点が使用されて、上記表3−3に値が代入された。平滑化イソプレン比生産性は、次式を使用して計算された:
比生産性(mg/L/hr/OD)=IspER*68.117g/mol/OD。IspERは、(mmol/L/hr)単位のイソプレン放出速度である。OD=光学濃度=550nmにおける吸光度*水中希釈係数。
平滑化比生産性(mg/L/hr/OD)=イソプレン毎時生成ミリグラム(8時間間隔で平均化した)の勾配/ブロス容積*OD。
これらのアッセイの結果は、yfiQ欠失が、イソプレン産生過程においてブロス中に酢酸を蓄積しない株(MCM2732)をもたらすことを示唆する(図3)。MCM2732は、発酵稼働全体を通じて、一貫して低い酢酸ブロス濃度を保つ。おそらく、そして理論に束縛されることなく、これはyfiQをコードする遺伝子が欠失しており、アセチルCoAシンセターゼのアセチル化に低下がもたらされるためである。低下したアセチルCoAシンセターゼのアセチル化は活性を保ち、酢酸をブロスから自由に取り込むことができる。対照的に、対照細胞MCS1227は約6g/Lの酢酸を蓄積し、これはackA欠失を保有するイソプレン産生細胞に起こることの典型例である。おそらく、そして理論に束縛されることなく、これは、酢酸がひとたび細胞から出ると、このポリペプチドをコードする遺伝子が欠失しているために、それが酢酸キナーゼに再度取り込まれ得ないという事実のためである。結論として、yfiQ欠失(MCM2732染色(stain))は、より高いグルコース比取り込み速度をもたらし(図4)、それは次にイソプレン能力に対していくつかの有益な効果を有する(図5)。
実施例4:酢酸と共に培養された細胞内の増殖速度およびイソプレン生産に対するyfiQ欠失の効果
実施例は、細胞が酢酸存在下で培養された際における、細胞増殖速度およびイソプレン生産に対するyfiQの欠失効果を探索する。
I.材料と方法
LB培地、酵母抽出物およびMgSO非含有TM3培地、10%酵母抽出物、1MのMgSO、50%グルコース、200mMのIPTG、50mg/mLスペクチノマイシン、50mg/mLカルベニシリン、10%硫酸、および100mMのTris、100mMのNaCl、pH7.6緩衝液は、社内で製された。アルミホイルシール、48ウェル滅菌5mLブロック、Breathe Easierシールメンブレン、96ウェルマイクロタイタープレートは、VWRから購入された。96ウェルガラスブロックは、Zinsser Analyticalから購入された。酢酸ナトリウムは、Sigmaから購入された。Agilent 6890 GCには5973N質量分光計が装着された。実施例で使用されたイソプレン産生細胞の概要は、表4−1にある。
Figure 0006744819
一晩培養物は、10mLプラスチック試験管内で、適切な抗生物質を添加して、3mLのLB培地中のグリセロール培養原液から直接調製された。一晩培養物は、30℃、220rpmで培養された。
補足TM3培地は、TM培地、(MgSOおよび酵母抽出物非含有)1%グルコースまたは様々な濃度の酢酸ナトリウム、8mMのMgSO、0.02%酵母抽出物および妥当な抗生物質を組み合わせることで調製された。一晩培養物を補足TM3培地中に0.2光学濃度(OD)で接種することで、48ウェル滅菌ブロック内で2mLの1日培養物を調整した。ブロックをBreathe Easierメンブレンで密封し、600rpmおよび34℃で、2時間培養した。2時間の増殖後、マイクロタイタープレート内でODが600nmで測定され、細胞は200μMのIPTGによって誘導された。OD読み取りおよびイソプレン比生産性サンプルは、誘導の2〜6時間後から採取された。OD測定は、SpectraMax Plus190(Molecular Devices)を使用して、TM3培地中で適切に希釈して、600nmでマイクロタイタープレート内で実施された。
IPTG誘導の4時間後、1時間毎に、100μlのイソプレンサンプルが96ウェルガラスブロック内に収集された。ガラスブロックはアルミホイルで密封されて、ThermoMixer上で450rpmで振盪しながら34℃で30分間培養された。30分後、ブロックを70℃水浴上に2分間保ち、GC/MS内でイソプレンヘッドスペース測定を実施した。
II.結果
唯一の炭素源として様々な濃度の酢酸上で培養された野性型およびΔyfiQイソプレン産生細胞増殖速度が、図9に示される一方で、イソプレン比生産性は、図10に示される。対照的に、この条件セットで、唯一の炭素源としてグルコースを使用して培養された野性型およびΔyfiQイソプレン産生細胞増殖速度は、図11に示される一方で、イソプレン比生産性は、図12に示される。
実施例5:細胞内のイソプレノイド生産に対するyfiQ遺伝子欠失の影響
本実施例は、メバロン酸経路およびピロリン酸ファルネシル(FPP)シンターゼ(例えば、大腸菌(E.coli)のためにコドン最適化されたファルネセンシンターゼ(配列番号26)または大腸菌(E.coli)のためにコドン最適化されたアモルファジエンシンターゼ(配列番号25));ピロリン酸ゲラニルシンターゼ;またはゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼからの導入遺伝子を発現する、15L規模の流加培養中で培養された改変大腸菌(E.coli)細胞を使用して、イソプレノイド生産を評価するために実施される。この実験中の細胞株は、酢酸キナーゼ(AckA)ポリペプチドをコードする遺伝子に欠失を保有して、M.ホミニス(M.hominis)ホスホケトラーゼを発現する。さらに、どちらもホスホトランスアセチラーゼ(pta)を過剰発現する。
これらのイソプレノイド産生細胞には、同一処理が実施された。対照細胞の能力計量は、yfiQリジンアセチルトランスフェラーゼが欠失しているまたはcobBデアセチラーゼの発現が増大している実験的細胞と比較される。関連能力計量は、上グルコースの累積イソプレノイド収率、イソプレノイド容積生産性、および細胞性能指数である。
I.イソプレノイド産生細胞の構築
標準技術を使用して、ピロリン酸ファルネシル(FPP)シンターゼ(例えば、大腸菌(E.coli)のためにコドン最適化されたファルネセンシンターゼ(配列番号26)または大腸菌(E.coli)のためにコドン最適化されたアモルファジエンシンターゼ(配列番号25));ピロリン酸ゲラニルシンターゼ;またはゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼ遺伝子が、pMCS1019またはpEWL1421のどちらかに、ispSの代わりにクローン化される。得られたプラスミドは、pMCM1225と共に宿主株に同時形質転換される。宿主株の部分的一覧は、表5に記載される。
Figure 0006744819
II.材料と方法
培地レシピ(発酵培地1リットルあたり):7.5gのKHPO、2gのMgSO*7HO、2gのクエン酸一水和物、0.3gのクエン酸第二鉄アンモニウム、0.5gの酵母抽出物、1.6mLの50%硫酸、1mLの1000×修正微量金属溶液。全ての成分を合わせてDi HOに溶解する。この溶液を加熱滅菌する(123℃で20分間)。水酸化アンモニウム(28%)によってpHを7.0に調節し、所定容積にする。滅菌およびpH調節後に、10gのグルコース、8mLのビタミン溶液、および抗生物質を添加する。
1000×修正微量金属溶液(1リットルあたり):40gのクエン酸*HO、30gのMnSO*HO、10gのNaCl、1gのFeSO*7HO、1gのCoCl*6HO、1gのZnSO*7HO、100mgのCuSO*5HO、100mgのHBO、100mgのNaMoO*2HO。各成分をDi HOに1つずつ溶解して、HCl/NaOHでpHを3.0に調節し、次に溶液を所定容積にして、0.22ミクロンフィルターで濾過滅菌する。
ビタミン溶液(1リットルあたり):1.0gの塩酸チアミン、1.0gのD−(+)−ビオチン、1.0gのニコチン酸、4.0gの塩酸ピリドキシン。各成分をDi HOに1つずつ溶解して、HCl/NaOHでpHを3.0に調節し、次に溶液を所定容積にして、0.22ミクロンフィルターで濾過滅菌する。
マクロ塩溶液(1リットルあたり):296gのMgSO*7HO、296gのクエン酸一水和物、49.6gのクエン酸第二鉄アンモニウム。全ての成分を水に溶解して所定容積にし、0.22ミクロンフィルターによって濾過滅菌する。
供給液(1キログラムあたり):0.590kgのグルコース、0.393kgのDiHO、7.4gのKHPO、および8.9gの100%Foamblast882。全ての成分を共に混合し、高圧蒸気滅菌する。供給液の高圧蒸気滅菌後、クリーンベンチ内で栄養素補給剤を供給ボトルに入れる。供給物への滅菌後添加物は(供給液1キログラムあたり)、5.54mLのマクロ塩溶液、6.55mLのビタミン溶液、0.82mLの1000×修正微量金属溶液である。100μMのIPTG標的:供給物1キログラムあたり1.87mlの無菌10mg/ml溶液を添加する。
この実験は、所望の発酵pH(7.0)および温度(34℃)における、グルコースからのイソプレノイド生産をモニターするために実施される。各実験を開始するために、適切な大腸菌(E.coli)イソプレノイド産生細胞の冷凍バイアルを解凍し、トリプトン酵母抽出物(LB)培地および適切な抗生物質と共に、フラスコに接種する。550nm(OD550)における測定で、ほぼ1.0の光学濃度に増殖した後に、500mLを使用して15Lバイオリアクターに接種し、初期タンク容積を5Lにする。
