JP3579274B2 - シリアルプリンタ - Google Patents

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  • Character Spaces And Line Spaces In Printers (AREA)
  • Dot-Matrix Printers And Others (AREA)
  • Impact Printers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印字ヘッドを搭載したキャリアを移動しながら印字を行うシリアルプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のシリアルプリンタは、プラテンに対向した印字ヘッドをキャリアに搭載し、このキャリアを駆動する直流(DC)モータで構成されるキャリアモータを備え、このキャリアモータを加減速制御してプラテンに沿って主走査方向にキャリアを移動しながら1ラインごとに印字出力を行うようになっている。
【0003】
すなわち、具体的には、1ラインを印字する際、図14に示すように先ず印字開始位置までに所定の一定速度一定速度V0 になるように予め設定したスローアップデータに基づいてキャリアモータを制御してキャリアを加速(スローアップ)する。そしてキャリアモータが一定速度になったら、印字ヘッドからの印字出力を行う。その後、印字出力が終了すると、予め設定したスローダウンデータに基づいてキャリアモータを制御してキャリアを減速(スローダウン)し、所定位置でキャリアを停止する。このような1ラインごとの印字動作を繰返し行うことにより、1ぺージの印字が終了する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年では、より高速で印字できるプリンタが要求されているが、上述したようなシリアルプリンタで高速印字を実現しようとすれば、印字出力するときのキャリア速度である一定速度V0 を高くする必要がある。
しかしながら、一定速度V0 を高くすればするほど加速に必要な距離(スローアップ距離)と減速に必要な距離(スローダウン距離)を長くとらなければならないが、上述したようなシリアルプリンタでは、キャリアが印字開始位置に達するまでに加速制御を終了して定速制御に移っている必要があるため、その分だけキャリアの移動範囲Wを長くとる必要が生じ、結果としてプリンタ装置自体が大きくなってしまうという問題があった。一方、短距離で一気に加速と減速を行うようにすれば、図15に示すようにダンピングが発生するなどのようにキャリア速度の変動が生じ、キャリアの動きがなかなか安定せず、印字した画像が乱れるなど印字結果に影響を及すおそれがある。
【0005】
また、キャリアの加速制御中や減速制御中に印字を行うようにすることも考えられるが、加速制御中や減速制御中にダンピングが発生するなどのようにキャリア速度の変動が生じてしまうと、印字した画像が乱れるなど印字結果に影響を及すことが考えられる。
【0006】
そこで、本発明は、加速制御中や減速制御中にキャリア速度の変動を抑制してその間にも印字ができるようにすることにより、キャリアの移動範囲を長くすることなく、かつ印字結果の品質を低下させることなく、高速で印字を行うことができるシリアルプリンタを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、印字ヘッドを搭載したキャリアを主走査方向に走行走査するキャリア駆動手段を備え、このキャリア駆動手段を制御して前記キャリアを一定速度まで加速してその一定速度を保持し、その後減速して停止するという一連の速度制御を行いながら、印字ヘッドから1ライン分の印字出力を行うシリアルプリンタにおいて、キャリア駆動手段のモータの回転に応じてパルスを発生させるエンコーダの出力パルスを監視する手段と、この出力パルスの波形が正常か否かを判断する手段とを有し、キャリアの加速制御中にキャリア速度が判断する手段により出力パルスの波形が正常でないことを判断したときにその加速量を減らすようにキャリア駆動手段を制御する速度変動抑制制御を行うとともに、キャリアが一定速度に達する前にキャリアが印字可能範囲に入るようにキャリア駆動手段を制御したことを特徴とするシリアルプリンタである。
