JP6880616B2 - 印刷装置、印刷装置の制御方法、及び、プログラム - Google Patents

印刷装置、印刷装置の制御方法、及び、プログラム Download PDF

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Description

本発明は、印刷装置、印刷装置の制御方法、及び、プログラムに関する。
従来から、モータで被印刷媒体を搬送しながら、サーマルヘッドに設けられた複数の発熱素子に対する通電を制御することで、被印刷媒体に1ラインずつ印刷を行う印刷装置が知られている。このような印刷装置では、サーマルヘッドの温度に応じて通電時間を制御することで良好な印刷結果を得る方式が一般に採用されている。また、サーマルヘッドの温度に応じた通電時間は、ROM(Read Only Memory)にテーブル形式で格納されている。
ところで、サーマルヘッドを備える印刷装置の分野では、印刷モードや印刷データに応じて互いに異なる印刷速度で印刷を行う技術が知られている(特許文献1、特許文献2参照)。互いに異なる印刷速度で印刷を行う場合、サーマルヘッドが同じ温度であっても、各印刷速度において印刷に適した通電時間は異なる。このため、複数の印刷速度で印刷を行う印刷装置では、サーマルヘッドの温度と印刷速度に応じて通電時間を制御することが望ましい。
特開2011−062896号公報 国際公開第2012/132987号
サーマルヘッドの温度と印刷速度とに応じて通電時間を制御する印刷装置では、印刷速度の種類が増えるほどテーブルで管理する通電時間の情報量が増加することになる。特に、印刷速度が連続的に変化する印刷装置では、管理すべき通電時間の情報量の増加が著しく、通電テーブルを格納するROMのサイズが大きくなってしまう。
また、通電時間は、サーマルヘッドの温度や印刷速度以外の印刷条件に応じて変更してもよい。例えば、通電中に印刷データを入れ替えて階調を表現する場合には、印刷データの入れ替え前後の通電時間をそれぞれ管理することで階調表現を制御してもよい。そのような場合にも、通電時間の情報量が増加することになるため、通電テーブルを格納するROMのサイズが大きくなってしまう。
以上のような実情を踏まえ、本発明の一側面に係る目的は、ROM等の記憶部の容量を抑えながら、種々の印刷条件に応じて通電時間を適切に制御することである。
本発明の一態様に係る印刷装置は、複数の発熱素子を有して被印刷媒体に印刷を行う印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドの温度と前記複数の発熱素子の少なくとも一部に通電する通電時間とが対応付けられた通電テーブルを格納し、前記通電テーブルは前記通電時間の各々に対応する前記被印刷媒体を搬送する互いに異なる複数の搬送速度を記憶する記憶部と、前記印刷ヘッドの温度を測定する測定部と、前記被印刷媒体を、前記複数の搬送速度に含まれない第1の搬送速度で搬送するように設定され、且つ、前記測定部により測定された前記印刷ヘッドの温度が第1の温度であるときに、前記複数の発熱素子の少なくとも一部に通電する第1の通電時間を、前記通電テーブルのうちの、前記搬送速度のうちの前記第1の搬送速度より速い一つの第2の搬送速度に対応した第1の通電テーブルと、前記複数の搬送速度のうちの前記第1の搬送速度より遅い一つの第3の搬送速度に対応した第2の通電テーブルと、に基づいて算出する制御部と、を備え、前記制御部は、前記被印刷媒体の搬送速度を時間経過とともに増加させる加速期間中又は前記搬送速度を時間経過とともに減少させる減速期間中であるときに、前記第1の通電時間の算出を行うことを特徴とする。
本発明の一態様に係る制御方法は、印刷装置の制御方法であって、前記印刷装置は、複数の発熱素子を有して被印刷媒体に印刷を行う印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドの温度と前記複数の発熱素子の少なくとも一部に通電する通電時間とが対応付けられた通電テーブルを格納し、前記通電テーブルは前記通電時間の各々に対応する前記被印刷媒体を搬送する互いに異なる複数の搬送速度を記憶する記憶部と、前記印刷ヘッドの温度を測定する測定部と、を有し、前記被印刷媒体を、前記複数の搬送速度に含まれない第1の搬送速度で搬送するように設定され、且つ、前記測定部により測定された前記印刷ヘッドの温度が第1の温度であるときに、前記複数の発熱素子の少なくとも一部に通電する第1の通電時間を、前記通電テーブルのうちの、前記搬送速度のうちの前記第1の搬送速度より速い一つの第2の搬送速度に対応した第1の通電テーブルと、前記複数の搬送速度のうちの前記第1の搬送速度より遅い一つの第3の搬送速度に対応した第2の通電テーブルと、に基づいて算出し、前記被印刷媒体の搬送速度を時間経過とともに増加させる加速期間中又は前記搬送速度を時間経過とともに減少させる減速期間中であるときに、前記第1の通電時間の算出を行う。
本発明の一態様に係るプログラムは、印刷装置を制御するコンピュータにより実行されるプログラムであって、前記印刷装置は、複数の発熱素子を有して被印刷媒体に印刷を行う印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドの温度と前記複数の発熱素子の少なくとも一部に通電する通電時間とが対応付けられた通電テーブルを格納し、前記通電テーブルは前記通電時間の各々に対応する前記被印刷媒体を搬送する互いに異なる複数の搬送速度を記憶する記憶部と、前記印刷ヘッドの温度を測定する測定部と、を有し、前記プログラムは、前記コンピュータにおいて、前記被印刷媒体を、前記複数の搬送速度に含まれない第1の搬送速度で搬送するように設定され、且つ、前記測定部で測定された前記印刷ヘッドの温度が第1の温度であるときに、前記複数の発熱素子の少なくとも一部に通電する第1の通電時間を、前記通電テーブルのうちの、前記搬送速度のうちの前記第1の搬送速度より速い一つの第2の搬送速度に対応した第1の通電テーブルと、前記複数の搬送速度のうちの前記第1の搬送速度より遅い一つの第3の搬送速度に対応した第2の通電テーブルと、に基づいて算出させ、前記被印刷媒体の搬送速度を時間経過とともに増加させる加速期間中又は前記搬送速度を時間経過とともに減少させる減速期間中であるときに、前記第1の通電時間の算出を行わせる。
上記の態様によれば、ROM等の記憶部の容量を抑えながら、印刷条件に応じて通電時間を適切に制御することができる。
印刷装置1の斜視図である。 印刷装置1に収納されるテープカセット30の斜視図である。 印刷装置1のカセット収納部19の斜視図である。 印刷装置1の断面図である。 印刷装置1の制御ブロック図である。 一括印刷期間中に制御部5から出力される信号のタイミングチャートである。 分割印刷期間中に制御部5から出力される信号のタイミングチャートである。 印刷装置1が有するステッピングモータ12の動特性を例示した図である。 印刷制御処理のフローチャートである。 搬送速度決定処理のフローチャートである。 テープ幅12mmの被印刷媒体Mを速度優先モードで印刷した場合の搬送速度の変化を例示した図である。 テープ幅24mmの被印刷媒体Mを速度優先モードで印刷した場合の搬送速度の変化を例示した図である。 通電時間決定処理のフローチャートである。 通電時間テーブルを例示した図である。 通電時間の算出方法について説明するための図である。 通電時間テーブルの変形例を示した図である。 通電時間の算出方法について説明するための別の図である。 印刷データを通電期間内に3回入れ替える場合のストローブ信号を例示した図である。 印刷装置1aとコンピュータ50の間での通電テーブルのやり取りについて説明するための図である。
図1は、本発明の一実施形態に係る印刷装置1の斜視図である。印刷装置1は、被印刷媒体に印刷を行うサーマルヘッドを備える印刷装置であり、例えば、長尺状の被印刷媒体Mに、シングルパス方式で印刷を行うラベルプリンタである。以降では、インクリボンを使用する熱転写方式のラベルプリンタを例にして説明するが、印刷方式は特に限定されない。例えば、感熱紙を使用する感熱方式であってもよい。被印刷媒体Mは、例えば、接着層を有する基材と、接着層を覆うように剥離可能に基材に貼付された剥離紙と、を有するテープ部材である。被印刷媒体Mは、離型紙なしのテープ部材であってもよい。