バイオリアクター背圧を0.7バールゲージに維持し、細部に酸素を提供するのに使用される入口ガスは、入口ガスを既知の濃度(7.3〜8.3容積%の酸素)に希釈する、工場内設備によって提供される。
バッチ添加される培地には、グルコースが9.7g/Lでバッチ添加される。誘導は、イソプロピル−β−D−1−チオガラクトピラノシド(IPTG)を添加することで達成される。細胞のOD550が6になったら、IPTGの無菌溶液を含有するシリンジを添加して、IPTG濃度を100μMにする。pH上昇によってシグナルされるように、ひとたびグルコースが培養物によって消費されたら、グルコース供給液を10g/分以下の速度で供給して代謝要求を満たす。溶存酸素制限が確立された後、固定時点において、温度を34℃から37℃に1時間かけて上昇させる。グルコース上の最大累積イソプレノイド質量収率を判定するのに十分長い時間、典型的に、合計64時間の経過発酵時間(EFT)にわたり、発酵を実行する。
発生気体中のイソプレノイド、酸素、窒素、および二酸化炭素レベルは、Hiden HPR20(Hiden Analytical)質量分光計によって独立して判定される。発酵ブロス中の溶存酸素は、Hamilton Companyによって提供される光学センサー付きの清潔な滅菌適性プローブによって測定される。発酵槽ブロス中のクエン酸、グルコース、酢酸、およびメバロン酸濃度は、4時間間隔で収集されるブロスサンプル中で、HPLC分析によって判定される。ブロスサンプル中の濃度は、既知濃度の標準物質を使用してあらかじめ作成された検量線に対する、屈折率応答の比較によって判定される。
HPLC情報は、次のとおり:装置:Waters Alliance 2695;カラム:BioRad−Aminex HPX−87H Ion Exclusion Column 300mm×7.8mm カタログ番号125−0140カラム温度:50℃;ガードカラム:BioRad−Microguard Cation H refill 30mm×4.6mmカタログ番号125−0129ランニング緩衝液:0.01N HSO;ランニング緩衝液流速:0.6mL/分;近似ランニング圧力:約1100〜1200psi;注入容積:20マイクロリットル;検出器:屈折率(Knauer K−2301;)実行時間:26分間。
実施例6:酢酸循環株の構築
本実施例は、酢酸循環、酢酸生産、およびアセチルCoA生産の調節に関与する遺伝子に追加的な変異を含有する株の構築を記載する。この実施例は、ホスホトランスアセチラーゼ(pta)の欠失およびyfiQ遺伝子の欠失を保有する、株の構築を記載する。
I.CMP400の構築
GeneBridgesプロトコルを使用して、クロラムフェニコール耐性標識された構成的gi1.6プロモーターが、acs遺伝子の前に挿入された。FRT−gb2−cm−FRTカセットは、プライマーacsAUppKD3およびacsADnGI1.6pKD3Rを使用して、GeneBridgesによって提供されるプラスミドからPCR増幅された。得られたPCR産物FRT−cmp−FRT::gi.6−acsは、GeneBridgesプロトコルに従ってpRedETプラスミドを保有するHMB株に変換され、組換え体はLBcmp5プレート上で37℃で選択された。HMB遺伝子型:BL21重量、pgl+tPL.2−mKKDyI::FRT。コロニーはcmpRおよびcarbSであることが確認され、次にCMP400として冷凍された。
Figure 0006744819
II.MD803の構築
4.429kbのPCRフラグメントPta::Kanは、プライマーCMP534およびCMP535を使用して、Keioコレクションから増幅された。このPCR産物のおよそ300ngが使用されて、宿主株CMP1141(HMB Gi1.2gltA yhfSFRTPyddVIspAyhfS thiFRTtruncIspA pgl ML (pgl(−)) + pRedETAmp)に組み込まれた。形質転換体は、LA+Kan10プレート上で37℃で選択された。変異体は、その後、同一のセットプライマーによって確認された。得られた株は、MD803(CMP1141+ipta::Kan)と命名された。
Figure 0006744819
III.MCM3151の構築
MCM2065株(BL21、ΔpglPL.2mKKDyl、GI1.2gltA、yhfSFRTPyddVIspAyhfS、thiFRTtruncIspA、bMVK)は、標準法を使用して、MCM2722(実施例1)のP1溶解産物で形質導入されたyfiQ::kanR被形質導入体が、LB kan10プレート上で37℃で一晩選択された。被形質導入体は再度画線塗抹され、PCRによって確認された。この株は、LB kan10中で培養されて、MCM2801として冷凍された。kanRマーカーは、プラスミドpCP20の形質転換によってループアウトされ(www.cgsc.biology.yale.edu/Site.php?ID=64621を参照されたい)、LB carb50上で30℃で一晩選択され、液体LB carb50中における37℃で見かけ上濁るまでの単一コロニーの継代培養がそれに続いた。培養物は抗生物質非含有LB上に画線塗抹されて、37℃で一晩培養された。単一コロニーは、抗生物質含有および非含有プレートにパッチに植えられて、carbS、kanSコロニーが同定された。PCRを使用して、野生型ackA遺伝子座と未標識のΔyfiQ遺伝子座の存在が確認された。このコロニーは、LB中で37℃で培養されて、MCM2804として冷凍された。MD803からのP1溶解産物を使用して、MCM2804がpta::FRT−kan−FRTで形質導入され、被形質導入体は、LB kan10プレート上で37℃で一晩選択された。コロニーは、LB kan10上に再度画線塗抹され、液体ブロス中で培養されて、MCM3803と同様に冷凍された。P1溶解産物はMCS1388上で培養され、CMP400のサブクローンを使用して、MCM3803がFRT−cmp−FRT::gi.6−acsで形質導入された。被形質導入体は、LB cmp5プレート上で37℃で一晩選択された。コロニーはLB cmp5上に画線塗抹されて一晩培養され、次に得られた単一コロニーを使用して、液体培養が接種された。この培養物は、MCM3139として冷凍された。プラスミドpMCM1225およびpMCS1019は、MCM3139に同時電気穿孔されて、形質転換体は、37℃で一晩培養されたLBcarb50 spec50プレート上で選択された。単一コロニーは、液体LB carb50 spec50中で37℃で培養され、MCM3151として冷凍された。
Figure 0006744819
IV.イソプレン産生細胞MD1206(M.ホミニス(M.hominis)ホスホケトラーゼ)およびMD1207(E.galホスホケトラーゼ)の構築
MCM3139は、接種されて一晩培養された。培養物は希釈されて、OD0.8〜1.0に培養され、次に洗浄されて、プラスミドpCP20で電気穿孔された(www.cgsc.biology.yale.edu/Site.php?ID=64621を参照されたい)。培養物は、30℃で1時間回復された。形質転換体はLA+Carb50プレート上で選択されて、30℃で一晩培養された。得られたCmRマーカー非含有株は、MD1205(CTO pgl−FRT−PL.2−2cis−RBS10000−MVK(burtonii)yfiQ::FRT pta::FRT clone A, FRT::gi1.6−acs)と命名された。MD1205は、pMCM1225およびpMCS1019で同時形質転換されてMD1206が生成し、またはpMCM1225およびpEWL1421で同時形質転換されて、MD1207が生成された。形質転換体は、LA+Spec50+Carb50プレート上で選択された。
Figure 0006744819
実施例7:実施例6株のイソプレン収率に対する効果
本実施例は、ホスホトランスアセチラーゼ(pta)の欠失およびyfiQ遺伝子の欠失を保有する細胞内で、イソプレン生産測定する。細胞の詳細は、表7−1に提供される。
yfiQの欠失およびacs構成的活性型があるMCM2732株は、酢酸再取り込みおよびイソプレン生産の改善を示した。改善された酢酸再取り込みは、ackA除去株に関連する酢酸蓄積を顕著に低下させ、ならびにイソプレン比生産性を増大させて、生存度を改善させ、稼働の生産的部分を延長し、それはイソプレン力価を増大させた。本実施例は、ptaを欠失させ、それによってホスホケトラーゼ流動(AcPからイソプレンへ)を増大させることで、酢酸再取り込み向上させる、MCM3151、MD1206、およびMD1207を使用する(図28)。
Figure 0006744819
I.材料と方法
培地レシピ(発酵培地1リットルあたり):7.5gのKHPO、2gのMgSO*7HO、2gのクエン酸一水和物、0.3gのクエン酸第二鉄アンモニウム、0.5gの酵母抽出物、1.6mLの50%硫酸、1mLの1000×修正微量金属溶液。全ての成分を合わせてDi HOに溶解した。この溶液を加熱滅菌した(123℃で20分間)。水酸化アンモニウム(28%)によってpHを7.0に調節し、所定容積にした。滅菌およびpH調節後に、10gのグルコース、8mLのビタミン溶液、および抗生物質を添加した。