【0008】
このような本発明においては、キャリアが一定速度に達する前にキャリアが印字可能範囲に入るようにキャリア駆動手段を制御するので、キャリアの加速制御中にも印字出力を行うことができるようになるため、キャリアの移動範囲を従来よりも短くすることができ、しかも、キャリアの加速制御中はキャリア速度の変動を検出したときにその加速量を減らすようにキャリア駆動手段を制御することから、キャリアの加速制御中におけるキャリア速度の変動が抑制されるので、加速制御中においても速度の乱れのない滑らかなキャリアの移動が保障されるため、キャリアの速度変動による印字結果への影響を防止できる。
【0009】
請求項2記載の本発明は、印字ヘッドを搭載したキャリアを主走査方向に走行走査するキャリア駆動手段を備え、このキャリア駆動手段を制御して前記キャリアを一定速度まで加速してその一定速度を保持し、その後減速して停止するという一連の速度制御を行いながら、印字ヘッドから1ライン分の印字出力を行うシリアルプリンタにおいて、キャリア駆動手段のモータの回転に応じてパルスを発生させるエンコーダの出力パルスを監視する手段と、この出力パルスの波形が正常か否かを判断する手段とを有し、キャリアの減速制御中にキャリア速度が判断する手段により出力パルスの波形が正常でないことを判断したときにその減速量を減らすようにキャリア駆動手段を制御する速度変動抑制制御を行うとともに、キャリアが印字可能範囲を過ぎる前にキャリアの減速を開始するようにキャリア駆動手段を制御したことを特徴とするシリアルプリンタである。
【0010】
このような本発明においては、キャリアが印字可能範囲を過ぎる前にキャリアの減速を開始するようにキャリア駆動手段を制御するので、キャリアの減速制御中にも印字出力を行うことができるようになるため、キャリアの移動範囲を従来よりも短くすることができ、しかも、キャリアの減速制御中はキャリア速度の変動を検出したときにその減速量を減らすようにキャリア駆動手段を制御することから、キャリアの加速制御中におけるキャリア速度の変動が抑制されるので、減速制御中においても速度の乱れのない滑らかなキャリアの移動が保障されるため、キャリアの速度変動による印字結果への影響を防止できる。
【0011】
請求項3の本発明は、キャリアの速度変動抑制制御は、キャリアが印字可能範囲に入ってから一定速度に達するまでの間のみに行うようにしたことを特徴とする請求項1記載のシリアルプリンタである。
【0012】
請求項4の本発明は、キャリアの速度変動抑制制御は、キャリアの減速制御を開始してからキャリアが印字可能範囲を過ぎるまでの間のみに行うようにしたことを特徴とする請求項2記載のシリアルプリンタである。
【0013】
請求項5の本発明は、キャリアを加速制御を開始してからキャリアが印字可能範囲に入るまでに、一定速度よりも低い速度で予め設定した速度に達するようにキャリアの加速制御を行うようにしたことを特徴とする請求項3記載のシリアルプリンタである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をワイヤドットプリンタに適用した場合の第1の実施の形態を図1ないし図7を参照して説明する。
図1は、本実施の形態におけるプラテン周辺の構成を示す図で、1はプラテンである。このプラテン1の両端部は、回転自在に軸支されている。このプラテン1に沿ってキャリア軸2を設け、このキャリア軸2に沿って主走査方向に移動可能にキャリア3が取付けられている。キャリア3には、ワイヤの先端を出入れ可能な孔が配設された印字ヘッド4及びインクリボンカセット5が搭載される。このインクリボンカセット5のインクリボンは印字ヘッド4とプラテン1との間に介在するように張設されている。
