JP5313208B2 - プリンタおよびプログラム - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、プリンタおよびプログラムに関する。
サーマルヘッドの1ライン上に配列された複数の発熱素子を駆動して、サーマルヘッドとプラテンローラに挟持されて搬送される感熱記録媒体に対して熱エネルギーを供給することにより印字するサーマルプリンタがある。近年、サーマルプリンタは、装置の小型化や電池駆動等の理由から電源容量が少なくなっているため、サーマルヘッドの複数の発熱素子を印字率によって一括駆動または分割駆動させている(特許文献1参照)。
しかしながら、従来のサーマルプリンタにおいては、サーマルヘッドの複数の発熱素子を分割駆動する際の分割数を変更した場合、発熱素子毎に駆動していない時間が異なるため、感熱記録媒体の印字濃度に部分的なムラが生じる、という課題がある。
実施形態のプリンタは、プラテンローラと、サーマルヘッドと、検知手段と、変更手段と、モータ制御手段と、ヘッド制御手段と、を備える。前記プラテンローラは、回転駆動するモータからの駆動力を受けて記録媒体を搬送する。前記サーマルヘッドは、前記プラテンローラに前記記録媒体を介して当接するとともに、複数の発熱素子を分割駆動して前記記録媒体に印字する。前記検知手段は、前記サーマルヘッドの前記発熱素子のうち印字する発熱素子を検知する。前記変更手段は、前記検知手段により検知した発熱素子の数に応じて、前記発熱素子を分割駆動する際の分割数を変更する。前記モータ制御手段は、前記変更手段により前記分割数が変更された場合、前記モータの回転速度を加速または減速させる。前記ヘッド制御手段は、前記モータの回転速度が加速または減速している間、前記変更手段により変更される前の前記分割数で前記発熱素子を分割駆動させる際に同時に駆動する前記発熱素子の駆動時間を部分的に重複させることを可能とする。
図1は、本実施形態にかかるラベルプリンタを概略的に示す側面図である。 図2は、ラベルプリンタの各部の電気的接続を示すブロック図である。 図3は、サーマルヘッドの構成を示すブロック図である。 図4は、ヘッドコントローラおよびモータドライバの構成を示すブロック図である。 図5は、ステッピングモータをスローアップさせた場合の回転速度の変化を示す図である。 図6は、ステッピングモータをスローダウンさせた場合の回転速度の変化を示す図である。 図7は、従来のラベルプリンタにおいて発熱素子を3分割駆動から一括駆動に変更した場合のストローブ信号のタイミングチャートを示す図である。 図8は、従来のラベルプリンタにおいて発熱素子を3分割駆動から一括駆動に変更した場合のブロック毎の発熱素子の印字濃度を示す図である。 図9は、従来のラベルプリンタにおいて発熱素子を3分割駆動した場合のストローブ信号のタイミングチャートおよびnライン目の印字例を示す図である。 図10は、従来のラベルプリンタにおいて発熱素子を3分割駆動から一括駆動に変更した場合のストローブ信号のタイミングチャートおよびn,n+1ライン目の印字例を示す図である。 図11は、従来のラベルプリンタにおいて発熱素子を3分割駆動から一括駆動に変更した場合のn,n+1ライン目の印字例およびガウス分布を示す図である。 図12は、従来のラベルプリンタにおいて発熱素子を3分割駆動から一括駆動に変更した場合のn,n+1ライン目の印字例およびガウス分布を示す図である。 図13は、本実施形態にかかるラベルプリンタにおいて発熱素子を3分割駆動から一括駆動に変更した場合のストローブ信号のタイミングチャートである。 図14は、本実施形態にかかるラベルプリンタにおいて発熱素子を3分割駆動から一括駆動に変更した場合の印字例を示す図である。 図15は、従来のラベルプリンタにおいて発熱素子を一括駆動した場合のストローブ信号のタイミングチャートおよびnライン目の印字例を示す図である。 図16は、従来のラベルプリンタにおいて発熱素子を一括駆動から3分割駆動に変更した場合のストロー部信号のタイミングチャートおよびn,n+1ライン目の印字例を示す図である。 図17は、従来のラベルプリンタにおいて発熱素子を一括駆動から3分割駆動に変更した場合のn,n+1ライン目の印字例およびガウス分布を示す図である。 図18は、従来のラベルプリンタにおいて発熱素子を一括駆動から3分割駆動に変更した場合のn,n+1ライン目の印字例およびガウス分布を示す図である。 図19は、本実施形態にかかるラベルプリンタにおいて発熱素子を一括駆動から3分割駆動に変更した場合のストローブ信号のタイミングチャートである。 図20は、本実施形態にかかるラベルプリンタにおいて発熱素子を一括駆動から3分割駆動に変更した場合の印字例を示す図である。