1000×修正微量金属溶液(1リットルあたり):40gのクエン酸*HO、30gのMnSO*HO、10gのNaCl、1gのFeSO*7HO、1gのCoCl*6HO、1gのZnSO*7HO、100mgのCuSO*5HO、100mgのHBO、100mgのNaMoO*2HO。各成分をDi HOに1つずつ溶解して、HCl/NaOHでpHを3.0に調節し、次に溶液を所定容積にして、0.22ミクロンフィルターで濾過滅菌した。
ビタミン溶液(1リットルあたり):1.0gの塩酸チアミン、1.0gのD−(+)−ビオチン、1.0gのニコチン酸、4.0gの塩酸ピリドキシン。各成分をDi HOに1つずつ溶解して、HCl/NaOHでpHを3.0に調節し、次に溶液を所定容積にして、0.22ミクロンフィルターで濾過滅菌した。
マクロ塩溶液(1リットルあたり):296gのMgSO*7HO、296gのクエン酸一水和物、49.6gのクエン酸第二鉄アンモニウム。全ての成分を水に溶解して所定容積にし、0.22ミクロンフィルターによって濾過滅菌した。
供給液(1キログラムあたり):0.590kgのグルコース、0.393kgのDiHO、7.4gのKHPO、および8.9gの100%Foamblast882。全ての成分を混ぜ合わせて、高圧蒸気滅菌した。供給液の高圧蒸気滅菌後、クリーンベンチ内で栄養素補給剤を供給ボトルに入れる。供給物への滅菌後添加物は(供給液1キログラムあたり)、5.54mlのマクロ塩溶液、6.55mlのビタミン溶液、0.82mlの1000×修正微量金属溶液である。100μMのIPTG標的:供給物1キログラムあたり1.87mlの無菌10mg/ml溶液を添加する。
この実験は、所望の発酵pH(7.0)および温度(34℃)における、グルコースからのイソプレン生産をモニターするために実施された。各実験を開始するために、適切な大腸菌(E.coli)イソプレン産生細胞の冷凍バイアルを解凍し、トリプトン酵母抽出物(LB)培地および適切な抗生物質と共に、フラスコに接種した。550nm(OD550)における測定で、種菌がほぼ1.0の光学濃度に増殖した後に、500mLを使用して15Lバイオリアクターに接種し、初期タンク容積を5Lにした。
バイオリアクター背圧を0.7バールゲージに維持し、細部に酸素を提供するのに使用される入口ガスは、入口ガスを既知の濃度(7.3〜8.3容積%の酸素)に希釈する、工場内設備によって提供された。
バッチ添加される培地には、グルコースが9.7g/Lでバッチ添加された。誘導は、イソプロピル−β−D−1−チオガラクトピラノシド(IPTG)を添加することで達成される。細胞のOD550が6になったら、IPTGの無菌溶液を含有するシリンジを添加して、IPTG濃度を100μMにした。pH上昇によってシグナルされるように、ひとたびグルコースが培養物によって消費されたら、グルコース供給液を10g/分以下の速度で供給して代謝要求を満たした。溶存酸素制限が確立された後、固定時点において、温度を34℃から37℃に1時間かけて上昇させた。グルコース上の最大累積イソプレン質量収率を判定するのに十分長い時間、典型的に、合計64時間の経過発酵時間(EFT)にわたり、発酵を実行した。表7−2は、処理条件を示す。
Figure 0006744819
発生気体中のイソプレン、酸素、窒素、および二酸化炭素レベルは、Hiden HPR20(Hiden Analytical)質量分光計によって独立して判定された。
発酵ブロス中の溶存酸素は、Hamilton Companyによって提供される光学センサー付きの清潔な滅菌適性プローブによって測定される。
発酵槽ブロス中のクエン酸、グルコース、酢酸、およびメバロン酸濃度は、4時間間隔で収集されるブロスサンプル中で、HPLC分析によって判定された。ブロスサンプル中の濃度は、既知濃度の標準物質を使用してあらかじめ作成された検量線に対する、屈折率応答の比較によって判定された。
HPLC情報は、次のとおり:装置:Waters Alliance 2695;カラム:BioRad−Aminex HPX−87H Ion Exclusion Column 300mm×7.8mm カタログ番号125−0140カラム温度:50℃;ガードカラム:BioRad−Microguard Cation H refill 30mm×4.6mmカタログ番号125−0129ランニング緩衝液:0.01N HSO;ランニング緩衝液流速:0.6mL/分;近似ランニング圧力:約1100〜1200psi;注入容積:20マイクロリットル;検出器:屈折率(Knauer K−2301;)実行時間:26分間
II.結果
イソプレン生産性計量(および値が取得された場合はEFT)は、表7−3に示される。
実験株のptaが欠失しなくても酢酸濃度は低く保たれたので、acs過剰発現は、yfiQ欠失と相まって、(ホスホケトラーゼ経路からの)アセチルリン酸をアセチルCoA(およびイソプレンを生産するメバロン酸経路に)に送るのに十分であったと思われる。
MD1207株は、他の新規株と同程度には機能しなかった。この株は、典型的にM.ホミニス(M.hominis)ホスホケトラーゼと比較して、より高い発現レベルを示すE.ガリナーラム(E.gallinarum)ホスホケトラーゼを発現するので、これは興味深い。誘導後の遅滞の増大は、より緩慢な増殖速度、およびより長いDO%限界到達時間をもたらし、それによって稼働のピーク生産性および高収率相が短縮された。
Figure 0006744819
経時的にそれぞれ15Lの発酵中で測定された酢酸のブロス濃度は、図16に示される。対照および実験的全例で、酢酸のブロス濃度は非常に低かった。実験株は、発酵終了時に、わずかにより低い酢酸濃度を有した。
それぞれ15Lの発酵中で経時的に得られたグルコース上のイソプレン累積収率は、図17に示される。ptaが欠失した実験的細胞(MD1206)は、ptaを過剰発現する対照細胞(MCM2732)よりも、グルコース上でより高いイソプレンの累積収率で終了する。60時間の時点が使用されて、上記表7−3に値が代入された。全収率は、次式を使用して計算された:
グルコース上の%重量収率=イソプレン合計(t)/[(供給重量(0)−供給重量(t)+83.5)*0.59)]、
式中、0.59はグルコース供給液中のグルコースの重量%であり、83.5はt=0で発酵槽内にバッチ添加された供給物のグラム数である。各供給物は、その重量%が独立して測定された。
経時的にそれぞれ15Lの発酵中で得られたグルコース上のイソプレンの収率(以前の40時間にわたる)は、図18に示される。ptaが欠失した実験的細胞thatisfor(MD1206)は、ptaを過剰発現する対照細胞(MCM2732)よりも、グルコース上でより高いイソプレンのピーク「40時間」収率で終了する。「40時間」収率は、次式を使用して計算された:
グルコース上の%重量収率=全イソプレン(tinitial−t−40)/[(供給重量(tinitial−t−40)*0.59)]、
式中、0.59はグルコース供給液中のグルコースの重量%である。各供給物は、その重量%が独立して測定された。
実施例8:追加的な酢酸循環株の構築
本実施例は、酢酸生産、酢酸循環、およびアセチルCoA生産に関与する遺伝子に変異を含有する、追加的な株の構築を記載する。ackA遺伝子は、過剰発現されて酢酸のアセチルCoAへの変換を駆動した。別の株では、actPが欠失し、膜を越える酢酸輸送が最小化された。理論に束縛されることなく、酢酸生産が膜を越える輸送に連動すれば、これは、プロトン勾配の脱共役のために、エネルギー損失をもたらし得ると考えられる。
標準分子生物学的技術を使用して、ackAの過剰発現のためのコンストラクトが構築された(配列番号109)。簡単に述べると、シームレスクローニングおよびアセンブリーによって、ackAの隣接領域が、対立遺伝子交換カセット中の異種プロモーター(GI1.2)に融合された(Life Technologies)。actP欠失コンストラクトはまた、同種の隣接領域を対立遺伝子交換カセットに融合させることで生成された(配列番号110)。ackAおよびactPベクター(図19)が単離され、次にMD1205に形質転換されて、それぞれDW1242およびMD1243が生成された。テトラサイクリン耐性について陽性組み込み体が選択されて、未標識欠失株は、5%スクロース上の継代によって同定された。最終的な変異株は、PCRおよび配列決定によって確認された。pMCM1225およびpEWL1421のDW1242への同時形質転換はDW1245を生成し、MD1243への同時形質転換はMD1245を生成した。
Figure 0006744819
Figure 0006744819
実施例9:イソプレン収率および増殖速度に対する実施例8株の効果
本実施例は、yfiQ遺伝子の欠失およびactP欠失またはackA過剰発現のどちらかを保有する細胞内で、イソプレン生産および増殖速度測定した。
I.材料と方法