【0015】
上記キャリア3は、キャリア軸2に沿って張設された図示しないキャリアベルトに取付けられている。キャリア軸2の一端には、上記キャリアベルトを介してキャリア3をキャリア軸2に沿って移動させるキャリア駆動手段としてのキャリアモータ6が配設されている。
【0016】
このキャリアモータ6は直流(DC)サーボモータから構成される。そして、キャリアモータ6には、モータの回転に応じてパルスを発生させるエンコーダ7が取付けられている。このエンコーダ7の出力パルスを後述のCPUで監視することによってキャリア3の位置や速度変動を検出する。
なお、エンコーダ7としては、キャリアモータ6側に設けたものに限られず、アイドラプーリ側に設けたものでもよく、またキャリア3の移動方向に沿って設けたリニアエンコーダを用いてもよい。
【0017】
上記キャリア3は、図1に示す一端側のホームポジションから他端側までのキャリア移動範囲Wを移動できるようになっている。従って、このキャリア移動範囲内において、印字ヘッド4からの印字出力が可能となる範囲、すなわち印字可能範囲(図1では印字開始位置から印字終了位置までの範囲を示す)Vを設定する必要がある。なお、印字可能範囲内のいずれの位置から実際に印字出力(ドット出力)が開始されるかは、印字データによって異なる。
【0018】
図2は、本実施の形態におけるワイヤドットプリンタの構成を示すブロック図で、11は制御部本体を構成するCPU(中央処理装置)、12はCPU11が各部を制御するためのプログラムデータ等が予め格納されたROM(リ−ド・オンリ・メモリ)、13は上記CPU11が処理するデータを一時的に格納するための各種メモリエリアなどが記憶されるRAM(ランダム・アクセス・メモリ)、14はI/Oポート、15はインタフェース(I/F)、16はメカニカルコントローラである。上記CPU11と、ROM12、RAM13、I/Oポート14、I/F15、メカニカルコントローラ16とは、アドレスバス,データバス,制御バス等のバスライン17を介して相互に接続されている。
【0019】
上記メカコントローラ16には、印字ヘッド4を駆動するヘッドドライバ18、キャリア3をキャリア軸2に沿って移動させるキャリアモータ6を駆動するモータドライバ19、プラテン1をフィードさせるフィードモータ21を駆動するモータドライバ22、用紙の先端を検出するセンサなどの各種センサ23、上記エンコーダ7が接続している。
【0020】
上記I/F15には通信ケーブルなどを介してホストコンピュータ24が接続している。また、I/Oポート14にはオペレータが各種の操作を行うオペレーションパネル25が接続している。
【0021】
上記CPU11は、図3に示すような印字制御を行うようになっている。CPU11は先ずST(ステップ)1にて印字開始位置及び印字終了位置のセットを行う。これにより、図1に示す印字可能範囲Vが決定される。続いて、ST2にて定速制御を行う一定速度V0 及びキャリア停止位置のセットを行う。これにより、図1に示すキャリア移動範囲Wが決定される。
【0022】
次に、ST3にてキャリアモータ6の駆動を開始し、ST4にてエンコーダ7の出力に基づいてキャリア3が印字開始位置まで達したか否かを判断する。ST4にて、キャリア3が印字開始位置まで達していないと判断した場合は、ST5にて速度変動抑制制御を伴うキャリアモータ6の加速制御を行う。
【0023】
この速度変動抑制制御を伴うキャリアモータ6の加速制御は、図4に示すように、ST21にて予め設定したスローアップデータに基づいてキャリアモータ6を制御することによりキャリアモータ6を加速し、ST22にてエンコーダ7の出力パルスの波形が正常(ダンピングが発生しない滑らかな変化)か否かを判断する。具体的には、波形の乱れが生じているか否かを判断する。
【0024】
つまり、キャリアモータ6の加速が滑らかな場合は、エンコーダ7の出力パルスの幅が徐々に変化するが、ダンピングが発生すると例えば図15に示すようにエンコーダ7の出力パルスの幅が短くなったり長くなったりして乱れる。