図1は、本実施形態にかかるラベルプリンタを概略的に示す側面図である。ハウジング4の外部に連続紙2を保持する用紙保持部3が設けられている。本実施形態にかかるラベルプリンタ1は、この用紙保持部3に保持された連続紙2をハウジング4の内部に引き込み、引き込んだ連続紙2に対してハウジング4の内部に収納された印字機構5によって所定事項を印字する。本実施形態では、連続紙2(記録媒体)としては、基材上に熱で発色する感熱層が設けられた感熱記録媒体がロール状に巻き回されたロール紙形態のラベル用紙またはタグ用紙が用いられる。
ハウジング4の内部には、給紙口6から排紙口7に連なる通紙経路8が形成されている。用紙保持部3において回転自在な一対の用紙保持ローラ9に転動自在に保持された連続紙2は、給紙口6から通紙経路8に引き込まれ、排紙口7から排紙されるように案内されている。
こうして連続紙2を案内する通紙経路8には、印字機構5が設けられている。印字機構5は、回転駆動するステッピングモータ10(図2参照)から駆動力を受けて連続紙2を搬送するプラテンローラ11と、このプラテンローラ11との間で連続紙2を挟持するサーマルヘッド12とを主体に形成されている。サーマルヘッド12は、プラテンローラ11と平行に配置された支軸13に回動自在に支持されたヘッド保持板14に保持されており、このヘッド保持板14は、図示しないスプリングによってサーマルヘッド12がプラテンローラ11に押し付けられる方向に付勢されている。
ここで、印字機構5による印字済み連続紙2の発行形態として、本実施形態のラベルプリンタ1では、通紙経路8において印字機構5のすぐ下流位置に配置されたラベル剥離部15を用いて台紙からラベルを剥離して発行する剥離発行、連続紙2をそのままの形態で発行する連続発行、およびカッタユニット16を用いて1ラベル毎に台紙をカットしてラベルを発行するかまたは連続紙2を所定の単位でカットして発行するカット発行という3種類の発行形態の選択が可能である。ここでは、そのための構造や制御の説明は省略する。
図2は、ラベルプリンタの各部の電気的接続を示すブロック図である。プラテンローラ11を回転させるためのステッピングモータ10やサーマルヘッド12等の各部は、CPU(Central Processing Unit)17等によって構成されたマイクロコンピュータ18によって駆動制御される。つまり、各種演算処理を実行して各部を集中的に制御するCPU17が設けられ、このCPU17には固定データを固定的に格納するROM(Read Only Memory)19と可変データを書換え自在に格納するRAM(Random Access Memory)20とがシステムバス21を介して接続されている。ROM19には制御プログラムが格納され、マイクロコンピュータ18は、ROM19に格納された制御プログラムに従い、RAM20をワークエリアとして利用しつつ各種の処理を実行する。
本実施形態では、印刷機構5における印刷動作のためにマイクロコンピュータ18に駆動制御される各部として、プラテンローラ11を回転させるためのステッピングモータ10を駆動制御するためのモータドライバ22と、サーマルヘッド12を制御するヘッド制御部であるヘッドコントローラ40とが設けられている。これらのモータドライバ22およびヘッドコントローラ40は、システムバス21を介してCPU17に接続されている。
また、本実施形態のラベルプリンタ1は、ライン型の印刷方式を採用することから、サーマルヘッド12が3つのブロックに分けられた複数の発熱素子R1〜R384(図3参照)を一括または分割駆動して連続紙2に主走査方向1ラインを印字し、連続紙2の搬送によって副走査方向に印字する。そのため、本実施形態では、副走査方向の印字のために、連続紙2の搬送タイミング等の検出が必要となり、このような検出のために透過型センサ25と反射型センサ26の2種類のセンサ部27が通紙経路8中に配置されている。これらの透過型センサ25および反射型センサ26は、I/Oポート28を介してシステムバス21に接続されている。ここで、透過型センサ25は、連続紙2として用いられたラベル用紙におけるラベル間の台紙部分を検出するセンサであり、反射型センサ26は、タグ用紙に印刷された位置検出用のマークを検出するセンサである。
