JPH0780330B2 - プリンタの印字ヘッド移動制御装置 - Google Patents

プリンタの印字ヘッド移動制御装置

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JPH0780330B2
JPH0780330B2 JP147388A JP147388A JPH0780330B2 JP H0780330 B2 JPH0780330 B2 JP H0780330B2 JP 147388 A JP147388 A JP 147388A JP 147388 A JP147388 A JP 147388A JP H0780330 B2 JPH0780330 B2 JP H0780330B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、プリンタの印字ヘッド移動制御装置に関し、
特にプリンタの印字ヘッドの移動を制御する印字ヘッド
移動制御装置に関する。
〔従来の技術〕
従来、プリンタの印字ヘッドの移動制御装置は、モータ
から印字ヘッド部分までが剛体結合されていると仮定
し、単にモータの回転角を任意に決定することにより印
字位置がそれに対応して決まるというものであった。従
って、プリンタの印字ヘッドを移動させるキャリアの駆
動は、モータの回転角のみの制御を行う装置が使用され
ていた。この装置において、高速になればモータからキ
ャリアに動力を伝達するワイヤ域はベルト等に、またキ
ャリアや印字ヘッドに振動が発生するため印字品位が低
下する現象があった。
最近は、駆動条件を的確に決定することにより振動の低
域を行う装置が研究開発されている。これは、前記ワイ
ヤ域はベルト等、またキャリアや印字ヘッドに振動が発
生しない駆動関数を求めることで高速高精度位置決め機
構を実現するものである。例えば、文献“ドットプリン
タにおける印字位置誤差の改善に関する研究”という題
目で日本機械学会第932回講演会論文集No.850−2に述
べられている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上述した従来のプリンタの印字ヘッド移動制御装置は、
低速な印字モードにおいては十分な高品位印字が実現で
きるが、高速印字においては印字品位が低下する問題が
あった。これは、プリンタのモータを高速に起動、停止
することにより発生する振動が印字位置誤差を引き起こ
すためである。
また、最適化されたモータの立ち上がり、立ち下がりを
実現する移動制御装置を持っていても、外乱や系の特性
パラメータの変動には適応できずに振動を発生してしま
う。さらに、印字モードに対応し目標速度が変動した場
合にも適応できない。
本発明の目的は、これらの問題点を解決したプリンタの
印字ヘッド移動制御装置を提供することにある。
〔問題点を解決する為の手段〕
本発明のプリンタの印字ヘッド移動制御装置は状態フィ
ードバック制御を用いたプリンタの印字ヘッド移動制御
装置において、印字ヘッドを搭載したキャリアを駆動す
るモータの状態量を検出するモータ状態量検出装置と、
前記モータに対し動力伝達機構を介して移動するキャリ
アの状態量を検出するキャリア状態量検出装置と、前記
モータ状態量検出装置と前記キャリア状態量検出装置と
により印字ヘッドの状態量を算出する印字ヘッド状態量
算出部および印字ヘッドの機械的特性を保持するパラメ
ータ保持部を有する印字ヘッド状態量推定装置と、前記
モータ状態量検出装置及びキャリア状態量検出装置及び
印字ヘッド状態量推定装置の各状態量により制御量を算
出する制御量算出装置と、前記制御量の算出結果にもと
ずいて前記モータを駆動する駆動装置とを有している。
〔作用〕
本発明はプリンタの印字ヘッドの移動制御装置は印字ヘ
ッドの目標速度に印字ヘッドの速度が追従することを制
御目的とするために、各機構要素の状態量をフィードバ
ックする最適レギュレータ則を制御則として用いる装置
構成になっている。
すなわち一般的なプリンタにおいてはモータから印字ヘ
ッド先端までの物理的な特性を持つ機械的要素は、 (ア) モータ (イ) 動力を伝達するワイヤ、或はベルト等、キャリ
アの摩擦力およびキャリアの質量により構成される振動
系 (ウ) 印字ヘッドの機械的減衰力、印字ヘッドの弾性
および印字ヘッドの質量により構成される印字ヘッド部
の振動系 があげられる。
これらのうちモータとキャリアの状態量は、検出器を設
