JP2928628B2 - 感熱記録装置 - Google Patents

感熱記録装置

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JP2928628B2
JP2928628B2 JP2328904A JP32890490A JP2928628B2 JP 2928628 B2 JP2928628 B2 JP 2928628B2 JP 2328904 A JP2328904 A JP 2328904A JP 32890490 A JP32890490 A JP 32890490A JP 2928628 B2 JP2928628 B2 JP 2928628B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、階調を有する画像を印画する感熱記録装置
に係り、特に印画速度、色材の違い、環境温度の変化に
よらず、一定の中間調表現の印画を得るのに好適な感熱
記録装置に関する。
〔従来の技術〕 感熱記録装置において、発熱体への通電時間と発色濃
度との関係は一般に線形ではなく、低濃度部と高濃度部
においては一定の濃度増加量を得るために必要な通電時
間増加量は中濃度部に比べ大きくなっている。従って、
階調を持つ画像信号を忠実に再現しようとする場合に
は、階調に応じて通電時間を変える必要がある。
従来の装置は、特開昭57−48868号公報に記載のよう
に、非線形な、階調と通電時間との関係をリードオンリ
メモリ(以下、ROMと略記する。)に予め記載させてお
き記録時には階調ごとに、通電時間に“1"、その他は
“0"を並列に出力する方式が示されており、設定された
ROMの内容に応じて、濃淡画像を記録することができ
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、感熱記録装置においては、印画とともにサ
ーマルヘッドの発熱体の周辺に熱が蓄積され、、同一通
電時間に対する発色濃度が上昇することが知られ、また
カラーの印画を行う際、例えば1色目にイエロー、2色
目にマゼンタ、3色目にシアンの3種の記録媒体を用
い、3回重ねて印画するようなとき、通電時間と発色濃
度の特性が記録媒体によって異なることが知られてい
る。さらにカラーの印画に際して、同一色であっても、
材料・組成の異なる色材の媒体を用いて、印画すると、
当初の設計とは異なる濃度で記録され、正常な記録濃度
が保てなくなる。このため、記録媒体に対して大きな制
約が加わることとなる。
また、サーマルヘッドの蓄熱量は1画素を印画する際
の繰り返しサイクルにより異なるため、同一の記録媒体
を使用しても、繰り返しサイクルが短いつまり印画速度
が早い場合には記録濃度は濃くなり、繰り返しサイクル
が長いつまり印画速度が遅い場合では、記録濃度は薄く
なり正常な記録濃度が保てないこととなる。
しかしながら上記の従来技術は印画記録時の記録濃度
変化の点について配慮されておらず、当初設計したROM
の内容では温度の変化及び印画速度の変化により記録濃
度の変化が発生するという問題がある。
また、カラー印画を行う際は、3色または4色分の記
録媒体ごとのデータが階調ごとに必要となる。さらに、
色材が異なる複数の記録媒体を使用できるようにする場
合、使用する色材数分のデータが必要ととなり、さらに
印画速度を可変とした場合には、可変とした印画速度の
数分のデータが必要となり、必要なROMの容量が増大す
る。とくに、64階調あるいは128階調あるいはそれ以上
の多階調の記録においてはこの問題は顕著となる。
本発明の目的は、上述した従来技術の問題点を解決
し、多色化および温度変動および可変速記録などに対応
して安定な階調表現を可能にしつつ、必要なデータ量を
低減することができる感熱記録装置を提供することにあ
る。
〔課題を解決するための手段〕 上記目的を達成するために、本発明による感熱記録装
置は、サーマルヘッドの発熱体への通電時間を制御する