さらに、本実施形態のラベルプリンタ1では、外部機器から転送された印字データを、インターフェース29を介して取り込み、このインターフェース29を介して取り込んだ印字データを変換して画像メモリ30に展開する。なお、CPU17は、受信した印字データを変換した印字データから1ライン毎の印字データを出力する。そのため、それらのインターフェース29および画像メモリ30も、システムバス21を介してCPU17に接続されている。
加えて、サーマルヘッド12のヘッド基板(図示しない)にはサーミスタおよびADコンバータ(図示しない)が取り付けられており、このサーミスタによる検出信号(ヘッド温度情報)はADコンバータによりデジタル値に変換されてCPU17に取り込まれるように接続されている。
図3は、サーマルヘッドの構成を示すブロック図である。サーマルヘッド12は、ライン状に配列された発熱素子R1〜R384を有している。そして、発熱素子R1〜R384には、複数のドライバIC(S1〜S6)が接続されている。ドライバIC(S1〜S6)は、入力されるクロック信号CLKを基準クロックとしてシリアルデータをパラレルデータに変換するシフトレジスタ回路、シフトレジスタ回路でパラレル変換されたデータを保持するとともに、データラッチ信号LATCHの入力に応じて当該保持するデータをゲート回路に出力するラッチ回路、デジタル用電圧VDDが入力され、当該ラッチ回路から出力されたデータを一括にコントロールするゲート回路、および発熱素子R1〜R384に印加電圧VHを供給するトランジスタを備えている。
本実施形態では、サーマルヘッド12は、384個の発熱素子R1〜R384を有し、1つのドライバIC(S1〜S6)によって64個の発熱素子を制御している。ヘッドコントローラ40は、CPU17から出力された印字データをシリアルデータDIN1〜3としてドライバIC(S1〜S6)に出力する。また、本実施形態では、2つのドライバICがカスケード接続されており、ヘッドコントローラ40は、カスケード接続された2つのドライバICのうちいずれか一方にのみシリアルデータを出力するものとする。そして、ドライバIC(S1〜S6)は、シリアルデータDIN1〜3が入力されると、入力されたシリアルデータDIN1〜3をパラレルデータに変換するとともに、ヘッドコントローラ40から出力されたストローブ信号STB1〜6に応じて発熱素子R1〜R384を駆動する。
ストローブ信号STB1〜6は、ストローブ信号STB1とストローブ信号STB2、ストローブ信号STB3とストローブ信号STB4、およびストローブ信号STB5とストローブ信号STB6の3つのグループに分けられる。そして、各グループのストローブ信号は、サーマルヘッド12が有する発熱素子R1〜R384の駆動をブロック毎に制御するパルス信号である。具体的には、ストローブ信号STB1とストローブ信号STB2は、サーマルヘッド12が有する3つのブロックのうち、発熱素子R1〜R128のブロックの駆動を制御するパルス信号である。また、ストローブ信号STB3とストローブ信号STB4は、サーマルヘッド12が有する3つのブロックのうち、発熱素子R129〜R256のブロックの駆動を制御するパルス信号である。また、ストローブ信号STB5とストローブ信号STB6は、サーマルヘッド12が有する3つのブロックのうち、発熱素子R257〜R384のブロックの駆動を制御するパルス信号である。
発熱素子R1〜R384の駆動方法には、ライン状に配列された発熱素子R1〜R384を一括で駆動させる方法と分割して駆動させる方法とがある。発熱素子R1〜R384を一括駆動させるか分割駆動させるかは、ラベルプリンタ1の電源に依存する。ラベルプリンタ1の電源の容量が大きい場合には、発熱素子R1〜R384を一括で駆動させることができる。一方、ラベルプリンタ1の電源の容量が小さい場合には、一度に流せる電流に限りがあるため、発熱素子R1〜R384を分割駆動させる必要がある。