LB培地、酵母抽出物およびMgSO非含有TM3培地、10%酵母抽出物、1MのMgSO、50%グルコース、200mMのIPTG、50mg/mLスペクチノマイシン、50mg/mLカルベニシリン、アルミホイルシール、48ウェル滅菌5mLブロック、Breathe Easierシールメンブレン、アルミホイルシール、96ウェルマイクロタイタープレート、96ウェルガラスブロックは、Zinsser Analyticから購入されたAgilent 6890 GCには5973N質量分光計が装着された。
TM培地(MgSOおよび酵母抽出物非含有)、1%グルコース、8mMのMgSO、0.02%酵母抽出物、および適切な抗生物質を組み合わせることで、補足TM3培地を調製した。一晩培養物を補足TM3培地中に0.2光学濃度(OD)で接種することで、48ウェル滅菌ブロック内で2mLの1日培養を開始した。ブロックをBreathe Easierメンブレンで密封し、600rpmおよび34℃で、2時間培養した。2時間の増殖後、マイクロタイタープレート内でODが600nmで測定され、細胞は200μMのIPTGによって誘導された。OD読み取りはIPTG誘導後に4時間にわたり毎時実施されて、増殖速度が判定された。OD測定は、SpectraMax Plus190(Molecular Devices)を使用して、TM3培地中で適切に希釈して、600nmでマイクロタイタープレート内で実施された。
IPTG誘導の2、3、および4時間後に、100μLのイソプレンサンプルが96ウェルガラスブロック内に収集された。ガラスブロックはアルミホイルで密封されて、ThermoMixer上で450rpmで振盪しながら34℃で30分間培養された。30分間後、ブロックを水浴中で2分間70℃に維持し、GC/MS内でイソプレンヘッドスペース測定を実施して、比生産性を判定した。
II.結果
actP欠失(MD1245)およびackA過剰発現(DW1245)細胞は、どちらも対照細胞と比較して、より高い二酸化炭素放出速度(CER)を示し、改善された呼吸速度を示す(図20A〜D)。どちらの細胞も対照と比較して、改善されたイソプレン力価および比生産性を示し、actP細胞は、イソプレン収率の改善を示した(図21A〜D)。これらの結果は、酢酸生産および/または酢酸循環周辺の改善を示し、イソプレン生産のいくつかの異なるパラメータに対する有益な効果を有する。理論により拘束されることなく、解糖およびホスホケトラーゼを通じて流動を最適化することで、この効果を達成することが可能である。
実施例10:ペントースリン酸経路調節株の構築
本実施例は、ペントースリン酸経路(PPP)の調節に関与する遺伝子の変異を含有する株の構築を記載する。
理論により拘束されることなく、ホスホケトラーゼ発現宿主における炭素流の均衡に重要なペントースリン酸経路の4つの遺伝子は、tktA、talB、rpe、およびrpiAであると考えられる。X5Pに向かう循環炭素を最大化することは、解糖、ペントースリン酸経路、およびホスホケトラーゼを介する流動間の配分を最適化し得る。以下に記載されるコンストラクトは、染色体中のyfiQ遺伝子座に、全ての4つの非酸化的ペントースリン酸遺伝子を組み込んで、過剰発現するようにデザインされた。このコンストラクトは、PPPを介した炭素の経路指示を改善する単なる一試行に相当し、これは、このコンストラクトの精密化は、より多くのプロモーター、ターミネーターの追加、遺伝子再配置などによって、ホスホケトラーゼを介した流動平衡を保つための最適発現レベルを判定するのを助ける可能性が非常に高い。
PfkAを調節することで、上で論じたPPPの4つの遺伝子の他に、ペントースリン酸経路の調節が達成され得る。理論により拘束されることなく、PfkAは、主要な侵入点を制御して解糖中のノードを調節すると考えられ、ホスホケトラーゼ(PKL)が適切に機能するためには、ホスホフルクトキナーゼの活性が低下されなくてはならない可能性が高い。これは、利用可能フルクトース−6−リン酸(F6P)を増大させ、別のホスホケトラーゼ基質であるキシルロース−5−リン酸(X5P)に向かう、ペントースリン酸を介する炭素流を駆動する。
I.tktA、talB、rpe、およびrpiA変異株の構築
PPP遺伝子は最適化されて、gBlocks二本鎖の遺伝子断片としてIDTから注文された。全ての4つの遺伝子は、pCR2.1ベクター(Life Technologies)にTOPOクローン化され、引き続くクローニングに先だって配列決定された。初期ベクターは、GI1.2またはGI1.6プロモーターおよび相同組換えのための側面に位置する部位を用いて、シームレスアセンブリー(Life Technologies)によって構築された。単一オペロン中に全ての4つのPPP遺伝子がある最終的なベクターもまた、シームレスクローニング(Life Technologies)によって構築された(図22)(配列番号111)。このプラスミドは、対立遺伝子交換のためにMD1205に形質転換されて、株はテトラサイクリン耐性によって単離された。非依存性株は、5%スクロース耐性によって選択され、適切なゲノム遺伝子座の挿入の存在は、PCRによって確認された。この細胞は、MD1280として冷凍された。MD1280は、pMCM1225およびpEWL1421で同時形質移入されて、MD1284が生成された。
Figure 0006744819
Figure 0006744819
II.pfkA変異株の構築
部分的機能性タンパク質分解タグが生成され、pfkAが下方制御された。WT BL21バックグラウンドでGeneBridgesリコンビニアリングを使用して(製造業者の推奨プロトコルに従って)、tmRNA中の最後のアミノ酸位置から3番目のランダム変異が、PfkAのC末端に融合された(図23)。次に変異体は、増殖プロファイラー中でTM3グルコース中の増殖についてスクリーニングされた。(図24)。最後の位置から3番目にイソロイシン(I)がある変異体は、天然アミノ酸ロイシン(L)と非常に類似する可能性が高い。したがってこれは、「WT」タグの高タンパク質分解速度のために、最も緩慢に増殖した。アルギニン(R)がある変異体はより軽微な効果を示し、スレオニン(T)は障害性が最も少なかった。これらの3つの変異株が選択され、R6K対立遺伝子交換方法を使用して、MD1205またはMD1280内に移動された。簡単に述べると、下に列挙されるプライマーから生成されるPCR断片は、シームレスクローニング反応(Life Technologies)においてtet−sac(TS)およびR6K断片と共に使用されて、対立遺伝子交換のためのプラスミドが得られる(配列番号112)。次にこれらのプラスミドは、テトラサイクリン耐性について選択することで、MD1205またはMD1280内に導入され、次に引き続く5%スクロース含有培地上への播種によって、逆選択された。pfkAに個別タンパク質分解タグの変異を保有する株は、PCRおよび配列決定によって同定された。pMCM1225およびpEWL1421は、標準分子生物学的技術を使用して各細胞に形質移入された。株の詳細については、表10−2を参照されたい。
Figure 0006744819
実施例11:イソプレン収率に対するペントースリン酸経路調節の効果
I.材料と方法
LB培地、酵母抽出物およびMgSO非含有TM3培地、10%酵母抽出物、1MのMgSO、50%グルコース、200mMのIPTG、50mg/mLスペクチノマイシン、50mg/mLカルベニシリン、アルミホイルシール、48ウェル滅菌5mLブロック、Breathe Easierシールメンブレン、アルミホイルシール、96ウェルマイクロタイタープレート、96ウェルガラスブロックは、Zinsser Analyticから購入されたAgilent 6890 GCには5973N質量分光計が装着された。
TM培地(MgSOおよび酵母抽出物非含有)、1%グルコース、8mMのMgSO、0.02%酵母抽出物、および適切な抗生物質を組み合わせることで、補足TM3培地を調製した。一晩培養物を補足TM3培地中に0.2光学濃度(OD)で接種することで、48ウェル滅菌ブロック内で2mLの1日培養を開始した。ブロックをBreathe Easierメンブレンで密封し、600rpmおよび34℃で、2時間培養した。2時間の増殖後、マイクロタイタープレート内でODが600nmで測定され、細胞は200μMのIPTGによって誘導された。OD読み取りはIPTG誘導後に4時間にわたり毎時実施されて、増殖速度が判定された。OD測定は、SpectraMax Plus190(Molecular Devices)を使用して、TM3培地中で適切に希釈して、600nmでマイクロタイタープレート内で実施された。
IPTG誘導の2、3、および4時間後に、100μLのイソプレンサンプルが96ウェルガラスブロック内に収集された。ガラスブロックはアルミホイルで密封されて、ThermoMixer上で450rpmで振盪しながら34℃で30分間培養された。30分間後、ブロックを水浴中で2分間70℃に維持し、GC/MS内でイソプレンヘッドスペース測定を実施して、比生産性を判定した。
II.結果
