JP4572558B2 - 印刷装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の発熱素子が列設されるとともに、複数ブロックに分割し、各ブロック毎に給電して印刷可能なサーマルヘッドと、前記発熱素子1列により一回の印刷動作で印刷される印刷ラインを複数有する印刷データを一時的に格納するプリントバッファと、前記プリントバッファ内の印刷データより、各印刷ラインの発熱素子数を計数する発熱素子数計数手段と、前記発熱素子数の計数結果により、前記サーマルヘッドに給電するブロック数を判断するブロック数設定手段と、前記ブロック数設定手段により設定されたブロック数に応じて、複数の印刷定速度を選択し、印刷速度を加減速調整する印刷速度調整手段を有する印刷装置に関し、特に、印刷ラインに基づいて、適切な印刷定速度を選択して印刷可能な印刷装置に関するものである。
従来、発熱素子1列により一回の印刷動作で印刷される印刷ラインを複数有する印刷データをプリントバッファに格納し、複数の発熱素子を列設されると共に、複数ブロックに分割し、前記ブロック毎に給電可能なサーマルヘッドにより印刷する印刷装置において、プリントバッファに格納された印刷データの印刷ラインのドット数に応じて、給電するブロック数を増減し、印刷媒体に印刷を行っている。
このような印刷装置に関する技術として、特許文献1記載の技術が公開されている。
特許文献1記載の印刷装置は、1行分の電熱素子の全ドットを複数のブロックに分割して各ブロック単位で時系列的に給電するサーマルヘッドを有するサーマルプリンタであって、入力されたデータから各行の印字ドット数を判別し、判別された印字ドット数に基づいて、同時に給電するブロック数を増減させる技術が公開されている。
特開昭61−65665号公報
特許文献1記載の印刷装置では、電熱素子1列分の印字ドット数に応じて分割して印刷するため、ブロック数ごとに電熱素子に給電する時間を確保しなければならない。これにより、分割したブロック数が多いほど、電熱素子への給電時間が必要となり、1枚の印刷物を得るまでに多くの時間が必要となった。更に、印字ドット数に応じた印刷をするためには、非常に複雑な処理を行う必要があり、この処理にも時間が必要となっている。印字ドット数に応じて、サーマルヘッドの分割数を変え、ブロックごとに給電する印刷装置では、これらの要因により印字速度が低下し、印刷物一枚に多大な時間が必要となるという問題点があった。
更に、各ブロック数に応じて印刷速度を変更させているため、印刷媒体の搬送を行う紙送りモータに作用するトルクが過大となるため、紙送りモータの磨耗又は破損の原因となっている。紙送りモータの磨耗または破損に伴い、印刷装置の製品寿命が短命化する虞があった。
本発明は、上述した課題を鑑みてなされたものであり、複数の発熱素子が列設されるとともに、複数ブロックに分割し、各ブロック毎に給電して印刷可能なサーマルヘッドと、前記発熱素子1列により一回の印刷動作で印刷される印刷ラインを複数有する印刷データを一時的に格納するプリントバッファと、前記プリントバッファ内の印刷データより、各印刷ラインの発熱素子数を計数する発熱素子数計数手段と、前記発熱素子数の計数結果により、前記サーマルヘッドに給電するブロック数を判断するブロック数設定手段と、前記ブロック数設定手段により設定されたブロック数に応じて、複数の印刷定速度を選択し、印刷速度を加減速調整する印刷速度調整手段を有する印刷装置に関し、最適な印刷速度で効率の良い印刷を行うことが可能な印刷装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため請求項1に係る印刷装置は、複数の発熱素子が列設されるとともに、複数ブロックに分割し、各ブロック毎に給電して印刷可能なサーマルヘッドと、前記発熱素子1列により一回の印刷動作で印刷される印刷ラインを複数有する印刷データを一時的に格納すると共に、停止状態から最高印刷定速度に達するまでに要する時間内に印刷される印刷ライン数の2倍の印刷ライン数分の印刷データを格納できる容量を有するプリントバッファと、前記プリントバッファに格納された印刷データの内、停止状態から最高印刷定速度に達するまでに要する時間内に印刷される複数の印刷ライン単位を構成する印刷ラインの少なくとも2倍の印刷ラインを先読みして、各印刷ラインの発熱素子数を計数する発熱素子数計数手段と、前記発熱素子数の計数結果により、前記サーマルヘッドに給電するブロック数を、一の印刷ライン毎に判断するブロック数設定手段と、前記複数の印刷ライン単位を構成する各印刷ラインについて、前記ブロック数設定手段により設定されたブロック数に基づいて、当該複数の印刷ライン単位における印刷定速度を、複数の印刷定速度から一の印刷定速度に決定し、決定された印刷定速度に基づいて、当該複数の印刷ライン単位における印刷速度を加減速調整する印刷速度調整手段と、所定の第1印刷ラインにおけるブロック数が、前記第1印刷ラインの直後に印刷周期となる第2印刷ラインにおけるブロック数よりも2以上多い場合に、前記第1印刷ラインの印刷において最後に給電されるブロックの給電タイミングを、前記第2印刷ラインに係る印刷周期の始期に変更し、前記第2印刷ラインにおけるブロック数が、前記第1印刷ラインにおけるブロック数よりも2以上多い場合に、前記第2印刷ラインの印刷において最初に給電されるブロックの給電タイミングを、前記第1印刷ラインに係る印刷周期の終期に変更する給電タイミング変更手段と、を有することを特徴とする。
