JP2009252828A - 金属板抵抗器およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】既存の抵抗合金材料を用いることなく、比較的低コストで入手可能な金属材料を用いて、任意の固有抵抗値の抵抗体を形成することができる、低コストで高性能の金属板抵抗器を提供する。
【解決手段】第1金属の薄層11aと第2金属の薄層11bとを交互に多数積層して、熱処理により形成した積層抵抗体11と、積層抵抗体の両端部に固定した電極12,12とを備え、第1金属と第2金属とは相互に拡散し難い金属材料の組み合わせであり、積層抵抗体において、第1金属の薄層11aと第2金属の薄層11bとは合金化せず、それぞれの金属材料としての性質を維持している。
【選択図】図1
【解決手段】第1金属の薄層11aと第2金属の薄層11bとを交互に多数積層して、熱処理により形成した積層抵抗体11と、積層抵抗体の両端部に固定した電極12,12とを備え、第1金属と第2金属とは相互に拡散し難い金属材料の組み合わせであり、積層抵抗体において、第1金属の薄層11aと第2金属の薄層11bとは合金化せず、それぞれの金属材料としての性質を維持している。
【選択図】図1
Description
本発明は、電流測定用に回路に挿入して用いる電流検出用抵抗器に係り、特に抵抗体として金属板を用いた金属板抵抗器の構造および製造方法に関する。
従来より、抵抗合金板を用いた抵抗体の両端に、銅等の電極を配設した金属板抵抗器は、放熱性が良好で電流容量が大きくとれ、且つ高精度の抵抗値と良好な抵抗温度係数(TCR)が得られるため、電流検出用抵抗器として広く用いられている。抵抗合金板の材料としては、例えば、銅ニッケル系合金、ニクロム系合金、鉄クロム系合金、マンガニン系合金等が用いられ、板体状の上記材料の抵抗体両端部に、銅等の高導電率の金属板体を溶接またはクラッド接合により接合して電極としたものが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。また、これらの抵抗合金材料からなる抵抗体の両端部にめっき電極を形成することも一般に行われている。
しかしながら、上記抵抗合金材料は、固有抵抗値や抵抗温度係数(TCR)が合金組成に対応して決まっており、金属板抵抗器の設計上の自由度を制限するという問題がある。そこで、本発明者等は、熱処理のみで、抵抗温度係数(TCR)や熱起電力の操作が可能なCuの薄層とNiの薄層とを積層して、熱処理を行い圧延することで合金化した抵抗用積層合金について提案している(特許文献3,4参照)。しかしながら、金属板抵抗器の設計上の自由度という点で十分ではなく、例えば、或るサイズで或る抵抗値の金属板抵抗器が要求された場合に、対応する固有抵抗値を有する抵抗合金材料の入手が難しい場合がある。
特開平6−224014号公報
特開2000−114009号公報
特開2005−286167号公報
特開2006−140296号公報
さらに、近年、資源の枯渇問題などから金属材料および抵抗合金材料のコストが高騰しており、安価な抵抗合金材料を用いて、低コストで高性能の金属板抵抗器を製作することが難しい状況にある。
本発明は、上述した事情に基づいて為されたもので、既存の抵抗合金材料を用いることなく、比較的低コストで入手可能な金属材料を用いて、任意の固有抵抗値の抵抗体を形成することができる、低コストで高性能の金属板抵抗器およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の金属板抵抗器は、第1金属と第2金属とを交互に多数積層した積層抵抗体と、積層抵抗体の両端部に固定した電極とを備え、第1金属と第2金属とは相互に拡散し難い金属材料の組み合わせであり、積層抵抗体において、第1金属と第2金属とは合金化していないことを特徴とするものである。
また、本発明の金属板抵抗器の製造方法は、第1金属の箔と、第1金属の箔に対して厚み比nの第2金属の箔とを交互に多数積層して、熱処理および圧延により積層抵抗体を形成し、積層抵抗体の両端部に電極を固定し、第1金属と第2金属とは相互に拡散し難い金属材料の組み合わせであり、積層抵抗体において、第1金属と第2金属とは合金化せず、厚み比nを調整することで、第1金属の抵抗率と第2金属の抵抗率との間で、積層抵抗体の合成固有抵抗値を形成することを特徴とするものである。