ペントースリン酸経路の上方制御とpfkAの下方制御の双方がある細胞は、流加条件下でアッセイされた。ペントースリン酸経路の上方制御のみがある細胞(MD1284)は、対照MD1207細胞と比較して良好に機能した(図25A〜Dおよび26A〜D)。PPP上方制御細胞は、対照よりも改善された増殖を示し、さらにより迅速な瞬間イソプレン/CO生産およびより高い収率を示した。したがって4つの非酸化的遺伝子の組み合わせを使用したペントースリン酸経路の上方制御は、イソプレン生産に有益である。これは、PKL(キシルロース−5−リン酸)のために利用可能な基質の増大に、または経路を通過する全体的流動に利益をもたらし得るペントースリン酸の中間体(グリセルアルデヒド−3−リン酸またはセドヘプツロース−7−リン酸など)のより効果的な均衡に、起因し得る。タンパク質分解タグによるpfkAの下方制御がある全ての細胞は、発育不良であり、性能が対照細胞に及ばなかった(図27A〜B)。これはおそらく、実施例10における増殖に対する幅広い効果にもかかわらず、全ての3つのタグに対する高すぎる分解速度のためであった。pfkAタグの追加的な変異は、増殖速度を改善させる可能性が高い一方で、解糖およびホスホケトラーゼ間の適切な流動配分をなおも駆動する。
実施例12:サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)標準およびアセチル化調節株の構築
本実施例は、標準株、および細胞内タンパク質アセチル化調節に関与する遺伝子の変異を含有する株の構築を記載する。本実施例はまた、メバロン酸経路およびイソプレンシンターゼを発現するサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)株内におけるイソプレン生産に対する、アセチルトランスフェラーゼ遺伝子欠失の効果の測定を記載する。
I.サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)におけるP.トレムロイデス(P.tremuloides)イソプレンシンターゼおよびホスホケトラーゼ経路の発現のためのコンストラクトを用いた標準株の構築
サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)コドン最適化P.トレムロイデス(P.tremuloides)イソプレンシンターゼおよびE.ガリナーラム(E.gallinarum)ホスホケトラーゼ遺伝子は、DNA2.0によって合成された。分子生物学的技術を使用して、遺伝子がPCR増幅され、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)2micronプラスミドまたは染色体への挿入に適するコンストラクトにクローン化された。次にコンストラクトは、以下の構造を有する:上流相同性−プロモーター−遺伝子−ターミネーター−マーカー−下流相同性)。酵母細胞は形質転換されて、形質転換体が選択された。いくつかのコロニーが選択されて、YPD培地(10g/Lの酵母抽出物、20g/Lのバクトペプトン、20g/Lのグルコース)に接種され培養される。DNAは培養物から単離されて、精製される。コンストラクトは、誤り耐性DNAポリメラーゼを用いてPCR増幅され、配列決定されて、DNA配列が修正されたことが確認される。さらに、いくつかの株では、1つまたは複数のMVA経路ポリペプチドが、同様に酵母宿主細胞で発現される。
II.サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)アセチルトランスフェラーゼ遺伝子の欠失を含有する標準株の構築
サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)アセチルトランスフェラーゼの欠失もまた含有する、上述されるような株が、を標準分子生物学プロトコル使用して生成される。
III.サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)組換え株におけるイソプレンの生産
上に記載されるイソプレンシンターゼ形質転換体の15および36時間培養物の1mlが、ヘッドスペースバイアルに移される。バイアルは密封されて、30℃で5時間培養される。ヘッドスペースガスが測定されて、イソプレンは上に記載される方法によって同定される。
実施例13:ペントースリン酸経路(PPP)または酢酸循環調節のどちらかに関与する遺伝子の変異をさらに含有するサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)アセチル化調節株の構築
本実施例は、ペントースリン酸経路(PPP)または酢酸循環の調節に関与する遺伝子の変異をさらに含有する、実施例12からの酵母株の構築を記載する。本実施例はまた、イソプレン生産に対するこれらの変異体の効果の測定も記載する。
I.1つまたは複数のサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)PPP遺伝子の過剰発現、または酢酸循環遺伝子の発現または過剰発現を含有する標準株の構築
上記実施例12作成される株(変異アセチル化タンパク質、イソプレンシンターゼ、ホスホケトラーゼおよびMVA経路ポリペプチドを含有する)は、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)PPP遺伝子の変異を含有する株を生成するようにさらに操作される。これらは、標準分子生物学プロトコルを使用して生成される。ホスホケトラーゼ発現宿主における炭素流均衡に関与する、酵母ペントースリン酸経路内のKL1、TAL1、RPE1、およびRKI1遺伝子が、酵母中の発現について最適化される。遺伝子は、標準分子生物学的技術を使用してクローン化されアセンブルされて、PPP経路の4つの活性の異なる量を発現する。これらのプラスミドは酵母細胞に変換されて、株が単離され冷凍される。独立した株は、PCRによって確認される。代案としては、またはそれに加えて、上記の実施例12で生成される株は、酢酸循環遺伝子の変異を含有するようにさらに操作される。コンストラクトの1つのセットは、大腸菌(E.coli)ホスホトランスアセチラーゼ (サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のためにコドン最適化されてDNA2.0によって合成された)を発現し、さらに別のシリーズは、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)アセチルCoAシンターゼの過剰発現ありまたはなしで、大腸菌(E.coli)酢酸キナーゼ(サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のためにコドン最適化されてDNA2.0によって合成された)を発現する。酢酸キナーゼおよびアセチルCoAシンターゼのためのさらなる遺伝子が、導入される。
II.サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)組換え株におけるイソプレンの生産
上に記載されるイソプレンシンターゼ形質転換体の15および36時間培養物の1mlが、ヘッドスペースバイアルに移される。バイアルは密封されて、30℃で5時間培養される。ヘッドスペースガスが測定されて、イソプレンは上に記載される方法によって同定される。
実施例14:トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)標準およびアセチル化調節株の構築
本実施例は、標準株、およびトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)における細胞内タンパク質アセチル化調節に関与する遺伝子の変異を含有する株の構築を記載する。本実施例はまた、メバロン酸経路およびイソプレンシンターゼを発現するトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)株内におけるイソプレン生産に対する、アセチルトランスフェラーゼ遺伝子欠失の効果の測定を記載する。
I.イソプレンシンターゼ、MVA経路、およびPKLを発現するトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)株の構築
トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)コドン最適化ウラジロハコヤナギ(P.alba)またはP.トレムロイデス(P.tremuloides)イソプレンシンターゼ、E.ガリナーラム(E.gallinarum)PKLおよびE.ガリナーラム(E.gallinarum)mvaEおよびmvaSareをコードする遺伝子は、DNA2.0.によって合成された。標準分子生物学的技術を使用して、ソホロース誘導性プロモーターの制御下にあるpTrex3gなどのベクターに、遺伝子がクローン化される。pyr2トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)プロトプラストは、上記コンストラクトの混合物で形質転換され、形質転換体は、ウリジン(uridine)が添加されたamdS選択プレート上で選択される。安定した形質転換体は、グルコース−ソホロース炭素源を含有する培地中で培養され、免疫ブロットによって、IspS、PKL、およびMVA経路タンパク質の発現についてスクリーニングされる。全てのタンパク質を発現する株は、イソプレン生産についてスクリーニングされる。胞子の製精およびさらなる操作のために、イソプレン生産株が選択される。
II.トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)アセチルトランスフェラーゼ遺伝子の欠失を含有する株の構築