また、前記請求項2に係る印刷装置は、前記請求項1記載の印刷装置において、前記印刷速度調整手段は、印刷定速度の間それぞれに、ある印刷定速度から他の印刷定速度に加速する加速テーブルと、ある印刷定速度から他の印刷定速度に減速する減速テーブルとを有することを特徴とする。
前記請求項1記載の印刷装置は、複数の発熱素子が列設されるとともに、複数ブロックに分割し、各ブロック毎に給電して印刷可能なサーマルヘッドと、前記発熱素子1列により一回の印刷動作で印刷される印刷ラインを複数有する印刷データを一時的に格納すると共に、停止状態から最高印刷定速度に達するまでに要する時間内に印刷される印刷ライン数の2倍の印刷ライン数分の印刷データを格納できる容量を有するプリントバッファと、前記プリントバッファに格納された印刷データの内、停止状態から最高印刷定速度に達するまでに要する時間内に印刷される複数の印刷ライン単位を構成する印刷ラインの少なくとも2倍の印刷ラインを先読みして、各印刷ラインの発熱素子数を計数する発熱素子数計数手段と、前記発熱素子数の計数結果により、前記サーマルヘッドに給電するブロック数を、一の印刷ライン毎に判断するブロック数設定手段と、前記複数の印刷ライン単位を構成する各印刷ラインについて、前記ブロック数設定手段により設定されたブロック数に基づいて、当該複数の印刷ライン単位における印刷定速度を、複数の印刷定速度から一の印刷定速度に決定し、決定された印刷定速度に基づいて、当該複数の印刷ライン単位における印刷速度を加減速調整する印刷速度調整手段と、を有するので、印刷ライン毎に判断される給電する発熱素子のブロック数に対応する印刷速度を適切に判断できる。そして、停止状態から最高印刷定速度に達するまでに要する時間内に印刷される印刷ラインの少なくとも2倍の印刷ラインを先読みするので、各印刷ライン間における印刷速度の変化量を極力減らすことが可能となり、印刷品質を維持しつつ、印刷速度を上げることができる。
更に、当該印刷装置は、所定の第1印刷ラインにおけるブロック数が、前記第1印刷ラインの直後に印刷周期となる第2印刷ラインにおけるブロック数よりも2以上多い場合に、前記第1印刷ラインの印刷において最後に給電されるブロックの給電タイミングを、前記第2印刷ラインに係る印刷周期の始期に変更し、前記第2印刷ラインにおけるブロック数が、前記第1印刷ラインにおけるブロック数よりも2以上多い場合に、前記第2印刷ラインの印刷において最初に給電されるブロックの給電タイミングを、前記第1印刷ラインに係る印刷周期の終期に変更する給電タイミング変更手段と、を有するので、ブロック数ごとに要していた給電時間を短縮することが可能となる。この結果、印刷物1枚の印刷に要する時間を更に、短縮することが可能となる。
前記請求項2記載の印刷装置は、前記請求項1記載の印刷装置において、前記印刷速度調整手段は、印刷定速度の間それぞれに、ある印刷定速度から他の印刷定速度に加速する加速テーブルと、ある印刷定速度から他の印刷定速度に減速する減速テーブルとを有するので、給電する発熱素子数に基づいて判断されるブロック数に対応する印刷速度に係る処理を、夫々の印刷定速度間の加速テーブルまたは減速テーブルの選択という簡単な処理で行うことが可能となる。この結果、ブロック数に応じた印刷定速度に移行する際の処理に要する時間を短縮することができ、1枚の印刷物の印刷に要する時間を短縮することができる。
先ず、本実施形態に係るラベルプリンタの概略構成について、図1乃至図3を参照しつつ、詳細に説明する。図1は、本実施形態にかかるラベルプリンタ1の外観斜視図である。図2は、ラベルプリンタ1の上カバーを取り外した状態の外観斜視図である。図3は、ラベルプリンタ1を側面視した際の垂直断面図である。
本実施形態にかかるラベルプリンタ1の外観は、本体筺体2と、本体筺体2の上部を覆う透明樹脂製の上カバー5及び、上カバー5の前方中央部に立設された透明樹脂製のトレー6により構成されている。
本実施形態にかかるラベルプリンタ1の印刷媒体は、自己発色性を有する長尺状の感熱シート(いわゆる、サーマルペーパー)や、該感熱シートの片面に粘着剤を介して離形紙が張り合わされた長尺状のラベルシート等で構成されたロールシート3である。ロールシート3は、不図示の筒状に形成された巻芯に印刷面を内側にして巻回されている。ロールシート3は、後述するロールシートホルダ3aによって、巻芯を中心として回転可能に挟持され、ラベルプリンタ1内部に収納されている。
ロールシートホルダ3aは、保持部材12とガイド部材13及び、保持部材12とガイド部材13間に配設され、巻芯が回転可能となるように挿通される軸部材14により構成される。保持部材12の外側面には、断面略矩形状の取付部12aが突出して形成されている。ガイド部材13は、ロールシート3の搬送方向に延出され、ロールシート3側端面と当接して、後述する挿入口8へとロールシート3を案内する延出部13aが形成されている。延出部13aの下端は水平に形成され、本体筺体2と当接し、ロールシートホルダ3aを支持している。
ここで、本体筺体2について説明する。本体筺体2は、ラベルプリンタ1の印刷動作を行う部分である。本体筺体2の内部には、ロールシート3の搬送にかかる機構、印刷にかかる機構及び、ラベルプリンタ1の制御機構が収納されている。