ことにより多階調の記録を行う感熱記録装置において、
予め設定される1もしくは複数の特定温度毎に複数の特
定階調各々に対する通電時間を表す代表通電時間データ
を複数組記憶する記憶手段と、該上記サーマルヘッドの
温度を検出する温度検出手段と、記録時の印画速度を検
出する検出手段と、該温度検出手段により検出された温
度に応じて、該温度を内包する第1及び第2の温度の両
組のデータを上記記憶手段から読み出し、該読み出した
両組のデータを補間し、該速度検出手段により検出され
た速度に応じて補正データを算出し、該補間したデータ
を該算出したデータで補正し、当該温度および速度に対
応する新たな一組の通電時間に関するデータを算出する
通電時間算出手段を備え、前記通電時間データが整数で
あり、前記通電時間算出手段は、該温度を内包する第1
及び第2の温度の両組のデータを上記記憶手段から読み
出し、該読み出した両組のデータを補間して、当該温度
に対応する新たな一組の通電時間データを算出する場合
に、前階調の該通電時間データの小数部を現階調の通電
時間データに加算することで、新たな一組の通電時間に
関するデータを算出するように構成した。
〔作用〕
本発明によれば、サーマルヘッドの発熱体の通電時間
に関するデータを複数の温度について複数組記憶してお
き、印画時にはサーマルヘッドの温度に応じて、当該温
度に該当するデータを上記記憶したデータから補間算出
しさらに印画速度による通電データの補正を行い、この
データに基づきサーマルヘッドへの通電がなされる。こ
のように温度方向および速度方向にデータは補間を行う
ので、ROM等の記憶手段に記憶しておくデータは、サー
マルヘッドの温度により連続的に変化するインク色材の
印画濃度特性に対応するデータを一つの印画速度の代表
的な複数の温度についてのみ保有すればよい。したがっ
て、記憶手段に格納しておくべきデータの容量を低減し
つつ、温度変化および印画速度の変化に影響されない一
定の階調濃度特性を持った印画結果が得られる。また、
低減したデータの容量分、異なる印画濃度特性をもつ他
のインク色材のデータを格納することができる。この場
合データ算出手段は使用するインク紙の色材にあったデ
ータを記憶手段から読み出すとともに、速度方向の補正
データがインク色材による異なる場合には、そのデータ
をも記憶手段より読み出し、各階調の各階調の通電時間
データを算出する。したがって、インク色材が異なる場
合でも一定の階調濃度特性をもった印画結果が得られ
る。しかも、ROM等の階調を記憶する手段にもつデータ
は、整数でよくデータ量の低減がはかれる。また精度よ
く代表温度列間の温度列の階調−通電時間曲線を再現で
きる。
〔実施例〕 以下、本発明の実施例を図面によって説明する。
第1図は本発明の第1の実施例として、熱転写記録装
置の構成概略を示す。
この熱転写記録装置は、ドラム10に巻き付けられた記
録紙11に対してインク紙9を介して印画するサーマルヘ
ッド6と、このサーマルヘッド6の発熱体8の通電時間
を、画像信号源からの印画すべき画像信号に応じ制御す
る中間調制御手段2と、サーマルヘッド6の温度を検出
する温度センサ7と、印画時の速度を検出する印画速度
検出手段5と、代表的温度について隣接階調間の通電時
間差データを格納した階調ROM4と、温度センサ7の検出
温度に従って対応するROM4の内容を読みだして中間調制
御手段2の通電時間制御のための通電時間データを算出
する通電データ算出手段3からなる。通電データ算出手
段3は、演算部3aおよびルックアップテーブル(LUT)3
bを有する。
具体的には、通電データ算出手段3は、記録紙11また
はインク紙9が所定の記録位置に搬送されるまでに、あ
るいは、記録が開始されるまでに、サーマルヘッド6に
取り付けた温度センサ7からの温度データを受け取り、
温度データに応じて、階調ROM4から後述する必要なデー
タを読みだし、通電時間データを算出する。記録時には
画像信号源1から画像の各階調ごとに濃淡方向の階調情