印刷装置1は、図1に示すように、装置筐体2と、入力部3と、表示部4と、開閉蓋18と、カセット収納部19を備える。装置筐体2の上面には、入力部3、表示部4、及び開閉蓋18が配置されている。また、図示しないが、装置筐体2には、電源コード接続端子、外部機器接続端子、記憶媒体挿入口等が設けられている。
入力部3は、入力キー、十字キー、変換キー、決定キーなどの種々のキーを備える。表示部4は、例えば液晶表示パネルであり、入力部3からの入力に対応する文字等、各種設定のための選択メニュー、各種処理に関するメッセージ等を表示する。また、印刷中には、被印刷媒体Mへの印刷が指示された文字や図形等の内容(以降、印刷内容と記す)が表示され、印刷処理の進捗状況が表示されてもよい。なお、表示部4にはタッチパネルユニットが設けられていてよく、その場合、表示部4を入力部3の一部として看做してもよい。
開閉蓋18は、カセット収納部19の上部に開閉可能に配置されている。開閉蓋18は、ボタン18aを押下されることにより開放される。開閉蓋18には、この開閉蓋18が閉じた状態でもカセット収納部19にテープカセット30(図2参照)が収納されているか否かを目視で確認可能とするために、窓18bが形成されている。また、装置筐体2の側面には、排出口2aが形成されている。印刷装置1内で印刷が行われた被印刷媒体Mは、排出口2aから装置外へ排出される。
図2は、印刷装置1に収納されるテープカセット30の斜視図である。図3は、印刷装置1のカセット収納部19の斜視図である。図4は、印刷装置1の断面図である。図2に示すテープカセット30は、図3に示すカセット収納部19に着脱自在に収納される。図4には、テープカセット30がカセット収納部19に収納された状態が示されている。
テープカセット30は、図2に示すように、サーマルヘッド被挿入部36及び係合部37が形成された、被印刷媒体MとインクリボンRを収容するカセットケース31を有する。カセットケース31には、テープコア32とインクリボン供給コア34とインクリボン巻取りコア35が設けられている。被印刷媒体Mは、カセットケース31内部のテープコア32にロール状に巻かれている。また、熱転写用のインクリボンRは、その先端がインクリボン巻取りコア35に巻きつけられた状態で、カセットケース31内部のインクリボン供給コア34にロール状に巻かれている。
装置筐体2のカセット収納部19には、図3に示すように、テープカセット30を所定の位置に支持するための複数のカセット受け部20が設けられている。また、カセット受け部20には、テープカセット30が収容するテープ(被印刷媒体M)の幅を検出するためのテープ幅検出スイッチ24が設けられている。テープ幅検出スイッチ24は、カセットの形状に基づいて被印刷媒体Mの幅を検出する検出部である。
カセット収納部19には、さらに、被印刷媒体Mに印刷を行う複数の発熱素子を有するサーマルヘッド10と、被印刷媒体Mを搬送する搬送部であるプラテンローラ21と、テープコア係合軸22と、インクリボン巻取り駆動軸23が設けられている。さらに、サーマルヘッド10には、サーミスタ13が埋め込まれている。サーミスタ13は、サーマルヘッド10の温度を測定する測定部である。
テープカセット30がカセット収納部19に収納された状態では、図4に示すように、カセットケース31に設けられた係合部37がカセット収納部19に設けられたカセット受け部20に支持されて、サーマルヘッド10がカセットケース31に形成されたサーマルヘッド被挿入部36に挿入される。また、テープコア係合軸22には、テープカセット30のテープコア32が係合し、さらに、インクリボン巻取り駆動軸23には、インクリボン巻取りコア35が係合する。
印刷装置1に印刷指示が入力されると、被印刷媒体Mは、プラテンローラ21の回転によりテープコア32から繰り出される。この際、インクリボン巻取り駆動軸23がプラテンローラ21に同調して回転することで、被印刷媒体MとともにインクリボンRがインクリボン供給コア34から繰り出される。これにより、被印刷媒体MとインクリボンRは重なった状態で搬送される。そして、サーマルヘッド10とプラテンローラ21の間を通過する際にインクリボンRがサーマルヘッド10によって加熱されることで、インクが被印刷媒体Mに転写され、印刷が行われる。
サーマルヘッド10とプラテンローラ21の間を通過した使用済みのインクリボンRは、インクリボン巻取りコア35に巻き取られる。一方、サーマルヘッド10とプラテンローラ21の間を通過した印刷済みの被印刷媒体Mは、ハーフカット機構16及びフルカット機構17で切断され、排出口2aから排出される。
図5は、印刷装置1の制御ブロック図である。印刷装置1は、上述の入力部3、表示部4、サーマルヘッド10、サーミスタ13、ハーフカット機構16、フルカット機構17、プラテンローラ21、テープ幅検出スイッチ24に加えて、制御部5、ROM(Read Only Memory)6、RAM(Random Access Memory)7、表示部駆動回路8、ヘッド駆動回路9、搬送用モータ駆動回路11、ステッピングモータ12、カッターモータ駆動回路14、及び、カッターモータ15を備える。なお、制御部5、ROM6、及びRAM7は、印刷装置1のコンピュータを構成する。
制御部5は、例えばCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ5aを含む。制御部5は、ROM6に記憶されているプログラムをRAM7に展開し実行することで、印刷装置1の各部の動作を制御する。制御部5は、例えば、サーマルヘッド10を制御するヘッド制御部であり、プラテンローラ21を制御する搬送制御部であり、カット機構を制御するカット制御部である。
ROM6は、被印刷媒体Mに印刷を行う印刷プログラム、印刷プログラムの実行に必要な各種データ(例えば、フォント等)を記憶する。また、ROM6は、サーマルヘッド10の温度と複数の発熱素子10aに対して通電する時間(以降、単に通電時間と記す)とが対応付けられた複数の通電テーブルを格納する記憶部である。温度と通電時間の対応関係は、被印刷媒体Mを搬送する搬送速度によって異なる。ROM6には、温度と通電時間の対応関係が互いに異なる複数の通電テーブルが格納されていて、複数の通電テーブルの各々は互いに異なる複数の搬送速度の各々に対応している。また、ROM6は、制御部5によって読取り可能なプログラムが記憶された記憶媒体としても機能する。
RAM7は、印刷についての情報(以降、印刷情報と記す)を記憶する入力データメモリとして機能する。また、RAM7は、印刷情報に基づいて生成される、被印刷媒体に形成する印刷内容のパターンを示すデータ(以降、印刷データと記す)を記憶する印刷データメモリとしても機能する。さらに、RAM7は、印刷情報に基づいて生成される、表示用データを記憶する表示データメモリとしても機能する。
表示部駆動回路8は、RAM7に記憶された表示用データに基づいて表示部4を制御する。表示部4は、表示部駆動回路8の制御下で、例えば、印刷処理の進捗状況が認識可能な態様で印刷内容を表示してもよい。
ヘッド駆動回路9は、印刷データとストローブ信号に基づいて複数の発熱素子10aへの通電を行う。サーマルヘッド10は、主走査方向に配列された複数の発熱素子10aを有する印刷ヘッドである。サーマルヘッド10は、制御部5から送出されたストローブ信号がONである期間(即ち、通電期間)に、印刷データに応じて、発熱素子10aの少なくとも一部がヘッド駆動回路9により選択的に通電されることで、発熱素子10aでインクリボンRを加熱して、熱転写により被印刷媒体Mに1ラインずつ印刷を行う。
搬送用モータ駆動回路11は、ステッピングモータ12を駆動する。ステッピングモータ12は、プラテンローラ21を駆動する。プラテンローラ21は、ステッピングモータ12の動力によって回転し、被印刷媒体Mの長手方向(副走査方向)に被印刷媒体Mを搬送する搬送部である。