本体筺体2前面には、トレー6の前側に電源ボタン7が配置され、電源ボタン7の下方には、ロールシート3を幅方向に横断し、左右移動可能に設けられたカッターユニット8を左右に移動させるカッターレバー9が設けられている。そして、本体筺体2背面における一方の側端部には、ラベルプリンタ1の印刷動作に要する電力を供給する電源コード10が接続されると共に、他方の側端部には、パーソナルコンピュータ26と接続するUSB(Universal Serial Bus)等から構成されるコネクタ部(図示せず)が設けられている。
本体筺体2内部には、ロールシートホルダ3aを収納するロールシートホルダ収納部4が形成されている。ロールシートホルダ収納部4には、ロールシート3の搬送方向に対する垂直方向の側端縁部の一方に、上方に開口され、保持部材12の取付部12aと嵌合する正面視略縦長コの字状の位置決め溝部16を有するホルダ支持部材15が立設されている。
ロールシートホルダ収納部4のロールシート3搬送方向の上縁は、ガイド部材13の延出部13aと当接し、ロールシートホルダ3aを支持する載置部20が形成されている。載置部20は、ロールシート3を挿入する挿入口18の後端縁部まで略水平に延出され、水平面状に形成されている。
ロールシートホルダ3aが、保持部材12、ガイド部材13及び軸部材(図示せず)により構成されているので、ロールシートホルダ3の保持部材12の取付部12aをホルダ支持部材15の位置決め溝部16に挿入し、ガイド部材13の延出部13a下端面を載置部20上に当接することで、ロールシートホルダ3をロールシートホルダ収納部4に着脱自在に取り付けられる。
また、ロールシートホルダ収納部4の他方の側端縁部の搬送方向前端部には、ロールシート3の搬送方向に垂直な方向に複数の発熱素子(図示せず)を列設してなり、任意の数に分割(本実施形態においては、最大3分割)して給電可能な発熱体部25を備えるとともに、ロールシート3に印刷を行うサーマルヘッド23(図3参照)の上下動操作を行うレバー21が設けられている。即ち、このレバー21を上方に回動させることにより、本体筺体2の内部に配設されているサーマルヘッド23が下方に移動されてプラテンローラ22(図3参照)から離間し、該レバー21を下方に回動させることにより、サーマルヘッド23が上方に移動されてロールシート3をプラテンローラ22に押圧付勢して印刷可能な状態になる。また、ロールシートホルダ収納部4の下側、本体筺体2内部には、印刷が終了し、トレー6に排出されたロールシート3を切断するカッターユニット8が配設されると共に、前述したコネクタ部(図示せず)を介して接続されるパーソナルコンピュータ26からの指令に基づいて、各機構部を駆動制御する制御回路が設けられている。
ここで、上記のように構成されたラベルプリンタ1の印刷可能状態への操作について説明する。
まず、レバー21を上方に回動させた状態で、ロールシート3が装着されたロールシートホルダ3aを、保持部材12の取付部12aをホルダ支持部材15の位置決め溝部16に嵌め込み、ガイド部材13の延出部13a下面を載置部20に当接させることによって、ロールシートホルダ収納部4に着脱自在に取り付けられる。続いて、ロールシート3の一方の側端縁部をガイド部材13の内側面に当接させつつ、該ロールシート3を引きだし、このロールシート3の他方の側端縁部を挿入口18の側端縁部に当接させつつ挿入口18に挿入する。その後、ロールシートホルダ収納部4の上側を覆うように後側上端縁部に開閉自在に取り付けられた上カバー5を閉じることにより、図1の状態となるのである。
そして、レバー21を下方に回動させることにより、該ロールシート3の先端部がサーマルヘッド23によってプラテンローラ22に押圧され、印刷可能な状態になる。即ち、レバー21を下方に回動させることにより、挿入口18から挿入されたロールシート3は、ライン型のサーマルヘッド23によってプラテンローラ22に向かって押圧付勢される。そして、該プラテンローラ22をステッピングモータ24により回転駆動しつつ、該サーマルヘッド23の発熱制御をすることによって、ロールシート3を搬送しながら印刷面に順次印刷データを印刷できる。
尚、この印刷は、搬送中のロールシート3の該サーマルヘッド23に圧接された面で行われるが、この印刷面は下方を向いている。そして、印刷面が下方に向いた状態のままで、搬送中のロールシート3は、上カバー5と本体筐体2の間からトレー6上に排出され、また、トレー6上に排出されたロールシート3は、カットレバー9を右側方向に移動操作することによって、カッターユニット8によりその幅方向に切断され、プリントラベルが作出される。
次に、本実施形態に係るラベルプリンタ1の制御に関して、図面を参照しつつ、詳細に説明する。図4は、本実施形態に係るラベルプリンタ1の制御系を示すブロック図である。
本実施形態に係るラベルプリンタ1は、パーソナルコンピュータ26に代表される外部機器と接続され、外部機器から送信される印刷データに基づいて、ラベルの印刷を行い、所望のラベルをユーザに提供するものである。本実施形態における外部機器としては、パーソナルコンピュータ26を用いているが、外部機器をパーソナルコンピュータ26に限定するものではなく、個人用携帯情報端末(所謂、PDA)等の他の外部機器を用いたとしても何等の支障はない。
ラベルプリンタ1では、CPU27に対し、ROM28、SRAM29及びインターフェース30が夫々接続されている。また、インターフェース30を介して、モータ駆動回路31、サーマルヘッド制御回路32が、CPU27に接続されている。そして、モータ駆動回路31には、ステッピングモータ24が、サーマルヘッド制御回路32には、サーマルヘッド23が夫々接続されている。