具体的には、ヘッドコントローラ40は、発熱素子R1〜R384を一括で駆動させる場合、ストローブ信号STB1〜6をドライバIC(S1〜S6)に対して同時に入力して発熱素子R1〜R384を一括で駆動させる。発熱素子R1〜R384を一括で駆動させる方法は、印字速度を速くできるという利点があるが、ラベルプリンタ1の電源の容量が大きくなければならないという欠点がある。
一方、ヘッドコントローラ40は、発熱素子R1〜R384を分割駆動させる場合、ラベルプリンタ1の電源の容量に応じて、ストローブ信号STB1〜6をグループ分けして、ストローブ信号STB1〜6を印字期間中にドライバIC(S1〜S6)に対してグループ毎に順次入力して、発熱素子R1〜R384を分割駆動させる。発熱素子R1〜R384を分割駆動させる方法は、ラベルプリンタ1の電源の容量が小さくできるという利点があるが、印字速度を高速化できないという欠点がある。
次に、ラベルプリンタ1のヘッドコントローラ40およびモータドライバ22の構成および機能の詳細について説明する。図4は、ヘッドコントローラおよびモータドライバの構成を示すブロック図である。
図4に示すように、ヘッドコントローラ40は、生成部41、検知部42、変更部43、印字速度決定部44、ラインメモリ45、ラインメモリコントローラ46、およびタイミングコントローラ47を備えている。また、モータドライバ22は、モータ制御部22aを備えている。
生成部41は、CPU17からの1ライン毎の印字データを受け、1画素(発熱素子R1〜R384)毎の印字データを生成するものである。
検知部42は、生成部41により生成された1ライン毎の印字データに従って、サーマルヘッド12の発熱素子R1〜R384のうち印字する発熱素子を検知するものである。また、検知部42は、生成部41により生成された1ライン毎の印字データをラインメモリ44に転送する。
変更部43は、検知部42により検知した発熱素子の数に応じて、発熱素子R1〜R384を分割駆動する際の分割数を変更する。本実施形態では、変更部43は、検知部42により検知した発熱素子の数が「1〜128」の場合には、発熱素子R1〜R384を分割駆動する際の分割数を「1」に変更する(つまり、発熱素子R1〜384の一括駆動に変更する)。一方、変更部43は、検知部42により検知した発熱素子の数が「129以上」である場合には、発熱素子R1〜R384を分割駆動する際の分割数を一括駆動から「3」に変更する。また、変更部43は、発熱素子R1〜R384を分割駆動する際の分割数を記憶する分割数レジスタ43aを備えている。分割数レジスタ43aは、変更前の分割数および変更後の分割数を記憶しておくものとする。
モータ制御部22aは、停止状態から印字開始の際の段階的に加速する場合や印字状態から停止状態に減速する場合、発熱素子R1〜R384を駆動する際の分割数の変更に伴ってステッピングモータ10の回転速度を加速または減速するものである。ステッピングモータ10は、モータの特性上、一気に回転速度を上げたり下げたりすることはできない。そのため、モータ制御部22aは、段階的にステッピングモータ10の回転速度を加速したり(スローアップ)減速したり(スローダウン)するものとする。
図5は、ステッピングモータをスローアップさせた場合の回転速度の変化を示す図である。図6は、ステッピングモータをスローダウンさせた場合の回転速度の変化を示す図である。図5に示すように、モータ制御部22aは、発熱素子R1〜R384を分割駆動する際の分割数が「1」に変更された場合(つまり、発熱素子R1〜384を一括駆動させる場合)、ステッピングモータ10の回転速度を段階的に加速させる。一方、図6に示すように、モータ制御部22aは、発熱素子R1〜R384を分割駆動する際の分割数が「3」に変更された場合、ステッピングモータ10の回転速度を段階的に減速させる。なお、本実施形態では、モータ制御部22aは、発熱素子R1〜384を駆動する際の分割数が変更された場合、8段階に分けてステッピングモータ10の加速または減速するものとする。
印字速度決定部44は、分割数レジスタ43aに記憶された変更後の分割数に応じて発熱素子R1〜R384による印字速度を決定するものである。具体的には、印字速度決定部44は、分割数レジスタ43aに記憶された変更後の分割数に応じた発熱素子R1〜R384の基本駆動時間を読み出す。なお、発熱素子R1〜R384の基本駆動時間は、分割数毎にROM19等の記憶部に予め記憶されているものとする。次いで、印字速度決定部44は、読み出した基本駆動時間を、印字率、周囲温度、サーマルヘッド12のヘッド温度、サーマルヘッド12の抵抗値、ラベルプリンタ1の電源の電圧等により補正した補正駆動時間(1ラインの印字に要する時間)を算出する。そして、印字速度決定部44は、算出した補正駆動時間および分割数レジスタ43aに記憶された変更後の分割数により、印字速度を決定する。
