JP4589083B2 - 電子部品の製造方法及び電子部品 - Google Patents

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Description

本発明は、抵抗器、各種センサ、高電流を高精度で検出する電流検出用抵抗器等の製造に用いて好適な電子部品の製造方法、及び該製造方法を用いて製造した各種抵抗器、歪センサ、熱センサ等の各種センサなどの電子部品に関する。
従来から、抵抗合金からなる抵抗体の両端に電極を配設した構造の金属板抵抗器は、ミリオーム(mΩ)オーダの低抵抗値を精度良く形成でき、且つ放熱性が良好で電流容量が大きくとれるため、電流検出用抵抗器として広く用いられている。
このような電流検出用抵抗器に用いる抵抗体材料としては、例えば、銅ニッケル系合金、ニクロム系合金、鉄クロム系合金、マンガニン系合金等の抵抗合金が広く用いられている。そして、このような電流検出用抵抗器は、上記抵抗合金材料の抵抗体用板材から抵抗体を切り出し、その両端部に銅等の高導電率の金属板材を接合して電極としたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、これらの抵抗体の両端部に、めっき電極を形成した電流検出用抵抗器も広く知られている。
特開2002−184601号公報
しかしながら、電流検出用抵抗器の抵抗体として用いられる抵抗合金板材は、例えば銅ニッケル系合金の場合、銅(Cu)とニッケル(Ni)等の複数の金属元素が合金化された材料であり、その特性は主として組成により決定される。このため熱処理などにより例えば抵抗温度係数などの特性を操作することは非常に困難である。よって、ある特性を求める場合には、組成を操作することが要求されるが、組成を操作することは、大量の金属を溶解して合金を作り、その特性を評価する必要があり、時間やコストがかかり、実施が困難であるという問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みて為されたもので、熱処理条件のみで、抵抗温度係数(TCR)等の特性を操作することができ、これにより電流検出用抵抗器等として好ましい特性を有する抵抗体用板材を製造することができる電子部品の製造方法、及び該板材を用いた電子部品を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の電子部品用板材の製造方法は、銅の板材もしくは箔材を、銅ニッケル合金の板材もしくは箔材によって上下からサンドイッチ状に挟んで積層し、熱処理することによって、前記銅の板材もしくは箔材と前記銅ニッケル合金の板材もしくは箔材との間で銅原子とニッケル原子とが相互に拡散した接合状態とすることにより形成される複層板材からなる電子部品用板材の製造方法であって、前記熱処理することによって、前記銅の板材もしくは箔材による銅層において銅原子とニッケル原子とが固溶した状態となり、前記銅ニッケル合金の板材もしくは箔材と、銅の板材もしくは箔材と、銅ニッケル合金の板材もしくは箔材との厚さの比を、
3:1:3 乃至 1000:1:1000
としたことを特徴とするものである。
また、本発明の電子部品の製造方法は、銅の板材もしくは箔材を、銅ニッケル合金の板材もしくは箔材によって上下からサンドイッチ状に挟んで積層し、熱処理することによって、前記銅の板材もしくは箔材と前記銅ニッケル合金の板材もしくは箔材との間で銅原子とニッケル原子とが相互に拡散した接合状態とすることにより形成される複層板材であって、前記熱処理することによって、前記銅の板材もしくは箔材による銅層において銅原子とニッケル原子とが固溶した状態となり、前記銅ニッケル合金の板材もしくは箔材と、銅の板材もしくは箔材と、銅ニッケル合金の板材もしくは箔材との厚さの比を、
3:1:3 乃至 1000:1:1000
とした前記複層板材を準備し、該複層板材に一対の電極を形成することを特徴とするものである。