報をもつ画像信号が、中間調制御手段2に入力される。
中間調制御手段2では、通電データ算出手段3より出力
される階調番号に応じたサーマルヘッド6の通電時間の
データを受け取り、この通電時間に応じてサーマルヘッ
ド6にストローブ信号を出力する。
サーマルヘッド6は供給されたストローブ信号の時間
幅だけ発熱体8に電流を流す。そしてそれに応じて発熱
体8は発熱する。ドラム10の周上には記録紙11が巻き付
けられ、その上にインク紙9が重ねられてサーマルヘッ
ド6により押しつけられている。中間調制御手段2によ
り指定された通電時間に従い発熱体8の発熱量が変化
し、発熱量に応じたインクがインク紙9から記録紙11に
転写されることにより、制御され中間調記録が行われ
る。
第2図に、第1図における階調ROMに記録される1色
目のインクの隣接階調間の代表的な通電時間差のデータ
構成の一例を示す。
第2図において、,,…,,は異なる通電時
間差を指定するデータ参照番号であり、T1,T2,T3,T4,T5
は、それぞれ代表的な温度例(例えば、5℃,20℃,35
℃,50℃,65℃)を示している。本実施例では、各温度列
のデータDTは隣接階調間の代表的な通電時間差(1階調
あたりの通電時間の増分値)、換言すれば、インク紙9
のもつ階調−濃度曲線の代表的な傾き(例えば、64階調
に対して8種類)として選択された8個のデータからな
る。なお、代表的な各温度列はそれぞれ数℃の範囲(例
えば、基準温度±2℃)に対応している。また、各温度
列において、同一の階調−濃度特性をもつように予め選
定されてい。
次に、第3図、第2図に示すデータ構成から、全階調
の通電時間データを補間算出するためのフローチャート
の一例を示す。
まず、処理(a)では印画命令により、温度センサ7
でサーマルヘッド6の温度を検出し、検出された温度Ti
を表す温度データが第一図での通電データ算出手段3に
入力される。
処理(b)で、印画速度検出手段5で印画速度を検出
し、検出された速度Siが通電データ算出手段3に入力さ
れる。
処理(c)で、階調ROM4に記憶された代表温度列の中
から検出温度Tiをはさむ代表温度列Tm,Tn(Tm<Ti<T
n)を特定し読みだす。ここでは、代表温度列TmからTn
まで温度方向に四段階に分割、すなわち、Tm,Ta,Tb,Tc,
Tnと分割し、Ta,Tb,Tcを補間算出する場合につて説明す
る。
処理(d)で、代表温度列TmとTnにおけるデータDTm,
DTnの差ΔDTmnをもとめ、この差ΔDTを4で除算し各温
度列についての増分ΔDTを求める。検出温度Tiがとの温
度列に属するかによって、Taに属する場合にはΔDT×1,
Tbに属する場合にはΔDT×2,Tcに属する場合にはΔDT×
3をおこない、さらにDTmに加算することで温度列Tiに
おけるデータDTiをもとめる。
処理(e)で、通電時間算出手段3は検出された速度
Siを基準とする速度Smで除算し補正係数ksを算出する。
処理(f)で、各代表階調番号ごとに通電時間データ
DTiにksを乗算し通電時間データDSiを算出する。
以上、処理(c)〜(f)を全てのデータ参照番号に
おいて繰り返すことにより、Tiの属する温度列のデータ
を算出することができる。
次に、処理(g)で、通電データ算出手段3は、後述
する方法により検出温度Tiの属する温度列のデータをデ
ータ参照番号を介して、各階調に割り当てる。
処理(h)で、各階調に割り当てた通電時間差を表す
データに基づいて、各階調の通算した通電時間データを
算出する。
以上のように、簡単な算出の処理でサーマルヘッド6
における検出温度Tiについて、最適なデータが算出さ
れ、階調−通電時間データが求められる。
第2図に示すデータ構成に基づいて、温度方向へデー
タを補間するデータ補間の一例について説明する。
ここでは、温度センサ7により検出されたサーマルヘ
ッド6の温度TiがT2からT3の範囲のTa,Tb,Tcのいずれか
に属する場合について説明する。なお、T2,T3と同様,T