カッターモータ駆動回路14は、カッターモータ15を駆動する。ハーフカット機構16及びフルカット機構17は、カッターモータ15の動力によって動作し、被印刷媒体Mをハーフカット又はフルカットする。フルカットとは、被印刷媒体Mの基材を剥離紙とともに幅方向に沿って切断する動作のことであり、ハーフカットは、基材のみを幅方向に沿って切断する動作のことである。
以上のように構成された印刷装置1では、制御部5は、サーミスタ13で測定されたサーマルヘッド10の温度(以降、測定温度と記す。)を含む印刷条件に応じて、複数の発熱素子10aの少なくとも一部に対する通電時間を制御する。より詳細には、制御部5は、測定温度を含む印刷条件(第1の印刷条件)下での通電時間が複数の通電テーブルの何れかに記録されている場合には、複数の通電テーブルのうちの該当する通電テーブルを参照して、その通電テーブルから印刷条件(第1の印刷条件)下での通電時間を抽出し、抽出した通電時間に従って複数の発熱素子10aの少なくとも一部に対する通電を制御する。一方、制御部5は、測定温度を含む印刷条件(第1の印刷条件)下での通電時間が複数の通電テーブルの何れにも記録されていない場合には、複数の通電テーブルを参照して、複数の通電テーブルから目的とする印刷条件に近い、互いに異なる少なくとも二つの印刷条件(第2の印刷条件、第3の印刷条件)下での少なくとも二つの通電時間を抽出する。そして、抽出した少なくとも二つの通電時間に基づいて、目的とする印刷条件(第1の印刷条件)での通電時間を算出する。更に具体的には、制御部5は、例えば、被印刷媒体Mを、複数の通電テーブルに対応する複数の搬送速度に含まれない第1の搬送速度で搬送するように設定され、且つ、サーミスタ13により測定されたサーマルヘッド10の温度が第1の温度であるときに、複数の発熱素子10aの少なくとも一部に通電する第1の通電時間を、複数の通電テーブルのうちの、第1の搬送速度と異なる搬送速度に対応している少なくとも二つの通電テーブルに基づいて算出する。そして、制御部5は、算出した通電時間に従って複数の発熱素子10aの少なくとも一部に対する通電を制御する。これにより、印刷条件に応じて通電時間が適切に制御される。なお、ここで、印刷条件とは、印刷品位に影響を及ぼす種々の条件をいい、サーミスタ13で測定されたサーマルヘッド10の温度、被印刷媒体Mの搬送速度、被印刷媒体Mのテープ幅などが含まれる。
また、印刷装置1では、制御部5は、通電時間に対応する期間(即ち、通電期間)中にヘッド駆動回路9が保持する印刷データを1回入れ替える。より詳細には、制御部5は、通電期間中にヘッド駆動回路9が保持する印刷データを、本通電データから履歴通電データに入れ替える。これにより、被印刷媒体Mに所望のパターンを高品位に印刷するための階調表現が可能となる。なお、ここで、本通電データとは、その通電期間中に印刷対象となるライン(以降、印刷ラインと記す。)に形成する印刷パターンを示す印刷データである。また、履歴通電データとは、印刷ラインよりも時間的に先に印刷が行われる先行ライン(例えば、印刷ラインよりも1ライン前のラインなど)の印刷データに基づいて生成された印刷データである。
また、印刷装置1では、サーマルヘッド10が有する複数の発熱素子10aに一度に通電すると、電流容量が不足する可能性がある。そこで、制御部5は、一印刷ラインの印刷で通電される発熱素子の数が特定数を超える場合、つまり、特定数を超える数の印刷ドットを有する印刷ラインの印刷を行う場合には、その印刷ラインの印刷を複数回に分けて行うように制御する。これにより、電流容量の不足する事態を回避することができる。
図6Aは、一括印刷期間中に制御部5から出力される信号のタイミングチャートである。図6Bは、分割印刷期間中に制御部5から出力される信号のタイミングチャートである。なお、一括印刷とは、複数の発熱素子10aのうちの印刷ラインに含まれる印刷ドットの数に対応する数の発熱素子10aを同時に駆動する一括駆動により印刷ラインを一度に印刷することをいう。分割印刷とは、印刷ラインに含まれる印刷ドットの数に対応する数の発熱素子10aを複数に分けて、印刷ラインを複数回に分けて印刷することをいう。一括印刷では、図6Aに示すように、被印刷媒体Mが1印刷ライン分だけ搬送される1ライン周期T中にストローブ信号がONである通電期間が1つ存在する。これに対して、分割印刷では、図6Bに示すように、1ライン周期T中にストローブ信号がONである通電期間が複数(2分割であれば2つ)存在する。
印刷ラインを複数回に分けて印刷する分割印刷は、一括印刷に比べて印刷に時間がかかるため、分割印刷における被印刷媒体Mの搬送速度の方が一括印刷の搬送速度よりも遅くなる。このため、図6A及び図6Bに示すように、一括印刷と分割印刷では、被印刷媒体Mが1印刷ライン分だけ搬送される1ライン周期Tの長さが異なり、分割印刷の1ライン周期Tの方が一括印刷の1ライン周期Tよりも長くなる。また、搬送速度(換言すると、1ライン周期)が異なると、先行ラインの印刷で生じた発熱の影響や印刷に必要なエネルギー量も異なる。このため、図6A及び図6Bに示すように、一括印刷と分割印刷では、通電時間(本通電時間TS1、履歴通電時間TS2)が異なり、分割印刷の通電時間の方が一括印刷の通電時間よりも長くなる。
また、印刷装置1では、印刷速度と印刷品位のどちらをより優先させるかを利用者が選択することができる。制御部5は、印刷速度を優先する印刷モードである速度優先モードが選択された場合には、印刷品位を優先する印刷モードである品位優先モードが選択された場合よりも、搬送速度が速く、1ライン周期T及び通電時間が短くなるように、サーマルヘッド10とステッピングモータ12を制御する。このため、印刷装置1には、印刷モードが速度優先モードであるか品位優先モードであるか、印刷が一括印刷であるか分割印刷であるかによって、少なくとも4種類の搬送速度が存在することになる。従って、印刷装置1のROM6には、例えば、4種類の搬送速度の各々に応じた4つの通電テーブルが格納されている。
また、印刷装置1では、制御部5は、印刷処理において、ステッピングモータ12の自起動領域からスルー領域への移行が印刷時間の短縮につながるか否かを判定するように構成されている。また、制御部5は、その判定結果に基づいてスルー領域へ移行するか否かを決定するように構成されている。
図7は、印刷装置1が有するステッピングモータ12の動特性を例示した図である。縦軸のトルクTqは、プラテンローラ21を回転させるために必要なトルクを示している。横軸のパルスレートP1gは、品位優先モードにおいて分割印刷時に取り得る搬送速度に対応するパルスレートを示している。パルスレートP1sは、速度優先モードにおいて分割印刷時に取り得る搬送速度に対応するパルスレートを示している。パルスレートP2gは、品位優先モードにおける一括印刷時に取り得る搬送速度に対応するパルスレートを示している。パルスレートP2sは、速度優先モードにおける一括印刷時に取り得る搬送速度に対応するパルスレートを示している。
ここで、縦軸と横軸と実線L1とで囲まれる領域は自起動領域を示し、実線L1と実線L2と横軸とで囲まれる領域はスルー領域を示している。印刷装置1では、図7に示すように、トルクTqにおいて、速度優先モードでの一括印刷時のパルスレートP2sがスルー領域に存在し、速度優先モードでの分割印刷時のパルスレートP1sが自起動領域に存在する、といった状況が発生する。