標準分子生物学プロトコルを使用して、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)アセチルトランスフェラーゼの欠失を含有するイソプレン産生株が生成された。簡単に述べると、hph遺伝子側面に位置するloxPを含有するカセットが、標的アセチルトランスフェラーゼ遺伝子の内部または側面に位置する、2〜4kbの染色体DNAに挿入される。このカセットはT.リーゼイ(T.reesei)プロトプラストに形質転換されて、フォーゲルプレート上でハイグロマイシン耐性形質転換体が選択される。安定した形質転換体は、カセット挿入のためにPCRによってスクリーニングされて、標的遺伝子座の中断が確認され、引き続いて胞子が精製される。得られた株は、イソプレンを産生し、アセチルトランスフェラーゼ遺伝子が欠失していることが確認される。
III.Ptaを通じた酢酸循環のための株の構築
トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)コドン最適化大腸菌(E.coli)ptaをコードする遺伝子は、DNA2.0によって合成される。標準分子生物学的技術を使用して、遺伝子は、hph標識テロメアベクター上のcbh1からなどのソホロース誘導性プロモーターの制御下でクローン化される。このDNAを使用して、リジンアセチルトランスフェラーゼ遺伝子欠失ありまたはなしのイソプレン産生トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のプロトプラストが変換される。形質転換体は、ハイグロマイシンを含有するフォーゲルプレート上で選択される。
IV.T.リーゼイ(T.reesei)Acs1を通じた酢酸循環株の構築
トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)コドン最適化大腸菌(E.coli)ackAをコードする遺伝子は、DNA2.0によって合成される。標準分子生物学的技術を使用して、遺伝子は、hph標識テロメアベクター上のcbh1からなどのソホロース誘導性プロモーターの制御下でクローン化される。ソホロース誘導性プロモーターからのT.リーゼイ(T.reesei)acs1遺伝子の第2のカセット発現が、ベクターにクローン化される。このDNAを使用して、リジンアセチルトランスフェラーゼ遺伝子欠失ありまたはなしのイソプレン産生トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のプロトプラストが変換される。形質転換体は、ハイグロマイシンを含有するフォーゲルプレート上で選択される。
V.トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)の組換え株のイソプレンの生産
表11に示される株の培養物は、グルコース−ソホロースによって誘導され、15および36時間目に、各培養物から1mLがヘッドスペースバイアルに移される。バイアルは密封されて、32℃で5時間培養される。ヘッドスペースガスが測定されて、イソプレンは上に記載される方法によって同定される。ブロスは清澄化され、MVAはHPLCによって同定される。
Figure 0006744819

















配列
L.グレイ−(L.grayi)mvaE
Figure 0006744819
L.グレイ−(L.grayi)mvaS
Figure 0006744819
E.フェシウム(E.faecium)mvaE
Figure 0006744819
E.フェシウム(E.faecium)mvaS
Figure 0006744819
E.ガリナーラム(E.gallinarum)mvaE
Figure 0006744819
E.ガリナーラム(E.gallinarum)mvaS
Figure 0006744819
E.カセリフラブス(E.casseliflavus)mvaE
Figure 0006744819
E.カセリフラブス(E.casseliflavus)mvaS
Figure 0006744819
E.ガリナーラム(E.gallinarum)EG2(mvaE)
Figure 0006744819
E.ガリナーラム(E.gallinarum)EG2(mvaS)
Figure 0006744819


























L.グレイ−(L.grayi)(mvaE)
Figure 0006744819
L.グレイ−(L.grayi)(mvaS)
Figure 0006744819
E.フェシウム(E.faecium)(mvaE)
Figure 0006744819
E.フェシウム(E.faecium)(mvaS)
Figure 0006744819
E.カセリフラブス(E.casseliflavus)(mvaE)
Figure 0006744819
E.カセリフラブス(E.casseliflavus)(mvaS)
Figure 0006744819
アセトアセチル(Acetoacetyl)−CoA−シンターゼ
Figure 0006744819
E.ファエカリス(E.faecalis)mvaE
Figure 0006744819
E.ファエカリス(E.faecalis)mvaS
Figure 0006744819
E.ファエカリス(E.faecalis)(mvaE)
Figure 0006744819
E.ファエカリス(E.faecalis)(mvaS)
Figure 0006744819
MEAウラジロハコヤナギ(P.alba)イソプレンシンターゼ
Figure 0006744819
ispA
Figure 0006744819
MEAウラジロハコヤナギ(P.alba)イソプレンシンターゼ
Figure 0006744819
大腸菌(E.coli)のためにコドン最適化されたアモルファジエンシンターゼ
Figure 0006744819
大腸菌(E.coli)のためにコドン最適化されたファルネセンシンターゼ
Figure 0006744819
pMCM1225−pCL−Ptrc−Upper_GcMM_163(エンテロコッカス・ガリナルム(Enterococcus gallinarum)EG2)
Figure 0006744819
Figure 0006744819
マイコプラズマ・ホミニス(Mycoplasma hominis)ATCC23114からのホスホケトラーゼのアミノ酸配列
Figure 0006744819
マイコプラズマ・ホミニス(Mycoplasma hominis)ATCC23114からのホスホケトラーゼのコドン最適化されたDNA配列
Figure 0006744819
pMCS1019の配列
Figure 0006744819
Figure 0006744819
Figure 0006744819
プラスミドpMCS826のDNA配列
Figure 0006744819
Figure 0006744819
Figure 0006744819
MCS534
cgctaactgcataaaggaggtaaaaaaac 配列番号32
MCS535
gctggagaccgtttaaactttaactagacttta 配列番号33
oMCS536
taaagtctagttaaagtttaaacggtctccagc 配列番号34
MCS537
gtttttttacctcctttatgcagttagcg 配列番号35
MCS488
ttagcgttcaaacggcagaatcgg 配列番号36
MCS562
Figure 0006744819
MCS504
Figure 0006744819
MCS516
Figure 0006744819
MCS545
Figure 0006744819
MCM1033
AGGCTGCCTCGTCATCTCTT 配列番号41
MCM1035
CAGAATATCGCCACTCTGGG配列番号42
MCM1038
ACACGCTATCTGGCAGGAAA 配列番号43
MCM1039
TTTGACAACATCACAGTGCA 配列番号44
MCS580
aattaaccctcactaaagggcggc 配列番号45
MCS584
Figure 0006744819
MCM1042
Figure 0006744819
MCM1043
Figure 0006744819
MCM1046
Figure 0006744819
MCM1048
Figure 0006744819
サルモネラ・エンテリカ(Salmonella enterica)アセチルトランスフェラーゼgi|16503810|emb|CAD05835.1|
Figure 0006744819
ロドシュードモナス・パルストリス(Rhodopseudomonas palustris)GCN5ファミリーN−アセチルトランスフェラーゼ
Figure 0006744819
ストレプトミセス・リビダンス(Streptomyces lividans)タンパク質アセチルトランスフェラーゼEFD66247
Figure 0006744819
マイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis)アセチルトランスフェラーゼgi|15608138|ref|NP_215513.1|