a,Tb,Tcもそれぞれ数℃の範囲(例えば、基準温度±2
℃)対応づけられている。
まず、TiがTaに属する場合にはΔDT×1,Tbに属する場
合にはΔDT×2,Tcに属する場合にはΔDT×3をおこな
い、この結果を温度列TmにおけるデータDTmに加算す
る。即ちDTiは、 DTi=DTm+((DTn−DTm)×N)÷4 [Nは0〜3の整数] により、求められる。
以上により、検出された温度Tiに応じてTiの属する温
度列のデータを算出する。
次に、速度に対する通電時間の算出について説明す
る。第4図は、印画速度に対する通電時間データの算出
についての説明図である。以下、通電時間データを算出
する動作について説明する。
第4図では、印画速度をS1,Sm,S2の3種類として説明
するが、印画速度は2種類以上の何種類でもよい。
印画速度検出手段5は、現在の印画速度Siを検出す
る。階調ROM4に記憶されているデータは、基準とする速
度Smにおける通電時間データであり、通電時間算出手段
3は検出された速度Siを基準とする速度Smで除算し補正
係数ksを算出する。
本例では、SiがS1のとき ks=S1/Sm、SiがSmのとき
ks=Sm/Sm=1、SiがS2のときks=S2/Smとなる。
通電時間算出手段3は、各代表階調番号ごとに通電時
間データDTiにksを乗算し通電時間データDSiを算出す
る。
例えば、印画速度Si=S1の時補正係数ks=S1/Sm=ks1
とすると、データ参照番号の場合、通電時間データは
DT1×ks1となる。以下、データ参照番号ではDT2×ks
1、データ参照番号ではDT3×ks1となり、以下、全て
のデータ参照番号において繰り返すことにより、速度Si
における通電時間データを算出することができる。
次に、階調に対する通電時間の算出について説明す
る。第5図は、画像信号の各階調に対する通電時間デー
タの算出する動作についての説明である。以下通電時間
データを算出する動作について説明する。
通電データ算出手段3ではサーマルヘッド6で検出さ
れた温度Tiに応じて、階調ROM4から必要な温度列を読み
だし、Tiの属する温度列のデータを算出し、次に第4図
で説明したように、Siの属する速度による補正係数デー
タを算出する。ここで、各参照番号におけるデータは前
述のように1階調あたりの増分値で示される。
次に、通電データ算出手段3内の、LUTは、第5図
(a)に示すように、各階調に対して割り当てるデータ
参照番号を有し、このデータ参照番号を介して第5図
(b)の通電時間差データを各階調に割り当てる。この
LUTによる割当内容の選定方法は、種々考えられるが、
1例として、第10図のような通電時間−濃度曲線におい
て、濃度を各階調ごとに一定量ΔFずつに分割したとき
の対応する通電時間差ΔTを当該階調の通電時間差とし
て、この時間差に該当するデータを選択してそのデータ
参照番号をLUTの該当するデータを選択してそのデータ
参照番号をLUTの該当する階調番号に対応づければよ
い。通電データ算出手段3は、さらにLUTにより各階調
に割り当てられたデータに基づいて、初期の階調−通電
時間データを算出する。
通電データ算出手段3では、記録開始前に、その時点
のサーマルヘッド6の温度を検出し、その検出温度に応
じて、リアルタイムに階調−通電時間データを算出し、
中間調制御手段2に出力する。
第6図は、第2図に示すデータ構成から、温度方向及
び速度方向にデータを補間算出し、全階調の通電時間デ
ータを算出するためのフローチャートの別の一例を示
す。
(a)から(d)および(g)から(h)までは第3
図と同様に処理を行う。
(e)および(f)における速度に対する通電時間の
算出について説明する。
第7図は、階調ROM4に通電時間データとともに記憶さ
れている補正データを示す。以下、通電時間データを算
出する動作について説明する。
印画速度検出手段5は、現在の印画速度Siを検出す
る。階調ROM4に第7図に示すように、代表速度における