このパルス幅の乱れを検出することにより、加速が安定しているかどうか、すなわちダンピングが発生するなどのようにキャリア速度の変動が生じていないかどうかがわかるので、これを利用したものである。具体的には、図6においてX1 >X2 >X3 >X4 >…>Xn を満たす場合はエンコーダ7の出力パルスの波形が正常である(キャリア速度の変動がない)と判断し、満たさない場合はエンコーダ7の出力パルスの波形が正常でない(キャリア速度の変動がある)と判断する。
【0025】
ST22にてエンコーダ7の出力パルスの波形が正常でない、すなわちキャリア速度が変動していると判断した場合は、ST23にてキャリアモータ6の加速量を減らしてST22の処理に戻る。このようにすることにより、図6に示すようにエンコーダ7の出力パルスの幅が徐々に短くなるような安定した加速制御を行うことができる。
また、ST22にてエンコーダ7の出力パルスの波形が正常である、すなわちキャリア速度が変動していないと判断した場合は、図3のST4の処理に戻る。
【0026】
上記ST4にてキャリア3が印字開始位置まで達したと判断した場合は、ST6にて印字出力制御を開始する。すなわち、ホストコンピュータ24から受信した印字データに基づいて1ライン分の印字出力を開始する。
【0027】
次に、ST7にてキャリアモータ6の速度が一定速度V0 に達したか否かを判断する。ST7にて一定速度V0 に達していないと判断したと場合は、ST8にて図4に示す速度変動抑制制御を伴うキャリアモータ6の加速制御を行ってST7の処理に戻る。また、ST7にて一定速度V0 に達したと判断した場合は、ST9にてその一定速度V0 を維持するようにキャリアモータ6を制御する定速制御を行う。
【0028】
そして、ST10にてキャリア3が印字終了位置から所定量だけ手前に達したか否かを判断する。これは減速制御を開始するタイミングを決めるための判断であり、印字終了前に減速制御を行わせるために必要な制御である。従って、印字終了位置からどの程度手前で減速制御を行わせるかは、安定した減速制御を行うことができる距離などに基づいて決定する必要があるが、ここではその1例として印字データのXキャラクタ分手前に達したか否かを判断する。
【0029】
ST10にてキャリア3の位置が印字終了位置からXキャラクタ分手前に達していないと判断した場合はST9の処理に戻り、印字終了位置からXキャラクタ分手前に達したと判断した場合はST11にて速度変動抑制制御を伴うキャリアモータ6の減速制御を行う。
【0030】
この速度変動抑制制御を伴うキャリアモータ6の減速制御は、図5に示すように、ST31にて予め設定したスローダウンデータに基づいてキャリアモータ6を制御することによりキャリアモータ6を減速し、キャリアモータ6の加速制御のときと同様にST32にてエンコーダ7の出力パルスの波形が正常(ダンピングが発生しない滑らかな変化)か否かを判断する。これにより、ダンピングが発生するなどのようにキャリア速度の変動が生じていないかどうかがわかる。
【0031】
ST32にてエンコーダ7の出力パルスの波形が正常でない、すなわちキャリア速度が変動していると判断した場合は、ST33にてキャリアモータ6の減速量を減らしてST32の処理に戻る。このようにすることにより、キャリア速度の変動を抑制した安定した減速制御を行うことができる。また、ST32にてエンコーダ7の出力パルスの波形が正常である、すなわちキャリア速度が変動していないと判断した場合は、図3のST12の処理に移る。
【0032】
すなわちST12にてキャリア3がキャリア停止位置に達したか否かを判断する。ST12にてキャリア停止位置に達していないと判断した場合はST11の処理に戻り、キャリア停止位置に達したと判断した場合はST13にてキャリアモータ6を反転制御してキャリア3をホームポジションに戻す。
【0033】
続いて、ST14にてすべての印字が終了したか否かを判断する。ST14にてすべての印字が終了していないと判断した場合はST3の処理に戻り、すべての印字が終了したと判断した場合はこの印字制御を終了する。