また、本発明の金属板抵抗器の製造方法は、第1金属の箔と第2金属の箔とを交互に積層して積層体を形成し、前記積層体を熱処理し、圧延し、さらに、積層、熱処理、圧延を繰り返すことで、原材料である第1金属の箔と第2金属の箔とが薄く積重ねられた積層体を形成し、前記積層体を積層した方向に切断することで、電流の流れる方向に第1金属と第2金属とを交互に直列に積層した積層抵抗体を形成し、該積層抵抗体の両端部に電極を固定することを特徴とするものである。
本発明によれば、第1金属の箔と第2金属の箔とを交互に多数積層して抵抗体を形成するので、第1金属の抵抗率と第2金属の抵抗率との間で、積層抵抗体の合成固有抵抗値を任意に形成することができる。これにより、或るサイズで或る抵抗値の金属板抵抗器が要求された場合に、対応する固有抵抗値を有する積層抵抗体を容易に得ることができ、設計の自由度が向上する。また、第1金属と第2金属とを交互に、電流の流れる方向に並列に積層した積層抵抗体では、合成抵抗温度係数(TCR)が第1金属および第2金属自体のTCRに対して低減することができる。
また、第1金属と第2金属とを交互に、電流の流れる方向に直列に積層した積層抵抗体では、10000層以下の積層では、合成固有抵抗値が第1金属および第2金属自体の抵抗率に対して10-30倍とすることができ、合成TCRは第1金属および第2金属自体のTCRを維持し、10000層以上の積層では、合成固有抵抗値は30倍以上、合成TCRは半分程度以下に低減できる。
そして、高価な抵抗合金材料が不要で、安価な金属材料から積層抵抗体を形成でき、且つ熱処理と圧延の設備で生産でき、合金生産のための高価な設備も不要であるので、材料コストを概略50%程度に低減できる。
また、第1金属と第2金属とを交互に、電流の流れる方向に直列に積層した積層抵抗体では、10000層以下の積層では、合成固有抵抗値が第1金属および第2金属自体の抵抗率に対して10-30倍とすることができ、合成TCRは第1金属および第2金属自体のTCRを維持し、10000層以上の積層では、合成固有抵抗値は30倍以上、合成TCRは半分程度以下に低減できる。
そして、高価な抵抗合金材料が不要で、安価な金属材料から積層抵抗体を形成でき、且つ熱処理と圧延の設備で生産でき、合金生産のための高価な設備も不要であるので、材料コストを概略50%程度に低減できる。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。なお、各図中、同一の作用または機能を有する部材または要素には、同一の符号を付して説明する。
図1(a)は、本発明の第1実施形態の金属板抵抗器の斜視図であり、図1(b)はその長手方向に沿った断面図である。この抵抗器は、Feの薄層11aとCuの薄層11bとを交互に、電流の流れる方向に並列に多数積層して、熱処理により形成した板体状の積層抵抗体11と、その両端部底面に固定したCu板からなる電極12,12とを備える。ここで、Fe(第1金属)とCu(第2金属)とは相互に拡散し難い金属材料同士の組み合わせであり、積層抵抗体11において、Feの薄層11aとCuの薄層11bとは合金化せず、それぞれの金属材料としての性質を維持している。
この実施形態では、厚み比nが3:1であるCu箔(0.03mm)およびFe箔(0.01mm)を20mm×30mmの大きさに切断し、アセトンで表面洗浄した後に、交互に重ね合わせ、これをステンレス製のジグに挟み、加圧した後に、真空下で熱処理を行い、積層体を形成する。さらに積層体を圧延加工し、薄層化した積層抵抗体を形成する。複数の圧延により薄層化した積層抵抗体をさらに積層し、熱処理し、圧延によりさらに薄層化した積層抵抗体を形成し、このサイクルを繰り返すことで、原材料である第1金属の箔と第2金属の箔とを所定の厚みに薄層化し、この実施形態では、全体として、概略0.3mmの高さまで圧延した。そして、3mm×18mmの大きさに切断し、サンプルとした。サンプルの積層層数と1層当たりの各層の厚みの例を表1に示す。
サンプルIIのサンプルについて、熱処理なし、N2雰囲気下で、673K熱処理(熱処理1)、または1073K熱処理(熱処理2)の温度で3時間保持し、徐冷を行った後に炉よりサンプルを取り出す熱処理試験を行った。サンプルを切断し、断面を研磨した後に、SEM及びEDXでFe/Cu界面の拡散状態を観察した結果、熱処理なし、673K熱処理(熱処理1)、1073K熱処理(熱処理2)、さらに1273Kで熱処理を行っても、Cu層とFe層の間で金属元素の拡散の進行は確認されず、それぞれの金属材料からなる層が積層され相互に拡散していないことを確認した。
文献より得られるFeの抵抗率(ρFe:10.1×10-8Ω・m)とCuの抵抗率(ρCu:1.7×10-8Ω・m)を用いて、積層抵抗体11の合成固有抵抗値を計算すると、