通電時間データとともに印画速度Siそれぞれに対応する
補正係数ksが記憶されている。通電時間算出手段3は印
画速度検出手段5が検出した印画速度Siに対応する補正
係数ksを読みだす。通電時間算出手段3は、各代表階調
番号ごとに通電時間データDTiにksを乗算して通電時間
データDSiを算出する。
以上の処理を示てのデータ参照番号において繰り返す
ことにより、速度Siにおける通電時間データを算出する
ことができる。本例においては印画速度に対し階調−通
電時間曲線が線形にならない場合に有効となる。
第8図は、第2図に示すデータ構成から、温度方向及
び速度方向にデータを補間算出し、全階調の通電時間デ
ータを算出するためのフローチャートの別の一例を示
す。
(a)から(d)および(g)から(h)までは第3
図と同様の処理を行う。
(e)および(f)における速度に対する通電時間の
算出について説明する。
第9図は、階調ROM4に通電時間データとともに記憶さ
れている補正データの別の一例を示す。以下、通電時間
データを算出する動作について説明する。
印画速度検出手段5は、現在の印画速度Siを検出す
る。階調ROM4には代表速度における通電時間データとと
もに印画速度Siおよびデータ参照番号それぞれに対応す
る補正係数ksが記憶されている。通電時間算出手段3は
印画速度検出手段5が検出した印画速度Siと算出を行う
データ参照番号に対応する補正係数ksを読みだす。通電
時間算出手段3は、各代表階調番号ごとに通電時間デー
タDTiにksを乗算して通電時間データDSiを算出する。
以上の処理を全てのデータ参照番号において繰り返す
ことにより、速度Siにおける通電時間データを算出する
ことができる。
第10図は第4図において算出された通電時間データの
一例を示す階調−通電時間データを示す図である。第10
図において縦軸を累積した通電時間データ、横軸は階調
を示している。
第10図に示すように、階調−通電時間データのグラフ
は階調ごとの折れ線グラフとなっている。インク紙9の
もつ階調−濃度曲線の代表的な傾き、即ち、階調あたり
の増分値でデータを構成しているので、各階調ごとに最
適な通電時間データが割り当てられる。また、印画速度
により3本の階調−通電時間データのグラフをつくるこ
とができる。第2図に示すような簡単なデータ構成およ
び第3図の算出・処理により、階調−濃度曲線を再現性
よく算出することができ、また一組の通電時間データよ
り異なる印画速度に対応した階調−濃度曲線を算出する
ことができる。
カラー印画の場合、2色目3色目のイン等についても
同様の第2図に示すようなデータを階調ROM4内にもち、
それぞれサーマルヘッド6で検出された温度データに合
わせて、通電時間データを算出する。
以上により、サーマルヘッド6の温度に応じて、最適
な実通電時間データが求められるので、環境温度や連続
印画枚数に関わらず、一定の階調〜濃度特性をもった印
画が行われる。また、階調ROM4内の代表通電時間データ
を温度,階調それぞれに代表的な値で構成するため、階
調ROM4の容量の低減がはかれる。
また、一つの代表印画速度に対応する通電時間データ
を階調ROMにもつことで複数の印画速度に対応できるた
め、さらに階調ROM4に格納するデータ量が少なくでき
る。(本実施例の場合約1/10にデータ量を低減でき
る。) 第11図は、本発明の第4の実施例の構成を示し、中間
調制御手段2はクロックパルス発生手段12からのクロッ
クをカウントすることによりサーマルヘッド6に対して
ストロープ信号を出力する。このため通電時間算出手段
3より中間調制御手段2に出力する通電時間データは全
てクロック数を出力する。ここでクロック数は整数とな
るので通電時間算出手段3が中間調制御手段2に出力す
るデータも整数となる。このため2つの代表温度列によ
り、通電時間データを補間算出する場合に、整数化した
ときの丸め誤差は無視できない量となる。丸め誤差を低
減するためにはクロックの周波数をあげ、対応するデー