【0034】
このような構成の本実施の形態においては、1ライン分の印字を行う際、キャリアモータ6の加速制御時にエンコーダ7の出力パルスの波形を監視し、波形の乱れなどのキャリア速度の変動を検出したら加速量を減らすことによって、キャリア3の滑らかな加速を確保しつつ、図7に示すようにキャリア速度が一定速度V0 に達する前にキャリアの位置が主走査方向における所定の印字開始位置に達するように制御する。
【0035】
このため、キャリア速度が一定速度V0 に達する前、すなわち加速制御中に印字出力可能状態にすることができる。これにより、高速で印字を行うようにしてもそれに必要なキャリアの移動範囲を長くすることなく、キャリア3の加速に必要な距離を十分に確保できる。さらに、加速制御中は安定した速度制御がなされるため、加速制御中に印字出力を行ったとしても印字結果の品質を低下させることなく、高速で印字を行うことができる。
【0036】
また、キャリアモータ6の減速制御時においてもエンコーダ7の出力パルスの波形を監視し、波形の乱れなどのキャリア速度の変動を検出したら減速量を減らすことによって、キャリア3の滑らかな減速を確保しつつ、図7に示すようにキャリアが印字終了位置に達する前(Xキャラクタ前)にキャリアが減速制御に移るようにする。
【0037】
このため、キャリア3の減速制御中にも印字出力可能状態にすることができる。これにより、高速で印字を行うようにしてもそれに必要なキャリアの移動範囲を長くすることなく、キャリア3の減速に必要な距離を十分に確保できる。さらに、減速制御中は安定した速度制御がなされるため、減速制御中に印字出力を行ったとしても印字結果の品質を低下させることなく、高速で印字を行うことができる。
【0038】
また、本実施の形態によれば、印字品質を保持しつつ、キャリア3の移動範囲を短くすることができるため、プリンタの装置全体を小型化することもでき、コスト低下を図ることもできる。
【0039】
なお、本実施の形態では、キャリアを往動する際に印字出力を行ってキャリアを復動する際に印字出力は行わずにキャリアをホームポジションに戻す片側印字制御に適用した場合について説明したが、キャリアを往動する際のみならず、キャリアを復動する際にも印字出力を行う双方向印字制御に適用してもよい。
【0040】
また、本発明は、ワイヤドットプリンタのみならず、サーマルプリンタ、インクジェットプリンタなど、印字ヘッドを主走査方向に移動させながら印字出力を行うプリンタ一般に適用できる。
【0041】
次に、本発明をワイヤドットプリンタに適用した場合の第2の実施の形態を図8ないし図11を参照して説明する。なお、本実施の形態におけるワイヤドットプリンタのプラテン周辺の構成を示す図、ワイヤドットプリンタの構成を示すブロック図は、それぞれ図1、図2に示すものと同様であるため、それらの詳細な説明を省略する。
【0042】
本実施の形態において上記第1の実施の形態と異なるのは、第1の実施の形態がキャリア3の速度変動抑制制御をキャリア3の加速制御を開始してから一定速度V0 に達するまで行うのに対し、本実施の形態では図11に示すようにキャリア3の速度変動抑制制御をキャリア3が印字可能範囲Vに入ってから一定速度V0 に達するまでの間に行うようにした点である。
【0043】
本実施の形態におけるCPU11は、図8に示すような印字制御を行うようになっている。同図中のST51〜ST54の処理は、図3に示すST1〜ST14と同様の処理を行う。
そして、ST54にてキャリア3が印字開始位置まで達していないと判断した場合は、ST55にて速度変動抑制制御を伴わないキャリアモータ6の加速制御を行う。すなわち、図9に示すようにキャリア速度の変動を監視せずに、キャリアモータ6の加速制御のみを行う。
【0044】
ここでは、未だキャリア3が印字可能範囲Vに入っていないのでキャリア速度の変動の有無を考慮する必要がないことから、上記第1の実施の形態の場合よりも短い距離で加速制御するようにスローアップデータを設定することができる。