定できるので測定可能である。しかし、印字ヘッドの状
態量はその先端に検出器を設定することができないの
で、印字ヘッド部の状態量を印字ヘッド部の状態量と制
御すべき印字ヘッド先端の速度を推定することにより得
る。
このように本発明は検出、及び推定された状態量に対
し、最適レギュレータ則により得た最適フィードバック
ゲインを用いて制御量を求めフィードバックし、また、
プリンタの印字ヘッドの移動制御装置の制御目的のため
に印字ヘッドの状態量を推定することにより推定した印
字ヘッド先端の速度に対し誤差を制御量にフィードバッ
クする。
〔実施例〕
本発明の実施例について図面を参照して説明する。
第1図は本発明の一実施例を示す。第1図において、本
発明の一実施例は印字ヘッド先端の速度を記憶した印字
ヘッド先端の目標速度に追従させることを制御目的とす
るプリンタの印字ヘッド移動制御装置で、印字ヘッド63
と、この印字ヘッドを搭載したキャリア61と、キャリア
61を駆動するモータ59とを有し、印字ヘッド63の速度を
モータ59およびキャリア61の状態フィードバック制御を
用いて制御するものである。
モータ59にはその状態量を検出するモータ状態量検出装
置67が取付けられており、キャリア61にはその状態量を
検出するキャリア状態量を検出するキャリア状態量検出
装置70が取付けられている。
印字ヘッド状態量推定装置73は印字ヘッドの先端の速度
のパラメータを保持するパラメータ保持するパラメータ
保持部76と、モータおよびキャリア状態量検出装置67お
よび70の状態量および先端速度のパラメータにより印字
ヘッドの状態量を算出する印字ヘッド状態量算出部78と
を有している。印字ヘッド目標記憶装置51は印字ヘッド
先端の目標速度を記憶するもので、この出力である目標
速度は制御量算出装置52に供給されるように接続されて
いる。制御量算出装置53はモータおよびキャリア状態量
検出装置67および70と印字ヘッド状態量算出部78とから
の各状態量と目標速度とにより制御量を算出し、制御量
に対応する速度指令値をD/A変換器55および駆動アンプ5
7を介してモータ59に供給するように構成されている。
第2図は本発明の一実施例におけるモータから印字ヘッ
ド先端までの物理的な特性を示す。第2図において、印
字ヘッド63は直線運動するためにキャリア61に一体にな
って搭載されている。キャリア61には、モータ59からプ
ーリ22、ワイヤ或はベルト24〜26等を介し動力が伝達さ
れる。モータ59は駆動アンプ57により駆動される。従っ
て、駆動アンプ57にモータ59の指令値が与えられること
により印字ヘッド63は直線運動を行い、適当な位置で印
字指令信号(図示せず)を与えることにより印字を行
う。
このプリンタの物理的に意味を持つ機械的要素は、 (ア) モータ59と、 (イ) 動力を伝達するワイヤ或はベルト24〜26等、キ
ャリア61の摩擦力27およびキャリア61の質量により構成
される振動系と、 (ウ) 印字ヘッドの機械的減衰力30、弾性31、および
質量32により構成される印字ヘッド部63の振動系と があげられる。
これらのうちモータ59とキャリア61の状態量は、検出器
を設定できるのでモータおよびキャリア状態量検出装置
67,70により得られる。印字ヘッドの状態量はその先端
に検出器を設定することができないので、印字ヘッド部
63の状態量を印字ヘッド状態量推定装置73により得る。
この印字ヘッド状態量推定装置73は、印字ヘッド部の状
態量と制御すべき印字ヘッド先端の速度を推定する。
次に本発明の一実施例であるプリンタの印字ヘッドの移
動制御装置を構成する、モータ状態量検出装置67、キャ
リア状態量検出装置70、印字ヘッド状態量検出装置73に
ついて説明する。
この一実施例では、得られた状態量よりモータ59に対す
る制御量を求める装置内で状態量を離散時間系で扱う
が、連続時間系に対しても本発明が適用可能であること
は明らかであり、これらの変形は本発明の主旨を逸脱し
ない範囲で行ってもよく、以下の記述が本発明の範囲を
限定するものではない。
モータ59の状態量66は、第4図に示すモータ状態量検出
装置67により検出される。第4図において、モータの状
態量101(第6図66)はモータ59の動作で、タコジェネ
レータ102に供給されて、角速度信号103として得られ
る。この角速度信号103はアナログ量であり、状態量を