タのビット数をあげることで可能であるが、階調ROM4に
記憶するデータ量が増加してしまう。
第13図は、第11図における階調ROM4に記録される1色
目のインクの隣接階調間の代表的な通電時間差のデータ
構成の一例を示す。ここで記憶されている通電時間デー
タは、中間調制御手段2が使用する為全て整数のデータ
となる。
第12図に、第13図に示すデータ構成から、通電時間デ
ータを補間算出し、全階調の通電時間データを算出する
ためのフローチャートの一例を示す。
まず、処理(a)では印画命令により、温度センサ7
でサーマルヘッド6の温度を検出し、検出された温度Ti
を表す温度データが第1図での通電データ算出手段3に
入力される。
処理(b)で、印画速度検出手段5で印画速度を検出
し、検出された速度Siが通電データ算出手段3に入力さ
れる。
処理(c)で、階調ROM4に記憶された代表温度列の中
から検出温度Tiをはさむ代表温度列Tm,Tn,(Tm<Ti<T
n)を特定し読みだす。ここでは、代表温度列TmからTn
まで温度方向に四段階に分割、すなわち、Tm,Ta,Tb,Tc,
Tnと分割し、Ta,Tb,Tcを補間算出する場合について説明
する。
まず1番目のデータ参照番号に対応するデータにつて
計算を行う。
処理(d)で、代表温度列TmとTnにおけるデータDTm,
DTnの差ΔDTmnをもとめ、この差ΔDTを4で除算し各温
度列についての増分ΔDTを求める。検出温度Tiがどの温
度列に属するかによって、Taに属する場合にはΔDT×1,
Tbに属する場合にはΔDT×2,Tcに属する場合にはΔDT×
3をおこない、さらにDTmに加算することで温度列Tiに
おけるデータDTiをもとめる。
処理(e)で、通電時間算出手段3は検出された速度
Siを基準とする速度Smで除算し補正係数ksを算出し、通
電時間データDTiにksを乗算し通電時間データDSiを算出
する。
処理(f)で、前回算出した通電時間データの小数部
dniを加算する処理を行うが、1番目のデータ算出の場
合には前回データは0であり、痛通電時間データは変化
しない。
処理(g)で、算出したデータを整数部DNiと小数部d
niに分割する。整数部DNiは通電時間データとして、印
画時に中間調制御手段2に送られるデータとなる。ま
た、小数部dniは、通電データ算出手段3内部に記憶さ
れる。
次に2番目以降のデータ参照番号に対応するデータに
ついて計算を行う 処理(d)で、代表温度列TmとTnにおけるデータDTm,
DTnの差ΔDTmnをもとめ、この差ΔDTを4で除算し各温
度列についての増分ΔDTを求める。検出温度Tiがどの温
度列に属するかによって、Taに属する場合には、ΔDT×
2,Tcに属する場合にはΔDT×3をおこない、さらにDTm
に加算することで温度列DTiにおけるデータDTiをもとめ
る。
処理(e)で、通電時間算出手段3は検出された速度
Si基準とする速度Smで除算し補正係数ksを算出し、通電
時間データDTiにksを乗算し通電時間データDSiを算出す
る。
処理(f)で、前回算出した通電時間データの小数部
dniを加算する処理を行う、2番目のデータ算出の場合
は、1番目に算出しデータの小数部dniを加算する。こ
の処理により前回小数部として切り捨てられたデータが
今回の通電時間の算出に利用される。
処理(g)で、算出したデータを整数部DNiと小数部d
niに分割する。整数部DNiは通電時間データとして、印
画時に中間調制御手段2に送られるデータとなる。ま
た、小数部dniは、通電データ算出手段3内部に記憶さ
れ次回の通電時間データの算出に利用される。
以上、処理(d)〜(g)を全てのデータ参照番号に
おいて繰り返すことにより、Tiの属する温度列のデータ
を算出するこができる。
次に、処理(h)で、通電データ算出手段3は、後述
する方法により検出温度Tiの属する温度列のデータをデ
ータ参照番号を介して、各階調に割り当てる。
処理(i)で、各階調に割り当てた通電時間差を表す