【0045】
次のST56〜ST60までの処理は、図3に示すST6〜ST10までと同様の処理を行う。
そして、ST60にてキャリア3の位置が印字終了位置からXキャラクタ分手前に達したと判断した場合はST61にて速度変動抑制制御を伴うキャリアモータ6の減速制御を行う。すなわち、図5に示す処理を行う。
【0046】
続いて、ST62にてキャリア位置が印字終了位置に達したか否かを判断する。ST62にて印字終了位置に達していないと判断した場合はST61の処理に戻り、印字終了位置に達したと判断した場合はST63にて速度変動抑制制御を伴わないキャリアモータ6の減速制御を行う。すなわち、図10に示すようにキャリア速度の変動を監視せずに、キャリアモータ6の減速制御のみを行う。
【0047】
ここでは、キャリア3が印字可能範囲Vを過ぎたのでキャリア速度の変動の有無を考慮する必要がないことから、上記第1の実施の形態の場合よりも短い距離で減速するようにスローダウンデータを設定することができる。
【0048】
そして、ST64にてキャリア位置がキャリア停止位置に達したか否かを判断する。ST64にてキャリア停止位置に達していないと判断した場合はST63の処理に戻り、キャリア停止位置に達したと判断した場合はST65にてキャリアモータ6を反転制御してキャリア3をホームポジションに戻す。
【0049】
このような構成の本実施の形態においては、図11に示すように、キャリア3の加速制御時においては、キャリア3を駆動開始してから印字可能範囲Vに入るまでは速度変動抑制制御を伴わない加速制御を行い、印字可能範囲Vに入ってからキャリア速度が一定速度V0 に達するまでは、速度変動抑制制御を伴う加速制御を行う。
これにより、キャリア速度の変動の有無を考慮する必要がない印字開始位置に達する前においては、上記第1の実施の形態の場合(図11において一点鎖線で示す)よりも短い距離で加速制御するようにスローアップデータを設定することができるので、印字結果の品質を低下させることなく、より高速で印字を行うことができ、キャリアの移動範囲Wもより短くすることができる。
【0050】
また、キャリア3の減速制御時においても、キャリア3が印字可能範囲Vを過ぎるまでは速度変動抑制制御を伴う減速制御を行い、印字可能範囲Vを過ぎたらキャリア停止までは、速度変動抑制制御を伴わない減速制御を行う。
これにより、キャリア速度の変動の有無を考慮する必要がない印字終了位置を過ぎた後においては、上記第1の実施の形態の場合よりも短い距離で減速制御するようにスローダウンデータを設定することができるので、印字結果の品質を低下させることなく、より高速で印字を行うことができ、キャリアの移動範囲Wもより短くすることができる。
【0051】
次に、本発明をワイヤドットプリンタに適用した場合の第3の実施の形態を図12及び図13を参照して説明する。なお、本実施の形態におけるワイヤドットプリンタのプラテン周辺の構成を示す図、ワイヤドットプリンタの構成を示すブロック図は、それぞれ図1、図2に示すものと同様であるため、それらの詳細な説明を省略する。また、本実施の形態におけるCPU11が行う印字制御の流れ図は、上記第2の実施の形態における図8に示すものと同様である。
【0052】
本実施の形態における印字制御において、上記第2の実施の形態と異なるのは、第2の実施の形態がST55にて印字可能範囲に入るまでに行う速度変動抑制制御を伴わないキャリアモータ6の加速制御としてキャリア3の加速制御のみを行うのに対して、本実施の形態ではST55にて印字可能範囲に入るまでに行う速度変動抑制制御を伴わないキャリアモータ6の加速制御としてキャリア速度が一定速度V0 よりも低い速度で予め設定した所定速度V1 まで一気に加速する制御を行う点である。
【0053】