自起動領域内でパルスレートを変更する場合、ステッピングモータ12はパルスレートの変更に同期する。このため、印刷装置1は、搬送速度を変更後のパルスレートに対応する速度に即座に変更することができる。これに対して、自起動領域内のパルスレートからスルー領域内のパルスレートへ変更する場合には、ステッピングモータ12に対してパルスレートを徐々に速める加速動作を行った後にスルー領域内で動作させるようにしなければならない。また、スルー領域内のパルスレートから自起動領域内のパルスレートへ変更する場合には、ステッピングモータ12に対してパルスレートを徐々に遅くする減速動作を行った後に自起動領域内で動作させるようにしなければならない。このため、搬送速度が自起動領域とスルー領域の間を行き来するような速度変化が生じる場合には、スルー領域で動作させることが可能な状況であっても、自起動領域からスルー領域へステッピングモータ12の状態を変更することが必ずしも印刷時間の短縮につながるとは限らない。これは、加速動作又は減速動作にもある程度の時間を要するためである。スルー領域で十分な時間だけ動作できない場合には、搬送速度を自起動領域内の速度(例えば、自起動領域内での最高速度)に即座に変更し維持することで、スルー領域へ移行させるよりも印刷時間を短縮できることがある。
図8は、印刷制御処理のフローチャートである。以下、図8を参照しながら、制御部5で行われる印刷制御処理について具体的に説明する。
印刷装置1では、入力部3から印刷処理の開始指示が入力されると、制御部5が印刷プログラムを実行して図8に示す印刷制御処理を行う。まず、制御部5は、利用者により指定された印刷モードの情報を取得する(ステップS1)。ここでは、制御部5は、取得した印刷モードの情報に基づいて、品位優先モードで印刷するか速度優先モードで印刷するかを決定する。さらに、制御部5は、テープ幅を取得する(ステップS2)。ここでは、制御部5は、テープ幅検出スイッチ24が検出したテープ幅を取得する。
次に、制御部5は、テープ幅が予め決められた所定の幅L以下かどうかを判定する(ステップS3)。ここでは、制御部5は、例えば、ステップS3で取得したテープ幅が18mm以下かどうかを判定する。なお、テープ幅が18mm以下の場合には、一印刷ラインの印刷で通電される発熱素子の数が上述した特定数を超えることがない。このため、印刷装置1はデータによらず分割印刷を行わない。
ステップS3でテープ幅が18mm以下であると判定されると、制御部5は、サーマルヘッド10の温度を取得する(ステップS4)。ここでは、制御部5は、サーミスタ13が測定した測定温度を取得する。そして、次に印刷する印刷ラインについての印刷データであるラインデータを取得し(ステップS5)、搬送速度決定処理及び通電時間決定処理を行う(ステップS6、ステップS7)。なお、搬送速度決定処理及び通電時間決定処理については後述するが、通電時間決定処理では、印刷条件に応じた通電時間が決定される。
その後、制御部5は、ステッピングモータ12を制御して、被印刷媒体Mの搬送速度を変更する(ステップS8)。ここでは、制御部5は、被印刷媒体Mの搬送速度をステップS6で決定した搬送速度に変更する。さらに、制御部5は、サーマルヘッド10を制御して、1ライン分の印刷を行う(ステップS9)。ここでは、制御部5は、ステップS7で決定した通電時間に従って複数の発熱素子10aへの通電を制御することで、印刷を行う。
最後に、制御部5は、印刷制御処理が終了したか否か、つまり、最終ラインの印刷が終了したか否かを判定する(ステップS10)。そして、制御部5は、ステップS10で最終ラインの印刷が終了したと判定されるまでステップS4からステップS10の処理を繰り返す。
一方、ステップS3でテープ幅が18mmを越えていると判定されると、制御部5は、サーマルヘッド10の温度を取得し(ステップS11)、ラインデータを取得し(ステップS12)、取得したラインデータに基づいて分割印刷における分割数を設定する(ステップS13)。ここでは、制御部5は、印刷ラインが有する印刷ドットの数に応じて分割数を設定する。例えば、印刷ラインが特定数を越える数の印刷ドットを有するか否かをラインデータに基づいて判定し、特定数を超えると判定した場合には、分割数を2に設定し、特定数以下であると判定した場合には、分割数を1に設定する。
その後、制御部5は、搬送速度決定処理及び通電時間決定処理を行う(ステップS14、ステップS15)。なお、搬送速度決定処理及び通電時間決定処理については後述するが、通電時間決定処理では、印刷条件に応じた通電時間が決定される。
さらに、制御部5は、ステッピングモータ12を制御して、被印刷媒体Mの搬送速度を変更する(ステップS16)。ここでは、制御部5は、被印刷媒体Mの搬送速度をステップS14で決定した搬送速度に変更する。さらに、制御部5は、サーマルヘッド10を制御して、1ライン分の印刷を行う(ステップS17)。ここでは、制御部5は、ステップS15で決定した通電時間に従って複数の発熱素子10aへの通電を制御することで、印刷を行う。
最後に、制御部5は、印刷制御処理が終了したか否か、つまり、最終ラインの印刷が終了したか否かを判定する(ステップS18)。そして、制御部5は、ステップS10で最終ラインの印刷が終了した判定されるまでステップS11からステップS18の処理を繰り返す。
図9は、搬送速度決定処理のフローチャートである。図10は、テープ幅12mmの被印刷媒体Mを速度優先モードで印刷した場合の搬送速度の変化を例示した図である。図11は、テープ幅24mmの被印刷媒体Mを速度優先モードで印刷した場合の搬送速度の変化を例示した図である。以下、図9から図11を参照しながら、印刷装置1が速度優先モードで動作している場合を例にして、図8に示す印刷制御処理内で行われる搬送速度決定処理(ステップS6、ステップS14)について具体的に説明する。
図9に示す搬送速度決定処理が開始されると、制御部5は、まず、搬送速度が加減速中か否かを判定する(ステップS101)。速度優先モードでは、図7に示すように一括印刷時のパルスレートP2sがスルー領域に位置する。従って、ステッピングモータ12のパルスレートを自起動領域内のパルスレート(例えばパルスレートP1s)からパルスレートP2sへ変更する際には搬送速度を加速させる必要があり、パルスレートP2sから自起動領域内のパルスレートへ変更する際には搬送速度を減速させる必要がある。ステップS101では、制御部5は、この様な搬送速度の加減速中か否かを判定する。なお、加減速中か否かは、例えば、後述する加減速テーブルを参照中か否かによって判定されてもよい。なお、印刷処理を開始直後は、ステップS101で加減速中ではないと判定される。
加減速中であると判定されると、制御部5は、後述するステップS109において加減速テーブルを参照した搬送速度の決定を行う。一方、加減速中ではないと判定されると、制御部5は、印刷条件に応じた搬送速度を決定する(ステップS102)。ここでは、印刷モードと分割の有無とに応じて4種類の搬送速度から選択された搬送速度が決定される。次に、制御部5は、決定した搬送速度がスルー領域内に存在するか否かを判定する(ステップS103)。ここでは、速度優先モードで且つ一括印刷のときに搬送速度がスルー領域内に存在すると判定し、それ以外のときには搬送速度はスルー領域に存在せず、自起動領域内に存在すると判定する。
決定した搬送速度がスルー領域内に存在しないと判定されると、制御部5は、搬送速度決定処理を終了し、搬送速度がステップS102で決定した搬送速度に確定する。一方、決定した搬送速度がスルー領域内に存在すると判定されると、制御部5は、ラインデータを先読みする(ステップS104)。ここでは、制御部5は、例えば、予め決められたライン数分だけラインデータを先読みする。そして、各ラインの印刷ドットの数に基づいて各ラインの分割数を特定し、スルー領域に対応する分割数(ここでは分割数1)がこの後何ライン継続しているかを算出する。以降では、スルー領域に対応する分割数が継続している残りのライン数を継続スルーライン数と記す。
ラインデータの先読みが終了すると、制御部5は、減速が必要かどうかを判定する(ステップS105)。ここでは、制御部5は、ステップS104で算出された継続スルーライン数に基づいて減速の要否を判定する。具体的には、現在の搬送速度がスルー領域内の速度であり、且つ、継続スルーライン数がスルー領域から自起動領域への移行に要するライン数以下であれば、減速が必要であると判定する。
減速が必要であると判定されると、制御部5は、後述するステップS109において加減速テーブルを参照した搬送速度の決定を行う。一方、減速が必要ではないと判定されると、制御部5は、加速が必要かどうかを判定する(ステップS106)。ここでは、制御部5は、ステップS102で決定した搬送速度と現在の搬送速度を比較することで判定する。