但し、n:Fe層に対するCu層の厚み比
従って、積層抵抗体11では、Fe層に対するCu層の厚み比nを調整することで、Feの抵抗率(ρFe:10.1×10-8Ω・m)とCuの抵抗率(ρCu:1.7×10-8Ω・m)との間で任意の固有抵抗値を形成することができる。
従って、積層抵抗体11では、Fe層に対するCu層の厚み比nを調整することで、Feの抵抗率(ρFe:10.1×10-8Ω・m)とCuの抵抗率(ρCu:1.7×10-8Ω・m)との間で任意の固有抵抗値を形成することができる。
上記のサンプルは、Fe層とCu層の厚み比nが概略1:3であるので、その合成固有抵抗値は、4.5×10-8Ω・mと計算される。図2は、上記のサンプルI,II,IIIについての固有抵抗値の実測結果であり、横軸は熱処理温度である。すなわち、積層層数が100枚(サンプルI)でも、1000枚(サンプルII)でも、5000枚(サンプルIII)でも、また熱処理なし(常温、298K)でも、673K熱処理(熱処理1)でも、1073K熱処理(熱処理2)でも、5-6μΩ・cmとなり、計算値と10%程度の差異の範囲内であり、略同等の値を示していることが分かる。これは積層層数が増加し、一層の厚みが20ナノメートル程度に薄層化しても、或いは1073K程度の熱処理を行っても、Fe/Cu界面の拡散による合金化が進行しておらず、それぞれの金属材料の有する固有抵抗値に変化が起こらなかったためと考えられる。
図3は、上記のサンプルI,II,IIIについての抵抗温度係数(TCR)の実測結果であり、横軸は熱処理温度である。文献より得られるFeおよびCuの抵抗率とTCR値を用いて、上式より298Kおよび373KでのFe/Cu積層抵抗体の抵抗率を求め、TCRを計算すると、4170×10-6/Kとなる。文献より得られたFeのTCR値は4420×10-6/Kであり、CuのTCR値は4050×10-6/Kであるが、これらの値に比べ、Fe/Cu積層抵抗体11のTCRは2000×10-6/K前後の低い値を示すことが分かる。これは、Feの薄層11aとCuの薄層11bとを積層することにより層状構造が形成され、原子の熱振動による電流阻害を制限する効果が得られるため、TCRが計算値より小さい値になったものと考えられる。また、サンプルI,II,IIIによる積層層数の影響および熱処理によるTCR値の変化はほとんど存在しないことが分かる。
図4は、本発明の第2実施形態の金属板抵抗器の長手方向に沿った断面図であり、図1(b)に示す積層抵抗体11の変形例を示す。図1(b)に示す積層抵抗体11は、Feの薄層11aとCuの薄層11bとを、電流の流れ方向に対して並列に、交互に多数積層したものであるが、図4に示す積層抵抗体11は、Feの薄層11aとCuの薄層11bとを、電流の流れ方向に対して直列に、交互に多数積層したものである。積層抵抗体11のサイズは、幅Wが2mmであり、高さHが2mmであり、長さLが16mmである。作成したサンプルの積層層数と1層当たりの各層の厚みの例を表2に示す。
上記サンプルi、ii、iiiについて、合成固有抵抗値の測定結果を図5に示す。横軸は積層層数を示し、縦軸は固有抵抗値を示す。図1に示す電流の流れる方向に並列に積層した場合、図2に示すように合成固有抵抗値の変化は見られなかったが、図4に示すように電流の流れる方向に直列に積層した場合、図5に示すように合成固有抵抗値は積層枚数により大幅に変化する。すなわち、Cu層厚みが281μmでFe層厚みが94μmで積層層数が32枚のサンプルiでは、合成固有抵抗値が8.1×10-8Ω・mとなり、積層層数が4000枚のサンプルiiでは、合成固有抵抗値が、313.8×10-8Ω・mとなり、積層層数が40000枚のサンプルiiiでは、合成固有抵抗値が、689.9×10-8Ω・mとなり、合成固有抵抗値は積層枚数の増加とともに、飛躍的に大きな値に変化することが分かる。これは、積層界面の存在により電流経路の妨げは大きくなり、金属箔が薄層化し、積層枚数が増大するのに伴い、合成固有抵抗値は飛躍的に大きな値に変化すると考えられる。
一般に抵抗合金材料においては、その固有抵抗値が低く、100mΩ−1Ω程度の比較的高い抵抗値の金属板抵抗器では、抵抗合金材料の箔を用い、レーザカット等により切り込みを入れて電流経路を長くして比較的高い抵抗値を得ることが行われている。しかしながら、上記積層抵抗体では、積層する層数の増加により容易に高い合成固有抵抗値が得られ、これにより、100mΩ−1Ω程度の比較的高い抵抗値の金属板抵抗器を小型コンパクト化した構造にすることができる。