具体的には、本実施の形態におけるCPU11は、図8に示すST54にてキャリア3が印字開始位置まで達していないと判断した場合は、ST55にて図12に示すような速度変動抑制制御を伴わないキャリアモータ6の加速制御を行う。すなわち、ST71にて予め設定したスローアップデータに基づいてキャリアモータ6の加速を行う。この場合、印字開始位置に達する前にキャリア速度が所定速度V1 に達するようにスローアップデータを設定しておけばよい。
【0054】
続いて、ST72にてキャリア速度が所定速度V1 に達したか否かを判断する。このとき、キャリア速度が所定速度V1 に達していないと判断した場合は図8に示すST54の処理に戻り、キャリア速度が所定速度V1 に達したと判断した場合はST73にてキャリア3の加速がより安定した状態で印字可能範囲Vに入るようにするため、加速量を減らして図8に示すST54の処理に戻る。
【0055】
このように、キャリア速度が一定速度V0 よりも低い速度で予め設定した所定速度V1 まで一気に加速する制御を行うようにすることによって、キャリア速度の変動の有無を考慮する必要がない印字開始位置に達する前にキャリア3を第2の実施の形態よりも速い速度V1 にしておくことができるので、上記第1の実施の形態の場合よりもさらに短い距離で加速制御するようにスローアップデータを設定することができることから、印字結果の品質を低下させることなく、さらに高速で印字を行うことができ、キャリアの移動範囲Wもさらに短くすることができる。
【0056】
また、キャリア速度の変動の有無を考慮する必要がない印字開始位置に達する前にキャリア3をより速い速度V1 にしておくことにより、第2の実施の形態の場合よりもさらに速くキャリア速度を一定速度V0 にすることができるので、図11に示す速度変動抑制制御を伴わない加速制御にかかる区間を短くすることができるため、一定速度V0 を保持する定速制御を行う区間が短くなることを防止できる。
【0057】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、キャリアの移動範囲を長くすることなく、かつ印字結果の品質を低下させることなく、高速で印字を行うことができ、また装置全体の小型化を図ることもできるシリアルプリンタを提供できるものである。
【0058】
また、キャリアの加速制御時において、キャリアが印字可能範囲Vに入ってからキャリア速度が一定速度V0 に達するまでは、速度変動抑制制御を伴う加速制御を行うことにより、キャリア速度の変動の有無を考慮する必要がない印字開始位置に達する前においては、より短い距離で加速制御するようにスローアップデータを設定することができるので、印字結果の品質を低下させることなく、より高速で印字を行うことができ、キャリアの移動範囲Wもより短くすることができる。
【0059】
また、キャリアの減速制御時において、キャリアが印字可能範囲Vを過ぎるまでは速度変動抑制制御を伴う減速制御を行うので、キャリア速度の変動の有無を考慮する必要がない印字終了位置を過ぎた後においてはより短い距離で減速制御するようにスローダウンデータを設定することができるので、印字結果の品質を低下させることなく、より高速で印字を行うことができ、キャリアの移動範囲Wもより短くすることができる。
【0060】
また、キャリア速度の変動の有無を考慮する必要がない印字開始位置に達する前にキャリアをより速い速度にしておくことにより、より速くキャリア速度を一定速度にすることができるので、一定速度を保持する定速制御を行う区間が短くなることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかるワイヤドットプリンタのプラテン周辺の構成を説明する図。
【図2】図1に示すワイヤドットプリンタの構成を示すブロック図。
【図3】図1に示すCPUが行う印字制御を示す流れ図。
【図4】図3に示す速度変動抑制制御を伴うキャリアモータの加速制御を示す流れ図。
【図5】図3に示す速度変動抑制制御を伴うキャリアモータの減速制御を示す流れ図。
【図6】同実施の形態におけるキャリア速度とエンコーダの出力パルスとの関係を示す図。