CPU27は、ラベルプリンタ1の制御の中枢を担うものであり、ラベルプリンタの印刷や、後述する印刷速度制御プログラムにかかる演算処理等を行う。ROM28には、CPU27が実行する各プログラムが格納されている。印刷速度制御プログラムや、印刷データ先読プログラム36、通電時間分配プログラム37が格納されている。更に、ROM28には、プログラムの実行に用いるデータテーブルが格納されている。本実施形態においては、後述する印刷速度制御プログラムに関するデータテーブルとして、印刷速度加速テーブル34、印刷速度減速テーブル35が格納されている。これらの各データテーブルについては、後に詳細に説明する。
一方、SRAM29は、CPU27のデータ処理に必要な一時的なデータの記憶を行うものである。SRAM29には、パーソナルコンピュータ26より送信された印刷データを記憶するプリントバッファ40と、印刷ラインごとに算出される分割数を記録する分割数メモリ41を備える。尚、本実施形態において、発熱体部25のブロック数は、分割数と等しいものである。
本実施形態における印刷データは、複数の印刷ラインにより構成され、前記印刷ラインは、サーマルヘッド23に1列に列設された発熱素子(図示せず)からなる発熱体部25により、1回の印刷動作で印刷される印刷データである。そして、前記印刷データ先読プログラム36は、プリントバッファ40に格納された印刷データを先読みするプログラムである。
ここで、モータ駆動回路31は、ステッピングモータ24(図4及び図5参照)を制御するものであり、CPU27と接続されたモータ駆動回路31は、CPU27からの指令に基づいてステッピングモータ24を動作させ、ロールシート3の搬送を担う。本実施形態においては、後述する印刷速度制御プログラムにより選択される印刷速度加速テーブル34または、印刷速度減速テーブル35に基づいて、CPU27から指令がなされる。また、ヘッド制御回路32は、サーマルヘッド23に列設された複数の発熱素子25aの発熱態様を制御し、CPU27の指令に基づいて、ロールシート3への印刷を行うものである。
本実施形態においては、先ず、ROM28に格納されている印刷データ先読プログラム36により、プリントバッファ40内に格納されている印刷データを先読みする。そして、先読みした印刷データ中の印刷ラインにおける発熱素子数により、サーマルヘッド23の発熱体部25の分割数を判断する。ヘッド制御回路32は、発熱体部25の分割によって得られる分割数に応じて、サーマルヘッド23の発熱態様を制御するものである。
ここで、本実施形態におけるラベルプリンタ1の印刷速度加速テーブル34と、印刷速度減速テーブル35について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。図8は、本実施形態にかかる印刷速度加速テーブル34及び印刷速度減速テーブル35の説明図である。図9は、印刷速度加速テーブル34及び印刷速度減速テーブル35の設定例を示す図である。
本実施形態に係るラベルプリンタ1は、サーマルヘッド23に列設された発熱体部25の分割数に応じて、3段階の印刷定速度を選択する。本実施形態におけるサーマルヘッド23の発熱体部25は、最大3ブロックに分割して給電可能である。そして、この印刷定速度は、発熱体部25が3ブロックに分割される場合には、低速で印刷を行う印刷定速度(以後、速度3という)を選択し、発熱体部25を2ブロックに分割される場合には、中速で印刷を行う印刷定速度(以後、速度2という)を選択する。発熱体部25が分割されず、1ブロックに給電する場合には、本実施形態における高速で印刷を行う印刷定速度(以後、速度1という)が選択される。
図8に示すように、本実施形態に係るラベルプリンタ1では、停止状態、速度1での印刷状態、速度2での印刷状態及び、速度3での印刷状態を4つの印刷状態への変化に関する印刷速度加速テーブル34、印刷速度減速テーブル35を有し、これを選択することにより、簡単な処理で印刷速度の変化に係る処理を行っている。
先ず、印刷速度加速テーブル34について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態における印刷速度加速テーブル34は、停止状態から速度1への加速テーブル、停止状態から速度2への加速テーブル、停止状態から速度3への加速テーブル、速度3から速度2への加速テーブル、速度3から速度1への加速テーブル及び速度2から速度1への加速テーブルの各印刷速度間に加速テーブルを有し、合計6種類の加速テーブルを有している(図8、図9参照)。
また、印刷減速テーブルについても同様に、速度1から速度2への減速テーブル、速度1から速度3への減速テーブル、速度1から停止状態への減速テーブル、速度2から速度3への減速テーブル、速度2から停止状態への減速テーブル及び速度3から停止状態への減速テーブルの各印刷速度間に減速テーブルを有し、合計6種類の減速テーブルを有する(図8、図9参照)。