上記サンプルi、ii、iiiについて、抵抗温度係数(TCR)の測定結果を図6に示す。横軸は積層層数を示し、縦軸は抵抗温度係数(TCR)を示す。図1に示す電流の流れる方向に並列に積層した場合、図3に示すように抵抗温度係数(TCR)の顕著な変化は見られなかったが、図4に示すように電流の流れる方向に直列に積層した場合、図6に示すように抵抗温度係数(TCR)は積層枚数が4000枚以上で大幅に変化する。すなわち、32枚積層のサンプルiおよび4000枚積層のサンプルiiでは、概略金属材料自体の抵抗温度係数(TCR)となり、その変化は見られず、40000枚積層のサンプルiiiで大幅なTCRの減少が存在する。これは、積層枚数を増やすことにより、層間隔がナノメートルオーダまで小さくなると、原子の熱振動による電流阻害の効果に比べて、積層界面の存在による抵抗率の上昇の影響度が大きくなり、TCRが減少したものと考えられる。
図7は、積層抵抗体11の変形例を示す。この例では、積層抵抗体11は、Feの薄層11aとCuの薄層11bとを電流の流れ方向に対して並列に交互に多数積層した積層体11xと、Feの薄層11aとCuの薄層11bとを電流の流れ方向に対して直列に交互に多数積層した積層体11yとが、さらに直列に接続されたものである。これにより、図1(b)に示す積層体と、図4に示す積層体とのミックスした特性が得られる。すなわち、並列積層体11xにより抵抗温度係数(TCR)を低減し、直列積層体11yの厚み比nにより固有抵抗値を調整することで、小型・コンパクト化した構造で所要の抵抗値と比較的低い抵抗温度係数(TCR)を有する金属板抵抗器を製作することができる。
また、図8は、積層抵抗体11のさらなる変形例を示す。この例では、積層抵抗体11は、図4に示すFeの薄層11aとCuの薄層11bとを電流の流れ方向に対して直列に交互に多数積層した積層体11yと、Cuの板体11cとが、さらに並列に接続されたものである。これにより、図4に示す積層体11yとCuの板体11cとのミックスした特性が得られる。なお、Cuの板体11cの部分は、図7に示す電流の流れ方向に対して並列に交互に多数積層した積層体11xや、その他、Cu−Ni系材料、Ni−Cr系材料、Mn−Ni材料など、抵抗材料として用いられている金属材料に置き換えてもよい。また、電流の流れ方向に対して直列に積層した積層体11yは、前記積層体11xや他の抵抗材料と比べて抵抗値が高くなる。このため、積層体11yと、少なくとも何れか一方の電極12とが直接接続した構造(図7、図8)とすることが好ましい。
なお、上記の金属板抵抗器は、いずれも積層抵抗体11の両端部底面にCuからなる一対の板体状電極12,12を固定したものであるが、図9(a)に示すように、一対の板体状電極12,12を積層抵抗体11の両端部端面に固定してもよい。また、図9(b)に示すように、一対の板体状電極12,12を積層抵抗体11の両端部端面に固定し、且つ板体状電極12,12と積層抵抗体11との厚みを等しくしてもよい。また、図示はしないが、積層抵抗体11の両端部にメッキによる電極を固定してもよい。
次に、図10を参照して、この金属板抵抗器の製造方法について説明する。まず、第1金属であるFe箔(0.01mm)21aおよび第2金属であるCu箔(0.03mm)21bを多数枚準備し、表面洗浄した後に、第1金属の箔21aと、第2金属の箔21bとを交互に多数積層して、積層体21を形成する(図10(a))。
次に、この積層体21をステンレス製のジグ30に挟み、加圧した後に、真空下で熱処理を行う。そして、積層体21を圧延加工し、薄層化した積層体22を形成する(図10(b)(c))。このようにして形成した複数の積層体22a,22b,22c,・・・をさらに積層し、熱処理し、圧延し、積層体を得る。この積層、熱処理、圧延のサイクルを繰り返すことで、原材料である第1金属と第2金属の各層を次第に薄くし、且つ、多層化する。こうして積層抵抗体23を形成する(図10(d)(e))。最終的に形成した積層抵抗体23の全体としての高さは、抵抗器の抵抗体の長手方向長さとなることが好ましい。なお、第1金属および第2金属の積層数は求める特性に応じて任意に定めることが可能だが、10層以上とすることが好ましい。また、積層抵抗体23を構成する第1金属および/または第2金属の各層において、一層あたりの厚みは1nm以上とすることが好ましい(より好ましくは10nm以上)。例えば、第1金属である鉄(Fe)は延性が乏しく、その厚みを1nmよりも薄くすると層が途切れる個所が発生し、特性の安定化を図ることができない。