本発明によれば、銅の薄い板材もしくは箔材の両面に銅ニッケル合金の板材もしくは箔材をサンドイッチ状に配置し、熱処理することで固溶状態(特に、その界面を目視できない固溶状態)として接合することで、中央の銅の薄い板材もしくは箔材のニッケル濃度を調整することができる。これにより、抵抗用合金の組成を操作することなく、抵抗体用板材の製造工程における熱処理条件のみで、抵抗温度係数などの特性の操作が可能となる。よって、例えば抵抗温度係数(TCR)が実質的にゼロの理想的な特性を有する電子部品を提供できる。これにより、要求される特性に合った抵抗合金材料の入手が困難な場合にも、所要の特性を有する電子部品を迅速に提供することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。なお、各図中、同一の作用または機能を有する部材または要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
本発明の電子部品の代表例として、電流検出用抵抗器に用いる抵抗体用板材もしくは箔材の製造方法の一例について、図1を参照して説明する。まず、図1(a)に示すように、厚さ20〜100μmの銅箔(純銅の板材)11bと、アーク溶解炉で作成した厚さ100〜200μmの銅ニッケル合金の板材もしくは箔材11aを準備する。なお、以下の説明では、板材もしくは箔材を単に板材という。
そして、銅の板材11bを、銅ニッケル合金の板材11a,11aでサンドイッチ状に挟み込むように配置し、セラミックシート15,15を介してステンレス板16,16により挟み込むように押圧しつつ真空雰囲気下で熱処理する。
一般に知られている金属板材の抵抗値は、温度が上昇するにつれて、結晶の格子振動が大きくなり、抵抗値が大きくなる。この現象を正の抵抗温度係数(p−TCR:positive-temperature coefficient of resistivity)を有するという。また、それとは逆に、温度が上昇すると抵抗値が減少していく現象を負の抵抗温度係数(n−TCR)を有するという。純銅からなる銅の板材の場合は、例えば4000ppm/K程度の高い正の抵抗温度係数(p−TCR)を有する。これに対して、銅ニッケル合金の場合は、負の抵抗温度係数(n−TCR)を有する材料の入手が可能である。
そこで、正の抵抗温度係数(p−TCR)を有する銅の板材11bと、負の抵抗温度係数(n−TCR)を有する銅ニッケル合金の板材11aとを組み合わせ、熱処理により拡散接合を形成することで、熱処理温度及び熱処理時間の制御により、サンドイッチ状に挟まれた銅の薄い板材11bに好ましい銅とニッケルの濃度分布を形成することができる。すなわち、銅ニッケル合金は全率固溶型の合金であり、全率固溶型の合金とは、同種金属のように完全に銅原子とニッケル原子とが混合しあう状態の合金である。サンドイッチ状に挟まれた銅の薄い板材11bに好ましい銅とニッケルの濃度分布を制御可能とすることで、全体としての好ましい抵抗温度係数(TCR)の制御性が得られる。
図1(b)は、熱処理前の銅の薄い板材11bの両面に銅ニッケル合金の板材11a,11aをサンドイッチ状に配置した状態を示し、図1(c)は、その熱処理後の状態を示す。なお、図1(d)(e)に示すように、銅ニッケル合金の板材11aと、薄い銅の板材11bとを交互に積層し、前記銅の板材11bを少なくとも2層含み、両側(表面側および裏面側)は銅ニッケル合金の板材11aとしてもよい。熱処理は、真空度10−4Paの真空雰囲気下で行い、熱処理温度973K〜1273Kで、1〜4時間行い、後述する種々のサンプルを作成し、そのデータを取得した。
この熱処理で、銅の板材11bと銅ニッケル合金の板材11a,11aとの界面では、銅原子とニッケル原子とが相互に拡散し、拡散接合状態が形成される。特に、1173K以上の高温で熱処理することで、サンドイッチ状に挟まれた銅層では銅原子とニッケル原子とが全率固溶した状態となり、界面が目視できない状態となっている。ここで、熱処理温度は、1123K乃至1273Kの範囲で行うことが固溶状態を形成するうえで好ましい。また、サンドイッチ状に銅ニッケル合金層に挟まれた銅層に拡散によりニッケル原子が入り込み固溶した状態が形成されるので、銅の板材11bの厚さは薄いことが好ましく、銅ニッケル合金の板材11aと、銅の板材11bと、銅ニッケル合金の板材11aとの厚さの比が、3:1:3 乃至 1000:1:1000であることが好ましい。