本実施形態に係る印刷速度加速テーブル34及び、印刷速度減速テーブル35は、停止状態から速度1に加速するまでに要する時間内に印刷処理される印刷ライン数の範囲(本実施形態においては、8ライン)で設定されており、各印刷ラインの処理に要する時間、所謂印刷周期を設定することにより、6種類の印刷速度加速テーブル及び6種類の印刷速度減速テーブルが形成されている(図9参照)。つまり、印刷速度加速テーブル34においては、印刷ラインの処理が進むほど、印刷周期は短くなり、印刷速度減速テーブル35では、印刷ラインの処理が進むほど、印刷周期が長くなるように設定されている。これにより、印刷速度の加速又は、減速がなされている。また、8ラインの処理を待たずに所定の印刷速度に達する場合には、より早い印刷速度で処理する時間を長くするように設定されている。印刷速度加速テーブルにおいては、8ラインの処理以前に所定の印刷速度に達する場合には、8ライン処理まで所定の印刷速度を維持する。一方、印刷速度減速テーブルにおいては、8ライン目の処理の終了と共に、所定の印刷速度になるように減速開始時点を調整して設定している。
次に、本実施形態におけるラベルプリンタ1の動作について図5乃至図7に基づき説明する。これら図5及び図6にフローチャートで示される各プログラムは、ROM28に記憶されており、CPU27により実行される。先ず、ラベルプリンタ1の基本制御プログラムに関して図5を用いて説明する。図5は、ラベルプリンタ1の基本制御プログラムのフローチャートである。
先ず、ラベルプリンタ1の電源ボタン7が押下されると、S1にて、初期化処理が行われる。S1における初期化処理により、印刷速度は初期設定値に初期化され、各メモリ領域のクリア等の処理が行われる。初期化処理の終了後、パーソナルコンピュータ26より受信し、プリントバッファ40に格納された印刷データの直近の印刷ライン2ラインについて、分割数の算出を行う(S2)。分割数の算出を行うことにより、サーマルヘッド23に列設された発熱体部25の分割数が決定され、サーマルヘッド23の発熱態様が決められる。
ここで、図6及び図10を参照して、2ライン分の分割数の算出に係る処理について説明する。図6は、2ライン分の分割数算出処理プログラムのフローチャートである。図10は、分割数に基づく通電時間の分配に関する説明図である。
S2において、2ライン分の分割数算出処理に入ると、先ず、先に処理する印刷ライン(以後、第1印刷ラインという)の分割数mを算出する(S14)。
本実施形態においては、1印刷ライン中に要印刷部分が多い場合には、発熱体部25を3分割し、分割数:3と算出し、要印刷部分がやや多い場合には、発熱体部25を2分割し、分割数:2と算出する。一方、1印刷ライン中に要印刷部分が少ない場合には、発熱体部25の分割を行わず、分割数:1として算出し、算出したブロック数は、SRAM29の分割数メモリ41に各印刷ラインに対応付けて格納される。第1印刷ラインの分割数(以後、第1分割数と呼ぶ)算出後、S15に移行する。
S15では、第1印刷ラインの次に処理される印刷ライン(以後、第2印刷ラインという)に対する分割数nの算出を行う。第2印刷ラインの分割数n(以後、第2分割数と呼ぶ)の算出については、第1印刷ラインの分割数の算出と同様であるので、再度の説明は省略する。第2印刷ラインの分割数nの算出終了後、S16に移行する。
第1分割数m及び第2分割数n算出後、S16以後の処理で、第1及び第2印刷ライン間における通電時間の分配に関する処理がなされている。
これは、印刷処理を行う印刷ラインの分割数が多い場合には、ブロック毎に発熱素子への通電と、熱せられた発熱素子の放熱に関する時間が必要となり、印刷ライン1ラインの処理に要する時間が長くなり、印刷処理を迅速に行うことができない。ここで、第1印刷ラインと、第2印刷ラインにおいて、分割数の差についての判定することにより、第1印刷ラインと、第2印刷ラインの間で、通電時間の再分配を行い、第1及び第2印刷ラインにおける処理を最適な条件に変更するのである。
先ず、S16では、第1分割数m及び第2分割数nの大小比較を行う。即ち、第1分割数mが、第2印刷分割数n以上であるか否かについての判断がなされる。第1分割数が第2分割数以上である場合(S16:YES)には、S17に移行し、第1分割数が第2分割数以上ではない場合(S16:NO)には、S18に移行する。
S17においては、第1分割数と、第2分割数の差がある所定値P以上であるか否かの判断がなされる。本実施形態において、サーマルヘッド23の発熱体部25は、最大3ブロックに分割可能であるため、第1分割数m及び第2分割数nは、1、2及び3の何れかである。そして、S17における所定値Pは、2と設定されている。
S17において、第1分割数mと第2分割数nの差が、P=2以上である場合、即ち、m=3、n=1の場合(S17:YES)には、S19に移行する。一方、第1分割数mと第2分割数nの差が、P=2以上ではない場合(S17:NO)は、通電時間の再分配設定を行わず、2ライン分の分割数算出処理を終了する。
第1分割数mと第2分割数nの差が、P=2以上である場合(S17:YES)、S19において、1分割分の通電を後の印刷ラインに設定する処理がなされる。即ち、第1印刷ラインの3つのブロックの内の1ブロック分の通電を、第2印刷ラインに移動する設定がなされる。この通電の再分配を行わない場合には、第1印刷ラインは、3ブロックに分割されているため、第1印刷ラインの処理に非常に時間がかかる(図10(a)上図参照)。
図10(a)下図に示すように、第1印刷ラインの3つのブロックの内の1ブロック分の通電を、第2印刷ラインに移動することにより、第1印刷ラインと、第2印刷ラインの間の印刷速度が平均化されるので、第1、第2印刷ラインの両印刷ラインの印刷速度が早くなる。更に、第1及び第2印刷ライン間で大きな印刷速度変化がなくなり、両印刷ラインの印刷品質が向上する。この通電の移動に関する設定を行った後、2ライン分の分割数算出処理を終了する。