次に、積層抵抗体23を、切断線Sに沿って積層した方向に切断することで、電流の流れる方向に第1金属の薄層11aと第2金属の薄層11bとを交互に直列に積層した積層抵抗体11(11y)を形成する(図10(f))。そして、積層抵抗体11(11y)の底面にCuなどの高導電率金属材料の板体からなる電極12,12を固定することで、図4に示す金属板抵抗器が完成する。なお、電極12は、積層抵抗体11の下面に固定するのでなく、図9に示すように、積層抵抗体11の長手方向両端面に固定するようにしてもよく、またメッキ電極として形成してもよい。
なお、上記の実施形態においては、第1金属と前記第2金属との相互に拡散し難い金属材料の組み合わせとして、FeとCuとの組み合わせの例を示したが、FeとAgとの組み合わせ、またはCuとCoとの組み合わせを用いてもよい。
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
11 積層抵抗体
11a 薄層(第1金属)
11b 薄層(第2金属)
11c Cu板
11x 第1金属と第2金属とを電流の流れる方向に並列に積層した積層抵抗体
11y 第1金属と第2金属とを電流の流れる方向に直列に積層した積層抵抗体
12 電極
21 積層体
22 薄層化した積層体
23 薄層化した積層抵抗体
S 切断線
11a 薄層(第1金属)
11b 薄層(第2金属)
11c Cu板
11x 第1金属と第2金属とを電流の流れる方向に並列に積層した積層抵抗体
11y 第1金属と第2金属とを電流の流れる方向に直列に積層した積層抵抗体
12 電極
21 積層体
22 薄層化した積層体
23 薄層化した積層抵抗体
S 切断線
Claims (6)
- 第1金属と第2金属とを交互に多数積層した積層抵抗体と、
前記積層抵抗体の両端部に固定した電極とを備え、
前記第1金属と前記第2金属とは相互に拡散し難い金属材料の組み合わせであり、前記積層抵抗体において、前記第1金属と前記第2金属とは合金化していないことを特徴とする金属板抵抗器。 - 前記第1金属はFeであり、前記第2金属はCuであることを特徴とする請求項1記載の金属板抵抗器。
- 前記積層抵抗体は、第1金属と第2金属とを交互に、電流の流れる方向に並列に積層したことを特徴とする請求項1記載の抵抗用積層合金。
- 前記積層抵抗体は、第1金属と第2金属とを交互に、電流の流れる方向に直列に積層したことを特徴とする請求項1記載の抵抗用積層合金。
- 第1金属の箔と、第1金属の箔に対して厚み比nの第2金属の箔とを交互に多数積層して、熱処理および圧延により積層抵抗体を形成し、
前記積層抵抗体の両端部に電極を固定し、
前記第1金属と前記第2金属とは相互に拡散し難い金属材料の組み合わせであり、前記積層抵抗体において、前記第1金属と前記第2金属とは合金化せず、
前記厚み比nを調整することで、前記第1金属の抵抗率と前記第2金属の抵抗率との間で、前記積層抵抗体の合成固有抵抗値を形成することを特徴とする金属板抵抗器の製造方法。 - 第1金属の箔と第2金属の箔とを交互に積層して積層体を形成し、
前記積層体を熱処理し、圧延し、さらに、積層、熱処理、圧延を繰り返すことで、原材料である第1金属と第2金属とが積重ねられた積層体を形成し、
前記積層体を積層した方向に切断することで、電流の流れる方向に第1金属と第2金属とを交互に直列に積層した積層抵抗体を形成し、
該積層抵抗体の両端部に電極を固定することを特徴とする金属板抵抗器の製造方法。
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JP2017535950A (ja) * | 2014-10-24 | 2017-11-30 | イザベレンヒュッテ ホイスラー ゲー・エム・ベー・ハー ウント コンパニー コマンデイトゲゼルシャフト | 電気部品、電気部品を製造する方法、および電気部品を製造するための複合材料ストリップ |
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US10438729B2 (en) | 2017-11-10 | 2019-10-08 | Vishay Dale Electronics, Llc | Resistor with upper surface heat dissipation |
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