ラインメモリ45は、検知部42を介して受けた印字データを記憶するものである。ラインメモリコントローラ46は、ラインメモリ45を制御するものである。
タイミングコントローラ47(ヘッド制御手段)は、印字速度決定部44により決定された印字速度およびラインメモリ45に記憶された印字データを受けて、シリアルデータDIN1〜3、ストローブ信号STB1〜6、クロック信号CLK、およびデータラッチ信号LATをサーマルヘッド12に出力する。
また、タイミングコントローラ47は、ステッピングモータ10の回転速度が加速または減速している間、分割数レジスタ43aに記憶された変更前の分割数で発熱素子R1〜R384を分割駆動させる際に同時に駆動する発熱素子R1〜R384の駆動時間を部分的に重複させる。これにより、発熱素子R1〜R384を分割駆動させる際の分割数が変更された場合に、発熱素子R1〜R384間において各発熱素子が駆動していない時間を近づけることができる。
なお、タイミングコントローラ47は、ステッピングモータ10の回転速度が加速している間、変更前の分割数で発熱素子R1〜R384を分割駆動させる際に同時に駆動する発熱素子R1〜R384の駆動時間の重複を段階的に長くすることが好ましい。また、タイミングコントローラ47は、ステッピングモータ10の回転速度が減速している間、変更前の分割数で発熱素子R1〜R384を分割駆動させる際に同時に駆動する発熱素子R1〜R384の駆動時間の重複を段階的に短くすることが好ましい。これにより、発熱素子R1〜R384を分割駆動させる際の分割数が変更された場合に、発熱素子R1〜R384間において各発熱素子が駆動していない時間をより近づけることができる。
本実施形態では、タイミングコントローラ47は、発熱素子R1〜384を分割駆動する際の分割数が「1」になりステッピングモータ10の回転速度が段階的に加速している間、各グループのストローブ信号STB1〜6を部分的に同期して出力する。一方、タイミングコントローラ47は、発熱素子R1〜384を分割駆動する際の分割数が「3」になりステッピングモータ10の回転速度が段階的に減速している間も、各グループのストローブ信号STB1〜6を部分的に同期して出力する。
タイミングコントローラ47は、発熱素子R1〜384を分割駆動する際の分割数が変更された場合、下記の式(1)を用いて、各グループのストローブ信号STB1〜6を部分的に同期して出力する時間を求める。
L=K/{(M−1)*N}・・・・・式(1)
なお、式(1)において、Lは各グループのストローブ信号STB1〜6を同期して出力する時間であり、Nはステッピングモータ10の回転速度を加速または減速させた段階であり、Mは変更後の分割数であり、Kはストローブ信号STB1〜6のパルス幅である。
図7は、従来のラベルプリンタにおいて発熱素子を3分割駆動から一括駆動に変更した場合のストローブ信号のタイミングチャートを示す図である。図8は、従来のラベルプリンタにおいて発熱素子を3分割駆動から一括駆動に変更した場合のブロック毎の発熱素子の印字濃度を示す図である。従来のラベルプリンタにおいては、図7に示すように、3ライン目の印字が完了した時点で3分割駆動から一括駆動に変更された場合、4ライン目から直ちにストローブ信号STB1〜6が同期して出力されていた。そのため、従来のラベルプリンタにおいては、各ブロックの発熱素子間において、各ストローブ信号のオフ時間が異なるため、印字濃度が異なっていた(図8参照)。
図9は、従来のラベルプリンタにおいて発熱素子を3分割駆動した場合のストローブ信号のタイミングチャートおよびnライン目の印字例を示す図である。従来のラベルプリンタにおいては、図9に示すように、発熱素子R1〜R384を3分割駆動した場合、ストローブ信号STB1,2、ストローブ信号STB3,4、およびストローブ信号STB5,6は、それぞれ異なるタイミングで出力される。なお、ストローブ信号STB1〜6が出力される間、ラベルプリンタ1は、連続紙2の搬送を停止することなく継続する。そのため、ストローブ信号STB1,2により駆動が制御されるブロックの発熱素子R1〜128による印字箇所(1)と、ストローブ信号STB3,4により駆動が制御されるブロックの発熱素子R129〜R256による印字箇所(2)と、ストローブ信号STB5,6により駆動が制御されるブロックの発熱素子R257〜R384による印字箇所(3)との間には、副走査方向へのずれが生じる(図9参照)。