加速が必要ではないと判定されると、制御部5は、搬送速度決定処理を終了し、搬送速度がステップS102で決定した搬送速度に確定する。一方、加速が必要であると判定されると、制御部5は、ステッピングモータ12をスルー領域に向けて加速させることを許可する特定の条件が満たされているか否かを判定する(ステップS107)。ここで、特定の条件とはスルー領域への移行が有利である条件である。即ち、ステップS107では、制御部5は、スルー領域への移行が有利か否かを判定する。
具体的には、制御部5は、例えば、ステッピングモータ12の状態をスルー領域へ移行させた場合に自起動領域内で動作させた場合よりも印刷時間が短くなるか否かを判定してもよい。そして、印刷時間が短くなるときにステッピングモータ12をスルー領域へ向けて加速させることを決定してもよい。より具体的には、スルー領域へ移行させることで印刷時間が短くなるような継続スルーライン数(以降、限界スルーライン数と記す)を予めROM6などに記録しておく。その上で、制御部5が、ROM6に記録されている限界スルーライン数とステップS105で算出された継続スルーライン数を比較し、比較結果に基づいてステッピングモータ12を自起動領域内で動作させるか又はスルー領域へ向けて加速させるかを決定してもよい。つまり、継続スルーライン数、換言すると、特定数以下の数の印刷ドットを有する印刷ラインが連続するライン数、に基づいて、ステッピングモータ12を自起動領域内で動作させるか又はスルー領域へ向けて加速させるかを決定してもよい。
また、制御部5は、例えば、ステッピングモータ12の状態をスルー領域へ移行させた場合に自起動領域内で動作させた場合よりも印刷時間が短くなり、且つ、予め設定された条件を満たすか否かを判定してもよい。そして、印刷時間が短くなり且つ予め設定された条件を満たすときにステッピングモータ12をスルー領域へ向けて加速させることを決定してもよい。予め設定された条件は、印刷品位に関する条件、及び、ステッピングモータ12の耐久性の劣化に関する条件の少なくとも一方を含むことが望ましい。
印刷品位に関する条件は、例えば、印刷ラインが、印刷品位の低下の影響を受け難いくいラインであることであってもよい。すなわち、ステッピングモータ12をスルー領域へ向けて加速させて、搬送速度を時間経過とともに増加させる加速期間、あるいは、スルー領域から自起動領域へ向けて減速させて、搬送速度を時間経過とともに減少させる減速期間では搬送速度が時間経過とともに変化するために印刷品位が低下する場合がある。その場合、印刷ラインが空白行に該当する場合や比較的シンプルな図形に該当する場合には、仮に印刷品位の低下が発生した場合でも、それが影響し難いため、条件を満たすと判定する。一方、印刷ラインがQRコード(登録商標)のような識別コードを構成する場合には、印刷品位の低下が発生した場合に、それが影響し易いため、条件を満たさないと判定してもよい。
また、ステッピングモータ12の耐久性の劣化に関する条件は、例えば、ステッピングモータ12に対する頻繁な加速、減速動作を防止するような条件であってもよい。すなわち、加速、減速動作を短時間の間に頻繁に行うと、例えばステッピングモータ12の温度上昇などにより、ステッピングモータ12の耐久性が劣化する場合がある。そのため、例えば、継続スルーライン数が10ライン以上であれば印刷時間が短縮される場合に、頻繁な搬送速度の変化を防止するために、継続スルーライン数が15ライン以上であればスルー領域へ向けて加速させることを決定するようにしてもよい。つまり、限界スルーライン数(例えば10ライン)に一定数(例えば5ライン)加算したライン数(例えば15ライン)を継続スルーライン数と比較するようにしてもよい。あるいは、一定期間におけるスルー領域へ向けた加速動作を行った頻度を管理して、その頻度が一定値を超えていない場合には、継続スルーライン数に応じてステッピングモータ12をスルー領域へ加速することを許可し、頻度が一定値を超えた場合には、継続スルーライン数によらず、ステッピングモータ12をスルー領域へ向けて加速することを許可しないようにしてもよい。
ステップS107で特定の条件を満たさずスルー領域への移行が有利ではないと判定されると、制御部5は、自起動領域内で搬送速度を決定し(ステップS108)、搬送速度決定処理を終了する。ここでは、制御部5は、例えば、自起動領域内で必要なトルクが得られる最高速度に搬送速度を決定してもよい。また、少し余裕を見て最高速よりもわずかに遅い速度に決定してもよい。
ステップS107でスルー領域への移行が有利であると判定されると、制御部5は、加減速テーブルを参照して搬送速度を決定し(ステップS109)、搬送速度決定処理を終了する。加減速テーブルは、初速から終速へ搬送速度を変化させる場合に何ライン目でどのような速度に制御するかを示した変化曲線を記録したテーブルであり、例えば、ROM6等に記録されている。加減速テーブルの内容は、搬送速度を線形に変化させるものであってもよく、又は、S字状に変化させるものであってもよい。さらに、加減速テーブルには、ステッピングモータ12の特性に応じた特定の変化曲線が記録されていてもよく、又は、設定により変更できるように複数の変化曲線が記録されていても良い。
図9に示す搬送速度決定処理を行うことで、印刷装置1は、スルー領域への移行の可否を印刷時間が短くなるか否かによって決定する。このため、例えば、図11に示す印刷パターンPt2を印刷する場合、印刷パターンPt2を構成する印刷ラインのうちのラインL11からラインL12までのように、継続スルーライン数が小さい期間ではスルー領域への移行は行われず、自起動領域内で速度を制御する。従って、スルー領域への移行により却って印刷時間が長くなってしまう事態を回避することが可能であり、従来に比べてより確実に印刷時間を短縮することができる。さらに、スルー領域への移行の可否を印刷時間が短くなることに加えて予め設定された条件を満たすか否かによって決定することで、印刷時間の短縮化を図りたいという利用者の要求と印字品位などの他の要求とのバランスを取ることができる。
なお、印刷装置1では、テープ幅が狭く分割印刷が行われない場合には、図10に示すように、印刷パターンPt1に起因する加減速は発生しない。印刷開始時(印刷パターンPt1を構成する印刷ラインのうちのラインL0からラインL10まで)と印刷終了時(不図示)に加減速が発生する。一方、テープ幅が広く分割印刷が行われる場合には、印刷パターンPt2を構成する印刷ラインのうちのラインL13からL14まで及びラインL15からラインL16までのパルスレートに示されるように、印刷パターンPt2に起因する加減速が発生し得る。
図12は、図8に示す通電時間決定処理のフローチャートである。図13は、ROM6に格納されている通電時間テーブルを例示した図である。図14は、通電時間の算出方法について説明するための図である。以下、図12から図14を参照しながら、印刷装置1が速度優先モードで動作している場合を例にして、図8に示す印刷制御処理内で行われる通電時間決定処理(ステップS7、ステップS15)について具体的に説明する。
図12に示す通電時間決定処理が開始されると、制御部5は、まず、現在の印刷条件下での通電時間を含む通電テーブルがあるか否かを判定する(ステップS201)。ここでは、制御部5は、例えば、搬送速度と測定温度からなる印刷装置1の現在の印刷条件(以降、第1の印刷条件と記す)を特定し、その第1の印刷条件下での通電時間を含む通電テーブルの有無を判定する。なお、印刷条件に含まれる搬送速度は、図8のステップS6又はステップS14の搬送速度決定処理で決定された搬送速度であり、印刷条件に含まれる測定温度は、図8のステップS4又はステップS11で取得した温度である。
該当する通電テーブルがある場合には、制御部5は、通電テーブルから現在の印刷条件(第1の印刷条件)下での通電時間を抽出し(ステップS202)、通電時間決定処理を終了する。例えば、図7に示すパルスレートP2s(搬送速度40mm/sec相当)で動作中にサーミスタ13でサーマルヘッド10の温度を30度と測定した場合であれば、制御部5は、ROM6に格納された図13に示す通電テーブルT1を参照する。そして、温度30度に対応する本通電時間と履歴通電時間を抽出し、抽出した通電時間を制御目標とする通電時間に決定する。