さらに、拡散接合させた複層板材11を、例えば二段式圧延機で30〜60μm厚まで圧延して、電流検出用抵抗器の抵抗体として用いる板材が形成される。そして、この板材を、3.0mm×50mmに切り出してサンプルを作成し、以下のデータを取得した。
作成したサンプルを四端子法で電気抵抗及び抵抗温度係数(TCR)を測定した。抵抗温度係数(TCR)の測定は、オイルバスを用いて、293K〜433Kの温度範囲で抵抗値の計測を行い、抵抗温度係数(TCR)を算定した。抵抗温度係数(TCR)の算定は、下記の式による。
Figure 0004589083
但し、R:T(K)における抵抗実測値(Ω)
:T(K)における抵抗実測値(Ω)
T:試験温度の実測値(K)
:基準温度の実測値(K)
表1は、抵抗温度係数(TCR)に及ぼす層厚比と熱処理温度の関係について示す。このデータは、銅ニッケル合金層/銅層/銅ニッケル合金層の層厚比を、
1:1:1、
5:1:5、
10:1:10、
として、熱処理温度を変えてサンプルを作成し、抵抗温度係数(TCR)を測定したものである。なお、熱処理時間はすべて1時間としている。
Figure 0004589083
表1より熱処理温度が1173K以上では、銅ニッケル合金層/銅層/銅ニッケル合金層の層厚比が5:1:5以上の時に、抵抗温度係数(TCR)が大きく変化していることが分かる。
表1から、銅ニッケル合金層/銅層/銅ニッケル合金層の層厚比を、
5:1:5
としたものは、熱処理温度が低い場合には銅層の影響で抵抗温度係数(TCR)が高いが、1173K以上の熱処理温度で急激に抵抗温度係数(TCR)が低下することが分かる。
同様に、銅ニッケル合金層/銅層/銅ニッケル合金層の層厚比を、
10:1:10
としたものも、1173K以上の熱処理温度で急激に抵抗温度係数(TCR)が低下することが分かる。
表2は、抵抗温度係数(TCR)に及ぼす層厚比と熱処理時間の関係について示す。このデータは、銅ニッケル合金層、銅層、銅ニッケル合金層の層厚比を、
1:1:1、
5:1:5、
10:1:10、
として、熱処理時間を変えてサンプルを作成し、抵抗温度係数(TCR)を測定したものである。なお、熱処理温度はすべて1173Kとしている。
Figure 0004589083
表2より、銅ニッケル合金層/銅層/銅ニッケル合金層の層厚比が5:1:5のときの熱処理時間が1時間のとき、その抵抗温度係数(TCR)値は27で、正の抵抗温度係数(TCR)を示したのに反して、2時間、4時間熱処理のサンプルでは、その抵抗温度係数(TCR)値は、各々−84と−100といった負の抵抗温度係数(TCR)値を示した。
すなわち、表2から、銅ニッケル合金層/銅層/銅ニッケル合金層の層厚比を、
5:1:5
として、1173Kで熱処理したものは、熱処理時間の経過と共に、抵抗温度係数(TCR)が低下していくことが分かる。これにより、例えば理想的な抵抗温度係数(TCR)がゼロの抵抗器を得ることも、熱処理時間の調整により可能となる。
次に、銅ニッケル合金層/銅層/銅ニッケル合金層の層厚比が
5:1:5
であるときの熱処理時間と電気抵抗値(すなわち、体積抵抗率)の温度依存性の関係を図2に示す。この図から、熱処理1時間のサンプルの体積抵抗率の温度変化が最も小さな値を示した。熱処理2時間のサンプルと熱処理4時間のサンプルの体積抵抗率の温度変化は大幅に大きくなる。また、熱処理1時間のサンプル以外は、負の抵抗温度係数(TCR)を示しており、表2の結果とも連動していることがわかる。
次に、銅ニッケル合金層にサンドイッチ状に挟まれた銅層の付近におけるニッケルの濃度分布について検討する。銅ニッケル合金層/銅層/銅ニッケル合金層の層厚比が5:1:5で、熱処理温度1173Kで熱処理したサンプルをエネルギー分散型X線分析装置(EDX)で測定した界面付近の濃度分布を図3に示す。
横軸の距離0μmは、銅層の中央位置を示し、横軸の距離は、銅層の両側に左右対称に銅ニッケル合金層が配置された部分における、上記中央位置からの距離を示している。この例の場合、銅層の厚みは、10〜12μm程度である。縦軸はニッケル濃度分布を示し、銅層と銅ニッケル合金層の界面は完全に消滅していて、ニッケル濃度が程度の差はあれ、連続的に分布していることが示されている。図中の黒四角は1時間熱処理を示し、銅層の中央付近では、ニッケル濃度が低いことが示されている。図中の黒丸は2時間熱処理を示し、三角は4時間熱処理を示し、銅層の中央付近では、それぞれニッケル濃度分布が銅ニッケル合金層の濃度分布に近くなっていることが示されている。