扱い易くするためにA/D変換器104でデジタル量105に変
換される。このデジタル量105は連続時間系であり、サ
ンプラ−106で離散時間系107に変換する。離散時間系10
7の量は検出器固有のものであり、比例定数108を乗算し
統一された単位系の速度109を得る。さらに速度109を微
分器110、積分器112を通すことで角加速度111、回転角1
13を得る。前記速度109及び角加速度111、回転角113を
モータ状態量検出装置68の状態量68として制御量算出装
置53に入力する。
キャリア61の状態量は、第5図に示すキャリア状態量検
出装置70で検出される。第5図において、キャリアの状
態量151(第1図69)はキャリア61の動作で、速度検出
器152に供給され、速度信号153として得られる。この速
度信号153もモータ59の角速度信号103と同様にA/D変換
器154によりデジタル量155に変換され、サンプラ−156
で離散時間系157に変換される。さらに比例定数158を乗
算し統一された単位系の速度159を得る。さらにこの速
度159を微分器160、積分器162を通すことで加速度信号1
61、位置信号163を得る。速度159及び加速度161、位置1
63を状態量71として、制御量算出装置53に入力する。
このように印字ヘッド部63での状態量62は、印字ヘッド
状態量推定装置73により行う。この印字ヘッド状態量推
定装置73を構成するため、印字ヘッド部のモデル化を集
中定数系で行う。通常、印字ヘッドは複雑な形状をして
いる。従って、印字ヘッド部のモデル化は有限要素法或
はモーダル解析等により分布定数系で行わなければなら
ない。その場合にも本発明の構成の装置を用い印字ヘッ
ド状態量推定装置のモデルを変えるだけなので、これら
の変形は本発明の主旨を逸脱しない範囲で行ってもよ
く、以下の記述が本発明の範囲を限定するものではな
い。第2図に示す印字ヘッド34は、機械的粘性30、機械
的弾性31、質量32の組合せとしてモデル化できる。従っ
て、キャリア61の速度29を入力、印字ヘッド先端の速度
33を出力としたときの周波数領域での伝達関数は、 で表される。ここで、 V1(s)=L{v1(t)} V2(s)=L{v2(t)} (L{}はラプラス変換を表す) ξ:減衰係数 ω:固有振動数〔rad/s〕 である。ξとωは印字ヘッド部の機械的特性を表すパラ
メータであり、周波数応答を調べることにより固定でき
る。状態空間法により状態方程式で印字ヘッド部を入出
力特性を記述し直すと x(t)=Ax(t)+Bu(t) …(2) y(t)=Cx …(3) である。ここで、 である。前記したように状態量は、離散時間系で扱うの
で(2),(3)式を次のように、 x(k+1)=A´x(k)+B´u(k) …(4) y(k)=C´x(k) …(5) 離散化する。ここで、 である。そこで、パラメータ保持部76にA´,B´,C´を
保持し、パラメータ77として印字ヘッド状態量算出部78
に入力する。また、モータ及びキャリアの状態量72,75
も印字ヘッド状態量算出部78に入力する。印字ヘッド状
態量算出部78は、(4),(5)式を逐次解くことによ
り印字ヘッド部の状態量を算出し、状態量74として推定
できる。
検出された状態量68,71と推定された状態量74を用い
て、制御量算出装置53で制御量を計算するが、次にこの
装置53について説明する。
制御対象を、 (t)=Ax(t)+Bu(t) …(6) y(t)=Cx(t) …(7) でモデル化する。ここでA,B,Cは第2図に示す物理的モ
デルより得られる。モータにサーボモータ、動力伝達に
ワイヤを用いた例をあげると、 の係数行列でモデル化できる。ここで、制御系への入力
u(t)は速度指令値54であり、出力y(t)は印字ヘ
ッド先端の速度64で、 ωm:サーボモータの析点振動数〔rad/s〕 ξ1:ワイヤの減衰係数 ω1:ワイヤの固有振動数〔rad/s〕 ξ2:印字ヘッドの減衰係数 ω2:印字ヘッドの固有振動数〔rad/s〕 である。これを(4),(5)式により離散化を行い離
散時間系として取り扱う。
目標値52に出力y(t)を追従させるために第3図に示
す制御系を用いる。これは、(4),(5)式の系に対
し、印字ヘッド目標記憶装置51からの出力16である目標
値rと印字ヘッド状態量推定装置73の出力17である印字