一方、該当する通電テーブルがない場合には、制御部5は、現在の印刷条件(第1の印刷条件)とは異なる印刷条件下での通電時間を複数抽出する(ステップS203)。該当する通電テーブルがない場合としては、例えば、搬送速度の加速中であり、現在の搬送速度に対応する通電テーブルがROM6に格納されていない場合が想定される。このような場合には、現在の印刷条件下での通電時間を推定するために、複数の通電テーブルのうちの、現在の印刷条件と異なっていて、互いに異なる少なくとも二つの印刷条件(例えば、第2の印刷条件と第3の印刷条件)に対応する少なくとも二つの通電テーブルから、少なくとも二つの通電時間を抽出する。ここで、少なくとも二つの印刷条件は、例えば、複数の通電テーブルにおける複数の印刷条件のなかで、搬送速度が、現在の印刷条件での搬送速度(第1の搬送速度)より速い複数の搬送速度の中で、現在の印刷条件での搬送速度に最も近い値である印刷条件(第2の印刷条件)、及び、現在の印刷条件での搬送速度より遅い複数の搬送速度の中で、現在の印刷条件での搬送速度に最も近い値である印刷条件(第3の印刷条件)に設定される。即ち、少なくとも二つの通電テーブルは、複数の通電テーブルに対応する複数の搬送速度のうちの第1の搬送速度より速い一つの第2の搬送速度に対応した通電テーブル(第1の通電テーブル)と、複数の搬送速度のうちの第1の搬送速度より遅い一つの第3の搬送速度に対応した通電テーブル(第2の通電テーブル)を含む。
以降、サーマルヘッド10の温度が30度で、搬送速度が図7に示すパルスレートP2s(搬送速度40mm/sec相当、第2の印刷条件)とパルスレートP1s(搬送速度20mm/sec相当、第3の印刷条件)の間のパルスレート(搬送速度30mm/sec相当)に対応する速度である場合を例に説明する。この場合、まず、制御部5は、ROM6に格納された複数の通電テーブルから、図13に示す通電テーブルT1(第1の通電テーブル)を参照し、温度30度(第1の温度)に対応する本通電時間(例えば、274μs)と履歴通電時間(例えば、183μs)を抽出する。さらに、ROM6に格納された複数の通電テーブルから、図13に示す通電テーブルT2(第2の通電テーブル)を参照し、温度30度(第1の温度)に対応する本通電時間(例えば、331μs)と履歴通電時間(例えば、221μs)を抽出する。
異なる印刷条件下での通電時間が複数抽出されると、制御部5は、抽出した複数の通電時間(第2の通電時間、第3の通電時間)に基づいて、現在の印刷条件(第1の印刷条件)下での通電時間(第1の通電時間)を算出し(ステップS204)、通電時間決定処理を終了する。ここでは、制御部5は、複数の通電時間を用いて補間(外挿も含む)により通電時間(第1の通電時間)を算出する。図14には、通電テーブルT1から抽出された本通電時間E1と通電テーブルT2から抽出された本通電時間E2の間を補間して、現在の印刷条件下での本通電時間C0を算出する様子が示されている。なお、破線F1、破線F2は、それぞれ、通電テーブルT1、通電テーブルT2に記録された本通電時間群を示している。
具体的には、次のように算出される。例えば、搬送速度から算出される現在の1ライン周期、通電テーブルT1に対応する搬送速度から算出される1ライン周期、通電テーブルT2に対応する搬送速度から算出される1ライン周期をそれぞれ2.50ms、1.56ms、3.12msとする。この場合、現在の印刷条件下での通電時間(本通電時間、履歴通電時間)は、通電テーブルT1から抽出した通電時間と通電テーブルT2から抽出した通電時間を用いて、下式により算出される。
Figure 0006880616
上記の補間式は、1ライン周期に占める通電時間の増加率が線形に変化する前提で通電時間を算出したが、補間式は特に上記の式に限定されない。増加率が非線形に変化する補間式やその他の補間式が採用されてもよい。なお、上記においては、第1の印刷条件と異なる二つの印刷条件での二つの通電時間から第1の印刷条件での通電時間を算出する場合について説明したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、非線形の補間式を用いる場合には、補間の精度を高めるために、三つ以上の互いに異なる複数の通電時間から第1の印刷条件での通電時間を算出することが好ましい。そこで、この場合には、複数の通電テーブルから、第1の印刷条件に近く、互いに異なる印刷条件での三つ以上の数の通電テーブルから互いに異なる三つ以上の通電時間を抽出して、それらの値から、非線形の補間式に基づいて、第1の印刷条件での通電時間を算出するようにしてもよい。
図12に示す通電時間決定処理を行うことで、印刷装置1は、異なる印刷条件下での通電時間から現在の印刷条件下での通電時間を推定することができる。このため、印刷装置1のように印刷速度が連続的に変化し得る場合であっても、等速で被印刷媒体Mが搬送される搬送速度に対応する複数の通電テーブルを用いて通電時間を算出することができる。従って、ROM6に格納する通電テーブル全体の情報量が過度に増加することを回避することが可能であり、結果的に、ROM6の容量を抑えることができる。また、ROM6の容量を抑えることで、ハードウェアのコストが低下する、ROM6の書き換えに要する時間が短縮されるなどのメリットが得られる。さらに、通電テーブルの情報量を抑えることで、プログラムなどを記録する領域をROM6に十分に確保することができる。
なお、ROM6に格納される通電テーブル全体の情報量を更に削減するために、印刷装置1は、図13に示す通電テーブルT1及び通電テーブルT2の代わりに、図15に示す通電テーブルT3及び通電テーブルT4を、ROM6に格納しても良い。図13に示す通電テーブルT1及び通電テーブルT2には1℃毎に通電時間が記録されているのに対して、図15に示す通電テーブルT3及び通電テーブルT4には10℃毎に通電時間が記録されている。このため、通電テーブル当たりの情報量が10分の1に削減される。
通電テーブルT3及び通電テーブルT4を用いて通電時間を算出する場合には、通電テーブル毎に温度について補間し、その後、通電テーブル間で搬送速度について補間することで、現在の印刷条件下での通電時間を算出する。図16には、通電テーブルT3から抽出された本通電時間E31(第4の通電時間)と本通電時間E32(第5の通電時間)の間を補間して、搬送速度40mm/secにおける本通電時間C3(第6の通電時間)を算出し、通電テーブルT4から抽出された本通電時間E41(第7の通電時間)と本通電時間E42(第8の通電時間)の間を補間して、搬送速度20mm/secでの本通電時間C4(第9の通電時間)を算出し、補間により算出した本通電時間C3(第6の通電時間)と本通電時間C4(第9の通電時間)の間をさらに補間して、現在の印刷条件下での本通電時間C1(第1の通電時間)を算出する様子が示されている。なお、破線F3、破線F4は、それぞれ、通電テーブルT3、通電テーブルT4に記録された本通電時間群を示している。
上述した実施形態は、発明の理解を容易にするために具体例を示したものであり、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。印刷装置、印刷装置の制御方法、及び、プログラムは、特許請求の範囲に記載される本発明を逸脱しない範囲において、さまざまな変形、変更が可能である。
上述した実施形態では、制御部5が、通電期間中にヘッド駆動回路9が保持する印刷データを1回入れ替える例を示したが、印刷データは複数回入れ替えても良い。図17には、印刷データを通電期間内に3回入れ替える場合のストローブ信号が例示されている。印刷データの入れ替えが3回生じる場合には、通電テーブル毎に4種類の通電時間(第1回通電時間、第2回通電時間、第3回通電時間、第4回通電時間)が記録されることになる。印刷データの入れ替え回数が多いほど通電テーブルの情報量が大きくなるため、印刷データの入れ替え回数が多いほど通電時間を計算により算出することで得られるROM6の容量削減効果も大きくなる。