その結果、熱処理1時間のサンプルと熱処理2時間のサンプルを比較すると、大きな変化が得られたが、熱処理2時間のサンプルと熱処理4時間のサンプルを比較すると、あまり大きな変化は得られなかった。なお、銅とニッケルはともに面心立方(fcc)構造をとり、格子定数もほぼ等しいために全率固溶する。そのため、上記サンプルの界面は走査型電子顕微鏡(SEM)観察では目視されなかった。
電流検出用抵抗器の抵抗体材料としては、体積抵抗率が低いこと、抵抗温度係数(TCR)が小さいこと、耐熱性に優れ、酸化し難いこと、機械的に強く、加工が容易なこと、溶接、はんだ付けが容易なこと、安価であること等が要求される。少なくとも、銅ニッケル合金層/銅層/銅ニッケル合金層の層厚比が5:1:5で、1173Kで熱処理(拡散接合)を行ったサンプルでは、熱処理時間により、+27ppm/Kから−51ppm/Kに抵抗温度係数(TCR)の調整が可能であることが確認されている。
従って、熱処理温度及び時間を調整することで、抵抗値の温度依存性をまったく有さない、抵抗温度係数(TCR)値がゼロの理想的な抵抗器も製作が可能である。また、銅ニッケル合金層/銅層/銅ニッケル合金層の材料は、体積抵抗率が低く、耐熱性に優れ、酸化し難いこと、機械的に強く、加工が容易なこと、溶接、はんだ付けが容易なこと、安価であること等の要求も満足するものであり、電流検出用抵抗器の抵抗体材料として極めて好ましいものと言える。
図4は、本発明の抵抗体用板材を用いた電流検出用抵抗器の一例を示す。この電流検出用抵抗器10は、矩形板体状の抵抗体11の両端に、銅等の高導電性材料からなる電極12,13が配設されている。一対の電極12,13の表面には、例えば溶融はんだ層を備え、実装時に実装基板のランドパターンへのはんだ付け性を良好なものとすることが好ましい。なお、図示はしないが抵抗体11の底面側には、電極12,13の間に抵抗体11の裏面側を被覆する絶縁層を設けることが好ましく、また、抵抗体11の表面側を被覆する絶縁層を設けることが好ましい。
なお、上記実施形態では、銅ニッケル合金板が銅板を挟み込むようにサンドイッチ状に配置された例について示したが、銅ニッケル合金層/銅層/銅ニッケル合金層/銅層/銅ニッケル合金層と、銅ニッケル合金層/銅層/銅ニッケル合金層のサンドイッチ層を複数層配置するようにしてもよい。これにより、所要の抵抗温度係数(TCR)を確保しつつ、抵抗体の全体の厚さを調整することができ、所要の抵抗値を得ることができる。
図5は、本発明の抵抗体用板材を用いた電流検出用抵抗器の他の一例を示す。この電流検出用抵抗器10は、抵抗体として、銅ニッケル合金の板材11aと、薄い銅の板材11bとを交互に積層し、前記銅の板材11bを少なくとも2層含み、両側(表面側及び裏面側)の板材は銅ニッケル合金であり、熱処理することで、固溶状態として接合した板材11を用いたものである。
銅の薄い板材11bの両面に銅ニッケル合金の板材11aをサンドイッチ状に配置し、熱処理することで、銅の薄い板材11bにニッケルを固溶状態として接合した板材11である点は、図4に示す抵抗器と同様である。
このような電流検出用抵抗器10は、例えば、数mΩ以下の低抵抗値を有するとともに、1〜数W程度の電力容量を持たせることができる。そして、例えば、5.0mm×2.5mm(2H)形、3.2mm×1.6mm(2B)形等の標準チップ部品の外形寸法を有することが、標準化の観点から好ましい。
ここで、抵抗体11は、正の抵抗温度係数(TCR)を有する銅の板材11bの両面に負の抵抗温度係数(TCR)を有する銅ニッケル合金の板材11a,11aをサンドイッチ状に接合した板材である。そのサンドイッチ状に挟まれた薄い銅の板材11bでは、高温で熱処理することで、銅原子とニッケル原子とが相互に固溶し、ニッケル濃度分布が熱処理条件により調整可能となる。