Figure 0006744819
マイコバクテリウム・スメグマチス(Mycobacterium smegmatis)アセチルトランスフェラーゼgi|118468187|ref|YP_889697.1|
Figure 0006744819
サルモネラ・エンテリカ(Salmonella enterica)NAD依存性デアセチラーゼgi|16764576|ref|NP_460191.1|
Figure 0006744819
ロドシュードモナス・パルストリス(Rhodopseudomonas palustris)NAD依存性デアセチラーゼgi|499471434|ref|WP_011158074.1|
Figure 0006744819
マイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis)NAD依存性タンパク質デアシラーゼgi|614103494|sp|P9WGG3.1|NPD_MYCTU
Figure 0006744819
acsAUppKD3
Figure 0006744819
acsADnGI1.6pKD3R
Figure 0006744819
CMP534
gtgcaaattcacaactcagcgg 配列番号61
CMP535
caccaacgtatcgggcattgc 配列番号62
TSFor
tcctaatttttgttgacactctatcattg 配列番号63
TSRev
ccatcttgttgagaaataaaagaaaatgcca 配列番号64
actPUpFor
tttatttctcaacaagatgggcaggctatcgcgatgccatcgtaac 配列番号65
actPUpRev
ggagagattacatgatgcttgtacctcatgcagga 配列番号66
actPDownFor
aagcatcatgtaatctctccccttccccggtcgcctga 配列番号67
actPDownRev
agtgtcaacaaaaattaggacgtaaccaccatttactgtctgtgga 配列番号68
actPTestFor
ctggcgtagtcgagaagctgcttga 配列番号69
actPTestRev
gcatagcggaacatgaatttagagt 配列番号70
ackAUpFor
tttatttctcaacaagatggcggatcgagcatagtcatcatcttgtact 配列番号71
ackAUpGIRev
cggttgatttgtttagtggttgaattatttgctcaggatgtggcatngtcaagggcgaatttgacgactcaatgaatatgtact 配列番号72
ackADownGIFor
accactaaacaaatcaaccgcgtttcccggaggtaacctaaaggaggtaaaaaaacatgtcgagtaagttagtactggttctga 配列番号73
ackADownRev
agtgtcaacaaaaattaggagtacccatgaccagaccttccagc 配列番号74
ackAUpPLRev
Figure 0006744819
ackADownPLFor
Figure 0006744819
ackAEXTestFor
tgcaggcgacggtaacgttcagcat 配列番号77
ackAEXTestRev
gtggaagatgatcgccggatcgata 配列番号78
R6KTSRev
agtgtcaacaaaaattaggactgtcagccgttaagtgttcctgtgt 配列番号79
actPR6KFor
ggtggttacgcagttcaacctgttgatagtacgta 配列番号80
actPR6KRev
ggttgaactgcgtaaccaccatttactgtctgtgga 配列番号81
yfiQDOWNFor
TTTATTTCTCAACAAGATGGGGCCGATTAACATCATCCAGACGAT 配列番号82
yfiQDOWNGI1.6Rev
Figure 0006744819
yfiQDOWNGI1.2Rev
Figure 0006744819
yfiQUPGIFor
Figure 0006744819
yfiQUPRev
ACTATCAACAGGTTGAACTGCGCCGTTCGATAGCTGGCTGAACGA 配列番号86
yfiQTestFor
GCATCACGCAGCTCCTGGCGGAACA 配列番号87
yfiQTestRev
GCTGAACGTGAATTGAGCAGTCGCT 配列番号88
rpeR6KFor
Figure 0006744819
rpeR6KRev
Figure 0006744819
tktR6KFor
Figure 0006744819
tktR6KRev
Figure 0006744819
rpiR6KFor
Figure 0006744819
rpiR6KRev
Figure 0006744819
talR6KFor
Figure 0006744819
talR6KRev
GACCGGTTCATTACAGCAGGTCGCCGATCATTTTCTCCA 配列番号96
R6KPlasmidFor
CCTGCTGTAATGAACCGGTCTCCCGCAGAAGTGACCGAATGA 配列番号97
R6KPlasmidRev
Figure 0006744819
pfKAtmRNAXAAFor
Figure 0006744819
pfkAtmRNARev
Figure 0006744819
pfkAUPFor
TTTATTTCTCAACAAGATGGGTTATCGGCGGTGACGGTTCCTACAT 配列番号101
pfkAUPRev
Figure 0006744819
pfkADOWNRFor
Figure 0006744819
pfkADOWNIFor
Figure 0006744819
pfkADOWNTFor
Figure 0006744819
pfkADOWNRev
ACTATCAACAGGTTGAACTGCGGTGCGGAGTTATCCGGCAGACGT 配列番号106
pfkATestFor
CTGACATGATCAACCGTGGCGGTA 配列番号107
pfkATestRev
GATCGTTCCAGTCATGGATCTGCT 配列番号108
ackA過剰発現プラスミド
Figure 0006744819
Figure 0006744819
actP欠失プラスミド
Figure 0006744819
ペントースリン酸経路上方制御プラスミド
Figure 0006744819
Figure 0006744819
Figure 0006744819
pfkAtmRNA対立遺伝子交換ベクター
Figure 0006744819
Figure 0006744819
PL.6構成的プロモーター−λプロモーター、GenBankNC_001416
Figure 0006744819

Claims (21)

  1. イソプレンを産生できる組換え細胞であって、
    (i)YfiQポリペプチドをコードする核酸であって、前記細胞が前記YfiQポリペプチドの活性が前記YfiQポリペプチドをコードする核酸発現の低下、減衰、または欠失によって調節されるように修飾されている、核酸;
    (ii)MVA経路の1つまたは複数のポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸;および
    (iii)イソプレンシンターゼ活性を有するポリペプチドをコードする異種核酸
    を含んでなり、適切な培地中の前記組換え細胞の培養がイソプレンの生産を提供する、組換え細胞。
  2. イソプレノイド前駆体を産生できる組換え細胞であって、
    (i)YfiQポリペプチドをコードする核酸であって、前記細胞が前記YfiQポリペプチドの活性が前記YfiQポリペプチドをコードする核酸発現の低下、減衰、または欠失によって調節されるように修飾されている、核酸;および
    (ii)MVA経路の1つまたは複数のポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸
    を含んでなり、適切な培地中の前記組換え細胞の培養が前記イソプレノイド前駆体の生産を提供する、組換え細胞。
  3. イソプレノイドを産生できる組換え細胞であって、
    (i)YfiQポリペプチドをコードする核酸であって、前記細胞が前記YfiQポリペプチドの活性が前記YfiQポリペプチドをコードする核酸発現の低下、減衰、または欠失によって調節されるように修飾されている、核酸;
    (ii)MVA経路の1つまたは複数のポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸;および
    (iii)ポリプレニルピロリン酸シンターゼポリペプチドをコードする異種核酸
    を含んでなり、適切な培地中の前記組換え細胞の培養が前記イソプレノイドの生産を提供する、組換え細胞。
  4. 前記細胞が、
    (I)PatポリペプチドおよびAcuAポリペプチドからなる群から選択される1つまたは複数のアセチルトランスフェラーゼをコードする1つまたは複数の核酸であって、前記細胞が前記1つまたは複数のアセチルトランスフェラーゼの活性が前記1つまたは複数のアセチルトランスフェラーゼをコードする核酸発現の低下、減衰、または欠失によって調節されるように修飾されている、核酸
    をさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組換え細胞。
  5. 前記細胞が、
    (II)SrtNポリペプチドから選択されるデアセチラーゼをコードする核酸であって、前記細胞が前記SrtNポリペプチドの活性が前記SrtNポリペプチドをコードする核酸発現の増大によって調節されるように修飾されている、核酸
    をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組換え細胞。
  6. 前記イソプレンシンターゼ活性を有するポリペプチドが、クズ属(Pueraria)またはポプラ属(Populus)、またはウラジロハコヤナギ(Populus alba)×ヤマナラシ(Populus tremula)交配種に由来するポリペプチドである、請求項1、4および5のいずれか一項に記載の細胞。
  7. 前記MVA経路の1つまたは複数のポリペプチドが、(a)2分子のアセチルCoAを縮合してアセトアセチルCoAを形成する酵素;(b)アセトアセチルCoAとアセチルCoAを縮合してHMG−CoAを形成する酵素;(c)HMG−CoAをメバロン酸に変換する酵素;(d)メバロン酸をメバロン酸5−リン酸にリン酸化する酵素;(e)メバロン酸5−リン酸をメバロン酸5−ピロリン酸に変換する酵素;および(f)メバロン酸5−ピロリン酸をイソペンテニルピロリン酸に変換する酵素から選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組換え細胞。
  8. 前記組換え細胞が、
    (a)ホスホケトラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする1つまたは複数の異種核酸;
    (b)1つまたは複数の1−デオキシ−D−キシルロース−5−リン酸(DXP)経路ポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸;
    (c)1つまたは複数のペントースリン酸経路タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸であって、前記細胞が、ペントースリン酸経路タンパク質をコードする核酸の発現および/またはペントースリン酸経路タンパク質の活性が調節されるように修飾されており、かつ前記ペントースリン酸経路タンパク質が、トランスケトラーゼ(tktA)、トランスアルドラーゼ(talB)、リブロース−5−リン酸−エピメラーゼ(rpe)、リボース−5−リン酸エピメラーゼ(rpiA)およびホスホフルクトキナーゼ(pfkA)からなる群から任意的に選択される、1つまたは複数の核酸;
    (d)1つまたは複数の酢酸循環タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸であって、前記細胞が、酢酸循環タンパク質をコードする核酸の発現、および/または酢酸循環タンパク質の活性が調節されるように修飾されており、かつ前記酢酸循環タンパク質が、アセチル補酵素Aシンセターゼ(acs)、酢酸キナーゼ(ackA)、およびホスホトランスアセチラーゼ(pta)からなる群から任意的に選択される、1つまたは複数の核酸; および
    (e)sfcA、maeB、pdhR、aceE、aceF、lpdA、glta、acs、pta、ackA、actP、pfkA、rpe、rpiA、tkta、talB、pgl、edd、およびedaからなる群から選択される1つまたは複数のタンパク質をコードする1つまたは複数の核酸であって、前記細胞が核酸の発現および/またはタンパク質の活性が調節されるように修飾されている、1つまたは複数の核酸
    のうちの1つまたは複数をさらに含んでなる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の細胞。
  9. 1つまたは複数のアセチル化タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸、MVA経路の1つまたは複数のポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸、イソプレンシンターゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸、ポリプレニルピロリン酸シンターゼポリペプチドをコードする核酸、ホスホケトラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸、1つまたは複数のペントースリン酸経路タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸、1つまたは複数の酢酸循環タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸、または請求項8(e)に記載の1つまたは複数のタンパク質をコードする1つまたは複数の核酸が、
    (a)誘導性プロモーターまたは構成的プロモーター下に置かれる;
    (b)1つまたは複数のマルチコピープラスミドにクローニングされる;または
    (c)前記細胞の染色体に組み込まれる、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の組換え細胞。
  10. 前記組換え細胞が、グラム陽性細菌細胞、グラム陰性細菌細胞、真菌細胞、糸状菌細胞、藻類細胞または酵母細胞である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組換え細胞。
  11. 前記イソプレン生産が、アセチル化タンパク質をコードする核酸の発現および/またはアセチル化タンパク質の活性が調節されるように修飾されていない組換え細胞と比較して増大される、請求項1および4〜10のいずれか一項に記載の組換え細胞。
  12. 前記イソプレン生産の増大が、(i)力価、(ii)瞬間収率、(iii)累積収率、(iv)イソプレン対二酸化炭素比、(v)比生産性、または(vi)細胞生産性指数の増大を含んでなる、イソプレン生産が少なくとも5%増大される、請求項11に記載の組換え細胞。
  13. (a)請求項1および4〜12のいずれか一項に記載の組換え細胞をイソプレンの生成に適した条件下で培養するステップと、(b)イソプレンを生産するステップと、任意的にさらに(c)イソプレンを回収するステップとを含んでなる、イソプレンを生産する方法。
  14. 前記イソプレノイド前駆体が、メバロン酸(MVA)、ジメチルアリル二リン酸(DMAPP)、およびイソペンテニルピロリン酸(IPP)からなる群から選択される、請求項2、4、5および7〜10のいずれか一項に記載の細胞。
  15. 前記イソプレノイド前駆体の生産が、アセチル化タンパク質をコードする核酸の発現および/またはアセチル化タンパク質の活性が調節されるように修飾されていない組換え細胞と比較して増大される、請求項2、4、5、7〜10および14のいずれか一項に記載の組換え細胞。
  16. 前記イソプレノイド前駆体の生産の増大が、(i)力価、(ii)瞬間収率、(iii)累積収率、(iv)比生産性、または(v)細胞生産性指数の増大を含んでなる、イソプレノイド前駆体の生産が少なくとも5%増大される、請求項15に記載の組換え細胞。
  17. (a)請求項2、4、5、7〜10および14〜16のいずれか一項に記載の組換え細胞を、イソプレノイド前駆体の生成に適した条件下で培養するステップと、(b)イソプレノイド前駆体を生産するステップと、さらに任意的に(c)イソプレノイド前駆体を回収するステップとを含んでなる、イソプレノイド前駆体を生産する方法。
  18. 前記イソプレノイドが、アビエタジエン、アモルファジエン、カレン、α−ファルネセン、β−ファルネセン、ファルネソール、ゲラニオール、ゲラニルゲラニオール、リナロール、リモネン、ミルセン、ネロリドール、オシメン、パトコウロール、β−ピネン、サビネン、γ−テルピネン、テルピネン、およびバレンセンからなる群から選択される、請求項3〜5および7〜10のいずれか一項に記載の組換え細胞。
  19. 前記イソプレノイドの生産が、アセチル化タンパク質をコードする核酸の発現および/またはアセチル化タンパク質の活性が調節されるように修飾されていない組換え細胞と比較して増大される、請求項3〜5、7〜10および18のいずれか一項に記載の組換え細胞。
  20. 前記イソプレノイド生産の増大が、(i)力価、(ii)瞬間収率、(iii)累積収率、(iv)比生産性、または(v)細胞生産性指数の増大を含んでなる、イソプレノイド生産が少なくとも5%増大される、請求項19に記載の組換え細胞。
  21. (a)請求項3〜5、7〜10および18〜20のいずれか一項に記載の組換え細胞を、イソプレノイドの生成に適した条件下で培養するステップと、(b)イソプレノイドを生産するステップと、さらに任意的に(c)イソプレノイドを回収するステップとを含んでなる、イソプレノイドを生産する方法。
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