また、上述した実施形態では、印刷ドットの数が特定数を超えているときに印刷を2回に分ける例を示したが、3回以上に分けて印刷が行われてもよい。また、上述した実施形態では、複数の通電テーブルから抽出した複数の通電時間に基づいて現在の印刷条件下での通電時間を算出する例を示したが、現在の印刷条件での通電時間を算出するために用いられる複数の通電時間は、単一の通電テーブルから抽出されてもよい。
また、上述した実施形態では、入力部3と表示部4を有する印刷装置1を例示したが、印刷装置は、図18に示すような、入力部3や表示部4を有しない印刷装置1aであってもよく、印刷データを別体に配置されたコンピュータ50から受信してもよい。さらに、印刷装置1aは、コンピュータへ印刷条件を指定して通電テーブルを要求することで、印刷条件に応じた通電テーブルをコンピュータから受信してもよい。この場合も通電テーブルの情報量を削減しておくことで、印刷装置1aが有するROMの容量を抑えることが可能であり、ROMの更新に要する時間も短縮することができる。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
複数の発熱素子を有して被印刷媒体に印刷を行う印刷ヘッドと、
前記印刷ヘッドの温度と前記複数の発熱素子の少なくとも一部に通電する通電時間とが対応付けられた互いに異なる複数の通電テーブルを格納し、前記複数の通電テーブルの各々は前記被印刷媒体を搬送する互いに異なる複数の搬送速度の各々に対応している記憶部と、
前記印刷ヘッドの温度を測定する測定部と、
前記被印刷媒体を、前記複数の搬送速度に含まれない第1の搬送速度で搬送するように設定され、且つ、前記測定部により測定された前記印刷ヘッドの温度が第1の温度であるときに、前記複数の発熱素子の少なくとも一部に通電する第1の通電時間を、前記複数の通電テーブルのうちの、前記第1の搬送速度と異なる搬送速度に対応している少なくとも二つの通電テーブルに基づいて、算出する制御部と、
を備えることを特徴とする印刷装置。
[付記2]
付記1に記載の印刷装置において、
前記制御部は、
前記第1の通電時間を、前記複数の通電テーブルにおける、前記複数の搬送速度のうちの前記第1の搬送速度より速い一つの第2の搬送速度に対応した第1の通電テーブルと、前記複数の搬送速度のうちの前記第1の搬送速度より遅い一つの第3の搬送速度に対応した第2の通電テーブルと、に基づいて算出することを特徴とする印刷装置。
[付記3]
付記2に記載の印刷装置において、
前記制御部は、前記第1の通電時間を、前記第1の通電テーブルにおける前記第1の温度に対応付けられた第2の通電時間と、前記第2の通電テーブルにおける前記第1の温度に対応付けられた第3の通電時間と、から補間して算出することを特徴とする印刷装置。
[付記4]
付記2に記載の印刷装置において、
前記制御部は、
前記第1の通電テーブルにおける、前記第1の温度より低い第2の温度に対応付けられた第4の通電時間と、前記第1の温度より高い第3の温度に対応付けられた第5の通電時間と、から補間して前記第1の温度での第6の通電時間を算出し、
前記第2の通電テーブルにおける、前記第1の温度より低い第4の温度に対応付けられた第7の通電時間と、前記第1の温度より高い第5の温度に対応付けられた第8の通電時間と、から補間して前記第1の温度での第9の通電時間を算出し、
前記第6の通電時間と前記第9の通電時間とから補間して前記第1の通電時間を算出することを特徴とする印刷装置。
[付記5]
付記1乃至4の何れかに記載の印刷装置において、
前記制御部は、前記被印刷媒体の搬送速度を時間経過とともに増加させる加速期間中又は前記搬送速度を時間経過とともに減少させる減速期間中であるときに、前記第1の通電時間の算出を行うことを特徴とする印刷装置。
[付記6]
付記5に記載の印刷装置において、さらに、
前記被印刷媒体を搬送する搬送部を駆動するモータを備え、
前記制御部は、
前記複数の発熱素子のうちの、前記被印刷媒体に印刷される印刷パターンを構成する各印刷ラインに含まれる印刷ドットの数に対応する数の発熱素子を同時に駆動する一括駆動により、前記印刷ヘッドが前記被印刷媒体に前記印刷パターンを印刷するときに、前記モータをスルー領域に向けて加速させることを許可する特定の条件が満たされているか否かを判定し、
前記特定の条件が満たされていると判定したときに前記モータを前記スルー領域へ向けて加速させて、前記被印刷媒体の搬送速度を時間経過とともに増加させるように制御することを特徴とする印刷装置。
[付記7]
付記6に記載の印刷装置において、
前記制御部は、
前記モータを前記スルー領域へ移行させて、前記被印刷媒体に前記印刷パターンの印刷を行った場合に、前記モータを自起動領域内で動作させて前記印刷パターンの印刷を行った場合よりも印刷時間が短くなるときに、前記特定の条件が満たされていると判定し、
前記モータを前記スルー領域へ向けて加速させることを特徴とする印刷装置。
[付記8]
付記6に記載の印刷装置において、
前記特定の条件は、印刷品位に関する条件及び前記モータの耐久性の劣化に関する条件の少なくとも一方を含むことを特徴とする印刷装置。
[付記9]
印刷装置の制御方法であって、
前記印刷装置は、複数の発熱素子を有して被印刷媒体に印刷を行う印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドの温度と前記複数の発熱素子の少なくとも一部に通電する通電時間とが対応付けられた互いに異なる複数の通電テーブルを格納し、前記複数の通電テーブルの各々は前記被印刷媒体を搬送する互いに異なる複数の搬送速度の各々に対応している記憶部と、前記印刷ヘッドの温度を測定する測定部と、を有し、
前記被印刷媒体を、前記複数の搬送速度に含まれない第1の搬送速度で搬送するように設定され、且つ、前記測定部により測定された前記印刷ヘッドの温度が第1の温度であるときに、前記複数の発熱素子の少なくとも一部に通電する第1の通電時間を、前記複数の通電テーブルにおける、前記複数の搬送速度のうちの前記第1の搬送速度より速い一つの第2の搬送速度に対応した第1の通電テーブルと、前記複数の搬送速度のうちの前記第1の搬送速度より遅い一つの第3の搬送速度に対応した第2の通電テーブルと、に基づいて算出することを特徴とする制御方法。
[付記10]
印刷装置を制御するコンピュータにより実行されるプログラムであって、
前記印刷装置は、複数の発熱素子を有して被印刷媒体に印刷を行う印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドの温度と前記複数の発熱素子の少なくとも一部に通電する通電時間とが対応付けられた互いに異なる複数の通電テーブルを格納し、前記複数の通電テーブルの各々は前記被印刷媒体を搬送する互いに異なる複数の搬送速度の各々に対応している記憶部と、前記印刷ヘッドの温度を測定する測定部と、を有し、
前記プログラムは、
前記コンピュータにおいて、
前記被印刷媒体を、前記複数の搬送速度に含まれない第1の搬送速度で搬送するように設定され、且つ、前記測定部で測定された前記印刷ヘッドの温度が第1の温度であるときに、前記複数の発熱素子の少なくとも一部に通電する第1の通電時間を、前記複数の通電テーブルにおける、前記複数の搬送速度のうちの前記第1の搬送速度より速い一つの第2の搬送速度に対応した第1の通電テーブルと、前記複数の搬送速度のうちの前記第1の搬送速度より遅い一つの第3の搬送速度に対応した第2の通電テーブルと、に基づいて算出させることを特徴とするプログラム。