図10は、従来のラベルプリンタにおいて発熱素子を3分割駆動から一括駆動に変更した場合のストローブ信号のタイミングチャートおよびn,n+1ライン目の印字例を示す図である。図11および図12は、従来のラベルプリンタにおいて発熱素子を3分割駆動から一括駆動に変更した場合のn,n+1ライン目の印字例およびガウス分布を示す図である。従来のラベルプリンタにおいては、図10に示すように、発熱素子R1〜R384を3分割駆動から一括駆動に変更した場合、ストローブ信号STB1,2とストローブ信号STB3,4とストローブ信号STB5,6との間でオフ時間が異なっていた。そのため、従来のラベルプリンタにおいては、n+1ライン目のストローブ信号STB1〜6が出力された時点での温度が、発熱素子R1〜128と発熱素子R129〜256と発熱素子R257〜384とで異なるため、印字濃度に差が生じていた。
また、従来のラベルプリンタにおいては、図10に示すように、nライン目のストローブ信号STB1〜6による印字箇所(1)〜(3)(点線で示す)が副走査方向にずれているのに対し、n+1ライン目のストローブ信号STB1〜6による印字箇所(1)〜(3)は副走査方向にずれない。そのため、従来のラベルプリンタにおいては、nライン目のストローブ信号STB3〜6による印字箇所(2),(3)と、n+1ライン目のストローブ信号STB3〜6による印字箇所(2),(3)との間に重畳して印字される箇所が生じていた。さらに、従来のラベルプリンタにおいては、図11および図12に示すように、n,n+1ライン目のストローブ信号STB1,2による印字箇所(1)と、n,n+1ライン目のストローブ信号STB5,6による印字箇所(3)との間の熱のガウス分布の差ができ、温度差も大きかった。
図13は、本実施形態にかかるラベルプリンタにおいて発熱素子を3分割駆動から一括駆動に変更した場合のストローブ信号のタイミングチャートである。図14は、本実施形態にかかるラベルプリンタにおいて発熱素子を3分割駆動から一括駆動に変更した場合の印字例を示す図である。本実施形態にかかるラベルプリンタ1においては、発熱素子R1〜R382を3分割駆動から一括駆動に変更した場合、図13に示すように、ストローブ信号STB1,2と、ストローブ信号STB3,4と、ストローブ信号STB5,6とが部分的に同期して出力される時間が段階的に長くなるため、各ブロックの発熱素子間において、各ストローブ信号のオフ時間がほぼ同一にすることができる。また、本実施形態にかかるラベルプリンタ1においては、ライン間におけるストローブ信号STB3〜6による印字箇所の重複を最小限に抑えることができる。これにより、本実施形態にかかるラベルプリンタ1によれば、図14に示すように、発熱素子R1〜R384を3分割駆動から一括駆動に変更した場合における各ブロックの発熱素子R1〜R384による印字濃度の差を軽減することができる。なお、1〜3ライン目では、印字率が高く3分割が必要であるが、4ライン目からは、印字率が低下し、一括駆動で問題ない場合、4ライン目からは、前述したように、各ブロックの発熱素子R1〜R384の一部を同時に駆動することも可能である。
図15は、従来のラベルプリンタにおいて発熱素子を一括駆動した場合のストローブ信号のタイミングチャートおよびnライン目の印字例を示す図である。従来のラベルプリンタにおいては、図15に示すように、発熱素子R1〜R384を一括駆動した場合、ストローブ信号STB1〜6が同期して出力される。そのため、ストローブ信号STB1,2により駆動が制御されるブロックの発熱素子R1〜R128による印字箇所(1)と、ストローブ信号STB3,4により駆動が制御されるブロックの発熱素子R129〜256による印刷箇所(2)と、ストローブ信号STB5,6により駆動が制御されるブロックの発熱素子R257〜R384による印刷箇所(3)との間には、副走査方向へのずれが生じない(図15参照)。