ヘッド先端の速度推定量y´(k)の差、 ε(k)=r−y´(k) …(8) をとり、モータの制御量3の変分 v(k)=u(k+1)−u(k) …(9) 及び状態量の変分を ξ(k)=x(k+1)−x(k) …(10) とおくと、 なる拡大系で表示される。ここで、最適レギュレータ則
を適用する。(8),(9)式に対して、評価関数、 を考える。ここで、QとRは正定対称行列である。ここ
で分かりやすいように、 と置き直す。ここで、システム(A,B,C)が可到達で可
観測ならば、リカッチ代数方程式 P=AtPA−AtPB(BtPB+R)-1BtPA+CtQC …(14) は唯一の正定対称行列を持ち、(10)式のJ〔v〕を最
小にする最適入力v0(k)は、 〔K K1〕=−(BtPB+R)-1BtPA …(16) で与えられる。ここで、Kは検出した状態量11,12と状
態量推定装置73により推定した状態量14のベクトルをフ
ィールドバックする際乗算するゲインベクトルであり、
K1は(8)式の差を積分しフィードバックする際のゲイ
ンベクトルである。したがって、v0(k)に対応する元
の制御入力u0(k)は、 となり制御系が構成できる。
本発明の一実施例によれば、第6図に示す従来の移動制
御装置を用いた場合の立ち上がりの印字ヘッド先端にお
ける速度振動が、第7図に示すように低減できる。
〔発明の効果〕
上述したように本発明は前記従来の問題点を解決したプ
リンタ印字ヘッド移動制御装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例であるプリンタの印字ヘッド
の移動制御装置を示すブロック図、第2図はプリンタの
モータから印字ヘッド先端までの物理的特性を示すモデ
ル図、第3図は本発明の本実施例の制御系を示すブロッ
ク図、第4図は本実施例におけるモータ状態量検出装置
を示す詳細図、第5図は本実施例におけるキャリアの状
態量検出装置を示す詳細図、第6図は従来の移動制御装
置を用いた場合の印字ヘッド先端における立ち上がりの
速度を示す実験結果図、第7図は本発明の一実施例によ
る移動制御装置を用いた場合の印字ヘッド先端における
立ち上がりの速度を示す実験結果図である。 51……印字ヘッド目標記憶装置、53……制御量算出装
置、55……D/A変換器、57……駆動ポンプ、59……モー
タ、61……キャリア、63……印字ヘッド、65……印字、
67……モータ状態量、70……キャリア状態量検出装置、
73……印字ヘッド状態量推定装置、76……パラメータ保
持部、78……印字ヘッド状態量算出部。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】状態フィードバック制御を用いたプリンタ
    の印字ヘッド移動制御装置において、前記印字ヘッドを
    搭載したキャリアを駆動するモータの状態量を検出する
    モータ状態量検出装置と、前記モータに対し動力伝達機
    構を介して移動するキャリアの状態量を検出するキャリ
    ア状態量検出装置と、前記モータ状態量検出装置と前記
    キャリア状態量検出装置とにより印字ヘッドの状態量を
    算出する印字ヘッド状態量算出部および印字ヘッドの機
    械的特性を保持するパラメータ保持部を有する印字ヘッ
    ド状態量推定装置と、前記モータ状態量検出装置及びキ
    ャリア状態量検出装置及び印字ヘッド状態量推定装置の
    各状態量により制御量を算出する制御量算出装置と、前
    記制御量の算出結果にもとずいて、前記モータを駆動す
    る駆動装置とからなることを特徴とするプリンタの印字
    ヘッド移動制御装置。
JP147388A 1988-01-06 1988-01-06 プリンタの印字ヘッド移動制御装置 Expired - Lifetime JPH0780330B2 (ja)

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JP2004358799A (ja) 2003-06-04 2004-12-24 Canon Inc キャリッジ駆動制御方法
ES2347662T3 (es) * 2005-05-09 2010-11-03 Agfa Graphics N.V. Configuracion de doble lanzadera para impresoras digitales.

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