1、1a・・・印刷装置、2・・・装置筐体、2a・・・排出口、3・・・入力部、4・・・表示部、5・・・制御部、5a・・・プロセッサ、6・・・ROM、7・・・RAM、8・・・表示部駆動回路、9・・・ヘッド駆動回路、10・・・サーマルヘッド、10a・・・発熱素子、11・・・搬送用モータ駆動回路、12・・・ステッピングモータ、13・・・サーミスタ、14・・・カッターモータ駆動回路、15・・・カッターモータ、16・・・ハーフカット機構、17・・・フルカット機構、18・・・開閉蓋、18a・・・ボタン、18b・・・窓、19・・・カセット収納部、20・・・カセット受け部、21・・・プラテンローラ、22・・・テープコア係合軸、23・・・インクリボン巻取り駆動軸、24・・・テープ幅検出スイッチ、30・・・テープカセット、31・・・カセットケース、32・・・テープコア、34・・・インクリボン供給コア、35・・・インクリボン巻取りコア、36・・・サーマルヘッド被挿入部、37・・・係合部、50・・・コンピュータ、M・・・被印刷媒体、R・・・インクリボン、T1、T2、T3、T4・・・通電テーブル

Claims (9)

  1. 複数の発熱素子を有して被印刷媒体に印刷を行う印刷ヘッドと、
    前記印刷ヘッドの温度と前記複数の発熱素子の少なくとも一部に通電する通電時間とが対応付けられた通電テーブルを格納し、前記通電テーブルは前記通電時間の各々に対応する前記被印刷媒体を搬送する互いに異なる複数の搬送速度を記憶する記憶部と、
    前記印刷ヘッドの温度を測定する測定部と、
    前記被印刷媒体を、前記複数の搬送速度に含まれない第1の搬送速度で搬送するように設定され、且つ、前記測定部により測定された前記印刷ヘッドの温度が第1の温度であるときに、前記複数の発熱素子の少なくとも一部に通電する第1の通電時間を、前記通電テーブルのうちの、前記搬送速度のうちの前記第1の搬送速度より速い一つの第2の搬送速度に対応した第1の通電テーブルと、前記複数の搬送速度のうちの前記第1の搬送速度より遅い一つの第3の搬送速度に対応した第2の通電テーブルと、に基づいて算出する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記被印刷媒体の搬送速度を時間経過とともに増加させる加速期間中又は前記搬送速度を時間経過とともに減少させる減速期間中であるときに、前記第1の通電時間の算出を行うことを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項に記載の印刷装置において、
    前記第2の搬送速度は、前記複数の搬送速度のうちの前記第1の搬送速度より速い複数の搬送速度の中で前記第1の搬送速度に最も近い値であり、
    前記第3の搬送速度は、前記複数の搬送速度のうちの前記第1の搬送速度より遅い複数の搬送速度の中で前記第1の搬送速度に最も近い値であることを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項に記載の印刷装置において、
    前記制御部は、前記第1の通電時間を、前記第1の通電テーブルにおける前記第1の温度に対応付けられた第2の通電時間と、前記第2の通電テーブルにおける前記第1の温度に対応付けられた第3の通電時間と、から補間して算出することを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項に記載の印刷装置において、
    前記制御部は、
    前記第1の通電テーブルにおける、前記第1の温度より低い第2の温度に対応付けられた第4の通電時間と、前記第1の温度より高い第3の温度に対応付けられた第5の通電時間と、から補間して前記第1の温度での第6の通電時間を算出し、
    前記第2の通電テーブルにおける、前記第1の温度より低い第4の温度に対応付けられた第7の通電時間と、前記第1の温度より高い第5の温度に対応付けられた第8の通電時間と、から補間して前記第1の温度での第9の通電時間を算出し、
    前記第6の通電時間と前記第9の通電時間とから補間して前記第1の通電時間を算出することを特徴とする印刷装置。
  5. 請求項1に記載の印刷装置において、さらに、
    前記被印刷媒体を搬送する搬送部を駆動するモータを備え、
    前記制御部は、
    前記複数の発熱素子のうちの、前記被印刷媒体に印刷される印刷パターンを構成する各印刷ラインに含まれる印刷ドットの数に対応する数の発熱素子を同時に駆動する一括駆動により、前記印刷ヘッドが前記被印刷媒体に前記印刷パターンを印刷するときに、前記モータをスルー領域に向けて加速させることを許可する特定の条件が満たされているか否かを判定し、
    前記特定の条件が満たされていると判定したときに前記モータを前記スルー領域へ向けて加速させて、前記被印刷媒体の搬送速度を時間経過とともに増加させるように制御することを特徴とする印刷装置。
  6. 請求項に記載の印刷装置において、
    前記制御部は、
    前記モータを前記スルー領域へ移行させて、前記被印刷媒体に前記印刷パターンの印刷を行った場合に、前記モータを自起動領域内で動作させて前記印刷パターンの印刷を行った場合よりも印刷時間が短くなるときに、前記特定の条件が満たされていると判定し、
    前記モータを前記スルー領域へ向けて加速させることを特徴とする印刷装置。
  7. 請求項に記載の印刷装置において、
    前記特定の条件は、印刷品位に関する条件及び前記モータの耐久性の劣化に関する条件の少なくとも一方を含むことを特徴とする印刷装置。
  8. 印刷装置の制御方法であって、
    前記印刷装置は、複数の発熱素子を有して被印刷媒体に印刷を行う印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドの温度と前記複数の発熱素子の少なくとも一部に通電する通電時間とが対応付けられた通電テーブルを格納し、前記通電テーブルは前記通電時間の各々に対応する前記被印刷媒体を搬送する互いに異なる複数の搬送速度を記憶する記憶部と、前記印刷ヘッドの温度を測定する測定部と、を有し、
    前記被印刷媒体を、前記複数の搬送速度に含まれない第1の搬送速度で搬送するように設定され、且つ、前記測定部により測定された前記印刷ヘッドの温度が第1の温度であるときに、前記複数の発熱素子の少なくとも一部に通電する第1の通電時間を、前記通電テーブルのうちの、前記搬送速度のうちの前記第1の搬送速度より速い一つの第2の搬送速度に対応した第1の通電テーブルと、前記複数の搬送速度のうちの前記第1の搬送速度より遅い一つの第3の搬送速度に対応した第2の通電テーブルと、に基づいて算出し、
    前記被印刷媒体の搬送速度を時間経過とともに増加させる加速期間中又は前記搬送速度を時間経過とともに減少させる減速期間中であるときに、前記第1の通電時間の算出を行うことを特徴とする制御方法。
  9. 印刷装置を制御するコンピュータにより実行されるプログラムであって、
    前記印刷装置は、複数の発熱素子を有して被印刷媒体に印刷を行う印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドの温度と前記複数の発熱素子の少なくとも一部に通電する通電時間とが対応付けられた通電テーブルを格納し、前記通電テーブルは前記通電時間の各々に対応する前記被印刷媒体を搬送する互いに異なる複数の搬送速度を記憶する記憶部と、前記印刷ヘッドの温度を測定する測定部と、を有し、
    前記プログラムは、
    前記コンピュータにおいて、
    前記被印刷媒体を、前記複数の搬送速度に含まれない第1の搬送速度で搬送するように設定され、且つ、前記測定部で測定された前記印刷ヘッドの温度が第1の温度であるときに、前記複数の発熱素子の少なくとも一部に通電する第1の通電時間を、前記通電テーブルのうちの、前記搬送速度のうちの前記第1の搬送速度より速い一つの第2の搬送速度に対応した第1の通電テーブルと、前記複数の搬送速度のうちの前記第1の搬送速度より遅い一つの第3の搬送速度に対応した第2の通電テーブルと、に基づいて算出させ、
    前記被印刷媒体の搬送速度を時間経過とともに増加させる加速期間中又は前記搬送速度を時間経過とともに減少させる減速期間中であるときに、前記第1の通電時間の算出を行わせることを特徴とするプログラム。
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