図16は、従来のラベルプリンタにおいて発熱素子を一括駆動から3分割駆動に変更した場合のストロー部信号のタイミングチャートおよびn,n+1ライン目の印字例を示す図である。図17および図18は、従来のラベルプリンタにおいて発熱素子を一括駆動から3分割駆動に変更した場合のn,n+1ライン目の印字例およびガウス分布を示す図である。従来のラベルプリンタにおいては、図16に示すように、発熱素子R1〜R384を一括駆動から3分割駆動に変更した場合、ストローブ信号STB1,2とストローブ信号STB3,4とストローブ信号STB5,6との間でオフ時間が異なっていた。そのため、従来のラベルプリンタにおいては、2ライン目のストローブ信号STB1〜6が出力された時点での温度が、発熱素子R1〜R128と発熱素子R129〜R256と発熱素子R257〜R384とで異なるため、印字濃度に差が生じていた。
また、従来のラベルプリンタにおいては、図16に示すように、nライン目のストローブ信号STB1〜6による印字箇所(1)〜(3)(点線で示す)が副走査方向にずれていないのに対し、n+1ライン目のストローブ信号STB1〜6による印字箇所(1)〜(3)は副走査方向にずれている。そのため、従来のラベルプリンタにおいては、nライン目のストローブ信号STB3〜6による印字箇所(2),(3)と、n+1ライン目のストローブ信号STB3〜6による印字箇所(2),(3)との間に印字されない箇所(空白)が生じていた。さらに、従来のラベルプリンタにおいては、図17および図18に示すように、n,n+1ライン目のストローブ信号STB1,2による印字箇所(1)と、n,n+1ライン目のストローブ信号STB5,6による印字箇所(3)との間の熱のガウス分布の差ができ、温度差も大きかった。
図19は、本実施形態にかかるラベルプリンタにおいて発熱素子を一括駆動から3分割駆動に変更した場合のストローブ信号のタイミングチャートである。図20は、本実施形態にかかるラベルプリンタにおいて発熱素子を一括駆動から3分割駆動に変更した場合の印字例を示す図である。本実施形態にかかるラベルプリンタ1においては、発熱素子R1〜R384を一括駆動から3分割駆動に変更した場合、図19に示すように、ストローブ信号STB1,2と、ストローブ信号STB3,4と、ストローブ信号STB5,6とが部分的に同期して出力される時間が段階的に短くなるため、各ブロックの発熱素子間において、各ストローブ信号のオフ時間がほぼ同一にすることができる。また、本実施形態にかかるラベルプリンタ1においては、ライン間におけるストローブ信号STB3〜6による印字箇所の間に生じる空白を最小限に抑えることができる。これにより、本実施形態にかかるラベルプリンタ1によれば、図20に示すように、発熱素子R1〜R384を一括駆動から3分割駆動に変更した場合における各ブロックの発熱素子R1〜R384による印字濃度の差を軽減することができる。なお、1ライン目〜8ライン目までは印字率が低く、一括駆動またはストローブ信号STB1,2と、ストローブ信号STB3,4と、ストローブ信号STB5,6とを一部重複して駆動できるが、9ライン目からは印字率が高くなるため、一括駆動またはストローブ信号STB1,2と、ストローブ信号STB3,4と、ストローブ信号STB5,6とを一部重複して駆動できない場合、前述したように、3ライン目までは、一括駆動し、4〜8ライン目は一部重複して駆動し、9ライン目からは3分割で駆動する。
なお、本実施形態のラベルプリンタ1が備える生成部41、検知部42、変更部43、印字速度決定部44、ラインメモリコントローラ46、タイミングコントローラ47、およびモータ制御部22aは、ハードウェアにより実現されているが、CPU17がROM19に予め記憶されたプログラムを実行することにより、上記の各部を実現することもできる。また、本実施形態のラベルプリンタ1で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供されるが、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、本実施形態のラベルプリンタ1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のラベルプリンタで実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