データに基づいて、各階調の通算した通電時間データを
算出する。
以上のように、簡単な算出の処理でサーマルヘッド6
におけ検出温度Tiについて、最適なデータが算出され、
階調−通電時間データが求められる。
第14図により、第13図に示すデータ構成に基づいて、
データを補間するデータ補間の一例を示す。
ここでは、温度センサ7により検出されたサーマルヘ
ッド6の温度TiがT2からT3のはんいのTa,Tb,Tcのいずれ
かに属する場合、印画速度は標準のSmのばあいについて
説明する。なお、T2,T3と同様、Ta,Tb,Tcもそれぞれ数
℃の範囲(例えば、基準温度±2℃)に対応づけられて
いる。
例えば、TiがTaの温度範囲に属する場合は、代表温度
列T2とT3におけるデータDP12,DP13の差をもとめ、この
差を4で除算し各温度列についての増分を求める。この
増分に1を乗じたものをDP12に加算したものの整数部を
Taにおけデータとする。即ち、DA1は、DA1=DP12+
((DP13−DP12)/4)×1により求められた値の整数部
である。つぎに、上で求められた値の小数部をdalとしD
A2の計算を行う。データDP22,DP23の差をもとめ、この
差を4で除算し各温度列についての増分も求める。この
増分に1を乗じたものをDP22に加算しさらにdalを加算
したものの整数部をTaにおけるデータとする。即ち、DA
2は、 DA2=DP22+((DP23−DP22)/4)×1+dal により求められた値の整数部である。つぎに、上で求め
られた値の小数部をda2としDA3の算出を行う。以下同様
に、DA3,…DA8が算出される。
例えば、TiがTbの温度範囲に属する場合は、代表温度
列T2とT3におけるデータDP12,DP13の差をもとめ、この
差を4で除算し各温度列についての増分を求める。この
増分に2を乗じたものをDP12に加算したものの整数部を
Tbにおけるデータとする。即ち、DB1は、 DB1=DP12+((DP13−DP12)/4)×2 により求められた値の整数部である。つぎに、上で求め
られた値の小数部をdb1としDB2の計算を行う。データDP
22,DP23の差をもとめ、この差を4で除算し各温度列に
ついての増分を求める。この増分に1を乗じたものをDP
22に加算しさらにdb1を加算したものの整数部をTbにお
けるデータとする。即ち、DB2は、 DB2=DP22+((DP23−DP22)/4)×2−db1 により求められた値の整数部である。つぎに、上で求め
られた値の小数部をdb2としDB3の算出を行う。以下同様
に、DB3,…DB8が算出される。
例えば、TiがTcの温度範囲に属する場合は、代表温度
列T2とT3におけるデータDP12,DP13の差をもとめ、この
差を4で除算し各温度列についての増分を求める。この
増分に3を乗じたものをDP12に加算したものの整数部を
Tcにおけるデータとする。即ち、DC1は、 DC1=DP12+((DP13−DP12)/4)×3 により求められた値の整数部である。つぎに、上で求め
られた値の小数部dc1としDC2の計算を行う。データDP2
2,DP23の差をもとめ、この差を4で除算し各温度列につ
いての増分を求める。この増分に1を乗じたものをDP22
に加算しさらにdc1を加算したものの整数部をTcにおけ
るデータとする。即ち、DC2は、 DC2=DP22+((DP23−DP22)/4)×3+dc1 により求められた値の整数部である。つぎに、上で求め
られた値の小数部をdc2としDC3の算出を行う。以下同様
に、DC3,…DC8が算出される。
以上により、データの補間算出をおこない、通電時間
データを算出する。このデータ算出法を用いると、階調
ROM4にもつデータは、整数でよくデータ量の低減がはか
れる。また精度値でよく代表温度列間の温度列の階調−
通電時間曲線を再現できるので、一定の階調〜濃度特性
をもった印画が行われる。
また、このような補間処理を印画速度に対する通電時