また、S16において、第1分割数が第2分割数以上ではない(S16:NO)と判断されると、S18にて、第2分割数nと第1分割数mの差が、ある所定値P以上であるか否かの判断がなされる。S18で用いられる所定値Pも、S17と同様にP=2である。S18において、第2分割数nと第1分割数mの差が、P=2以上である場合、即ち、m=1、n=3の場合(S18:YES)には、S20に移行する。一方、第2分割数nと第1分割数mの差が、P=2以上ではない場合(S18:NO)は、通電時間の再分配設定を行わず、2ライン分の分割数算出処理を終了する。
第2分割数nと第1分割数mの差が、P=2以上である場合(S18:YES)、S20において、1分割分の通電を前の印刷ラインに設定する処理がなされる。即ち、第2印刷ラインの3つのブロックの内の1ブロック分の通電を、第1印刷ラインに移動する設定がなされる。この通電の再分配を行わない場合には、第2印刷ラインは、3ブロックに分割されているため、第2印刷ラインの処理に非常に時間がかかる(図10(b)上図参照)。
これを図10(b)下図に示すように、第2印刷ラインの3つのブロックの内の1ブロック分の通電を、第1印刷ラインに移動することにより、第1印刷ラインと、第2印刷ラインの間の印刷速度が平均化され、第1、第2印刷ラインの両印刷ラインの印刷速度が早くなると共に、大きな印刷速度変化がなくなり、両印刷ラインの印刷品質が向上する。この通電の移動に関する設定を行った後、2ライン分の分割数算出処理を終了する。
S2における2ライン分の分割数算出に係る処理終了後、S3に移行する。S3では、規定ライン数の2倍のライン数の分割数の算出が終了したか否かについての判断がなされる。ここで、本実施形態における規定ライン数とは、前述の印刷速度加速テーブルで設定されているライン数である。即ち、規定ライン数は8ラインとなり、S3においては、16ラインの分割数データが算出されたか否かの判断がなされているのである。印刷速度加速テーブルの設定ライン数の2倍のライン数、即ち16ライン分の分割数を算出することにより、印刷速度の加減速の実行に十分な分割数データを得ることができる。
規定ライン数の2倍に相当する印刷ラインの分割数が算出された場合(S3:YES)には、S4に移行する。分割数算出済みの印刷ライン数が、規定ライン数に達していない場合(S3:NO)には、S2に戻る。
S4においては、S2、S3で算出された規定ライン数の2倍のライン数の分割数データに基づき、次の印刷速度の決定がなされる。本実施形態においては、16ライン分の分割数データに基づいて、次の印刷速度の決定がなされる。具体的には、16ライン分の分割数データ中で最大の分割数に基づいて、次の印刷速度が決定される。
具体的には、16ライン分の分割数データにおける最大値が3である場合には、次の印刷速度は、もっとも遅い印刷速度である「速度3」に設定され、分割数データの最大値が2である場合には、「速度2」に設定される。分割数データの最大値が1である場合、即ち16ライン分の分割数データが全て1である場合には、最も速い印刷速度である「速度1」が設定される。次の印刷速度の設定が決定した後、S5に移行する。
S5では、現在の印刷速度と、S4で決定された次の印刷速度を比較し、次の印刷速度より現在速度のほうが速いか否かについての判断がなされる。現在印刷速度が、次の印刷速度よりも速い場合(S5:YES)には、ROM28に格納されている印刷速度減速テーブル35を参照し、現在の印刷速度と、次の印刷速度間の減速変化に対応した減速テーブルを選択し(S6)、S10に移行する。現在印刷速度が、次の印刷速度より速くない場合(S5:NO)には、S7に移行する。
S7では、現在の印刷速度と、次の印刷速度を比較し、現在の印刷速度が次の印刷速度よりも遅いか否かについての判断がなされる。現在の印刷速度が、次の印刷速度よりも遅い場合(S7:YES)には、ROM28に格納されている印刷速度加速テーブル34を参照し、現在の印刷速度と、次の印刷速度間の加速変化に対応する加速テーブルを選択し(S8)、S10に移行する。現在の印刷速度が次の印刷速度よりも遅くないと判断された場合(S7:NO)には、(S5:NO)の判断から、現在の印刷速度と、次の印刷速度が等しいこととなるので、現在の印刷速度を維持して(S9)、S10に移行する。
S10においては、S6、S8で決定された加速テーブル又は減速テーブルを参照して、加速区間又は、減速区間中に処理される各印刷ラインに設定された印刷周期から現在処理対象となっている印刷ラインに対応する印刷周期を設定する。
例えば、S8の処理により、図9における「加速テーブル2」が選択された場合には、1ライン目の印刷ラインは、印刷周期25(ms)と設定され、2ライン目の印刷ラインは、20(ms)に設定される。そして、3ライン目、4ライン目と印刷周期が定められ、8ライン目までの印刷周期が定められるのである。
ここで、現在処理対象となっている印刷ラインが5ライン目である場合には、印刷周期を3(ms)に設定する。
このように、S6、S8で加速テーブル又は減速テーブルを決定することにより、8ライン目までの印刷周期が、印刷ラインごとに決定され、S10においては、現在処理対象となっている印刷ラインの加速テーブル又は減速テーブルにおける順番と、その順番に対応する印刷周期より、現在処理対象となっている印刷ラインの印刷周期を設定する。現在処理対象となっている印刷ラインに対応する印刷周期の設定後、S11に移行する。
ここで、S9で現在速度を維持する場合には、現在設定されている印刷ラインの印刷周期を維持する。