【図7】同実施の形態における印字制御で印字開始位置及び印字終了位置とキャリアの速度制御のタイミングとの関係を示す図。
【図8】本発明の第2の実施の形態におけるCPUが行う印字制御を示す流れ図。
【図9】図8に示す速度変動抑制制御を伴わないキャリアモータの加速制御を示す流れ図。
【図10】図8に示す速度変動抑制制御を伴わないキャリアモータの減速制御を示す流れ図。
【図11】同実施の形態における印字制御で印字開始位置及び印字終了位置とキャリアの速度制御のタイミングとの関係を示す図。
【図12】本発明の第3の実施の形態におけるCPUが行う印字制御であって、図8に示す速度変動抑制制御を伴わないキャリアモータの加速制御を示す流れ図。
【図13】同実施の形態における印字制御で印字開始位置及び印字終了位置とキャリアの速度制御のタイミングとの関係を示す図。
【図14】従来のシリアルプリンタにおける印字制御で印字開始位置及び印字終了位置とキャリアの速度制御のタイミングとの関係を示す図。
【図15】従来のシリアルプリンタにおいてキャリア速度を上げた場合のキャリア速度とエンコーダの出力パルスとの関係を示す図。
【符号の説明】
1…プラテン
2…キャリア軸
3…キャリア
4…印字ヘッド
6…キャリアモータ
7…エンコーダ
11…CPU
16…メカニカルコントローラ
18…ヘッドドライバ
19…モータドライバ
21…フィードモータ
22…モータドライバ

Claims (5)

  1. 印字ヘッドを搭載したキャリアを主走査方向に走行走査するキャリア駆動手段を備え、このキャリア駆動手段を制御して前記キャリアを一定速度まで加速してその一定速度を保持し、その後減速して停止するという一連の速度制御を行いながら、前記印字ヘッドから1ライン分の印字出力を行うシリアルプリンタにおいて、前記キャリア駆動手段のモータの回転に応じてパルスを発生させるエンコーダの出力パルスを監視する手段と、この出力パルスの波形が正常か否かを判断する手段とを有し、前記キャリアの加速制御中にキャリア速度が前記判断する手段により出力パルスの波形が正常でないことを判断したときにその加速量を減らすように前記キャリア駆動手段を制御する速度変動抑制制御を行うとともに、前記キャリアが前記一定速度に達する前に前記キャリアが印字可能範囲に入るように前記キャリア駆動手段を制御したことを特徴とするシリアルプリンタ。
  2. 印字ヘッドを搭載したキャリアを主走査方向に走行走査するキャリア駆動手段を備え、このキャリア駆動手段を制御して前記キャリアを一定速度まで加速してその一定速度を保持し、その後減速して停止するという一連の速度制御を行いながら、前記印字ヘッドから1ライン分の印字出力を行うシリアルプリンタにおいて、前記キャリア駆動手段のモータの回転に応じてパルスを発生させるエンコーダの出力パルスを監視する手段と、この出力パルスの波形が正常か否かを判断する手段とを有し、前記キャリアの減速制御中にキャリア速度が前記判断する手段により出力パルスの波形が正常でないことを判断したときにその減速量を減らすように前記キャリア駆動手段を制御する速度変動抑制制御を行うとともに、前記キャリアが印字可能範囲を過ぎる前に前記キャリアの減速を開始するように前記キャリア駆動手段を制御したことを特徴とするシリアルプリンタ。
  3. 前記キャリアの前記速度変動抑制制御は、前記キャリアが印字可能範囲に入ってから前記一定速度に達するまでの間のみに行うようにしたことを特徴とする請求項1記載のシリアルプリンタ。
  4. 前記キャリアの前記速度変動抑制制御は、前記キャリアの減速制御を開始してから前記キャリアが印字可能範囲を過ぎるまでの間のみに行うようにしたことを特徴とする請求項2記載のシリアルプリンタ。
  5. 前記キャリアを加速制御を開始してから前記キャリアが印字可能範囲に入るまでに、前記一定速度よりも低い速度で予め設定した速度に達するように前記キャリアの加速制御を行うようにしたことを特徴とする請求項3記載のシリアルプリンタ。
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