間の算出など、除算の計算を有する算出処理に適用する
ことも可能である。
〔発明の効果〕
サーマルヘッドの温度により連続的に変化するインク
色材の印画濃度特性に応じた通電時間に関するデータ
を、代表的な温度についてのみ保有し、該当しない温度
については補間データを用いることにより、ROM等のデ
ータ格納用記憶手段に格納すべきデータの容量を低減す
ることができ、かつ、温度変化によらず一定の階調濃度
特性をもった中間調表現ができる。
また、印画速度により変化するインク色材の印画濃度
特性に応じた通電時間に関するデータを、代表的な速度
についてのみ保有し、該当しない速度については補正係
数を用い補正することによりROM等のデータ格納用記憶
手段に格納すべきデータの容量を低減することができ、
かつ、印画速度によらず一定の階調濃度特性をもった中
間調表現ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による第1の実施例の感熱記録装置の構
成を示すブロック図、第2図は階調ROMに格納するデー
タの構成図、第3図は第1図の実施例の動作を示すフロ
ーチヤート、第4図は第1図の実施例における速度の補
正を示す説明図、第5図は第1図の実施例におけるLUT
の説明図、第6図は第2の実施例の動作を示すフローチ
ャート、第7図は第6図の実施例における速度の補正を
示す説明図、第8図は第3の実施例の動作を示すフロー
チャート、第9図は第8図の実施例における速度の補正
を示す説明図、第10図は第1の実施例の階調−通電時間
のグラフを示す図、第11図は本発明による第4の実施例
の感熱記録装置の構成を示すブロック図、第12図は第11
図の実施例の動作を示すフローチャート、第13図は階調
ROMに格納するデータの構成図、第14図は第11図の実施
例におけるデータ補間の説明である。 1……画像信号源、2……中間調制御手段、3……通電
データ算出手段、4……階調ROM、5……印画速度検出
手段、6……サーマルヘッド、7……温度センサ、8…
…発熱抵抗体、9……インク紙、10……ドラケ、11……
記録紙、12……クロックパルス発生手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 2/365 B41J 2/35

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サーマルヘッドの発熱体への通電時間を制
    御することにより多階調の記録を行う感熱記録装置にお
    いて、予め設定される1もしくは複数の特定温度毎に複
    数の特定階調各々に対する通電時間を表す代表通電時間
    データを複数組記憶する記憶手段と、該上記サーマルヘ
    ッドの温度を検出する温度検出手段と、記録時の印画速
    度を検出する検出手段と、該温度検出手段により検出さ
    れた温度に応じて、該温度を内包する第1及び第2の温
    度の両組のデータを上記記憶手段から読み出し、該読み
    出した両組のデータを補間し、該速度検出手段により検
    出された速度に応じて補正データを算出し、該補間した
    データを該算出したデータで補正し、当該温度および速
    度に対応する新たな一組の通電時間に関するデータを算
    出する通電時間算出手段を備え、前記通電時間データが
    整数であり、前記通電時間算出手段は、該温度を内包す
    る第1及び第2の温度の両組のデータを上記記憶手段か
    ら読み出し、該読み出した両組のデータを補間して、当
    該温度に対応する新たな一組の通電時間データを算出す
    る場合に、前階調の該通電時間データの小数部を現階調
    の通電時間データに加算することで、新たな一組の通電
    時間に関するデータを算出するように構成されているこ
    とを特徴とする感熱記録装置。
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