S11では、S10にて設定された印刷周期に基づいて、印刷ライン1本ごとに印刷処理が行われる。ここで、この1ラインの印刷について図面を参照しつつ詳細に説明する。図7は、印刷ライン1ラインにおける印刷処理プログラムのフローチャートである。
1ラインの印刷処理に入ると、先ず、S21で、通電が後のラインに移動したか否かについての判断がなされる。つまり、S19において、第1印刷ラインの或るブロックの通電が第2印刷ラインに設定されているか否かの判断がなされる。通電が後の印刷ラインに移動している場合(S21:YES)には、第1印刷ラインの最後のブロックである第3ブロックを減らして、サーマルヘッド23に配設された発熱体部25に通電する。通電と共に、印刷データは、ロールシート3に印刷され、1ライン印刷に係る処理を終了する。一方、通電が後の印刷ラインに移動していない場合(S21:NO)には、S23に移行する。
S23では、通電が前のラインから移動してきたか否かについての判断がなされる。現在処理されている印刷ラインが第2印刷ラインであり、S19で第1印刷ラインの通電が第2印刷ラインに移動すると判断されているか否かの判断である。通電が前の印刷ラインから移動している場合(S23:YES)には、先ず、第1印刷ラインから移動してきたブロック3を通電する(S24)。その後、現在処理されている第2印刷ライン分の通電を行い(図10(a)参照)、ロールシート3に印刷データを印刷する。印刷終了後、1ライン印刷に係る処理を終了する。通電が前の印刷ラインから移動していない場合(S23:NO)には、S26に移行する。
S26では、現在処理されている印刷ラインにおいて、通電が次のラインから移動されているか否かについての判断がなされる。つまり、現在処理されている印刷ラインが第1印刷ラインであり、S20において、第2印刷ラインの1分割分の通電を第1印刷ラインに移動すると判断されているか否かについての判断がなされる。通電が、後のライン(第2印刷ライン)から移動すると判断されている場合(S26:YES)には、先ず、第1印刷ライン分の通電を行い(S27)、後に、第2印刷ラインから移動してきたブロック1を通電する(S28)(図10(b)参照)。通電と共にロールシート3への印刷も終了し、1ライン印刷処理を終了する。通電が次のラインから移動していない場合には、S29に移行する。
S29においては、現在処理されている印刷ラインに関し、S20で、通電が前の印刷ラインに移動するという判断がなされているか否かについての判断がなされる。つまり、現在処理されている印刷ラインが第2印刷ラインであって、S20において、第1印刷ラインに移動すると判断されている場合(S29:YES)には、現在処理されている第2印刷ラインにおけるブロック1分を減らして、サーマルヘッド23に通電する(S30)。通電終了後、1ライン印刷処理を終了する。通電が前の印刷ラインに移動すると判断されていない場合(S29:NO)には、S31に移行する。
S31は、S21、S23、S26及びS29において、全て否定判断がなされた場合の処理である。つまり、現在処理されている印刷ラインについて、通電の再分配にかかる設定がなされなかった場合であるので、S14又はS15にて算出された分割数に基づいて、ロールシート3に感熱印刷がなされる。印刷終了後、1ライン印刷処理を終了する。
S11における1ライン印刷処理(図7参照)終了後には、S12において、規定ライン数分の印刷処理が終了したか否かについての判断がなされる。本実施形態においては、規定ライン数は、8ラインであるので、8ライン分の印刷処理が終了した場合(S12:YES)には、S13に移行する。一方、規定ライン数である8ライン分の印刷が終了していない場合(S12:NO)には、S10に戻り、処理対象となる印刷ラインに対応する印刷周期の設定を行う。
S13では、印刷データを構成する全ての印刷ラインの印刷が終了したか否かについての判断がなされる。全ての印刷ラインの印刷が終了した場合(S13:YES)には、印刷データを全て印刷したこととなるので、ラベルプリンタ1の基本制御プログラムを終了する。
一方、印刷データを構成する全ての印刷ラインの印刷が終了していない場合(S13:NO)には、S2に戻り、再び、2ライン分の分割数の算出を行う。
以上説明したように、本実施形態に係るラベルプリンタ1では、印刷ライン8ライン分の印刷周期からなる印刷速度加速テーブル34又は印刷速度減速テーブル35の2倍分の印刷ラインである16ラインの印刷ラインを先読みして、サーマルヘッド23の発熱素子数を計数し、印刷速度を決定するので、印刷速度の変動を小さくすることができる。これにより、印刷速度が大きく変動することがなくなり、印刷速度の大きな変動に伴って発生していた印刷結果の歪みを防止することができ、印刷物の印刷品質を向上させることができる。
また、本実施形態に係るラベルプリンタ1においては、サーマルヘッド23に列設された分割通電可能な発熱体部25の分割数に対応して決定される複数の印刷定速度において、各印刷速度間の速度変化を定めた印刷速度加速テーブル34及び印刷速度減速テーブル35をROM28に格納している。そして、印刷定速度が変動する際には、現在の印刷定速度と次の印刷定速度に対応した加速テーブル又は減速テーブルを、印刷速度加速テーブル34及び印刷速度減速テーブル35より選択するのみであるので、簡単な処理で印刷速度を変化させることが可能となる。簡単な処理で印刷速度の変化を達成可能であるため、処理時間を短縮することが可能となり、結果として、印刷速度を向上させることができる。