また、抵抗体11は、前記銅ニッケル合金の板材と、銅の板材と、銅ニッケル合金の板材との厚さの比が、3:1:3乃至1000:1:1000の範囲であることが好ましく、また、前記銅の板材が、2%乃至25%であり、前記銅ニッケル合金の板材がそれぞれ37.5%乃至49%の範囲であることが好ましい。そして、熱処理は、1123K乃至1273Kで行うことが好ましい。これにより、上述したように抵抗温度係数(TCR)の良好な制御性が得られる。
なお、上記実施形態では、電極として、銅等の高導電性材料を接合した例を示したが、めっき電極としてもよいことは勿論である。また、電流検出用抵抗器の例について説明したが、各種抵抗器、歪センサ、熱センサ等の各種センサなどにも同様に適用できることも勿論である。
なお、これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
本発明の一実施形態の抵抗体用板材の製造工程を示す図である。 熱処理時間と電気抵抗値の温度依存性の関係を示すグラフである。 ニッケルの界面付近における濃度分布を示すグラフである。 上記抵抗体用板材を用いた電流検出用抵抗器の一例を示す斜視図である。 上記抵抗体用板材を用いた電流検出用抵抗器の他の一例を示す斜視図である。
符号の説明
10 電流検出用抵抗器
11 抵抗体
11a 銅ニッケル合金の板材(銅ニッケル合金層)
11b 銅の板材(銅層)
12,13 電極
15 セラミックシート
16 ステンレス板

Claims (8)

  1. 銅の板材もしくは箔材を、銅ニッケル合金の板材もしくは箔材によって上下からサンドイッチ状に挟んで積層し、熱処理することによって、前記銅の板材もしくは箔材と前記銅ニッケル合金の板材もしくは箔材との間で銅原子とニッケル原子とが相互に拡散した接合状態とすることにより形成される複層板材からなる電子部品用板材の製造方法であって、
    前記熱処理することによって、前記銅の板材もしくは箔材による銅層において銅原子とニッケル原子とが固溶した状態となり、
    前記銅ニッケル合金の板材もしくは箔材と、銅の板材もしくは箔材と、銅ニッケル合金の板材もしくは箔材との厚さの比を、
    3:1:3 乃至 1000:1:1000
    としたことを特徴とする電子部品用板材の製造方法。
  2. 前記銅ニッケル合金の板材もしくは箔材と、前記銅の板材もしくは箔材と、前記銅ニッケル合金の板材もしくは箔材との厚さの比を、5:1:5、としたことを特徴とする請求項1に記載の電子部品用板材の製造方法。
  3. 前記複層板材を圧延することを特徴とする請求項1に記載の電子部品用板材の製造方法。
  4. 前記電子部品用板材は抵抗体材料であり、前記電子部品は前記抵抗体材料を用いた抵抗器であることを特徴とする請求項1に記載の電子部品用板材の製造方法。
  5. 銅の板材もしくは箔材を、銅ニッケル合金の板材もしくは箔材によって上下からサンドイッチ状に挟んで積層し、熱処理することによって、前記銅の板材もしくは箔材と前記銅ニッケル合金の板材もしくは箔材との間で銅原子とニッケル原子とが相互に拡散した接合状態とすることにより形成される複層板材であって、
    前記熱処理することによって、前記銅の板材もしくは箔材による銅層において銅原子とニッケル原子とが固溶した状態となり、
    前記銅ニッケル合金の板材もしくは箔材と、銅の板材もしくは箔材と、銅ニッケル合金の板材もしくは箔材との厚さの比を、
    3:1:3 乃至 1000:1:1000
    とした前記複層板材を準備し、
    該複層板材に一対の電極を形成することを特徴とする電子部品の製造方法。
  6. 前記銅ニッケル合金の板材もしくは箔材と、前記銅の板材もしくは箔材と、前記銅ニッケル合金の板材もしくは箔材との厚さの比を、5:1:5、とした前記複層板材を用いることを特徴とする請求項5に記載の電子部品の製造方法。
  7. 前記複層板材を圧延することを特徴とする請求項5に記載の電子部品の製造方法。
  8. 前記複層板材は抵抗体材料であり、前記電子部品は前記抵抗体材料を用いた抵抗器であることを特徴とする請求項5に記載の電子部品の製造方法
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