このように本実施形態のラベルプリンタ1によれば、ステッピングモータ10の回転速度が加速または減速している間、分割数レジスタ43aに記憶された変更前の分割数で発熱素子R1〜R384を分割駆動させる際に同時に駆動する発熱素子R1〜R384の駆動時間を部分的に重複させることにより、発熱素子R1〜R384を分割駆動させる際の分割数が変更された場合に、発熱素子R1〜R384間において各発熱素子が駆動していない時間を近づけることができるので、感熱記録媒体の印字濃度に部分的なムラが生じることを防止することができる。
本実施形態では、一括駆動と3分割駆動の2通りの例を示したが、一括駆動と2分割駆動と3分割駆動を行う場合でも同様にして、印字率に応じた分割数の決定、分割数に応じた印字周期の決定、および印字周期に応じたストローブ信号の重複部分を設けることにより、分割による段差(印字濃度の部分的なムラ)を軽減することができる。同様に、3分割駆動以上の6分割駆動等を行う場合でも、本実施形態が有効であることは言うまでもなく、分割数が多いほど、分割駆動から一括駆動に切り替わる場合のオフ時間の違いが多くなるので、印字品質の低下を防止する手段として有効である。
1 ラベルプリンタ
2 連続紙
10 ステッピングモータ
12 サーマルヘッド
17 CPU
19 ROM
22 モータドライバ
22a モータ制御部
40 ヘッドコントローラ
41 生成部
42 検知部
43 変更部
47 タイミングコントローラ
R1〜R384 発熱素子
STB1〜6 ストローブ信号
特開2001−310494号公報

Claims (6)

  1. 回転駆動するモータからの駆動力を受けて記録媒体を搬送するプラテンローラと、
    前記プラテンローラに前記記録媒体を介して当接するとともに、複数の発熱素子を分割駆動して前記記録媒体に印字するサーマルヘッドと、
    前記サーマルヘッドの前記発熱素子のうち印字する発熱素子を検知する検知手段と、
    前記検知手段により検知した発熱素子の数に応じて、前記発熱素子を分割駆動する際の分割数を変更する変更手段と、
    前記変更手段により前記分割数が変更された場合、前記モータの回転速度を加速または減速させるモータ制御手段と、
    前記モータの回転速度が加速または減速している間、前記変更手段により変更される前の前記分割数で前記発熱素子を分割駆動させる際に同時に駆動する前記発熱素子の駆動時間を部分的に重複させるヘッド制御手段と、
    を備えたことを特徴とするプリンタ。
  2. 前記モータ制御手段は、前記変更手段により前記分割数が減らされた場合、前記モータの回転速度を加速させることを特徴とする請求項1に記載のプリンタ。
  3. 前記ヘッド制御手段は、前記モータの回転速度が加速している間、前記駆動時間の重複を段階的に長くすることを特徴とする請求項2に記載のプリンタ。
  4. 前記モータ制御手段は、前記変更手段により前記分割数が増やされた場合、前記モータの回転速度を減速させることを特徴とする請求項1から3のいずれか一に記載のプリンタ。
  5. 前記ヘッド制御手段は、前記モータの回転速度が減速している間、前記駆動時間の重複を段階的に短くすることを特徴とする請求項4に記載のプリンタ。
  6. 回転駆動するモータからの駆動力を受けて記録媒体を搬送するプラテンローラと、前記プラテンローラに前記記録媒体を介して当接するとともに、複数の発熱素子を分割駆動して前記記録媒体に印字するサーマルヘッドと、を備えたプリンタを制御するコンピュータを、
    前記サーマルヘッドの前記発熱素子のうち印字する発熱素子を検知する検知手段と、
    前記検知手段により検知した発熱素子の数に応じて、前記発熱素子を分割駆動する際の分割数を変更する変更手段と、
    前記変更手段により前記分割数が変更された場合、前記モータの回転速度を加速または減速させるモータ制御手段と、
    前記モータの回転速度が加速または減速している間、前記変更手段により変更される前の前記分割数で前記発熱素子を分割駆動させる際に同時に駆動する前記発熱素子の駆動時間を部分的に重複させるヘッド制御手段と、
    として機能させるためのプログラム。
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