更に、本実施形態に係るラベルプリンタ1では、サーマルヘッド23に列設された発熱体部25の分割数に応じて、発生していた通電時間を、隣り合う印刷ライン間で余裕がある印刷ラインが存在する場合に、当該印刷ラインに、分割した或るブロック分の通電時間を分配することができるので、印刷データ全てを印刷する際に要する時間を短縮することができる。
尚、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態においては、印刷速度加速テーブルを構成する印刷ラインの2倍分の印刷ラインについて、分割数を算出したが、印刷速度減速テーブルを構成する印刷ラインの2倍の印刷ラインについて算出しても良いし、印刷速度加速テーブルを構成する印刷ラインと印刷速度減速テーブルを構成する印刷ラインの総和分の印刷ラインより分割数を算出しても良い。
更に、印刷速度加速テーブル又は印刷速度減速テーブルの2倍の印刷ラインにより、分割数を算出することに限定するものではなく、2倍以上の印刷ラインより分割数を算出しても良い。
そして、本実施形態においては、印刷速度加速テーブルと、印刷速度減速テーブルは、印刷ライン8ライン分であったが、8ラインに限定したものではない。更に、印刷速度加速テーブルと、印刷速度減速テーブルが同じ印刷ライン数で構成されることに限定したものではない。
また、本実施形態においては、隣り合う印刷ラインの分割数の差が、或る一定値以上ある場合に、通電を前後のラインに再分配していたが、分割数の差で判断することに限定するものではない。例えば、隣り合う印刷ラインの印刷周期の差が、或る一定時間以上になる場合に、通電を前後の印刷ラインに再分配したとしても、何等の支障をきたすものではない。
本実施形態に係るラベルプリンタの外観斜視図である。 本実施形態に係るラベルプリンタの上カバーを開いた状態の斜視図である。 本実施形態に係るラベルプリンタの垂直断面側面図である。 本実施形態に係るラベルプリンタのブロック図である。 本実施形態に係るラベルプリンタの基本制御プログラムのフローチャートである。 本実施形態に係るラベルプリンタの2ライン分の分割数算出プログラムを示すフローチャートである。 本実施形態に係るラベルプリンタの1ライン印刷プログラムのフローチャートである。 本実施形態に係るラベルプリンタの印刷速度加速テーブル及び印刷速度減速テーブルに関する説明図である。 本実施形態に係るラベルプリンタの印刷速度加速テーブル及び印刷速度減速テーブルの設定例である。 本実施形態に係るラベルプリンタのサーマルヘッド通電の再分配に関する説明図である。
1 ラベルプリンタ
3 ロールシート
22 プラテンローラ
23 サーマルヘッド
24 ステッピングモータ
25 発熱体部
26 パーソナルコンピュータ
27 CPU
28 ROM
29 SRAM
34 印刷速度加速テーブル
35 印刷速度減速テーブル
36 印刷データ先読プログラム
37 通電時間分配プログラム
40 プリンタバッファ
41 分割数メモリ

Claims (2)

  1. 複数の発熱素子が列設されるとともに、複数ブロックに分割し、各ブロック毎に給電して印刷可能なサーマルヘッドと、
    前記発熱素子1列により一回の印刷動作で印刷される印刷ラインを複数有する印刷データを一時的に格納すると共に、停止状態から最高印刷定速度に達するまでに要する時間内に印刷される印刷ライン数の2倍の印刷ライン数分の印刷データを格納できる容量を有するプリントバッファと、
    前記プリントバッファに格納された印刷データの内、停止状態から最高印刷定速度に達するまでに要する時間内に印刷される複数の印刷ライン単位を構成する印刷ラインの少なくとも2倍の印刷ラインを先読みして、各印刷ラインの発熱素子数を計数する発熱素子数計数手段と、
    前記発熱素子数の計数結果により、前記サーマルヘッドに給電するブロック数を、一の印刷ライン毎に判断するブロック数設定手段と、
    前記複数の印刷ライン単位を構成する各印刷ラインについて、前記ブロック数設定手段により設定されたブロック数に基づいて、当該複数の印刷ライン単位における印刷定速度を、複数の印刷定速度から一の印刷定速度に決定し、決定された印刷定速度に基づいて、当該複数の印刷ライン単位における印刷速度を加減速調整する印刷速度調整手段と、
    所定の第1印刷ラインにおけるブロック数が、前記第1印刷ラインの直後に印刷周期となる第2印刷ラインにおけるブロック数よりも2以上多い場合に、
    前記第1印刷ラインの印刷において最後に給電されるブロックの給電タイミングを、前記第2印刷ラインに係る印刷周期の始期に変更し、
    前記第2印刷ラインにおけるブロック数が、前記第1印刷ラインにおけるブロック数よりも2以上多い場合に、
    前記第2印刷ラインの印刷において最初に給電されるブロックの給電タイミングを、前記第1印刷ラインに係る印刷周期の終期に変更する給電タイミング変更手段と、を有することを特徴とする印刷装置。
  2. 前記請求項1記載の印刷装置において、
    前記印刷速度調整手段は、印刷定速度の間それぞれに、ある印刷定速度から他の印刷定速度に加速する加速テーブルと、ある印刷定速度から他の印刷定速度に減速する減速テーブルとを有することを特徴とする印刷装置。
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